IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECプラットフォームズ株式会社の特許一覧

特許7544387車載装置、通過検知装置、車両管理システム、車両管理方法及びプログラム
<>
  • 特許-車載装置、通過検知装置、車両管理システム、車両管理方法及びプログラム 図1
  • 特許-車載装置、通過検知装置、車両管理システム、車両管理方法及びプログラム 図2
  • 特許-車載装置、通過検知装置、車両管理システム、車両管理方法及びプログラム 図3
  • 特許-車載装置、通過検知装置、車両管理システム、車両管理方法及びプログラム 図4
  • 特許-車載装置、通過検知装置、車両管理システム、車両管理方法及びプログラム 図5
  • 特許-車載装置、通過検知装置、車両管理システム、車両管理方法及びプログラム 図6
  • 特許-車載装置、通過検知装置、車両管理システム、車両管理方法及びプログラム 図7
  • 特許-車載装置、通過検知装置、車両管理システム、車両管理方法及びプログラム 図8
  • 特許-車載装置、通過検知装置、車両管理システム、車両管理方法及びプログラム 図9
  • 特許-車載装置、通過検知装置、車両管理システム、車両管理方法及びプログラム 図10
  • 特許-車載装置、通過検知装置、車両管理システム、車両管理方法及びプログラム 図11
  • 特許-車載装置、通過検知装置、車両管理システム、車両管理方法及びプログラム 図12
  • 特許-車載装置、通過検知装置、車両管理システム、車両管理方法及びプログラム 図13
  • 特許-車載装置、通過検知装置、車両管理システム、車両管理方法及びプログラム 図14
  • 特許-車載装置、通過検知装置、車両管理システム、車両管理方法及びプログラム 図15
  • 特許-車載装置、通過検知装置、車両管理システム、車両管理方法及びプログラム 図16
  • 特許-車載装置、通過検知装置、車両管理システム、車両管理方法及びプログラム 図17
  • 特許-車載装置、通過検知装置、車両管理システム、車両管理方法及びプログラム 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】車載装置、通過検知装置、車両管理システム、車両管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20240827BHJP
【FI】
G07B15/00 510
G07B15/00 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021180908
(22)【出願日】2021-11-05
(65)【公開番号】P2023069197
(43)【公開日】2023-05-18
【審査請求日】2023-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】久保 知之
(72)【発明者】
【氏名】伊勢 賢一
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-177324(JP,A)
【文献】特開2007-183827(JP,A)
【文献】特開2018-106414(JP,A)
【文献】特開2004-038692(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載装置であって、
前記車両を識別するための車両識別情報を予め記憶している第1記憶手段と、
前記車両が予め定められた検知箇所を通過したことを示す通過情報を通過検知装置から取得する通過取得手段と、
前記通過情報が取得されると、前記車両識別情報と前記通過情報をサーバへ送信する第1通信手段とを備え、
前記通過情報は、さらに、前記検知箇所における前記車両の通過方向を示す方向情報を含み、
前記方向情報は、前記車両が前記検知箇所を通過した場合に、前記通過検知装置が当該車両の通過方向を検知することによって生成される
車載装置。
【請求項2】
前記通過情報は、さらに、前記検知箇所を識別するための検知箇所情報を含む
請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記車両の通過方向は、前記車両の重量に基づいて検知される
請求項1又は2に記載の車載装置。
【請求項4】
前記通過検知装置は、複数であり、
複数の前記通過検知装置は、前記検知箇所における前記車両の通過方向の各々に対応付けられており、
前記通過取得手段は、前記通過検知装置の各々から前記通過情報を取得する
請求項1から3のいずれか1項に記載の車載装置。
【請求項5】
前記通過情報は、さらに、前記車両が前記検知箇所を通過した時刻を示す時刻情報をさらに含む
請求項1から4のいずれか1項に記載の車載装置。
【請求項6】
前記通過取得手段は、前記通過検知装置から予め定められた範囲に発信され、指向性を有する電磁波を受信する
請求項1から5のいずれか1項に記載の車載装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の車載装置と、
前記サーバと、
前記車両が前記検知箇所を通過したことを検知するための前記通過検知装置とを備え、
前記サーバは、
前記車両識別情報を前記車載装置から取得する第2通信手段と、
前記取得された車両識別情報を記憶するための第2記憶手段とを含み、
前記通過検知装置は、前記車両が前記検知箇所を通過したことを検知すると、前記通過情報を前記車載装置へ出力する
車両管理システム。
【請求項8】
車両が予め定められた検知箇所を通過したことを検知し、前記車両が前記検知箇所を通過したことが検知された場合に当該車両の通過方向をさらに検知するためのセンサユニットと、
前記車両が前記検知箇所を通過したことが検知されると、前記車両を識別するための車両識別情報を、前記車両に搭載される車載装置から取得する識別情報取得部と、
前記車両識別情報と、前記検知箇所における前記車両の通過方向を示す方向情報とをサーバへ送信する第1通信手段とを備える
通過検知装置。
【請求項9】
請求項8に記載の通過検知装置と、
前記サーバと、
前記車両に搭載される前記車載装置とを備え、
前記サーバは、
前記車両識別情報を前記通過検知装置から受信する第2通信手段と、
前記受信された車両識別情報を記憶する第2記憶手段とを含み、
前記車載装置は、
前記車両識別情報を予め記憶している第1記憶手段と、
前記車両識別情報を前記通過検知装置へ出力する識別情報出力手段とを含む
車両管理システム。
【請求項10】
車載装置が、
車両を識別するための車両識別情報を予め記憶し、
前記車両が予め定められた検知箇所を通過したことを示す通過情報を通過検知装置から取得し、
前記通過情報が取得されると、前記車両識別情報をサーバへ送信することを含み、
前記通過情報は、さらに、前記検知箇所における前記車両の通過方向を示す方向情報を含み、
前記方向情報は、前記車両が前記検知箇所を通過した場合に、前記通過検知装置が当該車両の通過方向を検知することによって生成される
車両管理方法。
【請求項11】
前記車載装置に、
請求項10に記載の車両管理方法を実行させるためのプログラム。
【請求項12】
センサユニットが、
車両が予め定められた検知箇所を通過したことを検知し、
前記車両が前記検知箇所を通過したことが検知された場合に、当該車両の通過方向をさらに検知し、
処理ユニットが、
前記車両が予め定められた検知箇所を通過したことが前記センサユニットによって検知されると、前記車両を識別するための車両識別情報を、前記車両に搭載される車載装置から取得し、
前記取得した車両識別情報と、前記検知箇所における前記車両の通過方向を示す方向情報とをサーバへ送信する
車両管理方法。
【請求項13】
車両が予め定められた検知箇所を通過したことを検知し、
前記車両が前記検知箇所を通過したことが検知された場合に、当該車両の通過方向をさらに検知するセンサユニットによって、前記車両が予め定められた検知箇所を通過したことが検知されると、処理ユニットに、
前記車両を識別するための車両識別情報を、前記車両に搭載される車載装置から取得し、
