(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】遊技場用管理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
A63F7/02 328
(21)【出願番号】P 2020209287
(22)【出願日】2020-12-17
【審査請求日】2023-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】岩田 陽平
(72)【発明者】
【氏名】向山 幸治
(72)【発明者】
【氏名】青山 正宏
【審査官】尾崎 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-115259(JP,A)
【文献】特開2001-293226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者による離席操作手段を介した離席操作を受け付けることで遊技機が離席状態であることを特定可能な遊技場において、
前記離席操作に関する情報を離席操作情報として集計する離席操作情報集計手段と、
前記離席操作情報を前記遊技場の管理者に対して出力する離席操作情報出力手段と、を備え
、
前記離席操作情報は、前記離席操作を受け付けた遊技機において行われた当該離席操作の回数又は当該離席操作が行われた時刻に関する情報のうち少なくとも一方を含み、
前記離席操作情報集計手段は、前記遊技場に複数備えられた遊技機のうち稼動している遊技機に対する前記離席操作が受け付けられている遊技機の割合又は総稼動時間に対する離席時間の割合のうち少なくとも一方を集計する遊技場用管理システム。
【請求項2】
遊技者による離席操作手段を介した離席操作を受け付けることで遊技機が離席状態であることを特定可能な遊技場において、
前記離席操作に関する情報を離席操作情報として集計する離席操作情報集計手段と、
前記離席操作情報を前記遊技場の管理者に対して出力する離席操作情報出力手段と、
前記離席操作情報集計手段により集計された前記離席操作情報から離席操作が稼動に与える影響度を算出する影響度算出手段と、
前記影響度算出手段により算出された結果が予め定められた閾値を超えたか否かを判定する判定手段と、
前記影響度算出手段により算出された結果が前記閾値を超えたと前記判定手段により判定された場合に、対応する遊技機に関する情報を前記遊技場の管理者に対して報知する影響度報知手段と、を備えた遊技場用管理システム。
【請求項3】
前記離席操作情報は、前記離席操作を受け付けた遊技機の属するエリア情報を含み、
前記離席操作情報集計手段は、前記離席操作情報をエリア毎に区分して集計する請求項1又は2に記載した遊技場用管理システム。
【請求項4】
前記エリア情報は、喫煙の可否により区分される情報である請求項3に記載した遊技場用管理システム。
【請求項5】
遊技者を撮像することで、前記離席操作を受け付けていない離席状態である遊技機を特定する非操作離席状態特定手段と、
離席状態である遊技機のうち離席操作を受け付けた遊技機の割合を算出する割合算出手段と、を備え、
前記離席操作情報集計手段は、前記非操作離席状態特定手段により特定された前記離席操作を受け付けていない離席状態である遊技機に関する情報を集計し、
前記離席操作情報出力手段は、前記割合算出手段により算出された離席状態である遊技機のうち離席操作を受け付けた遊技機の割合を出力する請求項1から4の何れか一項に記載した遊技場用管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
受動喫煙防止を強化する健康増進法改正の実施により、各遊技場においては遊技中の喫煙を禁止すると共に、遊技者が喫煙する場合には遊技中の遊技機から一旦離れ、遊技場に予め設けられた専用の喫煙エリアに移動しなければならない措置がとられている。この場合、喫煙のために離席する遊技者は遊技機において離席操作を行い、休憩中であることを示すことで、自身の遊技している遊技機が空台として整理されないようにすることができる。又、遊技場にとっては遊技者に対して休憩中であることを明示し、喫煙後に速やかに遊技機へ戻ることを意識付けることで遊技機の稼動が低下してしまうことを防止することができる(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、休憩中であることを明示し、喫煙後に速やかに遊技機へ戻ることを意識付けたとしても、休憩の回数が増えてしまうと、その分、遊技機の稼動が低下してしまう。そのため、離席操作の利用状況を把握し、離席操作による稼動への影響度を把握する必要がある。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、離席操作の利用状況を適切に把握し、離席操作による稼動への影響度を適切に把握することができる遊技場用管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した遊技場用管理システムによれば、離席操作に関する情報を離席操作情報として集計し、その集計した離席操作情報を遊技場の管理者に対して出力することで、離席操作の利用状況を適切に把握し、離席操作による稼動への影響度を適切に把握することができる。又、その把握した離席操作による稼動への影響度に応じて適切な対応を講じることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態における遊技場用管理システムの構成を示す概略図
【
図12】離席操作情報集計処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用管理システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して貸出装置2(離席操作手段に相当する)及び情報表示装置3(離席操作手段に相当する)が設置されている。遊技機1、貸出装置2及び情報表示装置3は、中継装置4及びLAN5を介して管理装置6(離席操作情報集計手段、離席操作情報出力手段、影響度算出手段、判定手段、影響度報知手段、非操作履歴状態特定手段、割合算出手段に相当する)と接続されている。管理装置6は、遊技機側(遊技機1、貸出装置2等)から送信される遊技信号を受信して遊技機毎の遊技データを管理すると共に、会員登録されている会員毎の個人データも管理する。
