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特許7544457平坦度測定装置、熱間圧延設備及び平坦度測定装置を運転する方法
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  • 特許-平坦度測定装置、熱間圧延設備及び平坦度測定装置を運転する方法 図1A
  • 特許-平坦度測定装置、熱間圧延設備及び平坦度測定装置を運転する方法 図1B
  • 特許-平坦度測定装置、熱間圧延設備及び平坦度測定装置を運転する方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】平坦度測定装置、熱間圧延設備及び平坦度測定装置を運転する方法
(51)【国際特許分類】
   B21B 38/02 20060101AFI20240827BHJP
   B21B 39/00 20060101ALI20240827BHJP
   B21B 39/14 20060101ALI20240827BHJP
   B21C 51/00 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
B21B38/02
B21B39/00 J
B21B39/14 J
B21C51/00 L
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023513660
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 EP2021072441
(87)【国際公開番号】W WO2022043069
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-04-18
(31)【優先権主張番号】102020210970.2
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390035426
【氏名又は名称】エス・エム・エス・グループ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ゴルゲルス・フランク
(72)【発明者】
【氏名】イェプゼン・オーラフ・ノルマン
(72)【発明者】
【氏名】ズィーマン・パトリック
(72)【発明者】
【氏名】カストナー・アンドレアス
【審査官】中西 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-061520(JP,A)
【文献】特開2015-139810(JP,A)
【文献】特開2017-006952(JP,A)
【文献】特開平02-295607(JP,A)
【文献】特開平07-284835(JP,A)
【文献】特開平07-239223(JP,A)
【文献】特表2018-533483(JP,A)
【文献】特表平11-513937(JP,A)
【文献】特開平07-185634(JP,A)
【文献】米国特許第04463586(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21B 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱間圧延設備内で熱間帯板(2)の平坦度を測定する平坦度測定装置(1)であって、 熱間帯板(2)の第1の大きな面に接触する少なくとも1本の入口側の方向転換ロール(3)と、
熱間帯板(2)の第1の大きな面に接触する少なくとも1本の出口側の方向転換ロール(5)と、
熱間帯板(2)の帯板走行方向(6)に関して入口側の方向転換ロール(3)と出口側の方向転換ロール(5)との間に配置された、熱間帯板(2)の第1の大きな面とは反対側の、熱間帯板(2)の第2の大きな面に当接可能な、平坦度測定ロールとして用いられる少なくとも1本の中央の方向転換ロール(7)と、
を備える、平坦度測定装置(1)において、
走行方向の熱間帯板(2)の中央の実際位置(LIst)を検出する少なくとも1つの検出装置(8)と、検出装置(8)と方向転換ロール(3、5、7)のうちの少なくとも1本とに接続された少なくとも1つの調整装置(9)とが設けられていて、調整装置(9)は、熱間帯板(2)の中央の所定の目標位置(LSoll)からの熱間帯板(2)の実際位置(L Ist )のずれに応じて、それぞれ調整装置(9)に接続された方向転換ロール(3、5、7)の長手中央軸線(10)と、平坦度測定装置(1)の長手軸線(11)であって入口側、出口側及び中央の方向転換ロール(3、5、7)に対して横方向に延在する長手軸線(11)との間の角度(α)を変化させて、熱間帯板(2)の走行をコントロールするように、構成されていることを特徴とする、平坦度測定装置(1)。
【請求項2】
調整装置(9)は、それぞれ調整装置(9)に接続された方向転換ロール(3、5、7)の実際位置(PIst)を求め、熱間帯板(2)の所定の目標位置(LSoll)からの熱間帯板(2)の実際位置(LIst)のずれから方向転換ロール(3、5、7)の目標位置(PSoll)を求め、方向転換ロール(3、5、7)の目標位置(PSoll)からの方向転換ロール(3、5、7)の実際位置(PIst)のずれに応じて、方向転換ロール(3、5、7)の長手中心軸線(10)と平坦度測定装置(1)の長手軸線(11)との間の角度(α)を調整するための目標調整速度値(VSoll)を求めるように、構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の平坦度測定装置(1)。
【請求項3】
調整装置(9)は、熱間帯板(2)の側方移動の速度を求め、熱間帯板(2)の側方移動の速度に応じて目標調整速度値(VSoll)を求めるように、構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の平坦度測定装置(1)。
【請求項4】
調整装置(9)は、それぞれ調整装置(9)に接続された方向転換ロール(3、5、7)及び/又は少なくとも1本の他の方向転換ロール(3、5、7)を、平坦度測定装置(1)の長手軸線(11)に対して垂直に配置された平面内で旋回させ、それぞれの方向転換ロール(3、5、7)の旋回を、前記平面内で、角度値に応じて実行し、前記角度値の分だけ、それぞれの方向転換ロール(3、5、7)の長手中心軸線(10)と平坦度測定装置(1)の長手軸線(11)との間の角度(α)が調整装置(9)によって変化可能であるように、構成されていてることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の平坦度測定装置(1)。
【請求項5】
調整装置(9)にそれぞれ接続された方向転換ロール(3、5、7)は、熱間帯板(2)の、方向転換ロール(3、5、7)に供給可能な帯板部分に対して垂直に延在する回転軸線を中心に変位可能に配置されていて、前記回転軸線は、方向転換ロール(3、5、7)の中心を通って又は方向転換ロール(3、5、7)の長手軸線(10)に関して方向転換ロール(3、5、7)の中心に対してずらして配置されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の平坦度測定装置(1)。
