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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】高度に精製された212Pbの製造
(51)【国際特許分類】
   G21G 4/08 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
G21G4/08 Z
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2022533498
(86)(22)【出願日】2020-12-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 EP2020084701
(87)【国際公開番号】W WO2021110950
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2023-11-27
(31)【優先権主張番号】19213759.4
(32)【優先日】2019-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20172038.0
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517296949
【氏名又は名称】サイエンコンス アクスイェ セルスカプ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】ローイ ホー.ラーセン
【審査官】右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-264794(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0047474(US,A1)
【文献】Sindre Hassfjell,A 212Pb generator based on a 228Th source,Applied Radiation and Isotopes,2001年10月,Volume 55, Issue 4, Pages 433-439,https://doi.org/10.1016/S0969-8043(00)00372-9
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21G 4/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性同位元素を生成する方法であって、前記方法は、
容器の内面を前駆体同位元素線源に暴露すること、ここで、前記暴露は、前記前駆体同位元素線源を前記容器の前記内面から封鎖する閉位置から、前記前駆体同位元素線源を、容器の内面に暴露する開位置まで、棒をすべり動かすことによって行われ、前記前駆体同位元素線源は、前記棒上に配置されており;
前記前駆体同位元素線源を、1つ以上の子孫同位元素に崩壊させ、前記1つ以上の子孫同位元素を前記容器内に発散させるに充分な時間を取ること;および、
前記棒を前記開位置から前記閉位置にすべり動かすことにより、前記容器から前記前駆体同位元素線源を分離すること;
を含む、
放射性同位元素を生成する方法。
【請求項2】
前記内面を前記前駆体同位元素線源に暴露することは、前記内面をトリウム228(228Th)および/またはラジウム224同位元素(224Ra)に暴露すること含み、前記方法は、228Thをラドン220同位元素(220Rn)および鉛212同位元素(212Pb)の少なくとも1つに崩壊させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が、前記容器の前記内面に前記212Pbを堆積させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記容器から前記前駆体同位元素線源を分離することが、前記前駆体同位元素線源を、気密シールを有するチャンバー中へ引き抜くことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
気密シール中へ前記前駆体同位元素線源を引き抜くことが、チューブ内の前記棒を、Oリングを使用して密封し、前記棒と前記チューブの間に前記気密シールを形成することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記内面を前記前駆体同位元素に暴露する前に、前記容器を回転することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記容器の前記内面を前記前駆体同位元素線源に暴露することが、前記前駆体同位元素線源を前記内面に触れさせることなく、前記容器の前記内面を前記前駆体同位元素線源に暴露することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの子孫同位元素が前記容器内に発散するのに充分な時間を取ることが、前記前駆体同位元素線源から気体透過性バリアを通して前記少なくとも1つの子孫同位元素が前記容器内に発散するのに充分な時間を取ることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記前駆体同位元素線源から前記少なくとも1つの子孫同位元素が前記容器内に発散するのに充分な時間を取ることが、前記少なくとも1つの子孫同位元素が、石英、ガラス、無機物、紙、プラスチック、金属、セラミック、および天然または合成繊維から成る群から選択される少なくとも1つの材料を含む、スポンジ、ウール、細片または球体上に配置された前記前駆体同位元素線源から前記容器内に発散するのに充分な時間を取ることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記前駆体同位元素線源が崩壊するのに充分な時間を取ることが、5時間、10時間、20時間、24時間、48時間、72時間、または96時間の時間を取ることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記内面を前記前駆体同位元素に暴露する前に、前記容器の方向を変えることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
放射性同位元素の生成システムであって、前記システムは、
棒上に配置された前駆体同位元素線源を含み、前記棒が、前記前駆体同位元素線源を、前記容器内に発散した1つ以上の子孫同位元素に崩壊させるために、前記前駆体同位元素を、容器の内面に暴露する開位置と、前記前駆体同位元素線源を前記内面から分離するために、前記前駆体同位元素線源を前記容器から封鎖する閉位置との間をすべり動くように構成されている、
放射性同位元素の生成システム。
【請求項13】
前記前駆体同位元素線源は、トリウム228同位元素(228Th)および/またはラジウム224同位元素(224Ra)を含み、前記1つ以上の子孫同位元素が、ラドン220同位元素(220Rn)および鉛212同位元素(212Pb)の少なくとも1つからなる、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記閉位置において、内面から前記前駆体同位元素線源を分離するために、前記棒が内部をすべり動くチューブとともに、前記棒が気密シールを形成する、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記閉位置において、前記棒が、前記チューブとともに、前記気密シールを形成するために、少なくとも1つのOリングを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記棒は、前記前駆体同位元素線源を前記内面に触れさせることなく、前記前駆体同位元素線源を保持している、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記前駆体同位元素線源は気体透過性バリアにカプセル封入されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記前駆体同位元素線源が、石英、ガラス、無機物、紙、プラスチック、金属、セラミック、および天然または合成繊維から成る群から選択される少なくとも1つの材料を含む、スポンジ、ウール、細片または球体上に配置されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記容器をさらに含み、前記容器の内面が、前記212Pbを前記内面上に堆積させるように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
前記前駆体同位元素線源は、崩壊して、前記1つ以上の子孫同位元素を5時間、10時間、20時間、24時間、48時間、72時間、または96時間で、容器内に発散するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項21】
壁に212Pbを含む容器の取得方法であって、前記方法は、
第1の部分および第2の部分を備える組立て品を提供するステップ、ここで、前記第1の部分は、容器を備え、前記第2の部分は、212Pb前駆体同位元素線源を備える、
前記212Pb前駆体同位元素線源が前記容器の内壁と接触しないように、そして単一チャンバー容器組立て品を提供するように、前記第1の部分および前記第2の部分を結合するステップ、
前記212Pb前駆体同位元素線源に子孫220Rn、216Po、および/または212Pbに崩壊するのに充分な時間を、そして220Rn、216Poおよび/または212Pbが前記単一チャンバー容器組立て品の前記内壁に沈降するのに充分な時間を取るステップ、
前記212Pb前駆体同位元素線源を前記単一チャンバー容器組立て品の内壁に接触させずに、残っている212Pb前駆体同位元素を前記単一チャンバー組立て品から除去または分離するステップ、および
前記容器の前記内壁に212Pbを含み、前記容器の前記内壁に前記212Pb前駆体同位元素線源を実質的に含まない容器を取得するステップを含む、
方法。
【請求項22】
第1の部分および第2の部分を備える組立て品であって、前記第1の部分は、容器を備え、前記第2の部分は、212Pb前駆体同位元素線源を含み、前記第1の部分および前記第2の部分は、前記212Pb前駆体同位元素線源が前記容器の内壁と接触しないように、そして単一チャンバー容器組立て品を提供するように、結合される、
組立て品。
