(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】シール材及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C09K 3/10 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
C09K3/10 R
C09K3/10 G
C09K3/10 M
C09K3/10 E
C09K3/10 Z
(21)【出願番号】P 2021055239
(22)【出願日】2021-03-29
【審査請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003263
【氏名又は名称】三菱電線工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹田 龍平
(72)【発明者】
【氏名】浜村 武広
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】坂本 純一
【審査官】中野 孝一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-248149(JP,A)
【文献】特開2003-041154(JP,A)
【文献】特開2008-156564(JP,A)
【文献】特開2020-203444(JP,A)
【文献】特表平05-506470(JP,A)
【文献】特開2019-151833(JP,A)
【文献】特開2015-224277(JP,A)
【文献】特開2012-201043(JP,A)
【文献】特開2010-121077(JP,A)
【文献】特開2002-226781(JP,A)
【文献】特開2000-343652(JP,A)
【文献】特開2000-073016(JP,A)
【文献】特開平10-287845(JP,A)
【文献】特開平10-231455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K3/10-3/12
C08J5/00-5/22
B32B1/00-43/00
C08G77/00-77/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス転移温度が-50℃以下の第1エラストマー
のシリコーンゴムで形成された耐低温性担保部分と、第1エラストマーよりもガス透過係数の低い第2エラストマー
のフッ素ゴムで形成されたシール性担保部分とが
シアノアクリレート接着剤で形成された接着剤層を介して複合したシール材であって、
前記耐低温性担保部分と前記接着剤層との間に
アミン系界面活性剤を含有する第1プライマー層が設けられているとともに、前記シール性担保部分と前記接着剤層との間に
アミン系界面活性剤を含有する第2プライマー層が設けられているシール材。
【請求項2】
請求項
1に記載されたシール材において、
前記第1プライマー層がD3乃至D7の低分子シロキサン化合物を含有するシール材。
【請求項3】
請求項
2に記載されたシール材において、
前記第2プライマー層がD3乃至D7の低分子シロキサン化合物を含有するシール材。
【請求項4】
請求項
3に記載されたシール材において、
前記第1プライマー層が含有する最大単量体数の低分子シロキサン化合物が、前記第2プライマー層が含有する最大単量体数の低分子シロキサン化合物よりも、単量体数が大きいシール材。
【請求項5】
ガラス転移温度が-50℃以下の第1エラストマー
のシリコーンゴムで形成された耐低温性担保部分と、第1エラストマーよりもガス透過係数の低い第2エラストマー
のフッ素ゴムで形成されたシール性担保部分とが複合したシール材の製造方法であって、
前記耐低温性担保部分の接着予定面に
アミン系界面活性剤を含有する第1プライマーを付着させるとともに、前記シール性担保部分の接着予定面に
アミン系界面活性剤を含有する第2プライマーを付着させ、前記耐低温性担保部分の接着予定面と前記シール性担保部分の接着予定面とを、それらの間に
シアノアクリレート接着剤を介在させて接着させるシール材の製造方法。
【請求項6】
請求項
5に記載されたシール材の製造方法において、
前記
シアノアクリレート接着剤を、前記第1プライマーを付着させた前記耐低温性担保部分の接着予定面に付着させるシール材の製造方法。
【請求項7】
