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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】撮像素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
H01L27/146 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020562936
(86)(22)【出願日】2019-11-22
(86)【国際出願番号】 JP2019045777
(87)【国際公開番号】W WO2020137285
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-11-15
(31)【優先権主張番号】P 2018244434
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】田中 良和
(72)【発明者】
【氏名】大場 宣幸
(72)【発明者】
【氏名】中食 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】狭山 征博
(72)【発明者】
【氏名】大久保 幸香
(72)【発明者】
【氏名】西山 翼
(72)【発明者】
【氏名】西木戸 健樹
(72)【発明者】
【氏名】萩原 洋右
【審査官】田邊 顕人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/114154(WO,A1)
【文献】特開2015-204397(JP,A)
【文献】特開2008-235689(JP,A)
【文献】特開2014-225667(JP,A)
【文献】国際公開第2017/073321(WO,A1)
【文献】特開2005-294647(JP,A)
【文献】特開2015-185844(JP,A)
【文献】特開2018-198272(JP,A)
【文献】特開2014-086538(JP,A)
【文献】特開2006-237576(JP,A)
【文献】特開2011-029932(JP,A)
【文献】特開2001-267544(JP,A)
【文献】特開2006-210582(JP,A)
【文献】特開2014-086515(JP,A)
【文献】国際公開第2016/002575(WO,A1)
【文献】特開2014-082310(JP,A)
【文献】特開2013-157442(JP,A)
【文献】特開2013-251292(JP,A)
【文献】特開2012-124377(JP,A)
【文献】特開2011-258728(JP,A)
【文献】特開2016-076682(JP,A)
【文献】特開2001-267543(JP,A)
【文献】国際公開第2014/021115(WO,A1)
【文献】特開2011-176715(JP,A)
【文献】特開2017-143211(JP,A)
【文献】特開2009-021415(JP,A)
【文献】国際公開第2014/157579(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/052220(WO,A1)
【文献】特開2018-064007(JP,A)
【文献】特開2003-282850(JP,A)
【文献】特開2010-134228(JP,A)
【文献】特開2018-201005(JP,A)
【文献】特開2012-226032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板に形成されて被写体からの入射光を光電変換する光電変換部がそれぞれ配置される複数の画素と、
前記複数の画素に配置されて前記半導体基板の表面の全体を覆うように形成され前記半導体基板を絶縁する絶縁膜と、
前記複数の画素の前記絶縁膜に隣接して配置されて入射光を透過する入射光透過膜と、
前記複数の画素のそれぞれの周縁部の前記入射光透過膜に前記入射光透過膜の膜厚方向の全体にわたって形成された溝に、底部が前記絶縁膜に接触するように配置されて前記入射光を遮光する遮光体と、
前記入射光透過膜の表面および前記遮光体の表面に隣接して配置されて前記入射光を遮光する遮光膜と、
前記入射光透過膜および前記遮光膜上に形成された平坦化膜と、を具備し、
前記複数の画素は、前記被写体からの入射光を瞳分割して位相差を検出するための前記画素である位相差画素を含み、
前記遮光膜は、前記位相差画素に配置されるとともに前記瞳分割の方向に応じて前記入射光の一部を遮光するものであり、
前記遮光膜の端部の近傍における前記入射光透過膜に形成された溝に配置されるとともに前記遮光膜に接触した状態で前記遮光体と同層に形成され、前記入射光の回折光を遮光する第2の遮光体をさらに具備する
撮像素子。
【請求項2】
前記溝は、前記入射光透過膜をエッチングすることにより形成される請求項1記載の撮像素子。
【請求項3】
前記絶縁膜は、前記入射光透過膜のエッチングの際にエッチングの進行を停止させる膜として使用される請求項2記載の撮像素子。
【請求項4】
前記遮光膜は、前記複数の画素のうち周縁部の画素に配置される請求項1~3のいずれか1項に記載の撮像素子。
【請求項5】
前記遮光体は、テーパ形状に構成される請求項1~のいずれか1項に記載の撮像素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像素子および撮像素子の製造方法に関する。詳しくは、遮光膜が配置される画素を備える撮像素子および当該撮像素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像素子において、画素の周縁部に遮光膜が配置された撮像素子が使用されている。この遮光膜を配置することにより、隣接する画素から斜めに入射する光を遮光することができる。隣接する画素のカラーフィルタを透過した異なる色の入射光が混入して画像信号にノイズを生じる混色の発生を防ぐことが可能となる。このような撮像素子として、例えば、半導体基板に隣接して配置された絶縁膜の表面に形成された金属材料の膜を遮光膜として使用する撮像素子が使用されている(例えば、特許文献1参照。)。この撮像素子においては、遮光膜は次の工程により形成される。まず、絶縁膜上に金属材料による膜を形成する。次に、金属材料の膜のうち各画素の周縁部以外の領域をエッチングして除去する。これらの工程により、画素の周縁部に遮光膜が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2016/114154号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来技術では、画素の微細化に伴い、遮光膜の形成が困難になるという問題がある。撮像素子の高精細化に伴い画素が微細化した際に、遮光膜を小型化する必要を生じる。このような場合に、上述の従来技術では、遮光膜の形成が困難になるという問題がある。
【0005】
本開示は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、画素が微細化した場合であっても遮光膜を容易に形成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の態様は、半導体基板に形成されて被写体からの入射光を光電変換する光電変換部がそれぞれ配置される複数の画素と、上記複数の画素に配置されて上記半導体基板を絶縁する絶縁膜と、上記複数の画素の上記絶縁膜に隣接して配置されて入射光を透過する入射光透過膜と、上記複数の画素のそれぞれの周縁部の上記入射光透過膜に形成された溝に配置されて上記入射光を遮光する遮光体とを具備する撮像素子である。
【0007】
また、この第1の態様において、上記溝は、上記入射光透過膜をエッチングすることにより形成されてもよい。
【0008】
また、この第1の態様において、上記絶縁膜は、上記入射光透過膜のエッチングの際にエッチングの進行を停止させる膜として使用されてもよい。
【0009】
また、この第1の態様において、上記入射光透過膜に隣接して配置されて上記入射光を遮光する遮光膜をさらに具備してもよい。
【0010】
また、この第1の態様において、上記遮光膜は、上記複数の画素のうち周縁部の画素に配置されてもよい。
【0011】
また、この第1の態様において、上記被写体からの入射光を瞳分割して位相差を検出するための上記画素である位相差画素をさらに具備し、上記遮光膜は、上記位相差画素に配置されるとともに上記瞳分割の方向に応じて上記入射光の一部を遮光してもよい。
【0012】
また、この第1の態様において、上記遮光膜の端部の近傍における上記入射光透過膜に形成された溝に配置されて上記入射光の回折光を遮光する第2の遮光体をさらに具備してもよい。
【0013】
また、この第1の態様において、上記遮光体は、テーパ形状に構成されてもよい。
【0014】
また、本開示の第2の態様は、複数の画素毎に配置されて被写体からの入射光を光電変換する光電変換部を半導体基板に形成する工程と、上記複数の画素に配置されて上記半導体基板を絶縁する絶縁膜を配置する工程と、上記複数の画素の上記絶縁膜に隣接して配置されて入射光を透過する入射光透過膜を配置する工程と、上記複数の画素のそれぞれの周縁部の上記入射光透過膜に溝を形成する工程と、上記形成された溝に上記入射光を遮光する遮光体を配置する工程とを具備する撮像素子の製造方法である。
【0015】
以上の態様を採ることにより、入射光透過膜の周縁部に形成された溝に遮光体が埋め込まれて配置されるという作用をもたらす。遮光体をパターニングするためのエッチング等の加工工程の省略が想定される。
【0016】
また、本開示の第3の態様は、半導体基板に形成されて被写体からの入射光を光電変換する光電変換部がそれぞれ配置される複数の画素と、上記複数の画素に配置されて上記入射光のうち所定の波長の入射光を上記光電変換部に入射させるカラーフィルタと、上記複数の画素に配置されて上記入射光を遮光するとともに中央部に形成された開口部に上記カラーフィルタが配置される第1のカラーフィルタ部遮光層と、上記複数の画素に配置されて上記入射光を遮光するとともに中央部に形成された開口部に上記カラーフィルタが配置され、上記第1のカラーフィルタ部遮光層と上記半導体基板との間に配置される第2のカラーフィルタ部遮光層とを具備する撮像素子である。
【0017】
また、この第3の態様において、上記第1のカラーフィルタ部遮光層および上記第2のカラーフィルタ部遮光層は、異なる材料により構成されてもよい。
【0018】
また、この第3の態様において、上記第1のカラーフィルタ部遮光層は、樹脂により構成され、上記第2のカラーフィルタ部遮光層は、金属により構成されてもよい。
【0019】
また、この第3の態様において、上記第1のカラーフィルタ部遮光層は、30%以下の透過率に構成されてもよい。
【0020】
また、この第3の態様において、上記複数の画素の上記第1のカラーフィルタ部遮光層および上記第2のカラーフィルタ部遮光層の間に配置される層間膜をさらに具備してもよい。
【0021】
また、この第3の態様において、上記層間膜は、無機材料により構成されてもよい。
【0022】
また、この第3の態様において、上記第2のカラーフィルタ部遮光層は、上記第1のカラーフィルタ部遮光層より広い幅に構成されてもよい。
【0023】
また、この第3の態様において、上記複数の画素の上記カラーフィルタおよび上記半導体基板の間に配置されて上記半導体基板の表面を平坦化する平坦化膜と、上記複数の画素における上記平坦化膜の周囲に配置されて入射光を遮光する遮光壁とをさらに具備してもよい。
