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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】半導体装置及び半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20240827BHJP
   H01L 23/28 20060101ALI20240827BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20240827BHJP
   H01L 23/31 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H01L23/12 501P
H01L23/12 K
H01L23/12 501S
H01L23/28 A
H01L23/30 R
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2021525972
(86)(22)【出願日】2020-05-25
(86)【国際出願番号】 JP2020020634
(87)【国際公開番号】W WO2020250660
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-03-29
(31)【優先権主張番号】P 2019111378
(32)【優先日】2019-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】富士 和則
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-188825(JP,A)
【文献】特開2014-110337(JP,A)
【文献】特開2012-235009(JP,A)
【文献】特開2016-192521(JP,A)
【文献】特開2010-056499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 23/28
H01L 23/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向において互いに反対側を向く主面及び裏面、並びに前記主面と前記裏面との前記厚さ方向の間に形成された側面を有する絶縁層と、
前記絶縁層に少なくとも一部が埋め込まれた埋込部、及び前記裏面から前記側面までにわたり形成され、前記埋込部に繋がる金属膜からなる再配線部を有する複数の配線と、
前記複数の配線の前記埋込部の少なくとも一部に繋がる複数の電極を有し、前記主面に搭載される半導体素子と、
前記主面に接し、かつ前記半導体素子を覆う封止樹脂と、
を備え
前記絶縁層は、熱硬化性の合成樹脂、及び前記複数の配線の一部を組成する金属元素が含有された添加剤を含む材料からなる
半導体装置。
【請求項2】
前記再配線部は、前記厚さ方向において前記絶縁層の前記側面の全体にわたり形成されている
請求項に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記封止樹脂は、
前記厚さ方向において前記絶縁層寄りの部分であり、前記絶縁層の前記側面と同じ方向を向く第1側面を有する第1樹脂部分と、
前記厚さ方向において前記絶縁層と反対側の部分であり、前記厚さ方向と直交する方向において、前記第1樹脂部分よりも大きく形成され、前記第1側面と同じ方向を向く第2側面を有する第2樹脂部分と、
を備え、
前記第1樹脂部分の前記第1側面は、前記第2樹脂部分の前記第2側面よりも内方に位置している
請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記封止樹脂には、前記第1樹脂部分と前記第2樹脂部分との大きさの差によって前記封止樹脂の内側に窪む段差が形成されている
請求項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記半導体素子は、互いに反対側を向く素子主面及び素子裏面を有し、
前記素子裏面に前記複数の電極が設けられ、
前記半導体素子は、前記素子裏面及び前記複数の電極が露出するように前記封止樹脂に埋め込まれており、
前記絶縁層は、前記半導体素子の前記素子裏面及び前記複数の電極を覆う第1被覆部と、前記第1樹脂部分の前記第1側面の少なくとも一部を覆う第2被覆部とを有し、
前記第2被覆部は、前記絶縁層の前記側面としての側面を有する
請求項又はに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記絶縁層の前記側面は、前記厚さ方向に対して傾斜した傾斜面を含む
請求項1~のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項7】
厚さ方向において互いに反対側を向く主面及び裏面、並びに前記主面と前記裏面との前記厚さ方向の間に形成された側面を有する絶縁層と、
前記絶縁層に少なくとも一部が埋め込まれた埋込部、及び前記裏面から前記側面までにわたり形成され、前記埋込部に繋がる金属膜からなる再配線部を有する複数の配線と、
前記複数の配線の前記埋込部の少なくとも一部に繋がる複数の電極を有し、前記主面に搭載される半導体素子と、
前記主面に接し、かつ前記半導体素子を覆う封止樹脂と、
を備え、
前記絶縁層は、前記裏面から前記厚さ方向に向けて凹む裏面側溝と、前記側面から前記厚さ方向と直交する方向に向けて凹む側面側溝とを含む溝を有し、
前記再配線部は、前記溝に接している
半導体装置。
【請求項8】
前記絶縁層は、熱硬化性の合成樹脂、及び前記複数の配線の一部を組成する金属元素が含有された添加剤を含む材料からなり、
前記再配線部は、前記溝に接する下地層と、前記下地層を覆うめっき層と、を有し、
前記下地層は、前記添加剤に含有された前記金属元素によって組成されている
請求項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記めっき層は、前記めっき層の厚さ方向に向けて凹む凹部を有する
請求項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記凹部は、前記再配線部の延びる方向に沿って延びている
請求項に記載の半導体装置。
【請求項11】
厚さ方向において互いに反対側を向く第1主面及び第1裏面、並びに前記第1主面と前記第1裏面との前記厚さ方向の間に形成された第1側面を有する第1絶縁層と、
前記厚さ方向において前記第1絶縁層に積層され、前記厚さ方向において互いに反対側を向く第2主面及び第2裏面、並びに前記第2主面と前記第2裏面との前記厚さ方向の間に形成された第2側面を有する第2絶縁層と、
前記第1絶縁層に少なくとも一部が埋め込まれた第1埋込部と、
前記第1裏面に形成され、かつ前記第1埋込部に繋がる金属膜からなる第1裏面側再配線部、及び、前記第1裏面側再配線部と離間した状態で前記第1側面に形成された金属膜からなる第1側面側再配線部を含む第1再配線部と、
前記第2絶縁層に少なくとも一部が埋め込まれた第2埋込部と、
前記第2裏面から前記第2側面までにわたり形成され、かつ前記第2埋込部に繋がる金属膜からなる第2再配線部と、
前記第1埋込部の少なくとも一部に繋がる電極を有し、前記第1主面に搭載される半導体素子と、
前記第1主面に接し、かつ前記半導体素子を覆う封止樹脂と、
を備え、
前記第1裏面側再配線部は、前記第2埋込部と繋がり、
前記第1側面側再配線部は、前記第2再配線部と繋がっている
半導体装置。
【請求項12】
前記厚さ方向からみて、前記第2再配線部は、前記第1再配線部と重なる部分を含む
請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第2絶縁層は、熱硬化性の合成樹脂、及び前記第2埋込部の一部及び前記第2再配線部の一部をそれぞれ組成する金属元素が含有された添加剤を含む材料からなる
請求項11又は12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1絶縁層は、熱硬化性の合成樹脂、及び前記第1埋込部の一部及び前記第1再配線部の一部をそれぞれ組成する金属元素が含有された添加剤を含む材料からなる
請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】
厚さ方向において互いに反対側を向く第1主面及び第1裏面、並びに前記第1主面と前記第1裏面との前記厚さ方向の間に形成された第1側面を有する第1絶縁層と、
前記厚さ方向において前記第1絶縁層に積層され、前記厚さ方向において互いに反対側を向く第2主面及び第2裏面、並びに前記第2主面と前記第2裏面との前記厚さ方向の間に形成された第2側面を有する第2絶縁層と、
前記第1絶縁層に少なくとも一部が埋め込まれた第1埋込部と、
前記第1絶縁層の前記第1裏面に形成され、かつ前記第1埋込部に繋がる金属膜からなる第1裏面側再配線部を含む第1再配線部と、
前記第2絶縁層に少なくとも一部が埋め込まれ、前記第1再配線部に繋がる第2埋込部と、
前記第2裏面から前記第2側面までにわたり形成され、かつ前記第2埋込部に繋がる金属膜からなる第2再配線部と、
前記第1埋込部の少なくとも一部に繋がる電極を有し、前記第1主面に搭載される半導体素子と、
前記第1主面に接し、かつ前記半導体素子を覆う封止樹脂と、
を備え、
前記第1絶縁層は、前記第1絶縁層の前記第1裏面から前記厚さ方向に向けて凹む第1裏面側溝を含む第1溝を有し、
前記第2絶縁層は、前記第2絶縁層の前記第2裏面から前記厚さ方向に向けて凹む第2裏面側溝と、前記第2絶縁層の前記第2側面から前記第2側面と直交する方向に向けて凹む第2側面側溝とを含む第2溝を有し、
前記第1裏面側再配線部は、前記第1裏面側溝に接しており、
前記第2再配線部は、前記第2溝に接している
半導体装置。
【請求項16】
前記第1溝は、前記第1絶縁層の前記第1側面から前記第1側面と直交する方向に向けて凹む第1側面側溝を更に含み、
前記第1再配線部は、前記第1裏面側再配線部とは繋がらない第1側面側再配線部を更に有し、
前記第1側面側再配線部は、前記第1側面側溝に接しており、
前記第2再配線部は、前記第2裏面側溝に接しており、前記第1裏面側再配線部と繋がっている第2裏面側再配線部と、前記第側面側溝に接しており、前記第2裏面側再配線部及び前記第1側面側再配線部のそれぞれに繋がっている第2側面側再配線部とを有する
請求項15に記載の半導体装置。
【請求項17】
半導体素子を、樹脂裏面から前記半導体素子の厚さ方向の一方に設けられた電極が露出するように封止樹脂に埋め込む素子埋込工程と、
前記封止樹脂の前記樹脂裏面及び前記電極を覆う主面及び前記主面と反対側を向く裏面とを有する絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層に前記裏面と交差する側面を形成する側面形成工程と、
前記絶縁層に埋め込まれ、かつ前記電極に繋がる埋込部、及び前記裏面から前記側面までにわたる再配線部を形成する配線形成工程と、
を備えた、
半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記絶縁層は、熱硬化性の合成樹脂、及び前記埋込部の一部及び前記再配線部の一部をそれぞれ組成する金属元素が含有された添加剤を含む材料からなり、
前記配線形成工程は、
前記電極の位置を画像認識しつつ、前記電極を露出させる孔と、前記絶縁層の前記裏面及び前記側面から凹み、かつ前記孔に繋がる溝をレーザによって前記絶縁層に形成することによって、前記孔を構成する内側面、及び前記溝を覆う下地層を析出させる下地層形成工程と、
前記下地層を覆うめっき層を形成するめっき層形成工程と、
を含む
請求項17に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記めっき層形成工程では、無電解めっきによって前記めっき層が形成される
