(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】石英ノズルおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/205 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
H01L21/205
(21)【出願番号】P 2024074866
(22)【出願日】2024-05-02
【審査請求日】2024-06-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】392017004
【氏名又は名称】湖北工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165663
【氏名又は名称】加藤 光宏
(72)【発明者】
【氏名】中山 達峰
(72)【発明者】
【氏名】朴 秋月
(72)【発明者】
【氏名】杉山 幸登
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-284915(JP,A)
【文献】特開平07-201736(JP,A)
【文献】特開平07-142401(JP,A)
【文献】特開2003-086516(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスが流れる石英製のガス管の先端に融着される石英で形成された石英ノズルであって、
前記ガスを吐出するための複数の吐出孔が形成されたノズル面と、
前記ノズル面の全周囲を囲むように前記ノズル面に直立した一定高さの側壁で構成されるスカート部とを備え、
前記スカート部は、前記ガス管の端面に隙間なく融着可能な形状となって
おり、
前記ノズル面と前記スカート部は一体成形されている石英ノズル。
【請求項2】
前記石英は、いずれも合成石英である請求項1記載の石英ノズル。
【請求項3】
前記スカート部が前記ノズル面から突出している高さは3mm以上である請求項1記載の石英ノズル。
【請求項4】
最も外側にある前記吐出孔と前記スカート部の外縁との距離が5mm以上である請求項1記載の石英ノズル。
【請求項5】
ガスが流れる石英製のガス管の先端に融着される石英で形成された石英ノズルの製造方法であって、
(a)石英粉体を含むスラリーを調合する工程と、
(b)前記ガスを吐出するための複数の吐出孔が形成されたノズル面と、前記ノズル面の全周囲を囲むように前記ノズル面に直立した一定高さの側壁で構成されるスカート部とを備える前記石英ノズルの形状に応じた成形型を用意する工程と、
(c)前記成形型を貫通した状態で、前記吐出孔を形成するためのピンまたはワイヤを保持する工程と、
(d)前記成形型に、前記スラリーと硬化剤とを混合して注入し、混合物を硬化させ前記形状を有する成形体を形成する工程とを備える製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体の成膜装置における原料ガスの供給その他の目的に利用可能な石英ノズルおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の成膜装置において、高温下でも化学的に安定して原料ガスを供給するために、石英製のガス管およびノズルが用いられることがある。特許文献1は、縦方向に5つのガス穴から反応ガスを供給する石英ノズルを開示している。特許文献2は、14個の吐出孔を備える石英ノズルを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-313774号公報
【文献】特開2002-175995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
原料ガスを乱れなく整流して吐出するためには、石英板にシャワーヘッドのように多数の孔を設けノズル面とすることが考えられる。かかるノズルを石英製のガス管に接合させるためには、酸水素バーナーなどで両者を融解させて融着させる方法をとることができる。
しかし、このように融着する場合、熱によってノズル面および孔が変形してしまうという課題があった。原料ガスを整流するためには、孔を細くすることが好ましいが、細くすれば、融着の際の変形によって孔が塞がってしまうこともあった。孔が変形したり、塞がったりすると、原料ガスの流れが乱れ、渦が発生し、半導体膜厚のバラつきの原因となり、また反応生成物の堆積が起こることでパーティクルおよび結晶欠陥の原因となることから半導体の成膜に支障が生じる場合もあった。
本発明は、かかる課題に鑑み、融着時に熱の影響を受けにくい石英ノズルおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
ガスが流れる石英製のガス管の先端に融着される石英で形成された石英ノズルであって、
前記ガスを吐出するための複数の吐出孔が形成されたノズル面と、
前記ノズル面の全周囲を囲むように前記ノズル面に直立した一定高さの側壁で構成されるスカート部とを備え、
前記スカート部は、前記ガス管の端面に隙間なく融着可能な形状となっている石英ノズルとすることができる。
【0006】
