(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】粉末容器を備える飲料注出機
(51)【国際特許分類】
A47J 31/40 20060101AFI20240827BHJP
B67D 1/08 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
A47J31/40 104
A47J31/40 101
B67D1/08 Z
(21)【出願番号】P 2021558938
(86)(22)【出願日】2020-04-03
(86)【国際出願番号】 EP2020059536
(87)【国際公開番号】W WO2020201498
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-07
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】デュビエフ, フラヴィアン, フローラン
(72)【発明者】
【氏名】ジャモリー, ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル, ポール
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-521687(JP,A)
【文献】特表2012-522697(JP,A)
【文献】特開昭62-147591(JP,A)
【文献】特開2018-202148(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0095462(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/40
B67D 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料原材料粉末から飲料を調製するための飲料調製マシン(100)であって、
飲料原材料粉末を収容するように構成され、かつ少なくとも1回分の前記飲料原材料粉末を注出するための粉末出口(1
1)を備える
、容器(
1)と、
前
記容器(1)を回転軸線(XX’)を中心に回転させるための回転装置(2)と、
前
記容器の前記粉末出口(11)と協働するように構成され
た分与装置(3)と、を備え、
前記容器は、複数回分の飲料原料粉末を収容するように構成されており、
前記分与装置は、
前記容器の前記粉末出口と協働して、1回分の前記飲料原材料粉末を分与及び注出するように構成されており、
前記回転軸線は垂直に対して傾斜し、前記回転軸線は前
記容器の外部に位置づけられる、飲料調製マシン。
【請求項2】
前記回転軸線は、垂直に対して少なくとも15°及び最大90°の角度で傾
斜する、請求項1に記載の飲料調製マシン。
【請求項3】
前記容器の内壁(12)は、前記回転軸線を中心とした前記容器の回転中に粉末を撹拌するように構成された形状及び/又は内部可動要素を有する、請求項1又は2に記載の飲料調製マシン。
【請求項4】
前記マシンは、複数の容器(1a、1b、1c、1d)を備え、前記容器の全ては、1つの共通の回転軸線を中心として回転するように構成されている、請求項1~
3のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【請求項5】
各容器(1a、1b、1c、1d)は、前記粉末出口から少なくとも1回分の粉末を分与及び注出するために、前記容器の前記粉末出口(11a、11b、11c、11d)と協働するように構成された専用分与装置(3a、3b、3c、3d)を備え、
前記マシンは、各容器の前記
専用分与装置を作動させることができる1つのアクチュエータ(31)を備え、
前記容器(1a、1b、1c、1d)の各々について、前記回転装置(2)は、前記容器を、
前記容器の前記
専用分与装置(3a、3b、3c、3d)が前記アクチュエータ(31)と協働することができる1つの第1の分与位置と、
前記容器の前記
専用分与装置が前記アクチュエータ(31)と協働することができない、少なくとも1つの他の位置と、
に置くように構成されている、請求項
4に記載の飲料調製マシン。
【請求項6】
前記マシンは、1つの容器(1)の脇に少なくとも1つの蒸気排出ダクト(4)を備える、請求項
5に記載の飲料調製マシン。
【請求項7】
各容器(1a、1b、1c、1d)は、前記容器が前記第1の分与位置に配置されると、前記粉末出口(11)が前記容器の最下点に配置され、かつ下方に向けられるように、設計されており、かつ前記飲料調製マシンの内部で方向づけられる、請求項
5又は
6に記載の飲料調製マシン。
【請求項8】
各容器(1a、1b、1c、1d)は、前記容器が前記第1の分与位置にあるとき、前記容器の内壁が、前記粉末出口の周囲に、前記粉末出口に向かって先細になるホッパを形成するように設計されている、請求項
5~
7のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【請求項9】
前記容器の内壁は、前記容器が前記第1の
分与位置から360°回転すると、粉末が移動され、前記容器が前記第1の
分与位置に戻るときに、前記ホッパ内に落下するよう案内されるように設計されている、請求項
8に記載の飲料調製マシン。
【請求項10】
前記マシンは、各容器(1a、1b、1c、1d)毎に、前記マシン内に前記容器を収容するための専用受容領域(15a、15b、15c、15d)を備える、請求項
4~
9のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【請求項11】
前記マシンは、各受容領域内の前記容器の存在を検出する容器検出器(25)を備える、請求項
10に記載の飲料調製マシン。
【請求項12】
各容器は、識別手段(14a、14b、14c、14d)を含み、前記マシンは、各容器を識別するための少なくとも1つの識別手段リーダ(23)を備える、請求項
4~
11のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【請求項13】
前記マシンは、1つの粉末レベルセンサ(24)を備え、前記センサは、各容器内の粉末のレベルを検出するように配置される、請求項
4~
12のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【請求項14】
前記マシンは、1回分の希釈液を少なくとも1回分の飲料原材料と接触させるためのチャンバ(7)を備える、請求項1~
13のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の飲料調製マシンを使用する飲料調製方法であって、
少なくとも1つの
前記容器から1回分の飲料原材料粉末を注出する工程と、
少なくとも前記注出する工程の前に、前記容器を回転させる工程と、を含む方法。
【請求項16】
前記方法は、飲料を注文する工程を含み、前記回転させる工程は、前記注文する工程の後かつ前記注出する工程の前に実行される、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
飲料を選択する工程と、
前記選択された飲料に対応する前記飲料原材料粉末を決定する工程と、
前記決定された飲料原材料粉末を収容する前記容器
が第1の
分与位置に到達するまで前記回転装置を作動させる工程であって、前記第1の
分与位置で前記容器の前記粉末出口が前記分与装置と協働する、工程と、
前記分与装置を作動させる工程と、
を含む、請求項
4~
13のいずれか一項に記載の
