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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】コモンモードフィルタ
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/06 20060101AFI20240827BHJP
   H01F 27/06 20060101ALI20240827BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20240827BHJP
   H01F 27/30 20060101ALI20240827BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20240827BHJP
   H01F 27/25 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H01F17/06 K
H01F17/06 A
H01F17/06 F
H01F27/06 103
H01F27/29 J
H01F27/30 101A
H01F27/28 K
H01F27/25
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023505389
(86)(22)【出願日】2021-07-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 KR2021009608
(87)【国際公開番号】W WO2022025546
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-01-25
(31)【優先権主張番号】10-2020-0096190
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】511302024
【氏名又は名称】アモグリーンテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キル,サン イル
(72)【発明者】
【氏名】リー,チュン グル
(72)【発明者】
【氏名】キム,セオン オウ
【審査官】井上 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-066217(JP,A)
【文献】実開平01-167010(JP,U)
【文献】実開平03-001512(JP,U)
【文献】実開平01-112011(JP,U)
【文献】特開2019-054156(JP,A)
【文献】実開平05-055515(JP,U)
【文献】特開2001-332426(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0075975(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0079853(KR,A)
【文献】特開2000-299225(JP,A)
【文献】特開2016-207811(JP,A)
【文献】実開平04-023114(JP,U)
【文献】実開昭63-067211(JP,U)
【文献】特開2009-272434(JP,A)
【文献】特開2019-040985(JP,A)
【文献】実開平05-001205(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2011/0025441(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0088771(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0085855(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 17/06
H01F 27/06
H01F 27/29
H01F 27/30
H01F 27/28
H01F 27/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の面積で貫通形成される配置孔を含む回路基板で前記配置孔に位置するように設置されるコモンモードフィルタであって、
磁性材質からなるリング状の磁性体コア;
前記磁性体コアの外面に沿って巻線される複数個のコイル;および
前記磁性体コアが結合され、前記磁性体コアに巻線された複数個のコイルを外部と電気的に連結するための複数個のコネクタ部材が備えられるベース部材;を含み、
前記ベース部材は
