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特許7544522棒状部材配置構造、紫外線照射装置及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】棒状部材配置構造、紫外線照射装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 19/12 20060101AFI20240827BHJP
   C02F 1/32 20230101ALI20240827BHJP
   A61L 9/20 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
B01J19/12 C
C02F1/32
A61L9/20
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020126295
(22)【出願日】2020-07-27
(65)【公開番号】P2022023382
(43)【公開日】2022-02-08
【審査請求日】2023-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100011
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 省三
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】須長 浩
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-061730(JP,A)
【文献】特開2003-159314(JP,A)
【文献】特開平09-100102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 19/12
C02F 1/32
A61L 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディと、
前記ボディ内の長手方向に配置され、前記ボディの長手方向の該ボディの長さより長いガイド部材と、
前記ボディ内の長手方向に前記ガイド部材の外側に配置され、前記ボディの長手方向の該ボディの長さとほぼ同一長さの第1の棒状部材と、
前記ボディ内の長手方向に前記第1の棒状部材の外側に配置され、前記ボディの長手方向の該ボディの長さとほぼ同一長さの第2の棒状部材と、
前記ボディの長手方向の第1の側に結合され、前記ガイド部材の第1の側を通過させるための穴を有し、前記第1の棒状部材の第1の側を固定するための第1の凹部を前記ボディ側に有し、前記第2の棒状部材の第1の側を固定するための第2の凹部を前記ボディ側に有する第1の蓋部材と、
前記ボディの長手方向の第2の側に結合され、前記ガイド部材の第2の側を通過させるための穴を有し、前記第1の棒状部材の第2の側を固定するための第の凹部を前記ボディ側に有する第2の蓋部材と
前記ボディの長手方向の第2の側に結合され、前記ガイド部材の第2の側を通過させるための穴を有し、前記第2の棒状部材の第2の側を固定するための第4の凹部を前記ボディ側に有し、前記第2の蓋部材を固定するための溝を前記ボディ側に有する第3の蓋部材と
具備し、前記第2の蓋部材の短手方向の該第2の蓋部材のサイズは前記第1の蓋部材の短手方向の該第1の蓋部材のサイズより小さく、前記第3の蓋部材の短手方向の該第3の蓋部材のサイズは前記第1の蓋部材の短手方向の該第1の蓋部材のサイズとほぼ同一である棒状部材配置構造。
【請求項2】
前記ボディと前記第1の蓋部材とはねじ締結され、
前記ボディと前記第3の蓋部材とはねじ締結され、
前記第2の蓋部材と前記第3の蓋部材とはねじ締結された請求項に記載の棒状部材配置構造。
【請求項3】
さらに、
前記第1の蓋部材の前記ボディの長手方向の第1の側に当接するための第1の段差及び前記ガイド部材の第1の側に当接するための第2の段差を有する第1の継手と、
前記第3の蓋部材の前記ボディの長手方向の第2の側に当接するための第3の段差及び前記ガイド部材の第2の側に当接するための第4の段差を有する第2の継手と
を具備する請求項に記載の棒状部材配置構造。
【請求項4】
