(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】タイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジを提供するためのモバイル無線通信システム、方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 56/00 20090101AFI20240827BHJP
【FI】
H04W56/00
(21)【出願番号】P 2023524566
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(86)【国際出願番号】 EP2022071203
(87)【国際公開番号】W WO2023046338
(87)【国際公開日】2023-03-30
【審査請求日】2023-04-21
(32)【優先日】2021-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ムティカイネン,ヤリ
(72)【発明者】
【氏名】ゲルツォーニ,リカルド
(72)【発明者】
【氏名】巳之口 淳
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/259134(WO,A1)
【文献】3GPP TS 23.501 V16.9.0,3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; System architecture for the 5G System (5GS); Stage 2 (Release 16),2021年06月24日,pp.267-271
【文献】3GPP TS 29.244 V16.9.0,3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Core Network and Terminals; Interface between the Control Plane and the User Plane Nodes; Stage 3 (Release 16),2021年09月16日,pp.85-86
【文献】Qualcomm, Ericsson, Nokia, Nokia Shanghai Bell, Samsung,Mapping scheduled traffic information, PSFP information and propagation delays between TSN GM clock and 5GS clock,3GPP TSG SA WG2 #146E S2-2106689,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_146E_Electronic_2021-08/Docs/S2-2106689.zip>,2021年08月23日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
DB名 3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4、6
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジを提供するように構成されたモバイル無線通信システムであって、
無線アクセスネットワークと、
前記タイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジのためのネットワーク側タイムセンシティブネットワーキング・トランスレータを提供するように構成されたユーザプレーンコンポーネントと、
前記タイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジを介して通信される少なくとも1つのトラフィックフローのタイミング情報を受信するように構成されたユーザプレーン制御コンポーネントであって、前記タイミング情報は、前記モバイル無線通信システムが同期情報を受信するように構成される複数の時間ドメインのうち所定のタイムセンシティブネットワーキング時間ドメインに関して指定され、前記所定のタイムセンシティブネットワーキング時間ドメインのクロックと前記モバイル無線通信システムのクロックとの間の差に関する情報について要求を前記ユーザプレーンコンポーネントに送信するように構成されたユーザプレーン制御コンポーネントと
を含み、
前記ユーザプレーンコンポーネントは、前記複数の時間ドメインの中から
、前記ネットワーク側タイムセンシティブネットワーキング・トランスレータにおいて設定されたタイムセンシティブネットワーキング時間ドメインに対応する時間ドメインを決定し、前記決定された時間ドメインの前記クロックと前記モバイル無線通信システムの前記クロックとの間の差に関する情報を決定し、前記要求に応じて前記決定された情報を前記ユーザプレーン制御コンポーネントに提供するように構成され、
前記ユーザプレーン制御コンポーネントは、前記決定された情報に従って前記無線アクセスネットワークを設定するように構成される、モバイル無線通信システム。
【請求項2】
前記ユーザプレーン制御コンポーネントは、前記決定された情報に従って前記少なくとも1つのトラフィックフローの前記タイミング情報を調整するように構成され、前記調整されたタイミング情報に従って前記無線アクセスネットワークを設定するように構成される、請求項1に記載のモバイル無線通信システム。
【請求項3】
前記ユーザプレーン制御コンポーネントは、前記調整されたタイミング情報を有する前記少なくとも1つのトラフィックフローに対して少なくとも1つのサービス品質フローを提供するように前記無線アクセスネットワークを設定するように構成される、請求項2に記載のモバイル無線通信システム。
【請求項4】
前記タイミング情報はバースト到着時間及び周期を含む、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のモバイル無線通信システム。
