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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】印刷用紙
(51)【国際特許分類】
   D21H 11/04 20060101AFI20240827BHJP
   D21H 17/67 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
D21H11/04
D21H17/67
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020071438
(22)【出願日】2020-04-13
(65)【公開番号】P2021167483
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2023-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000176637
【氏名又は名称】日本製紙パピリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162396
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100194803
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 理弘
(72)【発明者】
【氏名】岸本 雅樹
(72)【発明者】
【氏名】小山 宗央
【審査官】斎藤 克也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-193966(JP,A)
【文献】特開2016-030870(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D21B1/00-1/38;D21C1/00-11/14;D21D1/00-99/00;D21F1/00-13/12;D21G1/00-9/00;D21H11/00-27/42;D21J1/00-7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
木材パルプ、無機填料を少なくとも含み、
前記木材パルプが、NBKPとLBKPとをNBKP/LBKP=5/95~25/75の重量比で含み、
前記NBKPが平均繊維幅28.0μm以上31.0μm以下、前記LBKPが平均繊維幅13.0μm以上16.0μm以下であり、
前記無機填料が、軽質炭酸カルシウムを含み、
坪量15g/m以上40g/m以下、不透明度69%以上、引張強さ1.20kN/m以上であり、荷重4.90Nの耐折試験における耐折強さ2.0以上であることを特徴とする印刷用紙。
【請求項2】
前記木材パルプが、ショッパーリーグラろ水度60゜SR以上であることを特徴とする請求項1に記載の印刷用紙。
【請求項3】
前記無機填料の含有量が、10重量%以上30重量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷用紙。
【請求項4】
内添澱粉を、対木材パルプ0.1重量%以上1.5重量%以下含むことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の印刷用紙。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷用紙、特に、辞書用紙、能書用紙、約款用紙等として用いられる薄葉印刷紙に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷用紙、特に、辞書用紙、能書用紙、約款用紙等、薄葉印刷紙と呼ばれる印刷用紙は、低坪量化が顕著に進んでいる。
辞書は、一冊の構成頁が多いため非常に厚みのある商品であるが、携帯性、軽量化のために、辞書用紙には薄厚化・軽量化が要望されている。能書用紙は、医薬品の使用方法、副作用等を記載して医薬品の薬箱に収容されるが、薬箱に畳んで嵩を小さくして収容する必要があるため、やはり薄厚化・軽量化が要求される。約款用紙も保険内容などの詳細な契約内容などを告知する必要性から多頁化している一方で、この冊子を契約者へ送付する場合があり、送付に要する費用負担を軽減するために、薄厚化・軽量化が要求されている。
【0003】
