(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】多軸スクリュー機械のハウジングを製造するためのハウジング部品、ハウジング部品を有する多軸スクリュー機械及びハウジング部品を製造する方法
(51)【国際特許分類】
B29C 48/685 20190101AFI20240827BHJP
B29B 7/48 20060101ALI20240827BHJP
B29B 7/58 20060101ALI20240827BHJP
B29C 48/40 20190101ALI20240827BHJP
【FI】
B29C48/685
B29B7/48
B29B7/58
B29C48/40
(21)【出願番号】P 2019146181
(22)【出願日】2019-08-08
【審査請求日】2022-08-01
(31)【優先権主張番号】10 2018 213 766.8
(32)【優先日】2018-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501164665
【氏名又は名称】コペリオン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】カール・コンラート ポルツァー
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-167642(JP,A)
【文献】特開平09-057817(JP,A)
【文献】特開2006-021534(JP,A)
【文献】特開平02-178013(JP,A)
【文献】実開昭62-38130(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2003/0128625(US,A1)
【文献】特開昭51-4608(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 7/00-11/14
B29B13/00-15/06
B29C31/00-31/10
B29C37/00-37/04
B29C71/00-71/02
B29C45/00-45/24
B29C45/46-45/63
B29C45/70-45/84
B29C48/00-48/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多軸スクリュー機械(1)のハウジングを製造するためのハウジング部品であって、
-基体(42)、
-少なくとも2つの穴(16’,17’)、を有し、
前記穴は、
-前記基体(42)内に構成され、互いに入り込んでおり、
-前記基体(42)を通って運搬方向(5)に延び、及び
-前記基体(42)の内壁(W)によって前記運搬方向(5)に対して交差方向に境界を定められており、
前記内壁(W)は、少なくとも1つの第1壁セクション(w
1)及び少なくとも1つの第2壁セクション(w
2)を構成し、前記少なくとも1つの第1壁セクション(w
1)は前記少なくとも1つの第2壁セクション(w
2)より硬い、ハウジング部品において、
前記少なくとも1つの第1壁セクション(w
1
)は前記基体(42)よりも硬く、前記少なくとも1つの第1壁セクション(w
1
)は、前記基体(42)に適用された材料層(M
1
)として構成され、前記少なくとも1つの第2壁セクション(w
2
)は、前記基体(42)の基本材料(M
0
)として構成され、それぞれの前記穴(16’,17’)の中央長手軸(21’,22’)に対する前記基体(42)のラジアル距離と適用された前記材料層(M
1
)のラジアル距離が互いに異なり、それにより前記内壁(W)は断面図においてプロフィール化して構成される、又は
前記少なくとも1つの第1壁セクション(w
1)
は、第1材料層(M
1
)として構成され、及
び前記少なくとも1つの第2壁セクション(w
2)は、前記基体(42)
の基層(G)に適用された
第2材料層
(M
2)として構成され、
前記第1材料層(M
1
)の層厚(D
1
)が前記第2材料層(M
2
)の層厚(D
2
)よりも大きく、それぞれの前記穴(16’,17’)の中央長手軸(21’,22’)に対す
る適用された前記材料層(M
1,M
2)のラジアル距離が互いに異なり、それにより前記内壁(W)は断面図においてプロフィール化して構成され
、前記基層(G)は、前記少なくとも1つの第1壁セクション(w
1
)よりも柔らかく、前記少なくとも1つの第2壁セクション(w
2
)よりも柔らかい、ことを特徴とするハウジング部品。
【請求項2】
前記内壁(W)は、複数の第1壁セクション(w
1)及び複数の第2壁セクション(w
2)を構成し、これらセクションは互いに交互に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載のハウジング部品。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1壁セクション(w
1)及び/又は前記少なくとも1つの第2壁セクション(w
2)は、前記内壁(W)の少なくとも1つの三角領域(Z
1,Z
2)に配置されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のハウジング部品。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1壁セクション(w
