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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】キャップを有するシーシャカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A24F 1/30 20060101AFI20240827BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20240827BHJP
【FI】
A24F1/30
A24F40/42
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021539540
(86)(22)【出願日】2020-01-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-08
(86)【国際出願番号】 IB2020050500
(87)【国際公開番号】W WO2020152603
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】19153842.0
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158469
【弁理士】
【氏名又は名称】大浦 博司
(72)【発明者】
【氏名】ヨッホノヴィッツ エヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス フレデリック
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0101590(US,A1)
【文献】国際公開第2019/003117(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0021399(US,A1)
【文献】国際公開第2012/070107(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 1/30
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル形成基体を収容するためのカートリッジであって、
一つ以上の壁、および前記一つ以上の壁のうちの少なくとも一つにある壁開口部を備える本体と、
前記壁開口部と流体連通している前記本体の空洞と、
前記本体に回転可能に接続されたキャップと、を備え、
前記キャップが、前記壁開口部が開いている第一の位置と、前記壁開口部が前記キャップによって閉じられている第二の位置との間で移動可能である、カートリッジ。
【請求項2】
前記キャップがキャップ開口部を備え、前記キャップが軸を中心に前記第一の位置から前記第二の位置に回転可能であり、前記第一の位置において、前記キャップ開口部が前記壁開口部と少なくとも部分的に整列していて、前記第二の位置において、前記キャップ開口部が前記壁開口部と整列していない、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記壁開口部が、上部壁、底部壁、または側壁、またはそれらの任意の組み合わせ上にある、請求項1または請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記壁開口部が単一の穴を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記壁開口部が複数の穴を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記壁開口部が、前記壁開口部が存在する前記壁の面積の5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、もしくは25%以上を構成するか、または前記壁開口部が存在する前記壁の前記面積の75%以下、50%以下、40%以下、もしくは30%以下を構成するか、またはその両方である、請求項1~5のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記キャップが、扇型の形状を有するキャップ開口部を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記キャップが、複数の穴を備えるキャップ開口部を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記キャップが、前記キャップの面積の5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、もしくは25%以上を構成するキャップ開口部を備えるか、または前記キャップの面積の75%以下、50%以下、40%以下、または30%以下を構成するキャップ開口部を備えるか、またはその両方である、請求項1~8のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記キャップが、前記本体に取り外し可能に取り付けられている、請求項1~9のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記空洞に配置されたエアロゾル形成基体を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記エアロゾル形成基体がたばこを含む、請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記エアロゾル形成基体がシーシャエアロゾル形成基体を含む、請求項11または請求項12に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記本体が、前記空洞を少なくとも第一のセクションおよび第二のセクションに分割する内部壁を備え、前記キャップが、前記第一のセクションまたは前記第二のセクションを選択的に開くように、または前記第一のセクションと第二のセクションの両方を閉じるように回転可能である、請求項1~13のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記キャップが、中央開口部を有する平面部分と、前記中央開口部と整列し、かつ前記平面部分から前記カートリッジの本体の中に延び、中心軸が前記キャップの前記平面部分と直角を成して配置された管状部分と、キャップ開口部とを備え、前記キャップ開口部が前記キャップの前記管状部分に開口部を備え、前記管状部分が前記セクションのうちの一つを選択的に開くように構築されている、請求項14に記載のカートリッジ。
【請求項16】
前記本体が、外壁と、前記壁開口部を備える内円筒壁とを備え、前記キャップの前記管状部分が前記本体の前記内円筒壁に隣接して配置されている、請求項15に記載のカートリッジ。
【請求項17】
シーシャシステムであって、
前記カートリッジの中に配置されたエアロゾル形成基体を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載のカートリッジと、
シーシャ装置と、を備え、前記シーシャ装置が、
前記カートリッジを受容するための受容部と、
前記カートリッジが前記シーシャ装置の前記受容部に受容されている時に、前記エアロゾル形成基体を加熱するための発熱体と、
液体充填レベルを有し、かつ前記液体充填レベルの上方の上部空間を画定するベッセルと、
前記受容部から前記ベッセルにエアロゾルを運ぶためのエアロゾル導管と、
前記上部空間と連通している出口と、を備える、シーシャシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル形成基体を収容するためのカートリッジに関し、特に、エアロゾル発生装置で使用するカートリッジに関し、より具体的には、こうしたカートリッジを閉鎖するための、または少なくとも部分的に閉鎖するためのキャップを備えるカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシーシャ装置は、たばこを喫煙するために使用されていて、また消費者によって吸入される前にベイパーおよび煙が水盤を通過するように構成されている。シーシャ装置は、一つの出口を含んでもよく、または二人以上の消費者によって同時に装置を使用してもよいように二つ以上の出口を含んでもよい。シーシャ装置の使用は、多くの人によって娯楽活動および社交体験であると考えられている。