請求項
6に記載されたシール材の製造方法において、
前記
シアノアクリレート接着剤を、前記第2プライマーを付着させた前記シール性担保部分の接着予定面には付着させないシール材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シール材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコーンゴムを他のゴムと複合させる技術が知られている。例えば、特許文献1には、特定配合の加熱硬化性シリコーンゴム組成物と加熱硬化性フッ素ゴム組成物とを接触させて同時に架橋硬化させることが開示されている。特許文献2には、シリコーンゴムと他のゴムとを、2-シアノアクリレート系瞬間接着剤で接着させて複合させる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-156564号公報
【文献】特開2003-41154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シリコーンゴム製のシール材は、耐低温性は優れるものの、ガス透過係数が高いためにシール性が劣る。一方、例えばフッ素ゴムのように、低温での使用は困難であるものの、シール性は優れるというゴム材料がある。そこで、かかるゴム材料をシリコーンゴムと複合させれば、耐低温性及びシール性が両立するシール材が得られると考えられる。ところが、シリコーンゴムは、他のゴム材料との接着性が乏しいという問題がある。
【0005】
本発明の課題は、耐低温性が優れる第1エラストマーの耐低温性担保部分と、シール性が優れる第2エラストマーのシール性担保部分とが強固に複合したシール材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ガラス転移温度が-50℃以下の第1エラストマーのシリコーンゴムで形成された耐低温性担保部分と、第1エラストマーよりもガス透過係数の低い第2エラストマーのフッ素ゴムで形成されたシール性担保部分とがシアノアクリレート接着剤で形成された接着剤層を介して複合したシール材であって、前記耐低温性担保部分と前記接着剤層との間にアミン系界面活性剤を含有する第1プライマー層が設けられているとともに、前記シール性担保部分と前記接着剤層との間にアミン系界面活性剤を含有する第2プライマー層が設けられている。
【0007】
本発明は、ガラス転移温度が-50℃以下の第1エラストマーのシリコーンゴムで形成された耐低温性担保部分と、第1エラストマーよりもガス透過係数の低い第2エラストマーのフッ素ゴムで形成されたシール性担保部分とが複合したシール材の製造方法であって、前記耐低温性担保部分の接着予定面にアミン系界面活性剤を含有する第1プライマーを付着させるとともに、前記シール性担保部分の接着予定面にアミン系界面活性剤を含有する第2プライマーを付着させ、前記耐低温性担保部分の接着予定面と前記シール性担保部分の接着予定面とを、それらの間にシアノアクリレート接着剤を介在させて接着させるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、耐低温性が優れる第1エラストマーの耐低温性担保部分と接着剤層との間に第1プライマー層が設けられているとともに、シール性が優れる第2エラストマーのシール性担保部分と接着剤層との間に第2プライマー層が設けられていることにより、第1エラストマーの耐低温性担保部分と、第2エラストマーのシール性担保部分とを接着剤層を介して強固に複合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】実施形態に係るシール材における耐低温性担保部分とシール性担保部分との接着界面の断面拡大図である。
【
図3A】実施形態に係るシール材の製造方法の第1の説明図である。
【
図3B】実施形態に係るシール材の製造方法の第2の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について詳細に説明する。
【0011】
図1A及びBは、実施形態に係るシール材10を示す。実施形態に係るシール材10は、例えば半導体製造装置等に組み付けられて低温度雰囲気下で使用されるいわゆるOリングである。
【0012】
実施形態に係るシール材10は、相対的に低圧雰囲気に晒される内周側の耐低温性担保部分11と、相対的に高圧雰囲気に晒される外周側のシール性担保部分12とを備える。