中空部が形成されたリング状の胴体と、前記中空部を横切るように前記胴体に形成される連結部材と、前記磁性体コアの一部が差し込まれ得るように前記連結部材の一面から一定の深さで引き込んで形成される一対の結合溝と、前記胴体から外側に一定の長さ突出し、一面が前記胴体の一面と段差面を形成する少なくとも二つの延長部分と、を含み、
前記胴体の一面と段差面を形成する延長部分の一面は、互いに異なる高さを有する第1段差面と第2段差面がそれぞれ形成され得るように前記胴体から延びる第1部分と前記第1部分から延びる第2部分を含み、
前記第2段差面は、前記配置孔の縁に係止されて設置される、
コモンモードフィルタ。
【請求項2】
前記複数個のコネクタ部材は、前記磁性体コアに巻線された複数個のコイルを外部と電気的に連結するための端子としての役割と前記ベース部材を前記回路基板に締結する締結部材としての役割を兼備できるように前記ベース部材に備えられる、請求項1に記載のコモンモードフィルタ。
【請求項3】
前記複数個のコイルは第1コイルと第2コイルを含み、
前記第1コイルおよび第2コイルは前記磁性体コアの外面を囲みながら前記連結部材の左、右両側に位置するように前記磁性体コアに巻線され、
前記磁性体コアは前記第1コイルおよび第2コイルが巻線されていない部分が前記一対の結合溝にそれぞれ締り嵌めされるものの、
前記磁性体コアのうち前記第1コイルおよび第2コイルが巻線されていない部分は前記第1コイルが巻線される部分と前記第2コイルが巻線される部分の間に位置する部分である、請求項に記載のコモンモードフィルタ。
【請求項4】
前記磁性体コアは前記一対の結合溝を通じて前記ベース部材に結合された状態で、厚さの中心が前記連結部材の厚さの中心と一致するように前記ベース部材に結合される、請求項に記載のコモンモードフィルタ。
【請求項5】
前記複数個のコネクタ部材それぞれは、
前記第1部分に固定され、前記コイルの端部が連結され得るように前記第1部分の一面から一定の長さ突出する第1突出部分と、前記第1突出部分と一定間隔離隔するように前記第2部分の外側に配置され、前記回路基板の配置孔周囲に貫通形成される締結孔に挿入されて前記ベース部材を前記回路基板に固定する第2突出部分と、前記第1突出部分および第2突出部分の端部を互いに連結する連結部分を含む、請求項に記載のコモンモードフィルタ。
【請求項6】
前記磁性体コアは非晶質合金またはナノ結晶粒合金の金属リボンからなり、前記磁性体コアは外面に一定の厚さで形成される絶縁性コーティング層を含む、請求項1に記載のコモンモードフィルタ。
【請求項7】
前記磁性体コアは非晶質合金またはナノ結晶粒合金の金属リボンをリング状で巻線した巻線体である、請求項に記載のコモンモードフィルタ。
【請求項8】
前記コモンモードフィルタは全体厚さが5~6mmである、請求項1に記載のコモンモードフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコモンモードフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
コモンモードフィルタは回路基板上に設置される電子部品の一つである。このようなコモンモードフィルタは通信装置、ディスプレイ装置などの各種電子装置に適用され得、前記電子装置で伝導性ノイズを除去するのに使われ得る。
【0003】
最近、各種電子装置は小型化および薄膜化が要求されるので、前記電子装置に適用されるコモンモードフィルタも小型化および薄型化が要求される。
【0004】
このようなコモンモードフィルタは回路動作に必要な信号は通過させ、コモンモードノイズは除去する。
【0005】
一般に、コモンモードフィルタはリング状で形成された磁性体コアに複数個のコイルがそれぞれ巻線された形態で構成される。このようなコモンモードフィルタにおいて、別途のボビンまたはケースは磁性体コアとコイルを電気的に絶縁し外部環境から磁性体コアを保護できるように磁性体コアを覆うことができ、コイルはボビンまたはケースで覆われた磁性体コアに巻線される。
【0006】
また、コモンモードフィルタでケースの中心部側には、コイル間の電気的な絶縁のためのセパレータのような別途の部品が配置される。
【0007】
すなわち、従来のコモンモードフィルタは磁性体コアを囲む別途のケースが伴われるため、ケースの厚さだけ全体のサイズが大きくならざるを得ない限界がある。
【0008】
これは、コモンモードフィルタを小型化および薄型化の障害として作用している。
【0009】
また、従来のコモンモードフィルタは回路基板の一面に積層される形態であるため、コモンモードフィルタを回路基板に設置すると、コモンモードフィルタが設置された全体厚さは回路基板の厚さでコモンモードフィルタの厚さだけ増加せざるを得ない。
【0010】