1)及び/又は前記少なくとも1つの第2壁セクション(w
2)は、前記内壁(W)の少なくとも1つの側面領域(S
1,S
2)に配置されている、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のハウジング部品。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第1壁セクション(w
1)及び/又は前記少なくとも1つの第2壁セクション(w
2)は、ストリップ形状で構成されている、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のハウジング部品。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1壁セクション(w
1)及び/又は前記少なくとも1つの第2壁セクション(w
2)は、前記運搬方向(5)の方向に延びる、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のハウジング部品。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1壁セクション(w
1)及び/又は前記少なくとも1つの第2壁セクション(w
2)は、前記少なくとも2つの穴(16’,17’)の少なくとも1つの中央長手軸(21’,22’)の周りに延びる、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のハウジング部品。
【請求項8】
前記少なくとも2つの穴(16’,17’)は、前記内壁(W)の対向する三角領域(Z
1,Z
2)の間の連続的に湾曲した途切れない穴壁を有し、前記少なくとも1つの第1壁セクション(w
1)は、当該連続的に湾曲した途切れない穴壁に配置された材料層(M
1,M
2)として構成される、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のハウジング部品。
【請求項9】
-請求項1~8のいずれか一項に記載の少なくとも1つのハウジング部品(7~15)を有するハウジング(4)、
-前記ハウジング(4)内に構成され、互いに入り込んだ少なくとも2つのハウジング穴(16,17)、及び
-前記ハウジング穴(16,17)内に旋回可能に配置された少なくとも2つの処理要素軸(18,19)、
を有する多軸スクリュー機械。
【請求項10】
前記ハウジング(4)は、同一に構成された、請求項1~8のいずれか一項に記載の少なくとも2つのハウジング部品(7~15)を有する、ことを特徴とする請求項9に記載の多軸スクリュー機械。
【請求項11】
前記ハウジング(4)は、異なって構成された、請求項1~8のいずれか一項に記載の少なくとも2つのハウジング部品(7~15)を有する、ことを特徴とする請求項9又は10に記載の多軸スクリュー機械。
【請求項12】
ハウジング部品の製造方法であって、
-互いに入り込んだ少なくとも2つの穴(16’,17’)が構成された基体(42)を提供し、
--前記穴(16’,17’)は前記基体(42)を通って運搬方向(5)に延び、
--前記穴(16’,17’)は、前記基体(42)の内壁(W)によって前記運搬方向(5)に対して交差方向に境界を定められ、
-前記内壁(W)の少なくとも1つの第1壁セクション(w
1)及び少なくとも1つの第2壁セクション(w
2)を
構成し、前記少なくとも1つの第1壁セクション(w
1)が前記少なくとも1つの第2壁セクション(w
2)より硬
く、
前記基体(42)よりも硬い前記少なくとも1つの第1壁セクション(w
1
)を、前記基体(42)に適用された材料層(M
1
)として構成し、前記少なくとも1つの第2壁セクション(w
2
)を、前記基体(42)の基本材料(M
0
)として構成し、それぞれの前記穴(16’,17’)の中央長手軸(21’,22’)に対する前記基体(42)のラジアル距離と適用された前記材料層(M
1
)のラジアル距離が互いに異なり、それにより前記内壁(W)は断面図においてプロフィール化して構成される、又は
-前記少なくとも1つの第1壁セクション(w
1)
を第1材料層(M
1
)として構成し、及
び前記少なくとも1つの第2壁セクション(w
2)を、前記基体(42)
の基層(G)に適用された
第2材料層
(M
2)として構成し、
前記第1材料層(M
1
)の層厚(D
1
)が前記第2材料層(M
2
)の層厚(D
2
)よりも大きく、それぞれの前記穴(16’,17’)の中央長手軸(21’,22’)に対す
る適用された前記材料層(M
1,M
2)のラジアル距離が互いに異なり、それにより前記内壁(W)は断面図においてプロフィール化して構成され
、前記基層(G)は、前記少なくとも1つの第1壁セクション(w
1
)よりも柔らかく、前記少なくとも1つの第2壁セクション(w
2
