IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クレガナ・アンリミテッド・カンパニーの特許一覧 ▶ メジャメント・スペシャルティーズ・インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許-介入医療装置用圧力センサモジュール 図1
  • 特許-介入医療装置用圧力センサモジュール 図2
  • 特許-介入医療装置用圧力センサモジュール 図3
  • 特許-介入医療装置用圧力センサモジュール 図4
  • 特許-介入医療装置用圧力センサモジュール 図5
  • 特許-介入医療装置用圧力センサモジュール 図6
  • 特許-介入医療装置用圧力センサモジュール 図7
  • 特許-介入医療装置用圧力センサモジュール 図8
  • 特許-介入医療装置用圧力センサモジュール 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】介入医療装置用圧力センサモジュール
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20240827BHJP
   A61B 1/018 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
A61B1/00 550
A61B1/018 515
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022202098
(22)【出願日】2022-12-19
(65)【公開番号】P2023092507
(43)【公開日】2023-07-03
【審査請求日】2023-02-10
(31)【優先権主張番号】17/557,586
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518066507
【氏名又は名称】クレガナ・アンリミテッド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Creganna Unlimited Company
(73)【特許権者】
【識別番号】522492624
【氏名又は名称】メジャメント・スペシャルティーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Measurement Specialties, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト,アネット ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ウッズ,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】メディナ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ゲイナー,ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー,クリス
(72)【発明者】
【氏名】ラザイー,ジャマール
(72)【発明者】
【氏名】スタンカード,エドワード
【審査官】▲高▼木 尚哉
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-530322(JP,A)
【文献】特開2014-094273(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0089043(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0260240(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
A61M 25/00-29/04
A61B 13/00-18/18
A61F 2/01
A61N 7/00-7/02
A61M 3/00-9/00
A61M 31/00
A61M 39/00-39/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端部と遠位端部との間に延び、前記遠位端部は医療処置中に患者の内部組織に挿入されるように構成され、内部チャネルを有する挿入チューブと、
前記挿入チューブの前記内部チャネルに受け入れられるツールであって、ツール本体と前記ツールの先端部を形成する前記ツール本体の端部にある針とを有し、前記ツール本体がツールチャネルを形成する前記ツールと、
前記ツールチャネルに受け入れられ、圧力センサと前記圧力センサを保持するキャリアとを有し、前記キャリアは、患者の内部組織内の流体の圧力を測定するために、前記ツールの前記先端部に近接して前記ツールチャネル内に前記圧力センサを配置するように前記ツール本体に結合される圧力センサモジュールと、を備え
前記キャリアは、位置決め機構を有し、
前記位置決め機構は、前記圧力センサモジュールを前記内部チャネルにおいて位置決めするために前記ツール本体に係合している介入医療装置。
【請求項2】
前記ツール本体は、前記圧力センサと流れ連通する少なくとも1つの開口部を有し、
前記開口部は、前記ツールチャネルへの流体の流れを可能にするように構成されている請求項1に記載の介入医療装置。
【請求項3】
前記圧力センサは、
前記キャリアに結合された歪みゲージダイアフラムと、
前記歪みゲージダイアフラム上にあり、前記歪みゲージダイアフラムにかかる圧力の測定値を提供するために抵抗の変化を測定する導電性センシング素子と、を有する請求項1に記載の介入医療装置。
【請求項4】
前記キャリアは、前記圧力センサに隣接する側壁を有し、
前記側壁は、前記圧力センサと前記ツール本体との間に位置する請求項1に記載の介入医療装置。
【請求項5】
前記キャリアは、流体を受け入れるように構成されたチャンバーを備え、
前記圧力センサは、前記チャンバー内に延びている請求項1に記載の介入医療装置。
【請求項6】
前記キャリアは、前記ツール本体の曲率半径に対応する曲率半径を有する湾曲した外形を有する外面を備える請求項1に記載の介入医療装置。