ボディと、
前記ボディ内の長手方向に配置され、前記ボディの長手方向の該ボディの長さより長い筒状部材と、
前記ボディ内の長手方向に前記筒状部材の外側に配置され、前記ボディの長さとほぼ同一長さの棒状紫外線光源と、
前記ボディ内の長手方向に前記棒状紫外線光源の外側に配置され、前記ボディの長手方向の該ボディの長さとほぼ同一長さのリフレクタと、
前記ボディの長手方向の第1の側に結合され、前記棒状部材の第1の側を通過させるための穴を有し、前記棒状紫外線光源の第1の側を固定するための第1の凹部及び前記リフレクタの第1の側を固定するための溝を前記ボディ側に有する第1の蓋部材と、
前記ボディの第2の側に結合され、前記棒状部材の第2の側を通過させるための穴を有し、前記棒状紫外線光源の第2の側を固定するための第2の凹部を前記ボディ側に有する第2の蓋部材と、
前記ボディの第2の側に結合され、前記棒状部材の第2の側を通過させるための穴を有し、前記第2の蓋部材及び前記リフレクタの第2の側を固定するための溝を前記ボディ側に有する第3の蓋部材と
を具備し、前記第2の蓋部材の短手方向の該第2の蓋部材のサイズは前記第1の蓋部材の短手方向の該第1の蓋部材のサイズより小さく、前記第3の蓋部材の短手方向の該第3の蓋部材のサイズは前記第1の蓋部材の短手方向の該第1の蓋部材のサイズとほぼ同一である紫外線照射装置。
【請求項5】
前記ボディと前記第1の蓋部材とはねじ締結され、
前記ボディと前記第3の蓋部材とはねじ締結され、
前記第2の蓋部材と前記第3の蓋部材とはねじ締結された請求項に記載の紫外線照射装置。
【請求項6】
さらに、
前記第1の蓋部材当接するための第1の段差及び前記第3の蓋部材の第1の側に当接するための第2の段差を有し、前記状部材の第1の側に対して処理媒体を流入又は流出させるための第1の処理媒体流入/流出継手と、
前記第3の蓋部材当接するための第3の段差及び前記状部材の第2の側に当接するための第4の段差を有し、前記状部材の第2の側に対して処理媒体を流出又は流入させるための第2の処理媒体流入/流出継手と
を具備する請求項に記載の紫外線照射装置。
【請求項7】
ボディの第1の基台に第1の蓋部材を固定する第1の蓋部材固定工程と、
前記ボディの長手方向の該ボディの長さより長いガイド部材を前記ボディの第2の基台の穴、前記第1の基台の穴及び前記第1の蓋部材の穴を通して前記第1の蓋部材に仮固定するガイド部材挿入仮固定工程と、
前記第1の蓋部材に第1の継手を固定すると共に前記ガイド部材も固定する第1の継手固定工程と、
前記ボディの長手方向の該ボディの長さとほぼ同一長の棒状紫外線光源の第1の側を前記ガイド部材にほぼ平行に前記ボディの第2の基台の穴及び前記第1の基台の穴を通して前記第1の蓋部材に仮固定する棒状紫外線光源挿入仮固定工程と、
前記第2の蓋部材の穴に前記ガイド部材を通し前記棒状紫外線光源の第2の側を前記第2の蓋部材に固定する第2の蓋部材固定工程と
前記ボディの長手方向の該ボディの長さとほぼ同一長さのリフレクタの第1の側を前記ガイド部材にほぼ平行に前記第2の基台の穴及び前記第1の基台の穴を通して前記第1の蓋部材に仮固定するリフレクタ挿入仮固定工程と、
前記第2の蓋部材、前記第2の基台及び前記リフレクタの第2の側に第3の蓋部材を固定する第3の蓋部材固定工程と、
前記第3の蓋部材に第2の継手を固定する第2の継手固定工程と
を具備し、前記第2の蓋部材の短手方向の該第2の蓋部材のサイズは前記第1の蓋部材の短手方向の該第1の蓋部材のサイズより小さく、前記第3の蓋部材の短手方向の該第3の蓋部材のサイズは前記第1の蓋部材の短手方向の該第1の蓋部材のサイズとほぼ同一である棒状部材配置構造の製造方法。
【請求項8】
ボディと、
前記ボディ内の長手方向に配置され、前記ボディの長手方向の該ボディの長さより長い筒状部材と、
前記ボディ内の長手方向に前記筒状部材の外側に配置され、前記ボディの長さとほぼ同一長さの棒状紫外線光源と、
前記ボディの長手方向の第1の側に結合され、前記棒状部材の第1の側を通過させるための穴を有し、前記棒状紫外線光源の第1の側を固定するための第1の凹部を前記ボディ側に有する第1の蓋部材と、
前記ボディの第2の側に結合され、前記棒状部材の第2の側を通過させるための穴を有し、前記棒状紫外線光源の第2の側を固定するための第2の凹部を前記ボディ側に有する第2の蓋部材と、