)よりも柔らかい、ステップを有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多軸スクリュー機械のハウジングを製造するためのハウジング部品、及び、この種類の少なくとも1つのハウジング部品を有する多軸スクリュー機械に関する。本発明はさらに、ハウジング部品を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から、多軸スクリュー機械のためのハウジングセクションが知られている。ハウジングセクションはインサートを有し、インサートには2つの穴が構成されており、互いに貫通し合っている(入り込んでいる)。穴は、それらの表面全体において、例えばホットアイソタクチックプレス(HIS)又はプラズマアーク溶接によってインサート上に構成された耐摩耗・耐食層により境界を定められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、確実な摩耗保護を保証し、多軸スクリュー機械での材料加工にポジティブな影響を有する、多軸スクリュー機械のハウジングの製造のためのハウジング部品を創出することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1の特徴を有するハウジング部品によって達成される。少なくとも1つの第1壁セクションに比べて柔らかい少なくとも1つの第2壁セクションのために、少なくとも1つの第1壁セクションでのクラック(亀裂)の恐れとクラックの増大が低減され、制限され、その結果クラック形成及び/又は剥落による内側壁への損傷が軽減され、特に回避される。
【0006】
少なくとも1つの第1壁セクション及び少なくとも1つの第2壁セクションは、好ましくは、-断面図から-多軸スクリュー機械での材料加工にプラスの影響を有する内壁のプロフィール化された(構造化された)構成が考慮されるように、構成される。内壁は、プロフィール化のために目的の方法で局所的に粗くされる。よって、少なくとも1つの第1壁セクションは、それぞれの穴の中央長手軸に対して第1ラジアル距離を有するのに対し、少なくとも1つの第2壁セクションは、それぞれの穴の中央長手軸に対して第2ラジアル距離を有する。第1ラジアル距離は第2ラジアル距離と異なり、その結果内壁はプロフィール化して構成される。少なくとも1つの第1壁セクション又は少なくとも1つの第2壁セクションが材料層の適用により構成されるように、又は少なくとも1つの第1壁セクション及び少なくとも1つの第2壁セクションが異なる層厚さの材料層の適用により構成されるように、又は少なくとも1つの第1壁セクション又は少なくとも1つの第2壁セクションが材料除去により構成されるように、内壁のプロフィールは特に作られてもよい。材料除去は、例えば溝に機械的にねじで穴をあけることでハウジング部品の製造の間及び/又は多軸スクリュー機械の操作の間に行われる。多軸スクリュー機械の操作の間に、目標とする材料除去が少なくとも1つの第2壁セクションで生じるように、少なくとも1つの第2壁セクションが構成されている場合、内壁のプロフィールは多軸スクリュー機械の操作の間に創出される。プロフィール化された内壁のために、特に、多軸スクリュー機械の流量及び/又は融合挙動はプラスに影響される。
【0007】
少なくとも1つの第1壁セクション又は少なくとも1つの第2壁セクションは並んで構成され、これにより内壁を形成する。したがって、少なくとも1つの第1壁セクション及び少なくとも1つの第2壁セクションは、多軸スクリュー機械の操作の間に加工すべき材料と接触している。好ましくは、内壁は、複数の第1壁セクション及び少なくとも1つの第2壁セクションにより又は少なくとも1つの第1壁セクション及び複数の第2壁セクションにより構成される。それぞれの壁セクションは特に、まとまって構成される。それぞれ異なる壁セクションは特に別個に構成される。好ましくは、内壁は複数の第1壁セクション及び複数の第2壁セクションを構成する。
【0008】
少なくとも1つの第1壁セクションは特に摩耗保護の方法で構成される。例えば、少なくとも1つの第1壁セクションは硬化され及び/又は硬い材料で作られる。少なくとも1つの第2壁セクションは特に、非摩耗保護の方法で構成され、その材料硬度を増加させるために処理されない。少なくとも1つの第2壁セクションは例えば、ハウジング部品の基本材料又は基本原料で構成される。基本原料は既知であり、一般的である。基本原料として、例えば原料1.4112が使用できる。
【0009】
少なくとも1つの第1壁セクション及び少なくとも1つの第2壁セクションは、内壁の内面を構成する。少なくとも1つの第1壁セクション及び/又は少なくとも1つの第2壁セクションは、基体の基本材料の処理のために及び/又は材料層の、基体の基本材料への適用のために構成されてもよい。処理は特に、例えば表面硬化、拡散硬化(窒化、炭窒化)、電子ビーム硬化、レーザー硬化及び/又は誘導硬化などの硬化を有する。硬化は特に熱プロセスにより行われる。少なくとも1つの第1壁セクション及び/又は少なくとも1つの第2壁セクションは、基体の少なくとも1つの基層上に構成されてもよい。少なくとも1つの基層は少なくとも1つの第1壁セクションより柔らかくてもよく、場合によっては、さらに少なくとも1つの第2壁セクションより柔らかくてもよい。さらに、少なくとも1つの基層は少なくとも1つの第2壁セクションより硬くてもよく、場合によっては、さらに少なくとも1つの第1壁セクションより硬くてもよい。
【0010】
壁セクションの硬度は例えば、DIN EN ISO6506-1に従うブリネル(HB)に従って又はDIN EN ISO6507-1に従うヴィッカーズ(HV)に従って又はDIN EN ISO6508に従うロックウェル(HRC)に従って決定される。
【0011】
ハウジング部品はハウジングセクションとして構成されてもよい。さらに、ハウジング部品は、ハウジング基体に挿入されたブシュとして構成されてもよく、その結果ハウジングセクションが構成される。
【0012】