【0003】
従来のシーシャは典型的に、糖分が比較的に高い糖蜜(場合によっては、たばこ基体に通常見られる約20%と比較して最大約50%の糖分)として知られる基材と組み合わせて使用される。シーシャ装置で使用されるたばこは、例えば生成されるベイパーおよび煙の量を増やすために、または風味を変化させるために、またはその両方のために、他の成分と混合されてもよい。
【0004】
従来のシーシャ装置は、たばこ基体を燃焼して、ユーザーによる吸入のためにエアロゾルを発生させるために木炭を用いる。たばこを加熱するための木炭のペレットを使用することは、たばこまたは他の成分を完全にまたは部分的に燃焼させうる。加えて、木炭のペレットは一酸化炭素などの有害な、または潜在的に有害な生成物を発生させる場合があり、この有害な生成物はシーシャのベイパーと混合する場合があり、かつ水盤を通過して出口に至る場合がある。
【0005】
一酸化炭素および燃焼副産物の生成を低減する一つの方法は、タバコではなくeリキッドを採用することである。eリキッドを採用するシーシャ装置は、燃焼副産物を除去するが、シーシャ消費者から、従来のたばこ由来の体験を奪う。
【発明の概要】
【0006】
たばこを加熱するが燃焼させない電気ヒーターを採用する他のシーシャ装置が提案されている。このような電気加熱非燃焼式シーシャ装置は、基体を燃焼することなく、基体からエアロゾルを発生させるために十分な温度までたばこ基体を加熱し、従ってたばこの燃焼に伴う副産物を低減する、または除去する。
【0007】
シーシャ装置は、エアロゾル形成基体を収容するためのカートリッジを採用してもよい。カートリッジは、このようなエアロゾル形成基体で充填されてもよい。エアロゾル形成基体は、たばこ、好ましくはシーシャ基体(糖蜜など)、たばこ、水、糖、および他の成分(グリセリン、風味剤など)の混合物を含んでもよい。電気加熱式シーシャ装置の加熱システムは、カートリッジの内容物を加熱してエアロゾルを発生させ、これが気流経路を通してユーザーに運ばれる。
【0008】
カートリッジを通る気流およびカートリッジからのエアロゾルの流れを容易にするために、シーシャカートリッジは、一つ以上の壁を通る一つ以上の穴を有してもよい。カートリッジは、上部に一つ以上の穴、または底部に一つ以上の穴を、または上部の一つ以上の穴と底部の一つ以上の穴との両方を含みうる。穴はまた、カートリッジの側面に沿って配置されてもよい。別の方法として、上部は開いていてもよく、すなわち上部壁は部分的または完全に存在しなくてもよい。上部壁および底部壁の任意の穴または開口部は、保管中に取り外し可能な(例えば、剥がすことができる)フィルム(例えば、ステッカー)によって閉じられていてもよい。取り外し可能なフィルムは、内容物(例えば、糖蜜)を空気および酸素への曝露から保護しうる。取り外し可能なフィルムは、カートリッジの初回使用前にユーザーによって取り外されてもよい。
【0009】
カートリッジの穴または開口部は、密封されていない場合、漏れの問題だけでなく、基体の新鮮さ(例えば、含水量)の喪失、または基体の汚染をもたらす可能性がある。新鮮さを維持するため、または基体の漏れを防止するため、または保存中に基体の品質および完全性を保つためなどの一つ以上の理由から、カートリッジの全内容物が一度に使用されない場合、使用前、または使用と使用の間に、カートリッジの開口部または穴を閉じるまたは密封することが望ましい。
【0010】
一部のユーザーは、二回以上の使用セッションにわたってカートリッジの使用を延長することを望む場合があり、またはカートリッジの内容物が完全に枯渇する前に使用セッションを一時停止することを望む場合がある。しかしながら、空気への曝露は、比較的に短期間内に糖蜜の酸化を引き起こす場合がある。従って、カートリッジが短期間内に完全に消費されない場合、糖蜜は、開封されたカートリッジ中で劣化しうる。さらに、典型的な糖蜜は、カートリッジが完全に消費されない場合、たとえシーシャ装置内部に保存されていてもカートリッジから漏れうる液体成分を含む。漏出した糖蜜は、シーシャ装置の内部を汚染し、汚い、または非衛生的である、またはユーザーにとって不快である場合があり、鮮度の低下として将来の感覚的体験を損なうことがある。
【0011】
保存中にカートリッジを密封するために使用される既存の取り外し可能なステッカーまたはリッドは、接着剤、溶接、捲縮、またはそれらの組み合わせによって取り付けられてもよい。しかしながら、こうしたステッカーまたはリッドは典型的に使い捨てであり、使用と使用の間にカートリッジを閉じるために交換可能ではなく、再密封可能でもない。
【0012】
複数回の使用を提供することができるか、または一度に一部分を使用できるシーシャカートリッジを提供することが望ましい。使用後に、閉じることができる、好ましくは再密封することができるシーシャカートリッジを提供することが望ましい。カートリッジが開封された後、例えば使用セッション中にエアロゾル形成基体の全体が完全に枯渇していない場合に、カートリッジ中の残りの糖蜜(または他のエアロゾル形成基体)の保護を可能にするシーシャカートリッジを提供することがさらに望ましい。
【0013】
本開示の様々な態様は、カートリッジ本体の壁(例えば、上部壁、底部壁、または側壁、好ましくは上部壁)上の開口部を閉鎖、密封、または再密封するためのキャップを備えるシーシャカートリッジに関する。キャップは、一つ以上のキャップ開口部を有する。カートリッジの本体は、開口部を含む一つ以上の壁を有する。キャップは、開口部を有する壁の少なくとも一部分を覆う。壁またはキャップまたはその両方の開口部は、単一の穴(例えば、扇形状の開口部)または複数の穴を含みうる。複数の穴は、材料を貫通する穿孔、メッシュ、または通気性材料を含みうる。
【0014】
本開示の一態様は、エアロゾル形成基体を収容するためのシーシャカートリッジに関し、カートリッジは、一つ以上の壁および一つ以上の壁の少なくとも一つにある壁開口部を備える本体と、少なくとも一つの壁開口部と流体連通している本体中の空洞と、本体に回転可能に接続されたキャップとを備え、キャップは壁開口部が開いている第一の位置と、壁開口部がキャップによって閉じられている第二の位置との間で移動可能である。キャップは、キャップ開口部を含んでもよい。キャップ開口部は、ハッチによってヒンジ式に閉じられてもよい。
【0015】
本開示の態様によると、キャップは軸を中心に、キャップ開口部が壁開口部と少なくとも部分的に整列している第一の位置から、キャップ開口部が壁開口部と整列していない第二の位置に回転可能であってもよい。カートリッジは、内部壁によって区画に分けられてもよい。キャップを使用して、区画を選択的に開閉することができる。
【0016】
一部の態様によると、キャップは、リッド部分、およびリッド部分から本体の中に軸方向に延びる管状部分を含んでもよく、リッド部分は管状部分と整列した中央開口部を含み、管状部分はカートリッジの本体の空洞の中に通じる開口部を有する。管状部分の開口部は、一つ以上の穴を含みうる。一部の実施形態において、開口部が管状部分においてギャップによって形成されているように、管状部分は完全に形成されていない。カートリッジ本体は、外壁と内壁の間に形成された空洞を有する、外壁と円筒状内壁とを有する二重壁構造でありうる。キャップの管状部分は、円筒状内壁に隣接して配置されていてもよい。キャップの管状部分は、円筒状内壁と同軸であってもよい。円筒状内壁は、開口部を有してもよい。キャップは回転して、本体の円筒状内壁の開口部をキャップの管状部分の開口部と整列させうる。
【0017】
本開示のキャップは、ユーザーがカートリッジを容易に開閉することを可能にする。例えば、ユーザーは使用と使用の間にカートリッジを一時的に閉じることができる。キャップは、内容物またはシーシャ装置を汚染の危険にさらすことなく、ユーザーがエアロゾル形成基体の一部分のみを使用することを可能にしうる。一部の態様によると、キャップは、二つ以上の区画を含むカートリッジの一区画のみをユーザーが一度に開くことを可能にする。二つ以上の区画を有することはまた、エアロゾル形成基体の異なるブレンドまたは風味を容易にすることができ、ユーザーが様々な選択肢から選択することを可能にする。
【0018】
本明細書で使用される「エアロゾル」という用語は、揮発性風味化合物を含有していてもよい、空気などの気体中の微細固体粒子または液滴の懸濁物を指す。
【0019】
本明細書で使用される「基体」という用語は、カートリッジ内部に配置されうる消耗品材料を指す。
【0020】
