(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】表面上の物体の移送のための移送装置
(51)【国際特許分類】
B60S 13/00 20060101AFI20240827BHJP
B62D 65/18 20060101ALI20240827BHJP
B62D 37/06 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
B60S13/00
B62D65/18 B
B62D37/06
(21)【出願番号】P 2022502412
(86)(22)【出願日】2020-07-03
(86)【国際出願番号】 EP2020068851
(87)【国際公開番号】W WO2021008905
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2023-06-16
(32)【優先日】2019-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516231257
【氏名又は名称】ウィール.ミー アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100129023
【氏名又は名称】佐々木 敬
(72)【発明者】
【氏名】リーバッケン,ロルフ
【審査官】田邉 学
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107444362(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0048118(US,A1)
【文献】米国特許第09376132(US,B1)
【文献】独国実用新案第202014000755(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 13/00
B62D 65/18
B62D 37/06
B62K 17/00
E04H 6/24
E04H 6/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面上の物体を移送するための移送装置であって、前記移送装置は少なくとも1つの移送ユニット(10)を備え、
前記移送ユニット(10)は、
垂直前面を有するハウジング(11)と、
前記垂直前面の各側部で前記ハウジングに動作可能に連結された2つのアームと、
前記ハウジングの下部に配置された少なくとも1つの転動体(15)と、
前記転動体および前記可動アームに接続された電源とを備え、
前記転動体は、前記表面上の任意の水平方向に転動するように構成されている、移送装置。
【請求項2】
前記アームを所定の位置に係止するように構成された少なくとも1つの係止装置を備える、請求項1に記載の移送装置。
【請求項3】
前記移送ユニットは、前記移送ユニットと周囲の物体との間の距離を測定するように構成された少なくとも1つのセンサ装置を含む、請求項1または2に記載の移送装置。
【請求項4】
前記電源が取り外し可能なバッテリであることを特徴とする、請求項1~
3のいずれかに記載の移送装置。
【請求項5】
4つの移送ユニットを含み、前記移送ユニットは、車両の各車輪を昇降し移動させるように構成されている、請求項1~
4のいずれかに記載の移送装置。
【請求項6】
前記4つの移送ユニットは、それぞれ、通信手段を備え、他の移送ユニットとの間で信号を送受信するように構成されている、請求項
5に記載の移送装置。
【請求項7】
前記移送ユニットは、別の移送ユニットの前記垂直前面に接触するように構成された垂直背面を含む、請求項
5または6に記載の移送装置。
【請求項8】
前記移送ユニットは、前記移送ユニットを別の移送ユニットに係止する係止機構を備える、請求項
5~7のいずれか一項に記載の移送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面上の物体を移送するための遠隔制御された移送装置に関する。本発明は、さらに、車両を表面に沿って移動させるために車両に取り付けることができる方法およびシステムに関する。本発明はまた、移送装置を構成する移送ユニット群を自動的に移動させることに関する。
【背景技術】
【0002】