これは、効率的な空間活用を制約しながらも、コモンモードフィルタが適用された電子装置の全体厚さの薄型化の障害として作用している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は前記のような点を勘案して案出されたもので、絶縁性および耐久性を確保しながらも薄型化を具現できるコモンモードフィルタを提供することにその目的がある。
【0012】
また、本発明は回路基板に設置された状態で全体の設置厚さを減らすことができるコモンモードフィルタを提供することに他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述した課題を解決するために本発明は、所定の面積で貫通形成される配置孔を含む回路基板で前記配置孔に位置するように設置されるものであって、磁性材質からなるリング状の磁性体コア;前記磁性体コアの外面に沿って巻線される複数個のコイル;および前記
磁性体コアが結合され、前記磁性体コアに巻線された複数個のコイルを外部と電気的に連結するための複数個のコネクタ部材が備えられるベース部材;を含み、前記ベース部材は一部が前記配置孔の縁側に係止されて設置されるコモンモードフィルタを提供する。
【0014】
また、前記複数個のコネクタ部材は、前記磁性体コアに巻線された複数個のコイルを外部と電気的に連結するための端子としての役割と前記ベース部材を前記回路基板に締結する締結部材としての役割を兼備できるように前記ベース部材に備えられ得る。
【0015】
また、前記ベース部材は、中空部が形成されたリング状の胴体と、前記中空部を横切るように前記胴体に形成される連結部材および前記磁性体コアの一部が差し込まれ得るように前記連結部材の一面から一定の深さで引き込んで形成される一対の結合溝を含むことができる。
【0016】
また、前記複数個のコイルは第1コイルと第2コイルを含むことができ、前記第1コイルおよび第2コイルは前記磁性体コアの外面を囲みながら前記連結部材の左、右両側に位置するように前記磁性体コアに巻線され得、前記磁性体コアは前記第1コイルおよび第2コイルが巻線されていない部分が前記一対の結合溝にそれぞれ締り嵌めされるものの、前記磁性体コアのうち前記第1コイルおよび第2コイルが巻線されていない部分は前記第1コイルが巻線される部分と前記第2コイルが巻線される部分の間に位置する部分であり得る。
【0017】
また、前記磁性体コアは前記一対の結合溝を通じて前記ベース部材に結合された状態で、厚さの中心が前記連結部材の厚さの中心と一致するように前記ベース部材に結合され得る。
【0018】
一実施例として、前記ベース部材は、前記胴体から外側に一定の長さ突出し、一面が前記胴体の一面と段差面を形成する少なくとも二つの延長部分をさらに含むことができ、前記胴体の一面と段差面を形成する延長部分の一面は互いに異なる高さを有する第1段差面と第2段差面がそれぞれ形成され得るように前記胴体から延びる第1部分と前記第1部分から延びる第2部分を含むことができ、前記第2段差面は前記配置孔の縁に係止されて設置され得る。
【0019】
この時、前記複数個のコネクタ部材それぞれは、前記第1部分に固定され、前記コイルの端部が連結され得るように前記第1部分の一面から一定の長さ突出する第1突出部分と、前記第1突出部分と一定間隔離隔するように前記第2部分の外側に配置され、前記回路基板の配置孔周囲に貫通形成される締結孔に挿入されて前記ベース部材を前記回路基板に固定する第2突出部分と、前記第1突出部分および第2突出部分の端部を互いに連結する連結部分を含むことができる。
【0020】
他の実施例として、前記ベース部材は、前記胴体から外側に一定の長さ突出し、一面が前記胴体の一面と段差面を形成する少なくとも二つの延長部分をさらに含むことができ、前記胴体の一面と段差面を形成する延長部分の一面は前記配置孔の縁に係止されて設置され得る。
【0021】
この時、前記複数個のコネクタ部材それぞれは、前記胴体の一面と段差面を形成する延長部分の一面に外部に露出するように備えられ、SMD方式を通じて前記回路基板の一面に固定されるパッド部分と、前記延長部分の他面で一部の長さが前記延長部分の端部から外部に突出するように備えられて前記コイルの端部が連結されるコイル連結部分を含むことができる。
【0022】
また、前記胴体および延長部分は、一面に前記磁性体コアから引き出されて前記コイル連結部分と連結されるコイルの厚さを収容できるように一定の深さで引き込んで形成される第1配置溝を含むことができる。
【0023】
また、前記延長部分は一面に前記コイル連結部分のうち外部に露出する部分の厚さを収容できるように一定の深さで引き込んで形成される第2配置溝を含むことができる。
【0024】
また、前記磁性体コアは非晶質合金またはナノ結晶粒合金の金属リボンからなり得、前記磁性体コアは外面に一定の厚さで形成される絶縁性コーティング層を含むことができる。
