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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】アレイ基板、表示パネルおよび表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240827BHJP
   H10K 59/12 20230101ALI20240827BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 365
G09F9/30 339Z
H10K59/12
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021536813
(86)(22)【出願日】2020-07-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-31
(86)【国際出願番号】 CN2020105840
(87)【国際公開番号】W WO2021036676
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-07-28
(31)【優先権主張番号】201921388079.4
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】519385216
【氏名又は名称】北京京▲東▼方技▲術▼▲開▼▲発▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BOE TECHNOLOGY DEVELOPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 407,Building 1,No.9 Dize Road,BDA,Beijing,100176,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲パン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲ハオ▼ 学光
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ 永▲達▼
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-134116(JP,A)
【文献】特開2017-167515(JP,A)
【文献】特開2011-136560(JP,A)
【文献】特開平09-005786(JP,A)
【文献】特表2011-519072(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0189593(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0323251(US,A1)
【文献】中国実用新案第207134356(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
G02F 1/13-1/141
1/15-1/19
H05B 33/00-33/28
44/00
45/60
H10K 50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素駆動回路と絶縁層とを含むアレイ基板であって、いずれかの前記画素駆動回路は、
ドレインを含む駆動トランジスタと、
前記駆動トランジスタのドレインに接続された第1の電極板を含む記憶容量と、
前記駆動トランジスタのドレインを接続する画素電極と、
を含み、
ここで、複数の前記画素駆動回路には、隣接して配置された第1の画素駆動回路と第2の画素駆動回路とが含まれ、前記第1の画素駆動回路の第1の電極板は、重なり合う領域において前記第2の画素駆動回路の画素電極に積層されて配置され、且つ前記絶縁層によって分離される、
アレイ基板。
【請求項2】
前記第1の画素駆動回路と前記第2の画素駆動回路は、前記アレイ基板のデータラインの延長方向に沿って配列されている請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記第1の画素駆動回路と前記第2の画素駆動回路は、前記アレイ基板のゲートラインの延長方向に沿って配列されている請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項4】
複数の前記画素駆動回路には、前記第1の画素駆動回路に隣接する第3の画素駆動回路、第4の画素駆動回路、および第5の画素駆動回路のうちの少なくとも1つがさらに含まれ、
前記第2の画素駆動回路、前記第1の画素駆動回路、および前記第3の画素駆動回路は、アレイ基板のデータラインの延長方向に沿って順次配列され、
前記第4の画素駆動回路、前記第1の画素駆動回路、および前記第5の画素駆動回路は、アレイ基板のゲートラインの延長方向に沿って順次配列され、
前記第1の画素駆動回路の画素電極は、重なり合う領域において前記第3の画素駆動回路の第1の電極板にも積層されて配置され、且つ前記絶縁層によって分離され、
前記第1の画素駆動回路の第1の電極板は、重なり合う領域において前記第4の画素駆動回路の画素電極にも積層されて配置され、且つ前記絶縁層によって分離され、
前記第1の画素駆動回路の画素電極は、重なり合う領域において前記第5の画素駆動回路の第1の電極板にも積層されて配置され、且つ前記絶縁層によって分離される、
請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項5】
複数の前記画素駆動回路には、前記第1の画素駆動回路に隣接する第3の画素駆動回路、第4の画素駆動回路、および第5の画素駆動回路のうちの少なくとも1つがさらに含まれ、
前記第2の画素駆動回路、前記第1の画素駆動回路、および前記第3の画素駆動回路は、アレイ基板のデータラインの延長方向に沿って順次配列され、
前記第4の画素駆動回路、前記第1の画素駆動回路、および前記第5の画素駆動回路は、アレイ基板のゲートラインの延長方向に沿って順次配列され、
前記第1の画素駆動回路の第1の電極板は、異なる重なり合う領域において前記第3の画素駆動回路の画素電極、前記第4の画素駆動回路の画素電極、および前記第5の画素駆動回路の画素電極にもそれぞれ積層されて配置され、且つ前記絶縁層によって分離される、