【請求項7】
近位端部と遠位端部との間に延び、前記遠位端部は医療処置中に患者の内部組織に挿入されるように構成され、内部チャネルを有する挿入チューブと、
前記挿入チューブの前記内部チャネルに受け入れられるツールであって、ツール本体と前記ツールの先端部を形成する前記ツール本体の端部にある針とを有し、前記ツール本体がツールチャネルを形成する前記ツールと、
前記ツールチャネルに受け入れられ、圧力センサと前記圧力センサを保持するキャリアとを有し、前記キャリアは、患者の内部組織内の流体の圧力を測定するために、前記ツールの前記先端部に近接して前記ツールチャネル内に前記圧力センサを配置するように前記ツール本体に結合される圧力センサモジュールと、を備え、
前記キャリアは、透明または半透明であり、
前記圧力センサモジュールは、動作時に光を伝送する照明要素を備え、
前記光は、前記キャリアを通過する介入医療装置。
【請求項8】
前記圧力センサモジュールは、前記圧力センサに結合されたワイヤを備え、
前記キャリアは、前記圧力センサに対して前記ワイヤの端部を支持し、
前記ワイヤは、前記内部チャネルを通って前記挿入チューブの前記近位端部まで配線される請求項1に記載の介入医療装置。
【請求項9】
前記針は、管腔を有し、
前記圧力センサモジュールは、前記管腔内に位置し
i)前記ツールは前記ツールチャネルに受け入れられたスタイレットを有し、前記スタイレットは前記針の端部から伸長可能であり、前記圧力センサモジュールは前記スタイレットに結合され前記スタイレットと共に移動可能であり、前記スタイレットが伸長したときに前記圧力センサは前記スタイレットと共に前記ツール本体の外部に位置し、前記スタイレットが前記針内に引っ込んだときに前記圧力センサは前記スタイレットと共に前記ツール本体の内部に位置するように構成され、または
(ii)前記管腔が前記針の端部に管腔ポートを有し、前記管腔ポートは流体が前記管腔内に流れるように開かれており、前記圧力センサは前記管腔ポートの上流に配置されて前記管腔内の流体の圧力を測定する請求項1に記載の介入医療装置。
【請求項10】
前記キャリアは、前部と後部とを有し、
前記圧力センサは、前記キャリアの前記前部より前方に延びている請求項1に記載の介入医療装置。
【請求項11】
前記圧力センサは、第1圧力センサであり、
前記圧力センサモジュールは、前記第1圧力センサから離れた第2圧力センサを備え、
前記圧力センサモジュールは、前記第1圧力センサと前記第2圧力センサとの間の圧力差を決定する請求項1に記載の介入医療装置。
【請求項12】
近位端部と遠位端部との間に延び、前記遠位端部は医療処置中に患者の内部組織に挿入されるように構成され、内部チャネルを有する挿入チューブと、
前記挿入チューブの前記内部チャネルに受け入れられるツールであって、ツール本体と前記ツールの先端部を形成する前記ツール本体の端部にある針とを有し、前記ツール本体がツールチャネルを形成する前記ツールと、
前記ツールチャネルに受け入れられ、圧力センサと前記圧力センサを保持するキャリアとを有し、前記キャリアは、患者の内部組織内の流体の圧力を測定するために、前記ツールの前記先端部に近接して前記ツールチャネル内に前記圧力センサを配置するように前記ツール本体に結合される圧力センサモジュールと、
柄であって前記挿入チューブの前記近位端部が前記柄から延びている前記柄と、
前記挿入チューブの前記内部チャネルに受け入れられ、患者の内部組織を照らすために前記遠位端部まで延びる光トランスミッタと、
患者の内部組織を撮像するために前記遠位端部にあるカメラと、を備え、
前記カメラは、前記内部チャネルを通って前記カメラから延びるケーブルを有する介入医療装置。
【請求項13】
前記圧力センサモジュールは、第1圧力センサと前記第1圧力センサから離れた第2圧力センサとを備え、
前記第1圧力センサおよび前記第2圧力センサは、内部組織内の流体の圧力を測定するように構成され、
前記圧力センサモジュールは、前記第1圧力センサから第1圧力を決定し、前記第2圧力センサから第2圧力を決定する請求項1に記載の介入医療装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本明細書の主題は、一般に介入医療装置に関する。
【0002】
内視鏡などの介入医療装置は、医療処置中に患者に医療処置を行うために使用される。内視鏡は、典型的には、患者の体内に挿入され得る細長いチューブを備える。チューブが患者の体内を移動するときに体組織を観察するため、ビデオカメラまたは光ファイバーレンズが遠位端部に装備されている。外科的処置を行うために、チューブの内部を通して様々な外科用ツールが挿入され得る。例えば、いくつかの既知の内視鏡は、患者の組織の生体検査を行うための針を備える。内視鏡の遠位端部の適切な位置決めには問題がある。例えば、生体検査のために病変組織にツールの先端部を配置することは困難である。また、特定の組織や器官がいつ穿孔されたかを判断することも困難である。現在の内視鏡処置は、処置中に内視鏡の位置を確認するのが難しいため、時間がかかる。
【0003】
患者に医療処置を行うための改善された診断を有する信頼性の高い介入医療装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、近位端部と遠位端部との間に延びる挿入チューブを備える介入医療装置が提供される。前記遠位端部は、医療処置中に患者の内部組織に挿入されるように構成されている。前記挿入チューブは、内部チャネルを有する。前記介入医療装置は、前記挿入チューブの前記内部チャネルに受け入れられるツールを備える。前記ツールは、ツール本体と、前記ツールの先端部を形成する前記ツール本体の端部にある針とを有する。前記ツール本体は、ツールチャネルを形成する。介入医療装置は、前記ツールチャネルに受け入れられた圧力センサモジュールを備える。前記圧力センサモジュールは、圧力センサと前記圧力センサを保持するキャリアとを有する。前記キャリアは、患者の内部組織内の流体の圧力を測定するために、前記ツールの前記先端部に近接して前記ツールチャネル内に前記圧力センサを配置するように前記ツール本体に結合される。