前記ボディの第2の側に結合され、前記棒状部材の第2の側を通過させるための穴を有し、前記第2の蓋部材を固定するための溝を前記ボディ側に有する第3の蓋部材と
を具備し、前記第2の蓋部材の短手方向の該第2の蓋部材のサイズは前記第蓋部材の短手方向の該第1の蓋部材のサイズより小さく、前記第3の蓋部材の短手方向の該第3の蓋部材のサイズは前記第1の蓋部材の短手方向の該第1の蓋部材のサイズとほぼ同一である紫外線照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は棒状部材配置構造、紫外線照射装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
棒状部材たとえば筒状部材を略平行にケーシング内に配置する棒状部材配置構造として紫外線照射装置がある。紫外線照射装置においては、棒状紫外線ランプを略平行にケーシング内に配置する。
【0003】
第1の従来の紫外線照射装置においては、複数の棒状紫外線ランプをケーシングによって形成された流体流路内に保持部材たとえば接着剤(溶着剤)を用いて配置する(参照:特許文献1、2)。
【0004】
第2の従来の紫外線照射装置においては、複数の棒状紫外線ランプ及び複数の通水管をケーシング内に配置し、棒状紫外線ランプ及び通水管をケーシング両端の蓋部材の取付穴に通すことによってケーシング内に配置する(参照:特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-31808号公報
【文献】特開2013-31809号公報
【文献】特開2012-96159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の第1の従来の紫外線照射装置においては、保持部材である接着剤(溶着剤)が紫外線劣化して棒状紫外線ランプが脱落するという課題がある。また、保持部材の耐久性があっても、棒状紫外線ランプを脱着して交替できないという課題もある。
【0007】
また、上述の第2の従来の紫外線照射装置においては、ケーシング両端の蓋部材の取付穴は棒状紫外線ランプの石英管口径のばらつきに合わせた高精度の寸法を有しなければならず、この結果、製造コストが上昇するという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、本発明に係る棒状部材配置構造は、ボディと、ボディ内の長手方向に配置され、ボディの長手方向の該ボディの長さより長いガイド部材と、ボディ内の長手方向にガイド部材の外側に配置され、ボディの長手方向の該ボディの長さとほぼ同一長さの第1の棒状部材と、ボディ内の長手方向に第1の棒状部材の外側に配置され、ボディの長手方向の該ボディの長さとほぼ同一長さの第2の棒状部材と、ボディの長手方向の第1の側に結合され、ガイド部材の第1の側を通過させるための穴を有し、第1の棒状部材の第1の側を固定するための第1の凹部をボディ側に有し、第2の棒状部材の第1の側を固定するための第2の凹部をボディ側に有する第1の蓋部材と、ボディの長手方向の第2の側に結合され、ガイド部材の第2の側を通過させるための穴を有し、第1の棒状部材の第2の側を固定するための第の凹部をボディ側に有する第2の蓋部材と、ボディの長手方向の第2の側に結合され、ガイド部材の第2の側を通過させるための穴を有し、第2の棒状部材の第2の側を固定するための第4の凹部をボディ側に有し、第2の蓋部材を固定するための溝をボディ側に有する第3の蓋部材と具備し、第2の蓋部材の短手方向の該第2の蓋部材のサイズは第1の蓋部材の短手方向の該第1の蓋部材のサイズより小さく、第3の蓋部材の短手方向の該第3の蓋部材のサイズは第1の蓋部材の短手方向の該第1の蓋部材のサイズとほぼ同一である
【0009】