請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記第1の電極板は、第1の接続リード線を含み、前記画素電極は、第2の接続リード線を含み、
前記第1の画素駆動回路の第1の接続リード線は、前記重なり合う領域において前記第2の画素駆動回路の第2の接続リード線に積層されて配置され、且つ前記絶縁層によって分離される、
請求項1から5のいずれか一項に記載のアレイ基板。
【請求項7】
前記アレイ基板は、補償線をさらに含み、
いずれかの前記画素駆動回路は、補償トランジスタをさらに含み、前記補償トランジスタのドレインは、前記第1の接続リード線を接続し、前記補償トランジスタのソースは、前記補償線を接続する、
請求項6に記載のアレイ基板。
【請求項8】
前記アレイ基板は、ベース基板をさらに含み、
前記第1の画素駆動回路の第1の接続リード線は、前記ベース基板の片側に設けられ、
前記絶縁層は、前記第1の画素駆動回路の第1の接続リード線の前記ベース基板から離れた側に設けられ、
前記第2の画素駆動回路の第2の接続リード線は、前記絶縁層の前記ベース基板から離れた側に設けられている、
請求項6または7に記載のアレイ基板。
【請求項9】
前記絶縁層と前記第2の画素駆動回路の第2の接続リード線との間に設けられ、前記絶縁層を露出させる第1のスルーホールが設けられる平坦化層をさらに含み、
前記第2の画素駆動回路の第2の接続リード線は、前記第1のスルーホールによって露出された前記絶縁層を覆う、
請求項8に記載のアレイ基板。
【請求項10】
ベース基板の片側に設けられるアクティブ材料層をさらに含み、前記アクティブ材料層には、前記記憶容量の第2の電極板と前記駆動トランジスタのアクティブ層とが形成される、
請求項1から9のいずれか一項に記載のアレイ基板。
【請求項11】
アクティブ材料層のベース基板から離れた側に設けられる第1の絶縁材料層をさらに含み、前記第1の絶縁材料層には、前記記憶容量の誘電体層と前記駆動トランジスタのゲート絶縁層とが形成される、
請求項1から10のいずれか一項に記載のアレイ基板。
【請求項12】
第1の絶縁材料層のベース基板から離れた側に設けられるゲート材料層をさらに含み、
前記ゲート材料層には、前記駆動トランジスタのゲート層と前記記憶容量の第1の電極板とが形成される、
請求項1から11のいずれか一項に記載のアレイ基板。
【請求項13】
ゲート材料層のベース基板から離れた側に設けられるソース・ドレイン材料層をさらに含み、前記ソース・ドレイン材料層には、前記駆動トランジスタのドレインが形成される、
請求項1から12のいずれか一項に記載のアレイ基板。
【請求項14】
ゲート材料層のベース基板から離れた側に設けられる第2の絶縁材料層をさらに含み、
前記第2の絶縁材料層には、前記絶縁層を含む保護層が形成される、
請求項1から13のいずれか一項に記載のアレイ基板。
【請求項15】
第2の絶縁材料層のベース基板から離れた側に設けられる第3の絶縁材料層をさらに含み、前記第3の絶縁材料層には、前記平坦化層が形成される、
請求項に記載のアレイ基板。
【請求項16】
前記平坦化層のベース基板から離れた側に設けられる電極材料層をさらに含み、前記電極材料層には、前記画素電極が形成される、
請求項9または15に記載のアレイ基板。
【請求項17】
前記画素駆動回路は、データ書き込みトランジスタをさらに含み、前記データ書き込みトランジスタのドレインは、前記駆動トランジスタのゲートと記憶容量の第2の電極板とを接続する請求項1から16の何れか一項に記載のアレイ基板。
【請求項18】
前記アレイ基板は、複数の画素を含み、各前記画素は、1つの前記画素駆動回路と、前記画素駆動回路に接続された発光素子とを含む請求項1から16の何れか一項に記載のアレイ基板。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか1項に記載のアレイ基板と、前記アレイ基板をパッケージするためのパッケージフィルム層とを含む表示パネル。
【請求項20】
請求項19に記載の表示パネルと、前記表示パネルに接続された駆動回路とを含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2019年08月26日に提出された出願番号201921388079.4、実用新案の名称「アレイ基板、表示パネルおよび表示装置」の中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は参照により本開示に援用する。
【0002】
本開示は、表示技術の分野に関し、特にアレイ基板、表示パネルおよび表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
有機発光ダイオード(organic light-emitting、OLED)表示装置は、低消費電力、自発光、高速応答、広視野角などの特徴により、高性能表示パネルへの応用が進んでいる。
【0004】
前記背景技術の部分に開示された上記情報は、本開示の背景の理解を強化するためだけに使用されるので、当業者に知られている従来技術を構成しない情報を含むことができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、アレイ基板、表示パネルおよび表示装置を提供する。
【0006】
本開示の一側面によると、複数の画素駆動回路を含むアレイ基板であって、いずれかの前記画素駆動回路は、
ドレインを含む駆動トランジスタと、
前記駆動トランジスタのドレインに接続された第1の電極板を含む記憶容量と、
前記駆動トランジスタのドレインを接続する画素電極と、
を含み、
ここで、複数の前記画素駆動回路には、隣接して配置された第1の画素駆動回路と第2の画素駆動回路とが含まれ、前記第1の画素駆動回路の第1の電極板は、重なり合う領域において前記第2の画素駆動回路の画素電極に積層されて配置され、且つ前記絶縁層によって分離される、
アレイ基板に関する。
【0007】
本開示の一例示的な実施例において、前記第1の画素駆動回路と前記第2の画素駆動回路は、前記アレイ基板のデータラインの延長方向に沿って配列され、または、前記第1の画素駆動回路と前記第2の画素駆動回路は、前記アレイ基板のゲートラインの延長方向に沿って配列されている。
【0008】