【0005】
別の実施形態では、柄を有する介入医療装置が提供される。介入医療装置は、近位端部と遠位端部との間に延びる挿入チューブを有する。前記近位端部は前記柄から延びている。前記遠位端部は、医療処置中に患者の内部組織に挿入されるように構成されている。前記挿入チューブは、内部チャネルを有する。前記介入医療装置は、前記挿入チューブの前記内部チャネルに受け入れられ、患者の内部組織を照らすために前記遠位端部まで延びる光トランスミッタを備える。前記介入医療装置は、患者の内部組織を撮像するために前記遠位端部にあるカメラを備える。前記カメラは、前記内部チャネルを通って前記カメラから延びるケーブルを有する。前記介入医療装置は、前記挿入チューブの前記内部チャネルに受け入れられるツールを備える。前記ツールは、ツール本体と、前記ツールの先端部を形成する前記ツール本体の端部にある針とを有する。前記ツール本体は、ツールチャネルを形成する。介入医療装置は、前記ツールチャネルに受け入れられた圧力センサモジュールを備える。前記圧力センサモジュールは、圧力センサと前記圧力センサを保持するキャリアとを有する。前記キャリアは、患者の内部組織内の流体の圧力を測定するために、前記ツールの前記先端部に近接して前記ツールチャネル内に前記圧力センサを配置するように前記ツール本体に結合される。
【0006】
さらなる実施形態では、近位端部と遠位端部との間に延びる挿入チューブを備える介入医療装置が提供される。前記遠位端部は、医療処置中に患者の内部組織に挿入されるように構成されている。前記挿入チューブは、内部チャネルを有する。前記介入医療装置は、前記挿入チューブの前記内部チャネルに受け入れられるツールを備える。前記ツールは、ツール本体と、前記ツールの先端部を形成する前記ツール本体の端部にある針とを有する。前記ツール本体は、ツールチャネルを形成する。介入医療装置は、前記ツールチャネルに受け入れられた圧力センサモジュールを備える。前記圧力センサモジュールは、第1圧力センサと前記第1圧力センサから離れた第2圧力センサとを備える。前記第1圧力センサおよび前記第2圧力センサは、内部組織内の流体の圧力を測定するように構成されている。前記圧力センサモジュールは、前記第1圧力センサから第1圧力を決定し、前記第2圧力センサから第2圧力を決定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、例示的な実施形態に係る介入医療装置の斜視図である。
図2図2は、例示的な実施形態に係るツールの斜視図である。
図3図3は、例示的な実施形態に係る圧力センサモジュールの斜視図である。
図4図4は、例示的な実施形態に係るツールの一部の断面図である。
図5図5は、例示的な実施形態に係るツールの斜視図である。
図6図6は、例示的な実施形態に係る圧力センサモジュールの斜視図である。
図7図7は、例示的な実施形態に係るツールの一部の断面図である。
図8図8は、例示的な実施形態に係るツールの斜視図である。
図9図9は、例示的な実施形態に係る圧力センサモジュールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、例示的な実施形態に係る介入医療装置100の斜視図である。介入医療装置100は、患者に対して医療処置を行うための医療処置中に使用される。様々な実施形態において、介入医療装置100は内視鏡である。しかしながら、介入医療装置100は、生検針などの別の種類の医療装置であってもよい。例示的な実施形態において、介入医療装置100は、医療処置中に患者の内部組織内の流体の圧力測定を行うように構成されている。介入医療装置100は、生検処置に使用されてもよい。介入医療装置100は、超音波下穿刺吸引処置に使用されてもよい。
【0009】
介入医療装置100は、近位端部102と遠位端部104との間に延びている。介入医療装置100は、近位端部102に柄106を備える。柄106は、医療処置を行うために、遠位端部104および/または遠位端部104における1つ以上のツール108を作動または操作するために使用されてもよい。例えば、遠位端部104は、損傷した組織を生検するなどの医療処置を行うためにツール108を位置決めするように操縦可能であってもよい。柄106は、柄106と遠位端部104との間に延びるプルワイヤ、ばね、または他のタイプの作動要素を用いるなどして、遠位端部104を作動または操作するために回転および/または並進されてもよい。例示的な実施形態において、ツール108は、内部組織内の流体の圧力を測定するために、遠位端部104に圧力センサモジュール200を備える。圧力測定は、ターゲットの組織に対する装置の位置を特定するために使用されてもよい。圧力測定は、例えば部位からのより良いターゲットサンプルの抽出のため、例えば臨床医にリアルタイムでフィードバックを与えるために組織の疾病状態を臨床医に知らせるなど、圧力測定による組織の特徴付けを強化するために使用されてもよい。圧力センサモジュール200は、柄106またはモニタやコンピュータなどの介入医療装置100の外部にある別の装置まで延びる電気配線を有する。圧力センサモジュール200からの圧力読み出し値は、遠隔コンピュータモニタ、付属のディスプレイまたはダイヤル、或いは別の場所など、介入医療装置の外部で表示または閲覧可能であってもよい。
【0010】
例示的な実施形態では、介入医療装置100は、患者の内部組織を撮像するための撮像システム110を備える。撮像システム110は、遠位端部104にカメラ112を有し、近位端部102に視聴装置114を備える。例えば、視聴装置114は、様々な実施形態において柄106に結合された接眼レンズを有していてもよく、視聴装置114は、画像を示すコンピュータモニタのようなディスプレイを有していてもよい。例示的な実施形態では、撮像システム110は、遠位端部104に、内部組織を照らすための光トランスミッタ116を備える。光トランスミッタ116は、近位端部102と遠位端部104との間に配線された1つ以上の光ファイバ及び/又は光パイプを有していてもよい。光トランスミッタ116は、遠位端部104に、光を放射するレンズを有していてもよい。
【0011】