本明細書で使用される「一体」および「一体的に形成された」という用語は、一つの部品(単一の一元的部品)で形成されていて、その部品に構造的な損傷を引き起こすことなく相互から分離可能に取り外すことができない要素を表す。
【0021】
本明細書で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0022】
本明細書で使用される「または」は概して、「一方、または他方、または両方」を含む意味で使用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0023】
本明細書で使用される「有する(have)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、またはこれに類するものは、制約のない意味で使用され、概して「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「から成る(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
【0024】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同一の状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲から他の実施形態を除外することを意図しない。
【0025】
「実質的に」という用語は、本明細書で使用される「著しく」と同一の意味を有し、修飾する後続の用語の意味の度合いが少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%であると理解されうる。「実質的に~ではない」という用語は、本明細書で使用される「著しく~ではない」と同一の意味を有し、また「実質的に」と逆の意味を有し、すなわち修飾する後続の用語の意味の度合いが10%以下、5%以下、または2%以下であると理解されうる。
【0026】
「上」、「下」、「左」、「右」、「上方」、「下方」および他の方向または向きなど、本明細書で言及される任意の方向は、明瞭化および簡潔性のために本明細書に記載され、実際の装置またはシステムを限定すること意図しない。本明細書に記載の装置およびシステムは、数多くの方向および向きで使用されてもよい。
【0027】
カートリッジは、空洞を画定する任意の適切な本体を備えてもよい。エアロゾル形成基体は、カートリッジの空洞の中に配置されうる。本体は、耐熱性金属またはポリマーなどの一つ以上の耐熱性材料から形成されていることが好ましい。本体は熱伝導性材料を含むことが好ましい。例えば本体は、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、その任意の合金、およびこれらの組み合わせのうちのいずれかを含んでもよい。本体はアルミニウムを含むことが好ましい。
【0028】
カートリッジは、任意の適切な形状であってもよい。例えば、カートリッジは、シーシャ装置によって受容されるように構成された形状を有してもよい。カートリッジは、実質的に立方体形状、円筒形状、円錐台形状、または任意の他の適切な形状を有してもよい。カートリッジは、概して円筒形状または円錐台形状を有することが好ましい。
【0029】
シーシャ装置は、カートリッジ中のエアロゾル形成基体を加熱するように構成されている。装置は、伝導によってカートリッジ中のエアロゾル形成基体を加熱するように構成されうる。カートリッジは、カートリッジ中で発熱体からエアロゾル形成基体への効率的な熱伝達を提供するために、シーシャ装置の発熱体との接触を可能にするように、またはシーシャ装置の発熱体との間の距離を最小化するように形状設定およびサイズ設定されていることが好ましい。熱は、任意の適切な機構によって(例えば抵抗加熱によって、または誘導によって)発生されてもよい。誘導加熱を容易にするために、カートリッジにはサセプタが提供されてもよい。例えば、カートリッジ本体は、サセプタの機能を果たすことができる材料(例えば、アルミニウム)から作製されてもよく、もしくはそれを含んでもよく、またはサセプタ材料は、カートリッジの空洞内に提供されてもよい。サセプタ材料は、任意の形態(例えば、粉末、中実ブロック、断片等)でカートリッジの空洞内に提供されてもよい。
【0030】
任意の適切なエアロゾル形成基体は、カートリッジの本体によって画定された空洞中に提供されてもよい。エアロゾル形成基体は、揮発性化合物を放出する能力を有する基体であることが好ましい。エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成しうる化合物を放出する能力を有する基体であることが好ましい。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は固体もしくは液体であってもよく、または固体構成要素と液体構成要素の両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、シーシャ基体であることが好ましい。シーシャ基体は、シーシャ装置での使用に適した消耗品材料を意味すると理解される。シーシャ基体は、糖蜜を含みうる。
【0031】
エアロゾル形成基体はニコチンを含みうる。ニコチン含有エアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスを含んでもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含むことが好ましい。たばこ含有材料は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有することが好ましい。エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。エアロゾル形成基体は別の方法として、または追加的に、非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0032】
エアロゾル形成基体は、例えば粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上を含みうる。エアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、膨化たばこのうちの少なく一つ以上を含有してもよい。
【0033】
エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。適切なエアロゾル形成体は、使用時に密度の高い安定したエアロゾルの形成を容易にする、かつシーシャ装置の動作温度で熱分解に対して実質的に耐性のある化合物、または化合物の混合物を含む。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、最も好ましくはグリセリンなど)である。エアロゾル形成基体は、任意の適切な量のエアロゾル形成体を含んでもよい。例えば、基体のエアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で5%以上であってもよく、乾燥重量基準で30重量%より高いことが好ましい。エアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で約95%未満であってもよい。エアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で最大約55%であることが好ましい。
【0034】
エアロゾル形成基体はニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。一部の実施形態において、エアロゾル形成体は、グリセリンまたはグリセリンと一つ以上の他の適切なエアロゾル形成体(上記のものなど)との混合物である。
【0035】
エアロゾル形成基体は、他の添加物および成分(風味剤、甘味料など)を含んでもよい。一部の実施例において、エアロゾル形成基体は、任意の適切な量の一つ以上の糖を含む。エアロゾル形成基体は、スクロースを分割することによって得られるグルコースとフルクトースとの混合物である転化糖を含むことが好ましい。エアロゾル形成基体は、約1重量%~約40重量%の糖(転化糖など)を含むことが好ましい。一部の実施例において、一つ以上の糖は、コーンスターチまたはマルトデキストリンなどの適切な担体と混合されてもよい。
【0036】
