IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーの特許一覧

特許7544730ペンダントシリルエーテル部分を有するシロキサン化合物を含む組成物
<>
  • 特許-ペンダントシリルエーテル部分を有するシロキサン化合物を含む組成物 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】ペンダントシリルエーテル部分を有するシロキサン化合物を含む組成物
(51)【国際特許分類】
   C08G 77/50 20060101AFI20240827BHJP
   C08G 77/38 20060101ALI20240827BHJP
   C11B 9/00 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
C08G77/50
C08G77/38
C11B9/00 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021552556
(86)(22)【出願日】2020-03-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-26
(86)【国際出願番号】 US2020021071
(87)【国際公開番号】W WO2020185481
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-10-22
(31)【優先権主張番号】62/815,511
(32)【優先日】2019-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】パナンディケル、ラジャン・ケシャヴ
(72)【発明者】
【氏名】クリューセナー、バーナード・ウィリアム
【審査官】今井 督
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-502918(JP,A)
【文献】特開2000-119394(JP,A)
【文献】特表2007-518713(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 77/00- 77/62
C11B 9/00- 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シロキサン化合物及び消費者製品補助剤を含む消費者製品組成物であって、
前記シロキサン化合物は、式(I)による1つ以上の繰り返し単位からなるか、又は式(I)による1つ以上の繰り返し単位と式(II)による1つ以上の繰り返し単位とからなり、
【化1】
式中、
各Rは、独立して、H、OH、C~C32アルキル、C~C32置換アルキル、C~C32アリール、C~C32置換アリール、C~C32アルキルアリール、C~C32置換アルキルアリール、C~C32アルコキシ、及びC~C32置換アルコキシからなる群から選択され、
各Lは、連結する二価のアルキレンラジカルであり、
各Zは、
【化2】
であり、
各Rは、ヒドロキシル基含有香料原料で形成され、
添え字mは、1~100の整数であり、
【化3】
式中、
各Rは、上記群から独立して選択され、
添え字pは、5~200の整数であり、
前記シロキサン化合物は、1200~50,000ダルトンの数平均分子量を有する、
消費者製品組成物。
【請求項2】
各Lが、独立して、-(CH-、-(HC)OC-、
【化4】
及びこれらの組み合わせから選択され、
各Rは、独立して、H、C~Cアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
各sは、独立して、1~20の整数であり、
各yは、独立して、1~100の整数である、請求項1に記載の消費者製品組成物。
【請求項3】
Lが-(CH-であり、各sは、独立して、1~20の整数である、請求項1又は2に記載の消費者製品組成物。
【請求項4】
前記シロキサン化合物が、式(III)による1つ以上の繰り返し単位と式(IV)による1つ以上の繰り返し単位とからなる
【化5】
請求項1~3のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
【請求項5】
前記シロキサン化合物のシリルエーテル部分が、シラノール基と前記ヒドロキシル基含有香料原料のヒドロキシル基との反応で形成される残基である、請求項1~4のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
【請求項6】
前記シロキサン化合物のシリルエーテル部分が、シリルエーテル基と前記ヒドロキシル基含有香料原料のヒドロキシル基との間の交換反応に由来する、請求項1~5のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
【請求項7】
前記ヒドロキシル基含有香料原料が脂肪族アルコール又は芳香族アルコールを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
【請求項8】
前記ヒドロキシル基含有香料原料が、ファルネソール、(1-メチル-2-(1,2,2-トリメチルビシクロ[3.1.0]-ヘキサ-3-イルメチル)シクロプロピル)メタノール、2-メチル-3-{(1,7,7-トリメチルビシクロ{2.2.1}ヘプタ-2-イル)オキシ}エキソ-1-プロパノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ブタン-1-オール、エチルトリメチルシクロペンテンブテノール、4-イソプロピルシクロヘキサンメタノール、2-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール、3-メチル-5-フェニルペンタノール、9-デセノール、ヒンジノール、シクロメチレンシトロネロール、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパン-1-オール、シトロネロール、(2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オール、セダノール、イソシクロゲラニオール、ゲラニオール、3-フェニルプロピルアルコール、桂皮アルコール、トランス-2-ヘキセノール、4-(5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)シクロヘキサン-1-オール、オクタリノール、エバノール、ウンデカベルトール、4-ペンテン-2-オール3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-、3-メチル-4-フェニルブタン-2-オール、オイゲノール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール、5-プロペニル-2-エトキシフェノール、1-(4-イソプロピル-シクロヘキシル)エタノール、2-ペンチルシクロペンタノール、ネロリドール、セドロール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、フロローサ、2,5,5-トリメチル-オクタヒドロナフタレン-2-オール、2,5,5-トリメチル-1,2,3,4,4α,5,6,7-オクタヒドロ-2-ナフタレノール、テルピネン-4-オール、エチルリナロール、1-メチル-3-(2-メチルプロピル)シクロヘキサノール、4-フェニル-2-メチル-2-ブタノール、3,7-ジメチルオクタン-1,7-ジオール、1-メチル-4-イソプロピルシクロヘキサン-8-オール、リナロール、3,7-ジメチル-4,6-オクタジエン-3-オール、α-テルピネオール、2-メチル-1-フェニルプロパン-2-オール、シクロヘキサンプロパノール,2,2-ジメチル-、ジヒドロミルセノール、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロミルセノール、2,6-ジメチル-2-ヘプタノール、2-ヘキセン-1-オール、3-ヘキセン-1-オール、エタノール,2,2’-オキシビス-、アントラニル酸メチル、フロールアセテート、γヘキサラクトン、パラクレゾール、ネロールオキシド、ハイドラトロピックアルコール、ジメチルベンジルカルビノール、アントラニル酸ジメチル、エチルマルトール、ヘプチルアルコール、エタノール,2-(2-メトキシエトキシ)-、シクロヘキサンエタノール、バニリン、エチルバニリン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
【請求項9】
前記ヒドロキシル基含有香料原料が、ゲラニオール、(2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オール、桂皮アルコール、リナロール、フロールアセテート、ジヒドロミルセノール、これらの誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
【請求項10】
前記消費者製品組成物が、前記組成物の少なくとも50重量%の水を含み得る、請求項1~9のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
【請求項11】
前記消費者製品補助剤が、漂白活性剤、界面活性剤、送達増強剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素、酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー系分散剤、泥及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、布地コンディショニング活性物質(FCA)、アニオン性界面活性剤スカベンジャー、担体、ヒドロトロープ、処理助剤、構造化剤、抗凝集剤、コーティング、ホルムアルデヒドスカベンジャー、付着助剤、乳化剤、顔料又はこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
【請求項12】
前記消費者製品組成物が、液体組成物、粒状組成物、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、パスティル又はビーズ、繊維状物品、錠剤、バー、フレーク、フォーム/ムース、不織布シート、又はこれらの混合物の形態である、請求項1~11のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
【請求項13】
前記消費者製品組成物が、美容ケア組成物、布地ケア組成物、ホームケア組成物、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の消費者製品組成物で表面を処理する方法であって、表面を前記消費者製品組成物と、任意に水の存在下で、接触させる工程を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、香料原料フラグメントを含み得るペンダントシリルエーテル部分を有するシロキサン化合物を含む消費者製品組成物に関する。本開示は、更に、そのようなシロキサン化合物に関する。本開示は、更に、そのような化合物及び組成物の関連方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シロキサン化合物は、消費者製品組成物における香料送達補助剤として使用されてもよい。例えば、香料を、シロキサン化合物に結合することにより、標的表面への付着を容易にすることができる。次に、香料部分とシロキサン化合物との間の結合を破壊し、香料を放出することができる。