また、本発明に係る紫外線照射装置は、ボディと、ボディ内の長手方向に配置され、ボディの長手方向の該ボディの長さより長い筒状部材と、ボディ内の長手方向に筒状部材の外側に配置され、ボディの長さとほぼ同一長さの棒状紫外線光源と、ボディ内の長手方向に棒状紫外線光源の外側に配置され、ボディの長手方向の該ボディの長さとほぼ同一長さのリフレクタと、ボディの長手方向の第1の側に結合され、棒状部材の第1の側を通過させるための穴を有し、棒状紫外線光源の第1の側を固定するための第1の凹部及びリフレクタの第1の側を固定するための溝をボディ側に有する第1の蓋部材と、ボディの第2の側に結合され、棒状部材の第2の側を通過させるための穴を有し、棒状紫外線光源の第2の側を固定するための第2の凹部をボディ側に有する第2の蓋部材と、ボディの第2の側に結合され、棒状部材の第2の側を通過させるための穴を有し、第2の蓋部材及びリフレクタの第2の側を固定するための溝をボディ側に有する第3の蓋部材とを具備し、第2の蓋部材の短手方向の該第2の蓋部材のサイズは第1の蓋部材の短手方向の該第1の蓋部材のサイズより小さく、第3の蓋部材の短手方向の該第3の蓋部材のサイズは第1の蓋部材の短手方向の該第1の蓋部材のサイズとほぼ同一である
【0010】
さらに、本発明に係る棒状部材配置構造の製造方法は、ボディの第1の基台に第1の蓋部材を固定する第1の蓋部材固定工程と、ボディの長手方向の該ボディの長さより長いガイド部材をボディの第2の基台の穴、第1の基台の穴及び第1の蓋部材の穴を通して第1の蓋部材に仮固定するガイド部材挿入仮固定工程と、第1の蓋部材に第1の継手を固定すると共にガイド部材も固定する第1の継手固定工程と、ボディの長手方向の該ボディの長さとほぼ同一長の棒状紫外線光源の第1の側をガイド部材にほぼ平行にボディの第2の基台の穴及び第1の基台の穴を通して第1の蓋部材に仮固定する棒状紫外線光源挿入仮固定工程と、第2の蓋部材の穴にガイド部材を通し棒状紫外線光源の第2の側を第2の蓋部材に固定する第2の蓋部材固定工程と、ボディの長手方向の該ボディの長さとほぼ同一長さのリフレクタの第1の側をガイド部材にほぼ平行に第2の基台の穴及び第1の基台の穴を通して第1の蓋部材に仮固定するリフレクタ挿入仮固定工程と、第2の蓋部材、第2の基台及びリフレクタの第2の側に第3の蓋部材を固定する第3の蓋部材固定工程と、第3の蓋部材に第2の継手を固定する第2の継手固定工程とを具備し、第2の蓋部材の短手方向の該第2の蓋部材のサイズは第1の蓋部材の短手方向の該第1の蓋部材のサイズより小さく、第3の蓋部材の短手方向の該第3の蓋部材のサイズは第1の蓋部材の短手方向の該第1の蓋部材のサイズとほぼ同一である棒状部材配置構造の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、第1の蓋部材の穴にガイド部材(筒状部材)を通過させ、ガイド部材を利用して棒状部材(棒状紫外線光源)を第1の蓋部材の凹部と短手方向サイズが小さい第2の蓋部材の凹部とで挟むことによって棒状部材(棒状紫外線光源)をガイド部材(筒状部材)に容易にほぼ平行に配置できる。この結果、接着剤(溶着剤)は不要であり、従って、棒状部材(棒状紫外線光源)の着脱が容易となる。また、蓋部材には棒状部材(棒状紫外線光源)を通過する管口径のばらつきに合わせて調整した高精度の取付穴は不要であるので、製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る紫外線照射装置の実施の形態を示す断面図である。
図2図1の紫外線照射装置の分解斜視図である。
図3図1の紫外線照射装置の製造工程を説明するための斜視図である。
図4図1の紫外線照射装置の製造工程を説明するための斜視図である。
図5】比較例としての紫外線照射装置の製造工程を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本発明に係る紫外線照射装置の実施の形態を示す断面図、図2図1の紫外線照射装置の分解斜視図である。
【0014】
図1図2において、紫外線照射装置は、筒状ボディ(ケーシング)1、通水管2、棒状紫外線ランプ3-1、3-2、リフレクタ4、前側蓋部材5、別体後側蓋部材6、本体後側蓋部材7、処理水流入継手8及び処理水流出継手9よりなる。
【0015】
筒状ボディ1は円形穴11a、12aを中心に有する基台11、12及び基台11、12の円形穴11a、12a間に嵌め込められた円筒13よりなる。筒状ボディ1は金属たとえばステンレス鋼、樹脂たとえばポリ塩化ビニル(PVC)等で構成される。尚、円筒13は、金属製材料であれば溶接等で接着され、樹脂製材料であれば接着剤等で接着される。さらに、基台11には、前側蓋部材5との結合のためのねじ穴11bが設けられ、他方、基台12には、本体後側蓋部材7との結合のためのねじ穴12bが設けられる。