請求項2に従うハウジング部品は、信頼できる摩耗保護と材料加工へのポジティブな(有望な)影響を保証する。少なくとも1つの第1壁セクション及び少なくとも1つの第2壁セクションの交互の配置のために、性質上の観点から、硬度程度 硬い/柔らかい/硬い、特に硬い/柔らかい/硬い/柔らかい/硬い、特に柔らかい/硬い/柔らかい/硬い/柔らかい、の壁セクションシーケンスが作られてもよい。このようにしてそれぞれ隣接する壁セクションの間の硬度は交互に減少及び増加し、又は増加及び減少する。比較的柔らかい第2壁セクションは硬めの第1壁セクションの張力を吸収し、亀裂の成長と剥落を回避する。加えて、第2壁セクションは柔軟な態様で内壁のプロフィールを可能にする。
【0013】
好ましくは、少なくとも1つの第2壁セクションは少なくとも1つの第1壁セクションより小さい表面を有する。したがって、内面における少なくとも1つの第2壁セクションの割合は少なくとも1つの第1壁セクションの割合より低い。第1壁セクションは幾らか、中間の柔らかめの第2壁セクションを保護する。第2壁セクションの或る材料除去後に、さらに、多軸スクリュー機械で加工すべき材料は溜まり、材料に依存して摩耗保護及び/又は潤滑機能をもたらす。このような材料は例えば、セラミック粒子又は金属粒子を有する。さらに、材料除去後に、プラスチック溶融膜が成長し、一種の潤滑膜を形成し、第2壁セクションの更なる摩耗を回避し、及び/又は潤滑機能をもたらす。したがって、除去された材料のために、潤滑剤容器が構成される。内壁のプロフィールは例えば、融合領域での剪断力の増加をもたらす。
【0014】
請求項3に記載のハウジング部品は、信頼できる摩耗保護と材料加工へのポジティブな影響を保証する。それぞれ互いに入り込んだ2つの穴により、互いに対向する三角領域が構成される。三角領域では、材料応力と、それゆえ摩耗が高い。三角領域のうちの少なくとも1つにおける壁セクションの配置のために、摩耗保護が最適化され、特に材料加工へのプラスの影響がもたらされる。三角領域は、互いに入り込んだ穴の中央長手軸の間に中央に配置される。三角領域は特に、定義により、運搬方向に対して交差して又は直交して、隣接する穴の中央長手軸の軸心距離の20%、特に30%、特に40%、特に60%、特に80%、特に100%に対応する寸法を有する。
【0015】
請求項4に記載のハウジング部品は、信頼できる摩耗保護と材料加工へのポジティブな影響を保証する。互いに入り込んだ2つの穴それぞれの中央長手軸は、それぞれの中央長手平面を定める。側面領域はそれぞれの中央長手平面に対して中央に配置されている。側面領域は、互いに入り込んだ穴の貫通開口の反対側に配置されている。側面領域は、定義により、それぞれの中央長手平面と垂直な寸法であって、穴の直径の30%、特に40%、特に50%に対応する寸法を有する。特に、融合領域又は可塑化領域では、処理要素軸は傾斜の傾向を有し、それにより処理要素軸は側面領域のそれぞれのハウジング部品の内壁と接触する。したがって、処理要素軸はハウジング部品に向かって延びる。処理要素軸とハウジング部品の金属-金属接触のために、ハウジング部品は大いに応力を受け、それが凝着摩耗(adhesive wear)をもたらす。側面領域における内壁の構成のために、摩耗保護が保証される。
【0016】
請求項5に記載のハウジング部品は、信頼できる摩耗保護と材料加工へのポジティブな影響を保証する。ストリップ形状は特に、交差方向yに対する長手方向延長に対して、x/y≧2、特にx/y≧4、特にx/y≧10がもたらされることを意味する。好ましくは、少なくとも1つ壁セクションは運搬方向に延び、及び/又は運搬方向に対して垂直に延びる。少なくとも1つの壁セクションは例えば、運搬方向にのみ又は運搬方向に対して垂直にのみ又は運搬方向に螺旋状に又は運搬方向に対して交差方向に延びる。第1壁セクション及び/又は第2壁セクションは特に、運搬方向に延びる、運搬方向に対して交差方向に延びる又は運搬方向に対して垂直に延びる列で配置される。さらに、第1壁セクション及び/又は第2壁セクションは例えば、同一の及び/又は異なるオフセット角で螺旋状に配置される。
【0017】
請求項6に記載のハウジング部品は、信頼できる摩耗保護と材料加工へのポジティブな影響を保証する。好ましくは、それぞれの少なくとも1つ壁セクションは、主延長方向により運搬方向にのみ延びる。それぞれの少なくとも1つ壁セクションは、好ましくは、少なくとも2つの穴の全長にわたって延びる。好ましくは、それぞれの少なくとも1つ壁セクションはストリップ形状に構成され、その結果長手方向における寸法xは少なくとも2つの穴の長さに一致する。
【0018】
請求項7に記載のハウジング部品は、信頼できる摩耗保護と材料加工へのポジティブな影響を保証する。少なくとも1つの壁セクションは、主延長方向により、少なくともセクション的に、中央長手軸の少なくとも1つの周りに延びる。少なくとも1つの壁セクションは、例えば運搬方向に又は運搬方向に抗して螺旋状に延びる。螺旋コースは例えば、穴のうちの1つに沿って延び、少なくとも2つの穴の貫通開口により遮断される。螺旋コース又は螺旋コースの勾配は、例えば処理要素軸又は処理要素軸のスクリュー要素の勾配に適合される。スクリュー要素の勾配に関して、螺旋コースの負の勾配は剪断速度を増加させるのに対して、正の勾配は剪断速度を減少させる。減少した剪断速度のために、加工すべき材料の材料応力も減少する。さらに、螺旋コースは例えば全ての穴に沿って延び、その結果螺旋コースは遮断されない。さらには、それぞれの少なくとも1つの壁セクションは、例えば運搬方向に対して垂直にのみ延びる。