介入医療装置100は、近位端部102と遠位端部104との間に延びる挿入チューブ120を備える。例示的な実施形態では、挿入チューブ120は、近位端部102の柄106から遠位端部104まで延びている。挿入チューブ120の遠位端部104は、患者の中に挿入され、患者から体の内部組織を通って所望の位置(例えば、損傷した組織)に操作されるように構成されている。挿入チューブ120は、ステンレス鋼材料、ニチノール材料、または他の適切な材料などの医療グレードの材料から製造されてもよい。挿入チューブ120は、PTFEスプレーまたは被覆物などでコーティングされてもよい。挿入チューブ120は、複数のセクションを有していてもよい。挿入チューブ120の一部は、硬質であってもよい。挿入チューブ120の一部は、患者の体内で挿入チューブ120を操作できるように、可撓性を有していてもよい。
【0012】
例示的な実施形態において、介入医療装置100の様々な部品は、挿入チューブ120内に収容され、柄106と遠位端部104との間に延在する。挿入チューブ120は、介入医療装置100の部品を収容する内部チャネル122を有する。例えば、ツール108は、内部チャネル122を通って遠位端部104まで配線されてもよい。光トランスミッタ116は、内部チャネル122を通って遠位端部104まで配線されてもよい。カメラ112は、遠位端部104で内部チャネル122内に収容されてもよい。任意選択で、ケーブルは、カメラ112から内部チャネル122を通って柄106またはコンピュータなどの別の部品まで延びて、カメラ112からコンピュータに画像を送信してもよい。内部チャネル122を通って、エアチューブ、水チューブ、電線など、他の部品が配線されていてもよい。例えば、圧力センサモジュール200の電線は、内部チャネル122を通って配線されてもよい。
【0013】
図2は、例示的な実施形態に係るツール108の斜視図である。ツール108は、ツール108の第1の端部142と第2の端部144との間に延びるツール本体140を有する。第2の端部144は、医療処置中に患者の内部組織と接続するために使用されるツール108の作業端部である。例示的な実施形態において、ツール本体140は、概ね円筒形である。しかしながら、ツール本体140は、代替の実施形態において他の形状を有していてもよい。ツール本体140は、圧力センサモジュール200(図3参照)を保持する。ツール本体140は、圧力センサモジュール200を作業端部144に近接して配置し、作業端部144に近接した圧力測定を行う。
【0014】
ツール本体140は、シャフト146を有する。シャフト146は、電線、制御線などの部品を受け入れるために中空であってもよい。例示的な実施形態では、圧力センサモジュール200は、シャフト146の中空内部に受け入れられる。シャフト146は、ツール108の第1の端部142まで延びていてもよい。あるいは、シャフト146は、第1の端部142からシャフト146に移行するツール本体140の別の部分またはセクションに結合されてもよい。
【0015】
例示的な実施形態において、ツール本体140は、ツール108の作業端部144に針160を有する。針160は、シャフト146に結合されている。例えば、針160は、シャフト146の端部から作業端部144まで延びている。針160は、ツール108の先端部に先端部162を有する。針160の先端部162は、患者の組織を刺すため、および/または患者の組織の生検を行うために使用されてもよい。様々な実施形態において、針160は、生検を行うためなどの管腔を形成するために、中空であり先端部162で開口している。他の様々な実施形態において、針160の先端部162は閉じられている。他のタイプの医療処置の実行のために、針160ではなく、ツール108の作業端部144に他のタイプの医療装置が提供されてもよい。圧力センサモジュール200は、針160の先端部162に近接する組織の圧力測定を行うために使用される。
【0016】
例示的な実施形態において、針160は、シャフト146から分離して別々であり、シャフト146の端部に結合されて、ツール108の作業端部144を形成している。例えば、針160は、シャフト146にレーザー溶接されてもよいし、接着剤を用いてシャフト146に固定されてもよい。針160は、シャフト146の延長にあり、針160の本体は、ツール本体140の一部を形成している。
【0017】
例示的な実施形態において、ツール本体140は、ツール本体140の少なくとも一部に沿って延びるツールチャネル148を有する中空である。ツールチャネル148は、シャフト146に沿って延びている。ツールチャネル148は、さらに、針160に沿って延びていてもよい。針160の端部は、シャフト146の中空内部に受け入れられる。任意選択で、針160とツール本体140とは、同じ外径を有していてもよい。例示的な実施形態において、圧力センサモジュール200は、針160のすぐ上流などのツールチャネル148に受け入れられる。代替の実施形態において、圧力センサモジュール200は、針160の中に受け入れられてもよい。例示的な実施形態において、針160は、ステンレス鋼などの医療グレードの材料から製造される。ツール本体140も、医療グレードの材料から製造される。ツール本体140は、針160とは異なる材料から製造されてもよい。
【0018】
図3は、例示的な実施形態に係る圧力センサモジュール200の斜視図である。圧力センサモジュール200は、圧力センサ202と、圧力センサ202に結合されて圧力センサ202から延びるワイヤ204と、圧力センサ202とワイヤ204とを保持するために用いられるキャリア206とを有する。キャリア206は、ツール108を取り囲む流体の圧力を測定するために、圧力センサ202をツール本体140に配置するために、シャフト146(図2に示す)などのツール本体140に受け入れられるように構成されている。
【0019】
