(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】印刷物及び印刷物作成方法
(51)【国際特許分類】
B32B 27/00 20060101AFI20240827BHJP
B32B 27/16 20060101ALI20240827BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
B32B27/00 E
B32B27/16 101
B41J2/01 129
(21)【出願番号】P 2020187918
(22)【出願日】2020-11-11
(62)【分割の表示】P 2017165751の分割
【原出願日】2017-08-30
【審査請求日】2020-12-09
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000137823
【氏名又は名称】株式会社ミマキエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋詰 博徳
(72)【発明者】
【氏名】播戸 一樹
【合議体】
【審判長】田口 傑
【審判官】神山 茂樹
【審判官】金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-213308(JP,A)
【文献】特開平6-134935(JP,A)
【文献】特開2009-67014(JP,A)
【文献】特表2015-523925(JP,A)
【文献】国際公開第2009/011446(WO,A1)
【文献】特開2005-230806(JP,A)
【文献】特許第6795474(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B1/00-32/00
B41M5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷面を有し、前記印刷面上に光硬化型のインクが吐出されて硬化した状態で配置されたメディアと、
厚みが18μm以上の粘着層を支持する基材を有し、前記粘着層が前記印刷面及び前記インクの表面に接着した状態で貼り合わされた保護フィルムと
を備え、
前記メディアと前記保護フィルムとの間における気泡面積比率が13%未満であり、
前記光硬化型のインクが配置された表面の平均表面粗さが15μm未満である
印刷物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物及び印刷物作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット法等によってメディアの印刷面にインクを吐出した後、印刷面及びインクを保護するため、印刷面及びインクの表面に保護フィルムを貼り付ける場合がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようにメディアに保護フィルムを貼りつける場合、メディアと保護フィルムとの間に気泡が混入することがある。保護フィルム上から印刷面を観察する場合、サイズの大きい気泡が存在したり、多数の気泡が存在したりすると、観察者に白濁感を与える場合があり、画質低下を招く恐れがある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、画質の良好な印刷物、及びそのような印刷物を作成できる印刷物作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る印刷物作成方法は、メディアの印刷面に平均表面粗さが15μm未満となるようにインクジェット法によって光硬化型のインクを吐出し、前記インクに光を照射して硬化させるインク配置工程と、厚みが18μm以上の粘着層と前記粘着層を支持する基材とを有する保護フィルムの前記粘着層を前記印刷面及び前記インクの表面に接着させることにより、前記メディアと前記保護フィルムとを貼り合わせるラミネート工程とを含む。
【0007】
本発明者は、印刷面の平均表面粗さが15μm未満となるようにインクが配置されたメディアと、粘着層の厚みが18μm以上である保護フィルムとを貼り合わせることにより、メディアと保護フィルムとを貼り合わせる際の気泡の混入を抑制できることを見出した。したがって、本発明によれば、メディアの印刷面に平均表面粗さが15μm未満となるようにインクジェット法によってインクを配置するインク配置工程と、厚みが18μm以上の粘着層と粘着層を支持する基材とを有する保護フィルムの粘着層を印刷面及びインクの表面に接着させることにより、メディアと保護フィルムとを貼り合わせるラミネート工程とを備えるため、メディアと保護フィルムとを貼り合わせる際の気泡の混入を抑制でき、画質の良好な印刷物を作成できる。気泡の混入を抑制できる理由は明確ではないが、表面粗さに表れている表面凹凸に対し、粘着層が追随するには粘着層にある程度の厚みが必要となるが、その表面凹凸と粘着層厚みとのバランスが取れる地点が上記数値範囲に有ることが推測される。
【0008】
上記の印刷物作成方法において、前記ラミネート工程は、前記メディア及び前記保護フィルムを40℃以上60℃以下の温度で加熱しながら行ってもよい。これにより、メディアに対する粘着層の接着性が向上するため、メディアと保護フィルムとを貼り合わせる際の気泡の混入をより確実に抑制できる。