乗り物の推進エンジンを稼働させることなく、車両/自動車などの乗り物を移動させる必要がある場合が幾つかある。このような状況の例は、車両の製造中、小売業者や顧客に移送するために乗り物を並べる際、駐車ガレージにおいて等である。
【0003】
昨今、車両の製造中に、車両は、ステーション間で、さらに、車両の完成からトレーラ-、列車、船などの道路/線路輸送手段まで、コンベアベルトを使用して移送されるか、または、オペレータによって人為的に運転される。コンベアベルトは、一つの移動方向のみを有し、直線経路に沿った移送に適し、製造ステーション間で一般的に使用される。車両が組立の最終段階に近付いたときに、その重量と大きさは、容易な移動を阻害する。車両自体のエンジンを使用する必要性は、流体燃料の乗り物の場合には、燃料の存在に起因する火災の危険性に繋がる。
【0004】
移送のための同様のニーズが他の物体にも存在し、本発明は、多数の物体の移送に使用することができ、乗り物または乗り物の車輪は一例に過ぎないことに留意すべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、表面上の物体の汎用性の高い移送のための移送装置を提供することである。以下の説明では、物体として乗り物を説明することが多いが、上述したように、本移送装置は、多数の異なる物体に適用することができる。汎用性の高い移送は、コンベアベルトの方向や乗り物自体の操作能力に制限されるなどの制約なしに、乗り物をあらゆる方向に移送する能力、および、車両を正確に位置決めする能力を含んでいる。
【0006】
また、本発明の目的は、乗り物の内部推進エンジンを稼働させることなく乗り物の移送を可能とする乗り物移送装置を提供することである。
【0007】
本発明の目的は、特許請求の範囲の特徴によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
表面上の物体の移送のための移送装置は、少なくとも1つの移送ユニットを備えている。移送ユニットは、垂直な前面を有するハウジングと、垂直な前面の各側部(side)でハウジングに動作可能に連結された2つのアームと、ハウジングの下部に配置された少なくとも1つの転動体と、転動体および可動アームに接続された電源とを備え、転動体は、表面上で任意の水平方向に転動するように構成されている。
【0009】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】乗り物移送装置に用いられる移送ユニットの一実施形態の正面図である。
【
図2】乗り物移送装置に用いられる移送ユニットの一実施形態の背面図である。
【
図3】4つの移送ユニットを備えた移送装置の一実施形態を示す図である
【
図4】無線充電を備えた移送ユニットを示す図である。
【
図5】着脱可能な電源を備えた移送ユニットを示す図である。
【
図6】着脱可能な電源を備えた移送ユニットを示す図である。
【
図7】移送ユニットに使用されるアームの一実施形態を示す図である
【
図8】移送ユニットのアームの移動中のステップを示す図である。
【
図9】移送ユニットのアームの移動中のステップを示す図である。
【
図10】移送ユニットのアームの移動中のステップを示す図である。
【
図11】移送ユニットのアームの移動中のステップを示す図である。
【
図12】移送ユニットのアームの移動中のステップを示す図である。
【
図13】移送ユニットのアームの移動中のステップを示す図である。
【
図14】移送ユニットのアームの移動中のステップを示す図である。
【
図15】移送ユニットのアームの移動中のステップを示す図である。
【
図16】移送ユニットのアームの移動中のステップを示す図である。
【
図17】移送ユニットのアームの移動中のステップを示す図である。
【
図18】移送ユニットのアームの移動中のステップを示す図である。
【
図19】移送ユニットのアームの移動中のステップを示す図である。
【
図20】2つ以上の移送ユニットを連結するための係止機構を示す図である。
【
図21】2つ以上の移送ユニットを連結するための係止機構を示す図である。
【
図22】2つ以上の移送ユニットを連結するための係止機構を示す図である。
【
図23】2つ以上の移送ユニットを連結するための係止機構を示す図である。
【
図24】2つ以上の移送ユニットを連結するための係止機構を示す図である。
【