前記取得した車両識別情報と、前記検知箇所における前記車両の通過方向を示す方向情報とをサーバへ送信することを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置、通過検知装置、車両管理システム、車両管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両を検知するための技術として、カメラで車両を撮影することによって得られた画像を処理するものがある。例えば、特許文献1には、赤外線カメラと可視カメラとで同時に車両を撮影し、車両を検知する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-260527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車庫、駐車場などの予め定められた管理領域における車両の出入りを管理するための技術が望まれている。この目的に特許文献1に記載の技術を適用する場合、車両が管理領域に出入りするためのゲートを赤外線カメラと可視カメラとで撮影することによって、ゲートを通過する車両を検知することが考えられる。
【0005】
しかしながら、管理領域における車両の出入りの管理においては、ゲートを通過する車両を検知するだけでなく、ゲートを通過する個々の車両を精度良く識別することが求められる。赤外線カメラにより得られる画像では、車両のエンジン部分を熱源として捉えることで車両を検出できたとしても、当該車両の識別は困難である。
【0006】
これに対して、可視カメラにより得られる画像を用いる場合、画像処理によってナンバープレートに示される情報を認識し、その結果を基に車両を識別することが考えられる。
【0007】
しかしながら、可視カメラにより得られるナンバープレートの画像は、種々の要因で不鮮明になったり、欠落したりすることがある。このような要因として、例えば、雨、雪などの天候、ナンバープレートの汚れがある。また例えば、夜間、曇天などでの光量不足がある。さらに例えば、ゲート周辺の樹木などの障害物の映り込みがある。
【0008】
このように、ナンバープレートの画像が不鮮明であったり欠落したりすると、画像処理によってナンバープレートに示される情報を精度良く認識ことは一般的に困難になり、車両の識別も困難になる。車両の識別が困難になると、管理領域における車両の出入りを管理することも困難になる。
【0009】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、その目的の1つは、予め定められる検知箇所を通過する車両の管理の精度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る車載装置は、
車両に搭載される車載装置であって、
前記車両を識別するための車両識別情報を予め記憶している第1記憶手段と、
前記車両が予め定められた検知箇所を通過したことを示す通過情報を通過検知装置から取得する通過取得手段と、
前記通過情報が取得されると、前記車両識別情報と前記通過情報をサーバへ送信する第1通信手段とを備え
前記通過情報は、さらに、前記検知箇所における前記車両の通過方向を示す方向情報を含み、
前記方向情報は、前記車両が前記検知箇所を通過した場合に、前記通過検知装置が当該車両の通過方向を検知することによって生成される
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る車両管理システムは、
上記の車載装置と、
前記サーバと、
前記車両が前記検知箇所を通過したことを検知するための前記通過検知装置とを備え、
前記サーバは、
前記車両識別情報を前記車載装置から取得する第2通信手段と、
前記取得された車両識別情報を記憶するための第2記憶手段とを含み、
前記通過検知装置は、前記車両が前記検知箇所を通過したことを検知すると、前記通過情報を前記車載装置へ出力する。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る通過検知装置は、
車両が予め定められた検知箇所を通過したことを検知し、前記車両が前記検知箇所を通過したことが検知された場合に当該車両の通過方向をさらに検知するためのセンサユニットと、
前記車両が前記検知箇所を通過したことが検知されると、前記車両を識別するための車両識別情報を、前記車両に搭載される車載装置から取得する識別情報取得部と、
前記車両識別情報と、前記検知箇所における前記車両の通過方向を示す方向情報とをサーバへ送信する第1通信手段とを備える。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係る車両管理システムは、
上記の通過検知装置と、
前記サーバと、
前記車両に搭載される前記車載装置とを備え、
前記サーバは、
前記車両識別情報を前記通過検知装置から受信する第2通信手段と、
前記受信された車両識別情報を記憶する第2記憶手段とを含み、
前記車載装置は、
前記車両識別情報を予め記憶している第1記憶手段と、
前記車両識別情報を出力する第1通信手段とを含む。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の第5の観点に係る車両管理方法は、
車載装置が、
車両を識別するための車両識別情報を予め記憶し、
前記車両が予め定められた検知箇所を通過したことを示す通過情報を通過検知装置から取得し、
前記通過情報が取得されると、前記車両識別情報をサーバへ送信することを含み、
前記通過情報は、さらに、前記検知箇所における前記車両の通過方向を示す方向情報を含み、
前記方向情報は、前記車両が前記検知箇所を通過した場合に、前記通過検知装置が当該車両の通過方向を検知することによって生成される
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の第6の観点に係る車両管理方法は、
センサユニットが、
車両が予め定められた検知箇所を通過したことを検知し、
前記車両が前記検知箇所を通過したことが検知された場合に、当該車両の通過方向をさらに検知し、
処理ユニットが、
前記車両が予め定められた検知箇所を通過したことが前記センサユニットによって検知されると、前記車両を識別するための車両識別情報を、前記車両に搭載される車載装置から取得し
前記取得した車両識別情報と、前記検知箇所における前記車両の通過方向を示す方向情報とをサーバへ送信する。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の第7の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
上記の車両管理方法を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、予め定められる検知箇所を通過する車両を精度良く識別することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態1に係る車両管理システムの構成の概要を示す図である。
図2】実施の形態1に係る通過検知装置とゲートG1を通じて入庫する車両Cとを側方から見た、ゲートG1の近傍を示す図である。
図3】実施の形態1に係る車載装置の機能的な構成を示す図である。
図4】実施の形態1に係るサーバの機能的な構成を示す図である。
図5】管理情報の構成の一例を示す図である。
図6】実施の形態1に係る車載装置の物理的な構成を示す図である。
図7】実施の形態1に係るサーバの物理的な構成を示す図である。
図8】本発明の実施の形態1に係る車両管理方法の一例を示すフローチャートである。
図9】変形例1に係る車両管理システムの構成の概要を示す図である。
図10】変形例2に係る車両管理システムの構成の概要を示す図である。
図11】変形例3に係る車両管理システムの構成の概要を示す図である。
図12】本発明の実施の形態2に係る車両管理システムの構成の概要を示す図である。
図13】実施の形態2に係る通過検知装置の機能的な構成を示す図である。
図14】実施の形態2に係る車載装置の機能的な構成を示す図である。
図15】実施の形態2に係るサーバの機能的な構成を示す図である。
図16】実施の形態2に係る処理ユニットの物理的な構成を示す図である。
図17】実施の形態2に係る車載装置の物理的な構成を示す図である。
図18】本発明の実施の形態2に係る車両管理方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0020】
<<実施の形態1>>
本発明の実施の形態1に係る車両管理システム100は、その構成の概要を図1に示すように、車庫RにおけるゲートG1を通じた車両Cの入出庫を管理するためのシステムである。図1では上方から見た車庫R、ゲートG1及び車両Cを示しており、本実施の形態に係るゲートG1は、矢印A1で示すように車両Cが双方向に通過する通路を含む。
【0021】
