(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】ダイエジェクティング装置及びダイエジェクティング方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/67 20060101AFI20240827BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H01L21/68 E
H01L21/78 Y
(21)【出願番号】P 2022197870
(22)【出願日】2022-12-12
【審査請求日】2022-12-14
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194112
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピョンホ チョン
(72)【発明者】
【氏名】ヨンクン パク
(72)【発明者】
【氏名】チョンファ ハン
【審査官】鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-182330(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0238618(US,A1)
【文献】特開平04-354352(JP,A)
【文献】特開2004-231250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/67
H01L 21/301
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイを接着層から分離させるダイエジェクティング方法であり、
前記ダイの中心部分がダイエジェクタから水平方向に離隔されるように、前記ダイエジェクタ上に、前記接着層を配する段階と、
前記ダイエジェクタを介し、前記接着層に吸入圧力を提供する段階と、
前記ダイの第1エッジ部分、中心部分、及び前記第1エッジ部分と反対になる第2エッジ部分が、順次に前記ダイエジェクタと垂直方向に重畳されるように、前記ダイエジェクタが前記接着層に対し、第1方向に相対的に移動する段階と、
前記ダイエジェクタが前記接着層に対し、前記第1方向と反対になる第2方向に移動し、前記ダイ及び前記ダイエジェクタを整列させる段階と、
前記ダイエジェクタを介し、前記接着層に噴射圧力を提供する段階と、を含む、ダイエジェクティング方法。
【請求項2】
前記ダイエジェクタが前記接着層に対し、第1方向に相対的に移動する段階は、
前記接着層がステージ上に固定された状態で、前記ダイエジェクタが水平方向に移動する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載のダイエジェクティング方法。
【請求項3】
前記ダイエジェクタが前記接着層に対し、第1方向に相対的に移動する段階は、
前記ダイエジェクタが固定された状態で、前記接着層を支持するステージが水平方向に移動する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載のダイエジェクティング方法。
【請求項4】
前記ダイエジェクティング方法は、
前記ダイエジェクタを介し、前記接着層に噴射圧力を提供する段階の遂行以前、
前記接着層の下部に配された昇降部材の垂直方向の移動を介し、前記ダイの前記第1エッジ部分及び前記第2エッジ部分の下部に配された前記接着層の一部分を上向きに移動させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のダイエジェクティング方法。
【請求項5】
前記昇降部材を介し、前記接着層の一部分を上向きに移動させる段階が遂行される間、前記ダイエジェクタは、前記ダイの前記中心部分の下部に配された前記接着層に吸入圧力を提供することを特徴とする請求項4に記載のダイエジェクティング方法。
【請求項6】
前記ダイエジェクタ上に配されたボンディングヘッドを介し、前記ダイを前記接着層からピックアップする段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のダイエジェクティング方法。
【請求項7】
前記ダイ及び前記ダイエジェクタを整列させる段階が遂行される間、前記ダイエジェクタは前記接着層に吸入圧力を提供することを特徴とする請求項1に記載のダイエジェクティング方法。
【請求項8】
前記ダイ及び前記ダイエジェクタを整列させる段階が遂行される間、前記ダイエジェクタは、前記接着層に吸入圧力の提供を中断することを特徴とする請求項1に記載のダイエジェクティング方法。
【請求項9】
ダイを接着層から分離させるダイエジェクティング方法であり、
ダイエジェクタを介し、前記接着層に吸入圧力を提供する段階と、
前記接着層に前記吸入圧力が提供される間、前記ダイのエッジ部分及び中心部分が、順次にダイエジェクタと重畳されるように、前記ダイエジェクタが前記接着層に対して相対的に移動する段階と、
前記ダイエジェクタを介し、前記接着層に噴射圧力を提供する段階と、を含
み、
前記ダイエジェクタが前記接着層に対して相対的に移動する段階は、
前記ダイエジェクタが固定された状態で、前記接着層を支持するステージが水平方向に移動する段階を含む、ダイエジェクティング方法。
【請求項10】
前記ダイの前記中心部分が前記ダイエジェクタと垂直方向に重畳された場合、前記ダイエジェクタの相対的移動を中断させ、前記ダイ及び前記ダイエジェクタを整列させる段階をさらに含み、
前記ダイエジェクタを介し、前記接着層に噴射圧力を提供する段階は、
前記ダイ及び前記ダイエジェクタを整列させる段階以後に遂行されることを特徴とする請求項9に記載のダイエジェクティング方法。
【請求項11】
前記ダイ及び前記ダイエジェクタを整列させる段階が遂行される間、前記ダイエジェクタは、前記接着層に吸入圧力を提供することを特徴とする請求項10に記載のダイエジェクティング方法。
【請求項12】
前記ダイエジェクティング方法は、
前記ダイエジェクタを介し、前記接着層に噴射圧力を提供する段階の遂行以前、
前記接着層の下部に配された昇降部材の垂直方向の移動を介し、前記ダイの前記エッジ部分の下部に配された前記接着層の一部分を上向きに移動させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のダイエジェクティング方法。
【請求項13】
前記ダイエジェクタ上に配されたボンディングヘッドを介し、前記ダイを前記接着層からピックアップする段階をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のダイエジェクティング方法。
【請求項14】
ダイを接着層から分離させるように構成されたダイエジェクティング装置において、
前記接着層の下部に配され、内部空間を提供するハウジングと、
前記ハウジングの前記内部空間に配され、前記接着層に、吸入圧力及び噴射圧力のうち少なくともいずれか一つを提供するように構成されたダイエジェクタと、
前記ダイエジェクタと連結され、前記ダイエジェクタが前記接着層に提供する圧力の種類及び強度のうち少なくともいずれか一つを調節するように構成された圧力調節装置と、
前記ダイエジェクタを水平方向に移動させるように構成されたダイエジェクタ駆動装置と、
