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特許7544830検出システムのための拭き取り装置および検出システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】検出システムのための拭き取り装置および検出システム
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/62 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
B60S1/62 120A
B60S1/62 120B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022548080
(86)(22)【出願日】2021-01-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-24
(86)【国際出願番号】 EP2021050413
(87)【国際公開番号】W WO2021156019
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2022-10-04
(31)【優先権主張番号】20156068.7
(32)【優先日】2020-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】ジークフリート、ステファニー
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特公昭48-008188(JP,B1)
【文献】特開平11-142514(JP,A)
【文献】特開平05-180295(JP,A)
【文献】特開2013-122294(JP,A)
【文献】実開平02-125446(JP,U)
【文献】実開昭59-102559(JP,U)
【文献】米国特許第05005248(US,A)
【文献】特開平10-061730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00
F16H 3/14,19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の検出システム(1)のための拭き取り装置(3)であって、ワイパーブレード(10)と、ワイパーアーム(9)と、モータユニット(5)と、駆動ユニット(6)とを備え、前記駆動ユニット(6)が、前記ワイパーアーム(9)を支持するとともに案内フレーム(4)に挿入される案内ブロック(8)を備え、前記駆動ユニット(6)が複数のベルトホイール(61,62)を備え、少なくとも1つの駆動ベルトホイール(61)が前記モータユニット(5)によって回転動作状態で駆動され、前記駆動ユニット(6)が、前記ベルトホイール(61,62)によって駆動されて前記案内ブロック(8)を直線動作にしたがって移動させるベルト(7)を備え、前記案内ブロック(8)は、前記ワイパーアーム(9)用の第1のアタッチメント(81)と、前記ベルト(7)用の第2のアタッチメント(82)とを備え、前記第2のアタッチメント(82)は、前記ベルト(7)が挿入されるキャビティ(83)と、前記ベルト(7)の歯と噛み合う相補的な形態(85)を備える固定カバー(84)とを備える、ことを特徴とする拭き取り装置(3)。
【請求項2】
前記案内フレーム(4)の各終点に配置される2つの従動ベルトホイール(62)を備える、請求項1に記載の拭き取り装置(3)。
【請求項3】
少なくとも1つの従動ベルトホイール(62)が、前記案内フレーム(4)上に配置されるベルトホイール支持体(43)によって支持される、請求項2に記載の拭き取り装置(3)。
【請求項4】
前記ベルト(7)が歯付きベルトであり、前記駆動ベルトホイール(61)及び前記従動ベルトホイール(62)は、前記ベルト(7)と相互作用するための歯付きベルトホイールである、請求項2又は3に記載の拭き取り装置(3)。
【請求項5】
前記案内フレーム(4)は、前記案内ブロック(8)が摺動態様で挿入される案内スロット(42)を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の拭き取り装置(3)。
【請求項6】
前記案内ブロック(8)の前記第1のアタッチメント(81)が前記案内フレーム(4)の開口(41)を通過している、請求項1から5のいずれか一項に記載の拭き取り装置(3)。
【請求項7】
