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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F16C 32/04 20060101AFI20240827BHJP
   F04D 29/048 20060101ALI20240827BHJP
   F04D 29/00 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
F16C32/04 A
F04D29/048
F04D29/00 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021533953
(86)(22)【出願日】2020-07-13
(86)【国際出願番号】 JP2020027209
(87)【国際公開番号】W WO2021015034
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】P 2019133914
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000127352
【氏名又は名称】株式会社イワキ
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鬼塚 敏樹
(72)【発明者】
【氏名】是枝 進一郎
(72)【発明者】
【氏名】亀井 利晃
(72)【発明者】
【氏名】関 拓哉
【審査官】松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-121157(JP,A)
【文献】特開2001-093967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 32/00
-32/06
F04D 29/048
F04D 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータと、
前記ロータを磁気力によって支持する磁気軸受と、
前記ロータを回転駆動する駆動機構と、
前記ロータに取り付けられたインペラを含むポンプ機構と、
前記磁気軸受を制御する制御部と
を備え、
前記磁気軸受は、
前記ロータに設けられた磁性材料からなる軸受ロータ部材と、
前記軸受ロータ部材と対向するように配置された軸受ステータ部材とを備え、
前記軸受ステータ部材は、
磁性材料からなるコアと、
前記コアに巻回されたコイルとを有し、
前記駆動機構は、
前記ロータにおける前記軸受ロータ部材の径方向に隣設された従動部材と、
前記従動部材と前記径方向に対向配置されて前記従動部材と磁気結合されて前記ロータを駆動する駆動部とを備え、
前記制御部は、
前記ロータの変位を検知可能に設けられた第1センサ部からの検知信号に基づき前記ロータの回転位置補正を行い、
前記軸受ステータ部材の前記コアは、その縦断面形状が
前記軸受ロータ部材との対向方向と直交する第1方向に延び前記コイルが巻回される第1部分と、
前記第1部分の前記第1方向の両端部から前記軸受ロータ部材側に延びたのち、前記第1方向に互いに近づく向きに延びる一対の第2部分と、
前記一対の第2部分の各先端部から前記軸受ロータ部材側に向けて延びる一対の第3部分とを有するように形成されている
ことを特徴とするポンプ。
【請求項2】
前記駆動部は、前記従動部材の前記径方向の内側に配置され、
前記軸受ステータ部材は、前記軸受ロータ部材の前記径方向の外側に複数配置され、前記軸受ロータ部材と前記径方向にそれぞれ対向する
ことを特徴とする請求項1記載のポンプ。
【請求項3】
ロータと、
前記ロータを磁気力によって支持する磁気軸受と、
前記ロータを回転駆動する駆動機構と、
前記ロータに取り付けられたインペラを含むポンプ機構と、
前記磁気軸受を制御する制御部と
を備え、
前記磁気軸受は、
前記ロータに設けられた磁性材料からなる軸受ロータ部材と、
前記軸受ロータ部材と対向するように配置された軸受ステータ部材とを備え、
前記軸受ステータ部材は、
磁性材料からなるコアと、
前記コアに巻回されたコイルとを有し、
前記駆動機構は、
前記ロータにおける前記軸受ロータ部材の径方向に隣設された従動部材と、
前記従動部材と前記径方向に対向配置されて前記従動部材と磁気結合されて前記ロータを駆動する駆動部とを備え、
前記制御部は、
前記ロータの変位を検知可能に設けられた第1センサ部からの検知信号に基づき前記ロータの回転位置補正を行い、
前記駆動部は、前記従動部材の前記径方向の外側に配置され、
前記軸受ステータ部材は、前記軸受ロータ部材の前記径方向の内側に複数配置され、前記軸受ロータ部材と前記径方向にそれぞれ対向する
ことを特徴とするポンプ。
【請求項4】
ロータと、
前記ロータを磁気力によって支持する磁気軸受と、
前記ロータを回転駆動する駆動機構と、
前記ロータに取り付けられたインペラを含むポンプ機構と、
前記磁気軸受を制御する制御部と
を備え、
前記磁気軸受は、
前記ロータに設けられた磁性材料からなる軸受ロータ部材と、
前記軸受ロータ部材と対向するように配置された軸受ステータ部材とを備え、
前記軸受ステータ部材は、
磁性材料からなるコアと、
前記コアに巻回されたコイルとを有し、
前記駆動機構は、
前記ロータにおける前記軸受ロータ部材の径方向に隣設された従動部材と、
前記従動部材と前記径方向に対向配置されて前記従動部材と磁気結合されて前記ロータを駆動する駆動部とを備え、
前記制御部は、
前記ロータの変位を検知可能に設けられた第1センサ部からの検知信号に基づき前記ロータの回転位置補正を行う、
ポンプにおいて、
前記駆動部を回転動作させる駆動モータの回転数を検知する第2センサ部と、
前記ロータの回転数を検知する第3センサ部とを備え、
前記制御部は、
前記第2及び第3センサ部からの検知信号に基づいて、前記駆動モータと前記ロータとの回転同期補正を行う
ことを特徴とするポンプ。
【請求項5】
ロータと、
前記ロータを磁気力によって支持する磁気軸受と、
前記ロータを回転駆動する駆動機構と、
前記ロータに取り付けられたインペラを含むポンプ機構と、
前記磁気軸受を制御する制御部と
を備え、
前記磁気軸受は、
前記ロータに設けられた磁性材料からなる軸受ロータ部材と、
前記軸受ロータ部材と対向するように配置された軸受ステータ部材とを備え、
前記軸受ステータ部材は、
磁性材料からなるコアと、
前記コアに巻回されたコイルとを有し、
前記駆動機構は、
前記ロータにおける前記軸受ロータ部材の径方向に隣設された従動部材と、
前記従動部材と前記径方向に対向配置されて前記従動部材と磁気結合されて前記ロータを駆動する駆動部とを備え、
前記制御部は、
前記ロータの変位を検知可能に設けられた第1センサ部からの検知信号に基づき前記ロータの回転位置補正を行い、
前記ポンプ機構は、
前記ロータを収容する収容空間を形成するケーシングと、
前記ケーシングの前記収容空間とは軸方向に反対側の部分に設けられ、前記ロータを所定の磁気力で引き付ける補助部材とを備える
ことを特徴とするポンプ。
【請求項6】
前記ロータは、
前記軸受ロータ部材及び前記従動部材を一体的に固定してなる軸受/従動アッシィと、
前記軸受/従動アッシィを内部に回転方向に移動が規制された状態で収容可能な収容部と、を有し、
前記軸受/従動アッシィは、
