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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】X線診断装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/40 20240101AFI20240827BHJP
   A61B 6/46 20240101ALI20240827BHJP
【FI】
A61B6/40 500G
A61B6/46 506B
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019174031
(22)【出願日】2019-09-25
(65)【公開番号】P2020049219
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-07-22
(31)【優先権主張番号】P 2018178341
(32)【優先日】2018-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】大橋 俊平
【審査官】永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-128585(JP,A)
【文献】特開2014-144053(JP,A)
【文献】特開2003-225235(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0156154(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を発生させるX線管と、
前記X線管から発せられるX線を検出するX線検出器と、
前記X線検出器の検出結果に基づくX線画像データを順次生成する第1の生成部と、
前記第1の生成部により生成されるX線画像データを記憶する記憶部と、
可動のX線遮蔽部材を有し、前記X線管から発せられるX線が照射される範囲を制限するX線絞り装置と、
前記X線遮蔽部材を移動させる操作を受け付ける入力部と、
前記入力部が受け付けた操作に基づいて前記X線絞り装置により移動される前記X線遮蔽部材の移動中であり、かつ、前記X線遮蔽部材の開度が最も大きい状態から開度が変化する場合において、前記第1の生成部により生成される各X線画像データにおけるX線の照射領域を特定する特定部と、
前記照射領域を用いて、前記X線遮蔽部材の移動中であり、かつ、前記X線遮蔽部材の開度が最も大きい状態から開度が変化する場合において前記第1の生成部により生成された第1のX線画像データと、前記記憶部に記憶され、かつ、前記X線遮蔽部材が移動される前に前記第1の生成部により生成された第2のX線画像データとを合成した第1の合成画像データを、前記X線遮蔽部材の移動中であり、かつ、前記X線遮蔽部材の開度が最も大きい状態から開度が変化する場合に順次生成する第2の生成部と、
前記X線遮蔽部材の移動中であり、かつ、前記X線遮蔽部材の開度が最も大きい状態から開度が変化する場合において前記第1の合成画像データが示す合成画像を表示部に順次表示させる表示制御部と、
を備える、X線診断装置。
【請求項2】
前記特定部は、前記X線遮蔽部材の移動中の位置を示す位置情報と前記X線遮蔽部材の移動中のCアーム情報とに基づいて、前記照射領域を特定する、請求項1に記載のX線診断装置。
【請求項3】
前記X線絞り装置は、前記X線遮蔽部材を複数備え、
前記入力部は、前記複数のX線遮蔽部材のうちの少なくとも1つを移動させる操作を受け付ける、請求項1又は2に記載のX線診断装置。
【請求項4】
前記X線絞り装置は、前記X線遮蔽部材を4つ備え、
前記入力部は、前記4つのX線遮蔽部材のうちの対向する一対を移動させる操作を受け付ける、請求項1又は2に記載のX線診断装置。
【請求項5】
前記第2の生成部は、前記第1の生成部により前記第1のX線画像データが生成された際の撮像に関する幾何学的条件と同一の幾何学的条件において、前記第1の生成部により生成された複数の前記X線画像データのうち、前記X線遮蔽部材の開度が最も大きい第2のX線画像データと、前記第1のX線画像データとを合成した前記第1の合成画像データを生成する、請求項1~4の何れか1つに記載のX線診断装置。
【請求項6】
前記第2の生成部は、前記複数のX線画像データの中に、前記X線遮蔽部材の開度が最も大きい開度に対応する第2のX線画像データが複数存在する場合には、前記最も大きい開度に対応する複数の第2のX線画像データのうち、最新の第2のX線画像データと、前記第1のX線画像データとを合成した前記第1の合成画像データを生成する、請求項5に記載のX線診断装置。
【請求項7】
前記X線遮蔽部材は、撮像に関する幾何学的条件が変化した場合に、当該幾何学的条件が変化した際の第1の開度に対応する位置から前記第1の開度よりも大きい第2の開度に対応する位置に移動された後に、当該第2の開度に対応する位置から前記第1の開度に対応する位置に戻るように移動され、
前記第2の生成部は、前記第1の開度に対応する第1のX線画像データと、前記第2の開度に対応する第2のX線画像データとを合成した前記第1の合成画像データを生成する、請求項1~6の何れか1つに記載のX線診断装置。
【請求項8】
前記X線遮蔽部材は、FOV(Field Of View)が変化した場合に、当該FOVに対応する第1の開度よりも大きい第2の開度に対応する位置に移動された後に、当該第2の開度に対応する位置から前記第1の開度に対応する位置に戻るように移動され、
前記第2の生成部は、前記第1の開度に対応する第1のX線画像データと、前記第2の開度に対応する第2のX線画像データとを合成した前記第1の合成画像データを生成する、請求項1~6の何れか1つに記載のX線診断装置。
【請求項9】
前記第2の生成部は、前記第1の合成画像データを順次生成する処理を複数回実行し、前記複数回実行される処理のうち、少なくとも、第1の処理と、当該第1の処理の次に実行される第2の処理との間において、当該第1の処理において最後に生成された第1の合成画像データを生成する際に用いられた第1のX線画像データに対応する前記X線遮蔽部材の開度が、前記第1の処理において第1の合成画像データを生成する際に用いられた第2のX線画像データに対応する前記X線遮蔽部材の開度以上である場合には、前記第1の処理において最後に生成された第1の合成画像データを生成する際に用いられた第1のX線画像データを前記第2の処理において第2の画像データとして用いて第1の合成画像データを生成する、請求項1~8の何れか1つに記載のX線診断装置。
【請求項10】
前記複数回実行される処理のうち、少なくとも、前記第1の処理と前記第2の処理との間において、当該第1の処理において最後に生成された第1の合成画像データを生成する際に用いられた第1のX線画像データに対応する前記X線遮蔽部材の開度が、前記第1の処理において第1の合成画像データを生成する際に用いられた第2のX線画像データに対応する前記X線遮蔽部材の開度以上である場合には、前記第1の処理において第1の合成画像データを生成する際に用いられた第2のX線画像データを前記記憶部から削除する管理部を更に有する、請求項9に記載のX線診断装置。
【請求項11】
前記第2の生成部は、前記第1の合成画像データと第3のX線画像データとを合成した第2の合成画像データを順次生成する、請求項1~10の何れか1つに記載のX線診断装置。
【請求項12】
前記第1の合成画像データには、背景及びデバイスが描出され、
前記第3のX線画像データには、前記背景及び前記デバイスのうち前記背景が描出され、
前記第2の生成部は、前記第1の合成画像データと前記第3のX線画像データとの差分を示す差分画像データを前記第2の合成画像データとして順次生成する、請求項11に記載のX線診断装置。
【請求項13】
前記第2の生成部は、前記X線遮蔽部材の移動中であり、かつ、前記X線遮蔽部材の開度が最も大きい状態から開度が変化する場合において前記第1の生成部により生成された第1のX線画像データ及び前記記憶部に記憶された第3のX線画像データを合成した第3の合成画像データと、前記X線遮蔽部材が移動される前に前記第1の生成部により生成された第1のX線画像データ及び前記第3のX線画像データを合成した第4の合成画像データとを合成した第5の合成画像データを順次生成する、請求項1~12の何れか1つに記載のX線診断装置。
【請求項14】
前記第1のX線画像データには、背景及びデバイスが描出され、
前記第3のX線画像データには、前記背景及び前記デバイスのうち前記背景が描出され、
前記第2の生成部は、
前記X線遮蔽部材の移動中であり、かつ、前記X線遮蔽部材の開度が最も大きい状態から開度が変化する場合において前記第1の生成部により生成された第1のX線画像データと前記第3のX線画像データとの差分を示す差分画像データを前記第3の合成画像データとして順次生成し、
前記X線遮蔽部材が移動される前に前記第1の生成部により生成された第1のX線画像データと前記第3のX線画像データとの差分を示す差分画像データを前記第4の合成画像データとして生成し、
前記第3の合成画像データと前記第4の合成画像データとを合成した前記第5の合成画像データを順次生成する、請求項13に記載のX線診断装置。
【請求項15】
X線を発生させるX線管と、
前記X線管から発せられるX線を検出するX線検出器と、
前記X線検出器の検出結果に基づくX線画像データを順次生成する第1の生成部と、
前記第1の生成部により生成されるX線画像データを記憶する記憶部と、
複数の可動のX線遮蔽部材を有し、前記X線管から発せられるX線が照射される範囲を制限するX線絞り装置と、
前記複数のX線遮蔽部材のうちの少なくとも1つを移動させる操作を受け付ける入力部と、
前記入力部が受け付けた操作に基づいて個別に移動する前記X線遮蔽部材により画定される関心領域に関する第1のX線画像データであって前記X線遮蔽部材の移動中であり、かつ、前記X線遮蔽部材の開度が最も大きい状態から開度が変化する場合において生成された第1のX線画像データと、前記X線遮蔽部材の当該移動より前に前記第1の生成部により生成された第2のX線画像データとを合成した第1の合成画像データを生成する第2の生成部と、
