IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アイ・オー・データ機器の特許一覧

特許7544570主催者端末、電子会議システム、電子会議への入室認証方法、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】主催者端末、電子会議システム、電子会議への入室認証方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 65/403 20220101AFI20240827BHJP
【FI】
H04L65/403
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020191616
(22)【出願日】2020-11-18
(65)【公開番号】P2022080502
(43)【公開日】2022-05-30
【審査請求日】2023-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】591275481
【氏名又は名称】株式会社アイ・オー・データ機器
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 淳
(72)【発明者】
【氏名】島田 康晴
(72)【発明者】
【氏名】加藤 光兼
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-163222(JP,A)
【文献】特開2020-154687(JP,A)
【文献】国際公開第2004/092991(WO,A1)
【文献】特開2009-171119(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
参加メンバーが有する参加者端末からの参加を受け付けて、当該参加者端末と電子会議が行われる、電子会議システムの主催者端末であって、
前記参加者端末との間で前記電子会議を行う電子会議処理部と、
前記参加者端末を、前記電子会議への参加を待ち合わせるための仮想的な会議待合室に入室させる待合室処理部と、
前記会議待合室における前記参加者端末の画像を表示し、当該参加者端末の前記電子会議への参加の可否を受け付ける参加可否受付部と、を備え、
前記参加者端末が前記会議待合室に入室すると、当該参加者端末と、ピア・ツー・ピアで接続を開始させ、
前記参加可否受付部は、
前記参加者端末からストリーム受信した前記参加メンバーの前記画像に基づいて、前記参加の可否を受け付けて、
前記電子会議処理部は、
当該参加者端末が参加可能な場合、そのままストリームで前記電子会議を行う、
催者端末。
【請求項2】
前記会議待合室には、1又は複数の参加者端末から受信した画像が一覧表示される、
請求項1に記載の主催者端末。
【請求項3】
参加メンバーが有する参加者端末からの参加を受け付けて、当該参加者端末と、主催者が有する主催者端末とによって電子会議が行われる電子会議システムであって、
前記主催者端末と前記参加者端末との間で前記電子会議を行う電子会議処理部と、
前記参加者端末を、前記電子会議への参加を待ち合わせるための仮想的な会議待合室に入室させる待合室処理部と、
前記参加者端末が前記電子会議に参加する際に、前記電子会議への参加を待ち合わせる前記仮想的な会議待合室を提供する待合室提供部と、
前記会議待合室に入室中の参加者端末から受信した画像を表示し、当該参加者端末による前記電子会議への参加の可否を受け付ける参加可否受付部と、を備え、
前記参加者端末が前記会議待合室に入室すると、当該参加者端末と、ピア・ツー・ピアで接続を開始させ、
前記参加可否受付部は、
前記参加者端末からストリーム受信した前記参加メンバーの前記画像に基づいて、前記参加の可否を受け付けて、
前記電子会議処理部は、
当該参加者端末が参加可能な場合、そのままストリームで前記電子会議を行う、
電子会議システム。
【請求項4】
前記参加者端末から認証情報を受信し、当該認証情報により前記参加者端末の前記会議待合室への入室を認証する認証部を更に備え、
前記参加可否受付部は、前記認証部により前記参加者端末の認証が成功した場合、当該参加者端末を前記会議待合室に入室させる、
請求項に記載の電子会議システム。
【請求項5】
前記認証部は、前記参加者端末から受信した画像に撮影されたIDカード、バーコード、所定のジェスチャ、又はオブジェクトに基づいて、前記参加者端末を認証する
求項に記載の電子会議システム。
【請求項6】
前記参加可否受付部は、前記認証部により前記参加者端末の認証が成功した場合、当該参加者端末と主催者端末とを、前記ピア・ツー・ピアで接続する、
請求項またはに記載の電子会議システム。
【請求項7】
参加メンバーが有する参加者端末からの参加を受け付けて、当該参加者端末と電子会議が行われる、電子会議への入室認証方法であって、
前記参加者端末を、前記電子会議への参加を待ち合わせるための仮想的な会議待合室に入室させるステップと、
前記参加者端末が前記会議待合室に入室すると、当該参加者端末と、ピア・ツー・ピアで接続を開始させるステップと、
前記会議待合室に入室した前記参加者端末からストリーム受信した前記参加メンバーの画像を表示するステップと、
前記参加メンバーの前記画像に基づいて、当該参加者端末の前記電子会議への参加の可否を受け付けて、当該参加者端末が参加可能な場合、そのままストリームで前記電子会議を行わせるステップと、
を含む電子会議への入室認証方法。
【請求項8】
参加メンバーが有する参加者端末からの参加を受け付けて、当該参加者端末と電子会議が行われる、電子会議システムの主催者端末のプログラムであって、
コンピュータに、
前記参加者端末を、前記電子会議への参加を待ち合わせるための仮想的な会議待合室に入室させる手順、
前記参加者端末が前記会議待合室に入室すると、当該参加者端末と、ピア・ツー・ピアで接続を開始させる手順、
前記会議待合室に入室した前記参加者端末からストリーム受信した前記参加メンバーの画像を表示する手順、
前記参加メンバーの前記画像に基づいて、当該参加者端末の前記電子会議への参加の可否を受け付けて、当該参加者端末が参加可能な場合、そのままストリームで前記電子会議を行わせる手順、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主催者端末、電子会議システム、電子会議への入室認証方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、会議端末を使用して、遠隔地にいる相手とビデオ会議を実行するビデオ会議システム(又は遠隔会議システム)が知られている。
【0003】
ビデオ会議システムや遠隔会議システムのような電子会議システムでは、仮想的な会議室への入室を許可するパスワードが参加メンバーに事前に送付される。参加メンバーは、電子会議システムが提供する仮想的な会議室への入室時に、事前に送付されたパスワードを使用する。
【0004】
ここで、仮想的な会議室への入室を許可するパスワードが漏洩した場合は、参加資格のない第三者が、仮想的な会議室に入室することが可能になってしまう。例えば、ビデオ会議システムを使用して学校の授業を実施する際、パスワードなどを利用した入室管理では、パスワードが漏洩した場合、その授業への参加資格がない人物に授業に参加されてしまう可能性がある。
【0005】
そこで、ユーザからの顔画像を顔認識技術で判定する発明が開示されている。具体的には、特許文献1の要約書には、「会議管理サーバ20の制御部21は、TV会議端末(10A,10B)から、参加者の画像を取得し、遠隔会議の参加者の認証を行なう。そして、認証ができた人数が必要数に達している場合、会議管理サーバ20の制御部21は、アクション許可処理を実行する。更に、制御部21は、TV会議端末(10A,10B)からの画像を解析して参加者画像の追跡により所在検知を行なう。そして、参加者画像を追従できていない場合、制御部21は、会議開催条件の判定処理を実行する。参加者人数が必要数よりも少なくなり、会議開催条件を維持できない場合、制御部21は、各TV会議端末(10A,10B)にアラームを出力する。」旨が記載されている。
【0006】
また、特許文献2の要約書には、「会議システムの利用受付をする際、顔画像データと認証カードIDやパンフレットIDの情報を取得、管理サーバに送信する(203)。認証カードIDやパンフレットIDの情報、顔画像データを管理サーバがもつDB情報と照合する方法を工夫することにより、業務を効率的に行える対応方法を選択する(211)。」旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2009-171119号公報