【請求項5】
前記決定された時間ドメインの前記クロックと前記モバイル無線通信システムの前記クロックとの間の差に関する前記情報は、前記決定された時間ドメインの前記クロックと前記モバイル無線通信システムの前記クロックとの間のクロックドリフト及び/又は前記決定された時間ドメインの前記クロックと前記モバイル無線通信システムの前記クロックとの間のオフセットに関する情報を含む、請求項
1に記載のモバイル無線通信システム。
【請求項6】
前記ユーザプレーンコンポーネントはユーザプレーン機能であり、前記ユーザプレーン制御コンポーネントはセッション管理機能である、請求項
1に記載のモバイル無線通信システム。
【請求項7】
前記ユーザプレーンコンポーネントは、前記ユーザプレーンコンポーネントのローカル設定を使用して、前記複数の時間ドメインの中から前記所定の時間ドメインに対応する時間ドメインを決定するように構成される、請求項
1に記載のモバイル無線通信システム。
【請求項8】
前記ユーザプレーンコンポーネントは、前記複数の時間ドメインの各時間ドメインの同期情報を受信するように構成される、請求項
1に記載のモバイル無線通信システム。
【請求項9】
前記モバイル無線通信システムは5G通信システムである、請求項
1に記載のモバイル無線通信システム。
【請求項10】
モバイル無線通信システムによってタイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジを提供するための方法であって、
ユーザプレーン制御コンポーネントにおいて、前記タイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジを介して通信される少なくとも1つのトラフィックフローのタイミング情報を受信するステップであって、前記タイミング情報は、前記モバイル無線通信システムが同期情報を受信するように構成される複数の時間ドメインのうち所定のタイムセンシティブネットワーキング時間ドメインに関して指定される、ステップと、
前記所定のタイムセンシティブネットワーキング時間ドメインのクロックと前記モバイル無線通信システムのクロックとの間の差に関する情報について要求を前記ユーザプレーン制御コンポーネントからユーザプレーンコンポーネントに送信するステップであって、前記ユーザプレーンコンポーネントは、前記タイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジのためのネットワーク側タイムセンシティブネットワーキング・トランスレータを提供するステップと、
前記ユーザプレーンコンポーネントが、前記複数の時間ドメインの中から
、前記ネットワーク側タイムセンシティブネットワーキング・トランスレータにおいて設定されたタイムセンシティブネットワーキング時間ドメインに対応する前記時間ドメインを決定し、前記決定された時間ドメインの前記クロックと前記モバイル無線通信システムの前記クロックとの間の差に関する情報を決定し、前記要求に応じて前記決定された情報を前記ユーザプレーン制御コンポーネントに提供するステップと、
前記ユーザプレーン制御コンポーネントが、前記決定された情報に従って無線アクセスネットワークを設定するステップと
を含む方法。
【請求項11】
コンピュータによって実行されると前記コンピュータに請求項10に記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム
。
【請求項12】
コンピュータによって実行されると前記コンピュータに請求項10に記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータ読み取り可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジを提供するためのモバイル無線通信システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
5Gモバイル無線通信システムのようなモバイル無線通信システムは、IEEE802.1Qに従ったタイムセンシティブネットワーキング(TSN, Time-Sensitive Networking)・イーサネットブリッジを提供するために使用され得る。IEEE802.1Qに従ったブリッジについて、同期トラフィック決定論的な転送サービスを可能にするために、巡回キューイング及びフォワーディング(Cyclic Queuing and Forwarding)のような機能が提供される。
【0003】
このようなタイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジでは、TSNトラフィックフローのデータは、モバイル無線通信システムの無線アクセスネットワークによって転送される。
【0004】
このタスクのための無線アクセスネットワークの効率的な構成が望まれる。
【0005】
HUAWEI ET AL: "TSN Domain and Time Domain", 3GPP(登録商標) DRAFT; C4-200763, 3RD GENERATION PARTNERSHIP PROJECT (3GPP), MOBILE COMPETENCE CENTRE; 650, ROUTE DES LUCIOLES; F-06921 SOPHIA-ANTIPOLIS CEDEX; FRANCE, vol. CT WG4, no. E-Meeting; 20200217-20200228 12 February 2020 (2020-02-12)は、UPF及びSMFからTSNと5GS(第5世代モバイル通信ネットワーク)との間のクロックドリフトを報告するための方法及び装置を開示している。
【0006】
