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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】情報通信システム、及び情報通信方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20240827BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022205697
(22)【出願日】2022-12-22
(62)【分割の表示】P 2020214787の分割
【原出願日】2020-12-24
(65)【公開番号】P2023036808
(43)【公開日】2023-03-14
【審査請求日】2023-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135518
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 隆
(72)【発明者】
【氏名】石井 純
(72)【発明者】
【氏名】野原 武人
(72)【発明者】
【氏名】金 成寿
(72)【発明者】
【氏名】林 史謙
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-520446(JP,A)
【文献】特開2002-123477(JP,A)
【文献】特開2018-25862(JP,A)
【文献】韓国特許第10-10-1924895(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0339711(US,A1)
【文献】特開2010-50959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユーザが利用する第1端末装置から第2ユーザが利用する第2端末装置へメッセージが送信されて、前記第1端末装置により、前記第1端末装置と前記第2端末装置との間で送受信されたメッセージを表示する第1ユーザ画面に、前記第1端末装置から前記第2端末装置へ送信された前記メッセージが表示されて、該表示されたメッセージが前記第1ユーザ画面から前記第1ユーザにより選択された場合、前記第1端末装置へ広告を送信する第1送信手段と、
前記第1送信手段により送信された前記広告を受信した前記第1端末装置における前記第1ユーザの操作に基づいて、前記第1送信手段により送信された前記広告を前記第2端末装置へ送信する第2送信手段と、
前記第2ユーザが、前記第2送信手段により送信された前記広告を選択した後で前記広告の成果に対応する行動をとったことが特定されることに基づいて、前記第1ユーザへ報酬を付与する処理を実行する付与手段と、
を備えることを特徴とする情報通信システム。
【請求項2】
前記第1送信手段により送信される前記広告は、前記第1ユーザの属性に応じた広告であることを特徴とする請求項1に記載の情報通信システム。
【請求項3】
コンピュータにより実行される情報通信方法において、
第1ユーザが利用する第1端末装置から第2ユーザが利用する第2端末装置へメッセージが送信されて、前記第1端末装置により、前記第1端末装置と前記第2端末装置との間で送受信されたメッセージを表示する第1ユーザ画面に、前記第1端末装置から前記第2端末装置へ送信された前記メッセージが表示されて、該表示されたメッセージが前記第1ユーザ画面から前記第1ユーザにより選択された場合、前記第1端末装置へ広告を送信する第1送信ステップと、
前記第1送信ステップにより送信された前記広告を受信した前記第1端末装置における前記第1ユーザの操作に基づいて、前記第1送信ステップにより送信された前記広告を前記第2端末装置へ送信する第2送信ステップと、
前記第2ユーザが、前記第2送信ステップにより送信された前記広告を選択した後で前記広告の成果に対応する行動をとったことが特定されることに基づいて、前記第1ユーザへ報酬を付与する処理を実行する付与ステップと、
を含むことを特徴とする情報通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して端末装置へ広告を配信する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネット等のネットワークを通じて広告を配信するシステムが知られている。こうしたシステムにおいては、例えばウェブページや電子メール等のコンテンツに広告が表示される。ユーザが広告を選択すると、そのユーザの端末装置は、例えば広告に対応する商品又はサービスに関する情報を掲載するウェブサイトにアクセスする。
【0003】
また、成果報酬型の広告も知られている。例えば、アフィリエイターは、ウェブサイト等のコンテンツを作成及び運営する。そして、アフィリエイターは、作成されたコンテンツに、所謂アフィリエイトリンクが埋め込まれた広告を掲載する。そのコンテンツを閲覧したユーザがその広告を選択すると、アフィリエイトリンクに基づいて、アフィリエイターを識別する情報が記録されるとともに、その後のユーザの行動が追跡される。そして、ユーザが、その広告に対応する商品を注文し又はその広告に対応するサービスを予約するなどの行動をとると、記録された情報により識別されるアフィリエイターに、報酬が付与される。例えば、特許文献1には、広告に基づいてウェブサイトにアクセスしたユーザによる商品の購入経路を追跡するシステムが開示されている。
【0004】
その一方で、現在、RCS(Rich Communication Service)やインスタントメッセージングが普及してきている。一般的に、こうしたシステムは、ユーザがメッセージをやりとりする相手ごとに、やりとりされたメッセージを表示する画面を提供する。各画面を利用することにより、ユーザは、チャットのように、個別的にメッセージをリアルタイムでやりとりすることができる。例えば、特許文献2には、移動通信端末機を用いたインスタントメッセンジャーサービスステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-86854号公報
【文献】特開2006-191608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
端末装置間で送受信されるメッセージは、そのメッセージの送信者により作成されたコンテンツであると言うことができるかもしれない。そのように仮定した場合、メッセージの送信者に対して、アフィリエイトの報酬を付与することには一定の妥当性があると考えられる。しかしながら、従来のシステムでは、メッセージの送信者へアフィリエイトの報酬を付与することができなかった。
【0007】
本発明は以上の点に鑑みてなされてものであり、その課題の一例は、広告の成果に対する報酬を獲得可能な広告を、メッセージを送信することで送信者が取得することを可能とする情報通信システム、及び情報通信方を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本願の一の側面は、第1ユーザが利用する第1端末装置から第2ユーザが利用する第2端末装置へメッセージが送信されて、前記第1端末装置により、前記第1端末装置と前記第2端末装置との間で送受信されたメッセージを表示する第1ユーザ画面に、前記第1端末装置から前記第2端末装置へ送信された前記メッセージが表示されて、該表示されたメッセージが前記第1ユーザ画面から前記第1ユーザにより選択された場合、前記第1端末装置へ広告を送信する第1送信手段と、前記第1送信手段により送信された前記広告を受信した前記第1端末装置における前記第1ユーザの操作に基づいて、前記第1送信手段により送信された前記広告を前記第2端末装置へ送信する第2送信手段と、前記第2ユーザが、前記第2送信手段により送信された前記広告を選択した後で前記広告の成果に対応する行動をとったことが特定されることに基づいて、前記第1ユーザへ報酬を付与する処理を実行する付与手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本願の別の側面は、前記第1送信手段により送信される前記広告は、前記第1ユーザの属性に応じた広告であることを特徴とする。
【0010】
本願の更に別の側面は、コンピュータにより実行される情報通信方法において、第1ユーザが利用する第1端末装置から第2ユーザが利用する第2端末装置へメッセージが送信されて、前記第1端末装置により、前記第1端末装置と前記第2端末装置との間で送受信されたメッセージを表示する第1ユーザ画面に、前記第1端末装置から前記第2端末装置へ送信された前記メッセージが表示されて、該表示されたメッセージが前記第1ユーザ画面から前記第1ユーザにより選択された場合、前記第1端末装置へ広告を送信する第1送信ステップと、前記第1送信ステップにより送信された前記広告を受信した前記第1端末装置における前記第1ユーザの操作に基づいて、前記第1送信ステップにより送信された前記広告を前記第2端末装置へ送信する第2送信ステップと、前記第2ユーザが、前記第2送信ステップにより送信された前記広告を選択した後で前記広告の成果に対応する行動をとったことが特定されることに基づいて、前記第1ユーザへ報酬を付与する処理を実行する付与ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、広告の成果に対する報酬を獲得可能な広告を、メッセージを送信することで送信者が取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】一実施形態に係る広告システムSの概要構成の一例を示す図である。