【0019】
請求項1に記載のハウジング部品は、信頼できる摩耗保護と材料加工へのポジティブな影響を保証する。材料層の適用は特に、少なくとも1つの以下の適用タイプによって行われる:レーザー溶接、PTA溶接(PTA:プラズマ移行式アーク)、電極溶接、熱注入(thermal injection)、ホットアイソタクチックプレス、焼結、はんだ付け、アディティブ製造(additive production)、CVDコーティング及び/又はPVDコーティング、表面硬化(case hardening)、デトネーションによるコーティング、窒化処理(nitriding)、ホウ化処理(boriding)。材料層の半径方向層厚さDに対して、好ましくは、0.1mm≦D≦30mm、特に1.0mm≦D≦25mm、特に2.0mm≦D≦20mm、特に4.0mm≦D≦15mm、特に6.0mm≦D≦10mmが与えられる。
【0020】
少なくとも1つの第1壁セクションの構成のために、以下の材料から選択された少なくとも1つの材料を有する材料層が適用される。
【0021】
コバルトベース合金(ステライト)、NiCrBSiベース合金、硬材料部分の有る又は無い及び鉄ベースを有する粉末冶金工具鋼、少なくとも1つの前述した原料と付加的な炭化物及び/又は窒化物硬材料インターカレーションの複合材料、CrN、TiAlN、TiC。
【0022】
少なくとも1つの第2壁セクションの構成のために、以下の材料から選択された少なくとも1つの材料を有する材料層が適用される。
【0023】
高級鋼、低級鋼、ニッケルベース原料、NiCr70Nb、アルミニウム、真鍮、Al青銅、Cu青銅又はNi青銅などの青銅、ウォーキショー合金(Waukesha alloys)。
【0024】
それぞれの材料層は特に、基体上に構成された少なくとも1つの基層上に適用される。少なくとも1つの基層は特に、少なくとも1つの第2壁セクションより硬い。少なくとも1つの基層は例えば、少なくとも1つの第1壁セクションより柔らかい又は硬い。さらに、それぞれの材料層は例えば、少なくとも1つの第1壁セクションより柔らかい少なくとも1つの基層上に適用される。少なくとも1つの基層は例えば、少なくとも1つの第2壁セクションより柔らかい又は硬い。少なくとも1つの基層のそれぞれの硬度の程度は、少なくとも1つの第1壁セクション及び/又は少なくとも1つの第2壁セクションの硬度の程度に対して複数の要件に従ってランダムに選択できる。
【0025】
本発明の別な目的は、信頼できる摩耗保護を保証し、材料加工にポジティブな影響を有する、多軸スクリュー機械を創出することである。多軸スクリュー機械は、特にハウジングの構成により、材料加工にポジティブな影響を有する。
【0026】
この目的は、請求項9の特徴を含む多軸スクリュー機械によって達成される。本発明に従う多軸スクリュー機械の利点は、本発明に従うハウジング部品に関して既に述べた利点と一致する。好ましくは、多軸スクリュー機械は、2つの入り込んだハウジング穴及びハウジング穴内に配置された2つの処理要素軸を有する2軸スクリュー機械として構成される。多軸スクリュー機械は好ましくは、同じ方向に旋回可能又は旋回される。したがって、少なくとも2つの処理要素軸は同じ回転方向に旋回可能又は旋回される。少なくとも2つの処理要素軸は特に、密に噛み合って構成される。少なくとも2つの処理要素軸は好ましくは、ハウジングのハウジング内壁を、特に全体的に剥がす。ハウジング部品は例えば、ハウジングセクション及び/又はハウジングセクションを構成するためにハウジング基体との接続のためにブシュとして構成される。
【0027】
請求項10に記載の多軸スクリュー機械は、信頼できる摩耗保護と材料加工へのポジティブな影響を保証する。少なくとも2つの同一のハウジング部品は、特に、運搬方向にじかに次々に配置される。このため、運搬方向の長さが運搬方向におけるハウジング部品の長さより大きい機能エリアの構成が可能になる。例えば、複数のハウジング部品を越えて延在する可塑化エリア又は融合エリアの構成が可能である。ハウジング部品は特に、改良された材料加工及び/又はレリーフ又は可塑化エリア又は融合エリア及び均質化エリアでの低めの摩耗を可能にする。このため、材料がより速く融合でき、より良好に均質化又は加工できるので、加工部品は比較的短めに構成されてもよい。
【0028】
請求項11に記載の多軸スクリュー機械は、信頼できる摩耗保護と材料加工へのポジティブな影響を保証する。異なるハウジング部品は異なる機能エリアの構成を可能にする。それぞれの機能エリアでは、それぞれの対応ハウジング部品は指定の機能をサポートする。指定の機能は、例えば、処理要素軸の構成によって予め定められる。多軸スクリュー機械は例えば、以下の機能エリアの少なくとも2つを有する:供給エリア、溶解エリア又は可塑化エリア、ガス抜きエリア、均質化エリア、混合エリア、加圧エリア。それぞれの機能エリアでは、指定の機能がサポートされ及び/又は所望の摩耗保護が実現されるように、少なくとも1つのハウジング部品は構成される。特に、内壁のプロフィール及びそこから生じる体積膨張のために、材料加工はプラスの影響を受ける。
【0029】
本発明のさらに別な目的は、信頼できる摩耗保護を保証し、多軸スクリュー機械での材料加工にポジティブな影響を有する、多軸スクリュー機械のためのハウジング部品の製造方法を創出することである。