本開示の一例示的な実施例において、複数の前記画素駆動回路には、前記第1の画素駆動回路に隣接する第3の画素駆動回路、第4の画素駆動回路、および第5の画素駆動回路のうちの少なくとも1つがさらに含まれ、
前記第2の画素駆動回路、前記第1の画素駆動回路、および前記第3の画素駆動回路は、アレイ基板のデータラインの延長方向に沿って順次配列され、
または、
前記第4の画素駆動回路、前記第1の画素駆動回路、および前記第5の画素駆動回路は、アレイ基板のゲートラインの延長方向に沿って順次配列され、
前記第1の画素駆動回路の画素電極は、重なり合う領域において前記第3の画素駆動回路の第1の電極板にも積層されて配置され、且つ前記絶縁層によって分離され、
前記第1の画素駆動回路の第1の電極板は、重なり合う領域において前記第4の画素駆動回路の画素電極にも積層されて配置され、且つ前記絶縁層によって分離され、
前記第1の画素駆動回路の画素電極は、重なり合う領域において前記第5の画素駆動回路の第1の電極板にも積層されて配置され、且つ前記絶縁層によって分離される。
【0009】
本開示の一例示的な実施例において、複数の前記画素駆動回路には、前記第1の画素駆動回路に隣接する第3の画素駆動回路、第4の画素駆動回路、および第5の画素駆動回路のうちの少なくとも1つがさらに含まれ、
前記第2の画素駆動回路、前記第1の画素駆動回路、および前記第3の画素駆動回路は、アレイ基板のデータラインの延長方向に沿って順次配列され、
前記第4の画素駆動回路、前記第1の画素駆動回路、および前記第5の画素駆動回路は、アレイ基板のゲートラインの延長方向に沿って順次配列され、
前記第1の画素駆動回路の第1の電極板は、異なる重なり合う領域において前記第3の画素駆動回路の画素電極、前記第4の画素駆動回路の画素電極、および前記第5の画素駆動回路の画素電極にもそれぞれ積層されて配置され、且つ前記絶縁層によって分離される。
【0010】
本開示の一例示的な実施例において、前記第1の電極板は、第1の接続リード線を含み、前記画素電極は、第2の接続リード線を含み、
前記第1の画素駆動回路の第1の接続リード線は、前記重なり合う領域において前記第2の画素駆動回路の第2の接続リード線に積層されて配置され、且つ前記絶縁層によって分離される。
【0011】
本開示の一例示的な実施例において、前記アレイ基板は、補償線をさらに含み、
いずれかの前記画素駆動回路は、補償トランジスタをさらに含み、前記補償トランジスタのドレインは、前記第1の接続リード線を接続し、前記補償トランジスタのソースは、前記補償線を接続する。
【0012】
本開示の一例示的な実施例において、前記アレイ基板は、ベース基板をさらに含み、
前記第1の画素駆動回路の第1の接続リード線は、前記ベース基板の片側に設けられ、
前記絶縁層は、前記第1の画素駆動回路の第1の接続リード線の前記ベース基板から離れた側に設けられ、
前記第2の画素駆動回路の第2の接続リード線は、前記絶縁層の前記ベース基板から離れた側に設けられている。
【0013】
本開示の一例示的な実施例において、前記アレイ基板は、
前記絶縁層と前記第2の画素駆動回路の第2の接続リード線との間に設けられ、前記絶縁層を露出させる第1のスルーホールが設けられる平坦化層をさらに含み、
前記第2の画素駆動回路の第2の接続リード線は、前記第1のスルーホールによって露出された前記絶縁層を覆う。
【0014】
本開示の一例示的な実施例において、前記アレイ基板は、
ベース基板の片側に設けられ、前記記憶容量の第2の電極板と前記駆動トランジスタのアクティブ層とが形成されるアクティブ材料層と、
前記アクティブ材料層の前記ベース基板から離れた側に設けられ、前記記憶容量の誘電体層と前記駆動トランジスタのゲート絶縁層とが形成される第1の絶縁材料層と、
前記第1の絶縁材料層の前記ベース基板から離れた側に設けられ、前記駆動トランジスタのゲート層と前記記憶容量の第1の電極板とが形成されるゲート材料層と、
前記ゲート材料層の前記ベース基板から離れた側に設けられ、前記駆動トランジスタのドレインが形成されるソース・ドレイン材料層と、
前記ゲート材料層の前記ベース基板から離れた側に設けられ、前記絶縁層を含む保護層が形成される第2の絶縁材料層と、
前記第2の絶縁材料層の前記ベース基板から離れた側に設けられ、平坦化層が形成される第3の絶縁材料層と、
前記平坦化層の前記ベース基板から離れた側に設けられ、前記画素電極が形成される電極材料層と、
をさらに含む。
【0015】
本開示の一例示的な実施例において、前記画素駆動回路は、データ書き込みトランジスタをさらに含み、前記データ書き込みトランジスタのドレインは、前記駆動トランジスタのゲートと記憶容量の第2の電極板とを接続する。
【0016】
本開示の一例示的な実施例において、前記アレイ基板は、複数の画素を含み、各前記画素は、1つの前記画素駆動回路と、前記画素駆動回路に接続された発光素子とを含む。
【0017】
本開示の別の一側面によると、上記のアレイ基板と、前記アレイ基板をパッケージするためのパッケージフィルム層とを含む表示パネルに関する。
【0018】
本開示のさらに別の一側面によると、上記の表示パネルと、前記表示パネルに接続された駆動回路とを含む表示装置に関する。
【0019】
本開示の上記および他の特徴並びに利点をより明確にするために、以下、図面を参照して例示的な実施形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示の一実施形態に係るアレイ基板の構造概略図である。
図2】本開示の一実施形態に係る画素駆動回路の概略図である。
図3】本開示の一実施形態に係る画素駆動回路の階層構造概略図である。
図4】本開示の一実施形態に係るアクティブ材料層パターンの概略図である。
図5】本開示の一実施形態に係るゲート材料層パターンの概略図である。
図6】本開示の一実施形態に係るソース・ドレイン材料層パターンの概略図である。
図7】本開示の一実施形態に係る電極材料層パターンの概略図である。
図8】本開示の一実施形態に係る重なり合う領域の断面構造概略図である。
図9】本開示の一実施形態に係る2つの画素駆動回路と第2の画素駆動回路が配列される構造概略図である。
図10】本開示の一実施形態に係る第1の画素駆動回路と第2の画素駆動回路が配列される構造概略図である。
図11】本開示の一実施形態に係る複数の画素駆動回路が配列される構造概略図である。
図12】本開示の一実施形態に係るアレイ基板の構造概略図である。