【0009】
上記の印刷物作成方法において、前記ラミネート工程は、前記メディアと前記保護フィルムとを同一方向に3.0m/分以下の搬送速度で搬送させながら貼り合わせることを含んでもよい。これにより、粘着層をメディアに確実に接着させることができるため、メディアと保護フィルムとを貼り合わせる際の気泡の混入をより確実に抑制できる。
【0010】
本発明に係る印刷物は、印刷面を有し、前記印刷面上に平均表面粗さが15μm未満となるように光硬化型のインクが硬化した状態で配置されたメディアと、厚みが18μm以上の粘着層と、前記粘着層を支持する基材とを有し、前記粘着層が前記印刷面及び前記インクの表面に接着した状態で前記メディアに貼り合わされた保護フィルムとを備え、前記メディアと前記保護フィルムとの間における気泡面積比率が13%未満である。
【0011】
本発明によれば、メディアと保護フィルムとの間の気泡面積比率が13%未満であるため、例えば観察者が保護フィルム上から印刷面を肉眼で観察する場合、観察者に与える白濁感を低減させることができる。これにより、画質の良好な印刷物が得られる。
【0012】
上記の印刷物において、前記保護フィルムは、前記基材の厚さが50μm以上であってもよい。これにより、保護フィルムにシワ等が形成されることを抑制でき、印刷面を確実に保護することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、メディアと保護フィルムとを貼り合わせる際の気泡の混入を抑制でき、画質の良好な印刷物を作成できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る印刷物の一例を示す断面図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る印刷物作成方法の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る印刷物作成方法のインク配置工程の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る印刷物作成方法のラミネート工程の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施例及び比較例に係る印刷物について、基材及び粘着層の厚さと、気泡面積比率との関係を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る印刷物及び印刷物作成方法の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0016】
図1は、本実施形態に係る印刷物100の一例を示す断面図である。
図1に示すように、印刷物100は、メディア10と、保護フィルム20とを備える。
【0017】
メディア10は、例えば塩化ビニル系樹脂等の樹脂材料を用いて、シート状に形成される。メディア10は、印刷面11を有する。印刷面11には、インク12が配置される。インク12は、例えば紫外線等の光が照射されることにより硬化する光硬化材を含む光硬化インクである。光硬化インクの種類としては、例えば、メディア10に形成する画像の色彩等に応じて、白色インク、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)及び黒色(K)等の着色インク、透明インク等を適宜用いることができる。
【0018】
印刷面11には、平均表面粗さSaが15μm未満となるようにインク12が配置される。平均表面粗さは、いわゆる算術平均高さであり、印刷面11からの高さをインク12毎に平均した値である。インク12は、例えばインクジェット法によって印刷面11に吐出される。この場合、インクジェット法によって吐出されるインクの吐出量を調整することにより、印刷面11に着弾した場合のインクの高さを制御することができる。なお、インクジェット法によってインク12を吐出する場合、印刷面11の平均表面粗さSaを15μm未満とするためのインク12の吐出量の制御は、特段困難な制御を必要とするものではなく、容易に実現可能である。
【0019】
保護フィルム20は、メディア10の印刷面11に貼り付けられ、印刷面11を保護する。保護フィルム20は、基材21と、粘着層22とを有する。基材21は、例えば塩化ビニル樹脂材料等の樹脂材料を用いて、シート状に形成される。基材21は、メディア10と同一の材料を用いて形成されてもよい。基材21の厚さt1は、例えば50μm以上に設定されるが、これに限定されず、50μm以下であってもよい。
【0020】
粘着層22は、基材21に支持され、アクリル系の樹脂材料を用いて形成される。粘着層22は、印刷面11及びインク12の表面に接着される。粘着層22は、印刷面11に凸状に設けられるインク12の表面の形状に追従して変形するように弾性を有している。粘着層22の厚さt2は、例えば18μm以上に設定される。
【0021】