前記第1の合成画像データが示す合成画像を表示部に表示させる表示制御部と、
を備える、X線診断装置。
【請求項16】
コンピュータに、
X線管から発せられるX線を検出するX線検出器の検出結果に基づくX線画像データを順次生成し、
生成されるX線画像データを記憶部に記憶させ、
入力部が受け付けた、前記X線管から発せられるX線が照射される範囲を制限するX線絞り装置が有する可動のX線遮蔽部材を移動させる操作に基づいて、前記X線絞り装置により移動される前記X線遮蔽部材の移動中であり、かつ、前記X線遮蔽部材の開度が最も大きい状態から開度が変化する場合において生成される各X線画像データにおけるX線の照射領域を特定し、
前記照射領域を用いて、前記X線遮蔽部材の移動中であり、かつ、前記X線遮蔽部材の開度が最も大きい状態から開度が変化する場合において生成された第1のX線画像データと、前記記憶部に記憶され、かつ、前記X線遮蔽部材が移動される前に生成された第2のX線画像データとを合成した第1の合成画像データを、前記X線遮蔽部材の移動中であり、かつ、前記X線遮蔽部材の開度が最も大きい状態から開度が変化する場合に順次生成し、
前記X線遮蔽部材の移動中であり、かつ、前記X線遮蔽部材の開度が最も大きい状態から開度が変化する場合において前記第1の合成画像データが示す合成画像を表示部に順次表示させる
各処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、X線診断装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
アブレーション手技等の各種の手技の実施時における、被検体及び術者の被曝低減のための技術がある。例えば、被曝低減のための技術の1つとして、部分透視という技術がある。部分透視は、例えば、関心領域(Region Of Interest(ROI))の内側にリアルタイム像を表示し、外側に背景像(過去画像)を表示する透視である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-90912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、部分透視を行う際の操作性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のX線診断装置は、X線管と、X線検出器と、第1の生成部と、記憶部と、X線絞り装置と、入力部と、特定部と、第2の生成部と、表示制御部とを備える。X線管は、X線を発生させる。X線検出器は、X線管から発せられるX線を検出する。第1の生成部は、X線検出器の検出結果に基づくX線画像データを順次生成する。記憶部は、第1の生成部により生成されるX線画像データを記憶する。X線絞り装置は、可動のX線遮蔽部材を有し、X線管から発せられるX線が照射される範囲を制限する。入力部は、X線遮蔽部材を移動させる操作を受け付ける。特定部は、入力部が受け付けた操作に基づいてX線絞り装置により移動されるX線遮蔽部材の移動中において、第1の生成部により生成される各X線画像データにおけるX線の照射領域を特定する。第2の生成部は、照射領域を用いて、X線遮蔽部材の移動中において第1の生成部により生成された第1のX線画像データと、記憶部に記憶され、かつ、X線遮蔽部材が移動される前に第1の生成部により生成された第2のX線画像データとを合成した第1の合成画像データを、X線遮蔽部材の移動中に順次生成する。表示制御部は、第1の合成画像データが示す合成画像を表示部に順次表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1の実施形態に係るX線診断装置の構成の一例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る画像処理機能の構成の一例を示す図である。
図3図3は、第1の実施形態に係るX線診断装置が実行する処理の一例を説明するための図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る全面透視における模式的な透視画像の一例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係るX線診断装置が実行する処理の一例を説明するための図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る合成画像データの生成方法の一例を説明するための図である。
図7A図7Aは、第1の実施形態に係る部分透視における模式的な部分透視画像の一例を示す図である。
図7B図7Bは、第1の実施形態に係る部分透視における模式的な部分透視画像の一例を示す図である。
図8図8は、第1の実施形態に係るX線診断装置が実行する処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。
図9図9は、第1の実施形態の第1の変形例に係るX線診断装置が実行する処理の一例を説明するための図である。
図10図10は、第2の実施形態に係るX線診断装置が有する画像処理機能の構成の一例を示す図である。
図11図11は、第2の実施形態に係るX線診断装置が実行する処理の一例を説明するための図である。
図12図12は、第2の実施形態に係る差分画像データの生成方法の一例を説明するための図である。
図13図13は、第3の実施形態に係るX線診断装置が有する画像処理機能の構成の一例を示す図である。
図14図14は、第3の実施形態に係るX線診断装置が実行する処理の一例を説明するための図である。
図15図15は、各実施形態及び各変形例で用いられるX線絞り装置の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、X線診断装置及び画像処理方法の実施形態を詳細に説明する。なお、本願に係るX線診断装置及び画像処理方法は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。
【0008】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係るX線診断装置の全体構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係るX線診断装置100の構成の一例を示す図である。図1に示すように、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、X線高電圧装置11と、X線管12と、X線絞り装置13と、天板14と、Cアーム15と、X線検出器16と、Cアーム回転・移動機構17と、天板移動機構18と、Cアーム・天板機構制御回路19と、絞り制御回路20と、処理回路21と、入力インターフェース22と、ディスプレイ23と、記憶回路24とを有する。
【0009】
図1に示すX線診断装置100においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路24に記憶されている。Cアーム・天板機構制御回路19、絞り制御回路20、及び、処理回路21は、記憶回路24から各プログラムを読み出し、読み出したプログラムを実行することで各プログラムに対応する各機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の各回路は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。
【0010】
X線高電圧装置11は、処理回路21による制御の下、高電圧を発生し、発生した高電圧をX線管12に供給する高電圧電源である。X線管12は、X線高電圧装置11から供給される高電圧を用いて、X線を発生する。
【0011】
X線絞り装置13は、絞り制御回路20による制御の下、X線管12が発生したX線を、被検体Pの関心領域に対して選択的に照射されるように絞り込む。例えば、X線絞り装置13は、スライド(移動)可能な4枚(複数)の絞り羽根を有する。絞り羽根は、X線の照射範囲を制限することが可能な金属等の部材により形成されている。絞り羽根は、X線遮蔽部材の一例である。
【0012】
X線絞り装置13は、絞り制御回路20による制御の下、これらの絞り羽根を移動させることで、4枚の絞り羽根により形成される開口部の形状、サイズ、位置を任意に変化させる。このように、X線絞り装置13によって開口部の形状、サイズ及び位置が調整されることで、X線検出器16の検出面へのX線照射領域の形状、サイズ及び位置が調整される。すなわち、X線管12が発生したX線が、X線絞り装置13の開口部によって絞り込まれ、被検体Pに照射される。なお、X線絞り装置13の各絞り羽根は、例えば、ユーザによって指定された位置(指定位置)に移動される。なお、各絞り羽根は、ユーザによって指定された移動方向に、ユーザによって指定された移動量だけ移動されてもよい。また、各絞り羽根は、例えば、ユーザによって指定された開口部の形状、サイズ及び位置に、X線絞り装置13の開口部の形状、サイズ及び位置がなるように移動されてもよい。また、X線絞り装置13は、線質を調整するための付加フィルタを備えることができる。付加フィルタは、例えば、検査に応じて設定される。
【0013】
天板14は、被検体Pを載せるベッドであり、図示しない寝台装置の上に配置される。なお、被検体Pは、X線診断装置100に含まれない。
【0014】
X線検出器16は、X線管12から発せられ、被検体Pを透過したX線を検出する。例えば、X線検出器16は、マトリックス状に配列された検出素子を有する。各検出素子は、被検体Pを透過したX線を電気信号に変換して蓄積し、蓄積した電気信号を処理回路21に送信する。例えば、X線検出器16は、検出面を有するFPD(Flat Panel Detector:平面型検出器)により実現される。
【0015】