図13】本開示の一実施形態に係る表示パネルの構造概略図である。
図14】本開示の一実施形態に係る表示装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、例示的な実施例について図面を参照しより詳細に説明する。しかしながら、例示的な実施例は、様々な形態で実施されることができ、本明細書で説明される例に限定されるものと理解されるべきではなく、逆に、これらの実施例を提供することにより、本開示はより包括的かつ完全になり、例示的な実施例の概念を当業者に全面的に伝えることができる。説明された特徴、構造または特性は、任意の適切な方法で1つまたは複数の実施例に組み込まれることができる。以下の説明では、本開示の実施例を十分に理解するために、多くの具体的な詳細が提供される。
【0022】
図面では、明確にするために領域および層の厚さを誇張する場合がある。図面における同じ符号が同一または類似の構成を表すので、それらの詳細な説明を省略する。
【0023】
「第1の」および「第2の」などの用語は、あくまでも表記としてのものであり、対象の数を制限するものではない。
【0024】
OLED表示装置のバックプレーン回路は複雑であり、画素駆動回路の画素電極はプロセスや静電放出などの理由で遮断される可能性が高く、この結果、サブ画素は発光せず、表示効果に深刻な影響を与える。
【0025】
本開示の実施形態では、アレイ基板が提供され、図1に示すように、当該アレイ基板は、複数の画素駆動回路と絶縁層(図1では図示せず)とを含む。例えば、図1には、第1の画素駆動回路810および第2の画素駆動回路820が示される。この複数の画素駆動回路のいずれかは、駆動トランジスタ200、記憶容量、および画素電極600を含む。ここで、駆動トランジスタ200はドレイン240を含み、記憶容量は第1の電極板510を含み、第1の電極板510は、駆動トランジスタのドレイン240に接続され、画素電極600は、駆動トランジスタのドレイン240に接続される。
【0026】
ここで、複数の画素駆動回路には、隣接して配置された第1の画素駆動回路810と第2の画素駆動回路820とが含まれ、第1の画素駆動回路810の第1の電極板510は、重なり合う領域Aにおいて第2の画素駆動回路820の画素電極600に積層されて配置され、且つ当該絶縁層によって分離される。
【0027】
本開示によって提供されるアレイ基板において、第1の画素駆動回路810または第2の画素駆動回路820の画素電極600で不十分な回路遮断が発生した場合、重なり合う領域A内の絶縁層を除去することができる。このように、第2の画素駆動回路820の画素電極600は、第1の画素駆動回路810の第1の電極板510を介して第1の画素駆動回路810の画素電極600に接続されている。さらに、第2の画素駆動回路820によって駆動される発光素子は、第1の画素駆動回路810によって駆動される発光素子と共に発光することができ、第2の画素駆動回路820または第1の画素駆動回路810によって駆動される発光素子が発光しないことによる表示効果への深刻な影響が低減される。
【0028】
以下、本開示の実施形態によるアレイ基板の各部品について図面を参照し詳細に説明する。
【0029】
本開示によるアレイ基板は、ベース基板、ベース基板110の片側に設けられた駆動回路層、および駆動回路層のベース基板から離れた側に設けられた有機発光層を含むことができる。ここで、アレイ基板の画素駆動回路は、駆動回路層にアレイ状に配置されている。
【0030】
いずれかの画素駆動回路において、図1に示すように、駆動トランジスタ200は、ソース230、ゲート、およびドレイン240を含むことができる。当該駆動トランジスタ200のソース230およびドレイン240は、駆動トランジスタ200のゲートの電圧制御下でオンまたはオフになるように使用される。駆動トランジスタのソース230と駆動トランジスタのドレイン240とは同じ構造であってもよいので、他の場合には、駆動トランジスタのソース230と駆動トランジスタのドレイン240との接続関係を入れ替えることができる。言い換えれば、駆動トランジスタ200は、第1の接続端子、第2の接続端子、および制御端子を有し得る。ここで、第1の接続端子と第2の接続端子の一方を駆動トランジスタのソース230としてもよく、他方を駆動トランジスタのドレイン240としてもよく、制御端子は、駆動トランジスタ200のゲートである。
【0031】
本開示の一実施形態では、図3(アレイ基板のアクティブ材料層、ゲート材料層、ソース・ドレイン材料層および電極材料層のみを示す)から図6に示すように、駆動トランジスタ200は、ベース基板の片側に設けられた駆動トランジスタのアクティブ層210、駆動トランジスタのアクティブ層210のベース基板から離れた側に設けられた駆動トランジスタのゲート絶縁層、駆動トランジスタのゲート絶縁層のベース基板から離れた側に設けられ駆動トランジスタのゲート層220(駆動トランジスタ200のゲートとする)、および駆動トランジスタのアクティブ層210に接続され且つ互いに絶縁している駆動トランジスタのソース230と駆動トランジスタのドレイン240を含むことができる。
【0032】
選択肢の一つとして、図4に示すように、駆動トランジスタのアクティブ層210は、駆動トランジスタのチャネル領域211と、駆動トランジスタのチャネル領域211の両側にある駆動トランジスタのソース接触領域212および駆動トランジスタのドレイン接触領域213とを含むことができる。ここで、駆動トランジスタのゲート絶縁層は、駆動トランジスタのチャネル領域211を覆い、駆動トランジスタのソース接触領域212および駆動トランジスタのドレイン接触領域213を少なくとも部分的に露出させる。アレイ基板には層間誘電体層も設けられ、層間誘電体層は、駆動トランジスタのゲート層220のベース基板から離れた側に設けられる。図6に示すように、駆動トランジスタのソース230は、層間誘電体層のベース基板から離れた側に設けられ、スルーホールを介して駆動トランジスタのソース接触領域212に接続されている。駆動トランジスタのドレイン240は、層間誘電体層のベース基板から離れた側に設けられ、スルーホールを介して駆動トランジスタのドレイン接触領域213に接続されている。
【0033】