【0016】
通水管2は処理水を通過させるためのものであって、棒状紫外線ランプ3-1、3-2からの紫外線を通過させるために紫外線通過材料たとえば石英よりなる。通水管2は筒状ボディ1の長手(長軸)方向長さより長く、他方、棒状紫外線ランプ3-1、3-2は筒状ボディ1の長手方向長さとほぼ同一長さである。
【0017】
棒状紫外線ランプ3-1、3-2は紫外線通過材料たとえば石英よりなる保護管を有する熱陰極管又は冷陰極管である。
【0018】
リフレクタ4は棒状紫外線ランプ3-1、3-2からの紫外線を反射して通水管2へ戻すための紫外線反射材料または紫外線反射材料をコーティングした部材により、2枚貼り合せて構成される。リフレクタ4は筒状ボディ1の長手方向長さとほぼ同一長さを有し、前側蓋部材5に当接するための端部41及び本体後側蓋部材7に当接するための端部42を有する。
【0019】
前側蓋部材5は筒状ボディ1の前側に結合され、通水管2の穴51、棒状紫外線ランプ3-1、3-2の前側固定用の凹部52-1、52-2、リフレクタ4固定用のリング溝53、筒状ボディ1の基台11との結合のためのねじ穴54及び処理水流入継手用雄ねじ部55を有する。
【0020】
前側蓋部材5より短手方向(径方向)サイズが小さいたとえば1/2以下である別体後側蓋部材6は筒状ボディ1の後側に位置し、通水管2用の穴61、棒状紫外線ランプ3-1、3-2の後側固定用の凹部62-1、62-2及び本体後側蓋部材7との結合のためのねじ穴63(図1のみに図示)を有する。
【0021】
前側蓋部材5と短手方向サイズがほぼ同一である本体後側蓋部材7は中央に短手方向サイズが小さい別体後側蓋部材6を収容する凹部を有する。本体後側蓋部材7は、筒状ボディ1の後側に結合され、通水管2用の穴71、リフレクタ4固定用のリング溝72、別体後側蓋部材6との結合のためのねじ穴73、筒状ボディ1の基台12との結合のためのねじ穴74及び処理水流出継手用雄ねじ部75を有する。
【0022】
前側蓋部材5の外側には水漏れ防止用Oリング8’を介して通水管2に処理水を流入させるための処理水流入継手8が結合され、他方、本体後側蓋部材7の外側には水漏れ防止用Oリング9’を介して通水管2に処理水を流出させるための処理水流出継手9が結合される。処理水流入継手8及び処理水流出継手9はたとえばステンレス鋼によって構成される。処理水流入継手8は前側蓋部材5との結合のための段差81、雌ねじ部82、及び通水管2の前側端面に当接するための段差83を有する。他方、処理水流出継手9は本体後側蓋部材用の段差91、本体後側蓋部材用雌ねじ部92、及び通水管2の後側端面のずれ防止用段差93を有する。
【0023】
次に、図1図2の紫外線照射装置の製造方法を説明する。
【0024】
始めに、基台11、12及び円筒13を有する筒状ボディ1を予め準備する。
【0025】
次に、前側蓋部材固定工程において、図2の矢印S1に示すごとく、筒状ボディ1の基台11に前側蓋部材5を固定する。具体的には、基台11のねじ穴11bと前側蓋部材5の基台結合用ねじ穴54を通すねじN1によって固定する。
【0026】
次に、通水管挿入仮固定工程において、図2の矢印S2に示すごとく、通水管2を筒状ボディ1の基台12、11の円形穴12a、11a及び前側蓋部材5の穴51を通す。
【0027】
次に、処理水流入継手固定工程において、図2の矢印S3に示すごとく、前側蓋部材5の通水管用穴51端部に処理水流入継手8を回転してねじを締めていく。このために前側蓋部材5の処理水流入継手8側外壁には雄ねじ部55が設けられ、処理水流入継手8の段差81より後側の前側蓋部材5側内壁には雌ねじ部82が設けられている。更に、処理水流入継手8を回して前側蓋部材5に対して締結し、通水管2を完全に固定する。この場合、図3(A)に示すごとく、通水管2は筒状ボディ1の長手方向長さより長いので、通水管2は筒状ボディ1の基台12の外側に飛び出す。この場合、段差81と前側蓋部材5の通水管用穴51端部との間には前側蓋部材-処理水流入継手間用Oリング8’を挟み込んで漏水を防止する。
【0028】