一部の実施例において、エアロゾル形成基体は一つ以上の感覚促進剤を含む。適切な感覚増強剤としては、風味剤および感覚剤(冷感剤など)が挙げられる。適切な風味剤としては、天然または合成のメントール、ペパーミント、スペアミント、コーヒー、茶、スパイス(シナモン、クローブ、ショウガ、またはこれらの組み合わせなど)、ココア、バニラ、果実風味、チョコレート、ユーカリ、ゼラニウム、オイゲノール、リュウゼツラン、ビャクシン、アネトール、リナロール、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0037】
一部の実施例において、エアロゾル形成基体は懸濁液の形態である。例えば、エアロゾル形成基体は、糖蜜を含んでもよい。本明細書で使用される「糖蜜」とは、約20%以上の糖を含むエアロゾル形成基体組成物を意味する。例えば、糖蜜は、少なくとも約35重量%の糖など、少なくとも約25重量%の糖を含んでもよい。典型的に、糖蜜は、約50重量%未満の糖など、約60重量%未満の糖を含有する。
【0038】
任意の適切な量のエアロゾル形成基体(例えば、糖蜜またはたばこ基体)を空洞の中に配置してもよい。一部の好ましい実施形態において、約3g~約25gのエアロゾル形成基体が空洞の中に配置されている。カートリッジは、少なくとも6g、少なくとも7g、少なくとも8g、または少なくとも9gのエアロゾル形成基体を含んでもよい。カートリッジは、最大15g、最大12g、最大11g、または最大10gのエアロゾル形成基体を含んでもよい。約7g~約13gのエアロゾル形成基体が、空洞の中に配置されていることが好ましい。
【0039】
カートリッジの本体は、一つ以上の壁を含みうる。一部の実施形態において、本体は、上部壁、底部壁、および側壁を含む。側壁は、上部から底部に延びる円筒形または円錐台形であってもよい。本体は、一つ以上の部品を含んでもよい。例えば、側壁および底部壁は、一体型の単一部品であってもよい。側壁および底部壁は、任意の適切な様態で互いに係合するように構成された二つの部品であってもよい。例えば、側壁および底部壁は、螺合または締まり嵌めによって互いに係合するように構成されてもよい。側壁および底部壁は、一緒に接合された二つの部品であってもよい。例えば、側壁および底部壁は、溶接によって、または接着剤によって、一緒に接合されてもよい。上部壁および側壁は、単一の一体型の部品であってもよい。側壁および上部壁は、任意の適切な様態で互いに係合するように構成された二つの部品であってもよい。例えば、側壁および上部壁は、螺合または締まり嵌めによって互いに係合するように構成されてもよい。側壁および上部壁は、一緒に接合された二つの部品であってもよい。例えば、側壁および上部壁は、溶接によって、または接着剤によって、一緒に接合されてもよい。上部壁、側壁、および底部壁はすべて、単一の一体型の部品であってもよい。上部壁、側壁、および底部壁は、任意の適切な様態で互いに係合するように構成された三つの別個の部品であってもよい。例えば、上部壁、側壁、および底部壁は、螺合、締まり嵌め、溶接、または接着剤によって互いに係合するように構成されてもよい。
【0040】
本体の一つ以上の壁は、加熱可能な壁または表面を形成しうる。本明細書で使用される「加熱可能な壁」および「加熱可能な表面」は、直接的または間接的のいずれかによって熱を適用しうる壁または表面の領域を意味する。加熱可能な壁または表面は熱伝達表面として機能してもよく、この表面を通して熱が本体の外側から、空洞または空洞の内部表面に伝達されうるしうる。
【0041】
カートリッジの本体は、約15cm以下の長さ(例えば、垂直中心軸に沿った軸長さ)を有することが好ましい。一実施形態において、本体は約10cm以下の長さを有する。本体は約1cm以上の内径を有してもよい。本体の内径は約1.75cm以上であってもよい。カートリッジは空洞中に、約70cm2~約100cm2など、約25cm2~約100cm2の加熱可能な表面積を有してもよい。空洞の容積は、約10cm3~約50cm3であってもよく、約25cm3~約40cm3であることが好ましい。一実施形態において、本体は約3.5cm~約7cmの範囲の長さを有する。本体の内径は約1.5cm~約4cmであってもよい。本体は空洞中に、約70cm2~約100cm2など、約30cm2~約100cm2の加熱可能な表面積を有してもよい。空洞の容積は、約10cm3~約50cm3であってもよく、約25cm3~約40cm3であることが好ましい。本体は円筒状または円錐台状であることが好ましい。
【0042】
カートリッジ本体は、本体の一つ以上の壁を通る一つ以上の開口部または通気孔を含みうる。通気孔は、入口、または出口、またはその両方であってもよい。通気孔は、カートリッジの底部壁、上部壁、側面、またはこれらの組み合わせにて配置されてもよい。一部の実施形態において、カートリッジは、カートリッジがシーシャ装置で使用される時に、空気がエアロゾル形成基体を通して流れることを可能にするための一つ以上の入口および一つ以上の出口を含む。一部の実施形態において、カートリッジの上部壁は、カートリッジの一つ以上の出口または入口を形成するために一つ以上の開口部を画定してもよい。カートリッジの底部壁は、カートリッジの一つ以上の入口または出口を形成するための一つ以上の開口部を画定してもよい。一つ以上の入口および出口は、カートリッジを通した適切な引き出し抵抗(RTD)を提供するようにサイズ設定および形状設定されていることが好ましい。一部の実施例において、入口(複数可)から出口(複数可)へのカートリッジを通したRTDは、約10mmH2O~約50mmH2Oであってもよく、約20mmH2O~約40mmH2Oであることが好ましい。試料のRTDは、体積流量が出力端で17.5ミリリットル/秒である安定した条件下で気流によって横断された時の、試料の二つの端の間の静圧の差を指す。標本のRTDは、ISO規格6565:2002に記載の方法を使用して測定してもよい。
【0043】
本体上の一つ以上の開口部は、開口部がある壁の面積の5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、または25%以上を覆ってもよい。例えば、開口部が上部壁上にある場合、開口部は上部壁の面積の少なくとも5%を覆ってもよい。本体上の一つ以上の開口部は、開口部がある壁の面積の75%以下、50%以下、40%以下、または30%以下を覆ってもよい。
【0044】
一実施形態によると、カートリッジは、本体に回転可能に接続されたキャップを含む。キャップは、カートリッジ本体上の開口部を閉鎖、および再閉鎖するために使用されてもよい。キャップは、本体上の一つ以上の開口部を選択的に開閉するために使用されうる。
【0045】
キャップは、キャップを通って延びる中心軸を中心に、少なくとも第一の位置と第二の位置の間で回転可能であってもよい。第一の位置において、本体上の開口部は、環境に対して露出しているか、または開かれていてもよい。第二の位置において、本体上の開口部は、覆われているか、または閉じていてもよい。キャップの中心軸は、カートリッジ本体の中心軸と平行または同軸であってもよい。カートリッジ本体の中心軸は、本体が直立位置にある時に本体の中心を垂直に通過する仮想線であると見なされる。キャップは取り外し可能であってもよく、または本体に永久的に取り付けられてもよい。キャップは、ファスナー、スナップ嵌め、または摩擦嵌めなどの任意の適切な機構によって本体に取り付けられてもよい。
【0046】
キャップは、本体の上部壁または底部壁を少なくとも部分的に覆ってもよい。キャップは、本体の側壁の少なくとも一部分を覆ってもよい。キャップは、カートリッジの本体の上部または底部を覆うリッド部分を有してもよい。リッド部分は、平面であってもよく、または輪郭(例えば、ドーム状)を有してもよい。リッド部分は、キャップの上部面を形成しうる。キャップはまた、リッド部分から中心軸の方向に軸方向に延びる円筒状部分を含んでもよい。円筒状部分は、キャップの側壁であってもよく、本体の側壁の少なくとも一部分を覆ってもよい。
【0047】
キャップは、一つ以上のキャップ開口部を有してもよい。例えば、キャップは、リッド部分に、または円筒状部分に、またはその両方にキャップ開口部を有してもよい。キャップ開口部は、キャップの材料を通る穴もしくは開口であってもよく、またはキャップの縁に延びる切り抜きであってもよく、またはその両方であってもよい。一つ以上のキャップ開口部は、材料を通る穿孔、メッシュ、または通気性の材料を含みうる。キャップ開口部は、ハッチによってヒンジ式にさらに閉じられてもよい。ハッチは、キャップにヒンジで取り付けられてもよい。