【0013】
耐低温性担保部分11は、内周側の大径の半円と外周側の小径の半円とが同心で結合したような断面形状に形成されている。
【0014】
耐低温性担保部分11は、ガラス転移温度が-50℃以下の第1エラストマーで形成されている。ガラス転移温度が-50℃以下の第1エラストマーとしては、例えば、シリコーンゴム、ポリブタジエンゴムなどの架橋ゴム、ポリエチレンなどの熱可塑性エラストマー等が挙げられる。シリコーンゴムでは、例えば、ビニルメチルシリコーンゴム(VMQ)、フェニルメチルシリコーンゴム(PMQ)等が挙げられる。第1エラストマーは、耐低温性が優れる観点から、シリコーンゴムであることが好ましく、フェニルメチルシリコーンゴム(PMQ)であることがより好ましい。
【0015】
第1エラストマーのガラス転移温度は、-50℃以下である。このガラス転移温度は、JIS K6240:2011に基づいて測定されるものである(以下、同様)。
【0016】
第1エラストマーのタイプAデュロメータで測定される標準試験温度でのゴム硬さは、好ましくは50以上80以下、より好ましくは65以上75以下である。このゴム硬さは、JIS K6253-3:2012に基づいて測定されるものである(以下、同様)。
【0017】
第1エラストマーの標準試験温度での100%応力は、好ましくは1.0MPa以上、より好ましくは1.5MPa以上である。第1エラストマーの-60℃での100%応力は、好ましくは1.0MPa以上、より好ましくは1.5MPa以上である。これらの100%応力は、JIS K6251:2010に基づいて測定されるものである(以下、同様)。
【0018】
第1エラストマーのTR10は、好ましくは-40℃以下、より好ましくは-50℃以下である。このTR10は、JIS K6261:2006に基づいて測定されるものである(以下、同様)。
【0019】
シール性担保部分12は、内周側に開口した半円の円弧の断面形状に形成されている。そのシール性担保部分12の円弧の外径は、耐低温性担保部分11の内周側の大径の半円と同一であり、且つ円弧の内径は、耐低温性担保部分11の外周側の小径の半円とほぼ同一である。
【0020】
シール性担保部分12は、第1エラストマーよりもガス透過係数の低い第2エラストマーで形成されている。例えば、第1エラストマーがシリコーンゴムの場合、第2エラストマーとしては、例えば、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴムなどの架橋ゴム、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。フッ素ゴムでは、例えば、ビニリデンフルオライド(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体(二元系FKM)、ビニリデンフルオライド(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とテトラフルオロエチレン(TFE)との共重合体(三元系FKM)等が挙げられる。第2エラストマーは、フッ素ゴムであることが好ましく、二元系FKMであることがより好ましい。
【0021】
第2エラストマーの標準温度でのガス透過係数は、好ましくは1.0×10-8以下、より好ましくは5.0×10-9以下である。第2エラストマーの標準温度でのガス透過係数は、第1エラストマーのそれよりも低い。このガス透過係数は、JIS K6275-1:2009に基づいて測定されるものである(以下、同様)。
【0022】
第2エラストマーのガラス転移温度は、好ましくは-10℃以下、より好ましくは-20℃以下である。第2エラストマーのガラス転移温度は、第1エラストマーのそれよりも高い。
【0023】
第2エラストマーのタイプAデュロメータで測定される標準試験温度でのゴム硬さは、好ましくは60以上80以下、より好ましくは65以上75以下である。この第2エラストマーのゴム硬さは、第1エラストマーのそれと同等であることが好ましい。
【0024】
第2エラストマーの標準試験温度での100%応力は、好ましくは3.0MPa以上、より好ましくは3.5MPa以上である。この第2エラストマーの100%応力は、第1エラストマーのそれよりも高いことが好ましい。
【0025】