前記モータユニット(5)がモータ(51)とギアボックス(52)とを備え、前記モータ(51)は、一方向回転動作にしたがって移動するモータシャフト(55)を備え、前記ギアボックス(52)は、前記モータシャフト(55)によって駆動されるとともに、可逆回転動作にしたがって前記駆動ベルトホイール(61)を駆動する、請求項1からのいずれか一項に記載の拭き取り装置(3)。
【請求項8】
車両の検出システム(1)のための拭き取り装置(3)であって、ワイパーブレード(10)と、ワイパーアーム(9)と、モータユニット(5)と、駆動ユニット(6)とを備え、前記駆動ユニット(6)が、前記ワイパーアーム(9)を支持するとともに案内フレーム(4)に挿入される案内ブロック(8)を備え、前記駆動ユニット(6)が複数のベルトホイール(61,62)を備え、少なくとも1つの駆動ベルトホイール(61)が前記モータユニット(5)によって回転動作状態で駆動され、前記駆動ユニット(6)が、前記ベルトホイール(61,62)によって駆動されて前記案内ブロック(8)を直線動作にしたがって移動させるベルト(7)を備え、前記モータユニット(5)がモータ(51)とギアボックス(52)とを備え、前記モータ(51)は、一方向回転動作にしたがって移動するモータシャフト(55)を備え、前記ギアボックス(52)は、前記モータシャフト(55)によって駆動されるとともに、可逆回転動作にしたがって前記駆動ベルトホイール(61)を駆動することを特徴とする拭き取り装置(3)。
【請求項9】
モータ回転軸(500)が駆動ベルトホイール回転軸(600)に対して垂直である、請求項又はに記載の拭き取り装置(3)。
【請求項10】
センサ(2)と、請求項1からのいずれか一項に記載の拭き取り装置(3)とを備える、車両用の検出システム(1)。
【請求項11】
前記検出システム(1)の前記センサ(2)の前に配置されるように構成されるウインドスクリーン(11)を備える、請求項10に記載の検出システム(1)。
【請求項12】
前記ウインドスクリーン(11)は、前記ワイパーブレード(10)によって拭き取られる洗浄領域(12)を備え、前記洗浄領域(12)の長さ(100)は、前記駆動ベルトホイール(61)の直径(200)と前記駆動ベルトホイール(61)の回転角度(300)とに依存する、請求項11に記載の検出システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用の拭き取り装置の分野に関する。より詳細には、本発明は、車両の検出システムのための拭き取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、ますます多くの車両には、検出システム、例えば最近の多くの車両に存在する駐車支援システム又はライダーシステムが実装される。そのため、これらの検出システムをどのように洗浄するかについての課題が急速に求められてきた。
【0003】
ワイパーブレード及びワイパーアームを備える幾つかの拭き取り装置を用いることが知られている。ワイパーアームによって支持されてモータによって駆動されるワイパーブレードは、検出システム、すなわち、検出システムの前方に配置される光学面又は窓のいずれかを拭き取る。したがって、雨天又は洗浄が必要な場合、拭き取り装置は、検出システムのための明確な視界を可能にする。
【0004】
モータは、ワイパーアーム及びワイパーブレードを動作させる。このタイプのモータは、通常、回転動作をもたらし、また、拭き取り装置は、モータの回転動作を直線動作に変換しなければならない。したがって、ワイパーブレードは、洗浄する必要がある表面に当て付いて前後に移動する。この移動変換は、滑らかに且つ機械的干渉を伴うことなく行なわれる必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、ワイパーブレードと、ワイパーアームと、モータユニットと、駆動ユニットとを備え、前記駆動ユニットが、ワイパーアームを支持するとともに案内フレームに挿入される案内ブロックを備え、前記駆動ユニットが複数のベルトホイールを備え、少なくとも1つの駆動ベルトホイールがモータユニットによって回転動作状態で駆動される、車両の検出システムのための拭き取り装置であって、駆動ユニットが、ベルトホイールによって駆動されて案内ブロックを直線動作にしたがって移動させるベルトを備えることを特徴とする拭き取り装置を提供することによってこの移動変換を最適化できるようにする。
【0006】