【0048】
キャップ開口部は、任意の適切なサイズおよび形状を有しうる。例えば、キャップ開口部は、円形、多角形(例えば、正方形、三角形など)、扇形、スロットであってもよく、または不規則な形状を有してもよい。キャップ開口部は、単一の穴または複数の穴を含みうる。キャップ開口部のサイズは、キャップの外側面積の割合として表されてもよい。キャップの外側面積は、リッド部分および円筒状部分の外向きの表面積など、外向きの(例えば、本体に面していない)キャップの表面積を意味すると理解される。一部の実施形態において、キャップ開口部は、キャップの面積の5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、または25%以上を構成しうる。キャップ開口部は、キャップの面積の75%以下、50%以下、40%以下、または30%以下を構成しうる。本体およびキャップの開口部は、必ずしも同じ形状、個数、またはサイズである必要はない。一部の実施形態において、キャップ開口部は本体開口部とは異なる(例えば、異なる形状、サイズ、または穴の数を有する)。一部の実施形態において、キャップ開口部は本体開口部と同じであるかまたは類似している(例えば、同じ形状、サイズ、または穴の数を有する)。
【0049】
整列した開口部を通して本体の空洞が環境と(例えば、シーシャ装置の気流経路と)流体連通するように、キャップを第一の位置に回転させることによって、開口部の少なくとも一部が整列し、かつキャップを第二の位置に回転させることによって、開口部が整列していない(すなわち、キャップが本体の開口部を閉鎖する)ように、本体およびキャップの開口部は位置付けられてもよい。
【0050】
カートリッジの本体は、空洞を区画に分割する一つ以上の内部壁を有してもよい。例えば、空洞は、第一の区画および第二の区画に分割されうる。空洞は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、またはさらには8つの区画に分割されてもよい。内部壁は、本体の底部から上部に延びうる。一部の実施形態において、内部壁は穿孔または開口部を有してもよい。
【0051】
キャップを回転させて、区画を選択的に開きうる。キャップを回転させて、すべての区画を閉じるか、または一つの区画を除くすべての区画を閉じてもよい。これはユーザーが、他の区画を閉めた(好ましくは密封した)ままにしながら、一つの区画の内容物を選択的に使用することを可能にする。カートリッジの区画は、同じ基体で充填されてもよい。一部の場合、区画は、異なる基体、例えば異なる風味を有する基体、またはそうでなければ異なる化合物を含有する基体で充填されてもよい。キャップを回転させることによって、ユーザーは、使用セッションのために特定の基体(例えば、特定の風味)を選択しうる。
【0052】
一部の実施形態において、カートリッジの本体は、空洞が外壁と内円筒壁の間に形成されるように、外壁および内円筒壁を有する。空洞はさらに、一つ以上の内部壁によって区画に分割されうる。内部壁は、外壁から内円筒壁に延びてもよい。内円筒壁は、キャップの管状部分を受容しうる中央空洞を形成しうる。内円筒壁は、基体を収容する空洞の区画に中央空洞を接続する一つ以上の開口部を含みうる。キャップの管状部分は、内円筒壁の開口部と整列して、区画と中央空洞とカートリッジの外側との間に気流経路を提供することができる、対応する開口部を含んでもよい。キャップは、内円筒壁上の開口部を開閉するために回転されうる。
【0053】
カートリッジは、一つ以上の入口を覆う取り外し可能な密封層、および一つ以上の出口を覆う第二の取り外し可能なシールをさらに含んでもよい。取り外し可能な層は、剥がすことができるラベルまたはステッカー、箔など含みうる。ラベル、ステッカー、または箔は、接着剤、捲縮、溶接、または別の方法で容器に接合されるなど、任意の適切な様態でカートリッジに貼り付けられてもよい。取り外し可能な層は初回使用前に、ラベル、ステッカー、または箔をカートリッジから剥がす、または取り外すために把持されうるタブを含んでもよい。
【0054】
一部の実施形態において、カートリッジは、任意の適切なシーシャ装置とともに使用されうるシーシャカートリッジである。シーシャ装置は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを形成するためにカートリッジ中のエアロゾル形成基体を十分に加熱するが、エアロゾル形成基体を燃焼しないように構成されていることが好ましい。例えば、シーシャ装置は、エアロゾル形成基体を約150℃~約300℃の範囲の温度に加熱するように構成されてもよく、約180℃~約250℃、または約200℃~約230℃の範囲の温度に加熱することがより好ましい。
【0055】
シーシャ装置は、カートリッジを受容するための受容部を含んでもよい。シーシャ装置は、カートリッジが受容部の中に受容されている時に、カートリッジの本体に接触するように、またはこれに近接するように構成された発熱体を含む。発熱体は、受容部の少なくとも一部を形成してもよい。例えば、発熱体は、受容部の表面の少なくとも一部分を形成してもよい。シーシャカートリッジは、伝導によって発熱体から空洞中のエアロゾル形成基体に熱を伝達するように構成されてもよい。一部の実施形態において、発熱体は電気発熱体を含む。一部の実施形態において、発熱体は抵抗加熱構成要素を含む。例えば、発熱体は、一つ以上の抵抗性ワイヤまたは他の抵抗性要素を含んでもよい。抵抗性ワイヤは熱伝導性材料と接触して、生成した熱をより広い区域にわたって配分してもよい。適切な導電性材料の例としては、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、およびこれらの組み合わせが挙げられる。発熱体は、受容部の表面の少なくとも一部分を形成してもよい。
【0056】
シーシャ装置は、発熱体に動作可能に連結された制御電子機器を含んでもよい。制御電子機器は発熱体の加熱を制御するように構成されてもよい。制御電子機器は、カートリッジ中のエアロゾル形成基体が加熱される温度を制御するように構成されてもよい。制御電子機器は任意の適切な形態で提供されてもよく、また例えばコントローラ、またはメモリとコントローラを含んでもよい。コントローラは、「特定用途向け集積回路(ASIC)」状態機械、デジタル信号プロセッサ、ゲートアレイ、マイクロプロセッサ、または等価のディスクリート論理回路もしくは集積論理回路のうちの一つ以上を含んでもよい。制御電子機器は、回路の一つ以上の構成要素に制御電子機器の機能または態様を実行させる命令を包含するメモリを含んでもよい。本開示における制御電子機器に帰属する機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアのうちの一つ以上として具現化されてもよい。
【0057】
電子回路はマイクロプロセッサを含んでもよく、これはプログラム可能なマイクロプロセッサであってもよい。電子回路は電力の供給を調節するように構成されてもよい。電力は、電流パルスの形態でヒーター要素に供給されてもよい。
【0058】
一部の実施例において、制御電子機器は、発熱体の電気抵抗をモニターするように、かつ発熱体の電気抵抗に応じて発熱体への電力の供給を制御するように構成されてもよい。このようにして、制御電子機器は抵抗性要素の温度を調節してもよい。
【0059】
シーシャ装置は、熱電対などの温度センサーを含んでもよい。温度センサーは、発熱体の温度を制御するために制御電子機器に動作可能に連結されてもよい。温度センサーは、任意の適切な場所に位置付けられてもよい。例えば、温度センサーは、加熱されているエアロゾル形成基体の温度をモニターするために、受容部内に受容された時にカートリッジの中に挿入されるように構成されてもよい。加えて、または別の方法として、温度センサーは発熱体と接触してもよい。加えて、または別の方法として、温度センサーは、シーシャ装置のエアロゾル出口またはその一部分にて温度を検出するように位置付けられてもよい。センサーは、感知された温度に関連する信号を制御電子機器に送信してもよい。制御電子機器は、センサーにて適切な温度を達成するために、信号に応答して発熱体の加熱を調整してもよい。
【0060】