【0003】
ただし、このような送達系には課題が残っている。例えば、化合物は、化学的に安定していない可能性があり、シロキサンと香料フラグメントとの間の結合は、付着前に(例えば、加水分解を介して)破壊される可能性がある。
【0004】
更に、シロキサン化合物の利用可能な添加部位に関連するモル比が制限されるため、そのような送達系を有用かつ費用効果の高いものにするのに十分な量の香料をシロキサン化合物に添加することは困難である。従来のシロキサンでは、シロキサンの分子量を下げることで添加量を増やすことができる。しかしながら、そのような化合物は、乳化しにくく、化学的及び物理的安定性に欠けている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
香料送達系として使用できる改良されたシロキサン化合物、並びにそのようなシロキサン化合物を含む消費者製品が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、香料原料フラグメントを含み得るペンダントシリルエーテル部分を有するシロキサン化合物を含む消費者製品組成物に関する。
【0007】
例えば、本開示は、シロキサン化合物及び消費者製品補助剤を含む消費者製品組成物に関し、シロキサン化合物は、シロキサン骨格と、シロキサン骨格に接続された少なくとも1つのペンダント基を含み、少なくとも1つのペンダント基は、香料原料フラグメントを含むシリルエーテル部分を含み、シリルのいずれかの部分をシロキサン骨格に連結するリンカー基部分を更に含み、シロキサン化合物は、更に、粘度が約10cps~約60,000cps、又は約20cps~約30,000cps、又は約30cps~約10,000cps、又は約50cps~約5,000cps、又は約50cps~約3000cps、及び/又は数平均分子量が約600~約100,000ダルトン、又は約1000~約75,000ダルトン、又は約1200~約50,000ダルトンのうちの少なくとも1つを特徴とする。香料原料フラグメントは、ヒドロキシル含有香料原料に由来するか、又はその残基であり得る。
【0008】
本開示は、また、以下、詳細に記載されるように、式(I)による1つ以上の繰り返し単位を含むシロキサン化合物及び消費者製品補助剤を含む消費者製品組成物に関する。
【0009】
本開示は、更に、そのような化合物自体を含む、本明細書に記載のシロキサン化合物に関する。
【0010】
本開示は、更に、表面、好ましくは布地を消費者製品組成物と、任意に水の存在下で、接触させる工程を含み得る、本明細書に記載の消費者製品組成物で表面を処理する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書の図面は、事実上例示的なものであり、限定的であることを意図したものではない。
図1】合成例1~7の構造を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、香料送達系として有用であるシロキサン化合物、並びに関連する消費者製品組成物及び関連するプロセスに関する。
【0013】
本開示のシロキサン化合物は、それぞれが香料原料のペンダント基ごとに添加部位を最大3つ提供し得る複数のシリルエーテル部分を含む。更に、シリルエーテル部分は、シロキサン骨格に接続するか、又はシロキサン骨格から垂れ下がっているペンダント部分に配置される。シロキサン骨格が複数のペンダントを含み得るため、利用可能な添加部位の数は、化合物の末端にのみロードできるシロキサン化合物と比較して更に増加する。
【0014】
更に、本開示のシロキサン化合物は、特定の分子量によって特徴付けられてもよい。理論によって束縛されることは望まないが、特定の閾値を超える分子量によって特徴付けられるシロキサン化合物を提供することにより、シロキサンベースの送達系の安定性を改善することができると考えられている。例えば、特定のpHを有する特定の組成物、例えば酸性pHを有する水性組成物にペンダントシリルエーテル連結基を有するシロキサン化合物は、概ね加水分解しやすくてもよい。しかしながら、シロキサン化合物が特定の分子量を超えると、疎水性シロキサン骨格がシリルエーテル基を効果的に遮蔽し、それによって加水分解を防止し、香料送達効率を改善すると考えられている。以上述べて、分子量が大きすぎる化合物の処理は、困難となることがある。
【0015】
そのような、シロキサン化合物、シロキサン化合物を含む組成物、及び関連プロセスは、以下、より詳細に議論される。
【0016】
本明細書で使用するとき、特許請求の範囲で使用される際の冠詞「a」及び「an」は、特許請求又は記載されているもののうちの1つ以上を意味すると理解される。本明細書で使用するとき、用語「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」は、非限定的であることを意味する。本開示の組成物は、本開示の成分を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなることができる。
【0017】
本明細書では、「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」という用語を使用することがある。これは、指示される材料が最小限の量であり、組成物の一部を形成するように意図的にその組成物に添加されたものでないこと、又は好ましくは、分析的に検出可能な濃度で存在しないことを意味する。それは、指示される材料が意図的に含まれる他の材料のうちの1つの中に不純物としてのみ存在する組成物を含むことを意味する。指示される材料は、あったとしても、組成物の1重量%未満、又は0.1重量%未満、又は0.01重量%未満、又は更には0重量%の濃度で存在し得る。
【0018】
本明細書で使用する場合、「消費者製品」という語句は、それが販売されている形態での使用又は消費が意図され、後続する商業的製造又は修正が意図されない、ベビーケア、美容ケア、布地及びホームケア、ファミリーケア、女性用ケア、ヘルスケア製品又は装置を意味してもよい。かかる製品としては、おむつ、胸当て、ワイプ;毛髪(ヒト、イヌ、及び/又はネコ)を処理するための製品及び/又はそれに関連する方法(脱色、着色、染色、コンディショニング、シャンプー、スタイリング用を含む);デオドラント及び制汗剤;パーソナルクレンジング;化粧品;クリーム、ローション、消費者用の局所的に塗布されるその他の製品の塗布を含むスキンケア;シェービング用製品布地、硬質表面、及び布地及びホームケア分野のその他の任意の表面の処理用の製品及び/又はそれに関連する方法であって、空気ケア、カーケア、食器洗浄、布地のコンディショニング(柔軟化を含む)、洗濯洗剤、洗濯及びすすぎ用添加剤及び/又はケア、硬質表面洗浄及び/又は処理、並びに消費者又は事業者用のその他の洗浄用のものを含むもの;トイレットペーパー、ティッシュ、紙製ハンカチ、及び/又はペーパータオルに関連する製品及び/又は方法;タンポン、女性用ナプキン;口腔ケアに関連する製品及び/又は方法(練り歯磨き、歯磨きジェル、歯すすぎ剤、入れ歯接着剤、歯ホワイトニング剤を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
本明細書で使用するとき、語句「布地ケア組成物」は、布地処理用に設計された組成物及び配合物を含む。このような組成物は、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地柔軟化組成物、布地強化組成物、布地消臭組成物、予洗い用洗剤(laundry prewash)、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、単位用量配合物、遅延送達配合物、多孔性基材若しくは不織布シート上又は中に含有される洗剤、及び本明細書の教示を考慮すると当業者に明白であり得るその他の好適な形態を含むが、これらに限定されない。このような組成物を、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用してもよく、又は洗濯操作のすすぎ若しくは洗浄サイクル中に添加してもよい。
【0020】
別途記載のない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、かかる成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0021】
本明細書における全ての温度は、別途記載のない限り、摂氏(℃)である。別途指示のない限り、本明細書における全ての測定は、20℃及び大気圧下で行われる。
【0022】
本開示の全ての実施形態において、全ての比率(%)は、特に記載のない限り、全組成物の重量に対するものである。特に記載のない限り、全ての比は重量比である。
【0023】
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書の全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれる、より狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0024】
消費者製品組成物
本開示は、消費者製品組成物に関する。消費者製品組成物は、本発明のシロキサン化合物及び消費者製品補助剤を含み得る。本開示は、また、本発明のシロキサン化合物及び担体を含む組成物に関する。
【0025】
消費者製品組成物は、香料を標的表面に送達するのに有用であり得る。上記のように、シロキサン化合物は、付着を促進し、次いで、例えばシリルエーテルの結合が破壊されたとき(例えば、加水分解を介して)、香料原料が放出されると考えられている。
【0026】
本開示の消費者製品組成物は、ベビーケア、美容ケア、布地ケア、ホームケア、ファミリーケア、女性ケア、及び/又はヘルスケアのための製品又は装置として有用であり得る。消費者製品組成物は、美容ケア組成物、布地ケア組成物、ホームケア組成物、又はこれらの組み合わせ、好ましくは布地ケア組成物であり得る。
【0027】
消費者製品組成物は、美容ケア組成物、例えば、毛髪トリートメント製品(シャンプー及び/又はコンディショナーを含む)、スキンケア製品(クリーム、ローション、又は消費者使用のための他の局所適用製品を含む)、シェービングケア製品(シェービングローション、フォーム、又はシェービング前若しくはシェービング後トリートメントを含む)、パーソナルクレンジング製品(液体ボディー洗浄剤、液体手洗い石鹸、及び/又は固形石鹸を含む)、デオドラント及び/又は制汗剤、又はこれらの混合物であってよい。組成物は、毛髪トリートメント製品、好ましくはコンディショナーであってもよい。
【0028】
消費者製品組成物は、空気ケア、カーケア、食器洗浄、硬質表面洗浄及び/又は処理、並びに消費者又は事業者用の他の洗浄用のものなどのホームケア組成物であってもよい。
【0029】