図2】一実施形態に係るメッセージ管理サーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。
図3】メッセージ管理サーバ1のデータベースに記憶される情報の例を示す図である。
図4】一実施形態に係る広告サーバ2の概要構成の一例を示すブロック図である。
図5】広告サーバ2のデータベースに記憶される情報の例を示す図である。
図6】メッセージ管理サーバ1のシステム制御部11の機能ブロックの一例を示す図である。
図7】画面の遷移例を示す図である。
図8】画面の遷移例を示す図である。
図9】広告サーバ2のシステム制御部21の機能ブロックの一例を示す図である。
図10】一実施形態に係る広告システムSの動作の一例を示すシーケンス図である。
図11】一実施形態に係る広告システムSの動作の一例を示すシーケンス図である。
図12】一実施形態に係る広告システムSの動作の一例を示すシーケンス図である。
図13】一実施形態に係る広告システムSの動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0026】
[1.広告システムの構成]
先ず、本実施形態に係る広告システムSの構成及び機能概要について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る広告システムSの概要構成の一例を示す図である。
【0027】
図1に示すように、広告システムSは、メッセージ管理サーバ1と、広告サーバ2と、1又は複数の取引サービスサーバ3と、複数のユーザ端末4と、を備える。メッセージ管理サーバ1と、広告サーバ2と、各取引サービスサーバ3と、各ユーザ端末4とは、ネットワークNWを介して互いに接続される。ネットワークNWは、例えばインターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築されている。メッセージ管理サーバ1と広告サーバ2との組み合わせは、情報通信システムの一例である。
【0028】
メッセージ管理サーバ1は、RCSを提供するためのサーバ装置である。例えば、ユーザが、メッセージをやりとりする相手を選択すると、メッセージ管理サーバ1は、チャットルーム画面を開かせる。チャット画面は、2人以上のユーザがプライベートなメッセージを互いにやりとりするための画面であってもよい。例えば、チャット画面には、2以上のユーザ端末4間で送受信されたメッセージが表示されてもよい。チャット画面は、チャットルームに対応する画面であってもよい。メッセージ管理サーバ1は、或るチャット画面を開いたユーザのユーザ端末4からメッセージを受信すると、そのチャット画面に関連付けられた別のユーザのユーザ端末4へメッセージを転送する。基本的に、メッセージ管理サーバ1は、リアルタイムでメッセージを転送する。メッセージ管理サーバ1は、画像データやマルチメディアコンテンツ、その他のデータの転送も可能である。また、メッセージ管理サーバ1は、何れかのユーザ端末4からメッセージが送信されることに基づいて、広告サーバ2から広告コンテンツを取得して、その広告コンテンツを、メッセージの送信者が成果報酬を受けることが可能な成果報酬型の広告として、そのユーザ端末4へ送信する。この広告コンテンツは、広告を示すマルチメディアコンテンツであってもよい。その後、メッセージの送信者の操作に基づいて、メッセージ管理サーバ1は、その広告コンテンツを、メッセージの受信者のユーザ端末4に送信する。これにより、メッセージの受信者のユーザ端末4に広告が表示される。
【0029】
広告サーバ2は、メッセージ管理サーバ1へ広告コンテンツを提供するサーバ装置である。例えば、メッセージ管理サーバ1は、RCSを利用してメッセージを送信したユーザの属性やそのメッセージに応じた広告を決定してもよい。また、メッセージ管理サーバ1は、各広告主から提示される広告単価等に基づいて、所謂リアルタイムビッディングを実行して、広告を決定してもよい。広告単価は、1回あたりの広告の成果について、広告主からメッセージ管理サーバ1を運用する広告事業者に支払われる広告料金である。なお、この広告事業者と、RCSを提供する事業者と、は同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、広告サーバ2は、アフィリエイトサービスプロバイダーとしても動作してもよい。具体的に、RCSにおけるメッセージの受信者が、ユーザ端末4に表示された広告を選択した後、その広告の成果に対応する行動をとった場合(すなわち、コンバージョンが成立した場合)、広告サーバ2は、そのメッセージの送信者へ報酬を付与する処理を実行する。広告の成果に対応する行動の例として、商品の購入、サービスの購入、サービスの予約、会員登録、資料請求、アポイントメントの予約等が挙げられる。付与される報酬の例として、法定通貨、電子マネー、ポイント等が挙げられる。ポイントは、所定のポイントプログラムを通じて利用可能である。例えば、このポイントは、所定のサイト又は実店舗を利用して商品を購入し又はサービスを利用する場合、その購入代金又は利用代金として利用することができる。なお、広告サーバ2は、広告を提供するサーバ装置と、アフィリエイトに関する処理を実行するサーバ装置と、により構成されてもよい。これらのサーバ装置は、例えばLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して互いに接続されてもよい。
【0030】
各取引サービスサーバ3は、ユーザ端末4のユーザが取引対象を取引するための取引サービスを提供するためのサーバ装置である。取引対象は、商取引の対象であってもよい。取引対象の例として、商品及びサービスが挙げられる。各取引サービスサーバ3は、取引サービスを提供するウェブサイトに関する処理を行ってもよい。複数の取引サービスサーバ3がある場合、これらの取引サービスサーバ3は、互いに異なる取引サービスを提供してもよい。取引サービスサーバ3により提供される取引サービス又はウェブサイトの例として、オンラインショッピング、オンラインショッピングモール、ホテル予約、書籍販売、美容サロン予約、出前予約、不動産情報の提供等が挙げられる。各取引サービスサーバ3は、ユーザ端末4へ配信される広告の広告主のコンテンツをユーザ端末4へ配信するとともに、広告の成果に相当する行動を可能とする。取引サービスサーバ3により提供される取引サービスを利用して商品やサービスを販売する複数の事業者のうち少なくとも一の事業者が、広告主であってもよい。取引サービスが、その取引サービスの提供者自身のみの取引対象を扱っている場合、その提供者が広告主であってもよい。
【0031】
各ユーザ端末4は、RCSを利用するユーザが携帯可能な端末装置である。各ユーザ端末4は電話機能を有してもよい。ユーザ端末4の例として、スマートフォン、タブレット式コンピュータ等の携帯情報端末、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等が挙げられる。ユーザ端末4として、パーソナルコンピュータ等の据え置き型の端末装置が利用可能であってもよい。各ユーザ端末4には、RCS専用のアプリケーションがインストールされてもよい。また、各ユーザ端末4には、ウェブブラウザがインストールされてもよい。
【0032】
[2.装置構成]
[2-1.メッセージ管理サーバの構成]
次に、メッセージ管理サーバ1の構成について、図2及び図3を用いて説明する。図2は、本実施形態に係るメッセージ管理サーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、メッセージ管理サーバ1は、システム制御部11と、システムバス12と、入出力インタフェース13と、記憶部14と、通信部15と、を備えている。システム制御部11と入出力インタフェース13とは、システムバス12を介して接続されている。
【0033】
システム制御部11は、CPU(Central Processing Unit)11a、ROM(Read Only Memory)11b、RAM(Random Access Memory)11c等により構成されている。
【0034】
入出力インタフェース13は、記憶部14及び通信部15とシステム制御部11との間のインタフェース処理を行う。
【0035】
記憶部14は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されている。この記憶部14には、会員DB14a、広告許可情報DB14b、チャットDB14c等のデータベースが記憶されている。「DB」は、データベースの略語である。
【0036】
図3は、メッセージ管理サーバ1のデータベースに記憶される情報の例を示す図である。会員DB14aには、メッセージ管理サーバ1が提供するRCSを利用可能なユーザに関する会員情報が、ユーザごとに記憶される。例えば、会員DB14aには、会員情報として、ユーザID、氏名、表示名、電話番号、保有ポイント数等が、互いに関連付けて記憶される。ユーザIDは、ユーザを識別する識別情報である。保有ポイント数は、ユーザが現在保有しているポイントの数を示す。
【0037】
