(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】間仕切り
(51)【国際特許分類】
E04B 2/74 20060101AFI20240827BHJP
E04B 2/78 20060101ALI20240827BHJP
E04C 2/42 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
E04B2/74 541P
E04B2/78
E04C2/42 E
(21)【出願番号】P 2020135651
(22)【出願日】2020-08-11
【審査請求日】2023-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼山 慶弘
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】実公昭38-002613(JP,Y1)
【文献】実開昭55-165061(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/72-2/82
E06B 3/54-3/88
E04C 2/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の縦枠部材と一対の横枠部材とを備える枠部材と、前記枠部材の内側領域において前記横枠部材と平行に配置される横桟部材とを備える間仕切りであって、
前記横桟部材は、前記横桟部材の長手方向に延び、かつ、パネル面に沿って延びる
一対の支持壁
であって、間にパネル要素を支持する支持溝を構成する前記支持壁と、
前記支持壁から前後方向に突出し、かつ、前記支持壁と長手方向へ平行に延びる突出部とを備え、
前記突出部は、前記支持壁よりも低く形成されている
間仕切り。
【請求項2】
一対の縦枠部材と一対の横枠部材とを備える枠部材と、前記枠部材の内側領域において前記縦枠部材と平行に配置される縦桟部材とを備える間仕切りであって、
前記内側領域において前記横枠部材と平行に配置される横桟部材を選択的に備え、前記横枠部材、および、前記横桟部材のうちの少なくとも1つが横要素であり、
前記縦桟部材は、前記横要素に対して接続されており、
さらに、前記横要素は、
前記横要素の長手方向に延び、前記横要素と前記縦桟部材との継ぎ目を覆う隠し部
を備え
、
さらに、前記横要素は、前記隠し部と平行であって、かつ、パネル面に沿って前記縦桟部材が延びる方向に突出する一対の支持壁であって、間にパネル要素を支持する支持溝を構成する前記支持壁を備え、
前記支持壁は、前記隠し部よりも高く形成されている
間仕切り。
【請求項3】
前記隠し部は、
前記パネル面と対向する方向から見たときに前記継ぎ目を覆う
請求項2に記載の間仕切り。
【請求項4】
前記隠し部は、前記横要素の長手方向に延び、かつ、前記縦桟部材が延びる方向に突出するリブである
請求項2または3に記載の間仕切り。
【請求項5】
前記隠し部は、その高さ寸法が前記継ぎ目の高さ方向の寸法より大きい
請求項2ないし4のうち何れか1項に記載の間仕切り。
【請求項6】
前記縦桟部材は、前記縦桟部材の各端部に取り付けられたキャップを介して前記横要素に接続され、
前記継ぎ目は、前記横要素と前記キャップとによって構成される
請求項2ないし5のうち何れか1項に記載の間仕切り。
【請求項7】
前記隠し部は、室内側に設けられている
請求項2ないし6のうち何れか1項に記載の間仕切り。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枠部材にパネル要素が支持された間仕切りに関する。
【背景技術】
【0002】
間仕切りとして、例えば特許文献1に示すような、格子によって複数の窓部が構成された間仕切りがある。一般的に、間仕切りは、横方向に一対の縦枠部材と上下方向に一対の横枠部材とで構成された矩形形状の枠部材を備えている。そして、枠部材の内側領域には、縦桟部材と横桟部材とが格子を構成するように配置され、格子を構成する正方形の窓部の各々は、格子を構成する縦横の桟部材および枠部材によって支持されたパネル要素によって塞がれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の間仕切りにあっては、間仕切りの強度部材である枠部材や桟部材を細くしたり、部材間の継ぎ目を目立たなくするなどして、間仕切り全体の意匠性向上が望まれている。
【0005】
本発明の目的は、意匠性の向上を可能とした間仕切りを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための間仕切りは、一対の縦枠部材と一対の横枠部材とを備える枠部材と、前記枠部材の内側領域において前記横枠部材と平行に配置される横桟部材とを備える間仕切りであって、前記横桟部材は、前記横桟部材の長手方向に延び、かつ、パネル面に沿って延びる支持壁と、前記支持壁から前後方向に突出し、かつ、前記支持壁と長手方向へ平行に延びる突出部とを備え、前記突出部は、前記支持壁よりも低く形成されている。
【0007】
上記課題を解決するための間仕切りは、一対の縦枠部材と一対の横枠部材とを備える枠部材と、前記枠部材の内側領域において前記縦枠部材と平行に配置される縦桟部材とを備える間仕切りであって、前記内側領域において前記横枠部材と平行に配置される横桟部材を選択的に備え、前記横枠部材、および、前記横桟部材のうちの少なくとも1つが横要素であり、前記縦桟部材は、前記横要素に対して接続されており、さらに、前記横要素と前記縦桟部材との継ぎ目を覆う隠し部をさらに備える。
【0008】
上記間仕切りにおいて、前記隠し部は、パネル面と対向する方向から見たときに前記継ぎ目を覆うようにしてもよい。
上記間仕切りにおいて、前記隠し部は、前記横要素の長手方向に延び、かつ、前記縦桟部材が延びる方向に突出するリブであってもよい。
【0009】
上記間仕切りにおいて、前記隠し部は、その高さ寸法が前記継ぎ目の高さ方向の寸法より大きくなるように構成してもよい。
上記間仕切りにおいて、前記縦桟部材は、前記縦桟部材の各端部に取り付けられたキャップを介して前記横要素に接続され、前記継ぎ目は、前記横要素と前記キャップとによって構成されるようにしてもよい。
【0010】
上記間仕切りにおいて、前記隠し部は、室内側に設けられているようにしてもよい。