【0030】
この目的は、請求項12の特徴を有する方法によって達成される。本発明に従う方法の利点は、本発明に従うハウジング部品又はそれにより製造される多軸スクリュー機械に関して既に記載した利点に一致する。本発明に従う方法は特に請求項1~8の特徴によって拡張されてもよい。好ましくは、本発明に従う方法は多軸スクリュー機械の製造方法の一部である。多軸スクリュー機械の製造方法は特に、請求項1~8のいずれか一項に従う少なくとも1つのハウジング部品を有するハウジングの製造を有する。多軸スクリュー機械の製造方法も、特に請求項9~11の特徴によって拡張されてもよい。
【0031】
本発明の更なる特徴、利点及び詳細は、複数の例示の実施形態の以下の記載から生じる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】複数のハウジング部品から組み立てられたハウジングを有する多軸スクリュー機械の部分的に分けられた図を示す。
【
図2】
図1の多軸スクリュー機械の部分的に分けられた平面図を示す。
【
図3】
図2の交差線に沿う多軸スクリュー機械を通る断面を示す。
【
図4】平面において第1実施形態に従うハウジング部品のうちの1つの内壁の図を示す。
【
図5】三角領域におけるハウジング部品の断面を示す。
【
図6】平面において第2実施形態に従うハウジング部品のうちの1つの内壁の図を示す。
【
図7】平面において第3実施形態に従うハウジング部品のうちの1つの内壁の図を示す。
【
図8】平面において第4実施形態に従うハウジング部品のうちの1つの内壁の図を示す。
【
図9】平面において第5実施形態に従うハウジング部品のうちの1つの内壁の図を示す。
【
図10】平面において第6実施形態に従うハウジング部品のうちの1つの内壁の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
多軸スクリュー機械1は例えば、添加物3を与えられたプラスチック材料2を加工する機能を有する。多軸スクリュー機械1は2軸スクリュー機械として構成されている。
【0034】
多軸スクリュー機械1は、運搬方向5に次々と配置された複数のハウジング部品6~15のハウジング4を有する。ハウジング部品6~15はハウジングセクションとして構成されている。ハウジング部品6~15は、フランジ(さらに詳細には描いていない)を介して一般的な方法で互いに接続しており、ハウジング4を形成する。
【0035】
ハウジング4には、2つのハウジング穴16,17が構成されており、互いに平行であって、互いに貫通し合っており、その断面は水平な図形8の形状を示す。ハウジング穴16,17はハウジング内壁34によって境界を定められている。ハウジング穴16,17には、2つの処理要素軸18,19が同心状に配置され、対応する回転軸21,22の周りに駆動モーター20によって旋回可能である。処理要素軸18,19と駆動モーター20の間には、分岐ギヤ23が配置され、再び駆動モーター20と分岐ギヤ23の間には、継手(coupling)24が配置されている。処理要素軸18,19は同じ方向に、すなわち回転方向25,26に回転軸21,22の周りを駆動される。
【0036】
分岐ギヤ23に隣接する第1ハウジング部品6には、ホッパーの形状の材料送り込み部33が配置されている。そこを介して加工すべきプラスチック材料2と、また適用される場合には添加物3とが、ハウジング穴16,17に供給される。
【0037】
スクリュー機械1は運搬方向5において連続的に、供給エリア27、溶解エリア又は可塑化エリア28、ガス抜きエリア29、均質化エリア30、運搬・混合エリア31及び加圧エリア32を示す。ハウジング4は最終ハウジング部品15において、排出開口36を有するオリフィス板35によって閉じられている。
【0038】
処理要素軸18,19は、軸37,38とそこに配置された処理要素39,40又は39’,40’により構成されている。第1軸37に配置された処理要素39,40と第2軸38に配置された処理要素39’,40’は、互いに一致し、第2軸38に配置された処理要素39’,40’の参照番号は、識別のために「’」を有する。処理要素39,39’はスクリュー要素として構成されるのに対して、処理要素40,40’は練り混ぜ要素として構成される。処理要素40,40’は、次々に角度をずらしてそれぞれの回転軸25,26の方向に配置された複数の練り混ぜディスクを有する。次々に配置された多数の練り混ぜディスクは例えば、ワンピースの練り混ぜブロックとして構成される。
【0039】
供給エリア27には、スクリュー要素39,39’が軸37,38上に互いに隣接して配置されており、互いに連動し、2つ一組になって密に噛み合って構成されている。溶解エリア28では、練り混ぜ要素40,40’が軸37,38上に配置されており、やはり2つ一組になって密に噛み合って構成されている。ガス抜きエリア29では、再び、密に噛み合ったスクリュー要素39,39’が軸37,38上に配置されている。対応するハウジング部品10がガス抜き用のガス抜き開口41を有する。次の均質化エリア30では、密に噛み合った練り混ぜ要素40,40’が軸上に配置されている。さらに、次の運搬・混合エリア31では、密に噛み合ったスクリュー要素39,39’が軸37,38上に配置されている。対応的に、次の加圧エリア32では、スクリュー要素39,39’が軸37,38上に配置されている。スクリュー要素39,39’及び練り混ぜ要素40,40’は例えば、二条ねじ及び/又は三条ねじの態様で構成されている。