ワイパーアーム及びワイパーブレードは、直線動作するように構成される。ワイパーブレードは、洗浄される必要がある表面に当て付いて配置され、また、直線動作は、前後移動にしたがってこの表面を拭き取ることができるようにする。駆動ユニットは、モータユニットとワイパーアームとの間の中間部分であり、機械的干渉を伴うことなくモータユニットによって開始される回転動作をワイパーアームの直線動作に変換する機能を有する。
【0007】
案内ブロックは、ワイパーアーム及びワイパーブレードを直線動作させ、その結果、直線動作もする。案内ブロックをその直線軌道に維持するために、案内フレームは、案内ブロックを案内する機能を有する。案内フレームは、主に、洗浄する必要がある表面と平行な方向にしたがって延在され、また、案内ブロックは全体的に案内フレームに沿って移動している。
【0008】
モータユニットは、駆動ベルトホイールを回転動作させる。この回転動作は可逆的であり、このことは、モータユニットが時計回り動作と反時計回り動作との間で回転してそのような動作を駆動ベルトホイールに伝達することを意味する。そのような可逆的な回転動作は、機械的に可逆的な動作の電気的に可逆的な動作となり得る。この可逆的な回転動作は、案内ブロックの可逆的な直線動作をもたらし、これにより、表面に対する拭き取りブレードの前後動作が洗浄を行なうことができる。
【0009】
ベルトは、ベルトホイール及び案内ブロックと共に駆動ユニットに含まれる。より詳細には、ベルトは、案内ブロックを支持するとともに、少なくとも駆動ベルトホイールによって作動される。ベルトのおかげにより、駆動ベルトホイールの回転動作が案内ブロックの直線動作に変換される。ベルトは、機械的干渉を伴うことなく実行するそのような変換を進めるように駆動ユニット内に配置される。
【0010】
本発明の一態様によれば、拭き取り装置は、案内フレームの各終点に配置される2つの従動ベルトホイールを備える。モータユニットによって直接に動作する駆動ベルトホイールとは対照的に、従動ベルトホイールはベルトによって動作する。各従動ベルトホイールは、同じ寸法を有するとともに、案内フレームの各端点に配置される。言い換えると、各従動ベルトホイール間にあるベルトの部分が直線方向に延在し、また、案内ブロックは、ベルトのこの部分に取り付けられて、従動ベルトホイールから他方に移動する。したがって、従動ベルトホイールのレイアウトは、回転動作の直線動作への変換に関与する。
【0011】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つの従動ベルトホイールは、案内フレーム上に配置されるベルトホイール支持体によって支持される。ベルトホイール支持体は、例えば案内フレームに成形され得る。ベルトホイール支持体は、穴を備える2つのストリップを成すことができ、ベルトホイール支持体の2つのストリップ間の従動ベルトホイールの設置を可能にする距離だけ離間され得る。従動ベルトホイールはその中心に穿孔を備え、ロッドを2つのストリップの各穴と従動ホイールの穿孔とを横切って配置することができる。ロッドは、例えば接着によって取り付けられる。従動ベルトホイールは、ロッドを中心に自由に回転することができ、また、従動ベルトホイールの他の動きは、ベルトホイール支持体によって阻止される。
【0012】
本発明の一態様によれば、ベルトは歯付きベルトであり、駆動ベルトホイール及び従動ベルトホイールは、ベルトと相互作用するために歯付きベルトホイールである。歯付きベルト及び歯付きベルトホイールは、任意のベルトホイールに対するベルトの任意の寄生的な摺動移動を回避できるようにする。ベルトホイールの歯とベルトの歯とは、連結接続によって互いに相互作用する。
【0013】
本発明の一態様によれば、案内フレームは、案内ブロックが摺動態様で挿入される案内スロットを備える。案内スロットは、案内フレームに沿って全体的に延在され、案内ブロックを受けるように構成される。案内スロットは、案内ブロックを枠にはめる。したがって、案内ブロックが行なうことができる唯一の動きは、ベルトによって設定された直線動作だけである。他の動きは、案内スロットによって阻止される。案内ブロックを案内スロットに挿入するために、案内スロットは、終点に取り外し可能なキャップを備えることができる。キャップは、案内ブロックを案内スロット内に摺動態様で挿入するために取り外され、案内スロットを閉じるように再配置される。
【0014】
本発明の一態様によれば、案内ブロックは、ワイパーアーム用の第1のアタッチメントと、ベルト用の第2のアタッチメントとを備える。前述したように、案内ブロックは、ワイパーアームを支持するとともに、ベルトによって動作される。案内ブロックがワイパーアームとベルトとに同時に連結されるように、案内ブロックは2つのアタッチメントを備え、各アタッチメントは、機械的干渉を伴うことなくワイパーアーム及びベルトを連結するようになっている。