上記間仕切りにおいて、前記横桟部材は、前記横要素の長手方向に延びる前記隠し部と平行であって、かつ、パネル面に沿って前記縦桟部材が延びる方向に突出しする支持壁を備え、前記支持壁は、前記隠し部よりも高く形成されているようにしてもよい。
【0011】
上記課題を解決するための間仕切りは、一対の縦枠部材と一対の横枠部材とを備える枠部材と、前記枠部材の内側領域において前記横枠部材と平行に配置される横桟部材とを備える間仕切りであって、前記横桟部材は、前記横桟部材の長手方向に延び、かつ、パネル面に沿って前記縦桟部材が延びる方向に突出しする支持壁と、前記支持壁と平行で、前記長手方向に延び、かつ、前記縦桟部材が延びる方向に突出するリブとを備え、前記支持壁は、前記隠し部よりも高く形成されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、縦桟部材と横要素の継ぎ目を看者から目立たなくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】パネル要素と縦枠部材と横桟部材と縦桟部材との関係を示すパネル部材の横断面図。
【
図4】パネル部材における縦桟部材が設けられた位置の縦断面図。
【
図5】上枠部材と縦桟部材と横桟部材の取付関係を示す分解斜視図。
【
図6】縦桟部材と下枠部材の取付関係を示す分解斜視図。
【
図7】横要素と縦桟部材の継ぎ目部分を示す断面図であって、(a)は、上枠部材と縦桟部材との継ぎ目を示し、(b)は、縦桟部材と横桟部材との継ぎ目を示し、(c)は縦桟部材と下枠部材との継ぎ目を示す。
【
図8】間仕切りの格子デザインの一例を示す正面図。
【
図9】間仕切りの格子デザインの一例を示す正面図。
【
図10】パネル要素が配置されていない窓部における縦桟部材と横桟部材と移動抑制部材との位置関係を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明が適用された横型ブラインドについて図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示すように、間仕切りは、引戸であって、上部レールに沿って移動する上ランナ2からパネル部材3が吊り下げ支持されるとともに、下ランナ4が下部レールに案内されることで、パネル部材3が移動方向である矢印D方向に移動する。間仕切りは、このようなパネル部材3が上部レールと下部レールに沿って複数並設され、各パネル部材3が矢印D方向に移動し得るように構成されている。このような間仕切りは、室内を仕切る間仕切りとして使用することもできるし、室内と室外とを仕切る間仕切りとしても使用することができる。パネル部材3において、移動方向に沿う前面および後面は、パネル要素11によって意匠が施されるパネル面である。
【0015】
パネル部材3は、パネル要素11と、縦要素の1つであって左右(横方向)で一対の縦枠部材12,13と、横要素の1つであって上下(縦方向)で一対の上枠部材14および下枠部材15とを備えている。上枠部材14は、横方向に離間して一対の上ランナ2を備え、下枠部材15は、横方向に離間して一対の下ランナ4を備えている。横枠部材である上枠部材14および下枠部材15、ならびに、一対の縦枠部材12,13は、全体で枠部材18を構成する。そして、枠部材18で囲まれた内側領域は、1つまたは複数のパネル要素11が配置される。また、内側領域は、パネル要素11を支持する横要素である横桟部材16および縦要素である縦桟部材17(17a,17b)を備えている。横桟部材16および縦桟部材17(17a,17b)は、枠部材18の骨組みとなる桟部材である。
【0016】
なお、縦桟部材17aは、上枠部材14または下枠部材15と隣り合う横桟部材16との間に配置される部材であり、縦桟部材17bは、横桟部材16の間に接続される部材である。以下、縦桟部材17a,17bをまとめて、縦桟部材17ともいう。
【0017】
〔パネル要素〕
図2に示すように、パネル要素11は、意匠部材21と、意匠部材21を挟持する一対の支持部材22とを備えている。意匠部材21は、一例として、不織布、和紙、布、合成樹脂シートなどの可撓性を有するシートである。これらを素材とした意匠部材21は、裁断時にも解れが生じにくく、取り扱いが容易である。意匠部材21は、各面に、様々な模様が印刷によって形成され意匠が施されている。また、意匠部材21は、一方の面、または、両面が無地であってもよい。ここで、意匠部材21は、柄が織られた布である。意匠部材21は、可撓性を有したシートでもよいし、可撓性を有しないシートであってもよい。
【0018】
支持部材22は、塩化ビニルシートなどの熱可塑性樹脂シートである。これにより、支持部材22は、意匠部材21と熱圧着によって一体化することができる。また、支持部材22は、光透過性を有するシートである。光透過性を有する場合、支持部材22は、透明であってもよいし、半透明であってもよい。これにより、支持部材22は、意匠部材21を挟み込んだとき、外方から看者が意匠部材21の柄を視認できる。支持部材22は、柄などが印刷されていてもよく、この場合、意匠部材21の柄と支持部材22の柄とで立体的で複合的デザインとすることができる。さらに、意匠部材21が可撓性を有する場合、支持部材22も可撓性を有することで、パネル要素11そのものに可撓性を付与することができる。また、支持部材22を剛性を有する支持板としたときには、パネル要素11そのものを剛性を有するパネル板とすることができる。
【0019】
パネル要素11は、支持部材22を1枚だけで構成することもできる。支持部材22を1枚だけで構成する場合、例えば、支持部材22は、意匠部材21の一方の面全体に配置される。そして、意匠部材21は、枠部材18や横桟部材16や縦桟部材17に隠れる部分において、接着剤や両面テープなどの固定部材で支持部材22に対して固定される。また、パネル要素11は、意匠部材21を挟むことなく支持部材22を2枚で構成してもよい。この場合、2枚の支持部材22は、光透過性または遮光性を有する可撓性シートとすることもできるし、光透過性または遮光性を有する撓みにくい剛性板材とすることもできる。さらに、1枚を光透過性または遮光性を有する可撓性シートとし、他方を光透過性または遮光性を有する剛性板材とすることもできる。光透過性の剛性板材としては、たとえばアクリル板などを使用できる。
【0020】