消費者製品組成物は、洗濯洗剤組成物(強力洗浄洗剤を含む)、布地コンディショニング組成物(布地柔軟化組成物及び/又は布地強化組成物を含む)、洗濯及びすすぎ用添加剤、布地前処理組成物、布地リフレッシャー組成物、又はこれらの混合物などの布地ケア組成物であってもよい。
【0030】
この布地ケア組成物は、布地コンディショニング組成物であってもよい。このような組成物は、布地に柔軟性、コンディショニング、及び/又は消臭効果をもたらすことができる。この組成物は、自動洗濯機の洗浄サイクル及び/又はすすぎサイクルの間、好ましくはすすぎサイクルの間、布地を処理することが意図され得る。この布地ケア組成物は、組成物の5重量%未満、又は2%未満、又は1%未満、又は約0.1%未満のアニオン性界面活性剤を含んでもよく、又は更にはアニオン性界面活性剤を実質的に含まなくてもよい。
【0031】
本開示の消費者製品組成物、好ましくは布地ケア組成物は、任意の適切な形態であってもよい。組成物は、液体組成物(噴霧可能な液体組成物を含む)、粒状組成物、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、(水溶性)パスティル若しくはビーズ、繊維状物品(これは水溶性又は水中分散性、あるいは実質的に不溶性/非分散性であってもよい)、錠剤、バー、フレーク、フォーム/ムース、不織布シート(例えば乾燥機用シート)又はこれらの混合物の形態であってもよい。この組成物は、液体、固体、又はこれらの組み合わせから選択することができる。組成物は、液体布地コンディショナー、噴霧可能な液体組成物、フォーム/ムース、乾燥機用シート、又は(水溶性)パスティル/ビーズの形態であり得る。
【0032】
本開示の組成物は、約2~約12又は約2~約8.5、又は約2~約7、又は約2~約5のpHを有してもよい。本開示の組成物は、約2~約4のpH、好ましくは約2~約3.7のpH、より好ましくは約2~約3.5のpH、好ましくは水性液体の形態を有してもよい。このようなpHレベルにより、シロキサンポリマーの安定性が促進されると考えられる。この組成物のpHを、組成物を脱イオン水中に溶解/分散させて、約20℃で10%濃度の溶液を形成することによって求める。
【0033】
組成物は、担体を含み得る。好適な担体としては、液体担体又は固体担体を挙げることができる。好適な担体としては、水、非水性溶媒、塩、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0034】
組成物は水を含んでもよい。組成物は水性であってもよい。液体組成物であってもよい組成物は、少なくとも50重量%の水、好ましくは少なくとも75重量%、又は85重量%を超える水を含んでもよい。組成物は、組成物の約50重量%~約99重量%、又は約60重量%~約98重量%、又は約75重量%~約98重量%、又は約80%~約98%、又は約85%~約98%、又は約90%~約98%の水を含んでもよい。組成物は、組成物の約10重量%~約90重量%、好ましくは約25%~約80%、より好ましくは約45%~約70%の水を含んでもよい。本開示のシロキサンポリマーは、シロキサンポリマーの疎水性骨格がシリルエーテル部分の安定性の利点を促進するため、水性組成物に特によく適していると考えられている。
【0035】
非水性溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、エチレングリコール、グリセリン、グリコールエーテル、炭化水素、又はこれらの混合物などの有機溶媒を挙げることができる。他の非水性溶媒としては、シロキサン又は他のシリコーンなどの親油性流体、炭化水素、全フッ素化アミン、全フッ素化及びハイドロフルオロエーテル溶媒、又はこれらの混合物を挙げることができる。また、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンなどのアミン含有溶媒が使用されてもよい。
【0036】
担体は、水溶性担体であり得る。このような担体としては、水溶性無機アルカリ金属塩、水溶性アルカリ土類金属塩、水溶性有機アルカリ金属塩、水溶性有機アルカリ土類金属塩、水溶性炭水化物、水溶性ケイ酸塩、水溶性尿素、及びこれらの任意の組み合わせを挙げることができる。ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールは、特に組成物がビーズ又はパスティルなどの固体形態である場合、適切な担体であってもよい。
【0037】
シロキサン化合物
本開示は、特定のシロキサン化合物に関する。本明細書で使用される場合、「シロキサン化合物」及び「シロキサンポリマー」は、別途指定のない限り、交換可能に使用されてもよい。
【0038】
本開示のシロキサン化合物は、独立型化合物、又はプレミックス又は供給原料組成物、又は消費者製品組成物、又は消費者製品ではない最終用途組成物であってもよい。好ましくは、シロキサン化合物は、広範な適用性及び/又は利用可能性を有し得る消費者製品組成物中に存在する。適切な消費者製品組成物は、上述したようにより詳細に説明されている。
【0039】
本開示の消費者製品は、消費者製品組成物の約0.1重量%~約20重量%、好ましくは約0.1重量%~約10重量%、より好ましくは約0.1重量%~約5重量%、又は約0.1重量%~約3重量%、又は約0.1重量%~約1重量%のシロキサン化合物を含んでもよい。
【0040】
シロキサン化合物は、シロキサン骨格と、シロキサン骨格に接続された少なくとも1つのペンダント基とを含んでもよい。少なくとも1つのペンダント基は、香料原料フラグメントを含むシリルエーテル部分を含んでもよい。ペンダント基は、シリルのいずれかの部分をシロキサン骨格に連結するリンカー基部分を含んでもよい。シロキサン化合物は、それぞれがシロキサン骨格に接続され、及び/又はシロキサン骨格から垂れ下がっている約1~約1400のペンダント基を含んでもよい。例えば、リンカー基部分を含むペンダント基を提供することにより、香料原料残基をシロキサン骨格に直接接続した場合よりも、そのような分子の比較的容易な合成をすることができると考えられている。
【0041】
シロキサン化合物は、約600~約100,000ダルトン、又は約1000~約75,000ダルトン、又は約1200~約50,000ダルトンの数平均分子量によって特徴付けられてもよい。
【0042】
シロキサン化合物は、約10cps~約60,000cps、又は約20cps~約30,000cps、又は約30cps~約10,000cps、又は約50cps~約5,000cps、又は約50cps~約3000cpsの粘度によって特徴付けられてもよい。粘度は、シロキサン化合物のサイズの代用として機能することができ、通常、安定性を向上させるために特定の最小サイズが望ましい。
【0043】
香料原料フラグメントの結合前の親シリコーン化合物(例えば、水素化ポリシリコン)の粘度は、約10cps~約60,000cps、又は約20cps~約30,000cps、又は約30cps~約10,000cps、又は約50cps~約5,000cps、又は約50cps~約3000cpsであってもよい。請求されるシロキサン化合物の粘度及び分子量は、ペンダントアルコールなどのペンダント基の分子量に依存することが理解される。
【0044】
上記のように、特定の分子量又はサイズを超えるシロキサン化合物は、例えば、シリルエーテル部分及び/又は香料原料フラグメントを環境、特に水性環境から保護することによって、及び/又は加水分解を防止することによって、送達系の安定性を促進すると考えられる。適切なシロキサン化合物及び/又はシロキサン骨格は、以下、より詳細に記載されている。
【0045】
香料原料フラグメントを含むシリルエーテル部分は、例えば、香料原料中のシリルエーテル、シラノール基(Si-OH)又はクロロシラン基(Si-Cl)とヒドロキシル基との反応で形成される残基に由来してもよい。香料原料には、シラノール基、クロロシラン基との便利な反応を形成するか、シリルエーテル基と交換するヒドロキシル基が含まれると有用である。
【0046】
香料原料フラグメントを含むそのようなシリルエーテル部分は、香料原料中のシリルエーテル、シラノール、クロロシラン基を含むエポキシをヒドロキシル基と反応させ、次にそのような化合物をシロキサン骨格に結合した求核基と反応させることによって生成することもできる。好ましい求核基は、アミノ及びカルビノールを含む。
【0047】
香料原料フラグメントを含むシリルエーテル部分は、香料原料中のシリルエーテル、シラノール、又はクロロシラン基を含む化合物をヒドロキシル基と反応させることによっても生成することができ、当該化合物は、水素化シロキサン又は他の官能化シロキサン骨格と反応できる官能基も含む。
【0048】
シリルエーテル部分は、少なくとも1つの香料原料フラグメント、又は少なくとも2つの香料原料フラグメント、好ましくは3つの香料原料フラグメントを含んでもよい。このような構成は、より多くの量の香料原料を送達するのに役立っている。
【0049】
フラグメントが由来する香料原料は、約30Da~約500Daの分子量及び/又は約-2.0~約8.0のCLogPによって特徴付けられてもよい。好ましくは、約-2.0~約7.0のCLogP;より好ましくは、約-2.0~約5.0のCLogPを有する有益剤のフラグメントである。そのような材料は、シロキサン化合物から都合よく放出されると考えられている。
【0050】
香料原料フラグメントは、ヒドロキシル含有香料原料に由来してもよい。香料原料フラグメントは、脂肪族アルコール又は芳香族アルコールを含む香料原料に由来してもよい。好ましくは、香料原料は、ヒドロキシル含有香料原料である。そのようなシロキサン化合物は、シロキサン成分が布地などの関連する標的表面に香料を送達するに役立っているため、香料送達系として特に適していると考えられている。適切な香料原料及びそのフラグメントについては、以下、より詳細に説明する。
【0051】
シロキサン化合物は、式(I)による1つ以上の繰り返し単位を含んでもよい。
【0052】
【化1】
式中、
各Rは、独立して、H、OH、C~C32アルキル、C~C32置換アルキル、C~C32アリール、C~C32置換アリール、C~C32アルキルアリール、C~C32置換アルキルアリール、C~C32アルコキシ、及びC~C32置換アルコキシからなる群から選択され、好ましくは、各Rは、独立して、H、OH、C~C16アルキル、C~Cアルコキシからなる群から選択され、より好ましくは、各Rは、独立して、H、OH、メチル、メトキシ、及びエトキシからなる群から選択され、
各Lは、連結する二価のアルキレンラジカルであり、好ましくは、各Lは、独立して、-(CH-、-(HC)OC-、
【0053】
【化2】
及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
各Rは、独立して、H、C~Cアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、及びこれらの組み合わせ、好ましくはH又はC~Cアルキル、最も好ましくはH又はメチルからなる群から選択され、
各sは、独立して、1~約20の整数であり、好ましくは、各sは、独立して、2~約12の整数であり、
各yは、独立して、1~約100の整数であり、好ましくは、各yは、独立して、1~約20の整数であり、より好ましくは、yは、独立して、1~約10の整数であり、