【文献】特開2006-119784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1及び2は、両文献ともに参加者であるユーザの顔画像を取得して、顔認識技術を用いて、ユーザを認証している。
【0009】
しかしながら、顔認識技術によってユーザを認証するには、予めビデオ会議に参加する参加者の顔画像をシステムに登録しなければならず、煩雑である。また、顔認識の誤検出により、正規の参加者が入室できないことや、参加資格のない第三者が入室してしまうことも考えられる。
【0010】
上記事情に鑑みて、本発明は、主催者端末、電子会議システム、電子会議への入室認証方法、及びプログラムにおいて、参加資格のない第三者による仮想的な会議室への入室を防止できることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の上記の目的は、下記の手段によって達成される。
(1)参加メンバーが有する参加者端末からの参加を受け付けて、当該参加者端末と電子会議が行われる、電子会議システムの主催者端末であって、
前記参加者端末との間で前記電子会議を行う電子会議処理部と、
前記参加者端末を、前記電子会議への参加を待ち合わせるための仮想的な会議待合室に入室させる待合室処理部と、
前記会議待合室における前記参加者端末の画像を表示し、当該参加者端末の前記電子会議への参加の可否を受け付ける参加可否受付部と、を備え、
前記参加者端末が前記会議待合室に入室すると、当該参加者端末と、ピア・ツー・ピアで接続を開始させ、
前記参加可否受付部は、
前記参加者端末からストリーム受信した前記参加メンバーの前記画像に基づいて、前記参加の可否を受け付けて、
前記電子会議処理部は、
当該参加者端末が参加可能な場合、そのままストリームで前記電子会議を行う、
催者端末。
【0012】
(2)参加メンバーが有する参加者端末からの参加を受け付けて、当該参加者端末と、主催者が有する主催者端末とによって電子会議が行われる電子会議システムであって、
前記主催者端末と前記参加者端末との間で前記電子会議を行う電子会議処理部と、
前記参加者端末を、前記電子会議への参加を待ち合わせるための仮想的な会議待合室に入室させる待合室処理部と、
前記参加者端末が前記電子会議に参加する際に、前記電子会議への参加を待ち合わせる前記仮想的な会議待合室を提供する待合室提供部と、
前記会議待合室に入室中の参加者端末から受信した画像を表示し、当該参加者端末による前記電子会議への参加の可否を受け付ける参加可否受付部と、を備え、
前記参加者端末が前記会議待合室に入室すると、当該参加者端末と、ピア・ツー・ピアで接続を開始させ、
前記参加可否受付部は、
前記参加者端末からストリーム受信した前記参加メンバーの前記画像に基づいて、前記参加の可否を受け付けて、
前記電子会議処理部は、
当該参加者端末が参加可能な場合、そのままストリームで前記電子会議を行う、
電子会議システム。
【0013】
(3)参加メンバーが有する参加者端末からの参加を受け付けて、当該参加者端末と電子会議が行われる、電子会議への入室認証方法であって、
前記参加者端末を、前記電子会議への参加を待ち合わせるための仮想的な会議待合室に入室させるステップと、
前記参加者端末が前記会議待合室に入室すると、当該参加者端末と、ピア・ツー・ピアで接続を開始させるステップと、
前記会議待合室に入室した前記参加者端末からストリーム受信した前記参加メンバーの画像を表示するステップと、
前記参加メンバーの前記画像に基づいて、当該参加者端末の前記電子会議への参加の可否を受け付けて、当該参加者端末が参加可能な場合、そのままストリームで前記電子会議を行わせるステップと、
を含む電子会議への入室認証方法。
【0014】
(4)参加メンバーが有する参加者端末からの参加を受け付けて、当該参加者端末と電子会議が行われる、電子会議システムの主催者端末のプログラムであって、
コンピュータに、
前記参加者端末を、前記電子会議への参加を待ち合わせるための仮想的な会議待合室に入室させる手順、
前記参加者端末が前記会議待合室に入室すると、当該参加者端末と、ピア・ツー・ピアで接続を開始させる手順、
前記会議待合室に入室した前記参加者端末からストリーム受信した前記参加メンバーの画像を表示する手順、
前記参加メンバーの前記画像に基づいて、当該参加者端末の前記電子会議への参加の可否を受け付けて、当該参加者端末が参加可能な場合、そのままストリームで前記電子会議を行わせる手順、
を実行させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、参加資格のない第三者による仮想的な会議室への入室を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1の実施形態に係るビデオ会議システムの構成を示すブロック図である。
図2】主催者端末の全体構成を表す概略図である。
図3】第1の実施形態に係るビデオ会議システムにおいて、ビデオ会議に参加する参加者を認証する入室認証処理の全体動作を示したシーケンス図(その1)。
図4】第1の実施形態に係るビデオ会議システムにおいて、ビデオ会議に参加する参加者を認証する入室認証処理の全体動作を示したシーケンス図(その2)。
図5】第1の実施形態に係るビデオ会議システムの主催者端末が、ビデオ会議に参加する参加希望者の入室認証処理を示したフローチャートである。
図6】制御部が、表示部の表示画面に、複数の参加者端末の各々から送信された会議待合室用メンバー画像を表示させた場合の概念図を示した説明図である。
図7】制御部の参加可否受付部が、参加者端末によるビデオ会議への参加の可否を受け付ける選択画面を示した説明図である。
図8】第2の実施形態に係るビデオ会議システムの構成を示すブロック図である。
図9】第2の実施形態に係るビデオ会議システムにおいて、ビデオ会議に参加する参加希望者の入室認証処理の全体動作を示したシーケンス図である。
図10】参加者端末の撮像部により、子供によるジェスチャを撮影するとともに、子供の顔画像を撮影して、認証することを示した説明図である。
図11】第3の実施形態に係るビデオ会議システムにおいて、参加者端末が、直接、主催者端末のビデオ会議に参加する入室認証処理を示したシーケンス図である。
図12】第3の実施形態に係るビデオ会議システムの主催者端末が、ビデオ会議に参加する参加希望者の参加者端末を、直接、ビデオ会議に参加させる処理を示したフローチャートである。
図13A】テレビ電話システムにおける主催者端末の表示画面を示した説明図である。
図13B】テレビ電話システムにおける参加者端末の表示画面を示した説明図である。
図14A】テレビ電話システムにおける参加者端末の表示画面を示した説明図である。
図14B】テレビ電話システムにおける主催者端末の表示画面を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付した図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は、適宜、省略する。
【0018】
[本技術の概要]
従来のビデオ会議システムや遠隔会議システムなどの電子会議システムでは、入室時の認証において、参加メンバーに対して事前に送付されたパスワードを利用して、仮想的な会議室への入室の許可を有するか否かを判断する。この場合において、パスワードが漏洩したならば、参加資格のない第三者が、仮想的な会議室に容易に入室できてしまう。
【0019】
比較的小規模な会議の場合、会議の主催者は、会議の参加メンバーの顔を知っていることが多い。そのため、このような場合、パスワードによる認証よりも、会議の主催者が参加メンバーの顔画像を確認することの方が、参加資格の有無をより適切に判断できる。
【0020】
そこで、ビデオ会議の主催者は、参加メンバーがビデオ会議に参加するための仮想的な会議待合室リンクであるURL(Uniform Resource Locator)を、参加メンバーに事前に送付する。これにより、ビデオ会議の主催者は、仮想的な会議待合室において参加メンバーの顔画像を確認しながら仮想的な会議室への入室を許可できるので、参加資格のない第三者による仮想的な会議室への入室を防止できる。
【0021】
<第1の実施形態>
[ビデオ会議システム]
図1は、第1の実施形態に係るビデオ会議システム400の構成を示すブロック図である。図1に示すように、第1の実施形態に係るビデオ会議システム400は、主催者端末100、及び接続サーバ300を備えて構成されている。そして主催者端末100と接続サーバ300とは、主催者端末100と参加者端末200間のビデオ会議を提供する。
【0022】
なお、ビデオ会議システム400は、電子会議システムの一例であり、以下、電子会議システムの一例として、ビデオ会議システム400について説明する。また、電子会議は、ビデオ会議に限定されず、音声による音声会議も含まれる。