辞書用紙、能書用紙、約款用紙の用途で使用される薄葉印刷紙は、非常に多くの情報が印刷される。特に多色刷で両面印刷される場合、用紙反対面への印刷の写り込みにより印刷内容が判読できないトラブルが発生するため、紙には高不透明性が要求される。そして、紙中の填料含有率を高めることにより、紙の不透明性を高める方法が用いられている。
しかし、紙中填料量を増やすと、用紙の不透明性を向上させる一方で、紙力が低下するため印刷時の紙切れが発生しやすくなる。また、填料の脱落による印刷不良(印刷機の汚れやパイリングなど)が発生してしまう。紙力を向上させるためにパルプの叩解を進めると、紙の不透明度が低下してしまうことになる。
【0004】
そのため、不透明度、引張強さ、印刷適性等の性能がバランス良く成立した低坪量の印刷用紙が求められている。さらに、低坪量の印刷用紙は、製本時や、薬箱への収容時等に小さく折り畳まれるため、耐折り曲げ性に優れていることが要求される。
このような印刷用紙として、例えば、特許文献1には、パルプに填料を含有させて基紙を形成し、基紙の両面に結着剤を塗工して塗工層を形成した、白色度、不透明度、引張強さが高く、パイリングが抑制され、印刷適性を高めた印刷用紙が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-193966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
不透明度、引張強さ、耐折り曲げ性に優れた印刷用紙を提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題を解決するための手段は、以下の通りである。
1.木材パルプ、無機填料を少なくとも含み、
坪量15g/m以上40g/m以下、不透明度69%以上、引張強さ1.20kN/m以上であり、荷重4.90Nの耐折試験における耐折強さ2.0以上であることを
特徴とする印刷用紙。
2.前記木材パルプが、NBKPとLBKPとをNBKP/LBKP=5/95~25/
75の重量比で含み、
前記NBKPが平均繊維幅28.0μm以上31.0μm以下、前記LBKPが平均繊
維幅13.0μm以上16.0μm以下であることを特徴とする1.に記載の印刷用紙。
3.前記木材パルプが、ショッパーリーグラろ水度60゜SR以上であることを特徴とす
る1.または2.に記載の印刷用紙。
4.前記無機填料の含有量が、10重量%以上30重量%以下であることを特徴とする1
.~3.のいずれかに記載の印刷用紙。
5.内添澱粉を、対木材パルプ0.1重量%以上1.5重量%以下含むことを特徴とする
1.~4.のいずれかに記載の印刷用紙。
【発明の効果】
【0008】
本発明の印刷用紙は、低坪量でありながらも、不透明度、引張強さ、耐折り曲げ性に優れている。本発明の印刷用紙は、辞書用紙、能書用紙、約款用紙等として、好適に利用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<印刷用紙>
本発明の印刷用紙は、木材パルプ、無機填料を少なくとも含み、
坪量15g/m以上40g/m以下、不透明度69%以上、引張強さ1.20kN
/m以上であり、荷重4.90Nの耐折試験における耐折強さ2.0以上であることを
特徴とする。
本発明の印刷用紙は、辞書用紙、能書用紙、約款用紙等の薄葉印刷紙として好適に利用
することができる。
【0010】
・坪量(JIS P8124)
本発明の印刷用紙の坪量は、15g/m以上40g/m以下である。本発明の印刷用紙の用途を考慮すると、坪量は低い方が好ましいが、性能面から不透明度や強度、また製造面から抄造性(通紙、紙切れなど)を考慮して、15g/m以上40g/m以下の範囲内で調整することができる。
・不透明度(JIS P8149)
本発明の印刷用紙は、不透明度が70%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。
【0011】
・引張強さ(JIS P8113)
本発明の印刷用紙は、引張強さが1.25kN/m以上であることが好ましく、1.3
kN/m以上であることがより好ましく、1.35kN/m以上であることがさらに好ま
しい。
・耐折試験(JIS P8115:2001)
本発明の印刷用紙は、荷重4.90Nにおける耐折強さが2.2以上であることが好
ましく、2.4以上であることがより好ましく、3.0以上であることがさらに好ましい
【0012】
本発明の印刷用紙は、
パルプ化工程:木材パルプを叩解しパルプスラリーを調整する工程
調成工程 :前記パルプスラリーに無機填料等を添加して原料スラリーを調成する工程
抄紙工程 :前記原料スラリーを抄紙することにより基紙を抄造する工程
