IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トライコヤ テクノロジーズ エルティーディーの特許一覧

特許7544718第1のガス圧の第1の環境から第2のガス圧の第2の環境へ固体粒子を移送するシステム及び方法
<>
  • 特許-第1のガス圧の第1の環境から第2のガス圧の第2の環境へ固体粒子を移送するシステム及び方法 図1
  • 特許-第1のガス圧の第1の環境から第2のガス圧の第2の環境へ固体粒子を移送するシステム及び方法 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】第1のガス圧の第1の環境から第2のガス圧の第2の環境へ固体粒子を移送するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 53/14 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
B65G53/14
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021541253
(86)(22)【出願日】2020-01-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-10
(86)【国際出願番号】 EP2020051248
(87)【国際公開番号】W WO2020148456
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】19152620.1
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517357170
【氏名又は名称】トライコヤ テクノロジーズ エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】TRICOYA TECHNOLOGIES LTD
【住所又は居所原語表記】Brettenham House, 19 Lancaster Place, London WC2E 7EN, United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ベンステッド、ステファン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】カッペン、テオドルス ゲラルドゥス マリヌス マリア
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-069631(JP,A)
【文献】特開平11-151061(JP,A)
【文献】特開2000-085967(JP,A)
【文献】特開2000-136953(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0142148(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 53/14
B65G 53/06
B65G 53/04
B65G 53/34
B65G 53/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のガス圧の第1の環境(12)から第2のガス圧の第2の環境(14)へ固体粒子を移送するためのシステム(10)であって、前記システムは、
前記第1の環境(12)と流体連通された入口(18)を有する第1のロータリーバルブ(16)と、
前記第2の環境(14)と流体連通された出口(26)を有する第2のロータリーバルブ(22)と、
中間流路(30)を囲む中間流路ハウジング(28)であって、前記第1のロータリーバルブ(16)の出口(20)と流体的に接続された入口(32)と、前記第2のロータリーバルブ(22)の入口(24)に流体的に接続された出口(34)とを有する、中間流路ハウジング(28)と、
を備え、
前記第1のロータリーバルブ(16)の前記入口(18)は、前記第1のロータリーバルブ(16)の前記出口(20)より高い位置にあり、
前記第2のロータリーバルブ(22)の前記入口(24)は、前記第2のロータリーバルブ(22)の前記出口(26)より高い位置にあり、
前記第1のロータリーバルブ(16)の前記出口(20)は、前記第2のロータリーバルブ(22)の前記入口(24)より高い位置にあり、
