(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】薬剤分包装置
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
A61J3/00 310E
(21)【出願番号】P 2021065913
(22)【出願日】2021-04-08
【審査請求日】2024-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】593129342
【氏名又は名称】株式会社タカゾノ
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】中村 俊一
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-213402(JP,A)
【文献】特開2009-214943(JP,A)
【文献】特開2005-153916(JP,A)
【文献】特開平7-10106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
散剤を分配する分配部を備え、前記分配部によって分配された散剤を包装する、薬剤分包装置であって、
前記分配部は、
散剤を収容する収容領域が水平方向に延びるように形成され、前記収容領域に収容された散剤を落下させる収容部と、
前記収容領域の下方において複数の区画室が前記収容領域の長手方向に一定間隔で並び、前記収容領域から落下した散剤を、前記複数の区画室に収容し、前記複数の区画室に収容された散剤を順次に払い出す分割部と、を備え、
前記収容領域は、その長手方向の長さが変更可能であり、
前記分割部は、
前記複数の区画室が、前記収容領域の前記長手方向の長さに対応して複数の区画室群に分けられ、
前記複数の区画室群から選択された区画室群を前記収容領域の下方に配置可能である、薬剤分包装置。
【請求項2】
散剤の服用量が各服用時期に応じて異なる場合、
前記複数の区画室は、前記各服用時期に各区画室群が対応する前記複数の区画室群に分けられ、
前記収容領域には、服用時期ごとに、服用日数分の散剤が収容され、
前記収容領域から散剤を落下させる際には、前記複数の区画室群のうち、前記収容領域に収容された散剤の前記服用時期に対応する区画室群が、前記収容領域の下方に配置される、請求項1に記載の薬剤分包装置。
【請求項3】
前記薬剤分包装置の各部を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、処方データに基づいて、前記収容領域の長手方向の長さを割り出す、請求項2に記載の薬剤分包装置。
【請求項4】
情報を案内する案内部をさらに備え、
前記制御部は、前記処方データに基づいて、前記収容領域に投入すべき散剤に関する情報を、前記案内部に案内させる、請求項3に記載の薬剤分包装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記処方データに基づいて、前記収容領域に投入すべき散剤の種類を、前記案内部に案内させる、請求項4に記載の薬剤分包装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記処方データに基づいて、前記収容領域に投入すべき散剤の量を、前記案内部に案内させる、請求項4または5に記載の薬剤分包装置。
【請求項7】
前記処方データに含まれる複数種類の散剤に関する情報から一種類の散剤に関する情報を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記制御部は、前記受付手段が受け付けた前記一種類の散剤に関する情報を、前記案内部に案内させる、請求項4~6のいずれか1項に記載の薬剤分包装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤を、処方に応じて所定の分包数に分包する薬剤分包装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
散剤を分配する分配部を備え、前記分配部によって分配された散剤を包装する、薬剤分包装置が従来から存在する(例えば特許文献1に記載)。このような薬剤分包装置の分配部は、散剤を収容する収容領域が水平方向に延びるように形成され、収容領域に収容された散剤を落下させる収容部と、収容領域から落下した散剤を複数の区画室に収容して順次に払い出す分割部とを備える。
【0003】
収容部は縦断面形状がV字状とされていて、長手方向の一端部(正面視で左端部)が固定的な壁面とされており、収容部の内部を長手方向にスライド可能な仕切板が設けられている。収容部の一端部の壁面と、正面視で右方にある仕切板との間に収容領域が形成される。この収容領域に、処方された日数分の散剤が薬剤師等、薬剤分包装置の作業者によって投入される。分割部は、複数の区画室を収容領域の下方に配置する。分割部は、複数の区画室のうち正面視で左端に位置する区画室を、散剤を落下させる際、収容領域の収容部一端部側に合うように配置し、収容領域から落下した散剤を区画室に収容する。分割部は、各区画室に収容した散剤を、正面視で左端に位置する区画室から順次に払い出す。
【0004】