前記ハウジングの前記内部空間に配され、前記接着層の下部に配され、前記接着層の一部分を支持するように構成された昇降部材と、
前記昇降部材と連結され、前記昇降部材を垂直方向に移動させるように構成された昇降部材駆動装置と、
前記圧力調節装置、前記ダイエジェクタ駆動装置及び前記昇降部材駆動装置と連結された制御器と、
前記接着層を支持するように構成されたステージと、
前記制御器と連結され、前記ステージを水平方向に移動させるように構成されたステージ駆動装置と、を含み、
前記制御器は、
前記接着層に前記吸入圧力が提供されるように、前記圧力調節装置を制御し、
前記接着層に前記吸入圧力が提供された状態において、前記ダイのエッジ部分及び中心部分が、順次に前記ダイエジェクタを通り過ぎるように、前記
ステージ駆動装置を制御し、前記
ステージを水平方向に移動させ、
前記ダイ及び前記ダイエジェクタが整列された状態において、前記接着層に噴射圧力が提供されるように、前記圧力調節装置を制御する、ダイエジェクティング装置。
【請求項15】
前記制御器は、
前記昇降部材が垂直方向に移動し、前記ダイの前記エッジ部分の下部に配された前記接着層の一部分を支持する間、前記ダイの前記中心部分の下部に配された前記接着層の一部分に、前記吸入圧力が提供されるように、前記圧力調節装置を制御することを特徴とする請求項
14に記載のダイエジェクティング装置。
【請求項16】
前記制御器は、
前記圧力調節装置を介し、前記接着層に前記吸入圧力を提供する前、前記ダイの前記中心部分が前記ダイエジェクタと水平方向に離隔されて配されるように、前記ダイエジェクタ駆動装置を制御することを特徴とする請求項
14に記載のダイエジェクティング装置。
【請求項17】
前記ダイエジェクタ上に配され、前記ダイを前記接着層からピックアップするように構成されたボンディングヘッドをさらに含むことを特徴とする請求項
14に記載のダイエジェクティング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイエジェクティング装置及びダイエジェクティング方法に係り、さらに詳細には、ダイを接着層から分離させるダイエジェクティング装置、及びそれを活用したダイエジェクティング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ソーイング工程において、個別化された複数のダイが離脱されることを防止するために、接着層がウェーハの一面上に付着されうる。また、該ソーイング工程によって個別化された複数のダイは、ダイエジェクティング装置により、接着層から分離されうる。最近では、該接着層上に付着されたダイ厚がだんだんと薄くなることにより、ダイ破損の危険性を下げながら、前記ダイを前記接着層から容易に分離させることができるダイエジェクティング装置及びダイエジェクティング方法に係わる研究が活発である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題のうち一つは、接着層からダイを容易に分離させることができるダイエジェクティング装置及びダイエジェクティング方法を提供することである。
【0004】
本発明が解決しようとする課題のうち他の一つは、接着層からダイを迅速に分離させることができるダイエジェクティング装置及びダイエジェクティング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本開示の例示的な実施形態として、ダイを接着層から分離させるダイエジェクティング方法であり、前記ダイの中心部分がダイエジェクタから水平方向に離隔されるように、前記ダイエジェクタ上に、前記接着層を配する段階と、前記ダイエジェクタを介し、前記接着層に吸入圧力を提供する段階と、前記ダイの第1エッジ部分、中心部分、及び前記第1エッジ部分と反対になる第2エッジ部分が、順次に前記ダイエジェクタと垂直方向に重畳されるように、前記ダイエジェクタが前記接着層に対し、第1方向に相対的に移動する段階と、前記ダイエジェクタが前記接着層に対し、前記第1方向と反対になる第2方向に移動し、前記ダイ及び前記ダイエジェクタを整列させる段階と、前記ダイエジェクタを介し、前記接着層に噴射圧力を提供する段階と、を含むダイエジェクティング方法を提供する。
【0006】
また、本開示の例示的な実施形態として、ダイを接着層から分離させるダイエジェクティング方法であり、ダイエジェクタを介し、前記接着層に吸入圧力を提供する段階と、前記接着層に吸入圧力が提供される間、前記ダイのエッジ部分及び中心部分が、順次にダイエジェクタと重畳されるように、前記ダイエジェクタが前記接着層に対して相対的に移動する段階と、前記ダイエジェクタを介し、前記接着層に噴射圧力を提供する段階と、を含むダイエジェクティング方法を提供する。
【0007】
また、本開示の例示的な実施形態として、ダイを接着層から分離させるように構成されたダイエジェクティング装置において、前記接着層の下部に配され、内部空間を提供するハウジングと、前記ハウジングの前記内部空間に配され、前記接着層に、吸入圧力及び噴射圧力のうち少なくともいずれか一つを提供するように構成されたダイエジェクタと、前記ダイエジェクタと連結され、前記ダイエジェクタが前記接着層に提供する圧力の種類及び強度のうち少なくともいずれか一つを調節するように構成された圧力調節装置と、前記ダイエジェクタを水平方向に移動させるように構成されたダイエジェクタ駆動装置と、前記ハウジングの前記内部空間に配され、前記接着層の下部に配され、前記接着層の一部分を支持するように構成された昇降部材と、前記昇降部材と連結され、前記昇降部材を垂直方向に移動させるように構成された昇降部材駆動装置と、前記圧力調節装置、前記ダイエジェクタ駆動装置及び前記昇降部材駆動装置と連結された制御器と、を含み、前記制御器は、前記接着層に前記吸入圧力が提供されるように、前記圧力調節装置を制御し、前記接着層に前記吸入圧力が提供された状態において、前記ダイのエッジ部分及び中心部分が、順次に前記ダイエジェクタを通り過ぎるように、前記ダイエジェクタ駆動装置を制御し、前記ダイエジェクタを水平方向に移動させ、前記ダイ及び前記ダイエジェクタが整列された状態において、前記接着層に噴射圧力が提供されるように、前記圧力調節装置を制御するダイエジェクティング装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の技術的思想によるダイエジェクティング装置及びダイエジェクティング方法は、ダイエジェクタが接着層の下部に吸入圧力を提供する間、ダイのエッジ部分及び中心部分が、順次にダイエジェクタと垂直方向に重畳されるように、前記ダイエジェクタを接着層に対し、水平方向に相対的に移動させることができる。それにより、本開示のダイエジェクティング装置及びダイエジェクティング方法は、ダイを接着層から一次的に分離させることができる。また、本開示のダイエジェクティング装置及びダイエジェクティング方法は、ダイを接着層から一次的に分離させた後、前記ダイが接着層から二次的に分離されるように、接着層の下部に噴射圧力を提供することができる。それにより、本開示のダイエジェクティング装置及びダイエジェクティング方法は、ダイを接着層から容易に分離させることができる。
【0009】
