IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フモト・トレーディング株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-配達システム、サーバ、及び携帯端末 図1
  • 特許-配達システム、サーバ、及び携帯端末 図2
  • 特許-配達システム、サーバ、及び携帯端末 図3
  • 特許-配達システム、サーバ、及び携帯端末 図4
  • 特許-配達システム、サーバ、及び携帯端末 図5
  • 特許-配達システム、サーバ、及び携帯端末 図6
  • 特許-配達システム、サーバ、及び携帯端末 図7
  • 特許-配達システム、サーバ、及び携帯端末 図8
  • 特許-配達システム、サーバ、及び携帯端末 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】配達システム、サーバ、及び携帯端末
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0835 20230101AFI20240827BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
G06Q10/0835
B65G61/00 550
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019217640
(22)【出願日】2019-11-30
(65)【公開番号】P2021086589
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-11-29
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507180939
【氏名又は名称】フモト・トレーディング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095289
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 弘
(72)【発明者】
【氏名】山本 瑚涼
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-205823(JP,A)
【文献】特開2019-016157(JP,A)
【文献】特開2004-018125(JP,A)
【文献】国際公開第2014/174562(WO,A1)
【文献】特開2004-035225(JP,A)
【文献】特開2017-013923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配達物の配達先に指定され得る地点に配置され、その地点の位置情報が関連付けられている特定位置識別情報を担持した特定位置識別情報担持手段と、
予め指定された配達先地点に配達される配達物に保持され、各配達物毎に設定された配達物識別情報が担持された配達物情報担持手段と、
特定位置情報担持手段から特定位置識別情報を読み取り、及び配達物情報担持手段から配達物識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段による特定位置識別情報を読み取る処理と、配達物識別情報を読み取る処理との2つの処理の内、一方の処理から他方の処理までの間隔が、所定時間経過していない場合には、
前記配達物識別情報を読み取た配達物の位置と前記特定位置識別情報を読み取た配達先の位置とが同じ位置であることを担保するので、
前記読取手段で読み取った特定位置識別情報と配達物識別情報とを、サーバに送信する送信手段とを有する携帯端末と、
前記携帯端末から送信された特定位置識別情報と配達物識別情報とを受信する受信手段と、
配達物の発送前に供給された、その配達物の指定された配達先の位置情報と、その配達物の識別情報とを、相互に関連付けて記憶した配達情報記憶手段と、
特定位置識別情報に関連付けて、その特定位置の位置情報を記憶する特定位置情報記憶手段と、
受信した配達物識別情報に基づいて前記配達情報記憶手段から配達先の位置情報を取得する配達先位置情報取得手段と、
受信した特定位置識別情報に基づいて前記特定位置情報記憶手段から実際に配達された特定位置の位置情報を取得する配達位置情報取得手段と、
配達先位置情報取得手段で取得した指定配達先位置情報と、配達位置情報取得手段で取得した実際に配達された特定位置の位置情報とが合致した場合に配達完了と判定する判定手段とを有するサーバと、