制御電子機器は電源に動作可能に連結されてもよい。シーシャ装置は任意の適切な電源を含んでもよい。例えば、シーシャ装置の電源は、電池または電池の組であってもよい。電源の電池は、再充電可能であってもよく、または取り外し可能かつ交換可能であってもよく、または再充電可能かつ取り外し可能かつ交換可能であってもよい。任意の適切な電池が使用されてもよい。例えば、市販のヘビーデューティータイプの電池または標準的な電池(産業用のヘビーデューティー電動工具のために使用される電池など)である。別の方法として、電源は、スーパーコンデンサまたはハイパーコンデンサを含む任意のタイプの電力であってもよい。別の方法として、組立品は、外部電力供給源に接続されてもよく、またこうした目的のために電気的および電子的に設計されていてもよい。採用される電源のタイプにかかわらず、電源は、再充電される、または外部電力供給源への接続を必要とする前に、エアロゾルがカートリッジ中のエアロゾル形成基体から枯渇するまで、少なくとも一回のシーシャセッションの間に組立品の通常の機能のために十分なエネルギーを提供することが好ましい。電源は、再充電される前、または外部電力供給源への接続を必要とする前に、少なくとも約70分の装置の連続動作の間、組立品の通常の機能のために十分なエネルギーを提供することが好ましい。
【0061】
一実施例において、シーシャ装置は、カートリッジ受容部と、発熱体と、エアロゾル出口と、外気入口とを含むエアロゾル発生要素を含む。カートリッジ受容部は、エアロゾル形成基体を含有する、本開示によるカートリッジを受容するように構成されている。発熱体は、受容部の表面の少なくとも一部を画定してもよい。
【0062】
シーシャ装置は、受容部と流体接続している外気入口チャネルを含む。使用時、カートリッジ内部の基体が加熱されると、基体中のエアロゾル形成体構成成分は気化する。カートリッジを通して外気入口チャネルから流れる空気は、カートリッジ中のエアロゾル形成体構成成分から発生したエアロゾルに同伴されるようになる。
【0063】
一部の電気加熱式シーシャ装置は、予熱された空気を採用し、かつ気流経路を典型的に採用し、これによって、吸煙に伴い空気が熱源の近くを移動する。さらに、一部の電気加熱式シーシャ装置は、加熱される表面積を増大することによって放射熱伝達を増大させる要素を採用する。
【0064】
外気入口チャネルは、シーシャ装置の外側からの外気がチャネルを通って、かつ一つ以上の開口を通ってカートリッジ受容部の中に流れうるように、カートリッジ受容部を通る一つ以上の開口を含んでもよい。チャネルは、複数の開口を含む場合、チャネルを通って各開口に流れる空気を方向付けるためのマニホールドを含んでもよい。シーシャ装置は、二つ以上の外気入口チャネルを含むことが好ましい。
【0065】
上述の通り、カートリッジは、本体の中に形成された一つ以上の開口部(入口または出口など)を含む。回転可能なキャップを回転させて、キャップ上の少なくとも一つの開口部を本体上の少なくとも一つの開口部と整列させると、空気はカートリッジを通って流れることが可能である。受容部が一つ以上の入口開口を含む場合、カートリッジ中の入口のうちの少なくとも一部は、受容部の上部の開口と整列してもよい。カートリッジは、カートリッジが受容部の中に挿入されている時に、受容部の相補的な整列機構と嵌合して、カートリッジの入口を受容部の開口と整列させるように構成された整列機構を含んでもよい。
【0066】
カートリッジに入る空気は、エアロゾル形成基体にわたって、またはエアロゾル形成基体を通って、またはエアロゾル形成基体にわたってかつそれを通って流れ、エアロゾルを同伴し、エアロゾル出口を経由してカートリッジおよび受容部を出てもよい。エアロゾル出口から、エアロゾルを搬送する空気は、シーシャ装置のベッセルに入る。
【0067】
シーシャ装置は、液体を含有するように構成された内部容積を画定する、かつ液体充填レベルの上方の上部空間中に出口を画定する任意の適切なベッセルを含んでもよい。ベッセルは、ベッセル中に含有された内容物を消費者が観察することを可能にするように光学的に透明または不透明なハウジングを含んでもよい。ベッセルは、液体充填ラインなどの液体充填境界を含んでもよい。ベッセルハウジングは任意の適切な材料で形成されてもよい。例えば、ベッセルハウジングは、ガラスまたは適切な剛直なプラスチック材料を含んでもよい。ベッセルは、消費者がベッセルを充填する、空にする、または洗浄することを可能にするように、エアロゾル発生要素を備えるシーシャ組立品の一部分から取り外し可能であることが好ましい。
【0068】
ベッセルは、消費者によって液体充填レベルまで充填されてもよい。液体は水を含むことが好ましく、これには一つ以上の着色剤、または風味剤、または着色剤と風味剤が随意に注入されてもよい。例えば、水には、植物または薬草の浸出液のうちの一方または両方が注入されてもよい。
【0069】
受容部のエアロゾル出口を出る空気中に同伴されたエアロゾルは、ベッセルの中に位置付けられた導管を通って移動してもよい。ベッセルを通って流れるエアロゾルが、消費者への送達のために、導管の開口部を通った後、液体を通って、ベッセルの上部空間の中に入り、上部空間出口を通って出るように、導管はエアロゾル発生要素のエアロゾル出口に連結されてもよく、またベッセルの液体充填レベルの下に開口部を有してもよい。
【0070】
上部空間出口は、エアロゾルを消費者に送達するためのマウスピースを備えるホースに連結されてもよい。マウスピースは、ユーザーによって起動可能なスイッチ、またはマウスピースでのユーザーの吸煙を検出するように配設された吸煙センサー、またはユーザーによって起動可能なスイッチと吸煙センサーの両方などの起動要素を含んでもよい。起動要素は、シーシャ装置の制御電子機器に動作可能に連結されている。起動要素は、制御電子機器に無線で連結されてもよい。起動要素の起動は、エネルギーを発熱体に常に供給するのではなく、制御電子機器に発熱体を起動させてもよい。起動要素の起動は、エネルギーを発熱体に常に供給するのではなく、制御電子機器に発熱体を起動させてもよい。その結果、起動要素の使用は、こうした要素を採用していない装置と比較してエネルギーを節約するよう機能して、一定した加熱ではなく要求に応じた加熱を提供する場合がある。
【0071】
例示の目的のために、本明細書に記載の通りのシーシャ装置を使用する一つの方法が、時系列で提供されている。ベッセルは、シーシャ装置の他の構成要素から取り外されて、水で充填されてもよい。天然果汁、植物浸出液、および薬草浸出液のうちの一つ以上が、風味付けのために水に添加されてもよい。添加される液体の量は、導管の一部分を覆うべきであるが、ベッセル上に随意に存在する場合がある充填レベルのマークを越えてはならない。次いで、ベッセルは、シーシャ装置に再び組み付けられる。カートリッジは、キャップ上の開口部が本体上の開口部と整列するように、すべての取り外し可能な層(存在する場合)を除去してキャップを回転させることによって準備されうる。キャップを回転させて、本体内部の空洞の区画を選択的に開いてもよい。エアロゾル発生要素の一部分は、カートリッジを受容部の中に挿入することを可能にするように取り外されてもよく、または開かれてもよい。その後、エアロゾル発生要素は再び組み立てられるかまたは閉じられる。その後、装置はオンにされてもよい。装置をオンにすることは、エアロゾル形成基体の気化温度以上であるが燃焼温度未満の温度まで、吸収性担体およびエアロゾル形成基体を加熱するための、発熱体の加熱プロファイルが開始されうる。エアロゾル形成基体のエアロゾル形成化合物は気化し、エアロゾルを発生させる。ユーザーは望む通りにマウスピースを吸煙してもよい。ユーザーは、所望の長さの時間にわたって、またはエアロゾルが見えなくなるまで、もしくは送達されなくなるまで、装置を使用し続けてもよい。一部の実施形態において、カートリッジ、またはカートリッジの区画の使用可能なエアロゾル形成基体が枯渇した時に、装置は自動的に停止するように配設されてもよい。ユーザーは、カートリッジ上のキャップを回転させて、別の区画を開いて、シーシャ装置を使用し続けてもよい。別の方法として、ユーザーは、キャップを回転させてカートリッジを閉じるか、またはカートリッジの残りの区画を閉じてもよい。一部の実施形態において、消費者は、例えばカートリッジまたは区画中のエアロゾル形成基体が枯渇した、またはほとんど枯渇したという合図を装置から受けた後、別の区画を開けるか、または装置を未使用のカートリッジで再充填してもよい。シーシャ装置は、例えば装置のスイッチをオフにすることによって、消費者によっていつでもオフにしうる。
【0072】
