(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】CD73阻害剤
(51)【国際特許分類】
C07H 19/23 20060101AFI20240827BHJP
A61K 31/138 20060101ALI20240827BHJP
A61K 31/337 20060101ALI20240827BHJP
A61K 31/4196 20060101ALI20240827BHJP
A61K 31/454 20060101ALI20240827BHJP
A61K 31/4745 20060101ALI20240827BHJP
A61K 31/475 20060101ALI20240827BHJP
A61K 31/513 20060101ALI20240827BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20240827BHJP
A61K 31/537 20060101ALI20240827BHJP
A61K 31/58 20060101ALI20240827BHJP
A61K 31/7052 20060101ALI20240827BHJP
A61K 35/768 20150101ALI20240827BHJP
A61K 38/14 20060101ALI20240827BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240827BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240827BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20240827BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20240827BHJP
A61P 25/18 20060101ALI20240827BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20240827BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20240827BHJP
A61P 33/00 20060101ALI20240827BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240827BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240827BHJP
C07D 239/553 20060101ALN20240827BHJP
C07D 249/08 20060101ALN20240827BHJP
C07D 305/14 20060101ALN20240827BHJP
C07D 401/04 20060101ALN20240827BHJP
C07D 475/08 20060101ALN20240827BHJP
C07D 491/22 20060101ALN20240827BHJP
C07D 498/18 20060101ALN20240827BHJP
C07D 519/04 20060101ALN20240827BHJP
C07J 43/00 20060101ALN20240827BHJP
【FI】
C07H19/23 CSP
A61K31/138
A61K31/337
A61K31/4196
A61K31/454
A61K31/4745
A61K31/475
A61K31/513
A61K31/519
A61K31/537
A61K31/58
A61K31/7052
A61K35/768
A61K38/14
A61K39/395 N
A61P25/00
A61P25/14
A61P25/16
A61P25/18
A61P25/28
A61P31/12
A61P33/00
A61P35/00
A61P43/00 111
A61P43/00 121
C07D239/553 A
C07D249/08
C07D305/14
C07D401/04
C07D475/08
C07D491/22
C07D498/18
C07D519/04
C07J43/00
(21)【出願番号】P 2022525101
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(86)【国際出願番号】 US2020057996
(87)【国際公開番号】W WO2021087136
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-10-04
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518220084
【氏名又は名称】オリック ファーマシューティカルズ,インク.
(74)【復代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ドュ,シャオフイ
(72)【発明者】
【氏名】エクステロウィッツ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ファンティン,ヴァレリア アール.
(72)【発明者】
【氏名】サン,ダチン
(72)【発明者】
【氏名】イェ,チョウピン
(72)【発明者】
【氏名】ムーア,ジャレド
(72)【発明者】
【氏名】ザヴォロティンスカヤ,タチアナ
(72)【発明者】
【氏名】ブランク,ブライアン アール.
(72)【発明者】
【氏名】リュウ,ヨサップ
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ケジア
(72)【発明者】
【氏名】ズー,リュウシェン
(72)【発明者】
【氏名】ファム,ジョニー
(72)【発明者】
【氏名】カワイ,ヒロユキ
(72)【発明者】
【氏名】イェ,チェン-ホン
【審査官】前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-522280(JP,A)
【文献】特表2017-513955(JP,A)
【文献】国際公開第2018/183635(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/094148(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/067424(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/120508(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07H 19/
A61K 31/
A61K 39/
A61K 38/
A61K 35/
C07D 249/
C07J 43/
C07D 305/
C07D 239/
C07D 491/
C07D 498/
C07D 475/
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
【化1-1】
【化1-2】
から選択される、化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項3】
前記化合物は、
【化2】
である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
請求項3に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項5】
前記化合物は、
【化3】
である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
請求項5に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項7】
前記化合物は、
【化4】
である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項8】
請求項7に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項9】
前記化合物は、
【化5】
である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項10】
請求項9に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項11】
前記化合物は、
【化6】
である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項12】
請求項11に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項13】
前記化合物は、
【化7】
である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項14】
請求項13に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項15】
前記化合物は、
【化8】
である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項16】
請求項15に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項17】
前記化合物は、
【化9】
である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項18】
請求項17に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項19】
前記化合物は、
【化10】
である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項20】
請求項19に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項21】
前記化合物は、
【化11】
である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項22】
請求項21に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項23】
前記化合物は、
【化12】
である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項24】
請求項23に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項25】
前記化合物は、
【化13】
である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項26】
請求項25に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項27】
CD73を阻害する
ための薬剤の製造における、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩
の使用。
【請求項28】
対象の癌を
治療するための薬剤の製造における、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩
の使用。
【請求項29】
前記癌は、固形腫瘍である、請求項28に記載の
使用。
【請求項30】
前記固形腫瘍は、肺癌、黒色腫、乳癌、卵巣癌、大腸癌、胃癌、胆嚢癌、前立腺癌、または腎癌である、請求項29に記載の
使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2019年10月30日に出願された米国出願番号第62/928,138号、2020年3月10日に出願された米国出願番号第62/987,806号、2020年10月7日に出願された米国出願番号第63/088,646号の利益を主張し、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
癌、感染症、および神経変性疾患の効果的な処置に対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0003】
式(I)の化合物、およびまたはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体、ならびに、前記化合物を含む医薬組成物が本明細書で提供される。主題の化合物および組成物は、CD73阻害剤として有用である。さらに、主題の化合物および組成物は、癌、感染症、および神経変性疾患の処置に有用である。
【0004】
式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体が本明細書で開示され、
【0005】
【化1】
式中、
Q
1はNまたはCWであり、
Q
2とQ
3は独立してNまたはCWであり、
Wはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、-CN、-OR
b、NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、またはC
1-C
6ヒドロキシアルキルであり、
R
1とR
2は独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR
1aで任意選択で置換され、
あるいは、R
1とR
2は、それらが結合している窒素原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのR
1bで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し、
R
1aとR
1bはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-S(=O)R
a、-NO
2、-NR
cR
d、-S(=O)
2R
a、-NR
bS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、-OC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、
R
3は、水素、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのR
3aで任意選択で置換され、
R
3aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
R
4とR
5は独立して、水素、ハロゲン、-OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
R
6は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OR
13、-SR
13、-S(=O)R
14、-NO
2、-NR
15R
16、-S(=O)
2R
14、-NR
13S(=O)
2R
14、-S(=O)
2NR
15R
16、-C(=O)R
14、-OC(=O)R
14、-C(=O)OR
13、-OC(=O)OR
13、-C(=O)NR
15R
16、-OC(=O)NR
15R
16、-NR
13C(=O)NR
15R
16、-NR
13C(=O)R
14、-NR
13C(=O)OR
13、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ジュウテロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのR
6aで任意選択で置換され、
R
6aはそれぞれ、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
13、-SR
13、-S(=O)R
14、-NO
2、-NR
15R
16、-S(=O)
2R
14、-NR
13S(=O)
2R
14、-S(=O)
2NR
15R
16、-C(=O)R
14、-OC(=O)R
14、-C(=O)OR
13、-OC(=O)OR
13、-C(=O)NR
15R
16、-OC(=O)NR
15R
16、-NR
13C(=O)NR
15R
16、-NR
13C(=O)R
14、-NR
13C(=O)OR
13、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ジュウテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
R
7、R
8、R
9、およびR
10は独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、
Xは、-S-、-O-、または-NR
N-であり、
R
Nは、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、
環Aは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
R
Aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-S(=O)R
a、-NO
2、-NR
cR
d、-S(=O)
2R
a、-NR
bS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d 、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、-OC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
nは、0、1、2、3、または4であり、
R
13はそれぞれ独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ジュウテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR
13aで任意選択で置換され、
R
14はそれぞれ独立して、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR
14aで任意選択で置換され、
R
15とR
16はそれぞれ独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR
15aで任意選択で置換され、
あるいは、R
15とR
16は、それらが結合している窒素原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのR
15bで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し、
R
13a、R
14a、R
15a、およびR
15bはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-S(=O)R
a、-NO
2、-NR
cR
d、-S(=O)
2R
a、-NR
bS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、-OC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、
R
21とR
22は独立して、水素、C
1-C
20アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、あるいは3つのR
21aで任意選択で置換され、
あるいは、R
21とR
22は、それらが結合している原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのR
21bで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し、
R
21aとR
21bはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-S(=O)R
a、-NO
2、-NR
cR
d、-S(=O)
2R
a、-NR
bS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、-OC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、
R
aはそれぞれ独立して、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのオキソ、ハロゲン、-OH、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6ハロアルキルで任意選択で置換され、
R
bはそれぞれ独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのオキソ、ハロゲン、-OH、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6ハロアルキルで任意選択で置換され、
R
cとR
dはそれぞれ独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのオキソ、ハロゲン、-OH、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6ハロアルキルで任意選択で置換され、
あるいは、R
cとR
dは、それらが結合している窒素原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのオキソ、ハロゲン、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、またはC
1-C
6ヒドロキシアルキルで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し、
ただし、上記化合物は、
【0006】
【0007】
本明細書で開示される化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、または立体異性体、および薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物も本明細書で開示される。
【0008】
CD73を阻害する方法も本明細書で開示され、上記方法は、本明細書で開示される化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、または立体異性体と、CD73を接触させる工程を含む。
【0009】
対象の癌を処置する方法も本明細書で開示され、上記方法は、本明細書で開示される化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、または立体異性体を、対象に投与する工程を含む。対象の癌を処置する方法も本明細書で開示され、上記方法は、本明細書で開示される医薬組成物を対象に投与する工程を含む。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、癌は、肺癌、黒色腫、乳癌、卵巣癌、大腸癌、胃癌、胆嚢癌、前立腺癌、腎癌、またはリンパ腫である。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、癌はCD73を発現する。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、CD73は、処置される癌において上方制御される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、方法は、第2の治療剤を投与する工程をさらに含む。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、第2の治療剤は、化学療法剤または免疫療法剤である。
【0010】
対象の感染症を処置する方法も本明細書で開示され、上記方法は、本明細書で開示される化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、または立体異性体を対象に投与する工程を含む。対象の感染症を処置する方法も本明細書で開示され、上記方法は、本明細書で開示される医薬組成物を対象に投与する工程を含む。感染症を処置する方法のいくつかの実施形態では、感染症はウイルス感染症である。感染症を処置する方法のいくつかの実施形態では、感染症は寄生虫感染症である。
【0011】
対象の神経変性疾患を処置する方法も本明細書で開示され、上記方法は、本明細書で開示される化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、または立体異性体を対象に投与する工程を含む。対象の神経変性疾患を処置する方法も本明細書で開示され、上記方法は、本明細書で開示される医薬組成物を対象に投与する工程を含む。神経変性疾患を処置する方法のいくつかの実施形態では、神経変性疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、統合失調症、または自閉症である。
【0012】
参照による組み込み
本明細書で記載される公開公報、特許、および特許出願はすべて、本明細書に特定される特定の目的を参照することによって本明細書に組み込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
CD73は、アデノシンへのAMPの加水分解を触媒するグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカー細胞表面タンパク質であり、ATPをAMPに変換するCD39と協調して作用する。結果として生じたアデノシンは、さまざまな組織中の細胞表面上で発現されるP1受容体を活性化するシグナル伝達分子として機能する。4つのGタンパク質共役P1またはアデノシン受容体がクローン化されており、A1、A2A、A2B、およびA3と名付けられている。アデノシンは、神経の機能、血管灌流、および免疫応答を含む広範囲の生理的なプロセスに影響を与える。その際に、この代謝産物は、いくつかの例を挙げると、CNS、心臓血管、および免疫系の機能を調節する。
【0014】
腫瘍細胞とその微小環境との間の相互作用が腫瘍形成に不可欠であることを示唆する証拠が増えつつある。CD73が重要な役割を果たすプリン作動性のシグナル伝達経路は、癌の進行における重要な要因として台頭してきている。近年、アデノシンが腫瘍微小環境における最も重要な免疫抑制制御分子の1つであり、免疫逃避および腫瘍進行に寄与していることが明らかになってきている。
【0015】
CD73は、癌の発生における重要なタンパク質分子である。CD73は、多くの癌細胞株、および、例えば、乳癌、大腸癌、卵巣癌、胃癌、胆嚢癌、ならびに予後不良に関連する癌を含む腫瘍型で過剰発現することがわかっている。
【0016】
腫瘍におけるCD73の発現は、様々なメカニズムによって調節される。CD73発現は、乳癌ではエストロゲン受容体(ER)によって負に調節される。したがって、CD73は、ER陰性乳癌患者で高度に発現される。低酸素誘導因子-1α(HIF-1α)もCD73転写を調節することが分かっている。加えて、IFN-γなどの炎症性因子がCD73レベルに影響を与える。CD73発現はさらに、細胞株および臨床腫瘍試料中のCpGアイランドメチル化によって後成的に調節される。
【0017】
癌患者における予後バイオマーカーであることに加えて、CD73の過剰発現は、治療抵抗性と機能的に関連していることも明らかになっている。CD73のレベルの上昇は、当初、ビンクリスチンおよびドキソルビシンを含む様々な化学療法剤に対する耐性と関連していた。
【0018】
CD73は、免疫療法抵抗性に関与していることも示されている。このエクトヌクレオチダーゼは、腫瘍特異的なT細胞(とりわけ、Tヘルパーと細胞傷害性T細胞)の活性化、クローン増殖、およびホーミングを阻害すること;細胞溶解性エフェクターTリンパ球による腫瘍細胞死滅を減じること;アデノシンの細胞周囲の生成を介して、Treg細胞およびTh17細胞の抑制能力を駆り立てること;腫瘍促進性の2型マクロファージへの1型マクロファージの転換を増強すること;および、MDSCの蓄積を促進することによって、腫瘍の免疫回避のプロセスに関与する。
【0019】
CD73を標的とする低分子の阻害剤とモノクローナル抗体は、さまざまな免疫適格性マウス腫瘍モデルでは抗腫瘍活性を示したが、免疫不全マウス腫瘍モデルでは抗腫瘍活性を示さなかった。全体的に見て、これらの試験では、抗CD73治療活性がインビボの免疫応答を誘発するその能力に依存することが示唆される。
【0020】
PD-1、PD-L1、およびCTLA-4を遮断する抗体は、癌患者で印象的な客観的反応を示した。最近のデータでは、いくつかのマウス腫瘍モデルにおいて、抗CD73 mAbは、抗CTLA-4と抗PD-1 mAbsの両方の活性を大幅に増強することが示されている。チェックポイント遮断に加えて、アデノシンのCD73を媒介した生成は、CAR-T細胞および癌ワクチンを含むさらなる免疫療法モダリティに対する耐性に寄与する場合がある。
【0021】
CD73活性を妨害することは、治療に対して腫瘍を再感作するための戦略を表す。CD73と治療抵抗性の関連性に基づき、抗CD73治療を化学療法または免疫療法と組み合わせることは、CD73レベルが高い癌患者においてその活性を増強するための有効なアプローチである。例によっては、CD73発現は、抗CD73併用療法から利益を得る可能性がある患者を特定するためのバイオマーカーとして機能する。
【0022】
例によっては、CD39/CD73カップルは、ATP駆動性の炎症促進性細胞活性をアデノシン媒介性の抗炎症状態に変える。多くの研究では、様々な微生物によって誘導される感染中のCD39/CD73軸の活性の変化が示されている。トキソプラズマ・ゴンディに感染したマウスの脳内では、CD73発現の増加が観察されており、これはアデノシンの生成を介して寄生虫のライフサイクルを促進する。したがって、CD73を薬理学的に遮断することは、ヒトトキソプラズマ症を処置するための有望な治療アプローチである。
【0023】
サイトメガロウイルス(CMV)に感染した内皮細胞では、CD39およびCD73の発現と活性の増強が観察されている。局所的なアデノシン生成の増加は、エクトヌクレオチダーゼのアップレギュレーションと関連して、免疫抑制性かつ抗血栓性の微小環境を生成し、標的細胞へのウイルスの侵入を促す。
【0024】
例によっては、CD73の阻害剤は、アデノシン生成の減少を引き起こすことにより、抗ウイルス剤として応用される。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した個体のリンパ球におけるCD39およびCD73の発現/活性の上昇は、この疾患に関連する免疫機能障害におけるエクトヌクレオチダーゼの役割を示している。実際に、HIV感染者の異なるコホートにおいて、CD39を発現するTregの割合の増加、および、Treg上でのCD39発現と疾患進行との間の正の相関関係が観察されている。さらに、HIV陽性患者が多くの数のCD39+Tregを有すること、および、そのTeffがアデノシンの抑制効果に対するインビトロでの感受性の増加を示し、このことは、免疫抑制性のA2A受容体の発現の上昇に関連していたことが示されている。
【0025】
中枢神経系では、アデノシンは多くの神経機能の制御において重要な役割を果たす。アデノシンは、P1受容体の活性化を介して、睡眠の調節、一般的な覚醒状態と活性、局所的な神経細胞の興奮性、およびエネルギー需要に対する脳血流の結合などの多様な生理学的および病理学的なプロセスに関与している。例によっては、CD73阻害剤を介したアデノシン生成の操作は、アルツハイマー病、パーキンソン病、およびハンチントン病などの神経変性疾患と、統合失調症および自閉症などの精神疾患との治療に有用である。
【0026】
定義
本明細書と添付の請求項において使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別のことを指定していない限り、複数の指示対象を含む。ゆえに、例えば、「薬剤」への言及は複数のこうした薬剤を含み、「細胞」への言及は1以上の細胞(または、複数の細胞)、および当業者に知られている同等物などへの言及を含む。分子量などの物理的特性、または化学式などの化学的特性に関する範囲が本明細書で使用されているとき、範囲のすべての組み合わせと下位の組み合わせならびにその範囲内の具体的な実施形態が包含されるように意図されている。「約」との用語は、数または数の範囲を指すとき、参照される数または数の範囲が、実験のばらつきの範囲内(または、統計学的な実験誤差内)の近似値であり、したがって、数または数の範囲が、例によっては、記載される数または数の範囲の1%~15%変動することを意味する。「含むこと」との用語(および、「含む(“comprise”もしくは“comprises”)」、あるいは「有すること(having)」または「含むこと(including)」などの関連する用語)は、他のある実施形態では、例えば、本明細書に記載される任意の物質の組成物、組成物、方法、またはプロセスなどの実施形態が、記載される特徴「からなる(consist of)」または「から本質的になる(consist essentially of)」ことを排除することを意図するものではない。
【0027】
本明細書および添付の請求項で使用される場合、反対の意味に指定されない限り、次の用語は以下に指定する意味を有する。
【0028】
「アルキル」は、1~約10の炭素原子、または、1~6の炭素原子を有する、任意選択で置換された直鎖、または任意選択で置換された分枝鎖の飽和炭化水素モノラジカルを指す。例としては、限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、2-メチル-1-プロピル、2-メチル-2-プロピル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-3-ブチル、2,2-ジメチル-1-プロピル、2-メチル-1-ペンチル、3-メチル-1-ペンチル、4-メチル-1-ペンチル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、2,2-ジメチル-1-ブチル、3,3-ジメチル-1-ブチル、2-エチル-1-ブチル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-アミルおよびヘキシル、ならびにより長いアルキル基、例えば、ヘプチル、オクチルが挙げられる。本明細書に現われる場合は常に、「C1-C6アルキル」などの数値範囲は、アルキル基が、1つの炭素原子、2つの炭素原子、3つの炭素原子、4つの炭素原子、5つの炭素原子、または6つの炭素原子からなることを意味するが、本定義は、数値範囲が明示されない「アルキル」という用語の出現も包含している。いくつかの実施形態では、アルキルは、C1-C10アルキル、C1-C9アルキル、C1-C8アルキル、C1-C7アルキル、C1-C6アルキル、C1-C5アルキル、C1-C4アルキル、C1-C3アルキル、C1-C2アルキル、またはC1アルキルである。本明細書において別段の定めがない限り、アルキル基は、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルキルは、オキソ、ハロゲン、-CN、-CF3、-OH、-OMe、-NH2、または-NO2で任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルキルは、オキソ、ハロゲン、-CN、-CF3、-OH、または-OMeで任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルキルは、ハロゲンで任意選択で置換される。
【0029】