前記軸受ロータ部材と、前記軸受ロータ部材の径方向の内側又は外側に配置された前記従動部材と、前記軸受ロータ部材及び前記従動部材を、相互に回転方向の移動が規制された状態で結合する回転規制部材と、を有する
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項記載のポンプ。
【請求項7】
前記軸受ロータ部材は、
円環状の永久磁石と、
前記永久磁石を前記軸受ロータ部材との対向方向と直交する第1方向に挟み込むように配置された円環状の一対のヨークと、を有し、
前記従動部材は、
N極及びS極が前記ロータの周方向に交互に配置されるように径方向に着磁された複数の永久磁石を有し、
前記回転規制部材は、
前記軸受ロータ部材及び前記従動部材の間に介挿される円筒部と、前記軸受ロータ部材の前記第1方向の端面に当接すると共に、軸方向視の形状が真円形を除く外形を有するフランジ部と、を有し、
前記円筒部の内周面又は外周面には、前記従動部材の前記複数の永久磁石の周方向の境目の縁部に引っ掛かる爪部が形成され、
前記フランジ部の前記軸受ロータ部材の前記端面との当接面には、前記端面に設けられた凹部に嵌合する凸部が形成され、
前記収容部は、前記フランジ部の外形に合う形状に形成された嵌合部を有する
ことを特徴とする請求項記載のポンプ。
【請求項8】
前記制御部は、
前記検知信号を含む前記磁気軸受の状態を表す情報に基づいて、前記磁気軸受の異常を判断すると共に、判断結果に基づき前記駆動機構の動作を停止させる
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項記載のポンプ。
【請求項9】
前記駆動モータの回転軸に取り付けられて前記回転軸と共に回転する回転羽根と、
前記回転羽根と前記回転軸の軸方向に対向する位置に配置され、前記磁気軸受の前記軸受ステータ部材の前記コイルに励磁電流を供給する基板と、
を更に備えた
ことを特徴とする請求項記載のポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプ装置のインペラの荷重等を磁気力により非接触で支持する磁気軸受と、インペラに設けられた従動部材を磁気カップリングにより駆動する駆動部とを備えたポンプが知られている(例えば、特許文献1参照)。このポンプは、インペラのロータの外周にロータ部材としての軸受磁石を設け、ハウジングの内周の軸受磁石に対向する位置にステータ部材としての磁気コアを配置して磁気軸受を構成し、更に磁気コア間にバイアス磁石を配置することで、軸受磁石とバイアス磁石の相互作用力を非対称にしてインペラを一定の半径方向に付勢し、ロータを一定の位置に止めるようにすることで、ロータの周回運動を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-226390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来技術のポンプは、磁気軸受のステータ部材が単純な永久磁石と磁性材料により構成されているため、ポンプの負荷や移送流体の種類によっては軸受機構が破綻するおそれがあり、また、回転コイルに流す励磁電流等によって磁気力をコントロール可能な電磁石により構成されるものと比べると、ポンプの負荷等の運転状況に応じてロータの位置制御や姿勢制御等を含む回転制御を精度良く行うことが困難であるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ポンプの運転状況に応じたロータの回転制御を精度良く行うことができるポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るポンプは、ロータと、前記ロータを磁気力によって支持する磁気軸受と、前記ロータを回転駆動する駆動機構と、前記ロータに取り付けられたインペラを含むポンプ機構と、前記磁気軸受を制御する制御部とを備え、前記磁気軸受は、前記ロータに設けられた磁性材料からなる軸受ロータ部材と、前記軸受ロータ部材と対向するように配置された軸受ステータ部材とを備え、前記軸受ステータ部材は、磁性材料からなるコアと、前記コアに巻回されたコイルとを有し、前記駆動機構は、前記ロータにおける前記軸受ロータ部材の径方向に隣設された従動部材と、前記従動部材と前記径方向に対向配置されて前記従動部材と磁気結合されて前記ロータを駆動する駆動部とを備え、前記制御部は、前記ロータの変位を検知可能に設けられた第1センサ部からの検知信号に基づき前記ロータの回転位置補正を行うことを特徴とする。
【0007】
本発明の一実施形態において、前記軸受ステータ部材の前記コアは、その縦断面形状が、前記軸受ロータ部材との対向方向と直交する第1方向に延び前記コイルが巻回される第1部分と、前記第1部分の前記第1方向の両端部から前記軸受ロータ部材側に延びたのち、前記第1方向に互いに近づく向きに延びる一対の第2部分と、前記一対の第2部分の各先端部から前記軸受ロータ部材側に向けて延びる一対の第3部分とを有するように形成されている。
【0008】
本発明の他の実施形態において、前記駆動部は、前記従動部材の前記径方向の内側に配置され、前記軸受ステータ部材は、前記軸受ロータ部材の前記径方向の外側に複数配置され、前記軸受ロータ部材と前記径方向にそれぞれ対向する。
【0009】
本発明の更に他の実施形態において、前記駆動部は、前記従動部材の前記径方向の外側に配置され、前記軸受ステータ部材は、前記軸受ロータ部材の前記径方向の内側に複数配置され、前記軸受ロータ部材と前記径方向にそれぞれ対向する。
【0010】
本発明の更に他の実施形態において、前記駆動部を回転動作させる駆動モータの回転数を検知する第2センサ部と、前記ロータの回転数を検知する第3センサ部とを備え、前記制御部は、前記第2及び第3センサ部からの検知信号に基づいて、前記駆動モータと前記ロータとの回転同期補正を行う。
【0011】
本発明の更に他の実施形態において、前記ポンプ機構は、前記ロータを収容する収容空間を形成するケーシングと、前記ケーシングの前記収容空間とは軸方向に反対側の部分に設けられ、前記ロータを所定の磁気力で引き付ける補助部材とを備える。
【0012】
本発明の更に他の実施形態において、前記ロータは、前記軸受ロータ部材及び前記従動部材を一体的に固定してなる軸受/従動アッシィと、前記軸受/従動アッシィを内部に回転方向に移動が規制された状態で収容可能な収容部と、を有し、前記軸受/従動アッシィは、前記軸受ロータ部材と、前記軸受ロータ部材の径方向の内側又は外側に配置された前記従動部材と、前記軸受ロータ部材及び前記従動部材を、相互に回転方向の移動が規制された状態で結合する回転規制部材と、を有する。
【0013】
本発明の更に他の実施形態において、前記軸受ロータ部材は、円環状の永久磁石と、前記永久磁石を前記第1方向に挟み込むように配置された円環状の一対のヨークと、を有し、前記従動部材は、N極及びS極が前記ロータの周方向に交互に配置されるように径方向に着磁された複数の永久磁石を有し、前記回転規制部材は、前記軸受ロータ部材及び前記従動部材の間に介挿される円筒部と、前記軸受ロータ部材の前記第1方向の端面に当接すると共に、軸方向視の形状が真円形を除く外形を有するフランジ部と、を有し、前記円筒部の内周面又は外周面には、前記従動部材の前記複数の永久磁石の周方向の境目の縁部に引っ掛かる爪部が形成され、前記フランジ部の前記軸受ロータ部材の前記端面との当接面には、前記端面に設けられた凹部に嵌合する凸部が形成され、前記収容部は、前記フランジ部の外形に合う形状に形成された嵌合部を有する。