ここで、車庫Rは、予め定められる管理領域の一例であり、管理領域は、車庫Rに限られず、駐車場などであってもよい。車両Cは、バス、トラック、タクシー、レンタカー、カーシェアリングやカーリースに利用される自動車、営業車、自家用車などである。
【0022】
なお、車両Cは1台以上であればよく、ゲートG1は車庫Rに複数設けられてもよく、車庫Rは複数であってもよい。
【0023】
車両管理システム100は、ゲートG1に対応付けて設置される通過検知装置101と、車両Cの各々に搭載される車載装置102と、サーバ103とを備える。
【0024】
車載装置102の各々とサーバ103とは、ネットワークNを介して情報を互いに送受信可能に構成される。ネットワークNは、有線、無線又はこれらを組み合わせて構築される通信回線である。
【0025】
(通過検知装置101の機能的構成)
通過検知装置101は、車両CがゲートG1を通過したことを検知すると、車両CがゲートG1を通過したことを示す通過情報を出力する。ここで、ゲートG1は、車両Cの通過を検知する箇所として予め定められた検知箇所に相当する。
【0026】
本実施の形態に係る通過情報は、方向情報と、通過時刻と、検知箇所情報とを含む。なお、通過検知装置101は、車両Cや人などの通過を検知すると、車両Cが通過したか否かを判定し、その判定の結果(例えば、車両Cが通過したこと又は車両以外の物・人が通過したこと)を含む通過情報を出力してもよい。
【0027】
方向情報は、車両CがゲートG1を通過した際の車両Cの通過方向を示す情報である。本実施の形態では、管理領域が車庫Rであるので、通過方向は、車庫Rに入る入庫方向と車庫Rから出る出庫方向とのいずれかである。
【0028】
通過時刻は、車両CがゲートG1を通過した時刻である。時刻は、日付などを含んでもよい。
【0029】
検知箇所情報は、ゲートG1を識別するための情報である。
【0030】
検知箇所情報は、例えば、ゲートG1に付与される名称などのID(Identifier)、ゲートG1の位置である。また、検知箇所情報は、通過検知装置101を識別するための情報であってもよい。通過検知装置101がゲートG1に対応付けて設置されるので、通過検知装置101を識別するための情報によっても、ゲートG1を識別することができる。通過検知装置101を識別するための情報の例として、通過検知装置101のシリアルナンバ、企業や事業所などにおいて通過検知装置101に付与される名称などのIDを挙げることができる。
【0031】
なお、検知箇所情報は、ここで例示した情報の1つを含んでもよく、複数を含んでもよい。
【0032】
詳細には、通過検知装置101は機能的に、図1及び2に示すように、センサユニット104と、処理ユニット105とを備える。
【0033】
ここで、図2は、本実施の形態に係る通過検知装置101とゲートG1を通じて入庫する車両Cとを側方(図1の下方に相当する方向)から見た、ゲートG1の近傍を示す図である。図2では、車両Cの前輪が機械式の踏輪装置であるセンサユニット104に接触してその上を通過する途中の状態を示している。
【0034】
センサユニット104は、その上を通過する車両Cの重量を検知することによって、車両CがゲートG1を通過したことを検知する。本実施の形態に係るセンサユニット104は、ゲートG1を通過した車両Cの通過方向も検知する。センサユニット104は、車両CがゲートG1を通過したことを検知すると、検知信号を処理ユニット105へ出力する。検知信号は、車両CがゲートG1を通過したことを示す信号であり、当該車両Cの通過方向を含む。
【0035】
処理ユニット105は、センサユニット104から検知信号を取得すると、検知信号を処理することによって通過情報を生成し、通過情報を出力する。
【0036】
詳細には処理ユニット105は、現在時刻を計時しており、検知箇所情報を予め記憶している。処理ユニット105は、センサユニット104から検知信号を取得すると、検知信号に含まれる情報に、検知信号を取得した時の現在時刻と、自身が記憶している検知箇所情報とを関連付けることによって通過情報を生成する。
【0037】
(車載装置102の機能的構成)
車載装置102は、通過検知装置101から通過情報を取得すると、自身が予め記憶している車両識別情報をサーバ103へ送信する。本実施の形態に係る車載装置102は、車両識別情報と通過情報(すなわち、方向情報、通過時刻及び検知箇所情報)とを含む管理情報111(図5参照)をサーバ103へ送信する。なお、管理情報111は、車両識別情報と通過情報に含まれる情報(方向情報、通過時刻、検知箇所情報)の一部のみとを含んでもよい。
【0038】
詳細には、車載装置102は機能的に、図3に示すように、第1記憶部106と、通過取得部107と、第1通信部108とを備える。
【0039】
第1記憶部106は、車両Cを識別するための車両識別情報を予め記憶している。
【0040】
車両識別情報は、例えば、車両固有情報、企業や事業所などにおいて車両Cを管理するために各車両Cに付与される名称などのID、車載装置102を識別するための情報である。
【0041】
車両固有情報とは、ナンバープレートに示される情報などの車両Cに固有の情報である。また、車載装置102を識別するための情報の例として、車載装置102のシリアルナンバ、車載装置102に付与される名称などのIDを挙げることができる。なお、車両識別情報は、ここで例示した情報の1つを含んでもよく、複数を含んでもよい。
【0042】
通過取得部107は、通過情報を通過検知装置101から取得する。
【0043】
第1通信部108は、通過取得部107によって通過情報が取得されると、第1記憶部106から車両識別情報を取得し、当該取得した車両識別情報をサーバ103へ送信する。本実施の形態に係る第1通信部108は、通過取得部107によって通過情報が取得されると、車両識別情報と通過情報とを含む管理情報111を生成し、当該生成した管理情報111をサーバ103へ送信する。
【0044】
(サーバ103の機能的構成)
サーバ103は、車庫Rにおける車両Cの入出庫に関する管理情報111の管理や処理を行うための装置である。
【0045】
詳細には、サーバ103は機能的に、図4に示すように、第2通信部109と、第2記憶部110とを備える。
【0046】
第2通信部109は、車両識別情報を車載装置102からネットワークNを介して取得する。本実施の形態に係る第2通信部109は、車両識別情報と通過情報とを含む管理情報111を車載装置102からネットワークNを介して取得する。
【0047】
第2記憶部110は、第2通信部109によって取得された管理情報111を記憶するための記憶部である。本実施の形態に係る管理情報111は、図5に示すように、車両識別情報、方向情報、通過時刻及び検知箇所情報が関連付けられた情報である。
【0048】
これまで、本発明の実施の形態1に係る車両管理システム100の機能的な構成について主に説明した。ここから、実施の形態1に係る車両管理システム100の物理的な構成について説明する。
【0049】
(通過検知装置101の物理的構成)
センサユニット104は、物理的には例えば、ゲートG1における車両Cの通過とその通過方向を検知するためのセンサと、当該センサからの信号を処理するための回路やプロセッサ、処理ユニット105と通信するための通信インタフェースなどから構成される。
【0050】
センサユニット104を構成するセンサは、例えば機械式の踏輪装置であり、図1及び2に示すように、ゲートG1の路面に設置される。機械式の踏輪装置の場合、ゲートG1を通過する車両Cのタイヤがセンサの上に載るため車両Cの重量も検知できる。そのため、ゲートG1を通過する人が機械式の踏輪装置の上に載った場合に、車両Cが通過したと誤って検知する可能性が低い。
【0051】
なお、センサユニット104を構成するセンサは、機械式の踏輪装置に限らず、赤外線センサ、磁気センサ、レーダーセンサ、ループコイル式のセンサ、カメラ等であってもよく、これらを適宜組み合わせたものであってもよい。
【0052】
赤外線センサやレーダーセンサは、例えば、電磁波がゲートG1を通過する車両Cによって遮断、反射されることを検知し、それによって車両CがゲートG1を通過したことを検知する。磁気センサやループコイル式のセンサは、ゲートG1を通過する車両Cの磁気を検知することによって、車両CがゲートG1を通過したことを検知する。カメラはゲートG1を通過する車両Cを撮影し、カメラで生成された画像情報を処理することによって、車両CがゲートG1を通過したことを検知する。この画像処理は、例えば、センサユニット104、処理ユニット105で行われるとよい。
【0053】