次に、棒状紫外線ランプ挿入仮固定工程において、図2の矢印S4-1、S4-2に示すごとく、棒状紫外線ランプ3-1、3-2を通水管2にほぼ平行に筒状ボディ1の基台12、11の円形穴12a、11aを通して前側蓋部材5の凹部52-1、52-2に当接させる。この場合、図3の(A)に示すごとく、棒状紫外線ランプ3-1、3-2は筒状ボディ1の長手方向長さとほぼ同一長さ(正確には、筒状ボディ1の長手方向長さと凹部52-1、52-2の深さ及び凹部62-1、62-2の深さとの合計)であるので、筒状ボディ1内に収容できる。
【0029】
次に、別体後側蓋部材固定工程(棒状紫外線ランプ固定工程)において、図2の矢印S5に示すごとく、別体後側蓋部材6の穴61に通水管2を通し、通水管2をガイドとして別体後側蓋部材6を移動する。この結果、図3の(B)に示すごとく、別体後側蓋部材6の短手方向サイズが小さいので、別体後側蓋部材6の凹部62-1、62-2(図2参照)の位置が容易に推測でき、この結果、棒状紫外線ランプ3-1、3-2の後側に容易に当接でき、従って、棒状紫外線ランプ3-1、3-2が筒状ボディ1内に容易に固定される。この場合も、作業効率上、筒状ボディ1を縦置き、つまり、基台11を下に、基台12を上にしてもよい。
【0030】
次に、リフレクタ挿入仮固定工程において、図2の矢印S6に示すごとく、貼り合わされたリフレクタ4を筒状ボディ1の基台12、11の円形穴12a、11aを通じてリフレクタ4の端部41を前側蓋部材5のリング溝53に当接させる。この場合、図3の(A)に示すごとく、リフレクタ4は筒状ボディ1の長手方向長さと略同一長さであるので、リフレクタ4は筒状ボディ1内に収まる。尚、この場合、作業効率上、筒状ボディ1を縦置き、つまり、基台11を下、基台12を上にすることもできる。
【0031】
次に、本体後側蓋部材固定工程(リフレクタ固定工程)において、図2の矢印S7に示すごとく、本体後側蓋部材7を別体後側蓋部材6及び筒状ボディ1の基台12に固定する。すなわち、図4に示すごとく、本体後側蓋部材7の穴71に通水管2の後側を通す。同時に、本体後側蓋部材7のリフレクタ用リング溝72をリフレクタ4の端部42に当接させる。そして、本体後側蓋部材7と別体後側蓋部材6とをねじ穴73、63を通すねじN2によって固定すると共に、本体後側蓋部材7と筒状ボディ1の基台12とをねじ穴74、12bを通すねじN3によって固定する。
【0032】
最後に、処理水流出継手固定工程において、図2の矢印S8に示すごとく、本体後側蓋部材7の通水管用穴71端部に処理水流出継手9を回転してねじを締めていく。このために本体後側蓋部材7の処理水流出継手9側外壁には雄ねじ部75が設けられ、処理水流出継手9の段差91より前側の本体後側蓋部材7側内壁には雌ねじ部92が設けられている。この場合、段差91と本体後側蓋部材7の通水管用穴71端部との間には本体後側蓋部材-処理水流出継手間用Oリング9’を挟み込んで漏水を防止する。
【0033】
これにより、図1図2に示す紫外線照射装置は完成する。
【0034】
このように、図1図2に示す紫外線照射装置によれば、棒状紫外線ランプ3-1、3-2を筒状ボディ1内に配置する際に、棒状紫外線ランプ3-1、3-2の前側は前側蓋部材5の凹部52-1、52-2で固定し、他方、棒状紫外線ランプ3-1、3-2の後側は長い通水管2をガイドとする短手方向サイズが小さい別体後側蓋部材6の観察容易な凹部62-1、62-2によって固定する。その際、前側蓋部材5と筒状ボディ1とをねじ締結し、別体後側蓋部材6と本体後側蓋部材7とをねじ締結し、本体後側蓋部材7と筒状ボディ1とをねじ締結した。これにより、棒状紫外線ランプ3-1、3-2の着脱は容易となる。
【0035】
図5は比較例として棒状紫外線ランプ固定工程及び本体後側蓋部材固定工程を説明するための斜視図である。
【0036】
図5の比較例では、図1図2の別体後側蓋部材6及び本体後側蓋部材7の代りに1つの短手方向サイズが大きい後側蓋部材7’を設けてある。すなわち、後側蓋部材7’においては、図4の本体後側蓋部材7のねじ穴73の代りに、棒状紫外線ランプ3-1、3-2用の凹部73’-1、73’-2を設ける。
【0037】