【請求項6】
調整装置(9)は、調整装置(9)にそれぞれ接続された方向転換ロール(3、5、7)に接続された少なくとも1つの電気機械式の駆動装置、又は方向転換ロール(3、5、7)に接続された少なくとも1つの液圧式の調整シリンダを有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の平坦度測定装置(1)。
【請求項7】
少なくとも1つの保持フレームが設けられていて、保持フレームに、入口側の方向転換ロール(3)、出口側の方向転換ロール(5)及び/又は中央の方向転換ロール(7)が回転自在に軸支されていて、調整装置(9)は、保持フレームを介して、それぞれの方向転換ロール(3、5、7)に接続されていて、保持フレームは、保持フレームにそれぞれ接続された方向転換ロール(3、5、7)と共に変位可能であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の平坦度測定装置(1)。
【請求項8】
少なくとも1本の方向転換ロール(3、5、7)が、熱間圧延設備内の他のロールよりも粗さの高められた胴中表面を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の平坦度測定装置(1)。
【請求項9】
少なくとも1本の方向転換ロール(3、5、7)が、耐摩耗性の胴中コーティングを有することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の平坦度測定装置(1)。
【請求項10】
検出装置(8)は、熱間帯板(2)の入口側の実際位置(LIst)又は熱間帯板(2)の出口側の実際位置(LIst)を検出するように、配置及び構成されていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の平坦度測定装置(1)。
【請求項11】
少なくとも1つの平坦度測定装置(1)を備える熱間圧延設備において、平坦度測定装置(1)が、請求項1から10のいずれか一項に記載のように構成されていることを特徴とする、熱間圧延設備。
【請求項12】
熱間圧延設備内で熱間帯板(2)の平坦度を測定する平坦度測定装置(1)を運転する方法であって、
平坦度測定装置(1)は、熱間帯板(2)の第1の大きな面に接触する少なくとも1本の入口側の方向転換ロール(3)と、熱間帯板(2)の第1の大きな面に接触する少なくとも1本の出口側の方向転換ロール(5)と、熱間帯板(2)の帯板走行方向(6)に関して入口側の方向転換ロール(3)と出口側の方向転換ロール(5)との間に配置された、熱間帯板(2)の第1の大きな面とは反対側の、熱間帯板(2)の第2の大きな面に当接可能な、平坦度測定ロールとして用いられる少なくとも1本の中央の方向転換ロール(7)と、を有する、方法において、
走行方向の熱間帯板(2)の中央の実際位置(LIst)を検出し、熱間帯板(2)の中央の所定の目標位置(LSoll)からの熱間帯板(2)の実際位置(LIst)のずれに応じて、少なくとも1本の、調整装置(9)に接続された方向転換ロール(3、5、7)の長手中心軸線(10)と、平坦度測定装置(1)の長手軸線(11)であって入口側、出口側及び中央の方向転換ロール(3、5、7)に対して横方向に延在する長手軸線(11)との間の角度(α)を変化させて、熱間帯板(2)の走行をコントロールすることを特徴とする、方法。
【請求項13】
位置が相応に変化可能である方向転換ロール(3、5、7)の実際位置(PIst)を求め、熱間帯板(2)の所定の目標位置(LSoll)からの熱間帯板(2)の実際位置(LIst)のずれから方向転換ロール(3、5、7)の目標位置(PSoll)を求め、方向転換ロール(3、5、7)の目標位置(PSoll)からの方向転換ロール(3、5、7)の実際位置(PIst)のずれに応じて、方向転換ロール(3、5、7)の長手中心軸線(10)と平坦度測定装置(1)の長手軸線(11)との間の角度(α)を調整するための目標調整速度値(VSoll)を求めることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
熱間帯板(2)の側方移動の速度を求め、熱間帯板(2)の側方移動の速度に応じて目標調整速度値(VSoll)を求めることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
位置が相応に変化可能である方向転換ロール(3、5、7)及び/又は少なくとも1本の他の方向転換ロール(3、5、7)を、平坦度測定装置(1)の長手軸線(11)に対して垂直に配置された平面内で旋回させ、それぞれの方向転換ロール(3、5、7)の旋回を、前記平面内で、角度値に応じて実行し、前記角度値の分だけ、それぞれの方向転換ロール(3、5、7)の長手中心軸線(10)と平坦度測定装置(1)の長手軸線(11)との間の角度(α)が変化可能であることを特徴とする、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱間圧延設備内で熱間帯板の平坦度を測定する平坦度測定装置であって、熱間帯板の第1の大きな面に接触する少なくとも1本の入口側の方向転換ロールと、熱間帯板の第1の大きな面に接触する少なくとも1本の出口側の方向転換ロールと、熱間帯板の帯板走行方向に関して入口側の方向転換ロールと出口側の方向転換ロールとの間に配置された、熱間帯板の第1の大きな面とは反対側の、熱間帯板の第2の大きな面に当接可能であって平坦度測定ロールとして用いられる少なくとも1本の中央の方向転換ロールと、を備える、平坦度測定装置に関する。さらに、本発明は、少なくとも1つの平坦度測定装置を備える熱間圧延設備に関する。
【0002】
さらに、本発明は、熱間圧延設備内で熱間帯板の平坦度を測定する平坦度測定装置を運転する方法であって、平坦度測定装置は、熱間帯板の第1の大きな面に接触する少なくとも1本の入口側の方向転換ロールと、熱間帯板の第1の大きな面に接触する少なくとも1本の出口側の方向転換ロールと、熱間帯板の帯板走行方向に関して入口側の方向転換ロールと出口側の方向転換ロールとの間に配置された、熱間帯板の第1の大きな面とは反対側の、熱間帯板の第2の大きな面に当接可能な、平坦度測定ロールとして用いられる少なくとも1本の中央の方向転換ロールと、を有する、方法に関する。
【背景技術】
【0003】
金属帯板が設備内で比較的長い区間にわたってガイドされるとき、金属帯板の帯体走行のコントロールを可能にする方法及び/又は装置を設けることが特に重要である。その方法及び/又は装置は、金属帯板の側方への走行が防止されるように、帯板走行に影響を及ぼす。側方への走行が防止されないと、金属帯板は、設備の側方の画定部に当接し、損傷されるだろう。最悪の場合、これにより、帯板亀裂まで生じるプロセスの障害がもたらされる。帯板亀裂は、たいていは連続的なそのようなプロセスにおいて、重大な事故とみなされ、多大なコストの原因となる。