【0014】
本発明の更に他の実施形態において、前記制御部は、前記検知信号を含む前記磁気軸受の状態を表す情報に基づいて、前記磁気軸受の異常を判断すると共に、判断結果に基づき前記駆動機構の動作を停止させる。
【0015】
本発明の更に他の実施形態において、前記駆動モータの回転軸に取り付けられて前記回転軸と共に回転する回転羽根と、前記回転羽根と前記回転軸の軸方向に対向する位置に配置され、前記磁気軸受の前記軸受ステータ部材の前記コイルに励磁電流を供給する基板と、を更に備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ポンプの運転状況に応じたロータの回転制御を精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施形態に係るポンプの全体構成を、一部を省略して概略的に示す縦断面図である。
図2図1のM-M´線断面図である。
図3】同ポンプの磁気軸受を概略的に示す拡大縦断面図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係るポンプの全体構成を、一部を省略して概略的に示す縦断面図である。
図5】本発明の第3の実施形態に係るポンプの全体構成を、一部を省略して概略的に示す縦断面図である。
図6】本発明の第4の実施形態に係るポンプの全体構成を、一部を省略して概略的に示す縦断面図である。
図7】同ポンプの磁気軸受を概略的に示す縦断面図である。
図8】本発明の第5の実施形態に係るポンプの全体構成を、一部を省略して概略的に示す縦断面図である。
図9】本発明の第6の実施形態に係るポンプの全体構成を、一部を省略して概略的に示す縦断面図である。
図10】本発明の第7の実施形態に係るポンプの全体構成を概略的に示す斜視図である。
図11】同ポンプの回路構成を示すブロック図である。
図12】本発明の第8の実施形態に係るポンプの全体構成を、一部を省略して概略的に示す縦断面図である。
図13】本発明の第9の実施形態に係るポンプのロータの全体構成を、一部を切り欠いて概略的に示す斜視図である。
図14】同ロータに含まれる軸受/従動アッシィの全体構成を、一部を切り欠いて概略的に示す分解斜視図である。
図15】同軸受/従動アッシィの全体構成を、一部を切り欠いて概略的に示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態に係るポンプを詳細に説明する。ただし、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、以下の実施形態において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を附して重複した説明を省略する。また、実施形態においては、各構成要素の縮尺や寸法が実際のものとは一致しない状態で示されている場合や、一部の構成要素につき省略されて示されている場合があるとする。
【0019】
[第1の実施形態]
[ポンプの構成]
図1は、第1の実施形態に係るポンプ100の全体構成を、一部を省略して概略的に示す縦断面図である。図2は、図1のM-M´線断面図、図3は、ポンプ100の磁気軸受110を概略的に示す拡大縦断面図である。
【0020】
図1に示すように、第1の実施形態に係るポンプ100は、流体移送用のマグネットポンプとして用いられ、ロータ120と、このロータ120を磁気力により非接触で支持する磁気軸受110と、ロータ120を回転駆動する磁気カップリング型の駆動機構130と、ロータ120に取り付けられたインペラ122を含むポンプ機構と、少なくとも磁気軸受110を制御可能な制御部としてのコントローラ160と備える。
【0021】
なお、以後の説明では、ロータ120の回転軸(Z軸)方向をZ軸方向(アキシャル方向、Z方向とも呼ぶ。)、ロータ120の径方向をX軸方向及びY軸方向(ラジアル方向、X方向及びY方向とも呼ぶ。)、Z軸(回転軸)周りの回転方向をΨ方向、X軸回りの回転方向をΘ方向、Y軸回りの回転方向をΦ方向とそれぞれ呼ぶことにする。また、X軸、Y軸及びZ軸は互いに直交するものとする。また、紙面に向かって右側をポンプ100の前方側、左側を後方側とする。
【0022】
ポンプ100は、全体が円筒状に形成され、Z軸方向の一方にフロントケーシング141を有する。フロントケーシング141は、内部にポンプ室A1を形成し、前方中央部にポンプ室A1に連通する円筒状の吸込口151を有し、側面に同じくポンプ室A1に連通する吐出口152を有する。フロントケーシング141の後端にはリアケーシング142が接続されている。リアケーシング142は、フロントケーシング141と共にポンプ室A1を含む密閉空間Aを形成する。また、リアケーシング142は、後方に突出した環状空間(収容空間)A2を形成する。このリアケーシング142の外周を覆うように円筒状のブラケット143が設けられている。
【0023】
密閉空間Aには、ロータ120が収容される。ロータ120は、例えば、全体が樹脂等の非磁性体で形成され、軸方向の一端である前方側に設けられたインペラ122と、軸方向の他端である後方側に設けられた環状の軸受/従動部121とを一体に形成してなる。インペラ122は、ポンプ室A1に収容され、ポンプ室A1と共にポンプ機構を構成する。軸受/従動部121は、環状空間A2に収容される。
【0024】
ロータ120の軸受/従動部121の外周側には、ロータ120を磁気力によって支持する磁気軸受110が設けられている。また、ロータ120の軸受/従動部121の内周側には、ロータ120を駆動する駆動機構130が設けられている。
【0025】
磁気軸受110は、ロータ120の軸受/従動部121の外周側に装着された環状の磁性材料からなる軸受ロータ部材111と、この軸受ロータ部材111のラジアル方向の外側に、軸受ロータ部材111と所定の間隔を介して配置された軸受ステータ部材112とを有する。軸受ステータ部材112は、リアケーシング142と円筒状のブラケット143との間に装着されている。
【0026】
軸受ロータ部材111は、例えば、円環状に成形されたネオジム磁石からなる永久磁石113と、この永久磁石113と同心で、アキシャル方向(Z軸方向)に挟み込むように配置された円環状の電磁軟鉄からなるヨーク114,115とを有する。永久磁石113は、例えば、アキシャル方向にN極及びS極が対向し、且つ周方向全周に亘って同極となるように着磁されている。
【0027】
一方、軸受ステータ部材112は、この実施形態では、図2に示すように、軸受ロータ部材111の周方向の4箇所に90°の角度を介して配置されている。これらのうちの、例えば、X軸方向に対向する一対の軸受ステータ部材112は、ロータ120のX軸方向の位置及びΦ方向の角度を制御し、Y軸方向に対向する一対の軸受ステータ部材112は、ロータ120(図示せず)のY軸方向の位置及びΘ方向の角度を制御する。また、これらの軸受ステータ部材112は、Z軸方向の高さを制御する。
【0028】