言い換えれば、図3から図6に示すように、アレイ基板は、順次積層されて配置されたベース基板、アクティブ材料層、第1の絶縁材料層、ゲート材料層、層間誘電体層、およびソース・ドレイン材料層を含むことができる。ここで、アクティブ材料層には、駆動トランジスタのアクティブ層210が形成され、第1の絶縁材料層には、駆動トランジスタのゲート絶縁層が形成され、ゲート材料層には、駆動トランジスタのゲート層220が形成され、ソース・ドレイン材料層には、駆動トランジスタのソース230と駆動トランジスタのドレイン240が形成される。
【0034】
いずれかの画素駆動回路において、図3に示すように、記憶容量は、第1の電極板510に対向して設けられた第2の電極板520をさらに含み、第1の電極板510と第2の電極板520との間に、記憶容量の誘電体層(図3では図示せず)を設けることができる。
【0035】
本開示の一実施形態では、図3から図5に示すように、記憶容量は、ベース基板の片側に設けられた第2の電極板520、第2の電極板520のベース基板から離れた側に設けられた記憶容量の誘電体層、および記憶容量の誘電体層のベース基板から離れた側に設けられた第1の電極板510を含むことができる。
【0036】
選択肢の一つとして、図3から図5に示すように、第2の電極板520は、駆動トランジスタのアクティブ層210と同層に設けられ、材料は同じであってもよい。第1の電極板510は、駆動トランジスタのゲート層220と同層に設けられ、材料は同じであってもよい。記憶容量の誘電体層は、駆動トランジスタのゲート絶縁層と同層に設けられ、材料は同じであってもよい。
【0037】
言い換えれば、図4図5に示すように、アクティブ材料層には、第2の電極板520が形成されてもよく、第1の絶縁材料層には、記憶容量の誘電体層が形成されてもよく、ゲート材料層には、第1の電極板510が形成されてもよい。
【0038】
図3図7に示すように、アレイ基板において、駆動トランジスタ200のベース基板から離れた側に、画素電極600を形成するための電極材料層が設けられることができる。画素電極600は、有機発光層に設けられた発光素子との電気的接続に使用される。発光素子は、OLEDであってもよく、アノード側に設けられた正孔輸送層、正孔輸送層のアノードから離れた側に設けられた有機EL層、および有機EL層のアノードから離れた側に設けられた電子輸送層を含むことができ、電子輸送層のアノードから離れた側は、カソードと協力している。選択肢の一つとして、アノードは、アレイ基板の画素電極600であってもよく、カソードは、有機発光層のベース基板から離れた側に設けられた共通電極であってもよい。
【0039】
アレイ基板の駆動回路層には、ソース・ドレイン層リード線およびゲートラインが設けられてもよく、ここで、ソース・ドレイン層リード線は、駆動トランジスタのソース230と同層に設けられ、材料は同じであってもよく、ゲートラインは、駆動トランジスタ200のゲートと同層に設けられ、材料は同じであってもよい。
【0040】
図2図3に示すように、ソース・ドレイン層リード線は、データライン141と電源線143とを含むことができる。ここで、データライン141は、画素駆動回路にデータ信号をロードするために使用され、電源線143は、画素駆動回路に電源電圧をロードするために使用される。ゲートラインは、画素駆動回路に第1の制御信号をロードするために使用される第1のゲートライン131を含むことができる。もちろん、異なる画素駆動回路によれば、ソース・ドレイン層リード線とゲートラインは、他のリード線を含むこともできる。
【0041】
例を挙げると、図2から図6に示すように、いずれかの画素駆動回路は、補償トランジスタ300とデータ書き込みトランジスタ400とをさらに含むことができ、ソース・ドレイン層リード線は、補償線142をさらに含むことができ、ゲートラインは、第2のゲートライン132をさらに含むことができる。ここで、データ書き込みトランジスタのソース430は、データライン141を接続し、データ書き込みトランジスタのドレイン440は、駆動トランジスタ200のゲートと記憶容量500の第2の電極板520とを接続し、データ書き込みトランジスタのゲートは、第1のゲートライン131を接続する。補償トランジスタ300のソースは、補償線142を接続し、補償トランジスタ300のドレインは、記憶容量500の第1の電極板510を接続し、補償トランジスタ300のゲートは、第2のゲートライン132を接続する。駆動トランジスタのソース230は、電源線143を接続し、駆動トランジスタのドレイン240は、記憶容量500の第1の電極板510と画素電極600とを接続する。
【0042】
選択肢の一つとして、図6に示すように、データライン141、電源線143および補償線142は、ソース・ドレイン材料層に形成される。図5に示すように、第1のゲートライン131と第2のゲートライン132は、ゲート材料層に形成される。言い換えれば、ソース・ドレイン材料層には、データライン141、電源線143および補償線142が形成されることもでき、ゲート材料層には、第1のゲートライン131と第2のゲートライン132が形成されることもできる。
【0043】
選択肢の一つとして、図3図6に示すように、ソース・ドレイン材料層には、第3の接続リード線144が形成されることもでき、第3の接続リード線144は、スルーホールを介してデータ書き込みトランジスタのドレイン440に接続され、第3の接続リード線144は、スルーホールを介して記憶容量500の第2の電極板520に接続され、第3の接続リード線144は、スルーホールを介して駆動トランジスタのゲート層220に接続される。
【0044】
本開示の一実施形態では、図3から図6に示すように、補償トランジスタ300は、ベース基板の片側に設けられた補償トランジスタのアクティブ層310、補償トランジスタのアクティブ層310のベース基板から離れた側に設けられた補償トランジスタのゲート絶縁層、および補償トランジスタのゲート絶縁層のベース基板から離れた側に設けられた補償トランジスタのゲート層320(補償トランジスタ300のゲートとする)を含むことができる。ここで、補償トランジスタのアクティブ層310は、補償トランジスタのチャネル領域311と、補償トランジスタのチャネル領域311の両側にある補償トランジスタのソース接触領域312および補償トランジスタのドレイン接触領域313とを含むことができる。ここで、補償トランジスタのゲート絶縁層は、補償トランジスタのチャネル領域311を覆い、補償トランジスタのソース接触領域312および補償トランジスタのドレイン接触領域313を少なくとも部分的に露出させる。補償トランジスタのソース接触領域312は、補償トランジスタ300のソースとして補償線142と点接続するために使用されてもよい。補償トランジスタのドレイン接触領域313は、補償トランジスタ300のドレインとして第1の電極板510と接続するために使用されてもよい。