本発明によれば、スカート部を備えているため、スカート部とガス管とを融着することができる。従って、融着による熱が、ノズル面に及ぼす影響を抑制することができ、吐出孔の変形等を抑制することができる。
【0007】
本発明において、ノズル面の形状・厚さ、吐出孔の形状・寸法・配置、スカート部の厚さ・高さなどは任意に決めることができる。一例として、ガス管、ノズル面などを円形としてもよい。
ノズル面は、吐出孔を容易に形成できるという点で平板状とすることが好ましいが、曲面状であっても差し支えない。
複数の吐出孔は、同一の形状・寸法であっても良いし、異なる形状・寸法のものを混在させてもよい。
ガス管の端面に隙間なく融着するという観点から、スカート部の形状はガス管の端面の形状と一致、特に内周の形状において一致していることが好ましい。また、スカート部の内周の形状をガス管の外周形状と一致させ、スカート部をガス管の端面に蓋のようにかぶせられるようにしてもよい。
【0008】
本発明において、
前記ノズル面と前記スカート部は一体成形してもよい。
【0009】
こうすることにより、石英ノズルを簡易に構成できるとともに、ノズル面とスカート部の継ぎ目で原料ガスの流れが乱れる可能性を抑制できる。もっとも、ノズル面とスカート部を別体として成形し、両者を接合する態様を排除するものではない。
【0010】
本発明においては、
前記石英は、いずれも合成石英としてもよい。
【0011】
いわゆる溶融石英が1200℃程度で融着できるのに対し、合成石英の場合、融着の際には約1800℃以上となることがあるため、一層、熱の影響を受けやすいと言えるが、本発明は、かかる影響を抑制できる点で、有用性が高い。
【0012】
本発明において、
前記スカート部が前記ノズル面から突出している高さは3mm以上としてもよい。
【0013】
こうすることにより、スカート部を融着したときに、熱の影響がノズル面に及ぶことを一層、抑制できる。
【0014】
本発明において、
最も外側にある前記吐出孔と前記スカート部の外縁との距離が5mm以上としてもよい。
【0015】
こうすることにより、ノズル面に融着の際の熱の影響が及んだ場合でも、吐出孔の変改を抑制することができる。
【0016】
本発明は、
ガスが流れる石英製のガス管の先端に融着される石英で形成された石英ノズルの製造方法であって、
(a)石英粉体を含むスラリーを調合する工程と、
(b)前記ガスを吐出するための複数の吐出孔が形成されたノズル面と、前記ノズル面の全周囲を囲むように前記ノズル面に直立した一定高さの側壁で構成されるスカート部とを備える前記石英ノズルの形状に応じた成形型を用意する工程と、
(c)前記成形型を貫通した状態で、前記吐出孔を形成するためのピンまたはワイヤを保持する工程と、
(d)前記成形型に、前記スラリーと硬化剤とを混合して注入し、混合物を硬化させ前記形状を有する成形体を形成する工程とを備える製造方法としてもよい。
【0017】
本発明の石英ノズルは、例えば、石英の塊からの削り出しによる方法や、ノズル面とスカート面とを別々に成形した後、両者を接合する方法など、種々の方法で製造することができるが、上述した方法によれば、削り出しのように材料を無駄にすることなく、比較的容易に精度良く石英ノズルを製造することが可能となる。
【0018】
本発明は、以上で説明した種々の特徴を全て備えている必要はなく、適宜、その一部を省略したり組み合わせたりしてもよい。石英ノズルの製造方法においても、石英ノズルについて説明した種々の特徴を適用できることは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】石英ノズルをガス管に融着する状態を示す説明図である。
【
図3】従来の石英ノズルをガス管に融着する状態を示す説明図である。
【
図4】変形例としての石英ノズルの構造を示す説明図である。
【
図5】石英ノズルの製造工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例について説明する。
図1は、石英ノズルの構造を示す説明図である。半導体の成膜装置において、原料ガスを供給するためのガス管の先端に融着して使用されるものである。本実施例では、ガス管および石英ノズルともに合成石英で構成されている。合成石英に代えて、溶融石英を用いても良い。
【0021】
図1(a)は、石英ノズル10の斜視図である。実施例の石英ノズル10は、原料ガスを吐出するための複数の吐出孔12が形成された円形のノズル面11と、その周囲にノズル面11に対して直立した側壁で構成されるスカート部13とを備えている。
ノズル面11とスカート部が接続されている角の部分は面取13aが施されている。面取13aは省略しても差し支えない。
【0022】
図1(b)はノズル面11の正面図である。本実施例では、ノズル面11は平坦な板状としているが、凹曲面または凸曲面などとしてもよい。吐出孔12の形状、寸法、配置も
任意に決めることができる。例えば、図示した例では吐出孔12は、ノズル面11のほぼ全面にわたって形成されているが、外周近傍には吐出孔12を形成しないようにしてもよく、この場合、最も外側の吐出孔12とスカート部13の外縁との距離L1(
図1(c)参照)を5mm以上あけることが好ましい。
また、