を経ることにより得ることができる。
また、抄紙工程で得られた基紙をそのまま本発明の印刷用紙とすることもできるが、得られた基紙に、塗工工程(両面に結着剤を塗工する工程)、仕上・加工工程(表面処理及び裁断等の工程)のいずれか、または両方を施して本発明の印刷用紙とすることもできる。
【0013】
<木材パルプ>
木材パルプは、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、針葉樹亜硫酸パルプ、広葉樹亜硫酸パルプ等の化学パルプや、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(TGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプの1種または2種以上を混合して用いることができる。これらの中で、NBKPとLBKPを混合して用いることが好ましい。
【0014】
NBKPとLBKPとを混合して用いる場合、NBKPとLBKPとをNBKP/LBKP=5/95~25/75の重量比で含み、NBKPが平均繊維幅28.0μm以上31.0μm以下であり、LBKPが平均繊維幅13.0μm以上16.0μm以下であることが、上記した所望の各物性を満足する印刷用紙が得られやすいため好ましい。なお、本明細書において、パルプの平均繊維幅、長さ加重平均繊維長は、Techpap SAS社製MORFI COMPACTで測定した値である。
【0015】
NBKPとLBKPの重量比(NBKP/LBKP)は、7/93~23/77の範囲内であることがより好ましく、10/90~20/80の範囲内であることがさらに好ましい。
NBKPは、平均繊維幅29.0μm以上30.0μm以下であることがより好ましい。また、その長さ加重平均繊維長は、2.0mm以上2.5mm以下であることが好ましく、2.1mm以上2.4mm以下であることがより好ましい。
LBKPは、平均繊維幅14.0μm以上15.0μm以下であることがより好ましい。また、その長さ加重平均繊維長は、0.75mm以上0.85mm以下であることが好ましく、0.78mm以上0.82mm以下であることがより好ましい。
【0016】
木材パルプ(2種以上を混合した場合は、その混合物)は、JIS P8121-1に規定されたショッパー・リーグラ法で測定したろ水度が60°SR以上であることが好ましく、65°SR以上であることがより好ましく、70°SR以上であることがさらに好ましい。
また、所定のろ水度となるように叩解したパルプスラリー中の木材パルプは、平均繊維幅が13.0μm以上20.0μm以下であることが好ましく、15.0μm以上19.0μm以下であることがより好ましく、長さ加重平均繊維長が0.70mm以上0.85mm以下であることが好ましく、0.75mm以上0.80mm以下であることがより好ましい。
【0017】
<無機填料>
無機填料には、軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、酸化チタン、ゼオライト等の1種または2種以上を混合して使用することができる。また、本発明の効果を損なわないのであれば、合成樹脂填料を併用することができる。
無機填料は、不純物が少なく白色度が高い軽質炭酸カルシウムを用いるのが好ましい。さらに、印刷用紙の不透明度(JIS P8149に規定)を高くするためには、微粒状、あるいは凝集状(ロゼッタ型)の形状、好ましくは微細柱状結晶(針形状)の形状の軽質炭酸カルシウムの1種または2種以上を混合して使用することが好ましい。
【0018】
無機填料は、印刷用紙中に10重量%以上30重量%以下含まれることが、不透明性の点から好ましい。無機填料の割合が10重量%未満では、不透明度が低下する場合があり、無機填料の割合が30重量%を越えると、紙力が低下する場合があるとともに、抄紙時にパイリングが生じやすくなる場合がある。無機填料は、印刷用紙中に15重量%以上25重量%以下含まれることがより好ましい。なお、印刷用紙中に含まれる無機填料の含有率は、JIS P8251:2003に準拠した燃焼温度525℃での灰分量から求めることができる。
【0019】
<内添澱粉>
本発明の印刷用紙は、内添澱粉を含むことができる。内添澱粉を含むことで、耐折強さ、填料歩留まりを向上させることができる。内添澱粉は、対木材パルプ0.1重量%以上1.5重量%以下含むことが好ましい。0.1重量%以下では十分な効果が発現せず、また1.5重量%以上では不透明度の低下が顕著になる場合がある。
【0020】