「アルケニル」は、1以上の炭素炭素二重結合を有し、かつ、2~約10の炭素原子、より好ましくは2~約6の炭素原子を有する、任意選択で置換された直鎖、または任意選択で置換された分枝鎖の炭化水素モノラジカルを指す。基は、二重結合に関するシス構造またはトランス構造のいずれかであり得、その両方の異性体を含むものと理解されなければならない。例としては、限定されないが、エテニル(-CH=CH2)、1-プロペニル(-CH2CH=CH2)、イソプロペニル[-C(CH3)=CH2]、ブテニル、1,3-ブタジエニルなどが挙げられる。本明細書に現われる場合は常に、「C2-C6アルケニル」などの数値範囲は、アルケニル基が2つの炭素原子、3つの炭素原子、4つの炭素原子、5つの炭素原子、または6つの炭素原子からなり得ることを意味するが、本定義は、数値範囲が明示されない「アルケニル」という用語の出現も包含している。いくつかの実施形態では、アルケニルは、C2-C10アルケニル、C2-C9アルケニル、C2-C8アルケニル、C2-C7アルケニル、C2-C6アルケニル、C2-C5アルケニル、C2-C4アルケニル、C2-C3アルケニル、またはC2アルケニルである。本明細書において別段の定めがない限り、アルケニル基は、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルケニルは、オキソ、ハロゲン、-CN、-CF3、-OH、-OMe、-NH2、または-NO2で任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルケニルは、オキソ、ハロゲン、-CN、-CF3、-OH、または-OMeで任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルケニルは、ハロゲンで任意選択で置換される。
【0030】
「アルキニル」は、1以上の炭素-炭素三重結合を有し、かつ、2~約10の炭素原子、より好ましくは2~約6の炭素原子を有する、任意選択で置換された直鎖、または任意選択で置換された分枝鎖の炭化水素モノラジカルを指す。例としては、限定されないが、エチニル、2-プロピニル、2-ブチニル、1,3-ブタジイニルなどが挙げられる。本明細書に現われる場合は常に、「C2-C6アルキニル」などの数値範囲は、アルキニル基が2つの炭素原子、3つの炭素原子、4つの炭素原子、5つの炭素原子、または6つの炭素原子からなり得ることを意味するが、本定義は、数値範囲が明示されない「アルキニル」という用語の出現も包含している。いくつかの実施形態では、アルキニルは、C2-C10アルキニル、C2-C9アルキニル、C2-C8アルキニル、C2-C7アルキニル、C2-C6アルキニル、C2-C5アルキニル、C2-C4アルキニル、C2-C3アルキニル、またはC2アルキニルである。本明細書において別段の定めがない限り、アルキニル基は、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルキニルは、オキソ、ハロゲン、-CN、-CF3、-OH、-OMe、-NH2、または-NO2で任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルキニルは、オキソ、ハロゲン、-CN、-CF3、-OH、または-OMeで任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルキニルは、ハロゲンで任意選択で置換される。
【0031】
「アルキレン」は、直鎖または分枝鎖の二価炭化水素鎖を指す。本明細書において別段の定めがない限り、アルキレン基は、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで任意選択で置換され得る。いくつかの実施形態では、アルキレンは、オキソ、ハロゲン、-CN、-CF3、-OH、-OMe、-NH2、または-NO2で任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルキレンは、オキソ、ハロゲン、-CN、-CF3、-OH、または-OMeで任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルキレンは、ハロゲンで任意選択で置換される。
【0032】
「アルコキシ」は式-ORaのラジカルを指し、ここで、Raは定義されるようなアルキルラジカルである。本明細書において別段の定めがない限り、アルコキシ基は、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで任意選択で置換され得る。いくつかの実施形態では、アルコキシは、オキソ、ハロゲン、-CN、-CF3、-OH、-OMe、-NH2、または-NO2で任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルコキシは、オキソ、ハロゲン、-CN、-CF3、-OH、または-OMeで任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルコキシは、ハロゲンで任意選択で置換される。
【0033】
「アリール」は、水素、6~30の炭素原子、および少なくとも1つの芳香族環を含む、炭化水素環系に由来するラジカルを指す。アリールラジカルは、単環式、二環式、三環式、または四環式の環系であってもよく、それは縮合した環系(シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルの環と縮合される場合、アリールは芳香族環原子によって結合する)、または架橋した環系を含むことがある。いくつかの実施形態では、アリールは6員~10員のアリールである。いくつかの実施形態では、アリールは6員のアリールである。アリールラジカルとしては、限定されないが、アントリレン、ナフチレン、フェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、フルオランテン、フルオレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン、プレイアデン、ピレン、およびトリフェニレンの炭化水素環系に由来するアリールラジカルが挙げられる。いくつかの実施形態では、アリールはフェニルである。本明細書において別段の定めのない限り、アリールは、例えば、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで任意選択で置換され得る。いくつかの実施形態では、アリールは、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF3、-OH、-OMe、-NH2、または-NO2で任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アリールは、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF3、-OH、または-OMeで任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アリールは、ハロゲンで任意選択で置換される。
【0034】
「シクロアルキル」とは、安定した、部分的にまたは完全に飽和した、単環式または多環式の炭素環を指し、これは、縮合した環系(アリールまたはヘテロアリール環で縮合される場合、シクロアルキルは非芳香族環原子によって結合される)または架橋した環系を含み得る。代表的なシクロアルキルとしては、限定されないが、3~15の炭素原子(C3-C15シクロアルキル)、3~10の炭素原子(C3-C10シクロアルキル)、3~8の炭素原子(C3-C8シクロアルキル)、3~6の炭素原子(C3-C6シクロアルキル)、3~5の炭素原子(C3-C5シクロアルキル)、または3~4の炭素原子(C3-C4シクロアルキル)を有するシクロアルキルが挙げられる。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは3員~6員のシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは5員~6員のシクロアルキルである。単環式のシクロアルキルは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルを含む。多環式のシクロアルキルまたは炭素環は、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニル(decalinyl)、ビシクロ[3.3.0]オクタン、ビシクロ[4.3.0]ノナン、シス-デカリン、トランス-デカリン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、およびビシクロ[3.3.2]デカン、ならびに7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルを含む。部分的に飽和したシクロアルキルは、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、および、シクロオクテニルを含む。本明細書において別段の定めのない限り、シクロアルキルは、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF3、-OH、-OMe、-NH2、または-NO2で任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF3、-OH、または-OMeで任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、ハロゲンで任意選択で置換される。
【0035】
「ハロ」または「ハロゲン」は、ブロモ、クロロ、フルオロ、またはヨードを指す。いくつかの実施形態では、ハロゲンはフルオロまたはクロロである。いくつかの実施形態では、ハロゲンはフルオロである。
【0036】
「ハロアルキル」とは、上に定義されるようなアルキルラジカルを指し、これは、上に定義されるように、1つ以上のハロラジカルによって置換され、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,2-ジフルオロエチル、3-ブロモ-2-フルオロプロピル、1,2-ジブロモエチルなどである。
【0037】
「ヘテロシクロアルキル」は、2~23の炭素原子と、窒素、酸素、リン酸、および硫黄からなる群から選択された1~8のヘテロ原子とを含む、安定した3~24員の部分的または完全に飽和した環ラジカルを指す。本明細書で別段の定めのない限り、ヘテロシクロアルキルラジカルは、単環式、二環式、三環式、または四環式の環系であってもよく、これは縮合した環系(アリール、またはヘテロアリール環と縮合される場合、ヘテロシクロアルキルは非芳香族環原子によって結合する)または架橋した環系を含むことがあり、および、ヘテロシクロアルキルラジカル中の窒素、炭素、または硫黄の原子は任意選択で酸化されてもよく、窒素原子は任意選択で四級化されてもよい。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは3~6員のヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは5~6員のヘテロシクロアルキルである。こうしたヘテロシクリルアルキルの例としては、限定されないが、アジリジニル、アゼチジニル、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-チオモルホリニル、1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル、3-オキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル、メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル、および、2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イルが挙げられる。「ヘテロシクロアルキル」という用語は、限定されないが、単糖類、二糖類、およびオリゴ糖を含む、炭水化物のすべての環状形態も含む。特段の記載のない限り、ヘテロシクロアルキルは環中に2~10の炭素を有する。ヘテロシクロアルキル中の炭素原子の数に言及する際、ヘテロシクロアルキル中の炭素原子の数は、ヘテロシクロアルキル(すなわち、ヘテロシクロアルキル環の骨格原子)を構成する原子(ヘテロ原子を含む)の総数と同じではないことが理解される。本明細書において別段の定めのない限り、ヘテロシクロアルキルは、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF3、-OH、-OMe、-NH2、または-NO2で任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF3、-OH、または-OMeで任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、ハロゲンで任意選択で置換される。
【0038】
「ヘテロアルキル」は、アルキルの1つ以上の骨格原子が炭素以外の原子、例えば、酸素、窒素(例えば、-NH-、-N(アルキル)-)、硫黄、またはこれらの組み合わせから選択される、アルキル基を指す。ヘテロアルキルは、ヘテロアルキルの炭素原子で分子の残りに結合される。ある態様では、ヘテロアルキルはC1-C6へテロアルキルであり、ここで、ヘテロアルキルは、1~6の炭素原子、および、炭素以外の1つ以上の原子、例えば、酸素、窒素(例えば、-NH-、-N(アルキル)-)、硫黄、またはこれらの組み合わせで構成され、ここで、ヘテロアルキルはヘテロアルキルの炭素原子において分子の残りに結合される。こうしたヘテロアルキルの例は、例えば、-CH2OCH3、-CH2CH2OCH3、または-CH(CH3)OCH3である。本明細書において別段の定めのない限り、ヘテロアルキルは、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキルは、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF3、-OH、-OMe、-NH2、または-NO2で任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキルは、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF3、-OH、または-OMeで任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキルは、ハロゲンで任意選択で置換される。
【0039】
「ヘテロアリール」は、水素原子、1~13の炭素原子、窒素、酸素、リン、および硫黄からなる群から選択された1~6のヘテロ原子、ならびに、少なくとも1つの芳香環を含む、5~14員環系のラジカルを指す。ヘテロアリールラジカルは、単環式、二環式、三環式、または、四環式の環系であってもよく、それは縮合した環系(シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルの環で縮合される場合、ヘテロアリールは芳香族環原子によって結合する)、または架橋した環系を含み得;ヘテロアリールラジカル中の窒素、炭素、または硫黄の原子は、任意選択で酸化されてもよく、窒素原子は任意選択で四級化されてもよい。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは5~10員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは5~6員のヘテロアリールである。ヘテロアリールの例としては、限定されないが、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズインドリル(benzindolyl)、ベンゾジオキソリル(benzodioxolyl)、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル(dioxepinyl)、1,4-ベンゾジオキサニル(benzodioxanyl)、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル(benzodioxinyl)、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル(benzopyranonyl)、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル(benzofuranonyl)、ベンゾチエニル(benzothienyl)(ベンゾチオフェニル)、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、カルバゾリル(carbazolyl)、シンノリニル(cinnolinyl)、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル(furanonyl)、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル(indolizinyl)、イソキサゾリル、ナフチリジニル(naphthyridinyl)、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル(oxiranyl)、1-オキシドピリジニル(oxidopyridinyl)、1-オキシドピリミジニル(oxidopyrimidinyl)、1-オキシドピラジニル(oxidopyrazinyl)、1-オキシドピリダジニル(oxidopyridazinyl)、1-フェニル-1H-ピロリル(pyrrolyl)、フェナジニル(phenazinyl)、フェノチアジニル(phenothiazinyl)、フェノキサジニル(phenoxazinyl)、フタラジニル(phthalazinyl)、プテリジニル(pteridinyl)、プリニル(purinyl)、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル(pyrazinyl)、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル(quinazolinyl)、キノキサリニル、キノリニル、キヌクリジニル(quinuclidinyl)、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、およびチオフェニル(つまり、チエニル)が挙げられる。本明細書において別段の定めのない限り、ヘテロアリールは、例えば、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF3、-OH、-OMe、-NH2、または-NO2で任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF3、-OH、または-OMeで任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、ハロゲンで任意選択で置換される。
【0040】
「ヒドロキシアルキル」とは、上で定義されるように、1つ以上の-OHで置換されるアルキルラジカル、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ジヒドロキシメチル、ジヒドロキシエチル、ジヒドロキシプロピル、ジヒドロキシブチル、ジヒドロキシペンチルなどを指す。
【0041】
「オキソ」は=Oを指す。
【0042】
「随意の」または「任意選択で」という用語は、後に記載される事象または状況が生じることもあれば、生じないこともあること、および、本記載が上記の事象または状況が生じる例と生じない例とを含んでいることを意味する。例えば、「任意選択で置換されたアルキル」とは、上に定義されるように、「アルキル」または「置換されたアルキル」のいずれかを意味する。さらに、任意選択で置換された基は、未置換であるか(例えば、-CH2CH3)、完全に置換されるか(例えば、-CF2CF3)、一置換であるか(例えば、-CH2CH2F)、または、完全な置換と一置換との間の範囲のレベルで置換されてもよい(例えば、-CH2CHF2、-CH2CF3、-CF2CH3、-CFHCHF2など)。1以上の置換基を包含する任意の基に関して、そのような基が、立体的に非実用的なおよび/または合成的に実行不可能な任意の置換または置換パターン(例えば、置換されたアルキルは、任意選択で置換されたシクロアルキル基を含み、上記シクロアルキル基は任意選択で置換されたアルキル基を無限に含む可能性があるものとして順に定義される)を導入することを意図していないことは、当業者によって理解されるであろう。したがって、記載された任意の置換基は一般に、約1,000ダルトン、より具体的には、最大で約500ダルトンの最大分子量を有するものとして理解されなければならない。
【0043】
用語「阻害する」、「遮断する」、「抑制する」、およびこれらの文法上の変形は、本明細書において互換的に使用され、活性の完全な遮断を含む生物学的活性の統計的に有意な減少を指す。いくつかの実施形態では、「阻害」は、生物学的活性の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%の減少を指す。したがって、「阻害」または「抑制」という用語が、例えば、CD73の酵素活性に対する効果を記載するために適用されるとき、この用語は、未処理(対照)細胞におけるCD73媒介性の5’-ヌクレオチダーゼ活性と比較して、CD73の5’-ヌクレオチダーゼ活性(アデノシンモノホスフェート、AMPのアデノシンへの加水分解を異化する)を統計的に有意に減少させるための、本明細書で開示される化合物の能力を指す。いくつかの実施形態では、CD73を発現する細胞は、自然発生細胞または細胞株(例えば、癌細胞)であるか、あるいはCD73をコードする核酸を宿主細胞に導入することによって組換え産生される。いくつかの態様では、本明細書で開示される化合物は、生体液中のCD73の溶解可能な形態の5’-ヌクレオチダーゼ活性を統計的に有意に減少させる。ある態様では、本明細書で開示される化合物は、例えば、実施例に記載される方法および/または当該技術分野で知られている方法によって決定されるように、CD73媒介性の5’-ヌクレオチダーゼ活性を、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または約100%阻害する。
【0044】
本明細書で使用されるように、「処置」または「処置すること」または「緩和すること」または「寛解させること」は交換可能に使用される。こうした用語は、治療上の利点および/または予防上の利点を含むがこれらに限定されない、有益な結果または望ましい結果を得るための手法を指す。「治療上の利点」は、処置されている基礎疾患の根絶または寛解を意味する。さらに、治療効果は、患者が依然として基礎疾患に罹っているにもかかわらず、改善が患者で観察されるように、基礎疾患に関連する生理的な症状の1つ以上の根絶または寛解によって達成される。予防的な効果については、たとえ特定の疾患の診断がなされていなくても、組成物は、実施形態によっては、この疾患にかかる危険に瀕している患者、または疾患の生理的な症状の1つ以上を報告する患者に投与される。
【0045】
化合物
CD73阻害剤である化合物が本明細書に記載される。これらの化合物、およびこれらの化合物を含む組成物は、癌、感染症、および神経変性疾患の処置に有用である。
【0046】
いくつかの実施形態では、式(I)の構造を有する化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体が本明細書で提供され、
【0047】
【化3】
式中、
Q
1はNまたはCWであり、
Q
2とQ
3は独立してNまたはCWであり、
Wはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、-CN、-OR
b、NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、またはC
1-C
6ヒドロキシアルキルであり、
R
1とR
2は独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR
1aで任意選択で置換され、
あるいは、R
1とR
2は、それらが結合している窒素原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのR
1bで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し、
R
1aとR
1bはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-S(=O)R
a、-NO
2、-NR
cR
d、-S(=O)
2R
a、-NR
bS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、-OC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、
R
3は、水素、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのR
3aで任意選択で置換され、
R
3aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
R
4とR
5は独立して、水素、ハロゲン、-OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
R
6は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OR
13、-SR
13、-S(=O)R
14、-NO
2、-NR
15R
16、-S(=O)
2R
14、-NR
13S(=O)
2R
14、-S(=O)
2NR
15R
16、-C(=O)R
14、-OC(=O)R
14、-C(=O)OR
13、-OC(=O)OR
13、-C(=O)NR
15R
16、-OC(=O)NR
15R
16、-NR
13C(=O)NR
15R
16、-NR
13C(=O)R
14、-NR
13C(=O)OR
13、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ジュウテロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのR
6aで任意選択で置換され、
R
6aはそれぞれ、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
13、-SR
13、-S(=O)R
14、-NO
2、-NR
15R
16、-S(=O)
2R
14、-NR
13S(=O)
2R
14、-S(=O)
2NR
15R
16、-C(=O)R
14、-OC(=O)R
14、-C(=O)OR
13、-OC(=O)OR
13、-C(=O)NR
15R
16、-OC(=O)NR
15R
16、-NR
13C(=O)NR
15R
16、-NR
13C(=O)R
14、-NR
13C(=O)OR
13、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ジュウテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
R
7、R
8、R
9、およびR
10は独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、
Xは、-S-、-O-、または-NR
N-であり、
R
Nは、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、
環Aは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
R
Aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-S(=O)R
a、-NO
2、-NR
cR
d、-S(=O)
2R
a、-NR
bS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d 、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、-OC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、 ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
nは、0、1、2、3、または4であり、
R
13はそれぞれ独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ジュウテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR
13aで任意選択で置換され、
R
14はそれぞれ独立して、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR
14aで任意選択で置換され、
R
15とR
16はそれぞれ独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR
15aで任意選択で置換され、
あるいは、R
15とR
16は、それらが結合している窒素原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのR
15bで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し、
R
13a、R
14a、R
15a、およびR
15bはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-S(=O)R
a、-NO
2、-NR
cR
d、-S(=O)
2R
a、-NR
bS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、-OC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、
R
21とR
22は独立して、水素、C
1-C
20アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、あるいは3つのR
21aで任意選択で置換され、
あるいは、R
21とR
22は、それらが結合している原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのR
21bで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し、
R
21aとR
21bはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-S(=O)R
a、-NO
2、-NR
cR
d、-S(=O)
2R
a、-NR
bS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、-OC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、
R
aはそれぞれ独立して、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのオキソ、ハロゲン、-OH、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6ハロアルキルで任意選択で置換され、
R
bはそれぞれ独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのオキソ、ハロゲン、-OH、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6ハロアルキルで任意選択で置換され、
R
cとR
dはそれぞれ独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのオキソ、ハロゲン、-OH、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6ハロアルキルで任意選択で置換され、
あるいは、R
cとR
dは、それらが結合している窒素原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのオキソ、ハロゲン、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、またはC
1-C
6ヒドロキシアルキルで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し、
ただし、上記化合物は、
【0048】
【0049】
いくつかの実施形態では、式(I)の構造を有する化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体が本明細書で提供され、
【0050】
【化5】
式中、
Q
1はNまたはCWであり、
Q
2とQ
3は独立してNまたはCWであり、
Wはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、-CN、-OR
b、NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、またはC
1-C
6ヒドロキシアルキルであり、
R
1とR
2は独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR
1aで任意選択で置換され、
あるいは、R
1とR
2は、それらが結合している窒素原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのR
1bで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し、
R
1aとR
1bはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-S(=O)R
a、-NO
2、-NR
cR
d、-S(=O)
2R
a、-NR
bS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、-OC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、
R
3は、水素、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのR
3aで任意選択で置換され、
R
3aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
R
4とR
5は独立して、水素、ハロゲン、-OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
R
6は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OR
13、-SR
13、-S(=O)R
14、-NO
2、-NR
15R
16、-S(=O)
2R
14、-NR
13S(=O)
2R
14、-S(=O)
2NR
15R
16、-C(=O)R
14、-OC(=O)R
14、-C(=O)OR
13、-OC(=O)OR
13、-C(=O)NR
15R
16、-OC(=O)NR
15R
16、-NR
13C(=O)NR
15R
16、-NR
13C(=O)R
14、-NR
13C(=O)OR
13、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ジュウテロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのR
6aで任意選択で置換され、
R
6aはそれぞれ、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
13、-SR
13、-S(=O)R
14、-NO
2、-NR
15R
16、-S(=O)
2R
14、-NR
13S(=O)
2R
14、-S(=O)
2NR
15R
16、-C(=O)R
14、-OC(=O)R
14、-C(=O)OR
13、-OC(=O)OR
13、-C(=O)NR
15R
16、-OC(=O)NR
15R
16、-NR
13C(=O)NR
15R