図25】移送ユニットのアームの移動のための機構の別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、移送ユニット10の一実施形態を示す図である。移送ユニット10は、表面上の乗り物などの物体を単独で移送するための乗り物移送装置の一部であってもよいし、他の移送ユニットと組み合わされてもよい。移送ユニットは、単独で使用してもよいし、他の移送ユニットと組み合わせて他の物体を移送してもよい。移送ユニット10は、垂直な前面12を有するハウジング11と、垂直な前面の各側部でハウジング
11に動作可能に連結された2つのアーム14と、ハウジングの下部に配置された少なくとも1つの転動体15と、転動体および可動アームに接続された電源とを備えている。
【0012】
図2は、ハウジングの背面13を示す背面図であり、
図1と同じ実施形態を示す図である。
【0013】
ハウジング11には、多数のセンサ16、17、18が組み込まれている。これらセンサは、例えば、超音波センサまたは他の距離センサ、カメラ等であってもよい。例えば、前方センサ17および後方センサ18がカメラであり、側方センサ16が超音波センサであってもよい。これらセンサは、近くの物体および障害物までの距離を測定し監視することができ、所望の位置までナビゲートし、他の移送ユニットと結合するために使用される。
【0014】
係止機構19、20は、孔19内に挿入係止される係止ピン20の形態で、移送ユニットの前後に配置されている。
【0015】
転動体15は、本実施形態では車輪であって、表面上で任意の水平方向における転動を可能とするように回転することができる。これにより、移送ユニット10は非常に汎用性があり、1つの位置から別の位置に正確にナビゲートすることができ、他の物体、壁またはその他の障害物に対して正確に移送ユニット自体を位置決めすることができる。転動体は、モータ等の駆動部に接続されており、駆動部は、駆動部を制御しそれにより転動体を制御する制御部に接続されている。
【0016】
アーム14は、移送すべき物体を持ち上げて保持するように設計されている。
図1および
図2の実施形態では、アームは、車両用の車輪を持ち上げるように設計されている。そこでアーム14は、三角形断面を有する縦長部材として形成されている。その休止位置において、アーム14は、ハウジング11の各側部に沿って配置され、側部に平行に、即ち、垂直に配置されている。移送すべき物体を持ち上げる準備をする際には、可動連結部
29における回転によりアームが表面に平行になるまで下降させる。アームは、一実施形態では、前面と平行な方向に回転するが、いくつかの実施形態では、前面に対して垂直に回転させてもよい。アームを前面に平行に回転させる場合には、次に、アームを内側に、即ち、互いに向けて、規定された移送位置まで回転させることができる。車輪を上昇させる例では、アームは、それらが互いに平行でかつ前面に垂直になるまで回転される。一実施形態では、アームは、接触時に移動を停止するためにアームが抵抗を受けたときを検出することができるセンサを含む。このようにして、アームは、車輪のための支持体を提供する。その後、アームは上方への移動を続け、車輪またはその他の移送すべき物体を持ち上げる。
【0017】
移送装置は、アームを所定の位置に係止するように構成された少なくとも1つの係止装置を有することができる。
【0018】
アーム14の可動連結部
29と、係止装置とは、
図8~
図19に詳細に説明されている。
【0019】
図7は、アーム14の一実施形態の断面図である。断面は、端面74と同じ三角形の形状を有し、一方の側面は、摩擦を提供するための溝71を有し、これにより、移送すべき物体へのアームの保持を確保する。また、アームの面は、摩擦材料で形成されてもよいし、摩擦材料で被覆されてもよい。端面74には、センサ装置またはセンサ装置72の一部が配置されている。一実施形態では、例えば、アームがハウジングの側部の特定の位置に移動したときを検出するためにハウジングに配置された磁石センサにより検出できる磁石が72内に設けられている。
【0020】
図10は、休止位置にある、即ち、ハウジング11に沿って配置されたアーム14の断面図を示している。一実施形態では、アーム14は、
図11に示すように、まず、前面に平行な外側方向に下降させることにより、休止位置から移動される。休止位置にあるときに、磁石センサは、
図7に示すように、アーム上の磁石を登録する(registers)。
