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特許7544834販売システム、吸引装置、情報処理装置、販売方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】販売システム、吸引装置、情報処理装置、販売方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240827BHJP
【FI】
G06Q30/06
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022550257
(86)(22)【出願日】2020-09-17
(86)【国際出願番号】 JP2020035238
(87)【国際公開番号】W WO2022059127
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100198845
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 善喬
(72)【発明者】
【氏名】山田 学
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/131554(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/136866(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する複数の吸引装置と、
前記基材を販売するための処理を行う販売端末と、
を備え、
前記吸引装置は、複数の前記吸引装置を経由して送受信されるコピー対象の情報を受信及び記憶し、
前記販売端末は、前記吸引装置に記憶された前記コピー対象の情報を前記吸引装置から受信し、受信した前記コピー対象の情報に応じた処理を行
前記コピー対象の情報は、前記コピー対象の情報が送受信された経路を示す経路情報を含み、
前記経路情報は、前記コピー対象の情報を送信した吸引装置を示す識別情報、及び前記コピー対象の情報を受信した吸引装置を示す識別情報を含む、
販売システム。
【請求項2】
前記経路情報は、前記コピー対象の情報が経由した前記吸引装置を使用する前記ユーザを示す識別情報を含む、
請求項に記載の販売システム。
【請求項3】
前記経路情報は、複数の前記吸引装置を経由して送受信される過程で更新され、同一ユーザ間で前記コピー対象の情報がコピーされる場合、更新が省略される、
請求項2に記載の販売システム。
【請求項4】
前記コピー対象の情報は、前記コピー対象の情報が送受信された回数を示す回数情報を含む、
請求項1~のいずれか一項に記載の販売システム。
【請求項5】
前記回数情報は、前記コピー対象の情報が経由した前記吸引装置の数を含む、
請求項に記載の販売システム。
【請求項6】
前記回数情報は、前記コピー対象の情報が経由した前記吸引装置を使用する前記ユーザの数を含む、
請求項又はに記載の販売システム。
【請求項7】
前記コピー対象の情報は、前記基材の識別情報を含む、
請求項1~のいずれか一項に記載の販売システム。
【請求項8】
前記コピー対象の情報は、前記吸引装置が前記エアロゾルを生成するために行う前記基材を加熱する動作を規定するプロファイルを示すプロファイル情報を含む、
請求項1~のいずれか一項に記載の販売システム。
【請求項9】
前記吸引装置は、他の吸引装置から前記コピー対象の情報を受信する、
請求項1~のいずれか一項に記載の販売システム。
【請求項10】
前記吸引装置は、前記他の吸引装置から受信した前記コピー対象の情報に含まれる前記経路情報に、前記吸引装置に関する情報を追加する、
請求項に記載の販売システム。
【請求項11】
前記吸引装置は、前記他の吸引装置から受信した前記コピー対象の情報に含まれる前記回数情報をインクリメントさせる、
請求項を引用する請求項又は1に記載の販売システム。
【請求項12】
前記販売システムは、前記吸引装置に対応付けられた端末装置をさらに含み、
前記端末装置は、他の吸引装置から前記コピー対象の情報を受信し、受信した前記コピー対象の情報を送信し、
前記吸引装置は、前記端末装置から前記コピー対象の情報を受信する、
請求項1~11のいずれか一項に記載の販売システム。
【請求項13】
前記端末装置は、前記他の吸引装置から受信した前記コピー対象の情報に含まれる前記経路情報に、送信先の前記吸引装置に関する情報を追加した上で、前記コピー対象の情報を当該送信先の前記吸引装置に送信する、
請求項1に記載の販売システム。
【請求項14】
前記端末装置は、前記他の吸引装置から受信した前記コピー対象の情報に含まれる前記回数情報をインクリメントさせた上で、前記コピー対象の情報を送信する、
請求項を引用する請求項1又は1に記載の販売システム。
【請求項15】
前記販売端末は、受信した前記コピー対象の情報を、前記吸引装置の情報を収集する情報処理装置に送信する、
請求項1~1のいずれか一項に記載の販売システム。
【請求項16】
基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置であって、
複数の前記吸引装置を経由して送受信される情報であるコピー対象の情報を受信する通信部と、
前記通信部により受信された前記コピー対象の情報を記憶する記憶部と、
を備え、
前記通信部は、前記記憶部に記憶された前記コピー対象の情報を、前記基材を販売するための処理を行う販売端末に送信
前記コピー対象の情報は、前記コピー対象の情報が送受信された経路を示す経路情報を含み、
前記経路情報は、前記コピー対象の情報を送信した吸引装置を示す識別情報、及び前記コピー対象の情報を受信した吸引装置を示す識別情報を含む、
吸引装置。
【請求項17】
基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する複数の吸引装置を経由して送受信されるコピー対象の情報を、前記基材を販売するための処理を行う販売端末から受信する通信部と、
受信した前記コピー対象の情報に基づく分析を行う制御部と、
を備え
前記コピー対象の情報は、前記コピー対象の情報が送受信された経路を示す経路情報を含み、
前記経路情報は、前記コピー対象の情報を送信した吸引装置を示す識別情報、及び前記コピー対象の情報を受信した吸引装置を示す識別情報を含む、
る情報処理装置。
【請求項18】
基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置により、複数の前記吸引装置を経由して送受信されるコピー対象の情報を受信及び記憶することと、
前記基材を販売するための処理を行う販売端末により、前記吸引装置に記憶された前記コピー対象の情報を前記吸引装置から受信し、受信した前記コピー対象の情報に応じた処理を行うことと、
を含み、
前記コピー対象の情報は、前記コピー対象の情報が送受信された経路を示す経路情報を含み、
前記経路情報は、前記コピー対象の情報を送信した吸引装置を示す識別情報、及び前記コピー対象の情報を受信した吸引装置を示す識別情報を含む、
販売方法。
【請求項19】
基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置を制御するコンピュータを、
複数の前記吸引装置を経由して送受信されるコピー対象の情報が前記吸引装置により受信された場合に、受信された前記コピー対象の情報を前記吸引装置に記憶させ、前記吸引装置に記憶された前記コピー対象の情報を、前記基材を販売するための処理を行う販売端末に送信するよう制御する制御部、
として機能させ
前記コピー対象の情報は、前記コピー対象の情報が送受信された経路を示す経路情報を含み、