図1(b)で示した吐出孔12は、いずれも同一形状、同一寸法となっているが、形状や寸法の異なる吐出孔12が混在していても差し支えない。例えば、吐出孔12としては、直径d≦1mmとなる孔が複数存在してもよい。
【0023】
図1(c)は、ノズル面11の直径を含むA-A’断面で切断した断面図である。既に説明した通り、厚さtの板状のノズル面11の片側にスカート部13が設けられている。ノズル面11のうち、スカート部13が設けられた側の面を裏面と呼び、スカート部13が無い側の面を表面と呼ぶものとする。
スカート部13がノズル面11から突出している高さH1(以下、単に「高さ」ということもある)は、任意に決めることができるが、3mm以上とすることが好ましい。石英ノズル10の全体の厚みH2は、「高さH1+厚さt」となる。H2は3mm以上とすることが好ましく、5mm以上、10mm以上、15mm以上、20mm以上とすることがより好ましい。
最も外側の吐出孔12とスカート部13の外縁との距離L1は、5mm以上とすることが好ましく、7mm以上、10mm以上、20mm以上とすることがより好ましい。 スカート部13の肉厚Tと高さH1との関係では、H1/Tが4以上とすることが好ましく、6以上、10以上、15以上とすることがより好ましい。
なお、上述の数値条件は、全てを満たす必要はなく一部を選択したり、組み合わせたりしてもよい。
【0024】
ノズル面11の裏面側にはスカート部13によって、凹部が形成されることになる。スカート部13の内径D1は、石英ノズル10が取り付けられるガス管の内径と同一である。こうすることで、石英ノズル10をガス管に取り付けたときに、内面に段差が生じることを回避できる。
本実施例では、スカート部13の外径D2は、ガス管の外径と同一としたが、異なっていても差し支えない。
【0025】
図2は、石英ノズルをガス管に融着する状態を示す説明図である。
図2(a)は、融着前の状態を示す説明図である。石英ノズル10は、スカート部13を原料ガスを搬送するガス管1の端面に合わせて融着される。融着は、例えば、酸水素バーナーなどでガス管1の端面、およびスカート部13の端面の双方を加熱し、若干、溶融させて接合することにより行う。加熱は、種々の方法で行うことができるが、合成石英の場合、約1800℃程度までの加熱を要するため、酸水素バーナーを用いることが好適である。
【0026】
図2(b)は、融着した状態を示している。図示するように、接合部Cで、ガス管1および石英ノズル10のスカート部13が、隙間無く接合されることになる。
スカート部13の内径D1(
図1(c)参照)は、ガス管1の内径に合わせてあるため、
図2(b)のように接合した場合、内側に段差が形成されず、原料ガスが乱れずに流れることができる。なお、本実施例では、スカート部13の外径D2とガス管1の外径を合わせてあるため、
図2(b)のように外観上も段差なく接合することが可能である。
【0027】
図3は、従来の石英ノズルをガス管に融着する状態を示す説明図である。
図3(a)は融着前の状態を示している。従来の石英ノズル10Aは、図示するように吐出孔12Aが形成された板状のノズル面11Aで構成され、スカート部を備えていない。この状態で、ガス管1およびノズル面11の外周部分を加熱して、融着する。
図3(b)は、融着した状態を示している。ガス管1の端面に、接合部Cでノズル面11Aが直接融着される。しかし、この方法では、ノズル面11Aの外周部分が加熱されるため、ノズル面11Aが溶融し、表面張力の影響によって、外周近傍の吐出孔12が変形したり閉塞したりすることがある。吐出孔12の変形をもたらさないよう加熱することも不可能ではないが、作業性が低下するとともに、融着の不良を招くおそれもある。
【0028】
本実施例の石英ノズル10(
図2参照)によれば、
図2に示したように、スカート部13を利用して融着を行うことができる。加熱されるのはスカート部13の端面であるため、熱が吐出孔12に与える影響を抑制することができる。
先に説明した通り、スカート部13の高さは任意に決めることができるが、スカート部13の高さを3mm以上とすれば、スカート部13の加熱による影響を一層、抑制することができる利点がある。
また、先に説明した通り、吐出孔12の配置も任意に決めることができるが、最も外側の吐出孔12とスカート部13の外縁との距離L1を5mm以上とすれば、一層、熱による影響を回避することが可能となる。
【0029】
図4は、変形例としての石英ノズルの構造を示す説明図である。
図4(a)に融着前の状態を斜視図で示し、
図4(b)に石英ノズル10Bの断面図を示した。
変形例の石英ノズル10Bは、その内径D3を、ガス管1の外径D4と合わせてある。従って、石英ノズル10Bをガス管1に蓋のようにかぶせて融着することができる。こうすることにより、
図4(b)に示すように、ガス管1をノズル面11Bの裏面11Bbに当接させるようにして融着させることができる。この結果、ガス管1と石英ノズル10Bとの間に段差が生じる可能性を一層、低減することができる。
【0030】
図5は、石英ノズルの製造工程を示すフローチャートである。金型に石英のスラリーを流し込み、固める方法を示した。