請求項18に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記素子埋込工程では、前記封止樹脂に複数の半導体素子を埋め込み、
前記絶縁層形成工程では、前記複数の半導体素子を覆う前記絶縁層を形成し、
前記側面形成工程では、前記絶縁層形成工程の後、かつ前記配線形成工程の前において、前記絶縁層のうちの隣り合う前記半導体素子の間の部分を前記厚さ方向に切断し、かつ前記封止樹脂のうちの隣り合う前記半導体素子の間の部分の前記厚さ方向の一部を切削することによって分離溝を形成し、
前記配線形成工程の後、前記封止樹脂のうちの隣り合う前記半導体素子の間の部分を切断することによって複数の半導体装置を形成する切断工程を備える
請求項1719のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項21】
前記側面形成工程では、前記分離溝によって、前記厚さ方向における前記絶縁層寄りの部分である第1樹脂部分の第1樹脂側面が形成され、
前記切断工程では、
前記分離溝の底面から前記封止樹脂を前記厚さ方向に切断することによって、前記封止樹脂には、前記第1樹脂部分が窪む段差と、
前記厚さ方向において前記段差に対して前記第1樹脂部分とは反対側の部分である第2樹脂部分の第2樹脂側面と、
が形成される
請求項20に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項22】
前記再配線部のうちの前記絶縁層の前記側面に形成された側面側再配線部は、前記第2樹脂部分の前記第2樹脂側面よりも内方に位置している
請求項21に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項23】
前記配線形成工程では、金属粒子を含んだインクで前記裏面及び前記側面をそれぞれ印刷することによって前記埋込部及び前記再配線部がそれぞれ形成される
請求項17に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項24】
前記配線形成工程では、前記絶縁層上に金属膜を形成した後、前記金属膜のうちの前記埋込部以外の部分及び前記再配線部以外の部分を除去することによって前記埋込部及び前記再配線部がそれぞれ形成される
請求項17に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器の小型化に伴い、電子機器に用いられる半導体装置の小型化が進められている。そこで、複数の電極を有する半導体素子と、半導体素子のうちの複数の電極が形成される裏面を覆う絶縁層と、絶縁層に形成されるとともに複数の電極と電気的に接続され、半導体素子よりも外方に位置する複数の配線とを備える、いわゆるFan-Out型の半導体装置が提案されている。これにより、半導体装置の小型化を図りつつ、半導体装置が実装される配線基板の配線パターンの形状に柔軟に対応できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-89081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば特許文献1の半導体装置では、複数の配線に接続される端子が絶縁層の裏面から露出する構成であるため、半田によって半導体装置が配線基板に実装される場合、半導体装置の外部から半田が視認し難い。このため、半田による半導体装置と配線基板との接合状態から半導体装置の配線基板への実装状態を視認する観点において改善の余地がある。
【0005】
本開示の目的は、半導体装置の配線基板への実装状態を容易に確認できる半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する半導体装置は、絶縁層と、複数の配線と、半導体素子と、封止樹脂と、を含む。前記絶縁層は、厚さ方向において互いに反対側を向く主面及び裏面、並びに前記主面と前記裏面との前記厚さ方向の間に形成された側面を有する。前記複数の配線は、前記絶縁層に少なくとも一部が埋め込まれた埋込部、及び前記裏面から前記側面までにわたり形成され、前記埋込部に繋がる金属膜からなる再配線部を有する。前記半導体素子は、前記複数の配線の前記埋込部の少なくとも一部に繋がる複数の電極を有し、前記主面に搭載される。前記封止樹脂は、前記主面に接し、かつ前記半導体素子を覆う。
【0007】
この構成によれば、半導体装置が配線基板に半田によって実装される場合に、絶縁層の側面に形成された再配線部に半田が付着することによって半田フィレットが形成される。半導体装置の外部に露出する半田フィレットによって、半導体装置を配線基板に接合する半田が視認できる。したがって、半導体装置の実装状態を容易に視認できる。
【0008】
上記課題を解決する半導体装置は、第1絶縁層と、第2絶縁層と、第1埋込部と、第1再配線部と、第2埋込部と、第2再配線部と、半導体素子と、封止樹脂と、を含む。前記第1絶縁層は、厚さ方向において互いに反対側を向く第1主面及び第1裏面、並びに前記第1主面と前記第1裏面との前記厚さ方向の間に形成された第1側面を有する。前記第2絶縁層は、前記厚さ方向において前記第1絶縁層に積層され、前記厚さ方向において互いに反対側を向く第2主面及び第2裏面、並びに前記第2主面と前記第2裏面との前記厚さ方向の間に形成された第2側面を有する。前記第1埋込部の少なくとも一部は、前記第1絶縁層に埋め込まれている。前記第1再配線部は、前記第1絶縁層の前記第1裏面に形成され、かつ前記第1埋込部に繋がる金属膜からなる第1裏面側再配線部を含む。前記第2埋込部の少なくとも一部は、前記第2絶縁層に埋め込まれ、前記第2埋込部は、前記第1再配線部に繋がる。前記第2再配線部は、前記第2裏面から前記第2側面までにわたり形成され、かつ前記第2埋込部に繋がる金属膜からなる。前記半導体素子は、前記第1埋込部の少なくとも一部に繋がる電極を有し、前記第1主面に搭載される。前記封止樹脂は、前記第1主面に接し、かつ前記半導体素子を覆う。
【0009】
この構成によれば、半導体装置が配線基板に半田によって実装される場合に、第2絶縁層の第2側面に形成された第2再配線部に半田が付着することによって半田フィレットが形成される。半導体装置の外部に露出する半田フィレットによって、半導体装置を配線基板に接合する半田が視認できる。したがって、半導体装置の実装状態を容易に視認できる。
【0010】
上記課題を解決する半導体装置の製造方法は、半導体素子を、樹脂裏面側から前記半導体素子の厚さ方向の一方に設けられた電極が露出するように封止樹脂に埋め込む素子埋込工程と、前記封止樹脂の前記樹脂裏面及び前記電極を覆う主面及び前記主面と反対側を向く裏面とを有する絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、前記絶縁層に前記裏面と交差する側面を形成する側面形成工程と、前記絶縁層に埋め込まれ、かつ前記電極に繋がる埋込部、及び前記裏面から前記側面までにわたる再配線部を形成する配線形成工程と、を備えた。
【0011】
この構成によれば、半導体装置が配線基板に半田によって実装される場合に、絶縁層の側面に形成された再配線部に半田が付着することによって半田フィレットが形成される。半導体装置の外部に露出する半田フィレットによって、半導体装置を配線基板に接合する半田が視認できる。したがって、半導体装置の実装状態を容易に視認できる。
【発明の効果】
【0012】
上記半導体装置及び半導体装置の製造方法によれば、半導体装置の配線基板への実装状態を容易に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態の半導体装置の斜視図。
図2図1の半導体装置の裏面側からみた斜視図。
図3図1の半導体装置の裏面図。
図4図3の4-4線に沿った模式的な断面図。
図5図4の複数の配線の一部及びその周辺を拡大した拡大図。
図6図3の6-6線に沿った模式的な断面図。
図7】半導体装置の製造方法の一例を示すフローチャート。
図8A】半導体装置の製造方法における素子埋込工程の一例を示す説明図。
図8B】半導体装置の製造方法における絶縁層形成工程の一例を示す説明図。
図8C】半導体装置の製造方法における側面形成工程の一例を示す説明図。
図8D】半導体装置の製造方法における配線形成工程の一例を示す説明図。
図8E図8Dの複数の溝の一部及びその周辺を拡大した拡大図。
図8F】半導体装置の製造方法における配線形成工程の一例を示す説明図。
図8G図8Fの複数の配線の一部及びその周辺を拡大した拡大図。
図8H】半導体装置の製造方法における切断工程の一例を示す説明図。
図8I】半導体装置の製造方法における切断工程の一例を示す説明図。
図9】一実施形態の半導体装置を配線基板に実装した状態の模式的な断面図。
図10】変更例の半導体装置の模式的な断面図。
図11図10の複数の配線の一部及びその周辺を拡大した拡大図。
図12A図10の変更例の半導体装置の製造方法における素子埋込工程の一例を示す説明図。
図12B図10の変更例の半導体装置の製造方法における絶縁層形成工程の一例を示す説明図。
図12C図10の変更例の半導体装置の製造方法における側面形成工程の一例を示す説明図。
図12D図10の変更例の半導体装置の製造方法における配線形成工程の一例を示す説明図。
図12E図10の変更例の半導体装置の製造方法における切断工程の一例を示す説明図。
図13A図10の変更例の半導体装置の別の製造方法における素子埋込工程の一例を示す説明図。
図13B図10の変更例の半導体装置の別の製造方法における絶縁層形成工程の一例を示す説明図。
図13C図10の変更例の半導体装置の別の製造方法における側面形成工程の一例を示す説明図。
図13D図10の変更例の半導体装置の別の製造方法における配線形成工程の一例を示す説明図。
図13E図10の変更例の半導体装置の別の製造方法における切断工程の一例を示す説明図。
図14】変更例の半導体装置の模式的な断面図。
図15】変更例の半導体装置の模式的な断面図。
図16】変更例の半導体装置の模式的な断面図。
図17図16の複数の配線の一部及びその周辺を拡大した拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、半導体装置及び半導体装置の製造方法の実施形態について図面を参照して説明する。以下に示す実施形態は、技術的思想を具体化するための構成や方法を例示するものであり、各構成部品の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに限定するものではない。以下の実施形態は、種々の変更を加えることができる。
【0015】
[実施形態]
(半導体装置の構成)
図1図6を参照して、一実施形態の半導体装置の構成について説明する。
【0016】
図1及び図2に示すように、半導体装置1は、半導体素子10、半導体素子10の一部を封止する封止樹脂20、封止樹脂20に積層された絶縁層30、及び絶縁層30に形成された複数の配線40を備える。半導体装置1は、配線基板に表面実装されるFan-Out型のパッケージである。
【0017】
なお、以降の説明において、封止樹脂20及び絶縁層30の積層方向を「厚さ方向Z」とし、厚さ方向Zと直交する所定方向を「横方向X」とし、厚さ方向Z及び横方向Xと直交する方向を「縦方向Y」と定義する。また厚さ方向Zにおいて封止樹脂20から絶縁層30に向けてみることを「平面視」とする。
【0018】
半導体素子10は、例えば、LSI(Large Scale Integration)などの集積回路(IC)である。また半導体素子10は、LDO(Low Drop Out)などの電圧制御回路や、オペアンプなどの増幅素子、ダイオードなどのディスクリート半導体であってもよい。平面視における半導体素子10の形状は、矩形状である。本実施形態では、平面視における半導体素子10の形状は正方形である。半導体素子10は、フリップチップ型の素子である。