また、本開示の技術的思想によるダイエジェクティング装置及びダイエジェクティング方法は、ダイエジェクタを特定方向だけに移動させながら、接着層に、吸入圧力及び噴射圧力を提供し、ダイを接着層から分離させることができる。それにより、本開示のダイエジェクティング装置及びダイエジェクティング方法は、ダイを接着層から迅速に分離させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング装置の断面図である。
【
図2】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング装置の信号フローチャートである。
【
図3】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法の段階のフローを示すフローチャートである。
【
図4】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法の各段階を示す図面である。
【
図5】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法の各段階を示す図面である。
【
図6A】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法の各段階を示す図面である。
【
図6B】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法の各段階を示す図面である。
【
図6C】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法の各段階を示す図面である。
【
図7A】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法の各段階を示す図面である。
【
図7B】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法の各段階を示す図面である。
【
図7C】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法の各段階を示す図面である。
【
図8A】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法の各段階を示す図面である。
【
図8B】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法の各段階を示す図面である。
【
図9】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法の各段階を示す図面である。
【
図10】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法の各段階を示す図面である。
【
図11】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法の各段階を示す図面である。
【
図12】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法の段階のフローを示すフローチャートである。
【
図13】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法の各段階を示す図面である。
【
図14】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法の各段階を示す図面である。
【
図15】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法の各段階を示す図面である。
【
図16】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法の各段階を示す図面である。
【
図17】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法の各段階を示す図面である。
【
図18】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法の各段階を示す図面である。
【
図19】本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法の各段階を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照し、本開示の実施形態について詳細に説明する。
【0012】
図1は、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング装置10の断面図である。また、
図2は、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング装置10の信号フローチャートである。
【0013】
図1及び
図2を共に参照すれば、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング装置10は、ハウジング110、ダイエジェクタ120、圧力調節装置130、ダイエジェクタ駆動装置140、昇降部材150、昇降部材駆動装置160、ステージ170、ステージ駆動装置180、ボンディングヘッド190及び制御器200を含むものでもある。
【0014】
本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング装置10は、ソーイング(sawing)工程において、個別化された複数のダイDを、接着層ALから分離させるように構成された装置でもある。
【0015】
最近では、接着層AL上に付着されたダイDの厚みがだんだんと薄くなることにより、ダイD破損の危険性が下げながら、前記ダイDを、前記接着層ALから、容易であって迅速に分離させることができるダイエジェクティング装置が要求されている。
【0016】
以下において、水平方向は、接着層ALが延長された方向と平行な方向(例えば、XY平面が延長された方向と平行な方向)とも定義され、垂直方向は、接着層ALが延長された方向と垂直である方向(例えば、Z方向と平行な方向)とも定義される。
【0017】
ハウジング110は、接着層ALの下部に配され、後述するダイエジェクタ120及び昇降部材150が配される内部空間を提供することができる。
【0018】
例示的な実施形態において、ハウジング110上面の面積は、ダイDの面積よりも大きく提供される。それにより、ダイDは、ハウジング110の上面上に載置されうる。
【0019】
ダイエジェクタ120は、ハウジング110の内部空間に配され、ダイDを接着層ALから分離させるために、ダイエジェクタ120に露出された前記接着層ALの一部分に、吸入圧力及び噴射圧力のうち少なくともいずれか一つの圧力を提供することができる。
【0020】
前記吸入圧力は、ダイエジェクタ120に露出された接着層ALを下向きに移動させるための圧力でもあり、前記噴射圧力は、ダイエジェクタ120に露出された接着層ALを上向きに移動させるための圧力でもある。
【0021】
例示的な実施形態において、ダイエジェクタ120は、圧力調節装置130から、噴射または吸入される空気の移動経路を提供する導管(conduit)を含むものでもある。
【0022】