【0009】
遊技場内には景品交換端末(以下、POS端末と称する)7も設置されており、POS端末7もLAN5を介して管理装置6と接続されている。又、遊技場内には、島端計数機や精算機(何れも図示せず)も設置されており、これら島端計数機や精算機もLAN5を介して管理装置6と接続されている。尚、
図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。管理装置6は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード8、モニタ9及びプリンタ(図示せず)等が接続されている。管理装置6は、遊技場内に設置されている遊技機1、貸出装置2、POS端末7等の稼動状況を管理する。
【0010】
遊技機1は、CR(カードリーダ)パチンコ遊技機であり、盤面10に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル11、上部受皿12、下部受皿13等を有すると共に、盤面10に、液晶表示部14、普図入賞口15、普図表示部16、特図保留表示部17、入賞口18、第1始動口19、第2始動口20、開閉入賞装置21、大入賞口22等を有する。
【0011】
遊技機1は、以下に示すように動作する。
(1)第1始動口19及び第2始動口20への入賞に応じて特別図柄による大当り抽選を行う。第1始動口19は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口20は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。大当り確率は低確率状態で1/200であり、高確率状態で1/50である。大当り確率の逆数をTSと表現すると、TSは大当り発生までに想定される平均変動回数を示す。
【0012】
(2)大当り抽選に当選すると大当り遊技が発生する。大当り遊技では特別図柄に応じた回数だけ大入賞口22が開放する。本実施形態における開放回数は、ヘソでの大当り時は全て4Rであり、電チューでの大当り時は10Rである。尚、1Rの上限入賞数は10個である。又、大当り遊技終了後は当該大当りに当選した特別図柄に応じて大当り当選率が変化する。ヘソでの大当り時は70%の割合で高確率状態となり、電チューでの大当り時は100%の割合で高確率状態となる。
【0013】
(3)普通図柄が当選すると電チューの入賞率が高くなる。
(4)大当り遊技終了後、又は天井条件を満たした場合に時短状態が付与され、普通図柄の当選確率が高くなる。特別図柄の変動回数が時短の回数にあたり、大当りの特別図柄の種類により付与される時短回数が異なる。本実施形態において、ヘソでの大当り時は50回又は75回が付与され、それぞれの割合は70%、30%である。電チューでの大当り時は100%の割合で75回が付与される。
【0014】
(5)初期化条件(大当り後又は初期化操作後)成立後、低確率状態の大当り抽選に所定回数連続して非当選の場合に天井特典が付与される。本実施形態において、所定回数は600回であり、付与される特典は時短750回である。尚、750回の時短中は低確率で大当り抽選を行う。
【0015】
(6)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。保留上限値は、ヘソ、電チューそれぞれ4個ずつである。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
【0016】
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打ち込みや各始動口19,20への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を出力する。
【0017】
アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)である。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から出力される信号でも良い。
【0018】
セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号である。入賞に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。又、玉を実際に払い出した際に出力される実セーフ信号と、入賞に応じて払出が予約された場合に出力される入賞セーフ信号とがあるが、入賞から出力までのタイムラグを極力省くため後者を採用することが望ましい。
【0019】
入賞信号=遊技機1から出力される始動入賞(S入賞)により変動(作動)する液晶表示部(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)、及びスタート(スタート処理数)を特定可能な信号である。
図柄確定信号=遊技機1から出力される図柄変動の確定を特定可能な信号である。図柄変動が停止したタイミングを示す図柄変動停止信号である。
【0020】
大当り信号=遊技機から出力される大当り期間を特定可能な信号である。大当り中にレベル出力される状態信号なので、大当り信号入力中を大当り中として特定する。
【0021】
特別状態信号=遊技機から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号である。第2始動口20の入賞率が向上する特別状態中(時短中(複合時短含む))にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号入力中を特別状態中として特定する。尚、大当り確率が向上する確変中にレベル出力される状態信号(確変信号)であっても良い。又、大当り信号と特別状態信号の何れも入力していない期間を通常状態として特定する。"
【0022】
貸出装置2は、所謂各台計数機能付きの貸出機であり、遊技機1の遊技状態を示す状態表示灯23、貨幣(貨幣価値、有価価値)が投入される貨幣投入口24、遊技者の顔を含む上半身を撮影するカメラを内蔵しているカメラ部25(