【請求項23】
第1の部分および第2の部分を備える単一チャンバー容器組立て品であって、前記第1の部分は、容器を備え、前記第2の部分は、212Pb前駆体同位元素線源を含み、前記第1の部分および前記第2の部分は、前記212Pb前駆体同位元素線源が前記容器の内壁と接触しないように結合される、
単一チャンバー容器組立て品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、212Pb前駆体同位元素線源から取得される壁上の212Pbを含む容器を取得するための単一チャンバー拡散ジェネレータ(組立て品)、複数の組立て品及び方法に関する。本発明は、処理する必要がなく、高収率で高純度の212Pbを製造し、これを使用する予定の場所まで安全かつ効率的に輸送することができる、改良されたシステム及び方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
212Pbを調製又は製造するための組立て品は以前から説明され、220Rnが第1のチャンバー(線源チャンバー)から第2のチャンバー(収集器チャンバー)へ拡散した後に212Pbを収集するための別のチャンバーを備えるチャンバー内のステアリン酸と結合した228Thに基づく。
【0003】
別のシステムにおいては、228Th/224Raを1つの容器からポンプが生成する気流により抽出し、220Rn/212Pbを別の容器中に収集した。このシステムは、220Rnを輸送するための「空気のループ」及び212Pbをすすぎ、すすいだあと収集するための「液体のループ」から成った。これは、出荷及び取扱いに適さないかなり複雑なシステムであり、漏出したり、例えば病院で不適切に使用されたりする可能性が大きい。
【0004】
別のシステムにおいては、発散線源を1つのチャンバー内部に配置し、気体流を通過させ、220Rn/212Pbが収集される別のチャンバーに220Rnを運搬する。しばらく後、キャリアガス弁を閉じ、収集ユニットに上部弁から液体を加え、液体を下部弁から収集する。このシステムも比較的複雑である。これらのシステムはともに、熟練作業員のかなりの作業努力、並びに比較的高度な実験装置及び稼働空間を必要とする。
【0005】
また、220Rnの発散及び拡散に依存しない212Pbのジェネレータシステムは、以前から存在していた。現存するジェネレータシステムにおいては、224Raはイオン交換材料に結合し、酸を用いた溶出により212Pbを抽出したが、これは放射標識用に用いることができる前に蒸発させる必要があり、別の現存するシステムにおいては、224Raの分子ふるい精製による除去に続いて224Raを含む溶液中の212Pbを標識用に用いる。これらの方法はともに機能するが、処理に余分な時間を要し、第1の方法では第2の方法よりももっと時間を要する。
【0006】
212Pbの半減期はたったの10.6時間である。この半減期から抗癌剤治療などの医療適用の放射性同位元素の考えが浮かんだのは、212Pbは、長い半減期による長期の副作用なしに、標的上で働くからである。しかしながら、この特徴はまた、212Pbは速く崩壊し、時間の経過とともに低い収率をもたらすというだけの理由で、集約型の製造及びエンドユーザーまでの長距離出荷を含む商業的状況における使用を難しくする。
【0007】
したがって、現在の発散及び拡散システムについての難題は、収集容器に達する前に220Rnが崩壊することにより効率を著しく低減する可能性がある輸送距離である。例えば、1つのシステムでは、7.05MBqの228Th線源に対して3日間の稼働で2.01MBqの収集された212Pbの総収率、すなわち30%未満の収率が報告された。稼働時間が増えても収集量は増加せず、システムは気流速度に感受性があった。
【0008】
生物医学的適用のためのα放射体治療法に対する必要性がある。鉛-212(212Pb)は、α粒子を生じる短寿命の子孫に崩壊するβ放射体であり、したがって、α放射体治療法に有用な生体内のα放射体ジェネレータとして働くことができる。
【0009】
この産業ではしたがって、処理する必要がなく、高収率で高純度の212Pbを製造し、これを使用する予定の場所まで安全かつ効率的に輸送することができる、改良されたシステム及び方法を必要とする。
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的は、壁に212Pbを含む容器の取得方法であって、この方法は、第1の部分及び第2の部分を備える組立て品を提供するステップであって、この第1の部分は、容器を備え、この第2の部分は、212Pb前駆体同位元素線源を備える、提供するステップ、この212Pb前駆体同位元素線源がこの容器の内壁と接触しないように、そして単一チャンバー容器組立て品を提供するように、この第1の部分及びこの第2の部分を結合するステップ、この212Pb前駆体同位元素線源に子孫220Rn、216Po、又は212Pbに崩壊するのに充分な時間を、そして220Rn、216Po及び/又は212Pbがこの単一チャンバー容器組立て品の内壁に沈降するのに充分な時間を取るステップ、この212Pb前駆体同位元素線源をこの単一チャンバー容器組立て品の内壁に接触させずに、残っている212Pb前駆体同位元素をこの単一チャンバー組立て品から除去又は分離するステップ、及びこの容器の内壁に212Pbを含み、この容器の内壁にこの212Pb前駆体同位元素線源を実質的に含まない容器を取得するステップを含む、方法に関する。記載したシステムを、212Pbの単一チャンバー拡散ジェネレータと呼んでよい。
【0011】
下記において、前駆体同位元素を、212Pbの母核種、祖母核種、曽祖母核種、すなわち216Po、220Rn、224Raなどとして定義する。
【0012】
本発明のさらなる目的は、第1の部分及び第2の部分を備える組立て品であって、この第1の部分は、容器を備え、この第2の部分は、212Pb前駆体同位元素線源を含み、この第1の部分及びこの第2の部分は、この212Pb前駆体同位元素線源がこの容器の内壁と接触しないように、そして単一チャンバー容器組立て品を提供するように、結合される、組立て品に関する。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、第1の部分及び第2の部分を備える単一チャンバー容器組立て品であって、この第1の部分は、容器を備え、この第2の部分は、212Pb前駆体同位元素線源を含み、この第1の部分及びこの第2の部分は、この212Pb前駆体同位元素線源がこの容器の内壁と接触しないように結合される、単一チャンバー容器組立て品に関する。
【0014】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この単一チャンバー容器組立て品は、気密である。
【0015】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この212Pb前駆体同位元素線源は、232Th、228Ra、228Ac、228Th及び/又は224Raから成る群から選択される。
【0016】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この212Pb前駆体同位元素線源は、232Th、228Ra、228Ac、228Th及び224Raの混合物である。
【0017】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この212Pb前駆体同位元素線源は、228Th及び224Raの混合物である。
【0018】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この212Pb前駆体同位元素線源は、224Raである。本発明の1つ又は複数の実施形態において、この212Pb前駆体同位元素線源は、228Thである。この212Pb放射能は典型的には、内部成長状態に応じて、ジェネレータ中の224Ra前駆体放射能の0%~114%で変化してよい。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の少なくとも80%など、少なくとも70%など、少なくとも60%など、少なくとも50%など、少なくとも40%など、少なくとも30%など、少なくとも20%など、少なくとも10%などの少なくとも90%とすることができる。
【0019】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、212Pb前駆体同位元素線源は、212Pbに対する放射能比として測定して、少なくとも80%など、少なくとも70%など、少なくとも60%など、少なくとも50%など、少なくとも40%など、少なくとも30%など、少なくとも20%など、少なくとも10%などの少なくとも90%の228Thを有する228Thである。
【0020】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、212Pb前駆体同位元素線源は、212Pbに対する放射能比として測定して、少なくとも80%など、少なくとも70%など、少なくとも60%など、少なくとも50%など、少なくとも40%など、少なくとも30%など、少なくとも20%など、少なくとも10%などの少なくとも90%の224Raを有する224Raである。
【0021】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この単一チャンバー容器組立て品における放射能の合計量は、1kBq~100GBqである。
【0022】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この212Pb前駆体同位元素線源は、RaClなどの、無機塩又は有機塩の形態である。
【0023】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この212Pb前駆体同位元素線源は、粒子又は保持材料などの、非放射性物質に結合される。
【0024】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この212Pb前駆体同位元素線源は、乾燥形又は、水溶液若しくは分散液などの液体溶液である。
【0025】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この212Pb前駆体同位元素線源は、酸性、中性又は塩基性pHである液体溶液である。
【0026】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この212Pb前駆体同位元素線源は、液体の適用に適した材料から作製される細片又は球体上に堆積される。