なお、ヨークベース144には、軸受ロータ部材111のラジアル方向及び各回転方向の変位を検出可能な変位センサ(第1センサ部)116が、軸受ステータ部材112とそれぞれ45°の角度をなす(すなわち、X軸方向及びY軸方向とそれぞれ45°の角度で交差する)ように、複数(ここでは、4つ)配置されている。これら変位センサ116は、例えば、渦電流式のセンサが挙げられるが、これに限定されるものではなく、種々のセンサを採用し得る。また、軸受ステータ部材112の数は、これらに限定されるものではなく、6個、10個、12個、16個等、種々の形態を採用し得る。その他、変位センサには、上記変位センサ116と共に、例えばヨークベース144等に、軸受/従動部121とアキシャル方向に対向するように設けられ(図示せず)、軸受ロータ部材111等のアキシャル方向及び回転方向の変位を検出可能なセンサも含まれる。なお、変位センサ116等の配置態様や数は、これに限定されず、種々の形態を採用し得る。本実施形態のポンプ100の場合、ロータ120の一方にインペラ122が配置されているので、ロータ120がZ軸に対して傾斜する場合、Z軸上のインペラ122に近い位置を回転中心としてロータ120が傾斜する。このため、変位センサ116を、図示は省略するが、例えばインペラ122から離れた位置、好ましくは、軸受/従動部121のZ軸方向の中央の位置に配置しておけば、変位センサ116によって、ロータ120のX軸方向の位置及びΦ方向の角度、Y軸方向の位置及びΘ方向の角度を検知可能であるため、回転軸の傾きについても、二軸制御によって十分にコントロールすることが可能となる。
【0029】
軸受ステータ部材112は、例えば、積層電磁鋼板等の磁性材料からなるコア117と、コア117に巻回されたコイル118とを有する。コア117の縦断面形状は、軸受ロータ部材111側を開放端とするほぼC字形となっている。具体的には、図3に示すように、コア117の縦断面形状は、軸受ロータ部材111との対向方向(径方向)と直交する第1方向(この例ではZ軸方向)に延び、コイル118が巻回される第1部分117aと、この第1部分117aのZ軸方向の両端部から軸受ロータ部材111側に延びたのち、Z軸方向に互いに近づく向きに延びる一対の第2部分117bと、この一対の第2部分117bの各先端部から軸受ロータ部材111側に向けて延びる一対の第3部分117cとを含む。換言すると、コア117は、縦断面形状において、コイル118が巻回される第1部分117aのZ軸方向の両端から、軸受ロータ部材111に向かって本来は直線状に延びるはずのC字形状の開放端部分に、一対のカギ型形状部分を有し、開放端側の部分を互いに近づけた形状を有しているといえる。
【0030】
このような形状であると、図示のように、コイル118のZ軸方向の長さlを、コア117の開放端側の一対の第3部分117cのZ軸方向の対向面間の距離L1よりも大きくすることができる。すなわち、コイル118の巻回部分のZ軸方向の長さよりも開放端の先端間の距離を小さくすることができる。また、コア117の開放端側の幅、すなわち一対の第3部分117cのZ軸方向の対向面と反対側の面間の距離L2は、コア117の本来のZ軸方向の長さL4よりも小さく、軸受ロータ部材111のZ軸方向の長さL3とほぼ等しい大きさである。
【0031】
駆動機構130は、ロータ120の軸受/従動部121の内周側に装着された環状の従動部材としての従動マグネット131と、この従動マグネット131のラジアル方向の内側に、従動マグネット131と所定の間隔を介して配置された駆動部としての駆動マグネット132とを有する。また、駆動機構130は、この駆動マグネット132を先端部に装着し軸受135によって回転可能に支持されたモータ軸133と、このモータ軸133を回転駆動する駆動モータ134とを有する。この例では、従動マグネット131及び駆動マグネット132が、例えば、ラジアル方向2極又は4極に着磁したネオジム磁石から構成されている。また、この例では、駆動マグネット132とモータ軸133がほぼ同径として示されているが、両者は必ずしも同径でなくても良い。
【0032】
コントローラ160は、上述した変位センサ116を含む変位センサからの検知信号に基づいて、ロータ120の各方向及び各回転方向の変位を検知し、これに応じて磁気軸受110の軸受ステータ部材112のコイル118に流れる電流を細かくコントロールする。これにより、ロータ120のX軸方向の位置及びΦ方向の角度、Y軸方向の位置及びΘ方向の角度、並びにZ軸方向の高さをリアルタイムに制御して、回転位置補正を行う。なお、コントローラ160は、後述する他のセンサからの検知信号に基づいて、駆動機構130を制御するように構成し得る。
【0033】
[ポンプの動作]
次に、上記のように構成されたポンプ100の動作を説明する。
このように構成されたポンプ100では、磁気軸受110を構成する軸受ロータ部材111及び軸受ステータ部材112のコア117が磁性材料で構成されているので、磁気回路を形成する。軸受ロータ部材111の永久磁石113は、この磁気回路にバイアス磁束を供給する。
【0034】
コントローラ160は、変位センサ116等で検出されたロータ120のXYZ軸の各方向の変位並びにΦ及びΘ方向の傾きを補正するように、上記の如くコイル118に流れる電流を制御して、コイル118により発生する制御磁束を調整する。これにより、ロータ120は、磁気軸受110によって所定位置及び所定姿勢を維持しつつ、非接触状態で支持される。
【0035】
この状態で駆動モータ134がモータ軸133を回転させることにより駆動マグネット132が回転し、この駆動マグネット132の磁気力により従動マグネット131が従動してロータ120、すなわちインペラ122が密閉空間A内で非接触で回転する。これにより、吸込口151を介してポンプ室A1に移送流体が導入され、吐出口152を介して移送流体がポンプ室A1内から外部に吐出される。
【0036】
[実施形態の効果]
ここで、ポンプに採用される一般的な磁気軸受においては、軸受ステータ部材を構成するコの字型のコアと軸受ロータ部材とで形成される磁気回路を通る磁束Fによって、ロータに対する規定位置への復元力が働く。この復元力は、例えば、軸受ステータ部材のコアのアキシャル方向の長さと、軸受ロータ部材のアキシャル方向の厚みがほぼ等しく、且つ極力薄いほど大きいことが知られている。
【0037】
一方、磁束Fは、コイルによって制御されるので、応答性を高めるためにインダクタンスを極力小さくすることが望まれる。このコイルのインダクタンスは、コイルの断面積に比例し、コイル長に反比例することが知られているので、応答性を上げるためには、断面積を小さくしつつ長さを長くするようにコアに巻き付ける必要がある。
【0038】
しかしながら、上記の点を踏まえた上で、コイル長が長くなると、ロータの軸受ロータ部材のアキシャル方向の厚みも増してしまうので、ロータの復元力が低下してしまうこととなり、特にロータが傾いたときの復元トルクが低下すると共に、アキシャル方向の磁気軸受のサイズが大きくなってしまうこととなる。
【0039】
すなわち、この点を本実施形態のポンプ100の磁気軸受110に置き換えると、上記のようにロータ120の磁気軸受110による位置及び傾きの復元力は、軸受ステータ部材112の開放端である第3部分117cのZ軸方向の長さL2が軸受ロータ部材111のZ軸方向の長さL3とほぼ等しく、且つ軸受ロータ部材111のZ軸方向の長さL3が短いほど大きくなることが判明する。
【0040】