16、-NR
13C(=O)R
14、-NR
13C(=O)OR
13、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ジュウテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
R
7、R
8、R
9、およびR
10は独立して、水素、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、
Xは、-S-、-O-、または-NR
N-であり、
R
Nは、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、
環Aは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、R
Aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-S(=O)R
a、-NO
2、-NR
cR
d、-S(=O)
2R
a、-NR
bS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d 、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、-OC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、 ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
nは、0、1、2、3、または4であり、
R
13はそれぞれ独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ジュウテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR
13aで任意選択で置換され、
R
14はそれぞれ独立して、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR
14aで任意選択で置換され、
R
15とR
16はそれぞれ独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR
15aで任意選択で置換され、
あるいは、R
15とR
16は、それらが結合している窒素原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのR
15bで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し、
R
13a、R
14a、R
15a、およびR
15bはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-S(=O)R
a、-NO
2、-NR
cR
d、-S(=O)
2R
a、-NR
bS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、-OC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、
R
21とR
22は独立して、水素、C
1-C
20アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、あるいは3つのR
21aで任意選択で置換され、
あるいは、R
21とR
22は、それらが結合している原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのR
21bで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し、
R
21aとR
21bはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-S(=O)R
a、-NO
2、-NR
cR
d、-S(=O)
2R
a、-NR
bS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、-OC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、
R
aはそれぞれ独立して、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのオキソ、ハロゲン、-OH、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6ハロアルキルで任意選択で置換され、
R
bはそれぞれ独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのオキソ、ハロゲン、-OH、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6ハロアルキルで任意選択で置換され、
R
cとR
dはそれぞれ独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのオキソ、ハロゲン、-OH、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6ハロアルキルで任意選択で置換され、
あるいは、R
cとR
dは、それらが結合している窒素原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのオキソ、ハロゲン、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、またはC
1-C
6ヒドロキシアルキルで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し、
ただし、上記化合物は、
【0051】
【0052】
いくつかの実施形態では、式(I)の構造を有する化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体が本明細書で提供され、
【0053】
【化7】
式中、
Q
1はNまたはCWであり、
Q
2とQ
3は独立してNまたはCWであり、
Wはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、-CN、-OR
b、NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、またはC
1-C
6ヒドロキシアルキルであり、
R
1とR
2は独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR
1aで任意選択で置換され、
あるいは、R
1とR
2は、それらが結合している窒素原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのR
1bで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し、
R
1aとR
1bはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-S(=O)R
a、-NO
2、-NR
cR
d、-S(=O)
2R
a、-NR
bS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、-OC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、
R
3は、水素、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのR
3aで任意選択で置換され、
R
3aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
R
4とR
5は独立して、水素、ハロゲン、-OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
R
6は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OR
13、-SR
13、-S(=O)R
14、-NO
2、-NR
15R
16、-S(=O)
2R
14、-NR
13S(=O)
2R
14、-S(=O)
2NR
15R
16、-C(=O)R
14、-OC(=O)R
14、-C(=O)OR
13、-OC(=O)OR
13、-C(=O)NR
15R
16、-OC(=O)NR
15R
16、-NR
13C(=O)NR
15R
16、-NR
13C(=O)R
14、-NR
13C(=O)OR
13、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ジュウテロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのR
6aで任意選択で置換され、
R
6aはそれぞれ、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
13、-SR
13、-S(=O)R
14、-NO
2、-NR
15R
16、-S(=O)
2R
14、-NR
13S(=O)
2R
14、-S(=O)
2NR
15R
16、-C(=O)R
14、-OC(=O)R
14、-C(=O)OR
13、-OC(=O)OR
13、-C(=O)NR
15R
16、-OC(=O)NR
15R
16、-NR
13C(=O)NR
15R
16、-NR
13C(=O)R
14、-NR
13C(=O)OR
13、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ジュウテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
R
7、R
8、R
9、およびR
10は独立して、水素、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、
Xは、-S-、-O-、または-NR
N-であり、
R
Nは、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、
環Aは、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールであり、
R
Aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-S(=O)R
a、-NO
2、-NR
cR
d、-S(=O)
2R
a、-NR
bS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d 、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、-OC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、 ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
nは、0、1、2、3、または4であり、
R
13はそれぞれ独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ジュウテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR
13aで任意選択で置換され、
R
14はそれぞれ独立して、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR
14aで任意選択で置換され、
R
15とR
16はそれぞれ独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR
15aで任意選択で置換され、
あるいは、R
15とR
16は、それらが結合している窒素原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのR
15bで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し、
R
13a、R
14a、R
15a、およびR
15bはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-S(=O)R
a、-NO
2、-NR
cR
d、-S(=O)
2R
a、-NR
bS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、-OC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、
R
21とR
22は独立して、水素、C
1-C
20アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、あるいは3つのR
21aで任意選択で置換され、
あるいは、R
21とR
22は、それらが結合している原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのR
21bで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し、
R
21aとR
21bはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-S(=O)R
a、-NO
2、-NR
cR
d、-S(=O)
2R
a、-NR
bS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、-OC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、
R
aはそれぞれ独立して、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのオキソ、ハロゲン、-OH、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6ハロアルキルで任意選択で置換され、
R
bはそれぞれ独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのオキソ、ハロゲン、-OH、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6ハロアルキルで任意選択で置換され、
R
cとR
dはそれぞれ独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのオキソ、ハロゲン、-OH、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6ハロアルキルで任意選択で置換され、
あるいは、R
cとR
dは、それらが結合している窒素原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのオキソ、ハロゲン、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、またはC
1-C
6ヒドロキシアルキルで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成する。
【0054】
いくつかの実施形態では、式(I)の構造を有する化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体が本明細書で提供され、
【0055】
【化8】
式中、
Q
1はNまたはCWであり、
Q
2とQ
3は独立してNまたはCWであり、
Wはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、-CN、-OR
b、NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、またはC
1-C
6ヒドロキシアルキルであり、
R
1とR
2は独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR
1aで任意選択で置換され、
あるいは、R
1とR
2は、それらが結合している窒素原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのR
1bで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し、
R
1aとR
1bはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-S(=O)R
a、-NO
2、-NR
cR
d、-S(=O)
2R
a、-NR
bS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、-OC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、
R
3は、水素、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのR
3aで任意選択で置換され、
R
3aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
R
4とR
5は独立して、水素、ハロゲン、-OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
R
6は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OR
13、-SR
13、-S(=O)R
14、-NO
2、-NR
15R
16、-S(=O)
2R
14、-NR
13S(=O)
2R
14、-S(=O)
2NR
15R
16、-C(=O)R
14、-OC(=O)R
14、-C(=O)OR
13、-OC(=O)OR
13、-C(=O)NR
15R
16、-OC(=O)NR
15R
16、-NR
13C(=O)NR
15R
16、-NR
13C(=O)R
14、-NR
13C(=O)OR
13、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ジュウテロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのR
6aで任意選択で置換され、
R
6aはそれぞれ、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
13、-SR
13、-S(=O)R
14、-NO
2、-NR
15R
16、-S(=O)
2R
14、-NR
13S(=O)
2R
14、-S(=O)
2NR
15R
16、-C(=O)R
14、-OC(=O)R
14、-C(=O)OR
13、-OC(=O)OR
13、-C(=O)NR
15R
16、-OC(=O)NR
15R
16、-NR
13C(=O)NR
15R
16、-NR
13C(=O)R
14、-NR
13C(=O)OR
13、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ジュウテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
R
7、R
8、R
9、およびR
10は独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、
Xは、-S-、-O-、または-NR
N-であり、
R
Nは、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、
環Aは、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールであり、
R
Aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-S(=O)R
a、-NO
2、-NR
cR
d、-S(=O)
2R
a、-NR
bS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d 、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、-OC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
nは、0、1、2、3、または4であり、
R
13はそれぞれ独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ジュウテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR
13aで任意選択で置換され、
R
14はそれぞれ独立して、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR
14aで任意選択で置換され、
R
15とR
16はそれぞれ独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR
15aで任意選択で置換され、
あるいは、R
15とR
16は、それらが結合している窒素原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのR
15bで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し、
R
13a、R
14a、R
15a、およびR
15bはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-S(=O)R
a、-NO
2、-NR
cR
d、-S(=O)
2R
a、-NR
bS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、-OC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、
R
21とR
22は独立して、水素、C
1-C
20アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、あるいは3つのR
21aで任意選択で置換され、
あるいは、R
21とR
22は、それらが結合している原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのR
21bで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し、
R
21aとR
21bはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR
b、-SR
b、-S(=O)R
a、-NO
2、-NR
cR
d、-S(=O)
2R
a、-NR
bS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、-OC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(アリール)、C
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、
R
aはそれぞれ独立して、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのオキソ、ハロゲン、-OH、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6ハロアルキルで任意選択で置換され、
R
bはそれぞれ独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのオキソ、ハロゲン、-OH、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6ハロアルキルで任意選択で置換され、
R
cとR
dはそれぞれ独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのオキソ、ハロゲン、-OH、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6ハロアルキルで任意選択で置換され、
あるいは、R
cとR
dは、それらが結合している窒素原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのオキソ、ハロゲン、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、またはC
1-C
6ヒドロキシアルキルで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成する。
【0056】
いくつかの実施形態では、式(I)の構造を有する化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体は、式(Ia)の構造を有する。
【0057】
【0058】
いくつかの実施形態では、式(I)の構造を有する化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体は、式(Ib)の構造を有する。
【0059】
【0060】
式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態では、Q1はNである。式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態では、Q1はCWである。
【0061】
式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態では、Q2はNであり、Q3はCWである。式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態では、Q2はCWであり、Q3はNである。式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態では、Q2はNであり、Q3はNである。
【0062】
式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態では、Wはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルである。式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態では、Wはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、またはC1-C6アルキルである。式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態では、Wはそれぞれ水素である。
【0063】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、Xは-O-である。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、Xは-S-である。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、Xは-NRN-である。
【0064】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、RNは、水素またはC1-C6アルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、RNは水素である。
【0065】
いくつかの実施形態では、式(I)の構造を有する化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体は、式(Ic)の構造を有する。
【0066】
【0067】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R3は、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、C1-C6アルキル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、ここで、アルキル、アルキニル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR3aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R3は、ハロゲン、C1-C6アルキル、C2-C6アルキニル、C1-C6ヒドロキシアルキル、またはC1-C6ヘテロアルキルであり、ここで、アルキルとアルキニルはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR3aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R3は、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R3は、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R3はハロゲン、またはC1-C6ヒドロキシアルキル、C1-C6ヒドロキシアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R3はハロゲンである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R3は、ハロゲン、-ORb、C1-C6アルキル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、またはC1-C6ヘテロアルキルであり、ここで、アルキルとアルキニルはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR3aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R3は、ハロゲン、-ORb、C2-C6アルキニル、またはC1-C6ヒドロキシアルキルであり、ここで、アルキルとアルキニルはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR3aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R3はハロゲンまたはC1-C6ヒドロキシアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R3は、ハロゲン、C2-C6アルキニル、またはC1-C6ヒドロキシアルキルであり、ここで、アルキルとアルキニルはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR3aで任意選択で置換される。
【0068】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R3aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、-C(=O)NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R3aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R3aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R3aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、C1-C6アルキル、またはC1-C6フルオロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R3aはそれぞれ独立して、ハロゲンまたはC1-C6アルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R3aはそれぞれ独立して、ハロゲン、-ORb、C1-C6アルキル、またはシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R3aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、または-ORbである。
【0069】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R1は、C1-C6アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C1-C6アルキル(アリール)、C1-C6アルキル(ヘテロアリール)、C1-C6アルキル(シクロアルキル)、またはC1-C6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR1aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R1は、C1-C6アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1-C6アルキル(アリール)、C1-C6アルキル(ヘテロアリール)、C1-C6アルキル(シクロアルキル)、またはC1-C6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR1aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R1はシクロアルキルまたはC1-C6アルキル(シクロアルキル)である。ここで、アルキルとアルキニルはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR1aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R1は、1つ、2つ、または3つのR1aで任意選択で置換されたシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R1は、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1-C6アルキル(アリール)、C1-C6アルキル(ヘテロアリール)、C1-C6アルキル(シクロアルキル)、またはC1-C6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR1aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R1は、C1-C6アルキル、シクロアルキル、C1-C6アルキル(アリール)、またはC1-C6アルキル(シクロアルキル)であり、ここで、アルキル、シクロアルキル、およびアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR1aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R1は、シクロアルキルまたはC1-C6アルキル(シクロアルキル)である。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R1はシクロアルキルである。
【0070】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R1aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、-C(=O)NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R1aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R1aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R1aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、C1-C6アルキル、またはC1-C6フルオロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R1aはそれぞれ独立して、ハロゲンまたはC1-C6アルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R1aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-ORb、C1-C6アルキル、またはC1-C6フルオロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R1aはそれぞれ独立して、ハロゲンまたはC1-C6アルキルである。