5G; Procedures for the 5G System (5GS) (3GPP TS 23.502 version 16.9.0 Release 16)", ETSI TECHNICAL SPECIFICATION, EUROPEAN TELECOMMUNICATIONS STANDARDS INSTITUTE (ETSI), 650, ROUTE DES LUCIOLES; F-06921 SOPHIA-ANTIPOLIS; FRANCE, vol. 3GPP SA, no. VI 6.9.0 28 July 2021 (2021-07-28), pages 1-617は、タイムセンシティブネットワークを5GSネットワークに接続するためのアソシエーション手順を開示している。
【0007】
"5G; System architecture for the 5G System (5GS) (3GPP TS 23.501 version 16.9.0 Release 16)", ETSI TECHNICAL SPECIFICATION, EUROPEAN TELECOMMUNICATIONS STANDARDS INSTITUTE (ETSI), 650, ROUTE DES LUCIOLES; F-06921 SOPHIA-ANTIPOLIS; FRANCE, vol. 3GPP SA, ne. VI 6.9.0 28 July 2021 (2021-07-28), pages 1-454は、IEEE 802.1タイムセンシティブネットワーキング(TSN)標準で定義されているタイムセンシティブ通信をサポートするように拡張された5Gシステムを開示している。
【発明の概要】
【0008】
一実施形態によれば、タイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジを提供するように構成されたモバイル無線通信システムが提供される。モバイル無線通信システムは、無線アクセスネットワークと、タイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジのためのネットワーク側タイムセンシティブネットワーキング・トランスレータを提供するように構成されたユーザプレーンコンポーネントと、タイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジを介して通信される少なくとも1つのトラフィックフローのタイミング情報を受信するように構成されたユーザプレーン制御コンポーネントであって、タイミング情報は、モバイル無線通信システムが同期情報を受信するように構成される複数の時間ドメインのうち所定のタイムセンシティブネットワーキング時間ドメインに関して指定され、所定のタイムセンシティブネットワーキング時間ドメインのクロックとモバイル無線通信システムのクロックとの間の差に関する情報について要求をユーザプレーンコンポーネントに送信するように構成されたユーザプレーン制御コンポーネントとを含む。ユーザプレーンコンポーネントは、複数の時間ドメインの中から、ネットワーク側タイムセンシティブネットワーキング・トランスレータにおいて設定されたタイムセンシティブネットワーキング時間ドメインに対応する時間ドメインを決定し、決定された時間ドメインのクロックとモバイル無線通信システムのクロックとの間の差に関する情報を決定し、要求に応じて決定された情報をユーザプレーン制御コンポーネントに提供するように構成される。ユーザプレーン制御コンポーネントは、決定された情報に従って無線アクセスネットワークを設定するように構成される。
【0009】
更なる実施形態によれば、上記のモバイル無線通信システムに従ってタイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジを提供するための方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面において、同様の参照文字は、一般的に異なるビューを通じて同じ部分を示している。図面は必ずしも縮尺通りであるとは限らず、代わりに一般的に発明の原理を説明することに重点が置かれている。以下の説明では、以下の図面を参照して様々な態様について説明する。
【
図1】第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP, Third Generation Partnership Project)によって指定された無線通信システム、例えば、第5世代(5G, Fifth Generation)通信ネットワークを示す。
【
図2】5G通信システム(5GS)によって実装されるイーサネットブリッジを示す。
【
図3】5G通信システムによって実装されるイーサネットブリッジの提供における集中型ネットワーク構成(CNC, Centralized Network Configuration)及びTSNアプリケーション機能(AF, Application Function)並びに第5世代システム(5GS, Fifth Generation System)コンポーネントの関与を示す。
【
図4】複数の時間ドメインへの5GSイーサネットブリッジの接続を示す。
【
図5】イーサネットブリッジを提供するためのRANの制御を示すフロー図を示す。
【
図6】一実施形態によるタイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジを提供するモバイル無線通信システムを示す。
【
図7】タイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジを提供するための方法を示すフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明は、本発明が実施され得る本開示の具体的な詳細及び態様を例示する添付の図面を参照する。他の態様が利用されてもよく、構造的、論理的及び電気的な変更が本発明の範囲から逸脱することなく行われてもよい。本開示のいくつかの態様は本開示の1つ以上の他の態様と組み合わされて新しい態様を形成することができるので、本開示の様々な態様は必ずしも相互に排他的とは限らない。
【0012】
本開示の態様に対応する様々な例について以下に説明する。
【0013】