ここで、印刷物100の気泡面積比率について説明する。メディア10と保護フィルム20との間に気泡部分が存在する場合、保護フィルム20上から印刷面11を光学顕微鏡により観察すると、当該気泡部分では他の部分よりも輝度が高くなる。そこで、本実施形態では、印刷物100の各測定対象領域について、所定の閾値よりも輝度が高くなる領域を抽出領域として抽出し、測定対象領域全体に対する抽出領域の面積比率を算出し、この算出結果を気泡面積比率とする。したがって、気泡面積比率の値が小さいほど、メディア10と保護フィルム20との間における気泡の混入の程度が低いといえる。
【0022】
上記の印刷物100は、保護フィルム20上から印刷面11を顕微鏡観察した場合の気泡面積比率が13%未満である。気泡面積比率を13%未満にすることにより、例えば観察者が保護フィルム20上から印刷面11を肉眼で観察する場合、観察者に与える白濁感を低減させることができる。
【0023】
次に、上記のように構成された印刷物100の作成方法(印刷物作成方法)を説明する。
図2は、本実施形態に係る印刷物作成方法の一例を示すフローチャートである。
図2に示すように、印刷物作成方法は、インク配置工程(ステップS10)と、ラミネート工程(ステップS20)とを含む。
【0024】
図3は、本実施形態に係る印刷物作成方法のインク配置工程の一例を示す図である。インク配置工程S10では、インクジェットヘッド15から印刷面11に紫外線硬化型のインク12を吐出する(ステップS11)。ステップS11では、インクジェットヘッド15を主走査方向に移動させつつインク12の吐出を行い、吐出したインク12をメディア10の印刷面11に着弾させる。また、インク配置工程S10では、インクジェットヘッド15の移動方向に後行して、紫外線照射装置16を移動させ、紫外線照射装置16からインク12に紫外線Lを照射して硬化させることで、インク12を硬化させる(ステップS12)。
【0025】
図4は、本実施形態に係る印刷物作成方法のラミネート工程の一例を示す図である。ラミネート工程S20では、まず、インク12を硬化させたメディア10と、保護フィルム20とを搬送させる(ステップS21)。ステップS21では、
図4に示すように、インク12を硬化させたメディア10をロール状にして、メディア供給部10Rに装着する。また、基材21に粘着層22を保持させた保護フィルム20をロール状にして、保護フィルム供給部20Rに装着する。この状態から、メディア10の一端と、保護フィルム20の一端とを引き出す。メディア10は、搬送ローラ31に掛けられてピンチローラ33、34に送られる。メディア10は、印刷面11が保護フィルム20に対向するように搬送される。保護フィルム20は、搬送ローラ32に掛けられてピンチローラ33、34に送られる。保護フィルム20は、粘着層22がメディア10の印刷面11に対向するように搬送される。
【0026】
また、ラミネート工程S20では、ピンチローラ33、34において、メディア10と保護フィルム20とが貼り合わされる(ステップS22)。ステップS22では、ピンチローラ33、34により、メディア10と保護フィルム20とが挟持され、保護フィルム20の粘着層22がメディア10の印刷面11及びインク12の表面に接着する。これにより、メディア10と保護フィルム20とが貼り合わされる。
【0027】
なお、保護フィルム20側に配置されたピンチローラ34には、加熱機構35が設けられる。加熱機構35は、ピンチローラ34を加熱する。これにより、ピンチローラ34を介してメディア10及び保護フィルム20が加熱される。加熱機構35は、メディア10及び保護フィルム20が40℃以上60℃以下の温度で加熱されるように、ピンチローラ34を加熱する加熱温度が調整される。
【0028】
ピンチローラ33、34で挟持されて貼り合わされたメディア10及び保護フィルム20は、当該ピンチローラ33、34により、搬送方向の前方に送り出される。ピンチローラ33、34は、メディア10及び保護フィルム20の搬送速度が3.0m/分以下となるようにメディア10及び保護フィルム20を送り出す。ピンチローラ33、34から送り出されたメディア10及び保護フィルム20を適切な寸法に切断することにより、印刷物100が得られる。
【0029】
以上のように、本実施形態に係る印刷物作成方法は、メディア10の印刷面11に平均表面粗さが15μm未満となるようにインクジェット法によって光硬化型のインク12を吐出し、インク12に光を照射して硬化させるインク配置工程S10と、厚みが18μm以上の粘着層22と粘着層22を支持する基材21とを有する保護フィルム20の粘着層22を印刷面11及びインク12の表面に接着させることにより、メディア10と保護フィルム20とを貼り合わせるラミネート工程S20とを含む。
【0030】
本発明者は、印刷面11の平均表面粗さSaが15μm未満となるようにインク12が配置されたメディア10と、粘着層22の厚みが18μm以上である保護フィルム20とを貼り合わせることにより、メディア10と保護フィルム20とを貼り合わせる際の気泡の混入を抑制できることを見出した。このため、本実施形態に係る印刷物作成方法によれば、メディア10と保護フィルム20とを貼り合わせる際の気泡の混入を抑制でき、画質の良好な印刷物100を作成できる。また、本実施形態では、インクジェット法によってインク12を吐出するため、印刷面11の平均表面粗さSaを容易に15μm未満とすることができる。このため、インク12の吐出量等を必要以上に厳密に制御しなくても、実質的には保護フィルム20側の条件を調整することにより、気泡の混入を容易に抑制できる。
【0031】