広告許可情報DB14bには、ユーザが取引サービスから広告を受け入れるか否かを取引サービスごとに示す広告許可情報が、ユーザごとに記憶されている。広告を受け入れるか否かは、ユーザが設定可能である。具体的に、広告許可情報DB14bには、広告許可情報として、ユーザID、及び許可状態リストが、互いに関連付けて記憶されている。許可状態リストは、ユーザIDにより示されるユーザが、取引サービスごとに、広告を受け入れるか否かを示す。
【0038】
チャットDB14cには、RCSにおいて作成されたチャットルームに関するチャット情報が、チャットルームごとに記憶される。具体的に、チャットDB14cには、チャットID、複数のユーザID、チャット履歴等が、互いに関連付けて記憶される。チャットIDは、対象のチャットルームを識別する識別情報である。各ユーザIDは、対象のチャットルームに入ることが可能なユーザを示す。通常、チャット情報は2人分のユーザIDを含む。しかしながら、3人以上のグループ内でのメッセージのやりとりが可能なチャットルームの作成が可能であってもよい。この場合、チャット情報は3人分以上のユーザIDを含む。チャット履歴は、そのチャットルームでやりとりされた情報の履歴である。例えば、チャット履歴は、情報が送信されるごとに、その情報、その情報を送信したユーザのユーザID、その情報の送信日時等を含んでもよい。送信される情報としては、メッセージ、画像、マルチメディアデータ等がある。
【0039】
記憶部14には、更に、オペレーティングシステム、DBMS(Database Management System)、メッセージ管理サーバプログラム等の各種プログラムが記憶されている。メッセージ管理サーバプログラムは、RCSに関する各種処理をシステム制御部11に実行させるプログラムである。メッセージ管理サーバプログラムは、例えば、他の装置からインターネットNWを介して取得されるようにしてもよいし、磁気テープ、光ディスク、メモリカード等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
【0040】
通信部15は、例えばネットワークインタフェースカード等により構成されている。通信部15は、ネットワークNWを介して、広告サーバ2、取引サービスサーバ3、ユーザ端末4等と接続し、これらの装置との通信状態を制御する。
【0041】
[2-2.広告サーバの構成]
次に、広告サーバ2の構成について、図4及び図5を用いて説明する。図4は、本実施形態に係る広告サーバ2の概要構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、広告サーバ2は、システム制御部21と、システムバス22と、入出力インタフェース23と、記憶部24と、通信部25と、を備えている。システム制御部21と入出力インタフェース23とは、システムバス22を介して接続されている。
【0042】
システム制御部21は、CPU21a、ROM21b、RAM21c等により構成されている。
【0043】
入出力インタフェース23は、記憶部24及び通信部25とシステム制御部21との間のインタフェース処理を行う。
【0044】
記憶部24は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されている。この記憶部24には、ユーザ属性DB24a、広告DB24b、広告選択履歴DB24c、報酬DB24d等のデータベースが記憶されている。
【0045】
図5は、広告サーバ2のデータベースに記憶される情報の例を示す図である。ユーザ属性DB24aには、メッセージ管理サーバ1により提供されるRCSを利用可能なユーザの属性を示す情報が、ユーザごとに記憶される。具体的に、ユーザ属性DB24aには、ユーザID及びユーザ属性情報等が互いに関連付けて記憶される。ユーザ属性情報は、ユーザIDにより示されるユーザの属性を示す。例えば、ユーザ属性情報は、対象のユーザによる広告のクリックスルーレート又はコンバージョンレートを、取引サービスごとに示してもよい。この場合のクリックスルーレートは、例えば、特定の取引サービスからの広告がRCSにおいて特定のユーザに対して表示された回数のうち、そのユーザがその広告を選択した回数の割合であってもよい。また、この場合のコンバージョンレートは、例えば特定の取引サービスからの広告をRCSにおいて選択することにより特定のユーザがその取引サービスに訪問した回数のうち、そのユーザが、その広告の成果に対応する行動をとった回数の割合であってもよい。クリックスルーレートや又はコンバージョンレートは、ユーザが、その取引サービスに興味を持っている度合い、その取引サービスを好きな度合い、その取引サービスの利用する度合い、又はその取引サービスで取引をする度合いを示す。従って、これらの情報はユーザの属性を示すものと言うことができる。クリックスルーレートやコンバージョンレートは、例えば広告選択履歴DB24cや報酬DB24d等を用いて、広告サーバ2により計算されてもよい。また例えば、ユーザ属性情報は、ユーザの年齢、性別、居住地域、職業等を示してもよい。これらの情報は、例えばRCS用のアプリケーションからユーザにより入力されてもよい。
【0046】
広告DB24bには、RCSを利用しているユーザのユーザ端末4に配信される広告に関する広告情報が、広告ごとに記憶される。具体的に、広告DB24bには、広告ID、サービスID、広告主ID、取引対象ID、広告画像、広告単価、リンク先URL(Uniform Resource Locator)等が互いに関連付けて記憶される。広告IDは、対象の広告を識別する識別情報である。サービスIDは、取引サービスを識別する識別情報である。広告情報に含まれるサービスIDは、対象の広告により宣伝される取引対象の取引が可能な取引サービスを示す。すなわち、サービスIDは、対象の広告が選択された場合にユーザによるアクセス先となる取引サービスを示す。広告主IDは、対象の広告の広告主を識別する識別情報である。取引対象IDは、対象の広告により宣伝される取引対象を識別する識別情報である。広告画像は、対象の広告を示す画像である。広告単価は、例えばCPA(Cost Per Acquisition)であってもよい。リンク先URLは、対象の広告により宣伝される取引対象の情報が掲載されているウェブページ等のコンテンツのURLである。ユーザが広告を選択すると、ユーザ端末4は、リンク先URLにより示されるコンテンツにアクセスして表示する。
【0047】
広告選択履歴DB24cには、RCSを利用しているユーザによる広告の選択の履歴が記憶される。具体的に、広告選択履歴DB24cには、広告選択ログとして、トラッキングID、選択日時、広告ID、サービスID、RCS-ID、チャットID、選択ユーザID、アフィリエイターID等が、広告が選択されるごとに互いに関連付けて記憶される。トラッキングIDは、広告を選択した後のユーザによる行動を追跡するための識別情報である。選択日時は、広告が選択された日時を示す。広告IDは、選択された広告を示す。サービスIDは、選択された広告により宣伝される取引対象の取引が可能な取引サービスを示す。RCS-IDは、RCSを識別する識別情報である。広告選択ログに含まれるRCS-IDは、ユーザが何れのRCSを利用しているときに広告を選択したかを示す。広告システムSにおいては、メッセージ管理サーバ1により提供される一のRCSが少なくとも利用可能である。しかしながら、広告システムSにおいて、複数のメッセージ管理サーバ1によりそれぞれ複数の互いに異なるRCSが提供されていてもよい。そして、ユーザは、複数のRCSのうち、ユーザが所望する一以上のRCSを利用可能であってもよい。チャットIDは、何れのチャットルームの画面が開かれているときに広告が選択されたかを示す。選択ユーザIDは、広告を選択したユーザを示す。アフィリエイターIDは、広告を選択したユーザが、選択された広告の成果に対応する行動をとった場合に(コンバージョンが成立した場合に)、その成果に対する報酬が付与されるユーザのユーザIDである。
【0048】
報酬DB24dには、RCSを利用しているユーザによるコンバージョンが成立した場合に、広告の成果として付与される報酬に関する報酬情報が、コンバージョンが成立するごとに記憶される。具体的に、報酬DB24dには、コンバージョンID、コンバージョン成立日時、トラッキングID、RCS-ID、チャットID、取引ユーザID、アフィリエイターID、アフィリエイター報酬額、RCS報酬額等が、互いに関連付けて記憶される。コンバージョンIDは、コンバージョンを識別する識別情報である。コンバージョン成立日時は、コンバージョンが成立した日時を示す。トラッキングIDは、広告の成果に対応する行動の追跡に用いられた識別情報である。RCS-IDは、広告の成果に対応する行動をとったユーザが、何れのRCSを利用しているときにその広告を選択したかを示す。チャットIDは、広告の成果に対応する行動をとったユーザが、何れのチャットルームの画面が開かれているときに広告を選択したかを示す。取引ユーザIDは、広告の成果に対応する行動をとったユーザのユーザIDである。アフィリエイターIDは、広告の成果に対する報酬が付与されるユーザのユーザIDである。アフィリエイター報酬額は、アフィリエイターIDにより示されるユーザに対して付与される報酬の額を示す。RCS報酬額は、RCS-IDにより示されるRCSの提供者に対して付与される報酬の額を示す。
【0049】