【0045】
このように、図4から図6に示すように、アクティブ材料層には、補償トランジスタのアクティブ層310が形成されることもでき、第1の絶縁材料層には、補償トランジスタのゲート絶縁層が形成されることもでき、ゲート材料層には、補償トランジスタのゲート層320が形成されることもできる。
【0046】
選択肢の一つとして、図3図5に示すように、ゲート材料層には、第4の接続リード線133が形成されることもでき、第4の接続リード線133は、スルーホールを介して補償トランジスタのソース接触領域312に接続され、第4の接続リード線133は、スルーホールを介して補償線142に接続される。
【0047】
本開示の一実施形態では、図3から図6に示すように、データ書き込みトランジスタ400は、ベース基板の片側に設けられたデータ書き込みトランジスタのアクティブ層410、データ書き込みトランジスタのアクティブ層410のベース基板から離れた側に設けられたデータ書き込みトランジスタのゲート絶縁層、データ書き込みトランジスタのゲート絶縁層のベース基板から離れた側に設けられたデータ書き込みトランジスタのゲート層420(データ書き込みトランジスタ400のゲートとする)、およびデータ書き込みトランジスタのアクティブ層410に接続され且つ互いに絶縁しているデータ書き込みトランジスタのソース430とデータ書き込みトランジスタのドレイン440を含むことができる。
【0048】
選択肢の一つとして、図3から図6に示すように、データ書き込みトランジスタのアクティブ層410は、データ書き込みトランジスタのチャネル領域411と、データ書き込みトランジスタのチャネル領域411の両側にあるデータ書き込みトランジスタのソース接触領域412およびデータ書き込みトランジスタのドレイン接触領域413とを含むことができる。ここで、データ書き込みトランジスタのゲート絶縁層は、データ書き込みトランジスタのチャネル領域411を覆い、データ書き込みトランジスタのソース接触領域412およびデータ書き込みトランジスタのドレイン接触領域413を少なくとも部分的に露出させる。層間誘電体層は、データ書き込みトランジスタのゲート層420のベース基板から離れた側に設けられる。データ書き込みトランジスタのソース430は、層間誘電体層のベース基板から離れた側に設けられ、且つスルーホールを介してデータ書き込みトランジスタのソース接触領域412に接続される。データ書き込みトランジスタのドレイン440は、層間誘電体層のベース基板から離れた側に設けられ、且つスルーホールを介してデータ書き込みトランジスタのドレイン接触領域413に接続される。
【0049】
言い換えれば、アクティブ材料層には、データ書き込みトランジスタのアクティブ層410が形成されることもでき、第1の絶縁材料層には、データ書き込みトランジスタのゲート絶縁層が形成されることもでき、ゲート材料層には、データ書き込みトランジスタのゲート層420が形成されることもでき、ソース・ドレイン材料層には、データ書き込みトランジスタのソース430およびデータ書き込みトランジスタのドレイン440が形成されることもできる。
【0050】
本開示の一実施形態では、図1図5に示すように、第1の電極板510は、第1の接続リード線511を含むことができ、図1図7に示すように、画素電極600は、第2の接続リード線601を含むことができ、ここで、第1の画素駆動回路810の第1の接続リード線511は、重なり合う領域Aにおいて第2の画素駆動回路820の第2の接続リード線601に積層されて配置され、且つ絶縁層によって分離される。即ち、第1の画素駆動回路810の第1の電極板510は、重なり合う領域Aに伸びる第1の接続リード線511を含むことができ、第2の画素駆動回路820の画素電極600は、重なり合う領域Aに伸びる第2の接続リード線601を含むことができる。重なり合う領域Aにおいて、第1の接続リード線511と第2の接続リード線601は、お互いに積層され、且つ絶縁層によって分離されることができる。このように、図8に示すように、重なり合う領域Aにおいて、アレイ基板は、順次積層されたベース基板110、第1の画素駆動回路の第1の接続リード線511、絶縁層、および第2の画素駆動回路の第2の接続リード線601を含むことができる。第1の画素駆動回路810の画素電極600を第2の画素駆動回路820の画素電極600に電気的に接続する必要がある場合、レーザーで重なり合う領域A内の絶縁層を除去することにより、第1の接続リード線511と第2の接続リード線601とを電気的に接続させることができる。
【0051】
本開示の一実施形態では、図8に示すように、アレイ基板の駆動回路層は、ゲート材料層の前記ベース基板110から離れた側に設けられた第2の絶縁材料層をさらに含むことができ、第2の絶縁材料層には、駆動回路層の保護層150(PVX)が形成されることもできる。選択肢の一つとして、保護層150は、駆動トランジスタ200のベース基板110から離れた側に設けられる。さらに、アレイ基板の駆動回路層には、第2の絶縁材料層のベース基板110から離れた側に設けられた第3の絶縁材料層が形成されることもでき、第3の絶縁材料層には、アレイ基板の駆動回路層の平坦化層160が形成されることもできる。画素電極600は、平坦化層160のベース基板110から離れた側に設けられ、且つスルーホールを介して駆動トランジスタのドレイン240に接続されることができる。
【0052】
重なり合う領域において第1の電極板と画素電極を分離する絶縁層は、保護層150と平坦化層160のうちの1つまたは2つであってもよい。例を挙げると、図8に示すように、重なり合う領域Aにおいて、第1の接続リード線511と第2の接続リード線601との間に、平坦化層160と保護層150が設けられ、平坦化層160には、保護層150を露出させる第1のスルーホール710が設けられる。このように、保護層150は、絶縁層として第1の接続リード線511を第2の接続リード線601を分離するために使用される。第1のスルーホール710を設けることで、第1の接続リード線511と第2の接続リード線601との間の分離材料を少なくすることができ、レーザー溶断などの方法で第1の接続リード線511と第2の接続リード線601との間の分離材料の除去を容易にすることができる。当該実施形態では、保護層150は、前記絶縁層を含む。
