(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】ヘアクリップ
(51)【国際特許分類】
A45D 8/20 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
A45D8/20
(21)【出願番号】P 2023078954
(22)【出願日】2023-05-12
【審査請求日】2023-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】509055275
【氏名又は名称】徐士凌
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】徐士凌
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第07299808(US,B2)
【文献】米国特許第01397904(US,A)
【文献】実開昭59-133102(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0294302(US,A1)
【文献】特開平06-046914(JP,A)
【文献】登録実用新案第3211215(JP,U)
【文献】特開2020-081885(JP,A)
【文献】登録実用新案第3134787(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 8/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのクリップ本体を備えた、ヘアクリップであって、
前記クリップ本体の下部には、互いに挟持し得る湾曲状のブラシが複数設けられ、前記クリップ本体の内面には、互いに枢着可能な枢着部がそれぞれ設けられ、前記枢着部内に配設された弾性体は、2つの前記クリップ本体に挟持力を提供し、
2つの前記クリップ本体の前記ブラシの内側面には、軟靭性を有する少なくとも1つのリブが設けられ、前記ブラシと前記リブとは一体成形され
ており、
前記2つのクリップ本体が前記枢着部を介して互いに相対向して枢着された状態において、前記ブラシは外側に膨出するように湾曲して形成されており、前記リブは前記ブラシの湾曲とは反対向きに湾曲するように形成されていることを特徴とする、ヘアクリップ。
【請求項2】
2つの前記クリップ本体は、同じ構造を有することを特徴とする請求項1に記載のヘアクリップ。
【請求項3】
前記ブラシの内側面に設けられた前記リブの幅は0.5mm~1.5mmであることを特徴とする請求項2に記載のヘアクリップ。
【請求項4】
前記ブラシの内側面に設けられた前記リブは、円形断面を有する細長い形状で波形に成形され、
前記波形は、少なくとも2つ以上の連続波形であることを特徴とする請求項3に記載のヘアクリップ。
【請求項5】
前記ブラシの内側面に設けられた前記リブは、円形断面を有する細長い形状で弧形に成形されることを特徴とする請求項3に記載のヘアクリップ。
【請求項6】
前記ブラシは、中空部を有し、
前記ブラシの前記中空部の最上端縁部及び最下端縁部の内側面には、軟靭性を有する少なくとも1つの前記リブが設けられ、
前記ブラシと前記リブとは一体成形されることを特徴とする請求項3に記載のヘアクリップ。
【請求項7】
前記リブは、円形断面を有する細長い形状で波形に成形されることを特徴とする請求項6に記載のヘアクリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアクリップに関し、特に、適切な軟質性、高弾性、弾性回復性を有し、髪の毛を挟むか固定することができるヘアクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアクリップは、現代の女性消費者がヘアスタイリングを行う際に欠かせない道具の一つである。しかし従来のヘアクリップは、髪の毛を挟んでも、髪の毛上で滑って移動してしまい、固定させることが困難なことがあったため、挟持固定の効果を高めるために、従来のヘアクリップの2つのクリップ本体の内側に複数の突起が設けられていた。しかし、それら複数の突起で髪の毛を挟んだ場合、髪質が傷んでしまうことがあったため、従来のヘアクリップの問題点を改善することができる従来技術と構造が異なるヘアクリップが求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、ヘアクリップが、2つのクリップ本体を含み、2つのクリップ本体間は、弾性体を介して互いに枢着され、2つのクリップ本体に挟持力を提供し、クリップ本体のブラシの内側面には、軟靭性を有する少なくとも1つのリブがそれぞれ配設され、リブは、円形断面を有する細長い形状で波形に成形され、ブラシとリブとは一体成形され、ヘアクリップにより髪の毛を挟持する際、ヘアクリップのリブが適切な軟質性、高弾性、弾性回復性を有するという長所により、様々な髪量の髪型にもヘアクリップが適用でき、リブが波形であるため、髪の毛が圧迫されて傷んでしまうなどの問題が発生せず、安全に使用することができる、ヘアクリップを提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るヘアクリップを示す分解斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係るヘアクリップを示す組立斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係るヘアクリップのクリップ本体の内側を示す平面図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係るヘアクリップのリブが3つの連続波形状である状態を示す平面図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係るヘアクリップのリブが弧形状である状態を示す平面図である。
【
図7】
図7は、本発明の他の実施形態に係るヘアクリップを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1~
図4を参照する。
図1~
図4に示すように、本発明の一実施形態に係るヘアクリップ10は、2つのクリップ本体1,2を備える。2つのクリップ本体1,2は同じ構造を有する。クリップ本体1の上部には、押圧片11が設けられる。クリップ本体2の上部には、押圧片21が設けられる。クリップ本体1の下部には、湾曲状のブラシ12が複数設けられ、クリップ本体2の下部には、湾曲状のブラシ22が複数設けられ、ブラシ12,22は互いに挟持し合うことができる。押圧片11,21とブラシ12,22との間に位置する2つのクリップ本体1,2の内面には、互いに枢着可能な枢着部13,23がそれぞれ設けられる。枢着部13,23内に配設された弾性体3は、2つのクリップ本体1,2に挟持力を提供し、ピン4を介して弾性体3を2つの枢着部13,23内に固定することができる。弾性体3は、ばねである。2つのクリップ本体1,2のブラシ12,22の内側面には、軟靭性を有する少なくとも1つのリブ14,24が設けられる。リブ14,24は、円形断面を有して細長い形状で波形に成形される。リブ14,24の幅Wは、0.5mm~1.5mmである。ブラシ12,22とリブ14,24とは一体成形される。
【0006】
リブ14,24の形状である波形は、少なくとも2つ以上の連続波形でもよい(
図3を参照する)。
図5に示すリブ5の波形は、3つの連続した波形である。
【0007】
図6を参照する。
図6に示すように、リブ6は、円形断面を有する細長い形状で弧形に成形されてもよい。
【0008】
図7を参照する。
図7に示すように、本発明の他の実施形態に係るヘアクリップ7は、ブラシ71を含む。ブラシ71は、中空部710を有してもよい。ブラシ71の中空部710の最上端縁部72及び最下端縁部73の内側面には、軟靭性を有する少なくとも1つのリブ74が設けられる。リブ74は、円形断面を有する細長い形状で波形に成形されてもよい。ブラシ71とリブ74とは一体成形される。
【0009】
上述したことから分かるように、本発明のヘアクリップ10は、2つのクリップ本体1,2を含む。2つのクリップ本体1,2間は、弾性体3を介して互いに枢着され、2つのクリップ本体1,2に挟持力を提供する。クリップ本体1,2のブラシ12,22の内側面には、軟靭性を有する少なくとも1つのリブ14,24がそれぞれ配設される。リブ14,24は、円形断面を有する細長い形状で波形に成形される。ブラシ12,22とリブ14,24とは一体成形され、ヘアクリップ10により髪の毛を挟持する際、ヘアクリップ10のリブ14,24が適切な軟質性、高弾性、弾性回復性を有するという長所により、様々な髪量の髪型にヘアクリップ10を適用できる。リブ14,24が波形であるため、髪の毛が圧迫されて傷んでしまうなどの問題が発生せず、安全に使用することができる。
【符号の説明】
【0010】
1:クリップ本体
2:クリップ本体
3:弾性体
4:ピン
5:リブ
6:リブ
7:ヘアクリップ
10:ヘアクリップ
11:押圧片
12:ブラシ
13:枢着部
14:リブ
21:押圧片
22:ブラシ
23:枢着部
24:リブ
71:ブラシ
72:最上端縁部
73:最下端縁部
74:リブ
710:中空部
W:幅
【要約】
【課題】適切な軟質性、高弾性、弾性回復性を有し、髪の毛を挟むか固定することができるヘアクリップを提供する。
【解決手段】ヘアクリップ10は、2つのクリップ本体1,2を備える。クリップ本体の下部には、互いに挟持し得る湾曲状のブラシ12,22が複数設けられる。クリップ本体の内面には、互いに枢着可能な枢着部13,23がそれぞれ設けられる。枢着部内に配設された弾性体3は、2つのクリップ本体に挟持力を提供する。2つのクリップ本体のブラシの内側面には、軟靭性を有する少なくとも1つのリブ14,24が設けられる。ブラシとリブとは一体成形される。2つのクリップ本体は、同じ構造を有する。ブラシの内側面に設けられたリブの幅は0.5mm~1.5mmである。
【選択図】
図1