図1では保護カバーのみを図示)、遊技者からの操作入力を受け付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当り確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部26、持玉や貯玉を払い出すための払出ボタン27、払い出された玉が通過する払出ノズル28、ICカードや会員カードが挿入されるカード挿入口29、遊技機1の下部受皿13の下方に位置する着脱可能な計数受皿30等を有する。
【0023】
ICカードは、当日限り有効なカードであり、不特定多数の遊技者に対して発行される。ICカードに内蔵されたICチップには、当該カードを特定可能なカードIDが記録されると共に、貸出装置2に入金された残高を特定可能な残高情報、当日中に遊技者が獲得した持玉数を特定可能な持玉数情報が貸単価毎に記録される。会員カードは、予め設定されている有効期限(例えば3年間)まで有効なカードであり、予め会員登録した遊技者に対して発行される。会員カードに内蔵されたICチップには、当該カードを特定可能な会員IDが記録されると共に、貸出装置2に入金された残高を特定可能な残高情報が記録される。会員カードに対応する貯玉数を特定可能な貯玉数情報は、管理装置6の会員口座に貸単価毎に記憶される。
【0024】
貸出装置2は、以下に示すように動作する。
(1)貨幣を受け付けると(貨幣受付処理)、遊技機1と貸出装置2との双方に入金額を残高に加算して表示し、残高がある状態で遊技機1の貸出ボタンが押下されると(貸出操作、対価付与操作)、貸出1単位(例えば500円)分の貸出玉(対価付与価値)を遊技機1から払い出し(付与処理)、レートに応じた対価分を残高から引き落とす。尚、貨幣は複数回の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0025】
(2)計数玉を受け付けた場合は計数玉を持玉として特定し、その持玉を払出ボタン27の押下に応じて払い戻す払戻処理(持玉の再プレイ処理)を可能とし、払い戻した場合にはその対価分(例えば払い戻した玉数と同数)の持玉を減算する。
【0026】
(3)残高や持玉が残存する状態で遊技機1の返却ボタンが押下されると(発行操作を受け付けると)、貸出装置2にストックされていた残高や持玉を特定可能なICカードを発行する。尚、持玉の一部や残高のみを発行対象とする分割発行も可能とする。ICカードを受け付けた場合は、その残高や持玉を引き継ぐ。
【0027】
(4)中継装置4とのシリアル通信により管理装置6にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、払戻玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及びICカードの受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としても良い。尚、貸出処理上の通信については中継装置4を介さず、遊技機1と貸出装置2とで直接通信を行っても良い。
【0028】
図2に示すように、情報表示装置3は、液晶表示部31、ランプ部32、呼出ボタン33a、メニューボタン33b、その他リセットボタン等を含む操作ボタン群33、リモコン受光部34等を有する。呼出ボタン33aは、遊技者が遊技場の従業員を呼び出すための操作ボタンであり、メニューボタン33bは、所定のメニューをポップアップ表示するための操作ボタンであり、リセットボタンは、個人の遊技情報を初期化するための操作ボタンである。リモコン受光部34は、遊技場の従業員が携帯する操作リモコンから送信されるリモコン信号を受光する。
【0029】
情報表示装置3は、以下に示すように動作する。
(1)液晶表示部31の表示領域を複数の表示領域に区分可能であり、遊技機1から送信された遊技信号を中継装置4を経由して受信して各種の遊技情報を作成し、その作成した遊技情報を各表示領域に表示したり、管理装置6から送信された各種情報を受信し、その受信した各種情報を各表示領域に表示したりする。
【0030】
(2)複数の表示領域をメイン表示領域35と第1~第6サブ領域36~41に区分し、大当り数を該当期間単位(営業日の当日、1日前、2日前)でメイン表示領域35にて表示し、操作ボタン群33にて遊技情報の切替操作があった場合には、図示しない他の遊技情報を表示する表示状態へと表示を切替える。通常状態にて発生した大当りである初当り数(確変状態での大当り数を除いた大当り数)を該当期間単位で第1サブ表示領域36にて表示し、大当り中の出玉が基準値(例えば1000玉)以上である大当りである「超」と、それ未満である「小」の大当り数を第2サブ表示領域37にて表示し、所定の基準時(例えば対応する機種の導入時)からの営業日単位の最高の獲得玉数を第3サブ表示領域38にて表示し、初期化条件の成立(営業開始や特別状態の終了等の成立)後からのスタート(図柄変動数)を第4サブ表示領域39にて表示し、大当り単位のスタートをグラフ化した所謂スタート履歴グラフを第5サブ表示領域40にて表示し、機種名を第6サブ表示領域41にて表示する。
【0031】
POS端末7は、遊技場内の景品交換カウンタに設置されており、遊技場の従業員により操作される。
図3に示すように、POS端末7は、タッチパネル式の液晶表示部42、景品の入庫操作等を行うための入庫ボタン43、各種操作ボタン44、特殊景品への交換操作を行うための交換ボタン45、景品交換表示を終了させるための終了ボタン46、景品の種類を選択するためのPLUボタン47、各種操作を取り消すためのキャンセルボタン48、各景品の数量を入力するためのテンキー49等を有する。POS端末7は、図示しないカードリーダとデータ通信可能に接続されており、ICカードや会員カードがカードリーダに受け付けられることで、ICカードや会員カードに記録されている各種情報を取得する。
【0032】
POS端末7は、以下に示すように動作する。
(1)ICカードや会員カードがカードリーダに受け付けられると、ICカードに対応する持玉数や会員カードに対応する貯玉数を特定する。バーコード等が印刷されるレシートや表示される携帯端末の場合には、そのバーコード等をスキャナにより読み取ることで持玉数や貯玉数を特定しても良い。