前記経路情報は、前記コピー対象の情報を送信した吸引装置を示す識別情報、及び前記コピー対象の情報を受信した吸引装置を示す識別情報を含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売システム、吸引装置、情報処理装置、販売方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ及びネブライザ等の、ユーザに吸引される物質を生成する吸引装置が広く普及している。例えば、吸引装置は、エアロゾルを生成するためのエアロゾル源、及び生成されたエアロゾルに香味成分を付与するための香味源等を含む基材を用いて、香味成分が付与されたエアロゾルを生成する。ユーザは、吸引装置により生成された、香味成分が付与されたエアロゾルを吸引することで、香味を味わうことができる。
【0003】
近年では、吸引装置に関する情報を無線で送受信することで、吸引装置に関する各種のサービスを提供することが検討されている。例えば、下記特許文献1では、基材を販売する店舗側の端末が、スマートフォン等のユーザ端末から購入希望の基材の識別情報を無線で受信し、受信した識別情報に基づいて陳列棚における購入希望の基材の位置を特定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6691138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の技術では、識別情報を送信するためにスマートフォンを操作することとなるので、手間がかかっていた。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ユーザビリティをより向上させることが可能な仕組みを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する複数の吸引装置と、前記基材を販売するための処理を行う販売端末と、を備え、前記吸引装置は、複数の前記吸引装置を経由して送受信されるコピー対象の情報を受信及び記憶し、前記販売端末は、前記吸引装置に記憶された前記コピー対象の情報を前記吸引装置から受信し、受信した前記コピー対象の情報に応じた処理を行う、販売システムが提供される。
【0008】
前記コピー対象の情報は、前記コピー対象の情報が送受信された経路を示す経路情報を含んでいてもよい。
【0009】
前記経路情報は、前記コピー対象の情報が経由した前記吸引装置を示す識別情報を含んでいてもよい。
【0010】
前記経路情報は、前記コピー対象の情報が経由した前記吸引装置を使用する前記ユーザを示す識別情報を含んでいてもよい。
【0011】
前記コピー対象の情報は、前記コピー対象の情報が送受信された回数を示す回数情報を含んでいてもよい。
【0012】
前記回数情報は、前記コピー対象の情報が経由した前記吸引装置の数を含んでいてもよい。
【0013】
前記回数情報は、前記コピー対象の情報が経由した前記吸引装置を使用する前記ユーザの数を含んでいてもよい。
【0014】
前記コピー対象の情報は、前記基材の識別情報を含んでいてもよい。
【0015】
前記コピー対象の情報は、前記吸引装置が前記エアロゾルを生成するために行う前記基材を加熱する動作を規定するプロファイルを示すプロファイル情報を含んでいてもよい。
【0016】
前記吸引装置は、他の吸引装置から前記コピー対象の情報を受信してもよい。
【0017】
前記吸引装置は、前記他の吸引装置から受信した前記コピー対象の情報に含まれる前記経路情報に、前記吸引装置に関する情報を追加してもよい。
【0018】
前記吸引装置は、前記他の吸引装置から受信した前記コピー対象の情報に含まれる前記回数情報をインクリメントさせてもよい。
【0019】
前記販売システムは、前記吸引装置に対応付けられた端末装置をさらに含み、前記端末装置は、他の吸引装置から前記コピー対象の情報を受信し、受信した前記コピー対象の情報を送信し、前記吸引装置は、前記端末装置から前記コピー対象の情報を受信してもよい。
【0020】
前記端末装置は、前記他の吸引装置から受信した前記コピー対象の情報に含まれる前記経路情報に、送信先の前記吸引装置に関する情報を追加した上で、前記コピー対象の情報を当該送信先の前記吸引装置に送信してもよい。
【0021】
前記端末装置は、前記他の吸引装置から受信した前記コピー対象の情報に含まれる前記回数情報をインクリメントさせた上で、前記コピー対象の情報を送信してもよい。
【0022】
前記販売端末は、受信した前記コピー対象の情報を、前記吸引装置の情報を収集する情報処理装置に送信してもよい。
【0023】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置であって、複数の前記吸引装置を経由して送受信される情報であるコピー対象の情報を受信する通信部と、前記通信部により受信された前記コピー対象の情報を記憶する記憶部と、を備え、前記通信部は、前記記憶部に記憶された前記コピー対象の情報を、前記基材を販売するための処理を行う販売端末に送信する、吸引装置が提供される。
【0024】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する複数の吸引装置を経由して送受信されるコピー対象の情報を、前記基材を販売するための処理を行う販売端末から受信する通信部と、受信した前記コピー対象の情報に基づく分析を行う制御部と、を備える情報処理装置が提供される。
【0025】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置により、複数の前記吸引装置を経由して送受信されるコピー対象の情報を受信及び記憶することと、前記基材を販売するための処理を行う販売端末により、前記吸引装置に記憶された前記コピー対象の情報を前記吸引装置から受信し、受信した前記コピー対象の情報に応じた処理を行うことと、を含む販売方法が提供される。
【0026】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置を制御するコンピュータを、複数の前記吸引装置を経由して送受信されるコピー対象の情報が前記吸引装置により受信された場合に、受信された前記コピー対象の情報を前記吸引装置に記憶させ、前記吸引装置に記憶された前記コピー対象の情報を、前記基材を販売するための処理を行う販売端末に送信するよう制御する制御部、として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように本発明によれば、ユーザビリティをより向上させることが可能な仕組みが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】吸引装置の第1の構成例を模式的に示す模式図である。
図2】吸引装置の第2の構成例を模式的に示す模式図である。
図3】本実施形態に係る販売システムの構成の一例を示す図である。
図4】本実施形態に係るユーザ端末の構成の一例を示すブロック図である。
図5】本実施形態に係る販売端末の構成の一例を示すブロック図である。
図6】本実施形態に係るサーバの構成の一例を示すブロック図である。
図7】本実施形態に係る販売システムにおける装置間通信の流れの一例を示す図である。