飲料調製マシンを使用する、請求項
15又は
16に記載の方法。
【請求項18】
前記分与装置を作動させる工程の後に、
前記第1の分与位置に容器が置かれないように、前記回転装置を作動させる工程と、次に、
1回分の粉末と希釈液とを少なくとも混合することによって、前記
飲料調製マシンの混合チャンバ
の内部で前記飲料を調製する工程と、
を含む、請求項
17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に収容された流動性飲料原材料から飲料を調製し、この容器から1回分の粉末が供給されて飲料を調製する飲料注出機に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの飲料は、飲料原材料可溶性粉末を希釈液と混合することによって調製される。飲料可溶性粉末を水などの希釈液と混合することによりそのような飲料をより迅速に調製するための混合装置が知られている。これらの装置は、可溶性成分及び希釈剤が供給される混合チャンバを備えることができる、又は飲用カップの内部で混合が起こり得る。
【0003】
粉末及び希釈液がどのような方法で一緒に混合されても、可溶性飲料粉末は通常、混合チャンバ又はカップの上方に設置された容器に収容され、分与装置が1回分の飲料可溶性粉末を混合チャンバ又はカップ内に分与して送出する。同時に希釈液が混合チャンバに供給され、したがって溶解が生じる。
【0004】
可溶性飲料粉末の収容の主要な問題の1つは、ケーキング及びブリッジングのリスクである。ケーキングは、ブロック及び塊の形態の粉末の凝縮である。ブリッジングは、容器に収容された粉末の体積内部に空隙を生じさせる。これらの欠点は、粉末の性質に応じて、粉末の分配の一貫性に直接影響し、場合によっては粉末の溶解に影響を及ぼす。これらの欠点は、調製される最終的な飲料の品質に直接影響を及ぼす。
【0005】
このケーキング及び流動性の問題に対処するために、様々な解決策が提供されてきた。
【0006】
まず、国際公開第2004000085号又は米国特許出願公開第2004173637号に示されるように、分配ユニットが作動され、1回分の量が注出されるときに自動的に移動する機械的撹拌器を、貯蔵容器内部に導入することが知られている。しかしながら、このような機械的装置は、時間及び複雑さの点で、キャニスタの洗浄動作に影響を及ぼす。加えて、収容された粉末は、1回分の粉末が注出されるときのみホイールによって撹拌される、つまり、飲料注文がない場合には、粉末が撹拌されず、ケーキングが発生することを意味する。更に、容器内部のこれらの機械的装置は、粉末の収容容積を少なくする。最後に、これらの装置は、離れた位置又は隅の場所にある粉末を規則正しく撹拌しない。
【0007】
もう1つの解決策は、粉末を間接的に振動させるために、容器の近くに振動装置を追加することである。振動は、タッピングアーム又は電磁振動器を用いて得ることができる。これらのタイプの振動手段の欠点は、容器内に収容された粉末全体を撹拌できないことである。振動手段に近い粉末の一部のみが撹拌される。粉末全体を完全に振動させることができない。
【0008】
上記の解決策のどちらも、撹拌又は振動が実施されるときに騒音を発する場合が多い。
【0009】
別の解決策は、飲料粉末に耐ケーキング剤を添加することであるが、この添加は、消費者によって十分に認識されてなく、更にはそのうちSiO2などのいくつかの耐ケーキング剤は、規制法により認証又は推奨されておらず、最後に、これらの添加剤は飲料の味に影響を与える場合がある。
【0010】
飲料調製マシンに収容された飲料原材料粉末の流動性を改善する必要がある。
【0011】
耐ケーキング剤を含まない粉末を使用することができる飲料調製マシンを提供することが有益であろう。
【発明の概要】
【0012】
本発明の第1の態様では、飲料原材料粉末から飲料を調製するための飲料調製マシンが提供され、このマシンは、
飲料原材料粉末を収容するように構成され、かつ少なくとも1回分の飲料原材料粉末を注出するための粉末出口を備える少なくとも1つの容器と、
回転軸線を中心に少なくとも1つの容器を回転させる回転装置と、
を備え、
回転軸線は垂直に対して傾斜し、回転軸線は少なくとも1つの容器の外側に位置づけられる。
【0013】
本発明のマシンは、飲料原材料粉末から飲料を調製する。この粉末は、好ましくは、インスタントコーヒー、インスタントティー、ミルク粉末、チョコレート粉末などの可溶性飲料原材料である。
【0014】
マシンは、飲料原材料と希釈液、好ましくは、水とを接触させることにより飲料を調製する。飲料原材料と希釈液は、ジェットヘッド、混合チャンバ、泡立てチャンバなどの任意の装置によって接触させることができる。混合動作は、マシンの一部であるチャンバ内で、又はマシンの受容領域内に配置される飲用カップ内で行うことができる。
【0015】
マシンは、飲料原材料粉末を収容するように構成された少なくとも1つの容器を備える。この容器は、複数回分の飲料原材料粉末を収容する。この容器は、一般的に、補充可能である。次に好ましい実施形態では、容器は使い捨てである。
【0016】
この容器は、少なくとも1回分の飲料原材料粉末を注出するための粉末出口を備える。
【0017】
好ましくは、マシンは、いくつかの容器を含む。容器に異なる性質の粉末を充填すると、異なる性質の飲料(コーヒー、カフェイン抜きコーヒー、紅茶、又はミルク)を調製することができる、又は多成分飲料(ミルク及びコーヒー)を調製することができる。
【0018】
飲料調製マシンは、容器を回転軸線を中心に回転させる回転装置を備え、この回転装置は、垂直に対して傾斜する。
【0019】
したがって、回転軸線は垂直ではない。回転軸線(その行ベクトル)の方向は、水平成分を含む。
【0020】
容器の回転運動は、空間内の容器の移動を誘導し、360°の間の回転軸線の傾斜した向きのため、容器は元の位置に戻る前に上下逆さまに回転する。その結果、容器内に保持された粉末は、重力の影響下で容器の内壁に沿って滑り撹拌される。ケーキング、ブリッジング、及び凝集のリスクが添加剤を添加する必要なく回避されて、粉末の流動性を改善する。
【0021】
特定の容器(形状、材料、サイズ)及び特定の収容された粉末(凝集し易さ)に応じて、回転は、回転は360°未満又は360°超の角度によって実行することができ、粉末撹拌の作用はこれらのパラメータと共に変化する。
【0022】
好ましくは、回転軸線は、垂直に対して少なくとも15°及び最大90°の角度で傾斜し、好ましくは、垂直に対して45~70°の角度で傾斜する。
【0023】
使用されるマシンの種類に応じて、マシンのサイズ(具体的には、高さ及び深さ)及びマシン全体の人間工学的特性など、軸線の傾斜角度を規定するために他の要件を考慮することができる。
【0024】
一実施形態では、マシンは、少なくとも1つの容器を支持するように構成された容器支持体を備え、回転装置は、その支持体を回転させるように構成されている。
【0025】
マシンがいくつかの容器を備える場合、この支持体は全容器を共に回転させることができ、全ての容器に対して1つのみの回転装置を使用することにより、マシンの構造が単純化される。
【0026】
好ましい一実施形態では、容器の内壁は、回転軸線を中心とした容器の回転中に粉末を撹拌するように構成された形状及び/又は内部可動要素を有する。
【0027】
具体的には、内壁は、少なくとも1つの角部を有することができる、又は内壁から立ち上がる少なくとも1つの要素を備えることができる。
【0028】