【0027】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この212Pb前駆体同位元素線源は、紙、プラスチック、金属、セラミック、及び天然又は合成繊維、セルロースから成る群から選択される材料から作製される細片又は球体上に堆積される。
【0028】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、細片又は球体は、この第2の部分に付着され、この第2の部分は、棒などの、この細片又は球体を保持する手段を備える。
【0029】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この第2の部分は、シリンジを備える、又はこの棒は、このシリンジである。
【0030】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、このシリンジ先端は、ゴムキャップを突き抜けている。
【0031】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この第2の部分は、この容器を開閉する手段に付着する棒を備える。
【0032】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この容器を開閉するこの手段は、キャップ、カバー又は蓋である。
【0033】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、このキャップ、カバー又は蓋は、ゴム、ガラス、紙、プラスチック、金属、セラミック、及び天然又は合成繊維から成る群から選択される材料から作製される。
【0034】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この212Pb前駆体同位元素線源は、この線源を保持するのに適するが、ラドン拡散は可能にする、球体上又は中に配置される。
【0035】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この容器は、この212Pb前駆体同位元素線源不浸透性の気体透過性バリアを備える。
【0036】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この212Pb前駆体同位元素線源不浸透性のこの気体透過性バリアは、この212Pb前駆体同位元素線源と接触する。
【0037】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この容器は、この212Pb前駆体同位元素線源不浸透性の気体透過性バリアを備えない。
【0038】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この容器の容積は、1μl~1リットルなど、100μl~10mlなど、100μl~100mlなどの、1μl~10リットルである。
【0039】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この容器の内壁上にこの212Pb前駆体同位元素線源を実質的に含まないことは、212Pbに対する放射能比として測定して、この212Pb前駆体同位元素線源の、1%未満など、0.5%未満などの、3%未満の224Raとして規定される。
【0040】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この容器のこの内壁は、コーティングされている。このコーティングは、この内壁上の塩又は他の適した材料のフィルムであってよい。
【0041】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この容器のこの内壁は、212Pbと複合体を形成することができるキレート化剤を含有する化合物でコーティングされている。
【0042】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この容器のこの内壁は、TCMC又はこれの誘導体であるキレート化剤でコーティングされている。
【0043】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この容器は、水溶液又は油性溶液を含む。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明は、大きさが小さく、半減期が短い220Rn及び212Pbを取り扱うための輸送距離が短いより簡単でより安全なシステムに対する必要性に応じて、ラドンを生じる線源を収集チャンバー又は容器の内部に配置する組立て品を設計した。228Thのみを線源として用いる代わりに、本発明は融通がきき、純粋な224Ra又は228Thと224Raとの組み合わせを線源として、又はこれらの前駆体同位元素でさえ用いることができる(図1)。
【0045】
本発明の組立て品を、非常に小型で非常に簡単に作製することができ、出荷可能で使い捨ての212Pbジェネレータユニットを可能にする。本発明の文脈においては、組立て品、拡散ジェネレータ及びシステムは互換的に用いられる。記載される組立て品又はシステムはしたがって、212Pb用の単一チャンバー拡散ジェネレータと呼ばれてよい。
【0046】
したがって、本発明の目的は、内壁に212Pbを含む容器の取得方法であって、この方法は、第1の部分及び第2の部分を備える組立て品を提供するステップであって、この第1の部分は、容器を備え、この第2の部分は、212Pb前駆体同位元素線源を備える、提供するステップ、この212Pb前駆体同位元素線源がこの容器の内壁と接触しないように、そして単一チャンバー容器組立て品を提供するように、この第1の部分及びこの第2の部分を結合するステップ、この212Pb前駆体同位元素線源に子孫220Rn、216Po、及び/又は212Pbに崩壊するのに充分な時間を、そして220Rn、216Po及び/又は212Pbがこの単一チャンバー容器組立て品の内壁に沈降するのに充分な時間を取るステップ、この212Pb前駆体同位元素線源をこの単一チャンバー容器組立て品の内壁に接触させずに、残っている212Pb前駆体同位元素をこの単一チャンバー組立て品から除去又は分離するステップ、及びこの容器の内壁に212Pbを含み、この容器の内壁にこの212Pb前駆体同位元素線源を実質的に含まない容器を取得するステップを含む、方法に関する。このような容器又は組立て品の例は、本開示の実施例に記載され、図2~5にも見ることができる。
【0047】
本発明の態様は、この壁上に212Pbを含有する上の容器を取得すること、及びこの212Pbを溶液中に収集することを含む、212Pb溶液の取得方法に関する。この212Pbを、この212Pbが発生する前にこの容器中にある溶液内に収集することができ、又はこの212Pbが発生した後にこの容器へ導入される溶液を用いて、収集することができる。この収集は、例えばシリンジを用いて行うことができる。
【0048】
本発明のさらなる目的は、第1の部分及び第2の部分を備える組立て品であって、この第1の部分は、容器を備え、この第2の部分は、212Pb前駆体同位元素線源を含み、この第1の部分及びこの第2の部分は、この212Pb前駆体同位元素線源がこの容器の内壁と接触しないように、そして単一チャンバー容器組立て品を提供するように、結合される、組立て品に関する。
【0049】
本発明のさらに別の目的は、第1の部分及び第2の部分を備える単一チャンバー容器組立て品であって、この第1の部分は、容器を備え、この第2の部分は、212Pb前駆体同位元素線源を含み、この第1の部分及びこの第2の部分は、この212Pb前駆体同位元素線源がこの容器の内壁と接触しないように結合される、単一チャンバー容器組立て品に関する。
【0050】
記載される組立て品(又は本明細書において容器、システム、又はジェネレータとも規定される)による大きな利点は、212Pbの短い半減期(10.6時間)によって放射能レベルが影響されることなく、212Pbを供給することができることである。記載されるシステムがあれば、集約型生産設備で拡散ジェネレータを生産し、エンドユーザーにこれを出荷することが可能となる。携帯型使い捨てジェネレータを製造し、一方の側又は地域から他の側又は地域へ病院などに出荷できることもある。このような使い捨てユニットについては、純粋な224Ra(228Thを含まない)は、40~50日後には不活性になり、長寿命の放射性廃棄物の発生をほとんど避けられるので、好ましい。このような拡散線源は、224Raの半減期による影響を受ける方法で、220Rn/212Pbを着実に製造するだろう(表1及び図1)。212Pb前駆体同位元素線源を含有する容器は、同位元素が崩壊する性質により212Pbを製造するだろう。堆積する212Pbの量は、212Pb前駆体同位元素線源の選択及び時間を含むいくつかの要素に依存するだろう。時間は重要な要素である。本発明の目的は、実質的に純粋な212Pb溶液を調製する方法であって、この方法は、本明細書に記載される組立て品及び容器を取得することを含み、この212Pb前駆体同位元素線源は、密封した組立て品及び容器内に一定の時間維持され、この212Pb前駆体同位元素線源は、接触することなく分離又は除去され、この壁上の212Pbはついで、この212Pbを収集するのに適した溶液を添加することにより収集される。この212Pb前駆体同位元素線源が本発明の組立て品及び容器内に維持される時間は、212Pb前駆体同位元素線源の選択及び必要とされる212Pbの量に応じて、数分から、数時間、数日、数年とすることができる。時間は、少なくとも1日とすることができる。時間は、少なくとも1日とすることができる。時間は、少なくとも2日とすることができる。時間は、少なくとも4日とすることができる。時間は、少なくとも1週間とすることができる。時間は、少なくとも2週間とすることができる。時間は、少なくとも2週間とすることができる。時間は、少なくとも1か月とすることができる。時間は、少なくとも1年とすることができる。
【0051】
212Pbは、トリウムの天然放射性核種系列の1つであり、232Th(t1/2=1.4×1010年)を含む物質中に見出すことができる。212Pb前駆体はしたがって、意図した目的に基づいて選択することができる。より長い期間にわたり連続製造する212Pbジェネレータとしての働きをする組立て品又はシステムを製造するために、半減期がより長い前駆体を選択することができる。あるいは、半減期が短い同位元素を用いることは、例えば長寿命の放射性廃棄物の発生が問題になる可能性がある病院又は類似物での意図した目的である。もちろん、異なる前駆体の混合物もしたがって、適当であり、特定の期間にわたり特定量の212Pbを発生するには特定の組立て品も必要となる。