図8】本実施形態に係る販売システムにおいて実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図9】本実施形態に係る販売システムにおいて実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0030】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素を、必要に応じて吸引装置100A、及び100Bのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、吸引装置100A、及び100Bを特に区別する必要が無い場合には、単に吸引装置100と称する。
【0031】
<<1.吸引装置の構成例>>
吸引装置は、ユーザにより吸引される物質を生成する装置である。以下では、吸引装置により生成される物質が、エアロゾルであるものとして説明する。他に、吸引装置により生成される物質は、気体であってもよい。
【0032】
(1)第1の構成例
図1は、吸引装置の第1の構成例を模式的に示す模式図である。図1に示すように、本構成例に係る吸引装置100Aは、電源ユニット110、カートリッジ120、及び香味付与カートリッジ130を含む。電源ユニット110は、電源部111A、センサ部112A、通知部113A、記憶部114A、通信部115A、及び制御部116Aを含む。カートリッジ120は、加熱部121A、液誘導部122、及び液貯蔵部123を含む。香味付与カートリッジ130は、香味源131、及びマウスピース124を含む。カートリッジ120及び香味付与カートリッジ130には、空気流路180が形成される。
【0033】
電源部111Aは、電力を蓄積する。そして、電源部111Aは、制御部116Aによる制御に基づいて、吸引装置100Aの各構成要素に電力を供給する。電源部111Aは、例えば、リチウムイオン二次電池等の充電式バッテリにより構成され得る。
【0034】
センサ部112Aは、吸引装置100Aに関する各種情報を取得する。一例として、センサ部112Aは、マイクロホンコンデンサ等の圧力センサ、流量センサ又は温度センサ等により構成され、ユーザによる吸引に伴う値を取得する。他の一例として、センサ部112Aは、ボタン又はスイッチ等の、ユーザからの情報の入力を受け付ける入力装置により構成される。
【0035】
通知部113Aは、情報をユーザに通知する。通知部113Aは、例えば、発光する発光装置、画像を表示する表示装置、音を出力する音出力装置、又は振動する振動装置等により構成される。
【0036】
記憶部114Aは、吸引装置100Aの動作のための各種情報を記憶する。記憶部114Aは、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体により構成される。
【0037】
通信部115Aは、有線又は無線の任意の通信規格に準拠した通信を行うことが可能な通信インタフェースである。かかる通信規格としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等が採用され得る。
【0038】
制御部116Aは、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って吸引装置100A内の動作全般を制御する。制御部116Aは、例えばCPU(Central Processing Unit)、及びマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。
【0039】
液貯蔵部123は、エアロゾル源を貯蔵する。エアロゾル源が霧化されることで、エアロゾルが生成される。エアロゾル源は、例えば、グリセリン及びプロピレングリコール等の多価アルコール、並びに水等の液体である。エアロゾル源は、たばこ由来又は非たばこ由来の香味成分を含んでいてもよい。吸引装置100Aがネブライザ等の医療用吸入器である場合、エアロゾル源は、薬剤を含んでもよい。
【0040】
液誘導部122は、液貯蔵部123に貯蔵された液体であるエアロゾル源を、液貯蔵部123から誘導し、保持する。液誘導部122は、例えば、ガラス繊維等の繊維素材又は多孔質状のセラミック等の多孔質状素材を撚って形成されるウィックである。その場合、液貯蔵部123に貯蔵されたエアロゾル源は、ウィックの毛細管効果により誘導される。
【0041】
加熱部121Aは、エアロゾル源を加熱することで、エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する。図1に示した例では、加熱部121Aは、コイルとして構成され、液誘導部122に巻き付けられる。加熱部121Aが発熱すると、液誘導部122に保持されたエアロゾル源が加熱されて霧化され、エアロゾルが生成される。加熱部121Aは、電源部111Aから給電されると発熱する。一例として、ユーザが吸引を開始したこと、及び/又は所定の情報が入力されたことが、センサ部112Aにより検出された場合に、給電されてもよい。そして、ユーザが吸引を終了したこと、及び/又は所定の情報が入力されたことが、センサ部112Aにより検出された場合に、給電が停止されてもよい。
【0042】
香味源131は、エアロゾルに香味成分を付与するための構成要素である。香味源131は、たばこ由来又は非たばこ由来の香味成分を含んでいてもよい。
【0043】
空気流路180は、ユーザに吸引される空気の流路である。空気流路180は、空気流路180内への空気の入り口である空気流入孔181と、空気流路180からの空気の出口である空気流出孔182と、を両端とする管状構造を有する。空気流路180の途中には、上流側(空気流入孔181に近い側)に液誘導部122が配置され、下流側(空気流出孔182に近い側)に香味源131が配置される。ユーザによる吸引に伴い空気流入孔181から流入した空気は、加熱部121Aにより生成されたエアロゾルと混合され、矢印190に示すように、香味源131を通過して空気流出孔182へ輸送される。エアロゾルと空気との混合流体が香味源131を通過する際には、香味源131に含まれる香味成分がエアロゾルに付与される。
【0044】
マウスピース124は、吸引の際にユーザに咥えられる部材である。マウスピース124には、空気流出孔182が配置される。ユーザは、マウスピース124を咥えて吸引することで、エアロゾルと空気との混合流体を口腔内へ取り込むことができる。
【0045】
以上、吸引装置100Aの構成例を説明した。もちろん吸引装置100Aの構成は上記に限定されず、以下に例示する多様な構成をとり得る。
【0046】
一例として、吸引装置100Aは、香味付与カートリッジ130を含んでいなくてもよい。その場合、カートリッジ120にマウスピース124が設けられる。
【0047】
他の一例として、吸引装置100Aは、複数種類のエアロゾル源を含んでいてもよい。複数種類のエアロゾル源から生成された複数種類のエアロゾルが空気流路180内で混合され化学反応を起こすことで、さらに他の種類のエアロゾルが生成されてもよい。
【0048】
また、エアロゾル源を霧化する手段は、加熱部121Aによる加熱に限定されない。例えば、エアロゾル源を霧化する手段は、振動霧化、又は誘導加熱であってもよい。
【0049】
(2)第2の構成例
図2は、吸引装置の第2の構成例を模式的に示す模式図である。図2に示すように、本構成例に係る吸引装置100Bは、電源部111B、センサ部112B、通知部113B、記憶部114B、通信部115B、制御部116B、加熱部121B、保持部140、及び断熱部144を含む。
【0050】
電源部111B、センサ部112B、通知部113B、記憶部114B、通信部115B、及び制御部116Bの各々は、第1の構成例に係る吸引装置100Aに含まれる対応する構成要素と実質的に同一である。
【0051】