可動要素は、内壁に取り付けられ、容器の回転中にヒンジの周りを自由に回転するフラップであっても、又は容器内で自由に移動する、若しくは場合によっては内壁に取り付けられる少なくとも1つのボールであってもよい。
【0029】
一般に、マシンは、少なくとも1つの容器の粉末出口と協働する少なくとも1つの分与装置を備える。
【0030】
マシンがいくつかの容器を備える場合、マシンは、各容器の粉末出口と協働するように設計された単一の分与装置を備えることができ、好ましくは、マシンは、各容器の粉末出口に専用で取り付けられたいくつかの分与装置を備えることができる。
【0031】
マシンの回転軸線は、少なくとも1つの容器の外側に配置される。この効果は、容器全体が回転軸線を中心に回転し、軸線を中心とする円形経路に沿って巡回できることである。
【0032】
好ましくは、マシンはいくつかの容器を備え、全ての容器が1つの共通の回転軸線を中心に回転するように構成される。
【0033】
全ての容器は、同じ円形経路に沿って巡回し、同じ位置を連続的にとる。
【0034】
全ての容器に同じ回転軸線を使用することにより、特に、整列されたディスペンサと比較して、場所の利点がある。
【0035】
好ましくは、容器は、この共通回転軸線を中心とした共通の円形経路に配置される。この好ましい実施形態では、容器はルーレット状に配置される。
【0036】
結果として、例えば、容器を粉末分与位置に配置するため、容器のうちの1つを移動させると、他の粉末が注出されていない場合であっても、他の容器もすべて移動し、全容器内の粉末が攪拌されて、ケーキングと凝集のリスクを回避する。
【0037】
別の利点は、1回分の異なる粉末が、同じ混合チャンバ又は同じカップ内の異なる容器から連続的に注出されて、多成分飲料を調製することができる点である。
【0038】
この最後の実施形態によれば、好ましくは、
各容器は、粉末出口から少なくとも1回分の粉末を分与及び注出するために、容器の粉末出口と協働するように構成された専用の分与装置を備え、
マシンは、各容器の分与装置を作動させることができる1つのアクチュエータを備え、
容器毎に、回転装置は、容器を、
容器の分与装置がアクチュエータと協働することができる1つの第1の分与位置と、
容器の前記分与装置がアクチュエータと協働することができない、少なくとも1つの他の位置と、
に配置するように構成される。
【0039】
各容器において、分与装置は、容器の粉末出口と協働する。通常、分与装置は粉末出口に取り付けられる。分与装置は、容器の出口を静止状態で閉じることができ、容器内に収容された粉末を分与し、作動されると、分与された量を下方に注出することができるように協働する。
【0040】
一般的に、分与装置は、所定容積の空洞を備える定量分与ユニットであり、この空洞を通って1回分の粉末が導入され、次に、マシンの別の部分に下方に注出される。分与装置は、バレル、スライドチャンバ、回転穿孔ディスク、又は任意の同様の装置であり得る。
【0041】
一般に、分与装置及び容器は一緒に取り付けられ、マシン内部の容器の受容領域内に受容され得るアセンブリを形成する。好ましくは、この受容領域は、アセンブリの外部形状と適合する形状を有する。この受容領域は、通常、マシンの上記容器支持体によって支持される。その結果、分与装置は、専用収容容器と共に回転する。一般に、受容領域は、装置内に固定されたままであるアクチュエータと分与ユニットとの協働を可能にするように構成される。したがって、マシンは1つのアクチュエータしか必要としない。
【0042】
分与装置は、分与装置の回転運動又は分与装置の並進運動を可能にするモータなどのアクチュエータによって移動可能であるように設計される。
【0043】
加えて、マシンの回転装置は、各容器を、
容器の分与装置がアクチュエータと協働することができる1つの第1の分与位置と、
容器の前記分与装置がアクチュエータと協働することができない、少なくとも1つの他の位置と、
に配置するように構成される。
【0044】
したがって、1回分の粉末が1つの決定された容器から注出されるとき、回転装置は、決定された容器の分与装置がアクチュエータと協働することができる第1の位置に配置されるまで、容器を回転させる。第1の分与位置への回転運動により、この決定された容器内の粉末だけでなく他の全ての容器内の粉末も撹拌される。したがって、ケーキング及びブリッジングのリスクが回避される。
【0045】
この第1の分与位置では、分与装置は作動の準備が整うようにアクチュエータに近接して配置される。
【0046】
好ましくは、この第1の分与位置は、容器がマシンの内部に配置され得る最下位置に対応する。
【0047】
1つの容器のみを、その分与装置がアクチュエータと協働することができる第1の位置に保持することができる。選択された飲料の調製のため、異なる容器からの特定の粉末を分与及び注出する必要がある場合、回転装置は、特定の粉末を収容する各容器を第1の分与位置に連続的に配置するように回転させる。
【0048】
容器が第1の分与位置にないとき、上記容器の分与装置は、アクチュエータによって作動されない。容器は、閉鎖されたままである。
【0049】
一実施形態では、マシンは、1つの容器の脇に、少なくとも1つの蒸気排出ダクトを備える。
【0050】
結果として、飲料が第1の分与位置の下方で調製されると、回転装置は、飲料が調製される場所の上方にダクトを配置するように容器を回転させることができる。蒸気、水蒸気、粉塵、ミスト、又は飲料調製中に生成され、チャンバの上方に上昇する任意の放出物は、蒸気排出ダクトによって排出され得る。通常、ダクトの遠隔端部は、蒸気の排出を促進するためにファンに接続される。好ましくは、ファンは、マシン外に蒸気を吹き出すために、ダクトの遠隔端部から飲料が調製される場所への空気流を生成する。
【0051】
好ましくは、マシンは、いくつかの蒸気排出ダクトを備え、各ダクトは、2つの容器の間に離れて配置される。その結果、回転装置は、飲料が調製される場所の上方に次の閉鎖ダクトを配置するため、粉末が既に分与された最後の容器をわずかに回転させることができる。
【0052】
この排出ダクトの側壁は、容器の外側側壁によって画定することができる、又は容器支持体内に設計することができる。
【0053】
好ましくは、少なくとも1つの容器は、容器の分与装置がアクチュエータと協働することができる第1の位置において、粉末出口が容器の最下点に配置され、下方に向けられるように、飲料調製マシンの内部で方向づけられる。
【0054】
加えて、少なくとも1つの容器は、容器が容器の分与装置がアクチュエータと協働する第1の位置にあるとき、容器の内壁が粉末出口の周囲に、粉末出口に向かって下方に先細になるホッパを形成するように成形されることが好ましい。
【0055】
このホッパは、容器が第1の分与位置にあるとき、水平線に対して少なくとも40°傾斜した先細壁を有するすることが好ましい。
【0056】
上記の特徴は、重力落下による分与装置の計量空洞の完全かつ迅速な装填を可能にする。加えて、ホッパは容器の完全な排出を容易にする。
【0057】
好ましくは、容器の内壁は、容器が第1の位置から360°回転すると、容器が第1の位置に戻るときに、粉末が移動してホッパに落下するように誘導されるように設計される。
【0058】
結果として、容器内に粉末が少ない場合であっても、この設計は、容器が第1の位置にあるときに、最後の量の粉末がホッパに誘導され、ホッパの内部に保持されることを保証する。
【0059】