【0025】
また、前記磁性体コアは非晶質合金またはナノ結晶粒合金の金属リボンをリング状で巻線した巻線体であり得る。
【0026】
また、前記コモンモードフィルタは全体厚さが5~6mmであり得る。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、磁性体コアを覆うケースを省略しても絶縁性および耐久性が確保できることによって全体厚さを減らすことができ、回路基板に設置された状態で全体の設置厚さを減らすことができるため、電子装置の全体厚さを減らすことができる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタを示した図面である。
図2図1を底面から見た図面である。
図3図1の分離図である。
図4図1のA-A方向断面図である。
図5図1に適用され得る磁性体コアの細部構成を示した部分切開図である。
図6】本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタが回路基板に設置された状態を示した図面である。
図7図6のB-B方向断面図である。
図8】本発明の他の実施例に係るコモンモードフィルタを示した図面である。
図9図8を底面から見た図面である。
図10図8の分離図である。
図11図8のC-C方向断面図である。
図12】本発明の他の実施例に係るコモンモードフィルタが回路基板に設置された状態を示した図面である。
図13図12のD-D方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は多様な異なる形態で具現され得、ここで説明する実施例に限定されない。図面で本発明を明確に説明するために説明にかかわらない部分は省略し、明細書全体を通じて同一または類似する構成要素については同一の参照符号を付する。
【0030】
本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタ100、200は図6および図12に図示された通り、回路基板10に設置され得る。
【0031】
この時、本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタ100、200は一部が前記回路基板10に係止されて設置され得る。
【0032】
すなわち、図7および図13に図示された通り、前記回路基板10は所定の面積で貫通形成される配置孔12を含むことができ、前記コモンモードフィルタ100、200は前記配置孔12と対応する領域に位置するように前記回路基板10に設置され得る。
【0033】
これに伴い、前記コモンモードフィルタ100、200は、全体厚さのうち一部の厚さが前記配置孔12により収容されながら一部分が前記配置孔12の縁側に係止されて設置され得る。
【0034】
これによって、本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタ100、200が回路基板10に設置されると、コモンモードフィルタ100、200の全体厚さのうち一部の厚さが前記配置孔12により収容されるので前記回路基板10に設置された全体の設置厚さが減らされ得る。
【0035】
このために、本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタ100、200は図1図4図8図11に図示された通り、磁性体コア110、複数個のコイル121、122およびベース部材130、230を含む。
【0036】
前記磁性体コア110はリング状で形成され得、磁性を有する材質からなり得る。
【0037】
一例として、前記磁性体コア110はフェライト粉末を焼結または圧粉して形成されたフェライトコアであり得るが、前記磁性体コア110は図5に図示された通り、板状の金属リボン112をリング状に複数回巻線した巻線体であり得る。
【0038】
ここで、前記金属リボン112は熱処理されたFe系合金リボンであり得、前記Fe系合金は磁性体コアとして採用される公知のFe系合金であれば制限なく使うことができる。
【0039】
非制限的な一例として前記Fe系合金は鉄(Fe)、ケイ素(Si)、ホウ素(B)およびその他不純物からなる3元素系合金、鉄(Fe)、ホウ素(B)、炭素(C)、銅(Cu)およびその他不純物からなる4元素系合金、鉄(Fe)、ケイ素(Si)、ホウ素(B)、銅(Cu)、ニオブ(Nb)およびその他不純物からなる5元素系合金、または鉄(Fe)、ホウ素(B)、炭素(C)、銅(Cu)、ニオブ(Nb)およびその他不純物からなる5元素系合金であり得る。また、前記Fe系合金は組織が非晶質またはナノ結晶粒を含むことができる。
【0040】