【0023】
まず、第1の実施形態に係るビデオ会議システム400において、各端末の概略動作について説明する。まず、主催者端末100は、接続サーバ300に、会議待合室用リンクの作成を依頼する。
【0024】
接続サーバ300は、会議待合室用リンク(これを、単に待合室用リンクともいう。)の作成依頼を取得すると、待合室リンク生成部301により、会議待合室用リンクを生成する。そして、接続サーバ300は、会議待合室用リンクを主催者端末100に送信する。主催者端末100は、生成された会議待合室用リンクを取得し、この会議待合室用リンクにより、接続サーバ300に接続すると共に、この会議待合室用リンクを、参加者端末200に送信する。
【0025】
参加者端末200は、会議待合室用リンクを受信し、その会議待合室用リンクを用いて、接続サーバ300に接続する。接続サーバ300は、主催者端末100と、参加者端末200とが接続されると、主催者端末100と参加者端末200とを、Peer To Peer(これをP2P(ピア・ツー・ピア)ともいう。)で接続する。
【0026】
なお、P2Pでの接続は一例であり、主催者端末100と参加者端末200との接続は、P2Pの接続に限定されるものではない。主催者端末100と参加者端末200とは、接続されればよく、例えば、中継サーバ(図示せず)を経由した接続でもよい。また、これ以外に、接続サーバ300は、中継機能を備え、主催者端末100と参加者端末200とを中継してもよい。
【0027】
これにより、主催者端末100は、参加者端末200が仮想的な会議待合室(これを、単に、待合室ともいう。)に入室した参加者端末200の動画像(例えば、ユーザの顔画像)を表示する。主催者は、主催者端末100の表示部に表示された会議待合室中の参加者端末200の動画像を確認して、この参加者端末200のビデオ会議への参加の可否を入力する。なお、会議待合室に入室している参加者端末200には、他の参加者端末200の動画像は送信されない。これにより、主催者端末100は、ビデオ会議の参加メンバーに関する情報を、参加資格のない第三者に開示することを抑止できる。
【0028】
[主催者端末について]
図2は、主催者端末100の全体構成を表す概略図である。主催者端末100は、入力部110、撮像部120、制御部130、表示部140、記憶部150、及び通信部160を構成されている。主催者端末100は、例えば、ブラウザを用いてインターネットに接続可能な多機能携帯端末(スマートフォン)で構成される。主催者端末100を操作するのは、会議を主催した主催者であり、この会議の管理者でもある。
【0029】
入力部110は、ユーザ(例えば、会議の管理者)による操作の入力を受け付ける。入力部110は、ユーザの各種操作を受け付ける、キーボード、各種スイッチ、ボタン、タッチパネル等の操作部材から構成される。なお、入力部110は、後述する表示部140の表面に一体的に積層されたタッチパネルで構成される場合もある。
【0030】
撮像部120は、自装置を操作するユーザ(例えば、会議の管理者)の顔画像を撮像するように構成される。撮像部120は、ズームレンズやフォーカスレンズを含むレンズ群、絞り機能を備えるシャッターを含んで構成されている。また、撮像部120は、被写体像を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)素子等で構成される撮像素子、及び当該撮像素子から出力されるアナログ画像信号をデジタル信号に変換するA/D(Analog-to-Digital)変換器を有している。
【0031】
また、撮像部120は、画像処理回路を有している。そのため、撮像部120は、撮像されたユーザの顔画像の画像データに、ホワイトバランスや色、明るさ等を調整する画質調整処理を施し、表示用サイズへのリサイズ処理等を行う。
【0032】
制御部130は、主催者端末100の全体を統括して制御する演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)である。制御部130は、記憶部150に格納された制御プログラムを実行することにより、待合室処理部131、参加可否受付部132、及びビデオ会議処理部133を具現化できる。
【0033】
待合室処理部131は、参加者端末200を、ビデオ会議への参加を待ち合わせるための仮想的な会議待合室に入室させる。会議待合室において、各参加者端末200は、主催者端末100や他の参加者端末200との間で、画像及び/又は音声の通信を行うことができない。これにより、主催者端末100の制御部130は、ビデオ会議の参加メンバーに関する情報を、参加資格のない第三者に開示することを抑止できる。
【0034】
参加可否受付部132は、会議待合室における参加者端末200の動画像を表示部140に表示し、参加者端末200のビデオ会議への参加の可否に係る、この会議の管理者(ユーザ)の入力を受け付ける。ここで、参加者端末200の動画像とは、例えば、参加者端末200を使用するユーザ(例えば、参加希望者)の顔画像が該当する。すなわち、参加者端末200の動画像とは、参加者端末200に対応づけられたユーザ(例えば、参加希望者)の顔画像とすることができる。
【0035】
会議の管理者は、会議待合室で待機している人(参加希望者)の顔画像(動画)を確認し、個別に会議室への入室を許可する。参加者端末200が会議室に入室するためのパスワード等は簡易なものであるため、悪意あるユーザに入室されてしまう可能性がある。また、顔認証技術による入室許可では、誤検出により正規の参加希望者が入室できなかったり、参加資格のない第三者が入室できてしまうおそれがある。
【0036】
しかし、本実施形態では、主催者端末100は、会議待合室で参加希望者の顔を動画で表示して確認可能とし、個別に会議室への入室を許可する操作要素を提供する。参加希望者の動画を人間が判断可能であるため、悪意あるユーザが正規の参加希望者の写真などを用いた場合でも、参加希望者本人の動画像と容易に判別可能である。そのため、管理者が把握している人物に限り、会議室へ入室させることができる。
【0037】
ビデオ会議処理部133は、参加者端末200との間でビデオ会議を行う。ビデオ会議とは、例えば、当該許可を受け付けた1または複数の参加者端末200と主催者端末100との間で、動画像及び/又は音声のストリーム通信を行うことをいう。このとき、各参加者端末200は、自身が撮影した動画像や収録した音声をストリームで主催者端末100に送信する。主催者端末100は、各参加者端末200や主催者端末100の動画像ストリーム及び/又は各参加者端末200や主催者端末100の音声を統合した音声ストリームを生成し、これをストリーム再生すると共に、各参加者端末200にストリームで送信する。
【0038】
なお、制御部130が主催者端末100を統括制御する代わりに、複数のハードウェアが処理を分担することにより、主催者端末100を制御してもよい。
【0039】
記憶部150は、不揮発性メモリ、作業用メモリ、大容量記憶装置、及び、後述するデータベース等から構成される。不揮発性メモリは、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等が用いられる。大容量記憶装置は、例えばフラッシュメモリである。大容量記憶装置には、制御部130の動作用の定数、プログラム等が記録される。なお、プログラムとは、本実施形態にて後述するフローチャートの各処理を実行するためのプログラムのことをいう。また、作業用メモリは、例えばRAM(Random Access Memory)が用いられ、制御部130の動作用の定数、変数、大容量記憶装置から読み出したプログラム等を展開する作業領域として使用される。また、作業用メモリは、ユーザの顔画像の画像データを一時的に保持するバッファメモリや、表示部140の画像表示用メモリとして使用される。
【0040】
表示部140は、1又は複数の参加者端末200ごとに対応づけられた動画像(例えば、ユーザ(参加希望者)の顔画像)を一覧表示する。ここで、表示部140に表示される仮想的な会議待合室には、1又は複数の参加者端末200からストリーム受信した、参加者端末200の動画像が一覧表示される。具体的には、主催者端末100と参加者端末200とがP2Pで接続されると、参加者端末200は、参加者端末200が撮影した動画像をストリーム送信し、仮想的な会議待合室において待機状態となる。一方、主催者端末100の表示部140は、ストリームで受信した各参加者端末200の動画像を表示する。表示部140は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示デバイスで構成される。
【0041】