ここで、薬剤の処方は、服用時期毎に服用量が異なるものが指示されることがある。しかし、従来の構成では、分割部は、複数の区画室のうち正面視で左端に位置する区画室を、散剤を落下させる際、収容領域の収容部一端部側に合うように配置し、収容領域から落下した散剤を区画室に収容し、各区画室に収容した散剤を、正面視で左端に位置する区画室から順次に払い出すことから、収容領域に収容された散剤につき服用時期毎の服用量を異ならせて分配することができなかった。一例を挙げると、朝食後、昼食後、夕食後の各量が均等になる分包しかできなかった。また、1日当たりの服用回数が異なる散剤を合包することができないことがあった。
【0005】
このため、例えば、一服用量が異なる処方(朝食後の服用量が昼食後、夕食後の各服用量よりも多い処方等)や、合包する各散剤の1日当たりの服用回数が異なる処方(A散剤は朝食後、昼食後、夕食後の3回服用で、B散剤は朝食後、夕食後の2回服用等)には対応できないことがあり、このような場合には対応不可能な分を別途分包する必要があって、分包の自由度が低かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、処方に応じた分包の自由度を高めることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、散剤を分配する分配部を備え、前記分配部によって分配された散剤を包装する、薬剤分包装置であって、前記分配部は、散剤を収容する収容領域が水平方向に延びるように形成され、前記収容領域に収容された散剤を落下させる収容部と、前記収容領域の下方において複数の区画室が前記収容領域の長手方向に一定間隔で並び、前記収容領域から落下した散剤を、前記複数の区画室に収容し、前記複数の区画室に収容された散剤を順次に払い出す分割部と、を備え、前記収容領域は、その長手方向の長さが変更可能であり、前記分割部は、前記複数の区画室が、前記収容領域の前記長手方向の長さに対応して複数の区画室群に分けられ、前記複数の区画室群から選択された区画室群を前記収容領域の下方に配置可能である、薬剤分包装置である。
【0009】
これによると、複数の区画室群から選択された区画室群を収容領域の下方に配置可能であることから、収容領域に収容された散剤を、所望の区画室群に落下させることができる。
【0010】
また、散剤の服用量が各服用時期に応じて異なる場合、前記複数の区画室は、前記各服用時期に各区画室群が対応する前記複数の区画室群に分けられ、前記収容領域には、服用時期ごとに、服用日数分の散剤が収容され、前記収容領域から散剤を落下させる際には、前記複数の区画室群のうち、前記収容領域に収容された散剤の前記服用時期に対応する区画室群が、前記収容領域の下方に配置されるものとできる。
【0011】
これによると、収容領域に収容された散剤を、服用時期に対応した所望の区画室群に落下させることができる。
【0012】
また、前記薬剤分包装置の各部を制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、処方データに基づいて、前記収容領域の長手方向の長さを割り出すものとできる。
【0013】
これによると、制御部が割り出した収容領域の長手方向の長さの情報を利用して散剤を収容領域に収容できる。
【0014】
また、情報を案内する案内部をさらに備え、前記制御部は、前記処方データに基づいて、前記収容領域に投入すべき散剤に関する情報を、前記案内部に案内させるものとできる。
【0015】
これによると、収容領域に投入すべき散剤に関する情報を案内部の案内により作業者に報知できる。
【0016】
また、前記制御部は、前記処方データに基づいて、前記収容領域に投入すべき散剤の種類を、前記案内部に案内させるものとできる。
【0017】
これによると、収容領域に投入すべき散剤の種類を案内部の案内により作業者に報知できる。
【0018】
また、前記制御部は、前記処方データに基づいて、前記収容領域に投入すべき散剤の量を、前記案内部に案内させるものとできる。
【0019】
これによると、収容領域に投入すべき散剤の量を案内部の案内により作業者に報知できる。
【0020】
また、前記処方データに含まれる複数種類の散剤に関する情報から一種類の散剤に関する情報を受け付ける受付手段をさらに備え、前記制御部は、前記受付手段が受け付けた前記一種類の散剤に関する情報を、前記案内部に案内させるものとできる。
【0021】
これによると、受付手段が受け付けた一種類の散剤に関する情報を案内部の案内により作業者に報知できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、収容領域に収容された散剤を、処方に対応した所望の区画室群に落下させることができる。このため、処方に応じた分包の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置のうち上部(上蓋周り)を示す斜視図である。
【
図2】前記薬剤分包装置のうち分配部を抜き出して示した斜視図である。
【
図3】前記薬剤分包装置のうち分配部及び分割部とその関連部を抜き出して示した、底面側の斜視図である。
【
図4】前記薬剤分包装置において、分配部と分割部(区画室)の位置関係を示す概略図である。
【