第2エラストマーのTR10は、好ましくは-5℃以下、より好ましくは-10℃以下である。第2エラストマーのTR10は、第1エラストマーのそれよりも高い。
【0026】
実施形態に係るシール材10では、
図2に示すように、耐低温性担保部分11の外周側の断面が小径の半円の周方向に延びる突条が、シール性担保部分12の内周側の断面が小径の半円の周方向に延びる溝に嵌合しているとともに、耐低温性担保部分11とシール性担保部分12とが接着剤層13を介して複合している。また、耐低温性担保部分11と接着剤層13との間には、第1プライマー層14が設けられているとともに、シール性担保部分12と接着剤層13との間には、第2プライマー層15が設けられている。
【0027】
接着剤層13を形成する接着剤は、耐低温性担保部分11とシール性担保部分12とを強固に複合させる観点から、シアノアクリレート接着剤であることが好ましい。シアノアクリレート接着剤の主剤は、同様の観点から、2-シアノアクリレートが好ましい。2-シアノアクリレートとしては、例えば、メチル-2-シアノアクリレート、エチル-2-シアノアクリレート、プロピル-2-シアノアクリレート、イソプロピル-2-シアノアクリレート、ブチル-2-シアノアクリレート、イソブチル-2-シアノアクリレート、アミル-2-シアノアクリレート、ヘキシル-2-シアノアクリレート、シクロヘキシル-2-シアノアクリレート、オクチル-2-シアノアクリレート、2-エチルヘキシル-2-シアノアクリレート、アリル-2-シアノアクリレート、プロパルギル-2-シアノアクリレート、フェニル-2-シアノアクリレート、ベンジル-2-シアノアクリレート、メトキシエチル-2-シアノアクリレート、エトキシエチル-2-シアノアクリレート、テトラヒドロフルフリル-2-シアノアクリレート、2-クロロエチル-2-シアノアクリレート、3-クロロプロピル-2-シアノアクリレート、2-クロロブチル-2-シアノアクリレート、2,2,2-トリフルオロエチル-2-シアノアクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル-2-シアノアクリレート等が挙げられる。市販のシアノアクリレート接着剤としては、例えば、アルテコ社製の「88」、フロント工販社製の「FRONT#107」、田岡化学工業社製の「シアノボンドRP-HX」等が挙げられる。
【0028】
接着剤の23℃での粘度は、接着作業の作業性の観点から、好ましくは50mP・s以上、より好ましくは100mP・s以上であり、高い接着力を得る観点から、好ましくは1500mP・s以下、より好ましくは1000mP・s以下である。この粘度は、JIS K6833-1:2008に基づいて測定されるものである。
【0029】
第1プライマー層14を形成する第1プライマーと第2プライマー層15を形成する第2プライマーとは、同一であっても、異なっていても、どちらでもよい。
【0030】
第1プライマー層14を形成する第1プライマー及び第2プライマー層15を形成する第2プライマーとしては、例えば界面活性剤を溶剤に溶解させた溶液が挙げられる。界面活性剤は、耐低温性担保部分11とシール性担保部分12とを強固に複合させる観点から、カチオン界面活性剤が好ましく、アミン系界面活性剤がより好ましく、第3級アミン系界面活性剤が更に好ましい。第3級アミン系界面活性剤としては、例えば、N,N-ジメチルドデシルアミン、N,N-ジメチルテトラデシルアミン、N,N-ジメチルヘキサデシルアミン、N,N-ジメチルオクタデシルアミン、N,N-ジメチルヤシアミン、N,N-ジメチル牛脂アミン、N,N-ジメチル硬化牛脂アミン、N,N-ジヤシアルキルメチルアミン、N,N-ジ硬化牛脂メチルアミン、N,N-ジオレイルメチルアミンなどのモノアミン系界面活性剤;N,N,N‘,N’-テトラメチル-1,6-ジアミノヘキサンなどのジアミン系界面活性剤等が挙げられる。
【0031】
第1プライマー層14及びそれを形成する第1プライマー(以下「第1プライマー層14等」という。)は、D3乃至D7の低分子シロキサン化合物を含有していてもよい。第2プライマー層15及びそれを形成する第2プライマー(以下「第2プライマー層15等」という。)も、D3乃至D7の低分子シロキサン化合物を含有していてもよい。この場合、少なくとも第1プライマー層14等が低分子シロキサン化合物を含有することが好ましい。第1プライマー層14等及び第2プライマー層等の両方が低分子シロキサン化合物を含有する場合、第1プライマー層14等が含有する最大単量体数の低分子シロキサン化合物が、第2プライマー層15等が含有する最大単量体数の低分子シロキサン化合物よりも、単量体数が大きいことが好ましい。市販のプライマーとしては、例えば、アルテコ社製の「PR700」及び「PR960」、フロント工販社製の「Sプライマー」及び「Fプライマー」、並びに田岡化学工業社製の「プライマーX」等が挙げられる。