前記第1のロータリーバルブ(16)は、動作時に、前記固体粒子を前記第1の環境(12)から前記中間流路(30)へと移送することを可能とし、
前記第2のロータリーバルブ(22)は、動作時に、前記固体粒子を前記中間流路(30)から前記第2の環境(14)へと移送することを可能とし、
前記中間流路(30)は、第3のガス圧に維持された第3の環境(44)に流体的に接続されており、前記第3のガス圧は、前記第1のガス圧及び前記第2のガス圧の両方よりも高い、又は前記第1のガス圧及び前記第2のガス圧の両方よりも低く、
前記第1及び第2のロータリーバルブ(16、22)の両方は、前記中間流路(30)内に前記固体粒子を蓄えないように、同時にかつ連続的に駆動される、
ことを特徴とするシステム(10)。
【請求項2】
前記中間流路ハウジング(28)は、パイプ又はチューブを備える、
ことを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記第3のガス圧は、大気圧より低い圧力に維持される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第3のガス圧は、前記第1のガス圧及び前記第2のガス圧より低く維持され、前記システム(10)は、低圧シンク(36)を備え、前記低圧シンク(36)の圧力は、前記第3のガス圧より低く、前記システム(10)は、ブリードバルブ(38)を更に備え、該ブリードバルブ(38)の入口(40)は、前記第3の環境(44)に流体的に接続され、該ブリードバルブ(38)の出口は、前記低圧シンク(36)に流体的に接続され、該ブリードバルブ(38)は、動作時に、ガスが前記第3の環境(44)及び前記中間流路(30)から前記低圧シンク(36)に向かって漏れることを可能とする、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記システムは、高圧源を更に備え、該高圧源の出口は、前記第3の環境(44)に流体的に接続されており、該高圧源は、動作時に、前記第3のガス圧を前記第1のガス圧及び前記第2のガス圧よりも高く維持する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項6】
前記高圧源は、ガスポンプ(42)を備える、
ことを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項7】
第1のガス圧の第1の環境(12)から第2のガス圧の第2の環境(14)へ固体粒子を移送するための方法であって、前記方法は、
前記固体粒子を移送するためのシステム(10)であって、
前記第1の環境(12)と流体連通された入口(18)を有する第1のロータリーバルブ(16)と、
前記第2の環境(14)と流体連通された出口(26)を有する第2のロータリーバルブ(22)と、
第3の環境(44)と流体連通された中間流路(30)を囲む中間流路ハウジング(28)であって、前記第1のロータリーバルブ(16)の出口(20)と流体的に接続された入口(32)と、前記第2のロータリーバルブ(22)の入口(24)に流体的に接続された出口(34)とを有する、中間流路ハウジング(28)と、
を備え、
前記第1のロータリーバルブ(16)の前記入口(18)は、前記第1のロータリーバルブ(16)の前記出口(20)より高い位置にあり、
前記第2のロータリーバルブ(22)の前記入口(24)は、前記第2のロータリーバルブ(22)の前記出口(26)より高い位置にあり、
前記第1のロータリーバルブ(16)の前記出口(20)は、前記第2のロータリーバルブ(22)の前記入口(24)より高い位置にあり、
前記第1のロータリーバルブ(16)は、動作時に、前記固体粒子を前記第1の環境(12)から前記中間流路(30)へと移送することを可能とし、
前記第2のロータリーバルブ(22)は、動作時に、前記固体粒子を前記中間流路(30)から前記第2の環境(14)へと移送することを可能とする、
システム(10)を提供することと、
前記第3の環境(44)の第3のガス圧を、前記第1のガス圧及び前記第2のガス圧の両方よりも高い、又は前記第1のガス圧及び前記第2のガス圧の両方よりも低い圧力に維持することと、
前記第3のガス圧は、大気圧より低い圧力に維持され、前記方法は、前記固体粒子を前記第1の環境(12)から前記第2の環境(14)へ移送する前及び間に、前記中間流路(30)から空気を除去することと、
含む、