【0033】
(2)持玉数や貯玉数を特定すると、その持玉数や貯玉数にて交換可能な特殊景品を表示し、景品を選択する景品選択操作を受け付ける毎に交換可能な持玉数を減少させ、その都度、交換可能な特殊景品の表示を更新する。景品を選択し終えた後、交換ボタン45が操作されると、表示される特殊景品が選択されたとして液晶表示部42の表示を更新し、終了ボタン46が操作されると、交換対象となる持玉や貯玉と景品とを対応付ける。この場合、交換対象となる特殊景品を示す交換情報を図示しない景品払出機に送信し、対応する特殊景品を景品払出機から払い出させる。
(3)景品交換時にICカードや会員カードを最後に発行した貸出装置2に対応する遊技機1が後述する離席状態に設定されている場合には、その旨を報知する。
【0034】
遊技場内には、遊技者が喫煙するための専用の喫煙エリア(喫煙所)が予め設けられている。遊技者が喫煙する場合には遊技中の遊技機1から一旦離れ、喫煙所に移動する。喫煙所には、灰皿等の他に、喫煙所用表示装置50(
図1参照)が設置されており、喫煙所用表示装置50は、LAN5を介して管理装置6と接続されている。喫煙所用表示装置50は、サイネージ表示領域と休憩案内表示領域とを備え、遊技場の案内や機種紹介等をサイネージ表示領域にて表示し、休憩時間に関する休憩案内等を休憩案内表示領域にて表示する。休憩案内としては、離席可能時間が経過した遊技機、離席可能時間が迫っている遊技機等に関する情報を表示する。
【0035】
ここで、離席操作について説明する。遊技場においては、遊技者は貸出装置2又は情報表示装置3にて離席操作を行うことができる。離席操作には喫煙休憩と食事休憩とがあり、喫煙休憩は食事休憩と比較して離席可能時間が短く設定されている。貸出装置2又は情報表示装置3は、喫煙休憩や食事休憩のための離席操作を受け付けると、その時点で受け付けているカードを離席ロック状態に設定し、その離席ロック状態に設定したカードをカード挿入口29から排出し、対応する遊技機1を離席状態に設定し、その離席状態に設定した遊技機1を特定可能な遊技機IDと、離席ロック状態に設定したカードを特定可能なカードIDや会員IDとを含む離席開始情報を管理装置6に送信する。このとき、貸出装置2は、対応する遊技機1が離席状態である旨の表示を液晶表示部26にて開始し、情報表示装置3は、対応する遊技機1が離席状態である旨の表示を液晶表示部31にて開始する。
【0036】
その後、貸出装置2又は情報表示装置3は、離席ロック状態に設定されたカードがカード挿入口29に挿入されたことで当該カードを受け付けると、そのカードの離席ロック状態を解除し、対応する遊技機1の離席状態を解除し、その離席状態を解除した遊技機1を特定可能な遊技機IDと、離席ロック状態を解除したカードを特定可能なカードIDや会員IDとを含む離席終了情報を管理装置6に送信する。このとき、貸出装置2及び情報表示装置3は、対応する遊技機1が離席状態である旨の表示を終了する。即ち、カードの離席ロック状態及び遊技機1の離席状態は、カードを排出してから当該カードを受け付けるまで継続される。尚、離席ロック状態に設定されていないカードがカード挿入口29に挿入された場合には、対応する遊技機1の離席状態を解除しない。
【0037】
貸出装置2にて離席操作を行う場合について
図4を参照して説明する。貸出装置2は、待機状態では、
図4(a)に示す待機中画面101を液晶表示部26に表示し、貸出玉単価、1単位分の貸玉数、「タバコ休憩」ボタン101a、「食事休憩」ボタン101b、「メニュー表示」ボタン101c、カード種別と残高、持玉数、払出ボタン27の押下を促すメッセージを表示する。
【0038】
貸出装置2は、「タバコ休憩」ボタン101aが押下されると、例えば残高が所定金額以上であることや持玉数や貯玉数が所定数以上であること等のカードの発行条件が成立しているかを判定し、カードの発行条件が成立していれば、
図4(b)に示す離席操作時画面102を表示し、タイトル102a、離席可能時間とカードが返却される旨を通知するメッセージ、「開始」ボタン102b、「中止」ボタン102c表示する。離席可能時間は機種毎に設定可能である。
【0039】
貸出装置2は、「開始」ボタン102bが押下されると、発行条件が成立中のカードがICカードであれば、現在の残高や持玉をICカードに記録し、発行条件が成立中のカードが会員カードであれば、現在の残高を会員カードに記録すると共に貯玉を管理装置6の会員口座に記憶させ、そのカードを離席ロック状態に設定してカード挿入口29から排出し、
図4(c)に示す離席ロック中画面103を表示し、タイトル103a、喫煙から戻った際にカードの挿入を促す旨を通知するメッセージ、離席ロック状態に設定してからの経過時間を表示し、上記した離席開始情報を管理装置6に送信する。これ以降、喫煙から戻った遊技者が、離席ロック状態に設定されているカードを貸出装置2のカード挿入口29に挿入すると、貸出装置2は、当該カードを受け付けることで離席ロック状態を解除し、待機中画面に戻り、上記した離席終了情報を管理装置6に送信する。
【0040】
情報表示装置3にて離席操作を行う場合について
図5を参照して説明する。情報表示装置3は、メニュー画面で「喫煙」に関する項目が押下されると、
図5(a)に示す離席操作時画面201を表示し、「はい」ボタン201a、「いいえ」ボタン201b、休憩の開始を問い合わせるメッセージを表示する。
【0041】
情報表示装置3は、「はい」ボタン201aが押下されると、休憩開始要求信号を貸出装置2に送信する。貸出装置2は、情報表示装置3から休憩開始要求信号を受信すると、カードの発行条件が成立しているかを判定し、カードの発行条件が成立していれば、発行条件が成立中のカードがICカードであれば、現在の残高や持玉をICカードに記録し、発行条件が成立中のカードが会員カードであれば、現在の残高を会員カードに記録すると共に貯玉を管理装置6の会員口座に記憶させ、そのカードを離席ロック状態に設定してカード挿入口29から排出し、休憩開始応答信号を情報表示装置3に送信する。
【0042】