【0004】
鋼用の熱間圧延設備において平坦度を測定するとき、そのために使用される測定装置の考えられる位置は、熱間圧延設備の冷却区間と駆動ロールとの間である。平坦度測定のために平坦度測定ロールに帯板を巻き掛ける必要があり、その際、平坦度測定ロールは、金属帯板を方向転換させ、したがって、本発明の観点では方向転換ロールとも称されてよいので、測定ロールは、金属帯板にくっつければならない。測定ロールが金属帯板にくっつけられると直ちに、3本の方向転換ロール、すなわち方向転換ロールとしての入口側のロールテーブル用ロールと方向転換ロールとしての測定ロールと方向転換ロールとしての出口側のロールテーブル用ロールとからなる構成が形成される。
【0005】
この構成では、帯板走行不良のおそれが大いにある。特に、帯板厚さが小さな金属帯板は、不安定な側方への帯板走行となりやすい。このようなケースでは、測定ロールを用いた平坦度測定は、実際には、もはや不可能である。設備の側方ガイドにおける摩耗は、著しく増大し、帯板コイルの巻取品質は大幅に悪化し、コブル又は帯板亀裂のおそれが高まる。金属帯板の側方への走行によって、さらに、平坦度測定の障害の原因となる応力歪みが生じる。このような障害によって、線形の平坦度誤差の測定が不可能となる。
【0006】
例えば連続焼鈍炉及び亜鉛めっきラインなどの、金属帯板を処理する連続プロセスから、クラウン加工された方向転換ロール及び/又は旋回フレームに取り付けられた方向転換ロールが公知である。クラウン加工された方向転換ロールは、クラウン加工よって生じる引張応力再分配に基づいて、センタリング効果をもたらす。旋回フレームは、測定された帯板中心位置に基づく制御部によって制御される。長手方向に分離された熱間帯板の冷間圧延時、円錐形のフランジ構造に基づいて、熱間帯板も同様に側方に走行する強い傾向が表れるという問題が生じる。圧延プロセスのこの障害は、コイラの直前に配置された方向転換ロールの旋回によって対処される。この手段によって、帯板は、再び中央の帯板走行とすることができる。
【0007】
これらの公知の方法を適用するとき、帯板が持続的に引っ張られていることが前提である。熱間圧延時の完全に別の締付け状況は、帯板が引っ張られずに又は僅かに引っ張られてガイドされる長い区間を有する。冷間圧延において通常の方向転換ロールに対して、この締付け状況は、3回の方向転換で帯板を制御できる装置及び方法を必要とする。さらに、最後のロールスタンドと平坦度測定ロールとの間の極めて大きな締付け長さとこれに伴う長いデッドタイムとに基づいて、従来の制御方法は、役に立たない。
【0008】
https://www.emg-automation.com/automation/bandlaufregelungen/のリンクの下で、金属帯板を巻き上げる及び巻き出す際の帯板走行制御について、そして光学的な帯板中央測定に基づくエンドレス設備において情報が呼出し可能である。しかし、そのために使用される手段は、熱間圧延ラインのロールテーブルにおける用途に用いることはできない。さらに、そのような手段は、平坦度測定における障害を補整する手段も有しない。
【0009】
特開2012-206132号公報には、圧延材料を圧延するドラムと、ドラムの下流側に配置された、圧延された材料を巻き上げる巻取ロールと、ドラムによって圧延された圧延材料の送り方向を変化させ、巻取ロールへガイドする方向転換ドラムと、を有する圧延設備が開示されている。圧延設備を用いて圧延を行うとき、巻取ロールに巻き取られた圧延材料に発生した表面欠陥の状態が検出される。方向転換ロールの一端が、検出された表面欠陥の状態に基づいて、方向転換ロールの中心軸線に対して垂直の方向に動かされるので、表面欠陥の発生を抑制できる。
【0010】
欧州特許出願公開第3097990号明細書は、冷間圧延装置を開示し、冷間圧延装置は、加熱装置を用いて、連続的に搬送される鋼板を加熱し、加熱後に、鋼板を、冷間圧延機を用いて連続的に冷間圧延する。冷間圧延装置は、蛇行運動修正装置を有し、蛇行運動修正装置は、鋼板の搬送方向で加熱装置の上流側に配置されていて、加熱装置へ搬送される鋼板の蛇行運動を修正するように構成されている。さらに、冷間圧延装置は、蛇行運動抑制装置を有し、蛇行運動抑制装置は、加熱装置と冷間圧延機との間に配置されていて、冷間圧延機の使用によって鋼板の冷間圧延に割り当てられた鋼板の蛇行運動を抑制するように構成されている。さらに、冷間圧延装置は、制御部を有し、制御部は、蛇行運動修正動作を行い、加熱装置へ搬送される鋼板の蛇行運動を修正するために、蛇行運動修正装置を制御するように構成されている。さらに、制御部は、蛇行運動抑制動作が行われ、これにより鋼板の冷間圧延に割り当てられた鋼板の蛇行運動が抑制されるように、蛇行運動抑制装置を制御するように、構成されている。蛇行運動修正動作を行うために制御部が蛇行運動修正装置を制御するとき、制御部は、所定の時間間隔で蛇行運動抑制動作を行うために、蛇行運動修正装置を制御する。
【0011】
独国特許出願公開第19524729号明細書は、帯板を圧延する装置を開示する。帯板は、その幅にわたって、不均一な厚さ分布及び/又は長さ分布を有する。装置は、圧延機の入口側及び/又は出口側に配置された、その位置が、帯板に対して相対的に旋回可能な少なくとも1本の制御ロールと、帯板の幅にわたって引張応力分布を検出する手段と、検出された引張応力分布から、制御ロールを旋回させるための調整装置に対する調整信号を求める制御装置とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開2012-206132号公報
【文献】欧州特許出願公開第3097990号明細書
【文献】独国特許出願公開第19524729号明細書
【非特許文献】
【0013】
【文献】https://www.emg-automation.com/automation/bandlaufregelungen/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の課題は、熱間圧延設備において、熱間帯板の平坦度測定中に、熱間帯板の走行をコントロールして、熱間帯板の側方への走行を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この課題は、独立請求項によって解決される。有利な形態は、以下の説明、従属請求項及び図面において再現されていて、この場合、これらの形態は、それぞれ単独で又はこれらの形態のうちの少なくとも2つを互いに組み合わせた形で、本発明の発展形、特に好適な又は有利な側面をなしてもよい。この場合、平坦度測定装置の形態は、たとえ以下にそれについて個々のケースで明示されなくても、方法の構成に相当してよく、また逆も然りである。
【0016】