このような観点において、本実施形態のポンプ100の磁気軸受110によれば、上記一般的なコの字型のコアに比べて、開放端の軸受ロータ部材111に対向する部分である第3部分117cのZ軸方向の長さL2を短くすることができるので、コイル118の必要な巻き数を維持しながらも、軸受ロータ部材111のZ軸方向の長さL3を一般的なものよりも短く構成することができる。これにより、十分な復元力を確保可能である。
【0041】
なお、永久磁石113の吸引力を最大にするためには、コア117の第3部分117c間の距離L1と永久磁石113のZ軸方向の高さがほぼ等しく、且つコア117の各第3部分117cのZ軸方向の幅が、ヨーク114,115のZ軸方向の厚みとほぼ等しいことが望ましい。
【0042】
そして、磁気軸受110の応答性を高めるためには、コイル118のインダクタンスを極力小さくすることが必要であるが、この点についても、ポンプ100の磁気軸受110によれば、コア117のコイル118が巻回される第1部分117aの長さL4を十分に確保することができる構造であるので、コイル118のZ軸方向の長さlを長く、且つコイル118の断面積を小さくすることができ、コイル118のインダクタンスを抑えて応答性を向上させることが可能である。
【0043】
なお、図2に示すように、軸受ロータ部材111の外周面は曲面で構成されているが、コア117の磁極面117d(図3参照)は平面で形成されている。具体的には、磁極面117dは、X軸方向又はY軸方向及びZ軸方向に延びる同一平面上に形成されている。一般的に、コア117の磁極面117dが軸受ロータ部材111の外周面に沿う曲面で構成されている場合には、磁極面117dの周方向の端部に磁場の磁束Fが集中してしまうこととなるが、平面で形成されていればこのような磁束Fの集中を防ぐことが可能となる。
【0044】
このように、本実施形態に係るポンプ100は、磁気軸受110及びコントローラ160によって、上述したようにラジアル方向、アキシャル方向及び2つのラジアル回転軸方向の5自由度を制御することができるので、ロータ120の復元力及び応答性を高めることができ、ポンプ100の運転状況に応じたロータ120、ひいてはインペラ122の回転制御を精度良く行うことが可能となる。また、磁気軸受110のコイル118の断面を小さくすることができるので、駆動モータ134、ポンプ機構を含めて全体で小径の円筒状とすることができる。このため、コンパクトであり、他のポンプとの交換性も高い。
【0045】
[第2の実施形態]
[ポンプの他の構成]
図4は、本発明の第2の実施形態に係るポンプ100Aの全体構成を、一部を省略して概略的に示す縦断面図である。ここで、図4を含む以降の説明においては、第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を附しているので、以下では重複する説明は省略する。また、駆動機構130の駆動モータ134とコントローラ160は図示を省略している。
【0046】
すなわち、図4に示すように、第2の実施形態に係るポンプ100Aは、モータ軸133に回転数検知用のマグネット133aを取り付け、ブラケット143の底部(軸受135側の部分)にこのマグネット133aを検知する検知素子(第2センサ部)161と、従動マグネット131を検知する検知素子(第3センサ部)162とを備えた点が、第1の実施形態のポンプ100とは相違している。
【0047】
この第2の実施形態によれば、いわゆる脱調検知機能を備えることができる。すなわち、磁気軸受110で浮上状態にある軸受ロータ部材111は、インペラ122の軸受/従動部121において従動マグネット131と一緒に回転する。そして、この従動マグネット131は駆動マグネット132の磁気吸引力により同期して回転する。
【0048】
このような動作において、インペラ122に過剰な負荷が掛かった場合、モータ軸133は回転を続けるが、従動マグネット131はインペラ122と一体の軸受/従動部121に設けられているため、この従動マグネット131には回転を止めようとする力が働くことになる。
【0049】
そして、磁気吸引力で同期している従動マグネット131と駆動マグネット132は、インペラ122に掛かる負荷に耐えられずに同期できなくなる状態、いわゆる脱調になってしまう。この脱調になった場合、インペラ122を回転させることができなくなってしまう。
【0050】
そこで、コントローラ160によって、検知素子161からの検知信号に基づきモータ軸133の回転数を算出し、検知素子162からの検知信号に基づき従動マグネット131の回転数(すなわち、インペラ122の回転数)を算出して、これらの回転数を比較することで、脱調判定を行うようにした。
【0051】
脱調判定の結果により、脱調したと判断された場合は、コントローラ160は、例えば、一旦駆動モータ134による回転を止めて、再度回転を行うようにすることで、従動マグネット131と駆動マグネット132とを磁気吸引力で結合し、モータ軸133とインペラ122とを同期させて回転させる(回転同期補正)ことが可能となる。
【0052】
[第3の実施形態]
[ポンプの更に他の構成]
図5は、本発明の第3の実施形態に係るポンプ100Bの全体構成を、一部を省略して概略的に示す縦断面図である。
図5に示すように、第3の実施形態に係るポンプ100Bは、リアケーシング142の環状空間A2とはZ軸方向に反対側の面に、軸受ロータ部材111を磁気吸引力で引き付ける補助部材としての補助マグネット163を備えた点が、第1の実施形態のポンプ100とは相違している。
【0053】
インペラ122が回転して送液を始めると、移送流体の流体力によりインペラ122にはアキシャル方向に移動するスラスト力が働くことになる。これにより、インペラ122はポンプ100Bの前方側に移動するが、磁気軸受110による支持によってインペラ122は浮上状態を維持している。
【0054】
しかし、磁気軸受110による支持を打ち破るスラスト力が加わると、インペラ122はフロントケーシング141に接触し壊れてしまうことになる。補助マグネット163は、このような不具合を防止するために、軸受ロータ部材111をZ軸方向の後方側に引き付け、インペラ122のアキシャル方向への移動を防いでいる。なお、補助マグネット163の磁気力は、磁気軸受110による支持が破綻しない程度且つインペラ122がアキシャル方向へ移動しない程度に設定される。また、補助マグネット163は、軸受ロータ部材111の永久磁石113と同じく、アキシャル方向にN極及びS極が対向し、且つ周方向全周に亘って同極となるように着磁される。
【0055】
[第4の実施形態]
[ポンプの更に他の構成]
図6は、本発明の第4の実施形態に係るポンプ100Cの全体構成を、一部を省略して概略的に示す縦断面図である。図7は、ポンプ100Cの磁気軸受110を概略的に示す縦断面図である。
図6に示すように、第4の実施形態に係るポンプ100Cは、磁気軸受110を有する点については第1の実施形態のポンプ100と同様であるが、この磁気軸受110の軸受ロータ部材171の構成が、軸受ロータ部材111の構成とは異なる点が、第1の実施形態のポンプ100とは相違している。
【0056】
すなわち、軸受ロータ部材171は、例えば、円環状の永久磁石113と、この永久磁石113と同心で、アキシャル方向(Z軸方向)に挟み込むように配置された円環状の一対のヨーク174,175とを有する。一対のヨーク174,175は、軸受ステータ部材112側を開放端としZ軸方向の真ん中が寸断されたほぼコの字型となっている。