記憶部24には、更に、オペレーティングシステム、DBMS、広告サーバプログラム等の各種プログラムが記憶されている。広告サーバプログラムは、広告の提供やアフィリエイトに関する各種処理をシステム制御部21に実行させるプログラムである。広告サーバプログラムは、例えば、他の装置からインターネットNWを介して取得されるようにしてもよいし、磁気テープ、光ディスク、メモリカード等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
【0050】
通信部25は、例えばネットワークインタフェースカード等により構成されている。通信部25は、ネットワークNWを介して、メッセージ管理サーバ1、取引サービスサーバ3、ユーザ端末4等と接続し、これらの装置との通信状態を制御する。
【0051】
[3.機能概要]
[3-1.メッセージ管理サーバ]
次に、図6乃至図8を用いて、メッセージ管理サーバ1におけるシステム制御部11の機能概要について説明する。図6は、メッセージ管理サーバ1のシステム制御部11の機能ブロックの一例を示す図である。システム制御部11は、CPU11aが、メッセージ管理サーバプログラムに含まれる各種プログラムコードを読み出し実行することにより、図6に示すように、第1送信部111、操作要素表示制御部112、第2送信部113等として機能する。
【0052】
第1送信部111は、或る第1のユーザが利用する第1のユーザ端末4から、別の第2のユーザが利用する第2のユーザ端末4へメッセージが送信されたことに基づいて、第1のユーザ端末4へ広告を送信する。ここで、第1のユーザをユーザU1と言い、第2のユーザをユーザU2と言う。また、第1のユーザ端末4をユーザ端末4-1と言い、第2のユーザ端末4をユーザ端末4-2と言う。3人以上のグループでチャットが行われる場合、ユーザ端末4-2は2以上存在してもよい。
【0053】
ユーザ端末4-1へ送信される広告は、ユーザU1が、成果報酬を受け取ることが可能な広告である。第1送信部111は、その報酬が付与されるユーザとしてユーザU1を示すユーザIDが付された広告を、ユーザ端末4-1へ送信してもよい。広告に付されたユーザIDに基づいて、後述するように、報酬が付与されるユーザが特定される。例えば、第1送信部111は、マルチメディアコンテンツとして広告のコンテンツを送信してもよい。この広告コンテンツは、例えばHTML(HyperText Markup Language)文書又はスクリプト等の、情報を記述可能な制御データと、広告の画像と、を少なくとも含んでもよい。この制御データは、広告の画像をユーザ端末4-1に表示させるタグ又は命令等を含んでもよい。また、制御データは、アフィリエイトリンクを含んでもよい。このアフィリエイトリンクは、広告が選択された場合に、取引サービスにおいて、ユーザ端末4によりその広告に対応する取引対象のコンテンツにアクセスさせるとともに、その広告の成果に対応する行動が行われた場合、その成果の報酬が付与されるユーザを識別するためのリンクであってもよい。例えば、アフィリエイトリンクは、ユーザU1のユーザID及びリンク先URLを含んでもよい。ユーザ端末4-1へ送信される広告は、ユーザ端末4-1からユーザ端末4-2へメッセージを送信したRCSのシステムの提供者(すなわち、メッセージ管理サーバ1の運用者)が、成果報酬を受け取ることが可能な広告であってもよい。この場合、アフィリエイトリンクは、更にRCSの提供者を識別する情報を含んでもよい。この情報は、例えばRCS-ID、又はユーザU1とユーザU2との間でやりとりされたメッセージが表示されるチャット画面に対応するチャットルームのチャットIDであってもよい。
【0054】
RCSのプロトコルでメッセージが送信されるので、メッセージ管理サーバ1は、ユーザU1により入力されたメッセージをユーザ端末4-1から受信して、そのメッセージをユーザ端末4-2へ転送する。このとき、第1送信部111は、広告をユーザ端末4-1へ送信してもよい。
【0055】
或いは、第1送信部111は、メッセージの送信後、ユーザU1による操作に基づいて、ユーザ端末4-1に広告を送信してもよい。これにより、広告を受け取るか否かをユーザU1が決定することができる。ユーザ端末4-1において、ユーザU1とユーザU2との間でやりとりされたメッセージが表示されるチャット画面には、ユーザU1が入力してユーザ端末4-1からユーザ端末4-2へ送信されたメッセージが表示される。メッセージ管理サーバ1は、メッセージ画面に表示されたそのメッセージがユーザU1により選択されることに基づいて、広告をユーザ端末4-1へ送信してもよい。第1送信部111は、ユーザ端末4-1から送信された最新のメッセージが選択された場合にのみ、ユーザ端末4-1へ広告を送信してもよい。或いは、第1送信部111は、ユーザ端末4-1から送信されたメッセージであれば、何れのメッセージが選択された場合であっても、ユーザ端末4-1へ広告を送信してもよい。
【0056】
第1送信部111は、ユーザ端末4-1へ送信する広告のコンテンツを、広告サーバ2から取得してもよい。ユーザ端末4-1へ送信される広告は、如何なる広告であってもよい。或いは、第1送信部111は、ユーザU1の属性に応じた広告を、ユーザ端末4-1へ送信してもよい。ユーザU1とユーザU2は、メッセージをやりとりする間柄であると推測される。従って、ユーザU1とユーザU2との間に何らかの共通点が存在する可能性がある。例えば、ユーザU1及びユーザU2は、共通の好みや関心事を有する可能性がある。このように、ユーザU1の属性と同じ属性をユーザU2が有していれば、広告の効果を高めることができる。また、後述するように、ユーザ端末4-1に送信された広告を、ユーザU1が選択して取引サービスが選択可能とし、その後ユーザU1が、広告の成果に対応する行動をとることを可能としてもよい。この場合、ユーザU1に応じた広告がユーザU1に提供されることで、広告の成果を高めることができる。第1送信部111は、例えばユーザU1のユーザIDを広告サーバ2へ送信してもよい。広告サーバ2は、後述するように、ユーザIDにより示されるユーザU1の属性に応じた広告を、メッセージ管理サーバ1へ送信してもよい。ユーザU1の属性に応じた広告の例については後述する。
【0057】
また、第1送信部111は、ユーザ端末4-1からユーザ端末4-2へ送信されたメッセージに関連する広告を、ユーザ端末4-1へ送信してもよい。例えば、第1送信部111は、最新のメッセージに関連する広告を送信してもよい。第1送信部111は、例えば送信されたメッセージを、広告サーバ2へ送信してもよい。ユーザU1がチャット画面からメッセージを選択することに基づいて広告を送信する場合、第1送信部111は、選択されたメッセージを、広告サーバ2へ送信してもよい。広告サーバ2は、後述するように、メッセージ管理サーバ1から受信したメッセージに基づいて、そのメッセージに関連する広告を、メッセージ管理サーバ1へ送信してもよい。メッセージに関連する広告の例については後述する。
【0058】
操作要素表示制御部112は、第1送信部111により送信された広告をユーザ端末4-2へ送信するために操作可能な操作要素を、ユーザ端末4-1により表示させる。この操作要素は、例えば選択等の操作が可能なユーザインタフェース要素であれば、特段の要素に限定されない。操作要素の例として、ボタン、リンク、アイコン等が挙げられる。例えば、操作要素は、共有ボタンと称されるボタンであってもよい。共有ボタンは、ユーザU1がユーザU2と広告を共有するためのボタンである。操作要素を表示させる方法は様々である。例えば、RCS用のアプリケーションが、この操作要素を表示する機能を提供する場合、操作要素表示制御部112は、広告がユーザ端末4-1に送信されるときに、その操作要素の表示の要求をユーザ端末4-1へ送信してもよい。或いは、RCS用のアプリケーションが、例えばHTML等の所定の形式のデータに基づいて、カスタマイズ可能なメニュー等のユーザインタフェースを表示する機能を提供してもよい。この場合、操作要素表示制御部112は、操作要素を表示するためのデータをユーザ端末4-1へ送信して、ユーザ端末4-1に、そのデータに基づいてその操作要素を表示させてもよい。
【0059】
第2送信部113は、ユーザ端末4-1により表示された操作要素がユーザU1により操作されることに応じて、第1送信部111によりユーザ端末4-1へ送信された広告を、ユーザ端末4-2へ送信する。例えば、ユーザ端末4-1は、広告をメッセージ管理サーバ1へ送信し、メッセージ管理サーバ1は、そのメッセージをユーザ端末4-2へ転送してもよい。例えば、第2送信部113は、RCSにおいてユーザ端末4-1からのメッセージをユーザ端末4-2へ送信するためのプロトコルと同じプロトコルで、ユーザ端末4-2へ広告を送信してもよい。これにより、送信部111は、ユーザ端末4-2のチャット画面に広告を表示させてもよい。ここで、送信された広告は、ユーザ端末4-1のチャット画面にも表示されてもよい。或いは、第2送信部113は、別のプロトコルで広告を送信してもよい。また、チャット画面以外の画面に広告が表示されてもよい。
【0060】
第2送信部113は、第1送信部111によりユーザ端末4-1へ送信された広告が、広告を受け入れることがユーザU2により予め設定されている取引サービスからの広告である場合に限り、その広告をユーザ端末4-2へ送信してもよい。例えば、第2送信部113は、ユーザU2の広告許可情報を参照して、ユーザ端末4-2へ広告を送信する否かを判定してもよい。これにより、ユーザU2が望まない取引からの広告をブロックすることができる。