この時、前記磁性体コア110は図5に図示された通り、外面に一定の厚さで形成される絶縁性コーティング層114を含むことができる。このような絶縁性コーティング層114はディッピングまたはスプレー方式を利用して形成され得る。
【0041】
これに伴い、前記磁性体コア110が金属リボン112をリング状で複数回巻線した巻線体で構成されても前記磁性体コア110は前記絶縁性コーティング層114を通じて一つの塊で形成され得、前記コイル121、122が前記磁性体コア110の外面に直接巻線されても前記コイル121、122と磁性体コア110は絶縁性コーティング層114を通じて電気的に絶縁され得る。
【0042】
また、前記磁性体コア110を構成する金属リボン112が熱処理後に脆性が強くなっても前記磁性体コア110は前記絶縁性コーティング層114を通じて外力から保護され得るため、本発明のコモンモードフィルタ100、200は前記磁性体コア110を囲むための別途のケースまたはボビンが省略され得る。
【0043】
これを通じて、本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタ100、200は従来と比較する時、前記磁性体コア110を囲むケースまたはボビンの省略が可能であるので非常に薄い厚さを有する薄型で具現され得る。
【0044】
一例として、前記コモンモードフィルタ100、200は全体厚さまたは全体高さが5~6mmである非常に薄い厚さを有することができる。しかし、本発明の全体厚さはこれに限定されるものではなく、設計条件により適切に可変され得る。
【0045】
ここで、前記絶縁性コーティング層114は有機化合物を含むコーティング組成物で形成されたものであり得、前記有機化合物はエポキシ化合物であり得、前記コーティング組成物は前記エポキシ化合物を硬化させることができる硬化剤をさらに含むことができる。
【0046】
しかし、前記絶縁性コーティング層114はこれに限定されるものではなく、絶縁性を有しながらも耐久性を高めることができるものであれば制限なく採用され得る。
【0047】
このような磁性体コア110は複数個のコイル121、122が外面に沿って巻線された状態で前記ベース部材130、230に結合され得る。
【0048】
一例として、前記複数個のコイル121、122は第1コイル121と第2コイル122を含むことができ、前記第1コイル121および第2コイル122はリング状で形成された磁性体コア110で互いに重なることなく対称的に配置されるように前記磁性体コア110にそれぞれ巻線され得る。
【0049】
また、前記磁性体コア110は前記第1コイル121および第2コイル122が巻線されていない部分を通じて前記ベース部材130、230に結合され得る。
【0050】
また、前記磁性体コア110にそれぞれ巻線された第1コイル121および第2コイル122は前記ベース部材130、230に備えられる複数個のコネクタ部材140、240とそれぞれ電気的に連結され得、前記複数個のコネクタ部材140、240は前記回路基板10と電気的に連結され得る。
【0051】
これに伴い、前記第1コイル121および第2コイル122は前記回路基板10および複数個のコネクタ部材140、240を通じて電源の供給を受けることができる。
【0052】
すなわち、前記ベース部材130、230は前記第1コイル121および第2コイル122が巻線された磁性体コア110と結合されて前記磁性体コア110を固定することができ、前記第1コイル121および第2コイル122を回路基板10と電気的に連結するための複数個のコネクタ部材140、240を含むことができる。
【0053】
このために、前記ベース部材130、230は図3および図10に図示された通り、前記磁性体コア110が収容され得るように中空部が形成されたリング状の胴体131と、前記中空部を横切るように前記胴体131に形成される連結部材132および前記磁性体コア110の一部が差し込まれ得るように前記連結部材132の一面から一定の深さで引き込んで形成される一対の結合溝133を含むことができる。
【0054】
このような場合、前記磁性体コア110で前記第1コイル121および第2コイル122が巻線されていない部分が前記一対の結合溝133に挿入され得る。
【0055】
すなわち、前記第1コイル121および第2コイル122は前記磁性体コア110の外
面を囲みながら前記連結部材132の左、右両側に位置するように前記磁性体コア110にそれぞれ巻線され得る。
【0056】
ここで、前記磁性体コア110のうち前記第1コイル121および第2コイル122が巻線されていない部分は、前記第1コイル121が巻線される部分と前記第2コイル122が巻線される部分の間に位置する部分であり得る。
【0057】