Cアーム15は、X線管12、X線絞り装置13及びX線検出器16を保持する。X線管12及びX線絞り装置13と、X線検出器16とは、Cアーム15により被検体Pを挟んで対向するように配置される。なお、図1では、X線診断装置100がシングルプレーンの場合を例に挙げて説明しているが、実施形態はこれに限定されるものではなく、バイプレーンの場合であってもよい。Cアーム15は、支持器に設けられたモータなどのアクチュエータにより、複数の軸で個別に回転する。
【0016】
Cアーム回転・移動機構17は、Cアーム・天板機構制御回路19による制御の下、支持器に設けられたモータなどを駆動することによって、Cアーム15を回転及び移動させるための機構である。Cアーム回転・移動機構17は、X線管12とX線検出器16との距離であるSID(Source Image receptor Distance)を変更することも可能である。天板移動機構18は、Cアーム・天板機構制御回路19による制御の下、天板14を移動させるための機構である。例えば、天板移動機構18は、アクチュエータが発生させた動力を用いて、天板14を移動させる。
【0017】
Cアーム・天板機構制御回路19は、処理回路21による制御の下、Cアーム回転・移動機構17及び天板移動機構18を制御することで、Cアーム15の回転や移動、天板14の移動を調整する。絞り制御回路20は、処理回路21による制御の下、X線絞り装置13が有する絞り羽根の開度を調整することで開口部の形状、サイズ、位置を変化させ、被検体Pに対して照射されるX線の照射範囲を制御する。
【0018】
入力インターフェース22は、ジョイスティック、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、音声入力回路、及び、透視におけるX線の照射を行うためのフットスイッチ(透視用のフットスイッチ)等によって実現される。
【0019】
入力インターフェース22は、処理回路21に接続されており、ユーザから受け付けた入力操作を電気信号に変換し、電気信号を処理回路21へと出力する。なお、入力インターフェース22は、ジョイスティック、マウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、X線診断装置100とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路21へ出力する処理回路も入力インターフェースの例に含まれる。入力インターフェース22は、入力部の一例である。
【0020】
ディスプレイ23は、ユーザの指示を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)や、処理回路21によって生成された種々の画像データが示す画像を表示する。また、ディスプレイ23は、処理回路21による種々の処理結果や解析結果を表示する。ディスプレイ23は、表示部の一例である。
【0021】
記憶回路24は、処理回路21によって生成された各種の画像データを受け付け、受け付けた画像データを記憶する。
【0022】
また、記憶回路24は、図1に示す各回路によって読み出されて実行される各種機能に対応するプログラムを記憶する。一例を挙げると、記憶回路24は、処理回路21によって読み出されて実行される収集機能211に対応するプログラム、画像処理機能212に対応するプログラム、及び、制御機能213に対応するプログラムを記憶する。なお、図1においては単一の記憶回路24が各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明したが、複数の記憶回路が分散して配置され、処理回路21などの各種回路が個別の記憶回路から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。なお、記憶回路24は、記憶部の一例である。
【0023】
処理回路21は、収集機能211、画像処理機能212及び制御機能213を実行することで、X線診断装置100全体の動作を制御する。具体的には、処理回路21は、収集機能211に対応するプログラムを記憶回路24から読み出して実行することにより、X線画像データ収集に関する種々の処理を実行する。例えば、収集機能211は、X線検出器16によってX線から変換された電気信号を用いてX線画像データを生成し、生成したX線画像データを記憶回路24に格納する。一例を挙げると、収集機能211は、X線検出器16から受信した電気信号に対して、電流・電圧変換やA/D(Analog to Digital)変換、パラレル・シリアル変換を行い、電気信号に基づく投影データを生成する。そして、収集機能211は、生成した投影データを記憶回路24に格納する。なお、収集機能211は、回転撮影によって収集した投影データを用いて再構成データ(ボリュームデータ)を再構成し、再構成したボリュームデータを記憶回路24に格納することもできる。
【0024】
また、処理回路21は、画像処理機能212に対応するプログラムを記憶回路24から読み出して実行することにより、画像処理に関する種々の処理を実行する。例えば、画像処理機能212は、投影データに対する画像処理や、解析処理などを制御する。一例を挙げると、画像処理機能212は、記憶回路24が記憶する投影データに対して各種画像処理を行うことでX線画像データを生成する。なお、画像処理機能212は、収集機能211から直接投影データを取得し、取得した投影データに対して各種画像処理を行うことでX線画像データを生成してもよい。
【0025】
なお、画像処理機能212は、画像処理後のX線画像データを、記憶回路24に格納する。例えば、画像処理機能212は、移動平均(平滑化)フィルタ、ガウシアンフィルタ、メディアンフィルタ、リカーシブフィルタ、バンドパスフィルタなどの画像処理フィルタによる各種処理を実行することが可能である。さらに、画像処理機能212は、ボリュームデータから3次元画像を生成することも可能である。
【0026】
また、処理回路21は、X線診断装置100全体を制御するための制御機能213に対応するプログラムを記憶回路24から読み出して実行することにより、全体制御に関する種々の処理を実行する。例えば、制御機能213は、入力インターフェース22から転送されたユーザの指示に従ってX線高電圧装置11を制御し、X線管12に供給する電圧を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線量やON/OFFを制御する。また、例えば、制御機能213は、ユーザの指示に従ってCアーム・天板機構制御回路19を制御し、Cアーム15の回転や移動、天板14の移動を調整する。
【0027】
また、例えば、制御機能213は、入力インターフェースにより受け付けられたユーザの指示に従って絞り制御回路20を制御し、X線絞り装置13が有する絞り羽根の開度を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線の照射範囲を制御する。また、制御機能213は、ユーザの指示を受け付けるためのGUIや記憶回路24が記憶する画像データが示す画像、及び、処理回路21による処理結果などを表示するようにディスプレイ23を制御する。制御機能213は、制御部及び表示制御部の一例である。
【0028】
図2は、第1の実施形態に係る画像処理機能212の構成の一例を示す図である。図2に示すように、画像処理機能212は、画像生成機能214と、背景像管理機能215と、合成機能216とを備える。画像生成機能214は、第1の生成部の一例である。背景像管理機能215は、管理部の一例である。合成機能216は、特定部の一例であり、第2の生成部の一例である。画像生成機能214、背景像管理機能215及び合成機能216が実行する処理については、後に詳述する。
【0029】
以上、X線診断装置100の全体構成について説明した。ここで、例えば、部分透視を実行する際に、ユーザが関心領域を設定することが考えられる。この場合、ユーザが、事前に関心領域を設定しなければならず、操作が煩雑となる。そこで、本実施形態に係るX線診断装置100は、部分透視を行う際の操作性を向上させることができるように、以下に説明する各種の処理を実行する。例えば、X線診断装置100は、ユーザに関心領域を設定させることなく部分透視を実行することで、部分透視を行う際の操作性を向上させる。
【0030】
X線診断装置100が、通常の透視(全面透視)を実行している最中に、ユーザが、部分透視を実行させる場合について説明する。図3は、第1の実施形態に係るX線診断装置100が実行する処理の一例を説明するための図である。図3の例は、X線診断装置100が全面透視を実行する場合の処理の一例を示す。
【0031】
インターベンション治療の手技中に、透視用のフットスイッチがユーザにより押されると、収集機能211は、透視用の撮像条件で被検体Pが撮像されることにより得られる投影データを収集し、図3に示すように、収集した投影データを画像生成機能214に送信する。このとき、X線絞り装置13の開口部が全開となっており、開口部の開度が最大となっている。すなわち、収集機能211は、X線絞り装置13の開口部が全開となっている状態での撮像により得られた収集データを収集する。なお、透視用のフットスイッチが押されている間は、収集機能211は、投影データを1フレーム毎に順次画像処理機能212に送信し、透視用のフットスイッチが押されていない間は、収集機能211は、投影データの収集を停止しているため、投影データを画像処理機能212に送信しない。すなわち、透視用のフットスイッチが押されている間のみ、全面透視及び一部透視が行われる。
【0032】
画像生成機能214は、1フレームの投影データを受信する度に、受信した投影データに対して各種画像処理を行うことで1フレームのX線画像データ(リアルタイム像データ、透視画像データ)を生成する。そして、画像処理機能212は、1フレームのX線画像データを生成する度に、生成した1フレームのX線画像データを制御機能213及び背景像管理機能215に送信する。
【0033】