【0015】
本発明の一態様によれば、案内ブロックの第1のアタッチメントは、案内フレームの開口を通過している。案内ブロックの第1のアタッチメントは、ワイパーアームを案内ブロックに連結できるようにする。したがって、案内ブロックは、案内ブロックの直線動作と平行な方向に主に延在される開口を備える。案内ブロック、より詳細には第1のアタッチメントは、ワイパーアームを連結できるようにする開口から部分的に出現する。したがって、案内ブロックが案内スロットに挿入されても、開口は、ワイパーブレードによって洗浄すべき表面を拭き取るべく、案内ブロックがワイパーアームを支持できるようにする。
【0016】
本発明の一態様によれば、第2のアタッチメントは、ベルトが挿入されるキャビティと、ベルトと相補的な形態を備える固定カバーとを備える。案内ブロックの第2のアタッチメントは、ベルトを案内ブロックに連結できるようにする。キャビティは、案内ブロックに成形されるとともに、ベルトを受けるように構成される。キャビティの深さは、キャビティ内でのベルトの動きを制限するためにベルトの厚さに対応する。ベルトがキャビティに挿入されると、固定カバーは、キャビティを取り囲んでベルトを案内ブロックへとロックする。固定カバーは、例えばねじ止め又はクリップ留めによって案内ブロックに取り付けられ得る。固定カバーは、ベルトと直接に接触しており、ベルトに向けられる面に相補的な形態を備える。固定カバーの相補的な形態は、ベルトの歯と噛み合う。したがって、ベルトが動作されると、案内ブロックは、案内ブロックの第2のアタッチメントのおかげによりベルトの動作に追従する。
【0017】
本発明の一態様によれば、モータユニットがモータとギアボックスとを備え、モータは、一方向回転動作にしたがって移動するモータシャフトを備え、ギアボックスは、モータシャフトによって駆動されるとともに、可逆回転動作にしたがって駆動ベルトホイールを駆動する。モータが動作しているとき、シャフトは時計回り又は反時計回りのいずれかに回転する。モータシャフトは、ギアボックスと連動されるウォームねじとすることができる。ギアボックスは、モータシャフトによって駆動され、モータシャフトの一方向回転動作を可逆回転動作に変換する。このような可逆回転動作は駆動ベルトホイールに伝達される。
【0018】
本発明の一態様によれば、モータ回転軸が駆動ベルトホイール回転軸に対して垂直である。
【0019】
また、本発明は、センサと本発明に係る拭き取り装置とを備える車両用の検出システムも備える。センサは、例えば、駐車支援装置又はLIDAR(「LIght Detection And Ranging」又は「Laser Dectection And Ranging」の頭字語)装置となり得る。そのようなセンサは、効率的に動作するために明確な視野を有する必要がある。拭き取り装置は、センサの効率を維持できるようにする。
【0020】
本発明の一態様によれば、検出システムは、検出システムのセンサの前に配置されるように構成されるウインドスクリーンを備える。言い換えると、ウインドスクリーンは、センサの視野内に配置される。ウインドスクリーンは、例えば衝撃保護のような複数の機能を有することができ、又は、この場合、ウインドスクリーンは、ワイパー装置によって洗浄されてセンサに対して明確な視野を可能にするウインドスクリーンである。
【0021】
本発明の一態様によれば、ウインドスクリーンは、ワイパーブレードによって拭き取られる洗浄領域を備え、洗浄領域の長さは、駆動ベルトホイールの直径と駆動ベルトホイールの回転角度とに依存する。洗浄領域は、ウインドスクリーンの一部又はウインドスクリーン全体であってもよい。洗浄領域のサイズは、ワイパーブレードのサイズに依存し、より詳細には、洗浄領域の長さは、拭き取りブレードの直線動作の範囲に依存する。案内ブロックによって支持されるワイパーブレードの直線動作の範囲は、駆動ベルトホイールの回転角度に依存する。駆動ベルトホイールの直径は、洗浄領域の長さにも影響を及ぼす。駆動ベルトホイールが大きければ大きいほど、洗浄領域の長さも長くなる。洗浄領域の長さは、以下の演算によって計算され得る。
【数1】
lは洗浄領域の長さであり、dは駆動ベルトホイールの直径であり、raは駆動ベルトホイールの回転角度である。
【0022】
本発明の他の特徴、詳細及び利点は、以下に与えられる本発明の明細書から推測することができる。様々な実施形態が図面に表わされる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る検出システムの概略図である。