保持部140は、内部空間141を有し、内部空間141にスティック型基材150の一部を収容しながらスティック型基材150を保持する。保持部140は、内部空間141を外部に連通する開口142を有し、開口142から内部空間141に挿入されたスティック型基材150を保持する。例えば、保持部140は、開口142及び底部143を底面とする筒状体であり、柱状の内部空間141を画定する。保持部140は、スティック型基材150へ供給される空気の流路を画定する機能も有する。かかる流路への空気の入り口である空気流入孔は、例えば底部143に配置される。他方、かかる流路からの空気の出口である空気流出孔は、開口142である。
【0052】
スティック型基材150は、基材部151、及び吸口部152を含む。基材部151は、エアロゾル源を含む。なお、本構成例において、エアロゾル源は液体に限られるものではなく、固体であってもよい。スティック型基材150が保持部140に保持された状態において、基材部151の少なくとも一部は内部空間141に収容され、吸口部152の少なくとも一部は開口142から突出する。そして、開口142から突出した吸口部152をユーザが咥えて吸引すると、図示しない空気流入孔から内部空間141に空気が流入し、基材部151から発生するエアロゾルと共にユーザの口内に到達する。
【0053】
加熱部121Bは、第1の構成例に係る加熱部121Aと同様の構成を有する。ただし、図2に示した例では、加熱部121Bは、フィルム状に構成され、保持部140の外周を覆うように配置される。そして、加熱部121Bが発熱すると、スティック型基材150の基材部151が外周から加熱され、エアロゾルが生成される。
【0054】
断熱部144は、加熱部121Bから他の構成要素への伝熱を防止する。例えば、断熱部144は、真空断熱材、又はエアロゲル断熱材等により構成される。
【0055】
以上、吸引装置100Bの構成例を説明した。もちろん吸引装置100Bの構成は上記に限定されず、以下に例示する多様な構成をとり得る。
【0056】
一例として、加熱部121Bは、ブレード状に構成され、保持部140の底部143から内部空間141に突出するように配置されてもよい。その場合、ブレード状の加熱部121Bは、スティック型基材150の基材部151に挿入され、スティック型基材150の基材部151を内部から加熱する。他の一例として、加熱部121Bは、保持部140の底部143を覆うように配置されてもよい。また、加熱部121Bは、保持部140の外周を覆う第1の加熱部、ブレード状の第2の加熱部、及び保持部140の底部143を覆う第3の加熱部のうち、2以上の組み合わせとして構成されてもよい。
【0057】
他の一例として、保持部140は、内部空間141を形成する外殻の一部を開閉する、ヒンジ等の開閉機構を含んでいてもよい。そして、保持部140は、外殻を開閉することで、内部空間141に挿入されたスティック型基材150を挟持してもよい。その場合、加熱部121Bは、保持部140における当該挟持箇所に設けられ、スティック型基材150を押圧しながら加熱してもよい。
【0058】
また、エアロゾル源を霧化する手段は、加熱部121Bによる加熱に限定されない。例えば、エアロゾル源を霧化する手段は、誘導加熱であってもよい。
【0059】
また、吸引装置100Bは、第1の構成例に係る加熱部121A、液誘導部122、液貯蔵部123、及び空気流路180をさらに含んでいてもよく、空気流路180の空気流出孔182が内部空間141への空気流入孔を兼ねていてもよい。この場合、加熱部121Aにより生成されたエアロゾルと空気との混合流体は、内部空間141に流入して加熱部121Bにより生成されたエアロゾルとさらに混合され、ユーザの口腔内に到達する。
【0060】
<<2.技術的特徴>>
<2.1.システム構成例>
図3は、本実施形態に係る販売システム1の構成の一例を示す図である。図3に示すように、販売システム1は、吸引装置100、ユーザ端末200、販売端末300及びサーバ400を含む。なお、図3では、販売システム1が、2つの吸引装置100(100A及び100B)、2つのユーザ端末200(200A及び200B)、1つの販売端末300、及び1つのサーバ400を有する例を示しているが、販売システム1に含まれる各装置の個数はかかる例に限定されない。
【0061】
(1)吸引装置100の構成
吸引装置は、ユーザにより吸引される物質を生成する装置である。以下では、吸引装置により生成される物質が、エアロゾルであるものとして説明する。他に、吸引装置により生成される物質は、気体であってもよい。以下では、吸引装置により生成された物質をユーザが吸引することを、「吸引」又は「パフ」とも称する。
【0062】
本実施形態に係る吸引装置100は、基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する。加熱部121は、エアロゾルを生成する生成部の一例である。第1の構成例におけるカートリッジ120及び香味付与カートリッジ130、並びに第2の構成例におけるスティック型基材150は、本発明における基材の一例である。吸引装置100は、吸引装置100に装着された基材を用いてエアロゾルを生成する。第1の構成例において、電源ユニット110に接続されたカートリッジ120及び香味付与カートリッジ130は、吸引装置100に装着された基材の一例である。第2の構成例において、吸引装置100に挿入されたスティック型基材150は、吸引装置100に装着された基材の一例である。
【0063】
吸引装置100は、上記説明した第1の構成例、又は第2の構成例のうち任意の構成例を取り得る。図3では、ユーザAにより使用される吸引装置100を吸引装置100Aとし、ユーザBにより使用される吸引装置100を吸引装置100Bとしている。つまり、図3における吸引装置100Aの構成は、図1に示した構成と必ずしも一致していなくてもよく、例えば図2に示した構成と一致していてもよい。同様に、図3における吸引装置100Bの構成は、図2に示した構成と必ずしも一致していなくてもよく、例えば図1に示した構成と一致していてもよい。
【0064】
とりわけ、本実施形態に係る通信部115は、NFC(Near Field Communication)又はBluetooth(登録商標)の近距離無線通信規格に準拠した無線通信を行い得る。
【0065】
(2)ユーザ端末200の構成
ユーザ端末200は、吸引装置100のユーザにより使用される端末装置である。例えば、ユーザ端末200は、スマートフォン、タブレット端末又はウェアラブルデバイス等により構成される。同一ユーザにより使用される吸引装置100とユーザ端末200とは、互いに対応付けられる。例えば、ユーザは、ユーザ端末200に吸引装置100の情報を登録したり、吸引装置100にユーザ端末200の情報を登録したり、サーバ400に吸引装置100及びユーザ端末200が同一ユーザにより使用されることを登録したりする。以下、図4を参照しながら、ユーザ端末200の構成について説明する。
【0066】
図4は、本実施形態に係るユーザ端末200の構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、ユーザ端末200は、入力部210、出力部220、通信部230、記憶部240、及び制御部250を含む。
【0067】
入力部210は、各種情報の入力を受け付ける機能を有する。入力部210は、ユーザからの情報の入力を受け付ける入力装置を含んでいてもよい。入力装置としては、例えば、ボタン、キーボード、タッチパネル、及びマイク等が挙げられる。他にも、入力部210は、画像センサ等の各種センサを含んでいてもよい。
【0068】