図5】前記薬剤分包装置において、分配部と移動した状態の分割部(区画室)の位置関係を示す概略図である。
【
図6】前記薬剤分包装置において、1種類の散剤を包装する際、散剤の服用量が複数の服用時期の各々に応じて同じ場合の、服用時期設定ごとの分配部と分割部(区画室)の位置関係を一覧で示す概略図である。
【
図7】前記薬剤分包装置において、2種類の散剤を包装(合包)する際、散剤の服用量が複数の服用時期の各々に応じて同じ場合の、服用時期設定ごとの分配部と分割部(区画室)の位置関係を一覧で示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明の薬剤分包装置1につき、一実施形態を取り上げて説明を行う。本実施形態の薬剤分包装置1は、錠剤を分配する錠剤分配部2と、散剤を分配する散剤分配部3と、を備え、各分配部2,3によって分配された錠剤及び散剤を、薬剤分包装置1に内蔵された包装手段により、分包単位に応じて順次包装していく装置である。薬剤分包装置1が備える上蓋4は、奥側が例えばヒンジ支持されていて、装置内部の清掃等を行う際には、作業者が上蓋4の手前側を持ち上げ、上蓋4を立ち上げた状態とすることにより、内部を露出状態とできる。
【0025】
薬剤分包装置1の各部は、薬剤分包装置1の内部に設けられた制御部により制御される。
図1に二点鎖線で示すように、薬剤分包装置1の上面にはノートパソコン5(二点鎖線で図示)が置かれていて、このノートパソコン5は制御部に信号送受信が可能なように接続されている。ノートパソコン5のディスプレイ51は、後述する案内部としても機能させられる。なお、ノートパソコン5は一例に過ぎず、タブレット等の各種情報機器を制御部に接続することができる。制御部への情報入力(処方データの入力等)や薬剤分包装置1の状態表示(運転状況や異常発生の表示)はこのノートパソコン5で行うことができる。処方データの入力は、ノートパソコン5のキーボード操作、マウス操作によって行うこともできるし、薬剤分包装置1の本体またはノートパソコン5に接続されたバーコードリーダーやカメラによって行うことができる。処方データとは、医師による指示に係る、薬剤の種類、一回当たりの服用量、一日のうちの服用時期、服用日数、その他注意事項に関する情報のデータである。
【0026】
錠剤分配部2は、薬剤分包装置1の上面(ノートパソコン5を置いた面に隣接した位置)に設けられたものであって、平面視で前後左右に配置された複数の小分け枡21を有しており、ここに、薬剤師等の薬剤分包装置1の作業者が手撒きで錠剤を供給する。各小分け枡21には一包分の錠剤が収容される。各小分け枡21の下方には開閉可能なシャッター(図示しない)が設けられており、制御部がこのシャッターを開放することで、落下した錠剤は包装手段により包装される。
【0027】
散剤分配部3は、散剤を一時的に保持する収容部31と、収容部31の下方に配置され、収容部31から落下させられた散剤を小分けして一時的に貯留し、包装手段に対して払い出す分割部32と、を備える。収容部31は、散剤を収容する収容領域31Aが水平方向に延びるように形成されている。本実施形態の収容部31では、一つの収容領域31Aが形成されている。収容部31は、収容枡部311と可動式の仕切部312とを有している。収容枡部311は縦断面形状がV字状とされていることから「V枡」とも呼ばれるもので、薬剤分包装置1の正面側から見て左右の水平方向に延びるように設けられている。収容枡部311は上方が開放されており、包装対象の散剤は作業者の手によって上方から投入される。
【0028】
仕切部312は板状またはブロック状のものであって、収容枡部311が有するV字状の空間を長手方向に移動可能とされ、散剤の投入に先立ち、収容枡部311において、作業者によって処方データに基づいた位置へスライドさせることでセットがなされる。このセットにより、仕切部312は散剤を分包する場合に、収容枡部311の内部を、図示左側の収容領域31Aと、図示右側の非収容領域31Bとに仕切る。収容領域31Aは、収容部31の図示左端に固定的に位置する壁部(
図4、
図5参照)と、壁部に対して図示右方に離間してセットされた仕切部312とにより画定される。このため、収容領域31Aは、仕切部312を収容枡部311にて移動させることで、長手方向(水平方向)の長さが変更可能である。散剤は、収容領域31Aに対して投入される。
【0029】
制御部は、入力された処方データに基づいて、収容領域31Aの長手方向の長さを割り出す。制御部は割り出した収容領域31Aの長さを、収容部31の長手方向に沿って設けられた複数のLEDランプが並ぶ位置表示部313に、LEDランプの点灯により表示する。これにより、作業者に対して仕切部312をセットすべき位置を案内する。位置表示部313の各LEDランプには、収容領域31Aの図示左端から一つずつ大きくなる数字が付されている。この数字は、収容領域31Aの図示左端部から落下した散剤の包装を1包目とした場合の包数に対応している。
【0030】
収容枡部311は、