キャリア206は、前部210と後部212との間に延びている。例示的な実施形態では、キャリア206は、医療グレードのプラスチック材料から製造され、射出成形プロセスによって製造される。しかしながら、代替の実施形態では、キャリア206は、ステンレス鋼などの金属材料から製造されてもよい。キャリア206は、ツール本体140のツールチャネル148に適合する大きさおよび形状である。ワイヤ204は、キャリア206の後部212から延びている。任意選択で、圧力センサ202は、キャリア206の前部210の近傍に配置されてもよい。圧力センサ202は、代替の実施形態では他の位置にあってもよい。任意選択で、キャリア206は、複数の圧力センサ202を、例えば、互いに相対的に間隔をあけた位置に保持してもよい。複数の圧力センサによる圧力測定値を分けるために、複数の圧力センサ202の間に壁やダムを設けてもよい。他の様々な実施形態において、複数のキャリア206は、異なる組織などの異なる位置で圧力測定値を取るために、それぞれの圧力センサ(複数可)202を有する間隔を空けた位置にそれぞれ提供されてもよい。
【0020】
例示的な実施形態では、キャリア206は、圧力センサ202を受け入れるチャンバー214を有する。チャンバー214は、キャリア206の上部216及び/又は下部218で開口していてもよい。例えば、キャリア206は、上部開口部220及び下部開口部222を有する。開口部220、222は、チャンバー214への流体の流れを可能にする。例示的な実施形態では、圧力センサ202は、開口部220、222と位置合わせされる。加えて又は代替的に、チャンバー214は、前部210及び/又は後部212で開口していてもよい。ワイヤ204は、圧力センサ202との電気的接続のために、チャンバー214の中に延びている。例示的な実施形態では、チャンバー214の一部をポッティング材料またはエポキシで満たして、チャンバー214を閉鎖してもよい。ポッティング材料またはエポキシは、ワイヤ204および/または圧力センサ202の一部を取り囲んで、ワイヤ204のための歪み緩和を提供してもよい。
【0021】
例示的な実施形態において、キャリア206は、第1の側壁226及び第2の側壁228からチャンバー214内に延びるセンサ位置決め機構224を有する。センサ位置決め機構224は、圧力センサ202をチャンバー214内に位置決めするために使用される。様々な実施形態において、センサ位置決め機構224は、クラッシュリブであってもよい。センサ位置決め機構224は、第1の側壁226と第2の側壁228との間のチャンバー214内の圧力センサ202を中心に置く。側壁226、228は、圧力センサ202に隣接して、出荷時や取り扱い時だけでなく、医療処置中の使用時などに、圧力センサ202を保護する。
【0022】
例示的な実施形態において、キャリア206は、ツール本体140に対して圧力センサモジュール200を位置決めするためにツール本体140に係合するように構成された1つ以上の位置決め機構230を有する。図示された実施形態では、位置決め機構230は、キャリア206の前部210でキャリア206の外部から外側に延びる位置決めタブである。例えば、位置決め機構230は、第1の側壁226及び第2の側壁228に配置される。位置決め機構230は、代替の実施形態において、他の位置にあってもよい。図2は、ツール本体140の位置決めスロット158に受け入れられた位置決め機構230を図示している。位置決め機構230は、ツール本体140に対して圧力センサモジュール200を軸方向および回転可能に配置するために、ツール本体140と係合するように構成される。任意選択で、位置決め機構230は、圧力センサモジュール200をツール本体140に対して方向付けるために、キーで固定されてもよい。例えば、位置決め機構230は、キャリア206の両側で互いに相対的にずらして配置またはオフセットされてもよい。代替の実施形態において、レール、路肩、溝、開口部など、他のタイプの位置決め機構が使用されてもよい。
【0023】
図4は、例示的な実施形態に係るツール108の一部の断面図である。図4は、ツール本体140のシャフト146に結合された圧力センサモジュール200及び針160を示す。圧力センサモジュール200は、シャフト146のツールチャネル148に受け入れられる。例示的な実施形態において、ツールチャネル148は、円筒形のキャリア206を受け入れるために円筒形である。キャリア206は、圧力センサ202をツールチャネル148内に配置する。ワイヤ204は、キャリア206からツールチャネル148を通って延びている。針160は、シャフト146の端部に結合され、シャフト146の前方に延びている。任意選択で、針160は、キャリア206の前部210と係合し、キャリア206をツールチャネル148内に保持する。
【0024】
例示的な実施形態において、ツール本体140のシャフト146は、ツールチャネル148へのアクセスを提供する流体開口部150を有する。図示された実施形態では、流体開口部150は、ツール本体140の上部152及び下部154に設けられている。流体開口部150は、代替の実施形態では、他の位置にあってもよい。組み立てられると、流体開口部150は、キャリア206のチャンバー214と位置合わせされる。流体開口部150は、圧力センサ202による組織流体の圧力監視のために、ツール本体140の外部からチャンバー214への流体の流入を可能にする。圧力センサ202は、ツール本体140の内部に配置され、内部の流体圧力を測定する。例示的な実施形態では、チャンバー214を通る流体の流れを可能にするために、複数の流体開口部150が提供される。あるいは、単一の流体開口部150が設けられてもよい。
【0025】
例示的な実施形態において、ツール本体140のシャフト146は、ツールチャネル148へのアクセスを提供する1つ以上の封止開口部156を有する。封止開口部156は、ツールチャネル148を封止するためのポッティング材料またはエポキシを受け入れてもよい。例えば、圧力センサモジュール200が組み立てられ、ツールチャネル148内に配置された後、ポッティング材料またはエポキシが、封止開口部156を通してツールチャネル148内に注入される。ポッティング材料又はエポキシは、圧力センサ202及びワイヤ204の一部の周りのチャンバーの後部セクションなど、チャンバー214を部分的に満たしてもよい。ポッティング材料又はエポキシは、キャリア206から後方に延びるワイヤ204の部分を取り囲むように、キャリア206の後方のツールチャネル148を部分的に満たしてもよい。