通信部160は、参加者端末200、接続サーバ300などの他の端末などと接続するためのインターフェースである。本実施形態に係る主催者端末100は、通信部160を介して、参加者端末200、及び/又は、接続サーバ300に接続され、動画像及び/又は音声などのストリーム通信を行う。
【0042】
[参加者端末について]
参加者端末200は、参加可否受付部132を有していない他は、主催者端末100と同一の構成を採用する。なお、これに限られず、参加者端末200は、主催者端末100と同一の機能を有し、主催者端末100として機能してもよい。同様に、主催者端末100は、参加者端末200として機能してもよい。
【0043】
[接続サーバについて]
図1に示す接続サーバ300は、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)、RAM(図示せず)、入出力インターフェース(図示せず)等がバスに接続された汎用のコンピュータで構成されている。
【0044】
接続サーバ300は、例えば、ROMやRAMに格納された制御プログラムを実行することにより、待合室リンク生成部301(待合室提供部)、及び後述する認証部302(図8参照)を具現化する。
【0045】
待合室リンク生成部301は、参加者端末200がビデオ会議に参加する際に、ビデオ会議への参加を待ち合わせる仮想的な会議待合室リンクを提供する。待合室リンク生成部301は、一例として、主催者端末100が、参加者端末200を招待する会議の会議待合室のリンクを生成する。なお、認証部302については、図8を用いて詳述する。
【0046】
[ビデオ会議システムの全体動作]
次に、上記の構成からなるビデオ会議システム400において、ビデオ会議に参加する参加メンバーを認証する方法について、図1及び図2を参照しながら、図3及び図4のシーケンス図を用いて説明する。
【0047】
図3及び図4は、第1の実施形態に係るビデオ会議システム400において、ビデオ会議に参加する参加メンバーの入室認証処理の全体動作を示したシーケンス図である。
【0048】
図3に示すように、主催者端末100は、まず、主催者による操作を受け付けて、会議を開始するための操作を受け付ける(シーケンスSQ001)。なお、ビデオ会議システム400の主催者は、会議主催者とも呼ばれることもある。
【0049】
主催者端末100は、ネットワークを介して、接続サーバ300に対し、ビデオ会議を開始する際の会議待合室リンクの生成要求を送信する(シーケンスSQ003)。ここで、会議待合室リンクとは、主催者が会議を開催する際に、参加メンバーが会議に参加する前に待機する会議待合室のリンクアドレスのことである。
【0050】
接続サーバ300は、ネットワークを介して、主催者端末100から会議待合室リンクの生成要求を受信すると、会議待合室リンクを生成する(シーケンスSQ005)。そして、接続サーバ300は、会議待合室リンクを生成した旨を示す会議待合室リンク応答を、主催者端末100に送信する(シーケンスSQ007)。接続サーバ300は、主催者端末100に会議待合室リンク応答を送信すると、会議待合室リンクにおいて、主催者が操作する主催者端末100と、参加メンバー(参加希望者)が操作する参加者端末200との入室を待ち受ける(シーケンスSQ011)。
【0051】
主催者端末100は、会議待合室リンク応答を受信すると、表示部140に会議待合室リンクを表示するとともに、同時に、表示部140に参加メンバー(参加希望者)の入室待ちを表示する(シーケンスSQ009)。
【0052】
主催者端末100は、受信した会議待合室リンク応答に基づいて、ネットワークを介して、接続サーバ300の仮想的な会議待合室に、主催者として入室する(シーケンスSQ013)。この時、主催者端末100は、ネットワークを介して、参加メンバー(参加希望者)が操作する参加者端末200に会議待合室リンクを連絡するための処理を実行する(シーケンスSQ015)。
【0053】
接続サーバ300は、主催者端末100の仮想的な会議待合室への入室を受け付けると、続けて、参加者端末200の仮想的な会議待合室への入室を待ち受ける(シーケンスSQ017)。
【0054】
また、主催者端末100は、ネットワークを介して、1又は複数の参加者端末200に会議待合室リンクを連絡(送信)する(シーケンスSQ019)。この連絡手段は、例えば電子メールであるが、これに限られない。
【0055】
1又は複数の参加者端末200の各々は、ネットワークを介して、主催者端末100から会議待合室リンクを取得(受信)すると、この会議待合室リンクに基づいて、接続サーバ300に入室するための各参加メンバーの操作を受け付ける(シーケンスSQ021)。そして各参加者端末200は、会議待合室リンクに基づいて、仮想的な会議待合室に入室する(シーケンスSQ023)。
【0056】
また、参加者端末200は、主催者端末100による主催者の許可を待ち受ける旨を表示する(シーケンスSQ027)。
【0057】
接続サーバ300は、参加者端末200が仮想的な会議待合室に入室すると、会議待合室のP2P接続を開始させる(シーケンスSQ025)。この場合、接続サーバ300は、主催者端末100に対し、参加者端末200と接続する接続開始の指示を送信する(シーケンスSQ029)。また、接続サーバ300は、参加者端末200に対し、主催者端末100と接続する接続開始の指示を送信する(シーケンスSQ031)。
【0058】
主催者端末100及び参加者端末200は、それぞれ接続サーバ300から接続開始を受信すると、P2Pで接続する。そして、参加者端末200は、ネットワークを介して、主催者端末100に、参加者端末200が撮影した動画像(参加希望者の画像)をストリーム送信する(シーケンスSQ033)。
【0059】
図4のシーケンス図に進み、主催者端末100は、参加者端末200から受信した動画像(参加希望者の画像)を表示し、仮想的な会議室への入室を許可する参加者端末200を選択する操作を受け付ける(シーケンスSQ035)。
【0060】
参加者端末200が撮影した動画像には、ビデオ会議の参加希望者が撮影されている。主催者端末100は、参加者端末200からストリーム受信した動画像(参加希望者の画像)を表示部140に表示し、入室を許可する参加メンバーを主催者に選択させる。これにより、選択された動画像に対応する参加者端末200を仮想的なビデオ会議室に入室させるので、以降、参加者端末200と主催者端末100とは、会議室用画像の送受信を行う(シーケンスSQ037)。
【0061】
これにより、主催者端末100は、仮想的な会議室の通話画面を、主催者端末100の表示部140に表示する(シーケンスSQ039)。参加者端末200は、仮想的な会議室の通話画面を、参加者端末200の表示部140に表示する(シーケンスSQ041)。そして、主催者端末100と参加者端末200は、仮想的な会議室にて互いに直接通話を開始する(シーケンスSQ043)。
【0062】
[ビデオ会議への入室認証処理]
次に、第1の実施形態に係るビデオ会議システム400の主催者端末100において、ビデオ会議に参加する参加希望者を認証する入室認証処理について、図1及び図2を参照しながら、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0063】
図5は、第1の実施形態に係るビデオ会議システム400の主催者端末100が、ビデオ会議に参加する参加希望者の入室認証処理を示したフローチャートである。
【0064】
図5に示すように、主催者端末100の入力部110は、主催者によるビデオ会議を開始するための操作を受け付ける(ステップS001)。
【0065】
主催者端末100の制御部130は、ネットワークを介して、接続サーバ300に対して、ビデオ会議を開始する際の会議待合室リンクの生成要求を発行(送信)する。そして、制御部130は、接続サーバ300から、会議待合室リンク応答を取得(受信)する(ステップS003)。
【0066】
制御部130は、会議待合室リンク応答を取得すると、表示部140に、会議待合室リンクを表示するとともに、同時に、表示部140に参加メンバー(参加希望者)の入室待ちを表示する(ステップS005)。
【0067】
主催者が表示部140の会議待合室リンクをクリックすると、制御部130は、この会議待合室リンクに基づいて、ネットワークを介して、接続サーバ300の仮想的な会議待合室に主催者として入室する。また、制御部130は、ネットワークを介して、参加メンバー(参加希望者)が操作する参加者端末200に、会議待合室リンクを連絡し、会議待合室への入室を要求する(ステップS007)。
【0068】
これにより、制御部130の待合室処理部131は、参加者端末200を、ビデオ会議への参加を待ち合わせるための仮想的な会議待合室に入室させることができる。