を備える配達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、配達システムに係り、詳しくは留守宅に配達物を配達するに際して確実に配達の事実を確認できる配達システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、宅配サービスにおいて、留守宅に荷物を届けた場合の荷物の扱いが問題となっている。従来では、宅配業者は、不在連絡票を留守であった配達先に残し、荷物を持ち帰り、後日に在宅時間帯に再配達する方法が取られていた。或いは、集合住宅などでは、宅配ボックスに荷物を一時的に預けることによって、配達の完了とするシステムが設けられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-16157
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の再配達の仕組みでは、配達者は受取人が在宅になるまで何度も届け先まで荷物を運ぶ必要があり、配達者に多大の負担が掛かっていた。また、宅配ボックスに預ける場合、宅配ボックスが満杯になっている場合には、預けることができないといった問題もあった。
ところで、配達人が配達する荷物は、常に貴重な荷物とは限らない。荷物の内容によっては、直接受取人に渡さなくとも、配達人が留守中に玄関前においておき、受取人が帰宅した時に、玄関前に置いてある荷物を受け取ることにしても、支障がない荷物も存在する。そのような荷物は、特に価値のあるものではなく、万一第三者に持ち去られても、特に支障がない荷物である。このような置き配を可能にすれば、配達者の負担は相当軽減する。但し、この置き配を行った場合、受取人からり受取のサインが得られないといった問題があった。
【0005】
この発明は、置き配における受取証に替わるシステムを提供し、配達人の負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上のような問題を解決する本発明は以下の構成を備える。
(1)配達物の配達先に指定され得る地点に配置され、その地点の位置情報が関連付けられている特定位置識別情報を担持した特定位置識別情報担持手段と、
予め指定された配達先地点に配達される配達物に保持され、各配達物毎に設定された配達物識別情報が担持された配達物情報担持手段と、
特定位置情報担持手段から特定位置識別情報を読み取り、及び配達物情報担持手段から配達物識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段による特定位置識別情報を読み取る処理と、配達物識別情報を読み取る処理との2つの処理の内、一方の処理から他方の処理までの間隔が、所定時間経過していない場合には、
前記配達物識別情報を読み取た配達物の位置と前記特定位置識別情報を読み取た配達先の位置とが同じ位置であることを担保するので、
前記読取手段で読み取った特定位置識別情報と配達物識別情報とを、サーバに送信する送信手段とを有する携帯端末と、
前記携帯端末から送信された特定位置識別情報と配達物識別情報とを受信する受信手段と、
配達物の発送前に供給された、その配達物の指定された配達先の位置情報と、その配達物の識別情報とを、相互に関連付けて記憶した配達情報記憶手段と、
特定位置識別情報に関連付けて、その特定位置の位置情報を記憶する特定位置情報記憶手段と、
受信した配達物識別情報に基づいて前記配達情報記憶手段から配達先の位置情報を取得する配達先位置情報取得手段と、
受信した特定位置識別情報に基づいて前記特定位置情報記憶手段から実際に配達された特定位置の位置情報を取得する配達位置情報取得手段と、
配達先位置情報取得手段で取得した指定配達先位置情報と、配達位置情報取得手段で取得した実際に配達された特定位置の位置情報とが合致した場合に配達完了と判定する判定手段とを有するサーバと、
を備える配達システム。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載の本発明によれば、例えば一戸建てやマンションの各戸毎に特定位置識別情報が担持されており、配達先の特定位置識別情報と配達物に担持されている配達物識別情報とを、配達者が所持する携帯端末によって読み取る。この読み取った2つの識別情報を、配達物に関連付けて予め登録されていた配達物の配達先位置情報と、特定位置識別情報に関連付けられて登録されていた特定位置情報とを比較して、これらが合致していれば、配達完了と判定する。この判定が、配達が確かに完了したことを示す受取証となり、実際に配達物を受取人へ渡さなくとも、置き配が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の使用状況を示す斜視図である。