【0032】
第1エラストマーの耐低温性担保部分11と第2エラストマーのシール性担保部分12との間の剥離強さは、好ましくは30.0N/25mm以上、より好ましくは50.0N/25mm以上である。この剥離強さは、JIS K6256:2013に基づいて測定されるものである。
【0033】
次に、実施形態に係るシール材10の製造方法について説明する。
【0034】
まず、第1エラストマーを用いて耐低温性担保部分11を、また、第2エラストマーを用いてシール性担保部分12を、それぞれ別々に成形する。
【0035】
次いで、
図3Aに示すように、耐低温性担保部分11の接着予定面に第1プライマー14’を付着させて乾燥させるとともに、シール性担保部分12の接着予定面に第2プライマー15’を付着させて乾燥させる。このとき、必要に応じて加熱してもよい。
【0036】
続いて、第1プライマー14’が乾燥して形成された第1プライマー層14が付着した耐低温性担保部分11の接着予定面、及び/又は、第2プライマー15’が乾燥して形成された第2プライマー層15が付着したシール性担保部分12の接着予定面に接着剤を付着させる。このとき、耐低温性担保部分11とシール性担保部分12とを強固に複合させる観点からは、耐低温性担保部分11の接着予定面に接着剤を付着させることが好ましく、
図3Bに示すように、耐低温性担保部分11の接着予定面の方にだけ接着剤13’を付着させ、シール性担保部分12の接着予定面には接着剤13’を付着させないことがより好ましい。
【0037】
そして、耐低温性担保部分11の接着予定面とシール性担保部分12の接着予定面とを当接させて接着剤13’を硬化させることにより、耐低温性担保部分11の接着予定面とシール性担保部分12の接着予定面とを、それらの間に接着剤13’を介在させて接着させたシール材10を得る。このとき、必要に応じて加熱してもよい。
【0038】
なお、上記実施形態では、シール材10としてOリングを示したが、特にこれに限定されるものではなく、その他の構成のものであってもよい。
【実施例】
【0039】
(第1及び第2エラストマー)
表1に示す第1及び第2エラストマーのシート状の架橋ゴムを準備した。
【0040】
【0041】
(シアノアクリレート接着剤)
表2に示すシアノアクリレート接着剤1乃至6を準備した。
【0042】
【0043】
(プライマー)
表3に示すプライマー1乃至5を準備した。
【0044】
【0045】
(接着試験及びその結果)
表4に示す実験1乃至6のシアノアクリレート接着剤並びに第1及び第2プライマーの組み合わせで幅25mmの板状の剥離試験用テストピースを作製した。具体的には、第1エラストマーのPMQの接着予定面に第1プライマーを塗布して乾燥させるとともに、第2エラストマーのFKMの接着予定面に第2プライマーを塗布して乾燥させた。第1プライマーを塗布したPMQの接着予定面の方にだけシアノアクリレート接着剤を塗布し、FKMの接着予定面にはシアノアクリレート接着剤を付着させなかった。PMQの接着予定面とFKMの接着予定面とを当接させてシアノアクリレート接着剤を硬化させた。
【0046】
そして、それぞれの剥離試験用テストピースの作製時の接着作業性について、A、B、及びCの3水準で評価を行った。また、それぞれの剥離試験用テストピースについて、JIS K6256:2013に基づいて、剥離速度100mm/minのT字剥離試験を実施して剥離強さを測定するとともに、剥離後の剥離状態を目視で確認した。表4に試験結果を示す。
【0047】
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、シール材及びその製造方法の技術分野について有用である。
【符号の説明】
【0049】
10 シール材
11 耐低温性担保部分
12 シール性担保部分
13 接着剤層
13’ 接着剤
14 第1プライマー層
14’ 第1プライマー
15 第2プライマー層
15’ 第2プライマー