【0019】
半導体素子10は、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向く素子主面11、素子裏面12、及び素子主面11と素子裏面12との厚さ方向Zの間に形成された素子側面13を有する。素子側面13は、素子主面11及び素子裏面12と交差している。図3に示すように、素子裏面12には、複数(本実施形態では16個)の電極14が形成されている。複数の電極14は、半導体素子10に構成された回路に導通している。複数の電極14は、例えばアルミニウム(Al)を含む。図3に示すとおり、本実施形態では、平面視において、各素子側面13に沿って4個の電極14が互いに離間して配列されている。なお、電極14の個数は任意変更可能である。
【0020】
図1図4に示すように、封止樹脂20は、半導体素子10の一部を覆っている。具体的には、封止樹脂20は、半導体素子10の素子主面11及び素子側面13を覆っている。一方、半導体素子10の素子裏面12及び複数の電極14は、封止樹脂20から露出している。封止樹脂20は、例えば黒色のエポキシ樹脂を含む材料からなる。封止樹脂20は、樹脂主面21、樹脂裏面22、及び複数(本実施形態では4面)の樹脂側面23を有する。樹脂主面21は、半導体素子10の素子主面11と同じ方向を向く。樹脂裏面22は、半導体素子10の素子裏面12と同じ方向を向く。樹脂側面23は、樹脂主面21及び樹脂裏面22と交差している。樹脂側面23は、半導体素子10の素子側面13と同じ方向を向く。
【0021】
図4に示すように、封止樹脂20は、厚さ方向Zにおいて絶縁層30寄りの部分である第1樹脂部分20Aと、厚さ方向Zにおいて絶縁層30とは反対側の部分である第2樹脂部分20Bとを有する。第1樹脂部分20Aは、樹脂側面23の一部を構成する第1樹脂側面23aを有する。第2樹脂部分20Bは、厚さ方向Zと直交する方向において、第1樹脂部分20Aよりも大きく形成されている。第2樹脂部分20Bは、樹脂側面23の一部を構成する第2樹脂側面23bを有する。第1樹脂側面23aは、第2樹脂側面23bよりも内方に位置している。このように、封止樹脂20には、第1樹脂部分20Aと第2樹脂部分20Bとの大きさの差によって封止樹脂20の内側に窪む段差24が設けられている。段差24は、封止樹脂20の周方向の全体にわたり設けられている。
【0022】
本実施形態では、第1樹脂部分20Aの厚さTR1は、第2樹脂部分20Bの厚さTR2よりも薄い。また厚さTR1は、半導体素子10の厚さTSよりも薄い。第1樹脂部分20Aの裏面は、樹脂裏面22を構成している。第2樹脂部分20Bの主面は、樹脂主面21を構成している。図4に示すとおり、本実施形態では、樹脂裏面22は、半導体素子10の素子裏面12と面一となる。半導体素子10の複数の電極14は、樹脂裏面22よりも絶縁層30に向かって突出している。
【0023】
図2図4に示すように、絶縁層30は、平板状に形成されており、封止樹脂20の樹脂裏面22に接している。絶縁層30は、半導体素子10の素子裏面12及び複数の電極14を覆っている。このように、半導体素子10は、封止樹脂20及び絶縁層30によって封止される。絶縁層30は、熱硬化性の合成樹脂、及び複数の配線40の一部を組成する金属元素が含有された添加剤を含む材料からなる。絶縁層30に含まれる合成樹脂は、例えばエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂である。絶縁層30の横方向X及び縦方向Yのそれぞれの大きさは、第1樹脂部分20Aの横方向X及び縦方向Yのそれぞれの大きさと概ね等しい。絶縁層30の厚さTLは、封止樹脂20の厚さTRよりも薄い。また厚さTLは、半導体素子10の厚さTSよりも薄い。また厚さTLは、第2樹脂部分20Bの厚さTR2よりも薄い。また厚さTLは、第1樹脂部分20Aの厚さTR1よりも薄い。なお、第1樹脂部分20Aの厚さTR1及び第2樹脂部分20Bの厚さTR2はそれぞれ、任意に変更可能である。例えば厚さTR2が厚さTR1以上であってもよい。半導体素子10の厚さTSと厚さTR1,TR2との関係は任意に変更可能である。例えば厚さTSは、厚さTR1以下であってもよいし、厚さTR2以上であってもよい。
【0024】
絶縁層30は、主面31、裏面32、及び複数の側面33を有する。主面31及び裏面32は、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向いている。主面31は、半導体素子10の素子裏面12と接触している。裏面32は、半導体装置1が配線基板に実装される場合に配線基板に対向する。複数の側面33はそれぞれ、厚さ方向Zにおいて主面31と裏面32との間に形成されている。複数の側面33はそれぞれ、主面31と裏面32との双方に繋がっている。本実施形態では、複数の側面33は、横方向X及び縦方向Yのいずれかに向いている。各側面33は、主面31及び裏面32と交差している。また側面33は、封止樹脂20の樹脂側面23(第1樹脂側面23a及び第2樹脂側面23b)と同じ側を向いている。
【0025】
図5に示すように、絶縁層30は、複数(本実施形態では16個)の溝34を有する。本実施形態では、複数の溝34は、互いに同一の形状である。厚さ方向Zからみて、複数の溝34は、半導体素子10の複数の電極14と重なる部分を有する。
【0026】
複数の溝34は、裏面32から厚さ方向Zにおいて主面31に向けて凹んでいる裏面側溝34Xと、側面33から横方向X又は縦方向Yに対向する側面33に向けて凹んでいる側面側溝34Zとを有する。複数の溝34のそれぞれの側面は、溝34の底面から溝34の開口端までにわたり溝34の幅が徐々に拡開するように傾斜している。
【0027】
図6は、裏面側溝34Xをその幅方向及び厚さ方向Zに沿う平面で切った断面図である。図6に示すように、複数の裏面側溝34Xのそれぞれの側面34aは、裏面側溝34Xの底面34bから絶縁層30の裏面32までにわたり裏面側溝34Xの幅が徐々に拡開するように傾斜している。裏面側溝34Xの底面34bの横方向X(裏面側溝34Xの幅方向)の寸法C1は、横方向X(裏面側溝34Xの幅方向)において互いに離間した側面34aと裏面32との境界の間の寸法C2よりも小さくなる。なお、図示していないが、側面側溝34Zについても裏面側溝34Xと同様に、複数の側面側溝34Zのそれぞれの側面は、側面側溝34Zの底面から絶縁層30の側面33までにわたり側面側溝34Zの幅が徐々に拡開するように傾斜している。
【0028】
図3及び図5に示すとおり、厚さ方向Zからみて、裏面側溝34Xは、半導体素子10の電極14と重なるように設けられている。裏面側溝34Xは、裏面32における半導体素子10の電極14よりも内方部分から裏面32の横方向X又は縦方向Yの端縁までにわたり形成されている。図3に示すとおり、本実施形態では、平面視において、各側面33に沿って4個の裏面側溝34Xが互いに離間して配列するように設けられている。
【0029】
図5に示すように、側面側溝34Zは、厚さ方向Zにおいて側面33の全体にわたり形成されている。側面側溝34Zは、裏面側溝34Xと繋がっている。すなわち、図3に示すとおり、平面視において、各側面33に沿って4個の側面側溝34Zが互いに離間して配列するように設けられている。絶縁層30の側面33のうちの側面側溝34Zが形成されている部分は、第1樹脂部分20Aの第1樹脂側面23aよりも内方に位置している。また絶縁層30の側面33のうちの側面側溝34Zが形成されていない部分は、第1樹脂側面23aと面一となる。
【0030】
複数の溝34のうちの厚さ方向Zにおいて半導体素子10の電極14と重なっている部分には、電極14に連通する孔34cが形成されている。孔34cを構成する内側面は、絶縁層30の主面31から裏面側溝34Xまでにわたり孔34cの内径が徐々に拡径するように傾斜している。孔34cのうちの電極14に最も近い部分の厚さ方向Zに直交する方向の寸法B1は、孔34cのうちの裏面32に最も近い部分の厚さ方向Zに直交する方向の寸法B2よりも小さくなる。
【0031】
図3に示すように、複数の配線40は、半導体素子10の複数の電極14と電気的に接続されている。複数の配線40は、半導体素子10に電力を供給するため、かつ半導体素子10に信号を入出力するための導電経路を構成している。
【0032】
図4図6に示すように、複数の配線40は、絶縁層30に配置されている。本実施形態では、複数の配線40は、絶縁層30上に形成されている。複数の配線40は、複数の溝34に設けられている。図4及び図5に示すように、複数の配線40はそれぞれ、埋込部41及び再配線部42を有する。
【0033】
埋込部41の少なくとも一部は、絶縁層30に埋め込まれている。本実施形態では、埋込部41の全ては、絶縁層30に埋め込まれている。図5に示すように、本実施形態では、埋込部41は、孔34cに埋め込まれている。埋込部41の側面は、孔34cを構成する内側面の形状に沿った形状となるように形成されている。すなわち埋込部41の側面は、絶縁層30の主面31から裏面側溝34Xに向けて埋込部41の直径が拡径するように傾斜している。埋込部41の側面の形状は、孔34cを構成する内側面の形状と同一である。埋込部41は、半導体素子10の電極14と繋がっている。
【0034】
再配線部42は、埋込部41と繋がっている。再配線部42は、裏面側溝34X及び側面側溝34Zのそれぞれに設けられている。図3に示すように、再配線部42は、半導体素子10よりも外方に位置する部分を含む。再配線部42は、裏面側溝34Xに設けられた裏面側再配線部42Xと、側面側溝34Zに設けられた側面側再配線部42Zとを有する。図3に示すとおり、絶縁層30の各側面33に沿って4個の裏面側再配線部42Xが互いに離間して配列されている。また各側面33に沿って4個の側面側再配線部42Zが互いに離間して配列されている。裏面側再配線部42Xは、側面側再配線部42Zと繋がっている。本実施形態では、裏面側再配線部42Xと側面側再配線部42Zとが一体に形成されている。側面側再配線部42Zは、厚さ方向Zにおいて絶縁層30の側面33の全体にわたり形成されている。
【0035】
埋込部41及び再配線部42はそれぞれ、下地層43及びめっき層44を有する。下地層43は、絶縁層30に含まれる添加剤に含有された金属元素によって組成される。めっき層44は、例えば銅(Cu)を含む材料からなる。埋込部41の下地層43は、孔34cを構成する内側面に接している。埋込部41のめっき層44は、埋込部41の下地層43に厚さ方向Zまわりに囲まれている。再配線部42の下地層43は、裏面側溝34Xに接している。再配線部42のめっき層44は、再配線部42の下地層43を覆っている。本実施形態では、裏面側再配線部42Xのめっき層44は、裏面側溝34Xから厚さ方向Zに突出している。側面側再配線部42Zのめっき層44は、側面側溝34Zから側面33に垂直な方向に突出している。側面側再配線部42Zのめっき層44は、側面33に垂直な方向において、第1樹脂部分20Aの第1樹脂側面23aよりも突出している。このように、再配線部42は、下地層43及びめっき層44を含む金属膜からなる。
【0036】
図6は、縦方向Yに延びる再配線部42を厚さ方向Z及び横方向Xに沿う平面で切った断面図を示している。この場合、再配線部42の幅方向は、横方向Xと一致する。