図2】本発明の本実施形態におけるシステムのシステム構成を示す概念図である。
図3】本発明の配達人の携帯端末、サーバの構成を示すブロック図である。
図4】本発明の携帯端末の処理を示すフローチャートである。
図5】本発明のサーバの処理を示すフローチャートである。
図6】本発明の携帯端末の処理を示すフローチャートである。
図7】本発明のサーバの処理を示すフローチャートである。
図8】本発明の携帯端末の処理を示すフローチャートである。
図9】本発明のサーバの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の配達システム、サーバ、及び携帯端末の好適実施形態について、添付図面に基づいて詳述する。
図1は、本発明の使用状況を示す斜視図である。本発明は、配達物としての荷物50を、直接受取人に渡さずに、配達先の家31の玄関ドア32の前に置くことによって、配達完了とする置き配システムにおいて、予め指定された配達先に確かに置き配したことを証明するシステムである。荷物50には、配達先の位置情報である住所と氏名(名称)が記載された伝票51が貼り付けられ、その伝票が貼り付けられた面と同じ面に、配達物識別情報が担持された配達物識別情報担持手段であるバーコード52が表示されている。このバーコード52は、シールに印刷されたものを荷物50に貼り付けでもよく、或いは荷物の表面に直接印刷されていてもよい。
【0029】
配達物の配達先となり得る地点である家31の玄関ドア32には、ポスト口33が設けられ、郵便物等を家内へ投入できるようになっている。また、玄関ドア32のノブの近傍には、この家の位置情報が関連付けられて設定されている特定位置識別情報を担持した特定位置識別情報担持手段であるバーコード34が表示されている。
そして、配達人は、携帯端末21bを所持し、留守中の家31の玄関ドア32の前に荷物50を置くと、最初に荷物50のバーコード52を携帯端末21bで読み取り、続いて玄関ドア32のバーコード34を読み取る。各バーコード52、34に担持されている識別情報が、携帯端末21b内で読み取られ、読み取られた各識別情報は、無線通信回線を通じて、サーバへ送信される。
【0030】
サーバ内では、配達物識別情報に関連付けて記憶されている荷物の配達先位置情報を、受信された配達物識別情報に基づいて抽出する。また、予め特定位置識別情報に関連付けて記憶されている特定位置情報を抽出し、抽出された配達先位置情報と照合して両者が一致するか判定する。一致した場合には、携帯端末21bに、配達完了情報を送信し、かつ、受取者の端末に配達完了通知、完了した日時情報を通知する。
携帯端末21bでは、配達完了が通知されると、配達の日時等の情報が、プリンターから印刷され(出力され)、配達者は、プリントされた配達票を、ポスト口33から投函する。
【0031】
以上のような置き配手順を、以下フローチャート等によって詳細に説明する。なお、バーコード34、52は、QRコードのような光学的に読み取ることができる他の二次元コードであってよく、また、ICタグに代表されるように、ID情報を埋め込んだRFタグから、電磁界や電波などを用いた近距離の無線通信によって情報をやりとりするRFID(radio frequency identifier)を用いてもよい。
【0032】
図2は、配達システム1のシステム構成を示す概念図である。本実施形態におけるサーバ及び携帯端末を有する配達システムは、予め置き配を容認する者が会員登録され、その会員に荷物を配達する場合を対象とする。会員は、荷物が配達され得る場所の位置情報(例えば、住所情報、緯度経度情報)、置き配を許可する条件(例えば、日時の特定:置き配可とするのは、土日祭日以外、時間帯は、午後8時~翌朝6時まで等/重量の特定:20kg以上の荷物に限る等/大きさの特定:30リットル以上のものに限る)等を登録する。サーバ2は、このような情報を、会員毎に識別情報(特定位置識別情報)を設定し、その識別情報毎に上記位置情報、置き配を許可する条件情報、氏名、連絡先情報(メールアドレス、電話番号等)等を、識別情報に関連付けて記憶する。また、登録が完了すると、会員には特定位置識別情報が担持されたバーコード(特定位置識別情報担持手段)が発行され、会員はそのバーコードを家の玄関ドアの外側、又は玄関ドアの近傍の目に付きやすい所に表示させる。発行される特定位置識別情報担持手段が、ICタグ等のように電磁界や電波等を介して情報の通信を行うものである場合には、玄関ドアの外側面でなく、(電磁界や電波が届く範囲で)玄関ドアの内側や、内部に設けられていても良い。