さらに、パネル要素11は、意匠部材21に合成樹脂を含浸させたシート材だけで構成することもできるし、さらにこのシート材に防炎剤が練り込んで構成することもできる。
また、パネル要素11は、1枚の支持部材22に対して意匠部材21の片を貼り付ける構成とすることもできる。すなわち、1枚の支持部材22に意匠部材21が部分的に配置することもできる。
【0021】
以上のように構成されたパネル要素11は、上枠部材14と横桟部材16との間、互いに隣接する2つの横桟部材16の間、および、横桟部材16と下枠部材15との間に配置される。例えば、
図1に示すパネル部材3は、上下方向に6段有し、段ごとに、横長のパネル要素11が嵌め込まれている。すなわち、各パネル要素11は、短辺(縦方向)が1段分の寸法で、長辺(横方向)が縦枠部材12,13間の寸法を有した矩形形状のシート材で構成されている。また、パネル要素11は、厚さ(支持部材22+意匠部材21+支持部材22)が、数ミリ、好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは3mm程度である。
【0022】
〔縦枠部材〕
図3に示すように、縦枠部材12,13、縦框としての縦枠26を備えている。なお、
図3では、パネル要素11と縦枠部材12と横桟部材16と縦桟部材17との関係を示している。縦枠26は、アルミなどの金属形材であり、中空部材である。縦枠26の外側側面は、ゴム材などで構成されたクッション27が設けられている。また、縦枠26の内側側面は、パネル要素11の縦縁部を支持する縦支持溝28を備えている。縦支持溝28には、ゴム材などで構成された縦スペーサ29を嵌め込まれている。縦スペーサ29は、長尺部材であって、断面V字形状を有し、その谷部にパネル要素11の縦縁部が嵌め込まれる。これにより、パネル要素11の縦縁部は、縦スペーサ29を介して縦支持溝28に支持される。縦スペーサ29は、縦方向に複数本が並設されてもよいが、ここでは、上枠部材14と下枠部材15との間にほぼ相当する長さを有している。パネル要素11は、縦スペーサ29が弾性を有することで、縦枠部材12,13に対して前後方向に若干変位することができる。
【0023】
〔上枠部材〕
図4および
図5に示すように、上枠部材14は、上框としての上枠31を備えている。上枠31は、アルミなどの金属形材であり、中空部材である。上枠31は、上枠31内に配置されて上枠31の上面より上方に延びる上側軸部材32を備えている。上側軸部材32は、その上側の先端部に上部レールに係合されるローラ部材33を備えている。上枠31の前壁31aおよび後壁31bには、上方に向かって上側覆い部材34を備えている。前後の上側覆い部材34は、上側軸部材32を挟むように配置されることで、前壁31aおよび後壁31bと上部レールとの間の隙間を覆い、上側軸部材32の一部が露出することを防止する。上側覆い部材34は、基端部に係合片34aを備え、前壁31aおよび後壁31bの上端に設けられた取付溝34bに係合されることによって取り付けられる。
【0024】
上枠31の下面は、パネル要素11の上縁部を支持する上支持溝35を備えている。上支持溝35には、ゴム材などで構成された上スペーサ35aを嵌め込まれ、パネル要素11の上縁部は、上スペーサ35aを介して上支持溝35に支持される。上スペーサ35aは、縦スペーサ29と同じ構成を有した部材である。上スペーサ35aは、横方向に複数本が並設されてもよいが、ここでは、上枠部材14の長手方向の長さにほぼ相当する長さを有している。パネル要素11は、上スペーサ35aが弾性を有することで、上枠部材14に対して前後方向に若干変位することができる。
【0025】
前壁31aおよび後壁31bの下端は、上係合溝35bが設けられた面よりも下側に突出した上リブ31c,31d(
図5参照)を備えている。上リブ31c,31dは、隠し部であって、上枠部材14と縦桟部材17aの第1端部51との継ぎ目を隠し、パネル面と対向する方向から見えにくくする。上リブ31c,31dと上支持溝35との間は、縦桟部材17の第1端部51が突き当てられ係合される上係合溝35bとなる部分であって、上支持溝35を挟んだ両側は、同じ高さの平坦面を構成する。
【0026】
〔下枠部材〕
図4および
図6に示すように、下枠部材15は、下框としての下枠36を備えている。下枠36は、アルミなどの金属形材であり、中空部材である。下枠36は、下枠36内に配置されて下枠36の下面より下方に延びる下側軸部材37を備えている。下側軸部材37には、その下側の先端部に下部レールに係合されるスライダ38が設けられている。下枠36の前壁36aおよび後壁36bには、下方に向かって下側覆い部材39を備えている。下側覆い部材39は、基端部に係合片39aを備え、前壁36aおよび後壁36bの下端に設けられた取付溝39bに係合されることによって取り付けられる。
【0027】
下枠36の下面は、パネル要素11の下縁部を支持する下支持溝40を備えている。下支持溝40には、ゴム材などで構成された下スペーサ40aが嵌め込まれ、パネル要素11の下縁部は、下スペーサ40aを介して下支持溝40に支持される。下スペーサ40aは、縦スペーサ29や上スペーサ35aと同じ構成を有した部材である。下スペーサ40aは、横方向に複数本が並設されてもよいが、ここでは、下枠部材15の長手方向の長さにほぼ相当する長さを有している。パネル要素11は、下スペーサ40aが弾性を有することで、下枠部材15に対して前後方向に若干変位することができる。
【0028】
前壁36aおよび後壁36bの上端は、下係合溝40bが設けられた面よりも上側に突出した下リブ36c,36d(
図6参照)を備えている。下リブ36c,36dは、隠し部であって、下枠部材15と縦桟部材17との継ぎ目を隠し、パネル面と対向する方向から見えにくくする。下リブ36c,36dと下支持溝40との間は、縦桟部材17の端部が突き当てられ係合される下係合溝40bとなる部分であって、下支持溝40を挟んだ両側の片は、同じ高さの平坦面を構成する。
【0029】
〔横桟部材〕
図4および
図5に示すように、横桟部材16は、縦枠部材12,13の間隔にほぼ等しい長さを有する細長部材であって、アルミなどの金属形材であり、中空部材である。上枠部材14、下枠部材15、および、縦枠部材12,13で囲まれた内側領域において、横桟部材16の本数はデザイン設計に従って決められる。横桟部材16は、パネル要素11の下縁を支持する上側支持構造部41aと、パネル要素11の上縁を支持する下側支持構造部41bとを備えている。なお、上側支持構造部41aおよび下側支持構造部41bは、上下に線対称の形状を有するため、以下、単に支持構造部41ともいう。
