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  • 特許-鍋用底板 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】鍋用底板
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/14 20060101AFI20240827BHJP
   A23L 7/109 20160101ALI20240827BHJP
   A47J 27/00 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
A47J27/14 F
A23L7/109 K
A47J27/00 101E
A47J27/00 101A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022167213
(22)【出願日】2022-10-18
(65)【公開番号】P2024059504
(43)【公開日】2024-05-01
【審査請求日】2023-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】519204423
【氏名又は名称】オイシーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123618
【弁理士】
【氏名又は名称】雨宮 康仁
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 喜弘
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-069041(JP,A)
【文献】特開昭62-006647(JP,A)
【文献】特開2012-152463(JP,A)
【文献】特開2005-073915(JP,A)
【文献】実開昭57-015320(JP,U)
【文献】特開2006-043181(JP,A)
【文献】特開平06-070844(JP,A)
【文献】米国特許第05347917(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/14
A23L 7/109
A47J 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍋の底面に載置される鍋用底板であって、
麺てぼを載置するための麺てぼ載置開口部と、
前記麺てぼ載置開口部に載置された前記麺てぼの中心部からずれた位置に穿設され、該麺てぼに入れた麺をゆでるときに、気泡を噴出させて該麺てぼ内の該麺を攪拌させる噴出口と、
を備えることを特徴とする鍋用底板。
【請求項2】
前記噴出口は、異なる位置に複数穿設され、前記気泡を複数方向から噴出させて前記麺てぼ内の前記麺を攪拌させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の鍋用底板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍋用底板、特に簡易且つ低コストで上質の麺類を提供可能な鍋用底板に関する。
【背景技術】
【0002】
レストランや食堂等では、ラーメンや、そば、うどん、スパゲッティ等の麺類を美味しくゆで上げることができる専用のゆで麺機が使用されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-240176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されるような専用のゆで麺機は、高価で場所も取るため、麺類を主としない小型の店舗では導入が難しく、美味しくゆで上がった上質の麺類を提供することが困難であるという課題があった。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、簡易且つ低コストで上質の麺類を提供可能な鍋用底板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明に係る鍋用底板は、鍋の底面に載置される鍋用底板であって、麺てぼを載置するための麺てぼ載置開口部と、前記麺てぼ載置開口部に載置された前記麺てぼの中心部からずれた位置に穿設され、該麺てぼに入れた麺をゆでるときに、気泡を噴出させて該麺てぼ内の該麺を攪拌させる噴出口と、を備えることを特徴とする。
【0007】
上記の鍋用底板において、前記噴出口は、異なる位置に複数穿設され、前記気泡を複数方向から噴出させて前記麺てぼ内の前記麺を攪拌させる、ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡易且つ低コストで上質の麺類を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る鍋用底板の構成例を示す上面図である。
図2】(a)は鍋用底板の構成例を示す下面図、(b)は鍋用底板の構成例を示す側面図である。
図3】本実施形態に係る鍋用底板及び麺てぼを寸胴鍋に載置して麺をゆでる方法を説明するための側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0011】
まず、本発明の実施形態に係る鍋用底板の構成について図面を参照しつつ説明する。
【0012】
本実施形態に係る鍋用底板は、ラーメンや、そば、うどん、スパゲッティ等の麺の焦付きを防止するとともに、麺を攪拌するために汎用の寸胴鍋等の鍋の底面に載置されるもので、例えばステンレス板やアルミニウム板等の金属板を押出し成形することにより形成される。
【0013】
図1は、本実施形態に係る鍋用底板の構成例を示す上面図である。図2(a)は、鍋用底板の構成例を示す下面図、(b)は、鍋用底板の構成例を示す側面断面図である。
【0014】
図1並びに図2(a)及び(b)に示すように、鍋用底板1の本体10は、例えば、寸胴鍋2(図3)の内径略357mmよりも若干小さい直径略350mmで、厚さ略1.5mmの略円盤状に形成されている。なお、鍋用底板1の本体10の直径及び厚さ等は、上記に限定されるものではなく、鍋用底板1を載置する寸胴鍋2の大きさに応じて任意に設計変更可能である。
【0015】