【0021】
アーム14を昇降させ、回転させ、下降させる機構の例を
図16~
図19に示している。これらの図において、アームは、概ね移送面に平行な位置まで下降している。
図19において、アーム14は、前面に平行な状態から前面に垂直な状態への回転中である。係止機構22、23は、アーム14がその移送位置に回転したときに係合し、アームに重量が印加されたときにアームが外側に移動するのを防止する。これにより、アームがその移送位置に留まり、移送すべき物体を失わないことが保証される。アームが適切な位置にある場合には、ネジ25をさらに回転させることにより、アームを上昇させる。摩擦リング24は、アームを上昇させる前にアームをまず移送位置まで回転させる。アーム14を再びその休止位置へと折り畳む際には、まず、アームの長さが前面および地面(移送すべき物体が載っている面)と平行となるようにアームを外側へ回転させる。この位置において、ペグ26は孔27に係合する。アームを上方に折り畳む上方への回転は、孔27におけるペグの移動に起因して生じ、ここでペグはバネと係合する。次いで、アームは、上方にさらに折り畳まれ、垂直位置、即ち、休止位置における、ハウジングの前面に平行な位置に移動する。このプロセスの異なる段階の例が、
図8~
図13にさらに詳細に示されている。
【0022】
図14および
図15は、ペグ26を係合するために孔27内に配置され得るバネ28の例を示している。
【0023】
回転して2つのアームをそれぞれ昇降させるための2つのネジは、反対のネジ方向にネジ山が切られている。
図17は、移送位置にあり、回転ネジ25により持ち上げられたアーム14を示している。
【0024】
図25は、移送ユニットのアーム14の移動のための機構の別の実施形態を示している。この実施形態は、アーム14の横方向の回転に使用される歯車(cogwheel)36を備えている。歯車36を使用することにより、
図16~
図19の摩擦リング24の使用は省略される。
【0025】
図3は、4つの移送ユニット10を備えた移送装置30を示している。移送ユニットは、この例では、車両の各車輪を昇降させ移動させるように構成されている。
【0026】
移送ユニット10は、各々、別の移送ユニットの垂直前面に接触するように構成された垂直背面を備えている。このようにして、移送ユニットを密に重ねて一体として移動させることができる。
【0027】
図3において、移送ユニットは、各移送ユニットに設けられた係止機構によって互いに連結されている。係止機構は、移送ユニットを別の移送ユニットに係止するように構成され、
図20~
図24にさらに詳細に例示され、図示されている。
【0028】
移送ユニットの背面に配置される係止機構19の一部は、不使用時に孔22内に退避可能であり、係止が必要なときに孔から延出可能な係止ピン21を備えている。
図20は、退避位置における係止ピンを示す図である。
【0029】
図21において、移送ユニットAの係止ピン21は、その延出位置が示され、移送ユニットBの係止孔19に挿入および係止される準備ができている。
図22は、係止孔19に挿入された係止ピンを示している。係止孔19は、係止機構の係止機能を実行する係止バネ23を備えている。係止ピンを挿入した後、係止を行うために係止ピンを回転させることができる。この例では、係止ピンは、係止位置と係止解除位置との間で90°回転される。係止ピン21は、2つの移送ユニットが互いに係止されたときにその係止位置にあり、移送ユニットを互いから解放するために90°回転される。
【0030】
図23には、回転され係止された状況が示されている。
図24は、係止孔に挿入されずに、そのロック方向にある係止ピン21を示している。
【0031】
一実施形態では、4つの移送ユニットは、通信手段をそれぞれ備え、他の移送ユニットとの間で信号を送受信するように構成されている。通信手段は、遠隔制御システム、スマートフォンまたはタブレットなどの遠隔ユニットと通信することもできる。通信手段は、例えば、無線送信機や受信機である。信号は、移送ユニット上のセンサからの情報、方向や瞬間回転速度などの転動体に関する情報、電源の状態などを含んでもよい。移送ユニットの少なくとも1つは、センサからの信号および移送ユニットからのその他の情報を処理するように構成されたプロセッサ装置を含むことができる。移送ユニットは、制御装置を備えていてもよい。このように、移送ユニットの1つは、他の移送ユニットに制御信号を送ることができる親機であってもよく、その場合、他の移送ユニットは、子機として機能する。移送ユニットが上述したように移送装置内にあるとき、制御信号は、各移送ユニットがそれ専用の移送動作を実行するように指示する。移送装置が車両の各車輪を昇降し移動させるように構成された例において、移送ユニットは車輪を対象として、車輪を、したがって車両を、協調して昇降させるように構成されている。