【0030】
支持構造部41は、相対する一対の支持壁42と、一対の支持壁42の間に設けられる支持溝43と、縦桟部材17の端部が係合される係合溝44と、係合溝44の外側に設けられるリブ45(
図5参照)とを備えている。一対の支持壁42は、パネル要素11の縁部が挿入可能なように離間しており、その間にV溝形状を有した支持溝43を構成している。
【0031】
一対の支持壁42は、係合溝44の底面に対して垂直壁であって、パネル要素11のパネル面に沿うように位置する。一対の支持壁42は、係合溝44の底面である基端から先端までの高さが、一対の支持壁42の間にスペーサ46を収容可能な高さであって、パネル要素11を支持可能な高さに設定されている。また、支持壁42は、パネル要素11や縦枠部材12,13を支持するための強度を維持できる最低限の厚さ有し、または、それより若干厚く形成されている。このように、支持壁42は、薄く形成することによって、パネル面から必要以上に突出することを抑えている。
【0032】
支持溝43内には、ゴム材などで構成されたスペーサ46が嵌め込まれ、パネル要素11の縁部は、スペーサ46を介して支持溝43に支持される。スペーサ46は、縦スペーサ29や上スペーサ35aや下スペーサ40aと同じ構成を有した部材である。スペーサ46は、横方向に複数本が並設されてもよいが、ここでは、横桟部材16の長手方向の長さにほぼ相当する長さを有している。パネル要素11は、スペーサ46が弾性を有することで、横桟部材16に対して前後方向に若干変位することができる。
【0033】
係合溝44は、支持溝43の両側に支持壁42を介して設けられた凹条部である。すなわち、各係合溝44は、支持壁42とリブ45との間に構成され、縦桟部材17の端部が係合される。リブ45は、隠し部であって、リブ45と支持壁42とは、互いに平行である。リブ45は、縦桟部材17が横桟部材16から延びる方向に突出しており、横桟部材16と縦桟部材17の第2端部61との継ぎ目を隠し、パネル面と対向する方向から見たとき見えにくくする。
【0034】
また、支持壁42の基端から先端までの高さは、リブ45の基端から先端までの高さよりも高く設定されている。そして、支持壁42高さとリブ45の高さに大きな差がある。横桟部材16の支持構造部41a,41bは、間仕切りの通常の使用において、看者からパネル面と対向する方向であって、かつ、斜め上方や斜め下方から視認されることが多い。横桟部材16は、縦桟部材17を支持するための幅が最低限必要であるが、支持壁42高さとリブ45の高さに大きな差によって、看者に対して、支持壁42からリブ45までの寸法を小さく見せることができる。すなわち、パネル面から横桟部材16の突出量を小さく見せ、横桟部材16を細く見せることができる。
【0035】
換言すると、横桟部材16は、一対の支持壁42が前後方向に並設されているところ、前方の支持壁42からは、係合溝44およびリブ45の部分が前方に突出した突出部が構成されており、後方の支持壁42からは、係合溝44およびリブ45の部分が後方に突出した突出部が構成されている。横桟部材16は、支持壁42から突出した突出部の突出量を、支持壁42高さとリブ45の高さに大きな差によって、看者に対して小さく見せるようにしている。
【0036】
以上のように構成された横桟部材16は、一対の縦枠部材12,13に対して固定手段によって固定されるのではなく、上側支持構造部41aの支持溝43にパネル要素11の下縁部が支持され、下側支持構造部41bの支持溝43にパネル要素11の上縁部が支持されることによって、上下方向の高さが位置決めされる。横桟部材16の縦枠部材12,13との継ぎ目を構成する端部は、後述のキャップ52,63といった接続部材を備えておらず、縦支持溝28が設けられた面に突き当てられ位置決めされるだけである。
【0037】
〔縦桟部材およびキャップ〕
図5および
図6に示すように、縦桟部材17は、上枠部材14に接続される縦桟部材17aと、横桟部材16の間に配設される縦桟部材17bと、下枠部材15に接続される縦桟部材17aとがある。この中で、上枠部材14に接続される縦桟部材17aおよび下枠部材15に接続される縦桟部材17aは、上下を逆にして使用されるものであり、同じ部材である。
【0038】
上枠部材14および下枠部材15に接続可能な縦桟部材17aは、内部が長尺の中空部材であって、全体形状が四角柱形状である。例えば、縦桟部材17aは、アルミなどの金属形材である。そして、縦桟部材17aは、パネル要素11を前後から挟むようにして、パネル要素11の各面に延在される。上枠部材14および下枠部材15に接続される第1端部51は、開口端が面一で矩形形状を有している。第1端部51は、第1キャップ52が取り付けられ、この第1キャップ52を介して上枠部材14の上係合溝35bや下枠部材15の下係合溝40bに係合される。第1端部51は、段差を有しない面一の開口端を備えている。
【0039】
第1端部51に配置される第1キャップ52は、縦桟部材17aとは異なる材料の弾性部材であって、ここでは縦桟部材17が金属形材であるのに対して、ウレタンゴムなどの弾性を有する合成樹脂材料による成形品である。第1キャップ52は、第1端部51の挿入空間53に挿入される挿入部54と、第1端部51の開口端に係止される係止部55とを備えている。挿入部54は、挿入空間53に挿入可能な四角柱形状を有している。
【0040】
挿入部54は、相対する側面に、挿入空間53を構成する壁部内面に圧接される圧入突部54aを備えている。圧入突部54aは、挿入空間53への挿入方向に延びる突条部であって、挿入端は、テーパ部を備え、挿入空間53に対する挿入案内部となっている。圧入突部54aは、挿入部54において、相対する側面の各々において、互いに平行に2本ずつ設けられている。各圧入突部54aの頂面は、挿入空間53の壁部内面に圧接される圧接面となる。挿入部54の相対する各側面において、互いに平行な圧入突部54aの間は、案内溝54bが構成される。圧入突部54aが圧接される挿入空間53を構成する壁部内面は、挿入案内部53aを備えている。挿入案内部53aは、長手方向に延びる突片であって、案内溝54bに挿入される。