本発明に係る、熱間圧延設備内で熱間帯板の平坦度を測定する平坦度測定装置は、熱間帯板の第1の大きな面に接触する少なくとも1本の入口側の方向転換ロールと、熱間帯板の第1の大きな面に接触する少なくとも1本の出口側の方向転換ロールと、熱間帯板の帯板走行方向に関して入口側の方向転換ロールと出口側の方向転換ロールとの間に配置された、熱間帯板の第1の大きな面とは反対側の、熱間帯板の第2の大きな面に当接可能であって平坦度測定ロールとして用いられる少なくとも1本の中央の方向転換ロールと、を備える、平坦度測定装置において、熱間帯板の実際位置を検出する少なくとも1つの検出装置と、検出装置と方向転換ロールのうちの少なくとも1本とに接続された調整装置とが設けられていて、調整装置は、熱間帯板の所定の目標位置からの熱間帯板の実際位置のずれに応じて、それぞれ調整装置に接続された方向転換ロールの長手中央軸線と、平坦度測定装置の、方向転換ロールに対して横方向に延在する長手軸線との間の角度を変化させるように、構成されている。
【0017】
熱間帯板の実際位置を検出する検出装置は、中央の方向転換ロールの付近に配置されてよい。特に、熱間帯板の実際位置を検出する検出装置は、中間の方向転換ロールの前に又は後に配置されてよい。好ましくは、熱間帯板の実際位置を検出する検出装置は、直に中央の方向転換ロールに配置されている。好適には、熱間帯板の実際位置を検出する検出装置は、中央の方向転換ロールから1m以内の距離に配置されている。検出装置は、平坦度測定の測定値から及び/又は方向転換ロールのうちの1本の軸受の下に配置されたロードセルの引張測定信号から熱間帯板の位置を求めるように、構成されてよい。
【0018】
平坦度測定装置と熱間圧延設備の仕上げラインとの間の熱間帯板の大きな締付け長さに基づいて、平坦度測定ロールとして使用される中央の方向転換ロールがくっつけられるとき、帯板走行は、極めて不安定になるので、熱間帯板の側方への走行が生じやすくなる。このことは、本発明に係る平坦度測定装置を用いて、熱間帯板の所定の目標位置からの熱間帯板の実際位置の目下のずれに応じて、調整装置にそれぞれ接続された方向転換ロールの長手中心軸線と平坦度測定装置の長手軸線との間の角度を変化させることによって、帯板走行に影響が及ぼされる又は帯板走行が修正されることによって、確実に防止できる。本発明を適用することによってはじめて、熱間圧延設備の出口ロールテーブルにおける平坦度測定時に特に帯板中央位置のコントロールが可能である。本発明でなければ、熱間帯板は、平坦度測定プロセス中に、プロセスを中断しなければならないほど強く側方へ走行するだろう。この問題は、特に、帯板厚さが小さな熱間帯板の場合に生じる。しかし、このような熱間帯板は、平坦度測定にとって特に重要である。
【0019】
平坦度測定時、例えば熱間帯板における引張応力分布を測定できる。
【0020】
熱間帯板の第1の大きな面、例えば下面、すなわち下側の幅面に接触する入口側の方向転換ロールは、特にロールテーブルのロールであってよく、テーブルロールを介して、圧延された熱間帯板が、平坦度測定装置に供給可能である。したがって、その逆に「上側の幅面」という用語は、熱間帯板の反対側の大きな面、すなわち上側の幅面を意味する。
【0021】
熱間帯板の第1の大きな面、例えば下面に接触する出口側の方向転換ロールは、特にロールテーブルのテーブルロールであってよく、ロールテーブルを介して、平坦度測定装置によって測定された熱間帯板は、熱間圧延設備のコイラの上流側で熱間圧延設備のピンチロールユニットに供給可能である。
【0022】
中央の方向転換ロールは、平坦度測定ロールとして用いられる。中央の方向転換ロールは、特に熱間帯板の大きな面を上から見て、熱間帯板の帯板走行方向に関して入口側の方向転換ロールと出口側の方向転換ロールとの間に配置されている。平坦度測定を実行できるように、中央の方向転換ロールは、熱間帯板の第1の大きな面とは反対側の、熱間帯板の第2の大きな面、例えば上面に当接可能である。そのために、中央の方向転換ロールは、中央の方向転換ロールに当接するアクチュエータと、中央評価電子装置の機械負荷を評価する評価電子装置とに接続されている。
【0023】
熱間帯板の実際位置を検出する検出装置は、例えば少なくとも1つの光学センサ、例えばカメラを有してよい。さらに、検出装置は、光学センサの信号を処理する評価電子装置を有してよい。検出装置は、例えば、熱間帯板の入口側の実際位置として熱間帯板の帯板中央の実際位置を検出するように、構成されてよい。
【0024】
調整装置は、例えば、専ら入口側の方向転換ロールに接続されてよく、これにより、この方向転換ロールの位置を本発明に従って変化でき、これにより、熱間帯板の実際位置又は帯板中央位置の、本発明による閉ループ式及び/又は開ループ式の制御を行える。調整装置によって、入口側の方向転換ロールは、例えば一水平面内で旋回でき、これにより、入口側の方向転換ロールの長手中心軸線と平坦度測定装置の長手軸線との間の角度を本発明に従って変化できる。入口側の方向転換ロールの長手中心軸線と平坦度測定装置の長手軸線との間の角度の変化は、方向転換ロールの長手中心軸線と熱間圧延設備の長手軸線との間の角度の変化に対応してよく、この場合、熱間圧延設備の長手軸線は、2つの点、すなわち仕上げラインの最後のロールスタンドのロールニップの中央と、コイラの上流側のピンチロールユニットのクランプニップの中央とによって設定される。入口側の方向転換ロールの長手中心軸線と平坦度測定装置の長手軸線との間の角度は、例えば、+/-10mm/mの範囲内、好適には+/-15mm/mの範囲内、特に好適には+/-50mm/mの範囲内にあってよい。
【0025】
代替的に、調整装置は、専ら出口側の方向転換ロールに又は中央の方向転換ロールに接続されてよく、これにより、帯板走行の開ループ式の及び/又は閉ループ式の制御のために、それぞれの方向転換ロールを本発明に従って変位できる。代替的に、調整装置は、方向転換ロールのうちの2本に又は全ての方向転換ロールに接続されてよく、これにより、帯板走行の開ループ式の及び/又は閉ループ式の制御のために方向転換ロールを本発明に従って変位できる。2本以上の方向転換ロールの変位を実行するために、方向転換ロールは、調整装置の共通の1つのアクチュエータによって又は調整装置の別個の若しくは独自のアクチュエータによって個別に変位できる。
【0026】
本発明に従って変化可能な、それぞれの変位可能な又は旋回可能な方向転換ロールの角度は、帯板走行方向に対して横方向に整列された、それぞれの方向転換ロールの長手中心軸線と、平坦度測定装置の、方向転換ロールに対して横方向に延在する長手軸線との間に形成されていて、この場合、平坦度測定装置の長手軸線は、熱間圧延設備の長手軸線と同一であってよい。角度は、特に一水平面内に位置してよい。
【0027】
調整装置は、少なくとも1つの制御器を有してよく、制御器によって、それぞれの方向転換ロールの長手中心軸線と平坦度測定装置の長手軸線との間の角度は、熱間帯板の所定の目標位置からの熱間帯板の実際位置のずれに応じて変化可能である。制御器は、中央制御器を有してよく、中央制御器は、熱間帯板の所定の目標位置からの熱間帯板の実際位置のずれから、又は熱間帯板の実際位置と熱間帯板の所定の目標位置との対応する差から、それぞれの方向転換ロールの旋回位置に対する目標値を求め、目標値の適用によって、熱間帯板の帯板走行が修正可能である。中央制御器は、PI制御器として構成されてよい。