【0033】
図2に示されているように、配達システム100は、配達者の所持する携帯端末21a、22a~2na、受取人が所持する端末21b、22b~2nb及びサーバ2と、ネットワークNeを介して接続されることにより構成されている。
ネットワークNeは、各種無線通信回線と、それらを接続するインターネットサービスプロバイダ基地局等を含む。なお、ネットワークNeは、任意な時に接続が可能であればよく、常時接続されている必要はない。
受取人が所持する端末21b、22b~2nbは、例えば、汎用のパーソナルコンピュータ(PC)1a、ノート型PC1b、PDA(Personal Digital Assistant)1c、携帯電話1d、スマートホン、その他タブレット型式の端末等の多機能携帯端末などにより構成され、メールソフトなどのように、少なくとも配達通知が受信できる機能を有するものである。
配達人の携帯端末21a、22a~2naは、いずれも同じ構成を有し、複数の配達人がそれぞれ携帯端2naを所持している。
【0034】
図3を参照して、携帯端末2naの内部構成の一例を説明する。図3は、通信端末としての携帯端末2naの要部構成を示すブロック図である。ユーザ端末1は、制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)11、入力部12、表示手段としての表示部13、送信手段及び受信手段としての通信部14、RAM15、記憶部16、読取部17、プリンタ19等から構成され、各部はバス17により接続されている。CPU11は、記憶部16に格納されているシステムプログラムなどの各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM内の図示しないワークエリアに展開し、入力部12から入力されるデータに応じて、プログラムに従った各種処理を実行し、処理結果をRAM15内のワークメモリに格納する。また、処理結果を表示するための表示情報を生成して表示部13へ出力する。CPU11は、記憶部16からバーコード読取プログラムをワークメモリに展開し、このバーコード読取プログラムによって、読取部17を介して読み取ったバーコード情報から、バーコード情報に担持された識別情報を抽出し、記憶部16に識別情報を格納する。また、配達完了情報を通信部14を介して受信した場合には、表示部13に配達完了情報を表示するとともに、配達完了通知票を、プリンタ19から出力させる。
【0035】
あるいは、直接、ICタグから特定位置情報や配達先位置情報を取得した場合には、ワーキングメモリにおいて、両位置情報を照合して、合致するか否かの判定を行い、配達完了に関する情報を生成し、表示部13やプリンタ19に出力するとともに、通信部14を介してサーバ2に通知する。
入力部12は、かな/英数字入力キー、カーソルキー及び各種機能キー等を備えたキーボード(入力手段)と、ポインティングデバイスであるマウス(指定手段)とを備えて構成される。
表示部13は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU11から入力される表示信号の指示に従って各種表示データの画面表示を行う。
【0036】
通信部14は、無線通信によって外部のネットワークと繋がり、最終的にサーバ2と通信する。
RAM(Random Access Memory)15は、CPU11によって実行される各種プログラムやこれら各種プログラムによって処理されたデータ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
記憶部16は、プログラムやデータ等があらかじめ記憶されている記憶媒体を有しており、この記憶媒体は例えば半導体メモリで構成されている。この記憶媒体には、システムプログラム、当該システムに対応する各種処理プログラム、及び各種処理プログラムで処理されたデータ等を記憶する。
また、携帯端末2naは、携帯端末が位置している位置情報を取得する位置情報取得部を有していても良い。位置情報取得部は、例えば、約30個のGPS衛星のうち、上空にある数個の衛星からの信号をGPS受信機で受け取り、受信者が自身の現在位置を知るシステムを用いることができる。
【0037】