【0041】
係止部55は、挿入部54の一端部に平坦な面が広がって構成されており、挿入部54に対して外側に張り出して構成されている。係止部55は、挿入部54が挿入空間53に挿入された際に、第1端部51の開口端に係止される。係止部55は、その表面に突起部56を備えている。突起部56は、上枠部材14の上係合溝35bに設けられた孔部57および下枠部材15の下係合溝40bに設けられた孔部57に係合される。孔部57は、デザインによって決められる上枠部材14および下枠部材15に対する縦桟部材17の横方向の位置に合わせて設けられている。平坦な係止部55は、上枠部材14の上係合溝35bや下枠部材15の下係合溝40bに係合される。この際、突起部56は、孔部57に対して第1キャップ52の全体の弾性を利用して確実に係合される。上係合溝35bおよび下係合溝40bも平坦であることから、係止部55が上係合溝35bおよび下係合溝40bに係合されたとき、その継ぎ目は、極細の凹溝となって表れることになる。
【0042】
縦桟部材17aにおいて、第1端部51とは反対側の第2端部61は、横桟部材16と接続される端部であって、横桟部材16の支持壁42を逃げる係合凹部62を備えている。係合凹部62は、第2端部61をL字形状に切り欠いて構成されている。第2端部61は、第2キャップ63が取り付けられ、この第2キャップ63を介して横桟部材16の支持構造部41の係合溝44に係合される。
【0043】
第2端部61に配置される第2キャップ63も、第1キャップ52と同様に、金属形材である縦桟部材17aとは異なる弾性部材であって、ここでは弾性を有する合成樹脂材料による成形品である。第2キャップ63は、第2端部61の挿入空間64に挿入される挿入部65と、第2端部61の開口端に係止される係止部66とを備えている。第2端部61は、係合凹部62が設けられることで、先端部61aと基端部61bとを備えている。これに対応して、挿入部65は、先端部61aの挿入空間64に挿入される先端挿入部65aと、基端部61bの挿入空間に挿入される基端挿入部65bとを備えている。
【0044】
挿入部65は、相対する側面に、挿入空間を構成する壁部内面に圧接される圧入突部67を備えている。圧入突部67は、挿入空間への挿入方向に延びる突条部であって、挿入端は、テーパ部を備え、挿入空間53に対する案内部となっている。圧入突部67は、挿入部65において、相対する側面の各々において、互いに平行に2本ずつ設けられている。挿入部65の相対する各側面において、互いに平行な圧入突部67の間は、案内溝68が構成される。圧入突部67が圧接される挿入空間を構成する壁部内面は、挿入案内部68aを備えている。挿入案内部68aは、長手方向に延びる突片であって、案内溝68に挿入される。
【0045】
係止部66は、挿入部65の端部にL字面を構成しており、先端挿入部65aおよび基端挿入部65bに対して外側に張り出して構成されている。係止部66は、挿入部65が挿入空間に挿入された際に、第2端部61の開口端に係止される。係止部66は、先端挿入部65aの位置に突起部69を備えている。突起部69は、支持構造部41の係合溝44に設けられた孔部70に係合される。この際、突起部69は、孔部70に対して第2キャップ63の全体の弾性を利用して確実に係合される。係止部66は、支持構造部41の支持壁42および係合溝44に沿う形状を有していることから、先端挿入部65aの位置が係合溝44に係合されたとき、その継ぎ目は、極細の凹溝となって表れることになる。
【0046】
なお、横桟部材16の間に配設される縦桟部材17bは、長手方向において相対する第3端部71と第4端部72を備える。端部71,72は、係合凹部62を備えた第2端部61と同様な構成をしており、第2キャップ63が取り付けられる。
【0047】
縦桟部材17aは、各端部に第1キャップ52および第2キャップ63を取り付けた状態で、隣り合う上枠部材14と横桟部材16との間、および、隣り合う下枠部材15と横桟部材16との間に嵌め込み、当該間を横方向に移動させる。すると、縦桟部材17aは、孔部57,70に至ったところで、自ずと突起部56,69が孔部57,70に係合する。したがって、縦桟部材17aの取付作業が容易である。
【0048】
縦桟部材17bも、各端部に第2キャップ63を取り付けた状態で、隣り合う横桟部材16の間に嵌め込み、当該間を横方向に移動させる。すると、縦桟部材17bは、孔部70に至ったところで、自ずと突起部69が孔部70に係合する。したがって、縦桟部材17bの取付作業が容易である。
【0049】
〔継ぎ目とリブの関係〕
図7(a)に示すように、上枠部材14と縦桟部材17aの第1端部51との継ぎ目76は、極細の凹溝となって表れることになる。上枠部材14は、継ぎ目76よりも前後方向に外側であって上係合溝35bの長手方向に延びる縁部に上リブ31c,31dを備えている。上リブ31c,31dは、上係合溝35bに対して縦桟部材17aが延びる下方に突出している。ここで、上リブ31c,31dの上係合溝35bの底面から先端までの高さ寸法H1は、係止部55の厚さ寸法T1と同じ、または、厚さ寸法T1よりも大きい。これにより、この継ぎ目76は、上リブ31c,31dの影となってユーザなどの看者からは見えにくくなる。具体的には、第1キャップ52の係止部55は、上枠部材14や縦桟部材17aと材料が異なるため、目立つ傾向にあるが、上リブ31c,31dによって、パネル面と対向する方向から見たとき看者から見えにくくできる。
【0050】
また、継ぎ目76は、重力によって縦桟部材17aが下方に偏ることから、極細の凹溝といっても隙間が形成されることになる。上リブ31c,31dは、その高さ寸法H1が継ぎ目76の高さ方向の寸法よりも大きく設定され、継ぎ目76を隠し、見えにくくしている。
【0051】
図7(b)に示すように、支持構造部41(41a,41b)と端部61,71,72との継ぎ目77,78も、極細の凹溝となって表れることになる。支持構造部41は、継ぎ目よりも前後方向に外側であって係合溝44の長手方向に延びる縁部にリブ45を備えている。具体的に、上側支持構造部41aのリブ45は、縦桟部材17a,17bが延びる上方に向かって突出している。また、下側支持構造部41bのリブ45は、縦桟部材17a,17bが延びる下方に向かって突出している。ここで、リブ45の係合溝44の底面からの高さ寸法H2は、係止部66の厚さ寸法T2と同じ、または、厚さ寸法T2よりも大きい。これにより、この継ぎ目77,78は、リブ45の影となってユーザなどの看者からは見えにくくなる。具体的には、第2キャップ63の係止部66は、横桟部材16や縦桟部材17a,17bと材料が異なるため、目立つ傾向にあるが、リブ45によって、パネル面と対向する方向から見たとき看者から見えにくくできる。