図6に示すように、再配線部42のめっき層44は、再配線部42の厚さ方向に向けて凹む凹部45を有する。凹部45は、後述する半導体装置1の製造方法における配線形成工程において、複数の溝34を覆う下地層43に対してめっき層44を形成したことによる痕跡である。このため、凹部45は、複数の配線40の再配線部42の延びる方向に沿って延びる構成となる。詳細には、裏面側再配線部42Xに形成された凹部45は、裏面側再配線部42Xのめっき層44の厚さ方向Zに向けて凹んでいる。図6では、裏面側再配線部42Xが縦方向Yに延びているため、裏面側再配線部42Xのめっき層44に形成された凹部45は縦方向Yに沿って延びている。また、図示していないが、横方向Xに延びる再配線部42について、この再配線部42を厚さ方向Z及び縦方向Yに沿う平面で切った断面視において、めっき層44に形成された凹部45は、再配線部42の横方向Xに沿って延びている。また、図示していないが、側面側再配線部42Zが横方向Xに延びている裏面側再配線部42Xと連続している場合、側面側再配線部42Zに形成された凹部45は、側面側再配線部42Zのめっき層44の横方向Xに向けて凹んでいる。側面側再配線部42Zが縦方向Yに延びている裏面側再配線部42Xと連続している場合、側面側再配線部42Zに形成された凹部45は、側面側再配線部42Zのめっき層44の縦方向Yに向けて凹んでいる。側面側再配線部42Zが厚さ方向Zに延びているため、側面側再配線部42Zの凹部45は厚さ方向Zに沿って延びている。
【0037】
(半導体装置の製造方法)
図7及び図8A図8Iを参照して、半導体装置1の製造方法について説明する。
図7に示すように、半導体装置1の製造方法は、素子埋込工程(ステップS1)、絶縁層形成工程(ステップS2)、側面形成工程(ステップS3)、配線形成工程(ステップS4)、及び切断工程(ステップS5)を備える。本実施形態では、素子埋込工程(ステップS1)、絶縁層形成工程(ステップS2)、側面形成工程(ステップS3)、配線形成工程(ステップS4)、及び切断工程(ステップS5)の順に実施することによって、半導体装置1が製造される。
【0038】
図8Aに示すように、素子埋込工程では、複数の半導体素子10を封止樹脂100に埋め込む。この工程では、金型内に封止樹脂100の材料と、複数の半導体素子10とを配置した後、コンプレッション成形を行う。封止樹脂100の材料として、黒色のエポキシ樹脂を含む材料が用いられる。この工程では、各半導体素子10の素子主面11寄りの部分が封止樹脂100に埋め込まれ、素子裏面12及び素子裏面12に形成された複数の電極14が封止樹脂100から露出するように、各半導体素子10が封止樹脂100に埋め込まれる。図8Aに示すとおり、各半導体素子10の素子主面11及び素子側面13が封止樹脂100に覆われる。封止樹脂100は、素子裏面12と面一となる樹脂裏面100bsを有する。複数の電極14は、樹脂裏面100bsから厚さ方向Zに突出している。
【0039】
次に、図8Bに示すように、絶縁層形成工程では、封止樹脂100の樹脂裏面100bsに積層され、かつ複数の半導体素子10の素子裏面12及び複数の電極14を覆う絶縁層110を形成する。絶縁層110の材料は、熱硬化性の合成樹脂、及び後述する複数の配線120の一部を組成する金属元素が含有された添加剤を含む材料からなる。絶縁層110の合成樹脂は、例えばエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂である。絶縁層110は、コンプレッション成形によって形成される。絶縁層110は、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向く主面111及び裏面112を有する。主面111は、絶縁層110における封止樹脂100側の面である。裏面112は、絶縁層110における封止樹脂100側とは厚さ方向Zに反対側の面である。
【0040】
次に、図8Cに示すように、側面形成工程では、絶縁層110及び封止樹脂100のうちの隣り合う半導体素子10の間の部分に分離溝130を形成する。具体的には、絶縁層110のうちの隣り合う半導体素子10の間の部分を厚さ方向Zに切断し、かつ封止樹脂100のうちの隣り合う半導体素子10の間の部分の厚さ方向Zの一部を切削することによって分離溝130が形成される。分離溝130は、ダイシングによって形成される。分離溝130の底面131が半導体素子10の素子主面11よりも素子裏面12の近くに位置するように分離溝130が形成される。封止樹脂100には、分離溝130によって、封止樹脂100の厚さ方向Zにおける絶縁層110寄りの部分である第1樹脂部分100Aが形成される。また、封止樹脂100には、分離溝130によって、第1樹脂部分100Aの第1樹脂側面100xaが形成される。また、絶縁層110には、分離溝130によって、側面113が形成される。側面113は、主面111と裏面112との厚さ方向Zの間に形成されている。
【0041】
次に、図8D図8Gに示すように、配線形成工程では、半導体素子10の複数の電極14に繋がる複数の配線120(図8F及び図8G参照)を形成する。複数の配線120は、半導体装置1の複数の配線40に相当する。図8Fに示すように、複数の配線120はそれぞれ、埋込部121及び再配線部122を有する。埋込部121は、絶縁層110に埋め込まれ、半導体素子10の電極14に繋がる。埋込部121及び再配線部122はそれぞれ、下地層120A及びめっき層120Bを有する。図7に示すとおり、配線形成工程は、下地層形成工程(ステップS41)及びめっき層形成工程(ステップS42)を含む。下地層形成工程及びめっき層形成工程の順に実施することによって、複数の配線120が形成される。
【0042】
下地層形成工程では、図8Eに示すように、絶縁層110の裏面112及び側面113を加工することによって下地層120Aを析出させる。絶縁層110の側面113は、絶縁層110のうちの分離溝130を構成する内側面である。この工程では、図8Dに示すように、複数の孔114及び複数の溝115をレーザによって絶縁層110に形成する。複数の孔114は、絶縁層110を厚さ方向Zに貫通している。複数の孔114から、半導体素子10の複数の電極14が個別に露出している。複数の孔114は、複数の電極14の位置を赤外線カメラなどによって画像認識しつつ、複数の電極14が露出するまで絶縁層110にレーザを照射させることによって形成される。レーザが照射される位置は、画像認識によって得られた複数の電極14の位置情報に基づいて、逐一補正される。図8Eに示すように、各溝115は、絶縁層110の裏面112から厚さ方向Zに向けて凹み、かつ複数の孔114に繋がっている裏面側溝115Xと、絶縁層110の側面113から側面113に対して垂直な方向(図8Eでは横方向X)に向けて凹む側面側溝115Zとを有する。側面側溝115Zは、裏面側溝115Xに繋がっている。複数の溝115は、絶縁層110の裏面112にレーザを照射することによって形成される。なお、レーザは、例えば波長が355nm、かつビームの直径が17μmの紫外線レーザである。複数の孔114及び複数の溝115を絶縁層110に形成することによって、複数の孔114を構成する内側面、及び複数の溝115を覆う下地層120Aが析出される。下地層120Aは、絶縁層110に含まれる添加剤に含有された金属元素により組成される。レーザ照射によって添加剤に含有された金属元素が励起される。これにより、添加剤に含有された金属元素を含む金属層が下地層120Aとして析出される。
【0043】
めっき層形成工程では、図8Gに示すように、下地層120Aを覆うめっき層120Bを形成する。めっき層120Bは、銅を含む材料からなる。めっき層120Bは、無電解めっきにより形成される。これにより、複数の孔114のそれぞれには、埋込部121が形成される。あわせて、複数の溝115のそれぞれには、再配線部122が形成される。より詳細には、複数の裏面側溝115Xのそれぞれには、裏面側再配線部122Xが形成され、複数の側面側溝115Zのそれぞれには、側面側再配線部122Zが形成される。以上により、図8Fに示すように、複数の配線120が形成される。
【0044】
最後に、図8Hに示すように、切断工程では、絶縁層110及び封止樹脂100を例えば切断線CLに沿ってダイシングブレードなどで切断することによって、複数の個片に分割する。図8Iに示すように、複数の個片は、マトリックス状に配置されている。図8Hに示すように、切断線CLは、分離溝130内かつ分離溝130を構成する内側面よりも外方に位置している。ダイシングブレードによって封止樹脂100が切断されることによって、封止樹脂100には、第1樹脂部分100Aが窪む段差101と、厚さ方向Zにおいて段差101に対して第1樹脂部分100Aとは反対側の部分である第2樹脂部分100Bとが形成される。また封止樹脂100が切断されることによって、第2樹脂部分100Bの第2樹脂側面100xbが形成される。
【0045】
分割された複数の個片はそれぞれ、1つの半導体素子10と、半導体素子10に繋がる複数の配線120とを含む。切断工程によって個片となった封止樹脂100及び絶縁層110が半導体装置1の封止樹脂20及び絶縁層30に相当する。以上の工程を経ることによって、半導体装置1が製造される。
【0046】
(作用)
本実施形態の作用について比較例の半導体装置との比較に基づいて説明する。
比較例の半導体装置は、リードフレームと、リードフレームに実装された半導体素子と、半導体素子及びリードフレームを封止する封止樹脂とを備える。リードフレームの表面には、半田の濡れ性を向上させるためにめっき処理が施されている。比較例の半導体装置は、リードフレームが封止樹脂の裏面及び側面に露出する表面実装型の半導体装置である。このような比較例の半導体装置の製造方法では、リードフレームを構成する母材によって複数の半導体装置が接続された状態のものをダイシングによって複数の個片の半導体装置に分離する。このため、各半導体装置においてリードフレームのうちの封止樹脂の側面から露出する部分ではめっき層が形成されていない。このため、比較例の半導体装置を半田によって配線基板に実装する場合、リードフレームのうちの封止樹脂の側面から露出する部分の半田の濡れ性が悪く、半田フィレットが形成され難い。その結果、比較例の半導体装置を配線基板に実装した後、比較例の半導体装置の実装状態を視認し難い。
【0047】
この点に鑑み、本実施形態では、絶縁層30の側面33に設けられた側面側再配線部42Zはめっき層44を含む。このため、図9に示すように、半導体装置1が配線基板CBに半田SDによって実装される場合、側面側再配線部42Zに半田SDが付き易くなり、半田フィレットSD1が形成され易い。したがって、半導体装置1を配線基板CBに実装した後、半田フィレットSD1に基づいて半導体装置1の実装状態を容易に確認できる。
【0048】
(効果)
本実施形態の半導体装置及び半導体装置の製造方法によれば、以下の効果が得られる。
(1)再配線部42は、絶縁層30の裏面32から側面33までにわたり形成されている。この構成によれば、半導体装置1が配線基板CBに半田SDによって実装される場合に、側面33に形成された再配線部42である側面側再配線部42Zに半田SDが付着することによって半田フィレットSD1が形成される。半導体装置1の外部に露出する半田フィレットSD1によって、半導体装置1の実装状態を容易に視認できる。
【0049】
(2)再配線部42は、厚さ方向Zにおいて絶縁層30の側面33の全体にわたり形成されている。この構成によれば、半導体装置1が配線基板CBに半田SDによって実装される場合に、側面側再配線部42Zに半田SDが付着して形成される半田フィレットSD1が大きくなるため、半田フィレットSD1をより視認し易くなる。
【0050】
(3)側面側再配線部42Zは、第2樹脂部分20Bの第2樹脂側面23bよりも内方に位置している。この構成によれば、切断工程において、側面側再配線部42Zがダイシングブレードによって削られないため、側面側再配線部42Zのめっき層が形成された状態が維持される。したがって、半導体装置1が配線基板CBに半田SDによって実装された場合に側面側再配線部42Zに半田SDが付着し易くなる。また、側面側再配線部42Zによって半田SDの付着面積は、裏面側再配線部42Xのみを備えた半導体装置と比べて増加する。このため、半導体装置1が配線基板CBに半田SDによって実装された場合に半導体装置1と配線基板CBとの固着力を向上できる。
【0051】