次に、サーバ2について説明する。なお、サーバ2の要部構成については、上述した携帯端末2naの要部構成と略同一とするため、各構成部分には同列の符号を付し(図3参照)、その構成の図示及び説明は省略する。以下では、サーバ2に特徴的な機能、及びサーバ2に備えるデータベースについて詳細に説明する。
サーバ2は、処理手段としてのCPU21、入力部22、表示部23、送受信手段としての通信部24、RAM25、記憶手段としての記憶部26等を備えて構成され、各部はバス27により接続されている。
記憶部26は、システムプログラム、当該システムに対応する各種処理プログラム、後述する携帯端末2naから供給された情報等を記憶する各種データベースを備える。この他、記憶部26は、データを格納するデータベースを有する。データベースは複数の格納領域を有する。
【0038】
第1格納領域は、特定位置情報記憶手段としての特定位置情報記憶領域である。第1格納領域には、配達物の配達先に指定され得る地点の位置情報(住所情報、緯度経度情報)が、特定位置識別情報に関連づけられて格納されている。特定位置識別情報に関連付けられて格納されている情報は、会員の氏名情報、連絡先情報(メールアドレス、電話番号)、置き配を許可する条件情報(例えば、日時の条件:置き配可とするのは、土日祭日以外、時間帯は、午後8時~翌朝6時まで等/重量の条件:20kg以上の荷物に限る等/大きさの条件:30リットル以上のものに限る/属性の条件:要冷蔵でないものに限る、なまものでないものに限る)、特定位置識別情報を担持したバーコードの発行情報(発行枚数、発行日等)等である。これらは、会員が会員登録した際に、入力部22を介して格納され、会員登録の際に、バーコード34が発行される。特定位置情報担持手段としてバーコードに換えてICタグを発行する場合には、ICタグに、上記第1格納領域に記憶される情報をすべて格納してもよい。
【0039】
第2格納領域は、配達情報記憶手段としての配達情報記憶領域である。第2格納領域には、荷物の発送手配した際に、各種情報が格納される。格納される情報としては、荷物毎に各々設定される配達物識別情報であり、この配達物識別情報に関連付けられて、発送手配時に指定された配送先の位置情報(配送先の住所)、荷物の内容に関する情報(書類、なまもの、こわれもの、要冷蔵等)、荷物の重さに関する情報、荷物の大きさに関する情報、発送場所に関する情報、発送者に関する情報(発送者の氏名、住所、連絡先(メールアドレス))などが格納される。これらの情報は、荷物の発送所や集荷受付所などにおいて、データ入力され、通信ネットワークNcを介してサーバ2に供給されるとともに、データ入力時に配達物識別情報が決定され、同時に配達物識別情報が担持されたバーコード52が発行される。発行されたバーコード52は、例えばシールに印刷され、荷物50の表面に貼り付けられる。指定配達先情報担持手段としてバーコードに換えてICタグを発行する場合には、ICタグに、上記第2格納領域に記憶される情報をすべて格納してもよい。なお、ICタグを発行した場合には、荷物50の表面ではなく、梱包する箱の内側面、或いは貼り付けられている伝票51の裏側に貼り付けられていることが好ましい。荷物50の搬送作業中の他の荷物との接触によるICタグの破損を抑制できる。
【0040】
次に、図1及び図4図5に示されているフローチャートに基づいて本実施の形態の動作を説明する。図4は携帯端末の処理を示すフローチャートであり、図5は、サーバ2の処理を示すフローチャートである。図1に示されているとおり、配達者が留守の家31の玄関前に荷物50を配置し、留守であることを確認すると、配達物である荷物50のバーコード52を、携帯端末21aの読取部17で読み取る(ステップS101)。バーコード52から配達物識別情報をCPU11で検出し、配達物識別情報を格納する(ステップS103)。ステップS101から所定時間経過する前に、バーコード34を読み取る(ステップS109)。この所定時間は、例えば15秒~60秒くらいの範囲に設定される。荷物50の位置と配達先の位置とが同じ位置であることを担保するためである。この所定時間が経過した場合には、エラー表示が表示部13に表示され(ステップS107)、ステップS101からリトライしなければならない。
【0041】