【0069】
制御部130は、ネットワークを介して、接続サーバ300からの参加者端末200とのP2P接続の開始を待ち受けており(ステップS009)、接続サーバ300からの参加者端末200とのP2P接続の開始を受信しないならば(ステップS009のNo)、ステップS009の処理を繰り返す。制御部130は、接続サーバ300から接続開始を受信すると、参加者端末200とのP2P接続を開始する(ステップS009のYes)。
【0070】
制御部130は、参加メンバー(参加希望者)が操作する参加者端末200から、会議待合室用メンバー画像をストリーム受信すると、主催者端末100の表示部140に、この会議待合室用メンバー画像を表示する(ステップS011)。会議待合室用メンバー画像とは、一例として、参加者端末200が参加メンバーの顔を撮影した動画像である。
【0071】
図6は、制御部130が、表示部140の表示画面141に、複数の参加者端末200の各々から送信された会議待合室用メンバー画像を表示させた場合の概念図を示した説明図である。
【0072】
図6に示すように、表示部140の表示画面141には、各参加者端末200が撮影した13名の参加メンバー(参加希望者)の顔の動画像が表示されている。表示部140の表示画面141は、仮想的な会議待合室を示しており、この会議待合室には、13個の参加者端末200から、各々、受信したユーザの顔の動画像が一覧表示されている。
【0073】
また、この仮想的な会議待合室では、各参加者端末200が収録した音声は、主催者端末100では再生されないようにしてもよい。更に主催者端末100が収録した音声は、各参加者端末200に送信されないようにしてもよい。参加資格のない第三者に対して参加メンバーの情報を秘匿するためである。
【0074】
なお、各参加者端末200には、この待合室の画像は表示されない。これにより、第三者に対してこのビデオ会議の参加メンバー(参加希望者)を秘匿することができる。
【0075】
図5のフローチャートに戻り、主催者端末100を操作する主催者は、表示部140の表示画面141の参加メンバー(参加希望者)の顔の動画像から、ビデオ会議に参加するメンバーを選択操作(許可)する(ステップS013)。すなわち、制御部130の参加可否受付部132は、会議待合室における参加者端末200の動画像(参加希望者の顔画像)を表示し、当該参加者端末200のビデオ会議への参加の可否を受け付ける。
【0076】
この場合、表示部140の表示画面141に表示されている会議待合室用メンバー画像は、一例として、主催者が認知し得るユーザ(参加希望者)の顔画像(動画像)である。主催者は、主催者自身の判断で、ビデオ会議の参加者を認証できる。
【0077】
なお、主催者端末100は、表示画面141に表示されている動画像に係る参加者端末200との間で、双方向に音声で通話できてもよく、更に文字でチャットできてもよい。これにより、主催者は、各々の参加希望者との間でコミュニケーションをとりながら、各参加希望者の顔を動画で確認可能である。
【0078】
図7は、制御部130の参加可否受付部132が、参加者端末200によるビデオ会議への参加の可否を受け付ける選択画面142を示した説明図である。図7に示す選択画面142は、例えば、ポップアップウィンドウにより表示される。
【0079】
図7に示すように、表示部140の表示画面141には、選択画面142が、重畳表示されている。選択画面142には、Webミーティング参加依頼として、参加者名が特許花子の動画像TNと、ビデオ会議への参加の許可を示す参加許可ボタン143と、ビデオ会議への参加の拒否を示す参加拒否ボタン144とが、表示されている。
【0080】
ビデオ会議の主催者は、参加メンバー(参加希望者)ごとに選択画面142を表示させ、参加メンバー(参加希望者)ごとの動画像TN(参加希望者の顔画像)を確認して、ビデオ会議への参加の可否を参加許可ボタン143又は参加拒否ボタン144により決定する。
【0081】
なお、動画像TNが示す顔画像が不鮮明な画像には、ビデオ会議への参加を拒否することができ、また、許可又は拒否の決定をしなかった参加メンバーは、原則として拒否する。許可又は拒否の決定をしなかった参加メンバーを、原則として拒否することにより、意図しないメンバーがビデオ会議に参加することを防ぐことができる。
【0082】
これにより、主催者端末100を操作する主催者は、表示部140の表示画面141に表示された13名の参加メンバー(参加希望者)の顔の動画像に基づいて、主催者が認証できる参加メンバーに対応する参加者端末200のみを許可することができ、参加資格のない第三者によるビデオ会議(仮想的な会議室)への入室を防止することができる。
【0083】
図5のフローチャートに戻り、制御部130のビデオ会議処理部133は、許可された参加メンバーの会議室用画像と音声とをストリームで送受信し、通話を開始することにより参加者端末200との間でビデオ会議を行う(ステップS015)。
【0084】
このように、参加可否受付部132により参加者端末200のビデオ会議への参加の許可を受け付けたとき、ビデオ会議処理部133は、参加者端末200との間で、ビデオ会議を開始して、ビデオ会議に参加する参加希望者を認証する入室認証処理を終了する。
【0085】
以上説明したように、第1の実施形態に係るビデオ会議システム400の主催者端末100の制御部130は、待合室処理部131、参加可否受付部132及びビデオ会議処理部133を備えて構成されている。参加可否受付部132は、会議待合室における参加者端末200の動画像(参加希望者の顔画像)を表示して、当該参加者端末200によるビデオ会議への参加の可否を受け付ける。
【0086】
これにより、第1の実施形態に係るビデオ会議システム400の主催者端末100の制御部130は、参加資格のない第三者による仮想的な会議室への入室を防止できる。
【0087】
<第2の実施形態>
[ビデオ会議システム]
図8は、第2の実施形態に係るビデオ会議システム401の構成を示すブロック図である。図8に示すように、第2の実施形態に係るビデオ会議システム401は、第1の実施形態と同様に、主催者端末100、及び接続サーバ300aを備えて構成されている。そして主催者端末100と接続サーバ300とは、主催者端末100と参加者端末200間のビデオ会議を提供する。
【0088】
第2の実施形態に係るビデオ会議システム401が、第1の実施形態に係るビデオ会議システム400と異なる点は、接続サーバ300aが、上述した認証部302をさらに備えている点である。これ以外の構成については、第1の実施形態で示したビデオ会議システム400と同様である。したがって、第1の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を適宜、省略する。
【0089】
認証部302は、参加者端末200から認証情報を受信し、当該認証情報により参加者端末200の会議待合室への入室を認証する(第1の認証)。これにより、参加可否受付部132は、認証部302により参加者端末200の認証が成功した場合、当該参加者端末200を会議待合室に入室させることができる。
【0090】
また、認証部302は、参加者端末200から受信した画像に撮影されているID(IDentification card)カード、バーコード、QRコード(Quick Response Code)、所定のジェスチャ、又はオブジェクトに基づいて、参加者端末200を認証する。認証情報は、撮像部120で撮像する参加者の顔画像であってもよい。ここで、認証情報は、少なくとも1つの認証情報により構成され、複数の認証情報から構成されてもよい。なお、認証部302が認証する認証情報を、第1の認証情報という。
【0091】
例えば、オブジェクトには、特徴的なオブジェクトとして「熊のぬいぐるみ」を適用し、「熊のぬいぐるみ」を撮影して、第1の認証情報としてもよい。また、他のオブジェクトには、特徴的なオブジェクトとして「赤いもの」を適用し、「赤いサイレン」を撮影して、第1の認証情報としてもよい。
【0092】
また、所定のジェスチャを第1の認証情報に適用した例については、後述する図10を用いて、詳述する。
【0093】
なお、参加者端末200は、主催者端末100と同様な構成を備え、撮像部120を有しているため、参加者端末200を操作する参加者の顔画像を撮影できる。その際、参加者端末200は、撮像部120で撮影された参加者の顔画像と、IDカード、バーコード、所定のジェスチャ、オブジェクト、QRコード等のいずれかと一緒に撮影し、第1の認証情報として、接続サーバ300aに送信できる。また、第1の認証情報は、撮像部120で参加者の顔画像と同時に撮影されたものに限定されず、それぞれ別々に撮影された複数の撮影画像であってもよい。
【0094】