【0071】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R2は、水素またはC1-C6アルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R2は水素である。
【0072】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R1とR2は、それらが結合している窒素原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのR1bで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成する。
【0073】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R1bはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、-C(=O)NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R1bはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R1bはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R1bはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、C1-C6アルキル、またはC1-C6フルオロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R1bはそれぞれ独立して、ハロゲンまたはC1-C6アルキルである。
【0074】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R4とR5は独立して、水素、ハロゲン、-ORb、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R4とR5は独立して、水素または-ORbである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R4とR5は-OHである。
【0075】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R21とR22は独立して、水素、C1-C20アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR21aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R21とR22は独立して、水素、C1-C20アルキル、またはアリールであり、ここで、アルキルとアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR21aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R21とR22は独立して、水素、1つ、2つ、または3つのR21aで任意選択で置換されるC1-C20アルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R21とR22は水素である。
【0076】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R21aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、-C=(O)Ra、-OC(=O)Ra、-C(=O)ORb、-OC(=O)ORb、-OC(=O)NRcRd、-NRbC(=O)NRcRd、-NRbC(=O)Ra、-NRbC(=O)ORb、またはC1-C6アルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R21aはそれぞれ独立して、-C(=O)Ra、-OC(=O)Ra、-C(=O)ORb、-OC(=O)ORb、または-OC(=O)NRcRdである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R21aはそれぞれ独立して、-C(=O)ORbまたは-OC(=O)ORbである。
【0077】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R21とR22は、それらが結合している原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのR21bで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成する。
【0078】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R21bはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、-C=(O)Ra、-OC(=O)Ra、-C(=O)ORb、-OC(=O)ORb、-OC(=O)NRcRd、-NRbC(=O)NRcRd、-NRbC(=O)Ra、-NRbC(=O)ORb、C1-C6アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R21bはそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、C1-C6アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R21bはそれぞれ独立して、ハロゲンまたはC1-C6アルキルである。
【0079】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R7、R8、R9、およびR10は独立して、水素、重水素、ハロゲン、またはC1-C6アルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R7、R8、R9、およびR10は独立して、水素、ハロゲン、またはC1-C6アルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R7、R8、R9、およびR10は水素である。
【0080】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは、アリールまたはヘテロアリールである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aはヘテロアリールであるである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは5員のヘテロアリールであり、式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aはテトラゾリルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aはアリールである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルである。
【0081】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、nは0である。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、nは1である。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、nは2である。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、nは3である。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、nは4である。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、nは0または1である。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、nは0、1、または2である。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、nは1または2である。
【0082】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、RAはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、-C(=O)NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、RAはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、RAはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、RAはそれぞれ独立して、ハロゲン、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、RAはそれぞれ独立して、ハロゲンである。
【0083】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R6は、水素、-C(=O)R14、-C(=O)OR13、-C(=O)NR15R16、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C1-C6アルキル(アリール)、C1-C6アルキル(ヘテロアリール)、C1-C6アルキル(シクロアルキル)、またはC1-C6アルキル(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのR6aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R6は、水素、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、またはC1-C6アルキル(ヘテロアリール)であり、ここで、アルキル、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのR6aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R6は、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、またはC1-C6アルキル(ヘテロアリール)であり、ここで、アルキル、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのR6aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R6は、C1-C6アルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、またはC1-C6アルキル(ヘテロアリール)であり、ここで、アルキル、およびヘテロアリールは独立して、1つ、2つ、または3つのR6aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R6は、C1-C6ヒドロキシアルキルまたはC1-C6ヘテロアルキルであり、ここで、アルキルは独立して、1つ、2つ、または3つのR6aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R6は、水素、C1-C6ヒドロキシアルキル、またはC1-C6ヘテロアルキルであり、ここで、アルキルは独立して、1つ、2つ、または3つのR6aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R6はC1-C6ヒドロキシアルキルである。
【0084】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R6aはそれぞれ、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR13、-NR15R16、-C(=O)R14、-C(=O)OR13、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ヒドロキシアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R6aはそれぞれ、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR13、-NR15R16、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R6aはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OR13、-NR15R16、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R6aはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OR13、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、またはシクロアルキルである。
【0085】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R13はそれぞれ独立して、水素、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ジュウテロアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、ここで、アルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR13aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R13はそれぞれ独立して、水素、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり、ここで、アルキルはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR13aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R13はそれぞれ独立して、水素またはC1-C6アルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R13はそれぞれ独立して、C1-C6アルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R13はそれぞれ独立して、水素、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR13aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R13はそれぞれ独立して、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、またはシクロアルキルであり、ここで、アルキルとシクロアルキルはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR13aで任意選択で置換される。
【0086】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R13aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、-C(=O)NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R13aはそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R13aはそれぞれ独立して、ハロゲン、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R13aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、-C(=O)NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのオキソ、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R13aはそれぞれ独立して、-ORb、-C(=O)ORb、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、シクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのオキソ、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R13aはそれぞれ独立して、-ORb、-C(=O)ORb、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。
【0087】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R14はそれぞれ独立して、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、ここで、アルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR14aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R14はそれぞれ独立して、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり、ここで、アルキルはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR14aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R14はそれぞれ独立して、C1-C6アルキルである。
【0088】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R14aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、-C(=O)NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R14aはそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R14aはそれぞれ独立して、ハロゲン、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルである。
【0089】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R15とR16はそれぞれ独立して、水素、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、ここで、アルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR15aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R15とR16はそれぞれ独立して、水素、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり、ここで、アルキルはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR15aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R15とR16はそれぞれ独立して、水素、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり、ここで、アルキルはそれぞれ独立して、1つ、2つ、または3つのR15aで任意選択で置換される。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R15とR16はそれぞれ独立して、水素またはC1-C6アルキルである。
【0090】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R15aはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、-C(=O)NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R15aはそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R15aはそれぞれ独立して、ハロゲン、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R15とR16は、それらが結合している窒素原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのR15bで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成する。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R15とR16は、それらが結合している窒素原子と一体となって、ヘテロシクロアルキルを形成する。
【0091】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R15bはそれぞれ独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、-C(=O)NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R15bはそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-ORb、-NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、R15bはそれぞれ独立して、ハロゲン、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルである。
【0092】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、Raはそれぞれ独立して、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、Raはそれぞれ独立して、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、またはシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、Raはそれぞれ独立して、C1-C6アルキルまたはC1-C6ハロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、Raはそれぞれ独立して、C1-C6アルキルである。
【0093】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、Rbはそれぞれ独立して、水素、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、Rbはそれぞれ独立して、水素、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、またはシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、Rbはそれぞれ独立して、水素、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、Rbはそれぞれ独立して、水素またはC1-C6アルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、Rbはそれぞれ、水素である。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、Rbはそれぞれ独立して、C1-C6アルキルである。
【0094】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、RcとRdはそれぞれ独立して、水素、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、RcとRdはそれぞれ独立して、水素、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、またはシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、RcとRdはそれぞれ独立して、水素、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、RcとRdはそれぞれ独立して、水素またはC1-C6アルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、RcとRdはそれぞれ水素である。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、RcとRdはそれぞれ独立して、C1-C6アルキルである。
【0095】
式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、RcとRdは、それらが結合している窒素原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのハロゲン、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成する。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、RcとRdは、それらが結合している窒素原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのハロゲンあるいはC1-C6アルキルで任意選択で置換されたピロリジンを形成する。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、RcとRdは、それらが結合している窒素原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのハロゲンあるいはC1-C6アルキルで任意選択で置換されたピペリジンを形成する。式(I)、(Ia)、(Ib)、または(Ic)の化合物のいくつかの実施形態では、RcとRdは、それらが結合している窒素原子と一体となって、1つ、2つ、または3つのハロゲンあるいはC1-C6アルキルで任意選択で置換されたピペラジンを形成する。
【0096】
いくつかの実施では、化合物は、
【0097】
【0098】
様々な変数について上記の基の任意の組み合わせが本明細書において企図される。明細書全体にわたって、基とその置換基は、安定した部分と化合物を提供するために当業者によって選択される。
【0099】
いくつかの実施形態では、表1から選択される構造を有する化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体がある。
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
本明細書で開示された化合物のさらなる形態
異性体/立体異性体
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、幾何異性体として存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は1つ以上の二重結合を有する。本発明で提示される化合物は、すべてのシス(cis)、トランス(trans)、シン(syn)、アンチ(anti)、エントゲーゲン(entgegen)(E)、および、ツザーメン(zusammen)(Z)の異性体と、それらの対応する混合物を含む。状況によっては、本明細書に記載された化合物は1つ以上のキラル中心を有し、それぞれの中心は、特に定義されない限り、R配置またはS配置で存在する。本明細書に記載される化合物は、特に定義されない限り、ジアステレオマー、エナンチオマー、およびエピマーの形態、同様にそれらの対応する混合物すべてを含む。本明細書で提供される化合物および方法のさらなる実施形態では、単一の調製用の工程、組み合わせ、または、相互変換に由来する、エナンチオマーおよび/またはジアステレオイソマーの混合物は、本明細書に記載される用途に有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、化合物のラセミ混合物を光学的に活性な分割剤と反応させて一対のジアステレオイソマー化合物を形成し、ジアステレオマーを分離し、および、光学的に純粋なエナンチオマーを回収することにより、化合物の個々の立体異性体として調製される。いくつかの実施形態では、分離できる複合体が好ましい。いくつかの実施形態では、ジアステレオマーは、特徴的な物理的特性(例えば、融点、沸点、溶解度、反応性など)を備えており、これらの相違点を利用することにより分離される。いくつかの実施形態では、ジアステレオマーは、キラルクロマトグラフィー、または好ましくは、溶解度の相違に基づく分離/分割技術によって分離される。いくつかの実施形態では、光学的に純粋なエナンチオマーは分割剤とともに回収される。
【0111】
標識化合物
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、同位体標識された形態で存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、そのような同位体標識された化合物の投与によって疾患を処置する方法を含んでいる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、医薬組成物のような同位体標識された化合物を投与することによって疾患を処置する方法を含む。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で開示される化合物は、1またはそれ以上の原子が通常自然で見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を備えた原子によって置き換えられるという事実を別にすれば、本明細書で列挙されるものと同一である、同位体標識された化合物を含む。本明細書で開示される化合物、あるいはその溶媒和物または立体異性体に組み込むことができる同位体の例としては、それぞれ、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、および36Clなどの、水素、炭素、窒素、酸素、亜リン酸、硫黄、フッ素、および塩化物の同位体が挙げられる。本明細書に記載される化合物と、前述の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有するその代謝物、薬学的に許容可能な塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、または、誘導体は、本発明の範囲内である。特定の同位体標識された化合物、例えば、3Hや14Cなどの放射性同位体が組み込まれる同位体標識された化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイで有用である。トリチウム標識した、すなわち、3H、および炭素-14、すなわち、14C同位体は、調製および検出しやすいことから特に好まれている。さらに、重水素、すなわち、2Hなどの重同位体による置換は、代謝の一層の安定に由来する特定の治療上の利点、例えば、インビボでの半減期の増加または必要投与量の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、同位体標識された化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体は、任意の適切な方法によって調製される。
【0112】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、限定されないが、発色団または蛍光部分、生物発光標識、あるいは化学発光標識を含む他の手段によって標識される。
【0113】
薬学的に許容可能な塩
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物はその薬学的に許容可能な塩として存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、そのような薬学的に許容可能な塩を投与することによって疾患を処置する方法を含んでいる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、そのような薬学的に許容可能な塩を医薬組成物として投与することによって疾患を処置する方法を含んでいる。
【0114】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、酸性基または塩基性基を有し、ゆえに、多くの無機塩基または有機塩基、ならびに無機酸および有機酸のいずれかと反応することで、薬学的に許容可能な塩を形成する。いくつかの実施形態では、これらの塩は、本明細書に開示される化合物の最終的な単離と精製の間に、あるいは、遊離形態の精製された化合物を適切な酸または塩基と別々に反応させて、こうして形成された塩を単離させることによって、インサイチュで調製される。
【0115】
薬学的に許容可能な塩の例は、本明細書に記載される化合物の、無機質、有機酸、または無機塩基との反応によって調製される塩を含み、そのような塩としては、酢酸塩、アクリル酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、重亜硫酸塩、臭化物、酪酸塩、ブチン-1,4-ジオエート、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、カプロン酸塩、カプリル酸塩、クロロ安息香酸塩、塩化物、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、デカン酸塩、ジグルコン酸塩、リン酸二水素、ジニトロ安息香酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩(glucoheptanoate)、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘキシン-1,6-ジオエート、ヒドロキシ安息香酸塩、γ-ヒドロキシ酪酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヨウ化物、イソ酪酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、マンデル酸塩 メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メトキシ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、リン酸一水素、1-ナフタレンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、パルモエート(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-プロピオン酸フェニル、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ピロ硫酸塩、ピロリン酸塩、プロピオール酸塩、フタル酸塩、フェニル酢酸塩、フェニル酪酸塩、プロパンスルホン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシレートウンデコネート(tosylateundeconate)、および、キシレンスルホン酸塩が挙げられる。