また、ダイエジェクタ120を平面的観点から見た場合、前記ダイエジェクタ120は、ホールを有するリング形状でもある。ダイエジェクタ120の前記ホール形状は、ダイDの形状と対応するようにも提供される。例えば、ダイDが四角形状である場合、前記ダイエジェクタ120のホール形状は四角形状にも提供される。ただし、ダイエジェクタ120のホール形状は、前述のところに限定されるものではない。
【0023】
すなわち、ダイエジェクタ120は、前記ダイエジェクタ120のホールによって露出された接着層ALの一部分に、吸入圧力及び噴射圧力のうち少なくともいずれか一つの圧力を提供することができる。
【0024】
圧力調節装置130は、ダイエジェクタ120と連結され、前記ダイエジェクタ120が接着層ALに提供する圧力の種類及び圧力の強度のうち少なくともいずれか一つを調節するようにも構成される。
【0025】
例示的な実施形態において、圧力調節装置130は、ダイエジェクタ120が接着層ALに提供する圧力の種類及び圧力の強度を制御するために、加圧ポンプ、減圧ポンプ、加圧ライン、減圧ライン、加圧バルブ及び減圧バルブのうち少なくともいずれか一つを含むものでもある。
【0026】
例示的な実施形態において、圧力調節装置130は、ダイエジェクタ120が接着層ALに吸入圧力及び噴射圧力のうちいずれか一つを提供するように、前記ダイエジェクタ120内部の空気流動を制御することができる。
【0027】
例えば、ダイエジェクタ120が接着層ALに吸入圧力を提供するように、圧力調節装置130は、減圧ラインに残留する空気が外部に排出されるように、減圧ポンプ及び減圧バルブを動作させることができる。また、ダイエジェクタ120が接着層ALに噴射圧力を提供するように、圧力調節装置130は、加圧ラインに空気が流入されうるように、加圧ポンプ及び加圧バルブを動作させることができる。
【0028】
ダイエジェクタ駆動装置140は、ダイエジェクタ120及びハウジング110のうち少なくとも一つと連結され、前記ダイエジェクタ120を水平方向(例えば、XY平面が延長された方向)に移動させるようにも構成される。
【0029】
例示的な実施形態において、ダイエジェクタ駆動装置140は、モータ及び変換装置を含むものでもある。例えば、ダイエジェクタ駆動装置140は、モータの回転力を、ダイエジェクタ120の水平方向の線形運動に変換させるリニアアクチュエータ(linear actuator)を含むものでもある。例えば、前記変換装置は、ラック・アンド・ピニオン(rack and pinion)を含むものでもある。
【0030】
ダイエジェクタ120が、ダイエジェクティング駆動装置140を介し、水平方向に移動することができ、ダイDと、前記ダイエジェクタ120との整列がなされうる。また、ダイエジェクタ120は、水平方向に移動しながら、複数のダイDの下部に配された接着層ALに、吸入圧力及び噴射圧力を提供することができる。それにより、前記複数のダイDは、接着層ALから順次に分離されうる。
【0031】
昇降部材150は、ハウジング110の内部空間に配され、垂直方向の移動に基づき、ダイDの下部に配された接着層ALの一部分を支持するようにも構成される。例示的な実施形態において、昇降部材150は、垂直方向に移動し、接着層ALの一部分を支持する昇降ピン(pin)でもある。
【0032】
昇降部材駆動装置160は、昇降部材150と連結され、昇降部材150を垂直方向(例えば、Z軸が延長された方向)に移動させるようにも構成される。
【0033】
例示的な実施形態において、昇降部材駆動装置160は、モータ及び変換装置を含むものでもある。例えば、昇降部材駆動装置160は、モータの回転力を、昇降部材150の垂直方向の線形運動に変換させるリニアアクチュエータを含むものでもある。例えば、前記変換装置は、ラック・アンド・ピニオンを含むものでもある。
【0034】
ステージ170は、ハウジング110の外側に配され、ダイDが付着された接着層ALを支持することができる。また、ステージ170は、ダイDが付着された接着層ALを支持した状態で、ステージ駆動装置180を介し、水平方向に移動しうる。
【0035】
ステージ駆動装置180は、ステージ170と連結され、前記ステージ170を水平方向(例えば、XY平面が延長された方向)に移動させるようにも構成される。
【0036】
例示的な実施形態において、ステージ駆動装置180は、モータ及び変換装置を含むものでもある。例えば、ステージ駆動装置180は、モータの回転力を、ステージ170の水平方向の線形運動に変換させるリニアアクチュエータを含むものでもある。
【0037】
ボンディングヘッド190は、ダイエジェクタ120の上部に配され、ダイDを接着層ALからピックアップするようにも構成される。
【0038】
例示的な実施形態において、ボンディングヘッド190は、接着層ALから分離されたダイDをピックアップした後、前記ダイDを、作業台上に提供された基板に付着させることができる。前記基板は、ウェーハまたは印刷回路基板(PCB)でもある。ただし、前記基板の種類は、前述のところに限定されるものではない。
【0039】
例示的な実施形態において、ボンディングヘッド190は、ダイDの上面に真空圧を提供し、前記ダイDを接着層ALからピックアップすることができ、前述のピックアップしたダイDを基板に付着させることができる。
【0040】
制御器200は、ダイエジェクティング装置10の動作を全般的に制御するようにも構成される。制御器200は、圧力調節装置130、ダイエジェクタ駆動装置140、昇降部材駆動装置160及びステージ駆動装置180と連結され、前記圧力調節装置130、前記ダイエジェクタ駆動装置140、前記昇降部材駆動装置160及び前記ステージ駆動装置180のうち少なくともいずれか一つを制御することができる。
【0041】
例示的な実施形態において、制御器200は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせによっても具現される。例えば、制御器200は、ワークステーションコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータのようなコンピュータ装置でもある。制御器200は、単純制御器;マイクロプロセッサ、CPU、GPUのような複雑なプロセッサ;ソフトウェアによって構成されたプロセッサ;専用のハードウェアまたはファームウェアでもある。制御器200は、例えば、汎用コンピュータまたはDSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)のようなアプリケーション特定ハードウェアによっても具現される。
【0042】
例示的な実施形態において、制御器200の動作は、1以上のプロセッサにより、判読されて実行されうる機械可読媒体上に保存された命令としても具現される。ここで、該機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ装置)によって読み取り可能な形態でもって、情報を保存及び/または伝送するための任意のメカニズムを含むものでもある。例えば、該機械可読媒体は、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、磁気ディスク記録媒体、光学記録媒体、フラッシュメモリ装置、電気的・光学的・音響的、または他形態の電波信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)、及びその他任意の信号を含むものでもある。