【0028】
有利な実施形態によれば、調整装置は、それぞれ調整装置に接続された方向転換ロールの実際位置を求め、熱間帯板の所定の目標位置からの熱間帯板の実際位置のずれから方向転換ロールの目標位置を求め、方向転換ロールの目標位置からの方向転換ロールの実際位置のずれに応じて、方向転換ロールの長手中心軸線と平坦度測定装置の長手軸線との間の角度を調整するための目標調整速度値を求めるように、構成されている。これにより、それぞれの方向転換ロールが旋回される調整速度を、帯板走行に関する目下の状況に迅速かつ個別に適合できる。そのために、調整装置は、旋回制御器を有してよく、旋回制御器は、調整装置にそれぞれ接続された方向転換ロールの目標位置からのこれらの方向転換ロールの実際位置のずれから、又はこれらの方向転換の実際位置とこれらの方向転換ロールの目標位置との対応する差から、調整速度値を求め、調整速度値によって、熱間帯板の帯板走行が修正可能である。旋回制御器は、単なるP制御器として構成されてよい。
【0029】
更に有利な実施形態によれば、調整装置は、熱間帯板の側方移動の速度を求め、熱間帯板の側方移動の速度に応じて目標調整速度値を求めるように、構成されている。そのために、調整装置は、差分制御器を有し、差分制御器は、熱間帯板の入口側の側方移動の速度から、調整装置に接続された方向転換ロールの旋回速度に対する追加値を求めるように構成されていて、この場合、この追加値と、旋回制御器によって求められた調整速度とが加算されてよく、これにより、調整装置のアクチュエータを制御するための目標調整速度値が生成される。
【0030】
別の有利な形態によれば、調整装置は、それぞれ調整装置に接続された方向転換ロール及び/又は少なくとも1本の他の調整装置に接続された方向転換ロールを、平坦度測定装置の長手軸線に対して垂直に配置された平面内で旋回させ、それぞれの方向転換ロールの旋回を、平面内で、角度値に応じて実行し、角度値の分だけ、それぞれの方向転換ロールの長手中心軸線と平坦度測定装置の長手軸線との間の角度が調整装置によって変化可能であるように、構成されている。例えば、入口側の方向転換ロールが、帯板走行コントロールのために、この方向転換ロールの長手中心軸線と平坦度測定装置の長手軸線との間の角度だけ変化させられるとき、この方向転換ロールと中央の方向転換ロールとの割合小さな距離に基づいて、平坦度測定装置への熱間帯板の締付の幾何学的形状の変化によって、平坦度測定が損なわれる。そのような障害を補整できるように、方向転換ロール及び/又は少なくとも1つの別の方向転換ロールは、平坦度測定装置への熱間帯板の締付の幾何学的形状の変化が補整されるように、平坦度測定装置の長手軸線に対して垂直に配置された、例えば鉛直の平面内で旋回される又は変位される。
【0031】
そのために、調整装置によって、方向転換ロールの旋回量SBに基づく熱間帯板の帯板縁間の長さの差Δlが求められ、その長手中心軸線は、この方向転換ロールの長手中心軸線と平坦度測定装置の長手軸線との間の角度だけ変化させられる。この場合、長さの差Δlについて、式Δl=f(SB、幾何学的形状)が成立し、この場合、要するに長さの差Δlは、旋回量SB及び締付の幾何学的形状の関数である。この長さの差に基づいて、調整装置によって、鉛直方向における、締付の幾何学的形状の変化を補整するために使用される方向転換ロールの旋回量SMを求めることができ、旋回量SMは、方向転換ロールの水平の旋回運動によって障害を最小化し、方向転換ロールの長手中心軸線は、この方向転換ロールの長手中心軸線と平坦度測定装置の長手軸線との間の角度だけ変化させられる。この場合、旋回量SMについて、式=f(Δl=0、幾何学的形状)が成立し、この場合、要するに旋回量SMは、長さの差Δl及び締付の幾何学的形状の関数である。この旋回量SMは、直接に又はランプを介して、調整装置のアクチュエータに伝達及び調整できる。この場合、旋回量SMの算出は、直接に行ってもよく、この場合、SM=f(SB、幾何学的形状)が成立してよく、要するに旋回量SMは、旋回量SB及び締付の幾何学的形状の関数であってよい。旋回量SMと旋回量SBとの関係は、締め付けられた熱間帯板の長さが、平坦度測定装置全体にわたって、操作側の帯板縁において、駆動側の帯板縁と同一であるように、確立してよい。オンライン能力を改善するために、又はオンラインシステムにおける補整の使用を簡単化するために、旋回量SMと旋回量SBとの関係の算出をオフラインで行え、この関係は、テーブルの形で、調整装置に記憶されてよい。平坦度測定装置への熱間帯板の締付の幾何学的形状の変化を補整するための旋回運動は、専ら入口側の方向転換ロールを用いて、出口側の方向転換ロールを用いて又は中央の方向転換ロールを用いて行える。代替的に、この補整は、方向転換ロールのうちの2本を用いて又は全ての方向転換ロールを用いて行える。2本以上の方向転換ロールの変位を実行するために、方向転換ロールは、調整装置の共通のアクチュエータによって又は調整装置の別個の若しくは独自のアクチュエータによって、個別に変位できる。
【0032】
別の有利な形態によれば、それぞれ調整装置に接続された方向転換ロールは、熱間帯板の、走行する帯板部分に対して垂直に延在する回転軸線を中心に変位可能に配置されていて、回転軸線は、それぞれ調整装置に接続された方向転換ロールの中心を通って又は方向転換ロールの長手軸線に関して方向転換ロールの中心に対してずらして配置されている。特に、回転軸線は、それぞれの方向転換ロールの中央に又は操作側に若しくは駆動側にずらして配置されてよい。
【0033】
別の有利な形態によれば、調整装置は、調整装置にそれぞれ接続された方向転換ロールに接続された少なくとも1つの電気機械式の駆動装置、例えばスピンドル駆動装置、又は方向転換ロールに接続された少なくとも1つの液圧式の調整シリンダを有する。
【0034】
別の有利な形態によれば、平坦度測定装置は、少なくとも1つの保持フレームを備え、保持フレームに、入口側の方向転換ロール、出口側の方向転換ロール及び/又は中央の方向転換ロールが回転自在に軸支されていて、調整装置は、保持フレームを介して、それぞれの方向転換ロールに接続されていて、保持フレームは、それぞれ保持フレームに接続された方向転換ロールと共に変位可能である。保持フレームに、方向転換ロールのうちの2本又は全ての方向転換ロールが軸支されてよく、これにより、これらの方向転換ロールは、平坦度測定を最適化するために一緒に変位できる。
【0035】
別の有利な形態によれば、少なくとも1本の方向転換ロールが、粗さの高められた胴中表面を有する。これにより、帯板走行に対するそれぞれの方向転換ロールの制御作用を改善できる。
【0036】
別の有利な形態によれば、少なくとも1本の方向転換ロールが、耐摩耗性の胴中コーティングを有する。胴中コーティングは、例えば炭化タングステンコーティングなどのセラミックコーティングであってよい。
【0037】