【0052】
したがって、本発明の1つ又は複数の実施形態において、212Pb前駆体同位元素線源は、232Th、228Ra、228Ac、228Th及び/又は224Raから成る群から選択される。したがって、下記において、212Pb前駆体同位元素は、212Pbの母核種、祖母核種、曽祖母核種、すなわち216Po、220Rn、224Ra、228Th、228Ac、228Ra、232Thとして定義される。
【0053】
これらの放射性同位元素の崩壊を図1に見ることができ、ここでは異なる崩壊プロフィールを有する212Pb前駆体同位元素線源を作製する可能性が明確に示され、前駆体同位元素の様々な組み合わせを用いると様々な期間にわたり様々な速度で212Pbを発生することができるだろう。
【0054】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、212Pb前駆体同位元素線源は、232Th、228Ra、228Ac、228Th及び224Raの混合物である。本発明の1つ又は複数の実施形態において、212Pb前駆体同位元素線源は228Thと224Raとの混合物である。この線源はまた、それぞれ232Th、228Ra、228Ac、228Th及び224Raの各々とすることもできるが、232Thは228Raなどに崩壊するので、崩壊により、もちろん混合物が生じる。鍵は、気体220Rnが製造されることであり、この理由は、気体220Rnは線源から拡散し、その後容器の内壁に212Pbとして沈降するからである。
【0055】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、212Pb前駆体同位元素線源は、212Pbに対する放射能比として測定して、少なくとも80%など、少なくとも70%など、少なくとも60%など、少なくとも50%など、少なくとも40%など、少なくとも30%など、少なくとも20%など、少なくとも10%などの少なくとも90%の228Thを有する228Thである。
【0056】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、212Pb前駆体同位元素線源は、224Raである。本発明の1つ又は複数の実施形態において、212Pb前駆体同位元素線源は、228Thである。212Pb放射能は典型的には、内部成長状態に応じて、ジェネレータ中の224Ra前駆体放射能の0%~114%で変化してよい。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の少なくとも80%など、少なくとも70%など、少なくとも60%など、少なくとも50%など、少なくとも40%など、少なくとも30%など、少なくとも20%など、少なくとも10%などの少なくとも90%とすることができる。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の少なくとも10%とすることができる。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の少なくとも10%とすることができる。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の少なくとも20%とすることができる。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の少なくとも30%とすることができる。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の少なくとも40%とすることができる。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の少なくとも50%とすることができる。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の少なくとも60%とすることができる。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の少なくとも70%とすることができる。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の少なくとも80%とすることができる。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の少なくとも90%とすることができる。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の少なくとも100%とすることができる。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の少なくとも110%とすることができる。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の最大20%とすることができる。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の最大30%とすることができる。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の最大40%とすることができる。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の最大50%とすることができる。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の最大60%とすることができる。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の最大70%とすることができる。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の最大80%とすることができる。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の最大90%とすることができる。212Pb放射能は、224Ra前駆体放射能の最大100%とすることができる。
【0057】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、212Pb前駆体同位元素線源は、224Raである。本発明の1つ又は複数の実施形態において、212Pb前駆体同位元素線源は、212Pbに対する放射能比として測定して、少なくとも80%など、少なくとも70%など、少なくとも60%など、少なくとも50%など、少なくとも40%など、少なくとも30%など、少なくとも20%など、少なくとも10%などの少なくとも90%の224Raを有する224Raである。
【0058】
212Pbジェネレータユニットとして作用する組立て品を、放射性医薬品の製造に適用するために集約型生産設備で大量生産し、エンドユーザーに出荷することができる。これを、212Pbの大規模な集約型生産用に適用し、使用することもできる。したがって、組立て品中の放射能の量を、その意図した目的に従って調整することができる。本発明の1つ又は複数の実施形態において、単一チャンバー容器組立て品中の放射能の総量はしたがって、1kBq~10MBqなど、100kBq~10MBqなど、1MBq~1GBqなど、10MBq~10GBqなど、1MBq~1GBqなど、1GBq~100GBqなどの、1kBq~100GBqとすることができる。単一チャンバー容器組立て品中の放射能の総量は、1kBq~100GBqとすることができる。単一チャンバー容器組立て品中の放射能の総量は、1kBq~10MBqとすることができる。単一チャンバー容器組立て品中の放射能の総量は、100kBq~10MBqとすることができる。単一チャンバー容器組立て品中の放射能の総量は、1MBq~1GBqとすることができる。単一チャンバー容器組立て品中の放射能の総量は、10MBq~10GBqとすることができる。単一チャンバー容器組立て品中の放射能の総量は、1MBq~1GBqとすることができる。単一チャンバー容器組立て品中の放射能の総量は、1GBq~100GBqとすることができる。
【0059】
本発明の1つ又は複数の実施形態において単一チャンバー容器組立て品中の212Pb放射能の量はしたがって、1kBq~10MBqなど、100kBq~10MBqなど、1MBq~1GBqなど、10MBq~10GBqなど、1MBq~1GBqなど、1GBq~100GBqなどの、1kBq~100GBqとすることができる。本発明の1つ又は複数の実施形態において単一チャンバー容器組立て品中の212Pb前駆体同位元素線源放射能の量はしたがって、1kBq~10MBqなど、100kBq~10MBqなど、1MBq~1GBqなど、10MBq~10GBqなど、1MBq~1GBqなど、1GBq~100GBqなどの、1kBq~100GBqとすることができる。
【0060】
212Pb前駆体同位元素線源は、適用タイプに応じて異なる形、大きさ及び形状をとることができる。したがって、本発明の1つ又は複数の実施形態において、212Pb前駆体同位元素線源は、RaClなどの、無機塩又は有機塩の形態である。212Pb前駆体同位元素線源はまた、乾燥形又は、水溶液若しくは分散液などの液体溶液とすることもできる。本発明の1つ又は複数の実施形態において、212Pb前駆体同位元素線源は、酸性、中性又は塩基性pHである液体溶液である。pHは、pH1~6、pH2~6、pH2~8、pH4~8、pH5~7、pH6~8、pH7~8、pH7,2、pH8~10、pH8~12、又はpH10~14などの、1-14とすることができる。
【0061】
溶液は、水溶液とすることができる。この溶液は、0.1M HCl水溶液とすることができる。この溶液を、組立て品の壁上の212Pbを溶解するために用いることができる。
【0062】
ジェネレータシステムとして作用する組立て品を、患者単一投薬又は患者複数回投薬を調製するために、又は工業用にさえ用いてよい。放射性同位元素の量をしたがって、組立て品の用途に応じて調整することができる。
【0063】
212Pb前駆体同位元素線源を、典型的には非常に少量の液体体積で、棒上に、直接又は棒に付着した細片上にいずれかで配置することができる。本発明の1つ又は複数の実施形態において、212Pb前駆体同位元素線源を、液体の適用に適した材料から作製される細片又は球体上に堆積される。このような液体は、1μl~10μlなど、1μl~100μlなどの、1μl~1mlの量とすることができる。