出力部220は、情報を出力する機能を有する。出力部220は、ユーザに対し情報を出力する出力装置を含んでいてもよい。出力装置としては、例えば、情報を表示する表示装置、発光する発光装置、振動する振動装置、及び音を出力する音出力装置等が挙げられる。表示装置の一例は、ディスプレイである。発光装置の一例は、LED(Light Emitting Diode)である。振動装置の一例は、偏心モータである。音出力装置の一例は、スピーカである。出力部220は、制御部250から入力された情報を出力することで、情報をユーザに通知する。
【0069】
通信部230は、ユーザ端末200と他の装置との間で情報の送受信を行うための、通信インタフェースである。通信部230は、有線又は無線の任意の通信規格に準拠した通信を行う。かかる通信規格としては、例えば、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等が採用され得る。とりわけ、通信部230は、NFC(Near Field Communication)又はBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格に準拠した無線通信を行い得る。
【0070】
記憶部240は、ユーザ端末200の動作のための各種情報を記憶する。記憶部240は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体により構成される。
【0071】
制御部250は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従ってユーザ端末200内の動作全般を制御する。制御部250は、例えばCPU(Central Processing Unit)、及びマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。他に、制御部250は、使用するプログラム及び演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、並びに適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。ユーザ端末200は、制御部250による制御に基づいて、各種処理を実行する。入力部210により入力された情報の処理、出力部220による情報の出力、通信部230による情報の送受信、並びに記憶部240による情報の記憶及び読み出しは、制御部250により制御される処理の一例である。各構成要素への情報の入力、及び各構成要素から出力された情報に基づく処理等、ユーザ端末200により実行されるその他の処理も、制御部250により制御される。
【0072】
なお、制御部250の機能は、アプリケーションを用いて実現されてもよい。当該アプリケーションは、プリインストールされていてもよいし、ダウンロードされてもよい。また、制御部250の機能は、PWA(Progressive Web Apps)により実現されてもよい。
【0073】
(3)販売端末300の構成
販売端末300は、基材を販売するための処理を行う端末装置である。販売端末300は、例えば、キャッシュレジスタ、又はPOS(Point Of Sales)端末として構成され得る。その場合、販売端末300は、基材を販売する店に設置される。基材を販売するための処理としては、例えば、金銭授受に係る会計処理、及び販売された基材の銘柄及び個数等を登録する販売管理処理等が挙げられる。販売端末300を使用するユーザは、典型的には店員である。以下、図5を参照しながら、販売端末300の構成について説明する。
【0074】
図5は、本実施形態に係る販売端末300の構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、販売端末300は、入力部310、出力部320、通信部330、記憶部340、及び制御部350を含む。
【0075】
入力部310は、各種情報の入力を受け付ける機能を有する。入力部310は、店員からの情報の入力を受け付ける入力装置を含んでいてもよい。入力装置としては、例えば、ボタン、キーボード、タッチパネル、及びマイク等が挙げられる。他にも、入力部310は、画像センサ等の各種センサを含んでいてもよい。
【0076】
出力部320は、情報を出力する機能を有する。出力部320は、店員に対し情報を出力する出力装置を含んでいてもよい。出力装置としては、例えば、情報を表示する表示装置、発光する発光装置、振動する振動装置、及び音を出力する音出力装置等が挙げられる。表示装置の一例は、ディスプレイである。発光装置の一例は、LEDである。振動装置の一例は、偏心モータである。音出力装置の一例は、スピーカである。出力部320は、制御部350から入力された情報を出力することで、情報を店員に通知する。
【0077】
通信部330は、販売端末300と他の装置との間で情報の送受信を行うための、通信インタフェースである。通信部330は、有線又は無線の任意の通信規格に準拠した通信を行う。かかる通信規格としては、例えば、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、又はWi-Fi(登録商標)、等が採用され得る。とりわけ、通信部330は、NFC(Near Field Communication)又はBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格に準拠した無線通信を行い得る。
【0078】
記憶部340は、販売端末300の動作のための各種情報を記憶する。記憶部340は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体により構成される。
【0079】
制御部350は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って販売端末300内の動作全般を制御する。制御部350は、例えばCPU(Central Processing Unit)、及びマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。他に、制御部350は、使用するプログラム及び演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、並びに適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。販売端末300は、制御部350による制御に基づいて、各種処理を実行する。入力部310により入力された情報の処理、出力部320による情報の出力、通信部330による情報の送受信、並びに記憶部340による情報の記憶及び読み出しは、制御部350により制御される処理の一例である。各構成要素への情報の入力、及び各構成要素から出力された情報に基づく処理等、販売端末300により実行されるその他の処理も、制御部350により制御される。
【0080】
なお、制御部350の機能は、アプリケーションを用いて実現されてもよい。当該アプリケーションは、プリインストールされていてもよいし、ダウンロードされてもよい。また、制御部350の機能は、PWA(Progressive Web Apps)により実現されてもよい。
【0081】
(4)サーバ400の構成
サーバ400は、吸引装置100に関する各種のサービスを提供する情報処理装置である。一例として、サーバ400は、吸引装置100のユーザに対する会員サービスを提供する。サーバ400は、吸引装置100の情報を収集及び蓄積し、蓄積された情報の分析を行い、分析結果に応じた会員サービスを提供する。例えば、ユーザは、サーバ400にアクセスして会員登録を予め行うことで、吸引装置100に関する情報提供等の各種の会員サービスを受けることができる。以下、図6を参照しながら、サーバ400の構成について説明する。