例1は、上記のようにタイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジを提供するように構成されたモバイル無線通信システムである。
【0014】
例2は、例1のモバイル無線通信システムであり、ユーザプレーン制御コンポーネントは、決定された情報に従って少なくとも1つのトラフィックフローのタイミング情報を調整するように構成され、調整されたタイミング情報に従って無線アクセスネットワークを設定するように構成される。
【0015】
例3は、例2のモバイル無線通信システムであり、ユーザプレーン制御コンポーネントは、調整されたタイミング情報を有する少なくとも1つのトラフィックフローに対して少なくとも1つのサービス品質フローを提供するように無線アクセスネットワークを設定するように構成される。
【0016】
例4は、例1~3のいずれか1つのモバイル無線通信システムであり、タイミング情報はバースト到着時間及び周期を含む。
【0017】
例5は、例1~4のいずれか1つのモバイル無線通信システムであり、決定された時間ドメインのクロックとモバイル無線通信システムのクロックとの間の差に関する情報は、決定された時間ドメインのクロックとモバイル無線通信システムのクロックとの間のクロックドリフト及び/又は決定された時間ドメインのクロックとモバイル無線通信システムのクロックとの間のオフセットに関する情報を含む。
【0018】
例6は、例1~5のいずれか1つのモバイル無線通信システムであり、ユーザプレーンコンポーネントはユーザプレーン機能であり、ユーザプレーン制御コンポーネントはセッション管理機能である。
【0019】
例7は、例1~6のいずれか1つのモバイル無線通信システムであり、ユーザプレーンコンポーネントは、ユーザプレーンコンポーネントのローカル設定を使用して、複数の時間ドメインの中から所定の時間ドメインに対応する時間ドメインを決定するように構成される。
【0020】
例8は、例1~7のいずれか1つのモバイル無線通信システムであり、ユーザプレーンコンポーネントは、複数の時間ドメインの各時間ドメインの同期情報を受信するように構成される。
【0021】
例9は、例1~8のいずれか1つの方法であり、モバイル無線通信システムは5G通信システムである。
【0022】
例10は、モバイル無線通信システムによってタイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジを提供するための方法であり、ユーザプレーン制御コンポーネントにおいて、タイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジを介して通信される少なくとも1つのトラフィックフローのタイミング情報を受信するステップであって、タイミング情報は、モバイル無線通信システムが同期情報を受信するように構成される複数の時間ドメインのうち所定のタイムセンシティブネットワーキング時間ドメインに関して指定される、ステップと、所定のタイムセンシティブネットワーキング時間ドメインのクロックとモバイル無線通信システムのクロックとの間の差に関する情報について要求をユーザプレーン制御コンポーネントからユーザプレーンコンポーネントに送信するステップであって、ユーザプレーンコンポーネントは、タイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジのためのネットワーク側タイムセンシティブネットワーキング・トランスレータを提供するステップと、ユーザプレーンコンポーネントが、複数の時間ドメインの中から所定の時間ドメインに対応する時間ドメインを決定し、決定された時間ドメインのクロックとモバイル無線通信システムのクロックとの間の差に関する情報を決定し、要求に応じて決定された情報をユーザプレーン制御コンポーネントに提供するステップと、ユーザプレーン制御コンポーネントが、決定された情報に従って無線アクセスネットワークを設定するステップとを含む。
【0023】
上記の例のいずれかの特徴のうち1つ以上は、他の例のいずれか1つと組み合わされてもよい点に留意すべきである。特に、モバイル無線通信システムのコンテキストに関して記載される例は、タイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジを提供するための方法にも同様に適用可能である。
【0024】
更なる実施形態によれば、コンピュータプログラムと、コンピュータによって実行されるとコンピュータに上記の方法を実行させる命令を含むコンピュータ読み取り可能媒体とが提供される。
【0025】
以下では、様々な例について詳細に説明する。
【0026】
図1は、無線通信システム100、例えば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP, Third Generation Partnership Project)によって指定される5G通信ネットワークを示す。
【0027】
無線通信システム100は、ユーザ機器(UE, user equipment)、ナノ機器(NE, nano equipment)等のようなモバイル無線端末デバイス102を含む。モバイル無線端末デバイス102は、加入者端末とも呼ばれ、端末側を形成するが、以下に説明する無線通信システム100の他のコンポーネントは、モバイル無線通信ネットワーク側の一部、すなわち、モバイル(無線)通信ネットワーク(例えば、公衆陸上モバイル通信ネットワーク(PLMN, Public Land Mobile communication network))の一部である。
【0028】
さらに、無線通信システム100は、複数の無線アクセスネットワークノード、すなわち、第5世代(5G, Fifth Generation)無線アクセス技術(5G New Radio)に従って無線アクセスを提供するように構成された基地局を含んでもよい無線アクセスネットワーク103を含む。無線通信システム100は、ロングタームエボリューション(LTE, Long Term Evolution)又は他の無線通信標準(例えば、Wi-Fi)に従って構成されてもよいが、ここでは例として5Gが使用される点に留意すべきである。各無線アクセスネットワークノードは、エアインターフェイス上でモバイル無線端末装置102との無線通信を提供してもよい。無線アクセスネットワーク103は、いずれかの数の無線アクセスネットワークノードを含んでもよい点に留意すべきである。