【0116】
さらに、本明細書に記載される化合物は、化合物の遊離塩基形態を、薬学的に許容可能な無機酸または有機酸と反応させることによって形成される薬学的に許容可能な塩として調製可能であり、限定されないが、無機酸は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタリン酸などを含み、および、有機酸は、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、p-トルエンスルホン酸、酒石酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、アリールスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4’-メチレンビス-(3-ヒドロキシ-2-エン-1-カルボン酸)、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、およびムコン酸などを含む。
【0117】
いくつかの実施形態では、遊離酸基を含む本明細書に記載されるこれらの化合物は、水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩などの薬学的に許容可能な金属カチオンの適切な塩基と、アンモニアと、または、薬学的に許容可能な有機の一級アミン、二級アミン、三級アミン、または四級アミンと反応する。代表的な塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、および、マグネシウムなどのアルカリまたはアルカリ土類塩、ならびに、アルミニウム塩などを含む。塩基の例示的な例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化コリン(choline hydroxide)、炭酸ナトリウム、N+(C1-4アルキル)4などを含んでいる。
【0118】
塩基付加塩の形成に役立つ代表的な有機アミンは、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどを含む。本明細書に記載される化合物は、それらが包含する任意の塩基窒素含有基の四級化も含むことに留意する。いくつかの実施形態では、水溶性または油溶性または分散性の生成物は、このような四級化によって得られる。
【0119】
溶媒和物
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は溶媒和物として存在する。本発明は、そのような溶媒和物を投与することによって疾患を処置する方法を提供する。本発明は、そのような溶媒和物を医薬組成物として投与することによって疾患を処置する方法をさらに提供する。
【0120】
溶媒和物は、化学量論量または非化学量論量の溶媒を含み、実施形態によっては、例えば、水、エタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒を用いて結晶化のプロセス中に形成される。水和物は溶媒が水である場合に形成され、あるいは、アルコラートは溶媒がアルコールである場合に形成される。本明細書に記載される化合物の溶媒和物は、本明細書に記載されるプロセス中に都合よく調製または形成される。ほんの一例ではあるが、本明細書に記載される化合物の水和物は、限定されないが、ジオキサン、テトラヒドロフラン、または、メタノールなどを含む有機溶媒を用いて、水性/有機溶媒混合物からの再結晶によって都合よく調製可能である。加えて、本明細書で提供される化合物は、溶媒和形態と同様に、非溶媒和形態でも存在し得る。一般的に、溶媒和形態は、本明細書で提供される化合物および方法の目的のため、非溶媒和形態と同等であるとみなされる。
【0121】
互変異性体
状況によっては、化合物は互変異性体として存在する。本明細書に記載される化合物は、本明細書に記載される式中で可能なあらゆる互変異性体を含んでいる。互変異性体は、単結合と隣接する二重結合の切り替えを伴う、水素原子の遊走によって相互転換できる化合物である。互変異性化が可能な結合構造において、互変異性体の化学平衡が存在する。本明細書に開示された化合物のすべての互変異性型が企図される。互変異性体の正確な比は、温度、溶媒、およびpHを含むいくつかの因子に依存する。
【0122】
化合物の調製
本明細書で記載される反応で使用される化合物は、市販の化学物質および/または化学的な文献に記載される化合物から始まる、当業者に知られている有機合成技術によって作られる。「市販の化学物質」は、Acros Organics(Pittsburgh,PA),Aldrich Chemical(Milwaukee,WI,including Sigma Chemical and Fluka),Apin Chemicals Ltd.(Milton Park,UK),Avocado Research(Lancashire,U.K.),BDH Inc.(Toronto,Canada),Bionet(Cornwall,U.K.),Chemservice Inc.(West Chester,PA),Crescent Chemical Co.(Hauppauge,NY),Eastman Organic Chemicals,Eastman Kodak Company(Rochester,NY),Fisher Scientific Co.(Pittsburgh,PA),Fisons Chemicals(Leicestershire,UK),Frontier Scientific(Logan,UT),ICN Biomedicals,Inc.(Costa Mesa,CA),Key Organics(Cornwall,U.K.),Lancaster Synthesis(Windham,NH),Maybridge Chemical Co. Ltd.(Cornwall,U.K.),Parish Chemical Co.(Orem,UT),Pfaltz & Bauer,Inc.(Waterbury,CN),Polyorganix(Houston,TX),Pierce Chemical Co.(Rockford,IL),Riedel de Haen AG(Hanover,Germany),Spectrum Quality Product,Inc.(New Brunswick,NJ),TCI America(Portland,OR),Trans World Chemicals,Inc.(Rockville,MD)、およびWako Chemicals USA,Inc.(Richmond,VA)を含む、標準的な商用源から得られる。
【0123】
本明細書に記載される化合物の調製に役立つ反応物の合成を詳述するか、または調製について記載する文献に対する言及を提供する適切な書籍および論文は、例えば、“Synthetic Organic Chemistry”, John Wiley & Sons, Inc., New York; S. R. Sandler et al., “Organic Functional Group Preparations,”2nd Ed., Academic Press, New York, 1983; H. O. House, “Modern Synthetic Reactions”, 2nd Ed., W. A. Benjamin, Inc. Menlo Park, Calif. 1972; T. L. Gilchrist, “Heterocyclic Chemistry”, 2nd Ed., John Wiley & Sons, New York, 1992; J. March, “Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms and Structure”, 4th Ed., Wiley Interscience, New York, 1992を含む。本明細書に記載される化合物の調製に有用な反応物の合成を詳述するか、または調製について記載する記事を参照する、追加の適切な参考文献および論文は、例えば、Fuhrhop, J. and Penzlin G. “Organic Synthesis: Concepts, Methods, Starting Materials”, Second, Revised and Enlarged Edition (1994) John Wiley & Sons ISBN: 3 527-29074-5; Hoffman, R.V. “Organic Chemistry, An Intermediate Text” (1996) Oxford University Press, ISBN 0-19-509618-5; Larock, R. C. “Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations” 2nd Edition (1999) Wiley-VCH, ISBN: 0-471-19031-4; March, J. “Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure” 4th Edition (1992) John Wiley & Sons, ISBN: 0-471-60180-2; Otera, J. (editor) “Modern Carbonyl Chemistry” (2000) Wiley-VCH, ISBN: 3-527-29871-1; Patai, S. “Patai’s 1992 Guide to the Chemistry of Functional Groups” (1992) Interscience ISBN: 0-471-93022-9; Solomons, T. W. G. “Organic Chemistry” 7th Edition (2000) John Wiley & Sons, ISBN: 0-471-19095-0; Stowell, J.C., “Intermediate Organic Chemistry” 2nd Edition (1993) Wiley-Interscience, ISBN: 0-471-57456-2; 全8巻の“Industrial Organic Chemicals: Starting Materials and Intermediates: An Ullmann’s Encyclopedia” (1999) John Wiley & Sons, ISBN: 3-527-29645-X;55巻にわたる“Organic Reactions” (1942-2000) John Wiley & Sons;および、全73巻の“Chemistry of Functional Groups” John Wiley & Sonsを含む。
【0124】
特定の類似した反応物は、ほとんどの公立図書館や大学の図書館で、および、オンラインデータサービスを介して入手可能である米国化学学会のChemical Abstract Serviceによって調製される既知の化学製品の指標によって随意に識別される(詳細については、ワシントンDCのAmerican Chemical Societyにお問い合わせください)。知られてはいるがカタログで販売されていない化学製品は、特注の化学合成会社(custom chemical synthesis houses)によって任意選択で調製され、標準的な薬品供給会社(例えば、上に列挙した会社)の多くは特注合成サービスを提供している。本明細書に記載される化合物の薬学的な塩の調製および選択については、P.H.Stahl & C.G.Wermuth “Handbook of Pharmaceutical Salts”, Verlag Helvetica Chimica Acta,Zurich,2002を参照。
【0125】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、スキーム1と2で概説されるように調製される。
【0126】
【0127】
医薬組成物
特定の実施形態では、本明細書で開示されるような化合物は、純粋な化学薬品として投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で開示される化合物は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy (Gennaro, 21st Ed.Mack Pub.Co.,Easton,PA(2005))に記載されるような選択された投与経路と標準の薬務に基づいて選択される、薬学的に適切または許容可能な担体(本明細書では薬学的に適切な(または許容可能な)賦形剤、生理学的に適切な(または許容可能な)賦形剤、あるいは生理学的に適切な(または許容可能な)担体とも呼ばれる)と組み合わされる。
【0128】
したがって、1つ以上の薬学的に許容可能な担体とともに、本明細書で開示される少なくとも1つの化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体を含む医薬組成物が本明細書で提供される。担体(または賦形剤)は、組成物の他の成分と適合性があり、かつ、組成物のレシピエント(すなわち、対象)に有害ではない場合に、許容可能であるか、または適切である。
【0129】
1つの実施形態は、薬学的に許容可能な賦形剤、および、本明細書で開示される化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体を含む医薬組成物を提供する。
【0130】
特定の実施形態では、本明細書で開示される化合物は、例えば、合成方法の工程の1つ以上で作製される未反応の中間物または合成副産物などの他の有機的な小分子を約5%未満または約1%未満または約0.1%未満含んでいるという点で、実質的に純粋である。
【0131】
医薬組成物は、処置される(または予防される)疾患に対して適切なやり方で投与される。適切な用量および投与の適切な持続時間と頻度は、患者の疾病、患者の疾患のタイプおよび重症度、有効成分の特定の形態、および投与の方法などの因子によって決定される。一般に、適切な用量および処置のレジメンは、より頻繁な完全寛解または部分寛解、あるいはより長い無病生存期間および/または全生存率、あるいは症状の重症度の低下などの、治療上のおよび/または予防的な恩恵(例えば、臨床結果の改善)をもたらすのに十分な量で組成物を提供する。最適な用量は一般に実験モデルおよび/または臨床試験を使用して決定される。最適な用量は患者の体型、体重、または血液量によって変わる。
【0132】
経口用量は典型的には1日当たり1~4回またはそれ以上、約1.0mg~約1000mgまでの範囲である。
【0133】
処置方法
本明細書に開示される化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体は、CD73の阻害剤として有用であり、したがって、CD73活性が役割を果たすと信じられている疾患または障害の処置に役立つ。いくつかの実施形態では、疾患または障害は癌である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は感染症である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は神経変性疾患である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は精神障害である。
【0134】
CD73によって媒介される疾患を抱える対象を処置する方法が本明細書で開示され、上記方法は、有効量の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体を、対象に投与する工程を含む。
【0135】
癌
CD73は、多くの癌細胞株、および、乳癌、大腸癌、卵巣癌、胃癌、ならびに胆嚢癌を含み、かつ、予後不良に関連する腫瘍型で過剰発現することがわかっている。CD73は癌の発生で鍵となるタンパク質分子であることを示す証拠が増えている。
【0136】
CD73のより高い発現レベルは、腫瘍血管新生、侵襲性、化学療法に対する耐性、および転移、ならびに癌患者の短い生存期間とに関連付けられる。いくつかの実施形態では、本明細書で開示される化合物は、腫瘍血管新生、侵襲性、化学療法に対する耐性、および転移を減少させること、ならびに癌患者における患者の生存期間を長くすることに有用である。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるCD73阻害剤は、腫瘍血管新生、進行、化学療法に対する耐性、および転移を制御するために使用される。
【0137】
1つの実施形態は、対象の癌を処置する方法を提供し、上記方法は、化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体を投与する工程を含む。
【0138】
いくつかの実施形態では、癌は、化学療法抵抗性の癌、放射線抵抗性の癌、抗ホルモン治療抵抗性の癌、または治療難治性の癌である。いくつかの実施形態では、癌は、再発した癌、持続性癌、あるいは再発癌である。本明細書で提供される別の実施形態は、癌再発の発生率を低下させる方法について記載している。いくつかの実施形態では、治療抵抗性の癌を処置する方法も本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、癌は転移性癌である。
【0139】
特定の実施形態では、本明細書で提供される方法で治療可能な癌としては、限定されないが、(1)急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、例えば、骨髄芽球、前骨髄球、骨髄単球性、単球、赤白血病の白血病など、および骨髄異形成症候群またはその症状(貧血症、血小板減少症、好中球減少症、二血球減少症、または汎血球減少症)、不応性貧血(RA)、環状鉄芽球性RA(RARS)、過剰芽細胞を伴うRA(RAEB)、形質転換RAEB(RAEBT)、前白血病、および、慢性骨髄性単球性白血病(CMML)を含む、白血病、(2)限定されないが、慢性骨髄球性(顆粒球性)白血病、慢性リンパ性白血病、およびヘアリー細胞白血病を含む、慢性白血病、(3)真性赤血球増加症、(4)限定されないが、ホジキン病および非ホジキン病を含む、リンパ腫、(5)限定されないが、くすぶり型多発性骨髄腫、非分泌性骨髄腫、骨硬化性骨髄腫、形質細胞性白血病、孤立性形質細胞腫、および髄外形質細胞腫を含む、多発性骨髄腫、(6)ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、(7)意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症、(8)良性単クローン性ガンマグロブリン血症、(9)H鎖病、(10)限定されないが、骨肉腫(bone sarcoma)、骨肉腫(osteosarcoma)、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性巨細胞腫、骨線維肉腫、脊索腫、骨膜肉腫、軟部組織肉腫、血管肉腫(angiosarcoma)(血管肉腫(hemangiosarcoma))、線維肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、転移性癌、神経鞘腫、横紋筋肉腫、および滑膜肉腫を含む、骨と結合組織の肉腫、(11)限定されないが、神経膠腫、星細胞腫、脳幹神経膠腫、上衣腫、乏突起神経膠腫、非グリア腫瘍、聴神経腫、頭蓋咽頭腫、髄芽腫、髄膜腫、ピネオサイトーマ、松果体芽腫、および原発性脳リンパ腫を含む、脳腫瘍、(12)限定されないが、腺癌、小葉(小細胞)癌、分泌管内癌、髄質性乳癌、粘液性乳癌、管状乳癌、乳頭状乳癌、原発性癌、パジェット病、および炎症性乳癌を含む、乳癌、(13)限定されないが、褐色細胞腫と副腎皮質細胞腫を含む、副腎癌、(14)限定されないが、乳頭癌または濾胞性甲状腺癌、甲状腺髄様癌、および組織非形成性甲状腺癌を含む、甲状腺癌、(15)限定されないが、インスリノーマ、ガストリノーマ、グルカゴノーマ、ビポーマ、ソマトスタチンを分泌する腫瘍、およびカルチノイドあるいは島細胞腫を含む、膵臓癌、(16)限定されないが、クッシング病、プロラクチン分泌腫瘍、先端巨大症、および尿崩症を含む、下垂体癌、(17)限定されないが、眼の黒色腫、例えば、虹彩黒色腫、毛様体黒色腫、および、網膜芽細胞腫を含む、眼癌、(18)限定されないが、有棘細胞癌、腺癌、および黒色腫を含む、膣癌、(19)限定されないが、扁平上皮癌、黒色腫、腺癌、基底細胞癌、肉腫、およびパジェット病を含む、外陰癌、(20)限定されないが、扁平上皮癌および腺癌を含む、子宮頚癌、(21)限定されないが、子宮内膜癌と子宮肉腫を含む、子宮癌、(22)限定されないが、卵巣上皮癌、境界型腫瘍、胚細胞性腫瘍、および間質性腫瘍を含む、卵巣癌、(23)限定されないが、扁平上皮癌、腺癌、腺様嚢胞癌、粘液性類表皮癌、腺扁平上皮癌、肉腫、黒色腫、形質細胞腫、いぼ状癌、および燕麦細胞(小細胞)細胞腫を含む、食道癌、(24)限定されないが、腺癌、肉芽腫性(ポリープ状)、潰瘍性、表在拡大型、散在性拡大型、悪性リンパ腫、脂肪肉腫、線維肉腫、および癌肉腫を含む、胃癌、(25)結腸癌、(26)直腸癌、(27)限定されないが、肝細胞癌と肝芽腫を含む、肝臓癌、(28)限定されないが、腺癌を含む、胆嚢癌、(29)限定されないが、乳頭状、結節性、および、拡散性を含む、胆管細胞癌、(30)限定されないが、非小細胞肺癌、扁平上皮癌(類表皮癌)、腺癌、大細胞癌、および小細胞肺癌を含む、肺癌、(31)限定されないが、胚腫瘍、精上皮腫、未分化の、古典的(典型的)、精子細胞、非セミノーマ、胎児性癌、奇形腫細胞腫、および絨毛癌(卵黄嚢腫瘍)を含む、精巣癌、(32)限定されないが、腺癌、平滑筋肉腫、および横紋筋肉腫を含む、前立腺癌、(33)陰茎癌、(34)限定されないが、扁平上皮癌を含む、口腔癌、(35)基底癌、(36)限定されないが、腺癌、粘液性類表皮癌、および腺様嚢胞癌を含む、唾液腺癌、(37)限定されないが、扁平上皮癌およびいぼ状癌を含む、咽頭癌、(38)限定されないが、基底細胞癌、扁平上皮癌、および黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節性黒色腫、黒子悪性黒色腫、および末端性黒子性黒色腫を含む、皮膚癌、(39)限定されないが、腎細胞癌、腺癌、副腎腫、線維肉腫、および移行細胞癌(腎盂および/または腎尿管)を含む、腎癌、(40)ウィルムス腫瘍、(41)限定されないが、移行上皮癌、扁平上皮癌、腺癌、および癌肉腫を含む、膀胱癌、(42)子宮頚癌、子宮癌、卵巣癌、あるいは精巣癌などの生殖癌、(43)食道癌、(44)喉頭癌、(45)頭頚部癌(口、鼻、咽喉、喉頭、洞、または唾液腺の癌を含む)、ならびに、限定されないが、粘液肉腫、骨原性肉腫、内皮肉腫、リンパ管内皮肉腫、中皮腫、滑膜腫、血管芽細胞腫、上皮癌、嚢胞腺癌、気管支原生癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌、および、乳頭状腺癌を含む、他の癌を含む(Fishman et al., 1985,Medicine, 2d Ed., J.B. Lippincott Co., Philadelphia and Murphy et al., 1997, Informed Decisions:The Complete Book of Cancer Diagnosis, Treatment, and Recovery, Viking Penguin, Penguin Books U.S.A.,Inc.,United States of Americaを参照)。
【0140】
特定の実施形態では、本明細書で提供される方法で治療可能な癌は、血液悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍はT細胞悪性腫瘍である。特定の実施形態では、T細胞悪性腫瘍は、非特定型末梢T細胞リンパ腫(peripheral T-cell lymphoma not otherwise specified)(PTCL-NOS)、未分化大細胞リンパ腫、血液免疫芽細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)、分芽型NK細胞リンパ腫、腸疾患型T細胞リンパ腫、肝脾(hematosplenic)ガンマ-デルタT細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、鼻のNK/T細胞リンパ腫、あるいは処置に関連するT細胞リンパ腫である。
【0141】
いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍はB細胞悪性腫瘍である。特定の実施形態では、B細胞悪性腫瘍は、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性単球性白血病(AMoL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、ハイリスクの慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、ハイリスクの小リンパ球性リンパ腫(SLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、多発性骨髄腫、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、結節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫、原発性縦隔洞B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓周辺帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔洞(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性体腔性リンパ腫、またはリンパ腫様肉芽腫症を含む。特定の実施形態では、B細胞悪性腫瘍は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。特定の実施形態では、DLBCLは、活性化B細胞DLBCL(ABC-DLBCL)、DLBCLのような胚中心B細胞(GBC-DLBCL)、ダブルヒットDLBCL(DH-DLBCL)、またはトリプルヒットDLBCL(TH-DLBCL)である。
【0142】
特定の実施形態では、本明細書で提供される方法で治療可能な癌は、肺癌、黒色腫、乳癌、卵巣癌、大腸癌、胃癌、胆嚢癌、または前立腺癌である。
【0143】
特定の実施形態では、本明細書で提供される方法で治療可能な癌は、CD73を発現する。特定の実施形態では、本明細書で提供される方法で治療可能な癌は、CD73を過剰発現する。特定の実施形態では、CD73は、本明細書で提供される方法で治療可能な癌においてアップレギュレートされる。
【0144】
感染症
多くの研究で、様々な微生物によって誘導される感染中のCD39/CD73軸の活性の変化が示されてきた。1つの実施形態は、対象の感染症を処置する方法を提供し、上記方法は、本明細書で開示された化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体を対象に投与する工程を含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、感染症は、ウイルス感染症、細菌感染症、または寄生虫感染症である。
【0146】
寄生虫感染症
いくつかの実施形態では、感染は寄生虫感染症である。いくつかの実施形態では、寄生虫感染症は原生動物への対象の感染によって引き起こされる。いくつかの実施形態では、原生動物は、アカントアメーバ、バベシア、バランチジウム、クリプトスポリジウム、ジエントアメーバ、アイメリア、エントアメーバ、ジアルジア、イソスポラ、リーシュマニア、ナグレリア、ネオスポラ、プラスモジウム、サルコシスチス、タイレリア、トキソプラスマ、トリコモナス、トリパノソーマの属、またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、寄生虫感染症はトキソプラズマ・ゴンディ(T.gondii)による感染によって引き起こされる。いくつかの実施形態では、寄生虫感染症はトキソプラズマ症である。いくつかの実施形態では、トキソプラズマ症は、急性のトキソプラズマ症、潜在性トキソプラズマ症、または皮膚のトキソプラズマ症である。
【0147】
急性トキソプラズマ症:急性トキソプラズマ症はしばしば健康な成体では無症状である。しかしながら、症状が現われることもあり、多くの場合、インフルエンザのようなもの:1ヶ月以上続く腫脹リンパ節、頭痛、熱、疲労、または筋肉痛と疼痛である。まれに、十分に機能する免疫系を持つヒトは、感染後に重度の症状を呈する。免疫系が弱っている人は、頭痛、錯乱、協調性の低下、痙攣、結核やニューモシスティス・ジロベシ肺炎(AIDS患者によく見られる日和見感染症)に似た肺の問題、網膜の重度の炎症による目のかすみ(眼球トキソプラズマ症)などを経験しやすい。幼い子どもや免疫不全の人、例えば、HIV/AIDS患者、特定の化学療法を受けている患者、臓器移植を受けたばかりの患者は、重度のトキソプラズマ症を発症する可能性がある。場合によっては、トキソプラズマ症は脳(脳炎)や目(壊死性網脈絡膜炎)に損傷を与えることもある。胎盤を介して感染した乳児は、新生児ではまれであるが、こうした問題や鼻の奇形のいずれかを持って生まれてくることがある。急性トキソプラズマ症の原因となるトキソプラズマ性トロポゾアイトはタキゾアイトと呼ばれ、典型的には体液中に存在する。
【0148】
潜在性トキソプラズマ症:無症状であるため、知らないうちに宿主がトキソプラズマ・ゴンドイに感染してトキソプラズマ症を発症しやすい。感染後の最初の数週間は、軽いインフルエンザのような症状がときおり現れることがあるが、トキソプラズマ・ゴンディに感染しても、健康な成人では観察可能な症状は現れない。ほとんどの免疫不全の人では、感染は潜伏期に入り、その間はブラディゾイト(組織嚢胞)のみが存在し、これらの組織嚢胞や病変は、網膜、肺の肺胞の裏(急性感染症はニューモシスティス・ジロベシ肺炎を模倣することがある)、心臓、骨格筋、および脳を含む中枢神経系(CNS)で発生する可能性がある。トキソプラズマ・ゴンディに感染すると中枢神経系(脳組織)に嚢胞が形成され、宿主の生涯にわたって持続する。子宮内で感染した乳児のほとんどは、出生時には症状はないが、後に症状が出ることがある。
【0149】
皮膚トキソプラズマ症:いくつかの実施形態では、皮膚病変は、疾患の後天的な形態で生じ、これには、バラ疹および多形紅斑様発疹、痒疹様結節、蕁麻疹、および斑点状丘疹病変が含まれる。新生児には、穿孔性黄斑や奇形がみられることがある。皮膚トキソプラズマ症の診断は、トキソプラズマ・ゴンディのタキゾイト型が表皮に存在することに基づいて行われる。
【0150】
ウイルス感染
いくつかの実施形態では、感染はウイルス感染である。特定の実施形態では、本明細書で提供される方法で治療可能なウイルス感染は、限定されないが、水痘、インフルエンザ(flu)(インフルエンザ(influenza))、ヘルペス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV/AIDS)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、感染性腺熱、ムンブス、麻疹、風疹、帯状疱疹、ウイルス性胃腸炎(胃インフルエンザ)、ウイルス性肝炎、ウイルス髄膜炎、およびウイルス性肺炎を含む。
【0151】
神経変性疾患
中枢神経系では、アデノシンは多くの神経機能の制御に重要な役割を果たす。アデノシンは、P1受容体の活性化を介して、睡眠の調節、一般的な覚醒状態と活性、局所的なニューロンの興奮性、およびエネルギー需要に対する脳血流の結合などの多様な生理学的および病理学的なプロセスに関与している。いくつかの実施形態では、CD73阻害剤を介するアデノシン産生の操作は、神経変性疾患において治療用可能性を有する。1つの実施形態は、対象の神経変性疾患を処置する方法を提供し、上記方法は、本明細書で開示された化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体を対象に投与する工程を含む。特定の実施形態では、本明細書で提供される治療可能な神経変性疾患は、限定されないが、アルツハイマー病、パーキンソン病、およびハンチントン病を含む。1つの実施形態は、対象の精神障害を処置する方法を提供し、上記方法は、本明細書で開示された化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体を対象に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、精神障害は統合失調症または自閉症である。
【0152】
併用療法
特定の例において、本明細書で開示される化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体は、第2の治療剤と組み合わせて投与される。
【0153】
いくつかの実施形態では、患者が受ける効果は、本明細書に記載される化合物の1つを、同様に治療効果を有する第2の治療剤(治療レジメンも含む)とともに投与することによって増加する。
【0154】
1つの具体的な実施形態では、本明細書で開示される化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体は、第2の治療剤と同時投与され、ここで、本明細書で開示される化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体、および第2の治療剤は、処置されている疾患、障害、または疾病の様々な態様を調整し、それによって、一方の治療剤単独の投与よりも大きな全体的な効果を提供する。
【0155】
あらゆる場合において、処置されている疾患、障害、または疾病にかかわらず、患者が経験する全体的な有用性は、2つの治療剤の単なる加算であるか、または患者は相乗的な有用性を経験する。
【0156】
特定の実施形態では、様々な治療上有効量の本明細書で開示される化合物は、本明細書に開示される化合物が第2の治療剤と組み合わせて投与される際、医薬組成物の製剤化および/または処置レジメンにおいて利用される。併用療法レジメンで使用される薬物および他の薬剤の治療上有効量は、有効成分自体に対して上に明記された手段と類似した手段によって随意に決定される。さらに、本明細書に記載される予防/処置の方法は、規則正しい(metronomic)投薬の使用を包含する、つまり、毒性の副作用を最小限に抑えるために、もっと頻繁に、より少ない投与量を提供する。いくつかの実施形態では、併用療法レジメンは、本明細書で開示される化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体の投与が、本明細書に記載される第2の薬剤による処置の前に、間に、または後に始められ、第2の薬剤による処置の間または第2の薬剤による処置の終了後のあらゆる時点まで継続する、処置レジメンを包含している。それは、本明細書で開示される化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体、および併用して使用されている第2の薬剤が、同時にまたは様々な時間に、ならびに/あるいは、処置期間中に減少する間隔または増加する間隔で、投与される処置をさらに含む。併用処置はさらに、患者の臨床管理を支援するために様々な時点で開始および停止される定期的な処置も含む。
【0157】