【0082】
図6は、本実施形態に係るサーバ400の構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、サーバ400は、通信部410、記憶部420、及び制御部430を含む。
【0083】
通信部410は、サーバ400と他の装置との間で情報の送受信を行うための、通信インタフェースである。通信部410は、例えばインターネットを経由して他の装置と通信する。
【0084】
記憶部420は、サーバ400の動作のための各種情報を記憶する。記憶部420は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の不揮発性の記憶媒体により構成される。
【0085】
制御部430は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従ってサーバ400内の動作全般を制御する。制御部430は、例えばCPU(Central Processing Unit)、及びマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。他に、制御部430は、使用するプログラム及び演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、並びに適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。サーバ400は、制御部430による制御に基づいて、各種処理を実行する。通信部410による情報の送受信、並びに記憶部420による情報の記憶及び読み出しは、制御部430により制御される処理の一例である。各構成要素への情報の入力、及び各構成要素から出力された情報に基づく処理等、サーバ400により実行されるその他の処理も、制御部430により制御される。
【0086】
<2.2.装置間通信に関する処理>
図3に示したように、販売システム1に含まれる装置間では、通信が行われ得る。例えば、吸引装置100Aは、同一ユーザにより使用されるユーザ端末200A、他のユーザにより使用される他の吸引装置100B、及び販売端末300の各々との間で通信することができる。ユーザ端末200は、同一ユーザにより使用される吸引装置100、及びサーバ400の各々との間で通信することができる。販売端末300は、吸引装置100及びサーバ400の各々との間で通信することができる。サーバ400は、販売端末300及びユーザ端末200との間で通信することができる。
【0087】
(1)吸引装置100に記憶される情報
吸引装置100は、他の装置から受信した情報を記憶し、記憶した情報を他の装置に送信する。吸引装置100に記憶される情報の一例を、以下に説明する。
【0088】
-銘柄情報
吸引装置100は、基材の識別情報を記憶してもよい。基材の識別情報とは、基材の銘柄(即ち、種類)を識別するための情報である。以下、基材の識別情報を、銘柄情報とも称する。吸引装置100に記憶された銘柄情報は、後述するように、販売端末300に送信されて、購入を希望する銘柄を示す情報として取り扱われる。そのため、吸引装置100が銘柄情報を記憶することにより、基材購入時のユーザビリティを向上させることが可能である。
【0089】
-プロファイル情報
吸引装置100は、吸引装置100がエアロゾルを生成するために行う基材を加熱する動作を規定するプロファイルを示すプロファイル情報を記憶してもよい。吸引装置100は、記憶したプロファイル情報により示されるプロファイルに従って基材を加熱し、エアロゾルを生成する。
【0090】
第1の構成例におけるプロファイルは、加熱部121Aへの給電時間、及び単位時間当たりの給電量(例えば、電圧)を定義する情報である。制御部116は、プロファイルにおいて定義された単位時間当たりの給電量を、プロファイルにおいて定義された給電時間、電源部111から加熱部121Aに給電されるよう制御する。このような給電の制御は、例えば、パフが1回検出される度に行われる。
【0091】
第2の構成例におけるプロファイルは、加熱部121Bによる加熱開始からの経過時間と加熱部121Bの温度との関係を定義する情報である。制御部116は、プロファイルにおける温度変化と同様の温度変化が加熱部121Bにおいて実現されるよう、加熱部121Bを制御する。加熱部121Bは、抵抗器を含む導電トラックを含んでいてもよく、センサ部112は、導電トラックの電気抵抗に基づいて加熱部121Bの温度を検出してもよい。加熱部121Bの制御は、例えば電源部111から加熱部121Bへの給電を制御することにより、実現され得る。給電の制御は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)制御により行われてもよい。
【0092】
プロファイル情報は、プロファイルそのものであってもよい。プロファイルは、会員サービスにより提供される等、設定可能なプロファイルが予め決まっていてもよい。その場合、プロファイル情報は、プロファイルを示す識別情報であってもよい。プロファイルを示す識別情報は、プロファイルそのものと比較してデータ量が少ないので、他の装置と送受信する際の通信負荷が軽減される。他にも、プロファイルは、給電時間等のパラメータがユーザにより調節される等、ユーザによるカスタマイズが可能であってもよい。
【0093】
-銘柄情報とプロファイル情報との組み合わせ
吸引装置100は、銘柄情報とプロファイル情報とを対応付けて記憶してもよい。例えば、基材ごとにユーザが好むプロファイルが異なっていてもよく、吸引装置100は、銘柄情報と当該銘柄情報により示される銘柄の基材に好適なプロファイルとを対応付けて記憶してもよい。ここで、吸引装置100は、銘柄情報とプロファイル情報との組み合わせを示す識別情報を記憶してもよい。銘柄情報とプロファイル情報との組み合わせを示す識別情報のデータ量が、銘柄情報のデータ量及びプロファイル情報のデータ量の総和よりも少なくなるよう設計することで、他の装置と送受信する際の通信負荷を軽減することができる。銘柄情報とプロファイル情報との組み合わせを示す識別情報の一例を、下記の表1に示す。
【0094】
【表1】
【0095】
-デバイスID
吸引装置100は、吸引装置100の識別情報を記憶してもよい。吸引装置100の識別情報とは、吸引装置100を一意に識別するための情報である。吸引装置100の識別情報を、以下ではデバイスIDとも称する。
【0096】
-ユーザID
吸引装置100は、吸引装置100を使用するユーザの識別情報を記憶してもよい。ユーザの識別情報とは、ユーザを一意に識別するための情報である。ユーザの識別情報を、以下ではユーザIDとも称する。ユーザIDは、ユーザの名前等の個人情報であってもいし、会員サービスに登録されたアカウント名であってもよい。
【0097】
-認証情報
吸引装置100は、認証情報を記憶してもよい。認証情報とは、基材をユーザが購入する資格を有する旨を示す情報である。認証情報は、例えば、ユーザの年齢を証明する情報を含む。
【0098】
-コピー対象の情報のコピー履歴を示す情報
吸引装置100は、他の吸引装置100との間で、直接的に、又は間接的に情報を送受信する。吸引装置100同士で直接的に、又は間接的に情報を送受信すること、即ち2つの吸引装置100の一方に記憶された情報を他方の吸引装置100が受信し記憶することを、以下ではコピーとも称する。また、吸引装置100に記憶される情報のうち、他の吸引装置100との間で送受信される情報、即ち複数の吸引装置100を経由して送受信される情報を、以下ではコピー対象の情報とも称する。
【0099】