【0029】
無線通信システム100は、RAN103に接続されたアクセス及びモビリティ管理機能(AMF, Access and Mobility Management Function)101と、統合データ管理(UDM, Unified Data Management)104(統合データリポジトリ(UDR, Unified Data Repository)と対になってもよい)と、ネットワークスライス選択機能(NSSF, Network Slice Selection Function)105とを含むコアネットワーク118を更に含む。ここで、以下の例では、UDMは例えば統合データリポジトリ(UDR, Unified Data Repository)として知られる実際のUEの加入データベースで更に構成されてもよい。コアネットワーク118は、認証サーバ機能(AUSF, Authentication Server Function)114とポリシー制御機能(PCF, Policy Control Function)115とを更に含む。
【0030】
コアネットワーク118は複数のネットワークスライス106,107を有してもよく、ネットワークスライス106,107毎に、オペレータは複数のネットワークスライスインスタンス(NSI, network slice instance)108,109を作成してもよい。例えば、コアネットワーク118は、拡張モバイルブロードバンド(eMBB, Enhanced Mobile Broadband)を提供するための3つのコアネットワークスライスインスタンス(CNI, core network slice instance)108を有する第1のコアネットワークスライス106と、車両対全てのモノ(V2X, Vehicle-to-Everything)を提供するための3つのコアネットワークスライスインスタンス(CNI)109を有する第2のコアネットワークスライス107とを含む。
【0031】
典型的には、ネットワークスライスが展開されるとき、ネットワーク機能(NF, network function)がインスタンス化されるか、或いは(既にインスタンス化されている場合には)ネットワークスライスインスタンス(NSI, network slice instance)を形成するために参照され、ネットワークスライスインスタンスに属するネットワーク機能は、ネットワークスライスインスタンスIDで構成される。
【0032】
具体的には、図示の例では、第1のコアネットワークスライス106の各インスタンス108は、第1のセッション管理機能(SMF, Session Management Function)110と第1のユーザプレーン機能(UPF, User Plane Function)111とを含み、第2のコアネットワークスライス107の各インスタンス109は、第2のセッション管理機能(SMF)112と第2のユーザプレーン機能(UPF)113とを含む。
【0033】
コアネットワーク118は、ネットワーク機能/ネットワーク機能サービス登録、ネットワーク機能/ネットワーク機能サービス検出を提供するネットワークリポジトリ機能(NRF, Network Repository Function)117を更に含んでもよい。NRFは、モバイル無線通信ネットワーク側のいずれかのネットワーク機能へのインターフェイスを有してもよく、例えば、AMF101、SMF110,112へのインターフェイスを有してもよい。簡潔にするために、NRF117とAMF101との間のインターフェイスのみが描かれている。
【0034】
無線通信システム100は、例えば、RAN103及びコアネットワーク118に接続された1つ以上のOAMサーバによって実装される運用、管理及び保守(OAM, Operation, Administration and Maintenance)機能(又はエンティティ)116を更に含んでもよい(簡潔にするために接続は示されていない)。
【0035】
さらに、無線通信システム100は、ネットワークデータ及び分析機能(NWDAF, Network Data and Analytics Function)118を含んでもよい。
【0036】
特に、イーサネットブリッジを提供するために、5G通信システム(略して5GS)が使用されてもよい。これが
図2に示されている。
【0037】
図2は、5G通信システムによって実装されるイーサネットブリッジ200を示す。
【0038】
具体的には、イーサネットブリッジ200は、例えばUE102に対応する1つ以上のUE201と、例えばRAN103に対応するRAN202(すなわち、1つ以上の基地局)と、例えばUPF111,113に対応するUPF203とによって実装される。
【0039】
5Gシステム配置(すなわち、UE201、RAN202及びUPF203の配置)は、他のTSNノード204,205(これら自体がイーサネットブリッジでもよい)によってイーサネットブリッジと見なされる。例えば、工場における適用では、UEがモバイルロボット(TSNエンドノード204として機能する)の一部であり、据え置き型ロボットコントローラがTSNブリッジノード205として機能し、イーサネットを介してモバイルロボットと接続される。
【0040】
各UE201はデバイス側TSNトランスレータ(DS-TT, Device-side TSN translator)206と組み合わされる(すなわち、実装する)。これは単なる一例であり、DS-TT及びUEが組み合わされるか別々になるかは実装次第である点に留意すべきである。
【0041】
各DS-TT206は、次のTSNノード204が接続されるイーサネットポートを実装する。
【0042】