これにより、接続サーバ300aの認証部302は、第1の認証情報を受信し、参加者端末200を認証する。したがって、参加者端末200は、第1の認証情報により認証された場合、仮想的な会議待合室に入室できる。
【0095】
[ビデオ会議システムの全体動作]
次に、第2の実施形態に係るビデオ会議システム401において、会議に参加する参加希望者を認証する方法について、図1及び図2を参照しながら、図9のシーケンス図を用いて説明する。
【0096】
図9は、第2の実施形態に係るビデオ会議システム401において、ビデオ会議に参加する参加希望者の入室認証処理の全体動作を示したシーケンス図である。図9は、図3のシーケンス図において、シーケンスSQ021~Q025までの処理が異なる。したがって、第1の実施形態と同一の処理については、同一の符号を付し、説明を適宜、省略する。
【0097】
図9に示すように、シーケンスSQ051において、参加者端末200は、ネットワークを介して、主催者端末100から会議待合室のリンクを取得(受信)すると、その会議待合室リンクと、例えば、QRコードと参加者の顔画像とからなる第1の認証情報を用いて、会議待合室への入室操作を行う(シーケンスSQ051)。
【0098】
第1の認証情報は、例えば、QRコードと参加者の顔画像とから構成される。参加者端末200は、撮像部120を備えているため、参加者端末200を操作する参加者の顔画像を撮影し、その撮影された参加者の顔画像を、QRコードと共に、接続サーバ300aに送信する(シーケンスSQ053)。
【0099】
なお、撮影された参加者の顔画像及びQRコードは、同時に撮影された1枚の撮影画像に含まれていてもよく、また、それぞれ別々に撮影された撮影画像に、参加者の顔画像とQRコードとがそれぞれ含まれていてもよい。
【0100】
なお、第1の認証情報として使用される参加者の顔画像は、接続サーバ300aの認証部302において待合室入室判断にのみ使用される認証情報である。そのため、第1の認証情報として使用される参加者の顔画像は、主催者端末100の表示部140に表示される会議待合室用メンバー画像とは異なり、認証に適したフォーマットに変換される。
【0101】
シーケンスSQ053では、参加者端末200は、会議待合室リンクで接続サーバ300aに接続し、QRコードと参加者の顔画像とからなる第1の認証情報を用いて、仮想的な会議待合室への入室要求を行う。
【0102】
接続サーバ300aの認証部302は、参加者端末200から取得した、QRコードと参加者の顔画像(第1の認証情報)と、自装置の記憶部(不図示)に格納されている、QRコードと参加者の顔画像とを用いて照合し、参加者端末200に仮想的な会議待合室への入室を許可するか否かを判定する(シーケンスSQ055)。
【0103】
このように、第2の実施形態に係るビデオ会議システム401は、シーケンスSQ055において、第1の認証情報を用いて、照合を行う。
【0104】
そして、認証部302は、参加者端末200から受信した第1の認証情報と、自装置の記憶部に格納されている第1の認証情報とが一致した場合、会議待合室のP2P接続を開始させる(シーケンスSQ025)。
【0105】
一方、認証部302は、参加者端末200から受信した第1の認証情報と、自装置の記憶部に格納されている第1の認証情報が一致しない場合、会議待合室のP2P接続を開始させない。
【0106】
第1の認証情報は、QRコードと参加者の顔画像とから構成されていたが、例えば、QRコードのみで構成されていてもよく、また、参加者の顔画像のみで構成されていてもよい。いずれも、必須の構成要素ではない。なお、第1の認証情報がQRコードと参加者の顔画像とから構成されている場合、2つとも認証された場合のみ、第1の認証情報が一致したと判定されるため、参加資格のない第三者に対するセキュリティを向上させることができる。
【0107】
次に、第2の実施形態における他の認証情報として、所定のジェスチャと、子供URの顔画像とで構成される第1の認証情報で認証する方法について説明する。
【0108】
図10は、参加者端末200の撮像部120により、子供URによるジェスチャを撮影するとともに、子供URの顔画像を撮影し、認証することを示した説明図である。この場合、子供URは、例えば、参加者端末200の撮像部120の前で、手や指の方向をジェスチャで表示する。
【0109】
参加者端末200の撮像部120は、子供URを所定のタイミングで撮影し、仮想的な会議待合室に入室するための条件として、例えば、ジェスチャが「上」の状態、ジェスチャが「下」の状態、ジェスチャが「右」の状態を撮影する。例えば、表示画面148aでは、子供URは、ジェスチャが「上」の状態を示し、表示画面148bでは、子供URは、ジェスチャが「下」の状態を示し、表示画面148cでは、子供URは、ジェスチャが「右」の状態を示している。
【0110】
参加者端末200は、第1の認証情報として、ジェスチャが示す「上下右」の情報と、子供URの顔画像とを、接続サーバ300aに送信する。そして、接続サーバ300aの認証部302は、第1の認証情報として、ジェスチャが示す「上下右」の情報と、子供URの顔画像を受信すると、子供URの顔画像の画像解析を実行する。
【0111】
なお、図10では、第1の認証情報は、撮像部120で撮影された同一の撮影画像により構成されているが、子供URによるジェスチャと子供URの顔画像とを、それぞれ別々に撮影し、第1の認証情報を構成してもよい。
【0112】
また、参加者端末200が送信する第1の認証情報は、図10の表示画面148a~148cで示した撮影画像を第1の認証情報として、撮影画像そのものを接続サーバ300aに送信してもよい。この場合、接続サーバ300aの認証部302は、受信する撮影画像を画像解析し、子供URによるジェスチャが示す「上下右」の情報により認証を行う。
【0113】
このように、接続サーバ300aの認証部302は、第1の認証情報として、ジェスチャが示す「上下右」の情報と、子供URの顔画像とを受信し、第1の認証情報として、「上下右」の情報及び子供URの顔画像が記憶部に格納されているか判定する。
【0114】
認証部302は、受信した第1の認証情報として、ジェスチャが示す「上下右」の情報と子供URの顔画像とが、記憶部に格納されている第1の認証情報と一致する否かを判定し、一致する場合、会議待合室のP2P接続を開始し、参加者端末200に対し、仮想的な会議待合室への入室を許可する。
【0115】
第1の認証情報は、所定のジェスチャが示す情報と子供URの顔画像とから構成されていたが、例えば、所定のジェスチャが示す情報のみで構成されていてもよく、また、子供URの顔画像のみで構成されていてもよい。いずれも、必須の構成要素ではない。なお、第1の認証情報が所定のジェスチャが示す情報と子供URの顔画像とから構成されている場合、2つとも認証された場合のみ、第1の認証情報が一致したと判定されるため、参加資格のない第三者に対するセキュリティを向上させることができる。
【0116】
以上説明したように、第2の実施形態に係るビデオ会議システム401の接続サーバ300aは、認証部302をさらに備えている。認証部302は、参加者端末200から、QRコードと子供URの顔画像とから構成される第1の認証情報を受信して、当該第1の認証情報により参加者端末200の会議待合室への入室を認証する。
【0117】
これにより、第2の実施形態に係るビデオ会議システム401の接続サーバ300aは、参加資格のない第三者による仮想的な会議待合室への入室を防止することができる。
【0118】
ここで、第2の実施形態において、参加者端末200が主催者端末100の仮想的な会議待合室に入室した場合(認証された場合)、例えば、参加者端末200の動画像(例えば、ユーザの顔画像である。)に、第1の認証情報により同一性が認証されていることを示すマーキングを付してもよい。
【0119】
また、第2の実施形態において、第1の認証情報を使用することにより、参加希望者が会議待合室に入室資格があるか否かを接続サーバ300aが判定することができるので、会議待合室に入室する参加者端末200の数を制限することができる。
【0120】
例えば、参加希望者に対して、会議待合室に入室する条件が何もない場合、主催者端末100の会議待合室には、大量の参加者端末200の動画像(ユーザの顔画像)が表示されてしまい、主催者にとって主催者端末100の会議待合室の使い勝手が悪くなる。第1の認証情報は、会議待合室への入室資格を厳格に適用することで、信頼できる参加希望者のみ会議待合室に入室させ、主催者端末100の会議待合室の使い勝手が悪くなることを防止できる。
【0121】
また、第2の実施形態では、第1の認証情報として、ジェスチャにより数字(暗証番号)を表示して、ジェスチャの数字(暗証番号)により認証をおこなってもよい。なお、暗証番号を示す数字は、4桁に限定されず、例えば、3桁による簡易パスワードの数字でもよい。