ステップS109の後、バーコード34から特定位置識別情報をCPU11で検出し、特定位置識別情報を格納する(ステップS111)。ステップS103とステップS111で格納された配達物識別情報と特定位置識別情報とを、通信部14を介してサーバ2へ送信する(ステップS113)。サーバ2からの判定結果を受信し(ステップS115)、配達完了判定であれば(ステップS117)、表示部13に配達完了の表示をし(ステップS121)、配達完了通知票をプリンタ19から出力する(ステップS123)。判定結果が、配達完了でない場合には、表示部13にエラー表示する(ステップS119)。エラー表示された場合には、配達した場所が違っている可能性が大きいと、配達人に知らせることとなり、配達した住所の再確認が促される。
【0042】
以上のような携帯端末21aの処理に応じて実行されるサーバ2の処理について説明する。サーバ2は、荷物50の発送作業の際に、発送所から配送物識別情報が送信されるので、これを第2格納領域に格納し(ステップS401)、続いて送られる指定された配送先の位置情報を取得して(ステップS403)、ステップS401で格納した配送物識別情報に関連付けて第2格納領域に格納する(ステップS405)。携帯端末21aのステップS113の処理により、配送物識別情報と特定位置識別情報とを受信すると(ステップS407)、受信した配送物識別情報と第2格納領域に格納されている配送物識別情報と照合し、発送時に指定され指定配送先の位置情報を特定する(ステップS409)。そして、受信した特定位置識別情報と第1格納領域に格納されている特定位置識別情報と照合し、実際に配達されている配送先の位置情報を特定する(ステップS411)。
【0043】
ステップS409で特定した指定配送先の位置情報と、ステップS411で特定した実際に配達されている配送先の位置情報とが合致するか判定する(ステップS413)。合致していれば、配送時に指定された配達先に配達されていることが明らかであるので、配達が完了したと判定でき、配達完了の旨、携帯端末21aへ送信する(ステップS417)。合致してない場合には、エラーの旨を携帯端末21aへ送信する(ステップS415)。また、配達完了の場合には、配達が完了した通知を受領者端末に送信する(ステップS419)。送信先は、第1格納領域に、特定位置識別情報に関連付けられているメールアドレスに送信される。
【0044】
次に、バーコード34が設けられておらず、会員登録されていない配達先に荷物50を配達した場合の処理について、図6に示されているフローチャート及び図7に示されているフローチャートに基づいて説明する。図1に示されているとおり、配達者が留守の家31の玄関前に荷物50を配置し、留守であることを確認すると、配達物である荷物50のバーコード52を、携帯端末21aの読取部17で読み取る(ステップS201)。バーコード52から配達物識別情報をCPU11で検出し、配達物識別情報を格納する(ステップS203)。ステップS203の処理と同時に、位置検出部において、携帯端末21aの位置を検出し(ステップS205)、記憶部16に、端末位置情報を格納する(ステップS207)。
【0045】
ステップS203で格納した配達物識別情報とステップS207で格納した端末位置情報をサーバ2に送信する(ステップS209)。サーバ2からの判定結果を受信し(ステップS211)、配達完了判定であれば(ステップS213)、表示部13に配達完了の表示をし(ステップS217)、配達完了通知票をプリンタ19から出力する(ステップS219)。判定結果が、配達完了でない場合には、表示部13にエラー表示する(ステップS215)。エラー表示された場合には、配達した場所が違っている可能性が大きいと、配達人に知らせることとなり、配達した住所の再確認が促される。
【0046】
以上のような携帯端末21aの処理に応じて実行されるサーバ2の処理について図7のフローチャートに基づいて説明する。なお、図5のサーバ処理と重複する処理ステップS401~405については、処理内容が同じなので、説明を省略する。
携帯端末21aからステップS203で格納した配達物識別情報とステップS207で格納した端末位置情報を受信すると(ステップS407a)、受信した配達物識別情報と、第2格納領域に格納されている配送物識別情報と照合し、発送時に指定され指定配送先の位置情報を特定する(ステップS409a)。ステップS409aで特定した、発送時に指定され指定配送先の位置情報と、受信した端末位置情報とが合致するか判定する(ステップS413a)。
【0047】
合致していれば、配送時に指定された配達先に配達されていることが明らかであるので、配達が完了したと判定でき、配達完了の旨、携帯端末21aへ送信する(ステップS417a)。合致してない場合には、エラーの旨を携帯端末21aへ送信する(ステップS415a)。また、配達完了の場合には、配達が完了した通知を受領者端末に送信する(ステップS419a)。