シーシャ装置は、任意の適切な空気管理を有してもよい。一実施例において、ユーザーからの吸煙動作は、吸込み効果を作り出して、装置内部に低圧を引き起こすことになり、これは外部の空気を装置の空気吸込み口を通して外気入口チャネルの中に、また受容部の中に流れさせる。次に、空気は、受容部の中のカートリッジを通って流れて、エアロゾル形成基体から生成されたエアロゾルを搬送しうる。次に、同伴されたエアロゾルを含む空気は、受容部のエアロゾル出口を出て、導管を通ってベッセル内部の液体に流れる。次に、エアロゾルは、泡になって液体から出て、ベッセルの中の液体のレベルより上の上部空間の中に入り、上部空間出口を出て、消費者への送達のためにホースおよびマウスピースを通る。外部の空気の流れ、およびシーシャ装置内部のエアロゾルの流れは、ユーザーからの吸煙の動作によって駆動されてもよい。
【0073】
ここで本開示に記載の一つ以上の態様を描写する図面を参照する。しかし当然のことながら、図面に描写されていない他の態様も、本開示の範囲および趣旨に収まる。図中で使用されている類似の番号は、類似の構成要素を指す。しかし当然のことながら、所与の図において一つの構成要素を指すために一つの番号を使用することは、別の図において同一の番号が付けられた構成要素を制限することを意図しない。加えて、異なる図において構成要素を指すための異なる番号の使用は、異なる番号付きの構成要素が他の番号付きの構成要素と同一または同様であることはできないと示すことを意図しない。図は例示の目的で提示されていて、制限の目的で提示されていない。図中に提示された概略図は、必ずしも実寸に比例していない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
図1図1は、シーシャ装置の概略図である。
図2A-2B】図2Aおよび図2Bは、一実施形態による、図1のシーシャ装置で使用するための、回転可能なキャップを有するシーシャカートリッジの図である。
図3A-3B】図3Aおよび図3Bは、実施形態による、図1のシーシャ装置で使用するための、シーシャカートリッジの本体の斜視図である。
図3C図3Cは、上部が取り外されたシーシャカートリッジの本体の斜視図である。
図3D図3Dは、シーシャカートリッジの底面図である。
図4A-4D】図4A~4Dは、実施形態による、図1のシーシャ装置で使用するための、シーシャカートリッジのキャップの断面図および斜視図である。
図5A-5C】図5A~5Cは、実施形態による、本体へのキャップの取り付け機構の断面図である。
図6A図6Aは、一実施形態による、図1のシーシャ装置で使用するための、管状部分を有する回転可能なキャップ、および区画に分割された本体を有するシーシャカートリッジの斜視図である。
図6B図6Bは、図6Aのシーシャカートリッジのキャップの斜視図である。
図6C図6Cは、図6Aのシーシャカートリッジの本体の斜視図である。
図6D図6Dは、図6Aのシーシャカートリッジのキャップの別の実施形態の斜視図である。
図6E図6Eは、図6Aのシーシャカートリッジの中へのキャップの挿入の概略である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
図1は、シーシャ装置100の一実施例の概略断面図である。装置100は、液体19を含有するように構成された内部容積を画定する、および液体19の充填レベルの上にある上部空間出口15を画定するベッセル17を含む。液体19は水を含むことが好ましく、これには一つ以上の着色剤、または一つ以上の風味剤、または一つ以上の着色剤と一つ以上の風味剤が随意に注入されていてもよい。例えば、水には、植物の浸出液または薬草の浸出液のうちの一方または両方が注入されていてもよい。
【0076】
装置100はまた、エアロゾル発生要素130を含む。エアロゾル発生要素130は、エアロゾル形成基体を含有するカートリッジ200を受容するように構成された受容部140を含む。エアロゾル発生要素130はまた、受容部140の少なくとも一つの表面を形成する発熱体160を含む。図示した一実施形態において、発熱体160は、受容部140の上面および側面を画定する。エアロゾル発生要素130はまた、外気を装置100の中に引き出す外気吸込み口チャネル170を含む。一部の実施形態において、外気入口チャネル170の一部分は、空気が受容部140に入る前に空気を加熱するために、発熱体160によって形成されている。次に、予熱された空気はカートリッジ200に入り、これはまた発熱体160によって加熱され、エアロゾル形成体およびエアロゾル形成基体によって発生したエアロゾルを搬送する。空気はエアロゾル発生要素130の出口を出て、導管190に入る。
【0077】
導管190は、空気およびエアロゾルをベッセル17の中に、液体19のレベルの下方に搬送する。空気およびエアロゾルは、泡になって液体19を通して、ベッセル17の上部空間の出口15を出てもよい。エアロゾルをユーザーの口に搬送するために、ホース20を上部空間出口15に取り付けてもよい。マウスピース25は、ホース20に取り付けられてもよく、またはその一部を形成してもよい。
【0078】
使用時における装置の例示的な気流経路は、図1に太い矢印で描写されている。
【0079】
マウスピース25は、起動要素27を含んでもよい。起動要素27は、スイッチ、ボタンもしくはこれに類するものであってもよく、または吸入センサーもしくはこれに類するものであってもよい。起動要素27は、装置100の任意の他の適切な場所に定置されてもよい。起動要素27は制御電子回路30と無線通信して、例えば電源35に発熱体160を給電させることによって、装置100を使用状態にするか、または制御電子回路に発熱体160を起動させてもよい。
【0080】
制御電子機器30および電源35は、図1に描写の通りのエアロゾル発生要素130の底部部分以外の場所を含む、エアロゾル発生要素130の任意の適切な位置に位置しうる。
【0081】
図2Aおよび図2Bを参照すると、カートリッジ200は、エアロゾル形成基体201が中に配置されうる空洞218を形成する本体210を有する。本体210は、上部壁215、底部壁213、および側壁212を含む。側壁212は、図示の通り円筒状であってもよく、または円錐台状であってもよく、または形状の組み合わせであってもよい。本体210は、本体210を通って延びる中心軸Aを有してもよい。本体210は、一つ以上の部品から形成されてもよい。例えば、上部壁215または底部壁213は、側壁212から取り外し可能に取り付けられて、エアロゾル形成基体201が空洞218の中に配置されることを可能にしうる。カートリッジ200はまた、キャップ300を含む。示される例において、キャップ300は、上部壁215および側壁212の一部分を少なくとも部分的に覆う。
【0082】
図2Bに示す例において、キャップ300は、リッド部分315と、リッド部分315から軸方向(すなわち、中心軸Aの方向)に延びる円筒状部分312とを含む。リッド部分315は、本体210の上部壁215を少なくとも部分的に覆ってもよい。リッド部分315は、平面部分であってもよい。キャップ300は、リッド部分315を通って延びるキャップ開口部317を有する。キャップ300は、中心軸Aを中心に回転可能であってもよい。 キャップ300を回転させることは、キャップ開口部317を本体210上の開口部と整列させることによって、カートリッジ200を開くために使用されうる。
【0083】
カートリッジ200は、空洞218内部に加熱可能な表面積を有し、これは、本体の外部からの熱を、例えばシーシャ装置の発熱体によって、空洞218中のエアロゾル形成基体201に伝達する能力のある表面である。
【0084】
ここで図3A~3Dを参照すると、本体210の様々な態様が示されている。本体210は、図3Aに示す通りの単一の本体開口部217、または図3Bに示す通りの複数の本体開口部217を有しうる。開口部(複数可)217は、カートリッジ本体210の上部壁215上に配置されてもよく、カートリッジ本体210の下部壁213上に配置されてもよく、またはその両方に配置されてもよい。キャップ300を回転させることによって、本体開口部217が露出する(開放)または覆われる(閉鎖)ことができるように、一つ以上の本体開口部217は、キャップ300によって覆われている本体210の領域に配置されていることが好ましい。一つ以上の本体開口部217が配置されている壁はまた、非透過性部分214を含んでもよい。非透過性という用語は本明細書において、空気に対して浸透性ではない材料を指すために使用される。本体210はまた、対向する壁(例えば、底部壁)上に複数の開口216を含んでもよく、カートリッジの使用時に、本体開口部217から複数の開口216にカートリッジを通って空気が流れることを可能にする。底部壁213にある開口216の例示的な配設が図3Dに示されている。カートリッジ200はまた、もしくは別の方法として、側壁212に沿って開口を含んでもよい。本体開口部および開口217、216のうちの一つ以上は、カートリッジが使用前に保存されている時、剥離可能なシールまたはカバーによってさらに遮断されてもよい。