【0064】
バイアルとすることができる、容器が空であってよい、又は底に小体積の液体を含む場合、これは線源に接触していない。本発明の1つ又は複数の実施形態において、容器は、水溶液又は油性溶液を含む。
【0065】
線源は、線源物質により収集ユニット(容器)の内面の相互汚染を引き起こすようにはしたたり落ちたり欠けたりせず、接触による相互汚染を引き起こすことなく線源及び線源ホルダーを収集器から除去又は引き抜くことができるということは重要である。
【0066】
1つ又は複数の実施形態において、線源は、相互汚染の危険を低減するために格子によって囲まれる又は多孔質材料中にカプセル封入される。このカプセル封入は、212Pb前駆体同位元素線源不浸透性の気体透過性バリアとすることができる。
【0067】
したがって、本発明の1つ又は複数の実施形態において、容器は、212Pb前駆体同位元素線源不浸透性の気体透過性バリアを備える又は備えない。
【0068】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、212Pb前駆体同位元素線源は、線源の保持に適するが、ラドン拡散は可能にする、球体上又は中に配置される。容器は、212Pb前駆体同位元素線源不浸透性の気体透過性バリアを備え、212Pb前駆体同位元素線源不浸透性の気体透過性バリアは、212Pb前駆体同位元素線源と接触することができる。本発明の1つ又は複数の実施形態において、単一チャンバー容器組立て品は、気密である。
【0069】
図2は、容器(第1の部分)がキャップと結合し、このキャップに付着した棒を、全行程中この線源を容器の内壁に接触させずに212Pb前駆体同位元素線源(第2の部分)を保持するために用いることができる単一チャンバー容器組立て品の例を示す。
【0070】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、212Pb前駆体同位元素線源をしたがって、粒子又は保持材料などの、非放射性物質に結合することができる。これらがあると、線源が容器を汚染しないことを確実にすることができる。212Pb前駆体同位元素線源を、紙、プラスチック、金属、セラミック、及び天然又は合成繊維から成る群から選択される材料から作製される細片、球体又は棒上に堆積することができる。細片又は球体は、この第2の部分に付着され、又はこの第2の部分中に含有される若しくは含まれることができ、この第2の部分は、この細片又は球体を保持する手段を備える。このような手段は、例えば棒とすることができる。
【0071】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、この第2の部分は任意選択的に、この容器を開閉する手段に付着する棒を備える。この容器を開閉する手段は、ゴム、ガラス、紙、プラスチック、金属、セラミック、及び天然又は合成繊維、セルロースイオン交換樹脂、天然鉱物、ポリマーから成る群から選択される材料から作製されることができるキャップ、カバー又は蓋とすることができる。あるいは、線源は、このキャップに接着される又は接着されないの両方で、このキャップ上に配置される材料に付着される。キャップが底部上に配置される場合、線源材料を212Pb収集部に接触させることなくただキャップの内部上に配置し、重力により適所に保持されるだけでもよい。このような場合においては、ジェネレータユニットは正しい位置に保存され、取り扱われるはずであり、これにより、線源を有するキャップは常に底部に保持される。
【0072】
容器を開閉する手段は、212Pb前駆体同位元素線源を備えることができる。212Pb前駆体同位元素線源をスポンジ、ウール、又は容器を開閉する手段に212Pb前駆体同位元素線源を保持することができる別の物質上に配置することができる。ウールは、石英ウールとすることができる。ウールはまた、鉱物ウールとすることもできる。ウールはまた、グラスウールとすることもできる。容器を開閉する手段に212Pb前駆体同位元素線源を保持することができる物質を、接着剤、両面取付テープ、又は他の付着手段により付着することができる。
【0073】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、第2の部分は、シリンジを備える、又はこの棒はシリンジである。保持手段を紙、プラスチック、金属、セラミック、及び天然又は合成繊維、セルロースイオン交換樹脂、天然鉱物、ポリマーから成る群から選択される材料から作製される細片又は球体上に堆積することができる。
【0074】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、シリンジ先端は、ゴムキャップを突き抜けている。別の設計では、第2の部分は、212Pb前駆体同位元素線源を保持する手段がキャップ又は容器の内壁に付着した、シリンジ先端を備える、透過性で、優先的にセルフシールのゴムキャップ、又は別の材料のセプタムである。この場合において、組立て品を用いると、シリンジはキャップを突き抜けるが、212Pbを容器の内壁から水溶液中に溶解することができるだろう。生じた212Pb水溶液をその後同じシリンジによって収集することができ、患者の用法に直接適用することができるGMP環境における活動の選択肢をもたらすだろう。したがって、1つの実施形態において、212Pb前駆体同位元素線源をカプセル又は類似物中に引き抜き、例えばゴムセプタムを通じてシリンジにより移動された溶液を用いることにより、2個のユニットを分解する必要なく、容器を洗浄することができる。別の実施形態において、組立て品をオートクレーブすることができ、溶液は疾患を標的とするためのキレート化剤を含有する生理的に許容される組成であり、滅菌シリンジフィルターの有無にかかわらずシリンジ中に引き抜き、直接注入できる。1つの実施形態において、全てのサブユニットを含む組立て品は加熱滅菌耐性であり、キャップにはシリンジ透過性領域があり、組立て品から212Pbを無菌的に抽出することができる。
【0075】
操作の数時間後又は数日後に、212Pb前駆体同位元素線源を備える組立て品を、例えば付着した212Pb前駆体同位元素線源を備えるキャップから放射能がない新しいキャップに変えることにより、212Pb前駆体同位元素線源を格納し、内面を適した溶液で洗浄して表面に堆積した212Pb及び子孫を溶解することにより、212Pbを生産するために用いることができる。212Pb溶液は長寿命の前の放射線核種を含まないので、例えばがん治療のためにキャリア分子を標識するさらなる化学的処理をしないで直接用いることができる。
【0076】
212Pb前駆体同位元素線源は、212Pb前駆体同位元素線源が付着して220Rnを拡散させる材料の針、棒又は細片と結合することができる。線源は、212Pb前駆体同位元素線源を容器から引き抜くとき相互汚染を防ぐための放射能部用のホルダー及び線源を囲む格子若しくはリング又は類似物を備えても備えなくてもよい。1つの実施形態において、212Pb前駆体同位元素線源を、容器を閉じるために用いることができるねじぶたに付着してよい。線源をカバーから引き抜くことにより、212Pb前駆体同位元素線源を容器から分離することができる。これにより、線源が容器の内壁と相互汚染しない一方、212Pbを抽出することを確実にし、組立て品の使用時に曝露する危険も制限される。重要なのは、崩壊期間の後、バイアルの内面上に吸収された212Pb前駆体同位元素線源及び212Pbを、例えば線源が棒又は類似物によって付着されたねじぶたを標準的な気密ねじぶたと取り換えることにより、212Pb前駆体同位元素線源を容器から引き抜くことにより分離することができるということである。したがって、1つの特定の実施形態において、線源をジェネレータユニット内面から分離するための「クリックペンシステム」又は類似物に類似するキャップ中に引き抜かれる格納式の放射能線源を備える212Pb前駆体同位元素線源があり、したがって、キャップの分解及び取り換えは必要としない(例えば図2及び4)。したがって、組立て品の第2の部分は、開位置及び閉位置をとることができるピストンを含むことができる。組立て品の第2の部分はまた、気密Oリングシールを有するチャンバーを備えることができる。1つ又は複数のさらなる実施形態において、組立て品は、第2の部分に気密及び液密の蓋又は弁を備える。
【0077】
組立て品の第2の部分は任意選択的に、グラスウール、石英ウール、鉱物ウール、金属、紙、綿、ステアリン酸若しくは別の脂肪酸、金属、セルロース、天然鉱物、ポリマー、イオン交換樹脂、又は他の繊維状物質を含む、ラジウム又はトリウムを吸収することができる物質製の小さな球を供給されてよい針、棒又は細片を含むことができる。前駆体同位元素のホルダーの組成は、各種材料に対するラドンの既知の親和性に従って注意して選択されるべきである。228Th又は224Raの吸着又は吸収に優れ、220Rnの親和性が低い材料は適している。容器を、ねじぶた又は類似物を備えたガラスバイアルなどの、ガラス(石英を含む)、ポリマー及び又は金属から作製することができ、これにより線源をねじぶたに付着させる。容器(又は組立て品)は、例えば224Ra又は228Thを含む石英ウールがこのキャップの内部の中心に配置された、逆さに配置されたガラスフラスコであってよい。212Pbを、この線源を含むこのキャップからこのフラスコを逆さに静置しながら回して抜き、その後このフラスコの内部を溶液で洗浄して212Pbを溶解させることにより作製することができる。容器は、1μl~1リットルなど、100μl~10mlなど、100μl~100mlなどの、1μl~10リットルの容積を有することができる。容積は、用法に依存し、単回使用では概して小さく、工業用バッチ容器では大きいだろう。
【0078】
相互汚染の危険を最小限にすることは重要であり、212Pb前駆体同位元素線源が容器の内壁と接触しないよう組立て品を設計する必要がある。したがって、本発明の1つ又は複数の実施形態において、容器は、容器の内壁上に212Pb前駆体同位元素線源を実質的に含まない。実質的に含まないことの定義は、組立て品中で作製される212Pbの用法に依存する。本発明の1つ又は複数の実施形態において、「実質的に含まない」とは、212Pbに対する放射能比として測定して、1%未満など、0.5%未満などの、3%未満の224Raの212Pb前駆体同位元素線源と定義される。本発明の1つ又は複数の実施形態において、実質的に含まないこととは、容器の壁からの溶液中の224Raに対する212Pbの純度を指す。この純度は、95%超であってよい。この純度は、98%超であってよい。この純度は、99%超であってよい。この純度は、99.5%超であってよい。この純度は、99.8%超であってよい。