【0061】
次に、広告表示に関する画面の遷移例について説明する。図7及び図8は、画面の遷移例を示す図である。ユーザU1は、RCS用のアプリケーションで、メッセージの送信先としてユーザU2を選択する。これに応じて、ユーザ端末4-1は、図7(a)に示すように、チャット画面100-1を表示する。チャット画面100-1は、メッセージ表示領域110、メッセージ入力欄120等を含む。メッセージ表示領域110は、送受信されたメッセージが表示される領域である。メッセージ入力欄120は、メッセージを入力するための領域である。ここで、ユーザU1は、メッセージ入力欄120にメッセージを入力する。例えば、「もうすぐ父の日だね。何買うか決めた?」というメッセージが入力される。そして、ユーザU1は、メッセージの送信を選択する。これに応じて、ユーザ端末4-1は、メッセージを送信するとともに、図7(b)に示すように、メッセージ表示領域110に、入力されたメッセージ210を表示する。ここで、ユーザU1は、図7(c)に示すように、指310でメッセージ210を選択する。これに応じて、ユーザ端末4-1は、図7(d)に示すように、取引サービスメニュー400を、チャット画面100-1上に表示する。取引サービスメニュー400は、広告を表示させる取引サービスを選択するためのメニューである。取引サービスメニュー400は、一又は複数の取引サービスボタン410、及びキャンセルボタン420を含む。各取引サービスボタン410には、そのボタンに対応する取引サービスの名称が表示されてもよい。各取引サービスボタン410は、そのボタンに対応する取引サービスからの広告を表示させるためのボタンである。例えば、全取引サービスについて取引サービスボタン410が表示されてもよい。或いは、ユーザU1の属性に応じた1又は複数の取引サービスについて、取引サービスボタン410が表示されてもよい。キャンセルボタン420は、取引サービスの選択をキャンセルして、広告を表示させないようにするボタンである。なお、メッセージ管理サーバ1が、広告を取得する取引サービスを自動的に決定してもよい。この場合、ユーザ端末4-1は、メッセージが選択されたら、取引サービスメニュー400は表示せずに広告を表示してもよい。
【0062】
ユーザU1が、取引サービスメニュー400から何れかの取引サービスボタン410を選択すると、図8(a)に示すように、ユーザ端末4-1は、広告510及び共有ボタン520を表示する。広告510は、取引サービスメニュー400で選択された取引サービスからの広告である。また、広告510は、メッセージ210に関連する広告、例えば父の日に関連する広告であってもよい。ここで、ユーザU1が広告510を選択すると、ユーザ端末4-1は、アフィリエイトリンクに従って、取引サービスメニュー400で選択された取引サービスの取引サービスサーバ3にアクセスして、広告510により宣伝される取引対象のコンテンツ、例えばウェブページを表示する。例えば、ユーザ端末4-1は、ウェブブラウザに従ってコンテンツを表示してもよい。或いは、RCS用のアプリケーションが、ウェブブラウザの機能を提供する場合、ユーザ端末4-1は、そのアプリケーションに従ってコンテンツを表示してもよい。この後、ユーザU1が、商品の購入やサービスの予約等、広告510の成果に対応する行動をとることができる。しかしながら、この場合、ユーザU1に対して報酬は付与されない。その一方で、RCSの提供者に対しては報酬が付与されてもよい。
【0063】
図8(b)に示すように、ユーザU1が共有ボタン520を選択すると、ユーザ端末4-1は、メッセージ管理サーバ1を介して広告510をユーザ端末4-2へ送信する。そして、ユーザ端末4-1は、図8(c)に示すように、チャット画面100-1のメッセージ表示領域110に、送信された広告510を表示する。一方、ユーザU2は、図8(d)に示すように、チャット画面100-2を開く。チャット画面100-2は、ユーザU2とユーザU1との間でやりとりされたメッセージを表示するためのチャット画面である。チャット画面100-2も、メッセージ表示領域110及びメッセージ入力欄120を含む。図8(d)に示すように、ユーザ端末4-2は、チャット画面100-2のメッセージ表示領域110に、ユーザ端末4-1から受信したメッセージ210及び広告510を表示する。ここで、ユーザU2が広告510を選択すると、ユーザ端末4-2は、広告510により宣伝される取引対象のコンテンツを表示する。この後、ユーザU2が、広告510の成果に対応する行動をとると、ユーザU1に対して報酬が付与される。更に、RCSの提供者に対しても報酬が付与されてもよい。
【0064】
[3-2.広告サーバ]
次に、図9を用いて、広告サーバ2におけるシステム制御部21の機能概要について説明する。図9は、広告サーバ2のシステム制御部21の機能ブロックの一例を示す図である。システム制御部21は、CPU21aが、広告サーバグラムに含まれる各種プログラムコードを読み出し実行することにより、図9に示すように、広告提供部211、報酬付与部212等として機能する。
【0065】
広告提供部211は、メッセージ管理サーバ1からユーザ端末4-1に送信される広告として、メッセージ管理サーバ1に提供される広告を取得する。例えば、広告提供部211は、取得する広告をランダムに決定してもよいし、所定の広告を取得してもよい。
【0066】
或いは、広告提供部211は、ユーザU1の属性に応じた広告を取得してもよい。ユーザの属性に応じた広告の例として、例えばユーザが興味を有すると推定される取引対象の広告、ユーザによる購入頻度が高い取引対象の広告、ユーザによる利用頻度が高い取引サービスにおける取引対象の広告、広告主が指定した条件にユーザの属性が合致する広告等が挙げられる。例えば、広告提供部211は、ユーザ属性DB24aに記憶されたユーザU1のユーザ属性情報に基づいて、提供する広告を決定してもよい。例えば、ユーザ属性情報が、ユーザU1について、取引サービスごとのコンバージョンレートを示す場合、広告提供部211は、コンバージョンレートが相対的に高い取引サービスを決定してもよい。そして、広告提供部211は、決定された取引サービスのサービスIDに関連付けられた広告のコンテンツを、広告DB24bから取得してもよい。
【0067】
また例えば、広告DB24bに、各広告について、広告を提示するユーザの属性の条件が記憶されてもよい。この条件は、例えば性別、年齢、居住地又は職業等を含んでもよい。この条件は、広告主により設定されてもよい。この場合、広告提供部211は、ユーザ属性情報により示される属性が条件に合致する広告のデータを、広告DB24bから取得してもよい。
【0068】
また例えば、広告提供部211は、取引サービスサーバ3から、ユーザU1の属性に応じた取引対象の情報を取得してもよい。そして、広告提供部211は、取得された情報に基づいて、提供する広告を決定してもよい。例えば、広告提供部211は、取引サービスサーバ3においてユーザU1を識別する情報を、取引サービスサーバ3へ送信してもよい。取引サービスサーバ3は、送信されてきた情報により示されるユーザの属性に応じた取引対象の情報を、広告サーバ2へ送信してもよい。ユーザを識別する情報は、例えばRCSにおけるユーザIDであってもよい。取引サービスサーバ3においてユーザU1を識別する情報と、RCSにおけるユーザIDとが異なる場合、その情報とユーザIDとが関連付けて、記憶部14に記憶されてもよい。この場合、広告提供部211は、ユーザU1のユーザIDに関連付けられたその情報を、取引サービスサーバ3へ送信してもよい。取引サービスサーバ3においては、対応する取引サービスを利用するユーザそれぞれについて、取引対象ごとに、取引対象のカテゴリごとに、又は広告主ごとに、そのユーザによるコンバージョンレートが記憶されていてもよい。この場合のコンバージョンレートは、例えば、特定のユーザが広告を選択することにより取引サービスに訪問した回数のうち、その広告に対応する取引対象(またはその取引対象のカテゴリに属する何れかの取引対象、若しくはその取引対象の販売元の広告主が取り扱う何れかの取引対象)について、そのユーザが広告の成果に対応する行動をとった回数の割合であってもよい。例えば、取引サービスサーバ3がコンバージョンレートを随時計算してもよい。このコンバージョンレートは、RCSにおいて表示された広告のみならず、他のシステムにおいて表示された広告も考慮して、計算されてもよい。取引サービスサーバ3は、相対的にコンバージョンレートが高い1又は複数の取引対象を決定してもよい。取引サービスサーバ3は、決定された取引対象の取引対象IDを、メッセージ管理サーバ1へ送信してもよい。このとき、取引サービスサーバ3は、取引対象IDとともに、その取引対象IDに対応するコンバージョンレートを送信してもよい。
【0069】