【0032】
例えば、移動命令は、無線送信機により移送ユニット内の制御装置に送られる。受信機に接続された制御装置は、駆動命令を含む送信シーケンスを解釈して動作するマイクロコントローラを含むことができる。
【0033】
移送ユニットの制御装置が移動命令を受信すると、制御装置は、その周囲に対するその位置を決定する。これは現在位置であり第1の位置である。
【0034】
現在位置が確立されると、制御装置において転動体の移動を制御するための移動命令が実行される。移動は、転動装置の第1の位置と、第2の位置を含む受信された移動命令とに基づいている。
【0035】
これに基づいて、移送ユニットが第1の位置から第2の位置に移動される。
【0036】
一実施形態では、選択された移送ユニットは、他の移送ユニットの移動を制御するための親機として機能するように設定される。この場合、他の移送ユニットは子機として動作し、親機からの命令に応答する。そして、親機は、制御信号を子機に送信し、個々の目標位置に応じた移動に従うように子機に命令する。複数の移送ユニットが移送装置に含まれる場合、即ち、同時に協調制御される場合には、各移送ユニットに固有のIDを付与する。これにより、全ての移送ユニットが個別の移動命令を受けることができる。
【0037】
1つの移送ユニットが他の移送ユニットの親機として動作する場合には、この1つの移送ユニットが同一の装置に接続された他の移送ユニットの各々を制御する。
【0038】
移送ユニットが他の目的のために使用される場合、あるいは、単独で動作する場合、各移送ユニットは、やはり通信手段を備えてもよく、遠隔制御されてもよい。
【0039】
図4は、無線充電の準備ができている移送ユニットを示している。電源は、ハウジングの内部に配置された充電可能なバッテリである。円形充電場41は、バッテリが置かれる領域を示している。充電場に隣接して無線充電器を配置することにより、バッテリを充電することができる。無線充電器は、例えば、壁またはドッキングステーションに一体化することができ、移送ユニット10は、再充電が必要なときに無線充電器まで転動することができる。
【0040】
図5および
図6は、電源が着脱可能なバッテリ51である移送ユニットを示している。バッテリ51は、把持孔52を用いてハウジング11内のバッテリスロット53に挿入することができ、充電または交換が必要なときに取り外すことができる。また、把持孔52内に電気コネクタを配置して、バッテリ
51の直接充電のための電力に接続してもよい。
【0041】
移送ユニットは、いわゆる自己平衡型(self-balancing)であってもよい。これは、任意の物体を移送する面に対する移送ユニットの角度が変化したときに転動体が稼働することを意味する。
【0042】
自己平衡を達成するために、移送ユニットは、垂直前面の位置を実質的に一定に保つように構成された自己平衡制御機構を含む。自己平衡制御機構は、例えば、ジャイロスコープおよびセンサを含む。転動体を駆動するモータは、センサによって検出された移動とは逆方向にジャイロスコープを自動的に係合する。
【0043】
自己平衡制御機構の一例は、ホバーボード(hoverboard)に使用される。ホバーボードの車輪は、電動モータ自体を収容する。これらはまた、傾斜および速度センサを含んでいる。傾斜および速度センサは、個々の車輪の回転数(毎分回転数)を検出し、これを、ジャイロスコープおよび本体の内側、車輪のすぐ隣に位置する速度制御基板に送る。
【0044】
ジャイロスコープおよび速度制御基板は、車輪内部のセンサから回転数および傾斜情報を受信し、それを、主論理ボードに送る。
【0045】
車輪内の傾斜センサは、どの程度前傾しているかをジャイロスコープに知らせる。ジャイロスコープは、この情報を論理ボードに中継する。
【0046】
より多く前傾するにつれ、論理ボードは、重心に「追いつく」ように、より高速で回転するようモータに伝える。