図2に示すように、固定板314と、この固定板314に対して下側部分が当接及び離反可能に設けられた可動板315とを備えており、各板314,315間に形成される、縦断面がV字状の空間に投入された散剤を、一時的に収容することができる。本実施形態の可動板315は固定板314に対して回動する。可動板315の回動により、固定板314の下側部分と可動板315の下側部分との間に隙間ができ、この隙間から散剤を落下させられる。収容枡部311に収容された散剤の表面は、作業者がヘラ等を用いて均される。その後制御部が、固定板314に対して可動板315の下側部分が離反するように当該可動板315を移動させる。この可動板315の移動により、収容領域31Aに収容された散剤が落下する。
【0031】
分割部32は、収容部31における収容領域31Aの下方に対して移動可能に配置される。分割部32は、収容部31の下方では、収容部31と平行に移動する。分割部32は、複数の区画室321~321が並べられて構成されている。各区画室321には一包分の散剤が収容される。各区画室321の上端は開放されており、各区画室321の下端には開閉可能な底蓋322が設けられている。各区画室321の容積は基本的に同一とされている。ただし、薬剤分包装置1の平面視において左端に位置する区画室321については、散剤が広がって落下することに対応するため、他の各区画室321よりも、分割部32基準での長手方向寸法が大きく形成されている。
【0032】
分割部32は、
図3に矢印Rで示したように、収容部31の下方を含む範囲で、平面視または底面視にて長円状の軌道を描くように移動可能とされている。分割部32の移動は、駆動手段33によりなされる。駆動手段33による分割部32の移動は、制御部により制御される。分割部32の移動に伴い、任意の範囲において連続する複数の区画室321~321(後述する「区画室群323」)を、収容領域31Aの下方に配置させ、収容領域31Aから落下する散剤を受容できる。長円状の軌道を描くように移動させるため、複数の区画室321~321は、連結部を境に湾曲できるように連結されている。本実施形態では、隣り合う2個の区画室321,321で1個の連結単位体を構成している。ただし、これに限定されるものではない。分割部32は、収容領域31Aの下方においては湾曲せず、
図3に示したように、水平方向かつ直線方向に並ぶ状態となる。
【0033】
複数の区画室321~321は、収容領域31Aの下方に位置する場合、
図4に示すように、収容領域31Aの長手方向に一定間隔で並ぶ。この状態で収容領域31Aから散剤を落下させると、落下した散剤が、複数の区画室321~321にわたって収容される。各区画室321に設けられた底蓋322を開放することにより、その底蓋322が設けられた各区画室321から散剤を落下させることができる。底蓋322は、開閉可能な位置にある各区画室321に連結された蓋用駆動手段34によりなされる(
図3参照)。蓋用駆動手段34による底蓋322の開放は制御部により制御される。なお、散剤の落下は、
図3に二点鎖線の四角形で描いた位置X(この位置の下方には散剤を受け止めるホッパーが設けられている)に各区画室321を移動させて、底蓋322を開放することで行われる。
【0034】
以上のように構成された分割部32により、複数の区画室321~321に収容された散剤を順次に払い出すことができる。ここで、「順次」とは、複数の区画室321~321の並び順で、各区画室321の底蓋322が開放されていくということである。
図4及び
図5に示した例では、散剤Mの入った図示左端の区画室321から始まり、一つ右側の区画室321、その一つ右側の区画室321という順に底蓋322が開放され、散剤がこの順番に払い出されていく。払い出された散剤は図示しないホッパーで受けられ、その後包材で包まれることで包装(分包)される。また、服用時期が同じ散剤や錠剤を一包にまとめて包装(合包)することができる。
【0035】
次に、分割部32は、複数の区画室321~321が集合した、複数の区画室群323~323に分けられている。複数の区画室群323~323の分け方(複数の区画室321~321をいくつの群に分けるか)は固定的ではなく、制御部により処方に応じた分け方がされる。各区画室群323は、本実施形態では、収容枡部311における仕切部312のセットにより定まる、収容領域31Aの長手方向の最大長さに対応した長さを有するように、複数の区画室321~321が連結方向に連続している。本実施形態では、図示しない制御部により、複数の区画室群323~323から選択された特定の区画室群323を移動させて、収容領域31Aの下方に配置可能である。
図4には、空の状態の第1区画室群323Aが収容領域31Aの下方に配置された状態が示されており、
図5には、散剤Mが入った状態の第1区画室群323Aが図示左方に移動し、空の状態の第2区画室群323Bが収容領域31Aの下方に配置された状態が示されている。
【0036】
分包実施の際における各区画室群323の選択に関し説明する。各区画室群323は種々の基準で選択できる。例えば、1種類の散剤について、一日のうちで複数の服用時期(朝食後、昼食後、夕食後等)が処方により指定されている場合で、散剤の服用量が各服用時期に応じて異なる場合を取り上げる。この場合、複数の区画室321~321は、各服用時期(毎食後)に各区画室群323が対応する複数の区画室群323~323に分けられる。そしてこの場合、収容部31の収容領域31Aには、服用時期ごと(この例では毎食後)に、服用日数分の散剤が一括して収容される。ただし、前後で連続した複数の服用時期(例えば、朝食後と昼食後の2時期、昼食後と夕食後の2時期、朝食後と夕食後の2時期(昼食後の服用が無い場合「連続」に該当)、朝食後、昼食後、夕食後の3時期)で、各服用時期の服用量が同じであれば、一括して分割部32に落下させることに支障がないので、収容部31の収容領域31Aに、前記連続した複数の服用時期分の散剤をまとめて収容することができる。