広告提供部211は、ユーザ端末4-1からユーザ端末4-2へ送信されたメッセージに関連する広告を取得してもよい。メッセージに関連する広告は、例えばそのメッセージ又はそのメッセージに含まれる語に関連する取引対象又は広告主の広告であってもよいし、広告自体がそのメッセージ又は語に関連する広告であってもよい。例えば、広告提供部211は、形態素解析により、メッセージを形態素に分割してもよい。そして、広告提供部211は、形態素のうち例えば名詞等を、キーワードとして抽出してもよい。また例えば、広告DB24bには、各広告について、その広告、広告主又は取引対象に関連するキーワードが記憶されていてもよい。このキーワードは、例えば広告主により設定されてもよい。そして、広告提供部211は、送信されたメッセージに含まれるキーワードと合致するキーワードに関連付けられた広告のコンテンツを、広告DB24bから取得してもよい。或いは、広告提供部211は、ユーザ端末4-1からユーザ端末4-2へ送信されたメッセージ又はそのメッセージに含まれるキーワードを、取引サービスサーバ3へ送信することにより、そのメッセージに関連する広告を取引サービスサーバ3から取得してもよい。例えば、取引サービスサーバ3には、各取引対象について、ユーザ端末4へ配信可能なウェブページ等のコンテンツを示すコンテンツ情報が記憶されていてもよい。このコンテンツ情報は、例えば、取引対象の名称若しくはタイトル、及びコンテンツに掲載されるテキストの情報を含んでもよい。コンテンツ情報は、例えばウェブページを表示するためのHTML文書等であってもよい。取引サービスサーバ3は、例えば広告サーバ2から送信されてきたキーワードをコンテンツ情報に含む取引対象を、1又は複数検索してもよい。そして、取引サービスサーバ3は、検索された取引対象の取引対象IDを、メッセージ管理サーバ1へ送信してもよい。
【0070】
メッセージ管理サーバ1へ提供する広告の候補が複数存在する場合、広告提供部211は、例えば所謂リアルタイムビッディングにより、提供する広告を決定してもよい。例えば、メッセージ管理サーバ1は、各候補の広告単価を広告DB24bから取得して、広告単価が最も高い広告を、提供する広告に決定してもよい。取引サービスサーバ3から各広告についてコンバージョンレートを取得している場合、広告提供部211は、広告単価及びコンバージョンレートに基づいて、提供する広告を決定してもよい。例えば、広告提供部211は、所定の計算式に広告単価及びコンバージョンレートを代入して、スコアを計算してもよい。そして、広告提供部211は、スコアが最も高い広告を、提供する広告に決定してもよい。例えば、広告提供部211は、広告単価が高いほどスコアが高くなるように、且つ、コンバージョンレートが高いほどスコアが高くなるように、スコアを計算してもよい。
【0071】
広告提供部211は、広告を決定すると、その広告にユーザU1のユーザIDを付してその広告をメッセージ管理サーバ1へ送信する。例えば、広告提供部211は、広告を表示するための制御データを生成してもよい。広告提供部211は、制御データと広告画像を含む広告のコンテンツを送信してもよい。この制御データは、広告の画像を表示するためのタグ又は命令を含んでもよい。また、この制御データは、アフィリエイトリンクを含んでもよい。アフィリエイトリンクは、ユーザU1のユーザID、決定された広告に対応する広告ID、リンク先URLを含んでもよい。また、アフィリエイトリンクは、RCS-ID及びチャットIDの少なくとも何れか一方を含んでもよい。また例えば、アフィリエイトリンクは、広告サーバ2に割り当てられたURLを含んでもよい。この場合、ユーザが広告を選択すると、ユーザ端末4が先ず広告サーバ2へアクセスするように、アフィリエイトリンクが生成されてもよい。広告サーバ2は、ユーザ端末4からのアクセスをリダイレクトすることにより、ユーザ端末4は、リンク先URLにより示される情報にアクセスする。
【0072】
報酬付与部212は、ユーザU2が、メッセージ管理サーバ1の第2送信部113により送信された広告を選択した後でその広告の成果に対応する行動をとったことが特定されることに基づいて、ユーザU1へ報酬を付与する処理を実行する。第2送信部113により送信された広告は、ユーザU1のユーザIDがアフィリエイターIDとして付加されている。広告がユーザU2により選択されることに応じて、その広告に付加されたユーザIDが、ユーザ端末4-2から送信されて記憶される。その後、ユーザU2が広告の成果に対応する行動をとったことに応じて、報酬付与部212は、その記憶されたユーザIDを取得し、取得されたユーザIDに基づいて、報酬が付与されるユーザを特定してもよい。
【0073】
例えば、ユーザU1のユーザIDは、ユーザ端末4-2から広告サーバ2へ送信されてもよい。例えば広告に含まれるアフィリエイトリンクに従って、ユーザ端末4-2は、広告サーバ2にアクセスする。このとき、報酬付与部212は、ユーザU1のユーザIDを取得してもよい。報酬付与部212は、取得したユーザIDを、アフィリエイターIDとして広告選択履歴DB24cに記憶してもよい。或いは、報酬付与部212は、取得したユーザIDを、広告サーバ2のクッキーとしてユーザ端末4-2へ送信してもよい。これにより、ユーザU1のユーザIDがユーザ端末4-2に記憶されてもよい。報酬付与部212は、新しいトラッキングIDを生成し、そのトラッキングIDを、ユーザU1のユーザIDに関連付けて広告選択履歴DB24cに記憶させてもよい。そして、報酬付与部212は、トラッキングID含む応答をユーザ端末4-2へ送信してもよい。これにより、報酬付与部212は、リダイレクトにより、トラッキングIDを含む要求を、ユーザ端末4-2から取引サービスサーバ3へ送信させてもよい。そして、トラッキングIDは、取引サービスサーバ3により記憶されてもよい。或いは、トラッキングIDは、取引サービスサーバ3のクッキーとしてユーザ端末4-2へ送信されて、ユーザ端末4-2に記憶されてもよい。取引サービスにおいて、ユーザが広告の成果に対応する行動を完了させると、サンクスページが表示される。サンクスページは、コンテンツの一つである。サンクスページには、コンバージョンが成立したことを広告サーバ2へ通知するための情報が埋め込まれている。埋め込まれる情報は、例えば所謂コンバージョンタグであってもよいし、プログラムであってもよい。ユーザU2が広告の成果に対応する行動をとったとき、取引サービスサーバ3は、サンクスページをユーザ端末4-2へ送信する。ユーザ端末4-2は、サンクスページに含まれる情報に従って、取引サービスサーバ3又はユーザ端末4-2に記憶されていたトラッキングIDを広告サーバ2へ送信する。報酬付与部212は、ユーザ端末4-2から受信したトラッキングIDに関連付けられた広告選択ログを取得する。これにより、報酬付与部212は、広告の成果に対応する行動がとられたことを特定してもよい。報酬付与部212は、取得された広告選択ログからアフィリエイターIDを取得する。報酬付与部212は、このアフィリエイターIDに基づいて、報酬が付与されるユーザを特定してもよい。或いは、広告に含まれるユーザU1のユーザIDは、ユーザ端末4-2から取引サービスサーバ3へ送信されてもよい。そして、ユーザIDは、取引サービスサーバ3に記憶されてもよいし、ユーザ端末4-2にクッキーとして記憶されてもよい。そして、ユーザ端末4-2がサンクスページを表示するとき、ユーザ端末4-2が、記憶されていたユーザIDを広告サーバ2へ送信してもよい。また、ユーザU2が広告の成果に対応する行動をとった場合、ユーザ端末4-2がトラッキングIDを広告サーバ2へ送信するのではなく、取引サービスサーバ3がトラッキングIDを広告サーバ2へ送信してもよい。
【0074】
報酬付与部212は、報酬が付与されるユーザU1を特定すると、そのユーザU1に対して報酬を付与する処理を実行する。例えば、報酬付与部212は、対応する広告の広告単価の所定割合を、報酬額に決定してもよい。報酬がポイントである場合、報酬付与部212は、報酬額に相当するポイント数を、ユーザU1の保有ポイント数に加算してもよい。報酬が法定通貨である場合、会員DB14aには、各ユーザの預金口座の情報が記憶されてもよい。報酬付与部212は、例えば銀行のオンラインシステムにアクセスし、ユーザU1の預金口座の情報に基づいて、コンバージョンが成立した取引サービスの預金口座、広告主の預金口座又は広告サーバ2を運用する広告配信事業者の預金口座から、ユーザU1の預金口座へ、報酬額分の預金通貨の送金を実行してもよい。報酬の付与は、リアルタイムで行われてもよいし、定期的に(例えば一ヶ月ごとに)行われてもよい。
【0075】
報酬付与部212は、ユーザU1へ報酬を付与する処理を実行するとともに、メッセージをユーザ端末4-1からユーザ端末4-2へ送信したRCSのシステムの運営者へ報酬を付与する処理を実行してもよい。RCS用のアプリケーション又はチャット画面は、広告媒体としての側面を有する。広告媒体の提供者に報酬を付与することは妥当であると考えられる。この場合、報酬は、ユーザU1と運営者とに分配される。メッセージ管理サーバ1から送信される広告は、RCSの運営者を示す情報が含まれてもよい。この情報は、RCS-ID又はチャットIDの少なくとも何れか一方であってもよい。RCSの運営者を示す情報は、ユーザU1のユーザIDを用いた方法と同じ方法で、広告サーバ2、取引サービスサーバ3又はユーザ端末4-2に記憶されてもよい。そして、報酬付与部212は、ユーザU1のユーザIDを用いた方法と同じ方法で、報酬が付与される運営者を特定してもよい。チャットIDの場合、報酬付与部212は、例えば各メッセージ管理サーバ1へ、チャットIDを含む問い合わせを送信してもよい。各メッセージ管理サーバ1は、問い合わせに含まれるチャットIDをチャットDB14cで検索して、チャットIDの有無を示す応答を広告サーバ2へ送信してもよい。報酬付与部212は、各メッセージ管理サーバ1からの応答に基づいて、報酬が付与されるRCSの運営者を特定してもよい。
【0076】
