(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】スプールを制動する制動装置及びこれを備えた魚釣用リール
(51)【国際特許分類】
A01K 89/0155 20060101AFI20240827BHJP
A01K 89/015 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
A01K89/0155
A01K89/015 C
(21)【出願番号】P 2021138524
(22)【出願日】2021-08-27
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】安田 悠
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-127363(JP,U)
【文献】特開平05-302827(JP,A)
【文献】特開平05-302828(JP,A)
【文献】特開2012-060962(JP,A)
【文献】実開昭62-001575(JP,U)
【文献】特開2006-230359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 89/0155
A01K 89/015
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両軸受リールのリール本体に回転自在に装着され釣糸を巻回可能なスプールを制動する両軸受リールの制動装置であって、
該スプールに取り付けた被制動部と、該被制動部に制動力を与える制動部と、該制動部の制動力を調整可能な調整部と、該調整部を制御する制御部と、該制御部へ給電する電源部と、該電源部の残量を検出する残量検出部と、を備え、
該制御部は、該電源の残量が所定値以下になった場合、所定の制動力値となるよう該調整部を調整又は所定の制動力値を設定値に設定する
ものであり、前記所定の制動力値は、前記制動部の最大制動力値又は予め入力された制動力値であることを特徴とする制動装置。
【請求項2】
前記制御部は、電池残量が所定値以下になった場合、前記調整部を所定の制動力値に調整又は該制御部は所定の制動力値に設定した後、前記電源部の電源を切る、請求項1に記載の制動装置。
【請求項3】
前記所定の制動力値は、前記制動部の最大制動値である、請求項1又は2に記載の制動装置。
【請求項4】
減速機構をさらに備え、該減速機構の減速比をr
、モータの通電トルクをT
、モータの保持トルクをC、該制動部を移動させるのに要する最大トルクをMmaxとした場合、前記制御部は、Mmax/T<r<Mmax/Cを満たすか判断し、これを満たす場合、前記所定の制動力値は、前記制動部の最大制動力値であり、前記制御部は、前記電源の残量が所定値以下になった場合、最大制動力値となるよう該調整部を調整又は最大制動力値を設定値に設定し、前記電源部の電源を切る、請求項1に記載の制動装置。
【請求項5】
前記最大制動力値を設定値に設定する場合、前記電源が切れた後に前記制動部は最大制動力を発生するようにされる、請求項4に記載の制動装置。
【請求項6】
前記制御部は、電池残量が所定値以下になった場合、前記調整部を所定の制動力値に調整した後若しくは調整せずに、前記電源部の電源を切る、請求項1に記載の制動装置。
【請求項7】
前記所定の制動力値は、調整後の制動力値又は電池残量が所定値以下になったときの制動力値である、請求項1又は6に記載の制動装置。
【請求項8】
減速機構をさらに備え、該減速機構の減速比をr
、モータの通電トルクをT
、モータの保持トルクをC、該制動部を移動させるのに要する最大トルクをMmaxとした場合、前記制御部は、Mmax/T<rかつMmax/C<rを満たすか判断し、これを満たす場合、前記制御部は、電池残量が所定値以下になった場合、前記調整部を所定の制動力値に調整した後若しくは調整せずに、前記電源部の電源を切る、請求項1に記載の制動装置。
【請求項9】
前記制動部は、該制御部への電力供給がない場合でも制動力を付与することができる、請求項1から8までのいずれか1項に記載の制動装置。
【請求項10】
両軸受リールのリール本体に回転自在に装着され釣糸を巻回可能なスプールを制動する両軸受リールの制動装置であって、
該スプールに取り付けた被制動部と、該被制動部に制動力を与える制動部と、該制動部の一部を駆動可能なモータと、該モータの駆動を該制動部の一部に伝達する減速機構と、該モータを制御する制御部と、該モータに給電する電源部と、該電源部の残量を検出する残量検出部と、を備えた制動装置であって、
該制御部は、該減速機構の減速比をr、該モータの通電トルクをT、該モータの保持トルクをC、該制動部を移動させるのに要する最大トルクをMmaxとした場合、前記制御部は、Mmax/T<r<Mmax/Cであるか、又はMmax/T<rかつMmax/C<rであるか判断し、
前者であると判断された場合、前記制御部は、前記電源の残量が所定値以下になった場合、最大制動力値となるよう該
モータを調整又は最大制動力値を設定値に設定し、前記電源部の電源を切り、