【0043】
制御器200は、ダイエジェクティング装置10を動作させるためのファームウェア、ソフトウェア、ルーチン及び命令語によっても具現される。例えば、制御器200は、フィードバックのためのデータを受信し、ダイエジェクティング装置10を動作させるための信号を生成し、所定の演算を行うソフトウェアによっても具現される。
【0044】
例示的な実施形態において、制御器200は、ダイエジェクタ120が接着層ALに提供する圧力の種類、及び圧力の強度を調節するために、圧力調節装置130を制御することができる。
【0045】
例示的な実施形態において、制御器200は、ダイエジェクタ120が接着層ALに吸入圧力を提供するように、圧力調節装置130を制御することができる。また、制御器200は、ダイエジェクタ120が接着層ALに提供する吸入圧力の強度を調節するために、圧力調節装置130を制御することができる。
【0046】
また、制御器200は、ダイエジェクタ120が接着層ALに噴射圧力を提供するように、圧力調節装置130を制御することができる。また、制御器200は、ダイエジェクタ120が接着層ALに提供する噴射圧力の強度を調節するために、圧力調節装置130を制御することができる。
【0047】
例示的な実施形態において、制御器200は、ダイエジェクタ120が水平方向に移動するように、ダイエジェクタ駆動装置140を制御することができる。例えば、制御器200は、ダイDの中心部分と、ダイエジェクタ120の中心とが水平方向に重畳されるように、ダイエジェクタ駆動装置140を制御し、前記ダイエジェクタ120を水平方向に移動させることができる。
【0048】
例示的な実施形態において、制御器200は、昇降部材150が垂直方向に移動するように、昇降部材駆動装置160を制御することができる。
【0049】
また、例示的な実施形態において、制御器200は、ステージ170が水平方向に移動するように、ステージ駆動装置180を制御することができる。例えば、制御器200は、ダイDの中心部分と、ダイエジェクタ120の中心とが水平方向に重畳されるように、ステージ駆動装置180を制御し、ステージ170を移動させることができる。
【0050】
例示的な実施形態において、制御器200は、ダイエジェクタ駆動装置140及びステージ駆動装置180のうち少なくともいずれか一つを制御することができる。例えば、制御器200は、ダイエジェクタ駆動装置140を制御し、ステージ駆動装置180を制御しないものでもある。また、制御器200は、ダイエジェクタ駆動装置140を制御せず、ステージ駆動装置180を制御することができる。ただし、それらに限定されるものではなく、制御器200は、ダイエジェクタ駆動装置140及びステージ駆動装置180のいずれも制御することができる。
【0051】
例示的な実施形態において、制御器200は、接着層ALに吸入圧力が提供されるように、圧力調節装置130を制御することができる。また、制御器200が接着層ALに吸入圧力が提供されるように、圧力調節装置130を制御する前、前記制御器200は、ダイDの中心部分が、ダイエジェクタ120の中心から水平方向に離隔されて配されるように、ダイエジェクタ駆動装置140及びステージ駆動装置180のうち少なくともいずれか一つを制御することができる。
【0052】
また、接着層ALに前記吸入圧力が提供された状態で、制御器200は、ダイDのエッジ部分及び中心部分が、順次にダイエジェクタ120の中心を通るように、ダイエジェクタ駆動装置140を制御し、前記ダイエジェクタ120を水平方向に移動させることができる。
【0053】
ただし、それに限定されるものではなく、接着層ALに前記吸入圧力が提供された状態で、制御器200は、ダイDのエッジ部分及び中心部分が、順次にダイエジェクタ120の中心を通るように、ステージ駆動装置180を制御し、ステージ170を水平方向に移動させることができる。それにより、ダイDと接着層ALとの接着力が一次的に弱化されうる。
【0054】
例示的な実施形態において、ダイDのエッジ部分及び中心部分が、順次にダイエジェクタ120の中心を通り過ぎた後、制御器200は、ダイDの中心部分、及びダイエジェクタ120の中心が垂直方向に重畳されるように、ダイエジェクタ駆動装置140及びステージ駆動装置180のうち少なくともいずれか一つを制御することができる。すなわち、制御器200は、ダイエジェクタ駆動装置140及びステージ駆動装置180のうち少なくともいずれか一つを制御し、ダイD及びダイエジェクタ120を整列させることができる。
【0055】
例示的な実施形態において、ダイD及びダイエジェクタ120が整列された状態で、制御器200は、ダイDのエッジ部分の下部に配された接着層ALが、昇降部材150によって上部に移動するように、昇降部材駆動装置160を制御することができる。また、昇降部材150が上向き移動し、前記昇降部材150が接着層ALの一部分を支持する間、制御器200は、接着層ALに吸入圧力が続けて提供されるように、圧力調節装置130を制御することができる。
【0056】
また、例示的な実施形態において、ダイD及びダイエジェクタ120が整列された状態で、制御器200は、接着層ALに噴射圧力が提供されるように、圧力調節装置130を制御することができる。
【0057】
本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング装置10は、ダイエジェクタ120が接着層ALの下部に吸入圧力を提供する間、ダイDのエッジ部分及び中心部分が、順次にダイエジェクタ120の中心を通るように、前記ダイエジェクタ120を前記接着層ALに対し、水平方向に相対的に移動させることができる。それにより、ダイエジェクティング装置10は、ダイDを、接着層ALから一次的に分離させることができる。
【0058】
また、ダイエジェクティング装置10は、ダイDを接着層ALから一次的に分離させた後、前記ダイDが、接着層ALから二次的に分離されるように、接着層ALの下部に噴射圧力を提供することができる。
【0059】
それにより、本開示のダイエジェクティング装置10は、接着層ALからダイDを容易に分離させることができる。
【0060】
図3は、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S100)の段階フローを示すフローチャートである。また、
図4ないし
図11は、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S100)の各段階を示す図面である。
【0061】
以下においては、
図3ないし
図11を参照し、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S100)について説明する。