情報表示装置3は、貸出装置2から休憩開始応答信号を受信すると、
図5(b)に示す離席ロック中画面202を表示し、離席中であることを知らせるメッセージ、離席ロック状態が設定されてからの経過時間を表示し、上記した離席開始情報を管理装置6に送信する。これ以降、喫煙から戻った遊技者が、離席ロック状態に設定されているカードを貸出装置2のカード挿入口29に挿入すると、貸出装置2は、離席ロック状態を解除し、休憩終了通知信号を情報表示装置3に送信する。情報表示装置3は、貸出装置2から休憩終了通知信号を受信すると、メニュー画面に戻り、上記した離席終了情報を管理装置6に送信する。
【0043】
本実施形態では、管理装置6は、上記したように遊技者が離席操作を行うことに応じて離席操作情報を管理する離席操作情報管理、離席操作情報を管理することに応じて遊技機1の配置やエリアの変更等を報知する配置変え報知を行う。以下、離席操作情報管理及び配置変え報知について順次説明する。
【0044】
(1)離席操作情報管理
離席操作情報管理について
図6から
図12を参照して説明する。管理装置6は、貸出装置2又は情報表示装置3から送信される離席開始情報及び離席開始情報を受信し、遊技者からの離席操作を受け付けたことで離席状態となった遊技機1を集計し、離席操作情報を管理する。管理装置6は、離席開始情報に基づいて離席状態が設定された遊技機1に関する情報(台番、機種名、種別、エリア等)と、貸出装置2から排出されたカードに関する情報(カード種別、会員ID、カードID等)と、離席状態を開始した時刻とを対応付けて記録する。又、管理装置6は、離席終了情報に基づいて離席状態が解除された遊技機1に関する情報と、貸出装置2から排出されたカードに関する情報と、離席状態を終了した時刻とを対応付けて記録する。
【0045】
一方、遊技者は、上記したような貸出装置2又は情報表示装置3による離席操作を行わずに対応する遊技機1から離れる場合がある。この場合、管理装置6は、貸出装置2から送信されるカメラ映像信号を受信することで、遊技者からの離席操作を受け付けずに離席状態となった遊技機1を集計し、非操作離席状態を管理する。管理装置6は、例えばカードを排出させる等の遊技終了操作が行われる前にカメラ映像信号の映像から人物を検出不能になると、対応する遊技機1で遊技する遊技者が離席操作を行わずに離席したと判定し、非操作離席状態を管理する。
【0046】
管理装置6は、
図6に示すように、種別毎の離席状態及び離席率を管理し、離席操作情報履歴を表示する。「日時」は所望の日時を「プルダウン」ボタンA1,A2により選択可能(時刻は例えば1時間単位で選択可能)であり、「エリア」は遊技場で管理している複数のエリアのうち所望のエリアを「プルダウン」ボタンA3により選択可能である。エリア情報は、遊技場の全体が禁煙である状態、一つのフロアに対して喫煙エリアと禁煙エリアとに区分される状態、又は遊技場が他階層に分かれている場合にフロア毎に喫煙フロアと禁煙フロアとに区分される状態等が考えられる。
図6では、エリアとして遊技場の全体である「オール」が選択されている場合を例示している。
【0047】
各項目の内容は以下の通りである。
種別=遊技機1に設定されている種別である。
全台=当該種別における遊技場に設置されている遊技機1の総台数である。
稼動中=稼動状態の遊技機1の総台数である。
離席中=離席状態の遊技機1の総台数である。
離席率=稼動中の遊技機1の総台数と離席中の遊技機1の総台数との合計に対する離席中の遊技機1の総台数の割合であり、離席中(台)÷(稼動中(台)+離席中(台))×100(%)の計算式により求められる。
【0048】
離席操作情報履歴を表示することで、遊技場の管理者は種別毎の離席状態及び離席率を把握することができる。又、遊技場が複数のエリアに区分して遊技場を管理している場合は、エリア毎に区分した上で種別毎の離席状態及び離席率を把握することができ、種別毎の遊技者の動向に合わせて接客や営業を行うことができる。即ち、管理装置6は、
図7に示すように、エリアとして喫煙エリアである「喫煙」が選択されると、喫煙エリアに限定した種別毎の離席状態及び離席率を表示する。又、管理装置6は、図示しないが、エリアとして禁煙エリアである「禁煙」が選択されると、禁煙エリアに限定した種別毎の離席状態及び離席率を表示する。
【0049】
図6及び
図7を参照すると、同一の時間帯(例えば2020年10月DD日(DDは「1」~「31」)、10:00)において、種別「1I」では、エリアが「オール」での離席率が「1.8%」であるのに対し、エリアが「喫煙」での離席率が「2.9%」であり、「オール」での離席率が「1.8%」に対して高い数値を示しているので、喫煙エリアで種別「1I」を遊技する遊技者は比較的離席する傾向にあり、禁煙エリアで種別「1I」を遊技する遊技者は比較的離席しない傾向にあると把握することができる。一方、種別「5F」では、エリアが「オール」での離席率が「2.2%」であるのに対し、エリアが「喫煙」での離席率が「0%」であり、エリアが「オール」での離席率が「2.2%」に対して低い数値を示しているので、喫煙エリアで種別「5F」を遊技する遊技者は比較的離席しない傾向にあり、禁煙エリアで種別「5F」を遊技する遊技者は比較的離席する傾向にあると把握することができる。又、例えば種別全体で着目すると、エリアが「オール」及び「喫煙」の両方で種別「20S」の離席率が最も高い数値を示しているので、種別「20S」を遊技する遊技者はエリアに関係なく比較的離席する傾向にあると把握することができる。
【0050】
又、管理装置6は、
図8に示すように、台番毎の離席回数、稼動時間、離席時間、離席時間率を管理し、台番毎離席操作情報履歴を表示する。「種別」は所望の種別を「プルダウン」ボタンA11により選択可能であり、「機種」は所望の機種を「プルダウン」ボタンA12により選択可能である。
【0051】
各項目の内容は以下の通りである。
台番=遊技機1の台番号である。
離席回数=離席操作が行われた回数である。
稼動時間=アウト信号の入力により所定期間(例えば60秒)作動する稼動タイマの作動期間である。
離席時間=離席状態の期間である。
離席時間率=稼動時間と離席時間との合計に対する離席時間の割合であり、離席時間÷(稼動時間+離席時間)×100(%)の計算式により求められる。