例えば、赤外線センサは、これのみではゲートG1を通過する人を車両Cと誤って検知するおそれがあるため、ゲートG1を通過する車両の磁気を検知できる磁気センサなどと組み合わされてもよい。また、ゲートG1を通過する人を車両Cと誤って検知する可能性を減らすために、赤外線センサは例えば、ゲートG1を通過する車両の重量を検知するセンサと組み合わせれてもよい。
【0054】
処理ユニット105は、物理的には例えば、センサユニット104からの検知信号を処理するプロセッサ、センサユニット104との間で信号を送受信するためのセンサインタフェース、車載装置102との間で通信するための通信インタフェース、計時するためのタイマなどから構成される。
【0055】
処理ユニット105と車載装置102との通信には、車両CがゲートG1を通過する時に、当該車両Cに搭載された車載装置102と通信できる通信方式が採用されるとよい。このような通信方式の例として、BLUETOOTH(登録商標)、赤外線通信、特定小電力無線通信などを挙げることができる。
【0056】
なお、センサユニット104と処理ユニット105とは、物理的に、一体的に構成されてもよく、個別に構成されてもよい。個別に構成される場合、センサユニット104と処理ユニット105とは、有線、無線又はこれらを組み合わせた回線を通じて通信するとよい。
【0057】
(車載装置102の物理的構成)
車載装置102は、例えば、V2X(Vehicle to X)オンボードユニット(OBU)やテレマティクス制御ユニット(TCU)等の通信機能を有する装置であり、物理的に、例えば図6に示すように、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、通信インタフェース1060及びネットワークインタフェース1070を有する。
【0058】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、通信インタフェース1060及びネットワークインタフェース1070が相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0059】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0060】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0061】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は、車載装置102の各機能を実現するためのプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれらプログラムモジュールをメモリ1030に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能部が実現される。
【0062】
通信インタフェース1060は、処理ユニット105との間で通信するためのインタフェースである。すなわち、通信インタフェース1060は、上述の通り、BLUETOOTH(登録商標)、赤外線通信、特定小電力無線通信などのインタフェースである。
【0063】
ネットワークインタフェース1070は、車載装置102をネットワークNに接続するためのインタフェースである。詳細には例えば、ネットワークインタフェース1070は、3G(第3世代移動通信システム)、LTE(Long Term Evolution)、Wi-Fiなどを利用した通信のためのインタフェースの1つ又は複数を含む。なお、車載装置102の各種設定は、例えば、ネットワークインタフェース1070を介して接続されるコンピュータ(図視せず)のブラウザ機能などを介して行われるとよい。
【0064】
(サーバ103の物理的構成)
サーバ103は物理的に、例えば図7に示すように、バス2010、プロセッサ2020、メモリ2030、ストレージデバイス2040、ネットワークインタフェース2050、入力デバイス2060及び表示デバイス2070を有する。
【0065】
バス2010は、プロセッサ2020、メモリ2030、ストレージデバイス2040、ネットワークインタフェース2050、入力デバイス2060及び表示デバイス2070が相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ2020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0066】
プロセッサ2020は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0067】
メモリ2030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0068】
ストレージデバイス2040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス2040は、サーバ103の各機能を実現するためのプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ2020がこれらプログラムモジュールをメモリ2030に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能部が実現される。
【0069】
ネットワークインタフェース2050は、サーバ103をネットワークNに接続するためのインタフェースである。
【0070】
入力デバイス2060は、ユーザが情報を入力するための機器であって、例えば、キーボード、マウスなどである。
【0071】
出力デバイス2070は、情報を表示するための機器であって、例えば、液晶表示パネル、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどにより構成される。なお、入力デバイス2060と出力デバイス2070とは、タッチパネルとして構成されてもよい。
【0072】
(車両管理システム100の動作)
これまで、本発明の実施の形態1に係る車両管理システム100の機能的・物理的構成について説明した。ここから、実施の形態1に係る車両管理システム100の動作について説明する。
【0073】
図8は、本発明の実施の形態1に係る車両管理方法の一例を示すフローチャートである。車両管理方法は、車庫RにおけるゲートG1を通じた車両Cの入出庫を管理するための方法であり、車両管理システム100により実行される。車両管理方法は、例えば、車両管理システム100の稼働中に繰り返し実行される。
【0074】
センサユニット104は、ゲートG1の車両Cの通過を待機しており、車両CがゲートG1を通過すると、ゲートG1の車両Cの通過を検知する(ステップS101)。ゲートG1の車両Cの通過を検知しない場合(ステップ101;No)、センサユニット104は、車両Cの通過の待機に戻る。
【0075】
ゲートG1の車両Cの通過を検知した場合(ステップ101;No)、センサユニット104は、当該車両Cの通過方向も同時に検知する。そして、センサユニット104は、車両Cの通過方向を含む検知信号を生成し、当該生成した検知信号を処理ユニット105へ出力する(ステップS102)。
【0076】
処理ユニット105は、センサユニット104から出力された検知信号を取得する(ステップS103)。
【0077】
処理ユニット105は、ステップS103にて取得した検知信号を処理することによって通過情報を生成し、当該生成した通過情報を出力する(ステップS104)。
【0078】
通過取得部107は、ステップS104にて出力される通過情報を取得する(ステップS105)。
【0079】
ここで、通過情報は、通過取得部107によって取得されるように、処理ユニット105から出力されるとよい。
【0080】
例えば、通過情報は、車両CがゲートG1を通過している間、処理ユニット105から継続的に出力されて、その間に通過取得部107によって取得されるとよい。
【0081】
車両CがゲートG1を通過している間とは、例えば、車両Cの前輪がセンサユニット104を通過することによって車両Cの通過を検知してから、その後輪がセンサユニット104を通過するまでである。また例えば、車両CがゲートG1を通過している間とは、車両Cの前輪がセンサユニット104を通過することによって車両Cの通過を検知してから、予め定められた時間が経過するまでである。
【0082】
さらに例えば、車両CがゲートG1を通過している間とは、車両Cの前輪がセンサユニット104を通過することによって車両Cの通過を検知してから、その後輪がセンサユニット104を通過した後に予め定められた時間が経過するまでである。
【0083】