救済が求められている疾病を処置するか、予防するか、改善するための投与レジメンは、様々な因子(例えば、対象が苦しんでいる疾患、障害、または疾病、対象の年齢、体重、性別、食事、および病状)に合わせて修正されることを理解されたい。したがって、いくつかの例では、実際に利用される投与レジメンは変化し、いくつかの実施形態では、本明細書に明記される投与レジメンから逸脱する。
【0158】
本明細書に記載される併用療法に関して、同時投与された化合物の投与量は、使用される特定の共薬の種類、使用される特定の薬物、処置されている疾患または疾病などによって変わる。さらなる実施形態では、第2の治療剤と同時投与される際、本明細書で提供される化合物は、第2の治療剤と同時に、または連続して投与される。
【0159】
併用療法では、複数の治療剤(その1つは本明細書に記載される化合物の1つである)は、任意の順序で、あるいは同時でも投与される。投与が同時である場合、複数の治療剤は、ほんの一例として、単一の統一した形態で、または複数の形態で(例えば、単一の丸剤、または2つの別個の丸剤として)提供される。
【0160】
本明細書で開示される化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体は、併用治療薬と同様に、疾患または疾病の発症の前、その間、またはその後に投与され、化合物を含有する組成物の投与のタイミングは変動する。したがって、1つの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、疾患または疾病の発症を防ぐために、予防薬として使用され、かつ、疾患または疾病にかかる傾向のある対象に継続的に投与される。別の実施形態では、化合物および組成物は、症状の発症の間に、またはその後できるだけ早く対象に投与される。特定の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、疾患または疾病の発症が検出されたまたは疑われた後に実行可能となってすぐに、かつ、疾患の処置に必要な期間にわたって、投与される。いくつかの実施形態では、処置に必要な期間は様々であり、処置期間は各対象の具体的なニーズに合わせて調整される。例えば、具体的な実施形態では、本明細書に記載される化合物または化合物を含有している製剤は、少なくとも2週間、約1か月~約5年間投与される。
【0161】
特定の実施形態では、第2の治療剤はアジュバントである。特定の実施形態では、第2の治療剤は抗癌剤である。特定の実施形態では、第2の治療剤は制吐剤である。特定の実施形態では、第2の治療剤は抗感染症薬である。特定の実施形態では、第2の治療剤は抗ウイルス剤である。特定の実施形態では、第2の治療剤は抗菌剤である。
【0162】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体は、アジュバントと組み合わせて投与される。1つの実施形態では、本明細書に記載される化合物の1つの治療効果は、アジュバントの投与により増強される(すなわち、アジュバントはそれ自体では最小限の治療的有用性しか有していないが、別の治療剤と組み合わせると、患者に対する総合的な治療的有用性が増強される)。いくつかの実施形態では、本明細書で開示される化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体は、抗癌剤と組み合わせて投与される。
【0163】
いくつかの実施形態では、抗癌剤はホルモン遮断療法である。
【0164】
ホルモン阻害療法は、エストロゲンの産生を遮断するか、またはエストロゲン受容体を遮断する薬剤の使用を含む。いくつかの実施形態では、ホルモン遮断療法は、エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤の使用を含む。エストロゲン受容体モジュレーターは、トリフェニルエチレン誘導体(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ドロロキシフェン、3-ヒドロキシタモキシフェン、イドキシフェン、TAT-59(4-ヒドロキシタモキシフェンのリン酸化誘導体)、およびGW5638(タモキシフェンのカルボン酸誘導体))、非ステロイド性エストロゲン受容体モジュレーター(例えば、ラロキシフェン、LY353381(SERM3)、およびLY357489)、ステロイド性エストロゲン受容体モジュレーター(例えば、ICI-182,780)を含む。アロマターゼ阻害剤は、ステロイド性アロマターゼ阻害剤および非ステロイド性アロマターゼ阻害剤を阻害剤阻害剤含む。ステロイド性アロマターゼ阻害剤は、限定されないが、エキセメスタンを含む。非ステロイド性アロマターゼ阻害剤は、限定されないが、アナストロゾールとレトロゾールを含む。
【0165】
特定の実施形態では、本明細書で開示される化合物は、限定されないが、ネイキッドモノクローナル抗体薬物、および、コンジュゲートしたモノクローナル抗体薬物を含む、1つ以上の受動免疫療法と組み合わせて使用される。使用することができるネイキッドモノクローナル抗体薬物の例としては、限定されないが、CD20抗原に対する抗体であるリツキシマブ、HER2タンパク質に対する抗体であるトラスツズマブ、CD52抗原に対する抗体であるアレムツズマブ、EGFRタンパク質に対する抗体であるセツキシマブ、および、VEGFタンパク質の抗血管形成阻害剤であるベバシズマブを含む。
【0166】
コンジュゲートしたモノクローナル抗体の例としては、限定されないが、放射標識された抗体イブリツモマブチウキセタン、放射標識された抗体トシツモマブ、および、カリケアマイシンを含むイムノトキシンゲムツズマブオゾガマイシン、抗CD22モノクローナル抗体イムノトキシンコンジュゲートであるBL22、OncoScint(登録商標)やProstaScint(登録商標)などの放射標識された抗体、ブレンツキシマブベドチン、および、アド-トラスツズマブエムタンシンを含む。
【0167】
使用することができる治療用抗体のさらなる例としては、限定されないが、血小板上の糖タンパク質IIb/IIIa受容体に対する抗体であるアブシキシマブ、免疫抑制のヒト化抗CD25モノクローナル抗体であるダクリズマブ、マウス抗17-IA細胞表面抗原IgG2a抗体であるエドレコロマブ、マウス抗イディオタイプ(GD3エピトープ)IgG抗体であるBEC2、キメラ抗EGFR IgG抗体であるIMC-C225、ヒト化抗aVbeta 3インテグリン抗体であるVITAXIN(登録商標)、ヒト化抗CD52 IgG1抗体であるキャンパス1H/LDP-03、ヒト化抗CD33 IgG抗体であるSmart M195、ヒト化抗CD22 IgG抗体であるエプラツズマブ、リンフォスキャン(Lymphoscan)、ビジリズマブ、ヒト化抗ICAM3抗体であるCM3、霊長類化抗CD80抗体であるIDEC-114、ヒト化抗Cd40L抗体であるIDEC-131、霊長類化抗Cd4抗体であるIDEC-151、霊長類化抗CD23抗体であるIDEC-152、ヒト化抗CD3 IgGであるSMART抗CD3、ヒト化抗補体因子5(C5)抗体である5G1.1、ヒト化抗-TNFα抗体であるD2E7、ヒト化抗-TNFαFAbフラグメントであるCDP870、霊長類化抗Cd4 IgG1抗体であるIDEC-151、ヒト抗Cd4 IgG抗体であるMDX-Cd4、CD20-ストレプトアビジン(+ビオチン-イットリウム90)、ヒト化抗-TNFαIgG4抗体であるCDP571、ヒト化抗α4beta 7抗体であるLDP-02、ヒト化抗Cd4 IgG抗体であるOrthoClone OKT4A、ヒト化抗Cd40L IgG抗体であるANTOVA(登録商標)、ヒト化抗VLA-4 IgG抗体であるANTEGREN(登録商標)、および、ヒト抗TGF-β2抗体であるCAT-152が挙げられる。
【0168】
本明細書で開示される化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体と組み合わせて使用される第2の治療剤は、アビラテロン、アバレリックス、アドリアマイシン、アクチノマイシン、アシビシン、アクラルビシン、塩酸アコダゾール、アクロニン、アドゼレシン、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アロプリノール、アリトレチノイン、アルトレタミン、アムボマイシン、アメタントロンアセタート、アミノグルテチミド、アミノレブリン酸、アミホスチン、アムサクリン、アナストロゾール、アントラマイシン、アプレピタント、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アスペルリン、アザシチジン、アゼテーパ、アズトマイシン、バチマスタット、塩酸ベンダムスチン、ベンゾデパ、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、塩酸ビサントレン(bisantrene)、ビアンサフィド(bisnafide)ジメシレート、ビセレシン、ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブレキナーナトリウム、ブロピリミン、ブスルファン、カクチノマイシン、カルステロン、カラセミド、カルベティマー、カルボプラチン、カルムスチン、塩酸カルビシン、カルゼルシン、カペシタビン、セデフィンガル、セツキシマブ、クロラムブシル、シロレマイシン、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クリスナトールメシレート、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダサチニブ、塩酸ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ダルベポエチンアルファ、デシタビン、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス、デクソロマプラティン、デクスラゾキサン塩酸塩、デザグアミン、デザグアミンメシレート、ジアジコン、ドセタキセル、ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシン、ドロロキシフェン、クエン酸ドロロキシフェン、プロピオン酸ドロモスタノロン、ドゥアゾマイシン、エダトレキセート、塩酸エフロルニチン、エルサミトルシン、エルトロンボパグオラミン、エンロプラティン、エンプロメイト、エピプロピジン、塩酸エピルビシン、エポエチンアルファ、エルブロゾール、エルロチニブ塩酸塩、塩酸エソルビシン、エストラムスチン、リン酸エストラムスチンナトリウム、エタニダゾール、エトポシド、リン酸エトポシド、エトプリン、エベロリムス、エキセメスタン、塩酸ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フィルグラスチム、フロクスウリジン、リン酸フルダラビン、フルオロウラシル、フルオロシタビン、フォスクィダン、フォストリエシンナトリウム、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、塩酸ゲムシタビン、ゲムシタビン-シスプラチン、ゲムツズマブオゾガマイシン、酢酸ゴセレリン、酢酸ヒストレリン、ヒドロキシ尿素、塩酸イダルビシン、イホスファミド、リモフォシン(limofosine)、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、メシル酸イマチニブ、イミキモド、インターロイキンII(組み換えインターロイキンII、またはrlL2を含む)、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-n1、インターフェロンアルファ-n3、インターフェロンベータ-1a、インターフェロンガンマ-1b、イプロプラティン、塩酸イリノテカン、イキサベピロン、ランレオチドアセタート、ラパチニブ、レナリドミド、レトロゾール、レウプロリドアセタート、ロイコボリンカルシウム、レウプロリドアセタート、レバミソール、リポソーマルシタラビン、塩酸リアロゾール、ロメトレキソールナトリウム、ロムスチン、塩酸ロソキサントロン、マソプロコール、メイタンシン、塩酸メクロレタミン、メゲストロールアセテート、メレンゲスロロールアセテート、メルファラン、メノガリル、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトトレキサートナトリウム、メトキサレン、メトプリン、メツレデパ、ミチンドミド、ミトカルシン、ミトクロミン、マイトジリン、ミトマルシン、マイトマイシンC、ミトスペル、ミトタン、塩酸ミトザントロン、ミコフェノール酸、ナンドロロンフェンプロピオネート、ネララビン、ニロチニブ、ノコダゾール、ノフェツモマブ(nofetumomab)、ノガラマイシン、オファツムマブ、オプレルベキン、オルマプラチン、オキサリプラチン、オクシスラン、パクリタキセル、パリフェルミン、パロノセトロン塩酸塩、パミドロネート、ペグフィルグラスチム、ペメトレキセドジナトリウム、ペントスタチン、パニツムマブ、パゾパニブ塩酸塩、ペメトレキセドジナトリウム、プレリキサホル、プララトレキサート、ペガスパルガーゼ、ペリオマイシン、ペンタマスティン、硫酸ペプロマイシン、ペルフォスファミド、ピポブロマン、ピポスルファン、ピロクサントロン塩酸塩、プリカマイシン、プロメスタン、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニマスチン、塩酸プロカルバジン、プロマイシン、塩酸ピューロマイシン、ピラゾフリン、キナクリン、塩酸ラロキシフェン、ラスブリカーゼ、組換えHPV二価ワクチン、組換えHPV四価ワクチン、リボプリン、ログレチミド、リツキシマブ、ロミデプシン、ロミプロスチム、サフィンガル、塩酸サフィンガル、サルグラモスチム、セムスチン、シムトラゼーネ、シプロイセル-T、ソラフェニブ、スパルフォスエートナトリウム、スパルソマイシン、塩酸スピロゲルマニウム、スピロマスティン、スピロプラティン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、スロフェナール、リンゴ酸スニチニブ、タリソマイシン、クエン酸タモキシフェン、テコガランナトリウム、テガフール、塩酸トレクサトロン、テモゾロミド、テモポルフィン、テムシロリムス、テニポシド、テロキシロン、テストラクトン、サリドマイド、チアミプリン、チオグアニン、チオテパ、チアゾフリン、チラパザミン、塩酸トポテカン、トレミフェン、トシツモマブおよびI131ヨウ素トシツモマブ、トラスツズマブ、酢酸トレストロン、トレチノイン、リン酸トリシビリン、トリメトレキサート、グルクロン酸トリメトレキサート、トリプトレリン、塩酸ツブロゾール、ウラシルマスタード、ウレデパ、バルルビシン、バプレオチド、ベルテポルフィン、ビンブラスチン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、ビンデシン、硫酸ビンデシン、硫酸ビネピジン、硫酸ビングリシネート、硫酸ビンレウロジン、酒石酸ビノレルビン、硫酸ビンロシジン、硫酸ビンゾキジン、ボリノスタット、ボロゾール、ゼニプラティン、ジノスタチン、ゾレドロン酸、および、塩酸ゾルビシンの1つ以上を含む。
【0169】
いくつかの実施形態では、第2の治療剤はアルキル化剤である。本明細書で開示される化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体と組み合わせて使用されるアルキル化剤の例は、限定されないが、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロレタミン、シクロホスファミド、クロラムブチル、メルファランなど)、エチレンイミンおよびメチルメラミン(例えば、ヘキサメチルメラミン、チオテパ)、スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン)、ニトロソ尿素(例えば、カルマスティン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシンなど)、またはトリアゼン(ダカルバジンなど)を含む。
【0170】
癌の処置または予防のために本明細書に記載される方法および組成物において任意選択で使用される他の薬剤は、白金配位化合物(例えば、シスプラチン、カルボプラチン)、アントラセンジオン(例えば、ミトキサントロン)、置換された尿素(例えば、ヒドロキシ尿素)、メチルヒドラジン誘導体(例えば、プロカルバジン)、副腎皮質抑制薬(例えば、ミトタン、アミノグルテチミド)を含む。
【0171】
いくつかの実施形態では、第2の治療剤は免疫療法剤である。本明細書で開示される化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体と組み合わせて使用される免疫療法剤の例は、限定されないが、チェックポイント阻害剤(例えば、抗PD1および抗PD-L1阻害剤)、癌ワクチン(例えば、シプロイセル-T)、腫瘍崩壊ウイルス(例えば、タリモジーン・ラハーパレプベック)、サイトカイン(例えば、IL-2およびINF-α)、CART細胞を含む。
【0172】
いくつかの実施形態では、第2の治療剤は免疫チェックポイント阻害剤である。
【0173】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、PD-L2阻害剤、CTLA-4阻害剤、OX40アゴニスト、および4-1BBアゴニストからなる群から選択される。
【0174】
いくつかの実施形態では、このチェックポイント阻害剤は、プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)阻害剤、またはプログラム細胞死リガンド1(PD-L1)阻害剤である。いくつかの実施形態では、PD-1阻害剤またはPD-L1阻害剤は、PD-1またはPD-L1に対する抗体または抗原結合断片である。
【0175】
いくつかの実施形態では、PD-1阻害剤は、ペンブロリズマブ、ニボルマブ、セミプリマブ、ランブロリズマブ、AMP-224、シンチリマブ、トリパリマブ、カムレリズマブ、チスレリズマブ、ドスタルリマブ(GSK)、PDR001(Novartis)、MGA012(Macrogenics/Incyte)、GLS-010(Arcus/Wuxi)、AGEN2024(Agenus)、セトレリマブ(Janssen)、ABBV-181(Abbvie)、AMG-404(Amgen)、BI-754091(Boehringer Ingelheim)、CC-90006(Celgene)、JTX-4014(Jounce)、PF-06801591(Pfizer)、およびゲノリムズマブ(Apollomics/Genor BioPharma)から選択される。いくつかの実施形態では、PD-1阻害剤はペンブロリズマブである。いくつかの実施形態では、PD-1阻害剤はニボルマブである。いくつかの実施形態では、PD-1阻害剤はセミプリマブである。いくつかの実施形態では、PD-1阻害剤はランブロリズマブである。いくつかの実施形態では、PD-1阻害剤はAMP-224である。いくつかの実施形態では、PD-1阻害剤はシンチリマブである。いくつかの実施形態では、PD-1阻害剤はトリパリマブである。いくつかの実施形態では、PD-1阻害剤はカムレリズマブである。いくつかの実施形態では、PD-1阻害剤はチスレリズマブである。
【0176】
いくつかの実施形態では、PD-L1阻害剤は、アテゾリズマブ、アベルマブおよびデュルバルマブ、ASC22(Alphamab/Ascletis)、CX-072(Cytomx)、CS1001(Cstone)、コシベリマブ(cosibelimab)(Checkpoint Therapeutics)、INCB86550(Incyte)、およびTG-1501(TG Therapeutics)から選択される。いくつかの実施形態では、PD-L1阻害剤はアテゾリズマブである。いくつかの実施形態では、PD-L1阻害剤はアベルマブである。いくつかの実施形態では、PD-L1阻害剤はデュルバルマブである。
【0177】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、細胞毒性Tリンパ球タンパク質4(CTLA4)阻害剤である。いくつかの実施形態では、CTLA4阻害剤はCTLA4に対する抗体または抗原結合断片である。いくつかの実施形態では、CTLA4阻害剤はイピリムマブまたはトレメリムマブである。
【0178】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤はCTLA-4阻害剤である。いくつかの実施形態では、CTLA-4阻害剤はトレメリムマブ、イピリムマブ、およびAGEN-1884(Agenus)から選択される。いくつかの実施形態では、CTLA-4阻害剤はトレメリムマブである。いくつかの実施形態では、CTLA-4阻害剤はイピリムマブである。
【0179】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤はプログラム細胞死リガンド2(PD-L2)阻害剤である。
【0180】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤はOX40アゴニストである。
【0181】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は4-1BBアゴニストである。
【0182】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体は、本明細書で開示される化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体、抗癌剤、および/または放射線療法の使用に由来する吐き気または嘔吐を処置するために、制吐剤と組み合わせて使用される。制吐剤は、限定されないが、ニューロキニン-1受容体アンタゴニスト、5HT3受容体アンタゴニスト(オンダンセトロン、グラニセトロン、トロピセトロン、パロノセトロン、およびザチセトロン(zatisetron)など)、GABAB受容体アゴニスト(バクロフェンなど)、コルチコステロイド(デキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、または他のもの)、ドーパミンアンタゴニスト(限定されないが、ドンペリドン、ドロペリドール、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロメタジン、プロクロルペラジン、メトクロプラミドなど)、抗ヒスタミン薬(限定されないが、シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、メクリジン、プロメタジン、ヒドロキシジンなどのH1ヒスタミン受容体アンタゴニスト)、カンナビノイド(限定されないが、カンナビス、マリノール、ドロナビノールなど)、および他のもの(限定されないが、トリメトベンズアミド;ショウガ、エメトロール(emetrol)、プロポフォール)を含む。
【0183】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体は、貧血症の処置で有用な薬剤と組み合わせて使用される。そのような貧血症を処置する薬剤は、例えば、連続的な赤血球生成受容体活性化因子(eythropoiesis receptor activator)(エポエチン-αなど)である。
【0184】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体は、好中球減少症の処置に有用な薬剤と組み合わせて使用される。好中球減少症の処置に役立つ薬剤の例は、限定されないが、ヒト顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)などの好中球の産生および機能を制御する造血成長因子を含んでいる。G-CSFの例はフィルグラスチムを含む。
【0185】
1つの実施形態では、本明細書で開示される化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)と組み合わせて哺乳動物に投与される。NSAIDとしては、限定されないが、アスピリン、サリチル酸、ゲンチシン酸、サリチル酸コリンマグネシウム、サリチル酸コリン、サリチル酸コリンマグネシウム、サリチル酸コリン、サリチル酸マグネシウム、サリチル酸ナトリウム、ジフルニサル、カルプロフェン、フェノプロフェン、フェノプロフェンカルシウム、フルオロビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナブトン(nabutone)、ケトロラク、ケトロラクトロメタミン、ナプロキセン、オキサプロジン、ジクロフェナク、エトドラク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、メクロフェナム酸、メクロフェナム酸ナトリウム、メフェナム酸、ピロキシカム、メロキシカム、COX-2特異的阻害剤(限定されないが、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、CS-502、JTE-522、L-745337、およびNS398など)を含む。
【0186】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、または同位体変異体は、放射線療法(または放射線治療)と組み合わせて使用される。放射線療法は、イオン化放射線を用いる癌および他の疾患の処置である。放射線療法は、任意選択で、皮膚、舌、喉頭、脳、乳房、前立腺、結腸、子宮、および/または頚部の癌などの局所的な固形腫瘍を処置するために使用される。放射線療法は、任意選択で、白血病およびリンパ腫(それぞれ、造血細胞とリンパ系の癌)を処置するためにも使用される。
【実施例】
【0187】
I.化学合成
別段の定めのない限り、市販の供給元から入手されるような試薬と溶媒を使用した。無水溶媒およびオーブンで乾燥させたガラス製品を、湿気および/または酸素に高感度な合成変換に使用した。収率を最適化しなかった。反応時間はおおよそであり、最適化されたものではない。別段の定めのない限り、カラムクロマトグラフィーおよび薄層クロマトグラフィー(TLC)を、シリカゲル上で実行した。
【0188】
実施例1.((R)-1-((1H-テトラゾール-5-イル)メトキシ)-2-(((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-(シクロペンチルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)-3-(2-メトキシエトキシ)プロパン-2-イル)ホスホン酸
【0189】
【0190】
工程A.(2R,3R,4R,5R)-2-(アセトキシメチル)-5-(4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジイルジアセテート(1a)
【0191】
【0192】
β-D-リボフラノース1,2,3,5-テトラアセテート(5.73g、17.99mmol)を10分間90℃で加熱し、4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(1.5g、17.99mmol)とSnCl4(60mg)を連続して添加した。混合物を15分間減圧下にて130℃で加熱した後、それを室温に冷まし、水で希釈し、DCMで抽出した。組み合わせた有機物を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(10:1~5:1までの石油エーテル/酢酸エチル)によって精製することで、黄色固形物として表題化合物(1a)(2.4g、68%)を得た。
【0193】
工程B.(2R,3R,4R,5R)-2-(アセトキシメチル)-5-(6-クロロ-4-(シクロペンチルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジイルジアセテート(1b)
【0194】
【0195】
オーブンで乾燥させたフラスコに、1a(5.2g、11.63mmol)を添加し、その後、エタノール(53.24mL)を添加した。この溶液にトリエチルアミン(2.43mL、17.44mmol)を添加し、その後、シクロペンチルアミン(1.38mL、13.95mmol)を添加した。混合物を撹拌し、15分間50℃で加熱し、それを室温に冷まし、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(20~45%の酢酸エチル/ヘキサン、勾配溶出)によって精製することで、白色固形物として表題化合物(1b)(5.02g、87%)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=496.1 [M+H]+.
【0196】
工程C.(2R,3R,4R,5R)-2-(アセトキシメチル)-5-(4-((tert-ブトキシカルボニル)(シクロペンチル)アミノ)-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジイルジアセテート(1c)
【0197】
【0198】
MeCN(120mL)中の1b(12.6g、25.4mmol)の溶液に、トリエチルアミン(5.14g、50.9mmol)を添加し、その後、ジ-tert-ブチルジカーボネート(44.35g、203.6mmol)と4-ジメチルアミノピリジン(0.31g、2.54mmol)を添加した。混合物を夜通し撹拌した後、それを濃縮してEtOAc(50mL)と飽和したNaHCO3との間で分割した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル:8:1)によって精製することで、黄色固形物として表題化合物(1c)(10.56g、70%の収率)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=596.72 [M+H]+.
【0199】
工程D.tert-ブチル(6-クロロ-1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(シクロペンチル)カルバメート)(1d)
【0200】
【0201】
オーブンで乾燥させたフラスコに、1c(10.56g、17.78mmol)を添加し、その後、メタノール中のアンモニア(5.0M、140mL)を添加した。混合物を夜通し撹拌し、その後、濃縮した。粗製油をカラムクロマトグラフィーによって精製することで、黄色固形物として表題化合物(1d)(7.39g、89%の収率)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=470.3 [M+H]+.
【0202】
工程E.tert-ブチル(6-クロロ-1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-(ヒドロキシメチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(シクロペンチル)カルバメート(1e)
【0203】
【0204】
DMF(75mL)中の1d(7.39g、15.75mmol)と2,2-ジメトキシプロパン(4.92g、47.27mmol)の溶液に、TsOH.H2O(0.6g、3.15mmol)を添加した。混合物を1時間70℃で撹拌した後、それを冷まし、飽和したNaHCO3(100mL)でクエンチした。混合物をEtOAc(50mL)で抽出し、組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製油をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル:8:1)によって精製することで、黄色固形物として表題化合物(1e)(5.5g、68%の収率)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=510.4 [M+H]+.
【0205】
工程F.エチル2-(((3aR,4R,6R,6aR)-6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)(シクロペンチル)アミノ)-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)メトキシ)-2-(ジエトキシホスホリル)アセテート(1f)
【0206】
【0207】
トルエン(80mL)中のエチル2-ジアゾ-2-(ジエトキシホスホリル)アセテート(13.5g、54.13mmol)と1e(5.5g、10.83mmol)の溶液に、N2下でRh2(OAc)4(0.96g、2.17mmol)を添加した。混合物を95℃で夜通し撹拌した後、それを濃縮して、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル:5:1)によって精製することで、黄色油として表題化合物(1f)(6g、76%の収率)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=732.2 [M+H]+.
【0208】
工程G.エチル2-(((3aR,4R,6R,6aR)-6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)(シクロペンチル)アミノ)-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)メトキシ)-2-(ジエトキシホスホリル)-3-(2-メトキシエトキシ)プロパノエート(1g)
【0209】
【0210】
THF(20mL)中の1f(750mg、1.02mmol)の溶液に、ビス(トリメチルシリル)アミド(THF中の1.0M、1.33mL、1.33mmol)を-15℃で滴下した。25分間-15℃で撹拌後、テトラ-n-ブチルアンモニウムヨウ化物(189.19mg、0.5122mmol)を添加し、その直後、1-(クロロメトキシ)-2-メトキシエタン(0.41mL、3.59mmol)を滴下した。反応を65分間-15℃で撹拌した後、飽和したNH4Cl水溶液でクエンチした。溶液をEtOAcで抽出し、組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。結果として生じる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0-20%のアセトン/ヘキサン、勾配溶出)によって精製することで無色の油として表題化合物(1g)(525.3mg、63%の収率)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=820.3 [M+H]+.
【0211】
工程H.tert-ブチル(6-クロロ-1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-(((2-(ジエトキシホスホリル)-1-ヒドロキシ-3-(2-メトキシエトキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(シクロペンチル)カルバメート(1h)
【0212】
【0213】
エタノール(13mL)中の1g(513mg、0.625mmol)の溶液に0℃で二塩化カルシウム(143mg、1.25mmol)を添加し、その直後に水素化ホウ素ナトリウム(94.6mg、2.5mmol)を添加した。混合物を氷浴から取り除き、3時間室温で撹拌した。反応液を0℃に冷却し戻して、飽和したNH4Cl水溶液でクエンチした。溶液をEtOAcで抽出し、組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。結果として生じる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0-50%のアセトン/ヘキサン、勾配溶出)によって精製することで、無色のシロップとして表題化合物(1h)(322mg、66%の収率)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=778.3 [M+H]+.