これに伴い、前記磁性体コア110は前記第1コイル121が巻線される部分と前記第2コイル122が巻線される部分の間に位置しながら、前記第1コイル121および第2コイル122が巻線されていない部分が前記一対の結合溝133にそれぞれ挿入され得る。
【0058】
これによって、前記第1コイル121および第2コイル122が巻線された磁性体コア110が前記ベース部材130、230に結合されると、前記第1コイル121および第2コイル122は前記連結部材132の左、右両側に位置するように配置され得る。このような場合、前記連結部材132は前記第1コイル121と第2コイル122を互いに物理的に絶縁させるセパレータとしての役割を遂行することができる。
【0059】
この時、前記連結部材132のうち前記結合溝133が形成されながら前記胴体131と連結される部分は、前記連結部材132の長さの中間部から前記胴体131側に行くほど相対的にさらに広い面積を有するように形成され得る。
【0060】
これに伴い、前記第1コイル121が巻線される部分と前記第2コイル122が巻線される部分の間に位置しながら、前記第1コイル121および第2コイル122が巻線されていない磁性体コア110部分は内側から外側に行くほど広い面積を有することができる。
【0061】
これにより、前記磁性体コア110に巻線された第1コイル121の端部と第2コイル122の端部は電気的な絶縁のための安全距離を確保することができる。
【0062】
ここで、前記一対の結合溝133に挿入される磁性体コア110部分は別途の接着体を通じて前記結合溝133に固定されてもよいが、締り嵌めを通じて前記結合溝133に固定されてもよい。
【0063】
この時、前記連結部材132は図4および図11に図示された通り、前記磁性体コア110の厚さt1より相対的に厚い厚さt2を有するように形成され得、前記結合溝133の深さは前記磁性体コア110の厚さt1より相対的にさらに大きい大きさであり得る。
【0064】
これに伴い、前記磁性体コア110の一部が前記結合溝133に挿入されると、前記結合溝133に挿入された磁性体コア110部分は前記結合溝133の内部に完全に挿入され得る。また、前記磁性体コア110が前記一対の結合溝133を通じて前記ベース部材130、230に結合された状態で、磁性体コア110の厚さの中心と前記連結部材132の厚さの中心は一直線上Oに位置するように配置され得る。
【0065】
これによって、本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタ100、200は、磁性体コア110の全体厚さが前記ベース部材130、230に形成された結合溝133に完全に収容され得ることによって全体厚さを最小化することができる。
【0066】
一方、本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタ100、200は上述した通り、一部が回路基板10に形成される配置孔12の縁に係止されて設置され得る。
【0067】
すなわち、本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタ100、200は図6図7図12および図13に図示された通り、前記ベース部材130、230の一部が前記配置孔12の縁側に係止されて設置され得る。
【0068】
これに伴い、前記磁性体コア110は前記回路基板10の一面に積層されないように配置され得る。
【0069】
このような場合、前記ベース部材130、230に備えられる複数個のコネクタ部材140、240は、前記磁性体コア110に巻線された複数個のコイル121、122を回路基板10と電気的に連結するための端子としての役割と前記ベース部材130、230を回路基板10に締結する締結部材としての役割を兼ねることができる。
【0070】
このために、前記ベース部材130、230は前記胴体131から外側に一定の長さ突出し、一面が前記胴体131の一面と段差面を形成する少なくとも二つの延長部分134、234を含むことができ、前記少なくとも二つの延長部分134、234は前記複数個のコネクタ部材140、240を通じて前記回路基板10に固定され得る。
【0071】
一例として、図1図4に図示された通り、前記胴体131の一面と段差面を形成する延長部分134は前記胴体131から延びる第1部分134aと前記第1部分134aから延びる第2部分134bを含むことができ、前記第1部分134aは前記第2部分134bより相対的に薄い厚さを有するように形成され得る。
【0072】
これに伴い、図2に図示された通り、前記第1部分134aの一面と前記第2部分134bの一面は互いに異なる高さを有する段差面を形成することができる。すなわち、前記第1部分134aの一面は前記胴体131の一面と段差を有するように形成される第1段差面を形成することができ、前記第2部分134bの一面は前記第1段差面と段差を有するように形成される第2段差面を形成することができる。