【0024】
また、この第3の態様において、上記複数の画素の上記第2のカラーフィルタ部遮光層および上記遮光壁の間に配置される第2の層間膜をさらに具備してもよい。
【0025】
また、この第3の態様において、上記第2の層間膜は、無機材料により構成されてもよい。
【0026】
また、この第3の態様において、上記第2のカラーフィルタ部遮光層は、上記遮光壁より広い幅に構成されてもよい。
【0027】
また、この第3の態様において、上記複数の画素のうち周縁部に配置される画素における上記第1のカラーフィルタ部遮光層および上記第2のカラーフィルタ部遮光層の少なくとも1つは、当該画素の全面を遮光する形状に構成されてもよい。
【0028】
また、この第3の態様において、上記第1のカラーフィルタ部遮光層および上記第2のカラーフィルタ部遮光層の少なくとも1つは、テーパ形状に構成されてもよい。
【0029】
また、本開示の第4の態様は、複数の画素毎に配置されて被写体からの入射光を光電変換する光電変換部を半導体基板に形成する工程と、上記複数の画素に配置されて上記入射光を遮光するとともに中央部に形成された開口部に上記入射光のうち所定の波長の入射光を上記光電変換部に入射させるカラーフィルタが配置される第2のカラーフィルタ部遮光層を上記半導体基板に配置する工程と、上記複数の画素に配置されて上記入射光を遮光するとともに中央部に形成された開口部に上記カラーフィルタが配置される第1のカラーフィルタ部遮光層を上記第2のカラーフィルタ部遮光層に積層して配置する工程と、上記複数の画素の上記第2のカラーフィルタ部遮光層および上記第1のカラーフィルタ部遮光層のそれぞれの上記開口部に上記カラーフィルタを配置する工程とを具備する撮像素子の製造方法である。
【0030】
以上の態様を採ることにより、第1のカラーフィルタ部遮光層および第2のカラーフィルタ部遮光層がカラーフィルタと同層に配置されるという作用をもたらす。カラーフィルタ部における隣接する画素等を介して入射する入射光の遮光が想定される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本開示の実施の形態に係る撮像装置の構成例を示す図である。
図2】本開示の実施の形態に係る画素アレイ部の構成例を示す図である。
図3】本開示の第1の実施の形態に係る画素の遮光の一例を示す図である。
図4】本開示の第1の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。
図5】本開示の第1の実施の形態に係る画素アレイ部の製造方法の一例を示す図である。
図6】本開示の第1の実施の形態に係る画素アレイ部の製造方法の一例を示す図である。
図7】本開示の第1の実施の形態に係る画素アレイ部の製造方法の一例を示す図である。
図8】従来の撮像素子に係る画素の構成例を示す図である。
図9】本開示の第2の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。
図10】本開示の第3の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。
図11】本開示の第4の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。
図12】本開示の第4の実施の形態に係る画素アレイ部の製造方法の一例を示す図である。
図13】本開示の第4の実施の形態に係る画素アレイ部の製造方法の一例を示す図である。
図14】本開示の第4の実施の形態に係る画素アレイ部の製造方法の一例を示す図である。
図15】本開示の第4の実施の形態に係る画素アレイ部の製造方法の一例を示す図である。
図16】本開示の第5の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。
図17】本開示の第6の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。
図18】本開示の第7の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。
図19】本開示の第8の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。
図20】本開示に係る技術を適用し得る積層型の固体撮像装置の構成例の概要を示す図である。
図21】積層型の固体撮像装置23020の第1の構成例を示す断面図である。
図22】積層型の固体撮像装置23020の第2の構成例を示す断面図である。
図23】積層型の固体撮像装置23020の第3の構成例を示す断面図である。
図24】本開示に係る技術を適用し得る積層型の固体撮像装置の他の構成例を示す断面図である。
図25】本技術が適用され得る撮像装置の一例であるカメラの概略的な構成例を示すブロック図である。
図26】内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
図27】カメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。
図28】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
図29】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、図面を参照して、本開示を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)を説明する。以下の図面において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。また、以下の順序で実施の形態の説明を行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.第3の実施の形態
4.第4の実施の形態
5.第5の実施の形態
6.第6の実施の形態
7.第7の実施の形態
8.第8の実施の形態
9.積層型の固体撮像装置への応用例
10.カメラへの応用例
11.内視鏡手術システムへの応用例
12.移動体への応用例
【0033】
<1.第1の実施の形態>
[撮像装置の構成]
図1は、本開示の実施の形態に係る撮像装置の構成例を示す図である。同図の撮像装置1は、画素アレイ部10と、垂直駆動部20と、カラム信号処理部30と、制御部40とを備える。
【0034】
画素アレイ部10は、画素100が2次元格子状に配置されて構成されたものである。ここで、画素100は、照射された光に応じた画像信号を生成するものである。この画素100は、照射された光に応じた電荷を生成する光電変換部を有する。また画素100は、画素回路をさらに有する。この画素回路は、光電変換部により生成された電荷に基づく画像信号を生成する。画像信号の生成は、後述する垂直駆動部20により生成された制御信号により制御される。画素アレイ部10には、信号線11および12がXYマトリクス状に配置される。信号線11は、画素100における画素回路の制御信号を伝達する信号線であり、画素アレイ部10の行毎に配置され、各行に配置される画素100に対して共通に配線される。信号線12は、画素100の画素回路により生成された画像信号を伝達する信号線であり、画素アレイ部10の列毎に配置され、各列に配置される画素100に対して共通に配線される。これら光電変換部および画素回路は、半導体基板に形成される。
【0035】
垂直駆動部20は、画素100の画素回路の制御信号を生成するものである。この垂直駆動部20は、生成した制御信号を同図の信号線11を介して画素100に伝達する。カラム信号処理部30は、画素100により生成された画像信号を処理するものである。このカラム信号処理部30は、同図の信号線12を介して画素100から伝達された画像信号の処理を行う。カラム信号処理部30における処理には、例えば、画素100において生成されたアナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換するアナログデジタル変換が該当する。カラム信号処理部30により処理された画像信号は、撮像装置1の画像信号として出力される。制御部40は、撮像装置1の全体を制御するものである。この制御部40は、垂直駆動部20およびカラム信号処理部30を制御する制御信号を生成して出力することにより、撮像装置1の制御を行う。制御部40により生成された制御信号は、信号線41および42により垂直駆動部20およびカラム信号処理部30に対してそれぞれ伝達される。
【0036】
なお、画素アレイ部10は、請求の範囲に記載の撮像素子の一例である。また、撮像装置1を垂直駆動部20等が配置された撮像素子とすることもできる。
【0037】
[撮像素子の構成]
図2は、本開示の実施の形態に係る画素アレイ部の構成例を示す図である。同図の画素アレイ部10は、画素100のほかに遮光画素200ならびに位相差画素301および302を備える。
【0038】
遮光画素200は、画素アレイ部10の周縁部に配置される画素であり、入射光が遮光される画素である。この遮光画素200は、入射光が遮光された状態において画像信号を生成する。この生成された画像信号は、黒レベルの検出に使用することができる。同図の画素アレイ部10には、遮光画素200が複数の画素の最外周に配置される例を表したものである。
【0039】
位相差画素は、被写体を瞳分割することにより位相差を検出するための画素である。この検出された位相差により、被写体の焦点位置を検出してオートフォーカスを行うことができる。同図の画素アレイ部10には、位相差画素301および302の例を記載した。これら位相差画素301および302は、画素アレイ部10の行(横)方向に近接して配置され、被写体を横方向に瞳分割する。画素100、遮光画素200ならびに位相差画素301および302の構成の詳細については後述する。
【0040】
[画素の遮光]
図3は、本開示の第1の実施の形態に係る画素の遮光の一例を示す図である。同図は、画素アレイ部10の画素100、遮光画素200ならびに位相差画素301および302における入射光の遮光の一例を表した図である。同図の点線の矩形は、画素100、遮光画素200ならびに位相差画素301および302を表す。同図の斜線(右上がり)のハッチングの領域は、遮光体142を表す。遮光体142は、画素100等のそれぞれの周縁部に配置され、入射光を遮光するものである。画素100等において、遮光体142が配置されない領域は、遮光体142の開口部となり、入射光が透過する。
【0041】
また、同図の斜線(右下がり)のハッチングの領域は、遮光膜243の領域を表す。遮光膜243は、遮光体142と同様に入射光を遮光するものである。遮光膜243は、遮光体142とは異なる層に形成され、遮光画素200の全面を覆うように配置される。また、位相差画素301および302には、それぞれ遮光膜343aおよび343bが配置される。遮光膜343aおよび343bは、位相差画素301および302のそれぞれ右側および左側を遮光する。すなわち、遮光膜343aおよび343bには、それぞれ左側および右側に遮光膜の開口部が形成される。このため、位相差画素301および302には、撮像装置1に被写体を結像する撮影レンズのそれぞれ右側および左側を透過した光が入射する。すなわち、位相差画素301および302は、画素アレイ部10の左右方向に瞳分割される。このように遮光膜343aおよび343bは、位相差画素301および302の瞳分割の方向に応じて配置される。