【0122】
この場合に、参加者端末200が送信する第1の認証情報は、第1の認証情報としてのジェスチャが示す数字の情報を接続サーバ300aに送信してもよく、また、撮像部120で撮影した撮影画像を第1の認証情報として、撮影画像そのものを接続サーバ300aに送信してもよい。撮像画像そのものを接続サーバ300aに送信した場合、接続サーバ300aの認証部302は、受信する撮影画像(動画)を画像解析し、ジェスチャが示す数字の情報により認証を行う。
【0123】
なお、第2の実施形態において、主催者端末100の動作は、第1の実施形態の場合と同様である。また、接続サーバ300aが認証部302を備える場合、主催者端末100が参加者端末200から受信した画像(参加希望者の画像)を表示し、仮想的な会議室への入室を許可する参加者端末200を選択する操作を、第2の認証ともいう。
【0124】
<第3の実施形態>
第3の実施形態は、第2の実施形態に加え、認証部302が参加者端末200を認証した場合、接続サーバ300aが、参加者端末200を、直接、ビデオ会議の会議室に入室させるものである。
【0125】
第3の実施形態に係るビデオ会議システムが、第2の実施形態に係るビデオ会議システム401と異なる点は、接続サーバ300aが、上述した認証部302で認証した場合、主催者端末100は、仮想的な会議待合室への入室を許可する選択操作を受け付けることなく、参加者端末200をビデオ会議の会議室に入室させる点である。
【0126】
これ以外の構成については、第2の実施形態で示したビデオ会議システム401と同様である。したがって、第2の実施形態のビデオ会議システム401と異なる点について説明し、同一の処理については、適宜、省略する。
【0127】
図11は、第3の実施形態に係るビデオ会議システムにおいて、参加者端末200が、直接、主催者端末100のビデオ会議に参加する入室認証処理を示したシーケンス図である。第3の実施形態に係るビデオ会議システムは、図9のシーケンスに示すシーケンスSQ029及びSQ031以降の処理が異なる。したがって、同一の処理については、同一の符号を付し、説明を適宜、省略する。
【0128】
図11のシーケンスSQ055以前の処理は、図9のシーケンスSQ001~SQ053までと同様である。図11に示すように、接続サーバ300aは、図9および図11のシーケンスSQ055において、認証情報(第1の認証情報)の照合が一致すると、ビデオ会議の会議室のP2P接続を開始させる(シーケンスSQ026)。
【0129】
そして、接続サーバ300aは、主催者端末100に対し、参加者端末200と接続する接続開始の指示を送信し(シーケンスSQ029)、参加者端末200に対し、主催者端末100と接続する接続開始の指示を送信する(シーケンスSQ031)。その後、主催者端末100と参加者端末200は、直接、会議室用画像の送受信を行う(シーケンスSQ037)。
【0130】
このように、第3の実施形態に係るビデオ会議システムの認証部302が参加者端末200の認証情報を認証した場合、主催者端末100は、仮想的な会議待合室への入室を許可する選択操作を受け付けることなく、参加者端末200を仮想的な会議室に入室させる。
【0131】
これにより、主催者端末100は、仮想的な会議室の通話画面を、主催者端末100の表示部140に表示する(シーケンスSQ039)。参加者端末200は、仮想的な会議室の通話画面を、参加者端末200の表示部140に表示する(シーケンスSQ041)。そして、主催者端末100と参加者端末200は、仮想的な会議室にて互いに直接通話を開始する(シーケンスSQ043)。
【0132】
[ビデオ会議への入室認証処理]
次に、第3の実施形態に係るビデオ会議システムの主催者端末100において、ビデオ会議に参加する参加希望者を、直接、ビデオ会議に参加させる入室処理について、図8及び図11を参照しながら、図12のフローチャートを用いて説明する。
【0133】
図12は、第3の実施形態に係るビデオ会議システムの主催者端末100が、ビデオ会議に参加する参加希望者の参加者端末200を、直接、ビデオ会議に参加させる処理を示したフローチャートである。
【0134】
図12に示す第3の実施形態に係るビデオ会議システムの主催者端末100のフローチャートが、図5に示す第2の実施形態に係るビデオ会議システム401の主催者端末100のフローチャートと異なる点は、ステップS011,S013の処理を実行しない点である。
【0135】
図12のステップS010以前の処理は、図5のステップS001~S007までと同様である。図12に示すように、主催者端末100は、参加者端末200とビデオ会議の会議室のP2P接続を開始すると(ステップS010のYes)、直接、許可メンバー(参加者)と画像・音声を送受信し、通話を開始する(ステップS015)。
【0136】
この場合、主催者端末100は、認証された参加者端末200と、直接、会議室用画像の送受信を行い、仮想的な会議室にて互いに直接通話を開始する。
【0137】
以上説明したように、第3の実施形態に係るビデオ会議システムの主催者端末100の制御部130は、接続サーバ300aの認証部302において参加者端末200が認証された場合、参加者端末200を、直接、ビデオ会議の会議室に入室させ、ビデオ会議に参加させる。
【0138】
これにより、第3の実施形態に係るビデオ会議システム400の主催者端末100の制御部130は、第2の実施形態で設定した認証情報(第1の認証情報と第2の認証情報)に基づいて、認証された参加者端末200のみ仮想的な会議室への入室を許可できる。
【0139】
<第4の実施形態>
第4の実施形態では、第3の実施形態に加え、認証部302において参加者端末200が認証されない場合、認証されない参加者端末200を仮想的な会議待合室に入室させる。主催者端末100は、仮想的な会議待合室において参加者端末200に対応づけられた参加メンバー(参加希望者)の顔画像を表示させ、許可する参加メンバー(参加希望者)を選択操作する。
【0140】
すなわち、第4の実施形態では、第3の実施形態において認証部302により参加者端末200が認証されない場合、制御部130の参加可否受付部132は、第1の実施形態で示した仮想的な会議待合室における参加者端末200の動画像(参加希望者の顔画像)を表示部140に表示し、当該参加者端末200によるビデオ会議への参加の可否を受け付ける。
【0141】
これにより、認証部302において参加者端末200が認証されない場合、接続サーバ300aは、会議待合室のP2P接続を開始し、主催者端末100は、表示部140に表示された仮想的な会議待合室の参加メンバー(参加希望者)の顔を確認しながら、仮想的な会議室に入室させるメンバーを選択できる。
【0142】
第4の実施形態の具体的な処理は、図9に示すシーケンス図において、シーケンスSQ055からシーケンスSQ033を実行した後、図4に示すシーケンス図のシーケンスSQ035を実行する。
【0143】
以上説明したように、第4の実施形態に係るビデオ会議システムの主催者端末100の制御部130は、接続サーバ300aの認証部302において参加者端末200が認証されない場合、認証されない参加者端末200を仮想的な会議待合室に入室させ、参加メンバー(参加希望者)の顔画像を表示部140に表示させて、許可する参加メンバー(参加希望者)を選択操作する。
【0144】
これにより、第4の実施形態に係るビデオ会議システム400における主催者端末100の制御部130の参加可否受付部132は、第2の実施形態及び第3の実施形態で設定した認証情報に基づいて、認証部302において参加者端末200が認証されない場合でも、仮想的な会議待合室における参加者端末200の動画像(参加希望者の顔画像)を表示部140に表示して、当該参加者端末200によるビデオ会議への参加の可否を受け付ける。
【0145】
例えば、参加者端末200から接続サーバ300aに、第1の認証情報としてQRコードやIDコードを送信できず、認証部302において第1の認証情報が認証されない場合でも、主催者端末100は、仮想的な会議待合室における参加者端末200の動画像(参加希望者の顔画像)により、ビデオ会議への参加を許可できる。
【0146】
なお、認証部302において参加者端末200が認証されない場合には、第1の認証情報を構成する複数の認証情報のうち、少なくともいずれか1つの認証情報が認証されない場合も該当する。したがって、第1の認証情報が認証されない場合、制御部130の参加可否受付部132は、仮想的な会議待合室における参加者端末200の動画像(参加希望者の顔画像)を表示部140に表示し、当該参加者端末200によるビデオ会議への参加の可否を受け付けることができる。