【0052】
また、上側支持構造部41aと端部61,71,72との継ぎ目77は、重力によって縦桟部材17a,17bが下方に偏ることから、隙間は殆ど形成されない。リブ45は、その高さ寸法H2が自ずと継ぎ目78の高さ方向の寸法よりも大きく設定され、このような微小な継ぎ目77であっても隠し、見えにくくしている。
【0053】
一方で、下側支持構造部41bと端部61,71,72との継ぎ目78は、重力によって縦桟部材17aが下方に偏ることで、極細の凹溝といっても隙間が形成されることになる。リブ45は、その高さ寸法H2が継ぎ目77の高さ方向の寸法よりも大きく設定され、継ぎ目78を隠し、見えにくくしている。
【0054】
図7(c)に示すように、下枠部材15と縦桟部材17aの第1端部51との継ぎ目79は、極細の凹溝となって表れることになる。下枠部材15は、継ぎ目79よりも前後方向に外側であって下係合溝40bの長手方向に延びる縁部に下リブ36c,36dを備えている。下リブ36c,36dは、下係合溝40bに対して縦桟部材17aが延びる上方に突出している。ここで、下リブ36c,36dの下係合溝40bの底面からの高さ寸法H1は、係止部55の厚さ寸法T1と同じ、または、厚さ寸法T1よりも大きい。これにより、この継ぎ目79は、下リブ36c,36dの影となってユーザなどの看者からは見えにくくなる。具体的には、第1キャップ52の係止部55は、下枠部材15や縦桟部材17aと材料が異なるため、目立つ傾向にあるが、下リブ36c,36dによって、パネル面と対向する方向から見たとき看者から見えにくくできる。
【0055】
また、継ぎ目79は、重力によって縦桟部材17aが下方に偏ることで、隙間は殆ど形成されない。したがって、下リブ36c,36dは、その高さ寸法H1が自ずと継ぎ目79の高さ方向の寸法よりも大きく設定され、このような微小な継ぎ目79であっても隠し、見えにくくしている。
【0056】
〔縦桟部材とパネル要素との関係〕
図3に示すように、ここで、縦桟部材17a,17bとパネル要素11との関係を説明すると、縦桟部材17aは、第1端部51が第1キャップ52によって上枠部材14および下枠部材15に対してがたつくことなく確実に固定されている。また、縦桟部材17a,17bは、端部61,71,72が横桟部材16の支持構造部41に対してがたつくことなく確実に固定されている。このように縦桟部材17a,17bは、上枠部材14および下枠部材15ならびに横桟部材16に接続されている状態において、パネル要素11の表面との間に隙間73が設けられており、パネル要素11に対して非接触とされている。これにより、縦桟部材17a,17bは、パネル要素11の表面に接触して、汚損することを抑制している。また、間仕切りの設置後において、パネル要素11の表面に剥離可能に貼着されている保護シートを容易に剥がすことができる。すなわち、縦桟部材17a,17bの部分において、保護シートが縦桟部材17a,17bに引っかかって残存してしまうことを防ぐことができる。
【0057】
〔パネル部材のデザイン〕
ところで、縦桟部材17a,17bは、上枠部材14および下枠部材15に対して、第1キャップ52の突起部56を上枠部材14および下枠部材15の孔部57に係合し、横桟部材16に対して、第2キャップ63の突起部69を支持構造部41の孔部70に係合することで接続される。したがって、縦桟部材17a,17bの位置の変更は、上枠部材14および下枠部材15の孔部57および支持構造部41の孔部70の位置を変更するだけで良い。
【0058】
例えば、
図1では、縦桟部材17は等間隔に配置されており、また、横桟部材16も等間隔に配置されているため、全ての窓部81は、同じ正方形である。これに対して、
図8では、縦桟部材17の間隔を等間隔とせず、3列中で真ん中の2列目を、1列目と3列目と比較し幅狭にしている。すなわち、1列目と3列目の窓部82は、ほぼ正方形であるが、2列目の窓部83は、縦長の長方形となる。
図8のデザインは、
図1の上枠部材14および下枠部材15の孔部57および支持構造部41の孔部70の位置を変更するだけで実現することができる。
【0059】
また、パネル部材3は、複数の横桟部材16および縦桟部材17で格子を設け、複数の窓部を構成することができる。そして、場所によって、縦桟部材17を配置したり、省略することによって、窓部を様々な形状や大きさにすることができる。
【0060】
例えば
図9に示すように、1段目のパネル要素11は、長辺(横方向)が縦枠部材12,13間の寸法で、短辺(縦方向)が1段分の寸法を有した横長のパネル要素が用いられている。また、1段目は、縦桟部材17を使用しないデザインとなっている。2段目は、2本の縦桟部材17が使用され、3つの窓部が設けられている。そして、右側と左側の窓部は、パネル要素11で塞がれているが、中央の窓部は、パネル要素11で塞がれておらず貫通している。2段目の左右の窓部は、各窓部の大きさに対応した大きさのパネル要素11が使用される。3段目のパネル要素11も、1段目と同様、長辺(横方向)が縦枠部材12,13間の寸法で、短辺(縦方向)が1段分の寸法を有した横長のパネル要素が用いられている。3段目は、2段目と同様に、2本の縦桟部材17を使用し、3つの窓部が設けたデザインとなっている。なお、ここでは、パネル要素11で塞がれた窓部を第1窓部86といい、貫通した窓部を第2窓部87という。2段目において、第1窓部86と第2窓部87とは、横方向に並んだ部分が横並び部分である。
【0061】
ここで、1段目の第1窓部86では、パネル要素11に、例えば支持部材22を1枚だけで構成したり、意匠部材21を挟むことなく2枚で構成した光透過性または遮光性のシートで構成する。2段目において、左右の第1窓部86は、柄Aを有した意匠部材21を2枚の支持部材22で挟んだシートで構成する。3段目において、3つの第1窓部86は、柄Bを有した意匠部材21を2枚の支持部材22で挟んだシートで構成する。2段目の左右の第1窓部86は、各窓部の大きさに対応した大きさのパネル要素11が使用されることになる。