図2】一方向回転動作を可逆的回転動作にすることができるモータユニットの図を示す。
図3】検出システムの上面図である。
図4】従動ベルトホイールとベルトホイール支持体との間の連結部の分解図である。
図5】案内ブロックとベルトとの間の連結部の分解図である。
図6】本発明に係る拭き取り装置の案内フレームの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
直交系LVTが拭き取り装置の向きを表わす。垂直軸V及び横軸Tは、検出システムの洗浄領域の平面を画定する軸に対応し、縦軸Lは、垂直軸V及び横軸Tの垂直軸に対応する。
【0025】
図1は、検出システム1の概要を示す。検出システム1は、検出システム1のウインドスクリーン11、より詳細にはウインドスクリーン11の洗浄領域12を拭き取る機能を有する拭き取り装置3を備える。洗浄領域12は、図1に示されるように、ウインドスクリーン11の一部のみに及ぶことができ、又は、ウインドスクリーン11全体に及ぶことができる。ウインドスクリーン11は、図1では見えないセンサの前方に配置される。
【0026】
拭き取り装置3は案内フレーム4を備える。案内フレーム4は、垂直軸V及び横軸Tによって画定される平面にしたがって主に延在する開口41を画定し、そのような平面は洗浄領域12と平行である。案内ブロック8が、開口41から部分的に出現し、ワイパーブレード10を支持するワイパーアーム9を支持する。ワイパーアーム9及びワイパーブレード10は、ワイパーブレード10がウインドスクリーン11の洗浄領域12と接触するように、垂直軸Vにしたがって主に延在される。ワイパーブレード10の主サイズは、拭き取り装置3が動作しているときに洗浄領域12を完全に洗浄するために、垂直軸Vと平行であり、洗浄領域12の垂直軸Vにしたがった垂直サイズ以上である。
【0027】
後述するように、案内ブロック8は、開口41の垂直端部から他方の端部まで、横軸Tと平行に直線動作する。案内ブロック8はワイパーアーム9及びワイパーブレード10を支持し、ワイパーアーム9及びワイパーブレード10も直線動作する。そのため、ワイパーブレード10は、洗浄領域12を洗浄するために洗浄領域に当て付いて前後に移動する。開口41は、拭き取り装置3が動作しているときにワイパーブレード10が洗浄領域12の全体をカバーできるように、洗浄領域12の横方向サイズよりも長い横軸Tにしたがった横方向サイズを有する。
【0028】
拭き取り装置3は、駆動ユニット6によって全体的に開口46に沿って案内ブロック8を直線動作させるモータユニット5を備える。駆動ユニット6は、案内ブロック8と、ベルト7と、駆動ベルトホイール61と、少なくとも1つの従動ベルトホイール62とを備える。駆動ユニット6は、モータユニット5とワイパーアーム9との間に位置され、モータユニット5によって開始される回転動作からワイパーアーム9及びワイパーブレード10を直線動作させることができる。
【0029】
モータユニット5は、回転動作を開始してそれをハウジング56の内部容積内に備えられるギアボックスに伝達するモータ51を備える。モータ51は、ハウジング56の内部容積内に同様に含まれるモータシャフトを備える。ハウジング56の内部容積の内容物については、後に詳述する。ギアボックスシャフト54がハウジング56から出現して駆動ベルトホイール61まで延在される。ギアボックスシャフト54は、ギアボックスによって動作され、駆動ベルトホイール61を動作させる。モータユニット5は、モータユニット5を拭き取り装置3の任意の外部要素に固定するための固定手段53を備える。
【0030】
図1に示される拭き取り装置3は、案内フレーム4の各端部に配置されてベルトホイール支持体43に取り付けられる2つの従動ベルトホイール62を備える。従動ベルトホイール62とベルトホイール支持体43との連結に関する詳細は後述する。駆動ベルトホイール61及び2つの従動ベルトホイール62は、各ベルトホイールの各中心が二等辺三角形を形成するように編成される。ベルト7は、各ベルトホイールの周りに配置される。ベルトホイールは歯付きベルトホイールであり、ベルト7は歯付きベルトである。ベルトホイールの歯及びベルト7の歯は、互いに相互作用するように構成される。したがって、モータユニット5によって駆動ベルトホイール61が作動されると、ベルト7及び従動ベルトホイール62も作動される。
【0031】