なお、ユーザ端末4-1に表示された広告をユーザU1が選択した後で、ユーザU1がその広告の成果に対応する行動をとったとしても、ユーザU1には報酬は付与されない。この場合、報酬付与部212は、RCSの提供者に対しては報酬を付与してもよい。
【0077】
[4.広告システムの動作]
次に、広告システムSの動作について、図10及び図13を用いて説明する。図10乃至図13は、本実施形態に係る広告システムSの動作の一例を示すシーケンス図である。
【0078】
ユーザU1は、チャット画面100-1の入力欄120にメッセージを入力して、送信を選択する。これに応じて、ユーザ端末4-1は、図10に示すように、入力されたメッセージ、及びチャット画面100-1に対応するチャットルームのチャットIDを、メッセージ管理サーバ1へ送信する(ステップS101)。また、ユーザ端末4-1は、送信されたメッセージを、メッセージ表示領域110に表示する(ステップS102)。メッセージ管理サーバ1は、ユーザ端末4-1から受信したチャットIDに関連付けてチャットDB14cに記憶されたユーザIDを取得する。メッセージ管理サーバ1は、取得されたユーザIDに基づいて、メッセージの転送先であるユーザU2を特定する。メッセージ管理サーバ1は、ユーザ端末4-1から受信したメッセージ及びチャットIDを、ユーザU2が利用するユーザ端末4-2へ転送する(ステップS103)。メッセージ及びチャットIDを受信したユーザ端末4-2は、そのメッセージを、そのチャットIDに対応するチャット画面100-2のメッセージ表示領域に表示する(ステップS104)。
【0079】
その後、ユーザU1は、チャット画面100-1に表示されたメッセージを選択する(ステップS105)。これに応じて、ユーザ端末4-1は、選択されたメッセージを含む取引サービスメニュー要求を、メッセージ管理サーバ1へ送信する(ステップS106)。取引サービスメニュー要求を受信したメッセージ管理サーバ1の第1送信部111は、ユーザU1のユーザIDを含む取引サービス要求を、広告サーバ2へ送信する(ステップS107)。広告サーバ2の広告提供部211は、メッセージ管理サーバ1から受信された取引サービス要求からユーザIDを取得する。そして、広告提供部211は、ユーザIDにより示されるユーザの属性に応じた取引サービスを決定する(ステップS108)。例えば、広告提供部211は、ユーザIDに関連付けて広告許可情報DB14bに記憶された広告許可情報を参照して、ユーザU1が広告を受け入れる取引サービスを抽出する。また、広告提供部211は、ユーザIDに関連付けてユーザ属性DB24aに記憶されたユーザ属性情報を取得する。広告提供部211は、ユーザ属性情報から、抽出された各取引サービスにおけるコンバージョンレートを互いに比較する。広告提供部211は、例えばコンバージョンレートが最も高い取引サービスを決定してもよい。或いは、広告提供部211は、コンバージョンレートが所定値以上である1又は複数の取引サービスを決定してもよい。広告提供部211は、決定された取引サービスのサービスIDを含む取引サービス応答を、メッセージ管理サーバ1へ送信する(ステップS109)。取引サービス応答を受信したメッセージ管理サーバ1の第1送信部111は、取引サービス応答に含まれるサービスIDにより示される取引サービスのボタン410を含む取引サービスメニュー400を表示させるデータを生成する。第1送信部111は、生成されたデータを含む取引サービスメニュー応答を、ユーザ端末4-1へ送信する(ステップS110)。ユーザ端末4-1は、メッセージ管理サーバ1から受信した取引サービスメニュー応答に従って、取引サービスメニュー400を画面に表示する(ステップS111)。
【0080】
その後、図11に示すように、ユーザU1は、メニュー400から何れかの取引サービスボタン410を選択する(ステップS201)。これに応じて、ユーザ端末4-1は、選択された取引サービスボタン410に対応する取引サービスのサービスIDを含む広告要求を、メッセージ管理サーバ1へ送信する(ステップS202)。メッセージ管理サーバ1の第1送信部111は、ユーザ端末4-1から受信した広告要求からサービスIDを取得する。そして、第1送信部111は、サービスID、ステップS106でユーザ端末4-1にから受信したメッセージ、ユーザU1のユーザID、ユーザ端末4-1のチャット画面100-1に対応するチャットルームのチャットIDを含む広告要求を、広告サーバ2へ送信する(ステップS203)。広告サーバ2の広告提供部211は、メッセージ管理サーバ1から受信した広告要求からサービスID、メッセージ及びユーザIDを取得する。広告提供部211は、メッセージからキーワードを抽出する。そして、広告提供部211は、キーワード及びユーザIDを含む検索要求を、広告要求から取得されたサービスIDに対応する取引サービスサーバ3へ送信する(ステップS204)。取引サービスサーバ3は、メッセージ管理サーバから受信した検索要求からキーワードを取得する。取引サービスサーバ3は、例えばその取引サービスサーバ3が対応する取引サービスにおいて、広告システムSに広告が出稿された取引対象のうち、そのキーワードを含むコンテンツ情報に関連付けられた取引対象を検索する。取引サービスサーバ3は、検索された各取引対象について、検索要求に含まれるユーザIDにより示されるユーザのコンバージョンレートを取得する。そして、取引サービスサーバ3は、検索された取引対象のうち、コンバージョンレートが相対的に高い1又は複数の取引対象を抽出する。取引サービスサーバ3は、抽出された取引対象の取引対象ID及びコンバージョンレートを含む検索結果を、広告サーバ2へ送信する(ステップS205)。
【0081】
検索結果を受信した広告サーバ2の広告提供部211は、メッセージ管理サーバ1に提供する広告を決定する(ステップS206)。例えば、広告提供部211は、検索結果に含まれる取引対象IDに関連付けられた広告単価を、広告DB24bから取得する。そして、広告提供部211は、広告単価及び検索結果に含まれるコンバージョンレートに基づいて、広告を決定する。次いで、広告提供部211は、決定された広告のコンテンツを生成する。例えば、広告提供部211は、広告DB24bから、決定された広告の広告ID、サービスID、及び広告画像を取得する。広告提供部211は、広告ID、サービスID、リンク先URL、ユーザU1のユーザID、広告要求を送信してきたメッセージ管理サーバ1のRCS-ID、ユーザ端末4-1のチャット画面100-1に対応するチャットルームのチャットID等を含むアフィリエイトリンクを生成する。また、広告提供部211は、広告画像を表示させるタグ又は命令を含む制御データを生成する。広告提供部211は、制御データ及び広告画像を含む広告コンテンツを、メッセージ管理サーバ1へ送信する(ステップS207)。広告コンテンツを受信したメッセージ管理サーバ1の第1送信部111は、その広告コンテンツを、共有ボタンを表示するためのデータとともに、ユーザ端末4-1へ送信する(ステップS208)。広告コンテンツを受信したユーザ端末4-1は、広告コンテンツに従って広告画像を画面に表示するとともに、広告コンテンツとともに受信したデータに従って、共有ボタンを表示する(ステップS209)。
【0082】
その後、ユーザU1が共有ボタンを選択すると(ステップS210)。ユーザ端末4-1は、広告コンテンツ、及びチャット画面100-1に対応するチャットルームのチャットIDを、をメッセージ管理サーバ1へ送信する(ステップS211)。メッセージ管理サーバ1の第2送信部113は、ユーザ端末4-1から受信したチャットIDに関連付けてチャットDB14cに記憶されたユーザIDを取得する。メッセージ管理サーバ1は、取得されたユーザIDに基づいて、広告コンテンツの転送先であるユーザU2を特定する。メッセージ管理サーバ1は、ユーザ端末4-1から受信した広告コンテンツ及びチャットIDを、ユーザU2が利用するユーザ端末4-2へ転送する(ステップS212)。広告コンテンツ及びチャットIDを受信したユーザ端末4-2は、その広告コンテンツに従って、広告画像を、そのチャットIDに対応するチャット画面100-2のメッセージ表示領域に表示する(ステップS213)。なお、第2送信部113は、ユーザU2のユーザIDに関連付けられた広告許可情報を、広告許可情報DB14bから取得してもよい。第2送信部113は、広告許可情報を参照して、広告コンテンツに含まれるサービスIDにより示される取引サービスからの広告を、ユーザU2が受け入れない場合、広告コンテンツを転送しなくてもよい。
【0083】
その後、図12に示すように、ユーザU2は、チャット画面100-2に表示された広告を選択する(ステップS301)。これに応じて、ユーザ端末4-2は、広告コンテンツに含まれるアフィリエイトリンクに設定されたURLを含むコンテンツ要求を、広告サーバ2へ送信する(ステップS302)。コンテンツ要求を受信した広告サーバ2の報酬付与部212は、コンテンツ要求に含まれるURLから、ユーザU1のユーザID、広告ID、サービスID、RCS-ID、チャットID、リンク先URLを取得する。報酬付与部212は、新たなトラッキングIDを生成し、コンテンツ要求から取得された情報、及びユーザU2のユーザIDを含む広告選択ログを生成する。ユーザU1のユーザIDは、アフィリエイターIDとして広告選択ログに含まれる。ユーザU2のユーザIDは、選択ユーザIDとして広告選択ログに含まれる。報酬付与部212は、生成された広告選択ログを、広告選択履歴DB24cに記憶させる(ステップS303)。次いで、報酬付与部212は、トラッキングID及びリンク先URLを含むリダイレクト応答を、ユーザ端末4-2へ送信する(ステップS304)。