別の有利な形態によれば、検出装置は、熱間帯板の入口側の実際位置又は熱間帯板の出口側の実際位置を検出するように、配置及び構成されている。熱間帯板の入口側の実際位置とは、平坦度測定装置内へ走行する熱間帯板が入口側の方向転換ロールに接触する前の熱間帯板の実際位置と解される。熱間帯板の出口側の実際位置とは、平坦度測定装置から外へ走行する熱間帯板が出口側の方向転換ロールによって方向転換された後の熱間帯板の実際位置と解される。
【0038】
本発明に係る熱間圧延設備は、前述の形態のうちの1つによる又はこれらの形態のうちの少なくとも2つの組合せによる、少なくとも1つの平坦度測定装置を有する。平坦度測定装置に関して前述した利点は、相応に熱間圧延設備に結び付く。
【0039】
本発明に係る方法によれば、熱間圧延設備内で熱間帯板の平坦度を測定する平坦度測定装置を運転する方法であって、平坦度測定装置は、熱間帯板の第1の大きな面に接触する少なくとも1本の入口側の方向転換ロールと、熱間帯板の第1の大きな面に接触する少なくとも1本の出口側の方向転換ロールと、熱間帯板の帯板走行方向に関して入口側の方向転換ロールと出口側の方向転換ロールとの間に配置された、熱間帯板の第1の大きな面とは反対側の、熱間帯板の第2の大きな面に当接可能な、平坦度測定ロールとして用いられる少なくとも1本の中央の方向転換ロールと、を有する、方法において、熱間帯板の実際位置を検出し、熱間帯板の所定の目標位置からの熱間帯板の実際位置のずれに応じて、少なくとも1本の方向転換ロールの長手中心軸線と、平坦度測定装置の、方向転換ロールに対して横方向に延在する長手軸線との間の角度を変化させる。
【0040】
平坦度測定装置に関して前述した利点は、相応に方法に結び付く。特に、前述の形態のうちの1つによる又はこれらの形態のうちの少なくとも2つの組合せによる平坦度測定装置を方法の実行に用いてよい。
【0041】
有利な形態によれば、位置が相応に変化可能である方向転換ロールの実際位置を求め、熱間帯板の所定の目標位置からの熱間帯板の実際位置のずれから方向転換ロールの目標位置を求め、方向転換ロールの目標位置からの方向転換ロールの実際位置のずれに応じて、方向転換ロールの長手中心軸線と平坦度測定装置の長手軸線との間の角度を調整するための目標調整速度値を求める。平坦度測定装置の対応する形態に関して前述した利点は、この形態に相応に結び付く。
【0042】
別の有利な形態によれば、熱間帯板の側方移動の速度を求め、熱間帯板の側方移動の速度に応じて目標調整速度値を求める。平坦度測定装置の対応する形態に関して前述した利点は、この形態に相応に結び付く。
【0043】
別の有利な形態によれば、位置が相応に変化可能である方向転換ロール又は少なくとも1本の他の方向転換ロールを、平坦度測定装置の長手軸線に対して垂直に配置された平面内で旋回させ、それぞれの方向転換ロールの旋回を、平面内で、角度値に応じて実行し、角度値の分だけ、それぞれの方向転換ロールの長手中心軸線と平坦度測定装置の長手軸線との間の角度が変化可能である。平坦度測定装置の対応する形態に関して前述した利点は、この形態に相応に結び付く。
【0044】
以下、本発明を、添付の図面を参照して、好適な実施形態に基づいて例示的に説明する。その際、以下に説明する特徴は、それぞれ単独でも、少なくとも2つのこれらの特徴を相互に組み合わせた形でも、本発明の有利な形態又は発展形をなし得る。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1A】本発明に係る平坦度測定装置の一実施例を概略平面図で示す。
図1B図1Aに示された平坦度測定装置を概略側面図で示す。
図2】本発明に係る方法の一実施形態のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図中、同一の又は機能的に同一の構成部材には、同一の符号が付されている。これらの構成部材の繰り返しの説明は省略してよい。
【0047】
図1Aは、図示されていない熱間圧延設備内の熱間帯板2の平坦度を測定する、本発明に係る平坦度測定装置1の一実施例を概略平面図で示す。
【0048】
平坦度測定装置1は、熱間帯板2の下面の形態の第1の大きな面に接触する、入口側の方向転換ロール3を有する。入口側の方向転換ロール3は、入口側のテーブルロールの一部であり、そのうちの2本の別のガイドロール4が示されている。入口側の方向転換ロール3は、粗さの高められた胴中表面を有してよい。さらに、入口側の方向転換ロール3は、図示されていない耐摩耗性の胴中コーティングを有してよい。
【0049】
さらに、平坦度測定装置1は、熱間帯板2の下面の形態の第1の大きな面に接触する、出口側の方向転換ロール5を有する。出口側の方向転換ロール5は、出口側のテーブルロールの一部であって、そのうちの1本の別のガイドロール4が図示されている。出口側の方向転換ロール5は、粗さの高められた胴中表面を有してよい。さらに、出口側の方向転換ロール5は、図示されていない耐摩耗性の胴中コーティングを有してよい。
【0050】
さらに、平坦度測定装置1は、熱延帯板2の帯板走行方向6に関して、入口側の方向転換ロール3と出口側の方向転換ロール5との間に配置された、熱延帯板2の上面の形態の、熱延帯板2の第1の大きい面とは反対側の第2の大きい面に当接可能な、中央の方向転換ロール7を有する。中央の方向転換ロール7は、平坦度測定ロールとして用いられ、粗さの高められた胴中表面を有してよい。さらに、中央の方向転換ロール7は、図示されていない耐摩耗性の胴中コーティングを有してよい。
【0051】
さらに、平坦度測定装置1は、熱間帯板2の実際位置を検出する検出装置8を有する。検出装置8は、図示されていない少なくとも1つの光学センサ、例えばカメラを有してよい。
【0052】
さらに、平坦度測定装置1は、検出装置8と入口側の方向転換ロール3と中央の方向転換ロール7とに接続された調整装置9を有する。調整装置9は、熱間帯板2の所定の目標位置からの熱間帯板2の実際位置のずれに応じて、入口側の方向転換ロール3の長手中心軸線10と方向転換ロール3、5、7に対して横方向に延在する、平坦度測定装置1の長手軸線11との間の角度αを変化させるように、構成されている。説明するために、入口側の方向転換ロール3は、2つの旋回位置で、つまりその1つが実線で、またその1つが破線で示されていて、その際、入口側の方向転換ロール3の水平の旋回性が両矢12によって示唆されている。このために、入口側の方向転換ロール3は、入口側の方向転換ロール3に供給される熱間帯板2の帯板部分に対して垂直に、かつ図平面に対して垂直に延在する、図示されていない回転軸線を中心に変位可能に配置されていて、この場合、この回転軸線は、入口側の方向転換ロール3の長手軸線10に関して、入口側の方向転換ロール3の中心に対してずらして配置されている。調整装置9は、入口側の方向転換ロール3に接続された、図示されていない電気機械式の駆動装置又は入口側の方向転換ロール3に接続された液圧式の作動シリンダを有する。
【0053】