【0062】
2段目においては、左右の窓部が第1窓部86であり、第1窓部86とほぼ同じ大きさのパネル要素11が配置されている。これに対して、第2窓部87は、パネル要素11が配置されておらず貫通している。したがって、このままでは、左右の第1窓部86のパネル要素11は、パネル部材3の移動時における振動といった通常の使用で発生する振動やそれ以上の振動が加わったときに、中央の第2窓部87の方向に支持溝43に沿って移動してしまうおそれがある。そこで、第2窓部87において、上側に位置する横桟部材16の下側支持構造部41bの支持溝43および下側に位置する上側支持構造部41aの支持溝43には、移動抑制部材88が配置される。
【0063】
具体的に、支持溝43内には、スペーサ46が配置されているが、移動抑制部材88は、スペーサ46内に配置される。
図10に示すように、移動抑制部材88は、第2窓部87の横方向の寸法に対応する長さを有した直線状の棒状部材である。棒状の移動抑制部材88の各端部は、第2窓部87に対して左右両側の第1窓部86に配置されているパネル要素11の縁部に近接する。ここで、移動抑制部材88は、隣接するパネル要素11に押されても変形しない程度の剛性を有している。したがって、左右両側の第1窓部86に配置されているパネル要素11が第2窓部87の方向に移動しようとしても、移動抑制部材88の端部に当接することで、移動が抑制される。
【0064】
以上のような間仕切りは、以下のように列挙する効果を得ることができる。
(1-1)支持壁42の基端から先端までの高さは、リブ45の基端から先端までの高さよりも高く設定されている。そして、支持壁42高さとリブ45の高さに大きな差がある。横桟部材16の支持構造部41a,41bは、間仕切りの通常の使用において、看者からパネル面と対向する方向であって、かつ、斜め上方や斜め下方から視認されることが多い。横桟部材16は、縦桟部材17を支持するための幅が最低限必要であるが、支持壁42高さとリブ45の高さに大きな差によって、看者に対して、支持壁42からリブ45までの突出量の寸法を小さく見せることができる。すなわち、パネル面から横桟部材16の突出量を小さく見せ、横桟部材16を細く見せることができる。
【0065】
(1-2)上枠部材14と縦桟部材17aの端部51との継ぎ目は、上リブ31c,31dの影となってユーザなどの看者からは見えにくくなる。
また、横桟部材16の支持構造部41(41a,41b)と縦桟部材17a,17bの端部61,71,72との継ぎ目も、リブ45の影となってユーザなどの看者からは見えにくくなる。
【0066】
さらに、下枠部材15と縦桟部材17aの端部51との継ぎ目も、下リブ36c,36dの影となってユーザなどの看者からは見えにくくなる。
(1-3)第1キャップ52は、挿入部54を挿入空間53へ挿入するだけで縦桟部材17a,17bに対して確実に取り付けることができる。
【0067】
(1-4)第1キャップ52は、弾性材料の成型品であることから、弾性を利用して、上枠部材14の上係合溝35bや下枠部材15の下係合溝40bに対して密着される。したがって、縦桟部材17aと上枠部材14の上係合溝35bや下枠部材15の下係合溝40bとの継ぎ目を小さく目立たなくすることができる。また、第2キャップ63も、弾性を利用して、横桟部材16の係合溝44に対して密着される。したがって、縦桟部材17bと横桟部材16の係合溝44との継ぎ目を小さく目立たなくすることができる。
【0068】
(1-5)第1キャップ52および第2キャップ63は、樹脂成型品であり、製造が容易である。また、縦桟部材17a,17bも金属形材であり、押し出し成型により容易に製造することができる。そして、第1キャップ52および第2キャップ63を樹脂成型品とし、縦桟部材17a,17bを金属形材とすることで、自ずと、第1キャップ52および第2キャップ63を縦桟部材17a,17bよりも弾性を有するように構成することができる。
【0069】
(1-6)上リブ31c,31dの上係合溝35bの底面からの高さ寸法H1は、係止部55の厚さ寸法T1と同じ、または、厚さ寸法T1よりも大きい。これにより、この継ぎ目や係止部55は、上リブ31c,31dの影となってユーザなどの看者からは見えにくくなる。
【0070】
また、リブ45の係合溝44の底面からの高さ寸法H2は、係止部66の厚さ寸法T2と同じ、または、厚さ寸法T2よりも大きい。これにより、この継ぎ目や係止部66は、リブ45の影となってユーザなどの看者からは見えにくくなる。
【0071】
さらに、下リブ36c,36dの下係合溝40bの底面からの高さ寸法H1は、係止部55の厚さ寸法T1と同じ、または、厚さ寸法T1よりも大きい。これにより、この継ぎ目や係止部55は、下リブ36c,36dの影となってユーザなどの看者からは見えにくくなる。
【0072】
(1-7)上枠部材14と縦桟部材17aの第1端部51との継ぎ目76において、上リブ31c,31dは、その高さ寸法H1が継ぎ目76の高さ方向の寸法よりも大きく設定され、継ぎ目76を隠し、パネル面と対向する方向から見たとき見えにくくできる。
【0073】
また、上側支持構造部41aと端部61,71,72との継ぎ目77において、リブ45は、その高さ寸法H2が継ぎ目77の高さ方向の寸法よりも大きく設定され、継ぎ目77を隠し、パネル面と対向する方向から見たとき見えにくくできる。
【0074】
また、下側支持構造部41bと端部61,71,72との継ぎ目78において、リブ45は、その高さ寸法H2が自ずと継ぎ目78の高さ方向の寸法よりも大きく設定され、継ぎ目78を隠し、パネル面と対向する方向から見たとき見えにくくできる。
【0075】
さらに、下枠部材15と縦桟部材17aの第1端部51との継ぎ目79において、下リブ36c,36dは、その高さ寸法H1が自ずと継ぎ目79の高さ方向の寸法よりも大きく設定され、継ぎ目79を隠し、パネル面と対向する方向から見たとき見えにくくできる。
【0076】
(1-8)室内側に臨み、目に付きやすい継ぎ目を室内側に位置するリブ31c,31d,36c,36d,45で見えにくくすることができる。
〔第2実施形態〕