後者であると判断された場合、前記制御部は、電池残量が所定値以下になった場合、前記
モータを所定の制動力値に調整した後若しくは調整せずに、前記電源部の電源を切ることを特徴とする制動装置。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項に記載の制動装置を備える魚釣用リール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制動装置、特に、リール本体に回転自在に装着されたスプールを制動する両軸受リールの制動装置及びこれを備えた魚釣用リールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、両軸受リール、特に、釣り糸の先端にルアー等の仕掛けを装着して投擲(キャスティング)するベイトキャスティングリールには、投擲(キャスティング)時のバックラッシュを防止するためにスプールを制動する制動装置が設けられている。この種の制動装置には、特許文献1のように、モータによりマグネットを回転させてバックラッシュ防止調整を自動調整するものがある。
【0003】
特許文献1では、スプールの回転を検知するセンサからの信号とタイマー回路の信号により、スプールの回転速度、回転加速度をCPUにて演算し、その回転速度、回転加速度を一定時間毎にデーターと比較することにより、ある値以上の差が生じた時に非磁性導電体に渦電流を発生させてスプールに制動を掛けることで、仕掛けの飛距離を伸ばすことができる。また、このような制動装置では、リール本体に間欠ギヤを回転操作可能に軸支し、該間欠マニアルギヤをモータ軸ギヤもしくはマグネットギヤと噛み外し自在に噛合させて構成させることで、モータの電池切れが生じた際でも、所望時に手動調整を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1による制動装置では、ユーザ操作可能とするために、間欠マニアルギヤをリールの外装部付近に配置する必要があるため、その外側に別の部品を配置することができない等の制約を受けるため、リールの大型化を招いてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、制動力を調整可能なスプールの制動装置において、魚釣用リールの大型化を招かない方法により、電池切れとなった場合でもバックラッシュを防止し釣りを継続できるようにすることにある。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置は、両軸受リールのリール本体に回転自在に装着され釣糸を巻回可能なスプールを制動する両軸受リールの制動装置であって、該スプールに取り付けた被制動部と、該被制動部に制動力を与える制動部と、該制動部の制動力を調整可能な調整部と、該調整部を制御する制御部と、該制御部へ給電する電源部と、該電源部の残量を検出する残量検出部と、を備え、該制御部は、該電源の残量が所定値以下になった場合、所定の制動力値となるよう該調整部を調整又は所定の制動力値を設定値に設定するように構成される。
【0008】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置において、前記制御部は、電池残量が所定値以下になった場合、前記調整部を所定の制動力値に調整又は該制御部は所定の制動力値に設定した後、前記電源部の電源を切るように構成される。
【0009】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置において、前記所定の制動力値は、前記制動部の最大制動値である。
【0010】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置は、減速機構をさらに備え、該減速機構の減速比をr、該モータの通電トルクをT、該モータの保持トルクをC、該制動部を移動させるのに要する最大トルクをMmaxとした場合、前記制御部は、Mmax/T<r<Mmax/Cを満たすか判断し、これを満たす場合、前記所定の制動力値は、前記制動部の最大制動力値であり、前記制御部は、前記電源の残量が所定値以下になった場合、最大制動力値となるよう該調整部を調整又は最大制動力値を設定値に設定し、前記電源部の電源を切るように構成される。
【0011】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置において、前記最大制動力値を設定値に設定する場合、前記電源が切れた後に前記制動部は最大制動力を発生するようにされる。
【0012】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置において、前記制御部は、電池残量が所定値以下になった場合、前記調整部を所定の制動力値に調整した後若しくは調整せずに、前記電源部の電源を切るように構成される。
【0013】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置において、前記所定の制動力値は、調整後の制動力値又は電池残量が所定値以下になったときの制動力値である。