調整装置9は、入口側の方向転換ロール3の実際位置を求め、熱間帯板2の所定の目標位置からの熱間帯板2の実際位置のずれから、入口側の方向転換ロール3の目標位置を求め、入口側の方向転換ロール3の目標位置からの入口側の方向転換ロール3の実際位置のずれに応じて、入口側の方向転換ロール3の長手中心軸線10と平坦度測定装置1の長手軸線11との間の角度αを調整するための目標調整速度値を求めるように、構成されている。さらに、調整装置9は、熱間帯板2の側方移動の速度を求め、熱間帯板2の側方移動の速度に応じて目標調整速度値を求めるように、構成されている。
【0054】
調整装置9は、さらに、中央の方向転換ロール7を、平坦度測定装置1の長手軸線11に対して垂直にかつ図平面に対して垂直に配置された平面内で旋回させるように、構成されている。さらに、調整装置9は、角度値に応じて、平面内で、中央の方向転換ロール7の旋回を行い、この角度値の分だけ、入口側の方向転換ロール3の長手中心軸線10と平坦度測定装置1の長手軸線11との間の角度αが調整装置9によって変化可能であるように、構成されている。
【0055】
平坦度測定装置1は、図示されていない保持フレームを有してよく、保持フレームには、入口側の方向転換ロール3、出口側の方向転換ロール5及び/又は中央の方向転換ロール7が回転自在に軸支されていて、この場合、調整装置9は、保持フレームを介して、それぞれの方向転換ロール3、5若しくは7又は方向転換ロール3、5、7に接続されていて、保持フレームは、これに接続された方向転換ロール3、5又は7と共に変位可能である。
【0056】
図1Bは、図1Aに示された平坦度測定装置1の概略側面図を示す。中央の方向転換ロール7の鉛直の旋回性は、一つが実線で、また1つが破線で示されていて、この場合、中央の方向転換ロール7の鉛直の旋回性は、両矢13によって示唆されている。
【0057】
図2は、本発明に係る、熱間圧延設備内で熱間帯板の平坦度を測定する平坦度測定装置を運転する、本発明に係る方法の一実施例のフローチャートを示す。平坦度測定装置は、図1A及び図1Bに示された実施例に相応して構成されてよい。
【0058】
まず、熱間帯板の実際位置LIstが検出される。熱間帯板の実際位置LIstと所定の目標位置LSollとから、調整装置の減算要素D1によって、差が生成され、差は、平坦度測定装置の調整装置の中央制御器Mに供給される。中央制御器Mは、差に応じて、調整装置に接続された方向転換ロールの目標位置PSollを生成する。目標位置PSollは、熱間帯板の帯板走行の最適化をもたらす。さらに、調整装置に接続された方向転換ロールの実際位置PIstが検出される。方向転換ロールの実際位置PIstと方向転換ロールの目標位置PSollとから、調整装置の別の減算要素D2によって、別の差が生成され、差は、平坦度測定装置の調整装置の旋回制御器Sに供給される。旋回制御器Sは、差D2に応じて、調整装置に接続された方向転換ロールの長手中心軸線と平坦度測定装置の長手軸線との間の角度を調整するための調整速度値を生成する。減算要素D1によって生成された差は、さらに、調整装置の微分制御器Dに供給され、微分制御器Dは、熱間帯板の側方移動の速度を求め、この速度から、調整速度についての補助値を求める。旋回制御器Sによって生成された調整速度値と微分制御装置Dによって生成された補助値とが、調整装置の加算要素Aによって加算され、その結果として、調整装置のアクチュエータを制御するために用いることができる目標調整速度値VSollが生成される。
【0059】
したがって、方法によれば、調整装置に接続された方向転換ロールの長手中心軸線と方向転換ロールに対して横方向に延在する、平坦度測定装置の長手軸線との間の角度は、熱間帯板の所定の目標位置LSollからの熱間帯板の実際位置LIstのずれに応じて変化させられる。この場合、方法によれば、調整装置に接続された、位置が相応に変化可能である方向転換ロールの実際位置PIstが求められ、熱間帯板の所定の目標位置LSollからの熱間帯板の実際位置LIstのずれから、調整装置に接続された方向転換ロールの目標位置PSollが求められ、調整装置に接続された方向転換ロールの長手中心軸線と平坦度測定装置の長手軸線との間の角度を調整するための目標調整速度補助値が、この方向転換ロールの目標位置PSollからのこの方向転換ロールの実際位置PIstのずれに応じて求められる。さらに、方法によれば、熱間帯板の側方移動の速度が求められ、目標調整速度補助値が、熱間帯板の側方移動の速度に応じて求められる。
【0060】
調整装置に接続された方向転換ロールの調整によってもたらされる、平坦度測定装置への熱間帯板の締付の幾何学的形状の変化を補整するために、位置が相応に変化可能である方向転換ロール又は平坦度測定装置の別の方向転換ロールを、平坦度測定装置の長手軸線に対して垂直に配置された平面内で旋回させることができる。この平面内でのこの方向転換ロールの旋回は、角度値に応じて実行してよく、この角度値の分だけ、方向転換ロール(方向転換ロールの旋回は幾何学的形状の変化をもたらす)の長手中心軸線と平坦度測定装置の長手軸線との間の角度が変化可能である。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下を含む。
1.
熱間圧延設備内で熱間帯板(2)の平坦度を測定する平坦度測定装置(1)であって、 熱間帯板(2)の第1の大きな面に接触する少なくとも1本の入口側の方向転換ロール(3)と、
熱間帯板(2)の第1の大きな面に接触する少なくとも1本の出口側の方向転換ロール(5)と、
熱間帯板(2)の帯板走行方向(6)に関して入口側の方向転換ロール(3)と出口側の方向転換ロール(5)との間に配置された、熱間帯板(2)の第1の大きな面とは反対側の、熱間帯板(2)の第2の大きな面に当接可能な、平坦度測定ロールとして用いられる少なくとも1本の中央の方向転換ロール(7)と、
を備える、平坦度測定装置(1)において、
熱間帯板(2)の実際位置(L Ist )を検出する少なくとも1つの検出装置(8)と、検出装置(8)と方向転換ロール(3、5、7)のうちの少なくとも1本とに接続された調整装置(9)とが設けられていて、調整装置(9)は、熱間帯板(2)の所定の目標位置(L Soll )からの熱間帯板(2)の実際位置(L ist )のずれに応じて、それぞれ調整装置(9)に接続された方向転換ロール(3、5、7)の長手中央軸線(10)と、平坦度測定装置(1)の、方向転換ロール(3、5、7)に対して横方向に延在する長手軸線(11)との間の角度(α)を変化させるように、構成されていることを特徴とする、平坦度測定装置(1)。
2.
調整装置(9)は、それぞれ調整装置(9)に接続された方向転換ロール(3、5、7)の実際位置(P Ist )を求め、熱間帯板(2)の所定の目標位置(L Soll )からの熱間帯板(2)の実際位置(L Ist )のずれから方向転換ロール(3、5、7)の目標位置(P Soll )を求め、方向転換ロール(3、5、7)の目標位置(P Soll )からの方向転換ロール(3、5、7)の実際位置(P Ist )のずれに応じて、方向転換ロール(3、5、7)の長手中心軸線(10)と平坦度測定装置(1)の長手軸線(11)との間の角度(α)を調整するための目標調整速度値(V Soll )を求めるように、構成されていることを特徴とする、上記1の平坦度測定装置(1)。
3.