さらに例えば、車両CがゲートG1を通過している間とは、車両Cの前輪がセンサユニット104を通過することによって車両Cの通過を検知してから、通過情報を取得したことを示す信号が通過取得部107から出力されて当該信号を処理ユニット105が取得するまでである。
【0084】
第1通信部108は、ステップS105にて通過情報が取得されると、管理情報111を生成し、当該生成した管理情報111をサーバ103へ送信する(ステップS106)。
【0085】
詳細には例えば、第1通信部108は、ステップS105にて通過情報が取得されると、車両識別情報を第1記憶部106から取得する。第1通信部108は、取得した車両識別情報と、ステップS105にて取得された通過情報に含まれる情報(方向情報、通過時刻、検知箇所情報)とを関連付ける。これにより、管理情報111が生成される。
【0086】
第2通信部109は、ステップS106にて送信される管理情報111を取得する(ステップS107)。
【0087】
第2通信部109は、ステップS107にて取得した管理情報111を第2記憶部110に記憶させる(ステップS108)。これにより、車両管理方法は終了する。
【0088】
車両管理方法が車両管理システム100の稼働中に繰り返し実行されることで、車庫RにおけるゲートG1を通じた車両Cの入出庫の状況を示す管理情報111が第2記憶部110に蓄積される。
【0089】
蓄積された管理情報111は、サーバ103にインストールされたアプリケーション・ソフトウェアの機能により、ユーザの指示に応じて、読み出され、処理される。読み出された管理情報111や処理後のデータは、他の装置(図示せず)やアプリケーション・ソフトウェアで利用するために出力されてもよい。
【0090】
また、蓄積された管理情報111は、別の装置(図示せず)にインストールされたブラウザやアプリケーション・ソフトウェアの機能を通じてユーザからの指示を受け付け、当該指示に応じて、読み出され、処理されてもよい。読み出された管理情報111や処理後のデータは、例えば別の装置が備える表示部に表示されてもよく、さらに別の装置やアプリケーション・ソフトウェアで利用するために出力されてもよい。
【0091】
本実施の形態では、車両識別情報が第1記憶部106に予め記憶されており、車両CがゲートG1を通過したことを示す通過情報が通過検知装置101から取得されると、その車両Cの車両識別情報がサーバ103へ送信される。そのため、ゲートG1を通過した車両Cの車両識別情報をほぼ誤りなく確実に取得してサーバ103へ送信することができる。従って、ゲートG1を通過する車両Cの管理の精度を向上させることが可能になる。
【0092】
本実施の形態では、通過情報は、さらに、ゲートG1を識別するための検知箇所情報を含む。これにより、車両Cが通過したゲートG1を識別して、車両Cを管理することができる。従って、ゲートG1を通過する車両Cの管理の精度を、より一層向上させることが可能になる。
【0093】
この点、車両管理システム100により複数のゲートG1を通過する車両Cを管理する場合に特に有用である。複数のゲートG1を管理する場合としては、1つの車庫Rに複数のゲートG1が設けられている場合、複数の車庫Rの各々に1つ又は複数のゲートG1が設けられている場合などがある。
【0094】
本実施の形態では、通過情報は、さらに、ゲートG1における車両Cの通過方向を示す方向情報を含む。この方向情報により車両Cの通過方向を特定することができるので、車両Cが入庫したか出庫したかを区別して管理することができる。従って、ゲートG1を通過する車両Cの管理の精度を、より一層向上させることが可能になる。
【0095】
本実施の形態では、通過情報は、さらに、車両CがゲートG1を通過した時刻を示す時刻情報をさらに含む。これにより、車両CがゲートG1を通過した時刻を含めて管理することができる。従って、ゲートG1を通過する車両Cの管理の精度を、より一層向上させることが可能になる。
【0096】
一般的に、処理ユニット105と車載装置102との間の通信に利用される電磁波(すなわち、処理ユニット105から発信されて通過取得部107により受信される電磁波)が、指向性が乏しく比較的広範囲に発信される電波である場合、ゲートG1の近傍を通過した車両Cなど、ゲートG1を通過する車両Cとは異なる車両Cの車載装置102(通過取得部107)に誤って受信されるおそれがある。また例えば、複数の車両Cが同時に通過できる幅のゲートG1の場合も同様に、ゲートG1を通過する一方の車両Cの通過情報が、他の車両Cの車載装置102に誤って受信されるおそれがある。
【0097】
このような指向性が乏しく比較的広範囲に発信される電磁波の例として、ETC(Electronic Toll Collection System)/DRSC(狭域通信:Dedicated Short Range Communications)システムで使用される電波を挙げることができる。
【0098】
これに対して、赤外線通信、BLUETOOTH、特定小電力無線通信では、予め定められた範囲に通信最大距離を調整或いは選定することができる。この範囲は、処理ユニット105とゲートG1を通過する車両Cとの距離Dに応じて予め定められればよい。そのため、処理ユニット105からの通過情報が、本来受信されるべき車両Cの車載装置102とは異なる車両Cの車載装置102に誤って受信される可能性を低減することができる。
【0099】
その結果、予め定められる検知箇所を通過する車両Cを精度良く識別することができ、ゲートG1を通過する車両の管理の精度を向上させることが可能になる。
【0100】
特に、赤外線のように指向性を有する電磁波は、このような誤って受信される可能性を低減するという観点から、処理ユニット105と車載装置102との間の通信に利用される電磁波としてより一層望ましい。
【0101】
本発明の実施の形態1について説明したが、実施の形態1は例えば以下の変形例1~6のように変更されてもよい。変形例1~6では、説明を簡明にするため、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
【0102】
(変形例1)
ゲートG1は、図9に示すように、矢印A2で示す入庫用の通路と、矢印A3で示す出庫用の通路とを含んでもよい。そして、入庫用の通路と出庫用の通路とのそれぞれにセンサユニット204a,204bが設けられてもよい。
【0103】
本変形例に係る車両管理システム200は、通過検知装置101に代わる通過検知装置201を備える。通過検知装置201は、ゲートG1に対応付けて設置されており、2つのセンサユニット204a,204bと、処理ユニット205とを含む。
【0104】
2つのセンサユニット204a,204bは、車両CがゲートG1を通過したことを検知する。センサユニット204aは、車両CがゲートG1を通じて入庫したことを検知する。センサユニット204bは、車両CがゲートG1を通じて出庫したことを検知する。
【0105】
本変形例では、センサユニット204a,204bの各々が、入庫と出庫とのいずれかの通過方向に対応付けられるので、センサユニット204a,204bは、通過方向を検知できなくてもよい。すなわち、検知信号は通過方向を含まなくてもよく、センサユニット204a,204bの各々は、車両Cの通過を検知すると、車両Cが通過したことを示す検知信号を出力するとよい。
【0106】
処理ユニット205は、センサユニット204a,204bから検知信号を取得すると、センサユニット204a,204bのいずれから検知信号を取得したかに応じて、車両Cの通過方向を判別する。そして、処理ユニット205は、判別結果に応じた方向情報を生成し、実施の形態1と同様の通過情報を生成する。
【0107】
なお、方向情報は、通過方向を示す情報に限らず、ゲートG1における車両Cの通過方向を特定できる情報であればよい。そのため、方向情報は、センサユニット204a,204bを識別するための情報であってもよい。センサユニット204a,204bを識別するための情報としては、センサユニット204a,204bのシリアルナンバ、センサユニット204a,204bに付与される名称などのIDを挙げることができる。なお、方向情報は、ここで例示した情報の1つを含んでもよく、複数を含んでもよい。
【0108】
このような方向情報は、サーバ103又は車載装置102において、入庫か出庫かという通過方向を示す情報に変換されてもよい。この場合、サーバ103又は車載装置102は、センサユニット204a,204bに対応付けられる進行方向(例えば、入庫又は出庫)を予め記憶しておくとよい。
【0109】