【0014】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置は、減速機構をさらに備え、該減速機構の減速比をr、該モータの通電トルクをT、該モータの保持トルクをC、該制動部を移動させるのに要する最大トルクをMmaxとした場合、前記制御部は、Mmax/T<rかつMmax/C<rを満たすか判断し、これを満たす場合、前記制御部は、電池残量が所定値以下になった場合、前記調整部を所定の制動力値に調整した後若しくは調整せずに、前記電源部の電源を切るように構成される。
【0015】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置において、前記制動部は、該制御部への電力供給がない場合でも制動力を付与することができるように構成される。
【0016】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置は、両軸受リールのリール本体に回転自在に装着され釣糸を巻回可能なスプールを制動する両軸受リールの制動装置であって、該スプールに取り付けた被制動部と、該被制動部に制動力を与える制動部と、該制動部の一部を駆動可能なモータと、該モータの駆動を該制動部の一部に伝達する減速機構と、該モータを制御する制御部と、該モータに給電する電源部と、該電源部の残量を検出する残量検出部と、を備え、該制御部は、該減速機構の減速比をr、該モータの通電トルクをT、該モータの保持トルクをC、該制動部を移動させるのに要する最大トルクをMmaxとした場合、前記制御部は、Mmax/T<r<Mmax/Cであるか、又はMmax/T<rかつMmax/C<rであるか判断し、前者であると判断された場合、前記制御部は、前記電源の残量が所定値以下になった場合、最大制動力値となるよう該調整部を調整又は最大制動力値を設定値に設定し、前記電源部の電源を切り、後者であると判断された場合、前記制御部は、電池残量が所定値以下になった場合、前記調整部を所定の制動力値に調整した後若しくは調整せずに、前記電源部の電源を切るように構成される。
【0017】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールは、上記いずれかの制動装置を備えるように構成される。
【発明の効果】
【0018】
上記実施形態によれば、魚釣用リールの大型化を招かない方法により、電池切れとなった場合でもバックラッシュを確実に防止し釣りを継続できる制動装置及びこれを備えた魚釣用リールを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係る制動装置を備える魚釣用リールを説明する図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る制動装置又は魚釣用リールにおける制動装置の構成を示す図である。
【
図3】固定磁石に対する回転磁石の位置θと、磁気回路のもつ磁気的位置エネルギーとの関係を示す図である。
【
図4】固定磁石に対する回転磁石の位置θと、回転磁石に働く磁力の大きさF(θ)との関係を示す図である。
【
図5】固定磁石に対する回転磁石の位置θと、回転磁石に働く磁力の大きさF(θ)との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る制動力制御装置及びこれを備える魚釣用リールの実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。複数の図面において共通する構成要素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
【0021】
図1から5を参照して、本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置及びこれを備える魚釣用リールについて説明する。まず、
図1は、魚釣用リール1の断面図であり、後述する減速ギヤ列の中心軸を通る断面を示している。なお、説明の簡略化のために、魚釣用リール1の公知の機能の一部は図示および説明を省略する。
【0022】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1は、フレーム(リール本体)2と、スプール3と、被制動部(被制動手段)4と、軸受け5と、回転磁石6と、固定磁石7とを含む制動部(制動手段)8と、セットプレーと9と、中蓋11と、モータ12と、ギヤ13とギヤ14とギヤ15を含む減速機構(減速ギヤ列)16と、磁石ギヤ17と、電池18と、制御基板19、外蓋20とから構成される。ここで、後述する本発明の一実施形態に係る制動装置は、被制動部4と、回転磁石6と固定磁石7とを含む制動部8とを含むものであるが、これら以外を含むようにしてもよい。
【0023】
フレーム(リール本体)2は、釣竿(図示しない)に取り付け可能である。魚釣用リール1は、従来の魚釣用リールと同様、図示しない操作手段(ハンドル)を有し、ユーザの操作によってスプールを正方向回転させ、釣糸を巻き取ることができる。ハンドルの回転は、図示しないギヤ等の伝達手段によってスプールに伝達される。