【0052】
台番毎離席操作情報履歴を表示することで、遊技場の管理者は台番毎の離席状態及び離席時間率を把握することができる。又、機種毎の離席状態及び離席率を把握することができ、機種毎の遊技者の動向に合わせて接客や営業を行うことができる。
【0053】
又、管理装置6は、
図9に示すように、日毎の離席回数を管理し、日毎離席回数履歴を表示する。「日付」は所望の日時を「プルダウン」ボタンA21により選択可能である。又、管理装置6は、件数に対応する数字が選択されると、当該日付の離席に関する詳細な情報を表示する。日毎離席回数履歴を表示することで、遊技場の管理者は日毎の離席状態を把握することができる。
【0054】
又、管理装置6は、
図10に示すように、会員ID毎の操作履歴を管理し、会員ID毎操作履歴を表示する。「日付」は所望の日付を「プルダウン」ボタンA31により選択可能である
【0055】
各項目の内容は以下の通りである。
会員ID=会員カードに記録されている会員を特定可能な情報である。
NO=項番である。
操作内容=当該会員IDの遊技者が貸出装置2又は情報表示装置3で行った操作の内容であり、カード挿入、貯玉払出操作、離席操作等である。
回数=同一の操作が行われた回数の累計である。
操作時刻=該当する操作が行われた時刻である。
投入金額=貸出装置2に投入した金額である。
消費金額=貸出装置2で消費した金額である。
離席回数=離席操作を行った回数の累計である。
【0056】
会員ID毎操作履歴を表示することで、遊技場の管理者は遊技機1の離席状態を会員ID毎に把握することができる。又、会員ID毎に離席状態を把握することで、当該会員IDに対応する遊技者が好む遊技機1を喫煙及び禁煙の何れのエリアに配置するかを検討することができるといったように、特定の個人の嗜好に応じて適切な営業を検討することができる。例えば離席操作が比較的多い遊技者が好む遊技機1を喫煙エリアに配置したり、離席操作が比較的少ない遊技者が好む遊技機1を禁煙エリアに配置したりする等の適切な営業を検討することができる。本実施形態では、会員ID毎の操作履歴を管理する場合を例示しているが、ICカードのカードID毎の操作履歴を管理しても良い。
【0057】
又、管理装置6は、
図11に示すように、離席操作の利用率を管理し、離席操作利用率を表示する。「日付」は所望の日付を「プルダウン」ボタンA41により選択可能である。
各項目の内容は以下の通りである。
離席状態計(件)=離席操作を受け付けた離席状態と、離席操作を受け付けなかった離席状態(非操作離席状態)との合計である。
離席操作計(件)=離席操作を受け付けた離席状態の件数である。
離席操作利用率(%)=全ての離席状態に対する離席操作を受け付けた離席状態の割合であり、離席操作計÷離席状態計×100(%)の計算式により求められる。
【0058】
離席操作利用率を表示することで、遊技場の管理者は離席状態である遊技機1のうちどの程度の遊技機1で離席操作が行われたかを把握することができ、離席した遊技者のうちどの程度の遊技者が離席操作を行ってから離席したのかを把握することができる。又、喫煙所の利用者数を集計している場合は、どの程度の遊技者が離席操作を行って喫煙所を利用しているかを把握することができる。
【0059】
図12は、管理装置6が行う離席操作情報集計処理を示す。管理装置6は、離席操作情報集計処理の開始イベントの成立を所定周期で待機している。例えば離席操作情報の集計を閉店期間中に行う運用形態であれば、離席操作情報集計処理の開始イベントの成立を、営業日の閉店後や翌営業日の開店前の所定時刻に設定すれば良い。管理装置6は、離席操作情報集計処理の開始イベントが成立すると、離席操作情報集計処理を開始し、貸出装置2又は情報表示装置3から離席開始情報を受信したか否かを判定し(S1)、離席終了情報を受信したか否かを判定する(S2)。管理装置6は、貸出装置2及び情報表示装置3の何れからも離席開始情報及び離席終了情報の何れも受信していないと判定すると(S1:NO、S2:NO)、離席操作情報集計処理を終了し、次の離席操作情報集計処理の開始イベントの成立を待機する。
【0060】
管理装置6は、貸出装置2又は情報表示装置3から離席開始情報を受信したと判定すると(S1:YES)、その受信した離席開始情報から遊技機IDとカードIDや会員IDとを抽出し、遊技機IDに基づいて離席状態が設定された遊技機1に関する情報を特定し、カードIDや会員IDに基づいて離席ロック状態が設定されたカードに関する情報を特定し、遊技機1に関する情報と、カードに関する情報と、その離席開始情報を受信した時刻とを対応付けて離席操作情報を更新し(S3)、対応する遊技機1や日付の離席回数をインクリメントし(S4)、離席操作情報集計処理を終了し、次の離席操作情報集計処理の開始イベントの成立を待機する。
【0061】
即ち、管理装置6は、
図6や
図7に示した離席操作情報履歴において稼動中の台数を1台分減算すると共に離席中の台数を1台分加算し、離席率を再計算する。又、管理装置6は、
図8に示した台番毎離席操作情報履歴において対応する遊技機1の離席回数をインクリメントし、稼動時間の計時を停止すると共に離席時間の計時を開始し、離席時間率を再計算する。この場合、遊技者が離席を開始したことに伴い、再計算された離席率及び離席時間率は、再計算される前の数値から増加することになる。又、管理装置6は、
図9に示した日毎離席回数履歴において対応する日付の離席回数をインクリメントする。又、管理装置6は、
図10に示した会員ID毎操作履歴において対応する会員IDの操作内容と操作時刻とを記録する。又、管理装置6は、
図11に示した離席操作利用率において離席状態計及び離席操作計をインクリメントし、離席操作利用率を再計算する。
【0062】
管理装置6は、貸出装置2又は情報表示装置3から離席終了情報を受信したと判定すると(S2:YES)、その受信した離席終了情報から遊技機IDとカードIDや会員IDとを抽出し、遊技機IDに基づいて離席状態が解除された遊技機1に関する情報を特定し、カードIDや会員IDに基づいて離席ロック状態が解除されたカードに関する情報を特定し、遊技機1に関する情報と、カードに関する情報と、その離席終了情報を受信した時刻とを対応付けて離席操作情報を更新し(S5)、離席操作情報集計処理を終了し、次の離席操作情報集計処理の開始イベントの成立を待機する。