なお、ゲートG1が3つ以上の通路を含む場合、通過検知装置201は、各通路に設けられた3つ以上のセンサユニットを含んでもよい。
【0110】
(変形例2)
ゲートG1は、図10に示すように、矢印A2で示す入庫用の通路と、矢印A3で示す出庫用の通路とを含み、入庫用の通路と出庫用の通路とのそれぞれに通過検知装置301a,301bが設けられてもよい。
【0111】
本変形例に係る車両管理システム300は、通過検知装置101に代わる通過検知装置301a,301bを備える。通過検知装置301a,301bは、ゲートG1に対応付けて設置されており、それぞれが、センサユニット304a,304bと、処理ユニット305a,305bとを含む。
【0112】
センサユニット304a,304bは、車両CがゲートG1を通過したことを検知する。センサユニット304aは、車両CがゲートG1を通じて入庫したことを検知する。センサユニット304bは、車両CがゲートG1を通じて出庫したことを検知する。
【0113】
本変形例では、通過検知装置301a,301bの各々が、入庫と出庫とのいずれかの通過方向に対応付けられるので、センサユニット304a,304bは、通過方向を検知できなくてもよい。すなわち、検知信号は通過方向を含まなくてもよく、センサユニット304a,304bの各々は、車両Cの通過を検知すると、車両Cが通過したことを示す検知信号を出力するとよい。
【0114】
処理ユニット305a,305bのそれぞれは、センサユニット304a,304bから検知信号を取得すると、通過検知装置301a,301bが対応付けられる通過方向を示す方向情報を生成し、実施の形態1と同様の通過情報を生成する。そして、処理ユニット305a,305bの各々は、生成した通過情報を出力する。これにより、通過取得部107は、処理ユニット305a,305bの各々から通過情報を取得する。
【0115】
なお、方向情報は、通過方向を示す情報に限らず、ゲートG1における車両Cの通過方向を特定できる情報であればよい。そのため、方向情報は、変形例1のなお書きで記載したように、センサユニット304a,304bを識別するための情報であってもよい。また、方向情報は、処理ユニット305a,305bを識別するための情報であってもよく、通過検知装置301a,301bを識別するための情報であってもよい。
【0116】
処理ユニット305a,305bを識別するための情報としては、処理ユニット305a,305bのシリアルナンバ、処理ユニット305a,305bに付与される名称などのIDを挙げることができる。通過検知装置301a,301bを識別するための情報としては、通過検知装置301a,301bのシリアルナンバ、通過検知装置301a,301bに付与される名称などのIDを挙げることができる。なお、方向情報は、ここで例示した情報の1つを含んでもよく、複数を含んでもよい。
【0117】
このような方向情報は、サーバ103又は車載装置102において、入庫か出庫かという通過方向を示す情報に変換されてもよい。この場合、サーバ103又は車載装置102は、センサユニット204a,204b、処理ユニット305a,305b又は通過検知装置301a,301bに対応付けられる進行方向(例えば、入庫又は出庫)を予め記憶しておくとよい。
【0118】
なお、ゲートG1が3つ以上の通路を含む場合、本変形例と同様の通過検知装置が、各通路に設けられてもよい。
【0119】
(変形例3)
図11に示すように、複数のゲートG2,G3が車庫Rに設けられ、各ゲートG2,G3に入庫と出庫のいずれか一方の進行方向が対応付けられてもよい。本変形例では、ゲートG2が矢印A2で示す入庫用の通路を含み、ゲートG3が矢印A3で示す出庫用の通路とを含む例を説明する。
【0120】
本変形例に係る車両管理システム400は、通過検知装置101に代わる通過検知装置401a,401bを備える。通過検知装置401aは、入庫用のゲートG2に対応付けて設置されており、センサユニット404aと、処理ユニット405aとを含む。通過検知装置401bは、出庫用のゲートG3に対応付けて設置されており、センサユニット404bと、処理ユニット405bとを含む。
【0121】
センサユニット404aは、車両CがゲートG2を通じて入庫したことを検知する。センサユニット404bは、車両CがゲートG3を通じて出庫したことを検知する。
【0122】
本変形例では、通過検知装置401a,401bの各々が、入庫と出庫とのいずれかの通過方向に対応付けられるので、センサユニット404a,404bは、通過方向を検知できなくてもよい。すなわち、検知信号は通過方向を含まなくてもよく、センサユニット404a,404bの各々は、車両Cの通過を検知すると、車両Cが通過したことを示す検知信号を出力するとよい。
【0123】
また、通過検知装置401a,401bの各々が、一方向にのみ通過できるゲートG2,G3に対応付けられるので、検知箇所情報により通過方向を特定することができる。すなわち、ゲートG2,G3を識別するための検知箇所情報が、ゲートG2,G3における車両Cの通過方向を特定できる情報にもなる。そのため、通過情報は、方向情報を含まなくてもよく、例えば、通過時刻と検知箇所情報とを含む。
【0124】
処理ユニット405a,405bのそれぞれは、センサユニット404a,404bから検知信号を取得すると、検知信号を取得した時の現在時刻と、自身が記憶している検知箇所情報とを含む通過情報を生成する。そして、処理ユニット405a,405bの各々は、生成した通過情報を出力する。これにより、通過取得部107は、処理ユニット405a,405bの各々から通過情報を取得する。
【0125】
なお、実施の形態1と同様の管理情報111を生成するために、入庫か出庫かという通過方向を示す情報が、処理ユニット105、車載装置102、サーバ103のいずれかで、検知箇所情報に基づいて生成されてもよい。この場合、入庫か出庫かという通過方向を示す情報を生成する処理ユニット105、車載装置102、サーバ103のいずれかが、ゲートG2,G3に対応付けられる進行方向(例えば、入庫又は出庫)を予め記憶しておくとよい。
【0126】
なお、ゲートG2,G3のように入庫と出庫とのいずれか一方向にのみ通過できるゲートが、車庫Rに3つ以上設けられ、本変形例と同様の通過検知装置が、各ゲートに設けられてもよい。
【0127】
(変形例4)
通過時刻は、処理ユニット105に限らず、車載装置102、サーバ103のいずれかで生成されてもよい。この場合、車載装置102、サーバ103のいずれかがタイマを備えればよく、処理ユニット105はタイマを備えなくてもよい。
【0128】
車載装置102が通過時刻を生成する場合、通過時刻は、通過情報に含まれなくてもよい。この場合、車載装置102が、車両識別情報と、通過時刻と、通過情報(すなわち、方向情報及び検知箇所情報)とを含む管理情報111を生成してサーバ103へ送信するとよい。
【0129】
サーバ103が通過時刻を生成する場合、通過時刻は、通過情報と、車載装置102から送信される管理情報とのいずれにも含まれなくてよい。この場合、サーバ103が、車両識別情報と通過情報(すなわち、方向情報及び検知箇所情報)とを含む管理情報を取得し、この管理情報と通過時刻とを関連付けることによって実施の形態1と同様の管理情報111を生成し、当該生成した管理情報111を記憶するとよい。
【0130】
(変形例5)
管理情報111は、車両識別情報と、出庫時刻又は入庫時刻と、検知箇所情報とが関連付けられた情報であってもよい。出庫時刻及び入庫時刻の各々は、方向情報と通過時刻とをまとめた情報である。詳細には、出庫時刻は、出庫という方向情報と通過時刻とをまとめた情報である。入庫時刻は、入庫という方向情報と通過時刻とをまとめた情報である。
【0131】
出庫時刻及び入庫時刻は、時刻情報が処理ユニット105で計時される場合、処理ユニット105、車載装置102、サーバ103のいずれで生成されてもよい。出庫時刻及び入庫時刻は、時刻情報が車載装置102で計時される場合、車載装置102、サーバ103のいずれで生成されてもよい。出庫時刻及び入庫時刻は、時刻情報がサーバ103で計時される場合、サーバ103で生成されるとよい。
【0132】
(変形例6)
管理情報111が車載装置102からサーバ103へ送信されるタイミングは、例えば、リアルタイムであってもよく、予め定められた時期(例えば、1日のうちの予め定められた時刻)であってもよい。管理情報111が予め定められた時期に送信される場合、車載装置102は、未送信の管理情報111を記憶しておき、当該未送信の管理情報111をまとめてサーバ103へ送信するとよい。
【0133】