各Zは、
【0054】
【化3】
又はこれらの混合物からなる群から選択され、
式中、各Rは、存在する場合、上記群から独立して選択され、
各Rは、独立して、H、C~C32アルキル、C~C32置換アルキル、C~C32アリール、C~C32置換アリール、C~C32アルキルアリール、及びC~C32置換アルキルアリールからなる群から選択され、
シロキサン化合物の少なくとも1つのRは、ヒドロキシル基含有香料原料の残基であり、
添え字mは、約1~約500、好ましくは約5~約500、又は約5から200、又は約5から100の整数であり、添え字mは、約10~約500であってもよく、好ましくは、mは、約10~約200の整数であり、より好ましくは、mは、約10~約100の整数である。
【0055】
明確にするために、式(I)による繰り返し単位の-L-Z基は、シロキサン化合物のペンダント基を表し、少なくともR基は、香料原料フラグメントを表す。ヒドロキシル基含有香料原料の残基である(及び/又はそれに由来する)シロキサン化合物中の少なくとも1つのRは、例えば、シラノール基、クロロシラン、又はシリルエーテルと、ヒドロキシル基含有香料原料のヒドロキシル基との反応(例えば、縮合反応)で形成され得る。
【0056】
好ましくは、Lは、-(CH-であり、式中、各sは、独立して、1~約20の整数であり、好ましくは、各sは、独立して、2~約12の整数である。
【0057】
適切な分子量、特に酸性pH、例えば約2~約5のpHを特徴とする水性組成物における適切な分子量を保証するために、p+mの合計は、約20~約1000、好ましくは約20~約200である可能性がある。
【0058】
本開示のシロキサン化合物は、式(II)による1つ以上の繰り返し単位を更に含んでもよい。
【0059】
【化4】
式中、各Rは、上記群から独立して選択され、添え字pは、約0~約500の整数であり、好ましくは、pは、約5~約400の整数であり、より好ましくは、pは、約5~約200の整数である。
【0060】
式(I)による基及び式(II)による基は、両方が存在する場合、好ましくは分子内にランダムに分布していることが理解される。
【0061】
適切な分子量、特に酸性pH、例えば約2~約5のpHを特徴とする水性組成物における適切な分子量を保証するために、p+mの合計は、約20~約1000、好ましくは約20~約200である可能性がある。
【0062】
添え字pと添え字mの比率(p:m)は、約10:1~約1:10、好ましくは約5:1~約1:4、より好ましくは約3:1~約1:3であってもよい。mの値が高いほど、存在するペンダント基が多くなり、それにより、香料原料フラグメントの添加容量が多くなるため、比較的高いm値が望まれてもよい。以上述べて、式(II)による基のいくらかの組み込みは、式(I)による基の十分な間隔を与えてペンダント基とシロキサン骨格とのより良い反応性を可能にするために望ましい。
【0063】
式(I)による繰り返し単位は、式(III)による繰り返し単位を含んでもよい。
【0064】
【化5】
式中、L、Z、及びmは、上記及び/又は以下に記載されているとおりである。
【0065】
式(II)による繰り返し単位は、式(IV)による繰り返し単位を含んでもよい。
【0066】
【化6】
式中、R及びpは、上記及び/又は以下に記載されているとおりである。
【0067】
p:mの比率が減少するにつれて、反応を終了させるために複数のタイプのR基を使用することが望まれてもよい。したがって、式(I)による繰り返し単位、Rは、C~C32アルキル基から独立して選択されてもよく、好ましくはメチル(C)基及びC~C18アルキル基から独立して選択されてもよく、より好ましくはこれらの組み合わせである。明確にするために、そのようなシロキサンポリマーは、式(V)に示されるような経験的構造を有してもよい。
【0068】
【化7】
式中、Rは、メチル(C1)基、R’は、C2~C18アルキル基から選択され、qは、1~20の整数である。Q:(m+p)の比率は、1:10未満、好ましくは、1:20未満であってもよい。
【0069】
シロキサン化合物は、式(I)及び/又は式(III)による繰り返し単位を含んでもよく、少なくとも1つのZ部分、又は全てのZ部分は、
【0070】
【化8】
からなる群から選択される。
【0071】
シロキサン化合物は、式(I)及び/又は式(III)による繰り返し単位を含んでもよく、少なくとも1つのZ部分、又は全てのZ部分は、
【0072】
【化9】
である。
【0073】
上記のように、シロキサン化合物の少なくとも1つのR基、好ましくはシロキサン化合物の各ペンダントの少なくとも1つのR基、より好ましくは各ペンダント及び/又はシロキサン化合物の全てのR基は、ヒドロキシル基含有香料原料から1つの-OH基を除去した残基であってもよい。ヒドロキシル基含有香料原料は、脂肪族アルコール又は芳香族アルコール、好ましくは脂肪族アルコールであってもよい。ヒドロキシル基含有香料原料は、より好ましくは、ヒドロキシル含有香料原料であってもよい。
【0074】
基を生成するヒドロキシル含有香料原料は、以下で提供されるように表Aから選択される香料原料(「PRM」)からなる群から選択されてもよい。
【0075】
【表1-1】
【0076】
【表1-2】
【0077】
【表1-3】
【0078】
好ましくは、少なくとも1つのR部分は、ゲラニオール、2,6-ノナジエノール、桂皮アルコール、リナロール、フロールアセテート、これらの誘導体、又はこれらの混合物から選択されるヒドロキシル含有香料原料に由来する香料原料フラグメントを含み、これらの材料は、配合者及び/又は消費者によって特に望まれるからである。
【0079】
単一のシロキサン化合物、又は単一のペンダントでさえ、異なる特性の香料原料フラグメント(例えば、R部分)を含んでもよいことが意図される。例えば、単一のシロキサン化合物及び/又は単一のペンダントは、ゲラニオールフラグメント及びノナジエノール(例えば、(E,Z)-2,6-ノナジエン-1-オール)フラグメントの両方を含んでもよい。
【0080】
本開示にしたがって有用であり得る例示的なシロキサン化合物は、以下に記載されるように、合成例1~7のいずれか、又はこれらの混合物を含んでもよい。
【0081】
単一のシロキサン化合物、又は単一のペンダントでさえ、異なる特性の香料原料フラグメント(例えば、R部分)を含んでもよいことが意図される。例えば、単一のシロキサン化合物及び/又は単一のペンダントは、ゲラニオールフラグメント及びノンジアノールフラグメントの両方を含んでもよい。
【0082】
本開示の組成物は、本開示によるシロキサン化合物に結合されていない上記のヒドロキシル基含有PRM(例えば、非希釈/遊離形態のPRM、及び/又はカプセル化されたPRM)のうちの1つ以上を含んでもよい。遊離PRMは、シロキサン化合物の加水分解の結果であってもよく、及び/又はPRMは、非希釈、プレミックス、又はカプセル化された香料として組成物に別個に添加されてもよい。
【0083】
本開示によるシロキサン化合物を得るために、1)アルコキシシラン又はクロロシランなどの香料原料のヒドロキシル基と反応可能な官能基と、2)ビニルシラン又はアリルシランなどの末端オレフィン基を含む官能基とを含むシランは、香料原料のヒドロキシル基と反応して、シランと香料原料との間にシリルエーテル結合を形成する。この中間体は、トリメチルシロキシ末端メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマーにヒドロシリル化されて、シリルエーテル含有シロキサン化合物を生成する。
【0084】
あるいは、1)香料原料のヒドロキシル基と反応可能な官能基と、2)末端オレフィン基を含む官能基とを含むシランは、まず、ヒドロシリル化を介してトリメチルシロキシ末端メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマーと反応して、香料原料のヒドロキシル基と反応可能な官能基を含むシランを含む中間体を生成する。次に、当該中間体を香料原料のヒドロキシル基と反応させて、シランと香料原料との間にシリルエーテル結合を形成し、シリルエーテル含有シロキサン化合物を生成する。
【0085】
シロキサン化合物及び/又はそのような化合物を含む組成物の使用中に、シリルエーテル結合は、例えば加水分解を介して破壊することができ、それにより、ヒドロキシル含有香料原料などのヒドロキシル含有香料原料を放出すると考えられる。
【0086】
消費者製品補助剤
開示される組成物は、漂白活性剤、界面活性剤、送達増強剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素、酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー系分散剤、泥及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、布地コンディショニング活性物質(FCA)、アニオン性界面活性剤スカベンジャー、担体、ヒドロトロープ、処理助剤、構造化剤、抗凝集剤、コーティング、ホルムアルデヒドスカベンジャー、付着助剤、乳化剤、顔料又はこれらの混合物を含み得る追加の補助消費者製品補助剤を含んでもよい。本開示の組成物は、1つ以上の記載された補助材料を実質的に含まなくてもよい。これらの追加の構成成分の正確な性質及びそれらを組み込む濃度(又は更にはそれらの欠如)は、組成物の物理的形態及び使用される作業の性質に依存する。
【0087】
この組成物は、約0.01%~約50%の布地コンディショニング活性物質、約0.001%~約15%のアニオン性界面活性剤スカベンジャー、約0.01%~約10%の送達増強剤、約0.005%~約30%の香料、約0.005%~約30%の香料送達系、約0.01%~約20%の汚れ分散ポリマー、約0.001%~約10%の増白剤、約0.0001%~約10%の色相染料、約0.0001%~約10%の移染防止剤、約0.01%~約10%の酵素、約0.01%~約20%の構造化剤、約0.1%~約80%のビルダー、約0.1%~約99%の担体、及び/又はこれらの混合物を含み得る。
【0088】
本開示の布地処理組成物は、布地コンディショニング活性物質(FCA)を含み得る。FCAは、組成物の約1重量%~約99重量%のレベルで存在し得る。布地処理組成物は、組成物の重量に対して、約1重量%以上、又は約2重量%以上、又は約3重量%以上、約99重量%以下、又は約75重量%以下、又は約50重量%以下、又は約40重量%以下、又は約30重量%以下、又は約25重量%以下、又は約20重量%以下、又は約15重量%以下、又は約10重量%以下のFCAを含み得る。布地処理組成物は、組成物の約5重量%~約30重量%のFCAを含み得る。
【0089】
本開示の組成物に好適な布地コンディショニング活性物質(FCA)としては、四級アンモニウムエステル化合物、シリコーン、非エステル四級アンモニウム化合物、アミン、脂肪酸エステル、スクロースエステル、シリコーン、分散性ポリオレフィン、多糖類、脂肪酸、柔軟オイル若しくはコンディショニングオイル、ポリマーラテックス又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0090】