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1のガス圧の第1の環境から第2のガス圧の第2の環境へ固体粒子を移送するシステムに関連する。本発明は、第1のガス圧の第1の環境から第2のガス圧の第2の環境へ固体粒子を移送する方法にも関連する。
【背景技術】
【0002】
固体粒子を移送する既知のシステムとして、ロータリーフィーダー又はロータリーエアロックして知られているロータリーバルブがある。ロータリーバルブは、固体粒子の処理産業において、固体の流れの計量のため、空気輸送のため、及び粉塵爆発の伝播を避けるための境界として使用されている。空気輸送システムでは、固体粒子はロータリーバルブを通って、動いているガスの流れの中に落下する。ロータリーバルブは、低圧の固体粒子保管部と高圧の搬送ガスとの間の圧力境界として機能する。ロータリーバルブの高圧側から低圧側へ、ロータリーバルブのベーンを横切るリークガスの流れがある。
【0003】
異なる圧力で稼働しているプロセスに固体粒子を導入するための既知のシステムは、ロックホッパーシステムである。このシステムは、固体粒子が保管される保管環境と、固体粒子が処理される処理環境と、の隔離を達成する。ロックホッパーシステムは、固体粒子のバッチを中間容器に導入し、バッチをプロセスに排出する前に圧力/大気を変化させるバッチサイクルで動作する。特許文献1は、バッチ操作のために構成されたそのようなロックホッパーシステムを開示している。
【0004】
ロックホッパーシステムの欠点は、バッチで操作される点にある。これは、保管環境からプロセス環境へ固体粒子を連続して流すことができないことを意味する。
【0005】
特許文献2では、直列に取り付けられた特殊なロータリーバルブを使用して、固体粒子を高圧環境から低圧環境へ移送することが開示されている。2つのロータリーバルブ間の圧力は、高圧と低圧の間の値に維持される。従って、高圧環境から低圧環境へのガスの移動が可能であるが、高圧環境と低圧環境との間のガスの隔離は得られない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第2009/0142148号明細書
【文献】仏国特許発明第1569632号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、第1のガス圧の第1の環境から第2のガス圧の第2の環境へ固体粒子を移送するためのシステムであって、第1の環境と第2の環境が完全に気体分離されており、該システムにより第1の環境から第2の環境へ固体粒子を連続的に流すことができるシステムを提供することである。この文脈における完全に気体分離されているとは、第1の環境から第2の環境への気体の流れがなく、第2の環境から第1の環境への気体の流れがないことを意味する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
その目的を達成するため、本発明は、固体粒子を第1のガス圧の第1の環境から第2のガス圧の第2の環境に移送するための請求項1に係るシステムを提供する。より詳細には、本発明に係るシステムは、第1のロータリーバルブと、第2のロータリーバルブと、中間流路ハウジングと、を備える。第1のロータリーバルブは、第1の環境と流体連通している入口を有する。第2のロータリーバルブは、第2の環境と流体連通している出口を有する。中間流路ハウジングは、中間流路を囲む。中間流路ハウジングの入口は、第1のロータリーバルブの出口に流体的に接続され、中間流路ハウジングの出口は、第2のロータリーバルブの入口に流体的に接続される。第1のロータリーバルブは、動作時に、固体粒子を第1の環境から中間流路に移送することを可能にする。第2のロータリーバルブは、動作時に、固体粒子を中間流路から第2の環境へ移動することを可能にする。中間流路は、第3のガス圧に維持された第3の環境に流体的に接続されている。第3のガス圧は、第1のガス圧及び第2のガス圧の両方よりも高く、又は第1のガス圧及び第2のガス圧の両方よりも低い。
【0009】