【0042】
[画素の構成]
図4は、本開示の第1の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。同図は、画素アレイ部10に配置される画素100、遮光画素200ならびに位相差画素301および302の構成例を表した模式断面図である。画素100は、半導体基板111と、絶縁層121および配線層122と、絶縁膜130と、入射光透過膜141と、遮光体142と、平坦化膜151と、カラーフィルタ160と、オンチップレンズ171とを備える。なお、絶縁層121および配線層122は、配線領域を構成する。
【0043】
半導体基板111は、画素100の光電変換部や画素回路を構成する素子の半導体領域部分が形成される半導体の基板である。これらの半導体素子は、半導体基板に形成されたウェル領域に形成される。便宜上、同図の半導体基板111は、p型のウェル領域に構成されるものと想定する。同図には、光電変換部101を例として記載した。光電変換部101は、n型半導体領域112により構成される。具体的には、n型半導体領域112とn型半導体領域112の周囲のp型のウェル領域との間のpn接合により構成されるフォトダイオードが光電変換部101に該当する。
【0044】
配線層122は、半導体基板111に形成された素子を電気的に接続する配線である。配線層122は、例えば、銅(Cu)やタングステン(W)により構成することができる。絶縁層121は、配線層122を絶縁するものである。絶縁層121は、例えば、酸化シリコン(SiO)により構成することができる。これら配線層122および絶縁層121により構成される配線領域は、半導体基板111の表面側に形成される。
【0045】
絶縁膜130は、半導体基板111の裏面側に形成されて、半導体基板111を絶縁するとともに半導体基板111を保護する膜である。この絶縁膜130は、酸化アルミニウム(Al)や五酸化タンタル(Ta)等の酸化金属膜やSiO等の酸化物、窒化シリコン(SiN)等の窒化物により構成することができる。また、これらの膜を積層した膜により絶縁膜130を構成することもできる。なお、酸化金属膜は、半導体基板111の表面に形成される界面準位の調整を行う膜である。この酸化金属膜を配置することにより、界面準位からのキャリアの放出等に基づいて生じるノイズを軽減することができる。また、絶縁膜130は、後述する遮光体142を配置する溝を入射光透過膜141に形成するために入射光透過膜141をエッチングする際のエッチングストッパとして使用することもできる。
【0046】
入射光透過膜141は、絶縁膜130に隣接して配置されて入射光を透過する膜である。この入射光透過膜141は、SiO等の酸化物により構成することができる。また、入射光透過膜141は、CVD(Chemical Vapor Deposition)やALD(Atomic Layer Deposition)により形成することができる。なお、この入射光透過膜141に形成された溝に後述する遮光体142が配置される。
【0047】
遮光体142は、入射光透過膜141と同層に形成され、画素100等の周縁部に配置される。この遮光体142により、隣接する画素100等から斜めに入射する光を遮光することができる。後述するように、画素100等にはカラーフィルタ160が配置され、隣接する画素100間においては、異なる色に対応するカラーフィルタ160が配置される。このため、画素100のカラーフィルタ160を透過した光が隣接する他の画素100に入射すると、当該他の画素100において混色等が発生し、ノイズを生じる。そこで、遮光体142を配置することにより、隣接する画素100からの入射光を遮光し、混色の発生を防止することができる。遮光体142は、例えば、アルミニウム(Al)、タングステン(W)および銅(Cu)等の金属や窒化タングステン(NW)等の窒化物により構成することができる。また、遮光材を分散させた樹脂により構成することも可能である。
【0048】
なお、遮光体142は、入射光透過膜141に形成された溝に遮光体142の材料を埋め込むことにより、形成することができる。
【0049】
平坦化膜151は、後述するカラーフィルタ160が形成される面を平坦化する膜である。この平坦化膜151は、遮光体142が形成された入射光透過膜141や後述する遮光膜243等が配置された面に積層して形成され、これらの面を平坦化する。これにより、カラーフィルタ160の膜厚の変動を防止することができる。この平坦化膜151は、例えば、SiOやSiNにより構成することができる。
【0050】
カラーフィルタ160は、光学的なフィルタであり、画素100等への入射光のうち所定の波長の光を透過するものである。カラーフィルタ160として、例えば、赤色光、緑色光および青色光を透過するカラーフィルタ160を使用することができる。
【0051】
オンチップレンズ171は、画素100等毎に配置されて入射光を光電変換部101に集光するレンズである。オンチップレンズ171は、上層部が半球形状に形成されてレンズを構成する。オンチップレンズ171の下層部は、カラーフィルタ160の表面に配置され、カラーフィルタ160の表面を平坦化する。また、オンチップレンズ171の下層部により画素アレイ部10の表面が保護される。オンチップレンズ171は、例えば、樹脂により構成することができる。
【0052】
同図に表したように、画素アレイ部10は、半導体基板111における配線層122が形成される表面とは異なる面である裏面から入射光が照射される裏面照射型の撮像素子に該当する。
【0053】
遮光画素200には、遮光膜243が配置される。この遮光膜243は、入射光透過膜141および遮光体142に隣接して配置されるとともに平面視において遮光画素200の全面に配置される。また、遮光膜243は、画素アレイ部10の周縁部にさらに配置される。画素アレイ部10の周縁部における段差の発生を防止することができる。なお、遮光膜243には、半導体基板111と接続するためのコンタクト部244が形成される。このコンタクト部244は、遮光膜243を形成する際の放電による破損を防止する膜である。後述するように、遮光膜243は、金属等の材料膜をCVD等により成膜し、エッチングすることにより形成することができる。このCVDの際のプラズマが材料膜に入射して材料膜が帯電すると、半導体基板111等との間において放電を生じて破損する場合がある。そこで、コンタクト部244を形成することにより材料膜の帯電を防止することができる。コンタクト部244は、入射光透過膜141および絶縁膜130を貫通して形成された開口部に遮光膜243を配置することにより形成することができる。
【0054】
位相差画素301および302には、それぞれ遮光膜343aおよび343bが配置される。この遮光膜343aおよび343bも、遮光膜243と同様に、入射光透過膜141および遮光体142に隣接して配置することができる。前述のように、遮光膜343aおよび343bは、それぞれ位相差画素301および302における遮光体142の開口部の半分の領域を遮光する。
【0055】
遮光膜243、343aおよび343bは、同時に形成することができる。一方、遮光膜243、343aおよび343bは、後述するように、遮光体142とは異なる工程により形成される。
【0056】
なお、画素アレイ部10の構成は、この例に限定されない。例えば、遮光体142の底部が絶縁膜130とは接触しない形状にすることができる。例えば、遮光体142を配置する入射光透過膜141の溝の深さを調整して入射光透過膜141の膜の途中の深さの溝を形成し、遮光体142を配置することができる。また、入射光透過膜141を複数の膜により構成し、これら複数の膜のうちの上部の膜に溝を形成する構成を採ることもできる。
【0057】
[撮像素子の製造方法]
図5乃至8は、本開示の第1の実施の形態に係る画素アレイ部の製造方法の一例を示す図である。まず、半導体基板111にウェル領域およびn型半導体領域112を形成する。これより、光電変換部101を形成することができる。当該工程は、請求の範囲に記載の光電変換部を半導体基板に形成する工程の一例である。次に、絶縁層121および配線層122(不図示)を形成する。次に、半導体基板111の天地を反転させて、裏面側を研削し、半導体基板111を薄肉化する。次に、半導体基板111の裏面に絶縁膜130を形成する(図5におけるA)。これは、例えば、スパッタリングにより行うことができる。
【0058】
次に、絶縁膜130の表面に入射光透過膜141を配置する。これは、例えば、HDP(High Density Plasma)を適用したCVDにより行うことができる(図5におけるB)。
【0059】
次に、入射光透過膜141の表面にレジスト501を形成する。このレジスト501には、遮光体142を配置する位置に開口部502が形成される(図5におけるC)。次に、レジスト501をマスクとして使用し、入射光透過膜141のエッチングを行って溝143を形成する。このエッチングには、例えば、ドライエッチングを適用することができる。エッチングは、絶縁膜130との界面で停止させる必要がある。これは、エッチングのレートおよび時間を調整することにより行うことができる。なお、絶縁膜130としてエッチングの進行を停止させる膜を採用することによりエッチングの工程を簡略化することができ、好適である(図5におけるD)。当該工程は、請求の範囲に記載の入射光透過膜に溝を形成する工程の一例である。
【0060】
次に、入射光透過膜141の表面に遮光体142の材料膜503を積層し、溝143に遮光体142の材料膜503を埋め込んで配置する。これは、例えば、CVDにより行うことができる(図6におけるE)。次に、遮光体142の材料膜503の表面を研削し、溝143以外に配置された遮光体142の材料膜503を除去する。これは、例えば、化学的機械的研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)により行うことができる。これにより、遮光体142を形成することができる(図6におけるF)。当該工程は、請求の範囲に記載の遮光体を配置する工程の一例である。
【0061】
次に、入射光透過膜141および絶縁膜130に開口部505を形成する。これは、ドライエッチングにより行うことができる(図6におけるG)。
【0062】
次に、入射光透過膜141および遮光体142の表面に遮光膜243等の材料膜506を積層する。この際、開口部505にも材料膜506を配置する。これは、例えば、CVDにより行うことができる(図6におけるH)。
【0063】
次に、材料膜506の表面にレジスト507を配置する。このレジスト507には、画素100の表面等の、遮光膜243が配置されない領域に開口部508が形成される(図7におけるI)。
【0064】
次に、レジスト507をマスクとして材料膜506のエッチングを行う。これは、例えば、ドライエッチングにより行うことができる。これにより、遮光膜243、343aおよび343bを形成することができる(図7におけるJ)。
【0065】
次に平坦化膜151、カラーフィルタ160を順に積層する。次に、オンチップレンズ171の材料となる樹脂を塗布した後に半球状に加工してオンチップレンズ171を形成する(図7におけるK)。以上の工程により、画素アレイ部10を製造することができる。
【0066】
[従来の画素の構成]