制御機能213は、1フレームのX線画像データを受信する度に、受信したX線画像データが示すX線画像(透視画像)をディスプレイ23に表示させる。すなわち、制御機能213は、X線画像をディスプレイ23に順次表示させる。これにより、ディスプレイ23は、全面透視における透視画像を順次表示する。すなわち、ディスプレイ23は、全面透視における透視画像をリアルタイムで表示する。図4は、第1の実施形態に係る全面透視における模式的な透視画像の一例を示す図である。例えば、ディスプレイ23は、全面透視における図4に示す透視画像25を順次表示する。透視画像25には、被検体Pの部位25a,25b、及び、インターベンション治療に用いられるカテーテル等の医療デバイス25cが描出されている。
【0034】
また、Cアーム・天板機構制御回路19は、Cアーム15の臨床角及びSIDを含む情報(Cアーム情報)を背景像管理機能215に送信する。例えば、Cアーム・天板機構制御回路19は、画像生成機能214が背景像管理機能215にX線画像データを送信するタイミングに対して同期をとって、最新のCアーム情報を送信する。これにより、背景像管理機能215は、X線画像データと、X線画像データが生成されたタイミングにおけるCアーム情報とを略同一のタイミングで受信するので、X線画像データと、このX線画像データに対応するCアーム情報とを対応付けることができる。なお、Cアーム・天板機構制御回路19は、画像生成機能214が背景像管理機能215にX線画像データを送信するタイミングに対して非同期で、最新のCアーム情報を送信してもよい。この場合には、背景像管理機能215は、受信した最新のCアーム情報と、最新のCアーム情報を受信した時点で既に受信済みの最新のX線画像データとを対応付ける。これにより、X線画像データと、このX線画像データに対応するCアーム情報とが対応付けられる。
【0035】
また、絞り制御回路20は、X線絞り装置13の4枚の絞り羽根の位置を示す位置情報をX線絞り装置13から取得し、取得した位置情報を背景像管理機能215に送信する。例えば、絞り制御回路20は、画像生成機能214が背景像管理機能215にX線画像データを送信するタイミングに対して同期をとって、最新の位置情報を送信する。これにより、背景像管理機能215は、X線画像データと、X線画像データが生成されたタイミングにおける位置情報とを略同一のタイミングで受信するので、X線画像データと、このX線画像データに対応する位置情報とを対応付けることができる。なお、絞り制御回路20は、画像生成機能214が背景像管理機能215にX線画像データを送信するタイミングに対して非同期で、最新の位置情報を送信してもよい。この場合には、背景像管理機能215は、受信した最新の位置情報と、最新の位置情報を受信した時点で既に受信済みの最新のX線画像データとを対応付ける。これにより、X線画像データと、このX線画像データに対応する位置情報とが対応付けられる。
【0036】
そして、背景像管理機能215は、X線画像データとCアーム情報と位置情報とを対応付けて記憶回路24に格納する。
【0037】
ここで、全面透視における透視画像25を確認したユーザが、範囲を絞って確認したいために、全面透視から部分透視に切り替える場合について説明する。この場合、本実施形態に係るX線診断装置100は、以下に説明するように、ユーザに関心領域を設定させることなく、ユーザにX線絞り装置13の開口部を絞らせるだけで、全面透視から部分透視に切り替える。
【0038】
全面透視から部分透視に切り替える場合、ユーザは、入力インターフェース22を操作して、X線絞り装置13の開口部を絞り込むために、各絞り羽根の位置を指定する指示を入力する。絞り制御回路20は、入力された指示に基づいて、ユーザにより指定された位置に、各絞り羽根を移動させる。なお、ユーザは、X線絞り装置13の開口部を絞り込むために、4枚の絞り羽根のうちの少なくとも1つの絞り羽根の位置を指定する指示を入力すればよい。この場合、絞り制御回路20は、入力された指示に基づいて、ユーザにより指定された位置に、移動対象の絞り羽根を移動させる。
【0039】
なお、ユーザは、入力インターフェース22を操作して、X線絞り装置13の開口部を絞り込むために、4つの絞り羽根のうちの対向する一対を移動させる指示を入力してもよい。
【0040】
また、ユーザは、入力インターフェース22を操作して、X線絞り装置13の開口部を絞り込むために、4枚の絞り羽根のうちの少なくとも1つの絞り羽根の移動方向及び移動量を指定する指示を入力してもよい。この場合、絞り制御回路20は、入力された指示に基づいて、ユーザにより指定された移動方向に、ユーザにより指定された移動量分だけ、移動対象の絞り羽根を移動させる。例えば、ユーザは、X線絞り装置の4枚の絞り羽に対応する、入力インターフェース22に設けられた4つの操作部(例えばジョイスティック)を操作することにより絞り羽根の移動方向及び移動量を指定する。この場合、操作部に対する操作方向が、対応する絞り羽根の移動方向に対応する。また、操作部に対する操作の継続時間が、対応する絞り羽根の移動量に対応する。また、ユーザは、入力インターフェース22を操作して、X線絞り装置13の開口部を絞り込むために、開口部の形状、サイズ及び位置を指定する指示を入力してもよい。この場合、絞り制御回路20は、入力された指示に基づいて、開口部の形状、サイズ及び位置が、ユーザにより指定された形状、サイズ及び位置となるようにX線絞り装置13の4枚の絞り羽根のうち少なくとも1つの絞り羽根を移動させる。
【0041】
ここで、背景像管理機能215は、絞り制御回路20から順次送信される位置情報が示す4枚の絞り羽根の位置を常時監視している。例えば、背景像管理機能215は、位置情報が示す4枚の絞り羽根の位置と、その位置情報よりも1つ前に受信した位置情報が示す4枚の絞り羽根の位置とを比較し、絞り羽根の位置が変化したか否かを、位置情報を受信する度に判定する。例えば、背景像管理機能215は、X線絞り装置13の開口部が絞られたか否かを判定する。
【0042】
背景像管理機能215により、絞り羽根の位置が変化していないと判定された場合には、それまでの透視が引き続き行われる。一方、絞り羽根の位置が変化したと判定した場合(例えば、開口部が絞られたと判定した場合)には、背景像管理機能215は、記憶回路24の記憶内容を参照し、部分透視における背景像を示す背景像データとして用いられるX線画像データを取得する。
【0043】
具体例を挙げて説明すると、背景像管理機能215は、記憶回路24の記憶内容を参照し、最新のCアーム情報(絞り羽根の位置に変化があると判定した際のCアーム情報)と一致するCアーム情報に対応付けられた複数のX線画像データ及び位置情報を特定する。なお、Cアーム情報が示す臨床角及びSIDは、撮像に関する幾何学的条件である。ここで、背景像管理機能215は、特定した全ての位置情報について、位置情報から、X線絞り装置13の開口部の開度を算出する。そして、背景像管理機能215は、特定した複数のX線画像データのうち、X線絞り装置13の開口部の開度が最も大きい位置情報に対応付けられたX線画像データを、背景像データとして取得する。すなわち、背景像管理機能215は、画像生成機能214によりX線画像データが生成された際の際の臨床角及びSIDと同一の臨床角及びSIDにおいて、画像生成機能214により生成された複数のX線画像データのうち、絞り羽根により形成される開口部の開度が最も大きいX線画像データを背景像データとして取得する。
【0044】
なお、背景像管理機能215は、開口部の開度が最も大きい位置情報に対応付けられたX線画像データが複数存在する場合には、これらのX線画像データの中から、最新のX線画像データを、背景像データとして取得する。そして、背景像管理機能215は、背景像データを保持する。例えば、背景像管理機能215は、記憶回路24に背景像データを格納することで、背景像データを保持する。
【0045】
そして、X線診断装置100の制御機能213は、背景像管理機能215により背景像データが取得されると、全面透視から部分透視に切り替える。すなわち、制御機能213は、ユーザによりX線絞り装置13の絞り羽根の位置が変化されたことを契機に、部分透視を開始するように、X線診断装置100全体を制御する。
【0046】
図5は、第1の実施形態に係るX線診断装置100が実行する処理の一例を説明するための図である。図5の例は、X線診断装置100が部分透視を実行する場合の処理の一例を示す。収集機能211は、部分透視においても、全面透視の場合と同様に、投影データを収集し、図5に示すように、収集した投影データを1フレーム毎に順次画像処理機能212に送信する。
【0047】
ここで、部分透視が開始された直後では、絞り羽根は、全開に対応する位置(全開位置)からユーザにより指定された位置(指定位置)に向かって移動中である。そして、その後、絞り羽根は、指定位置で静止する。このため、収集機能211が、部分透視において画像処理機能212に送信する投影データには、絞り羽根が全開位置から指定位置に向かって移動中である場合に収集された投影データと、絞り羽根が指定位置で静止している場合に収集された投影データとが含まれる。
【0048】
画像生成機能214は、部分透視においても、全面透視の場合と同様に、1フレームの投影データを受信する度に、受信した投影データに対して各種画像処理を行うことで1フレームのX線画像データを生成する。そして、画像処理機能212は、1フレームのX線画像データを生成する度に、生成した1フレームのX線画像データを背景像管理機能215及び合成機能216に送信する。
【0049】
また、Cアーム・天板機構制御回路19は、部分透視においても全面透視の場合と同様に、Cアーム情報を背景像管理機能215に送信する。更に、部分透視の場合には、Cアーム・天板機構制御回路19は、Cアーム情報を合成機能216にも送信する。
【0050】
また、絞り制御回路20は、部分透視においても全面透視の場合と同様に、X線絞り装置13の4枚の絞り羽根の位置を示す位置情報をX線絞り装置13から取得し、取得した位置情報を背景像管理機能215に送信する。更に、部分透視の場合には、絞り制御回路20は、位置情報を合成機能216にも送信する。