【0026】
圧力センサ202は、歪みゲージダイアフラム250を有し、歪みゲージダイアフラム250は、歪みゲージダイアフラム250上に導電性センシング素子252を有する。ワイヤ204は、導電性センシング素子252に電気的に接続されている。圧力センサ202は、集積回路部品であってもよい。例えば、歪みゲージダイアフラム250は、シリコンチップ上に作製された導電性センシング素子252を有するシリコンチップであってもよい。例示的な実施形態では、圧力センサ202は、ピエゾ抵抗圧力センサなどのマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)デバイスである。導電性センシング素子252の抵抗値の変化は、歪みゲージダイアフラム250に加えられた圧力の測定値を提供する。抵抗値の変化は、導電性センシング素子252の長さの相対的な変化である歪みに比例していてもよい。代替の実施形態では、圧力センサ202は、容量性圧力センサである。歪みゲージダイアフラム250の変形により、導電性センシング素子252の間隔が変化し、回路の静電容量が変化する。静電容量の変化は、圧力の変化に対応した回路内の周波数変化によって測定することができる。
【0027】
歪みゲージダイアフラム250は、キャリア206に結合されている。例えば、歪みゲージダイアフラム250は、キャリア206の支持壁232の前方でチャンバー214内に片持ちで支持されている。キャリア206は、歪みゲージダイアフラム250を保護する。支持壁232は、歪みゲージダイアフラム250の後端部を支持する。支持壁232は、ワイヤ204を支持する。歪みゲージダイアフラム250の前部分は、支持壁232の前方に延び、チャンバー214内で支持されていない。チャンバー214は、圧力センサ202が適切に機能するように、歪みゲージダイアフラム250の上、下、および側方で開いている。例えば、歪みゲージダイアフラム250の前部分は、組織内の流体の圧力が変化すると、チャンバー214内で撓み、曲がり、振動し、またはその他の方法で移動することができる。
【0028】
例示的な実施形態において、圧力変化は、ツール108が患者の体内を移動する際にリアルタイムで監視され得る。流体の圧力は、ツール108が患者の体内の異なる組織内を移動する際に変化する可能性がある。圧力センサ202は、針160の先端部162に近接して配置され、針160の先端部162の近傍に存在する組織内の流体の圧力を測定する。圧力センサ202上の圧力測定値は、様々な組織を通して針160を案内するためなど、医療処置を行う際に医師を支援するために使用されてもよい。例えば、圧力測定値は(例えば、圧力の変化を識別することによって)、針160が特定の組織、組織壁、損傷した組織などにいつ位置するかを示し得る。
【0029】
例示的な実施形態において、ツール108はモジュール式であり、異なる直径を有していてもよい。キャリア206は、異なる直径のツール本体140に対応するために、異なる直径を有していてもよい。様々な実施形態において、キャリア206は、特定の直径に対応する色を有する。例示的な実施形態において、キャリア206は、ツール本体140の熱膨張係数と同様の熱膨張係数を有する材料から製造される。キャリア206は、必要な曲げ半径を通してキャリア206が撓むことを可能にするのに十分な弾性を有する材料から製造される。様々な実施形態において、キャリア206は、透明または半透明の材料から製造されてもよい。圧力センサモジュール200は、圧力センサモジュール200が動作しているときに光を伝送する照明要素(図示せず)を有していてもよい。照明要素からの光はキャリア206を通過する。照明要素は、LEDであってもよい。照明要素は、光を伝送する光パイプや光ファイバであってもよい。
【0030】
図5は、例示的な実施形態に係るツール108の斜視図である。ツール108は、ツール108の第2の端部144まで延びるツール本体140を有する。図5は、ツール108の針160を示している。針160は、第2の端部144でツール本体140を画定する。例示的な実施形態において、針160は、ツールチャネル148の一部を形成する管腔164を有する。針160は、管腔164へのアクセスを提供するために、第2の端部144で開口した管腔ポート166を有する。針160は、患者の組織の生検を行うために使用されてもよい。
【0031】
例示的な実施形態において、ツール108は、管腔164に受け入れられたスタイレット170を有する。スタイレット170は、管腔164を塞ぐために使用される。スタイレットは、針160に対して相対的に移動可能である。スタイレット170は、伸長位置(図5に示す)と後退位置とに移動可能である。スタイレット170は、インナーシャフト172と、インナーシャフト172の前部に設けられたプランジャ174とを有する。プランジャ174およびインナーシャフト172の一部は、伸長位置において針160の先端部162を越えて露出する。後退位置において、プランジャ174は、先端部162にある場合もあれば、先端部162の後方に凹んでいる場合もあり、先端部162の前方にわずかに伸びている場合もある。例示的な実施形態では、インナーシャフト172は、ステンレス鋼などの医療グレードの材料から製造される。プランジャ174も医療グレードの材料から製造されているが、インナーシャフト172とは異なる材料であってもよい。プランジャは、インナーシャフト172に溶接されてもよいし、接着剤を用いて固定されてもよい。代替の実施形態では、プランジャ174は、インナーシャフト172と一体である。
【0032】
例示的な実施形態において、スタイレット170は、圧力センサモジュール300を保持する。例えば、圧力センサモジュール300は、インナーシャフト172の内部チャネル176内に保持される。スタイレット170は、チャネル176へのアクセスを提供する1つ以上の流体開口部178を有する。図示の実施形態において、流体開口部178は、インナーシャフト172の上部と下部に設けられている。流体開口部178は、代替の実施形態では、他の位置にあってもよい。流体開口部178は、圧力センサモジュール300による組織流体の圧力監視のために、スタイレット170の外側から内部チャネル176への流体の流れを可能にするために、圧力センサモジュール300と位置合わせされてもよい。スタイレット170は、圧力センサモジュール300を針160の先端部162に近接して配置するために、伸長位置に移動されてもよい。