図8は、従来の撮像素子に係る画素の構成例を示す図である。同図は、比較例として従来の画素を簡略化して表した図である。同図の撮像素子は、画素600および位相差画素602を備える。画素600は、入射光透過膜141および遮光体142の代わりに遮光膜642が配置される。また、位相差画素602には、遮光膜643が配置される。なお、不図示の遮光画素においても同様の遮光膜が配置される。この遮光膜642および643は、半導体基板111に形成された絶縁膜130に隣接して配置された材料膜をエッチングすることにより形成されたものである。すなわち、従来の撮像素子では、画素の周縁部に配置される遮光膜と位相差画素における瞳分割のための遮光膜とを同時に形成していた。その後、遮光膜642および643を覆うように平坦化膜151が配置される。画素の周縁部に配置される遮光膜と位相差画素における瞳分割のための遮光膜とを同時に形成することにより工程を短縮することができる。
【0067】
しかし、同図の撮像素子では、撮像素子の微細化に伴い画素600サイズが小さくなると、欠陥の発生により遮光膜の形成が困難になる。具体的には、同図の遮光膜691のように、遮光膜642の倒れによる欠陥が発生しやすくなる。また、遮光膜642および643の間隔が狭くなるため平坦化膜151の材料が浸透できず、平坦化膜151に隙間692が形成される場合がある。このような隙間692が形成されると、位相差画素602における位相差検出の誤差が増大する。
【0068】
これに対し、図4の撮像素子(画素アレイ部10)では、図6乃至7において説明したように、遮光体142の材料膜503を入射光透過膜141に形成した溝に埋め込むことにより、遮光体142を形成する。半導体素子のCu配線の製造工程において使用されるダマシン法に準じた方式により遮光体142を形成する。遮光体142の微細な加工を容易に行うことができ、上述の倒れ等の欠陥を生じることなく遮光体142を形成することができる。また、遮光体142と遮光膜343aおよび343bとを異なる工程により形成するため、上述の隙間の形成等を防止することができる。
【0069】
また、図4の遮光体142は、入射光透過膜141に形成した溝に配置されるため、テーパ形状に構成することができる。すなわち、光電変換部101に近い部分程幅が狭い形状に構成される。光電変換部101に近い領域の開口部を広くすることができ、感度の低下を防止することができる。
【0070】
また、図7において説明したように、図4の遮光膜243、343aおよび343bは、レジスト507をマスクとして用いたエッチング工程により形成される。CMPを使用せずに形成することができるため、ディッシングによる凹部の形成を防止することができる。
【0071】
以上説明したように、本開示の第1の実施の形態の画素アレイ部10は、入射光透過膜141に形成された溝に遮光体142を配置することにより、画素100等が微細化した場合であっても遮光体142を形成することができる。
【0072】
<2.第2の実施の形態>
上述の第1の実施の形態の画素アレイ部10は、位相差画素301および302に遮光膜343aおよび343bが配置されていた。これに対し、本開示の第2の実施の形態の画素アレイ部10は、遮光膜343aおよび343bの端部に配置される遮光体をさらに備える点で、上述の第1の実施の形態と異なる。
【0073】
[画素の構成]
図9は、本開示の第2の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。同図は、画素100ならびに位相差画素301および302の構成を簡略化して記載した図である。同図におけるAの位相差画素301および302は、それぞれ遮光体342aおよび342bを備える。遮光体342aおよび342bは、それぞれ遮光膜343aおよび343bの近傍に配置され、入射光透過膜141に形成された溝に配置されて構成される。この遮光体342aおよび342bを配置することにより、遮光膜343aおよび343bによる入射光の回折を防ぐことができ、回折光によるノイズの発生を軽減することができる。同図の遮光体342aおよび342bは、底部が絶縁膜130との界面に達しており、ノイズの低減効果を向上させることができる。なお、同図に表したように、遮光体342aおよび342bは、端部がそれぞれ遮光膜343aおよび343bの端部と一致する位置に形成すると好適である。遮光膜343aおよび343bによる瞳分割に影響を及ぼすとなく回折光を遮光することができるためである。
【0074】
同図におけるBの位相差画素301および302は、遮光体342aおよび342bの代わりに遮光体342cおよび342dを備える。この遮光体342cおよび342dは、遮光体342aおよび342bより浅い深さに構成される。これにより、遮光体342aおよび342bを配置した場合と比較して、感度の低下を軽減することができる。遮光体342cおよび342dを配置する溝は、遮光体142を配置する溝とは異なる工程により形成することができる。エッチングの時間を調整して所望の深さの溝を形成することにより、遮光体342cおよび342dを配置することができる。
【0075】
なお、遮光体342a、342b、342cおよび342dは、請求の範囲に記載の第2の遮光体の一例である。
【0076】
これ以外の撮像装置1の構成は本開示の第1の実施の形態において説明した撮像装置1の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0077】
以上説明したように、本開示の第2の実施の形態の画素アレイ部10は、位相差画素301および302の遮光膜343aおよび343bの近傍に遮光体342aおよび342b等を配置する。これにより、位相差画素301および302のノイズの発生を軽減することができる。
【0078】
<3.第3の実施の形態>
従来、撮像素子において、画素間に複数段の遮光壁を有する画素アレイ部を備える撮像装置が使用されている。この遮光壁は、画素における半導体基板表面の絶縁膜およびカラーフィルタの間に配置された平坦化膜と同層に形成されて隣接する画素との境界に配置される。像高が高い被写体からの光は、撮像素子の周縁部の画素において斜めに入射する。この入射光が隣接する画素間において斜めに入射すると、混色等を生じることとなる。そこで、遮光壁を配置することにより隣接する画素からの斜めの入射光を遮光する(例えば、特許文献1参照。)。位相差画素が配置される場合には画素における集光位置を調整するため、撮像素子が高背化する。この場合には、多段に形成された遮光壁が配置される。
【0079】
上述の従来技術では、高い入射角度の入射光が画素に入射することにより画質が低下するという問題がある。被写体からの光が筐体等により反射されて撮像素子に到達する際、極端に高い入射角度において画素に入射する場合がある。この場合、このような入射光により画像信号にノイズを生じ、画質が低下する。
【0080】
本開示の第3の実施の形態では、上述の問題点に鑑みて、高い入射角度の入射光が入射した場合であっても画質の低下を軽減する撮像素子について提案する。
【0081】
[画素の構成]
図10は、本開示の第3の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。同図は、画素アレイ部10に配置される画素100、遮光画素200ならびに位相差画素301および302の構成例を表した模式断面図である。同図の画素アレイ部10は、以下の点で、図4において説明した画素アレイ部10と異なる。入射光透過膜141が省略され、遮光体142の代わりに遮光膜144が画素100に配置される。遮光画素200には、遮光膜243の代わりに遮光膜245が配置される。位相差画素301および302には、それぞれ遮光膜346aおよび346bが配置される。また、遮光壁152がさらに配置される。また、第1のカラーフィルタ部遮光層162および第2のカラーフィルタ部遮光層161がさらに配置される。
【0082】
遮光膜144は、絶縁膜130に隣接して配置されるとともに画素100の周縁部に配置される遮光膜である。また、遮光膜245は、絶縁膜130に隣接して配置されるとともに平面視において遮光画素200の全面に配置される。また、遮光膜245にはコンタクト部246が形成される。また、遮光膜346aおよび346bは、それぞれ位相差画素301および302に配置され、位相差画素301および302を瞳分割するための遮光膜である。これら遮光膜144、245、346aおよび346bは、同時に形成することができる。
【0083】
遮光壁152は、各画素100等の平坦化膜151の周囲に壁状に配置されて入射光を遮光するものである。すなわち、遮光壁152は、画素100の境界の近傍に配置される。この遮光壁152は、遮光膜144に積層して形成することができる。遮光壁152は、例えば、WやAl等により構成することができる。
【0084】
第2のカラーフィルタ部遮光層161は、カラーフィルタ160と同層に配置されて入射光を遮光するものである。この第2のカラーフィルタ部遮光層161には中央部に開口部168が形成される。この開口部168にカラーフィルタ160が配置される。すなわち、第2のカラーフィルタ部遮光層161は、画素100の境界の近傍に配置される。また、第2のカラーフィルタ部遮光層161は、後述する第1のカラーフィルタ部遮光層162および半導体基板111の間に配置される。
【0085】
第1のカラーフィルタ部遮光層162は、カラーフィルタ160と同層に配置されて入射光を遮光するものである。この第1のカラーフィルタ部遮光層162には、第2のカラーフィルタ部遮光層161と同様に中央部に開口部169が形成される。この開口部169にカラーフィルタ160が配置される。すなわち、第2のカラーフィルタ部遮光層161と同様に、第1のカラーフィルタ部遮光層162も画素100の境界の近傍に配置される。
【0086】
第1のカラーフィルタ部遮光層162および第2のカラーフィルタ部遮光層161は、それぞれ隣接する画素100等から高い入射角度において斜めに入射する光を遮光する。同図の矢印は、高い入射角度の入射光が第1のカラーフィルタ部遮光層162により遮光される様子を表したものである。このように、第1のカラーフィルタ部遮光層162および第2のカラーフィルタ部遮光層161をカラーフィルタ160と同層に配置することにより、高い入射角度の入射光による混色の発生を防止することができる。
【0087】
第1のカラーフィルタ部遮光層162および第2のカラーフィルタ部遮光層161は、それぞれ異なる材料により構成することができる。例えば、第1のカラーフィルタ部遮光層162をカーボンブラック顔料やチタンブラック顔料等を分散させた樹脂により構成し、第2のカラーフィルタ部遮光層161をWやAl等の金属材料により構成することができる。樹脂により構成された第1のカラーフィルタ部遮光層162をカラーフィルタ部遮光層や遮光壁のうちの最外部に配置するため、画素アレイ部10の入射光の反射を軽減することができる。また、樹脂により構成された第1のカラーフィルタ部遮光層162は、波長300乃至1000nmの光に対して30%の透過率に構成すると好適である。入射光の遮光能力を向上させることができるためである。また、第1のカラーフィルタ部遮光層162は、100乃至1000nmの厚さに構成することができる。なお、第1のカラーフィルタ部遮光層162を構成する樹脂には、フォトレジストを採用すると好適である。第1のカラーフィルタ部遮光層162の製造工程を簡略化することができるためである。
【0088】