(4)半導体装置1は、裏面32を有する絶縁層30と、埋込部41及び再配線部42を有する複数の配線40とを備える。複数の配線40の再配線部42はそれぞれ、裏面32に配置されるとともに、半導体素子10の複数の電極14に繋がる複数の配線40の埋込部41に繋がっている。絶縁層30は、裏面32から厚さ方向Zに向けて凹む複数の裏面側溝34Xと、側面33から側面33と直交する方向に向けて凹む複数の側面側溝34Zとを含む複数の溝34を有する。複数の配線40の再配線部42は、複数の溝34に接している。複数の溝34は、半導体装置1の製造方法のうちの配線形成工程において、レーザによって絶縁層110に形成された複数の溝115に相当する。
【0052】
配線形成工程は、絶縁層110の表面に下地層120Aを析出させる下地層形成工程と、下地層120Aを覆うめっき層120Bを形成するめっき層形成工程とを有する。複数の配線120は、半導体装置1の複数の配線40に相当する。絶縁層110は、熱硬化性の合成樹脂、及び複数の配線120の一部(下地層120A)を組成する金属元素が含有された添加剤を含む材料からなる。下地層形成工程は、複数の孔114及び複数の溝115をレーザによって絶縁層110に形成することにより、複数の孔114を構成する内側面、及び複数の溝115を覆う下地層120Aが析出される。複数の孔114は、半導体素子10の複数の電極14の位置を画像認識しつつ、複数の電極14を露出させることで形成される。この構成によれば、封止樹脂100の硬化収縮によって半導体素子10に変位が生じた場合であっても、画像認識によって複数の電極14の変位に対応した位置補正がレーザ照射の際になされるため、複数の電極14が露出する複数の孔114を精度よく形成できる。すなわち、複数の電極14の位置に合致した複数の配線120を精度よく形成できる。したがって、半導体素子10の複数の電極14と、複数の配線120(複数の配線40)との接合部における位置ずれを抑制できる。
【0053】
(5)半導体装置1の製造方法における配線形成工程では、めっき層120Bは無電解めっきによって形成される。この構成によれば、電解めっきでめっき層120Bを形成する場合と比較して、めっきを形成するための導電経路となる下地層120Aを析出させることが不要となるため、複数の配線120を、より効率よく形成できる。
【0054】
(6)再配線部42の裏面側再配線部42Xは、絶縁層30の裏面32に対して厚さ方向Zに突出している。この構成によれば、半導体装置1を配線基板CBに実装する場合に、半導体装置1をより実装し易くなる。
【0055】
[変更例]
上記実施形態は本開示に関する半導体装置及び半導体装置の製造方法が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に関する半導体装置及び半導体装置の製造方法は、上記実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、上記実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、又は上記実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下の変更例において、上記実施形態と共通する部分については、上記実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0056】
・上記実施形態において、絶縁層30の形状は任意に変更可能である。一例では、図10に示す半導体装置1Aのように、絶縁層30が封止樹脂20の段差24に入り込んでいてもよい。絶縁層30は、封止樹脂20の樹脂裏面22及び半導体素子10の素子裏面12を覆う第1被覆部35と、絶縁層30の側面33及び第1樹脂部分20Aの第1樹脂側面23aを覆う第2被覆部36とを有する。第2被覆部36は、第1樹脂側面23aの全面にわたり覆っている。図10では、第2被覆部36の厚さTC2は、第1被覆部35の厚さTC1よりも薄い。なお、第1被覆部35の厚さTC1は、上記実施形態の絶縁層30の厚さTLに相当する。
【0057】
図11に示すように、第1被覆部35には裏面側溝34Xが形成され、第2被覆部36には側面側溝34Zが形成されている。側面側溝34Zは、厚さ方向Zにおいて第2被覆部36の全体にわたり形成されている。複数の配線40の再配線部42は、第1被覆部35及び第2被覆部36にわたり形成されている。再配線部42は、厚さ方向Zにおいて第2被覆部36(側面側溝34Z)の全体にわたり形成されている。
【0058】
次に、図12A図12Eを用いて、図10の半導体装置1Aの製造方法について説明する。図10の半導体装置1Aの製造方法は、上記実施形態の半導体装置1の製造方法と同様に、素子埋込工程、絶縁層形成工程、側面形成工程、配線形成工程、及び切断工程を備える。
【0059】
図12Aに示すように、素子埋込工程では、半導体素子10を封止樹脂100に埋め込み、封止樹脂100のうちの隣り合う半導体素子10の間の連結部103に溝140を形成する。連結部103には、離間した2つの溝140が形成される。溝140は、封止樹脂100の樹脂裏面100bsから厚さ方向Zに向けて形成されている。この工程では、金型内に封止樹脂100の材料と、半導体素子10とを配置した後、コンプレッション成形を行う。封止樹脂100の材料は、黒色のエポキシ樹脂を含む材料が用いられる。この工程では、半導体素子10の素子主面11寄りの部分が封止樹脂100に埋め込まれ、素子裏面12及び素子裏面12に形成された複数の電極14が封止樹脂100の樹脂裏面100bsから露出するように、半導体素子10が封止樹脂100に埋め込まれる。例えばコンプレッション成形の金型によって半導体素子10を封止樹脂100に埋め込む工程と同時に溝140を形成してもよい。また、溝140は、コンプレッション成形によって半導体素子10を封止樹脂100に埋め込んだ後、ダイシングによって溝140を形成してもよい。溝140の底面141が半導体素子10の素子主面11よりも素子裏面12の近くに位置するように溝140が形成される。溝140によって、封止樹脂100には、厚さ方向Zにおける絶縁層110寄りの部分である第1樹脂部分100Aが形成される。また、封止樹脂100には、溝140によって、第1樹脂部分100Aの第1樹脂側面100xaが形成される。
【0060】
次に、図12Bに示すように、絶縁層形成工程では、封止樹脂100の樹脂裏面100bsに積層され、かつ半導体素子10の素子裏面12及び複数の電極14を覆う絶縁層110を形成する。絶縁層110の一部は、溝140に入り込む。これにより、第1樹脂部分100Aの第1樹脂側面100xaは、絶縁層110の一部によって覆われる。絶縁層110の材料は、熱硬化性の合成樹脂、及び後述する複数の配線120の一部を組成する金属元素が含有された添加剤を含む材料からなる。絶縁層110の合成樹脂は、例えばエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂である。絶縁層110は、コンプレッション成形によって形成される。
【0061】
次に、図12Cに示すように、側面形成工程では、絶縁層110及び封止樹脂100のうちの隣り合う半導体素子10の間の部分に分離溝150を形成する。分離溝150は、ダイシングによって形成される。分離溝150は、連結部103に形成された2つの溝140(図12A参照)が連通するように形成される。分離溝150の底面151が溝140の底面141(図12A参照)と面一となるように分離溝150が形成される。分離溝150が形成されることにともない、溝140に入り込んだ絶縁層110の一部が取り除かれてもよい。その結果、絶縁層110は、封止樹脂100の樹脂裏面100bs及び半導体素子10の素子裏面12及び複数の電極14を覆う第1被覆部116と、封止樹脂100の第1樹脂側面100xaを覆う第2被覆部117とを有する。また絶縁層110には、分離溝150によって、側面113が形成される。側面113は、第2被覆部117の側面である。側面113は、厚さ方向Zにおいて封止樹脂100の第1樹脂側面100xaの全体にわたり形成される。
【0062】
次に、図12Dに示すように、配線形成工程では、上記実施形態と同様に複数の配線120を形成する。図12Dでは、複数の配線120は、第1被覆部116及び第2被覆部117にわたり形成される。複数の配線120は、厚さ方向Zにおいて第2被覆部117の全体にわたり形成される。複数の配線120は、変更例の半導体装置1Aの複数の配線40に相当する。
【0063】
次に、図12Eに示すように、切断工程では、上記実施形態と同様に、絶縁層110及び封止樹脂100を例えば切断線CLに沿ってダイシングブレードなどで切断することによって、複数の個片に分割する。この場合、図12Eに示すように、切断線CLは、分離溝150内かつ分離溝150を構成する内側面よりも外方に位置している。具体的には、ダイシングブレードが第2被覆部117に形成された配線120と接触しないように、ダイシングブレードの位置及びダイシングブレードの厚さが設定される。ダイシングブレードによって封止樹脂100が切断されることによって、封止樹脂100には、第1樹脂部分100Aが窪む段差101と、厚さ方向Zにおいて段差101に対して第1樹脂部分100Aとは反対側の部分である第2樹脂部分100Bとが形成される。また封止樹脂100が切断されることによって、第2樹脂部分100Bの第2樹脂側面100xbが形成される。
【0064】
分割された複数の個片はそれぞれ、1つの半導体素子10と、半導体素子10に繋がる複数の配線120とを含む。切断工程によって個片となった封止樹脂100及び絶縁層110が半導体装置1Aの封止樹脂20及び絶縁層30に相当する。以上の工程を経ることによって、半導体装置1Aが製造される。
【0065】
この構成によれば、側面側再配線部42Zの厚さ方向Zの長さを絶縁層30の厚さよりも長くすることができる。したがって、半導体装置1Aを配線基板CBに半田SD(ともに図9参照)によって実装する場合、側面側再配線部42Zに半田が接合されることによって形成される半田フィレットSD1(図9参照)が大きくなる。したがって、半田フィレットSD1が封止樹脂20の段差24から露出し易くなるため、配線基板CBへの半導体装置1Aの実装状態を確認し易くなる。加えて、側面側再配線部42Zによって半田SDの付着面積は、裏面側再配線部42Xのみを備えた半導体装置と比べて増加する。このため、半導体装置1Aが配線基板CBに半田SDによって実装された場合に半導体装置1Aと配線基板CBとの固着力を向上できる。加えて、素子埋込工程における溝140の形成にダイシングブレードを用いる場合、溝140を形成するためのダイシングと、切断工程におけるダイシングとに対して、共通のダイシングブレードを用いることができる。
【0066】
図10の半導体装置1Aの製造方法は、図12A図12Eに示す上述の製造方法に限られない。例えば、図10の半導体装置1Aの製造方法は、図13A図13Eに示す工程の順に行われてもよい。この場合についても、図10の半導体装置1Aの製造方法は、上述の製造方法と同様に、素子埋込工程、絶縁層形成工程、側面形成工程、配線形成工程、及び切断工程を備える。
【0067】
図13Aに示すように、素子埋込工程では、半導体素子10を封止樹脂100に埋め込み、封止樹脂100のうちの隣り合う半導体素子10の間の連結部103に溝160を形成する。溝160は、封止樹脂100の樹脂裏面100bsから厚さ方向Zに向けて形成されている。溝160の横方向Xの幅は、2つの溝140(図12A参照)のそれぞれの横方向Xの幅よりも大きい。図13Aの溝160の横方向Xの幅は、例えば図12Aの横方向Xに隣り合う2つの溝140を横方向Xに結んだ距離と等しい。溝160は、その底面161が半導体素子10の素子主面11よりも素子裏面12の近くに位置するように形成される。封止樹脂100には、溝160によって、厚さ方向Zにおける絶縁層110寄りの部分である第1樹脂部分100Aが形成される。また、封止樹脂100には、溝160によって、第1樹脂部分100Aの第1樹脂側面100xaが形成される。