【0053】
選択肢の一つとして、図8に示すように、第1の画素駆動回路810の補償トランジスタのドレイン接触領域313は、重なり合う領域Aに伸びることができる。補償トランジスタのドレイン接触領域313のベース基板110から離れた側に設けられた第1の絶縁材料層120には、補償トランジスタのドレイン接触領域313を露出させる第2のスルーホール720が設けられることにより、第2のスルーホール720を介して補償トランジスタのドレイン接触領域313を第1の画素駆動回路810の第1の接続リード線511に接続させ、ひいては補償トランジスタ300のドレインと第1の電極板510との電気的接続を実現する。
【0054】
駆動回路層には、隣接して配置された第1の画素駆動回路810と第二駆動回路とが含まれ、第1の画素駆動回路810の第1の電極板510は、重なり合う領域Aにおいて第2の画素駆動回路820の画素電極600に積層されて配置され、且つ絶縁層によって分離される。駆動回路層には、複数の重なり合う領域Aがあり、それぞれ隣接する二つの画素駆動回路に1対1で対応していることが理解できる。言い換えれば、一つの重なり合う領域は、隣接して設けられた二つの画素駆動回路に対応して設けられ、この二つの画素駆動回路のうち、一方の画素駆動回路の第1の電極板510は、当該対応する重なり合う領域Aにおいて他方の画素駆動回路の画素電極600に積層されて配置され、且つ絶縁層によって分離される。
【0055】
本開示の一実施形態では、図9に示すように、第1の画素駆動回路810と第2の画素駆動回路820は、アレイ基板のデータライン141の延長方向に沿って配列されることができる。このように、アレイ基板のデータライン141の延長方向に沿って隣接して配置された二つの画素駆動回路を互いにペアにすることができ、その一方の画素駆動回路の画素電極600で不十分な回路遮断が発生した場合、当該ペアになっている二つの画素駆動回路に対応する重なり合う領域Aにおいて接続動作を実行できる。例えば、レーザーで重なり合う領域A内の絶縁層を除去することにより、重なり合う領域A内の第1の電極板510と画素電極600とを電気的に接続させ、さらに二つの画素駆動回路の画素電極600を電気的に接続させ、共通発光を実現する。
【0056】
本開示の別の一実施形態では、図10に示すように、第1の画素駆動回路810と第2の画素駆動回路820は、アレイ基板のゲートライン131の延長方向に沿って配列される。このように、アレイ基板のゲートラインの延長方向に沿って隣接して配置された二つの画素駆動回路を互いにペアにすることができ、その一方の画素駆動回路の画素電極600で不十分な回路遮断が発生した場合、当該ペアになっている二つの画素駆動回路に対応する重なり合う領域Aにおいて接続動作を実行できる。例えば、レーザーで重なり合う領域A内の絶縁層を除去することにより、重なり合う領域A内の第1の電極板510と画素電極600とを電気的に接続させ、さらに二つの画素駆動回路の画素電極600を電気的に接続させ、共通発光を実現する。
【0057】
もちろん、一つの画素駆動回路は、隣の画素駆動回路とペアになることができ、周りの複数の画素駆動回路とペアになることもできる。
【0058】
例を挙げると、本開示の別の一実施形態では、図11に示すように、複数の画素駆動回路には、第1の画素駆動回路810に隣接する第3の画素駆動回路830、第4の画素駆動回路840、および第5の画素駆動回路850のうちの少なくとも1つがさらに含まれる。例えば、図11では、第1の画素駆動回路810に隣接する第3の画素駆動回路830、第4の画素駆動回路840、および第5の画素駆動回路850が示される。
【0059】
ここで、第2の画素駆動回路820、第1の画素駆動回路810、および第3の画素駆動回路830は、アレイ基板のデータライン141の延長方向に沿って順次配列される。第4の画素駆動回路840、第1の画素駆動回路810、および第5の画素駆動回路850は、アレイ基板のゲートラインの延長方向に沿って順次配列される。第1の画素駆動回路810の画素電極600は、重なり合う領域Aにおいて第3の画素駆動回路830の第1の電極板510にも積層されて配置され、且つ絶縁層によって分離される。第1の画素駆動回路810の第1の電極板510は、重なり合う領域Aにおいて第4の画素駆動回路840の画素電極600にも積層されて配置され、且つ絶縁層によって分離され、第1の画素駆動回路810の画素電極600は、重なり合う領域Aにおいて第5の画素駆動回路850の第1の電極板510にも積層されて配置され、且つ絶縁層によって分離される。
【0060】
このように、図11によると、第1の画素駆動回路810の第1の電極板510は、第2の画素駆動回路820の画素電極600と第4の画素駆動回路840の画素電極600に同時にマッチングすることができる。第1の画素駆動回路810の画素電極600で不十分な回路遮断が発生した場合、第1の画素駆動回路810の第1の電極板510を第2の画素駆動回路820の画素電極600または第4の画素駆動回路840の画素電極600に電気的に接続することにより、第1の画素駆動回路810によって駆動される発光素子が発光するようにしてもよい。
【0061】
そして、図11によると、第1の画素駆動回路810の画素電極600は、第3の画素駆動回路830の第1の電極板510と第5の画素駆動回路850の第1の電極板510に同時にマッチングするすることもできる。第1の画素駆動回路810の画素電極600で不十分な回路遮断が発生した場合、第1の画素駆動回路810の画素電極600を第3の画素駆動回路830の第1の電極板510または第5の画素駆動回路850の第1の電極板510に電気的に接続することにより、第1の画素駆動回路810によって駆動される発光素子が発光するようにしてもよい。
【0062】
さらに例を挙げると、本開示の別の一実施形態では、複数の画素駆動回路には、第1の画素駆動回路810に隣接する第3の画素駆動回路830、第4の画素駆動回路840、および第5の画素駆動回路850がさらに含まれる。
【0063】