この組成物は、四級アンモニウムエステル化合物、シリコーン又はこれらの複数組の組み合わせ、好ましくは一組の組み合わせを含んでもよい。四級アンモニウムエステル化合物及びシリコーンを組み合わせた総量は、組成物の約5重量%~約70重量%、又は約6重量%~約50重量%、又は約7重量%~約40重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約15重量%~約25重量%であってもよい。この組成物は、四級アンモニウムエステル化合物とシリコーンとを、約1:10~約10:1、又は約1:5~約5:1、又は約1:3~約1:3、又は約1:2~約2:1、又は約1:1.5~約1.5:1、又は約1:1の重量比で含んでもよい。
【0091】
この組成物は、様々な種類のFCAの混合物を含有し得る。本開示の組成物は、ある特定のFCAを含有してもよく、他のFCAを実質的に含まなくてもよい。例えば、組成物は、四級アンモニウムエステル化合物若しくはシリコーン又はその両方を含まなくてもよい。組成物は、四級アンモニウムエステル化合物を含んでもよいが、シリコーンを実質的に含まなくてもよい。組成物はシリコーンを含んでもよいが、四級アンモニウムエステル化合物を実質的に含まなくてもよい。
【0092】
組成物は、上記シロキサン化合物に加えて、香料及び/又は香料送達系を含んでもよい。好適な香料送達系には、ポリマー支援型送達(PAD)系、分子支援型送達(MAD)系、シクロデキストリン(CD)系、デンプン封入アコード(SEA)系、ゼオライト及び無機担体(ZIC)系、並びにこれらの混合物が含まれ得る。PAD系は、香料を含む貯蔵(resevoir)系を含んでもよい。このような系は、シェル材料及びコア材料を含み得る香料送達粒子を含んでもよく、当該シェル材料は、香料を含み得る当該コア材料を封入してもよい。このシェルは、ポリエチレン;ポリアミド;ポリスチレン;ポリイソプレン;ポリカーボネート;ポリエステル;ポリアクリレート;アミノプラスト(ポリ尿素(ポリオキシメチレン尿素及び/又はメラミンホルムアルデヒドを含む)、ポリウレタン、及び/又はポリ尿素ウレタンなど);ポリオレフィン;多糖類(例えば、アルギン酸及び/又はキトサン)、ゼラチン;シェラック;エポキシ樹脂;ビニルポリマー;水不溶性無機材料;シリコーン;並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料を含み得る。粒子は、例えば、コーティングとして、付着助剤を含んでもよい。付着助剤は、ポリマー、例えばカチオン性ポリマーを含んでもよい。
【0093】
本開示の布地処理組成物は、構造化剤を含み得る。構造化剤は、例えば、(例えば、シリコーン化合物液滴の、FCA液滴又はカプセル化有益剤の)粒子を懸濁させること、及び/又はそのような材料の弱凝集/強凝集を阻害することによって、容器内の組成物の物理的安定性を促進し得る。好適な構造化剤としては、非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性構造化剤(水素添加ヒマシ油由来のものなど)、ポリマー構造化剤(ポリアクリレートから誘導されるものと、比較的直鎖又は架橋であってもよいポリマーとを含み、これらは塩化メチル四級化ジメチルアミノエチルアンモニウムアクリレート、塩化メチル四級化ジメチルアミノエチルアンモニウムメタクリレート及びこれらの混合物からなる群から選択されるカチオン性モノマー、並びに、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド及びこれらの混合物からなる群から選択される非イオン性モノマーから誘導される)、セルロース繊維(例えば、ミクロフィブリル化セルロースを含み、これは細菌、真菌、又は木材を含む植物起源から誘導され得る)、ジアミドゲル化剤又はこれらの組み合わせが含まれ得る。
【0094】
製造プロセス
消費者製品組成物は、従来のプロセスに従って製造されてもよい。例えば、消費者製品などの組成物は、本開示によるシロキサンポリマーを消費者製品補助剤及び/又は担体と組み合わせることによって製造されてもよい。このようなプロセスは、バッチプロセス、連続ループプロセス、及び/又はインライン混合プロセスであり得る。
【0095】
表面を処理するプロセス
本開示は、上記のポリマー及び組成物を使用する方法に関する。
【0096】
本明細書に開示されるシロキサン化合物を含む組成物は、布地などの表面を洗浄又は処理するために使用することができる。典型的には、この表面の少なくとも一部を、未希釈の形態の又は液体(例えば、洗浄液)で希釈されたシロキサンポリマー又は本開示の組成物と接触させ、次に、その表面を任意選択で洗浄及び/又はすすいでもよい。一態様では、表面を、任意選択で洗浄及び/又はすすぎ、本開示によるシロキサンポリマー又は組成物と接触させ、次いで任意選択で洗浄及び/又はすすぐ。本発明の目的に関して、洗浄は、こすり洗い及び機械的撹拌を含むが、これらに限定されない。布地は、標準的な消費者の使用条件で洗濯又は処理することが可能な、ほとんどいずれの布地を含んでもよい。
【0097】
例えば、本開示は、布地などの表面を処理する方法に関し、この方法は、表面を本明細書に記載されるシロキサンポリマー又は組成物、好ましくは組成物、より好ましくは布地処理組成物、更により好ましくは液体布地コンディショニング組成物と接触させる工程を含む。接触工程の少なくとも一部は、好ましくは水の存在下、好ましくは自動洗濯機において、より好ましくは自動洗濯機のすすぎサイクル中に起こり得る。
【0098】
開示される組成物を含み得る処理液は、約3~約11.5、又は更には約5.0~約10のpHを有し得る。処理液は、消費者製品組成物のpHよりも高いpHを有し得る。例えば、消費者製品組成物は、約2~約4のpHを有する液体組成物、好ましくは液体布地コンディショニング組成物であり得るが、本開示による消費者製品組成物を水で希釈することによって形成され得る処理液は、約5.0~約10のpHを有し得る。消費者製品組成物のpHを比較的低く保つことによって、シロキサンポリマーの安定性が改善されると考えられる。
【0099】
開示された組成物組成物は、典型的には、溶液中約500ppm~約15,000ppmの濃度で用いられる。洗浄溶媒が水である場合、水温は、概ね、約5℃~約90℃、好ましくは約10℃~約50℃、更により好ましくは約15℃~約30℃の範囲である。環境上の理由から(例えば、エネルギーを節約するために)、比較的低い水温が好ましい場合がある。表面が布地を含む場合、水の布地に対する重量比は典型的には約1:1~約30:1である。
【0100】
組み合わせ
本開示の具体的に想到される組み合わせを、ここで以下のアルファベットを付した項に記載する。これらの組み合わせは、事実上例示的なものであり、限定的であることを意図したものではない。
A.シロキサン化合物及び消費者製品補助剤を含む消費者製品組成物であって、シロキサン化合物は、シロキサン骨格と、シロキサン骨格に接続された少なくとも1つのペンダント基を含み、少なくとも1つのペンダント基は、香料原料フラグメントを含むシリルエーテル部分を含み、シリルのいずれかの部分をシロキサン骨格に連結するリンカー基部分を更に含み、シロキサン化合物は、粘度が約1cps~約60,000cps、又は約10cps~約60,000cps、又は約20cps~約30,000cps、又は約30cps~約10,000cps、又は約50cps~約5,000cps、又は約50cps~約3000cps、及び/又は数平均分子量が約300~約100,000ダルトン、又は約600~約100,000ダルトン、又は約1000~約75,000ダルトン、又は約1200~約50,000ダルトンのうちの少なくとも1つを更に特徴とする消費者製品組成物。
B.残基香料原料フラグメントを含むシリルエーテル部分が、シラノール基とヒドロキシル基含有香料原料のヒドロキシル基との反応で形成されるである、項Aに記載の消費者製品組成物。
C.香料原料フラグメントを含むシリルエーテル部分が、香料原料中のシリルエーテル基とヒドロキシル基との間の交換反応に由来する、項Aに記載の消費者製品組成物。
D.ヒドロキシル基含有香料原料が脂肪族アルコール又は芳香族アルコールを含む、項B又はCのいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
E.シロキサン化合物及び消費者製品補助剤を含む消費者製品組成物であって、シロキサン化合物は、式(I)による1つ以上の繰り返し単位を含み、
【0101】
【化10】
式中、
各Rは、独立して、H、OH、C~C32アルキル、C~C32置換アルキル、C~C32アリール、C~C32置換アリール、C~C32アルキルアリール、C~C32置換アルキルアリール、C~C32アルコキシ、及びC~C32置換アルコキシからなる群から選択され、好ましくは、各Rは、独立して、H、OH、C~C16アルキル、C~Cアルコキシからなる群から選択され、より好ましくは、各Rは、独立して、H、OH、メチル、メトキシ、及びエトキシからなる群から選択され、
各Lは、連結する二価のアルキレンラジカルであり、好ましくは、各Lは、独立して、-(CH-、-(HC)OC-、
【0102】
【化11】
及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
各Rは、独立して、H、C~Cアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、及びこれらの組み合わせ、好ましくはH又はC~Cアルキル、最も好ましくはH又はメチルからなる群から選択され、
各sは、独立して、1~約20の整数であり、好ましくは、各sは、独立して、2~約12の整数であり、
各yは、独立して、1~約100の整数であり、好ましくは、各yは、独立して、1~約20の整数であり、より好ましくは、yは、独立して、1~約10の整数であり、
各Zは、独立して、
【0103】
【化12】
からなる群から選択され、
式中、各Rは、存在する場合、上記群から独立して選択され、
各Rは、独立して、H、C~C32アルキル、C~C32置換アルキル、C~C32アリール、C~C32置換アリール、C~C32アルキルアリール、及びC~C32置換アルキルアリールからなる群から選択され、
シロキサン化合物の少なくとも1つのRは、ヒドロキシル基含有香料原料で形成され、
添え字mは、約1~約500、好ましくは約5~約500、又は約5から200、又は約5から100の整数である、消費者製品組成物。
F.Lが-(CH-である、項Eに記載の消費者製品組成物。
G.シロキサン化合物が、式(II)による1つ以上の繰り返し単位を更に含み、
【0104】
【化13】
各Rは、上記群から独立して選択され、
添え字pは、約0~約500の整数であり、好ましくは、pは、約5~約400の整数であり、より好ましくは、pは、約5~約200の整数である、項E又はFのいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
H.添え字p+添え字mの合計が約10~約1000、又は約20~約1000、好ましくは約20~約200である、項Gに記載の消費者製品組成物。
I.p:mの比率は、約10:1~約1:5、好ましくは約5:1~約1:4、より好ましくは約3:1~約1:3である、項G又はHのいずれか一項に記載の消費者製品組成。
J.シロキサン化合物は、式(III)、式(IV)
【0105】