内壁の設計は、容器が一回転する間に逆さまになり、その結果、粉末が滑り連続的に異なる内壁に衝突するという事実を考慮に入れている。具体的には、容器が逆さまに置かれると、ホッパに対向する内壁が水平線に対して傾斜し、内壁の最下位置がホッパに面することが好ましい。その結果、容器が逆さまになる回転の時点で、この傾斜内壁上にある粉末は、ホッパに面する位置で滑るように誘導される。更に回転すると、容器は第1の位置に戻り、粉末がホッパの内部に落下する。
【0060】
好ましくは、水平線に対して傾斜したホッパに対向するこの内壁は、マシンの回転軸線XX’に平行である。結果として、マシンはコンパクトである。
【0061】
この特定の実施形態では、回転軸線XX’が垂直に対して45~70°で構成されているときに、耐ケーキング、粉末排出、及びマシンのコンパクト化の観点から最適な効果が観察されている。
【0062】
一般に、マシンがいくつかの容器を備える場合、マシンは、容器毎に、マシン内に容器を収容するための専用受容領域を備える。
【0063】
一実施形態では、1つの容器及びその専用受容領域は、マシン内での各容器の正しい位置を確保するため、協働する間違えようのない形状を有する、又は粉末と同じ色若しくは同じ名前を書き込む。この実施形態では、同じ粉末がマシン内の同じ位置に常に配置され、マシンの制御ユニットは、この容器固定位置及びそれら専用の収容された粉末に基づいて飲料を調製するように構成される。
【0064】
マシンは、各受容領域内の容器の存在を検出する容器検出器を備えることができる。
【0065】
好ましくは、マシンは、1つの容器検出器を備え、検出器は、回転装置が一回転する間に、各受容領域内の容器の存在を検出するように配置される。マシン内に存在する容器の検出に基づいて、マシンの制御ユニットは、マシン内に存在する容器からの粉末を含む飲料の調製を提案するように構成される。例えば、制御ユニットは、マシン内に存在する容器から調製され得る飲料の選択のみを、ユーザインタフェースを介して提示するように構成される。
【0066】
代替的な一実施形態では、各容器は識別手段を含むことができ、マシンは少なくとも1つの識別手段リーダを備えてもよい。
【0067】
通常、識別手段は、容器に収容された粉末の少なくとも性質に関する情報を提供する。投与情報、粉末の攪拌頻度、粉末の貯蔵寿命などのその他の情報が、識別手段で提供されてもよい。
【0068】
この実施形態では、受容領域は、任意の容器を受容することができ、識別手段リーダは、マシンの制御ユニットが、マシンに収容された粉末の性質及びマシン内での粉末の位置を識別することを可能にする。識別手段は、機械的、磁気的、バーコードのように光学的、タグのような電子的であってもよい。
【0069】
マシンは、1つの識別手段リーダを受容領域毎に備えることができる、又は好ましくは、マシンは、1つの識別手段リーダのみを含むことができ、リーダは、回転装置による回転中に受容領域内に存在する容器の識別手段を読み取ることができるように配置される。一回転の間に、各容器の識別及びマシン内での各容器の位置の認識が可能となる。
【0070】
一実施形態では、マシンは、1つの粉末レベルセンサを備え、センサは、各容器内の粉末のレベルを検出するように配置される。
【0071】
好ましくは、センサは、容器が第1の分与位置又はその近傍にあるときに粉末のレベルを検出するように配置される。この位置では、粉末が粉末出口に回収され、低レベルの粉末の検出がより容易になる。加えて、検出は、粉末が分与されるとき、又は容器が静止するときの直前若しくは直後に実施することができる。
【0072】
一般に、マシンは、1回分の希釈液を少なくとも1回分の飲料原材料と接触させるための少なくとも1つのチャンバを備える。
【0073】
チャンバは、通常、重力落下によって1回分の飲料原材料粉末を受け入れるために、少なくとも1つの容器の下に配置される。
【0074】
チャンバは、好ましくは、飲料原材料粉末及び希釈液から飲料を調製するための混合チャンバである。一般に、混合チャンバは、1回分の飲料原材料を受容するための開放上部と、少なくとも1つの希釈液入口と、下部に飲料出口とを備える。
【0075】
一実施形態によると、混合チャンバは、ジェットの形態で希釈液をチャンバ内に導入するように構成された、少なくとも1つの希釈液入口を備え得る。このチャンバは、好ましくは、液体の渦流がチャンバ内に作り出され、この渦流に希釈液のジェットが衝突するように構成されている。混合チャンバは、国際公開第2008/071613号又は国際公開2018/091358号に記載されているものであり得る。
【0076】
別の実施形態によると、混合チャンバは、ボウル及びホイッパを備える。このホイッパは、粉末と希釈液との混合物を混合し、通常はその混合物を起泡させるようにモータによって作動される。
【0077】
通常は、この混合チャンバは、コンテナの粉末出口の下に配置されることにより、自然落下によって、コンテナからチャンバの頂部を通ってチャンバ内に粉末を送出することができる。
【0078】
一般に、混合チャンバの頂部は、粉末が重力落下によって内部に自由に流れることができるように開放される。開放されるとは、例えば蓋によって、チャンバの頂部が覆われていないことを意味する。
【0079】
希釈液入口は、希釈液供給源に接続されている。希釈液は、一般的には水である。
【0080】
更に、飲料原材料と希釈液とを接触させる現在既知の他の種類の装置は、希釈液を飲用カップへ送出するジェットのように使用することができる。
【0081】
一実施形態によれば、マシンは、注出動作中に少なくとも1つの容器の粉末出口の下にカップを配置することを可能にするように構成されたカップ受容領域を備える。
【0082】
一般的に、マシンは、希釈液システムを備える。希釈液システムは、一般的に、必要な希釈液をチャンバ内に送出するために、希釈液タンク、希釈液ポンプ、希釈液加熱及び/又は希釈液冷却装置を備えることができる。
【0083】
希釈液システムは、上述のチャンバ又はジェットに接続することができる。
【0084】
第2の態様では、上記のような飲料調製マシンを使用して飲料を調製する方法が提供され、
上記方法は、少なくとも1つの容器から1回分の飲料原材料粉末を注出する工程を含み、
上記方法は、少なくとも注出する工程の前に、容器を回転させる工程を含む。
【0085】
注出する工程の前に容器を回転させるこの工程により、容器内の粉末は、注出前に撹拌及び脱凝集される。したがって、ケーキング又はブリッジングが回避され、注出中に一貫した分与が得られる。
【0086】
好ましくは、調製方法は、飲料を注文する工程を含み、回転させる工程は、注文する工程の後で、注出する工程の前に実施される。
【0087】
したがって、回転させる工程は、注出及び分与の一貫性が更に改善される直前に行われる。
【0088】
マシンがいくつかの容器及び1つの第1の分与位置を備える場合、注出前のこの回転工程は、粉末が保持される容器から投与及び注出された後、一定時間、第1の分与位置で静止することが回避される。
【0089】
好ましくは、本方法では、回転させる工程は、所定の定期的な時間間隔で実施される。
【0090】
したがって、一定期間にわたって飲料が注文されていない場合であっても、粉末は、定期的に攪拌及び脱凝集され、ケーキング又はブリッジングの開始を制限する。
【0091】
所定の定期的な時間間隔は、容器の形状及び/又は粉末保持の性質に左右され得、いくつかの粉末は、より頻繁な撹拌を必要とする。
【0092】
回転させる工程の間、容器は、一回転(360°)又は更なる全回転によって回転させることができる。
【0093】
好ましくは、回転は、交互に又はランダムに時計回り及び反時計回りに実施される。両方向への回転は、粉末が容器の1区画に堆積することを回避する。