【0051】
ここで、Cアーム・天板機構制御回路19及び絞り制御回路20は、背景像管理機能215にCアーム情報及び位置情報を送信するタイミングと同じタイミングで、合成機能216にCアーム情報及び位置情報を送信する。したがって、合成機能216は、上述した背景像管理機能215と同様に、X線画像データと、このX線画像データに対応するCアーム情報及び位置情報とを対応付けることができる。
【0052】
そして、背景像管理機能215は、部分透視においても全面透視の場合と同様に、X線画像データとCアーム情報と位置情報とを対応付けて、記憶回路24に格納する。更に、部分透視の場合には、背景像管理機能215は、取得した背景像データを合成機能216に送信する。
【0053】
合成機能216は、1フレームのX線画像データを受信するたびに、最新の背景像データと、受信したX線画像データとを、このX線画像データに対応するCアーム情報及び位置情報を用いて合成して1フレームの合成画像データ(部分透視画像データ)を生成する。受信したX線画像データは、第1のX線画像データの一例である。また、背景像データは、第2のX線画像データの一例である。第1の実施形態に係る合成画像データは、第1の合成画像データの一例である。
【0054】
図6は、第1の実施形態に係る合成画像データの生成方法の一例を説明するための図である。図6に示すように、合成機能216は、例えば、背景像データ33と合成される対象のX線画像データ32における照射領域31を特定する。照射領域31は、X線検出器16のマトリックス状に配列された複数の検出素子のうち、X線管12から発せされたX線が照射された検出素子からの電気信号に基づいて生成された画像の領域である。
【0055】
例えば、合成機能216は、位置情報及びCアーム情報から、X線検出器16の検出面上のX線の照射範囲(照射領域)を特定する。ここで位置情報は、絞り羽根が移動中の位置を示す位置情報である場合と、絞り羽根が移動後の位置を示す位置情報である場合の双方を含む。そして、合成機能216は、特定した検出面上でのX線の照射領域に対応する、X線画像データ32における領域である照射領域31を特定する。すなわち、合成機能216は、絞り羽根の移動中及び移動後の位置を示す位置情報に基づいて、画像生成機能214により生成される各X線画像データ32におけるX線の照射領域31を特定する。
【0056】
そして、合成機能216は、図6に示すように、特定した照射領域31を用いて、合成画像データ35を生成する。例えば、合成機能216は、合成画像データ35を構成する複数の画素のうち照射領域31内の画素の画素値を、X線画像データ32における照射領域31内の画素の画素値とし、合成画像データ35を構成する複数の画素のうち照射領域31以外の領域34内の画素の画素値を、最新の背景像データ33における領域34内の画素の画素値とすることにより、合成画像データ35を生成する。
【0057】
このように、合成機能216は、入力インターフェース22が受け付けた操作に基づいて個別に移動する絞り羽根により画定される関心領域に関するX線画像データ32と、絞り羽根の当該移動より前に生成された背景像データ33とを合成した合成画像データ35を生成する。
【0058】
なお、合成機能216は、照射領域31と領域34との境界に対応する部分の画像データを、所定の幅を有する線を示す画像データ又は画素値が反転された画像データとする合成画像データ35を生成してもよい。
【0059】
そして、合成機能216は、1フレームの合成画像データを生成する度に、生成した1フレームの合成画像データを制御機能213に送信する。
【0060】
制御機能213は、1フレームの合成画像データを受信する度に、受信した合成画像データ(部分透視画像データ)が示す合成画像(部分透視画像)をディスプレイ23に表示させる。これにより、ディスプレイ23は、部分透視における部分透視画像を順次表示する。すなわち、ディスプレイ23は、部分透視画像をリアルタイムで表示する。
【0061】
図7A及び図7Bは、第1の実施形態に係る部分透視における模式的な部分透視画像の一例を示す図である。図7Aには、部分透視が開始された直後に、絞り羽根が全開位置から指定位置に向かって移動中である場合に収集された投影データに基づいて生成された合成画像データが示す合成画像36が示されている。また、図7Bには、絞り羽根が指定位置で静止した場合に収集された投影データに基づいて生成された合成画像データが示す合成画像37が示されている。
【0062】
合成画像36は、絞り羽根が移動する前に収集された投影データに基づいて生成された背景像データが示す背景像36bに、絞り羽根の移動中に収集された投影データに基づいて生成されたX線画像データが示すリアルタイム像36aが重畳された画像である。合成画像36には、被検体Pの部位36c,36d、及び、医療デバイス36eが描出されている。
【0063】
合成画像37は、絞り羽根が移動する前に収集された投影データに基づいて生成された背景像データが示す背景像37bに、絞り羽根の移動後に収集された投影データに基づいて生成されたX線画像データが示すリアルタイム像37aが重畳された画像である。合成画像37には、被検体Pの部位37c,37d、及び、医療デバイス37eが描出されている。
【0064】
ここで、背景像36bと背景像37bとは同一の画像である。また、部位36cと部位37c、及び、部位36dと部位37dは、同一の部位である。また、医療デバイス36eと医療デバイス37eは、同一の医療デバイスである。
【0065】
図7Aから図7Bにかけて、リアルタイム像(リアルタイム像36a,37a)のサイズが徐々に小さくなっていくにつれて、背景像(背景像36b,37b)のサイズが徐々に大きくなっている。すなわち、本実施形態に係るX線診断装置100は、ユーザによるX線絞り装置13の絞り羽根の絞りに連動して、部分透視画像のX線の非照射部分に背景像が表示されるように、部分透視画像データを生成する。
【0066】
したがって、本実施形態に係るX線診断装置100によれば、ユーザに関心領域を設定させることなく、ユーザが単に確認したい範囲を絞るためにX線絞り装置13の開口部を絞るという簡単な動作だけで、部分透視を行うことができる。また、X線診断装置100によれば、ユーザに関心領域を設定させるという、ユーザに部分透視の実行を意識させることなく、部分透視を行うことができる。また、X線診断装置100によれば、1種類の透視用のフットスイッチのみで、全面透視及び部分透視の2種類の透視を行うことができる。したがって、第1の実施形態に係るX線診断装置100によれば、部分透視を行う際の操作性を向上させることができる。この結果、検査のスループットの向上と被曝の低減が期待できる。
【0067】
なお、X線診断装置100が、全面透視の実行中に、ユーザによりX線絞り装置13の絞り羽根の位置が変化されたと判定したことを契機に、全面透視から部分透視に切り替える場合を説明した。ここで、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、部分透視の実行中に、X線絞り装置13の絞り羽根の位置が変化されたと判定した場合には、新たに取得した背景像データを用いて部分透視を継続して実行する。例えば、X線診断装置100は、部分透視の実行中に、絞り羽根の位置が変化されたと判定した場合には、それまで保持していた背景像データを破棄し、上述した背景像データの取得方法と同様の方法を用いて、新たな背景像データを取得し、取得した新たな背景像データを保持する。したがって、本実施形態に係るX線診断装置100によれば、ユーザに関心領域を新たに設定させることなく、部分透視を継続させることができる。よって、この点からも、第1の実施形態に係るX線診断装置100によれば、部分透視を行う際の操作性を向上させることができる。
【0068】
また、背景像管理機能215は、部分透視の実行中に、Cアーム情報が変化した場合、背景像データを破棄し、制御機能213は、全面透視を行うように、X線診断装置100全体を制御する。例えば、背景像管理機能215は、受信したCアーム情報と、そのCアーム情報よりも1つ前に受信したCアーム情報とを比較し、Cアーム情報が変化したか否かを、Cアーム情報を受信する度に判定する。そして、Cアーム情報が変化したと判定した場合には、背景像管理機能215は、記憶回路24に記憶されている背景像データを削除することで背景像データを破棄する。
【0069】
次に、図8を用いて、X線診断装置100が実行する処理の流れの一例について説明する。図8は、第1の実施形態に係るX線診断装置100が実行する処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。なお、かかる処理は、透視用のフットスイッチが押下された場合に実行される。また、かかる処理は、透視用のフットスイッチが解放された場合に、終了する。
【0070】
図8に示すように、X線診断装置100は、全面透視の実行を開始する(ステップS101)。そして、X線診断装置100は、絞り羽根の位置が変化したか否かを判定する(ステップS102)。X線診断装置100は、絞り羽根の位置が変化していないと判定した場合(ステップS102;No)には、ステップS101に戻り、全面透視を継続して実行しつつ、ステップS102の判定を再び行う。
【0071】
一方、X線診断装置100は、絞り羽根の位置が変化したと判定した場合(ステップS102;Yes)には、背景像データを取得する(ステップS103)。そして、X線診断装置100は、全面透視から部分透視に切り替えて、取得した背景像データを用いて部分透視の実行を開始する(ステップS104)。
【0072】
そして、X線診断装置100は、部分透視において、絞り羽根の位置が変化したか否かを判定する(ステップS105)。X線診断装置100は、部分透視において絞り羽根の位置が変化したと判定した場合(ステップS105;Yes)、新たに背景像データを取得する(ステップS106)。そして、X線診断装置100は、ステップS104に戻り、新たに取得した背景像データを用いて部分透視を実行しつつ、ステップS105の判定を再び行う。