【0079】
容器は、212Pb前駆体同位元素線源を囲んでいるが、接触していない。これは、例えばガラス、プレキシガラス、金属、セラミック、ポリプロピレン及びテフロンを含むポリマー又は220Rn及び/又は212Pbが容器の内壁上に堆積することができ、放射標識でさらに使用するために適した溶液で洗浄する場合212Pbを溶解させるのに適した他の材料などの、適切な材料から作製すべきである。溶液を、容器の内壁を洗浄して放射性核種、主に212Pb及び子孫を抽出するために用いることができる。溶液は、212Pb製造期間中組立て品中に存在してよく、又は212Pb前駆体同位元素線源を除去又は引き抜いた後に適用してよい。1つの実施形態において、この溶液及び酸性又はアルカリ性溶液を、患者に投与する使用の前に移動し、中和することができる。1つの実施形態において、溶液は、医薬品用途に適した純度の水であってよい。単回使用については、例えば100ul~10mlなどの1ul~1リットル、複数回使用については1ul~10リットル又はそれ以上の溶液体積を用いてよい。
【0080】
容器は、拡散生成物を収集するのを支援するために内面に表面フィルム又は少量の液体を含んでも含まなくてもよい。この表面フィルムは例えば、コーティングであってよい。大きさ及び容積は、単回使用装置についてはマイクロリットル~ml、複数回使用についてはマイクロリットル~数10リットル又はそれ以上であってよい。容器の内壁をコーティングしてよい。このコーティングにより、212Pbが最適な方法で沈降するのを確実にすることができる。本発明の1つ又は複数の実施形態において、容器の内壁は、212Pbと複合体を形成することができるキレート化剤を含む化合物でコーティングされる。212Pbの複合体が必要な場合には、内壁を1つ又は複数の化合物でコーティングすることもできる。本発明の1つ又は複数の実施形態において、容器の内壁は、212Pbをキレート化することができるキレート化剤でコーティングされる。このキレート化剤は、TCMC又はこの誘導体であってよい。コーティングは、内壁上の塩又は他の適した材料のフィルムであってよい。
【0081】
特定の実施形態において、容器は、適した反応時間後に治療目的で直接用いることができる放射標識溶液を産するために錯体形成剤を含有する反応溶液で直接洗浄される。1つの実施形態において、最終生成溶液を、必要とされる対象に投与する前に、オートクレーブする及び/又は滅菌ろ過する。
【0082】
1つの実施形態において、組立て品をフラッシュ及びろ過回路(flushing and filtering circuit)に取り付けることができ、これにより線源をチャンバーから引き戻すとき、例えば99mTcジェネレータ用と類似する方法で、溶液のタンクを接続し、ろ過フィルターを備える出口及びシリンジ又は真空ポンプを取り付けてチャンバーを洗い流し、フラッシュ溶液を収集する。
【0083】
概して、前駆体線源ホルダーの面と収集チャンバー内面との面積比は、可能な限り多くの発生した212Pbが収集チャンバーの面に沈降するよう最適化されるべきである。この面は、平坦若しくは多孔性であってよく、又は拡散サブユニット、容器又は組立て品と比較して表面積を拡張するための構造を含んでよい。
【0084】
製造は、5時間、10時間、20時間又はそれ以上の製造時間とすることができる。その後、線源をチャンバーから、線源を完全に引き抜いたときに閉じる気密及び液密の蓋を底部に備える管状ホルダー又は類似物中に引き抜いてよい。これにより、例えばシリンジなどにより洗浄溶液を添加する、又は例えば99mTcジェネレータのものと類似するフラッシュ及び収集回路(flushing and collecting circuit)を作動することができる。
【0085】
特定の実施形態において、単一チャンバー拡散ユニットは、組立て品の内面に212Pb前駆体同位元素線源をフィルムとして有し、線源被覆面中にこれらに接触せずに挿入された212Pb収集部(容器)を有する、すなわち、図2に示されるものに対して逆の構成である。
【0086】
別の実施形態において、拡散ジェネレータを20℃より高い温度又は低い温度のいずれかに、温度操作をかける。
【0087】
本発明の用途としては、放射性医薬品、医療機器の製造及び/又は212Pbの標準化線源が挙げられる。本発明の組立て品を、較正用の212Pb標準物質を製造するために用いることができる。
【0088】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、本発明の組立て品は、212Pb前駆体同位元素線源、及びキレート化剤を含有する溶液、及び治療に使用するための化合物を含むキットを備える。このような化合物は、ナノ粒子又は微粒子であってよい。1つの実施形態において、このようなキットは、212Pb前駆体同位元素線源、容器の内壁を洗浄するための溶液、及び溶液又は乾燥形の例えばキレート化剤、微粒子又はナノ粒子などの担体化合物を含む。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0089】
以下の図面及び実施例を、本発明を説明するために以下に提供する。これらは、例示を意図しており、いかなる方法でも限定すると解釈されることを意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0090】
図1図1は、232Thのその子孫への崩壊を示す。崩壊の種類(α崩壊又はβ崩壊)を示し、半減期も示す。これらの半減期は、崩壊率を規定するので重要であり、したがって、212Pbを製造するための212Pb前駆体同位元素線源としての同位元素の最適な混合を決定する鍵でもある。
図2A図2Aは、容器(A)を備える単一チャンバー容器組立て品の図を示し、単一チャンバー容器組立て品中へ放出され、崩壊後は容器(C)の内壁に212Pbとして沈降する220Rnガスを発生する212Pb前駆体同位元素線源(B)。単一チャンバー容器組立て品の上部(D)は、第2の部分であり、212Pb前駆体同位元素線源及びこの場合には容器の中心に向かって取り付けられ、したがって212Pb前駆体同位元素線源が220Rnを容器中へ放出することを可能にする、棒を有するカバー/キャップを備える。
図2B図2Bは、212Pb前駆体同位元素線源(B)が気密シール中へ引き抜かれており、220Rnが容器中へ放出されないことを確実にする状況を示す。212Pb前駆体同位元素線源を、組立て品から完全に除去することもできる。
図3図3は、シリンジ先端(ねじぶたの上部にテープによって固定された位置で)によって貫通された膜が挿入された蓋無しのねじぶた及びシリンジ先端(左の写真は、212Pb前駆体同位元素線源及び容器を示す)に付着された実験台ペーパーの細片を備えた3mlバイアルに基づくジェネレータシステムのむきだしの変形の図を示す。212Pb前駆体同位元素線源は、線源を備えるねじぶたを注意深くバイアルに付着する前に(右の図)ピペットにより細片上に配置される。非常に重要なのは、線源は、ユニットを組み立てたり分解したりするときは、相互汚染を避けるためにバイアルと接触しないことである。
図4図4は、蓋上のシリンジの透過性領域にセプタムを供給させることにより212Pbを内面から洗い流すことを簡易化した格納式線源を備える212Pb用の単一チャンバー拡散ジェネレータの例で、シリンジは、ユニットを閉位置に動かすときに放射性核種の相互汚染なしに内面を洗浄するために用いられることもある。
図5図5は、上の図は、212Pb製造用の100、50及び10mlジェネレータユニットを示す。図5の下の図は、内面の中心に石英ウールを備えるキャップを示す。212Pb前駆体核種溶液を石英ウール上に配置することができ、前駆体線源材料から220Rn拡散により発生し、フラスコの内面に堆積した212Pbを製造するためにフラスコを逆さ貯蔵用に取り付けた。
【実施例
【0091】
実施例1―様々な時点での212Pb娘核種の相対レベルの算出
背景。治療放射性医薬品における純粋な212Pbの開発及び使用は、放射性核種の短い半減期(10.6時間)によって妨げられ、集約型方式で製品を製造し、エンドユーザーに出荷することをほとんど不可能にしている。もし224Raを212Pb用の短期間のジェネレータとして用いるなら、212Pbの放射能レベルを、3.6日である224Raの半減期に従って本質的に維持できる。純粋な224Raの密封された線源の212Pbレベルの変動を示す。
【0092】
方法:212Pbの純粋な224Ra線源からの内部成長を、汎用活性計算機を用いて算出した。
【0093】
結果:表2は、純粋な(224Raを含まない)薬剤溶液の製造及び気密容器での保存後の様々な時点での212Pbの量を示す。示すように、純粋な212Pb線源は、急速に崩壊し、24時間あたり75%超を失った。表3は、同じ時点での224Raの密封した線源中に存在する212Pbの量を示す。示すように、212Pb活性は、少なくとも96時間までは高レベル(50%超)に維持される。
【0094】
表4は、212Pb用の224Ra前駆体に基づくジェネレータを96時間中数回「ミルキング」する効果を示す。
【0095】
データからはまた、純粋な224Raで開始するとき、比較的短時間内に相当量の娘核種が存在することが示される。しかし注目に値することは、溶液中での212Pbの224Raに対する比率は、36時間後には1に達し、その後約1.1まで徐々に増加し、この比率は完全崩壊までの残りの時間維持されることである。結論として、224Raを212Pbの線源として用いると、集約型製造してエンドユーザーに出荷する物流が可能となり、存在する224Raから212Pbを抽出する容易な方法を提供する。
【0096】
実施例2―放射性核種の調製及び放射能サンプルの集計
下記において、溶液の蒸発などを含む濃縮した放射能調製品を用いる全ての作業をグローブボックス中で行った。1M HNO3中の228Thの線源を商業用供給者から取得した。Ac樹脂を、包装済みカートリッジの形でEichrom Technologies LLC (Lisle, IL, USA)から取得した。
【0097】