【0214】
工程I.エチル2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-2H-テトラゾール-5-カルボキシレート(1i-1)とエチル1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-テトラゾール-5-カルボキシレート(1i-2)
【0215】
【0216】
THF(850mL)中のエチルテトラゾール-5-カルボキシレート(70g、493mmol)の撹拌溶液に、0℃で水素化ナトリウム(鉱油中60%、22.7g、566mmol)を3回に分けて添加した。混合物を室温に温め、15分間撹拌した。混合物を0℃に再度冷却し、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(99.4mL、566mmol)を10分間かけて滴下した。混合物を室温に温め、2.5時間撹拌した後、反応混合物を水でクエンチしてEtOAcで抽出した。組み合わせた有機層を洗浄し(ブライン)、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0%~50%の酢酸エチル/ヘキサン、勾配溶出)による残渣の精製により、無色の油として1i-1および1i-2の混合物(114.8g、85%、1H NMRによる70:30)を得た。
注:1i-1と1i-2の位置異性体比は55:45から70:30まで変化し、その比率は反応規模と温度に依存する(おそらく反応温度が高ければより多くの1i-1が供給されることになる)。
【0217】
工程J.(2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-2H-テトラゾール-5-イル)メタノール(1j-1)と(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-2H-テトラゾール-5-イル)メタノール(1j-2)
【0218】
【0219】
MeOH(450mL)中の1i-1および1i-2(1i-1:1i-2=70:30、57.4g、211mmol)の撹拌溶液に、0℃で3回にわけてNaBH4(15.9g、421mmol)を添加した。10分間0℃で撹拌した後、反応混合物を室温に温め、激しいガスの発生が観察された(発熱反応)。混合物を氷浴にすぐに戻した。ガスの発生がほとんど止まった後、反応混合物を再度室温に温め、さらに10分間室温で撹拌した。混合物を0℃に冷却し、その後、水でクエンチした。溶液をEtOAcで抽出し、組み合わせた有機層を洗浄し(ブライン)、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮することで、無色の油として1j-1および1j-2の混合物(48g、99%、1j-1:1j-2=70:30)を得た。
【0220】
工程K.5-(ブロモメチル)-2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-2H-テトラゾール(1k-1)および5-(ブロモメチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-2H-テトラゾール(1k-2)
【0221】
【0222】
-40℃のDCM(1L)中の1j-1および1j-2(1j-1:1j-2=68:32、32.8g、142mmol)とトリフェニルホスフィン(74.7g、285mmol)の撹拌溶液に、N-ブロモスクシンイミド(50.7g、284mmol)を3回に分けて添加した。混合物を1.5時間同じ温度で撹拌した後、飽和したNaHCO3水溶液でクエンチした。溶液を抽出し(3×DCM)、組み合わせた有機層を洗浄し(ブライン)、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮することで、オフホワイト固形物を得た。残渣をヘキサン(約500mL)で懸濁し、懸濁液を1時間室温で激しく撹拌した。混合物を濾過してヘキサンで洗いだ。濾液を減圧下で濃縮して、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0%~40%の酢酸エチル/ヘキサン、勾配溶出)によって精製することで、表題化合物(1k-1)(高速溶出異性体、25.3g、61%)と1k-2(低速溶出異性体、11.1g、27%)を得た。1H NMR of 1k-1(400MHz,CDCl3) δ ppm 5.88(s,2H),4.66(s,2H),3.58-3.80(m,2H),0.81-1.05(m,2H),0.01(s,9H).1H NMR of 1k-2(400MHz,CDCl3) δ ppm 5.83(s,2H),4.72(s,2H),3.56-3.65(m,2H),0.87-0.99(m,2H),0.01(s,9H).
【0223】
工程L.tert-ブチル(6-クロロ-1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-(((2-(ジエトキシホスホリル)-1-(2-メトキシエトキシ)-3-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-テトラゾール-5-イル)メトキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(シクロペンチル)カルバメート(1l)
【0224】
【0225】
0℃のDMF(2mL)中の1h(320mg、0.411mmol)および1k-2(0.36g、1.23mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%の分散液、32.9mg、0.822mmol)を添加した。混合物を1時間0℃で撹拌した後、それを飽和したNH4Cl水溶液でクエンチした。溶液をEtOAcで抽出し、組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。結果として生じる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0-50%のアセトン/ヘキサン、勾配溶出)によって精製することで、淡黄色のシロップとして表題化合物(1l)(338mg、83%の収率)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=990.4 [M+H]+.
【0226】
工程M:tert-ブチル(6-クロロ-1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-((((R)-2-(ジエトキシホスホリル)-1-(2-メトキシエトキシ)-3-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-テトラゾール-5-イル)メトキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(シクロペンチル)カルバメート(1m-1)および、tert-ブチル(6-クロロ-1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-((((S)-2-(ジエトキシホスホリル)-1-(2-メトキシエトキシ)-3-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-テトラゾール-5-イル)メトキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(シクロペンチル)カルバメート(1m-2)
【0227】
【0228】
ジアステレオマーの混合物をキラルクロマトグラフィー(CHIRALPAK AD-H、21x250mm、5μm、5%のIPA/ヘキサン、定組成溶離、20mL/分の流速)によって分離させた。最初にカラムから溶出する異性体を1m-1として任意に割り当て、二番目に溶出する別の異性体を1m-2として任意に割り当てた。
【0229】
工程N.((R)-1-((1H-テトラゾール-5-イル)メトキシ)-2-(((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-(シクロペンチルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)-3-(2-メトキシエトキシ)プロパン-2-イル)ホスホン酸(1)
【0230】
【0231】
MeCN(6mL)中の1m-1(117mg、0.118mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.33mL、2.36mmol)を添加し、その後、室温で、ブロモ(トリメチル)シラン(0.24mL、1.77mmol)を滴下した。混合物が21時間室温で撹拌した後、それを減圧下で濃縮し、結果として生じる残渣をH2OおよびTFA(6mL)の1:1の混合物に溶かした。混合物を室温で16時間撹拌した。減圧下で濃縮した後、結果として生じる残渣を逆相HPLC(25-45%のACN/H2O、0.1%のTFA、勾配溶出)によって精製することで、TFA塩(41.5mg、45%の収率)として表題化合物(1)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=664.2 [M+H]+.1H NMR(400MHz,CD3OD) δ ppm 8.07(s,1H),6.24-6.15(m,1H),4.94(s,2H),4.76-4.71(m,1H),4.59-4.44(m,2H),4.20-4.11(m,1H),4.07-3.90(m,4H),3.85(d,2H,J=8.8Hz),3.62-3.55(m,2H),3.51-3.43(m,2H),3.32(s,3H),2.18-2.01(m,2H),1.88-1.74(m,2H),1.74-1.54(m,4H).
【0232】
実施例2.((S)-1-((1H-テトラゾール-5-イル)メトキシ)-2-(((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-(シクロペンチルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)-3-(2-メトキシエトキシ)プロパン-2-イル)ホスホン酸
【0233】
【0234】
表題化合物を実施例1、工程Nに記載された手順に似た手順によって、1m-2から調製した。m/z (ESI, +ve ion)=664.2 [M+H]+.1H NMR(400MHz,CD3OD) δ ppm 8.09(s,1H),6.26-6.11(m,1H),4.93(s,2H),4.77-4.69(m,1H),4.58-4.45(m,2H),4.19-4.11(m,1H),4.10-4.02(m,1H),4.02-3.80(m,5H),3.65-3.54(m,2H),3.52-3.45(m,2H),3.33(s,3H),2.17-2.02(m,2H),1.87-1.74(m,2H),1.74-1.54(m,4H).
【0235】
実施例3.((R)-2-(((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-((2-クロロベンジル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)-1-ヒドロキシ-3-(2H-テトラゾール-5-イル)プロパン-2-イル)ホスホン酸
【0236】
【化30】
工程A.エチル2-(((3aR,4R,6R,6aR)-6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)(2-クロロベンジル)アミノ)-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)メトキシ)-2-(ジエトキシホスホリル)アセテート(3a)
【0237】
【0238】
表題化合物は、実施例1、工程A-Fに記載された手順に似た手順によって調製された。
【0239】
工程B.エチル2-(((3aR,4R,6R,6aR)-6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)(2-クロロベンジル)アミノ)-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)メトキシ)-2-(ジエトキシホスホリル)-3-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-テトラゾール-5-イル)プロパノエート(3b)
【0240】
【0241】
0℃のトルエン(80mL)中の3a(5g、6.35mmol)の溶液に、TBAI(1.17g、3.17mmol)を添加し、その後、トルエン(15mL)中の1k-2(3.52g、12.1mmol)と50%の水性のKOH(14.2g、127mmol)の溶液をゆっくりと添加した。反応混合物を3時間0℃で撹拌した後、それを飽和したNH4Cl水溶液でクエンチした。溶液をEtOAcで抽出し、組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製油をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5:1~3:1、勾配溶出)によって精製することで、表題化合物(3b)(5.2g、82%の収率)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=1000.4 [M+H]+.
【0242】
工程C.tert-ブチル(6-クロロ-1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-(((2-(ジエトキシホスホリル)-1-ヒドロキシ-3-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-テトラゾール-5-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(2-クロロベンジル)カルバメート(3c)
【0243】
【0244】
エタノール(70mL)中の3b(3.5g、3.5mmol)の溶液に、CaCl2(1.36g、12.25mmol)およびNaBH4(463mg、12.25mmol)を0℃で添加した。反応混合物を4時間室温で撹拌し、その後、飽和したNH4Cl水溶液でクエンチした。結果として生じた溶液をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2:1~1:1、勾配溶出)によって精製することで、表題化合物(3c)(2.35g、70%の収率)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=958.3 [M+H]+.
【0245】
工程D.tert-ブチル(6-クロロ-1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-(((R)-2-(ジエトキシホスホリル)-1-ヒドロキシ-3-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-テトラゾール-5-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(2-クロロベンジル)カルバメート(3d-1)および、tert-ブチル(6-クロロ-1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-((((S)-2-(ジエトキシホスホリル)-1-ヒドロキシ-3-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-テトラゾール-5-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(2-クロロベンジル)カルバメート(3d-2)
【0246】
【0247】
ジアステレオマーの混合物をキラルクロマトグラフィー(CHIRALPAK AD-H、50x500mm、20μm、0.1%DEA/ヘキサンを含有する5%のIPA、勾配溶出、70mL/分の流速)によって分離させた。最初にカラムから溶出する異性体を3d-1として任意に割り当て、二番目に溶出する別の異性体を3d-2として任意に割り当てた。
【0248】
工程E.((R)-2-(((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-((2-クロロベンジル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)-1-ヒドロキシ-3-(2H-テトラゾール-5-イル)プロパン-2-イル)ホスホン酸(3)
【0249】
【0250】
表題化合物を実施例1、工程Nに記載された手順に似た手順によって、3d-1から調製した。m/z (ESI, +ve ion)=632.2 [M+H]+.1H NMR(400MHz,D2O) δ 7.99(s,1H),7.28-7.32(m,2H),7.15-7.17(m,2H),5.93-5.94(d,J=5.2Hz,1H),4.6-4.8(m,3H),3.92-4.04(m,2H),3.78-3.85(m,2H),3.47-3.66(m,3H),2.99-3.03(d,J=15.2Hz,1H).
【0251】
実施例4.((S)-2-(((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-((2-クロロベンジル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)-1-ヒドロキシ-3-(2H-テトラゾール-5-イル)プロパン-2-イル)ホスホン酸
【0252】
【0253】
表題化合物を実施例1、工程Nに記載された手順に似た手順によって、3d-2から調製した。m/z (ESI, +ve ion)=632.1 [M+H]+.1H NMR(400MHz,D2O) δ 7.95(s,1H),7.26-7.29(m,2H),7.14-7.15(m,2H),5.92-5.93(d,J=5.6Hz,1H),4.54-4.57(m,1H),4.6-4.7(s,2H),3.99-4.09(m,2H),3.73-3.78(m,2H),3.46-3.68(m,3H),3.02-3.06(d,J=16.4Hz,1H).
【0254】
実施例5.(2-(((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-(シクロペンチルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)-1-ヒドロキシ-5-(2H-テトラゾール-5-イル)ペンタン-2-イル)ホスホン酸
【0255】
【0256】
工程A.エチル2-(((3aR,4R,6R,6aR)-6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)(シクロペンチル)アミノ)-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)メトキシ)-5-シアノ-2-(ジエトキシホスホリル)ペンタノエート(5a)
【0257】
【0258】
THF(60mL)中の化合物1f(4.5g、6.2mmol)の溶液に、NaHMDS(THF中の2M、4mL、8.1mmol)を-15℃で添加した。混合物を0.5時間-15℃で撹拌し、TBAI(1.13g、3.1mmol)および4-ヨードブタンニトリル(3.67g、18.6mmol)を添加した。反応混合物を2時間室温で撹拌した後、それを飽和したNH4Cl水溶液でクエンチした。溶液をEtOAcで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することで、黄色油として表題化合物(5a)(1.08g、22%収率)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=799.3 [M+H]+.
【0259】
工程B.エチル2-(((3aR,4R,6R,6aR)-6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)(シクロペンチル)アミノ)-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)メトキシ)-2-(ジエトキシホスホリル)-5-(2H-テトラゾール-5-イル)ペンタノエート(5b)
【0260】
【0261】
室温のトルエン(20mL)中の5a(850mg、1.06mmol)の溶液に、TMSN3(734mg、6.38mmol)およびジブチルスズオキシド(263mg、1.06mmol)をN2下にて添加した。反応混合物を20時間98℃で撹拌した後、それを真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することで、黄色油として表題化合物(5b)(130mg、14.5%収率)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=842.2 [M+H]+.
【0262】
工程C.(2-(((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-(シクロペンチルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)-1-ヒドロキシ-5-(2H-テトラゾール-5-イル)ペンタン-2-イル)ホスホン酸(5)
【0263】
【0264】
表題化合物は、実施例3、工程CおよびEに記載された手順に似た手順によって、5bから調製された。m/z (ESI, +ve ion)=604.3 [M+H]+.1H NMR(400MHz,D2O) δ 7.8-8.0(m,1H),6.04(dd,J=10.4, 3.6Hz,1H),4.81-4.9(m,1H),4.40-4.60(m,1H),4.05-4.3(m,2H),3.84-3.64(m,4H),2.42-2.75(m,2H),1.85-2.07(m,2H),1.4-1.84(m,10H).
【0265】
実施例6.4-(((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-(シクロペンチルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)-5-メトキシ-4-ホスホノペンタン酸
【0266】
【0267】
工程A.5-(tert-ブチル)1-エチル2-(((3aR,4R,6R,6aR)-6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)(シクロペンチル)アミノ)-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)メトキシ)-2-(ジエトキシホスホリル)ペンタンジオエート(6a)
【0268】
【0269】
THF(18mL)中の1f(620mg、0.847mmol)の溶液に、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中の1.0M、3.39mL、3.39mmol)を0℃で添加した。25分間撹拌した後、テトラ-n-ブチルアンモニウムヨウ化物(0.16g、0.423mmol)を添加し、その直後に、tert-ブチル3-ブロモプロピオネート(0.42mL、2.54mmol)を滴下した。75分間0℃で撹拌した後、飽和したNH4Cl水溶液を添加することにより、反応をクエンチした。溶液をEtOAcで抽出し、組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。結果として生じる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0-30%のアセトン/ヘキサン、勾配溶出)によって精製することで無色の油として表題化合物(6a)(345mg、47%の収率)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=860.3 [M+H]+.
【0270】
工程B.tert-ブチル4-(((3aR,4R,6R,6aR)-6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)(シクロペンチル)アミノ)-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)メトキシ)-4-(ジエトキシホスホリル)-5-ヒドロキシペンタノエート(6b)
【0271】
【0272】
表題化合物は、実施例3、工程Cに記載された手順に似た手順によって、6aから調製された。m/z (ESI, +ve ion)=818.3 [M+H]+.
【0273】
工程C.tert-ブチル4-(((3aR,4R,6R,6aR)-6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)(シクロペンチル)アミノ)-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)メトキシ)-4-(ジエトキシホスホリル)-5-メトキシペンタノエート(6c)
【0274】
【0275】
0℃のDMF(2mL)中の6b(252mg、0.308mmol)の溶液に、ヨウ化メチル(0.29mL、4.62mmol)を滴下した。5分間この温度で撹拌した後、水素化ナトリウム(鉱油中の60%分散液、37mg、0.924mmol)を添加した。0℃で45分間撹拌した後、反応を飽和したNH4Cl水溶液でクエンチした。溶液をEtOAcで抽出し、組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。結果として生じる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0-30%のアセトン/ヘキサン、勾配溶出)によって精製することで、無色のシロップとして表題化合物(6c)(150mg、58%の収率)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=832.3 [M+H]+.
【0276】
工程D.4-(((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-(シクロペンチルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)-5-メトキシ-4-ホスホノペンタン酸(6)
【0277】
【0278】
表題化合物は、実施例1、工程Nに記載された手順に似た手順によって、6cから調製された。m/z (ESI, +ve ion)=580.2 [M+H]+.1H NMR(400MHz,CD3OD) δ ppm 8.21-8.09(m,1H),6.29-6.16(m,1H),4.81-4.72(m,1H),4.60-4.46(m,2H),4.22-4.11(m,1H),4.00-3.76(m,2H),3.76-3.57(m,2H),3.33(s,3H),2.61-2.40(m,2H),2.30-2.03(m,4H),1.89-1.74(m,2H),1.74-1.52(m,4H).
【0279】
実施例7.((S)-(2-(((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-(シクロペンチルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)-4-(ヒドロキシアミノ)-1-メトキシ-4-オキソブタン-2-イル)ホスホン酸
【0280】
【0281】
工程A.エチル2-(((3aR,4R,6R,6aR)-6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)(シクロペンチル)アミノ)-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)メトキシ)-2-(ジエトキシホスホリル)ペント-4-エノエート(7a)
【0282】
【0283】
-15℃(氷/塩浴)のTHF(100mL)中の1f(4.5g、6.15mmol)の撹拌溶液に、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中の1.0M、8.0mL、8.0mmol)を滴下した。25分間、同じ温度で撹拌した後、-15℃のヨウ化アリル(1.68mL、18.4mmol)を添加した。1時間同じ温度で撹拌した後、反応を飽和したNH4Cl水溶液によってクエンチした。溶液をEtOAcで抽出し、組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%~40%のアセトン/ヘキサン、勾配溶出)による残渣の精製により、黄色ゴムとして表題化合物(7a)(4.2g、88%)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=772.3 [M+H]+.
【0284】
工程B.tert-ブチル(6-クロロ-1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-(((2-(ジエトキシホスホリル)-1-ヒドロキシペント-4-エン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(シクロペンチル)カルバメート(7b)
【0285】
【0286】
EtOH(82mL)中の7a(4.2g、5.44mmol)の撹拌溶液に、二塩化カルシウム(2.72g、24.5mmol)を添加し、その後、0°Cで1回量でNaBH4(926mg、24.5mmol)を添加した。混合物を室温に温めて、その後、2.5時間室温で撹拌した。混合物を0℃に冷却し、1HのHCl水溶液の添加によってクエンチした。溶液をEtOAcで抽出し、組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(1%~5%のMeOH/DCM、勾配溶出)による残渣の精製により、白色の泡状固形物として表題化合物(7b)(2.97g、75%)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=730.3 [M+H]+.
【0287】
工程C.tert-ブチル(6-クロロ-1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-(((2-(ジエトキシホスホリル)-1-メトキシペント-4-エン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(シクロペンチル)カルバメート(7c)
【0288】
【0289】
DMF(20mL)中の(7b)(3.1g、4.25mmol)およびヨードメタン(2.9mL、46.7mmol)の撹拌溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中の60%、509mg、12.7mmol)を0℃で1回分で添加した。結果として生じる混合物を同じ温度で10分間撹拌した後、それをNH4Cl水溶液によってクエンチした。溶液をEtOAcで抽出し、組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(1%~5%のMeOH/DCM、勾配溶出)による残渣の精製により、黄色ゴムとして表題化合物(7c)(1.81g、57%)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=744.3 [M+H]+.
【0290】
工程D.tert-ブチル(6-クロロ-1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-(((2-(ジエトキシホスホリル)-1-メトキシ-4-オキソブタン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(シクロペンチル)カルバメート(7d)
【0291】
【0292】
THF(74mL)および水(37mL)中の7c(1.71g、2.30mmol)と2,6-ルチジン(0.53mL、4.60mmol)の溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(2.95g、13.8mmol)を添加し、その後、オスミウム(VI)酸カリウム二水和物(42.3mg、0.115mmol)を添加した。混合物を夜通し室温で撹拌し、その後、水で希釈し、EtOAcで抽出した(×3)。組み合わせた有機層を10%のNa2S2O3水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%~40%のアセトン/ヘキサン、勾配溶出)による残渣の精製により、無色ゴムとして表題化合物(7d)(1.55g、90%)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=746.3 [M+H]+.
【0293】
工程E.tert-ブチル(6-クロロ-1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-(((2-(ジエトキシホスホリル)-4-(ヒドロキシアミノ)-1-メトキシ-4-オキソブタン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(シクロペンチル)カルバメート(7e)
【0294】
【0295】
N-ヒドロキシスクシンイミド(359mg、3.11mmol)とヨードベンゼンジアセテート(1.0g、3.11mmol)の混合物に、室温でMeCN(6.5mL)を添加した。結果として生じる暗い緑がかった懸濁液を0℃に冷却し、MeCN(6.5mL)中の7d(1.55g、2.08mmol)の溶液を添加した。混合物を同じ温度でさらに1時間撹拌した。この無色の濁った溶液に、0℃でヒドロキシルアミン溶液(水中の50重量%、274mg、4.15mmol)を添加した。反応を室温に温めて、1時間撹拌した後、それをDCMで希釈した。溶液をEtOAcで抽出し、組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(1%~5%のMeOH/DCM、勾配溶出)による残渣の精製により、白色の泡状固形物として表題化合物(7e)(1.26g、78%)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=777.2 [M+H]+.