図2(a)及び(b)に示すように、本体10には、寸胴鍋2の底面と対向する下面に、鍋用底板1を寸胴鍋2の底面に載置するための四つの脚11a~11dが略等間隔に設けられている。脚11a~11dは、例えば直径略6mmで高さ15mmの略円柱形状に形成され、本体10に溶接して固定されている。なお、脚の数は、四つに限定されるものではなく、任意であり、本体10がたわむ場合には、本体10の中心に脚を追加して設けれてもよい。また、脚11a~11dの直径及び高さ等は、上記に限定されるものではなく、鍋用底板1を載置する寸胴鍋2の大きさに応じて任意に設計変更可能である。
【0016】
図1に示すように、本体10には、麺を汎用の麺てぼ(麺かご)3(図3)を寸胴鍋2に入れて載置するための三つの麺てぼ載置開口部12a~12cが分散して穿設されている。麺てぼ載置開口部12a~12cは、例えば直径略30mmの略円形状に形成されている。なお、麺てぼ載置開口部の数は、三つに限定されるものではなく、任意であり、例えば四つであってもよい。また、麺てぼ載置開口部12a~12cの直径は、上記に限定されるものではなく、麺てぼ3の大きさに応じて任意に設計変更可能である。
【0017】
本実施形態において、麺てぼ載置開口部12a~12cは、その中心が、それぞれ、本体10を中心とする円周上に配置されている。すなわち、麺てぼ載置開口部12a~12cは、それぞれ、本体10の中心から略等距離に配置されている。また、麺てぼ載置開口部12aの中心と本体10の中心と麺てぼ載置開口部12bの中心とがなす角度、麺てぼ載置開口部12bの中心と本体10の中心と麺てぼ載置開口部12cの中心とがなす角度、及び麺てぼ載置開口部12cの中心と本体10の中心と麺てぼ載置開口部12aの中心とがなす角度は、それぞれ略120度となっている。なお、麺てぼ載置開口部12a~12cの位置は、上記に限定されるものではなく、麺てぼ3内の麺を適切にゆでることができる位置であれば任意である。
【0018】
麺てぼ載置開口部12a~12cに載置された麺てぼ3の中心部からずれた本体10上の位置には、それぞれ、麺てぼ3内の麺を攪拌するために気泡を噴出させるための三つの噴出口13a~13c、14a~14c、及び15a~15cが穿設されている。噴出口13a~13c、14a~14c、及び15a~15cは、麺てぼ載置開口部12a~12cよりも小さい、例えば直径略16mmの略円形状に形成されている。なお、各麺てぼ載置開口部12a~12cの周囲に形成される噴出口13a~13c、14a~14c、及び15a~15cの数は、それぞれ三つに限定されるものではなく、任意であり、例えば四つであってもよい。各麺てぼ載置開口部12a~12cの周囲に形成される噴出口13a~13c、14a~14c、及び15a~15cの数は、麺を回転させてよくほぐすべく、複数であることが好ましく、より好ましくは、三つ以上であるとよい。
【0019】
本実施形態において、噴出口13a~13c、14a~14c、及び15a~15cは、その中心が、それぞれ、麺てぼ載置開口部12a~12cを中心とする円周上に配置されている。すなわち、噴出口13a~13c、14a~14c、及び15a~15cは、それぞれ、麺てぼ載置開口部12a~12cの中心から略等距離に配置されている。また、噴出口13a~13cの中心と麺てぼ載置開口部12a~12cの中心と噴出口14a~14cの中心とがなす角度、及び噴出口14a~14cの中心と麺てぼ載置開口部12a~12cの中心と噴出口15a~15cの中心とがなす角度は、それぞれ略90度となっている。このような配置とすることにより、噴出口13a~13c、14a~14c、及び15a~15cは、その中心にある麺てぼ載置開口部12a~12cに載置された麺てぼ3内の麺に気泡を三方向から噴出させて、麺を攪拌することができる。なお、噴出口13a~13c、14a~14c、及び15a~15cの位置は、上記に限定されるものではなく、麺を適切に攪拌できる位置であれば任意であり、例えば上記の角度を、略90度ではなく、略120度としてもよい。
【0020】
次に、上記の構成を備える鍋用底板1を使用した麺のゆで方について図面を参照しつつ説明する。
【0021】
図3は、本実施形態に係る鍋用底板及び麺てぼを寸胴鍋に載置して麺をゆでる方法を説明するための側面断面図である。
【0022】
図3に示すように、まず、四つの脚11a~11dを下にして鍋用底板1を汎用の寸胴鍋2の底面に載置する。次に、鍋用底板1の上まで寸胴鍋2に水を入れてから、寸胴鍋2をガスコンロ(図示せず)等に載置して加熱する。そして、加熱により寸胴鍋2内の水が沸騰すると、麺の入った麺てぼ3を麺てぼ載置開口部12a~12c(図3に示す例では12a)に載置し、麺てぼ3内の麺は、沸騰した水により、麺てぼ載置開口部12a~12c(図3に示す例では12a)を通じてゆでられる。また、水が沸騰して発生した気泡は、噴出口13a~13c(図3に示す例では13a)、14a~14c(図3に示す例では図示しないが14a)、及び15a~15c(図3に示す例では15a)を通って上昇し、三つの噴出口13a~13c、14a~14c、及び15a~15c(図3に示す例では13a、図示しないが14a、及び15a)の三方向から噴出する気泡(図3に示す丸印)により、麺てぼ3内の麺は、回転されてほぐされ、攪拌される。このように、本実施形態に係る鍋用底板1を使用することにより、専用のゆで麺機と同様に、麺を攪拌しながらゆでることができる。
【0023】
以上説明したように、本実施形態に係る鍋用底板1は、鍋の底面に載置されるものであって、麺てぼ3を載置するための麺てぼ載置開口部12a~12cと、麺てぼ載置開口部12a~12cに載置された麺てぼ3の中心部からずれた位置に穿設され、麺てぼ3に入れられた麺をゆでるときに、気泡を噴出させて麺てぼ3内の麺を攪拌させる噴出口13a~13c、14a~14c、及び15a~15cと、を備える。麺てぼ載置開口部12a~12cの周囲には、異なる位置に複数(本実施形態では三つ)の噴出口13a~13c、14a~14c、及び15a~15cが、それぞれ穿設されており、気泡を複数方向から噴出させて麺てぼ3内の麺を攪拌させる。このような鍋用底板1によれば、特許文献1に記載されるような高価で場所を取る専用のゆで麺機を導入することなく、汎用の寸胴鍋2に載置して加熱するだけで、簡易且つ低コストに、上記の専用のゆで麺機と同様の美味しくゆで上がった上質の麺類を提供することができる。
【符号の説明】
【0024】
1 鍋用底板
2 寸胴鍋
3 麺てぼ(麺かご)
10 本体
11a~11d 脚
12a~12c 麺てぼ載置開口部
13a~13c、14a~14c、15a~15c 噴出口
図1
図2
図3