【0147】
例えば、第1の認証情報のうち、QRコードが認証され、参加希望者の顔画像が認証されていない参加希望者に対しては、QRコードが認証されている情報と、参加者端末200の動画像(会議待合室用メンバー画像)とを、主催者端末100の表示部140に表示する。これにより、主催者は、QRコードによる信頼性を確認しつつ、参加メンバー(参加希望者)の動画像(会議待合室用メンバー画像)により認識することができ、ビデオ会議への参加を許可できる。
【0148】
<第5の実施形態>
第5の実施形態は、第1の実施形態をテレビ電話システムに適用し、1対1通話に応用したものである。例えば、電話を掛ける側が参加者端末200の参加者となり、一方、電話を受ける側が主催者端末100の主催者となる。
【0149】
すなわち、ビデオ会議システム400を使用して1対1通話をおこなう場合は、電話をかける側の参加者端末200から、電話を受ける側に送信される参加者の顔画像が主催者側の主催者端末100の表示部140に表示される(会議待合室モード)。そのため、主催者端末100の主催者は、参加希望者の顔画像を動画で目視することにより、通話開始を認証し、通話を開始できる(会議室モード)。なお、電話を掛けられた側(すなわち、電話を受ける側)の動画像は、通話を開始するまで相手側(電話を掛けた側)には送信されない。
【0150】
これにより、電話を掛けられた側(電話を受ける側)は、電話をかけてきた相手の顔を確認してから通話を開始することができるため、詐欺的行為による被害を防止することができ、安心して通話を開始することができる。
【0151】
図13Aは、テレビ電話システムにおける主催者端末100の表示画面190を示した説明図である。図13Bは、テレビ電話システムにおける参加者端末200の表示画面191を示した説明図である。
【0152】
図13Aに示すように、主催者端末100の表示画面190には、表示領域1901、通話準備ボタン1902、及び通話参加ボタン1903が設けられる。なお、通話準備ボタン1902と通話参加ボタン1903は、主催者端末100及び参加者端末200の双方に共通の機能として備えられる。通話準備ボタン1902がタップされることにより表示領域1901が表示され、主催者端末として機能するようになる。
【0153】
表示領域1901は、参加者端末200を会議待合室モードに招待するための通話番号が表示される。具体的には、表示領域1901には、「通話番号を準備しました。通話したい相手へ下記の番号を伝えてください 1234」と表示されている。
【0154】
これにより、主催者端末100を操作する主催者は、参加者端末200を操作する参加希望者に、通話に必要な番号の「1234」を、例えば、電話やメールなどにより通知する。
【0155】
また、図13Bに示すように、参加者端末200の表示画面191には、表示領域1910、通話準備ボタン1902、及び通話参加ボタン1903が設けられる。通話参加ボタン1903がタップされることにより表示領域1910が表示され、参加者端末として機能するようになる。
【0156】
表示領域1910は、主催者端末100と通話を開始するための通話番号入力欄が表示される。具体的には、「通話に参加します 通話番号を入力してください □□□□」と表示されている。
【0157】
これにより、参加者端末200を操作する参加希望者は、主催者端末100を操作する主催者から取得した通話に必要な番号の「1234」を入力して、呼出ボタン1904をタップする。
【0158】
図14Aは、テレビ電話システムにおける参加者端末200の表示画面193を示した説明図である。図14Bは、テレビ電話システムにおける主催者端末100の表示画面192を示した説明図である。
【0159】
図14Aに示すように、参加者端末200の表示画面193には、表示領域1931と、終了ボタン1932とが設けられる。表示領域1931は、参加者(参加者端末200)が、主催者(主催者端末100)がいる仮想的な会議室を呼び出している状態を示している。具体的には、表示領域1931には、「通話番号1234の部屋を呼び出しています 1234」と表示されている。
【0160】
終了ボタン1932は、主催者端末100の主催者が応答する前に、電話の呼び出しを終了するボタンである。
【0161】
また、図14Bに示すように、主催者端末100の表示画面192には、待機状態表示画像1921、主催者画像1922、ビデオ応答ボタン1923、音声応答ボタン1924及び拒否ボタン1925が設けられる。
【0162】
待機状態表示画像1921は、仮想的な会議待合室を表示しており、参加希望者が仮想的な会議待合室にいる状態が表示される。主催者端末100の主催者は、待機状態表示画像1921に表示された参加希望者を確認し、通話依頼に対して応答する方法を選択できる。
【0163】
例えば、主催者は、ビデオ応答ボタン1923を選択してタップすることにより、ビデオ会議で参加希望者に応答する。また、主催者は、音声応答ボタン1924を選択してタップすることにより、音声で参加希望者に応答する。また、主催者は、拒否ボタン1925を選択してタップすることにより、通話を拒否する。
【0164】
以上説明したように、第5の実施形態に係るテレビ電話システムでは、電話が掛けられた側(電話を受ける側)である主催者は、電話をかけてきた参加者である相手の顔を確認してから通話を開始できる。
【0165】
これにより、第5の実施形態に係るテレビ電話システムは、相手の顔を確認してから通話を開始できるので、詐欺的行為による被害を防止することができ、安心して通話を開始することができる。
【0166】
(変形例)
以上説明した本発明の各実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更が可能である。例えば、次のようなものがある。
【0167】
例えば、第1~第4の実施形態に係るビデオ会議システム400,401において、主催者端末100の制御部130の参加可否受付部132は、入室を許可する参加メンバー(参加希望者)を選択するようになっていた。しかしながら、参加メンバー(参加希望者)以外の顔画像や不鮮明な顔画像については、仮想的な会議室(会議待合室)への入室を拒否してもよい。
【0168】
また、例えば、第1~第4の実施形態に係るビデオ会議システム400,401において、主催者端末100の表示部140に表示される会議待合室用メンバー画像は、参加者端末200がユーザの顔を撮影した動画像で構成されていたが、動画像に限定されるものではない。主催者端末100の表示部140に表示される会議待合室用メンバー画像は、主催者が参加者を予め認知し得るユーザの顔画像であればよく、参加者端末200の撮像部120がユーザの顔を撮影した静止画で構成されていてもよい。
【0169】
また、例えば、第1~第4の実施形態に係るビデオ会議システム400,401において、主催者端末100と参加者端末200とがP2Pで接続される代わりに、中継サーバ(図示せず)を経由して、主催者端末100と参加者端末200とが接続されてもよい。また、接続サーバ300は、中継機能を備え、主催者端末100と参加者端末200とを中継してもよい。なお、主催者端末100と参加者端末200との接続には、有線接続でも無線接続でも、特に限定されるものではない。
【0170】
また、例えば、第5の実施形態に係るテレビ会議システムでは、電話が掛けられた側(通話を受ける側)の動画像は、参加者と通話を開始するまで相手側には送信されなかったが(会議待合室モード)、例えば、通話を開始(会議室モード)するまでの間、動画像以外の通話(音声、テキスト)は可能な構成でもよい。
【0171】
すなわち、会議待合室モードの場合は、主催者端末100は、動画像以外の通話を可能としてもよい。これにより、不審な相手(参加者)に対して自身(主催者)の姿を見せることなく、また、動画像を伴う通話を開始する前に、例えば、音声やテキストにより相手を特定するための指示や依頼などを出すことができる。
【符号の説明】
【0172】
100 主催者端末
110 入力部
120 撮像部
130 制御部
131 待合室処理部
132 参加可否受付部
133 ビデオ会議処理部(電子会議処理部)
140 表示部
150 記憶部
160 通信部
200 参加者端末
300,301a 接続サーバ
301 待合室リンク生成部(待合室提供部)
302 認証部
400,401 ビデオ会議システム
141,145 表示画面
147a,147b,147c,147d 表示画面
148a,148b,148c 表示画面
190,191,192,193,194,195,196 表示画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B