【0063】
即ち、管理装置6は、
図6や
図7に示した離席操作情報履歴において稼動中の台数を1台分加算すると共に離席中の台数を1台分減算し、離席率を再計算する。又、管理装置6は、
図8に示した台番毎離席操作情報履歴において稼動時間の計時を再開すると共に離席時間の計時を停止し、離席時間率を再計算する。この場合、遊技者が離席を終了したことに伴い、再計算された離席率及び離席時間率は、再計算される前の数値から減少することになる。
【0064】
(2)配置変え報知
配置変え報知について
図13から
図18を参照して説明する。
管理装置6は、
図13に示すように、離席操作による稼動への影響度を管理し、稼動影響度を表示する。「種別」は所望の種別を「プルダウン」ボタンA51により選択可能である。
【0065】
各項目の内容は以下の通りである。
損失アウト(個)=離席操作の影響から算出されるアウトの損失である。
損失粗利(円)=離席操作の影響から算出される粗利の損失である。
計=離席操作の累計である。
平均=離席操作1回あたりの平均である。損失アウトの平均は、
2,490,075÷4,492=554と求められ、損失粗利の平均は、
672,320÷4,492=150と求められる。
【0066】
計算に用いるアウトの基準(絶対アウト)は遊技場の管理者により設定しても良いし、予めコンピュータメーカの作業者により設定しても良い。離席時間は当該遊技場の実績離席時間を表示する。玉粗利は当該遊技場の実績玉粗利を用いる。尚、玉粗利は実績でなく遊技場の管理者により設定しても良い。又、自店の実績データではなくコンピュータメーカが提供している市場実績データを用いても良い。離席時間により離席中に発射されたと想定されるアウト(損失アウト)を絶対アウトにより算出し、その算出した損失アウトに基づいて損失粗利を算出することができる。
【0067】
管理装置6は、
図14に示すように、
図13に示した稼動影響度をエリアで区分して表示する。「日時」は所望の日時を「プルダウン」ボタンA61により選択可能であり、「種別」は所望の種別を「プルダウン」ボタンA62により選択可能であり、「機種」は所望の機種を「プルダウン」ボタンA63により選択可能である。
【0068】
各項目の内容は以下の通りである。
計=当該機種の全台合計である。
平均=離席操作1回あたりの累計である。損失アウトの平均は、
21,528÷22=979と求められ、損失粗利の平均は、
5,812÷22=264と求められる。
エリア=当該機種が属するエリア区分であり、喫煙エリアと禁煙エリアとに区分する。
【0069】
稼動影響度をエリアで区分して表示することで、遊技場の管理者は機種毎の離席操作による稼動への影響度を把握することができ、更にエリアで区分して表示することで、エリアを区分した上での離席操作による稼動への影響度を把握することができる。即ち、喫煙エリアに属する1番台から5番台は損失アウト及び損失粗利が比較的小さい数値であるので、離席操作による稼動への影響度は比較的小さいと判断することができ、一方、禁煙エリアに属する101番台から105番台は損失アウト及び損失粗利が比較的大きい数値であるので、離席操作による稼動への影響度は比較的大きいと判断することができる。
【0070】
又、管理装置6は、
図15及び
図16に示すように、
図13に示した稼動影響度を種別毎に表示する。「日時」は所望の日時を「プルダウン」ボタンA71により選択可能であり、「エリア」は所望のエリアを「プルダウン」ボタンA72により選択可能である。稼動影響度を種別毎に表示することで、遊技場の管理者は種別毎の離席操作による稼動への影響度を喫煙エリアであるか禁煙エリアであるかのエリア毎に把握することができる。喫煙エリアを何処に配置すれば良いかや喫煙所を何れの種別の付近に設置すれば良いか等を比較して検討することができる。
【0071】
ここで、
図14に示した稼動影響度において種別「4P」、機種「AAA」において比較する。台番毎の損失アウトと離席操作1回あたりの損失アウト平均との差を損失アウト差として算出すると、例えば喫煙エリアに属する1番台では、
損失アウト差=450-979=-529
となり、一方、例えば禁煙エリアに属する101番台では、
損失アウト差=2,550-979=1,571
となる。即ち、喫煙エリアに属する遊技機1は損失アウト差が負の値となる傾向があり、一方、禁煙エリアに属する遊技機1は損失アウト差が正の値となる傾向がある。
【0072】
閾値を設け、台番毎の損失アウト差を閾値と比較することで、損失アウト差が閾値を超えた台番を離席操作による稼動への影響度が比較的大きい台番として抽出し、遊技場の管理者に対して禁煙エリアから喫煙エリアへの配置変えを報知する。本実施形態において閾値を「1,000」と設定すると、
101番台の損失アウト差=2,550-979=1,571
102番台の損失アウト差=1,500-979=521
103番台の損失アウト差=2,400-979=1,421
104番台の損失アウト差=1,700-979=721
105番台の損失アウト差=2,100-979=1,121
となり、損失アウト差が閾値を超えた101番台、103番台、105番台が配置変え報知の対象となる。
【0073】
尚、損失アウト差を算出することを例示したが、台番毎の損失粗利と離席操作1回あたりの損失粗利平均との差を損失粗利差として算出し、同様に閾値を設け、台番毎の損失粗利差を閾値と比較することで、損失粗利差が閾値を超えた台番を離席操作による稼動への影響度が比較的大きい台番として抽出しても良い。又、損失アウト差と損失粗利差との両方を算出し、両方が閾値を超えた台番を抽出しても良いし、何れか一方が閾値を超えた台番を抽出しても良い。尚、閾値は遊技場の管理者により任意に設定しても良いし、種別毎、機種毎及びエリア毎の平均値より選択可能としても良い。又、比較する対象は台番だけでなく機種毎、種別毎又はエリア毎でも良い。エリア毎に比較した場合は、離席操作の影響を少なくするために、エリアの配置変えや喫煙所の配置も検討することができる。
【0074】
管理装置6は、