<<実施の形態2>>
実施の形態1では、車載装置102が、処理ユニット105から取得した通過情報(方向情報、通過時刻及び検知箇所情報)と、車両識別情報とを関連付けることによって管理情報111を生成し、当該生成した管理情報111をサーバ103へ送信する例を説明した。
【0134】
実施の形態2では、処理ユニットが車載装置から取得した車両識別情報と、通過情報とを関連付けることによって管理情報111を生成し、当該生成した管理情報をサーバへ送信する例を説明する。実施の形態2では、説明を簡明にするため、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
【0135】
本発明の実施の形態2に係る車両管理システム500は、その構成の概要を図12に示すように、ゲートG1に対応付けて設置される通過検知装置501と、車両Cの各々に搭載される車載装置502と、サーバ503とを備える。
【0136】
本実施の形態に係るゲートG1も、実施の形態1と同様に、車両Cが双方向に通過する通路を含む。通過検知装置501とサーバ503とは、実施の形態1と同様のネットワークNを介して情報を互いに送受信可能に構成される。
【0137】
(通過検知装置501の機能的構成)
通過検知装置501は、車両CがゲートG1を通過したことを検知すると、車載装置502から車両識別情報を取得し、当該取得した車両識別情報と、通過情報とを関連付ける。これにより、管理情報111が生成される。通過検知装置501は、管理情報111をサーバ503へ送信する。
【0138】
詳細には、通過検知装置501は機能的に、図13に示すように、実施の形態1と同様のセンサユニット104と、処理ユニット505とを備える。
【0139】
処理ユニット505は、センサユニット104から検知信号を取得すると、通過情報を生成する。そして、処理ユニット505は、車載装置502から取得する車両識別情報と、通過情報とを関連付けることによって管理情報111を生成し、ネットワークNを介して管理情報111をサーバ503へ送信する。
【0140】
詳細には、処理ユニット505は機能的に、計時部512と、検知箇所記憶部513と、通過情報生成部514と、トリガ出力部515と、識別情報取得部516と、第1通信部508とを含む。
【0141】
計時部512は、現在時刻を計時する。
【0142】
検知箇所記憶部513は、検知箇所情報を予め記憶している。
【0143】
通過情報生成部514は、センサユニット104から検知信号を取得し、これに応じて検知信号を処理することによって通過情報を生成する。
【0144】
より詳細には、通過情報生成部514は、センサユニット104からの検知信号が取得されると、検知信号を取得した時の現在時刻を計時部512から取得し、検知箇所情報を検知箇所記憶部513から取得する。通過情報生成部514は、検知信号に含まれる情報と、取得した現在時刻及び検知箇所情報とを関連付けることによって通過情報を生成する。
【0145】
トリガ出力部515は、センサユニット104からの検知信号が取得されると、トリガ信号を出力する。トリガ信号は、車両識別情報の出力を車載装置502に開始させるためのトリガとなる信号である。
【0146】
識別情報取得部516は、トリガ信号に応じて出力される車両識別情報を車載装置502から取得する。
【0147】
第1通信部508は、識別情報取得部516によって取得された車両識別情報をサーバ503へ送信する。本実施の形態に係る第1通信部508は、通過情報生成部514によって生成された通過情報と、車両識別情報とを関連付けることによって管理情報111を生成し、管理情報111をサーバ503へネットワークNを介して送信する。
【0148】
(車載装置502の機能的構成)
車載装置502は、自身が予め記憶している車両識別情報を出力する。詳細には、車載装置502は機能的に、図14に示すように、実施の形態1と同様の第1記憶部506と、識別情報出力部517とを含む。
【0149】
識別情報出力部517は、トリガ信号を取得すると、これに応じて、第1記憶部506から車両識別情報を取得し、当該取得した車両識別情報を通過検知装置501へ送信する。
【0150】
(サーバ503の機能的構成)
サーバ503は、実施の形態1と同様に、車庫Rにおける車両Cの入出庫に関する管理情報111の管理や処理を行うための装置である。
【0151】
詳細には、サーバ503は機能的に、図15に示すように、実施の形態1と同様の第2記憶部110と、第2通信部509とを備える。
【0152】
第2通信部509は、車両識別情報を通過検知装置501からネットワークNを介して取得する。本実施の形態に係る第2通信部509は、車両識別情報と通過情報とを含む管理情報111を通過検知装置501からネットワークNを介して取得する。
【0153】
これまで、本発明の実施の形態2に係る車両管理システム500の機能的な構成について主に説明した。ここから、実施の形態2に係る車両管理システム500の物理的な構成について説明する。
【0154】
(通過検知装置501の物理的構成)
センサユニット104は、物理的にも実施の形態1と同様でよい。
【0155】
処理ユニット505は物理的に、例えば図16に示すように、バス5010、プロセッサ5020、メモリ5030、ストレージデバイス5040、通信インタフェース5060、ネットワークインタフェース5070、タイマ5080及びセンサインタフェース5090を有する。
【0156】
バス5010、プロセッサ5020、メモリ5030、ストレージデバイス5040、通信インタフェース5060、ネットワークインタフェース5070は、それぞれ、実施の形態1に係る車載装置102のバス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、通信インタフェース1060、ネットワークインタフェース1070に相当する。
【0157】
タイマ5080は、現在時刻を計時する。
【0158】
センサインタフェース5090は、センサユニット104との間で信号を送受信するためのインタフェースである。
【0159】
本実施の形態に係る通過検知装置501においても、実施の形態1と同様に、センサユニット104と処理ユニット505とは物理的に、一体的に構成されてもよく、個別に構成されてもよい。
【0160】
(車載装置502の物理的構成)
車載装置502は物理的に、例えば図17に示すように、実施の形態1と同様のバス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040及び通信インタフェース1060を有する。すなわち、車載装置502は、ネットワークインタフェース1070を有しなくてもよい点で、実施の形態1に係る車載装置502と異なっている。
【0161】
処理ユニット505と車載装置502との通信には、実施の形態1と同様に、車両CがゲートG1を通過する時に、当該車両Cに搭載された車載装置102と通信できる通信方式が採用されるとよい。
【0162】
なお、車載装置502は、各種の設定のために、例えば、実施の形態1と同様にネットワークインタフェース1070を備えてもよく、その他の入出力インタフェースを備えてもよい。
【0163】
(サーバ503の物理的構成)
サーバ503は物理的に、実施の形態1に係るサーバ103と同様に構成されるとよい。
【0164】
(車両管理システム100の動作)
これまで、本発明の実施の形態2に係る車両管理システム500の機能的・物理的構成について説明した。ここから、実施の形態2に係る車両管理システム500の動作について説明する。
【0165】
図18は、本発明の実施の形態2に係る車両管理方法の一例を示すフローチャートである。本実施の形態に係る車両管理方法では、実施の形態1と同様のステップS101~S103が行われる。なお、図18では、ステップS101~S102を省略している。
【0166】
通過情報生成部514は、ステップS103にて検知信号を取得すると、これに応じて検知信号を処理することによって通過情報を生成する(ステップS510)。
【0167】
トリガ出力部515は、ステップS103にて検知信号が取得されると、トリガ信号を出力する(ステップS511)。
【0168】
なお、ステップS510とステップS511とはいずれが先に実行されてもよく、ステップS511がステップS510の前に実行される場合、センサユニット104からの検知信号は、トリガ出力部515により取得されるとよい。
【0169】
識別情報出力部517は、ステップS511にて出力されるトリガ信号を取得すると(ステップS512)、これに応じて、第1記憶部106から取得される車両識別情報を出力する(ステップS513)。