【0024】
また、魚釣用リール1は、図示しないクラッチ手段を有し、ユーザはクラッチ手段を操作することで、スプールへの動力伝達の接続・解放を選択することができる。接続状態では操作手段による巻き取りが可能である。開放状態ではスプールを正逆方向に自由に回転させることができ、釣糸は放出可能となる。
【0025】
また、魚釣用リール1は、所定値以上のトルクが働いた際にスプールを滑らせることで釣糸の破断を防止するドラグ手段(図示しない)や、ハンドルの逆転を防止する逆転防止手段(図示しない)を備えてもよい。さらに、スプールの回転に応じて釣糸を案内する案内部の位置を往復運動させることで、釣糸を均等に巻き取るオシレータ装置(図示しない)を設けてもよい。
【0026】
スプール3は、リール本体2に対して回転可能に支持され、正方向回転により外周に釣糸を巻き取ることができる。また、ルアー等を投擲する際は、逆方向に回転し、巻回された釣糸を放出する。この時に釣糸の放出量がルアー等の移動量よりも多すぎると、余分な糸によりバックラッシュと呼ばれる糸絡みが発生し、魚釣用リール1の正常な使用を妨げる。このため、スプール3には後述する制動装置10によって適切な制動力を付与することにより、バックラッシュを防止する。
【0027】
被制動部(インダクトロータ)4は、スプール3に対して同軸かつ回転不能に固定されることで、スプール3に制動トルクを付与することができる。被制動部4は、例えば、アルミや銅、鉄などの導電体からなり、概略円筒状に形成される。本発明の一実施形態に係る制動装置10では、被制動部4に発生する渦電流により制動力を付与する、いわゆる渦電流ブレーキを用いている。すなわち、被制動部4に対して外部から磁場を与えると、運動中の被制動部には渦電流が発生する。この渦電流と磁場との相互作用により、スプール3の角速度と磁場の強さに比例した制動トルクが発生する。
【0028】
また、
図1に示すセットプレート9は、フレーム2に固定可能である。セットプレート9をフレーム2に固定することで、スプール3は回転可能に軸支される。また、セットプレート9にて固定磁石7および回転磁石(可動磁石)6を保持することで、後述する制動装置10を構成する。また、セットプレート9と中蓋11と外蓋20とを一体のものとすることで、サイドプレートユニットを構成するようにできる。また、中蓋11と外蓋20によって水密室を構成し、内部に基板、電池、モータ、センサ等の電気部品を収納することができる。
【0029】
次に、本発明の一実施形態に係る制動装置10の構成について説明する。本発明の一実施形態に係る制動装置10では、少なくとも一つの永久磁石を有する磁気回路により、被制動部に磁場を与えるようにされる。また、2つの永久磁石により磁気回路を構成しており、後述する調整部により、永久磁石同士を相対移動させることで、被制動部に与える磁場を調整させることができる。
【0030】
また、
図2に示すように、被制動部(被制動部材)4の内周側に固定磁石7を配置し、被制動部4の外周側に回転磁石6を配置している。回転磁石6および固定磁石7は、それぞれ周方向にN等分(
図2の例では四等分)され、N極およびS極が交互に着磁される。これにより、被制動部4を貫く磁場を形成する。
【0031】
図2(a)の状態では、固定磁石7のS極と、回転磁石6のN極が対向している。すなわち、異極同士が対向しており、被制動部を貫通する磁場の強さが最大となる。この状態を最大制動状態とする。他方、
図2(b)の状態では、固定磁石7のS極と、回転磁石6のS極が対向している、すなわち、同極同士が対向しており、被制動部を貫通する磁場が最小となる。この状態を最小制動状態とする。
【0032】
回転磁石6は、調整部により、最大制動状態と最小制動状態の間で回転移動可能となっている。具体的には、回転磁石6は、ギヤを有する樹脂等からなる磁石ギヤ(磁石保持ギヤ)17に固定され、磁石ギヤ17はセットプレート9に対して0°から90°の範囲で回転可能に軸支される。磁石ギヤ17は、減速機構(減速ギヤ列)16を介してモータ12から回転伝達を受ける。なお、調整部は、モータ12、減速機構16、磁石ギヤ17を含むが、これら以外含むようにしてもよい。このようにして、調整部(モータ12)は、回転磁石6を固定磁石7に対して相対回転させることができる。減速ギヤ列16は公知の減速手段であり、本発明の一実施形態では、
図1に示すギヤ13、ギヤ14、ギヤ15の3つの2段ギヤにより構成されるが、これに限定されず任意の態様とすることができる。ここで、当該減速ギヤ列による減速比をrとする。
【0033】
次に、
図3に、固定磁石に対する回転磁石の位置θと、磁気回路のもつ磁気的位置エネルギーとの関係を示す。図示のように、磁気回路の持つ磁気的位置エネルギーは、同極同士が対向する最小制動状態が最も高く、異極同士が対向する最大制動状態で最小となる。その間は、概ねSin曲線で変化する。