【0033】
図6は、例示的な実施形態に係る圧力センサモジュール300の斜視図である。圧力センサ302は、圧力センサ202(図3に示す)と同様である。圧力センサモジュール300は、圧力センサ302と、圧力センサ302に結合されてそこから延びるワイヤ304と、圧力センサ302及びワイヤ304を保持するために用いられるキャリア306とを有する。キャリア306は、キャリア206(図3に示す)とは異なる形状である。
【0034】
キャリア306は、前部310と後部312との間に延びている。例示的な実施形態では、キャリア306は、医療グレードのプラスチック材料から製造され、射出成形プロセスによって製造される。しかしながら、代替の実施形態において、キャリア306は、ステンレス鋼などの金属材料から製造されてもよい。ワイヤ304は、キャリア306の後部312から延びている。任意選択で、圧力センサ302は、キャリア306の前部310の近傍に配置されてもよい。圧力センサ302は、代替の実施形態において、他の位置にあってもよい。任意選択で、キャリア306は、複数の圧力センサ302を、例えば、互いに相対的に間隔を空けた位置に保持してもよい。複数の圧力センサによる圧力測定値を分けるために、圧力センサ302の間に壁やダムを設けてもよい。他の様々な実施形態において、複数のキャリア306は、異なる組織などの異なる位置で圧力測定値を取るために、それぞれの圧力センサ(複数可)302を有する間隔を空けた位置にそれぞれ提供されてもよい。
【0035】
例示的な実施形態において、キャリア306は、ツール本体140に対して圧力センサモジュール300を位置決めするためにツール本体140と係合するように構成された1つ以上の位置決め機構330を有する。図示された実施形態において、位置決め機構330は、キャリア306の底部においてキャリア306の外部から外側に延びる位置決めタブである。代替の実施形態において、レール、路肩、溝、開口部など、他のタイプの位置決め機構が使用されてもよい。
【0036】
図7は、例示的な実施形態に係るツール108の一部の断面図である。図7は、スタイレット170の内部チャネル176に受け入れられ、インナーシャフト172に結合された圧力センサモジュール300を示す。スタイレット170及び圧力センサモジュール300は、針160の管腔164に配置される。例示的な実施形態において、内部チャネル176は、キャリア306を受け入れるために円筒形である。キャリア306は、圧力センサ302を内部チャネル176内に配置する。ワイヤ304は、圧力センサ302からキャリア306の上部に沿って延びている。
【0037】
例示的な実施形態において、スタイレット170は、圧力センサ302を受け入れるチャンバー180を有する。チャンバー180は、インナーシャフト172とキャリア306とによって画定される。チャンバー180は、圧力センサ302の上、下、および側方に沿って開いている。流体開口部178は、チャンバー180に開口している。例示的な実施形態において、チャンバー180の一部をポッティング材料またはエポキシで満たして、チャンバー180を閉鎖し、ワイヤ304のための歪み緩和を提供してもよい。流体開口部178は、圧力センサ302による組織流体の圧力監視のために、ツール108の外部からチャンバー180への流体の流入を可能にする。
【0038】
歪みゲージダイアフラム350は、キャリア306に結合されている。例えば、歪みゲージダイアフラム350は、支持壁332から片持ちで支持されている。支持壁332は、歪みゲージダイアフラム350の後端部を支持する。歪みゲージダイアフラム350の前部分は、キャリア306からチャンバー180内に延びている。歪みゲージダイアフラム350は、チャンバー180内で支持されていない。チャンバー180は、圧力センサ302が適切に機能するように、歪みゲージダイアフラム350の上、下、および側方で開いている。例えば、歪みゲージダイアフラム350の前部分は、組織内の流体の圧力が変化すると、チャンバー180内で撓み、曲がり、振動し、またはその他の方法で移動することができる。
【0039】
例示的な実施形態において、圧力センサ302は、針160の先端部162の近傍にある組織内の流体の圧力を測定するために、針160の先端部162に近接して配置されている。圧力センサ302は、ツール本体140の外部に配置され、外部の流体圧力を測定する。圧力センサ302の圧力測定値は、生検を行うためなど、医療処置を行う際に医師を支援するために使用されてもよい。例えば、圧力センサ302は、特定の組織における流体の圧力を決定することができ、医師は、異なる組織における圧力測定値を比較して、組織が健康であるか損傷しているかを決定することができる(損傷した組織は、硬く、より高い流体圧力を有する可能性がある)。
【0040】
図8は、例示的な実施形態に係るツール108の斜視図である。ツール108は、ツール108の第2の端部144まで延びるツール本体140を有する。図8は、ツール108の針160を示す。針160は、ツールチャネル148の一部を形成する管腔164を有する。圧力センサモジュール400は、管腔164に配置される。圧力センサモジュール400は、スタイレットに結合されてもよいし、針160の本体に結合されてもよい。
【0041】
図9は、例示的な実施形態に係る圧力センサモジュール400の斜視図である。圧力センサ402は、圧力センサ202(図4に示す)と同様である。圧力センサモジュール400は、圧力センサ402と、圧力センサ402に結合されてそこから延びるワイヤ404と、圧力センサ402およびワイヤ404を保持するために用いられるキャリア406とを有する。キャリア406は、キャリア206(図4に示す)とは異なる形状である。
【0042】