本発明の印刷用紙は、必要に応じて、硫酸バンドや各種のアニオン性、カオチン性、ノ二オン性或いは、両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を含むことができる。さらに、必要に応じて、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の製紙用添加剤を含むことができる。
【0021】
<抄紙>
原料スラリーを抄紙機で抄紙することにより、基紙を得ることができる。
抄紙機としては、長網式抄紙機、丸網式抄紙機、短網式抄紙機、ツインワイヤ式抄紙機等を用いることができる。また、抄紙は、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙のいずれかの方式で行われる。
【0022】
<結着剤>
得られた基紙の両面に結着剤を塗工することもできる。
結着剤は、基紙に含有される填料の定着性を高め、印刷時のパイリングを抑制する。結着剤としては、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酵素変性澱粉等の澱粉類、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリビニルアルコール(PVA)等の1種または2種以上を混合して使用することができ、澱粉類を用いることが好ましい。
結着剤を塗工する場合は、基紙の両面に合わせて固形分で1.0g/m程度塗工することができる。
【0023】
必要に応じて、結着剤を塗工する塗工液には、表面サイズ剤、耐水化剤、保水剤、増粘剤、滑剤などの助剤を添加することができ、さらに、印刷用紙の美感や平滑性を高めるために、カオリン、炭酸カルシウムなどの白色顔料を添加することもできる。
【0024】
結着剤の塗工方式及び塗工装置は特に限定されるものではなく、公知の塗工装置を用いることができるが、ロッドメタリング式サイズプレス、ポンド式サイズプレス、ゲートロールコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等を用いることが好ましい。
【実施例
【0025】
パルプの平均繊維幅、長さ加重平均繊維長は、Techpap SAS社製のMORFI COMPACTを用いて測定した。木材パルプ、または、各実施例・比較例で示したパルプ配合における叩解後のパルプスラリーを、0.005重量%程度に水で希釈して測定用のパルプスラリー試料とした。この試料を前記の測定装置で測定し、平均繊維幅は5μmから75μmで測定したWidth(繊維幅)の平均値を、長さ加重繊維長は200μmから10,000μmのLength weightede in length(長さ加重繊維長)の平均値を、それぞれパルプの平均繊維幅、長さ加重平均繊維長の値とした。
【0026】
(実施例1)
針葉樹晒クラフトパルプ(離解時の長さ加重平均繊維長2.28mm、平均繊維幅29.6μm)20重量%及び広葉樹晒クラフトパルプ(離解時の長さ加重平均繊維長0.80mm、平均繊維幅14.3μm)80重量%から成る混合パルプを、ショッパーリーグラろ水度70゜SRまで叩解し、パルプ原料を得た。このパルプ原料の長さ加重平均繊維長は0.76mm、平均繊維幅は17.4μmであった。
このパルプ原料に、内添薬品として硫酸バンド、サイズ剤、軽質炭酸カルシウムを添加して原料スラリーとし、目標坪量35g/mで手抄き紙を作成した。そして、酸化澱粉(商品名:SK-100、日本コーンスターチ株式会社製)の水溶液(6.5重量%、20℃)を手抄き紙に対して2.7重量%となるようにサイズプレス塗工した後に、シリンダードライヤー(100~120℃)で乾燥させた。得られたシートをカレンダー加工処理で47±3μmとなるように紙厚を調節して印刷用紙を得た。
【0027】
(実施例2)
混合パルプの比率を針葉樹晒クラフトパルプが25重量%、広葉樹晒クラフトパルプが75重量%としたパルプ原料(長さ加重平均繊維長0.78mm、平均繊維幅18.0μm)を用いた以外は実施例1と同様に印刷用紙を作製した。
(実施例3)
混合パルプの比率を針葉樹晒クラフトパルプが10重量%、広葉樹晒クラフトパルプが90重量%としたパルプ原料(長さ加重平均繊維長0.76mm、平均繊維幅16.8μm)を用いた以外は実施例1と同様に印刷用紙を作製した。
【0028】
(実施例4)
混合パルプをショッパーリーグラろ水度80゜SRまで叩解したパルプ原料(長さ加重平均繊維長0.75mm、平均繊維幅18.6μm)を用いた以外は実施例1と同様に印刷用紙を作製した。
(実施例5)