【0296】
工程F.tert-ブチル(6-クロロ-1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-(((2-(ジエトキシホスホリル)-4-(ヒドロキシアミノ)-1-メトキシ-4-オキソブタン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(シクロペンチル)カルバメート(7f-1)および、tert-ブチル(6-クロロ-1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-((((R)-2-(ジエトキシホスホリル)-4-(ヒドロキシアミノ)-1-メトキシ-4-オキソブタン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(シクロペンチル)カルバメート(7f-2)
【0297】
【0298】
ジアステレオマーのをキラルカラム(CHIRALPAK AD-H、21x250mm、5μm、10%のIPA/ヘキサン、定組成溶離、20mL/分の流速)によって分離させた。最初にカラムから溶出する異性体を7f-1として任意に割り当て、二番目に溶出する別の異性体を7f-2として任意に割り当てた。
【0299】
工程G.(2-(((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-(シクロペンチルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)-4-(ヒドロキシアミノ)-1-メトキシ-4-オキソブタン-2-イル)ホスホン酸(7)
【0300】
【0301】
表題化合物を実施例1、工程Nに記載された手順に似た手順によって、7f-1から調製した。m/z (ESI, +ve ion)=581.2 [M+H]+.1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 8.18-8.14(1H,m),6.24-6.20(1H,m),4.73(1H,t,J=4.0Hz),4.58-4.46(2H,m),4.18-4.14(1H,m),4.08-4.04(1H,m),3.87-3.79(2H,m),3.71-3.66(1H,m),3.30(3H,s),2.82-2.66(2H,m),2.14-2.06(2H,m),1.83-1.57(6H,m).
【0302】
実施例8.((R)-(2-(((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-(シクロペンチルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)-4-(ヒドロキシアミノ)-1-メトキシ-4-オキソブタン-2-イル)ホスホン酸
【0303】
【0304】
表題化合物を実施例1、工程Nに記載された手順に似た手順によって、7f-2から調製した。m/z (ESI, +ve ion)=581.2 [M+H]+.1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 8.18-8.13(1H,m),6.24-6.19(1H,m),4.74(1H,t,J=4.0Hz),4.58-4.47(2H,m),4.17-4.14(1H,m),4.03-4.00(1H,m),3.95-3.92(1H,m),3.87-3.82(1H,m),3.71-3.66(1H,m),3.55(3H,s),2.77-2.73(2H,m),2.13-2.08(2H,m),1.83-1.59(6H,m).
【0305】
実施例9.((R)-2-(((2R,3S,4R,5R)-5-(4-(シクロブチルアミノ)-6-(ヒドロキシメチル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)-1-メトキシ-3-(2H-テトラゾール-5-イル)プロパン-2-イル)ホスホン酸
【0306】
【0307】
工程A.tert-ブチル(6-クロロ-1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-(((R)-2-(ジエトキシホスホリル)-1-ヒドロキシ-3-(2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-2H-テトラゾール-5-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(シクロブチル)カルバメート(9a)
【0308】
【0309】
表題化合物は、実施例3、工程A-Dに記載された手順に似た手順によって、調製された。
【0310】
工程B.tert-ブチルシクロブチル(1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-((((R)-2-(ジエトキシホスホリル)-1-ヒドロキシ-3-(2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-2H-テトラゾール-5-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-6-((E)-スチリル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)カルバメート(9b)
【0311】
【0312】
9a(220mg、0.25mmol)で満たしたフラスコに、THF(5.3mL)と水(1.77mL)を添加した。この混合物に、スチリルボロン酸(56.7mg、0.37mmol)と炭酸ナトリウム(70.9mg、0.67mmol)を添加した。反応混合物をアルゴンでパージした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(28.6mg、0.02mmol)を添加し、混合物を再びアルゴンでパージした。反応物を17時間85℃に加熱した。反応物を室温に冷却した後、それを水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を組み合わせ、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマドグラフィー(10%~25%のアセトン/ヘキサン)で精製することで、淡黄色フォームとして表題化合物(9b)(210mg、89%)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=956.4 [M+H]+.
【0313】
工程C.tert-ブチルシクロブチル(1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-((((R)-2-(ジエトキシホスホリル)-1-メトキシ-3-(2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-2H-テトラゾール-5-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-6-((E)-スチリル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)カルバメート(9c)
【0314】
【0315】
表題化合物は、実施例7、工程Cに記載された手順に似た手順によって、9bから調製された。m/z (ESI, +ve ion)=970.5 [M+H]+
【0316】
工程D.tert-ブチルシクロブチル(1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-((((R)-2-(ジエトキシホスホリル)-1-メトキシ-3-(2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-2H-テトラゾール-5-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-6-ホルミル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)カルバメート(9d)
【0317】
【0318】
9c(173mg、0.18mmol)で満たしたフラスコに、THF(5.94mL)と水(2.97mL)を添加した。この溶液に、2,6-ルチジン(0.04mL、0.36mmol)と過ヨウ素酸ナトリウム(229mg、1.07mmol)を添加し、その後、オスミウム(VI)酸カリウム(3.3mg、0.01mmol)を添加した。反応混合物を6.5時間室温で撹拌し、それを水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を組み合わせ、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮することで、無色の油として粗製生成物(9d)(159mg)を得て、これをそれ以上精製することなく次の工程に直接使用した。m/z (ESI, +ve ion)=896.4 [M+H]+
【0319】
工程E.((R)-2-(((2R,3S,4R,5R)-5-(4-(シクロブチルアミノ)-6-(ヒドロキシメチル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)-1-メトキシ-3-(2H-テトラゾール-5-イル)プロパン-2-イル)ホスホン酸(9)
【0320】
【0321】
表題化合物は、実施例3、工程CおよびEに記載された手順に似た手順によって、9dから調製された。 m/z (ESI, +ve ion)=572.2 [M+H]+.1H NMR(400MHz,CD3OD) δ ppm 8.41- 8.27(m,1H),6.38(m,1H),4.56-4.80(m,5H),4.25(q,J=4.73Hz,1H),4.09-4.18(m,1H),3.93 (br dd,J=9.65, 4.38Hz,1H),3.72-3.83(m,1H),3.52-3.67(m,2H),3.37-3.49(m,1H),3.20-3.21(m,3H),2.43-2.68(m,2H),2.11-2.30(m,2H),1.83-2.06(m,2H).
【0322】
実施例10:2-((S)-2-(((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-(シクロペンチルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)-3-メトキシ-2-ホスホノプロポキシ)酢酸
【0323】
【0324】
m/z (ESI, +ve ion)=596.2 [M+H]+.1H NMR of TFA塩(400MHz,CD3OD) δ ppm 1.54-1.76(m,4H),1.76-1.88(m,2H),2.04-2.18(m,2H),3.32(s,3H),3.75(d,J=9.35Hz,2H),3.86-3.96(m,3H),4.03(dd,J=10.01, 4.46Hz,1H),4.12(s,2H),4.17(q,J=4.58Hz,1H),4.49(t,J=4.82Hz,1H),4.54(t,J=6.87Hz,1H),4.78(t,J=4.82Hz,1H),6.20(d,J=4.39Hz,1H),8.14(s,1H).
【0325】
実施例11-24:実施例1-10と25に記載されるように、実施例11-24が合成された。
【0326】
【0327】
実施例25.((S)-1-((2H-テトラゾール-5-イル)メトキシ)-2-(((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-(シクロペンチルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)-3-ヒドロキシプロパン-2-イル)ホスホン酸
【0328】
【0329】
工程A.エチル2-[[(3aR,4R,6R,6aR)-4-[4-[tert-ブトキシカルボニル(シクロペンチル)アミノ]-6-クロロ-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メトキシ]-2-ジエトキシホスホリル-3-(2-トリメチルシリルエトキシ)プロパノエート(25a)
【0330】
【0331】
THF(33mL)中の実施例1、工程F(1f)(1.2g、1.64mmol)の化合物の溶液に、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中の1.0M、2.13mL、2.13mmol)を-15℃で滴下した。25分間-15℃で撹拌後、テトラ-n-ブチルアンモニウムヨウ化物(303mg、0.820mmol)を添加し、その直後、2-(クロロメトキシ)エチル](トリメチル)シラン(0.863mL、4.92mmol)を溶液に滴下した。混合物を1時間同じ温度で撹拌し、その後、飽和したNH4Cl水溶液でクエンチした。溶液をEtOAcと水で希釈し、EtOAcで抽出した。組み合わせた有機層を洗浄し(ブライン)、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(5~30%のアセトン/ヘキサン、勾配溶出)による残渣の精製により、淡黄色油として表題化合物(25a)(1.03g、73%)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=862.3 [M+H]+.
【0332】
工程B.tert-ブチルN-[1-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[[1-ジエトキシホスホリル-1-(ヒドロキシメチル)-2-(2-トリメチルシリルエトキシ)エトキシ]メチル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]-6-クロロ-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-N-シクロペンチル-カルバメート(25b)
【0333】
【0334】
EtOH(18mL)中のエチル2-[[(3aR,4R,6R,6aR)-4-[4-[tert-ブトキシカルボニル(シクロペンチル)アミノ]-6-クロロ-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メトキシ]-2-ジエトキシホスホリル-3-(2-トリメチルシリルエトキシ)プロパノエート(25a)(1.03g、1.19mmol)の撹拌溶液に、二塩化カルシウム(596g、5.37mmol)を加え、その後、水素化ホウ素ナトリウム(203mg、5.37mmol)を1回分で0℃で添加した。その混合物を室温に温めて、3時間撹拌した。その後、混合物は0℃に再度冷却し、混合物を1NのHCl水溶液でクエンチし、EtOAcと水で希釈した。溶液を抽出し(EtOAc)、組み合わせた有機層を洗浄し(ブライン)、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(1~5%のMeOH/DCM、勾配溶出)による残渣の精製により、白色の泡状固形物として表題化合物(25b)(755mg、77%)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=820.3 [M+H]+.
【0335】
工程C.tert-ブチル(6-クロロ-1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-(((2-(ジエトキシホスホリル)-1-(2-(トリメチルシリル)エトキシ)-3-((2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-2H-テトラゾール-5-イル)メトキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(シクロペンチル)カルバメート(25c)
【0336】
【0337】
0℃のDMF(5.0mL)中のtert-ブチルN-[1-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[[1-ジエトキシホスホリル-1-(ヒドロキシメチル)-2-(2-トリメチルシリルエトキシ)エトキシ]メチル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]-6-クロロ-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-N-シクロペンチル-カルバメート(25b)(632mg,0.770mmol)および5-(ブロモメチル)-2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-2H-テトラゾール(1k-1)(1.13g,3.85mmol)の撹拌溶液に、NaH(60%鉱油、77.0mg,1.93mmol)を1回分で添加した。混合物を30分間0℃で撹拌した後、混合物を飽和したNH4Cl水溶液によってクエンチし、EtOAcと水で希釈した。溶液を抽出し(EtOAc)、組み合わせた有機層を洗浄し(ブライン)、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。結果として生じる残渣をフラッシュクロマトグラフィー(5-30%のアセトン/ヘキサン、勾配溶出)によって精製することで、淡黄色ゴムとして表題化合物(25c)(697mg、88%)を得た。
【0338】
工程D.tert-ブチル(6-クロロ-1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-((((R)-2-(ジエトキシホスホリル)-1-(2-(トリメチルシリル)エトキシ)-3-((2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-2H-テトラゾール-5-イル)メトキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(シクロペンチル)カルバメート(25d)
【0339】
【0340】
工程Cのジアステレオマー(25c)を、キラルクロマトグラフィー(CHIRALPAK、AD-H、21x250mm、5μm、5%のIPA/ヘキサン、定組成溶離、20mL/分の流速)によって分離し、第2の溶出異性体を表題化合物(25d)として同定し、集めた。
【0341】
工程E.ジエチル((S)-1-((2H-テトラゾール-5-イル)メトキシ)-2-(((3aR,4R,6R,6aR)-6-(6-クロロ-4-(シクロペンチルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)メトキシ)-3-ヒドロキシプロパン-2-イル)ホスホネート(25e)
【0342】
【0343】
DCM(16mL)中のtert-ブチル(6-クロロ-1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-((((R)-2-(ジエトキシホスホリル)-1-(2-(トリメチルシリル)エトキシ)-3-((2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-2H-テトラゾール-5-イル)メトキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(シクロペンチル)カルバメート(25d)(325mg、0.315mmol)の溶液に、0℃で三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート(0.233mL、1.89mmol)を滴下した。反応を室温に温めた。3.5時間室温で撹拌した後、反応をトリエチルアミン(3.6mL)でクエンチし、結果として生じる混合物を10分間室温で撹拌した。飽和したNaHCO3水溶液(7.2mL)を混合物に添加し、溶液をDCMと水で希釈した。溶液を抽出し(DCM)、組み合わせた有機層を洗浄し(ブライン)、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。結果として生じる残渣をフラッシュクロマトグラフィー(0-20%のMeOH/DCM、勾配溶出)によって精製することで、オフホワイトの泡状固形物として表題化合物として表題化合物(25e)(189mg、86%)を得た。m/z (ESI, +ve ion)=702.3 [M+H]+.
【0344】
工程F.((S)-1-((2H-テトラゾール-5-イル)メトキシ)-2-(((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-(シクロペンチルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)-3-ヒドロキシプロパン-2-イル)ホスホン酸(25)
【0345】
【0346】
MeCN(13.5mL)中のジエチル((S)-1-((2H-テトラゾール-5-イル)メトキシ)-2-(((3aR,4R,6R,6aR)-6-(6-クロロ-4-(シクロペンチルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)メトキシ)-3-ヒドロキシプロパン-2-イル)ホスホネート(25e)(189mg、0.269mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.751mL、5.38mmol)を添加し、その後、アルゴン雰囲気下で室温にてブロモトリメチルシラン(0.528mL、4.04mmol)を添加した。溶液を4時間室温で撹拌した後、それを減圧下で濃縮した。残渣はTFA/水(1/3、10mL)に溶かして、それを2時間室温で撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を逆相HPLC(15-40%のACN/H2O、0.1%のTFA、勾配溶出)によって精製することで、オフホワイト固形物(TFA塩、107mg、55%)として表題化合物(25)を得た。1H NMR(400MHz,メタノール-d4) δ 8.08(d,J=0.8Hz,1H),6.25-6.20(m,1H),4.96(s,2H),4.72-4.69(m,1H),4.57-4.47(m,2H),4.19-4.16(m,1H),4.08(dd,J=10.4, 4.0Hz,1H),4.01-3.92(m,4H),3.84(dd,J=12.4, 7.6Hz,1H),2.13-2.06(m,2H),1.84-1.57(m,6H);m/z (ESI, +ve ion)=606.1 [M+H]+.
【0347】
代替的に、実施例25、((S)-1-((2H-テトラゾール-5-イル)メトキシ)-2-(((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-(シクロペンチルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)-3-ヒドロキシプロパン-2-イル)ホスホン酸を、以下の工程G~Iによって調製した。
【0348】
工程G.tert-ブチル(6-クロロ-1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-((((R)-2-(ジエトキシホスホリル)-1-ヒドロキシ-3-(2-(トリメチルシリル)エトキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(シクロペンチル)カルバメート(25g)
【0349】
【0350】
実施例25、工程Bのジアステレオマー(25b)を、キラルクロマトグラフィー(CHIRALPAK、AD-H、21x250mm、5μm、5%のIPA/ヘキサン、定組成溶離、20mL/分の流速)によって分離させ、第2の溶出異性体を表題化合物(25g)として同定して集めた。
【0351】
工程H.tert-ブチル(6-クロロ-1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-((((R)-2-(ジエトキシホスホリル)-1-(2-(トリメチルシリル)エトキシ)-3-((2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-2H-テトラゾール-5-イル)メトキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(シクロペンチル)カルバメート(25h)
【0352】
【0353】
0℃のDMF(12.5mL)中のtert-ブチル(6-クロロ-1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-((((R)-2-(ジエトキシホスホリル)-1-ヒドロキシ-3-(2-(トリメチルシリル)エトキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(シクロペンチル)カルバメート(25g)(2.07g、2.52mmol)と5-(ブロモメチル)-2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-2H-テトラゾール(1k-1)(2.96g、10.1mmol)の溶液に、NaH(60%の鉱油、252mg、6.31mmol)を1回分で添加した。混合物を30分間0℃で撹拌した後、混合物を飽和したNH4Cl水溶液によってクエンチし、EtOAcと水で希釈した。溶液を抽出し(EtOAc)、組み合わせた有機層を洗浄し(ブライン)、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。結果として生じる残渣をフラッシュクロマトグラフィー(5-30%のアセトン/ヘキサン、勾配溶出)によって精製することで、淡黄色ゴムとして表題化合物(25h)(2.2g、84%)を得た。
【0354】
工程I.((S)-1-((2H-テトラゾール-5-イル)メトキシ)-2-(((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-(シクロペンチルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)-3-ヒドロキシプロパン-2-イル)ホスホン酸(25)
【0355】
【0356】
MeCN(300mL)中のtert-ブチル(6-クロロ-1-((3aR,4R2,6R,6aR)-6-((((R)-2-(ジエトキシホスホリル)-1-(2-(トリメチルシリル)エトキシ)-3-((2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-2H-テトラゾール-5-イル)メトキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)(シクロペンチル)カルバメート(25h)(8.00g、7.75mmol)の溶液に、トリエチルアミン(16.2mL、116mmol)を添加し、その後、アルゴン雰囲気下で室温にてブロモトリメチルシラン(10.1mL、77.5mmol)を添加した。溶液を15時間撹拌した後、それを減圧下で濃縮し、トルエンで共沸蒸留した(2回)。残渣をEtOAcと水の間で分割した。有機層を集めて、水層をEtOAcで2回抽出した。混合した有機質層を水でもう1回洗浄し、減圧下で濃縮した。粗製固形物をTFA/水(1/1、280mL)に溶かして、それを24時間室温で撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を逆相HPLC(15-35%のACN/H2O、0.1%のTFA、勾配溶出)によって精製することで、白色固形物(TFA塩、3.1g、56%)として表題化合物(25)を得た。1H NMR(400MHz,メタノール-d4) δ 8.08(d,J=0.8Hz,1H),6.25-6.20(m,1H),4.96(s,2H),4.72-4.69(m,1H),4.57-4.47(m,2H),4.19-4.16(m,1H),4.08(dd,J=10.4, 4.0Hz,1H),4.01-3.92(m,4H),3.84(dd,J=12.4, 7.6Hz,1H),2.13-2.06(m,2H),1.84-1.57(m,6H);m/z (ESI, +ve ion)=606.1 [M+H]+.
【0357】
実施例26-60:実施例1-10と25に記載されるように、実施例26-60が合成された。
【0358】
【0359】
II.生物学的評価
実施例A1:生化学的アッセイ
アッセイ反応条件
・アッセイ量:70μL
・反応量:50μL
・CD73:0.3208nM
・AMP:15μM
・アッセイ緩衝液:2 5mMのTris-HCL、pH 7.4、0.01% Brij-35、0.01%のBSA、5mMのMgCl2
【0360】
アッセイ手順:
384枚の透明なプレートを使用した。
【0361】
アッセイ緩衝液中で化合物を試験する用量滴定を行い、100μMから開始して、10点1/2の対数滴定を二連で行った。
【0362】
320pMの最終濃度になるように各ウェルに25μlのCD73を加えた。
【0363】
15分間室温でインキュベートした。
【0364】
15μMの最終濃度になるように各ウェルに25μlのAMPを加えた。
【0365】
10分間室温でインキュベートした。
【0366】
10μlのマラカイトグリーン試薬Aを添加して、10分間室温でインキュベートする。
【0367】
10μlのマラカイトグリーン試薬Bを添加して、45分間室温でインキュベートする。
【0368】
励起フィルタ:Cy5 620nMを使用して、Envisionプレートリーダーの吸光度を読み取る。
【0369】
CD73活性を阻害する本明細書で開示される化合物の能力を定量化し、それぞれのIC50値を判定した。表2は、本明細書で開示される化合物の生化学的なIC50値を提供する。
【0370】
【0371】
本明細書に記載される実施例と実施形態は、例証目的のためのものに過ぎず、実施形態によっては、様々な修飾または変更は本開示と添付の請求項の範囲内に含まれるものとする。