【0094】
マシンが同じ円形経路をたどるいくつかの容器を備える場合、回転の感知の選択は、飲料が注文された後に第1の分与位置に到達する最短経路に基づくことができる。
【0095】
上記のような飲料調製マシンであって、いくつかの容器を備える飲料調製マシンでは、全ての容器は、1つの共通の回転軸線を中心に回転するように構成されており、容器は、共通の回転軸線の周囲の円形経路上に配置され、飲料調製方法は、
飲料の種類を選択する工程と、
選択された飲料に対応する飲料原材料粉末を決定する工程と、
決定された飲料原材料粉末を収容する容器が第1の位置に到達するまで回転装置を作動させる工程であって、容器の粉末出口が分与装置と協働する、工程と、
分与装置を作動させる工程と、を含む。
【0096】
好ましくは、本方法は、分与装置を作動させる工程の後に、
第1の分与位置に容器が置かれないように、回転装置を作動させる工程と、次に、
1回分の飲料粉末と希釈液とを少なくとも混合することによって、飲料調製ユニット内部で飲料を調製する工程と、を含む。
【0097】
第1の分与位置に容器が置かれないように回転装置を作動させる工程は、飲料調製中に発生した蒸気がどの容器の分与装置とも接触しないことを保証する。実際には、注出は通常、飲料が調製される混合チャンバ又はカップの上方で行われるため、この容器を変位させる回転がその容器の分与装置を保護する。
【0098】
通常、選択された飲料に対応する飲料原材料粉末を決定する工程では、粉末の量も決定される。次いで、分与装置を作動させる工程において、決定された量の粉末が注出されるまで、装置が作動される。粉末が、強力なケーキング特性のために分与が困難である、又は重要な所定量の粉末が必要とされる場合、360°の回転中に回転装置を作動させる工程は、注出工程が終了する前に実施することができ、その後、完全な所定量の粉末を得るために、分与装置が再度作動される。
【0099】
本出願において、「いくつか」とは、2つ以上を意味する。
【0100】
本発明の上記の諸態様は、任意の好適な組み合わせで組み合わせることができる。更には、本明細書における様々な特徴を、上記の諸態様のうちの1つ以上と組み合わせることにより、具体的に図示及び説明されたもの以外の組み合わせを提供することができる。本発明の更なる目的及び有利な特徴は、「特許請求の範囲」、「発明を実施するための形態」、及び添付図面から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0101】
本発明の特徴及び利点は、以下の図との関連で、より良好に理解されるであろう。
【
図1A】本発明による飲料調製マシンの概略図である。
【
図1B】本発明による飲料調製マシンの概略図である。
【
図1C】このマシンの代替実施形態を示す図である。
【
図1D】このマシンの代替実施形態を示す図である。
【
図1E】このマシンの代替実施形態を示す図である。
【
図2】容器の回転中の容器内の粉末の移動の動的表示である。
【
図3】本発明による飲料調製マシンの特定の実施形態の概略図である。
【
図4】本発明による飲料調製マシンの制御システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0102】
図1A、1Bは、本発明による飲料調製マシン100を概略的に示す。
図1Aは、回転軸線XX’を含む平面に沿ったマシンの垂直断面図であり、
図1Bは、回転軸線XX’に垂直な平面に沿ったマシンの垂直断面図である。
【0103】
マシンは、4つの容器1a、1b、1c、1dを備え、それらの各容器は飲料原材料粉末10を収容する。容器は、異なる種類の粉末又は同じ粉末を収容することができる。様々な粉末を収容することにより、様々な飲料、例えばコーヒー、ミルク、紅茶、及びチョコレート可溶性粉末、並びに同じ飲料内に少なくとも2つの粉末の組み合わせ、例えばコーヒーとミルク又は紅茶とミルクを提供することができる。対応する飲料に対する需要が通常、他の飲料よりも高い場合、同じ粉末をいくつかの容器に収容することができる。
【0104】
容器の数は、4つに限定されず、マシンの同じ原理に基づいて、より少ない数又はより多い数の容器を使用することができる。
【0105】
マシンは、異なるサイズの容器を含むことができる。
【0106】
各容器は、容器内に収容された粉末10を注出するための粉末出口11a、11b、11c、11dを備える。
【0107】
マシンは、回転軸線XX’を中心にして容器11a、11b、11c、11dを回転させるように構成された回転装置2を備える。この軸線は、垂直(O、y)に対してある角度αで傾斜している。この角度は、少なくとも15°、最大で90°(この場合、軸線は水平である)である。
【0108】
この軸線は容器の外部にある、すなわち、容器はこの軸線から外れて配置されるため、容器は、この軸線から離れて軸線を中心に回転する。全ての容器は、この共通軸線XX’を中心に回転するように構成される。
【0109】
この傾斜軸線に沿って容器が一回転すると、各容器は上下逆さまに移動し、その結果、容器内に収容された粉末が移動し撹拌される。
図1A及び1Bは、どのように容器1cが容器1aに対して上下逆さまに配置されているかを示す。
【0110】
図1Aに示すように、容器1aは、粉末出口11aが下方に向けられた状態で、第1の分与位置に対応する、マシン内部でとり得る最下位置に配置される。重力により、この容器内の粉末は、この容器の下部を満たし、この粉末出口に近い。この容器1aが軸線XX’を中心に回転すると、容器は上方に移動し、
図1Aの容器1cが保持する位置に到達する。この位置では、容器は、粉末出口が上方に向けられた状態で逆さまに配置される。粉末は、容器内で自由に移動し、重力の影響下で、粉末出口に対向する部分である、現時点では容器の下部に留まる。回転に加えて、粉末は移動させられ撹拌されている。粉末のブリッジング又はケーキングの作用は、容器の回転によって阻止される。回転が進行し、容器1aが元の下部位置まで回転すると、粉末の撹拌が継続し、容器が再び逆さまに配置される。
【0111】
容器内部に複雑な撹拌機械装置を導入する必要がないため、耐ケーキング効果が非常に単純な方法で機械的に得られる。最後に、粉末の凝集特性によっては、撹拌装置は例外的に1つの容器の内部に導入することができる。
【0112】
加えて、
図1Bは、容器が回転している間の、瞬間の角度位置に応じた異なる容器内での粉末の移動を示す。点線の矢印は、粉末10の移動を示す。
容器1aは第1の分与位置にあり、粉末は容器の下部を充填する。
容器1bは、注出位置から時計回りに90°回転し、内部に収容された粉末は、内壁に沿って下方に滑る。
容器1cは、容器1aが保持する第1の位置から逆さまに回転され、内部に収容された全粉末は下方に落下する。この位置では、粉末全体が、上下逆さまで完全に撹拌されている。
容器1dは、容器1cの位置から時計回りに90°回転し、内部に収容される粉末は、内壁に沿って再び下方に滑る。
【0113】
回転が容器内にある粉末全体に影響を及ぼし、全ての粉末が後述の
図2に示されるように逆さまに回転され、粉末の一部が撹拌されずに局所ケーキング作用が生じる危険性がないため、振動装置で得られる効果よりも耐ケーキング効果がはるかに高い。
【0114】
このマシンは、耐ケーキング剤を含まない飲料原材料粉末の使用を可能にする。
【0115】