【0040】
ハウジング部品6~15はそれぞれ基体42を有し、そこではハウジング穴16,17がセクションで構成されている。したがって、ハウジング部品6~15のそれぞれは、ハウジング穴16,17のセクションを構成する穴を有する。ハウジング穴16,17と区別するために、それぞれのハウジング部品6~15の穴は、以下では参照番号16’,17’を有する。ハウジング部品6~15の一直線に並んだ配置のために、穴16’,17’は記載したハウジング穴16,17になる。穴16’,17’はそれぞれ、中央長手軸を有する。それは以下では21’,22’と示され、ハウジング穴16,17の中央長手軸又は回転軸21,22に一致する。それぞれのハウジング部品6~15の穴16’,17’は、ハウジング内壁34の一部を構成する内壁Wによって境界を定められる。内壁Wの第1セクションW1は第1穴16’を画定する一方、内壁Wの第2セクションW2はそれぞれのハウジング部品6~15の第2穴17’を画定する。
【0041】
運搬方向5において、基体42は長さLGを有する。穴16’,17’は基体42全体を通って運搬方向5に延び、その結果、穴16’,17’も長さLGを有する。穴16’,17’はそれぞれ直径DGを有する。穴16’,17’は中央長手軸21’,22’の軸中心距離Aを有し、その結果、穴16’,17’は互いに貫通し合う。互いに貫通し合っている穴16’,17’又はハウジング穴16,17は、貫通平面EZといわゆる三角領域Z1,Z2を構成する。貫通平面EZには、貫通開口43が構成されている。三角領域Z1,Z2は、中央長手軸21’,22’を通る軸方向平面EAに関して互いに対向して配置されている。三角領域Z1,Z2は、それぞれのハウジング部品6~15の全長LGに沿って運搬方向5に延びる。貫通平面EZと垂直に又は軸方向平面EAと平行に、三角領域Z1,Z2は寸法AZを有する。寸法AZに対して、AZ=0.2A、特に0.3A、特に0.4A、特に0.6A、特に0.8A、特に1.0Aが成り立つ。三角領域Z1,Z2は、貫通平面EZに対して対称的に構成されている。ゆえに、寸法AZは、貫通平面EZの両側にそれぞれ二分の一だけ位置している。
【0042】
ハウジング部品6~15の内壁Wはさらに、側面領域S1,S2を有する。側面領域S1,S2は、貫通平面EZに対向して、また軸方向平面EAに対して対称的に配置されている。側面領域S1,S2は、それぞれのハウジング部品6~15の全長LGに沿って延びる。側面領域S1,S2は、軸方向平面EAと垂直に又は貫通平面EZと平行に寸法ASを有する。寸法ASに対して、AS=0.3DG、特に0.4DG、特に0.5DGが成り立つ。側面領域S1,S2は、軸方向平面EAに対称的に配置されている。したがって、寸法ASは軸方向平面EAの両側において二分の一だけ位置する。
【0043】
図4は、ハウジング部品7の内壁Wを平面で可視化している。三角領域Z
1,Z
2では、第1壁セクションw
1と第2壁セクションw
2が交互に構成されており、第1壁セクションw
1は第2壁セクションw
2に比べてより硬い。第1壁セクションw
1はストリップ形状(細片形状)で構成されており、それらの主延長方向により運搬方向5と平行に延びる。第1壁セクションw
1は、運搬方向5に長さx
1を有し、運搬方向5に対して垂直に幅y
1を有する。比x
1/y
1に対して、x
1/y
1≧2、特にx
1/y
1≧4、特にx
1/y
1≧10が成り立つ。長さx
1は長さL
Gに一致する。
【0044】
対応的に、第2壁セクションw2はストリップ形状(細片形状)で構成されており、運搬方向5と平行に延びる。第2壁セクションw2は、運搬方向5に長さx2を有し、運搬方向5に対して垂直に幅y2を有する。比x2/y2に対して、x2/y2≧2、特にx2/y2≧4、特にx2/y2≧10が成り立つ。長さx2は長さLGに一致する。第1壁セクションw1及び/又は第2壁セクションw2は、同一に及び/又は異なって構成されてもよい。
【0045】
第1壁セクションw
1は、材料層M
1を基体42に適用することで構成される。これは、
図5に視覚化されている。材料層M
1は、それぞれの中央長手軸21’,22’の半径方向に、層厚さD
1を有し、それに対して例えば1mm≦D
1≦4mmが与えられる。
【0046】
例えば、材料層M1の適用は、少なくとも1つの以下の塗布方法:レーザー溶接、PTA溶接(PTA:プラズマ移行式アーク)、電極溶接、熱注入(thermal injection)、ホットアイソタクチックプレス、焼結、はんだ付け、アディティブ製造(additive production)、CVDコーティング及び/又はPCVDコーティング、表面硬化(case hardening)、デトネーションによるコーティング、窒化処理(nitriding)、ホウ化処理(boriding)によって行われる。
【0047】
第1壁セクションw1の構成のために、少なくとも1つの材料が以下の材料から選択される。
【0048】
コバルトベース合金(ステライト)、NiCrBSiベース合金、硬材料部分の有る又は無い及び鉄ベースを有する粉末冶金工具鋼、少なくとも1つの前述した原料と付加的な炭化物及び/又は窒化物硬材料インターカレーションの複合材料、CrN、TiAlN、TiC。
【0049】
第2壁セクションw2は、基体42の基本材料M0によって構成されている。基本材料M0は、原料1.4112などの一般的な基本原料である。