UPF203は、ネットワーク側TSNトランスレータ(NW-TT, Network-side TSN translator)207と組み合わされる(すなわち、実装する)。NW-TT207は、次のTSNノード205が接続される1つ以上のイーサネットポートを実装する。
【0043】
各UE206は、UPF203に向けてイーサネットタイプPDUセッション208を設定する。各PDUセッション208は、1つのDS-TT206に関連付けられる。1つ以上のPDUセッション208は、UPF203で設定される。イーサネットタイプPDUセッション208は、UE201とUPF203との間でイーサネットフレームを伝達する。UPF203(より厳密には、NW-TT207)は、フレーム内の宛先媒体アクセス制御(MAC, Medium Access Control)アドレス(及び仮想ローカルエリアネットワーク(VLAN, Virtual Local Area Network)ID)に基づいて、各イーサネットフレームを対応する出口ポートにルーティングする。DL方向では、NW-TT207は、対応するDS-TTポートに関連付けられたPDUセッション208にフレームをルーティングする。UL方向では、NW-TT207は、対応するNW-TTポートにフレームをルーティングする。
【0044】
したがって、5GSによって実装される場合、IEEE802.1Qイーサネットブリッジ機能は、NW-TT207とDS-TT206との間で分割され、これらはPDUセッション208を介して接続される。特に、IEEE802.1Qで定義されるフレーム転送プロセスにおけるアクションは、DS-TT206とNW-TT207との間で分割される。
【0045】
(ブリッジ)外部TSNネットワークにおける集中型ネットワーク構成(CNC, Centralized Network Configuration)エンティティは、5GSにおけるTSNアプリケーション機能(AF, Application Function)によって公開されるアプリケーションプログラミングインターフェイス(API, Application Programming Interface)を介して5GS仮想ブリッジ200を構成できる。TSN AFは、PCF115及びSMF110,112を介したトランスペアレントコンテナを使用して、ブリッジ設定をUE201(具体的にはDS-TT206)及びUPF203(具体的にはNW-TT207)に分配する。
【0046】
図3は、5G通信システムによって実装されるイーサネットブリッジ300の提供におけるCNC及びTSN AFと、さらに5GSコンポーネントの関与を示す。
【0047】
図2を参照して説明したように、イーサネットブリッジ300は、UE301と、ここでは基地局302によって表されるRANと、UPF303とによって実装される。UE301はDS-TT306を実装する。UPF303はNW-TT307を実装する。
【0048】
さらに、例えばSMF110又は112に対応するSMF310と、例えばPCF115に対応するPCF311と、TSN AF312と、CNC313とがイーサネットブリッジ300の実装及び提供に関与する。
【0049】
この例では、DS-TT306は第1のTSNホスト304(TSNエンドノード)に結合され、NW-TT307は2つのTSNブリッジ309を介して第2のTSNホスト305(TSNエンドノード)に結合される。
【0050】
TSNトランスレータ(すなわち、DS-TT306及びNW-TT307)は、IEEE TSNシステム及び5Gシステムを相互接続する。TT306,307は、時間を認識したスケジューリングと、ストリーム毎のフィルタリング及びポリシング(PSFP, per-stream filtering and policing)を実行する。これはTSNトラフィックストリームのタイミングを含む。
【0051】
CNC313は、5GSイーサネットブリッジ300におけるTSNデータストリームのスケジューリングを制御する。TSN AF312は、イーサネットブリッジ300の設定の対応する設定情報を、使用されるIEEEデータフォーマットから5GSによって理解可能なデータフォーマットにマッピングする。
【0052】
5GSイーサネットブリッジ300は、複数のTSN時間ドメインに接続できる。
【0053】
図4は、複数の時間ドメインへの5GSイーサネットブリッジ400の接続を示す。
【0054】
図3と同様に、5GSイーサネットブリッジ400はUE401と、ここでは基地局402によって表されるRANと、UPF403と、SMF410と、PCF411と、TSN AF412と、CNC413とによって実装される。UE401はDS-TT406を実装する。UPF403はNW-TT407を実装する。
【0055】
この例では、DS-TT406は第1のTSNホスト404(TSNエンドノード)に結合される。NW-TT407は、この例では2つのTSNブリッジ409を介して、複数の第2のTSNホスト(図示せず)に結合される。
【0056】
第2のTSNホストは、異なるTSN時間ドメインの一部であると想定される。したがって、イーサネットブリッジは複数のTSN時間ドメインに接続される。各時間ドメインは、gPTP Syncメッセージ(すなわち同期情報)を送信するそれぞれのグランドマスタ(GM, Grand Master)414,415を有する。5GSはこれらを独立して処理する。具体的には、DS-TT及びNW-TTは時間同期のためにgPTPメッセージを処理する。
【0057】
例えば、第1のグランドマスタ414は時間ドメイン0に関連付けられ、第2のグランドマスタ415は時間ドメイン1に関連付けられる。
【0058】
1つの時間ドメイン(例えば、時間ドメイン0)は、CNC413によって使用されるTSN時間ドメインである。トラフィックタイミング情報は、このTSN時間ドメイン内のTSN AF312によって提供される。したがって、(時間認識スケジューリングの)トラフィックスケジューリング情報及びPSFPは、この時間ドメインを使用してTT406,407に表現される。TT406,407は、5GSクロックを使用して同期される。TT406,407は、時間認識スケジューリング及びPSFPの命令を実行する前に、時間認識スケジューリングにおけるタイミング及びPSFPを、CNC413によって使用されるTSN時間ドメインから5GS時間に変換する。