【0048】
次に、バーコードではなくICタグを用いた場合の実施形態について、図8及び図9に示されているフローチャートに基づいて説明する。ICタグは、格納できる容量がバーコードに比較して多く、ICタグ自体に位置情報やその他の情報を記憶することができるので、ICタグ自体に位置情報が記憶されている場合の処理について説明する。ICタグをバーコードと同様に用いて、図4図7のフローチャートに示されている処理に用いることも可能である。
図1に示されているとおり、配達者が留守の家31の玄関前に荷物50を配置し、留守であることを確認すると、配達物である荷物50のICタグから、配達物情報を、携帯端末21aの読取部17で読み取る(ステップS301)。読み取った配達物情報を格納する(ステップS303)。この配達物情報には、発送時に、予め指定された指定配達先位置情報が含まれている。
【0049】
ステップS301から所定時間経過する前に、家31側に固定されているICタグから配達先情報を読み取る(ステップS309)。この所定時間は、例えば15秒~60秒くらいの範囲に設定される。荷物50の位置と配達先の位置とが同じ位置であることを担保するためである。この所定時間が経過した場合には、エラー表示が表示部13に表示され(ステップS307)、ステップS301からリトライしなければならない。
ステップS309の後、読み取った配達先情報を格納する(ステップS311)。配達先情報には、特定位置情報が含まれている。
ステップS303とステップS311で格納された指定配達先位置情報と、特定位置情報とを照合し、合致するか否か判定する(ステップS313)。判定の結果、合致していれば、配達完了となり、配達完了を表示部13に表示し(ステップS317)、配達結果をサーバ2に送信する(ステップS319)。また、合致していなかった場合は、エラー表示し(ステップS315)、その結果をサーバ2に送信する。配達完了の場合には、配達完了通知票をプリンタ19から出力する(ステップS321)。
【0050】
以上のような携帯端末21aの処理に応じて実行されるサーバ2の処理について説明する。サーバ2は、荷物50の発送作業の際に、発送所から配送物識別情報が送信されるので、これを第2格納領域に格納し(ステップS501)、続いて送られる指定された配送先の位置情報を取得して(ステップS503)、ステップS501で格納した配送物識別情報に関連付けて第2格納領域に格納する(ステップS505)。携帯端末21aのステップS319の処理により、配達完了結果を受信する(ステップS507)。配達完了である場合には(ステップS513)、荷物の受取者の端末に、配達完了通知を送信する(ステップS519)。配達未完了である場合には(ステップS513)、配達未完了となった結果と、受信時刻(配達時刻)を格納する(ステップS515)。
次に、配達先にICタグがない場合の処理について説明する。図1に示されているとおり、配達者が留守の家31の玄関前に荷物50を配置し、留守であることを確認すると、配達物である荷物50のICタグから配達物情報を読み取る。読み取った配達物情報を格納するが、この配達物情報には、発送時に、予め指定された指定配達先位置情報が含まれている。配達物情報の読み取りと同時に、位置検出部において、携帯端末21aの位置を検出し、記憶部16に、端末位置情報を格納する。
【0051】
格納した指定配達先位置情報と位置検出部で得た端末位置情報とを照合し、合致しているか判定する。判定の結果、合致していれば、配達完了となり、配達完了を表示部13に表示し、配達結果をサーバ2に送信する。また、合致していなかった場合は、エラー表示し、その結果をサーバ2に送信する。配達完了の場合には、配達完了通知票をプリンタ19から出力する。
以上のような携帯端末21aの処理に応じて実行されるサーバ2の処理について説明する。携帯端末21aから配達完了結果を受信する。配達完了である場合には、荷物の受取者の端末に、配達完了通知を送信する。配達未完了である場合には、配達未完了となった結果と、受信時刻(配達時刻)を格納する。
特定位置識別情報担持手段である二次元コードや、特定位置情報を担持するICタグは、玄関ドアに直接設ける構成の他、外側のドアノブに吊り下げるドアプレートに設けてあっても良い。
【符号の説明】
【0052】
1 配達システム
2 サーバ
31 家
32 玄関ドア
34 バーコード
50 荷物
52 バーコード
2na 携帯端末
2nb 受取人端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9