図11に示すように、第2実施形態として間仕切りは、折戸であって、2枚のパネル部材91a、91bが一対とされて、2枚のパネル部材91a、91bは、ヒンジを介して連結されている。この一対を構成する2枚のパネル部材91a、91bが折り畳まれた折り畳み状態と、1枚の板状に伸張された伸張状態との間で変位する。各パネル部材91a、91bは、第1実施形態と同様に、縦要素の1つであって左右(横方向)で一対の縦枠部材92,93と、横要素の1つであって上下(縦方向)で一対を構成する上枠部材94および下枠部材95とを備えている。上枠部材94は、横方向の中央に1つ上ランナ101を備え、下枠部材95は、横方向の中央に1つ下ランナ102を備えている。上枠部材94および下枠部材95、ならびに、一対の縦枠部材92,93は、全体で枠部材96を構成し、枠部材96で囲まれた内側領域は、1つまたは複数のパネル要素97が配置される。また、内側領域は、枠部材の骨組みとなるとともにパネル要素11を支持する縦桟部材98および横桟部材99を備えている。このような間仕切りは、2枚のパネル部材91a、91bを折り畳むことで折戸として使用できるとともに、伸張状態にある場合には、引戸として使用できる。
【0077】
以上のような第2実施形態の間仕切りにおいて、各パネル部材91a、91bは、第1実施形態と同様にして縦桟部材98と横桟部材99によって格子が設けられている。したがって、第2実施形態も、各パネル部材91a、91bについて、第1実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
【0078】
なお、第1実施形態および第2実施形態は、さらに、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・例えば室内と室外を仕切る間仕切りにおいて、室外側に位置するリブ31c,31d,36c,36d,45は、室外側の継ぎ目が目立たないことから省略してもよい。これにより、上枠部材14、下枠部材15、横桟部材16の構造を簡素化することができる。また、上枠部材14、下枠部材15、横桟部材16からは、室外側および室内側のリブ31c,31d,36c,36d,45を省略してもよい。また、室内側のリブ31c,31d,36c,36d,45を省略することも可能である。
【0079】
・上リブ31c,31dの上係合溝35bの底面からの高さ寸法H1は、係止部55の厚さ寸法T1より小さくてもよい。また、リブ45の係合溝44の底面からの高さ寸法H2は、係止部66の厚さ寸法T2より小さくてもよい。さらに、下リブ36c,36dの下係合溝40bの底面からの高さ寸法H1は、係止部55の厚さ寸法T1より小さくてもよい。
【0080】
・室外側のリブ31c,31d,36c,36d,45および室内側のリブ31c,31d,36c,36d,45は、その高さが異なっていてもよい。例えば、室内側のリブ31c,31d,36c,36d,45は、係合溝35b,44の底面からの高さ寸法H1を、係止部55,66の厚さ寸法と同じ、または、大きくし、室外側を係止部55,66の厚さ寸法よりも小さくしてもよい。
【0081】
・上リブ31c,31dは、上枠部材14の上係合溝35bにおける長手方向に延びる縁部よりもパネル要素11に近い位置に設けられていてもよい。下リブ36c,36dも、下枠部材15の下係合溝40bにおける長手方向に延びる縁部よりもパネル要素11に近い位置に設けられていてもよい。横桟部材16における支持構造部41(41a,41b)のリブ45も、横桟部材16の係合溝44における長手方向に延びる縁部よりもパネル要素11に近い位置に設けられていてもよい。
【0082】
・第1キャップ52および第2キャップ63は、弾性樹脂材料の成型品ではなく、強度を有する合成樹脂の成型品であってもよい。また、第1キャップ52および第2キャップ63の材料は、樹脂材料に限定されるものではなく、金属材料であってもよい。
【0083】
・縦枠部材12,13、上枠部材14および下枠部材15、ならびに、横桟部材16および縦桟部材17も樹脂成型品であってもよい。
・第1キャップ52および第2キャップ63のうちの一方または両方を省略してもよい。この場合、リブ31c,31d,36c,36d,45は、上枠部材14と縦桟部材17aとが直接接続された継ぎ目、縦桟部材17a,17bと横桟部材16とが直接接続された継ぎ目、および、縦桟部材17aと下枠部材とが直接接続された継ぎ目を見えにくくする。
【0084】
・隠し部としてのリブ31c,31d,36c,36d,45は、パネル面と対向する前方または後方から見たときに、若干継ぎ目を覆っていないことがあってもよい。すなわち、リブ31c,31d,36c,36d,45は、若干でも継ぎ目を覆い、隠していればよい。
【0085】
・継ぎ目は、隠し部としてのウレタンなどの樹脂で構成された目止め剤で覆うようにして、見えにくくしてもよい。この場合、目止め剤は、キャップ52,63、上枠部材14、下枠部材15、横桟部材16、縦桟部材17a,17bと色を合わせたものが好ましい。隠し部としては、リブ31c,31d,36c,36d,45と目止め剤とを併用してもよい。
【0086】
・リブなどの隠し部は、上枠部材14、下枠部材15、横桟部材16の上側支持構造部41a、横桟部材16の下側支持構造部41bの少なくとも何れか1つに設けられていればよい。
【0087】
・横桟部材16の本数は、間仕切りのデザインによって決められるものであって、特に限定されるものではない。また、横桟部材16によって区画された各段において、縦桟部材17の本数も特に限定されるものではないし、縦桟部材17がない段が存在していてもよい。また、横桟部材16を省略し、縦桟部材17が上枠部材14と下枠部材15との間に架け渡されていてもよい。
【符号の説明】
【0088】
11…パネル要素
12,13…縦枠部材
14…上枠部材
15…下枠部材
16…横桟部材
17(17a,17b)…縦桟部材
18…枠部材
21…意匠部材
22…支持部材
28…縦支持溝
29…縦スペーサ
31c,31d…上リブ
35…上支持溝
35a…上スペーサ
36c,36d…下リブ
40…下支持溝
40a…下スペーサ
41(41a,41b)…支持構造部
45…リブ
46…スペーサ
52…第1キャップ
53…挿入空間
54…挿入部
55…係止部
56…突起部
57…孔部
62…係合凹部
63…第2キャップ
64…挿入空間
65…挿入部
66…係止部
69…突起部
70…孔部
73…隙間
81~83…窓部
86…第1窓部
87…第2窓部
88…移動抑制部材