ロータリーバルブは、固体粒子を第1の環境から第2の環境へと連続的に移送することができる。第1のガス圧に対する第3のガス圧に応じて、ガスは、第3の環境から中間流路を通り第1のロータリーバルブを横切って第1の環境に漏れる、又は第1の環境から第1のロータリーバルブを横切り中間流路を通って第3の環境に漏れる、のいずれかである。また、第2のガス圧に対する中間ガス圧に応じて、ガスは、第3の環境から中間流路を通り第2のロータリーバルブを横切って第2の環境に漏れる、又は第2の環境から第2のロータリーバルブを横切り中間流路を通って第3の環境に漏れる、のいずれかである。第3のガス圧は、第1のガス圧及び第2のガス圧の両方よりも高く又は低く維持されているため、ガスは、第3の環境から中間流路を通り第1及び第2のロータリーバルブを横切って第1及び第2の環境に漏れる、又は第1及び第2の環境から第1及び第2のロータリーバルブを横切り中間流路を通って第3の環境に漏れる、のいずれかである。いずれにしても、第1の環境から第2の環境にガスが流れることはない、又は第2の環境から第1の環境にガスが流れることはない。このようにして、第1の環境と第2の環境との間で完全な気体分離が達成される。このシステムは、有毒物質又は悪臭物質がシステムから出ることを阻止する、酸素又は空気がシステムに入ることを阻止する、反応性ガスが混ざることを阻止することが望まれている状況で使用することができる、もしくは当技術分野で知られている任意の他の用途に使用することができる。
【0010】
本発明は、固体粒子を第1のガス圧の第1の環境から第2のガス圧の第2の環境に移送するための請求項10に係る方法を更に提供する。より詳細には、本方法は、固体粒子を移送するためのシステムを提供することを含む。本システムは、第1のロータリーバルブ、第2のロータリーバルブ、及び中間流路ハウジングを備える。第1のロータリーバルブは、第1の環境と流体連通する入口を有する。第2のロータリーバルブは、第2の環境と流体連通する出口を有する。中間流路ハウジングは、中間流路を囲む。中間流路ハウジングの入口は、第1のロータリーバルブの出口に流体的に接続される。中間流路ハウジングの出口は、第2のロータリーバルブの入口に流体的に接続される。中間流路は、第3の環境に流体的に接続される。第1のロータリーバルブは、動作時に、固体粒子を第1の環境から中間流路に移送することを可能にする。第2のロータリーバルブは、動作時に、固体粒子が中間流路から第2の環境に移動することを可能にする。本方法は、第3の環境における第3のガス圧を、第1のガス圧及び第2のガス圧の両方より高い、又は第1のガス圧及び第2のガス圧の両方より低い、のいずれかの圧力に維持することを更に含む。
【0011】
固体粒子を第1のガス圧の第1の環境から第2のガス圧の第2の環境に移送する方法の効果及び利点は、本発明に係るシステムを参照して上述したような効果及び利点と同じであり、これらの効果及び利点は参照によりここに挿入される。
【0012】
以下、例示的な実施形態の図を参照して、本発明を更に解明する。なお、実施形態は、組み合わせてもよく、互いに別々に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明に係る低圧シンクを備えるシステムの一例の概略図を示す。
図2図2は、本発明に係るガスポンプを備えるシステムの別の例の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本願では、類似又は対応する特徴は、類似又は対応する参照符号により示される。様々な実施形態の説明は、図に示された例に限定されるものではなく、詳細な説明及び特許請求の範囲で使用される参照番号は、実施形態の説明を制限することを意図するものではなく、図に示された例を参照して実施形態を解明するために含まれるものである。
【0015】
最も一般的な用語では、本発明は、固体粒子を第1のガス圧の第1の環境12から第2のガス圧の第2の環境14に移送するためのシステム10に関する。このシステムは、第1のロータリーバルブ16と、第2のロータリーバルブ22と、中間流路ハウジング28とを備える。第1のロータリーバルブ16は、第1の環境12と流体連通する入口18を有する。第2のロータリーバルブ22は、第2の環境14と流体連通する出口26を有する。中間流路ハウジング28は、中間流路30を囲む。中間流路ハウジング28の入口32は、第1のロータリーバルブ16の出口20に流体的に接続されている。中間流路ハウジング28の出口34は、第2のロータリーバルブ22の入口24に流体的に接続されている。第1のロータリーバルブ16は、動作時に、固体粒子が第1の環境12から中間流路30に移動することを可能にする。第2のロータリーバルブ22は、動作時に、固体粒子が中間流路30から第2の環境14に移動することを可能にする。中間流路30は、第3のガス圧に維持された第3の環境(44)に流体的に接続されている。第3のガス圧は、第1のガス圧及び第2のガス圧の両方よりも高い、又は、代替的には第1のガス圧及び第2のガス圧の両方よりも低い。