【0034】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置は、両軸受リールのリール本体に回
転自在に装着され釣糸を巻回可能なスプールを制動する両軸受リールの制動装置であって
、該スプールに取り付けた被制動部と、該被制動部に制動力を与える制動部と、該制動部
の制動力を調整可能な調整部と、該調整部を制御する制御部と、該制御部へ給電する電源
部と、該電源部の残量を検出する残量検出部と、を備え、該制御部は、該電源の残量が所
定値以下になった場合、所定の制動力値となるよう該調整部を調整又は所定の制動力値を
設定値に設定するように構成される。ここで、電源の残量が所定値以下になった場合とは
、例えば、電源の残量が満充電状態の10%となった状態が考えられるが、これに限られない(本明細書を通じて同様とする)。また、所定の制動力値とは、例えば、前記制動部の最大制動値、あるいはあらかじめユーザが入力した値であるが、これに限らず適宜設定することができる。
【0035】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置によれば、制動装置、ひいては魚釣用リールの大型化を招かない方法により、電池切れとなった場合でもバックラッシュを確実に防止し釣りを継続することが可能となる。
【0036】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置において、前記制御部は、電池残量が所定値以下になった場合、前記調整部を所定の制動力値に調整又は該制御部は所定の制動力値に設定した後、前記電源部の電源を切るように構成される。このようにして、電源消失時には、電力を消費せずに制動力を所定の設定値にすることでフェイルセーフを実現することができる。
【0037】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置において、前記所定の制動力値は、前記制動部の最大制動値である。
【0038】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置は、減速機構をさらに備え、該減速機構の減速比をr、該モータの通電トルクをT、該モータの保持トルクをC、該制動部を移動させるのに要する最大トルクをMmaxとした場合、前記制御部は、Mmax/T<r<Mmax/Cを満たすか判断し、これを満たす場合、前記所定の制動力値は、前記制動部の最大制動力値であり、前記制御部は、前記電源の残量が所定値以下になった場合、最大制動力値となるよう該調整部を調整又は最大制動力値を設定値に設定し、前記電源部の電源を切るように構成される。また、本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置において、前記最大制動力値を設定値に設定する場合、前記電源が切れた後に前記制動部は最大制動力を発生するようにされる。
【0039】
このようにして、電源を切る前に最大制動力値に調整するか、電源を切った後に最大制動力値を発生するようにさせることで、制動装置、ひいては魚釣用リールの大型化を招かない方法により、電池切れとなった場合でもバックラッシュを確実に防止し釣りを継続することが可能となる。
【0040】
図4には、固定磁石に対する回転磁石の位置θと、回転磁石に働く磁力の大きさF(θ)との関係を示す。回転磁石に働く磁力は、磁気的位置エネルギーを距離で微分したものとなり、概ねCos曲線で変化する。最小制動状態および最大制動状態でそれぞれ磁力は0となり、その中間で最大磁力Mmaxとなる。最大制動状態は安定点であり、微小な角度変化が生じた場合でもこの点への復元力が生じる。最小制動状態は不安定点であり、微小な角度変化が生じた場合は安定点へ向かう。
【0041】
このように、回転磁石が最小制動状態にあるときは、回転磁石には磁力が加わらないものの、外部から衝撃や振動を受け、微小変位をした際は安定点である最大制動状態に向かう磁力が発生し始める。また、回転磁石が最小制動状態と最大制動状態の間にあるときは、最大制動状態に向かう磁力が発生する。さらに、回転磁石が最大制動状態にあるときは、磁力は発生しない。外部から衝撃や振動を受け、微小変位をした際は最大制動状態に戻ろうとする磁力が発生する。
【0042】
本発明の一実施形態において、モータにより回転磁石を移動させるためには、回転磁石のモータによる移動力が、回転磁石と固定磁石の間に発生する磁力よりも大きいことが必要とされる。すなわち、モータの通電トルクをT、モータと回転磁石との減速比をrとすると、r>Mmax/Tとする必要がある。これにより、モータ駆動中は磁力に逆らって、回転磁石を任意の位置に位置決めすることができる。
【0043】
他方、電池切れが生じた際や、制御基板の電源を切った際等、モータ駆動を停止した場合、回転磁石と固定磁石の間の磁力により、モータはギヤを介して回転方向のトルクを受ける。モータの非通電時には、一般的にロータとステータの間に働くトルクむらによって生じるコギングトルクや、軸受け等の摩擦トルクなどを原因とする保持トルクCが生じる。
【0044】