【0057】
具体的には、図7に示すように、一対のヨーク174,175の縦断面形状は、永久磁石113の第1方向(ここでは、Z軸方向)側の端面を覆うようにZ軸方向と直交する第2方向(ここでは、ラジアル方向)に延びる第4部分174a,175aと、第4部分174a,175aのラジアル方向における軸受ステータ部材112から離れる側の端部から、永久磁石113のラジアル方向における軸受ステータ部材112から離れる側の端面との間に第1間隙176を形成するように、Z軸方向に互いに近づく向きに延びる一対の第5部分174b,175bとを有しており、これら一対の第5部分174b,175bの各先端部は、第1間隙176と連通する第2間隙177を形成するように互いに離間した形状となっている。
【0058】
このような形状であると、永久磁石113によるバイアス磁束Fbの磁気回路が安定すると共に、コイル118により発生する制御磁束Fcを極力損失なく軸受ロータ部材171に通すことが可能となる。従って、一般的なコの字型のコアを有する軸受ステータ部材と組み合わせても良いが、特に、第1部分117a~第3部分117cを有する本実施形態に係る軸受ステータ部材112と組み合わせて磁気軸受110を構成することで、ポンプ100Cの運転状況に応じたロータ120の回転制御を精度良く行うこと等が可能となる。
【0059】
[第5の実施形態]
[ポンプの更に他の構成]
図8は、本発明の第5の実施形態に係るポンプ200の全体構成を、一部を省略して概略的に示す縦断面図である。
図8に示すように、第5の実施形態に係るポンプ200は、磁気軸受110の配置態様と駆動機構130の駆動構造が異なる点が、第1の実施形態のポンプ100とは相違している。すなわち、第1の実施形態のポンプ100は、モータ軸133の軸中心からラジアル方向の外側に向けて、駆動マグネット132、従動マグネット131、軸受ロータ部材111及び軸受ステータ部材112が順に配置されていたのに対し、第5の実施形態のポンプ200は、モータ軸133の軸中心から外側に向けてこれらの構成の配置順が真逆となっている。
【0060】
つまり、ロータ120の軸受/従動部121を環状空間A2の内側から磁気軸受110で支持し、この環状空間A2の外側からモータ軸133の先端に取り付けられた駆動筒部136の先端側の駆動マグネット132で軸受/従動部121を駆動してインペラ122を回転させるように、すなわち、軸中心から外側に向けて磁気軸受110、従動マグネット131及び駆動マグネット132の順に配置されて構成されている。このように、インペラ122を環状空間A2の外側から駆動させることで、第1の実施形態のポンプ100のように環状空間A2の内側から駆動させる構成に比べて、より大きなトルクによってインペラ122を回転させることが可能となる。
【0061】
[第6の実施形態]
[ポンプの更に他の構成]
図9は、本発明の第6の実施形態に係るポンプ201の全体構成を、一部を省略して概略的に示す縦断面図である。
図9に示すように、第6の実施形態に係るポンプ201は、第4の実施形態のポンプ100Cの構成に対して、第5の実施形態のポンプ200と同じようにモータ軸133の軸中心からラジアル方向の外側に向けて、磁気軸受110、従動マグネット131及び駆動マグネット132を配置し、インペラ122を環状空間A2の外側から駆動させるようにした点が、第4の実施形態のポンプ100Cとは相違している。このような構成によれば、環状空間A2の内側から駆動させるよりもより大きなトルクでインペラ122を回転させることができ、ポンプ201の運転状況に応じたロータ120の回転制御を精度良く行うことができる。
【0062】
[第7の実施形態]
[ポンプの他の構成]
図10は、本発明の第7の実施形態に係るポンプ100の全体構成を概略的に示す斜視図、図11はポンプ100の回路構成を示すブロック図である。なお、図示及び説明は省略するが、本実施形態の構成は、第1~第6の実施形態に係るポンプ100,100A~100C,200,201にも適用可能であることは言うまでもない。
【0063】
図10に示すように、第7の実施形態のポンプ100には、例えば電源線100cに接続された駆動モータ停止装置164が、信号線100a及び電力供給線100bを介して接続されている。駆動モータ停止装置164は、コントローラ210と共に制御部を構成し、例えばポンプ100の磁気軸受110に異常が生じた場合に、駆動モータ134の動作を停止させる機能(停止機能)を持たせている。
【0064】
すなわち、この種のポンプ100において、磁気軸受110と駆動モータ134が別々に制御されている場合には、万が一磁気軸受110によるロータ120の非接触の支持(磁気浮上)が破綻したとしても、駆動モータ134は動作し続けることとなる。そして、このような場合は、ロータ120がリアケーシング142等と擦れたり、ロータ120のインペラ122がフロントケーシング141等と擦れたりして壊れてしまうことが起こり得る。
【0065】
そこで、本実施形態においては、磁気軸受110側からの変位センサ116等の検知信号を含む磁気軸受110の状態を表す情報に基づいて、コントローラ210で磁気軸受110の異常を判断すると共に、判断結果に基づき駆動モータ停止装置164を起動することにより、例えば電力供給線100bによる駆動モータ134への電力供給を遮断して、その動作を停止させるように構成した。これにより、磁気軸受110の異常発生時に発生し得るインペラ122やロータ120、或いはリアケーシング142等の破壊を効果的に防止することができる。
【0066】
駆動モータ停止装置164には、図11に示すように、例えばトランジスタ165、手動スイッチ166及びリレー部168が含まれている。トランジスタ165は、コントローラ210からの制御により、リレー部168を駆動する。また、手動スイッチ166のスイッチボタン166aは、筐体の外部に露出している(図10参照)。リレー部168は、ソリッドステート・リレー(SSR)又はメカニカルリレーにより構成され得る。
【0067】
駆動モータ停止装置164は、信号線100aを介して、ポンプ100内に設けられたコントローラ210に接続されている。コントローラ210は、磁気軸受110のコイル118を駆動するドライバ回路202、及び変位センサ116の出力に基づきドライバ回路202を制御するCPU204を含む。
【0068】
このように構成された本実施形態によるポンプ100は、例えば次のように動作する。具体的には、CPU204に入力される変位センサ116等を含む変位センサからの検知信号が異常値を示した場合は、CPU204は磁気浮上に異常があると判断し、信号線100aをLレベルからHレベル(異常信号)に立ち上げる。この結果、駆動モータ停止装置164内のトランジスタ165がオン状態になり、リレー部168が電源線100cと電力供給線100bとを切断して、駆動モータ134への電力供給線100bによる電力供給を遮断する。これにより、駆動モータ134の動作を停止させる。
【0069】
同様に、CPU204は、例えばコイル118の温度を検出する温度センサ(図示せず)からの検知信号によりコイル温度が異常値を示した場合や、コイル118に流れるコイル電流値が異常値を示した場合、或いはドライバ回路202の温度が異常値を示した場合等も、磁気浮上に異常があると判断して、異常信号を駆動モータ停止装置164に送る。これにより、駆動モータ停止装置164は、リレー部168による切断を行い、駆動モータ134の動作を停止させる。