案内ブロック8は、案内ブロック8が横軸Tと平行な方向のみにしたがって移動することができるように案内ブロック8をロックする案内スロット42内に配置される。案内ブロック8は、直線状であり且つ各従動ベルトホイール62間にあるベルト7の部分に取り付けられる。したがって、駆動ベルトホイール61によってベルト7が動作されると、案内ブロック8がベルト7によって直線動作される。案内ブロック8は、開口41を介してワイパーアーム9及びワイパーブレード10を直線動作させることができるようにする。これは、ワイパーブレード10がその前後の動きによって洗浄領域12を拭き取ることができる方法である。
【0032】
例えば、拭き取り装置3は、洗浄性能を向上させるために、ウインドスクリーン11の洗浄領域12に洗浄液(図1には図示せず)を噴射するための装置も含むことができる。洗浄液を噴射させるための前記装置の少なくとも一部は、ワイパーアーム9上又はワイパーアーム9内に装着され得る。
【0033】
図2は、モータユニット5及びハウジング56の内部容積を示す。モータ51は、モータシャフト55と共にハウジング56内へと延在される。モータシャフト55は、横軸Tと平行なモータ回転軸500にしたがって主に延在される。モータシャフト55は、一方向回転動作するようにモータ回転軸500を中心に回転するウォームねじであってもよい。
【0034】
ギアボックス52は、ハウジング56内に概略的に示されており、モータシャフト55と接触している。ギアボックス52は、モータシャフト55と噛み合うようになっている歯付きホイールを備えることができる。モータシャフト55によってもたらされる動作は、ギアボックス52に沿ってギアボックスシャフト54まで伝達される。ギアボックスシャフト54は、ギアボックス52を駆動ベルトホイール61に連結する。ギアボックスシャフト54は、駆動ベルトホイール61の中心と交差し、垂直軸Vと平行な駆動ベルトホイール回転軸600の周りで回転する。
【0035】
ギアボックス52は、モータシャフト55の一方向動作を可逆回転動作に変換することができる。したがって、ギアボックスシャフト54は、可逆回転動作にしたがって動作されて、駆動ベルトホイール61を同じように動作させる。駆動ベルトホイール61は、時計回り動作と反時計回り動作との間で回転する。モータ回転軸500及び駆動ベルトホイール回転軸600は、それらの間で垂直である。
【0036】
図3は、垂直軸と平行な視点にしたがった検出システム1の上面図を示す。図3は、駆動ユニットの下方でウインドスクリーンの背後にあるセンサ2を観察できるようにする。拭き取り装置は、センサ2の明確な視界を確保するために洗浄領域を洗浄する。
【0037】
洗浄領域は、長さ100によって表わされる少なくとも横軸Tにしたがって延在される。また、長さ100は、ワイパーアーム9及びワイパーブレード10の直線動作の延在にも対応し得る。そのような長さ100は、駆動ベルトホイール61の直径200及び駆動ベルトホイールの回転角度300に依存する。回転角度300は、駆動ベルトホイール61の一方向の一連の可逆回転動作中に駆動ベルトホイール61の周囲に位置される点が描く円弧に対応する角度である。したがって、長さは、以下の計算によって求めることができる。
【数2】
ここで、lは洗浄領域の長さ100であり、dは駆動ベルトホイール61の直径200であり、raは駆動ベルトホイール61の回転角度300である。したがって、拭き取り装置は、洗浄領域の長さ100にしたがって適合され得る。駆動ベルトホイール61の直径200を変更することが可能である。駆動ベルトホイール61の直径200が大きければ大きいほど、洗浄領域の長さ100も長くなる。同様に、駆動ベルトホイール61の回転角度300が大きいほど、洗浄領域の長さ100も長くなる。回転角度300は、モータユニット5のギアボックスを変更することによって変えることができる。勿論、上記のうちの任意の変更が行なわれた場合、それは、例えば案内フレーム4のサイズ及びその開口の再調整などの他の変更を含むことができる。
【0038】
図4は、ベルトホイール支持体43及び従動ベルトホイール62の取り付け方法を示す分解図である。ベルトホイール支持体43は、案内フレーム4から出現して縦軸Lと平行な方向に沿って主に延在される2つのストリップ431を備える。ストリップ431は、例えば案内フレーム4全体と共に成形され得る。各ストリップ431は、ストリップ431と交差するストリップ穴433を備える。ストリップ431のストリップ穴433は互いに対向している。2つのストリップ431は、2つのストリップ431間での従動ベルトホイール62の実装を可能にする距離だけ離間される。従動ベルトホイール62は、従動ベルトホイール62全体と交差して従動ベルトホイール62の回転軸である従動ベルトホイール軸620の周りに形成される穿孔621を備える。従動ベルトホイール62が2つのストリップ431間に実装されると、穿孔621が各ストリップ穴433と対向する。