また、第1のカラーフィルタ部遮光層162および第2のカラーフィルタ部遮光層161を積層することにより、カラーフィルタ160の領域に配置する遮光層の厚さを厚くすることができ、遮光能力を向上させることができる。カラーフィルタ160は、所望の光学特性を得るため、比較的厚い膜厚に構成される。このため、カラーフィルタ160と同層に配置されるカラーフィルタ部遮光層も厚い膜厚に構成する必要がある。しかし、樹脂によりカラーフィルタ部遮光層を構成する場合には、カラーフィルタ部遮光層を厚くすると、製造工程において下層に配置された位置合わせマークの読み取り不良を生じる。フォトグラフィのプロセスにおける露光位置精度が低下し、撮像素子の製造が困難になる。一方、カラーフィルタ部遮光層を金属により構成する場合には、カラーフィルタ部遮光層を厚くすると、金属膜の成膜の際の半導体基板111の反りが増大する。樹脂により構成する場合と同様に製造が困難になる。
【0089】
そこで、これら第1のカラーフィルタ部遮光層162および第2のカラーフィルタ部遮光層161をそれぞれ樹脂および金属により構成するとともにこれらを積層して配置する。これにより、所望の膜厚のカラーフィルタ部遮光層を容易に製造することができる。
【0090】
また、同図に表したように、第2のカラーフィルタ部遮光層161のサイズ(幅)を第1のカラーフィルタ部遮光層162のサイズ(幅)より大きくすると好適である。すなわち、第2のカラーフィルタ部遮光層161の開口部168を第1のカラーフィルタ部遮光層162の開口部169より狭くする。これにより、製造の際の位置ずれのマージンを向上させることができる。
【0091】
同様に、同図に表したように、第2のカラーフィルタ部遮光層161のサイズ(幅)を遮光壁152のサイズ(幅)より広くすると好適である。同様に、製造の際の位置ずれのマージンを向上させることができるためである。
【0092】
撮像素子(画素アレイ部10)の製造方法については、第4の実施の形態において詳細に説明する。
【0093】
これ以外の撮像装置1の構成は本開示の第1の実施の形態において説明した撮像装置1の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0094】
以上説明したように、本開示の第3の実施の形態の画素アレイ部10は、カラーフィルタ160と同層に第1のカラーフィルタ部遮光層162および第2のカラーフィルタ部遮光層161を配置する。これにより、高い入射角度において隣接する画素100等から斜めに入射する光を遮光することができ、画質の低下を防止することができる。
【0095】
<4.第4の実施の形態>
上述の第3の実施の形態の画素アレイ部10は、第1のカラーフィルタ部遮光層162および第2のカラーフィルタ部遮光層161ならびに第2のカラーフィルタ部遮光層161および遮光壁152がそれぞれ隣接して配置されていた。これに対し、本開示の第4の実施の形態の画素アレイ部10は、第1のカラーフィルタ部遮光層162、第2のカラーフィルタ部遮光層161および遮光壁152のそれぞれの層間に層間膜を備える点で、上述の第3の実施の形態と異なる。
【0096】
[画素の構成]
図11は、本開示の第4の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。同図は、画素100の構成を簡略化して記載した図である。同図の画素100は、層間膜165および166をさらに備える点で、図10において説明した画素100と異なる。
【0097】
層間膜165は、遮光壁152および第2のカラーフィルタ部遮光層161の間に配置される層間膜である。この層間膜165は、例えば、SiOやSiN等の無機材料により構成することができる。この層間膜165を配置することにより、第2のカラーフィルタ部遮光層161を形成する際に下層に配置された遮光壁152を保護することができる。具体的には、遮光壁152が配置された平坦化膜151に第2のカラーフィルタ部遮光層161の材料となる金属膜を形成してエッチングする際、エッチング工程において使用する薬液が浸潤し、遮光壁152が溶出する場合がある。そこで、層間膜165を配置して分離することにより、エッチング工程の薬液から遮光壁152を保護することができる。
【0098】
層間膜166は、第1のカラーフィルタ部遮光層162および第2のカラーフィルタ部遮光層161の間に配置される層間膜である。この層間膜166も、層間膜165と同様に、無機材料により構成することができる。樹脂により構成された第1のカラーフィルタ部遮光層162を金属により構成された第2のカラーフィルタ部遮光層161に隣接して配置した場合には、これらの間の密着強度が比較的低いため、剥離等の不具合を生じる場合がある。そこで、無機材料により構成された層間膜166を間に配置する。これにより、密着強度を向上させることができる。
【0099】
なお、画素アレイ部10の構成は、この例に限定されない。例えば、層間膜165および166の何れか1つを備える構成にすることもできる。
【0100】
なお、層間膜166は、請求の範囲に記載の層間膜の一例である。層間膜165は、請求の範囲に記載の第2の層間膜の一例である。
【0101】
[撮像素子の製造方法]
図12乃至15は、本開示の第4の実施の形態に係る画素アレイ部の製造方法の一例を示す図である。まず、半導体基板111にウェル領域およびn型半導体領域112を形成し、光電変換部101を形成する。次に、絶縁層121および配線層122(不図示)を形成する。次に、半導体基板111の裏面に開口部510を有する絶縁膜130を形成する(図12におけるA)。
【0102】
次に、遮光膜245等の材料となる金属膜を成膜してエッチングを行い、遮光膜144、245、346aおよび346bを形成する(図12におけるB)。
【0103】
次に遮光膜144等に隣接して平坦化膜151を配置し、遮光壁152を配置する部分に開口部511を形成する(図12におけるC)。
【0104】
次に平坦化膜151に遮光壁152の材料となる金属膜を積層し、この積層した金属膜の表面を研削する。これは、例えば、CMPにより行うことができる。これにより、平坦化膜151の開口部511に遮光壁152を配置することができる(図12におけるD)。
【0105】
次に、平坦化膜151および遮光壁152に隣接して層間膜165を配置する(図13におけるE)。
【0106】
次に、第2のカラーフィルタ部遮光層161の材料となる金属膜512を積層する(図13におけるF)。次に、金属膜512の表面にレジスト513を配置する。このレジスト513は、図10において説明した開口部168を配置する領域に開口部514を備える(図13におけるG)。次に、レジスト513をマスクとして金属膜512のエッチングを行い、開口部168を有する第2のカラーフィルタ部遮光層161を形成する(図14におけるH)。当該工程は、請求の範囲に記載の第2のカラーフィルタ部遮光層を半導体基板に配置する工程の一例である。
【0107】
次に、第2のカラーフィルタ部遮光層161および層間膜165に隣接して層間膜166を配置する(図14におけるI)。
【0108】
次に、第1のカラーフィルタ部遮光層162の材料となる樹脂膜515を層間膜166に隣接して配置する(図14におけるJ)。次に、フォトグラフィ技術により樹脂膜515から第1のカラーフィルタ部遮光層162を形成する。具体的には、樹脂膜515に対して露光および現像を行って開口部169を形成し、第1のカラーフィルタ部遮光層162の形状に加工する(図15におけるK)。当該工程は、請求の範囲に記載の第1のカラーフィルタ部遮光層を第2のカラーフィルタ部遮光層に積層して配置する工程の一例である。
【0109】
次に、層間膜166および第1のカラーフィルタ部遮光層162に隣接してカラーフィルタ160を配置する(図15におけるL)。当該工程は、請求の範囲に記載のカラーフィルタを配置する工程の一例である。なお、便宜上、同図の層間膜166は第2のカラーフィルタ部遮光層161と同じ膜厚に記載したが、カラーフィルタ160は、第2のカラーフィルタ部遮光層161の開口部168および第1のカラーフィルタ部遮光層162の開口部169に配置される。次に、オンチップレンズ171を配置することにより、画素アレイ部10を製造することができる。
【0110】
これ以外の撮像装置1の構成は本開示の第3の実施の形態において説明した撮像装置1の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0111】
以上説明したように、本開示の第4の実施の形態の画素アレイ部10は、層間膜165を配置することにより、遮光壁152を保護することができる。また、層間膜166を配置することにより、第1のカラーフィルタ部遮光層162の密着強度を向上させることができる。
【0112】
<5.第5の実施の形態>
上述の第3の実施の形態の画素アレイ部10は、オンチップレンズ171を備えていた。これに対し、本開示の第5の実施の形態の画素アレイ部10は、層内レンズ172をさらに備える点で、上述の第3の実施の形態と異なる。
【0113】
[画素の構成]
図16は、本開示の第5の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。同図は、画素100の構成を簡略化して記載した図である。同図の画素100は、層内レンズ172をさらに備える点で、図10において説明した画素100と異なる。
【0114】
層内レンズ172は、平坦化膜151に配置されて、オンチップレンズ171により集光された入射光をさらに集光するレンズである。層内レンズ172を配置することにより、画素100の感度を向上させることができる。画素アレイ部10の周縁部に配置された画素100においては、被写体からの光が斜めに入射する。このような場合、オンチップレンズ171だけでは、入射光を光電変換部101に集光することができず、感度が低下する。そこで、層内レンズ172を配置することにより入射光をさらに屈折させて光電変換部101に集光させる。これにより、感度の低下を軽減することができる。この層内レンズ172は、例えば、SiNや酸窒化シリコン(SiON)により構成することができる。また、層内レンズ172は、オンチップレンズ171と同様の方法により形成することができる。
【0115】
これ以外の撮像装置1の構成は本開示の第3の実施の形態において説明した撮像装置1の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0116】
以上説明したように、本開示の第5の実施の形態の画素アレイ部10は、層内レンズ172を配置することにより、感度の低下を軽減することができる。
【0117】
<6.第6の実施の形態>
上述の第3の実施の形態の画素アレイ部10は、矩形形状の断面に構成された第1のカラーフィルタ部遮光層162および第2のカラーフィルタ部遮光層161を備えていた。これに対し、本開示の第6の実施の形態の画素アレイ部10は、テーパ形状の断面に構成された第1のカラーフィルタ部遮光層および第2のカラーフィルタ部遮光層を備える点で、上述の第3の実施の形態と異なる。
【0118】
[画素の構成]
図17は、本開示の第6の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。同図は、画素100の構成を簡略化して記載した図である。同図の画素100は、第1のカラーフィルタ部遮光層162および第2のカラーフィルタ部遮光層161の代わりに第1のカラーフィルタ部遮光層164および第2のカラーフィルタ部遮光層163を備える点で、図10において説明した画素100と異なる。
【0119】