【0073】
また、前記コネクタ部材140は図3に図示された通り、前記第1部分134aに固定される第1突出部分141と、前記第1突出部分141と一定間隔離隔するように前記第2部分134bの外側に配置される第2突出部分142と、前記第1突出部分141および第2突出部分142の端部を互いに連結する連結部分143と、を含むことができる。
【0074】
このような場合、図4に図示された通り、前記第1突出部分141は前記第1部分134aの一面から一定の長さ突出するように前記第1部分134aに固定され得、前記第2突出部分142は連結部分143を通じて前記第1突出部分141および延長部分134から一定間隔離隔することができる。また、前記第1突出部分141および第2突出部分142は前記連結部分143から互いに同じ方向に向かうように一定の長さ延長され得る。
【0075】
これを通じて、前記磁性体コア110に巻線されるコイル121、122の端部は前記第1部分134aの一面から一定の長さ突出する第1突出部分141と連結され得、前記第2突出部分142は前記回路基板10に貫通形成される締結孔14に挿入され得る。
【0076】
非制限的な一例として、図1図4に図示された図面を基準として、前記延長部分134の下面は前記第1部分134aの下面および第2部分134bの下面を通じて段差面で形成され得、前記第1部分134aの下面は第1段差面であり得、前記第2部分134bの下面は第2段差面であり得る。
【0077】
このような場合、前記第2部分134bの下面である第2段差面は前記回路基板10の一面と接触され得、前記ベース部材130は前記第2段差面を通じて前記配置孔12の縁側に係止されて設置され得る。
【0078】
また、前記コネクタ部材140で第1突出部分141は端部が前記第1部分134aの下面で下部に一定の長さ突出するように前記第1部分134aに固定され得、前記第2突出部分142は前記第2部分134bの外側で下方に向かうように突出され得る。
【0079】
このような場合、前記延長部分134は図1および図3に図示された通り、前記連結部分143の厚さを収容して、前記延長部分134の上面から前記連結部分143が外部に突出しないように上面に一定の深さで引き込んで形成される収容溝134dを含むことができる。
【0080】
また、前記コネクタ部材140は前記第1突出部分141が前記延長部分134とインサートモールディングを通じて一体に形成されてもよいが、前記延長部分134に挿入された後に別途の部材を通じて固定されてもよい。
【0081】
すなわち、図4に図示された通り、前記第1部分134aは前記第1突出部分141が挿入され得るように高さ方向に沿って貫通形成される通過孔134cを含むことができ、前記第1突出部分141は前記通過孔134cを通過した後、第1部分134aの下面で別途の固定部材144を通じて固定され得る。
【0082】
また、前記回路基板10は前記配置孔12の周囲に貫通形成される複数個の締結孔14を含むことができる。
【0083】
これに伴い、本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタ100を前記回路基板10の配置孔12側に配置すると、前記ベース部材130は前記第2段差面を通じて前記配置孔12の縁側に係止されて設置され得る。また、前記コネクタ部材140の第2突出部分142は前記回路基板10に形成された締結孔14側に挿入され得、前記締結孔14側に挿入された第2突出部分142はハンダ付けを通じて前記回路基板10に固定され得る。
【0084】
これによって、本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタ100は前記ベース部材130の延長部分134を通じて前記回路基板10に係止されて設置され得、前記磁性体コア110に巻線されたコイル121、122は前記コネクタ部材140を通じて前記回路基板10と電気的に連結され得る。
【0085】
また、前記コネクタ部材140は前記回路基板10と電気的に連結される端子としての役割と前記ベース部材130を回路基板10に固定する締結部材としての役割を兼ねることができる。
【0086】
他の例として、図8図11に図示された通り、前記ベース部材230は前記胴体131から一定の長さ突出して前記胴体131の一面と段差面を形成する延長部分234を含むことができ、前記段差面を形成する延長部分234の一面で前記コネクタ部材240の一部は外部に露出するように備えられ得る。
【0087】