【0037】
収容領域31Aから散剤を落下させる際には、複数の区画室群323~323のうち、収容領域31Aに収容された散剤の服用時期(この例では毎食後)に対応する1個の区画室群が、
図4に示すように、収容領域31Aの下方に配置される。このため、収容領域31Aの下方に配置された1個の区画室群323(
図4、
図5の例では、7個の区画室321~321からなる第1区画室群323A)に属する各区画室321に、収容領域31Aから落下させた散剤が収容される。複数の服用時期のうち一つにつき、収容領域31Aへの散剤の収容及び落下が終わってから、散剤Mの入った1個の区画室群323(
図4、
図5の例では、第1区画室群323A)を収容領域31Aの下方から外れるように移動(図示左方に移動)させ、前記時期とは別の服用時期につき、
図5に示すように、収容領域31Aへの散剤の収容及び他の1個の区画室群323(
図5の例では、7個の区画室321~321からなる第2区画室群323B)への落下が行われる。さらに、別の区画室群323(
図5の例では第3区画室群323C)に対しても、同じ要領で散剤を収容できる。このようにして、処方に応じた散剤が各区画室群323に収容された後、処方に応じて制御部が包装手段を制御し、一包ごとに順番に包装を行う。
【0038】
次に、複数種類の散剤のそれぞれについて、一日のうちで複数の服用時期が処方により指定されている場合で、各散剤の服用量が各服用時期に応じて異なる場合を取り上げる。この場合、収容部31の収容領域31Aには、服用時期ごとに、服用日数分の各散剤が一括して収容される。ただし、各散剤について、連続した複数の服用時期で、各服用時期の服用量が同じであれば、一括して分割部32に落下させることに支障がないので、収容部31の収容領域31Aに、前記連続した複数の服用時期分の各散剤をまとめて収容することができる(例えば、
図6に示した(1)(3)(5)(7)の各パターン)。
【0039】
なお、異なる散剤を一包にまとめて包装(合包)する場合であって、各散剤の服用時期が異なる場合は、一括して分割部32に落下させることができない。例えば、散剤Aの服用時期が朝食後、昼食後、夕食後であって、散剤Bの服用時期が朝食後、夕食後である場合、
図7に示すパターンB6のように、分割部32への散剤Bの供給が朝食後分と夕食後分とで2回に分けて行われる。
【0040】
このように本実施形態では、収容部31は従来の構成のままで変更を特に要さず、処方に応じた分包の自由度を高めることができる。
【0041】
図6に、具体例として7個のパターンを示す。この例では、1種類の散剤について、一日のうちで単一の服用時期、または、複数の服用時期(朝食後、昼食後、夕食後等)が処方により指定されている場合で、散剤の服用量が複数の服用時期の各々に応じて同じである。
図6において、1日の服用時期を記した部分の右方上段が収容部31を示す。
図6には、収容部31の長手方向の長さを示すため、仕切部312のセット位置に対応して1部分から21部分までの番号を示している。左右に図示された黒色四角形の間が収容領域31Aを表す。1日の服用時期を記した部分の右方下段が、収容部31から散剤が落下した直後に位置する分割部32(複数の区画室321~321)を示す。散剤が収容された区画室321を細かいドット表示を用いて図示している。
図6に示した各例では、1個の分割部32が21個の区画室321~321から構成されたものとなっている。また、1個の区画室群323が7個の区画室321~321から構成されたもの、つまり、1個の分割部32が3個の区画室群(図示左から第1区画室群323A、第2区画室群323B、第3区画室群323C/
図5に示した関係と同じ)から構成されたものとなっている。
【0042】
この例では、第1区画室群323Aが朝服用分に対応しており、第2区画室群323Bが昼服用分に対応しており、第3区画室群323Cが夕服用分に対応している。ただしこの関係は、各服用時期と各区画室群323A~323Cとを、処方に応じた服用時期に対応させるために制御部が関係づけたものに過ぎず、固定的な関係ではない。また、この例では、1個の区画室群323が7個の区画室321~321から構成されたものとなっているが、これは、7日分の処方に対応したものである。処方日数に応じ、区画室群323を構成する複数の区画室321~321の数量は、制御部により設定される。
【0043】
(パターン1:朝、昼、夕)
収容領域31Aは1部分~21部分の全範囲であり、第1区画室群323A、第2区画室群323B、第3区画室群323Cが収容領域31Aの下方に配置され、21個の区画室321~321全てに散剤が落下する。
(パターン2:朝のみ)
収容領域31Aは1部分~7部分の範囲であり、第1区画室群323Aが収容領域31Aの下方に配置され、第1区画室群323Aに属する7個の区画室321~321に散剤が落下する。