同図に表したように、第1のカラーフィルタ部遮光層164および第2のカラーフィルタ部遮光層163は、テーパ形状の断面に構成される。具体的には、画素100の半導体基板111に向かう程幅が狭くなる断面の形状に構成される。これにより、第1のカラーフィルタ部遮光層164および第2のカラーフィルタ部遮光層163の下側の開口部が広くなり、感度の低下を防止することができる。なお、画素100の構成はこの例に限定されない。例えば、テーパ形状に構成された第1のカラーフィルタ部遮光層164および第2のカラーフィルタ部遮光層163の何れか1つを配置する構成を採ることもできる。
【0120】
これ以外の撮像装置1の構成は本開示の第3の実施の形態において説明した撮像装置1の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0121】
以上説明したように、本開示の第6の実施の形態の画素アレイ部10は、テーパ形状の断面に構成された第1のカラーフィルタ部遮光層164および第2のカラーフィルタ部遮光層163を配置することにより、感度の低下を軽減することができる。
【0122】
<7.第7の実施の形態>
上述の第3の実施の形態の画素アレイ部10は、カラーフィルタ160が第1のカラーフィルタ部遮光層162を覆う形状に構成されていた。これに対し、本開示の第7の実施の形態の画素アレイ部10は、カラーフィルタ160が第1のカラーフィルタ部遮光層により分離される形状に構成される点で、上述の第3の実施の形態と異なる。
【0123】
[画素の構成]
図18は、本開示の第7の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。同図は、画素100の構成を簡略化して記載した図である。同図の画素100は、第1のカラーフィルタ部遮光層162の代わりに第1のカラーフィルタ部遮光層167を備える点で、図10において説明した画素100と異なる。
【0124】
同図に表したように、第1のカラーフィルタ部遮光層167は、頂部がオンチップレンズ171に隣接する形状に構成される。これにより、カラーフィルタ160は、第1のカラーフィルタ部遮光層167および第2のカラーフィルタ部遮光層161の開口部のみに配置され、第1のカラーフィルタ部遮光層167等により分離される。これにより、カラーフィルタ160の表面近傍において隣接する画素100から斜めに入射する光を遮光することができる。
【0125】
これ以外の撮像装置1の構成は本開示の第3の実施の形態において説明した撮像装置1の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0126】
以上説明したように、本開示の第7の実施の形態の画素アレイ部10は、カラーフィルタ160が第1のカラーフィルタ部遮光層167により分離される形状に構成される。これにより、カラーフィルタ160の表面近傍における斜めの入射光を遮光することができ、画質の低下をさらに軽減することができる。
【0127】
<8.第8の実施の形態>
上述の第3の実施の形態の画素アレイ部10は、画素アレイ部10の周縁部に遮光膜245が配置されていた。これに対し、本開示の第8の実施の形態の画素アレイ部10は、第1のカラーフィルタ部遮光層が画素アレイ部10の周縁部にさらに配置される点で、上述の第3の実施の形態と異なる。
【0128】
[画素の構成]
図19は、本開示の第8の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。同図の遮光画素200は、第1のカラーフィルタ部遮光層267を備える点で、図10において説明した画素100と異なる。
【0129】
第1のカラーフィルタ部遮光層267は、遮光膜245と同様に、遮光画素200の全面を遮光するとともに画素アレイ部10の周縁部に配置される。第1のカラーフィルタ部遮光層267を樹脂により構成することにより、当該領域における入射光の反射を低減することができる。反射光が画素アレイ部10に再度入射して画素100により光電変換されるとノイズの原因となる。この反射光を減少させることができるため、画質の低下を防止することができる。
【0130】
なお、撮像装置1の構成はこの例に限定されない。例えば、第2のカラーフィルタ部遮光層161と同様に金属により構成されたカラーフィルタ部遮光層を遮光画素200等に配置することもできる。
【0131】
これ以外の撮像装置1の構成は本開示の第3の実施の形態において説明した撮像装置1の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0132】
以上説明したように、本開示の第8の実施の形態の画素アレイ部10は、第1のカラーフィルタ部遮光層267を画素アレイ部10の周縁部に配置することにより、入射光の反射を低減し、画質の低下を防止することができる。
【0133】
なお、本開示の第3乃至第8の実施の形態に適用した技術は、本開示の第1および第2の実施の形態の画素アレイ部10に適用することができる。同様に、本開示の第1および第2の実施の形態に適用した技術は、本開示の第3乃至第8の実施の形態の画素アレイ部10に適用することができる。
【0134】
<9.積層型の固体撮像装置への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、積層型の固体撮像装置にも応用することができる。すなわち図1乃至19において説明した撮像素子は、積層型の固体撮像素子に構成することもできる。
【0135】
図20は、本開示に係る技術を適用し得る積層型の固体撮像装置の構成例の概要を示す図である。
【0136】
図20のAは、非積層型の固体撮像装置の概略構成例を示している。固体撮像装置23010は、図20のAに示すように、1枚のダイ(半導体基板)23011を有する。このダイ23011には、画素がアレイ状に配置された画素領域23012と、画素の駆動その他の各種の制御を行う制御回路23013と、信号処理するためのロジック回路23014とが搭載されている。
【0137】
図20のB及びCは、積層型の固体撮像装置の概略構成例を示している。固体撮像装置23020は、図20のB及びCに示すように、センサダイ23021とロジックダイ23024との2枚のダイが積層され、電気的に接続されて、1つの半導体チップとして構成されている。
【0138】
図20のBでは、センサダイ23021には、画素領域23012と制御回路23013が搭載され、ロジックダイ23024には、信号処理を行う信号処理回路を含むロジック回路23014が搭載されている。
【0139】
図20のCでは、センサダイ23021には、画素領域23012が搭載され、ロジックダイ23024には、制御回路23013及びロジック回路23014が搭載されている。
【0140】
図21は、積層型の固体撮像装置23020の第1の構成例を示す断面図である。
【0141】
センサダイ23021には、画素領域23012となる画素を構成するPD(フォトダイオード)や、FD(フローティングディフュージョン)、Tr(MOS FET)、及び、制御回路23013となるTr等が形成される。さらに、センサダイ23021には、複数層、本例では3層の配線23110を有する配線層23101が形成される。なお、制御回路23013(となるTr)は、センサダイ23021ではなく、ロジックダイ23024に構成することができる。
【0142】
ロジックダイ23024には、ロジック回路23014を構成するTrが形成される。さらに、ロジックダイ23024には、複数層、本例では3層の配線23170を有する配線層23161が形成される。また、ロジックダイ23024には、内壁面に絶縁膜23172が形成された接続孔23171が形成され、接続孔23171内には、配線23170等と接続される接続導体23173が埋め込まれる。
【0143】
センサダイ23021とロジックダイ23024とは、互いの配線層23101及び23161が向き合うように貼り合わされ、これにより、センサダイ23021とロジックダイ23024とが積層された積層型の固体撮像装置23020が構成されている。センサダイ23021とロジックダイ23024とが貼り合わされる面には、保護膜等の膜23191が形成されている。
【0144】
センサダイ23021には、センサダイ23021の裏面側(PDに光が入射する側)(上側)からセンサダイ23021を貫通してロジックダイ23024の最上層の配線23170に達する接続孔23111が形成される。さらに、センサダイ23021には、接続孔23111に近接して、センサダイ23021の裏面側から1層目の配線23110に達する接続孔23121が形成される。接続孔23111の内壁面には、絶縁膜23112が形成され、接続孔23121の内壁面には、絶縁膜23122が形成される。そして、接続孔23111及び23121内には、接続導体23113及び23123がそれぞれ埋め込まれる。接続導体23113と接続導体23123とは、センサダイ23021の裏面側で電気的に接続され、これにより、センサダイ23021とロジックダイ23024とが、配線層23101、接続孔23121、接続孔23111、及び、配線層23161を介して、電気的に接続される。
【0145】
図22は、積層型の固体撮像装置23020の第2の構成例を示す断面図である。
【0146】
固体撮像装置23020の第2の構成例では、センサダイ23021に形成する1つの接続孔23211によって、センサダイ23021(の配線層23101(の配線23110))と、ロジックダイ23024(の配線層23161(の配線23170))とが電気的に接続される。
【0147】
すなわち、図22では、接続孔23211が、センサダイ23021の裏面側からセンサダイ23021を貫通してロジックダイ23024の最上層の配線23170に達し、且つ、センサダイ23021の最上層の配線23110に達するように形成される。接続孔23211の内壁面には、絶縁膜23212が形成され、接続孔23211内には、接続導体23213が埋め込まれる。上述の図21では、2つの接続孔23111及び23121によって、センサダイ23021とロジックダイ23024とが電気的に接続されるが、図22では、1つの接続孔23211によって、センサダイ23021とロジックダイ23024とが電気的に接続される。
【0148】
図23は、積層型の固体撮像装置23020の第3の構成例を示す断面図である。
【0149】
図23の固体撮像装置23020は、センサダイ23021とロジックダイ23024とが貼り合わされる面に、保護膜等の膜23191が形成されていない点で、センサダイ23021とロジックダイ23024とが貼り合わされる面に、保護膜等の膜23191が形成されている図21の場合と異なる。
【0150】
図23の固体撮像装置23020は、配線23110及び23170が直接接触するように、センサダイ23021とロジックダイ23024とを重ね合わせ、所要の加重をかけながら加熱し、配線23110及び23170を直接接合することで構成される。
【0151】
図24は、本開示に係る技術を適用し得る積層型の固体撮像装置の他の構成例を示す断面図である。
【0152】
図24では、固体撮像装置23401は、センサダイ23411と、ロジックダイ23412と、メモリダイ23413との3枚のダイが積層された3層の積層構造になっている。
【0153】
メモリダイ23413は、例えば、ロジックダイ23412で行われる信号処理において一時的に必要となるデータの記憶を行うメモリ回路を有する。
【0154】