【0073】
一方、X線診断装置100は、部分透視において絞り羽根の位置が変化していないと判定した場合(ステップS105;No)、部分透視の実行中にCアーム情報が変化したか否かを判定する(ステップS107)。部分透視の実行中にCアーム情報が変化していないと判定した場合(ステップS107;No)、X線診断装置100は、ステップS104に戻り、部分透視を継続しつつ、ステップS105の判定を再び行う。
【0074】
一方、部分透視の実行中にCアーム情報が変化したと判定した場合(ステップS107;Yes)、X線診断装置100は、背景像データを破棄し(ステップS108)、ステップS101に戻り、部分透視から全面透視に切り替えて、全面透視の実行を開始する。
【0075】
以上、第1の実施形態について説明した。上述したように、第1の実施形態では、X線管12は、X線を発生させ、X線検出器16は、X線管12から発せられるX線を検出する。画像生成機能214は、X線検出器16の検出結果に基づくX線画像データを順次生成する。記憶回路24は、画像生成機能214により生成されるX線画像データを記憶する。X線絞り装置13は、可動の絞り羽根を有し、X線管12から発せられるX線が照射される範囲を制限する。入力インターフェース22は、絞り羽根を移動させる操作を受け付ける。このような操作としては、複数の絞り羽根のうちの少なくとも1つを移動させる操作、及び、4つの絞り羽根のうちの対向する一対を移動させる操作等が挙げられる。合成機能216は、入力インターフェース22が受け付けた操作に基づいてX線絞り装置13により移動される絞り羽根の移動中において、画像生成機能214により生成される各X線画像データにおけるX線の照射領域を特定する。更に、合成機能216は、特定した照射領域を用いて、絞り羽根の移動中において画像生成機能214により生成されたX線画像データと、記憶回路24に記憶され、かつ、絞り羽根が移動される前に画像生成機能214により生成された背景像データとを合成した合成画像データを、絞り羽根の移動中に順次生成する。制御機能213は、合成画像データが示す合成画像をディスプレイ23に表示させる。上述したように、第1の実施形態に係るX線診断装置100によれば、部分透視を行う際の操作性を向上させることができる。
【0076】
なお、第1の実施形態において、入力インターフェース22を介してユーザからディスプレイ23に表示された合成画像におけるリアルタイム像を所定の倍率で拡大又は縮小させる指示を受け付けた場合には、例えば、画像生成機能214は、次のような処理を行ってもよい。例えば、画像生成機能214は、リアルタイム像データを用いて、所定の倍率で拡大された拡大リアルタイム像データを生成してもよいし、所定の倍率で縮小された縮小リアルタイム像データを生成してもよい。そして、制御機能213は、拡大リアルタイム像データが示す拡大リアルタイム像をディスプレイ23に表示させてもよいし、縮小リアルタイム像データが示す縮小リアルタイム像をディスプレイ23に表示させてもよい。
【0077】
また、リアルタイム像の拡大又は縮小に伴い、画像生成機能214は、背景像データを用いて、同様に、所定の倍率で拡大された拡大背景像データを生成してもよいし、所定の倍率で縮小された縮小背景像データを生成してもよい。そして、制御機能213は、拡大背景像データが示す拡大背景像をディスプレイ23に表示させてもよいし、縮小背景像データが示す縮小背景像をディスプレイ23に表示させてもよい。
【0078】
(第1の実施形態の第1の変形例)
上述した第1の実施形態では、X線診断装置100が、部分透視の実行中に、Cアーム情報が変化した場合、背景像データを破棄し、部分透視から全面透視に切り替えて、全面透視を行う場合について説明した。しかしながら、X線診断装置100は、部分透視の実行中に、Cアーム情報が変化した場合であっても、部分透視を継続してもよい。そこで、このような実施形態を、第1の実施形態の第1の変形例として説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0079】
図9は、第1の実施形態の第1の変形例に係るX線診断装置100が実行する処理の一例を説明するための図である。図9の例は、第1の変形例に係るX線診断装置100が部分透視を実行する場合の処理の一例を示す。なお、第1の実施形態における全面透視と、第1の変形例における全面透視とは、同様の処理であるため、第1の変形例における全面透視については説明を省略する。また、第1の変形例についての以下の説明では、第1の実施形態における部分透視と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
【0080】
第1の変形例に係るX線診断装置100は、部分透視の実行中に、Cアーム情報が変化した場合、以下に説明するように、背景像データを破棄せず、部分透視を継続する。
【0081】
例えば、背景像管理機能215は、Cアーム情報が変化したと判定した場合には、全開・復帰指示を絞り制御回路20に送信する。この場合の全開・復帰指示とは、例えば、Cアーム情報が変化したと判定した際の絞り羽根の位置(復帰位置)から、X線絞り装置13の開口部が全開となって開度が最大(最大開度)となるように絞り羽根の位置を移動させた後に、絞り羽根の位置が復帰位置に戻るように、絞り羽根の位置を移動させるための指示である。ここで、復帰位置とは、例えば、Cアーム情報が示す臨床角及びSIDが変化した場合に、臨床角及びSIDが変化した際のX線絞り装置13の開口部の開度に対応する位置である。
【0082】
絞り制御回路20は、全開・復帰指示を受信すると、全開・復帰指示にしたがって、まず、復帰位置を示す位置情報(復帰位置情報)を記憶回路24に格納する。そして、絞り制御回路20は、絞り羽根の位置を最大開度に対応する位置に移動させる。そして、絞り制御回路20は、記憶回路24から、復帰位置情報を取得する。そして、絞り制御回路20は、絞り羽根の位置を、復帰位置情報が示す復帰位置に移動させる。
【0083】
すなわち、絞り羽根は、Cアーム情報が変化した場合に、復帰位置から最大開度に対応する位置に移動された後に、最大開度に対応する位置から復帰位置に戻るように移動される。なお、Cアーム情報(臨床角及びSID)が変化した際のX線絞り装置13の開口部の開度は、第1の開度の一例である。また、最大開度は、第2の開度の一例である。
【0084】
ここで、背景像管理機能215は、全開・復帰指示に基づいてX線絞り装置13の開口部が全開となった状態(最大開度の状態)で収集された投影データに基づくX線画像データを、記憶回路24から背景像データ(全開背景像データ)として取得する。そして、背景像管理機能215は、取得した全開背景像データを合成機能216に送信する。
【0085】
そして、合成機能216は、画像生成機能214から送信されるX線画像データを受信するたびに、X線画像データと全開背景像データとを合成した合成画像データを制御機能213に送信する。例えば、合成機能216は、Cアーム情報(臨床角及びSID)が変化した際のX線絞り装置13の開口部の開度に対応するX線画像データと、最大開度に対応する全開背景像データとを合成した合成画像データを生成する。なお、合成の方法は、第1の実施形態と同様の方法である。
【0086】
また、例えば、図9に示すように、制御機能213は、ユーザから入力インターフェース22がFOV(Field Of View:照射野)の変更を受け付けると、変更後のFOVを背景像管理機能215に送信する。なお、FOVとは、例えば、X線検出器16のマトリックス状に配列された複数の検出素子のうち、撮像に用いられる検出素子(すなわち、X線が照射される検出素子)の範囲を示す情報である。
【0087】
背景像管理機能215は、変更後のFOVを受信すると、全開・復帰指示を絞り制御回路20に送信する。この場合の全開・復帰指示とは、例えば、X線絞り装置13の開口部が全開となって開度が最大となるように絞り羽根の位置を移動させた後に、開口部の形状、サイズ及び位置が変更後のFOVに対応するように絞り羽根の位置を移動させるための指示である。
【0088】
絞り制御回路20は、全開・復帰指示を受信すると、全開・復帰指示にしたがって、まず、X線絞り装置13の開口部が全開となって開度が最大開度となるように絞り羽根の位置を移動させる。そして、絞り制御回路20は、開口部の形状、サイズ及び位置が変更後のFOVに対応するように絞り羽根の位置を移動させる。すなわち、絞り羽根は、FOVが変化した場合に、FOVに対応する開度よりも大きい最大開度に対応する位置に移動された後に、最大開度に対応する位置からFOVに対応する開度に対応する位置に戻るように移動される。なお、FOVに対応する開度は、第1の開度の一例である。
【0089】
ここで、背景像管理機能215は、全開背景像データを取得し、取得した全開背景像データを合成機能216に送信する。
【0090】
そして、合成機能216は、画像生成機能214から送信されるX線画像データを受信するたびに、X線画像データと全開背景像データとを合成した合成画像データを制御機能213に送信する。例えば、合成機能216は、FOVに対応するX線画像データと、最大開度に対応する全開背景像データとを合成した合成画像データを生成する。なお、合成の方法は、第1の実施形態と同様の方法である。
【0091】
なお、第1の変形例において、背景像管理機能215は、入力インターフェース22を介したユーザからの指示にしたがって、全開・復帰指示を絞り制御回路20に送信してもよい。
【0092】
以上、第1の実施形態の第1の変形例について説明した。第1の変形例に係るX線診断装置100は、Cアーム情報やFOVが変更されても、ユーザに関心領域を設定させることなく、背景像データを更新して部分透視を継続することができる。したがって、第1の変形例に係るX線診断装置100によれば、部分透視を行う際の操作性を向上させることができる。