【0016】
第1のガス圧の第1の環境12から第2のガス圧で第2の環境14に固体粒子を移送するためのシステム10の効果及び利点は、発明の概要で説明されており、これらの効果及び利点は参照によりここに挿入される。第1の環境12は、保管環境であってもよい。第2の環境14は、第1の環境12よりも高い圧力を有する処理環境であってもよい。第2の環境14は、例えば、輸送ガスを含む空気輸送システムの一部であってもよい。
【0017】
実施形態において、第1及び第2のロータリーバルブ16、22が同時に駆動されてもよい。第1及び第2のロータリーバルブ16、22の両方を連続的に駆動してもよい。第1及び第2のロータリーバルブ16、22を同時に駆動することにより、中間流路30に固体粒子を蓄える必要性がなくなる。中間流路30は、固体粒子を第1のロータリーバルブ16から第2のロータリーバルブ22に移送しさえすればよい。本発明は、第1の環境12から第2の環境14へのガスの流れ、及びその逆の流れを防ぐため、ロックホッパーシステムで必要とされるような固体粒子のバッチ移送の必要性はない。代わりに、固体粒子を連続的に移送することができ、これは、第1及び第2のロータリーバルブ16、22を連続的に操作することができることを意味する。
【0018】
一実施形態において、中間流路ハウジング28は、パイプ又はチューブを備える。当然ながら、パイプ又はチューブは、スライドバルブのような追加の設備を含んでもよい。第1の環境12と第2の環境14との間の完全な気体分離は、第3のガス圧を第1及び第2のガス圧の両方よりも高い、又は第1及び第2のガス圧の両方よりも低い、のいずれかに維持することによって達成されるため、中間流路ハウジング28は、気体分離のためのシステムを含む必要性がない。これは、中間流路ハウジング28はシンプルな設計で十分であることを意味する。
【0019】
一実施形態において、第1のロータリーバルブ16の入口18は、第1のロータリーバルブ16の出口20よりも上方に又は高く位置する。第2のロータリーバルブ22の入口24は、第2のロータリーバルブ22の出口26よりも上方に又は高く位置してもよい。第1のロータリーバルブ16の出口20は、第2のロータリーバルブ22の入口24よりも上方に又は高く位置してもよい。このようにして、重力を利用して、第1のロータリーバルブ16、中間流路30、及び第2のロータリーバルブ22を介して、固体粒子を第1の環境12から第2の環境14に移送することができる。
【0020】
一実施形態では、第3のガス圧は、大気圧より低い圧力に維持される。固体粒子が中間流路30に入る前、及び中間流路30内で固体粒子を移送する間に、中間流路30から空気を除去するために大気圧より低い圧力を使用してもよい。これは、例えば、固体材料が可燃性であるために、固体材料の空気への曝露が望ましくない場合に有利である。
【0021】
一実施形態において、第3のガス圧は、第1のガス圧及び第2のガス圧よりも低く維持される。システムは低圧シンク36を備え、低圧シンク36の圧力は、第3のガス圧力よりも低い。低圧シンク36は、真空ポンプとして実施されてもよい。システム10は、ブリードバルブ38の入口40が第3の環境44に流体接続され、出口が低圧シンク36に流体接続されたブリードバルブ38を更に含んでもよい。ブリードバルブ38は、動作時に、ガスが第3の環境44及び中間流路30から低圧シンク36に向かって漏れることを可能にする。ブリードバルブ38は、第3の環境44及び中間流路30から低圧シンク36へのガスの流出を制限又は規制するために使用され、これにより、中間流路30が安定した環境を有することを保証する。
【0022】
別の実施形態において、システムは、高圧源の出口が第3の環境44に流体接続され、高圧源は、動作時に、第3のガス圧を第1のガス圧及び第2のガス圧よりも高く維持する高圧源を備えてもよい。任意で、システムは、リードバルブの入口が高圧源に流体接続され、リードバルブの出口が第3の環境44に流体接続されたブリードバルブを更に備えてもよい。ブリードバルブは、高圧源から第3の環境44及び中間流路30へのガスの流入を制限又は規制するために使用され、これにより中間流路30が安定した環境を有することを保証する。高圧源は、ガスポンプ42を備えてもよい。ガスポンプ42は、ガスコンプレッサ又はガスブロワーとして実施されてもよい。任意に、高圧源は、高圧容器を含んでもよい。