【0050】
図6は、ハウジング部品8又は9の内壁Wを視覚化している。ハウジング部品8,9は同一に構成されている。ハウジング部品7とは異なり、ハウジング部品8又は9の内壁Wは、三角領域Z
1,Z
2の壁セクションw
1及びw
2に加えて、側面領域S
1,S
2にも第1壁セクションw
1及び第2壁セクションw
2を有する。第1壁セクションw
1及び第2壁セクションw
2は、三角領域Z
1,Z
2の壁セクションw
1及びw
2に一致して構成されている。側面領域S
1,S
2における壁セクションw
1,w
2は、三角領域Z
1,Z
2の壁セクションw
1,w
2と比べて数のみ異なる。更なる構成に関しては、先の実施形態を参照されたい。
【0051】
図7は、ハウジング部品10,11の内壁Wを視覚化している。ハウジング部品10,11は対応的に、ガス抜き開口41を除いて同一に構成されている。ハウジング部品7~9とは異なり、内壁W全体は、交互の第1壁セクションw
1及び第2壁セクションw
2を有する。壁セクションw
1,w
2は、先の実施形態に従って構成されている。更なる構成に関しては、先の実施形態を参照されたい。
【0052】
図8は、ハウジング部品12,13の内壁Wを視覚化している。先の実施形態とは異なり、第2壁セクションw
2は、それらの主延在方向により運搬方向5に対して垂直に延びる。第2壁セクションw
2は、平行であって運搬方向5に対して垂直に指向した列に配置されている。第2壁セクションw
2は内壁W全体にわたって分布している。第2壁セクションw
2の配置のために、運搬方向5と平行に延び、ハウジング部品12,13の全長L
Gに沿って延びる第1壁セクションw
1が構成されている。さらに、中央長手軸21’,22’の周りに運搬方向5と垂直に延び、運搬方向と平行に延びる第1壁セクションw
1と交差する第1壁セクションw
1が構成されている。このようにして、第1壁セクションw
1は格子を形成する。更なる構成に関して、先の実施形態を参照されたい。
【0053】
図9は、ハウジング部品14,15の内壁Wを視覚化している。先の実施形態とは異なり、第1壁セクションw
1は、中央長手軸21’の周りの内壁Wの第1セクションW
1にて及び中央長手軸22’の周りの内壁Wの第2セクションW
2にて、運搬方向5に正の勾配をもって延びる。第2壁セクションw
2は、対応する第1壁セクションw
1の間に対応的に延びる。それに代えて又は加えて、壁セクションw
1,w
2は運搬方向5に負の勾配をもって延びてもよい。このようにして、壁セクションw
1,w
2は回転方向25,26に関して正の勾配及び/又は負の勾配をもって螺旋状に延びる。貫通開口43は螺旋状のコースを遮断する。更なる構成に関して、先の実施形態を参照されたい。
【0054】
図10は、別な実施形態を示す。先の実施形態とは異なり、内壁Wに接する基体42が処理され、その結果基層Gが構成されている。基層Gは例えば熱処理により構成され、基本材料M
0に比べて硬化されている。次に、第1壁セクションw
1及び第2壁セクションw
2が材料層M
1及びM
2の材料塗布により構成される。第2壁セクションw
2は、それぞれの中央長手軸21’,22’の方向に層厚さD
2を有し、それは例えば層厚さD
1に一致する。少なくとも1つの基層Gの構成と、材料塗布による第1壁セクションw
1の構成及び/又は材料塗布による第2壁セクションw
2の構成は、ランダムに組み合わされてもよい。材料層M
2は特に、以下の材料から選択された少なくとも1つの材料を有する。
【0055】
高級鋼、低級鋼、ニッケルベース原料、NiCr70Nb、アルミニウム、真鍮、Al青銅、Cu青銅又はNi青銅などの青銅、ウォーキショー合金(Waukesha alloys)。
【0056】
更なる構成に関して、先の実施形態を参照されたい。
【0057】
更なる実施形態では、第1壁セクションw1は、それに代えて又は加えて、内壁Wの局所的な表面硬化により構成されてもよい。局所的な表面硬化は例えば、電子ビーム焼き入れやレーザー焼き入れによって行われる。第2壁セクションw2は例えば基体42の基本材料M0により構成される。
【0058】
ハウジング部品7~15は、前述したように少なくとも1つの第1壁セクションw1及び少なくとも1つの第2壁セクションw2を有するブシュとして構成されてもよい。ブシュは例えば、ハウジング基体と接続しており、その結果ブシュはそれぞれのハウジングセクションを形成する。
【0059】
一般に、以下のことが言える。
少なくとも1つの第1壁セクションw1及び少なくとも1つの第2壁セクションw2の構成は、内壁Wの処理によって及び/又は材料塗布によって生じる。少なくとも1つの第1壁セクションw1及び少なくとも1つの第2壁セクションw2は、スクリュー機械1の操作の間、加工すべきプラスチック材料2に接触する。層厚さD1は、層厚さD2より小さい、等しい又は大きくてもよい。好ましくは、層厚さD2は層厚さD1より大きい。材料層M1,M2は塗布後に処理又は加工されてもよい。複数の第1壁セクションw1が同一に又は異なって構成されてもよい。複数の第2壁セクションw2が同一に又は異なって構成されてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 多軸スクリュー機械
5 運搬方向
16’,17’ 穴
42 基体
W 内壁
w1 第1壁セクション
w2 第2壁セクション