ラジウム224を、固定化された228Thを含むアクチニド樹脂を含有するカラムを1M HClで溶出することにより、アクチニド樹脂(Eichrom Technologies, LLC)に結合した228Thから作製した。溶出液を第2のAc樹脂カラムで精製し、溶媒を蒸発させるために、約110℃のヒーターブロックに配置されたガス入口及び出口、並びに窒素ガスの穏やかな流れを備えるキャップを備える蒸発バイアルを用いて、溶出液を乾燥状態まで蒸発させた。蒸発バイアルが溶媒から空になったとき、残渣を溶解するために概して200~400μlの0.1M HClを加えた。典型的には、228Th線源に存在する224Raのうち70%超を、記載した方法を用いて抽出し、精製することができた。
【0098】
放射能サンプルを、Cobra II Autogammaカウンター(Packard Instruments, Downer Grove, IL, USA)でカウントした。228Th線源から224Raの抽出中、CRC-25R線量較正器(Capintec Inc., Ramsey, NJ, USA)を使用した。
【0099】
実施例3-放射平衡に達する前の212Pb/224Ra混合物中の212Pbについての正味計数率の測定
3日よりも後、すなわち、気密に維持されたサンプルの「平衡状態」は、実用的な目的のための、1.1倍212Pb対224Raを有する。
【0100】
気密ユニットにおいて212Pbが平衡状態であるか又は平衡状態より低いかにかかわらず、余剰の212Pbが99%まで減少し、212Pbの224Raからの内部成長が「平衡状態」に対して実質的にそろったので、これが3日後に達成されることが想定できる。
【0101】
70~80KeVに設定した集計ウィンドウを用いたCobra II Autogammaカウンターを使用することで、224Ra系列の他の放射性核種からごくわずかの関与によって212Pbが主に得られる。初期の212Pbが消失し、且つ、224Raと212Pbとの間の平衡状態に達したときに(約3日後に)、ラジウム-224を間接的にカウントする必要がある。さもなければ、220Rnが流出して、達成するべき212Pbと224Raの間の1.1の放射性核種平衡状態を妨げることができるので、この間接的な集計は、比較的気密な容器内にサンプルを保存する必要がある。
【0102】
サンプリングと集計をいつか切り離すことができるので、212Pbの正味計数率を、サンプリング時の正味の212Pb計数率を測定するように崩壊に関して調整することができる。212Pbサンプルを一週間以上保存して、再測定することにより、約110時間の保存後の放射能は212Pbではなく、より長寿命の前駆体同位元素に由来するにちがいないので、224Ra汚染物質の量を測定することができる。
【0103】
実施例4-212Pb製造用の簡素化した単一チャンバー(拡散チャンバージェネレータ)組立て品(図3)。
オープントップキャップを備える3ml v-バイアル。オープントップキャップは、シリンジ先端によって透過可能な膜を供給された。シリンジ先端は膜を突き抜け、オープントップキャップに関して先端の位置を固定するために上部にテープで固定された。シリンジ先端にはシリンジ先端を細片の2個の穴に挿入することにより約0.5×3cmの吸収ペーパーの細片を配置した。ペーパーの細片に2~40ulの224Ra溶液を加えた。その後キャップをv-バイアル上に注意深く配置した一方、シリンジ先端及び放射能細片は、v-バイアルの内側に接触しなかった。その後組立て品を様々な時間静置して細片から細片を囲む空間に220Rn拡散を介して212Pbを作製した。212Pbは、v-バイアルの内面に沈降する傾向にあった。224Ra線源を細片上に適用するために用いられる液体体積に応じて、適用された液体の蒸発/凝縮により液体のいくらかの凝縮があってよい。あるいは、v-バイアル内面上でのいかなる溶媒の凝縮も避けるために、ユニットを組み立てる前に線源を乾燥することもある。
【0104】
実施例5A:ペーパー細片上に吸収された212Pb前駆体同位元素線源を用いる212Pbの製造
方法:組立て品を図3に従って224Raをv-バイアルに挿入された拡散サブユニットの細片上に配置して組み立て、220Rn及び212Pbを製造するために17.5時間以上静置した。生成物の放射線化学的純度の212Pb評価の製造。製造期間の最後に、全ユニットをCapintec線量較正器で測定した。製品を、容器及び気密ねじぶたを備えるキャップから線源を分離し、すぐにCapintec線量較正器で測定することにより評価した。製品の純度を、全ての212Pbは崩壊してしまったが、より長寿命の前の核種224Ra及び228Thの存在は測定できるであろう数日後に収集器サブユニットを再度測定することにより、決定した。結果:高度に精製された212Pbを収集器サブユニットに、相対収率65.6%(範囲62.7~69.9%n=4)で、測定可能なより長寿命の前の核種が存在することなく(0.5%未満)、収集した。結論として:組立て品は、さらに精製する必要がなく、容易に精製した212Pbを製造及び収集するのに効果的だった。
【0105】
実施例5B:パラフィルム細片上に吸収された212Pb前駆体同位元素線源による212Pbの製造。5Aの実験を、前駆体同位元素線源を運搬するためにペーパーの細片の代わりにパラフィルム細片を用いたことを除いて、繰り返した。
【0106】
結果:収集器サブユニット(バイアル又は容器)の内面上の212Pbの収率は、たったの19.3%であることが分かった。対照的に、正確に同じ構成及び放射期間で並行して実行したペーパーの細片を備えるユニットでは、63.9%の収率を得た。結論として、212Pb前駆体同位元素線源を吸収及び保持するために用いられる材料は、収集器サブユニット又は容器上の212Pbの収率に大きな影響を及ぼすことができた。
【0107】
実施例6:溶液を用いた容器からの212Pbの溶解
方法:収集バイアルに0.3~0.5mlの0.1M HClを加え、内面が液体と接触するよう穏やかに旋回し、Capintec線量較正器でカウントした。その後液体をエッペンドルフチューブに移動し、Capintec線量較正器で測定した。収集器サブユニット(3ml v-バイアル)を0.3ml 0.1M HClで1回のみ洗浄すると、抽出収率は、74.0%(範囲70.0~76.9%、n=3)だった。結論として、容器の面上に吸収された212Pbは、迅速に、優れた収率で放射線医薬品処理に有用な溶液によって溶解された。
【0108】
実施例7:薄層クロマトグラフィー分析
薄層クロマトグラフィー(TLC)を、クロマトグラフィー片(モデル#150-772、Biodex Medical Systems Inc, Shirley, NY, USA)を使用しておこなった。約0.5mlの0.9%NaClの入った小さいビーカーを、サンプルスポットした細片を配置するのに使用した。一般的に、細片には、細片底部の上方約10%に1~4μlのサンプルを加えた。溶媒の先端が細片の上部から約20%まで移動した後に、細片を半分に切り、そして、それぞれ半分を集計のために5mlの試験管内に配置した。この系では、放射性標識抗体及び遊離放射性核種は、下半分から移動しないのに対して、EDTAで錯化した放射性核種は上半分まで移動する。DPBS中の7.5%のヒト血清アルブミン及び1mMのEDTAから成り、そして、NaOHで約pH7に調整した製剤バッファー(FB)を、遊離放射性核種を測定するための細片に適用する前に少なくとも5分間、2:1の比で放射性結合体と混合した。遊離212Pbを含む試験溶液中の放射性核種は、FBと混合すると、EDTAによって完全に錯化され(99%超)、TLC細片の上半分まで移動することが確認された。
【0109】
実施例8:溶液中の212Pbのin situキレーション
背景:容器から0.1M HClで抽出された212Pbの標識特性を評価した。方法:10:1の比率の0.1M HCl及び5M酢酸アンモニウム中の212Pbを、キレート化剤の添加前に使用し、反応用に5~6のpH範囲にした。37℃、15~30分の反応時間で試験した。100μlあたり5μgのPSMA-617溶液について、TLCにより決定して、96.6%の良好な収率で標識化された。また、約1.0mg/mlのTCMC結合ハーセプチン抗体溶液を、純粋な212Pbにより98.9%の良好な収率で標識化した。結論として:組立て品により製造された鉛-212は、小分子の結合体及び大分子の結合体と容易に錯化し、212Pbベースの放射性医薬品の製造における使用に適合性があることが分かった。
【0110】
実施例9-ユニットが密封され、1つの時点でのみ空にされた場合の224Ra線源からの212Pbの製造
表3の下の列は、ユニット内に100MBqの224Ra線源を挿入した後、様々な時点後に空にされた拡散ジェネレータからの出力の例を示す。示す通り、ジェネレータは、96時間までは比較的安定した212Pbの出力をもたらす。
【0111】
実施例10-例えば分割放射性核種治療に用いる場合、4日間1日に一度ユニットを空にするときの224Ra線源からの212Pbの製造
表4は、組立て品を24時間ごとに一度ミルキングするときの出力を示す。100MBqの線源で開始するとき、合計した出力は、151.5MBqの212Pbの総計である。結論として、この1つのチャンバー組立て品は、単回投与並びに分割投与製作に適している。
【0112】
実施例11-格納式線源を備える組立て品の例(図2及び図4
用いられる材料は、ガラス(石英を含む)、ポリマー、金属、セラミック、又は医薬品容器に適した他の材料であってよい。図2の棒(図4のピストン)は、気密シールを確保するために上部にOリング又は類似物を備えるチューブ中にすべり動く。棒の下部の弁は、ユニットに対して閉位置で気密及び液密である。
【0113】
開位置では、線源は容器の内側に露出し、220Rnを発散し、内面上への212Pbの堆積を引き起こす。閉位置では、線源は容器から封鎖され(図2B)、容器の面は適した溶液と接触して212Pbを溶解することができる。
【0114】
キャップがシリンジ透過性膜を有する実施形態において、キャップを取り除くことなく212Pbを抽出するために、無菌溶液を有する無菌シリンジを用いる。212Pbの抽出前にこのようなユニットをオートクレーブしたとき、全手順を無菌的/無菌的に(aseptic/sterile fashion)実行することができる。
【0115】
実施例12.212Pb単一チャンバージェネレータの石英ウール上に配置された前駆体核種