コピー対象の情報は、銘柄情報を含んでいてもよい。銘柄情報は、後述するように購入希望の銘柄を示す情報として販売端末300により取り扱われる。従って、ユーザ間で、気に入った銘柄をおすすめし合い、おすすめされた銘柄の基材を購入することが可能となる。
【0100】
コピー対象の情報は、プロファイル情報を含んでいてもよい。その場合、ユーザ間で、気に入ったプロファイルをおすすめし合い、おすすめされたプロファイルに従った加熱を吸引装置100に実行させることが可能となる。
【0101】
コピー対象の情報として、銘柄情報とプロファイル情報とが対応付けて送受信されてもよい。例えば、コピー対象の情報は、銘柄情報とプロファイル情報との組み合わせを示す識別情報を含んでいてもよい。かかる構成によれば、ユーザ間で、気に入った銘柄とプロファイルとの組み合わせをおすすめし合い、おすすめされたプロファイルに従った加熱をおすすめされた銘柄で試すことが可能となる。
【0102】
吸引装置100は、コピー対象の情報のコピー履歴を示す情報を記憶してもよい。コピー履歴を示す情報は、コピー対象の情報と共にコピーされて、更新される。コピー履歴を示す情報としては、経路情報及び回数情報が挙げられる。
【0103】
-経路情報
吸引装置100は、コピー対象の情報が送受信された経路を示す経路情報を記憶してもよい。経路情報は、複数の吸引装置100を経由して送受信される過程で更新される。
【0104】
経路情報は、コピー対象の情報が経由した吸引装置100のデバイスIDを含んでいてもよい。例えば、吸引装置100Bから吸引装置100Aにコピー対象の情報がコピーされた場合、経路情報は、吸引装置100BのデバイスID、及び吸引装置100AのデバイスIDを含む。かかる構成によれば、経路情報により、コピー対象の情報をコピーした吸引装置100の履歴を把握することが可能となる。
【0105】
経路情報は、コピー対象の情報が経由した吸引装置100を使用するユーザのユーザIDを含んでいてもよい。例えば、吸引装置100Bから吸引装置100Aにコピー対象の情報がコピーされた場合、経路情報は、ユーザBのユーザID、及びユーザAのユーザIDを含む。他方、ひとりのユーザが所有する複数の吸引装置100の間でコピー対象の情報がコピーされた場合、経路情報は更新されない。かかる構成によれば、経路情報により、コピー対象の情報をコピーしたユーザの履歴を把握することが容易になる。
【0106】
-回数情報
吸引装置100は、コピー対象の情報が送受信された回数を示す回数情報を記憶してもよい。回数情報は、複数の吸引装置100を経由して送受信される過程で更新される。
【0107】
回数情報は、コピー対象の情報が経由した吸引装置100の数を含んでいてもよい。例えば、吸引装置100Bから吸引装置100Aにコピー対象の情報がコピーされた場合、回数情報は、インクリメント(即ち、それまでの回数情報に1が加算)される。かかる構成によれば、回数情報により、コピー対象の情報をコピーした回数を把握することが可能となる。
【0108】
回数情報は、コピー対象の情報が経由した吸引装置100を使用するユーザの数を含んでいてもよい。例えば、吸引装置100Bから吸引装置100Aにコピー対象の情報がコピーされた場合、ユーザBからユーザAにコピー対象の情報がコピーされるので、回数情報はインクリメントされる。他方、ひとりのユーザが所有する複数の吸引装置100の間でコピー対象の情報がコピーされた場合、回数情報はインクリメントされない。かかる構成によれば、回数情報により、コピー対象の情報をコピーしたユーザの数を把握することが容易になる。また、ユーザ間でコピー対象の情報をコピーした回数に応じてポイントが付与されるような会員サービスが提供される場合、同一ユーザが所有する複数の吸引装置100の間でコピーを繰り返してポイントを得ようとする不正行為を排除することが可能となる。
【0109】
-補足
なお、吸引装置100には、上記説明した情報がひとつずつ記憶されていてもよいし、複数記憶されていてもよい。例えば、吸引装置100は、ひとつ以上の銘柄情報、及びひとつ以上のプロファイル情報を記憶していてもよい。
【0110】
(2)吸引装置100に記憶された情報の更新
吸引装置100は、他の装置から情報を受信して、記憶する。とりわけ、吸引装置100は、近距離無線通信により情報を受信する。近距離無線通信は、NFCであってもよい。
【0111】
一例として、吸引装置100は、NFCタグを有していてもよい。NFCタグとは、NFCを用いた通信のためのアンテナとNFCを用いた通信のための処理を行うIC(Integrated Circuit)チップとを備えるタグであり、典型的にはシール状に薄く構成される。NFCタグには、NFCを介して情報を書き込んだり、読み取ったりすることができる。即ち、吸引装置100が有するNFCタグは、記憶部114、通信部115及び制御部116として機能し得る。NFCタグに対する情報の読み書きには、NFCリーダライタが使用される。NFCリーダライタとは、NFCタグから情報を読み取ることが可能なNFCリーダと、NFCタグに情報を書き込むことが可能なNFCライタとの双方を兼ねる装置である。
【0112】
他の一例として、吸引装置100は、NFC通信モジュールを有していてもよい。NFC通信モジュールとは、NFCによる通信が可能な通信モジュールであって、カードエミュレーションモード、リーダライタモード、及びP2P(Peer-to-Peer)モードの3つの通信モードをサポートする。NFC通信モジュールは、カードエミュレーションモードで動作する場合、自身がNFCタグであるものとして動作し、NFCリーダライタから読み書きされる。NFC通信モジュールは、リーダライタモードで動作する場合、自身がNFCリーダライタであるものとして動作し、NFCタグに対し読み書きを行う。NFC通信モジュールは、P2Pモードで動作する場合、P2Pモードで動作する他のNFC通信モジュールとの間で通信する。
【0113】
-ユーザ端末200による管理
ユーザ端末200は、吸引装置100に記憶される情報を管理する。一例として、ユーザ端末200は、吸引装置100との間で同期をとる。詳しくは、ユーザ端末200は、吸引装置100に記憶された情報とユーザ端末200に記憶された情報とが一致するように、吸引装置100に情報を書き込む、又は吸引装置100から情報を読み取って記憶する。このようにして同期される情報を、以下では同期対象の情報とも称する。吸引装置100に記憶される情報を管理する機能は、専用のアプリケーション(以下、管理用アプリケーションとも称する)により実現され得る。
【0114】
ユーザ端末200は、所定の条件が満たされた場合に吸引装置100との間で同期のための通信を行う。所定の条件は、ユーザ端末200と吸引装置100との距離が近距離無線通信可能な距離に近づいたことを含み得る。所定の条件は、ユーザ端末200において、管理用アプリケーションが起動中であることを含み得る。所定の条件は、ユーザ端末200に記憶されている同期対象の情報と、吸引装置100に記憶されている情報とに相違があることを含み得る。
【0115】
なお、ユーザ端末200は、周期的にポーリングを行うことで、近距離無線通信可能な範囲に存在する吸引装置100を検出し得る。ユーザ端末200は、ポーリングにより近距離無線通信可能な範囲に存在する吸引装置100を検出した場合に、管理用アプリケーションを起動してもよい。そして、管理アプリケーションは、起動されると、吸引装置100との同期を自動的に行ってもよい。
【0116】
典型的には、ユーザ端末200は、ユーザ端末200に対応付けられた(即ち、同一ユーザにより使用される)吸引装置100に記憶される情報を管理する。例えば、ユーザ端末200Aは、吸引装置100Aに記憶される情報を管理する。