【0068】
素子埋込工程では、金型内に封止樹脂100の材料と、半導体素子10とを配置した後、コンプレッション成形を行う。封止樹脂100の材料は、黒色のエポキシ樹脂を含む材料が用いられる。この工程では、半導体素子10の素子主面11寄りの部分が封止樹脂100に埋め込まれ、素子裏面12及び素子裏面12に形成された複数の電極14が封止樹脂100の樹脂裏面100bsから露出するように、半導体素子10が封止樹脂100に埋め込まれる。例えばコンプレッション成形の金型によって半導体素子10を封止樹脂100に埋め込む工程と同時に溝160を形成してもよい。また、溝160は、コンプレッション成形によって半導体素子10を封止樹脂100に埋め込んだ後、ダイシングによって溝160を形成してもよい。
【0069】
次に、図13Bに示すように、絶縁層形成工程では、封止樹脂100の樹脂裏面100bsに積層され、かつ半導体素子10の素子裏面12及び複数の電極14を覆う絶縁層110を形成する。絶縁層110の一部は、溝160に入り込む。これにより、第1樹脂部分100Aの第1樹脂側面100xaは、絶縁層110の一部によって覆われる。絶縁層110の材料は、熱硬化性の合成樹脂、及び後述する複数の配線120の一部を組成する金属元素が含有された添加剤を含む材料からなる。絶縁層110の合成樹脂は、例えばエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂である。絶縁層110は、コンプレッション成形によって形成される。
【0070】
次に、図13Cに示すように、側面形成工程では、絶縁層110及び封止樹脂100のうちの隣り合う半導体素子10の間の部分に分離溝170を形成する。分離溝170は、ダイシングによって形成される。分離溝170は、連結部103に形成された溝160(図13A参照)に入り込んだ絶縁層110をダイシングすることによって形成される。分離溝170を形成するダイシングブレードの横方向Xの厚さは、溝160を形成するダイシングブレードの横方向Xの厚さよりも薄い。このため、分離溝170の横方向Xの幅は、溝160の横方向Xの幅よりも小さい。また、分離溝170は、その底面171が溝160の底面161(図13A参照)と面一となるように形成される。これにより、絶縁層110は、封止樹脂100の樹脂裏面100bs及び半導体素子10の素子裏面12及び複数の電極14を覆う第1被覆部116と、封止樹脂100の第1樹脂側面100xaを覆う第2被覆部117とを有する。また絶縁層110には、分離溝170によって、側面113が形成される。側面113は、第2被覆部117の側面である。側面113は、厚さ方向Zにおいて封止樹脂100の第1樹脂側面100xaの全体にわたり形成される。なお、分離溝170の横方向Xの幅及び厚さ方向Zの深さは、分離溝150(図12C参照)の横方向Xの幅及び厚さ方向Zの深さとそれぞれ等しい。
【0071】
次に、図13Dに示すように、配線形成工程では、上記図12Dに示す配線形成工程と同様に複数の配線120を形成する。図13Dでは、複数の配線120は、第1被覆部116及び第2被覆部117にわたり形成される。複数の配線120は、厚さ方向Zにおいて第2被覆部117の全体にわたり形成される。複数の配線120は、変更例の半導体装置1Aの複数の配線40に相当する。
【0072】
図13Eに示すように、切断工程では、上記図12Eに示す配線形成工程と同様に、絶縁層110及び封止樹脂100を例えば切断線CLに沿ってダイシングブレードなどで切断することによって、複数の個片に分割する。この場合、図13Eに示すように、切断線CLは、分離溝170内かつ分離溝170を構成する内側面よりも外方に位置している。具体的には、ダイシングブレードが第2被覆部117に形成された配線120と接触しないように、ダイシングブレードの位置及びダイシングブレードの横方向Xの厚さが設定される。すなわち、封止樹脂100を切断するダイシングブレードの横方向Xの厚さは、分離溝170を形成するダイシングブレードの横方向Xの厚さよりも薄い。ダイシングブレードによって封止樹脂100が切断されることによって、封止樹脂100には、第1樹脂部分100Aが窪む段差101と、厚さ方向Zにおいて段差101に対して第1樹脂部分100Aとは反対側の部分である第2樹脂部分100Bとが形成される。また封止樹脂100が切断されることによって、第2樹脂部分100Bの第2樹脂側面100xbが形成される。
【0073】
分割された複数の個片はそれぞれ、1つの半導体素子10と、半導体素子10に繋がる複数の配線120とを含む。切断工程によって個片となった封止樹脂100及び絶縁層110が半導体装置1Aの封止樹脂20及び絶縁層30に相当する。以上の工程を経ることによって、半導体装置1Aが製造される。
【0074】
この構成によれば、図12A図12Eの半導体装置1Aの製造方法と同様の効果が得られる。加えて、図12A図12Eの半導体装置1Aの製造方法の素子埋込工程において、1つの連結部103あたりの溝140をダイシングブレードで形成する場合ではダイシングブレードの走査ライン数が2ラインであったが、溝160をダイシングブレードで形成する場合にダイシングブレードの走査ライン数が1ラインとなり、ライン数を低減できる。このため、素子埋込工程を簡略化できる。
【0075】
図10の変更例において、絶縁層30の第2被覆部36の厚さTC2は任意に変更可能である。一例では、厚さTC2は、封止樹脂20の第1樹脂部分20Aの第1樹脂側面23aと第2樹脂部分20Bの第2樹脂側面23bとの間の距離以上であってもよい。すなわち、絶縁層30の側面33(第2被覆部36の側面)が第2樹脂側面23bと面一であってもよいし、側面33(第2被覆部36の側面)が第2樹脂側面23bよりも外方に突出するように絶縁層30が設けられてもよい。
【0076】
・上記実施形態及び変更例において、絶縁層30の第2被覆部36の厚さ方向Zの長さは任意に変更可能である。第2被覆部36は、第1樹脂部分20Aの第1樹脂側面23aのうちの厚さ方向Zの樹脂裏面22側の一部を覆う構成であってもよい。
【0077】
・上記実施形態において、1層構造の絶縁層30に代えて、複数層構造の絶縁層を用いてもよい。図14に示す半導体装置1Bは、厚さ方向Zにおいて互いに積層された第1絶縁層30A及び第2絶縁層30Bを有する。第1絶縁層30Aと第2絶縁層30Bは、この順番で封止樹脂20に積層されている。第1絶縁層30Aは、第2絶縁層30Bよりも半導体素子10の近くに配置されている。第1絶縁層30Aは、封止樹脂20及び半導体素子10の素子裏面12及び複数の電極14を覆っている。第1絶縁層30Aには、金属膜からなる複数の第1配線40Aが設けられている。第2絶縁層30Bには、金属膜からなる複数の第2配線40Bが設けられている。
【0078】
第1絶縁層30Aは、熱硬化性の合成樹脂、及び複数の第1配線40Aの一部を組成する金属元素が含有された添加剤を含む材料からなる。第2絶縁層30Bは、熱硬化性の合成樹脂、及び複数の第2配線40Bの一部を組成する金属元素が含有された添加剤を含む材料からなる。第1絶縁層30A及び第2絶縁層30Bの熱硬化性の合成樹脂は、例えばエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂である。第1絶縁層30A及び第2絶縁層30Bは、互いに同一の材料であることが好ましい。
【0079】
第1絶縁層30Aは、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向く第1主面31a及び第1裏面32a、並びに第1主面31aと第1裏面32aとの厚さ方向Zの間に形成された第1側面33aを有する。第1主面31aは、絶縁層30の主面31を構成している。第1側面33aは、絶縁層30の側面33の一部を構成している。
【0080】
第1絶縁層30Aは、第1絶縁層30Aの第1裏面32aから厚さ方向Zに向けて凹む第1裏面側溝34XAと、第1絶縁層30Aの第1側面33aから厚さ方向Zに直交する方向(第1絶縁層30Aの厚さ方向)に向けて凹む第1側面側溝34ZAとを含む第1溝34dを有する。第1裏面側溝34XAの幅方向及び厚さ方向Zに沿う平面で第1裏面側溝34XAを切った場合の断面構造は、上記実施形態の裏面側溝34Xの幅方向及び厚さ方向Zに沿う平面で裏面側溝34Xを切った場合の断面構造と同様である。図14に示すとおり、厚さ方向Zからみて、第1裏面側溝34XAは、半導体素子10の電極14と重なるように設けられている。第1裏面側溝34XAは、第1裏面32aにおける半導体素子10の電極14よりも内方部分から半導体素子10よりも外方部分かつ第1側面33aよりも内方部分までにわたり形成されている。
【0081】
複数の第1裏面側溝34XAのうちの厚さ方向Zにおいて半導体素子10の電極14と重なっている部分には、電極14に連通する孔34cdが形成されている。孔34cdを構成する内側面は、第1絶縁層30Aの第1主面31a(絶縁層30の主面31)から第1裏面32aまでにわたり孔34cdの内径が拡径するように傾斜している。孔34cdを構成する内側面の形状は、上記実施形態の孔34cを構成する内側面の形状と同様である。
【0082】
第1側面側溝34ZAは、第1裏面側溝34XAと繋がっていない。複数の第1裏面側溝34XAのうちの横方向Xに延びる第1裏面側溝34XAに対応する第1側面側溝34ZAは、横方向Xからみて、横方向Xに延びる第1裏面側溝34XAと重なっている。横方向Xに延びる第1裏面側溝34XAに対応する第1側面側溝34ZAは、横方向Xに延びる第1裏面側溝34XAと横方向Xに離間している。複数の第1裏面側溝34XAのうちの横方向Xに延びる第1裏面側溝34XAに対応する第1側面側溝34ZAは、横方向Xからみて、横方向Xに延びる第1裏面側溝34XAと重なっている。第1絶縁層30Aの第1側面33aのうちの第1側面側溝34ZAが形成されている部分は、第1樹脂部分20Aの第1樹脂側面23aよりも内方に位置している。また第1絶縁層30Aの第1側面33aのうちの第1側面側溝34ZAが形成されていない部分は、第1樹脂側面23aと面一となる。横方向Xに延びる第1裏面側溝34XAに対応する第1側面側溝34ZAは、横方向Xに延びる第1裏面側溝34XAと横方向Xに離間している。第1側面側溝34ZAは、厚さ方向Zにおいて、第1絶縁層30Aの第1側面33aの全体にわたり形成されている。第1側面側溝34ZAの幅方向、及び第1側面33a及び幅方向と直交する方向に沿う平面で第1側面側溝34ZAを切った場合の断面構造は、上記実施形態の側面側溝34Zの幅方向、及び側面33及び幅方向と直交する方向に沿う平面で側面側溝34Zを切った場合の断面構造と同様である。
【0083】
複数の第1配線40Aはそれぞれ、第1埋込部41a及び第1再配線部42aを有する。第1埋込部41aの少なくとも一部は、第1絶縁層30Aに埋め込まれている。図14では、第1埋込部41aの全てが第1絶縁層30Aに埋め込まれている。第1埋込部41aは、孔34cdに埋め込まれている。第1埋込部41aは、半導体素子10の電極14に繋がっている。第1再配線部42aは、第1裏面32aに設けられ、第1埋込部41aに繋がっている。第1再配線部42aは、第1溝34dに接している。より詳細には、第1再配線部42aは、第1裏面側溝34XAに接する第1裏面側再配線部42XAと、第1側面側溝34ZAに接する第1側面側再配線部42ZAとを有する。第1裏面側再配線部42XAは、第1側面側再配線部42ZAと繋がっていない。図14では、第1裏面側再配線部42XAは、第1裏面側溝34XAが延びる方向において第1裏面側溝34XAの全体にわたり接している。このため、第1裏面側再配線部42XAは、半導体素子10よりも外方に位置する部分を含む。
【0084】