図24では、センサダイ23411の下に、ロジックダイ23412及びメモリダイ23413が、その順番で積層されているが、ロジックダイ23412及びメモリダイ23413は、逆順、すなわち、メモリダイ23413及びロジックダイ23412の順番で、センサダイ23411の下に積層することができる。
【0155】
なお、図24では、センサダイ23411には、画素の光電変換部となるPDや、画素Trのソース/ドレイン領域が形成されている。
【0156】
PDの周囲にはゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成され、ゲート電極と対のソース/ドレイン領域により画素Tr23421、画素Tr23422が形成されている。
【0157】
PDに隣接する画素Tr23421が転送Trであり、その画素Tr23421を構成する対のソース/ドレイン領域の一方がFDになっている。
【0158】
また、センサダイ23411には、層間絶縁膜が形成され、層間絶縁膜には、接続孔が形成される。接続孔には、画素Tr23421、及び、画素Tr23422に接続する接続導体23431が形成されている。
【0159】
さらに、センサダイ23411には、各接続導体23431に接続する複数層の配線23432を有する配線層23433が形成されている。
【0160】
また、センサダイ23411の配線層23433の最下層には、外部接続用の電極となるアルミパッド23434が形成されている。すなわち、センサダイ23411では、配線23432よりもロジックダイ23412との接着面23440に近い位置にアルミパッド23434が形成されている。アルミパッド23434は、外部との信号の入出力に係る配線の一端として用いられる。
【0161】
さらに、センサダイ23411には、ロジックダイ23412との電気的接続に用いられるコンタクト23441が形成されている。コンタクト23441は、ロジックダイ23412のコンタクト23451に接続されるとともに、センサダイ23411のアルミパッド23442にも接続されている。
【0162】
そして、センサダイ23411には、センサダイ23411の裏面側(上側)からアルミパッド23442に達するようにパッド孔23443が形成されている。
【0163】
本開示に係る技術は、以上のような固体撮像装置に適用することができる。
【0164】
<10.カメラへの応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品に応用することができる。例えば、本技術は、カメラ等の撮像装置に搭載される撮像素子として実現されてもよい。
【0165】
図25は、本技術が適用され得る撮像装置の一例であるカメラの概略的な構成例を示すブロック図である。同図のカメラ1000は、レンズ1001と、撮像素子1002と、撮像制御部1003と、レンズ駆動部1004と、画像処理部1005と、操作入力部1006と、フレームメモリ1007と、表示部1008と、記録部1009とを備える。
【0166】
レンズ1001は、カメラ1000の撮影レンズである。このレンズ1001は、被写体からの光を集光し、後述する撮像素子1002に入射させて被写体を結像させる。
【0167】
撮像素子1002は、レンズ1001により集光された被写体からの光を撮像する半導体素子である。この撮像素子1002は、照射された光に応じたアナログの画像信号を生成し、デジタルの画像信号に変換して出力する。
【0168】
撮像制御部1003は、撮像素子1002における撮像を制御するものである。この撮像制御部1003は、制御信号を生成して撮像素子1002に対して出力することにより、撮像素子1002の制御を行う。また、撮像制御部1003は、撮像素子1002から出力された画像信号に基づいてカメラ1000におけるオートフォーカスを行うことができる。ここでオートフォーカスとは、レンズ1001の焦点位置を検出して、自動的に調整するシステムである。このオートフォーカスとして、撮像素子1002に配置された位相差画素により像面位相差を検出して焦点位置を検出する方式(像面位相差オートフォーカス)を使用することができる。また、画像のコントラストが最も高くなる位置を焦点位置として検出する方式(コントラストオートフォーカス)を適用することもできる。撮像制御部1003は、検出した焦点位置に基づいてレンズ駆動部1004を介してレンズ1001の位置を調整し、オートフォーカスを行う。なお、撮像制御部1003は、例えば、ファームウェアを搭載したDSP(Digital Signal Processor)により構成することができる。
【0169】
レンズ駆動部1004は、撮像制御部1003の制御に基づいて、レンズ1001を駆動するものである。このレンズ駆動部1004は、内蔵するモータを使用してレンズ1001の位置を変更することによりレンズ1001を駆動することができる。
【0170】
画像処理部1005は、撮像素子1002により生成された画像信号を処理するものである。この処理には、例えば、画素毎の赤色、緑色および青色に対応する画像信号のうち不足する色の画像信号を生成するデモザイク、画像信号のノイズを除去するノイズリダクションおよび画像信号の符号化等が該当する。画像処理部1005は、例えば、ファームウェアを搭載したマイコンにより構成することができる。
【0171】
操作入力部1006は、カメラ1000の使用者からの操作入力を受け付けるものである。この操作入力部1006には、例えば、押しボタンやタッチパネルを使用することができる。操作入力部1006により受け付けられた操作入力は、撮像制御部1003や画像処理部1005に伝達される。その後、操作入力に応じた処理、例えば、被写体の撮像等の処理が起動される。
【0172】
フレームメモリ1007は、1画面分の画像信号であるフレームを記憶するメモリである。このフレームメモリ1007は、画像処理部1005により制御され、画像処理の過程におけるフレームの保持を行う。
【0173】
表示部1008は、画像処理部1005により処理された画像を表示するものである。この表示部1008には、例えば、液晶パネルを使用することができる。
【0174】
記録部1009は、画像処理部1005により処理された画像を記録するものである。この記録部1009には、例えば、メモリカードやハードディスクを使用することができる。
【0175】
以上、本開示が適用され得るカメラについて説明した。本技術は以上において説明した構成のうち、撮像素子1002に適用され得る。具体的には、図1において説明した撮像装置1は、撮像素子1002に適用することができる。
【0176】
なお、ここでは、一例としてカメラについて説明したが、本開示に係る技術は、その他、例えば監視装置等に適用されてもよい。また、本開示は、カメラ等の電子機器の他に、半導体モジュールの形式の半導体装置に適用することもできる。具体的には、図25の撮像素子1002および撮像制御部1003を1つのパッケージに封入した半導体モジュールである撮像モジュールに本開示に係る技術を適用することもできる。
【0177】
<11.内視鏡手術システムへの応用例>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、内視鏡手術システムに適用されてもよい。
【0178】
図26は、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【0179】
図26では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
【0180】
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
【0181】
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
【0182】
カメラヘッド11102の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)11201に送信される。
【0183】
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
【0184】
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
【0185】
光源装置11203は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
【0186】
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
【0187】
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
【0188】
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
【0189】
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
【0190】
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
【0191】
図27は、図26に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0192】
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
【0193】
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
【0194】
撮像部11402は、撮像素子で構成される。撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(Dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
【0195】
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
【0196】
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
【0197】
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
【0198】
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
【0199】
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
【0200】
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
【0201】
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
【0202】
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
【0203】
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
【0204】
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
【0205】
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
【0206】
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