図1Aでは、容器1a、1b、1c、1dは、容器支持体21によって支持され、回転装置2は、この支持体を回転させるように構成されている。結果として、全ての容器は、1つの容器が回転するとすぐに同時に回転する。具体的には、1つの容器が飲料調製のために選択され、その粉末出口を下方に配置するように移動する場合、この注出位置への回転が、全ての他の容器の回転と、注出されないとしても全ての収容された粉末の撹拌とを誘導する。
【0116】
回転装置2は、通常、回転シャフト23を有するモータ22を備え、このシャフトは容器又は容器支持体21と協働する。
【0117】
図1A、1Bに示すように、マシン100は、各粉末出口から少なくとも1回分の粉末を注出するために、各容器の粉末出口11a、11b、11c、11dと協働するように構成された1つの分与装置3を備える。1回分の粉末が、飲用カップ6又は混合チャンバ内に注出され得、ここで、チューブ又はノズル52によって導入された希釈液と接触する。
【0118】
この分与装置は、アクチュエータ31、通常は、分与装置の機械的要素の回転又は並進を可能とする回転シャフトを有するモータによって制御される。分与装置は、粉末で充填され、充填及び計量位置と排出及び注出位置との間の並進又は回転のいずれかによって移動可能な計量キャビティを備える。この投入デバイスは、国際公開第2009/144239号に記載されるとおりの回転ディスク、又は国際公開第2019/016149号に記載されるとおりの投入ドロワーを含むことができる。
【0119】
回転装置2は、各粉末出口11a、11b、11c、11dを、分与装置3及びアクチュエータ31と協働することができる第1の位置に配置するように構成されている。この第1の位置は、マシン内部の容器によって維持され得る最下位置に対応し、粉末は、その位置から、下方に配置された混合チャンバ又はカップ内へ重力によって直接落下することができる。この第1の位置は、
図1A及び1Bの容器1aによって保持される。
【0120】
【0121】
図1Cは、各容器1a、1b、1c、1dが、対応する粉末出口11a、11b、11c、11dと協働する専用の分与装置3a、3b、3c、3dを備えることを除いて、
図1A、1Bのマシンと同様、回転軸線XX’を備える平面に沿ったマシン100の垂直断面図である。マシンは1つのアクチュエータ31のみを備え、回転装置2は、アクチュエータ31と協働することができる第1の位置に各分与装置3a、3b、3c、3dを配置するように構成される。この第1の位置は、
図1Cの容器1aの粉末出口11aの分与装置3aによって保持される。
【0122】
図1Dは、回転軸線XX’に垂直な平面に沿った、
図1Cのマシン100の垂直断面図である。
【0123】
この図では、マシンは、2つの容器の間に離れて配置された蒸気ダクト4を備えることが明らかである。
【0124】
いったん粉末が、アクチュエータ31による分与装置3aの作動によってカップ6(又は任意の種類の混合チャンバ)内に分与されると、回転装置は、蒸気ダクト4のうちの1つがカップ6の上方に配置されるまで容器と蒸気ダクトを回転させる。次いで、希釈液は、カップ6(又はチャンバ)内に導入されて、1回分の粉末の溶解によって飲料を調製することができる。蒸気、塵埃、又はミストがカップ6から上昇する場合、ダクト4によって誘導され排出される。したがって、容器1a及びその分与装置11aが湿度源から離れて回転することにより、分与装置3aを閉塞する、又は衛生上の問題を招くことになる、分与装置内での粉末のケーキングの問題が防止される。
図1Dの概略図では、蒸気ダクト4は、マシンから湿気を排出するために、カップ6の上方に配置されたときに垂直に向けられる第1の部分と、第1の部分に略垂直である、例えば、軸線XX’に略平行である第2の部分と、を有する屈曲ダクトである。
【0125】
図1Dのマシンは、マシン内の粉末レベルセンサ24の存在を示す。このセンサは、容器(図中の3a)がこのセンサの前に回転するときに粉末のレベルの検出を可能にする。
【0126】
粉末レベルセンサ24は、容器が前に配置されたときに各容器内の粉末の存在の制御を可能にする。粉末レベルセンサが、粉末の不在又は飲料の調製に不十分なレベルを検出する場合、好ましくは、制御ユニットは、この飲料がユーザインタフェースから選択されるのを防止するように構成される。
【0127】
図1Dのマシンでは、各容器1a、1b、1c、1dは、それぞれ識別手段14a、14b、14c、14dを備える。加えて、マシン100は、この識別手段を読み取るための1つのリーダ26を備える。
【0128】
リーダ26は、容器が回転すると、各容器の識別手段14a、14b、14c、14dを読み取ることができるように配置される。
【0129】
一部の受容領域に容器が存在しない可能性があるため、識別手段は、容器を受容するように設計された各領域内の容器の存在の検出を可能にする。同時に、識別手段は、容器及び/又は容器内に収容された粉末に関する、以下のような情報を提供する。
粉末の性質、
容器の容積、
容器に関連付けられた分与装置によって計量される粉末の体積、
容器内に収容された粉末の賞味期限、
容器に収容された粉末から飲料を調製するためのレシピ(粉末の分与量、希釈の比率、希釈温度など)、及び又は
容器内に収容される粉末の推奨撹拌頻度。
【0130】
各容器は、マシン内の任意の受容領域に配置することができる。容器の最初の一回転の間、各識別手段は、リーダ26によって読み取ることができ、容器毎に、それぞれの容器及び/又は粉末情報並びに装置内部での相対位置が、今後の飲料の調製のために、マシンの制御ユニットによって識別及び記憶される。
【0131】
上記の識別に基づいて、更に、飲料の選択及び注文の工程の後に、マシンの制御ユニットは、調製に必要な粉末を収容する容器の現在位置を識別し、この容器を第1の分与位置まで回転させ、分与装置を上記位置で作動させるように構成される。
【0132】
リーダ26によって提供される情報に基づいて、マシンの制御ユニットは、マシンのユーザインタフェースを適合させ、本粉末に基づいて選択及び注文することができる飲料のリスト、並びに各飲料に関する追加の一般情報を提示するように構成することができる。
【0133】
図示されていない次に好ましいモードでは、容器の各受容領域は、当該領域内に導入された容器の識別手段を読み取るためのリーダを備えることができる。
【0134】
図1Eは、
図1Dのマシンの代替例を示す。マシン100は、1つの専用容器1a、1b、1c、1dをそれぞれ受容するように構成された受容領域15a、15b、15c、15dを備える。各収容領域は1つの容器専用であり、例えば、領域15aは、コーヒーを含む容器1aを受容するように構成されており、領域15bは、ミルク粉末を含む容器1bを受容するように構成されており、領域15cは、チョコレートを含む容器1cを受容するように構成されており、領域15dは、カフェインを抜いたコーヒーを含む容器1dを受容するように構成されている。
図1Eでは、各受容領域及びその専用容器は、操作者が各容器を正しく対応する受容領域内に正しく位置づけるように、互いに嵌合する対応形状を呈する。あるいは、容器及びその領域に同じ色を用いることができる、又は容器若しくは飲料の名前をそれらの両方に書くことができる。
【0135】
一実施形態では、マシンは、同じ容器を受容し、したがって同じ種類の粉末を受容するように構成されたいくつかの同一の受容領域を備えることができる。例えば、マシンは、コーヒーの2つの容器を備えることができる。この実施形態は、飲料の種類が他よりも頻繁に注文される場合に役立つ。
【0136】
この実施形態では、マシンの制御ユニットは、各受容領域が常に同じ所定の性質の飲料及び/又は同じ所定の種類の容器を含む情報に基づいて飲料を調製するように構成される。
【0137】