混合パルプの比率を針葉樹晒クラフトパルプが10重量%、広葉樹晒クラフトパルプが90重量%としたパルプ原料(長さ加重平均繊維長0.72mm、平均繊維幅17.6μm)を用いた以外は実施例4と同様に印刷用紙を作製した。
【0029】
(実施例6)
混合パルプの比率を針葉樹晒クラフトパルプが20重量%、広葉樹晒クラフトパルプが80重量%としパルプ原料(長さ加重平均繊維長0.76mm、平均繊維幅17.4μm)を用い、軽質炭酸カルシウムの添加量を1/2とした以外は実施例1と同様に印刷用紙を作製した。
(実施例7)
混合パルプの比率を針葉樹晒クラフトパルプが10重量%、広葉樹晒クラフトパルプが90重量%としたパルプ原料(長さ加重平均繊維長0.76mm、平均繊維幅16.8μm)を用いた以外は実施例6と同様に印刷用紙を作製した。
【0030】
(実施例8)
内添薬品として両性化澱粉(商品名:Cato3210、イングレディオン・ジャパン株式会社)を対木材パルプ0.5重量%添加した以外は実施例4と同様に印刷用紙を作製した。
(実施例9)
内添薬品として両性化澱粉を対木材パルプ1.0重量%添加した以外は実施例4と同様に印刷用紙を作製した。
(実施例10)
内添薬品として両性化澱粉を対木材パルプ0.5重量%添加した以外は実施例5と同様に印刷用紙を作製した。
(実施例11)
内添薬品として両性化澱粉を対木材パルプ1.0重量%添加した以外は実施例5と同様に印刷用紙を作製した。
(実施例12)
内添薬品として両性化澱粉を対木材パルプ0.5重量%添加した以外は実施例7と同様に印刷用紙を作製した。
【0031】
(比較例1)
針葉樹晒クラフトパルプとして離解時の長さ加重平均繊維長2.26mm、平均繊維幅27.2μmのパルプ、広葉樹晒クラフトパルプとして離解時の長さ加重平均繊維長0.74mm、平均繊維幅22.1μmのパルプを使用したパルプ原料(長さ加重平均繊維長0.71mm、平均繊維幅24.9μm)を用い、軽質炭酸カルシウムを無配合とした以外は、実施例1と同様に印刷用紙を作製した。
(比較例2)
針葉樹晒クラフトパルプとして離解時の長さ加重平均繊維長2.26mm、平均繊維幅27.2μmのパルプ、広葉樹晒クラフトパルプとして離解時の長さ加重平均繊維長0.74mm、平均繊維幅22.1μmのパルプを使用したパルプ原料(長さ加重平均繊維長0.71mm、平均繊維幅24.9μm)を用いた以外は、実施例1と同様に印刷用紙を作製した。
【0032】
(比較例3)
針葉樹晒クラフトパルプとして離解時の長さ加重平均繊維長2.26mm、平均繊維幅27.2μmのパルプを使用したパルプ原料(長さ加重平均繊維長0.75mm、平均繊維幅18.3μm)を用いた以外は、実施例1と同様に印刷用紙を作製した。
(比較例4)
針葉樹晒クラフトパルプとして離解時の長さ加重平均繊維長1.94mm、平均繊維幅27.7μmのパルプを使用したパルプ原料(長さ加重平均繊維長0.77mm、平均繊維幅18.1μm)を用いた以外は、実施例1と同様に印刷用紙を作製した。
【0033】
(比較例5)
針葉樹晒クラフトパルプとして離解時の長さ加重平均繊維長1.94mm、平均繊維幅27.7μmのパルプ、広葉樹晒クラフトパルプとして離解時の長さ加重平均繊維長0.74mm、平均繊維幅22.1μmのパルプを使用したパルプ原料(長さ加重平均繊維長0.76mm、平均繊維幅24.5μm)を用いた以外は、実施例1と同様に印刷用紙を作製した。
(比較例6)
広葉樹晒クラフトパルプとして離解時の長さ加重平均繊維長0.74mm、平均繊維幅22.1μmのパルプを使用したパルプ原料(長さ加重平均繊維長0.73mm、平均繊維幅24.8μm)を用いた以外は、実施例1と同様に印刷用紙を作製した。
【0034】
得られた印刷用紙について、23℃、50%RHの雰囲気で24時間以上保管したものを用意し、この雰囲気下にて下記物性を評価した。結果を表1に示す。
坪量:JIS P8124に準拠して測定した。
厚さ:JIS P8118に準拠し加圧面間の圧力100kPaとして、試料シート1枚の厚さを測定した。
密度:測定した坪量と厚さより算出した。
【0035】
不透明度:JIS P8149に準拠して測定した。
引張強さ:JIS P8113に準拠して測定した。
耐折強さ:JIS P8115:2001に準拠して、試験片を幅15mm、長さ11
0mmで採取し、MIT試験機を用いて荷重4.90Nで試験片が破断す
るまでの往復折曲げ回数(耐折回数)を測定し、これから個々の耐折強さを算出した。各
試料について10回測定した値の平均値を測定値とした。
525℃灰分:JIS P8251:2003に準拠して測定した。
【0036】
【表1】