【0084】
ユーザ端末4-2は、広告サーバ2から受信されたリダイレクト応答に従って、リンク先URLに対応する取引サービスサーバ3へ、トラッキングID及びリンク先URLを含むコンテンツ要求を送信する(ステップS305)。コンテンツ要求を受信した取引サービスサーバ3は、例えばコンテンツ要求に含まれるトラッキングIDを、ユーザU2のユーザIDに関連付けて記憶する。また、取引サービスサーバ3は、リンク先URLにより識別されるコンテンツをユーザ端末4-2へ送信する(ステップS306)。ユーザ端末4-2は、取引サービスサーバ3から受信されたコンテンツを表示する(ステップS307)。
【0085】
その後、図13に示すように、ユーザU2は、コンテンツを送信してきた取引サービスサーバ3により提供される取引サービスを利用して、ユーザ端末4-2に表示された広告の成果に対応する行動、例えばその広告により宣伝される商品の購入等に相当する操作を行う(ステップS401)。これに応じて、ユーザ端末4-2は、取引成立要求を取引サービスサーバ3へ送信する(ステップS402)。取引成立要求を受信した取引サービスサーバ3は、例えば広告の成果に対応する行動に応じた取引を成立させるための処理を行う。そして、取引サービスサーバ3は、ユーザU2のユーザIDに関連付けて記憶しておいたトラッキングIDを含むサンクスページを、ユーザ端末4-2へ送信する(ステップS403)。ユーザ端末4-2は、取引サービスサーバ3から受信したサンクスページに含まれるコンバージョンタグ等に従って、トラッキングIDを広告サーバ2へ送信する(ステップS404)。トラッキングIDを受信した広告サーバ2の報酬付与部212は、広告の成果に対応する報酬を決定する(ステップS405)。例えば、報酬付与部212は、広告選択履歴DB24cから、トラッキングIDに関連付けられた広告選択ログを取得する。報酬付与部212は、広告選択ログから広告IDを取得する。報酬付与部212は、広告選択部24bから、広告IDに関連付けられた広告単価を取得する。報酬付与部212は、広告単価に所定の第1割合を乗算することにより、アフィリエイター報酬額を計算する。また、報酬付与部212は、広告単価に所定の第2割合を乗算することにより、RCS報酬額を計算する。また、報酬付与部212は、広告選択ログから、RCS-ID、チャットID、アフィリエイターIDを取得する。報酬付与部212は、取得された情報、及び決定された報酬額を含む報酬情報を生成する。報酬付与部212は、生成された報酬情報を、報酬DB24dに記憶させる。
【0086】
その後、報酬付与部212は、例えば月の変わり目等に、ユーザへ報酬を付与する(ステップS406)。例えば、報酬付与部212は、過去一ヶ月間の間に報酬DB24dに記憶された報酬情報の中から、ユーザごとに、そのユーザのユーザIDをアフィリエイターIDとして含む報酬情報を検索する。報酬付与部212は、検索された報酬情報に含まれるアフィリエイター報酬額を合計する。そして、報酬付与部212は、合計額に相当するポイント数を、対象のユーザの保有ポイント数に加算することにより、会員DB14aに記憶された保有ポイント数を更新する。また、報酬付与部212は、RCSの提供者へ報酬を付与する(ステップS407)。例えば、報酬付与部212は、過去一ヶ月間の間に報酬DB24dに記憶された報酬情報の中から、提供者ごとに、その提供者のRCS-IDを含む報酬情報を検索する。報酬付与部212は、検索された報酬情報に含まれるRCS報酬額を合計する。そして、報酬付与部212は、銀行のオンラインシステムにアクセスして、合計額に相当する預金通貨を、RCSの提供者の預金口座へ送金する。
【0087】
なお、図11に示すステップS210において、ユーザU1が、共有ボタンではなく広告を選択した場合、ユーザ及びユーザ端末4が異なる点を除き、基本的に図12及び図14と同様の処理が実行される。但し、ステップS303で記憶される広告選択ログに含まれるアフィリエイターIDと選択ユーザIDとが同一であるので、ステップS405において、報酬付与部212は、アフィリエイター報酬額をゼロに決定してもよい。
【0088】
以上説明したように、本実施形態によれば、メッセージ管理サーバ1が、ユーザ端末4-1からユーザ端末4-2へメッセージが送信されたことに基づいて、ユーザ端末4-1へ広告を送信する。また、メッセージ管理サーバ1が、ユーザ端末4-1へ送信された広告をユーザ端末4-2へ送信するために操作可能な操作要素を、ユーザ端末4-1に表示させる。また、メッセージ管理サーバ1が、ユーザ端末4-1に表示された操作要素がユーザU1により操作されることに応じて、ユーザ端末4-1へ送信された送信された広告をユーザ端末4-2へ送信する。また、広告サーバ2が、ユーザU2が、ユーザ端末4-2へ送信された広告を選択した後でその広告の成果に対応する行動をとったことが特定されることに基づいて、ユーザU1へ報酬を付与する処理を実行する。従って、広告の成果に対する報酬を獲得可能な広告を、メッセージを送信することで送信者が取得することができる。
【0089】
ここで、メッセージ管理サーバ1によりユーザ端末4-1へ送信される広告は、ユーザU1の属性に応じた広告であってもよい。ユーザU1はユーザU2にメッセージを送信したので、ユーザU1とユーザU2とはメッセージをやりとりする間柄であると推測される。そのため、ユーザU1とユーザU2との間に何らかの共通する属性が存在する可能性がある。その共通する属性は、ユーザU2自身の行動や発信者が置かれた状況からは特定することができなかった潜在的な属性である可能性がある。そのため、ユーザU1の属性に応じた広告がユーザU2に提示されることで、広告の効果を高めることがきる。
【0090】
また、メッセージ管理サーバ1によりユーザ端末4-1へ送信される広告は、ユーザ端末4-1からユーザ端末4-2へ送信されたメッセージに関連する広告であってもよい。前述したように、ユーザU1とユーザU2とはメッセージをやりとりする間柄であると推測される。そのため、ユーザU1が送信したメッセージに関連する事項は、ユーザU2が興味を有する事項である可能性がある。ユーザU2が興味を有する可能性がある広告がユーザU2に提示されることで、広告の効果を高めることがきる。
【0091】
また、メッセージ管理サーバ1が、ユーザ端末4-1のチャット画面100-1に表示されたメッセージがその画面からユーザU1により選択されることに基づいて、広告をユーザ端末4-1へ送信してもよい。この場合、ユーザU1が送信したメッセージをユーザU1が画面上で選択することに基づいて、広告がユーザ端末4-1へ送信される。ここで、メッセージ管理サーバ1が、ユーザ端末4-1からユーザ端末4-2へ送信されたメッセージに関連する広告である場合、何れのメッセージに関連する広告を受け取るかを、ユーザU1が選択することができる。
【0092】
また、メッセージ管理サーバ1が、報酬が付与されるユーザとしてユーザU1を識別するユーザIDが付された広告を送信してもよい。また、メッセージ管理サーバ1によりユーザ端末4-2へ送信された広告がユーザU2により選択されることに応じて、広告に付されたユーザIDが、ユーザ端末4-2から送信されて記憶されてもよい。また、広告サーバ2が、ユーザU2が広告の成果に対応する行動をとったことに応じて、記憶されたユーザIDを取得し、そのユーザIDに基づいて、報酬が付与されるユーザを特定してもよい。この場合、報酬が付与されるユーザを適切に特定することができる。
【0093】
また、広告サーバ2が、ユーザU2が、ユーザ端末4-2へ送信された広告を選択した後でその広告の成果に対応する行動をとったことが特定されることに基づいて、ユーザU1へ報酬を付与する処理と、メッセージシステムの運営者へ報酬を付与する処理と、を実行してもよい。この場合、広告媒体の提供者に、広告の成果に対する報酬を付与することができる。
【0094】
また、メッセージ管理サーバ1が、ユーザ端末4-2のチャット画面100-2に広告を表示させてもよい。この場合、ユーザ端末4-1から送信されたメッセージとともに、広告をユーザ端末4-2により表示させることができる。
【符号の説明】
【0095】
1 メッセージ管理サーバ
2 広告サーバ
3 取引サービスサーバ
4 ユーザ端末
11 システム制御部
12 システムバス
13 入出力インタフェース
14 記憶部
14a 会員DB
14b 広告許可情報DB
14c チャットDB
15 通信部
111 第1送信部
112 操作要素表示制御部
113 第2送信部
21 システム制御部
22 システムバス
23 入出力インタフェース
24 記憶部
24a ユーザ属性DB
24b 広告DB
24c 広告選択履歴DB
24d 報酬DB
25 通信部
211 広告提供部
212 報酬付与部
NW ネットワーク
S 広告システム
図1
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図3
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図5
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