【0039】
従動ベルトホイール62は、穿孔621及び2つのストリップ穴433を横切るロッド432によってベルトホイール支持体43に取り付けられる。その後、ロッド432を各ストリップ穴433に接着することができる。そのような状況では、従動ベルトホイール62がロッド432の周りで自由に回転することができ、また、任意の他の動きがロッド432及びストリップ431によって阻止される。
【0040】
図5は、案内ブロック8上のベルト7及びワイパーアーム9の取り付けを示す分解図である。案内ブロック8は、案内ブロック8をワイパーアーム9に連結する第1のアタッチメント81と、案内ブロック8をベルト7に連結する第2のアタッチメント82とを備える。第1のアタッチメント81は、ワイパーアーム9を保持するために案内フレームの開口から出現する案内ブロック8の部分である。第1のアタッチメント81は、例えばねじ止めによって案内フレームと干渉しない任意の機械的取り付けによってワイパーアーム9を連結することができる。
【0041】
第2のアタッチメント82は、第1のアタッチメントの反対側にあり、キャビティ83と固定カバー84とを備える。キャビティ83は、第1のアタッチメント81の反対側に向けられる。キャビティ83は、ベルト7を受けるようにサイズに関して設定される。ベルト7がキャビティ83内に挿入されると、固定カバー84は、ベルト7をキャビティ83内にロックするためにキャビティ83を接触によって囲繞する。その後、例えばねじ止めによって固定カバー84を取り付けることができる。固定カバー84は、ベルト7と接触する固定カバーの面上に向けられる相補的な形態85を備える。相補的な形態85は、固定カバー84とベルト7との間の連結を可能にする。したがって、ベルト7が駆動ベルトホイールによって動作されると、案内ブロック8は、案内ブロック8の第2のアタッチメント82とベルト7との間の連結のおかげによりベルト7と同じ動作をたどる。
【0042】
案内ブロック8は、第1のアタッチメント81と第2のアタッチメント82との間に案内スクエア86を備え、これについては以下で詳細に説明する。
【0043】
図6は、案内フレーム4に挿入された案内ブロック8の側面図である。側面図は横軸と平行である。
【0044】
案内ブロック8の直線動作を維持するために、案内スクエア86は、案内フレーム4内に、より詳細には案内スロット42内に挿入される。案内スロット42は、案内ブロック8がベルト7によって作動するときに案内ブロック8の直線動作を維持するべく案内スクエア86を取り囲む案内フレーム4に部分的に開いて成形される形態である。案内スロット42は、例えば車両の幾つかの揺れの後に起こり得る案内ブロック8の任意の他の動きを阻止する。案内ブロック8は、その直線動作が維持されるとともに、ワイパーアーム9及びワイパーブレード10を支持し、ワイパーブレードは洗浄領域の拭き取りの動作を確保する。案内ブロック8を案内スロット42内に挿入するために、案内スロットは、取り外し可能なキャップを終点に備えることができる。キャップは、案内ブロック8を案内スロット42内に摺動態様で挿入するために取り外され、案内スロット42を閉じるように再配置される。案内スロット42は、第2のアタッチメント82によってベルト7との連結を確保するべく部分的に開放されるが、案内スクエア86を保持するように維持している。案内ブロック8の第1のアタッチメント81は、開口のおかげにより案内フレーム4を横切ることができる。
【0045】
ワイパーアーム9に関して、ワイパーアーム9は、案内ブロック8の第1のアタッチメント81とワイパーアーム9との間の二次連結部であるばね91を備えることができる。ばね91は、ワイパーブレード10を適切に拭き取るために、ワイパーブレードを洗浄領域に対して正確に当て付ける機能を有する。
【0046】
以上から分かるように、本発明は、ワイパーブレードを洗浄領域に当て付けて可逆的に直線動作させることができるようにする駆動ユニットを伴う拭き取り装置を提供し、可逆的な直線動作は、モータによって開始される一方向回転動作から始まる。
【0047】
しかしながら、本発明は、本明細書に記載されて図示される手段及び構成に限定され得ず、任意の同等の手段又は構成及びそのような手段の任意の技術的に作用する組み合わせにも及ぶ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6