【化14】
又はこれらの混合物による1つ以上の繰り返し単位を含む、項E~Iのいずれか1つに記載の消費者製品組成物。
K.Rは、C1~C32アルキル基から独立して選択され、好ましくはメチル(C1)基及びC2~C18アルキル基から独立して選択され、より好ましくはそれらの組み合わせであり、最も好ましくは、メチル基とC2~C18アルキル基との比率は、約100:1~約10:1である、項E~Jのいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
L.シロキサン化合物は、式(I)による繰り返し単位を含み、少なくとも1つのZ部分、好ましくは全てのZ部分が、
【0106】
【化15】
からなる群から選択される、項E~Kのいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
M.シロキサン化合物は、式(I)による繰り返し単位を含み、少なくとも1つのZ部分、又は全てのZ部分は、
【0107】
【化16】
である、項E~Lのいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
N.ヒドロキシル基含有香料原料は、以下の表の材料から選択され、
【0108】
【表2-1】
【0109】
【表2-2】
【0110】
【表2-3】
好ましくは、ヒドロキシル含有香料原料は、ゲラニオール、2,6-ノナジエノール、桂皮アルコール、リナロール、フロールアセテート、ジヒドロミルセノール、これらの誘導体、又はこれらの混合物から選択される、項B~Mのいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
O.シロキサン化合物は、親シリコーン化合物で形成され、香料原料フラグメントの結合前の親シリコーン化合物の粘度は、約10cps~約60,000cps、又は約20cps~約30,000cps、又は約30cps~約10,000cps、又は約50cps~約5,000cps、又は約50cps~約3000cpsである、項A~Nのいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
P.組成物は、シロキサン化合物の組成物の約0.1重量%~約20重量%、好ましくは約0.1%~約10%、より好ましくは約0.1%~約5%、又は約0.1%~約3%、又は約0.1%~約1%を含む、項A~Oのいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
Q.消費者製品組成物は、約2~約12、又は約2~約8.5、又は約2~約7、又は約2~約5、又は約2~約4のpH、好ましくは、約2~約3.7のpH、より好ましくは、約2~約3.5のpHによって特徴付けられ、
pHを、組成物を脱イオン水中に溶解/分散させて、約20℃で10%濃度の溶液を形成することによって求める、項A~Pのいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
R.消費者製品組成物は、組成物の少なくとも約50重量%、好ましくは少なくとも約75重量%、より好ましくは少なくとも約85重量%の水を含み得る、項A~Qのいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
S.泥及び汚れ除去消費者製品補助剤は、漂白活性剤、界面活性剤、送達増強剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素、酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー系分散剤、/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、布地コンディショニング活性物質(FCA)、アニオン性界面活性剤スカベンジャー、担体、ヒドロトロープ、処理助剤、構造化剤、抗凝集剤、コーティング、ホルムアルデヒドスカベンジャー、付着助剤、乳化剤、顔料又はこれらの混合物からなる群から選択される、項A~Rのいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
T.消費者製品組成物補助剤は、布地コンディショニング活性物質(FCA)、好ましくは、四級アンモニウムエステル化合物、シリコーン、非エステル四級アンモニウム化合物、アミン、脂肪酸エステル、スクロースエステル、シリコーン、分散性ポリオレフィン、多糖類、脂肪酸、柔軟オイル若しくはコンディショニングオイル、ポリマーラテックス又はこれらの組み合わせ、より好ましくは、四級アンモニウムエステル化合物から選択されるFCAを含む、項A~Sのいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
U.消費者製品組成物が、液体組成物、粒状組成物、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、パスティル又はビーズ、繊維状物品、錠剤、バー、フレーク、フォーム/ムース、不織布シート、又はこれらの混合物、好ましくは液体、固体、又はこれらの組み合わせ、より好ましくは液体の形態である、項A~Tのいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
V.消費者製品組成物は、美容ケア組成物、布地ケア組成物、ホームケア組成物、又はこれらの組み合わせ、好ましくは布地ケア組成物であり、より好ましくは、布地ケア組成物は、洗濯洗剤組成物、布地コンディショニング組成物、洗濯及びすすぎ用添加剤、布地前処理組成物、布地リフレッシャー組成物、又はこれらの組み合わせから選択され、更により好ましくは、布地ケア組成物は、布地コンディショニング組成物であり、最も好ましくは、液体布地コンディショニング組成物である、項A~Uのいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
W.項A~Oのいずれか一項に記載のシロキサン化合物。
X.項A~Vのいずれかに記載の消費者製品組成物で表面を処理する方法であって、表面、好ましくは布地を消費者製品組成物と、任意に水の存在下で、接触させる工程を含む、方法。
【0111】
試験法
粘度試験方法
25℃におけるサンプル粘度の予備推定値を用いて、モデルAR-G2レオメータ(TA Instrument Corp.、New Castle,Delaware,USA)で行われる最終的な粘度測定分析において使用する適当な器具の構成を選択する。サンプル粘度の予備推定値は、ブルックフィールド粘度計(Brookfield Engineering Laboratories Inc.、Middleboro,Massachusetts,USA)を用いて得ることもできる。AR-G2レオメータで使用するための構成の選択は、以下の表に基づいて決定される。
【0112】
【表3】
【0113】
この構成を器具に取り付け、器具をマッピングし、隙間距離を0とし、器具温度を25℃に設定する。平行プレートを使用する場合には測定モードとして硬質モードを選択し、クエットカップとボブの構成を使用する場合には測定モードとして軟質モードを選択する。サンプル材料は、例えばベースプレートのようなサンプル保持機構内に装着される。ベースプレートと選択される構成との間の許容される最小隙間距離は、サンプル中に存在する最大の共通粒子の直径の10倍である。サンプル中に直径が100μmより大きい共通の粒子がある場合(顕微鏡により測定される)、隙間の値は最大の共通粒子の直径の10倍に設定されるが、そうでない場合には隙間距離は1000μm(すなわち1mm)の初期値に設定される。選択された構成を適当な隙間にまで下げ、プラスチック工具を用いていずれの余分なサンプル材料を取り除く。サンプル材料を器具の温度にまで平衡化させる。以下の選択及び設定値を用いて、流れ曲線、応力掃引、及び周波数掃引の3つのレオロジー測定分析を行う。
流れ曲線:段階的流量を0.01~100に選択する;10倍ごとのポイント数(points/decade)=10;剪断応力;一定時間20;最後の10個の平均をとる。
応力掃引:応力範囲を0.01~100Paに設定する;周波数を1rad/sに設定する。
周波数掃引:角周波数範囲を0.1~100に設定する。
分析が線形粘弾性領域内で行われるように、応力値を、事前の応力掃引分析中においてG’が低下し始めた時点で存在していた応力値の1/3に設定する。
【0114】
シリコーン分子量
定量的29Si NMRデータは、機器モデルAvance III HD 400MHz(Bruker Corp.、Billerica、Massachusetts、USA)などの5mm PABBO Z-GRDプローブを備えたNMR分光計又は同等のものを使用して取得される。非末端シリコン原子(ジメチルシロキサン)に対する末端シリコン原子(トリメチルシロキサン)の比率を使用して、数分子量を決定することができる。
【0115】
シロキサン化合物の乳化
本開示のシロキサン化合物のエマルジョンは、以下の手順に従って調製されてもよい。
【0116】
60.0部のシロキサン化合物を提供する。Softanol 70(登録商標)(2.5部、日本触媒株式会社製)とTomadol(登録商標)25-7(4.0部、エボニック・インダストリーズ社)をシロキサン化合物に加える。混合物をFlackTecInc.SpeedMixer DAC 150FVZ-Kで3500rpmで1分間混合する。水(合計33.5部)を3つの等分量で別々に添加し、各水の添加の後に混合物をSpeedMixerで混合する。
【0117】
布地柔軟剤の調製
水混合物中の9.5重量%のN,Nジ(タローオイルオキシエチル)-N,Nジメチルアンモニウムクロリドに、シロキサン化合物エマルジョンを、布地柔軟剤中の香料原料又は香料原料フラグメントの濃度が布地柔軟剤の調製後に約0.3重量%になるような量で添加する。混合物を、IKA RW 20 D S1ミキサー、モデルRW20D-S1、及びIKA R1342インペラーブレードを使用して350rpmで5分間撹拌する。構造化剤及び付着助剤を添加し、混合物を10分間撹拌する。必要に応じて水を加えて、試験レッグ間のN,Nジ(タローオイルオキシエチル)-N,Nジメチルアンモニウムクロリドの濃度を8重量%に標準化し、混合物を5分間撹拌する。1NのHClでpHを2~3に調整する。
【0118】
布地の準備
ヘッドスペース分析テスト用の布地を準備するために、布地サンプル(綿100%テリークロス、アイテム番号ITL 1022-15PGP、Calderon Textiles,Inc.6131 W.80th St.、Indianapolis、IN 46278、洗剤と布地柔軟剤の3回の洗浄サイクルで糊抜きし、調整する)を、衣類のミニ洗濯機と衣類乾燥機を介して、北米の消費者に一致する方法で布地柔軟剤処方で処理する。ヘッドスペース分析の前に、布地を21.1℃及び50%相対湿度で24時間平衡化する。処理条件は以下のとおりである。
・洗浄:12分間撹拌、30.6℃
・すすぎ:2分間撹拌、15.6℃
・水硬度:103mg/L
・水:7.6L
・布地の負荷重量:290g
・回転乾燥設定:高、綿
・洗剤量:9.96g
・布地柔軟剤の量:5.68g
【0119】
布地のヘッドスペース分析
次の手順で、布地上のヘッドスペースにある香料原料のレベルを決定する。