【0070】
また、CPU204は、例えば上述した検知素子161,162(図4参照)からの検知信号のように、従動マグネット131と駆動マグネット132の回転数を示す検知信号が異常値(回転数が異なる値)を示した場合は、上述したような脱調が起こったと判断し、同様に駆動モータ134を停止させ得る。なお、駆動モータ134の動作は、例えば手動スイッチ166のスイッチボタン166aを操作することによっても、停止させ得る。この場合、手動スイッチ166の操作信号をポンプ100のCPU204に送ることにより、CPU204からトランジスタ165をオン状態にするようにしても良い。これにより、CPU204も駆動モータ134の停止状態を把握することができ、他の制御に影響を及ぼすことがなくなる。このような構成によれば、上記第1~第6の実施形態の作用効果と同様の作用効果を奏することができると共に、磁気軸受110の異常発生時のインペラ122やロータ120、リアケーシング142、或いは後述するロータ120の収容部230のアウターカバー233等の破損を効果的に防止することができる。
【0071】
[第8の実施形態]
[ポンプの他の構成]
図12は、本発明の第8の実施形態に係るポンプ203の全体構成を、一部を省略して概略的に示す縦断面図である。なお、このポンプ203は、図10及び図11に示したポンプ100にも適用可能である。
図12に示すように、第8の実施形態に係るポンプ203は、ヨークベース144の後方側に、ポンプ機構を制御するコントローラ210が配置された点、このコントローラ210の後方側の駆動モータ134のモータ軸133に、回転羽根としての冷却ファン169が取り付けられた点、並びにコントローラ210及び冷却ファン169がブラケット143の内部に配置された点が、例えば第1の実施形態に係るポンプ100とは相違している。
【0072】
コントローラ210は、例えば磁気軸受110のコイル118を駆動するドライバ基板211、駆動機構130の駆動動作を制御するCPU基板212、及び図示しない磁気エンコーダ等を制御するエンコーダ基板213を含んでいる。なお、ブラケット143と接続されたモータハウジング134aの後方側には、リアカバー154が取り付けられており、ブラケット143と共にポンプベース153に設置されている。
【0073】
上記の構成において、コントローラ210は、発熱し易い特性を備えている。特に、ドライバ基板211は、ドライバ回路202(図11参照)として使用されるMOS-FET等の発熱量が大きいものである。
この点、本実施形態のポンプ203によれば、モータ軸133に冷却ファン169が取り付けられているため、モータ軸133と一緒に冷却ファン169が回転する。このため、ポンプ203の動作時には常時コントローラ210を冷却し続けることが可能であり、発熱に伴う各基板211~213の熱暴走等の不具合を効果的に防止することができる。特に、最も発熱量が大きいドライバ基板211は、冷却ファン169に最も近い位置に配置されているので、最も冷却効果が高い。また、本実施形態によれば、冷却ファン169を回転させるためのファンモータ等を別途設置する必要がないため、冷却のためのスペースやコストを抑えながらポンプ203を構成する部品点数を最小限に止めることが可能である。
【0074】
なお、ブラケット143に、図示しない通風孔が形成されていると、より冷却効果が高まる。このような構成によれば、第1の実施形態等の作用効果と同様の作用効果を奏することができると共に、コントローラ210のような発熱源や発熱体をポンプ203の内部に配置しても、コントローラ210の発熱による不具合を効果的に防止可能なポンプ203を構成することができる。
【0075】
[第9の実施形態]
[ポンプのロータの他の構成]
図13は、本発明の第9の実施形態に係るポンプのロータ120の全体構成を、一部を切り欠いて概略的に示す斜視図、図14及び図15はロータ120に含まれる軸受/従動アッシィ220の全体構成を、一部を切り欠いて概略的に示す分解斜視図である。なお、図14(a)は上方からの分解斜視図、また図14(b)は下方からの分解斜視図である。
【0076】
図13図15に示すように、第9の実施形態のポンプにおけるロータ120は、例えばロータ120を構成する永久磁石113及び従動マグネット131の空転を防ぐ目的で、これらを、接着により固定する代わりに、接着材を使わずにロータ120に固定している。
【0077】
具体的には、ロータ120は、インペラ122と、軸受/従動部に相当する円環状の軸受/従動アッシィ220と、インペラ122の後方側に、軸受/従動アッシィ220を内部に収容可能な樹脂成形部材からなる収容部230と、を有して形成されている。収容部230は、軸受/従動アッシィ220の外周面を覆うアウターカバー233と、軸受/従動アッシィ220の内周面を覆うインナーカバー234と、を有する。アウターカバー233とインナーカバー234は、同軸配置され、その間に円環状の軸受/従動アッシィ220を収容する主収容室231が形成されている。この主収容室231のインペラ122側の上壁面231aには、凹状の嵌合部232が形成されている。
【0078】
一方、軸受/従動アッシィ220は、上述したような永久磁石113及び一対のヨーク114,115を有する軸受ロータ部材111と、この軸受ロータ部材111のラジアル方向の内側に配置された従動マグネット131と、これら軸受ロータ部材111及び従動マグネット131を空転不能に結合する回転規制部材としての樹脂成形部材からなるミドルリング221と、を有する。
【0079】
なお、従動マグネット131は、ここでは、例えばN極及びS極がロータ120の周方向に交互に配置されるように、ロータ120の径方向に着磁された複数の(例えば4極の)永久磁石により構成されている。ミドルリング221は、軸受ロータ部材111及び従動マグネット131の間に介挿される円筒部222と、軸受ロータ部材111の第1方向の端面(例えば、ヨーク115の端面)に当接すると共に、軸方向(Z軸方向)から見た形状が真円形を除く外形(例えば、角欠き矩形状の外形)を有するフランジ部223とを有する。
【0080】
なお、図14(a)及び図14(b)に示すように、ヨーク114,115のZ軸方向の外側の端面には、凹部114a,115aが形成されている。また、これらの端面のうち、フランジ部223との当接側とは反対側の端面(ここでは、ヨーク114側の端面)には、例えば断熱材等からなる樹脂製の端板220aが取り付けられる。この端板220aの、例えばヨーク114との対向側の端面には、凹部114aに嵌まる凸部(図示省略)が形成されていても良い。
【0081】
従動マグネット131は、それぞれの少なくとも接合部の回転軸方向に延びる稜線の角部が面取りされており、それらの周方向の接合部には、面取りによる回転軸方向に延びるV字状の溝226が形成される。ミドルリング221の円筒部222の内周面には、従動マグネット131の周方向の接合部に形成される溝226に引っ掛かるV字状の爪部224が形成されている。また、ミドルリング221のフランジ部223の軸受ロータ部材111の端面との当接面には、例えばヨーク115の端面に設けられた凹部115aに嵌合する凸部225が形成されている。そして、主収容室231の上壁面231aに形成された凹状の嵌合部232は、ミドルリング221のフランジ部223の外形に合う形状に形成されている。また、端板220aのミドルリング221との対向面には、ミドルリング221の円筒部222のフランジ部223とは反対側の端部が嵌まる環状の溝227が形成されている。