図17に示すように、このようにして抽出した離席操作による稼動への影響度が比較的大きい台番を配置変え候補台として表示し、配置変え候補台の台番、種別、機種、離席回数、損失アウト差、損失粗利差及びエリア等を表示する。配置変え候補台を表示することで、遊技場の管理者は実際に配置変えを行う遊技機1を検討することができる。尚、
図17の例示では、215番台に関しては喫煙エリアであるにも関わらず配置変え候補台として挙がっているので、離席操作が喫煙休憩のためであるか食事休憩のためであるかを客観的に分析することができ、適切な対応を検討することができる。
【0075】
図18は、管理装置6が行う配置変え報知処理を示す。管理装置6は、配置変え報知処理の開始イベントの成立を所定周期で待機している。例えば配置変えの報知を閉店期間中に行う運用形態であれば、配置変え報知処理の開始イベントの成立を、営業日の閉店後や翌営業日の開店前の所定時刻に設定すれば良い。管理装置6は、配置変え報知処理の開始イベントが成立すると、配置変え報知処理を開始し、離席操作情報を集計し(S11)、離席操作による稼動への影響度を算出し(S12)、離席操作による稼動への影響度が比較的大きい遊技機1が存在するか否かを判定する(S13)。即ち、管理装置6は、上記したように損失アウト差や損失粗利差を算出して閾値と比較し、損失アウト差や損失粗利差が閾値を超えた遊技機1が存在するか否かを判定する。
【0076】
管理装置6は、損失アウト差や損失粗利差が閾値を超えた遊技機1が存在すると判定し、離席操作による稼動への影響度が比較的大きい遊技機1が存在すると判定すると(S13:YES)、その台番を離席操作による稼動への影響度が比較的大きい台番として抽出し、配置変え候補台として表示し(S14)、配置変え報知処理を終了し、次の配置変え報知処理の開始イベントの成立を待機する。
【0077】
以上に説明した本実施形態によれば、次のような作用効果を得ることができる。
遊技場用管理システムにおいて、遊技者が貸出装置2や情報表示装置3にて行った離席操作に関する情報を離席操作情報として集計し、その集計した離席操作情報を遊技場の管理者に対して表示するようにした。離席操作の利用状況を適切に把握し、離席操作による稼動への影響度を適切に把握することができる。又、その把握した離席操作による稼動への影響度に応じて適切な対応を講じることができる。
【0078】
離席操作が行われた遊技機1の割合や離席時間の割合を集計して表示することで、離席操作による稼動への影響度を客観的に把握することができる。
離席操作情報をエリア毎に区分して集計して表示することで、エリア毎の利用状況に応じて適切な対応を講じることができる。喫煙エリアであるか禁煙エリアであるかにより区分して集計して表示することで、喫煙の可否に応じて適切な対応を講じることができる。
【0079】
離席操作情報から離席操作が稼動に与える影響度を算出し、その算出した結果が閾値を超えた場合に、対応する遊技機1に関する情報を表示するようにした。例えば損失アウト差や損失粗利差が比較的大きい台番を離席操作による稼動への影響度が比較的大きい台番として抽出し、禁煙エリアから喫煙エリアへの配置変えを報知することで、稼動率の低下を防止することができる。又、例えば稼動率が比較的高い遊技機であって離席回数が比較的多い機種であれば禁煙エリアから喫煙エリアへの配置変えを報知することで、稼動率の低下を防止することができる。
【0080】
離席操作を受け付けていない離席状態である遊技機1を特定し、その特定した離席操作を受け付けていない離席状態である遊技機に関する情報を集計し、離席操作を受け付けた遊技機の割合を算出し、その算出した離席操作を受け付けた遊技機の割合を表示するようにした。離席操作が行われた離席状態がどの程度であるかを適正に把握することができ、離席操作の利用状況を適切に把握することができる。
【0081】
本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、次のように変形又は拡張することができる。又、例示した構成は変形例も含め、どのように組み合わせても良いし、適宜採用しない構成としても良い。
【0082】
離席操作情報出力手段としてモニタ9への表示出力を想定しているが、出力形態に関しては印字出力や音声出力等の何れを採用しても良く、複数の出力形態を組み合わせても良い。
離席操作を可能な回数を遊技場の管理者により予め定めておいても良く、そのように構成すれば、故意に離席状態にすることで一人の遊技者が複数の遊技機1を確保することを防止することができる。
【0083】
離席操作が行われた場合に、その旨を遊技場の従業員に対して報知する構成としても良く、そのように構成すれば、離席操作が行われた遊技機1を遊技場の従業員が即座に把握することができる。離席操作が行われた旨を、例えば遊技場の従業員が装着するインカムやスマートウォッチ等に報知する構成を採用することができる。
【0084】
離席操作は遊技者による操作としたが、遊技場の従業員による操作でも良く、遊技場の従業員が操作リモコンを操作し、操作リモコンから送信されたリモコン信号がリモコン受光部34に受光されることや、遊技場の従業員が従業員カードを翳し、従業員カードのカード情報が認証されることで、離席操作を貸出装置2や情報表示装置3にて受け付ける構成でも良い。
【0085】
貸出装置2のカメラから送信されるカメラ映像信号により非操作離席状態を特定する構成を例示したが、遊技場に備えられた監視カメラから送信されるカメラ映像信号や、遊技機1の稼動状態により非操作離席状態を特定しても良い。
対象となる遊技機としてパチンコ遊技機を例示したが、スロットマシン等にも採用することができる。又、遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式のスロットマシンやパチンコ遊技機等にも採用することができる。
管理装置6が行う情報処理の一部を、貸出装置2や情報表示装置3や中継装置4にて行っても良い。
【符号の説明】
【0086】
図面中、1は遊技機、2は貸出装置(離席操作手段)、3は情報表示装置(離席操作手段)、6は管理装置(離席操作情報集計手段、離席操作情報出力手段、影響度算出手段、判定手段、影響度報知手段、非操作履歴状態特定手段、割合算出手段)である。