本実施形態に係る印刷物作成方法において、ラミネート工程S20は、メディア10及び保護フィルム20を40℃以上60℃以下の温度で加熱しながら行ってもよい。これにより、メディア10に対する粘着層22の接着性が向上するため、メディア10と保護フィルム20とを貼り合わせる際の気泡の混入をより確実に抑制できる。
【0032】
本実施形態に係る印刷物作成方法において、ラミネート工程S20は、メディア10と保護フィルム20とを同一方向に3.0m/分以下の搬送速度で搬送させながら貼り合わせることを含んでもよい。これにより、粘着層22をメディア10に確実に接着させることができるため、メディア10と保護フィルム20とを貼り合わせる際の気泡の混入をより確実に抑制できる。
【0033】
本実施形態に係る印刷物100は、印刷面11を有し、印刷面11上に平均表面粗さSaが15μm未満となるように光硬化型のインク12が硬化した状態で配置されたメディア10と、厚みが18μm以上の粘着層22と、粘着層22を支持する基材21とを有し、粘着層22が印刷面11及びインク12の表面に接着した状態でメディア10に貼り合わされた保護フィルム20とを備え、保護フィルム20とメディア10との間における気泡面積比率が13%未満である。
【0034】
この構成によれば、メディア10と保護フィルム20との間の気泡面積比率が13%未満であるため、例えば観察者が保護フィルム20上から印刷面11を肉眼で観察する場合、観察者に与える白濁感を低減させることができる。これにより、画質が良好な印刷物100を得ることができる。
【0035】
本実施形態に係る印刷物100において、保護フィルム20は、基材21の厚さが50μm以上であってもよい。これにより、保護フィルム20にシワ等が形成されることを抑制でき、印刷面11を確実に保護することができる。
【0036】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、メディア10及び保護フィルム20をロール状に形成して貼り合わせる場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。メディア10及び保護フィルム20がそれぞれ矩形状に形成され、1枚のメディア10と1枚の保護フィルム20とが貼り合されるようにしてもよい。
【実施例】
【0037】
次に、本発明の実施例を説明する。
図5は、実施例及び比較例に係る印刷物について、基材及び粘着層の厚さ(単位:μm)と、気泡面積比率(単位:%)との関係を示す表である。ここでは、基材及び粘着層をそれぞれ所定の値とした保護フィルムをメディアに貼り付けて印刷物100を形成した(比較例及び実施例1~実施例4)。貼り付け時の温度をそれぞれ25°とし、メディア及び保護フィルムの搬送速度をそれぞれ3.0m/分とした。
【0038】
図5に示すように、比較例1では、保護フィルムの基材として、PLS-G(ミマキエンジニアリング製)を用いた。また、基材(PVC。Monomeric)の厚さを55μmとし、粘着層(アクリル系)の厚さを15μmとした。実施例1では、保護フィルムの基材として、MonomericのPVCを用いた。また、実施例1では、基材の厚さを75μmとし、粘着層(アクリル系)の厚さを18μmとした。実施例2では、保護フィルムの基材として、MonomericのPVCを用いた。また、実施例2では、基材の厚さを70μmとし、粘着層(アクリル系)の厚さを25μmとした。実施例3では、保護フィルムの基材として、PolymericのPVCを用いた。また、実施例3では、基材の厚さを50μmとし、粘着層(アクリル系。溶剤系ポリアクリル酸)の厚さを50μmとした。実施例4では、保護フィルムの基材として、CastのPVCを用いた。また、実施例4では、基材の厚さを22μmとし、粘着層(アクリル系。Permanent Acrylic)の厚さを34μmとした。
【0039】
その後、比較例及び実施例1~実施例4に係る印刷物において、それぞれ複数の領域について、顕微鏡観察により気泡面積比率を測定した。顕微鏡観察では、気泡部分の輝度が高くなる。そこで、比較例及び実施例1~4に係る印刷物の各測定対象領域について、顕微鏡観察での輝度が所定の閾値よりも高い領域を抽出して抽出領域とし、測定対象領域全体に対する抽出領域の面積比率を算出し、この算出結果を気泡面積比率とした。
【0040】
図5に示すように、比較例に係る印刷物では、気泡面積比率が最大で20%であった。実施例1に係る印刷物では、気泡面積比率が最大で3%であった。実施例2に係る印刷物では、気泡面積比率が最大で12%であった。実施例3に係る印刷物では、気泡面積比率が最大で3%であった。実施例4に係る印刷物では、気泡面積比率が最大で3%であった。このように、実施例1~実施例4に係る印刷物では、いずれも気泡面積比率が13%未満であった。このため、実施例1~実施例4に係る印刷物では、白濁感が少なく、高画質となる。
【符号の説明】
【0041】
S10…インク配置工程、S20…ラミネート工程、10…メディア、10R…メディア供給部、11…印刷面、12…インク、15…インクジェットヘッド、16…紫外線照射装置、20…保護フィルム、20R…保護フィルム供給部、21…基材、22…粘着層、31,32…搬送ローラ、33,34…ピンチローラ、35…加熱機構、100…印刷物