すなわち、前記コネクタ部材240は図8および図9に図示された通り、前記段差面を形成する延長部分234の一面に外部に露出するように形成されるパッド部分241と、前記延長部分234の他面で一部の長さが前記延長部分234の端部から外部に突出するように備えられるコイル連結部分242を含むことができる。
【0088】
このような場合、図10および図11に図示された通り、前記パッド部分241は前記延長部分234に埋め立てられる第1埋立て部分243を通じて前記コイル連結部分242と連結され得、前記コネクタ部材240は前記パッド部分241の端部から折り曲げられて前記延長部分234に埋め立てられる第2埋立て部分244をさらに含むことができる。
【0089】
これを通じて、前記磁性体コア110に巻線されるコイル121、122の端部は前記延長部分234の端部から外部に突出するコイル連結部分242と連結され得、前記パッド部分241は前記回路基板10の一面と直接接触され得る。
【0090】
非制限的な一例として、図8図11に図示された図面を基準として、前記延長部分234の下面は前記胴体131の下面と段差面で形成され得、前記コネクタ部材240は前記延長部分234とインサートモールディングを通じて一体化することができる。
【0091】
すなわち、前記コネクタ部材240は所定の面積を有する板状の導電性部材が複数回折り曲げられた形状で備えられ得、全体の長さのうち一部の長さが前記延長部分234の下面から外部に露出され、残りの長さのうち一部の長さが前記延長部分234の上面から外部に露出するように前記延長部分234と一体化され得る。
【0092】
これに伴い、前記コネクタ部材240は前記延長部分234の下面から外部に露出した部分が前述したパッド部分241を形成することができ、前記延長部分234の上面から外部に露出した部分が前述したコイル連結部分242を形成することができ、前記延長部分234に埋め立てられた部分が前述した第1埋立て部分243および第2埋立て部分244を形成することができる。
【0093】
このような場合、前記延長部分234の下面である段差面に形成されたパッド部分241は前記回路基板10の一面と直接接触され得る。これに伴い、前記ベース部材230は前記延長部分234の下面を通じて前記配置孔12の縁に係止されて設置され得、前記延長部分234の下面である段差面に備えられたパッド部分241はSMD方式を通じて前記回路基板10に固定され得る。
【0094】
ここで、前記胴体131および延長部分234は、前記磁性体コア110から引き出されて前記コイル連結部分242と連結されるコイル121、122の厚さを収容するように上面に一定の深さで引き込んで形成される第1配置溝234aを含むことができる。また、前記延長部分234は前記コイル連結部分242の厚さを収容するように上面に一定の深さで引き込んで形成される第2配置溝234bを含むことができる。
【0095】
このような第1配置溝234aおよび第2配置溝234bは前記コイル121、122の厚さおよびコイル連結部分242の厚さをそれぞれ収容して、前記延長部分234の上面から前記コイル121、122およびコイル連結部分242が外部に突出しないようにすることができる。
【0096】
これに伴い、図12および図13に図示された通り、本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタ200を前記回路基板10の配置孔12に配置すると、前記ベース部材230は前記延長部分234の一面に形成された段差面を通じて前記配置孔12の縁に係止されて設置され得、前記段差面に形成されたコネクタ部材240のパッド部分241はSMD方式を通じて前記回路基板10の一面に固定され得る。
【0097】
これによって、本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタ200は前記ベース部材230の延長部分234を通じて前記回路基板10に係止されて設置され得、前記磁性体
コア110に巻線されたコイル121、122は前記コネクタ部材240を通じて前記回路基板10と電気的に連結され得る。
【0098】
これに伴い、前記コネクタ部材240は前記回路基板10と電気的に連結される端子としての役割と前記ベース部材230を回路基板10に固定する締結部材としての役割を兼ねることができる。
【0099】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明の思想は本明細書に提示される実施例に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同じ思想の範囲内で、構成要素の付加、変更、削除、追加などによって他の実施例を容易に提案できるであろうが、これもまた本発明の思想範囲内に入ると言える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13