図3を参照すれば、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S100)は、ダイDの中心部分D_cが、ダイエジェクタ120から水平方向に離隔されるように、前記ダイエジェクタ120上に接着層ALを配する段階(S1100)、ダイエジェクタ120を介し、接着層ALに吸入圧力を提供する段階(S1200)、ダイDの第1エッジ部分D_e1、中心部分D_c及び第2エッジ部分D_e2が、順次にダイエジェクタ120と垂直方向に重畳されるように、前記ダイエジェクタ120が接着層ALに対し、第1方向に相対的に移動する段階(S1300)、ダイエジェクタ120が接着層ALに対し、第2方向に相対的に移動し、ダイD及びダイエジェクタ120を整列させる段階(S1400)、昇降部材150の垂直方向の移動を介し、接着層ALの一部を上向きに移動させる段階(S1500)、ダイエジェクタ120を介し、接着層ALに噴射圧力を提供する段階(S1600)、及びダイエジェクタ120上に配されたボンディングヘッド190を介し、ダイDを接着層ALからピックアップする段階(S1700)を含むものでもある。
【0062】
図3及び
図4を共に参照すれば、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S100)は、ダイDの中心部分D_cが、ダイエジェクタ120から水平方向に離隔されるように、前記ダイエジェクタ120上に接着層ALを配する段階(S1100)を含むものでもある。
【0063】
以下において、ダイDの第1エッジ部分D_e1は、ダイエジェクタ120の中心と隣接した前記ダイDエッジの一部分でもあり、第2エッジ部分D_e1は、前記第1エッジ部分D_e1と反対になる前記ダイDエッジの一部分でもある。また、ダイDの中心部分D_cは、第1エッジ部分D_e1と第2エッジ部分D_e2との間に配された前記ダイDの一部分でもある。
【0064】
図3及び
図5を共に参照すれば、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S100)は、ダイエジェクタ120を介し、接着層ALに吸入圧力を提供する段階(S1200)を含むものでもある。
【0065】
S1200段階において、制御器190(
図2)は、ダイエジェクタ120が接着層ALに吸入圧力を提供するように、圧力調節装置130を制御することができる。また、S1200段階において、制御器200は、吸入圧力の強度を調節するために、圧力調節装置130を制御することができる。例えば、S1200段階において、制御器200は、吸入圧力の強度と係わる信号をセンサ(図示せず)から伝達され、前記信号に基づき、圧力調節装置130を制御し、吸入圧力の強度をリアルタイムで調節することができる。
【0066】
図3、及び
図6Aないし
図6Cを共に参照すれば、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S100)は、ダイDの第1エッジ部分D_e1、中心部分D_c及び第2エッジ部分D_e2が、順次にダイエジェクタ120と垂直方向に重畳されるように、前記ダイエジェクタ120が接着層ALに対し、第1方向に相対的に移動する段階(S1300)を含むものでもある。
【0067】
すなわち、S1300段階は、ダイDの第1エッジ部分D_e1、中心部分D_c及び第2エッジ部分D_e2が、順次にダイエジェクタ120の中心を通るように、前記ダイエジェクタ120が接着層ALに対し、第1方向に相対的に移動する段階でもある。
【0068】
S1300段階は、ダイDの第1エッジ部分D_e1がダイエジェクタ120と垂直方向に重畳されるように、ダイエジェクタ120がダイエジェクタ駆動装置140によって水平方向に移動する段階(S1300a_I)、ダイDの中心部分D_cがダイエジェクタ120と垂直方向に重畳されるように、ダイエジェクタ120がダイエジェクタ駆動装置140によって水平方向に移動する段階(S1300b_I)、及びダイDの第2エッジ部分D_e2がダイエジェクタ120と垂直方向に重畳されるように、ダイエジェクタ120がダイエジェクタ駆動装置140によって水平方向に移動する段階(S1300c_I)を含むものでもある。S1300a_IないしS1300c_Iの段階において、接着層ALを支持するステージ170は、固定されうる。
【0069】
すなわち、S1300段階において、吸入圧力が接着層ALの下部に提供された状態で、ダイエジェクタ120が水平方向に移動し、ダイDを接着層ALから一次的に分離させることができる。ダイエジェクタ120が水平方向に移動することにより、ダイDの第1エッジ部分D_e1、中心部分D_c及び第2エッジ部分D_e2が、順次に接着層ALから一次的に分離されうる。
【0070】
図3、及び
図7Aないし
図7Cを共に参照すれば、S1300段階は、ダイDの第1エッジ部分D_e1がダイエジェクタ120と垂直方向に重畳されるように、ステージ170がステージ駆動装置180によって水平方向に移動する段階(S1300a_II)、ダイDの中心部分D_cがダイエジェクタ120と垂直方向に重畳されるように、ステージ170がステージ駆動装置180によって水平方向に移動する段階(S1300b_II)、及びダイDの第2エッジ部分D_e2がダイエジェクタ120と垂直方向に重畳されるように、ステージ170がステージ駆動装置180によって水平方向に移動する段階(S1300c_II)を含むものでもある。S1300a_IIないしS1300c_IIの段階において、ダイエジェクタ120は、固定されうる。
【0071】
すなわち、S1300段階において、吸入圧力が接着層ALの下部に提供された状態で、ステージ170が水平方向に移動し、ダイDを接着層ALから一次的に分離させることができる。ステージ170が水平方向に移動するにより、ダイDの第1エッジ部分D_e1、中心部分D_c及び第2エッジ部分D_e2が、順次に接着層ALから一次的に分離されうる。
【0072】
図3及び
図8Aを共に参照すれば、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S100)は、ダイエジェクタ120が接着層ALに対し、前記第1方向と反対になる第2方向に相対的に移動し、ダイD及びダイエジェクタ120を整列させる段階(S1400)を含むものでもある。
【0073】
例示的な実施形態において、S1400段階は、ダイDの中心部分D_cがダイエジェクタ120と垂直方向に重畳されるように、ダイエジェクタ120がダイエジェクタ駆動装置140によって水平方向に移動する段階(S1400_I)を含むものでもある。S1400_I段階において、ダイエジェクタ120の移動方向である第2方向は、S1300a_I段階ないしS1300c_I段階において、ダイエジェクタ120の移動方向である第1方向と反対になる方向でもある。
【0074】
例示的な実施形態において、S1400段階が遂行される間、ダイエジェクタ120は、圧力調節装置130を介し、ダイDの中心部分D_cに続けて吸入圧力を提供することができる。それにより、ダイDの中心部分D_cが接着層ALから分離されうる。
【0075】
ただし、それに限定されるものではなく、S1400段階が遂行される間、圧力調節装置130の動作が中断され、ダイエジェクタ120は、ダイDの中心部分D_cに吸入圧力を提供しないものでもある。
【0076】
図3及び