棒状紫外線ランプ固定工程及び本体後側蓋部材固定工程において、後側蓋部材7’の穴71に通水管2を通した後に、後側蓋部材7’を移動する。この結果、後側蓋部材7’の凹部73’-1、73’-2を棒状紫外線ランプ3-1、3-2の後側に当接させ、棒状紫外線ランプ3-1、3-2を筒状ボディ1内に固定する。また、同時に、後側蓋部材7’を筒状ボディ1の基台12に固定する。すなわち、後側蓋部材7’の穴71に通水管2の後側を通すと共に、後側蓋部材7’のリフレクタ用リング溝72をリフレクタ4の端部42に当接させる。そして、後側蓋部材7’と筒状ボディ1の基台12とをねじ穴74、12bを通すねじN3によって固定する。これにより、比較例の紫外線照射装置は完成する。
【0038】
このように、図5に示す比較例の紫外線照射装置によれば、棒状紫外線ランプ3-1、3-2を筒状ボディ1内に配置する際に、棒状紫外線ランプ3-1、3-2の前側は前側蓋部材5の凹部52-1、52-2で固定し、他方、棒状紫外線ランプ3-1、3-2の後側は後側蓋部材7’の凹部73’-1、73’-2によって固定するが、棒状紫外線ランプ3-1、3-2の前側を固定した不安定な片持状態で棒状紫外線ランプ3-1、3-2の後側を短手方向サイズが大きい後側蓋部材7’の隠れた凹部73’-1、73’-2の位置を推測して当接させて固定するのは非常に困難であり、作業能率は悪い。
【0039】
尚、上述の実施の形態において、筒状ボディ1は円筒状でなくともよい。たとえば楕円、長円、多角形等のアスペクト比の大きい長物であればよい。また、筒状ではなくともよい。たとえば、複数のアングル材、チャンネル材で構成され、筒状の部材によってリフレクタ等を完全に覆っていなくてもよい。
【0040】
また、棒状紫外線ランプ3-1、3-2は円筒状部品であるが、円筒状に限らず、楕円筒状、長円筒状、多角形筒状等の筒状でもよく、棒状紫外線ランプの数は、1個又は3個以上でもよい。また、棒状紫外線ランプの代りに他の棒状紫外線発光光源たとえば複数の紫外線発光ダイオード(LED)素子又は深紫外線発光ダイオード(LED)素子を棒状基板上に配列したものでもよい。
【0041】
また、ガイドとしての通水管2も、円筒状部品であるが、楕円筒状、長円筒状、多角形筒状等の筒状でもよく、通水管の数は2個以上でもよい。また、通水管の代りに、空気を通す通気管または固体たとえば氷を通す通固体管でもよい。
【0042】
さらにまた、処理水流入継手8を処理水流出継手とし、処理水流出継手9を処理水流入継手としてもよい。さらに、前側及び後側は説明の便宜上であり、いずれが前側、後側であってもよい。
【0043】
本発明は上述の実施の形態の自明の範囲内でのいかなる変更にも適用し得る。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係る紫外線照射装置は、水槽、浄水場、飲料水製造装置、純水製造装置、ウォータクーラ、ウォータサーバ、加湿器、食器洗浄器、洗濯機、デンタルチェア等における外照式水殺菌浄化装置に利用できる。また、ガイド部材を通気管又は通固体管とすることにより空気殺菌浄化装置又は固体表面殺菌浄化装置にも利用できる。
【符号の説明】
【0045】
1:筒状ボディ
11、12:基台
11a、12a:円形穴
11b、12b:ねじ穴
13:円筒
2:通水管(ガイド部材)
3-1、3-2:棒状紫外線ランプ
4:リフレクタ
41、42:端部
5:前側蓋部材(第1の蓋部材)
51:通水管用穴
52-1、52-2:棒状紫外線ランプ用凹部
53:リフレクタ用リング溝
54:基台結合用ねじ穴
55:処理水流入継手用雄ねじ部
6:別体後側蓋部材(第2の蓋部材)
61:通水管用穴
62-1、62-2:棒状紫外線ランプ用凹部
63:本体後側蓋部材用ねじ穴
7:本体後側蓋部材(第3の蓋部材)
7’:後側蓋部材(比較例)
71:通水管用穴
72:リフレクタ用リング溝
73:本体後側蓋部材用ねじ穴
73’-1、73’-2:棒状紫外線ランプ用凹部
74:基台結合用ねじ穴
75:処理水流出継手用雄ねじ部
8:処理水流入継手
81:前側蓋部材用段差
82:前側蓋部材用雌ねじ部
83:通水管用段差
8’:Oリング
9:処理水流出継手
91:本体後側蓋部材用段差
92:本体後側蓋部材用雌ねじ部
93:通水管用段差
9’:Oリング
図1
図2
図3
図4
図5