(パターン3:朝、昼)
収容領域31Aは1部分~14部分の範囲であり、第1区画室群323A及び第2区画室群323Bが収容領域31Aの下方に配置され、第1区画室群323A及び第2区画室群323Bに属する14個の区画室321~321に散剤が落下する。
(パターン4:昼のみ)
収容領域31Aは1部分~7部分の範囲である。散剤落下前に分割部32が図示左方に移動することで、第2区画室群323Bが収容領域31Aの下方に配置され、第2区画室群323Bに属する7個の区画室321~321に散剤が落下する。本パターンでは、第1区画室群323Aは飛ばされるため、散剤が収容されない。この場合、例えば朝服用分は錠剤分配部2から供給された錠剤のみが包装されることになり、第1区画室群323Aに属する7個の区画室321~321では、制御部により底蓋322が開放されたとしても散剤の払い出しはなされない(下記パターン5でも同様)。
(パターン5:昼、夕)
収容領域31Aは1部分~14部分の範囲である。散剤落下前に分割部32が図示左方に移動することで、第2区画室群323B及び第3区画室群323Cが収容領域31Aの下方に配置され、第2区画室群323B及び第3区画室群323Cに属する14個の区画室321~321に散剤が落下する。
(パターン6:夕のみ)
収容領域31Aは1部分~7部分の範囲である。散剤落下前に分割部32が図示左方に移動することで、第3区画室群323Cが収容領域31Aの下方に配置され、第3区画室群323Cに属する7個の区画室321~321に散剤が落下する。本パターンでは、第1区画室群323Aと第2区画室群323Bの各々は飛ばされるため、散剤が収容されない。この場合、例えば朝服用分は錠剤分配部2から供給された錠剤のみが包装されることになり、第1区画室群323Aと第2区画室群323Bに属する14個の区画室321~321では、制御部により底蓋322が開放されたとしても散剤の払い出しはなされない。
(パターン7:朝、夕)
パターン7は前記パターン3と同じである。つまり、収容領域31Aは1部分~14部分の範囲であり、第1区画室群323A及び第2区画室群323Bが収容領域31Aの下方に配置され、第1区画室群323A及び第2区画室群323Bに属する14個の区画室321~321に散剤が落下する。
【0044】
以上のように7個のパターンを例示した。ここで従来の薬剤分包装置では、収容領域31Aに対する分割部32の位置関係が不動であり、かつ、複数の区画室321~321を複数の区画室群323~323に分けるという概念もなかったため、前記パターン4~7のような、分包を行うことが難しかった。これに対して、本実施形態の薬剤分包装置1では、複数の区画室群323~323から選択された区画室群を収容領域31Aの下方に配置可能であることから、収容領域31Aに収容された散剤を、所望の区画室群323に落下させることができる。従って、パターン4~7のような分包を行うことが容易であって、処方に応じた分包の自由度を高めることができる。
【0045】
なお、図示はしないが、1種類の散剤について、一日のうちで複数の服用時期が処方により指定されている場合で、散剤の服用量が複数の服用時期の各々に応じて異なる場合には、例えば前記(2)(4)(6)の各パターンのように、収容領域31Aが各服用時期に応じて設定され、服用時期ごとに複数回に分けて、収容領域31A~31Cのいずれかへの散剤の収容、及び、分割部32への落下が行われる。
【0046】
次に、
図7に、他の具体例として6個のパターンを示す。この例では、複数、具体的には2種類の散剤(散剤A、散剤B)について、一日のうちで複数の服用時期が処方により指定されている場合で、散剤の服用量が複数の各服用時期の各々に応じて同じである。図示要領は
図6と同じである。散剤Aに関しては、
図6に示したパターン1と同じく、服用時期を朝食後、昼食後、夕食後とする。散剤Aの収容領域31Aは1部分~21部分の全範囲であり、第1区画室群323A、第2区画室群323B、第3区画室群323Cが収容領域31Aの下方に配置され、21個の区画室321~321全てに散剤Aが落下する。この後に行われる、散剤Bの収容領域31Aへの収容と分割部32への落下は、以下の(B1)~(B6)のパターンで行われる。なお、ここで示す具体例では、21個の区画室321~321全てに散剤Aが落下することから、散剤Bの落下時に、分割部32には既に散剤A(各区画室321の下半分に図示)が収容されている。
【0047】
(パターンB1:散剤Bにつき朝のみ)
収容領域31Aは1部分~7部分の範囲であり、第1区画室群323Aが収容領域31Aの下方に配置され、第1区画室群323Aに属する7個の区画室321~321に散剤Bが落下する。これにより、第1区画室群323Aに属する区画室321~321には散剤Aと散剤Bとが収容され、第2区画室群323B及び第3区画室群323Cに属する区画室321~321には散剤Aが収容された状態となる。
(パターンB2:散剤Bにつき朝、昼)
収容領域31Aは1部分~14部分の範囲であり、第1区画室群323A及び第2区画室群323Bが収容領域31Aの下方に配置され、第1区画室群323A及び第2区画室群323Bに属する14個の区画室321~321に散剤Bが落下する。これにより、第1区画室群323A及び第2区画室群323Bに属する区画室321~321には散剤Aと散剤Bとが収容され、第3区画室群323Cに属する区画室321~321には散剤Aが収容された状態となる。