【0207】
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
【0208】
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、カメラヘッド11102の撮像部11402に適用され得る。具体的には、図1において説明した撮像装置1は、撮像部10402に適用することができる。
【0209】
なお、ここでは、一例として内視鏡手術システムについて説明したが、本開示に係る技術は、その他、例えば、顕微鏡手術システム等に適用されてもよい。
【0210】
<12.移動体への応用例>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0211】
図28は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0212】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図28に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0213】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0214】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0215】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0216】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0217】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0218】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0219】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0220】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0221】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図28の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0222】
図29は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0223】
図29では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101、12102、12103、12104、12105を有する。
【0224】
撮像部12101、12102、12103、12104、12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102、12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0225】
なお、図29には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112、12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102、12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0226】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0227】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0228】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0229】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0230】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。具体的には、図1において説明した撮像装置1は、撮像部12031に適用することができる。
【0231】
最後に、上述した各実施の形態の説明は本開示の一例であり、本開示は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0232】
また、上述の実施の形態における図面は、模式的なものであり、各部の寸法の比率等は現実のものとは必ずしも一致しない。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれることは勿論である。
【0233】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)半導体基板に形成されて被写体からの入射光を光電変換する光電変換部がそれぞれ配置される複数の画素と、
前記複数の画素に配置されて前記半導体基板を絶縁する絶縁膜と、
前記複数の画素の前記絶縁膜に隣接して配置されて入射光を透過する入射光透過膜と、
前記複数の画素のそれぞれの周縁部の前記入射光透過膜に形成された溝に配置されて前記入射光を遮光する遮光体と
を具備する撮像素子。
(2)前記溝は、前記入射光透過膜をエッチングすることにより形成される前記(1)に記載の撮像素子。
(3)前記絶縁膜は、前記入射光透過膜のエッチングの際にエッチングの進行を停止させる膜として使用される前記(2)に記載の撮像素子。
(4)前記入射光透過膜に隣接して配置されて前記入射光を遮光する遮光膜をさらに具備する前記(1)から(3)の何れかに記載の撮像素子。
(5)前記遮光膜は、前記複数の画素のうち周縁部の画素に配置される前記(4)に記載の撮像素子。
(6)前記被写体からの入射光を瞳分割して位相差を検出するための前記画素である位相差画素をさらに具備し、
前記遮光膜は、前記位相差画素に配置されるとともに前記瞳分割の方向に応じて前記入射光の一部を遮光する
前記(4)に記載の撮像素子。
(7)前記遮光膜の端部の近傍における前記入射光透過膜に形成された溝に配置されて前記入射光の回折光を遮光する第2の遮光体をさらに具備する前記(6)に記載の撮像素子。
(8)前記遮光体は、テーパ形状に構成される前記(1)から(7)の何れかに記載の撮像素子。
(9)複数の画素毎に配置されて被写体からの入射光を光電変換する光電変換部を半導体基板に形成する工程と、
前記複数の画素に配置されて前記半導体基板を絶縁する絶縁膜を配置する工程と、
前記複数の画素の前記絶縁膜に隣接して配置されて入射光を透過する入射光透過膜を配置する工程と、
前記複数の画素のそれぞれの周縁部の前記入射光透過膜に溝を形成する工程と、
前記形成された溝に前記入射光を遮光する遮光体を配置する工程と
を具備する撮像素子の製造方法。
(10)半導体基板に形成されて被写体からの入射光を光電変換する光電変換部がそれぞれ配置される複数の画素と、
前記複数の画素に配置されて前記入射光のうち所定の波長の入射光を前記光電変換部に入射させるカラーフィルタと、
前記複数の画素に配置されて前記入射光を遮光するとともに中央部に形成された開口部に前記カラーフィルタが配置される第1のカラーフィルタ部遮光層と、
前記複数の画素に配置されて前記入射光を遮光するとともに中央部に形成された開口部に前記カラーフィルタが配置され、前記第1のカラーフィルタ部遮光層と前記半導体基板との間に配置される第2のカラーフィルタ部遮光層と
を具備する撮像素子。
(11)前記第1のカラーフィルタ部遮光層および前記第2のカラーフィルタ部遮光層は、異なる材料により構成される前記(10)に記載の撮像素子。
(12)前記第1のカラーフィルタ部遮光層は、樹脂により構成され、
前記第2のカラーフィルタ部遮光層は、金属により構成される
前記(11)に記載の撮像素子。
(13)前記第1のカラーフィルタ部遮光層は、30%以下の透過率に構成される前記(12)に記載の撮像素子。
(14)前記複数の画素の前記第1のカラーフィルタ部遮光層および前記第2のカラーフィルタ部遮光層の間に配置される層間膜をさらに具備する前記(10)から(13)の何れかに記載の撮像素子。
(15)前記層間膜は、無機材料により構成される前記(14)に記載の撮像素子。
(16)前記第2のカラーフィルタ部遮光層は、前記第1のカラーフィルタ部遮光層より広い幅に構成される前記(10)から(15)の何れかに記載の撮像素子。
(17)前記複数の画素の前記カラーフィルタおよび前記半導体基板の間に配置されて前記半導体基板の表面を平坦化する平坦化膜と、
前記複数の画素における前記平坦化膜の周囲に配置されて入射光を遮光する遮光壁と
をさらに具備する前記(10)から(16)の何れかに記載の撮像素子。
(18)前記複数の画素の前記第2のカラーフィルタ部遮光層および前記遮光壁の間に配置される第2の層間膜をさらに具備する前記(17)に記載の撮像素子。
(19)前記層間膜は、無機材料により構成される前記(18)に記載の撮像素子。
(20)前記第2のカラーフィルタ部遮光層は、前記遮光壁より広い幅に構成される前記(17)から(19)の何れかに記載の撮像素子。
(21)前記複数の画素のうち周縁部に配置される画素における前記第1のカラーフィルタ部遮光層および前記第2のカラーフィルタ部遮光層の少なくとも1つは、当該画素の全面を遮光する形状に構成される前記(10)から(20)の何れかに記載の撮像素子。
(22)前記第1のカラーフィルタ部遮光層および前記第2のカラーフィルタ部遮光層の少なくとも1つは、テーパ形状に構成される前記(10)から(21)の何れかに記載の撮像素子。
(23)複数の画素毎に配置されて被写体からの入射光を光電変換する光電変換部を半導体基板に形成する工程と、
前記複数の画素に配置されて前記入射光を遮光するとともに中央部に形成された開口部に前記入射光のうち所定の波長の入射光を前記光電変換部に入射させるカラーフィルタが配置される第2のカラーフィルタ部遮光層を前記半導体基板に配置する工程と、
前記複数の画素に配置されて前記入射光を遮光するとともに中央部に形成された開口部に前記カラーフィルタが配置される第1のカラーフィルタ部遮光層を前記第2のカラーフィルタ部遮光層に積層して配置する工程と、
前記複数の画素の前記第2のカラーフィルタ部遮光層および前記第1のカラーフィルタ部遮光層のそれぞれの前記開口部に前記カラーフィルタを配置する工程と
を具備する撮像素子の製造方法。
【符号の説明】
【0234】
1 撮像装置
10 画素アレイ部
100 画素
101 光電変換部
111 半導体基板
130 絶縁膜
141 入射光透過膜
142、342a、342b、342c、342d 遮光体
143 溝
144、243、245、343a、343b、346a、346b 遮光膜
151 平坦化膜
152 遮光壁
160 カラーフィルタ
161、163 第2のカラーフィルタ部遮光層
162、164、167、267 第1のカラーフィルタ部遮光層
165、166 層間膜
168、169 開口部
171 オンチップレンズ
172 層内レンズ
200 遮光画素
301、302 位相差画素
1000 カメラ
1002 撮像素子
11402、12031、12101~12105 撮像部
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