【0023】
更に、本発明は、固体粒子を第1のガス圧の第1の環境12から第2のガス圧の第2の環境14に移送するための方法に関する。本方法は、固体粒子を移送するためのシステム10を提供することを含む。システム10は、第1のロータリーバルブ16と、第2のロータリーバルブ22と、中間流路ハウジング28とを備える。第1のロータリーバルブ16は、第1の環境12と流体連通する入口18を有する。第2のロータリーバルブ22は、第2の環境14と流体連通する出口26を有する。中間流路ハウジング28は、中間流路30を囲む。中間流路ハウジング28の入口32は、第1のロータリーバルブ16の出口20に流体的に接続されている。中間流路ハウジング28の出口34は、第2のロータリーバルブ22の入口24に流体的に接続されている。中間流路30は、第3の環境44に流体的に接続されている。第1のロータリーバルブ16は、動作時に、固体粒子が第1の環境12から中間流路30に移動することを可能にする。第2の回転弁22は、動作時に、固体粒子を中間流路30から第2の環境14に移動することを可能にする。本方法は、第3の環境44内の第3のガス圧を、第1のガス圧及び第2のガス圧の両方よりも高い、又は第1のガス圧及び第2の圧の両方よりも低い、のいずれかの圧力に維持することを更に含む。
【0024】
固体粒子を第1のガス圧の第1の環境12から第2のガス圧の第2の環境14に移送する方法の効果及び利点は、発明の概要に記載されており、これらの効果及び利点は引用によりここに挿入される。
【0025】
一実施形態において、第3のガス圧は大気圧より低い圧力に維持される。本方法は、固体粒子を第1の環境12から第2の環境14に移送する前、及び移送中に、中間流路30から空気を除去することを更に含む。これは、例えば、固体材料が可燃性であるために、固体材料の空気への曝露が望ましくない場合に有利である。
【0026】
上述した様々な実施形態は、互いに独立して実施することができ、また、様々な方法で互いに組み合わせて実施することができる。詳細な説明及び特許請求の範囲で使用されている符号は、実施形態の説明を限定するものではなく、特許請求の範囲を限定するものでもない。符号は、明確にするためにのみ使用される。
【0027】
[付記]
[付記1]
第1のガス圧の第1の環境(12)から第2のガス圧の第2の環境(14)へ固体粒子を移送するためのシステム(10)であって、前記システムは、
前記第1の環境(12)と流体連通された入口(18)を有する第1のロータリーバルブ(16)と、
前記第2の環境(14)と流体連通された出口(26)を有する第2のロータリーバルブ(22)と、
中間流路(30)を囲む中間流路ハウジング(28)であって、前記第1のロータリーバルブ(16)の出口(20)と流体的に接続された入口(32)と、前記第2のロータリーバルブ(22)の入口(24)に流体的に接続された出口(34)とを有する、中間流路ハウジング(28)と、
を備え、
前記第1のロータリーバルブ(16)の前記入口(18)は、前記第1のロータリーバルブ(16)の前記出口(20)より高い位置にあり、
前記第2のロータリーバルブ(22)の前記入口(24)は、前記第2のロータリーバルブ(22)の前記出口(26)より高い位置にあり、
前記第1のロータリーバルブ(16)の前記出口(20)は、前記第2のロータリーバルブ(22)の前記入口(24)より高い位置にあり、
前記第1のロータリーバルブ(16)は、動作時に、前記固体粒子を前記第1の環境(12)から前記中間流路(30)へと移送することを可能とし、
前記第2のロータリーバルブ(22)は、動作時に、前記固体粒子を前記中間流路(30)から前記第2の環境(14)へと移送することを可能とし、
前記中間流路(30)は、第3のガス圧に維持された第3の環境(44)に流体的に接続されており、前記第3のガス圧は、前記第1のガス圧及び前記第2のガス圧の両方よりも高い、又は前記第1のガス圧及び前記第2のガス圧の両方よりも低い、
ことを特徴とするシステム(10)。
【0028】
[付記2]
前記第1及び第2のロータリーバルブ(16、22)は、同時に駆動される、
ことを特徴とする付記1に記載のシステム。
【0029】
[付記3]
前記第1及び第2のロータリーバルブ(16、22)の両方は、連続的に駆動される、
ことを特徴とする付記1又は2に記載のシステム。
【0030】
[付記4]