図8Bを共に参照すれば、S1400段階は、ダイDの中心部分D_cがダイエジェクタ120と垂直方向に重畳されるように、ステージ170がステージ駆動装置180によって水平方向に移動する段階(S1400_II)を含むものでもある。S1400_II段階において、ステージ170の移動方向である第2方向は、S1300a_II段階ないしS1300c_II段階において、ステージ170の移動方向である第1方向と反対になる方向でもある。
【0077】
図3及び
図9を共に参照すれば、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S100)は、昇降部材150の垂直方向の移動を介し、接着層ALの一部を上向きに移動させる段階(S1500)を含むものでもある。
【0078】
例示的な実施形態において、S1500段階は、昇降部材150の垂直方向の移動を介し、接着層ALの一部を上向きに移動させる段階(S1500)を含むものでもある。
【0079】
例示的な実施形態において、S1500段階において、昇降部材150は、昇降部材駆動装置160によって上向きに移動し、ダイDの第1エッジ部分D_e1及び第2エッジ部分D_e2の下部に配された接着層ALを上向きに移動させることができる。
【0080】
例示的な実施形態において、S1500段階が遂行される間、ダイエジェクタ120は、圧力調節装置130を介し、ダイDの中心部分D_cに続けて吸入圧力を提供することができる。
【0081】
ただし、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S100)は、S1500段階を省略することもできる。
【0082】
図3及び
図10を共に参照すれば、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S100)は、ダイエジェクタ120を介し、接着層ALに噴射圧力を提供する段階(S1600)を含むものでもある。
【0083】
S1600段階において、制御器190(
図2)は、ダイエジェクタ120が接着層ALに噴射圧力を提供するように、圧力調節装置130を制御することができる。また、S1600段階において、制御器200は、噴射圧力の強度を調節するために、圧力調節装置130を制御することができる。例えば、S1600段階において、制御器200は、噴射圧力の強度と係わる信号をセンサ(図示せず)から伝達され、前記信号に基づき、圧力調節装置130を制御し、噴射圧力の強度をリアルタイムで調節することができる。
【0084】
S1600段階の遂行を介し、ダイDの第1エッジ部分D_e1及び第2エッジ部分D_e2は、接着層ALから分離されうる。
【0085】
図3及び
図11を共に参照すれば、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S100)は、ダイエジェクタ120上に配されたボンディングヘッド190を介し、ダイDを接着層ALからピックアップする段階(S1700)を含むものでもある。
【0086】
S1700段階において、ボンディングヘッド190は、ダイDの上面に真空圧を提供し、前記ダイDを接着層ALからピックアップすることができる。また、ボンディングヘッド190は、ピックアップしたダイDを作業台上の基板に付着させることができる。例えば、前記基板は、ウェーハまたは印刷回路基板(PCB)を含むものでもある。
【0087】
本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S100)は、ダイエジェクタ120が接着層ALの下部に吸入圧力を提供する間、ダイDのエッジ部分及び中心部分が、順次にダイエジェクタ120の中心を通るように、前記ダイエジェクタ120を前記接着層ALに対し、水平方向に相対的に移動させることができる。それにより、本開示のダイエジェクティング方法(S100)は、ダイDを接着層ALから一次的に分離させることができる。
【0088】
また、本開示のダイエジェクティング方法(S100)は、ダイDを接着層ALから一次的に分離させた後、前記ダイDが前記接着層ALから二次的に分離されるように、接着層ALの下部に噴射圧力を提供することができる。
【0089】
それにより、本開示のダイエジェクティング方法(S100)は、接着層ALからダイDを容易に分離させることができる。
【0090】
図12は、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S200)の段階のフローを示すフローチャートである。また、
図13ないし
図19は、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S200)の各段階を示す図面である。
【0091】
以下においては、
図12ないし
図19を参照し、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S200)について説明する。
【0092】
図12を参照すれば、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S200)は、ダイDの中心部分D_cが、ダイエジェクタ120から水平方向に離隔されるように、前記ダイエジェクタ120上に接着層ALを配する段階(S2100)、ダイエジェクタ120を介し、接着層ALに吸入圧力を提供する段階(S2200)、ダイDのエッジ部分D_e1及び中心部分D_cが、順次にダイエジェクタ120と重畳されるように、前記ダイエジェクタ120が接着層ALに対して相対的に移動する段階(S2300)、ダイエジェクタ120の移動を中断し、ダイD及びダイエジェクタ120を整列させる段階(S2400)、昇降部材150の垂直方向の移動を介し、接着層ALの一部を上向きに移動させる段階(S2500)、ダイエジェクタ120を介し、接着層ALに噴射圧力を提供する段階(S2600)、並びにダイエジェクタ120上に配されたボンディングヘッド190を介し、ダイDを接着層ALからピックアップする段階(S2700)を含むものでもある。
【0093】
図12及び
図13を共に参照すれば、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S200)は、ダイDの中心部分D_cが、ダイエジェクタ120から水平方向に離隔されるように、前記ダイエジェクタ120上に接着層ALを配する段階(S2100)を含むものでもある。
【0094】
前述のように、ダイDの第1エッジ部分D_e1は、ダイエジェクタ120の中心と隣接した前記ダイDエッジの一部分でもあり、第2エッジ部分D_e1は、前記第1エッジ部分D_e1と反対になる前記ダイDエッジの一部分でもある。また、ダイDの中心部分D_cは、第1エッジ部分D_e1と第2エッジ部分D_e2との間に配された前記ダイDの一部分でもある。
【0095】
図12及び
図14を共に参照すれば、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S200)は、ダイエジェクタ120を介し、接着層ALに吸入圧力を提供する段階(S2200)を含むものでもある。
【0096】
S2200段階において、制御器190(