マシンは、各受容領域15a、15b、15c、15d内の容器の存在の検出を可能にする容器検出器25を備える。
図1Eでは、検出器は、容器1a、1c、及び1dの存在を検出することができる。その検出工程に基づいて、マシンの制御ユニットは、コーヒー、チョコレート、及びカフェイン抜きコーヒーのみを含む飲料の調製を提案するように構成される。したがって、制御ユニットは、マシンのユーザインタフェースの選択からミルクを含む飲料の選択を消去するように構成することができる。例えば、ユーザインタフェースがタッチスクリーンを備える場合、カプチーノ又はラテマキアートのようなミルクを含む飲料を画面内で消去又は陰付きにすることができる。
【0138】
マシンの制御ユニットは、操作者が容器を補充し、それぞれの受容領域内に装填した直後の360度の回転の後に、各容器の存在について迅速に知ることができる。
【0139】
同様に、粉末レベルセンサ24は、容器が前に配置されたときに、各容器内の粉末の存在を制御することを可能にする。粉末レベルセンサが、粉末の不在又は飲料の調製に不十分なレベルを検出する場合、制御ユニットは、この飲料がユーザインタフェースから選択されるのを防止するように構成される。
【0140】
上記の全ての実施形態で、第1の位置は、分与位置及び注出位置に対応する。好ましくは、容器は、粉末出口が容器の最下点に配置され、容器が第1の位置にあるときに下方に向けられるように設計され、飲料調製マシンの内部で方向づけられる。結果として、容器内部の粉末のレベルが低い場合であっても、粉末の分与の一貫性が改善される。
【0141】
図2は、ディスペンサの回転の5つの異なる角度位置(n°1、n°2、n°3、n°4、n°5)における、容器1内の粉末10の移動の動的表現である。各図は以下を示す。
上側は、マシンの内部の容器の位置を示すマシンの正面図、及び
各正面図の下は、回転軸線XX’を含む平面に沿ったマシン内の容器の対応する垂直断面。これらの断面は、軸線XX’を中心とした一回転の間の容器の角度位置に応じた、容器内の粉末の移動を概略的に示す。
【0142】
位置n°1では、容器1は、第1の分与及び注出位置に対応する最下位置にあり、粉末出口11は、ここでは計量キャビティを備える並進可能なドロワである分与装置3と協働することができる。この位置では、粉末10は、容器の下部を充填し、ホッパ16及び粉末出口11は分与装置3まで降下する。
【0143】
位置n°2では、容器1は、位置n°1から約120°時計回りに回転する。粉末出口11の回転により、ここでは対向壁121は下方に向けられているため、粉末は粉末出口11から下部出口に面する対向壁121へと滑り落下している。
【0144】
位置n°3では、容器1は第1の位置から時計回りに180°回転し、粉末出口11は完全に逆さまに回転し、粉末全体が粉末出口11から落下する。
【0145】
位置n°4では、容器は引き続き時計回りに回転し、粉末出口11は容器の下部位置に再度配置され、粉末は、位置n°5に達するまで再び出口11の方向に落下する。
【0146】
一回転する間、粉末10全体は烈しく撹拌されており、どの粉末の部分も動き続けている。粉末のケーキングが防止され、分与中の流動性が最適化される。
【0147】
上記の移動中、粉末10は、容器の内壁に3回(位置n°2で対向壁121、位置n°3で側壁122、位置n°4でホッパ)衝突して、塊又は凝集した粉末が破壊される効果を有する。
【0148】
この効果は、特に、内壁121が回転軸線に対して略平行であり、回転軸線が垂直に対して45~70°の角度分傾斜しているときに発生する。この回転軸線の角度範囲では、粉末の移動が常に容器の同じ側に粉末を追いやるため、大型ホッパ16を設計する必要がない。利点は、容器体積(具体的には、容器支持体の直径)がコンパクトであることと、マシンの接地面積が小さいことである。
【0149】
図2は、粉末を常に粉末出口11の内側で滑らせるように、いかにして容器の内壁の設計を最適に成形することができるかを示す。
容器の壁は、容器が位置n°1又は5にあるときに粉末を飲料出口に運ぶ内部ホッパ16を形成する。
位置n°2及びn°3では、飲料出口11と対向する壁121は、ホッパ16に面する下部回収点まで粉末を滑らせるように向けられる。結果として、容器が位置n°4及びn°5に戻ると、粉末は粉末出口11の内部で直接落下する。
【0150】
例示の図では、容器11に収容された粉末の体積は、ホッパ16の容積よりも大きく、その結果、粉末の一部10aは、第1の分与位置n°1又はn°5でホッパ16の外側に落ちる。いくつかの分与動作後、粉末の体積が減少し、ホッパの内容積よりも小さくなると、上述するように一回転中に容器内の粉末が移動することで、確実に全ての粉末がホッパの内容積に規則正しく落下する。
【0151】
図3は、本発明による飲料調製マシン100の特定の実施形態の概略図である。
【0152】
マシンは、粉末を収容するためのいくつかの容器1と、
図1C~
図1E又は
図2に記載されているような回転装置2と、を備える。
【0153】
マシンは、混合チャンバ7内の容器のうちの少なくとも1つから注出される1回分の可溶性飲料原材料を溶解させることによって飲料を調製する。
【0154】
混合チャンバ7は、
粉末飲料を溶解するための、水導入用の水入口と、
マシンの飲料注出領域8内に配置された飲用カップ6内に飲料を注出するための飲料出口と、を備える。一般に、飲料出口はチャンバの底部にある。
【0155】
混合チャンバは、ホイッパが備えられていても、備えられていなくてもよい。
【0156】
マシンは、任意選択的に、飲用カップ6内に水のみを注出するために通常使用される、又は、国際公開第2009/144219号に記載されているように、カップ6内に存在する飲料14を泡立てる機能を有するノズルの形態を呈することができる水注出出口を含むことができる。
【0157】
水注出出口4又は混合チャンバ7に水を供給するために、マシンには給水システム5が設けられる。
【0158】
給水システムは、
タンク56と、
タンクから水を圧送するための水ポンプ55と、を備えることができる。ポンプは、ピストンポンプ、ダイヤフラムポンプなどのどのようなタイプのポンプであってもよい。
水ヒータ54、及び/又は場合によっては水クーラ、
場合によっては、圧送された水の温度を測定する温度センサと、
好ましくは、ポンプが作動していないときの流体システムへの空気の導入及び水の滴下を防止する逆止弁53、
場合によっては、水注出出口52又は混合チャンバ7のいずれかに水を迂回させる三方弁51。この弁は、通常、モータによって作動され、マシンの制御システムによって命令されるソレノイドバルブである。
【0159】
マシンは、内部に上記の様々な要素を保持するためのハウジング101を備える。好ましくは、ハウジングは、操作者が補充、洗浄、又はメンテナンスのためにマシンからそれらの要素を取り外すことを可能にするために、容器1の前にドア103を備える。この実施形態では、ドアは回転軸線の上端に配置されており、マシンは通常、マシンによって提供される複数の選択肢から飲料を選択し、選択された飲料を注文するためのユーザインタフェース102を備えることが好ましい。好ましくは、このインタフェースは、矢印によって示されるように、開放式ドア103上に配置される。好ましくは、ドアは、回転軸線XX’に対して垂直に向けられ、その結果、正面ドアは垂直に対して傾斜し、ユーザインタフェースを使用する人にとって簡易で人間工学的なタッチを提供する。あるいは、このインターフェースは、マシンのハウジングの別の部分上に位置づけてもよい。
【0160】
図1D又は