前記中間流路ハウジング(28)は、パイプ又はチューブを備える、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載のシステム。
【0031】
[付記5]
前記第3のガス圧は、大気圧より低い圧力に維持される、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1つに記載のシステム。
【0032】
[付記6]
前記第3のガス圧は、前記第1のガス圧及び前記第2のガス圧より低く維持され、前記システム(10)は、低圧シンク(36)を備え、前記低圧シンク(36)の圧力は、前記第3のガス圧より低く、前記システム(10)は、ブリードバルブ(38)を更に備え、該ブリードバルブ(38)の入口(40)は、前記第3の環境(44)に流体的に接続され、該ブリードバルブ(38)の出口は、前記低圧シンク(36)に流体的に接続され、該ブリードバルブ(38)は、動作時に、ガスが前記第3の環境(44)及び前記中間流路(30)から前記低圧シンク(36)に向かって漏れることを可能とする、
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれか1つに記載のシステム。
【0033】
[付記7]
前記システムは、高圧源を更に備え、該高圧源の出口は、前記第3の環境(44)に流体的に接続されており、該高圧源は、動作時に、前記第3のガス圧を前記第1のガス圧及び前記第2のガス圧よりも高く維持する、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1つに記載のシステム。
【0034】
[付記8]
前記高圧源は、ガスポンプ(42)を備える、
ことを特徴とする付記7に記載のシステム。
【0035】
[付記9]
第1のガス圧の第1の環境(12)から第2のガス圧の第2の環境(14)へ固体粒子を移送するための方法であって、前記方法は、
前記固体粒子を移送するためのシステム(10)であって、
前記第1の環境(12)と流体連通された入口(18)を有する第1のロータリーバルブ(16)と、
前記第2の環境(14)と流体連通された出口(26)を有する第2のロータリーバルブ(22)と、
第3の環境(44)と流体連通された中間流路(30)を囲む中間流路ハウジング(28)であって、前記第1のロータリーバルブ(16)の出口(20)と流体的に接続された入口(32)と、前記第2のロータリーバルブ(22)の入口(24)に流体的に接続された出口(34)とを有する、中間流路ハウジング(28)と、
を備え、
前記第1のロータリーバルブ(16)の前記入口(18)は、前記第1のロータリーバルブ(16)の前記出口(20)より高い位置にあり、
前記第2のロータリーバルブ(22)の前記入口(24)は、前記第2のロータリーバルブ(22)の前記出口(26)より高い位置にあり、
前記第1のロータリーバルブ(16)の前記出口(20)は、前記第2のロータリーバルブ(22)の前記入口(24)より高い位置にあり、
前記第1のロータリーバルブ(16)は、動作時に、前記固体粒子を前記第1の環境(12)から前記中間流路(30)へと移送することを可能とし、
前記第2のロータリーバルブ(22)は、動作時に、前記固体粒子を前記中間流路(30)から前記第2の環境(14)へと移送することを可能とする、
システム(10)を提供することと、
前記第3の環境(44)の第3のガス圧を、前記第1のガス圧及び前記第2のガス圧の両方よりも高い、又は前記第1のガス圧及び前記第2のガス圧の両方よりも低い圧力に維持することと、
含む、
ことを特徴とする方法。
【0036】
[付記10]
前記第3のガス圧は、大気圧より低い圧力に維持され、前記方法は、前記固体粒子を前記第1の環境(12)から前記第2の環境(14)へ移送する前及び間に、前記中間流路(30)から空気を除去することを更に含む、
ことを特徴とする付記9に記載の方法。
【符号の説明】
【0037】
10 システム
12 第1の環境
14 第2の環境
16 第1のロータリーバルブ
18 (第1のロータリーバルブの)入口
20 (第1のロータリーバルブの)出口
22 第2のロータリーバルブ
24 (第2のロータリーバルブの)入口
26 (第2のロータリーバルブの)出口
28 中間流路ハウジング
30 中間流路
32 (中間流路ハウジングの)入口
34 (中間流路ハウジングの)出口
36 低圧シンク
38 ブリードバルブ
40 (ブリードバルブの)入口
42 ガスポンプ
44 第3の環境
図1
図2