【0085】
図3Cは、上部壁215が取り除かれた例示的なカートリッジ本体210を示す。本体210は、内部壁228または仕切りを含みうる。内部壁228は、空洞218を複数の区画219に分割しうる。六つの区画219が示されているものの、任意の適切な個数の区画が作られてもよい。内部壁228を有する本体210は、上部壁215なしで(開いた上側を覆うキャップを有する)、または区画219のそれぞれと整列した本体開口部217を含む上部壁215とともに使用されうる。一部の実施形態において、内部壁228のうちの一つ以上は、隣接する区画219を接続する貫通孔227を含んでもよい。キャップ300がカートリッジ本体210上に定置されている時、キャップ300を回転させて、キャップ開口部317を本体開口部217と整列させることによって、またはキャップ開口部317を区画219の開いた上部と整列させることによって、キャップ開口部317を少なくとも一つの区画219と整列させて、空気がカートリッジを通って流れることを可能にしうる。
【0086】
図4A~4Dは、キャップ300の様々な実施形態を示す。キャップは、平面であってもよいリッド部分315を含みうる。キャップ300はまた、リッド部分315から軸方向に延びる円筒状部分312を含んでもよい。円筒状部分は、図4A~4Dに示す通り、キャップの側壁を形成しうる。キャップ300は、キャップ開口部317を含む。キャップ開口部317は、図4Bに示す通りの単一の開口部317、または図4Cに示す通りの複数の開口部317を含みうる。キャップ開口部317が複数の開口部を備える場合、一部の実施形態において、複数の開口部はメッシュによって提供されてもよい。図4Dに示す実施形態において、キャップ300は、ハッチ325によって覆われた単一の開口部317を含む。ハッチ325は、開閉のためにヒンジ留めされていてもよい。単一の開口部317を有するキャップ300は、単一の開口部217または複数の開口部217を有する本体210と連結されうる。複数の開口部317を有するキャップ300は、単一の開口部217または複数の開口部217を有する本体210と連結されうる。キャップ300(例えば、リッド部分315)はまた、非透過性部分314を含んでもよい。一実施形態によると、キャップ300は、キャップ開口部317が本体210上の少なくとも一つの開口部217と整列している(開口部217を露出するかまたは開く)第一の位置から、キャップ開口部317が本体210上の異なる開口部217と整列しているか、またはキャップ開口部317が本体210上のいかなる開口部とも整列していない(カートリッジ200を閉じる)第二の位置に回転可能である。閉位置において、キャップ開口部317は、本体210の非透過性部分214と整列していて、本体開口部217は、キャップ300の非透過性部分314と整列している。
【0087】
図5A~5Cは、キャップ300を本体210に取り付けるために適した様々な機構を描写する。キャップ300は、取り外し可能に取り付けられてもよい。キャップ300は、ねじ接続によって取り付けられてもよい。キャップ300は、図5Aに示す通り、摩擦嵌めによって取り付けられてもよい。キャップ300はまた、図5Bおよび図5Cに示す通り、スナップ嵌めによって取り付けられてもよい。本体210はリップ222などの構造を含んでもよく、キャップ300はリップ322などの対応する構造を含んでもよく、これは、図5Bに示す通り、本体210上の構造の上に適合し、キャップ300を所定位置に回転可能な状態で保持する。本体210の構造はまた、リップ223を有する中央ポストを含んでもよく、キャップ300は、図5Cに示す通り、リップ323を有する対応する空洞を含んでもよい。取り付け機構のいずれも、図4A~4Dに示すキャップのいずれとも組み合わされてもよい。 中央ポスト取付部を有するキャップ300は、円筒状部分312を含んでもよく、または含まなくてもよい。
【0088】
ここで図6A~6Eを参照すると、空洞218からの気流は中央開口部を通るように配設されてもよい。キャップ300は、中央開口部の中に適合するように構成された管状部分342を含んでもよい。管状部分342は、リッド部分315の直径D315よりも小さい直径D342を有してもよい。管状部分342は、リッド部分315から軸方向に延びうる。キャップ300は、円筒状部分312(図示せず)を追加的に含んでもよく、これは管状部分342と同軸であってもよい。 管状部分342は、リッド部分315上のキャップ開口部317と実質的に整列している空洞318を形成しうる。管状部分342はまた、本体210上の開口部と整列可能でありうる一つ以上の開口部327を含んでもよい。
【0089】
本体210は、対応する内円筒壁232を含んでもよい(図6C)。空洞218は、側壁212の内部表面とカートリッジ本体210の内円筒状壁232の外部表面との間に形成されうる。
【0090】
空洞218は随意に、一つ以上の内部壁228によって区画219に分割されてもよい。内部壁228は、カートリッジ本体の側壁212の内部表面から内円筒壁232の外部表面まで延びうる。内円筒壁232は、中央空洞227を形成しうる。キャップ300の管状部分342は、本体210の中心空洞227を画定する内円筒壁232と協働してもよい。例えば、キャップ300の管状部分342は、図6Eに示す通り、本体210の内円筒壁232によって画定された中央空洞227の中に受容されうる。内円筒壁232は、区画を中央空洞227に接続する一つ以上の開口部237を含みうる。
【0091】
図6Dは、開口部327が、完全には形成されていない管状部分342中のギャップによって形成されている、キャップ300の別の一実施形態を示す。
【0092】
本体210の中央空洞227の中への管状部分342の挿入は、図6Eに下向き矢印で図示されている。キャップ300は、リッド部分315が本体210の側壁212に接触する(またはかみ合う)まで押し下げられてもよい。管状部分342が中央空洞227の中に受容されているように、キャップ300が本体210上に配置されている時、キャップ300を軸Aを中心に回転させて、キャップ開口部327を本体210の内円筒壁232上の一つ以上の開口部237と整列させうる。開口部327が本体210の内円筒壁232上の一つ以上の開口部237と整列している時、空気は空洞318から区画219の中に流れうる(または、シーシャ装置の流路の配設および流れの方向に応じて、その逆もありうる)。
【0093】
キャップ300を回転させて開口部318を非透過性部分と整列させ、(カートリッジを閉じるために)空洞218からの気流経路を閉じうるように、内円筒壁232はまた、非透過性部分(図示せず)を含んでもよい。
【0094】
カートリッジは、シーシャ装置の受容部の中でのカートリッジの位置付け、または受容部からのカートリッジの取り外し、またはその両方を容易にする特徴を含みうる。例えば、カートリッジは、整列、位置決め、把持などのための突起部(例えば、フランジ)を含んでもよい。キャップはまた、突起部の機能を果たしうる。
【0095】
上述の特定の実施形態は本発明を例示することが意図される。しかしながら、他の実施形態は、特許請求の範囲に定義される通りの本発明の範囲から逸脱することなく作成されてもよく、上述の特定の実施形態は制限的であるように意図されていないことが理解されるべきである。
【0096】
それ故に、シーシャ装置のためのカートリッジが記述されている。本発明の様々な修正および変形が、本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。特定の好ましい実施形態に関連して本発明を説明してきたが、当然のことながら、特許請求の通りの本発明は、こうした特定の実施形態に不当に限定されるべきではない。実際に、機械技術、化学技術およびエアロゾル発生物品製造または関連分野の当業者にとって明らかである、本発明を実施するための記載された方法の様々な修正は、以下の特許請求の範囲内に収まるものであることが意図される。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E