第2絶縁層30Bは、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向く第2主面31b及び第2裏面32b、並びに第2主面31bと第2裏面32bとの厚さ方向Zの間に形成された第2側面33bを有する。第2主面31bは、第1絶縁層30Aの第1裏面32aと接触している。第2裏面32bは、絶縁層30の裏面32を構成している。第2側面33bは、絶縁層30の側面33の一部を構成している。
【0085】
第2絶縁層30Bは、第2絶縁層30Bの第2裏面32bから厚さ方向Zに向けて凹む第2裏面側溝34XBと、第2絶縁層30Bの第2側面33bから厚さ方向Zに直交する方向(第2絶縁層30Bの厚さ方向)に向けて凹む第2側面側溝34ZBとを含む第2溝34eを有する。第2裏面側溝34XBの幅方向及び厚さ方向Zに沿う平面で第2裏面側溝34XBを切った場合の断面構造は、上記実施形態の裏面側溝34Xの幅方向及び厚さ方向Zに沿う平面で裏面側溝34Xを切った場合の断面構造と同様である。図14に示すとおり、厚さ方向Zからみて、第2裏面側溝34XBは、第1絶縁層30Aの第1溝34dと重なるように設けられている。第2裏面側溝34XBは、第2裏面32bにおいて第1溝34dの孔34cdよりも内方部分から第1溝34dの外方部分までにわたり形成されている。
【0086】
複数の第2裏面側溝34XBのうちの厚さ方向Zにおいて第2裏面側溝34XBの孔34cdと重なっている部分には、第2裏面側溝34XBに連通する孔34ceが形成されている。孔34ceを構成する内側面には、第2絶縁層30Bの第2主面31bから第2裏面側溝34XBまでにわたりテーパが形成されている。孔34ceのテーパ形状は、上記実施形態の孔34cのテーパ形状と同様である。
【0087】
第2側面側溝34ZBは、第2裏面側溝34XBと繋がっている。第2側面側溝34ZBは、厚さ方向Zにおいて第2側面33bの全体にわたり形成されている。第2絶縁層30Bの第2側面33bのうちの第2側面側溝34ZBが形成されている部分は、第1樹脂部分20Aの第1樹脂側面23aよりも内方に位置している。第2側面側溝34ZBは、第1絶縁層30Aの第1側面側溝34ZAと面一になる。また第2絶縁層30Bの第2側面33bのうちの第2側面側溝34ZBが形成されていない部分は、第1樹脂側面23aと面一となる。第2側面側溝34ZBは、第1側面側溝34ZAと繋がっている。第2側面側溝34ZBの幅方向、及び第2側面33b及び幅方向と直交する方向に沿う平面で第2側面側溝34ZBを切った場合の断面構造は、上記実施形態の側面側溝34Zの幅方向、及び側面33及び幅方向と直交する方向に沿う平面で側面側溝34Zを切った場合の断面構造と同様である。
【0088】
複数の第2配線40Bはそれぞれ、第2埋込部41b及び第2再配線部42bを有する。第2埋込部41bの少なくとも一部は、第2絶縁層30Bに埋め込まれている。図14では、第2埋込部41bの全てが第2絶縁層30Bに埋め込まれている。第2埋込部41bは、孔34ceに埋め込まれている。第2埋込部41bは、第1絶縁層30Aの第1裏面側再配線部42XAと繋がっている。第2再配線部42bは、第2裏面32bに設けられ、第2埋込部41bに繋がっている。第2再配線部42bは、半導体素子10よりも外方に位置している。第2再配線部42bは、第1再配線部42aよりも外方に位置する部分を含む。第2再配線部42bは、第2裏面32bに設けられた第2裏面側再配線部42XBと、第2絶縁層30Bの第2側面33bに設けられた第2側面側再配線部42ZBとを有する。第2裏面側再配線部42XBは、第2側面側再配線部42ZBと繋がっている。図14では、第2裏面側再配線部42XBと第2側面側再配線部42ZBとが一体に形成されている。なお、第1絶縁層30A及び第2絶縁層30Bが同一材料によって形成される場合、第1側面側再配線部42ZAと第2側面側再配線部42ZBとが繋がっていることにより、第1側面側再配線部42ZAは、第2再配線部42bの一部とみなすこともできる。このため、第2再配線部42bは、厚さ方向Zにおいて、第2絶縁層30Bの第2裏面32bから第1絶縁層30Aの第1側面33a及び第2絶縁層30Bの第2側面33bまでにわたり延びていると言える。この場合、第1再配線部42aは、第1絶縁層30Aの第1裏面32aのみに形成されていると言える。
【0089】
第2再配線部42bは、第2溝34eに接している。より詳細には、第2裏面側再配線部42XBは、第2裏面側溝34XBに接している。第2側面側再配線部42ZBは、第2側面側溝34ZBに接している。図14では、第2側面側再配線部42ZBは、厚さ方向Zにおいて第2側面側溝34ZBの全体にわたり接している。すなわち第2側面側再配線部42ZBは、厚さ方向Zにおいて第2側面33bの全体にわたり形成されている。第2側面側再配線部42ZBは、第1絶縁層30Aに設けられた第1側面側再配線部42ZAと繋がっている。図14では、第2側面側再配線部42ZBと第1側面側再配線部42ZAとが一体に形成されている。
【0090】
なお、複数の第1配線40Aのそれぞれの第1埋込部41a及び第1再配線部42aの形成方法、及び複数の第2配線40Bのそれぞれの第2埋込部41b及び第2再配線部42bの形成方法は、上記実施形態の複数の配線40のそれぞれの埋込部41及び再配線部42の形成方法と同様である。すなわち、第1埋込部41a、第1再配線部42a、第2埋込部41b、及び第2再配線部42bはそれぞれ、下地層43及びめっき層44(ともに図5参照)を有する金属膜からなる。
【0091】
半導体装置1Bの製造方法は、上記実施形態の半導体装置1の製造方法と比較して、絶縁層形成工程、側面形成工程、及び配線形成工程において異なる。詳細には、半導体装置1Bの製造方法は、第1絶縁層30Aを形成する第1絶縁層形成工程と、第1配線40Aの第1裏面側再配線部42XAを形成する第1配線形成工程と、第2絶縁層30Bを形成する第2絶縁層形成工程と、第2配線40Bと第1配線40Aの第1側面側再配線部42ZAを形成する第2配線形成工程とを有する。半導体装置1Bの製造方法では、素子埋込工程、第1絶縁層形成工程、第1配線形成工程、第2絶縁層形成工程、側面形成工程、第2配線形成工程、及び切断工程の順に実施される。このように、側面形成工程では、第1絶縁層30Aの第1側面33a及び第2絶縁層30Bの第2側面33bが形成される。そして、第2配線形成工程において、第1配線40Aの第1側面側再配線部42ZAと第2配線40Bの第2側面側再配線部42ZBとが形成される。
【0092】
この構成によれば、第1絶縁層30A及び第2絶縁層30Bからなる複数層構造となるため、複数の第1配線40A及び複数の第2配線40Bを厚さ方向Zにおいて複数層配置させることができる。このため、厚さ方向Zからみて、複数の第2配線40Bの第2裏面側再配線部42XBは、複数の第1配線40Aの第1裏面側再配線部42XAに重なる配置形態を取ることができる。したがって、1層の絶縁層の場合と比較して、複雑な配線パターンを取ることができる。
【0093】
加えて、半導体装置1Bを配線基板CBに半田SD(ともに図9参照)によって実装する場合、第1絶縁層30Aの第1側面側再配線部42ZA及び第2絶縁層30Bの第2側面側再配線部42ZBのそれぞれに半田SDが接合されることによって、半田フィレットSD1(図9参照)が大きくなる。したがって、半田フィレットSD1が封止樹脂20の段差24から露出し易くなるため、配線基板CBへの半導体装置1Bの実装状態を確認し易くなる。
【0094】
図14の変更例の半導体装置1Bにおいて、第1側面側再配線部42ZAの厚さ方向Zの長さは任意に変更可能である。一例では、第1側面側再配線部42ZAは、第2絶縁層30Bの第2裏面32bから第1絶縁層30Aの第1側面33aの厚さ方向Zの一部までにわたり形成されてもよい。この場合、第1絶縁層30Aの第1側面側溝34ZAは、第1絶縁層30Aの第1裏面32aから第1側面33aの厚さ方向Zの一部までにわたり形成される。
【0095】
また、図15に示す半導体装置1Cのように、第1側面側再配線部42ZAを省略してもよい。すなわち第2側面側再配線部42ZBのみが形成される。この場合、第1絶縁層30Aの第1側面側溝34ZAは形成されない。このため、第1絶縁層30Aの第1側面33aは、第1樹脂部分20Aの第1樹脂側面23aと面一である。
【0096】
図15の変更例の半導体装置1Cにおいて、第1絶縁層30Aを構成する樹脂材料は、任意に変更可能である。例えば、第1絶縁層30Aは、複数の第1配線40Aの一部を組成する金属元素が含有された添加剤を含まない材料であってもよい。この場合、レーザ加工による下地層を析出する方法に代えて、第1絶縁層30Aの第1裏面32aに金属薄膜からなる下地層を例えば蒸着してもよい。そして、下地層上にめっき層を形成することによって複数の第1配線40Aが形成される。
【0097】
図14及び図15の変更例の半導体装置1B,1Cにおいて、2層構造の絶縁層に代えて、3層構造以上の多層構造の絶縁層としてもよい。
・上記実施形態及び変更例において、絶縁層30の側面33の形状は任意に変更可能である。一例では、図16及び図17に示す半導体装置1Dのように、側面33は、厚さ方向Zに対して傾斜した傾斜面33xを含む。傾斜面33xは、絶縁層30の裏面32から主面31に向かうにつれて外方に向けて傾斜している。図16及び図17では、側面33は、傾斜面33xからなる。このため、傾斜面33xに形成される側面側再配線部42Zは、絶縁層30の裏面32から主面31に向かうにつれて外方に向けて傾斜している。なお、側面33の一部が傾斜面33xで構成されてもよい。なお、絶縁層30が2層構造以上の場合、側面側再配線部42Zが形成される絶縁層30の側面33に傾斜面33xが形成される。
【0098】
この構成によれば、絶縁層30の裏面32に対して垂直な方向(厚さ方向Z)に沿ってレーザを裏面32に照射することによって裏面側溝34Xを形成する場合、レーザの照射方向を変更せずに傾斜面33xにレーザを照射することによって傾斜面33xに側面側溝34Zを形成できる。したがって、裏面側溝34Xを形成するレーザの照射方向と、側面側溝34Zを形成するレーザの照射方向とが異なる場合と比較して、配線形成工程を簡素化できる。
【0099】
・上記実施形態及び変更例において、封止樹脂20から段差24を省略してもよい。この場合、封止樹脂20では、第1樹脂部分20A及び第2樹脂部分20Bの区分がなくなる。絶縁層30と封止樹脂20との間で段差が形成される。すなわち、絶縁層30と封止樹脂20との大きさの差によって封止樹脂20に対して絶縁層30が内側に窪む段差が形成される。このため、絶縁層30の側面33は、封止樹脂20の樹脂側面23よりも内方に位置している。このような構成の半導体装置の製造方法では、側面形成工程において、絶縁層110のみを切削して分離溝130が形成される。この分離溝130によって絶縁層110の側面113(絶縁層30の側面33)が形成される。そして切断工程では、封止樹脂100のみを厚さ方向Zに切断することによって、封止樹脂100と絶縁層110との間に段差、及び封止樹脂100の側面(封止樹脂20の樹脂側面23)を形成する。
【0100】
・上記実施形態及び変更例の半導体装置1,1A~1Dの製造方法において、複数の配線40(複数の第1配線40A及び複数の第2配線40B)を形成する方法は任意に変更可能である。第1例では、金属粒子を含んだインクで絶縁層30の裏面32及び側面33をそれぞれ印刷することによって複数の配線40が形成される。金属粒子を含んだインクで裏面32及び側面33をそれぞれ印刷する方法としては、例えば、インクを裏面32及び側面33に向けて噴射するインクジェット方式を用いることができる。第2例では、絶縁層30の裏面32上及び側面33上の全体にわたり金属膜を形成した後、金属膜のうちの複数の配線40が形成される箇所以外の部分を除去することによって複数の配線40が形成される。