【0120】
質量選択検出器(5977B)(MSD)とケムステーション定量パッケージを備えたガスクロマトグラフ7890B、固相マイクロ抽出(SPME)プローブ又は同様のシステムを備えたGerstel多目的サンプラー、Supleco部品#57298-U(又は同様の繊維)からのジビニルベンゼン/Carboxen/ポリジメチルシロキサンSPME繊維、公称直径30mx0.25mm、膜厚0.25μm、J&W 122-5532UI DB-5、20mLのヘッドスペースバイアルを使用する。
【0121】
分析用の布地を準備するために、上記方法で準備及び処理された綿テリーから、2.54cmx5.08cmの綿スワッチを3つ切り取る。各ピースを20mLのヘッドスペースバイアルとキャップに入れる。
【0122】
Gerstelオートサンプラーのパラメータとして、SPME-インキュベータ由来、インキュベーション温度-65℃、インキュベーション時間-10.00分サンプルパラメータ、バイアル浸透量-22.00mm、抽出時間-5.00分、注入浸透量-54.00mm、脱離時間-300秒である。
【0123】
フロントSSインレットHeのGCオーブンパラメータとして、モード-スプリットレス、ヒータ:270℃GC運転時間-14.28分である。オーブンの場合、初期温度-40℃、保持時間-0.5分、加熱プログラム-速度17℃/分、温度270℃、保持時間0.25分である。
【0124】
MSDパラメータとして、最小範囲が35~350m/zでスキャンモードで実行し、標準の香料材料から較正曲線を生成する。ケムステーションソフトウェア(又は同様の定量ソフトウェア)で、各香料成分の較正曲線を使用して、ヘッドスペースの質量を計算する。
【0125】
布地柔軟剤上のヘッドスペース分析
布地上のヘッドスペース分析(上記を参照)と同じ一般的な手順に従って、以下のように変更して、布地柔軟剤組成物のヘッドスペース内の香料原料のレベルを決定する。
【0126】
約1グラムのニート製品を20mLのヘッドスペースバイアルとキャップに入れて、分析用の組成物サンプルを(3回繰り返し)準備する。
【0127】
Gerstelオートサンプラーパラメータとして、インキュベーション温度-30℃、バイアル浸透量-25.00mmである。GCオーブンパラメータとして、フロントSSインレットHeの場合:モード-スプリット-250:1である。
【0128】
MSDパラメータとして、最小範囲35~350m/zでスキャンモードで実行する。ケムステーショソフトウェア(又は同様のソフトウェア)を使用して、各香料成分のターゲットイオン面積応答を測定する。
【実施例
【0129】
以下に提供される実施例は、事実上例示を意図するものであり、限定することを意図するものではない。
【0130】
合成例
合成例1~7は、本開示に係るシロキサン化合物の製造の例示的な例である。図1は、以下の合成例に係る合成されたシロキサン化合物の構造を示す表である。
【0131】
合成例1.
ビニルトリメトキシシラン(81.00g、アイテム#235768、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)、ゲラニオール(251.75g、ゲラニオール980ピュア、International Flavors and Fragrances(521 West 57th Street New York、NY)から入手可能)、及びメタノール中の25重量%のナトリウムメトキシド(0.38g、アイテム#156256、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)を、撹拌及び軽い窒素掃引を行いながら、三口丸底反応フラスコに混ぜ合わせる。メタノールがフラスコから除去され、ゲラニオールが除去されないような速度及び窒素掃引速度で、温度をゆっくりと70℃に上昇させる。70℃になると、窒素掃引、混合、及び70℃の反応温度を18時間維持する。混合物を冷却し、酢酸(0.12g)を、混合しながら加え、遠心分離により沈殿物を除去して、ビニルトリゲラニオールアルコキシ中間体を得る。
【0132】
ビニルトリゲラニオールアルコキシ中間体(50.00g)及びトリメチルシロキシ末端メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー(9.83g、HMS-301、Gelest(Morrisville、PA)から入手可能)を、3口丸底反応フラスコ中で撹拌しながら混ぜ合わせ、80℃に加熱し、2-プロパノール中の1重量%の塩化白金酸(0.62g、塩化白金酸アイテム#520896、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)を滴下する。混合物を、90℃で2時間加熱する。2-プロパノール中の1重量%の塩化白金酸0.27gを更に加え、混合物を、撹拌しながら90℃で6時間加熱して、シロキサン化合物を得る。H NMR分析で、61重量%のゲラニオールフラグメント活性を示した。
【0133】
合成例2.
トリエチルアミン(33.48g、アイテム#T0886、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)、ゲラニオール(50.01g、ゲラニオール980ピュア、International Flavors and Fragrances(521 West 57th Street New York、NY)から入手可能)、及びトルエン(200mLg、アイテム#179418、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)を、3口丸底反応フラスコで撹拌しながら混ぜ合わせる。ジクロロメチルビニルシラン(22.93g、アイテム#104914、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)を、溶液の温度が40~50℃に維持されるような速度で滴下する。混合物を周囲温度に冷却し、1時間撹拌し、ワットマン定性濾紙、グレード4で濾過し、70℃で、回転蒸発により、減圧下でトルエン及びトリエチルアミンをストリッピングして、ビニルジゲラニオールアルコキシ中間体を得る。
【0134】
ビニルジゲラニオールアルコキシ中間体(20.48g)及びトリメチルシロキシ末端メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー(13.27g、HMS-301、Gelest(Morrisville、PA)から入手可能)を3口丸底反応フラスコ中で撹拌しながら混ぜ合わせ、80℃に加熱し、2-プロパノール中の1重量%の塩化白金酸(0.43g、塩化白金酸アイテム#520896、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)を滴下する。混合物を、90℃で4時間加熱する。2-プロパノール中の1重量%の塩化白金酸0.15gを更に加え、混合物を、撹拌しながら90℃で6時間加熱して、シロキサン化合物を得る。H NMR分析で、50重量%のゲラニオールフラグメント活性を示した。
【0135】
合成例3.
トリエチルアミン(12.87g、アイテム#T0886、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)、ゲラニオール(19.22g、ゲラニオール980ピュア、International Flavors and Fragrances(521 West 57th Street New York、NY)から入手可能)、及びトルエン(90g、アイテム#179418、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)を、3口丸底反応フラスコで撹拌しながら混ぜ合わせる。クロロジメチルビニルシラン(14.98g、アイテム#395439、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)を、溶液の温度が40~50℃に維持されるような速度で滴下する。混合物を周囲温度に冷却し、1時間撹拌し、ワットマン定性濾紙、グレード4で濾過し、70℃で、回転蒸発により、減圧下でトルエン及びトリエチルアミンをストリッピングして、ビニルモノゲラニオールアルコキシ中間体を得る。
【0136】
ビニルモノゲラニオールアルコキシ中間体(10.06g)及びトリメチルシロキシ末端メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー(9.83g、HMS-301、Gelest(Morrisville、PA)から入手可能)を3口丸底反応フラスコ中で撹拌しながら混ぜ合わせ、2-プロパノール中の1重量%の塩化白金酸(0.70g、塩化白金酸アイテム#520896、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)を加え、混合物を97℃まで1時間加熱する。2-プロパノール中の1重量%の塩化白金酸0.20gを更に加え、混合物を、撹拌しながら80℃で一晩加熱して、シロキサン化合物を得る。H NMR分析で、32重量%のゲラニオールフラグメント活性を示した。
【0137】
合成例4.
トリエチルアミン(67.2g、アイテム#T0886、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)、ゲラニオール(100.11g、ゲラニオール980ピュア、International Flavors and Fragrances(521 West 57th Street New York、NY)から入手可能)、及びトルエン(600mLg、アイテム#179418、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)を、3口丸底反応フラスコで撹拌しながら混ぜ合わせる。ジクロロメチルビニルシラン(22.93g、アイテム#104914、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)を、溶液の温度が50~60℃に維持されるような速度で滴下する。混合物を周囲温度に冷却し、1時間撹拌し、ワットマン定性濾紙、グレード4で濾過し、70℃で、回転蒸発により、減圧下でトルエン及びトリエチルアミンをストリッピングして、ビニルジゲラニオールアルコキシ中間体を得る。
【0138】
ビニルジゲラニオールアルコキシ中間体(25.01g)及びトリメチルシロキシ末端メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー(28.22g、HMS-151、Gelest(Morrisville、PA)から入手可能)を3口丸底反応フラスコ中で撹拌しながら混ぜ合わせ、50℃に加熱し、2-プロパノール中の1重量%の塩化白金酸(0.38g、塩化白金酸アイテム#520896、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)を滴下する。混合物を、80℃で15分間維持する。2-プロパノール中の1重量%の塩化白金酸0.21gを更に加え、混合物を、撹拌しながら80℃で16時間加熱して、シロキサン化合物を得る。H NMR分析で、35重量%のゲラニオールフラグメント活性を示した。
【0139】
合成例5.