図1E及び
図4を参照すると、飲料調製マシンの制御システム200は、制御システム200が飲料調製マシンの構成要素を制御して飲料を調製するように動作可能であると考えられる。制御システム200は、典型的には、ユーザインタフェース22、処理ユニット201、電源202、メモリ203、粉末センサ24、及び識別手段リーダ26(
図1Dのマシン)又は存在検出器25(
図1Eのマシン)を含む。
【0161】
ユーザインタフェース22は、ユーザがユーザインタフェース信号によって処理ユニット201とインタフェースできるようにするハードウェアを含む。より具体的には、ユーザインタフェースがユーザからコマンドを受信し、ユーザインタフェース信号が、このコマンドを入力として処理ユニット201に転送する。例えば、コマンドは、調製される飲料の選択に関する情報であってもよい。処理ユニット201はまた、ユーザインタフェース22に情報を出力してもよい。
【0162】
粉末センサ24、存在検出器25、及び識別手段リーダ26は、飲料調製方法を監視するために、処理ユニット201に入力信号を提供するように動作可能である。入力信号は、アナログ信号又はデジタル信号とすることができる。
【0163】
処理ユニット201は、典型的にはマイクロプロセッサ、又はマイクロコントローラなどの集積回路として構成されたメモリと、入力及び出力のシステム構成要素とを備える。処理ユニット18は、例えば、ASICなどの他の適切な集積回路、PAL、CPLD、FPGA、PSoCなどのプログラマブルロジックデバイス、システムオンチップ(SoC)、コントローラなどのアナログ集積回路を備えることができる。そのようなデバイスに関しては、当てはまる場合には、上記のプログラムコードは、プログラムされた論理であるか、プログラムされた論理を追加的に含むものと見なすことができる。処理ユニット61はまた、上記の集積回路のうち1つ以上を備えてもよい。
【0164】
処理ユニット201は一般に、プログラムコードとしての命令、及び、任意選択でデータを記憶するための、メモリユニット63を備える。この目的のために、メモリユニットは、通常、例えば、命令としてのプログラムコード及び動作パラメータを記憶するためのEPROM、EEPROM、又はFlashなどの不揮発性メモリと、一時的データを記憶するための揮発性メモリ(RAM)とを備える。メモリユニットは、別個の及び/又は(例えば、半導体のダイ上に)集積されたメモリを備えることができる。プログラマブルロジックデバイスのために、命令をプログラムされた論理として記憶することができる。
【0165】
メモリユニット203に記憶された命令は、飲料調製プログラムを含むとして理想化され得る。プログラムは、ユーザインタフェース22からのコマンド、及び/又は粉末センサ24の信号、及び/又は存在検出器25若しくは識別手段リーダ26の信号などの入力に応じて、処理ユニット201によって実行され得る。プログラムの実行により、処理ユニット1は、マシンの以下の構成要素、ユーザインタフェース22、回転装置2、給水システム5(特に、水ポンプ、ヒータ及び/又はクーラ、このシステムの構成要素に応じたバルブ)、及び注出アクチュエータ31を制御する。
【0166】
容器の装填後の工程において、処理ユニット201は、
存在検出器25又は識別手段リーダ26の前まで各容器受容領域又は容器を回転させるために、回転装置2の回転である出力を提供する、
受容領域内の容器の有無に関して存在検出器25から、又は容器の性質及びマシン内の相対的角度位置に関して識別手段リーダ26から入力を受信し、
メモリユニット203に記憶されたプログラムコード(又はプログラムされた論理)に従って入力を処理及び記憶し、
装填された容器から注文することができる飲料についてのユーザインタフェースを介した提示である出力を提供する、ように動作可能である。
【0167】
マシンの非注出状態では、処理ユニット201は、メモリユニット203に記憶されたプログラムコードに従って回転装置2を作動させる出力を提供するように動作可能である。
【0168】
プログラムコードは、粉末を撹拌し、容器内のケーキング及びブリッジングを防止するために、容器の回転のための規則を提供する。コードは、所定の規則的時間間隔での回転、回転の感知、回転の時間長、又は回転回数などを設定することができる。
【0169】
規則は、容器の形状、及び/又はいくつかの容器に収容された粉末の性質に左右され得る。メモリユニット203に記憶された規則は、リーダ26による容器の識別中に提供される入力に基づいて調節又は学習することができる。
【0170】
消費者による飲料調製の工程において、処理ユニット201は、
ユーザインタフェース22から特定の飲料の注文である入力を受信し、
メモリユニット203に記憶されたプログラムコード(又はプログラムされた論理)に従って入力を処理し、
飲料調製プロセスである出力を提供する、ように動作可能である。より具体的には、出力は、以下の動作を含む。
回転装置2を作動させて、注文された飲料に対応する容器を第1の分与位置に配置する、
分与アクチュエータ31を作動させて、注文された飲料に対応する粉末の量を注出する、
回転装置2を作動させて、容器を第1の位置以外に配置する、
希釈液供給システム5を作動させて、希釈液を粉末と接触させて注出する。
場合によっては、飲料が異なる成分(ミルク及びコーヒーなど)から構成される場合、上記動作を繰り返す。
【0171】
プログラムの一部は、通常、飲料粉末と希釈液との割合、希釈液及び/又は飲料粉末の導入のための時系列に関連し得る飲料レシピに基づく。
【0172】
分与アクチュエータ31を作動させる工程の後、処理ユニット201は、
粉末センサ24から入力を受信し、
メモリユニット203に記憶されたプログラムコード(又はプログラムされた論理)に従って入力を処理し、特に、以下の命令:測定された粉末のレベルが所定値を下回る場合、この粉末から調製された飲料の表示をユーザインタフェースを介して削除する出力を提供する、ように動作可能であり得る。
【0173】
本発明は、上記で例示された実施形態を参照して説明されているが、請求される本発明は、決してこれらの例示された実施形態によって限定されるものではないことが理解されるであろう。
【0174】
「特許請求の範囲」で定義されるような本発明の範囲を逸脱することなく、変形及び修正が実施可能である。更に、既知の均等物が特定の特徴に対して存在する場合、かかる均等物は、本明細書で具体的に言及されているかのように組み込まれる。
【0175】
本明細書で使用するとき、用語「備える」、「備えている」、及び同様の語は、排他的又は包括的な意味で解釈されるべきではない。換言すれば、これらは、「~を含むが、それらに限定されない」ことを意味するものとする。
【符号の説明】
【0176】
100 飲料調製マシン
1、1a、1b、1c、1d 容器
11、11a 粉末出口
12、121、122 内壁
14 識別手段
15A、15b、15c、15d 受容領域
16 ホッパ
2 回転デバイス
21容器支持体
22 モータ
23 シャフト
24 レベル検出器
25 容器検出器
26 識別手段リーダ
3、3A、3cb、3c、3d 分与装置
31 アクチュエータ
4 蒸気ダクト
5 給水システム
51 三方弁
52 ノズル
53 逆止弁
54 ヒータ
55 ポンプ
56 タンク
6 飲用カップ
61 飲料
7 混合チャンバ
8 カップ受容領域
9 ハウジング
10 粉末
101 ハウジング
102 ユーザインタフェース
103 ドア
200 制御ユニット
201 処理ユニット
202 電源
203 メモリユニット