【0093】
(第1の実施形態の第2の変形例)
なお、上述した第1の実施形態では、部分透視中に、それまで保持していた背景像データを破棄し、新たに背景像データを取得することで、背景像データを更新する場合について説明した。しかしながら、部分透視中に、ディスプレイ23に表示される背景像が更新されるのを好まないユーザもいる。そのため、X線診断装置100は、部分透視中には、背景像を更新しないようにしてもよい。そこで、このような実施形態を第1の実施形態の第2の変形例として説明する。なお、第1の実施形態及び第1の実施形態の変形例と同様の処理については、説明を省略する。
【0094】
例えば、部分透視が複数回実行される場合について説明する。なお、1回の部分透視において、合成機能216は、合成画像データを順次生成する処理(合成画像データ生成処理)を1回実行する。そのため、部分透視が複数回実行される場合には、合成機能216は、合成画像データ生成処理を複数回実行する。
【0095】
また、第2の変形例では、部分透視中には、背景像管理機能215は、背景像データを更新しない。すなわち、部分透視中には、背景像管理機能215は、保持していた背景像データを破棄し、新たに背景像データを取得するような、背景像データを更新する処理を行わない。
【0096】
また、第2の変形例では、制御機能213は、ラストイメージホールド(LIH:Last Image Hold)機能を有し、最新の合成画像データ、背景像データ等を保持し、次の透視が行われるまで、最新の合成画像データをディスプレイ23に表示させることができる。
【0097】
第2の変形例では、背景像管理機能215は、複数回実行される合成画像データ生成処理のうち、少なくとも、一の合成画像データ生成処理(第1の処理)と、一の合成画像データ生成処理の次に実行される合成画像データ生成処理(第2の処理)との時間的な間において、以下に説明する処理を実行する。例えば、背景像管理機能215は、第1の処理において最後に生成された合成画像データを生成する際に用いられたX線画像データ(上述した第1のX線画像データ)を収集する際のX線絞り装置13の開口部の開度(第3の開度)が、第1の処理において合成画像データを生成する際に用いられた背景像データを収集する際の開口部の開度(第4の開度)以上であるか否かを判定する。
【0098】
第3の開度が第4の開度以上である場合には、背景像管理機能215は、第2の処理が実行される前に、第1の処理において最後に生成された合成画像データを生成する際に用いられたX線画像データを、このX線画像データが第2の処理において背景像データとして用いられるように、合成機能216に送信する。これにより、合成機能216は、第1の処理において最後に生成された合成画像データを生成する際に用いられたX線画像データを、第2の処理において背景像データとして用いて合成画像データを順次生成する。
【0099】
また、第3の開度が第4の開度以上である場合には、背景像管理機能215は、更に、第1の処理において合成画像データを生成する際に用いられた背景像データを記憶回路24から削除する。
【0100】
以上、第1の実施形態の第2の変形例に係るX線診断装置100ついて説明した。第2の変形例に係るX線診断装置100は、部分透視中は、ディスプレイ23に表示される背景像が更新されない。したがって、第2の変形例に係るX線診断装置100によれば、ユーザの好みに応じた適切な表示を行うことができる。
【0101】
なお、第2の変形例において、第1の実施形態と同様に、背景像管理機能215は、部分透視の実行中に、Cアーム情報が変化した場合、背景像データを破棄してもよい。そして、制御機能213は、全面透視を行うように、X線診断装置100全体を制御してもよい。
【0102】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態及び各変形例では、部分透視画像として、合成画像がリアルタイムでディスプレイ23に表示される場合について説明した。しかしながら、部分透視画像として差分画像がリアルタイムでディスプレイ23に表示されてもよい。そこで、このような実施形態を、第2の実施形態として説明する。なお、上述した実施形態及び変形例と異なる点を説明し、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、同様の処理についても説明を省略する場合がある。
【0103】
図10は、第2の実施形態に係るX線診断装置100aが有する画像処理機能212aの構成の一例を示す図である。第2の実施形態に係るX線診断装置100aは、図2に示す画像処理機能212に代えて、図10に示す画像処理機能212aを有する点が、図1に示す第1の実施形態に係るX線診断装置100と異なる。
【0104】
画像処理機能212aは、画像生成機能214、背景像管理機能215及び合成機能216に加えて、サブトラクション機能301を備える。第2の実施形態において、合成機能216及びサブトラクション機能301は、第2の生成部の一例である。サブトラクション機能301については、後述する。
【0105】
ここで、第2の実施形態では、部分透視において、透視画像として上述した合成画像(例えば、図7Aに示す合成画像36)をディスプレイ23に順次表示させるモード(合成画像モード)、及び、透視画像として差分画像をディスプレイ23に順次表示させるモード(差分画像モード)のうちの一方のモードがユーザにより選択される。
【0106】
合成画像モードが選択された場合には、第1の実施形態と同様の処理が行われて、ディスプレイ23には、合成画像が順次表示される。差分画像モードが選択された場合には、ディスプレイ23には差分画像が順次表示される。以下、図11及び図12を参照して、差分画像モードが選択された場合に、第2の実施形態に係るX線診断装置100aが実行する処理の一例について説明する。
【0107】
図11は、第2の実施形態に係るX線診断装置100aが実行する処理の一例を説明するための図である。図11の例は、差分画像モードが選択された場合に、X線診断装置100aが実行する処理の一例を示す。
【0108】
図11に示すように、合成機能216は、1フレームの合成画像データを生成する度に、生成した合成画像データをサブトラクション機能301に送信する。サブトラクション機能301は、1フレームの合成画像データを受信する度に、受信した合成画像データとマスク像データとを用いて1フレームの差分画像データを生成する。
【0109】
ここで、差分画像データの生成方法の一例について説明する。図12は、第2の実施形態に係る差分画像データの生成方法の一例を説明するための図である。
【0110】
例えば、サブトラクション機能301は、マスク像データ41を記憶回路24から取得する。そして、サブトラクション機能301は、図12に示すように、合成画像データ40と、マスク像データ41との差分をとって、差分画像データ42を生成する。すなわち、サブトラクション機能301は、合成画像データ40からマスク像データ41を減じて差分画像データ42を生成する。このように、サブトラクション機能301は、合成画像データ40とマスク像データ41とを合成した差分画像データ42を順次生成する。マスク像データ41は、第3のX線画像データの一例である。差分画像データ42は、第2の合成画像データの一例である。
【0111】
ここで、マスク像データ41は、部分透視が行われる前に、記憶回路24に記憶されている。マスク像データ41は、例えば、画像生成機能214により、被検体Pにカテーテル等の医療デバイスが挿入されていない状態で収集された投影データに基づいて生成された複数のX線画像データが加算平均された画像データである。したがって、マスク像データ41には、被検体Pの骨などの周辺組織(背景)が描出されているものの医療デバイスが描出されていない。このようなマスク像データ41と、背景及び医療デバイスが描出されている合成画像データ40との差分をとることで得られる差分画像データ42には、医療デバイスが明瞭に描出される。医療デバイスは、デバイスの一例である。
【0112】
そして、サブトラクション機能301は、1フレームの差分画像データ42を生成する度に、生成した差分画像データ42を制御機能213に送信する。
【0113】
制御機能213は、1フレームの差分画像データ42を受信する度に、受信した差分画像データ(部分透視画像データ)42が示す差分画像(部分透視画像)をディスプレイ23に表示させる。これにより、ディスプレイ23は、部分透視における部分透視画像を順次表示する。すなわち、ディスプレイ23は、部分透視画像をリアルタイムで表示する。
【0114】
以上、第2の実施形態に係るX線診断装置100aについて説明した。第2の実施形態では、合成画像データ40には、背景及び医療デバイスが描出されている。また、マスク像データ41には、背景及び医療デバイスのうち背景が描出されている。そして、サブトラクション機能301は、合成画像データ40とマスク像データ41との差分を示す差分画像データ42を順次生成する。第2の実施形態に係るX線診断装置100aによれば、第1の実施形態と同様に、部分透視を行う際の操作性を向上することができる。
【0115】
(第3の実施形態)
上述した各実施形態及び各変形例では、部分透視画像として上述した合成画像がリアルタイムでディスプレイ23に表示される場合について説明した。しかしながら、部分透視画像として他の合成画像がリアルタイムでディスプレイ23に表示されてもよい。そこで、このような実施形態を、第3の実施形態として説明する。なお、上述した実施形態及び変形例と異なる点を説明し、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、同様の処理についても説明を省略する場合がある。
【0116】
図13は、第3の実施形態に係るX線診断装置100bが有する画像処理機能212bの構成の一例を示す図である。第3の実施形態に係るX線診断装置100bは、図2に示す画像処理機能212に代えて、図13に示す画像処理機能212bを有する点が、図1に示す第1の実施形態に係るX線診断装置100と異なる。