アリルトリメトキシシラン(35.06g、アイテム#679267、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)、ゲラニオール(100.00g、ゲラニオール980ピュア、International Flavors and Fragrances(521 West 57th Street New York、NY)から入手可能)、及びメタノール中の25重量%のナトリウムメトキシド(0.34g、アイテム#156256、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)を、撹拌及び軽い窒素掃引を行いながら、三口丸底反応フラスコに混ぜ合わせる。メタノールがフラスコから除去され、ゲラニオールが除去されないような速度及び窒素掃引速度で、温度をゆっくりと70℃に上昇させる。70℃になると、窒素掃引、混合、及び70℃の反応温度を18時間維持する。混合物を冷却し、酢酸(0.11g)を、混合しながら加え、遠心分離により沈殿物を除去して、アリルトリゲラニオールアルコキシ中間体を得る。
【0140】
アリルトリゲラニオールアルコキシ中間体(50.00g)及びトリメチルシロキシ末端メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー(23.16g、HMS-301、Gelest(Morrisville、PA)から入手可能)を、3口丸底反応フラスコ中で撹拌しながら混ぜ合わせ、80℃に加熱し、2-プロパノール中の1重量%の塩化白金酸(0.50g、塩化白金酸アイテム#520896、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)を滴下する。混合物を、90℃で2時間加熱する。2-プロパノール中の1重量%の塩化白金酸0.20gを更に加え、混合物を、撹拌しながら90℃で6時間加熱して、シロキサン化合物を得る。ゲラニオールフラグメント活性は、60重量%である。
【0141】
合成例6.
ビニルトリメトキシシラン(15.24g、アイテム#235768、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)、及び(E,Z)-2,6-ノナジエン-1-オール(44.88g、Bedoukian(Danbury、CT)から入手可能)及びメタノール中の25重量%のナトリウムメトキシド(0.08g、アイテム#156256、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)を、撹拌及び軽い窒素掃引を行いながら、三口丸底反応フラスコに混ぜ合わせる。メタノールがフラスコから除去され、(E,Z)-2,6-ノナジエン-1-オールが除去されないような速度及び窒素掃引速度で、温度をゆっくりと115℃に上昇させる。115℃になると、窒素掃引、混合、及び115℃の反応温度を16時間維持する。混合物を冷却し、酢酸(0.03g)を、混合しながら加え、遠心分離により沈殿物を除去して、ビニルトリノナジエノールアルコキシ中間体を得る。
【0142】
ビニルトリノナジエノールアルコキシ中間体(49.95g)及びトリメチルシロキシ末端メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー(25.50g、HMS-301、Gelest(Morrisville、PA)から入手可能)を、3口丸底反応フラスコ中で撹拌しながら混ぜ合わせ、80℃に加熱し、2-プロパノール中の1重量%の塩化白金酸(1.26g、塩化白金酸アイテム#520896、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)を滴下する。混合物を、90℃で16時間加熱する。H NMR分析で、58重量%のゲラニオールフラグメント活性を示した。
【0143】
合成例7.
ビニルトリメトキシシラン(81.00g、アイテム#235768、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)、ゲラニオール(251.75g、ゲラニオール980ピュア、International Flavors and Fragrances(521 West 57th Street New York、NY)から入手可能)、及びメタノール中の25重量%のナトリウムメトキシド(0.38g、アイテム#156256、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)を、撹拌及び軽い窒素掃引を行いながら、三口丸底反応フラスコに混ぜ合わせる。メタノールがフラスコから除去され、ゲラニオールが除去されないような速度及び窒素掃引速度で、温度をゆっくりと70℃に上昇させる。70℃になると、窒素掃引、混合、及び70℃の反応温度を18時間維持する。混合物を冷却し、酢酸(0.12g)を、混合しながら加え、遠心分離により沈殿物を除去して、ビニルトリゲラニオールアルコキシ中間体を得る。
【0144】
ビニルトリゲラニオールアルコキシ中間体(50.00g)及びトリメチルシロキシ末端メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー(9.83g、HMS-301、Gelest(Morrisville、PA)から入手可能)を、3口丸底反応フラスコ中で撹拌しながら混ぜ合わせ、80℃に加熱し、2-プロパノール中の1重量%の塩化白金酸(0.62g、塩化白金酸アイテム#520896、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)を滴下する。混合物を、90℃で2時間加熱する。1-オクテン(0.45g、アイテム#O4806、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手可能)を加え、2-プロパノール中の1重量%の塩化白金酸0.27gを更に加え、混合物を、撹拌しながら90℃で6時間加熱する。過剰な1-オクテンを高温及び減圧下で除去して、シロキサン化合物を得る。ゲラニオールフラグメント活性は、約60重量%である。
【0145】
性能実施例
性能実施例1~3は、本明細書に記載のシロキサン化合物、消費者製品、及び/又はプロセスの性能及び/又は安定性の利点を示す例示的な例である。
【0146】
性能実施例1.液滴直径
合成例1~4及び6のシロキサン化合物の液滴直径は、エマルジョンとして、Horiba、partica、レーザー散乱、静的石英セルを備えた粒子サイズ分布アナライザーLA-950V2を使用して布地柔軟剤で分析され、メーカーの指示に従って操作される。
【0147】
【表4】
【0148】
上記の表の結果は、布地柔軟剤組成物中のシロキサン化合物の乳化の相対的な容易さと配合性を示す。
【0149】
性能実施例2.布地柔軟剤組成物上のヘッドスペース
香料原料の濃度は、付属の手順にしたがって、35℃で保管した後、布地柔軟剤上のヘッドスペースで測定される。
【0150】
【表5】
【0151】
上記表の結果は、本発明のシロキサン化合物のヘッドスペースにおけるより低い香料濃度を示し、加水分解に対して優れた化学的安定性を示す。
【0152】
性能実施例3.布地上のヘッドスペース
合成例1~4及び6のシロキサン化合物を乳化し、布地柔軟剤に配合し、布地柔軟剤中の香料原料又は香料原料フラグメントの濃度が、付属の手順にしたがって0.3重量%ようにする。付属の手順にしたがって、布地を、シロキサン化合物を含む布地柔軟剤で処理し、21.1℃、相対湿度50%、及び布地上のヘッドスペースで測定された香料原料の濃度で16時間平衡化する。
【0153】
付属の手順にしたがって、布地柔軟剤も、ゲラニオールと(E,Z)-2,6-ノナジエン-1-オールを遊離形態で0.3重量%で含み、香料原料又は香料原料フラグメントを含まないように個別に調製する。
【0154】
【表6】
【0155】
上記表の結果は、これらの改良されたシロキサン化合物が、布地上のヘッドスペースに香料アルコールの濃度を顕著に高くすることを示す。
【0156】
組成物例
以下の配合は、本開示によるシロキサンポリマーを含む例示的な消費者製品組成物である。消費者製品は、従来の方法に従って製造されてもよく、そのような種類の消費者製品が典型的に使用される方法で使用されてもよい。全ての成分濃度は、別途記載のない限り、組成物の重量パーセントとして提供される。
【0157】
組成物例1.液体布地コンディショニング組成物
液体布地コンディショニング組成物を、以下の表に示す成分を一緒に混合することによって調製する。
【0158】
【表7】
以下のFSAのいずれか:N,N-ジ(タローオイルオキシエチル)-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド;メチルビス(タローアミドエチル)2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート;及び/又はモル比1.5:1での脂肪酸とメチルジエタノールアミンとの化合物。塩化メチルで四級化し、N,N-ビス(ステアロイル-オキシ-エチル)N,N-ジメチルアンモニウムクロリドとN-(ステアロイル-オキシ-エチル)N-ヒドロキシエチルN,Nジメチルアンモニウムクロリドとの1:1モル混合物が生じる。
【0159】
組成物例2.液体布地強化剤
液体布地強化剤を、以下の表に示す成分を混合することによって調製する。
【0160】
【表8】
N,N-ジ(タローオイルオキシエチル)-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド。
メチルビス(タローアミドエチル)2-ヒドロキシエチルアンモニウム硫酸メチル。
モル比1.5:1での脂肪酸とメチルジエタノールアミンとの化合物。塩化メチルで四級化し、N,N-ビス(ステアロイル-オキシ-エチル)N,N-ジメチルアンモニウムクロリドとN-(ステアロイル-オキシ-エチル)N-ヒドロキシエチルN,Nジメチルアンモニウムクロリドとの1:1モル混合物が生じる。
National Starchから商品名CATO(登録商標)で入手可能なカチオン性高アミローストウモロコシデンプン。
米国特許第5,574,179号の第15段、1~5行目に記載の式を有する、エチレンオキシドとテレフタレートとのコポリマー(式中、各Xはメチルであり、各nは40であり、uは4であり、各R1は本質的に1,4-フェニレン部分であり、各R2は、本質的にエチレン、1,2-プロピレン部分である)、又はこれらの混合物である。
Wacker製SE39。
ジエチレントリアミン五酢酸。
Rohm and Haas Co.から入手可能なKATHON(登録商標)CG「PPM」は、「百万分率」。
グルテルアルデヒド(Gluteraldehyde)
DC2310の商品名でDow Corning Corp.から入手可能なシリコーン消泡剤。
Aculan 44の商品名でRohm and Haasから入手可能な疎水的に修飾されたエトキシル化ウレタン。
【0161】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0162】
相互参照される又は関連する任意の特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとは見なされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとは見なされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0163】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
図1