(パターンB3:散剤Bにつき昼のみ)
収容領域31Aは1部分~7部分の範囲である。散剤Bの落下前に分割部32が図示左方に移動することで、第2区画室群323Bが収容領域31Aの下方に配置され、第2区画室群323Bに属する7個の区画室321~321に散剤Bが落下する。本パターンでは、第1区画室群323Aは飛ばされるため、散剤Bが収容されない。これにより、第1区画室群323A(図示しない)及び第3区画室群323Cに属する区画室321~321には散剤Aが収容され、第2区画室群323Bに属する区画室321~321には散剤Aと散剤Bとが収容された状態となる。
(パターンB4:散剤Bにつき昼、夕)
収容領域31Aは1部分~14部分の範囲である。散剤Bの落下前に分割部32が図示左方に移動することで、第2区画室群323B及び第3区画室群323Cが収容領域31Aの下方に配置され、第2区画室群323B及び第3区画室群323Cに属する14個の区画室321~321に散剤Bが落下する。これにより、第1区画室群323A(図示しない)に属する区画室321~321には散剤Aが収容され、第2区画室群323B及び第3区画室群323Cに属する区画室321~321には散剤Aと散剤Bとが収容された状態となる。
(パターンB5:散剤Bにつき夕のみ)
収容領域31Aは1部分~7部分の範囲である。散剤Bの落下前に分割部32が図示左方に移動することで、第3区画室群323Cが収容領域31Aの下方に配置され、第3区画室群323Cに属する7個の区画室321~321に散剤Bが落下する。本パターンでは、第1区画室群323Aと第2区画室群323Bの各々は飛ばされるため、散剤Bが収容されない。これにより、第1区画室群323A及び第2区画室群323B(いずれも図示しない)に属する区画室321~321には散剤Aが収容され、第3区画室群323Cに属する区画室321~321には散剤Aと散剤Bとが収容された状態となる。
(パターンB6:散剤Bにつき朝、夕)
本パターンでは、服用時期「昼食後」につき、散剤Aはあるが散剤Bはないことから、分割部32への散剤Bの供給が、2回に分けて行われる(
図7において上下段に分けて記載した)。1回目はパターンB1と同じで、収容領域31Aは1部分~7部分の範囲であり、第1区画室群323Aが収容領域31Aの下方に配置され、第1区画室群323Aに属する7個の区画室321~321に散剤Bが落下する。その後、2回目の散剤Bの落下前に分割部32が図示左方に移動させられることで、第3区画室群323Cが収容領域31Aの下方に配置される。2回目の収容領域31Aは1回目と同じで、1部分~7部分の範囲である。作業者により、2回目の収容領域31Aに夕服用分の散剤Bが投入され、この散剤Bが第3区画室群323Cに属する7個の区画室321~321に落下する。本パターンでは、第2区画室群323Bは飛ばされるため、第2区画室群323Bに属する区画室321~321には散剤Bが収容されないことになる。これら2回に分けた散剤Bの供給後には、第1区画室群323A及び第3区画室群323Cに属する区画室321~321には散剤Aと散剤Bとが収容され、第2区画室群323Bに属する区画室321~321には散剤Aが収容された状態となる。
【0048】
なお、図示はしないが、2種類の散剤(散剤A、散剤B)について、一日のうちで複数の服用時期が処方により指定されている場合で、少なくともいずれかの散剤の服用量が複数の服用時期の各々に応じて異なる場合には、例えば前記(B1)(B3)(B5)のパターンのように、服用量の異なる散剤(例えば散剤B)につき、収容領域31Aが各服用時期に応じて設定され、服用時期ごとに複数回に分けて、収容領域31A~31Cのいずれかへの散剤の収容、及び、分割部32への落下が行われる。
【0049】
次に、本実施形態の薬剤分包装置1は案内部を備える。案内部は、各種情報を作業者に報知することにより、作業者に対する案内を行う。案内部は、例えば薬剤分包装置1の上面に設けられるノートパソコン5が備えるディスプレイ51である。制御部は、処方データに基づいて、収容領域31Aに投入すべき散剤に関する情報を、案内部に案内させることができる。散剤に関する情報は、例えば、収容領域31Aに投入すべき散剤の種類(例えば散剤の名称)、収容領域31Aに投入すべき散剤の量であるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
本実施形態の薬剤分包装置1は受付手段を備える。受付手段は、処方データに含まれる複数種類の散剤に関する情報から一種類の散剤に関する情報を受け付ける。受付手段は、例えば、ノートパソコン5にインストールされたソフトウェアにて機能させることができ、複数種類の散剤から一種類の散剤を選択することは、作業者がノートパソコン5へキーボードやタッチパネルから入力することで行われる。制御部は、受付手段が受け付けた前記一種類の散剤に関する情報を案内部に案内させることができる。なお、薬剤分包装置1が例えば薬局内情報ネットワーク(LAN等)により他の機器と情報交換可能に接続されている場合、受付手段は、他の機器から送信された前記一種類の散剤に関する情報を薬剤分包装置1に取り込む単なる情報の「入口」である場合も含む。