方法:図5に示すようなフラスコを用いた。フラスコの大きさは、変化してよく、典型的には10-100mlのフラスコを用いた。ジェネレータとして用いるとき、フラスコを逆さにした。キャップを取り除き、キャップの中心の内側に石英又はグラスウールを配置した。溶液中のラジウム-224を石英ウール上に配置し、石英ウールをフラスコに接触させずにフラスコをキャップに取り付けた。ユニットを固く締め、ある期間逆さの位置に保管して内部成長から212Pbを作製した。典型的な1日~数日後、フラスコを逆さに保持しながらキャップから回して抜き、石英ウールに接触せずにキャップから注意深く取り除いた。線源を有するキャップを別のフラスコと合わせ、さらに212Pbを製造するために逆さに保管した。回して抜いた212Pbを含有するフラスコに0.5~2mlの0.1M HCl溶液を加え、内面を洗浄することにより212Pbをフラスコから抽出し、使用するために収集した。
【0116】
結果:典型的には、作製された212Pbの放射能のうち50~70%がフラスコ中に見出され、注意深く洗浄することにより212Pbの放射能のうち90%超を洗浄溶液中に収集することができた。作製された212Pbは、新しく抽出された溶液中で224Raは212Pbの10-4しかなく、非常に純度が高かった。生成物は、キレート化剤含有タンパク質及び小分子の標識化における使用に非常に適しており、典型的には97%を超える、非常に高い標識収率をもたらした。
【0117】
結論として、データから、石英ウールは224Ra線源を保持するのに非常に適していることが示され、石英/グラス/鉱物ウール、金属ウールなどがこの目的に適していることが分かった。フラスコ/石英ウールシステムを直立位置で用いることも可能であり、石英ウールを、例えば接着剤、両面取付テープなどによりカプセルに接着することも可能である。本実施例においては、フラスコを逆さにして用い、石英ウールを接着しなかったが、ただ配置し、キャップ内に重力により正しい位置に保持した。
【0118】
実施例13.単一チャンバージェネレータの逆さフラスコシステムバージョン
212Pbで標識化するためのフラスコベースの拡散ジェネレータ
【0119】
鉛-212は、短寿命のα線放射娘を介して崩壊し、212Pb崩壊あたり平均1個のα粒子を生じるので、治療的な高LET放射線を発生する。212Pbの半減期10.6時間は、その使用の限界であり、迅速で安全な製造及び精製手順が必要とされる。すぐに使える製品が集約型製造設備で製造され、エンドユーザーに出荷されるならば、放射能レベルは1日で25%未満に低下するだろう。鉛-212ベースの放射性免疫複合体は、陽イオン交換カラムで224Raから分離され、鉱酸に溶出された212Pbを用いる腹膜癌に対する臨床試験中であり、これは放射標識前に元に戻す必要がある。この方法は、224Raジェネレータ材料から212Pbを作り上げるためのかなりの作業努力、設備及び鉱酸の蒸発に適した装置などを必要とする。石英ウール上に吸収され、ジェネレータチャンバーの取り外し可能なキャップ(ジェネレータのキャップ)の中心にあるリング内部に配置された224Raに基づく、代わりのジェネレータ方法を開発し、試験した。チャンバーは、逆さにしたガラス瓶から成り、取り外し可能なキャップが224Ra標識された石英ウールを支持する(図5)。224Raが崩壊すると、短寿命の220Rnが石英ウールから発散され、長寿命の崩壊生成物212Pbのフラスコ内面上への吸収を引き起こす。ガラスを石英ウールと接触させることなく、フラスコをキャップから取り除くことができる。フラスコをジェネレータのキャップから取り除いた後、212Pb堆積物を溶解するためにフラスコ内側を0.1M HClですすぐことができ、これにより高度に精製された212Pb溶液を作製する。ジェネレータフラスコの操作及び洗い流しを、NG001の放射標識より前に行う。溶液中の212Pbの224Raに対する純度は、ジェネレータを正しく操作すると(すなわち、線源が壁と接触しない)、99.8%より高い。新しいガラス瓶をジェネレータキャップに取り付けることによりジェネレータを再利用することができ、新しい212Pbを発生するために典型的には1~2日間保存することができる。
【0120】
要約すると、このジェネレータ法は、イオン交換ベースのジェネレータと比較して使用しやすく、時間がかからない。ジェネレータは、何回か再利用してよい(線源の半減期に応じた放射能崩壊により容量は減少するが)。
【0121】
実施例14:収集器フラスコの大きさ
10、50、及び100mlのフラスコの大きさを試験した(表5、上部)。224Raを逆さに配置されたフラスコのキャップ中に配置された石英ウールに加えた。理論的な収率と比較したフラスコ上の212Pb収率は、約40%~60%まで変化した。高い収率を得るためには、内面体積を覆うための大きなフラスコを用いることが有利なようであった。結論として、様々な大きさのフラスコをジェネレータ用途に用いることができるが、キャップに対して比較的大きなフラスコを用いると、キャップ及び線源材料上の吸収による損失が相対的に少ないので、212Pbの収率を改善するようであった。
【0122】
実施例15:線源を保持するための材料
ジェネレータ内部の正しい位置、例えば内部キャップ中心に線源材料を保持するために、スチールウール、グラスウール、石英ウールを、224Ra線源とともに試験した。材料は、多孔性であり、ふわふわしており、拡散できる。0.1M HCl中100~150マイクロリットルの体積の224Raを、100mlフラスコのキャップ内部に配置された材料上に堆積した。2~3日又はそれ以上静置させた後、ジェネレータに存在する224Raと比較して52~64%の212Pbがガラスの面上に沈降するので、3種類の材料全てが働く、すなわち、ジェネレータ中の224Ra活性と比較して、各々石英ウールの5回の試験を平均して、59.9%(範囲52.1~64.4%)、1回の試験についてグラスウール54.9%及びスチールウール64.1%だった。結論として、単一チャンバー拡散ジェネレータ中に線源を保持するために、いくつかの異なる材料を用いることができた。
【0123】
実施例16:線源
放射性核種224Ra及び228Thをジェネレータ内部の線源として用いた。ガラスフラスコを未使用のものと交換し、第1のフラスコを洗浄して212Pb溶液を作製するだけのことにより、224Raベースのジェネレータは、典型的には数週間まで繰り返して用いることができたが、228Thベースのユニットは、数か月間繰り返して用いることができた。ジェネレータの放射性核種の崩壊を除いては、収率は、繰り返し使用しても大きくは減少しなかった。ガラス瓶との接触を避けるために線源がキャップ内部の中心にあり、フラスコ及びキャップを乾燥状態に保つかぎり、線源からガラスフラスコへの相互汚染は、最小限だった。結論として、228Thと224Raとの両方を線源として212Pbを製造するために、単一チャンバー拡散ユニットを、繰り返して用いることができた。線源228Th由来のガラス内面上の鉛-212放射能は、4回の試験を平均して49.3%(範囲40.9%~66.7%)であることが分かった。
【0124】
実施例17:加熱を含む調製:線源材料を含むキャップ上に取り付ける前にフラスコを加熱することは、ジェネレータ中に減圧を生じる方法となることができる。フラスコを、加熱チャンバー中90℃で少なくとも15分間加熱し、ついでフラスコとキャップとを気密になるよう互いにしっかりねじ込んだ。ジェネレータユニットをその後、室温で保管し、内圧を減少させた。1~4日後、チャンバーを開き、ガラスフラスコ上の212Pb放射能を測定した。石英ウール上の224Raを用いた4回の試験からの収率は、平均して68.1%だった(範囲60.5%~75.9%であり、正常圧力のフラスコについての以前のデータ(平均59.9%)と比較して収率の改善が示される)。結論として、チャンバーの圧力が減少すると、単一チャンバー拡散ジェネレータでの212Pbの収率を改善することができる。
【0125】
実施例18:洗い流し溶液中の212Pbの収率
100mlフラスコのガラス内面に捕捉された212Pbを抽出するために0.1M HClの標準溶液を用いた。洗浄溶液を約2分間、フラスコの内側を覆うよう注意深く振り動かし、旋回し、ついで体積のうち80%を取り出し、測定し、洗浄手順前のフラスコの総カウントと比較した。液体の総放射能を決定するためには80%の体積を0.8で除算すべきと想定した。同様の洗浄努力により、0.6mlでは約85%を抽出し、1mlでは93%を抽出した。224Raベースのジェネレータからは、8回の試験を平均して86.1%(範囲79.4%~93.4%)をガラス瓶から抽出した。228Thベースのジェネレータからは、2回の試験を平均して86.5%(範囲84.5%~88.5%)をガラス瓶から抽出した。結論として、ジェネレータのガラス内面に捕捉された212Pbは、0.1M HClで容易に抽出される。
【0126】
実施例19.溶液の放射標識反応性
ジェネレータから抽出された212Pbによる212Pb標識化を試験するために、TCMCキレート化剤ベースの分子NG001(Stenberg et al 2020)を用いた。pHを約5.5に調整するよう0.1M HCl中の鉛-212を加えた。その後、NG001をmlあたり10~20マイクログラム加えた。Thermomixer(Eppendorf, Germany)を用いて37℃で30分間反応後、サンプルを引き抜き、サンプルと7.5%ウシ血清アルブミン溶液中の1mM EDTMPを1:2で混合することにより、薄層クロマトグラフィー(TLC)を実行し、5分間静置した。その後1~5マイクロリットルをクロマトグラフィー細片(モデル#150-772、Biodex)に適用し、ビーカーに0.9% NaCl溶液で溶出した。液体の先端が細片の上部に達すると、細片を半分に切り、それぞれを管内に配置し、Packard Cobra II gamma カウンター(Packard Instruments Co Inc, USA)で別々にカウントした。データから、3時間後、下半分の活性は典型的には99%を占め、ほとんど定量的な収率を示した。NG001を用いないが、全ての他の化合物を用いる盲検試験では、細片の下半分に3%をもたらし、TLCに対する優れた選択性を示した。結論として、ジェネレータのフラスコから抽出された212Pbは、優れた反応性を示し、放射性医薬品用途に適当であることが分かった。
【0127】
実施例20.抽出された溶液の放射化学純度
鉛-212溶液を10日以上保管し、224Raを測定するために再度カウントした。224Ra放射能は時間0まで戻って減衰補正した。212Pbに対する224Raは、平均して0.045%(範囲0.01%~0.13%)であると決定した。結論として、ジェネレータから製造された212Pbは、医薬品用途に適切な高い放射化学純度を有した。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5