本発明の一実施形態において、減速比rは、r<Mmax/Cを満たすように設定することができる。ここで、回転磁石6と固定磁石7の間には、rCの保持トルクが生じる。
図4に、トルクrCを示す。F(θ)=rCとなる点をθ1、θ2として、0°~θ1°を領域A、θ1°~θ2°を領域B、θ2°~90°を領域Cとする。
【0045】
このようにすることで、領域Bにおいては回転磁石6と固定磁7石の間に発生する最大磁力がモータの保持トルクを上回り、モータ12への駆動を中断した際でも固定磁石7は最大制動状態に向かって、電力の消費や特別な操作を要することなく移動することができる。
【0046】
最小制動状態では、スプールへの制動トルクが最小となる。したがって、ルアー等を投擲した場合、飛距離が伸びる可能性が高くなる一方、バックラッシュ(糸絡み)が発生するリスクが最大となる。他方で、最大制動状態(制動力が最も高くなる状態)では、スプールへの制動トルクが最大となる。したがって、ルアー等を投擲した場合、飛距離が伸びなくなるものの、バックラッシュ(糸絡み)が発生するリスクは最小となる。
【0047】
糸絡みの程度が大きいと、リールの機能を喪失してしまい、ユーザは釣りを続けることができなくなる。このため、モータへ給電する電池が切れそうな場合(電源の残量が所定値以下になった場合)、又はモータへ給電する電池が切れた際等モータの駆動が行なえなくなった場合には、最大制動状態とするのが望ましく、これによりフェイルセーフを実現した魚釣用リールとすることができる。
【0048】
本発明の一実施形態に係る制動装置10及びこれを備えた魚釣用リールにより、回転磁石と固定磁石の間に生じる磁力がモータの保持トルクよりも大きくでき、モータへの通電停止時には、自動的に最大制動状態にすることができ、フェイルセーフを実現することができる。このとき、減速機構を構成する各ギヤには外部から操作をする必要がないため、レイアウト上の制約を受けることはないため、リール全体の大型化を回避することができる。なお、減速比rはr>Mmax/Tを満たした上でなるべく小さくすることが望ましい。これにより、領域Bの範囲を大きくすることができる。これにより、およそどの領域であっても、モータへの通電停止時には、自動的に最大制動状態にすることができるようになる。
【0049】
また、本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置において、前記制御部は、電池残量が所定値以下になった場合、前記調整部を所定の制動力値に調整した後若しくは調整せずに、前記電源部の電源を切るように構成される。また、本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置において、前記所定の制動力値は、調整後の制動力値又は電池残量が所定値以下になったときの制動力値である。このようにして、調整後の制動力値若しくは電源部の電源を切る直前の制動力値(電池残量が所定値以下になったときの制動力)を維持するようにすることができる。
【0050】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置は、減速機構をさらに備え、該減速機構の減速比をr、該モータの通電トルクをT、該モータの保持トルクをC、該制動部を移動させるのに要する最大トルクをMmaxとした場合、前記制御部は、Mmax/T<rかつMmax/C<rを満たすか判断し、これを満たす場合、前記制御部は、電池残量が所定値以下になった場合、前記調整部を所定の制動力値に調整した後若しくは調整せずに、前記電源部の電源を切るように構成される。このようにして、調整後の制動力値若しくは電源部の電源を切る直前の制動力値(電池残量が所定値以下になったときの制動力)を維持するようにすることができる。
【0051】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置によれば、制動装置、ひいては魚釣用リールの大型化を招かない方法により、電池切れとなった場合でもバックラッシュを確実に防止し釣りを継続することが可能となる。
【0052】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置において、前記制動部は、該制御部への電力供給がない場合でも制動力を付与することができるように構成される。
【0053】
次に、
図4と同様、
図5に、固定磁石に対する回転磁石の位置θと、回転磁石に働く磁力の大きさF(θ)との関係を示す。回転磁石に働く磁力は、磁気的位置エネルギーを距離で微分したものとなり、概ねCos曲線で変化する。最小制動状態および最大制動状態でそれぞれ磁力は0となり、その中間で最大磁力Mmaxとなる。最大制動状態は安定点であり、微小な角度変化が生じた場合でもこの点への復元力が生じる。最小制動状態は不安定点であり、微小な角度変化が生じた場合は安定点へ向かう。
【0054】