【0170】
ステップS513において、車両識別情報は、例えば、予め定められる時間、継続的に出力される。この時間は、例えば、車両CがゲートG1を通過するために要する時間に応じて定められる。
【0171】
識別情報取得部516は、ステップS513にて出力される車両識別情報を取得する(ステップS514)。
【0172】
このように、ステップS511にて出力されるトリガ信号に応じて車両識別情報が出力されることによって、識別情報取得部516は、車両識別情報を確実に取得することができる。従って、ゲートG1を通過する車両を精度良く識別することが可能になる。
【0173】
第1通信部508は、ステップS510にて生成された通過情報と、ステップS514にて取得された車両識別情報とを関連付けることによって管理情報111を生成し、当該生成した管理情報111をサーバ503へ送信する(ステップS515)。
【0174】
第2通信部509は、ステップS515にて送信された管理情報111を通過検知装置501からネットワークNを介して取得する(ステップS516)。続けて、実施の形態1と同様のステップS108が行われ、車両管理方法は、終了する。
【0175】
本実施の形態においても、車両管理方法が車両管理システム500の稼働中に繰り返し実行されることで、車庫RにおけるゲートG1を通じた車両Cの入出庫の状況を示す管理情報111が第2記憶部110に蓄積される。
【0176】
本実施の形態では、車両識別情報が車載装置502(第1記憶部106)に予め記憶されており、車両CがゲートG1を通過したことが検知されると、その車両Cの車両識別情報が車載装置502から取得されて、サーバ503へ送信される。そのため、ゲートG1を通過した車両Cの車両識別情報をほぼ誤りなく確実に取得してサーバ503へ送信することができる。従って、ゲートG1を通過する車両Cの管理の精度を向上させることが可能になる。
【0177】
その他、本実施の形態においても実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0178】
本発明の実施の形態2について説明したが、実施の形態2は例えば以下の変形例7のように変更されてもよい。変形例7では、説明を簡明にするため、実施の形態2と異なる点を主に説明する。
【0179】
(変形例7)
実施の形態2では、車載装置502がトリガ信号に応じて車両識別情報を出力する例を説明したが、車両識別情報が出力される時期はこれに限られない。
【0180】
例えば、車両識別情報は、常時、車載装置502から出力されてもよい。この場合、実施の形態2に係る車両管理方法のステップS511~S512は実行されなくてよい。
【0181】
また例えば、車両識別情報は、その車載装置502を搭載する車両Cの現在位置が車庫Rの近傍(すなわち、車庫Rから予め定められた範囲)にあるときに出力されてもよい。この場合、車載装置502がGPS(Global Positioning System)などを用いて現在位置を取得する機能を備えるとよい。
【0182】
本変形例によっても、識別情報取得部516は、車両識別情報を確実に取得することができる。従って、ゲートG1を通過する車両を精度良く識別することが可能になる。
【0183】
以上、図面を参照して本発明の実施の形態及び変形例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。また、各実施の形態及び各変形例がさらに変更されてもよい。さらに、各実施の形態及び各変形例が適宜組み合わされてもよく、各実施の形態及び各変形例を適宜組み合わせたうえでさらに変更されてもよい。
【0184】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、実施の形態の各々で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。実施の形態の各々では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の実施の形態及び変形例は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0185】
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
【0186】
1.
車両に搭載される車載装置であって、
前記車両を識別するための車両識別情報を予め記憶している第1記憶手段と、
前記車両が予め定められた検知箇所を通過したことを示す通過情報を通過検知装置から取得する通過取得手段と、
前記通過情報が取得されると、前記車両識別情報と前記通過情報をサーバへ送信する第1通信手段とを備える
車載装置。
2.
前記通過情報は、さらに、前記検知箇所を識別するための検知箇所情報を含む
上記1に記載の車載装置。
3.
前記通過情報は、さらに、前記検知箇所における前記車両の通過方向を特定するための方向情報を含む
上記1又は2に記載の車載装置。
4.
前記通過検知装置は、複数であり、
複数の前記通過検知装置は、前記検知箇所における前記車両の通過方向の各々に対応付けられており、
前記通過取得手段は、前記通過検知装置の各々から前記通過情報を取得する
上記1から3のいずれか1つに記載の車載装置。
5.
前記通過情報は、さらに、前記車両が前記検知箇所を通過した時刻を示す時刻情報をさらに含む
上記1から4のいずれか1つに記載の車載装置。
6.
前記通過取得手段は、前記通過検知装置から予め定められた範囲に発信され、指向性を有する電磁波を受信する
請求項1から5のいずれか1項に記載の車載装置。
7.
上記1から6のいずれか1つに記載の車載装置と、
前記サーバとを備え、
前記サーバは、
前記車両識別情報を前記車載装置から取得する第2通信手段と、
前記取得された車両識別情報を記憶するための第2記憶手段とを含む
車両管理システム。
8.
前記車両が前記検知箇所を通過したことを検知するための前記通過検知装置をさらに備え、
前記通過検知装置は、前記車両が前記検知箇所を通過したことを検知すると、前記通過情報を出力する
上記7に記載の車両管理システム。
9.
車両が予め定められた検知箇所を通過したことを検知するためのセンサユニットと、
前記車両が前記検知箇所を通過したことが検知されると、前記車両を識別するための車両識別情報を、前記車両に搭載される車載装置から取得する識別情報取得部と、
前記車両識別情報をサーバへ送信する第1通信手段とを備える
通過検知装置。
10.
上記9に記載の通過検知装置と、
前記サーバとを備え、
前記サーバは、
前記車両識別情報を前記通過検知装置から受信する第2通信手段と、
前記受信された車両識別情報を記憶する第2記憶手段とを含む
車両管理システム。
11.
前記車両に搭載される前記車載装置をさらに備え、
前記車載装置は、
前記車両識別情報を予め記憶している第1記憶手段と、
前記車両識別情報を出力する第1通信手段とを含む
上記10に記載の車両管理システム。
12.
車両を識別するための車両識別情報を予め記憶し、
前記車両が予め定められた検知箇所を通過したことを示す通過情報を通過検知装置から取得し、
前記通過情報が取得されると、前記車両識別情報をサーバへ送信する
車両管理方法。
13.
コンピュータに、
上記12に記載の車両管理方法を実行させるためのプログラム。
14.
車両が予め定められた検知箇所を通過したことが検知されると、前記車両を識別するための車両識別情報を、前記車両に搭載される車載装置から取得し、
前記車両識別情報をサーバへ送信する
車両管理方法。
15.
コンピュータに、
上記14に記載の車両管理方法を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0187】
100 車両管理システム
101,201,301a,301b,401a,401b,501 通過検知装置
102,502 車載装置
103,503 サーバ
104,204a,204b,304a,304b,404a,404b センサユニット
105,205,305a,305b,405a,405b,505 処理ユニット
106 第1記憶部
107 通過取得部
108,508 第1通信部
109,509 第2通信部
110 第2記憶部
111 管理情報
512 計時部
513 検知箇所記憶部
514 通過情報生成部
515 トリガ出力部
516 識別情報取得部
517 識別情報出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18