【0082】
このように構成された軸受/従動アッシィ220においては、ミドルリング221の円筒部222における爪部224が溝226に引っ掛かると共に、ミドルリング221のフランジ部223の凸部225がヨーク115の凹部115aに嵌合することによって、軸受ロータ部材111に対する従動マグネット131の周方向の空転が防止される。
【0083】
このように、ミドルリング221によって、軸受ロータ部材111及び従動マグネット131が互いに空転不能に固定される。なお、ミドルリング221のフランジ部223とは反対側の円筒部222の端部は、端板220aに形成された溝227に圧入等により強固に嵌められる。これにより、軸受/従動アッシィ220が組み立てられる。
【0084】
なお、上記の実施形態において、端板220aは、ミドルリング221との圧入による結合に代えて、又は圧入による結合に加えて、例えば、ミドルリング221、アウターカバー233及びインナーカバー234に対して、超音波溶着や熱板溶着等により結合されるようにしても良い。これにより、端板220aがロータ120に対して、より強固に固定される。また、端板220aは、ヨーク114の凹部114aに嵌まる凸部を有していても良い。この場合、ヨーク115のみならず、ヨーク114の周方向の移動も規制される。
【0085】
そして、このような状態の軸受/従動アッシィ220を収容部230に挿入し、ミドルリング221のフランジ部223を収容部230の嵌合部232に圧入等により強固に嵌合させることで、ロータ120に対する軸受/従動アッシィ220の周方向の空転も防止された状態でロータ120が形成される。これにより、ロータ120に対するヨーク115の周方向の回転も防止されるので、ロータ120に磁気力によって強固に固定された永久磁石113の周方向の回転も防止される。
【0086】
このように、第9の実施形態によれば、第1の実施形態等の作用効果と同様の作用効果を奏することができると共に、永久磁石113及び従動マグネット131を、接着によることなく、ロータ120に固定することができる。このため、例えば腐食性ガスによって接着材が溶ける等の接着に関する不具合に起因する軸受ロータ部材111や従動マグネット131の空転を確実に防止し、ロータ120の回転不具合の発生要因を少なくすることが可能となる。
【0087】
なお、ミドルリング221に対する軸受ロータ部材111及び従動マグネット131の周方向への空転防止構造は、上述した例に限定されない。例えば、従動マグネット131の接合部に隙間を空けて、この隙間に嵌まる突条をミドルリング221に形成しても良い。また、従動マグネット131の接合部の径方向に延びる稜線に面取りをして、これにより形成される径方向に延びるV溝に嵌まる突条を、ミドルリング221に形成するようにしても良い。更に、ミドルリング221に形成される爪部224又は突条は、図8に示した第5の実施形態においては、円筒部222の外周面側に設けられるようにしても良い。要するに、ミドルリング221で例示された回転規制部材を介して軸受ロータ部材111と従動部材(従動マグネット131)が結合されて、互いの回転方向への規制、及び、両者のロータ120に対する回転方向への規制がなされれば、接着材を使用する必要がなくなる。
【0088】
また、本実施形態の変形例としては、図示は省略するが、例えば、ロータ120の軸受/従動部121を最初に作り、この軸受/従動部121に対して、インペラ122を二次成形により作製するようにしても良い。この場合、ロータ120は、例えば次のように作製される。まず、軸受/従動アッシィ220を作製する。軸受/従動アッシィ220の作製に際しては、はじめに、例えば金型成形によりミドルリング221を形成し、成形後のミドルリング221が熱いうちに(所定の温度以上のときに)、従動マグネット131をミドルリング221の円筒部222の内側(内周面側)に挿入する。そして、ミドルリング221の冷却による収縮を利用して、従動マグネット131をミドルリング221内に固定する。
【0089】
次に、軸受ロータ部材111を、ミドルリング221の円筒部222の外側(外周面側)に、例えばヨーク115の凹部115aがフランジ部223の凸部225に嵌まるように位置決めして嵌合し、軸受/従動アッシィ220を形成する。その後、同様に金型成形により、アウターカバー233及びインナーカバー234を有し、主収容室231のZ軸方向の一方に蓋をした有蓋円筒状の収容部(ロータケース)230を形成する。
【0090】
そして、成形後の収容部230が熱いうちに(所定の温度以上のときに)、主収容室231に軸受/従動アッシィ220を、ミドルリング221のフランジ部223を収容部230の嵌合部232に嵌合させるようにして挿入し、冷却することによる収容部230の収縮を利用して、軸受/従動アッシィ220を主収容室231内に固定する。
【0091】
その後、収容部230の主収容室231の開口端側から端板220aを、例えば図示しない凸部が凹部114aに嵌まるように挿入し、更に主収容室231の開口端側に樹脂成形を施して図示しない蓋部を形成し、主収容室231を密閉して収容部230を作製する。このとき、断熱材からなる端板220aをインサートするのは、成形時の熱が永久磁石113及び従動マグネット131に伝わって、これら磁石が減磁してしまうのを防ぐためである。最後に、二次成形によってインペラ122を収容部230に接合するように形成し、ロータ120が完成する。このように構成すれば、ロータ120におけるインペラ122と収容部230の組み合わせのバリエーションをより簡単に増やすことが可能となる。
【0092】
なお、第9の実施形態では、ミドルリング221のフランジ部223に凸部225を形成して、ヨーク115の凹部115aに嵌合するようにしていたが、この凸部225の代わりに、ミドルリング221の成形時にフランジ部223に設けた孔部(図示省略)に、別途製造した凹部115aに嵌まるピン部材(図示省略)を挿入して、冷却による収縮によりピン部材をフランジ部223に固定して利用するようにしても良い。
【0093】
以上、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0094】
100 ポンプ
110 磁気軸受
111 軸受ロータ部材
112 軸受ステータ部材
113 永久磁石
114,115 ヨーク
116 変位センサ
117 コア
118 コイル
120 ロータ
121 軸受/従動部
122 インペラ
130 駆動機構
131 従動マグネット
132 駆動マグネット
133 モータ軸
134 駆動モータ
135 軸受
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
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図13
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図15