キャリア406は、前部410と後部412との間に延びている。キャリア406は、キャリア406の上部416にチャンバー414を有する。チャンバー414は、圧力センサ402とワイヤ404とを受け入れる。図示の実施形態において、チャンバー414は、後部412で開放され、前部410で閉鎖されている。ワイヤ404は、後部412の開口部を通って延びている。キャリア406のうち、チャンバー414より前方の部分は、圧力センサ402を保護する。キャリア406のうち、チャンバー414の側方に沿った部分は、圧力センサ402を保護する。任意選択で、キャリア406は、チャンバー414と流体連通している底部チャネル418を底部に有していてもよい。底部チャネル418は、チャンバー414への流体の流入または流出を可能にする。図示の実施形態において、キャリア406の上部416は、円柱を切り取ることによって形成されており、平坦である。キャリア406がツール本体140に装填されると、キャリア406の上の空間が開いて、上方からチャンバー414への流体の流入または流出が可能になる。例示的な実施形態において、キャリア406は、医療グレードのプラスチック材料から製造され、射出成形プロセスによって製造される。しかしながら、代替の実施形態において、キャリア406は、ステンレス鋼などの金属材料から製造されてもよい。任意選択で、圧力センサ402は、キャリア406の前部410の近傍に配置されてもよい。圧力センサ402は、代替の実施形態において、他の位置にあってもよい。任意選択で、キャリア406は、複数の圧力センサ402を、例えば、互いに相対的に間隔を空けた位置に保持してもよい。複数の圧力センサによる圧力測定値を分けるために、圧力センサ402の間に壁やダムを設けてもよい。他の様々な実施形態において、複数のキャリア406は、異なる組織などの異なる位置で圧力測定値を取るために、それぞれの圧力センサ(複数可)402を有する間隔を空けた位置にそれぞれ提供されてもよい。
【0043】
例示的な実施形態において、キャリア406は、ツール本体140に対して圧力センサモジュール400を位置決めするために、針160またはスタイレット(使用される場合)などのツール本体140と係合するように構成された1つ以上の位置決め機構430を有する。図示された実施形態において、位置決め機構430は、圧力センサモジュール400と係合して圧力センサモジュール400をチャンバー414内に位置決めするためにチャンバー414内に延びる位置決めタブである。任意選択で、チャンバー414の両側などに、複数の位置決め機構430を設けてもよい。位置決め機構430は、圧力センサモジュール400をキャリア406に固定または取り付けるために使用されるエポキシを受け入れるためのポケットまたは井戸を形成してもよい。位置決め機構430は、エポキシが圧力センサ402の遠位部分に食い込むのを防ぎ、圧力センサ402の動作への干渉を防止する。代替の実施形態において、レール、路肩、溝、開口部など、他のタイプの位置決め機構が使用されてもよい。
【0044】
図8に戻ると、図示された実施形態において、ツール108は、ツールチャネル148内で互いに間隔をあけて配置された2つのキャリア406及び対応する圧力センサ402を有する。ツール本体140は、キャリア406のチャンバー414への流体の流れを可能にするために、圧力センサと位置合わせされた流体開口部を有していてもよい。あるいは、チャンバー414は、針160の前部で管腔ポート166と流体連通し、流体を受け入れる。一対の圧力センサ402は、いずれも、流体の圧力を、間隔を空けて配置された2つの異なる位置で測定することができる。圧力センサは、一方の圧力センサが他方の圧力センサの遠位に位置するように、互いに直線的にオフセットされている。圧力センサモジュール400は、異なる組織からの圧力を測定するなど、2つの圧力測定値間の圧力差を測定することができる。ツール108は、健康な組織と損傷した組織との圧力差を測定するために使用されてもよい。任意選択で、キャリア406は、互いに間隔を空けて配置される。複数の圧力センサ402は、圧力センサ402を取り囲む流体が混ざりあわないように壁などによって、物理的に互いに分離されている。様々な実施形態において、キャリア406は、ツールチャネル148内で互いに隣接していてもよい。他の代替実施形態において、一対の圧力センサ402を互いに離間した位置に保持する単一のキャリア406が提供される。単一のキャリア406は、流体を隔離して2つの圧力センサ402が流体間の流体圧力の差を測定できるように、チャンバー414の間にダムを形成する1つ以上の壁を有する。
【0045】
上記の説明は、例示を意図したものであって、制限的なものではないことを理解されたい。例えば、上述した実施形態(及び/又はその態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。さらに、その範囲から逸脱することなく、特定の状況や材料を本発明の教示に適合させるために、多くの修正を行うことができる。本明細書に記載された寸法、材料の種類、様々な部品の向き、並びに様々な部品の数および位置は、特定の実施形態のパラメータを定義することを意図しており、決して限定的ではなく、単なる例示的な実施形態に過ぎない。特許請求の範囲の精神および範囲内の多くの他の実施形態および修正は、上記の説明を検討することにより当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照し、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲とともに決定されるべきである。添付の特許請求の範囲において、用語「including」及び「in which」は、それぞれ用語「comprising」及び「wherein」に相当する平易な英語として使用される。さらに、以下の特許請求の範囲において、用語「第1」、「第2」、および「第3」などは、単にラベルとして使用され、その対象に数値的要件を課すことを意図していない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9