また、前述と同様、回転磁石が最小制動状態にあるときは、回転磁石には磁力が加わらないものの、外部から衝撃や振動を受け、微小変位をした際は安定点である最大制動状態に向かう磁力が発生し始める。また、回転磁石が最小制動状態と最大制動状態の間にあるときは、最大制動状態に向かう磁力が発生する。さらに、回転磁石が最大制動状態にあるときは、磁力は発生しない。外部から衝撃や振動を受け、微小変位をした際は最大制動状態に戻ろうとする磁力が発生する。
【0055】
また、既述の通り、モータにより回転磁石を移動させるためには、回転磁石のモータによる移動力が、回転磁石と固定磁石の間に発生する磁力よりも大きいことが必要とされる。すなわち、モータの通電トルクをT、モータと回転磁石との減速比をrとすると、r>Mmax/Tとする必要がある。これにより、モータ駆動中は磁力に逆らい、回転磁石を任意の位置に位置決めすることができる。そのため、電池残量が所定値以下になった場合、上記調整部を所定の制動力値に調整することができ、当該調整後に電源部の電源を切るようにすることができる。他方で、調整が必要でなければ調整を行わずに、電源部の電源を切るようにすることもできる。
【0056】
他方、電池切れが生じた際や、制御基板の電源を切った際等、モータ駆動を停止した場合、回転磁石と固定磁石の間の磁力により、モータはギヤを介して回転方向のトルクを受ける。モータの非通電時には、一般的にロータとステータの間に働くトルクむらによって生じるコギングトルクや、軸受け等の摩擦トルクなどを原因とする保持トルクCが生じる。
【0057】
本発明での減速比rは、r>Mmax/Cとしている。これにより、回転磁石と固定磁石の間には、rCの保持トルクが生じる。
図5に、トルクrCを示す。このように、固定磁石と回転磁石の間に働く磁力F(θ)は、全領域にわたってトルクrCより小さくなる。このようにして、本発明の一実施形態に係る制動装置及びこれを備えた魚釣用リールにより、モータの保持トルク(保持力)が回転磁石と固定磁石の間に生じる磁力よりも大きくすることができる。これにより、モータへの通電停止時にも、固定磁石は自己位置の保持を続けることができる。電池残量が所定値以下になった場合、前記調整部を所定の制動力値に調整した後若しくは調整せずに、前記電源部の電源を切るようにすることで、所定の制動力(調整後、調整なしのいずれも含む)を維持することができる。
【0058】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置は、両軸受リールのリール本体に回転自在に装着され釣糸を巻回可能なスプールを制動する両軸受リールの制動装置であって、該スプールに取り付けた被制動部と、該被制動部に制動力を与える制動部と、該制動部の一部を駆動可能なモータと、該モータの駆動を該制動部の一部に伝達する減速機構と、該モータを制御する制御部と、該モータに給電する電源部と、該電源部の残量を検出する残量検出部と、を備え、該制御部は、該減速機構の減速比をr、該モータの通電トルクをT、該モータの保持トルクをC、該制動部を移動させるのに要する最大トルクをMmaxとした場合、前記制御部は、Mmax/T<r<Mmax/Cであるか、又はMmax/T<rかつMmax/C<rであるか判断し、前者であると判断された場合、前記制御部は、前記電源の残量が所定値以下になった場合、最大制動力値となるよう該調整部を調整又は最大制動力値を設定値に設定し、前記電源部の電源を切り、後者であると判断された場合、前記制御部は、電池残量が所定値以下になった場合、前記調整部を所定の制動力値に調整した後若しくは調整せずに、前記電源部の電源を切るように構成される。このようにして、制御部は、いずれの条件を満たすかを判断の上、電源を切る前に最大制動力値に調整する若しくは電源を切った後に最大制動力値を発生するようにさせることで最大制動力値を維持する、又は所定の制動力に調整し若しくは調整をせずに、調整後の制動力値若しくは電源部の電源を切る直前の制動力値(電池残量が所定値以下になったときの制動力)を維持するようにすることが可能となる。
【0059】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールは、上述のいずれかの制動装置を備えるように構成される。
【0060】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置又はこれを備える魚釣用リールによれば、制動装置、ひいては魚釣用リールの大型化を招かない方法により、電池切れとなった場合でもバックラッシュを確実に防止し釣りを継続することが可能となる。
【0061】
次に、本発明の一実施形態に係る制動装置10による制御方法について説明する。上述のように、本発明の一実施形態では、既述の調整部により、回転磁石を固定磁石に対して相対回転させることで、スプールへの制動トルクを所定の量に調整することができる。必要に応じて、スプールの回転移動量や回転速度を検知することで、それぞれの状況に応じた制動トルクに設定する。
【0062】
制御基板内には、モータへ電流を通電するモータドライバや、モータへの駆動量を決定するプログラムが搭載されたマイコン等の電気部品によって構成される制御部が配置される。モータの位置決めは、ステッピングモータを利用したフィードフォワード制御や、位置センサを利用したフィードバック制御などの公知の方法を用いることができる。これにより、回転磁石を所定の位置に移動させ、スプールに所定の制動力を付与することができる。