【0059】
NW-TT407(すなわち、UPF403)は、5GS時間とTSN時間との間のクロック差を測定し、クロックドリフトレポート(一実施形態によれば、クロックドリフト情報以外のクロックオフセット情報を含んでもよく或いはクロックオフセット情報のみを含んでもよい)でSMFにクロック差を報告してもよい。
【0060】
したがって、SMF410は、UPF403によって提供されるクロックドリフトレポートに基づいて、RAN(gNB402)によってトラフィックを転送するために使用されるサービス品質(QoS, Quality of Service)フローのタイミング(すなわち、この例ではバースト到着時間(BAT, Burst Arrival Time)及び周期)を調整してもよい。SMF410は、調整されたタイミング情報を、QoSフローに関連付けられたQoS情報と共に、RAN(gNB402)に送信するTSC支援情報(TSCAI, TSC Assistance Information)に構成する。gNB402は、TSCAIに基づいてQoSフローの無線リソース割り当てのタイミングを調整する。
【0061】
SMF410は、SMF410がクロックドリフトレポートを受信したいTSN時間ドメインをUPF403に示してもよい。UPF403は、示されたTSN時間ドメインのそれぞれのクロックドリフトレポートをSMF410に提供する。
【0062】
しかし、SMF410は、典型的にはCNC413によって使用されるTSN時間ドメインがどれであるかを認識しない。したがって、SMF410がgNB402に送信するTSCAIを調整するために使用し得るクロックドリフトレポートを提供するために、どのTSN時間ドメインをUPF403に示すべきであるかは明確ではない。
【0063】
動作を効率化するために、SMF410はTSCAI調整の基礎としてCNCによって使用されるTSN時間ドメインを使用するべきである。したがって、SMF410は、クロックドリフトレポートを提供するために、このTSN時間ドメインをUPF403に示すべきである。しかし、CNC413によって使用されるTSN時間ドメインはTTに設定されている(すなわち、TTはCNC413によって使用される時間ドメインを認識している)が、これはSMF410によって認識されていない。
【0064】
したがって、様々な実施形態に従って、SMF410は、「設定された時間ドメイン」、すなわち、これがCNC413によって使用される時間ドメインであるというNW-TT407(したがってUPF403)の設定に含まれる時間ドメインについてクロックドリフトレポート(又は複数のクロックドリフトレポート)を提供するようにUPF403に要求する。次いで、UPF403は正しい時間ドメインを決定し、その時間ドメインのクロック差(ドリフト及び/又はオフセット)を提供する。
【0065】
例えば、CNCが時間ドメイン0を使用する場合、UPF403は、SMFの要求に応じて時間ドメイン0のクロックドリフトレポートを提供し、「設定された時間ドメイン」のクロックドリフトレポートを提供する。
【0066】
図5は、イーサネットブリッジを提供するためのRANの制御を示すフロー
図500を示す。
【0067】
例えばTSN AF312に対応するTSN AF501、例えばSMF310に対応するSMF502、及び例えばUPF403に対応するUPF503がフローに関与する。
【0068】
TSN AF501は、イーサネットブリッジ400がQoSフローを提供する複数のTSNトラフィックフローについてQoS要求を送信する。全てのTSNトラフィックフローについて、TSN AF501は「設定された時間ドメイン」、すなわち、CNC413によって使用される時間ドメインでのBAT及び周期を示す。
【0069】
SMF502は、示されたBAT及び周期によってQoSフローのリストを維持管理する。
【0070】
SMF502は、UPF503から「設定された時間ドメイン」のクロックドリフトレポートを要求する。UPF503は、クロックドリフト測定を実行し、「設定された時間ドメイン」のクロックドリフトレポートをSMF502に提供する。
【0071】
次いで、SMF502は、クロックドリフトレポート内の情報に従って、全てのQoSフローのBAT及び周期を調整し、この調整されたタイミング情報をRANに提供する。
【0072】
要約すると、様々な実施形態に従って、
図6に示すようなモバイル無線通信システムが提供される。
【0073】
図6は、一実施形態によるタイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジを提供するモバイル無線通信システム600を示す。
【0074】
モバイル無線通信システム600は、無線アクセスネットワーク601と、タイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジのためのネットワーク側タイムセンシティブネットワーキング・トランスレータ603を提供するように構成されたユーザプレーンコンポーネント602とを含む。
【0075】
モバイル無線通信システム600は、タイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジを介して通信される少なくとも1つのトラフィックフローのタイミング情報を受信するように構成されたユーザプレーン制御コンポーネント604を更に含み、タイミング情報は、モバイル無線通信システムが同期情報を受信するように構成された複数の時間ドメインのうち所定のタイムセンシティブネットワーキング時間ドメインに関して指定される。
【0076】