調整装置(9)は、熱間帯板(2)の側方移動の速度を求め、熱間帯板(2)の側方移動の速度に応じて目標調整速度値(V Soll )を求めるように、構成されていることを特徴とする、上記2の平坦度測定装置(1)。
4.
調整装置(9)は、それぞれ調整装置(9)に接続された方向転換ロール(3、5、7)及び/又は少なくとも1本の他の方向転換ロール(3、5、7)を、平坦度測定装置(1)の長手軸線(11)に対して垂直に配置された平面内で旋回させ、それぞれの方向転換ロール(3、5、7)の旋回を、前記平面内で、角度値に応じて実行し、前記角度値の分だけ、それぞれの方向転換ロール(3、5、7)の長手中心軸線(10)と平坦度測定装置(1)の長手軸線(11)との間の角度(α)が調整装置(9)によって変化可能であるように、構成されていてることを特徴とする、上記1から3のいずれか一つの平坦度測定装置(1)。
5.
調整装置(9)にそれぞれ接続された方向転換ロール(3、5、7)は、熱間帯板(2)の、方向転換ロール(3、5、7)に供給可能な帯板部分に対して垂直に延在する回転軸線を中心に変位可能に配置されていて、前記回転軸線は、方向転換ロール(3、5、7)の中心を通って又は方向転換ロール(3、5、7)の長手軸線(10)に関して方向転換ロール(3、5、7)の中心に対してずらして配置されていることを特徴とする、上記1から4のいずれか一つの平坦度測定装置(1)。
6.
調整装置(9)は、調整装置(9)にそれぞれ接続された方向転換ロール(3、5、7)に接続された少なくとも1つの電気機械式の駆動装置、又は方向転換ロール(3、5、7)に接続された少なくとも1つの液圧式の調整シリンダを有することを特徴とする、上記1から5のいずれか一つの平坦度測定装置(1)。
7.
少なくとも1つの保持フレームが設けられていて、保持フレームに、入口側の方向転換ロール(3)、出口側の方向転換ロール(5)及び/又は中央の方向転換ロール(7)が回転自在に軸支されていて、調整装置(9)は、保持フレームを介して、それぞれの方向転換ロール(3、5、7)に接続されていて、保持フレームは、保持フレームにそれぞれ接続された方向転換ロール(3、5、7)と共に変位可能であることを特徴とする、上記1から6のいずれか一つの平坦度測定装置(1)。
8.
少なくとも1本の方向転換ロール(3、5、7)が、粗さの高められた胴中表面を有することを特徴とする、上記1から7のいずれか一つの平坦度測定装置(1)。
9.
少なくとも1本の方向転換ロール(3、5、7)が、耐摩耗性の胴中コーティングを有することを特徴とする、上記1から8のいずれか一つの平坦度測定装置(1)。
10.
検出装置(8)は、熱間帯板(2)の入口側の実際位置(L Ist )又は熱間帯板(2)の出口側の実際位置(L Ist )を検出するように、配置及び構成されていることを特徴とする、上記1から9のいずれか一つの平坦度測定装置(1)。
11.
少なくとも1つの平坦度測定装置(1)を備える熱間圧延設備において、平坦度測定装置(1)が、上記1から10のいずれか一つのように構成されていることを特徴とする、熱間圧延設備。
12.
熱間圧延設備内で熱間帯板(2)の平坦度を測定する平坦度測定装置(1)を運転する方法であって、
平坦度測定装置(1)は、熱間帯板(2)の第1の大きな面に接触する少なくとも1本の入口側の方向転換ロール(3)と、熱間帯板(2)の第1の大きな面に接触する少なくとも1本の出口側の方向転換ロール(5)と、熱間帯板(2)の帯板走行方向(6)に関して入口側の方向転換ロール(3)と出口側の方向転換ロール(5)との間に配置された、熱間帯板(2)の第1の大きな面とは反対側の、熱間帯板(2)の第2の大きな面に当接可能な、平坦度測定ロールとして用いられる少なくとも1本の中央の方向転換ロール(7)と、を有する、方法において、
熱間帯板(2)の実際位置(L Ist )を検出し、熱間帯板(2)の所定の目標位置(L Soll )からの熱間帯板(2)の実際位置(L Ist )のずれに応じて、少なくとも1本の方向転換ロール(3、5、7)の長手中心軸線(10)と、平坦度測定装置(1)の、方向転換ロール(3、5、7)に対して横方向に延在する長手軸線(11)との間の角度(α)を変化させることを特徴とする、方法。
13.
位置が相応に変化可能である方向転換ロール(3、5、7)の実際位置(P Ist )を求め、熱間帯板(2)の所定の目標位置(L Soll )からの熱間帯板(2)の実際位置(L Ist )のずれから方向転換ロール(3、5、7)の目標位置(P Soll )を求め、方向転換ロール(3、5、7)の目標位置(P Soll )からの方向転換ロール(3、5、7)の実際位置(P Ist )のずれに応じて、方向転換ロール(3、5、7)の長手中心軸線(10)と平坦度測定装置(1)の長手軸線(11)との間の角度(α)を調整するための目標調整速度値(V Soll )を求めることを特徴とする、上記12の方法。
14.
熱間帯板(2)の側方移動の速度を求め、熱間帯板(2)の側方移動の速度に応じて目標調整速度値(V Soll )を求めることを特徴とする、上記13の方法。
15.
位置が相応に変化可能である方向転換ロール(3、5、7)及び/又は少なくとも1本の他の方向転換ロール(3、5、7)を、平坦度測定装置(1)の長手軸線(11)に対して垂直に配置された平面内で旋回させ、それぞれの方向転換ロール(3、5、7)の旋回を、前記平面内で、角度値に応じて実行し、前記角度値の分だけ、それぞれの方向転換ロール(3、5、7)の長手中心軸線(10)と平坦度測定装置(1)の長手軸線(11)との間の角度(α)が変化可能であることを特徴とする、上記12から14のいずれか一つの方法。
【符号の説明】
【0061】
1 平坦度測定装置
2 熱間帯板
3 入口側の方向転換ロール
4 ガイドロール
5 出口側の方向転換ロール
6 帯板走行方向
7 中央の方向転換ロール
8 検出装置
9 調整装置
10 3の長手中心軸線
11 1の長手軸線
12 両矢(3の旋回性)
13 両矢(7の旋回性)
A 加算要素
D 微分制御器
D1 減算要素
D2 減算要素
Ist 2の実際位置
Soll 2の目標位置
M 中央制御器
Ist 3、5、7の実際位置
Soll 3、5、7の目標位置
S 旋回制御器
Soll 目標調整速度値
α 10と11との間の角度
図1A
図1B
図2