第2の画素駆動回路820、第1の画素駆動回路810、および第3の画素駆動回路830は、アレイ基板のデータライン141の延長方向に沿って順次配列され、第4の画素駆動回路840、第1の画素駆動回路810、および第5の画素駆動回路850は、アレイ基板のゲートラインの延長方向に沿って順次配列される。第1の画素駆動回路810の第1の電極板510は、異なる重なり合う領域Aにおいて第3の画素駆動回路830の画素電極600、第4の画素駆動回路840の画素電極600、および第5の画素駆動回路850の画素電極600にもそれぞれ積層されて配置され、且つ絶縁層によって分離される。
【0064】
このように、第1の画素駆動回路810の第1の電極板510は、周りで隣接する4つの画素駆動回路の画素電極600と同時にペアになることができ、即ち、第1の画素駆動回路810と周りで隣接する4つの画素駆動回路について、それぞれ対応する重なり合う領域Aを設けることができる。第1の画素駆動回路810の画素電極600で不十分な回路遮断が発生した場合、第1の画素駆動回路810の第1の電極板510を周りの4つの画素駆動回路のいずれかの画素電極600に電気的に接続することにより、第1の画素駆動回路810によって駆動される発光素子が発光するようにしてもよい。
【0065】
図12に示すように、本開示の別の一実施形態では、当該アレイ基板は、アレイ状に配置された複数の画素01を含むことができ、各画素01は、上記のような画素駆動回路011、および当該画素駆動回路011に接続された発光素子012を含む。当該発光素子012は、OLEDであってもよい。
【0066】
本開示の実施形態は、表示パネルをさらに提供し、図13に示すように、当該表示パネルは、上記アレイ基板の実施形態で説明されたいずれかのアレイ基板1001、および当該アレイ基板1001をパッケージするためのパッケージフィルム層1002を含む。
【0067】
選択肢の一つとして、当該表示パネルは、OLEDアレイ基板、PLEDアレイ基板や他のタイプの表示パネルであってもよい。当該表示パネルが上記アレイ基板の実施形態で説明されたいずれかのアレイ基板を有するので、同様の有益な効果があり、本開示では説明を省略する。
【0068】
本開示の実施形態は、表示装置をさらに提供し、図14に示すように、当該表示装置は、上記表示パネルの実施形態で説明されたいずれかの表示パネル1000、および当該表示パネル1000に接続された駆動回路2000を含む。選択肢の一つとして、図14を参照すると、当該駆動回路2000は、ゲート駆動回路2001およびソース駆動回路2002を含むことができる。ここで、当該ゲート駆動回路2001は、各行の画素01に接続されることができ、各行の画素01にゲート駆動信号を提供するために使用される。当該ソース駆動回路2002は、各列の画素01に接続され、各列の画素01にデータ信号を提供するために使用される。
【0069】
選択肢の一つとして、図14に示すように、当該ゲート駆動回路2001は、当該表示パネル1000のアレイ基板に設けられることができる。
【0070】
選択肢の一つとして、当該表示装置は、ノートパソコン、テレビ、携帯電話、または他のタイプの表示装置であってもよい。当該表示装置が上記表示パネルの実施形態で説明されたいずれかの表示パネルを有するので、同様の有益な効果があり、本開示では説明を省略する。
【0071】
本明細書に記載された「および/または」という表現は、3つの関係が存在することを意味し、例えば、Aおよび/またはBとは、Aが単独で存在し、AおよびBが同時に存在し、Bが単独で存在するという3つの状況を表してもよいことが理解されるべきである。
【0072】
本開示が本明細書で提案された部品の詳細な構造および配置を限定するものではないことが理解されるべきである。本開示は、他の実施形態を有することができ、且つ様々な形態で実現され実行されることができる。前述の変形および修正は、本開示の範囲内に含まれる。本明細書で開示および限定された本開示は、本明細書および/または図面では記載されまたは明らかにされている2つ以上の個別の特徴のすべての代替可能な組み合わせに拡張されることが理解されるべきである。これらのすべての異なる組み合わせは、本開示の複数の代替可能な側面を構成する。本明細書に記載された実施形態では、本開示を実現するために知られている例示的な形態を説明し、当業者が本開示を利用することができるようにする。
【符号の説明】
【0073】
110…ベース基板、120…第1の絶縁材料層、131…第1のゲートライン、132…第2のゲートライン、133…第4の接続リード線、141…データライン、142…補償線、143…電源線、144…第3の接続リード線、150…保護層、160…平坦化層、200…駆動トランジスタ、210…駆動トランジスタのアクティブ層、211…駆動トランジスタのチャネル領域、212…駆動トランジスタのソース接触領域、213…駆動トランジスタのドレイン接触領域、220…駆動トランジスタのゲート層、230…駆動トランジスタのソース、240…駆動トランジスタのドレイン、300…補償トランジスタ、310…補償トランジスタのアクティブ層、311…補償トランジスタのチャネル領域、312…補償トランジスタのソース接触領域、313…補償トランジスタのドレイン接触領域、320…補償トランジスタのゲート層、400…データ書き込みトランジスタ、410…データ書き込みトランジスタのアクティブ層、411…データ書き込みトランジスタのチャネル領域、412…データ書き込みトランジスタのソース接触領域、413…データ書き込みトランジスタのドレイン接触領域、420…データ書き込みトランジスタのゲート層、430…データ書き込みトランジスタのソース、440…データ書き込みトランジスタのドレイン、500…記憶容量、510…第1の電極板、511…第1の接続リード線、520…第2の電極板、600…画素電極、601…第2の接続リード線、710…第1のスルーホール、720…第2のスルーホール、810…第1の画素駆動回路、820…第2の画素駆動回路、830…第3の画素駆動回路、840…第4の画素駆動回路、850…第5の画素駆動回路、A…重なり合う領域、01…画素、011…画素駆動回路、012…発光素子、1000…表示パネル、1001…アレイ基板、1002…パッケージフィルム層、2000…駆動回路、2001…ゲート駆動回路、2002…ソース駆動回路。
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