まず、作業者は、ピンおよび金型を設置する(ステップS10)。図中に設置状態を模式的に示した。金型M1、M2は、底面に吐出孔12に対応した孔が形成されている。ピンPは、この吐出孔12を貫通させ、鉛直を保って取り付けられる。ピンに代えて直線性を維持できる十分な張力を付加した状態でワイヤを取り付けてもよい。金型M1、M2により囲まれる空間Nが石英ノズルを形成する空間となる。金型の形状は、図の例に限らず種々の形状、配置をとり得る。
【0031】
次に、金型に設けられた注入口から、石英ノズルを形成するための溶液であるスラリーを注入する(ステップS11)。スラリーは、種々の成分で構成することができるが、例えば、シリカガラス粉体、硬化性樹脂、バインダー、純水を含む溶液とすることができる。また、ゾルを用いてもよい。
【0032】
こうしてスラリーを注入した後は、その状態で硬化させる(ステップS12)。その後、ワイヤおよび金型を取り外すことにより(ステップS13)、図示するように、ワイヤに対応した位置に吐出孔12を多数が設けられた硬化体が形成される。そして、硬化体を、乾燥、脱脂、ガラス化する(ステップS14)ことにより、石英ノズルが形成される。
【0033】
石英ノズルは、上述の方法以外にも種々の方法で製造することが可能である。例えば、石英の塊からの削り出しによって製造してもよい。また、ノズル面11とスカート部13とを別体で形成した上で、両者を接合してもよい。
しかし、
図5で示した方法によれば、これらの方法に比べて材料を無駄にすることなく、比較的簡易にノズル面とスカート部を備える石英ノズルを一体成形することができる。また多数の吐出孔を精度良く形成することができるとともに、吐出孔の径を小さくすることも可能である。
【0034】
上述の製造方法において、ワイヤとピンは任意に使い分けることができるが、ワイヤは直線性を保つために十分な張力を付す必要があるのに対し、ピンは張力を付す必要がないという利点がある。また、ピンはワイヤほど大がかりな装置を必要としなくなるため、孔数が増えても対応できるなどの利点もある。一方、孔の径が非常に微細になる場合には、ピンでは曲がってしまうおそれが生じ、ワイヤの方が好ましい場合もある。ワイヤとピンは、これらの事情を踏まえて適宜選択すればよい。
【0035】
一例として、次の基準で両者を使い分けてもよい。以下の説明では、孔の径dおよび石英ノズル10の全体の厚みH2(
図1参照)を用いている。
(1)d≦0.3mmの範囲ではピンが曲がるおそれがあるためワイヤを用いる。
(2)0.3mm≦d≦0.4mmでは、ワイヤおよびピンのいずれも選択可能である。
(3)0.4mm≦dかつH2/d≦50の場合は、ピンを用いる。
(4)0.4mm≦dかつ50≦H2/d≦100の場合は、ワイヤおよびピンのいずれも選択可能である。
(5)0.4mm≦dかつ100≦H2/dの場合は、ワイヤを用いる。仮にピンを用いようとすると、極めて細長いピンを用いることになり、直線性を維持することが難しくなるからである。
上述の基準は一例に過ぎず、例えば、これを簡略化して、d≦0.3mmではワイヤを用い、0.4mm≦dではピンとしてもよい。
この他にも種々の基準で両者を使い分けることができる。
【0036】
以上、本発明の実施例について説明した。本実施例の石英ノズルを用いれば、吐出孔の変形や閉塞を回避しながら、原料供給のためのガス管に融着することができる利点がある。また、本実施例の製造方法によれば、かかる石英ノズルを簡易に精度良く製造できる利点がある。
本発明は、上述した特徴の全てを必ずしも備えている必要はなく、適宜、その一部を省略したり組み合わせたりしてもよい。また、本発明は、上記実施例に限らず、種々の変形例を構成可能である。本発明は、半導体の成膜装置において原料ガスを供給するためのガス管に取り付ける石英ノズルに限らず、種々の原料ガスを供給するために利用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、半導体の成膜装置における原料ガスの供給その他の目的に利用可能な石英ノズルおよびその製造方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 ガス管
10、10A、10B 石英ノズル
11、11A、11B ノズル面
11Bb 裏面
12、12A 吐出孔
13 スカート部
13a 面取
【要約】 (修正有)
【課題】半導体の成膜装置における原料ガスの供給その他の目的に利用可能な石英ノズルおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体の成膜装置において、原料ガスを供給するためのガス管の先端に融着して使用される石英ノズルを合成石英で形成する。石英ノズル10は、原料ガスを吐出するための複数の吐出孔12が形成された円形のノズル面11と、その周囲にノズル面11に対して直立した側壁で構成されるスカート部13と、を備えている。スカート部13の内径D1は、石英ノズル10が取り付けられるガス管の内径と同一である。石英製のガス管の端面および石英ノズル10のスカート部の端面を酸水素バーナー等で加熱し、若干、溶融させることにより、両者を融着する。このようにスカート部を設けることにより、融着の際の加熱による影響がノズル面11に及ぶことを抑制でき、吐出孔12の変形または閉塞など加熱による影響を抑制することが可能となる。
【選択図】
図1