<付記>
[付記1]
厚さ方向において互いに反対側を向く主面及び裏面、並びに前記主面と前記裏面との前記厚さ方向の間に形成された側面を有する絶縁層と、
前記絶縁層に少なくとも一部が埋め込まれた埋込部、及び前記裏面から前記側面までにわたり形成され、前記埋込部に繋がる金属膜からなる再配線部を有する複数の配線と、
前記複数の配線の前記埋込部の少なくとも一部に繋がる複数の電極を有し、前記主面に搭載される半導体素子と、
前記主面に接し、かつ前記半導体素子を覆う封止樹脂と、
を備えた、
半導体装置。
[付記2]
前記絶縁層は、熱硬化性の合成樹脂、及び前記複数の配線の一部を組成する金属元素が含有された添加剤を含む材料からなる
付記1に記載の半導体装置。
[付記3]
前記再配線部は、前記厚さ方向において前記絶縁層の前記側面の全体にわたり形成されている
付記1又は2に記載の半導体装置。
[付記4]
前記封止樹脂は、
前記厚さ方向において前記絶縁層寄りの部分であり、前記絶縁層の側面と同じ方向を向く第1側面を有する第1樹脂部分と、
前記厚さ方向において前記絶縁層と反対側の部分であり、前記厚さ方向と直交する方向において、前記第1樹脂部分よりも大きく形成され、前記第1側面と同じ方向を向く第2側面を有する第2樹脂部分と、
を備え、
前記第1樹脂部分の前記第1側面は、前記第2樹脂部分の前記第2側面よりも内方に位置している
付記1~3のいずれか一つに記載の半導体装置。
[付記5]
前記封止樹脂には、前記第1樹脂部分と前記第2樹脂部分との大きさの差によって前記封止樹脂の内側に窪む段差が形成されている
付記4に記載の半導体装置。
[付記6]
前記半導体素子は、互いに反対側を向く素子主面及び素子裏面を有し、
前記素子裏面に前記複数の電極が設けられ、
前記半導体素子は、前記素子裏面及び前記複数の電極が露出するように前記封止樹脂に埋め込まれており、
前記絶縁層は、前記半導体素子の前記素子裏面及び前記複数の電極を覆う第1被覆部と、前記第1樹脂部分の前記第1側面の少なくとも一部を覆う第2被覆部とを有し、
前記第2被覆部は、前記絶縁層の前記側面としての側面を有する
付記4又は5に記載の半導体装置。
[付記7]
前記絶縁層の前記側面は、前記厚さ方向に対して傾斜した傾斜面を含む
付記1~6のいずれか一つに記載の半導体装置。
[付記8]
前記絶縁層は、前記裏面から前記厚さ方向に向けて凹む裏面側溝と、前記側面から前記厚さ方向と直交する方向に向けて凹む側面側溝とを含む溝を有し、
前記再配線部は、前記溝に接している
付記1~7のいずれか一つに記載の半導体装置。
[付記9]
前記絶縁層は、熱硬化性の合成樹脂、及び前記複数の配線の一部を組成する金属元素が含有された添加剤を含む材料からなり、
前記再配線部は、前記溝に接する下地層と、前記下地層を覆うめっき層と、を有し、
前記下地層は、前記添加剤に含有された前記金属元素によって組成されている
付記8に記載の半導体装置。
[付記10]
前記めっき層は、前記めっき層の厚さ方向に向けて凹む凹部を有する
付記9に記載の半導体装置。
[付記11]
前記凹部は、前記再配線部の延びる方向に沿って延びている
付記10に記載の半導体装置。
[付記12]
厚さ方向において互いに反対側を向く第1主面及び第1裏面、並びに前記第1主面と前記第1裏面との前記厚さ方向の間に形成された第1側面を有する第1絶縁層と、
前記厚さ方向において前記第1絶縁層に積層され、前記厚さ方向において互いに反対側を向く第2主面及び第2裏面、並びに前記第2主面と前記第2裏面との前記厚さ方向の間に形成された第2側面を有する第2絶縁層と、
前記第1絶縁層に少なくとも一部が埋め込まれた第1埋込部と、
前記第1絶縁層の少なくとも前記第1裏面に形成され、かつ前記第1埋込部に繋がる金属膜からなる第1再配線部と、
前記第2絶縁層に少なくとも一部が埋め込まれ、前記第1再配線部に繋がる第2埋込部と、
前記第2裏面から前記第2側面までにわたり形成され、かつ前記第2埋込部に繋がる金属膜からなる第2再配線部と、
前記第1埋込部の少なくとも一部に繋がる電極を有し、前記第1主面に搭載される半導体素子と、
前記第1主面に接し、かつ前記半導体素子を覆う封止樹脂と、
を備えた、
半導体装置。
[付記13]
前記第1再配線部は、前記第1裏面に形成された第1裏面側再配線部と、前記第1裏面側再配線部と離間した状態で前記第1側面に形成された第1側面側再配線部と、を有し、
前記第1裏面側再配線部は、前記第2埋込部と繋がり、
前記第1側面側再配線部は、前記第2再配線部と繋がっている
付記12に記載の半導体装置。
[付記14]
前記厚さ方向からみて、前記第2再配線部は、前記第1再配線部と重なる部分を含む
付記12又は13に記載の半導体装置。
[付記15]
前記第2絶縁層は、熱硬化性の合成樹脂、及び前記第2埋込部の一部及び前記第2再配線部の一部をそれぞれ組成する金属元素が含有された添加剤を含む材料からなる
付記12~14のいずれか一つに記載の半導体装置。
[付記16]
前記第1絶縁層は、熱硬化性の合成樹脂、及び前記第1埋込部の一部及び前記第1再配線部の一部をそれぞれ組成する金属元素が含有された添加剤を含む材料からなる
付記15に記載の半導体装置。
[付記17]
前記第1絶縁層は、前記第1絶縁層の前記第1裏面から前記厚さ方向に向けて凹む第1溝を有し、
前記第2絶縁層は、前記第2絶縁層の前記第2裏面から前記厚さ方向に向けて凹む第2裏面側溝と、前記第2絶縁層の前記第2側面から前記第2側面と直交する方向に向けて凹む第2側面側溝とを含む第2溝を有し、
前記第1再配線部は、前記第1溝に接しており、
前記第2再配線部は、前記第2溝に接している
付記12~16のいずれか一つに記載の半導体装置。
[付記18]
前記第1溝は、前記第1絶縁層の前記第1裏面から前記厚さ方向に向けて凹む第1裏面側溝と、前記第1絶縁層の前記第1側面から前記第1側面と直交する方向に向けて凹む第1側面側溝とを含み、
前記第1再配線部は、前記第1裏面側溝に接している第1裏面側再配線部と、前記第1側面側溝に接しており、前記第1裏面側再配線部とは繋がらない第1側面側再配線部とを有し、
前記第2再配線部は、前記第2裏面側溝に接しており、前記第1裏面側再配線部と繋がっている第2裏面側再配線部と、前記第1側面側溝に接しており、前記第2裏面側再配線部及び前記第1側面側再配線部のそれぞれに繋がっている第2側面側再配線部とを有する
付記17に記載の半導体装置。
[付記19]
半導体素子を、樹脂裏面から前記半導体素子の厚さ方向の一方に設けられた電極が露出するように封止樹脂に埋め込む素子埋込工程と、
前記封止樹脂の前記樹脂裏面及び前記電極を覆う主面及び前記主面と反対側を向く裏面とを有する絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層に前記裏面と交差する側面を形成する側面形成工程と、
前記絶縁層に埋め込まれ、かつ前記電極に繋がる埋込部、及び前記裏面から前記側面までにわたる再配線部を形成する配線形成工程と、
を備えた、
半導体装置の製造方法。
[付記20]
前記絶縁層は、熱硬化性の合成樹脂、及び前記埋込部の一部及び前記再配線部の一部をそれぞれ組成する金属元素が含有された添加剤を含む材料からなり、
前記配線形成工程は、
前記電極の位置を画像認識しつつ、前記電極を露出させる孔と、前記絶縁層の前記裏面及び前記側面から凹み、かつ前記孔に繋がる溝をレーザによって前記絶縁層に形成することによって、前記孔を構成する内側面、及び前記溝を覆う下地層を析出させる下地層形成工程と、
前記下地層を覆うめっき層を形成するめっき層形成工程と、を含む
付記19に記載の半導体装置の製造方法。
[付記21]
前記めっき層形成工程では、無電解めっきによって前記めっき層が形成される
付記20に記載の半導体装置の製造方法。
[付記22]
前記素子埋込工程では、前記封止樹脂に複数の半導体素子を埋め込み、
前記絶縁層形成工程では、前記複数の半導体素子を覆う前記絶縁層を形成し、
前記側面形成工程では、前記絶縁層形成工程の後、かつ前記配線形成工程の前において、前記絶縁層のうちの隣り合う前記半導体素子の間の部分を前記厚さ方向に切断し、かつ前記封止樹脂のうちの隣り合う前記半導体素子の間の部分の前記厚さ方向の一部を切削することによって分離溝を形成し、
前記配線形成工程の後、前記封止樹脂のうちの隣り合う前記半導体素子の間の部分を切断することによって複数の半導体装置を形成する切断工程を備える
付記19~21のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
[付記23]
前記側面形成工程では、前記分離溝によって、前記厚さ方向における前記絶縁層寄りの部分である第1樹脂部分の第1樹脂側面が形成され、
前記切断工程では、
前記分離溝の底面から前記封止樹脂を前記厚さ方向に切断することによって、前記封止樹脂には、前記第1樹脂部分が窪む段差と、
前記厚さ方向において前記段差に対して前記第1樹脂部分とは反対側の部分である第2樹脂部分の第2樹脂側面と、が形成される
付記22に記載の半導体装置の製造方法。
[付記24]
前記再配線部のうちの前記絶縁層の前記側面に形成された側面側再配線部は、前記第2樹脂部分の前記第2樹脂側面よりも内方に位置している
付記23に記載の半導体装置の製造方法。
[付記25]
前記配線形成工程では、金属粒子を含んだインクで前記裏面及び前記側面をそれぞれ印刷することによって前記埋込部及び前記再配線部がそれぞれ形成される
付記19に記載の半導体装置の製造方法。
[付記26]
前記配線形成工程では、前記絶縁層上に金属膜を形成した後、前記金属膜のうちの前記埋込部以外の部分及び前記再配線部以外の部分を除去することによって前記埋込部及び前記再配線部がそれぞれ形成される
付記19に記載の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0101】
1,1A~1D…半導体装置
10…半導体素子
11…素子主面
12…素子裏面
14…複数の電極
20…封止樹脂
20A…第1樹脂部分
20B…第2樹脂部分
22…樹脂裏面
23a…第1樹脂側面(第1樹脂部分の側面)
23b…第2樹脂側面(第2樹脂部分の側面)
24…段差
30…絶縁層
30A…第1絶縁層
30B…第2絶縁層
31…主面
31a…第1主面
31b…第2主面
32…裏面
32a…第1裏面
32b…第2裏面
33…側面
33a…第1側面
33b…第2側面
33x…傾斜面
34…溝
34X…裏面側溝
34XA…第1裏面側溝
34XB…第2裏面側溝
34Z…側面側溝
34ZA…第1側面側溝
34ZB…第2側面側溝
34c…孔
34d…第1溝
34e…第2溝
35…第1被覆部
36…第2被覆部
40…配線
40A…複数の第1配線
40B…複数の第2配線
41…埋込部
41a…第1埋込部
41b…第2埋込部
42…再配線部
42a…第1再配線部
42b…第2再配線部
42X…裏面側再配線部
42XA…第1裏面側再配線部
42XB…第2裏面側再配線部
42Z…側面側再配線部
42ZA…第1側面側再配線部
42ZB…第2側面側再配線部
43…下地層
44…めっき層
45…凹部
100…封止樹脂
100A…第1樹脂部分
100xa…第1樹脂側面
100B…第2樹脂部分
100xb…第2樹脂側面
100bs…樹脂裏面
101…段差
110…絶縁層
111…主面
112…裏面
113…側面
114…孔
115…溝
115X…裏面側溝
115Z…側面側溝
116…第1被覆部
117…第2被覆部
120…配線
120A…下地層
120B…めっき層
121…埋込部
122…再配線部
122X…裏面側再配線部
122Z…側面側再配線部
130…分離溝
131…底面
150…分離溝
151…底面
Z…厚さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図8H
図8I
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14
図15
図16
図17