【0051】
複数の散剤を包装する場合、そのうち一種類の散剤が作業者の受付手段の操作によって選択される。これに応じ、制御部は、収容領域31Aに対して分割部32を移動させる。薬剤分包装置1に入力された処方データに基づいて、制御部は、収容領域31Aの長手方向の長さを割り出し、これに対応した仕切部312の配置位置を決定する。制御部は、位置表示部313におけるLEDランプを点灯させることで、収容領域31Aの範囲を案内する。次に、処方データに基づいて、制御部は、案内部で収容領域31Aに投入すべき散剤の名称を案内させる。次に(または前記案内と同時に)、処方データに基づいて、制御部は、案内部で収容領域31Aに投入すべき散剤の投入量を案内する。これら案内により報知された情報を基に、作業者は包装対象の散剤を収容部に投入する。
【0052】
複数の散剤を包装する場合、次に、前記選択されたもの以外の一種類の散剤が作業者の受付手段の操作によって選択される。そして、前述の動作が、複数の散剤が全部分割部32に供給されるまで繰り返される。投入された複数の散剤は、分割部32に落下させられ、包装手段により包装される。
【0053】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0054】
例えば、前記実施形態の収容領域31Aは、仕切部312を収容枡部311にて移動させることで、長手方向(水平方向)の長さが変更可能とされていた。しかし、これに限定されず、収容部31を、例えばシリンダー状の可動部を備えたものや、蛇腹状で伸縮するものとすることで、収容領域31Aの長手方向(水平方向)の長さを変更可能とすることができる。
【0055】
また、前記実施形態の仕切部312は、作業者によって処方データに基づいた位置へスライドさせることでセットがなされるものであった。しかし、収容領域31Aの長手方向の長さを変更できるよう構成されていれば、構成は特に限定されず、例えば、仕切部312を収容枡部311に対して嵌め込むことによりセットがなされるものであってもよい。
【0056】
また、前記実施形態の仕切部312は、作業者の手によってスライドさせることでセットがなされるものであった。しかし、これに限定されず、制御部により仕切部312が自動でスライドするよう構成することもできる。
【0057】
また、分割部32は、複数の区画室321~321が並べられて構成されていて、前記実施形態では、分割部32の両端が途切れた形状とされていた。しかし、これに限定されず、長円形状の軌道全体に複数の区画室321~321が位置した無端形状とすることもできる。
【0058】
また、前記実施形態では、ノートパソコン5が制御部とは別に設けられていたが、ノートパソコン5が制御部を兼ねるものであってもよい。また、制御部全体が薬剤分包装置1に不可分に組み込まれていてもよい。また、薬剤分包装置1自体は制御部を備えておらず、装置外部から制御されて動作するよう構成されていてもよい。
【0059】
また、案内部は、薬剤分包装置1の本体側に設けられたディスプレイであってもよい。例えば、
図1に示された複数のLEDランプが並ぶ位置表示部313に代えて、収容部31の長手方向に沿うように横長のディスプレイを設けることができる。また、案内部は、文字情報のみが表示される液晶表示部や、点灯態様の変化によって報知を行うLED表示部であってもよい。また、案内部による案内は、視覚情報の案内に限られず、聴覚情報の案内であってもよい。この場合、案内部はスピーカーを備えることができる。また、前記実施形態の位置表示部313についても、例えば点灯パターンを変化させることにより、案内部の機能の一部を発揮させるものとしてもよい。
【0060】
また、制御部は、薬剤分包装置1の上蓋4が開けられたことを制御の条件として、制御部が分割部32を自動で移動させるように構成されていてもよい。例えば、作業者により上蓋4が開けられると、
図3に示す位置Xに設けられている落下口から離れるように分割部32を移動させる。このように分割部32を自動的に移動させることにより、落下口が少なくとも分割部32に覆われない状態になる。従って、例えば分包作業の終了後の残薬清掃を簡単に行うことができる。
【0061】
なお、清掃実施時以外にも上蓋4が開けられることがあり、その際に分割部32が自動で移動させられないようにするために、上蓋4の開放に加えて、作業者のボタン操作等のトリガー入力を条件として、分割部32が自動で移動するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…薬剤分包装置、2…錠剤分配部、3…分配部(散剤分配部)、4…上蓋、5…ノートパソコン、21…枡、31…収容部、31A…収容領域、31B…非収容領域、32…分割部、33…駆動手段、34…蓋用駆動手段、51…ノートパソコンのディスプレイ、311…収容枡部、312…仕切部、313…位置表示部、314…固定板、315…可動板、321…各区画室、322…底蓋、323…区画室群、323A…第1区画室群、323B…第2区画室群、323C…第3区画室群、R…分割部の移動方向、X…散剤が落下する位置、M…散剤