ユーザプレーン制御コンポーネント604は、所定のタイムセンシティブネットワーキング時間ドメインのクロックとモバイル無線通信システムのクロックとの間の差に関する情報について要求605をユーザプレーンコンポーネントに送信するように更に構成される。
【0077】
ユーザプレーンコンポーネント602は、複数の時間ドメインの中から所定の時間ドメインに対応する時間ドメインを決定し、決定された時間ドメインのクロックとモバイル無線通信システムのクロックとの間の差に関する情報606を決定し、要求605に応じて決定された情報606をユーザプレーン制御コンポーネント604に提供するように構成される。
【0078】
ユーザプレーン制御コンポーネント604は、決定された情報に従って無線アクセスネットワークを設定するように構成される。
【0079】
言い換えると、様々な実施形態によれば、ユーザプレーン制御コンポーネント(例えば、SMF)は、モバイル無線通信システムの(内部)クロックと、ユーザプレーン制御コンポーネントが(例えば、CNCから)タイミング情報を受信するTSN時間ドメインとの間のクロックドリフト(又はオフセット)情報を提供するように、ユーザプレーンコンポーネント(例えば、UPF)に要求する。ユーザプレーンコンポーネントは、正しい時間ドメインを決定し、要求された情報をユーザプレーンコンポーネントに提供する。ユーザプレーン制御コンポーネントは、複数の時間ドメインのうちどの時間ドメインがタイミング情報を受信する時間ドメインのものであるかについての認識を有さず、したがって、要求は時間ドメインの具体的な指示(番号又はID等)を含まない。しかし、ユーザプレーンコンポーネントは、正しい時間ドメインを導出するように構成され、正しいクロック情報をユーザプレーン制御コンポーネントに提供する。
【0080】
図6の手法は、TSNトラフィックフローの無線リソース割り当てのタイミングの精度を改善することを可能にする。無線リソース割り当てのタイミングをより正確にすることは、UE(UL方向)又はgNB(DL方向)においてパケットをバッファする時間が減少するので、TSNトラフィックフローのレイテンシを減少させる。
【0081】
様々な実施形態では、
図7に示すような方法が(例えばモバイル無線通信システムによって)実行される。
【0082】
図7は、タイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジを提供するための方法を示すフローチャート700を示す。
【0083】
701において、ユーザプレーン制御コンポーネントは、タイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジを介して通信される少なくとも1つのトラフィックフローのタイミング情報を受信し、タイミング情報は、モバイル無線通信システムが同期情報を受信するように構成される複数の時間ドメインのうち所定のタイムセンシティブネットワーキング時間ドメインに関して指定される。
【0084】
702において、所定のタイムセンシティブネットワーキング時間ドメインのクロックとモバイル無線通信システムのクロックとの間の差に関する情報について要求がユーザプレーン制御コンポーネントからユーザプレーンコンポーネントに送信される。要求が送信されるユーザプレーンコンポーネントは、タイムセンシティブネットワーキング・イーサネットブリッジのためのネットワーク側タイムセンシティブネットワーキング・トランスレータを提供するユーザプレーンコンポーネントである。
【0085】
703において、ユーザプレーンコンポーネントは、複数の時間ドメインの中から所定の時間ドメインに対応する時間ドメインを決定し、704において、決定された時間ドメインのクロックとモバイル無線通信システムのクロックとの間の差に関する情報を決定し、705において、要求に応じて決定された情報をユーザプレーン制御コンポーネントに提供する。
【0086】
706において、ユーザプレーン制御コンポーネントは、決定された情報に従って無線アクセスネットワークを設定する。
【0087】
言い換えると、様々な実施形態によれば、ユーザプレーンエンティティにおける時間ドメイン番号の設定、ユーザプレーンエンティティがユーザプレーン制御エンティティから設定された時間ドメイン番号とモバイル無線通信システムにおける内部クロックとの間のクロックドリフト情報の要求を受信すること、ユーザプレーンエンティティが要求に基づいて設定された時間ドメイン番号とモバイルシステムにおける内部クロックとの間のクロックドリフトを測定すること、及び測定をユーザプレーン制御エンティティに報告することを含む、クロックドリフト情報の提供のための方法が提供される。
【0088】
ユーザプレーン制御エンティティは、トラフィックフローのタイミング情報を維持管理してもよく、ユーザプレーン制御エンティティは、ユーザプレーンエンティティからのクロックドリフト情報に基づいて、トラフィックフローのタイミング情報を調整してもよい。
【0089】
モバイル無線通信システムのコンポーネントは、例えば、1つ以上の回路によって実装されてもよい。「回路」は、いずれかの種類の論理実装エンティティとして理解されてもよく、これは、メモリ、ファームウェア又はこれらのいずれかの組み合わせに記憶されたソフトウェアを実行する特殊用途回路又はプロセッサでもよい。したがって、「回路」は、配線論理回路、又はプログラマブルプロセッサ、例えばマイクロプロセッサのようなプログラマブル論理回路でもよい。「回路」はまた、ソフトウェア、例えばいずれかの種類のコンピュータプログラムを実行するプロセッサでもよい。上記のそれぞれの機能の他の種類の実装も「回路」として理解されてもよい。
【0090】
特定の態様について記載されているが、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の態様の真意及び範囲から逸脱することなく、形式及び詳細において様々な変更が行われてもよいことが当業者によって理解されるべきである。したがって、その範囲は添付の特許請求の範囲によって示され、したがって、特許請求の範囲の均等性の意味及び範囲内にある全ての変更が包含されることを意図する。