【0063】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置は、前記電池の残量を検出する残量検出部と、調整部(モータを含む)への制御を行う制御部と、をさらに備え、該制御部は、電池の残量が所定値以下になったことを検出した場合、前記制動部が所定の状態にされた後に前記制動装置の電源を切るように構成される。
【0064】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置において、前記被制動部は、導電性部材であり、前記制動部は、該導電性部材へ磁力を与える少なくとも一つの回転可能な磁石を有する磁気回路である。
【0065】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置において、前記制動部は、該導電性部材へ磁力を与える少なくとも一つの回転可能な磁石を有する磁気回路であり、前記所定の状態とは、前記電池の残量が所定値以下になったことを検出した際の該回転可能な磁石の位置に保持された状態である。
【0066】
本発明の一実施形態に係る両軸受リールの制動装置において、前記減速機構は、1又は複数の減速ギヤである。
【0067】
ここで、電池残量が十分ある状態では、投擲(キャスト)中にモータを駆動し、回転磁石の位置を適宜調整することで、タイミングに応じた適切な制動力をかけることができる。これにより、投擲距離の増加とバックラッシュの抑制を両立することができる。これにより、電池残量が不十分な状態では、電源切断前に回転磁石を所定の位置に移動させるようにすることができる。この時の回転磁石の位置は、例えば、最大制動状態もしくはその付近にするとよい。これにより、投擲距離は減ってしまうものの、バックラッシュの発生リスクを下げることができる。これにより、電池切れの場合であってもユーザは釣りを継続することができる。なお、電源切断前の回転磁石の位置は、ユーザが入力可能とするようにしてもよい。
【0068】
電池残量を検出するための残量検出部は、例えば、電池の電圧降下に基づいて電池の蓄電残量を検出する方法が挙げられる。この場合、電池の電位差を直接読み取る構成や、電気回路中に設けたシャント抵抗の電位差を読み取る構成が考えられる。その他、使用した電流を積算していくことで、満充電からの使用電力を測定するクーロンカウンタ方式、クーロンカウンタ方式を電池の経時変化や環境変化を学習により補正する電池セル・モデリング方式、及び、バッテリのインピーダンスを常時記録していくインピーダンストラック方式などがあるが、特定の方法に限定されるものではない。
【0069】
電池残量が少なくなった際に移動させる所定の位置とは、
図4に示す領域Cであることが望ましい。領域Aでは、制動トルクが小さいため、バックラッシュを起こすリスクが高い。このため、電源切断前にこの状態にあるときは、領域Cに移動させた後に電源を切るとよい。領域Bでは、磁力がモータの保持トルクを越えるため、電源切断時に自己位置を保持することができず、可動磁石は領域Cへと自動的に移動し得るものの、磁石間の吸引力と保持力が概ね吊り合っているため、摩擦状態等によっては可動磁石は移動せず、可動磁石の位置が安定しない。このため、電源切断前にこの状態にあるときは、領域Cに移動させた後に電源を切るとよい。領域Cでは、磁力がモータの保持トルクを下回るため、可動磁石の位置が安定する。しかも、制動トルクが大きいため、バックラッシュを起こすリスクが低い。
【0070】
本発明の一実施形態に係る制動装置10の制御部では、電池が少なくなった場合、電源切断前に可動磁石を領域Cに移動させることもできる。その後に制御装置の電源を切断する。これにより、電源切断後も、スプールに十分な制動力を付与することができ、ルアー等の飛距離は落ち得るものの、バックラッシュを起こすリスクを低減することができ、フェイルセーフを実現した魚釣用リールとすることができる。
【0071】
このように、電池残量が所定値以下になった際に、磁気回路を所定の状態にした後に電源を切ることで、領域Bが小さくなるような減速比にした場合でも、確実にフェイルセーフを実現した魚釣用リールとすることができる。このとき、減速機構を構成する各ギヤには外部から操作をする必要がないため、レイアウト上の制約を受けることはない。したがって、リール全体の大型化を避けることができる。
【0072】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0073】
1 魚釣用リール
2 フレーム(リール本体)
3 スプール
4 被制動部(被制動手段)
5 軸受け
6 回転磁石
7 固定磁石
8 制動部(制動手段)
9 セットプレート
10 制動装置
11 中蓋
12 モータ
13 ギヤ
14 ギヤ
15 ギヤ
16 減速機構(減速ギヤ列)
17 磁石ギヤ
18 電池
19 制御基板
20 外蓋