【0117】
画像処理機能212bは、画像生成機能214、背景像管理機能215及び合成機能216に加えて、サブトラクション機能302を備える。第3の実施形態において、合成機能216及びサブトラクション機能302は、第2の生成部の一例である。サブトラクション機能302については、後述する。
【0118】
ここで、第3の実施形態では、部分透視において、透視画像として上述した合成画像(例えば、図7Aに示す合成画像36)をディスプレイ23に順次表示させる合成画像モード、及び、透視画像として他の合成画像をディスプレイ23に順次表示させるモードのうちの一方のモードがユーザにより選択される。以下の説明では、第2の実施形態において説明した「合成画像モード」を「第1の合成画像モード」と表記し、他の合成画像を順次表示させるモードを「第2の合成画像モード」と表記する。
【0119】
例えば、第1の合成画像モードが選択された場合には、第2の実施形態と同様の処理が行われ、ディスプレイ23には、合成画像が順次表示される。第2の合成画像モードが選択された場合には、ディスプレイ23には他の合成画像が順次表示される。以下、図14を参照して、第2の合成画像モードが選択された場合に、第3の実施形態に係るX線診断装置100bが実行する処理の一例について説明する。
【0120】
図14は、第3の実施形態に係るX線診断装置100bが実行する処理の一例を説明するための図である。図14の例は、第2の合成画像モードが選択された場合に、X線診断装置100bが実行する処理の一例を示す。
【0121】
図14に示すように、画像生成機能214は、1フレームのX線画像データ(リアルタイム像データ)を生成する度に、生成したX線画像データをサブトラクション機能302に送信する。サブトラクション機能302は、1フレームのX線画像データを受信する度に、受信したX線画像データとマスク像データとを用いて1フレームの差分画像データを生成する。
【0122】
ここで、第3の実施形態における差分画像データの生成方法の一例について説明する。例えば、サブトラクション機能302は、マスク像データを記憶回路24から取得する。そして、サブトラクション機能302は、図14に示すように、受信したX線画像データと、マスク像データとの差分をとって、差分画像データを生成する。すなわち、サブトラクション機能302は、X線画像データからマスク像データを減じて差分画像データを生成する。このように、サブトラクション機能302は、X線画像データとマスク像データとを合成した差分画像データを順次生成する。ここで、このX線画像データは、第1のX線画像データの一例である。また、第3の実施形態に係るマスク像データは、第3のX線画像データの一例である。また、第3の実施形態に係る差分画像データは、第3の合成画像データの一例である。
【0123】
ここで、第3の実施形態に係るマスク像データは、第2の実施形態に係るマスク像データ41と同様のデータであり、部分透視が行われる前に、記憶回路24に記憶されている。したがって、第3の実施形態に係るマスク像データと、背景及び医療デバイスが描出されているX線画像データ(リアルタイム像データ)との差分をとることで得られる差分画像データには、医療デバイスが明瞭に描出される。
【0124】
そして、サブトラクション機能302は、1フレームの差分画像データを生成する度に、生成した差分画像データを背景像管理機能215及び合成機能216に送信する。
【0125】
ここで、第3の実施形態に係る背景像管理機能215は、上述した第1の実施形態に係る背景像管理機能215が、X線画像データ(リアルタイム像データ)、Cアーム情報及び位置情報を対応付けて記憶回路24に格納し、絞り羽根の位置が変化した場合に記憶回路24から部分透視における背景像データを取得した方法と同様の方法で、以下の処理を行う。
【0126】
例えば、図14に示すように、第3の実施形態に係る背景像管理機能215は、サブトラクション機能302から送信された差分画像データを受信する度に、受信した差分画像データ、Cアーム情報及び位置情報を対応付けて記憶回路24に格納する。そして、第3の実施形態に係る背景像管理機能215は、絞り羽根の位置が変化した場合に記憶回路24から部分透視における背景像データとして用いられる差分画像データを取得する。そして、第3の実施形態に係る背景像管理機能215は、取得した背景像データ(差分画像データ)を合成機能216に送信する。第3の実施形態に係る背景像データは、第4の合成画像データの一例である。
【0127】
ここで、上述したように、第1の実施形態に係る合成機能216は、1フレームのX線画像データを受信する度に、最新の背景像データと、受信したX線画像データとを、このX線画像データに対応するCアーム情報及び位置情報を用いて合成して1フレームの合成画像データ(部分透視画像データ)を生成する。
【0128】
第3の実施形態に係る合成機能216は、第1の実施形態に係る合成機能216が実行する上述した処理と同様の処理によって、1フレームの差分画像データを受信する度に、最新の背景像データと、受信した差分画像データとを、この差分画像データに対応するCアーム情報及び位置情報を用いて合成して1フレームの合成画像データ(部分透視画像データ)を生成する。なお、第3の実施形態にかかる合成機能216により生成される合成画像データは、第5の合成画像データの一例である。
【0129】
そして、合成機能216は、1フレームの合成画像データを生成する度に、生成した合成画像データを制御機能213に送信する。
【0130】
制御機能213は、1フレームの合成画像データを受信する度に、受信した合成画像データが示す合成画像(部分透視画像)をディスプレイ23に表示させる。これにより、ディスプレイ23は、部分透視における部分透視画像を順次表示する。すなわち、ディスプレイ23は、部分透視画像をリアルタイムで表示する。
【0131】
以上、第3の実施形態に係るX線診断装置100bについて説明した。
【0132】
第3の実施形態では、絞り羽根の移動中において生成されたX線画像データには、背景及びデバイスが描出されている。同様に、絞り羽根が移動される前に生成されたX線画像データにも、背景及び医療デバイスが描出されている。一方、マスク像データには、背景及び医療デバイスのうち背景が描出されている。
【0133】
そして、サブトラクション機能302は、絞り羽根の移動中において生成されたX線画像データとマスク像データとの差分を示す差分画像データを順次生成する。また、サブトラクション機能302は、絞り羽根が移動される前に生成されたX線画像データとマスク像データとの差分を示す背景像データを生成する。そして、合成機能216は、差分画像データと背景像データとを合成した合成画像データを順次生成する。
【0134】
第3の実施形態に係るX線診断装置100bによれば、第1の実施形態や第2の実施形態と同様に、部分透視を行う際の操作性を向上することができる。
【0135】
ここで、上述した各実施形態及び各変形例で用いられるX線絞り装置13の構成の一例について説明する。図15は、各実施形態及び各変形例で用いられるX線絞り装置13の構成の一例を示す図である。
【0136】
図15に示すように、X線絞り装置13は、移動可能な4枚(複数)の絞り羽根13a~13dを備える。絞り羽根13a~13dは、X線の照射範囲を制限することが可能な金属等の部材により形成されている。例えば、絞り羽根13a~13dは、板状の部材である。絞り羽根13a~13dの形状は、上面視で矩形状である。
【0137】
絞り羽根13aは、絞り羽根13aの短手方向(矢印13a_1が示す方向)に、所定の範囲内で移動可能である。同様に、絞り羽根13b~13dのそれぞれは、絞り羽根13b~13dのそれぞれの短手方向(矢印13b_1~13d_1のそれぞれが示す方向)に、所定の範囲内で移動可能である。
【0138】
ユーザは、入力インターフェース43を操作して、絞り羽根13a~13dのそれぞれを個別に移動させることができる。
【0139】
なお、上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路24に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路24にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。
【0140】
ここで、プロセッサによって実行される医用画像処理プログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶部等に予め組み込まれて提供される。なお、この医用画像処理プログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)-ROM、FD(Flexible Disk)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよい。また、この医用画像処理プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、この医用画像処理プログラムは、後述する各機能部を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
【0141】
また、上述した実施形態で図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0142】
以上述べた少なくとも1つの実施形態又は変形例によれば、部分透視を行う際の操作性を向上させることができる。
【0143】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0144】
100 X線診断装置
214 画像生成機能
215 背景像管理機能
216 合成機能
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15