図2)は、ダイエジェクタ120が接着層ALに吸入圧力を提供するように、圧力調節装置130を制御することができる。また、S2200段階において、制御器200は、吸入圧力の強度を調節するために、圧力調節装置130を制御することができる。例えば、S2200段階において、制御器200は、吸入圧力の強度と係わる信号をセンサ(図示せず)から伝達され、前記信号に基づき、圧力調節装置130を制御し、吸入圧力の強度をリアルタイムで調節することができる。
【0097】
図12及び
図15を共に参照すれば、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S200)は、ダイDの第1エッジ部分D_e1及び中心部分D_cが、順次にダイエジェクタ120と垂直方向に重畳されるように、前記ダイエジェクタ120が接着層ALに対して相対的に移動する段階(S2300)を含むものでもある。
【0098】
すなわち、S2300段階は、ダイDの第1エッジ部分D_e1及び中心部分D_cが、順次にダイエジェクタ120の中心を通るように、前記ダイエジェクタ120が接着層ALに対して相対的に移動する段階でもある。
【0099】
S2300段階において、ステージ170が固定された状態で、ダイエジェクタ120がダイエジェクタ駆動装置140によって水平方向に移動しうる。ただし、それに限定されるものではなく、S1300段階において、ダイエジェクタ120が固定された状態で、ステージ170がステージ駆動装置180によって水平方向に移動しうる。また、S1300段階において、ダイエジェクタ120及びステージ170が同時に移動することもできる。
【0100】
S2300段階において、吸入圧力が接着層ALの下部に提供された状態で、ダイエジェクタ120が接着層ALに対して相対的に移動することができ、ダイDは、接着層ALから一次的に分離されうる。すなわち、ダイエジェクタ120が水平方向に相対的に移動することにより、ダイDの第1エッジ部分D_e1及び中心部分D_cが、順次に接着層ALから一次的に分離されうる。
【0101】
図12及び
図16を共に参照すれば、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S200)は、ダイエジェクタ120が接着層ALに対する相対的な移動を中断し、ダイD及びダイエジェクタ120が整列される段階(S2400)を含むものでもある。
【0102】
例示的な実施形態において、S2400段階は、ダイDの中心部分D_cがダイエジェクタ120と垂直方向に重畳されるとき、ダイエジェクタ120の水平方向の相対的移動を中断させる段階を含むものでもある。言い換えれば、S2300段階において、ダイエジェクタ120が第1方向に移動する場合、S2400段階において、ダイエジェクタ120は、第1方向の移動を中断し、ダイD及びダイエジェクタ120を整列させることができる。
【0103】
図12及び
図17を共に参照すれば、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S200)は、昇降部材150の垂直方向の移動を介し、接着層ALの一部を上向きに移動させる段階(S2500)を含むものでもある。
【0104】
例示的な実施形態において、S2500段階は、昇降部材150の垂直方向の移動を介し、接着層ALの一部を上向きに移動させる段階(S2500)を含むものでもある。
【0105】
例示的な実施形態において、S2500段階において、昇降部材150は、昇降部材駆動装置160によって上向きに移動し、ダイDの第1エッジ部分D_e1及び第2エッジ部分D_e2の下部に配された接着層ALを上向きに移動させることができる。
【0106】
例示的な実施形態において、S2500段階が遂行される間、ダイエジェクタ120は、圧力調節装置130を介し、ダイDの中心部分D_cに続けて吸入圧力を提供することができる。
【0107】
ただし、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S200)は、S2500段階を省略することもできる。
【0108】
図12及び
図18を共に参照すれば、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S200)は、ダイエジェクタ120を介し、接着層ALに噴射圧力を提供する段階(S2600)を含むものでもある。
【0109】
S2600段階において、制御器190(
図2)は、ダイエジェクタ120が接着層ALに噴射圧力を提供するように、圧力調節装置130を制御することができる。また、S2600段階において、制御器200は、噴射圧力の強度を調節するために、圧力調節装置130を制御することができる。例えば、S2600段階において、制御器200は、噴射圧力の強度と係わる信号をセンサ(図示せず)から伝達され、前記信号に基づき、圧力調節装置130を制御し、噴射圧力の強度をリアルタイムで調節することができる。
【0110】
S2600段階の遂行を介し、ダイDの第1エッジ部分D_e1及び第2エッジ部分D_e2は、接着層ALから分離されうる。
【0111】
図12及び
図19を共に参照すれば、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S200)は、ダイエジェクタ120上に配されたボンディングヘッド190を介し、ダイDを接着層ALからピックアップする段階(S2600)を含むものでもある。
【0112】
S2600段階において、ボンディングヘッド190は、ダイDの上面に真空圧を提供し、前記ダイDを接着層ALからピックアップすることができる。また、ボンディングヘッド190は、ピックアップしたダイDを作業台上の基板に付着させることができる。例えば、前記基板は、ウェーハまたは印刷回路基板(PCB)を含むものでもある。
【0113】
本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S200)は、ダイエジェクタ120が接着層ALの下部に吸入圧力を提供する間、ダイDのエッジ部分及び中心部分が、順次にダイエジェクタ120の中心を通るように、前記ダイエジェクタ120を接着層ALに対し、水平方向に相対的に移動させることができる。それにより、本開示のダイエジェクティング方法(S200)は、ダイDを接着層ALから一次的に分離させることができる。
【0114】
また、本開示のダイエジェクティング方法(S200)は、ダイDを接着層ALから一次的に分離させた後、前記ダイDが前記接着層ALから二次的に分離されるように、接着層ALの下部に噴射圧力を提供することができる。
【0115】
それにより、本開示のダイエジェクティング方法(S200)は、接着層ALからダイDを容易に分離させることができる。
【0116】
また、本開示の例示的実施形態によるダイエジェクティング方法(S200)は、ダイエジェクタ120を特定方向(例えば、+X方向)だけに移動させながら、接着層ALに吸入圧力及び噴射圧力を提供し、ダイDを接着層ALから分離させることができる。それにより、本開示のダイエジェクティング方法(S200)は、ダイDを接着層ALから迅速に分離させることができる。
【符号の説明】
【0117】
10 ダイエジェクティング装置
110 ハウジング
120 ダイエジェクタ
130 圧力調節装置
140 ダイエジェクタ駆動装置
150 昇降部材
160 昇降部材駆動装置
170 ステージ
180 ステージ駆動装置
200 制御器
AL 接着層
D ダイ