【0117】
-他の吸引装置100による更新
吸引装置100は、他の吸引装置100から情報を受信し、記憶し得る。例えば、吸引装置100は、他の吸引装置100からコピー対象の情報を受信して記憶し得る。
【0118】
吸引装置100は、所定の条件が満たされた場合に他の吸引装置100との間でコピー対象の情報を送受信するための通信を行う。所定の条件は、吸引装置100同士の距離が近距離無線通信可能な距離に近づいたことを含み得る。
【0119】
(3)販売システム1全体における情報処理の流れ
以下では、図7を参照しながら、販売システム1において行われる情報処理の流れについて説明する。図7は、本実施形態に係る販売システム1における情報処理の流れの一例を示す図である。
【0120】
(3.1)コピー対象の情報の送受信
吸引装置100は、他の吸引装置100との間で、直接的に、又はユーザ端末200を介して間接的に、コピー対象の情報を送受信する。図7に示した例では、吸引装置100Bは、銘柄情報、プロファイル情報、経路情報、及び回数情報を含むデータセットを、コピー対象の情報として、直接的に、又はユーザ端末200Aを介して間接的に吸引装置100Aに送信する。
【0121】
-直接的なコピー
吸引装置100は、他の吸引装置100との間で、直接的にコピー対象の情報を送受信してもよい。その場合、例えば、吸引装置100は、P2Pモードで動作するNFC通信モジュールにより、他の吸引装置100との間でコピー対象の情報を送受信する。
【0122】
吸引装置100は、他の吸引装置100にコピー対象の情報を送信する、又は他の吸引装置100からコピー対象の情報を受信する。図7に示した例では、吸引装置100Bは、吸引装置100Aにコピー対象の情報を送信し、吸引装置100Aは、吸引装置100Bからコピー対象の情報を受信する。かかる構成により、吸引装置100は、コピー対象の情報を他の吸引装置100から直接コピーすることが可能となる。
【0123】
吸引装置100は、他の吸引装置100から受信したコピー対象の情報に含まれる経路情報に、吸引装置100に関する情報を追加する。吸引装置100に関する情報としては、吸引装置100のデバイスID、及び吸引装置100を使用するユーザのユーザIDが挙げられる。図7に示した例では、吸引装置100Aは、吸引装置100Bからコピー対象の情報を受信した場合、受信したコピー対象の情報に含まれる経路情報に、吸引装置100AのデバイスID又はユーザAのユーザIDを追加する。かかる構成により、直接的なコピーを行う場合に、経路情報を適切に更新することが可能となる。
【0124】
吸引装置100は、他の吸引装置100から受信したコピー対象の情報に含まれる回数情報をインクリメントさせる。図7に示した例では、吸引装置100Aは、吸引装置100Bからコピー対象の情報を受信した場合、受信したコピー対象の情報に含まれる回数情報をインクリメントさせる。かかる構成により、直接的なコピーを行う場合に、回数情報を適切に更新することが可能となる。
【0125】
-間接的なコピー
吸引装置100は、他の吸引装置100との間で、ユーザ端末200を介して間接的にコピー対象の情報を送受信してもよい。例えば、吸引装置100はNFCタグを有し、ユーザ端末200が有するNFCリーダライタにより、吸引装置100のNFCタグに対してコピー対象の情報の読み書きが行われる。
【0126】
ユーザ端末200は、吸引装置100からコピー対象の情報を受信する、又は吸引装置100にコピー対象の情報を送信する。例えば、ユーザ端末200は、他の吸引装置100からコピー対象の情報を受信する。そして、ユーザ端末200は、受信したコピー対象の情報を、吸引装置100に送信する。そして、吸引装置100は、ユーザ端末200からコピー対象の情報を受信する。図7に示した例では、ユーザ端末200Aは、吸引装置100BのNFCタグからコピー対象の情報を読み取り、読み取ったコピー対象の情報を吸引装置100AのNFCタグに書き込む。かかる構成により、吸引装置100は、コピー対象の情報を、ユーザ端末200を介して他の吸引装置100から間接的にコピーすることが可能となる。
【0127】
ユーザ端末200は、他の吸引装置100から受信したコピー対象の情報に含まれる経路情報に、送信先の吸引装置100に関する情報を追加した上で、コピー対象の情報を当該送信先の吸引装置100に送信する。図7に示した例では、ユーザ端末200Aは、吸引装置100BのNFCタグから読み取ったコピー対象の情報に含まれる経路情報に、吸引装置100AのデバイスID又はユーザAのユーザIDを追加した上で、吸引装置100AのNFCタグに書き込む。かかる構成により、間接的なコピーを行う場合に、経路情報を適切に更新することが可能となる。
【0128】
ユーザ端末200は、他の吸引装置100から受信したコピー対象の情報に含まれる回数情報をインクリメントさせた上で、コピー対象の情報を送信する。図7に示した例では、ユーザ端末200Aは、吸引装置100BのNFCタグから読み取ったコピー対象の情報に含まれる回数情報をインクリメントさせた上で、吸引装置100AのNFCタグに書き込む。かかる構成により、間接的なコピーを行う場合に、回数情報を適切に更新することが可能となる。
【0129】
-初期登録
吸引装置100へのコピー対象の情報の初期登録について説明する。初期登録とは、他の吸引装置100を経由していない情報が、コピー対象の情報として初めて吸引装置100に記憶されることを指す。
【0130】
銘柄情報は、ユーザ端末200により初期登録されてもよい。一例として、ユーザ端末200は、サーバ400から提供される会員サービス又はWebサイトから銘柄情報を取得し、吸引装置100に書き込んでもよい。他の一例として、ユーザ端末200は、基材のパッケージを撮像した撮像画像に画像認識を適用することで取得した銘柄情報を、吸引装置100に書き込んでもよい。
【0131】
銘柄情報は、吸引装置100自身により初期登録されてもよい。例えば、基材には基材の銘柄情報を示す情報が付与されていてもよい。その場合、吸引装置100は、基材に付与された識別に基づいて、基材の銘柄情報を識別し得る。例えば、色が付された線、及びバーコード等が、基材表面に付与され得る。センサ部112は、基材表面に付された情報を読み取るための画像センサを含んでいてもよく、制御部116は、画像センサにより得られた画像に対し画像認識を適用することで、基材の銘柄情報を識別してもよい。
【0132】
吸引装置100は、装着された基材の銘柄情報を自動的に識別し、記憶してもよい。その場合、過去の吸引装置100に装着した基材、例えば使い慣れた基材を再び購入する際のユーザビリティを向上させることが可能である。
【0133】
プロファイル情報についても同様に、ユーザ端末200により初期登録されてもよいし、吸引装置100により初期登録されてもよい。
【0134】
初期登録の際には、回数情報には0が登録され、経路情報にはコピー対象の情報を初期登録する吸引装置100のデバイスID又はユーザIDが登録される。
【0135】
-優先度の高い情報の送受信
吸引装置100は、他の装置との間で情報を送受信する際に、優先度の高い情報のみを送受信してもよい。かかる構成によれば、通信負荷が軽減される。従って、NFCなど通信速度が比較的遅い規格が使用される場合においても、情報の送受信が成功する確率を向上させることが可能となる。
【0136】
優先度の高い情報の一例は、銘柄情報及びプロファイル情報である。銘柄情報及びプロファイル情報が、回数情報及び経路情報を伴わずに送受信された場合、回数情報及び経路情報は受信側でリセットされてもよい。つまり、回数情報が0となり、経路情報が受信側のデバイスID又はユーザIDのみとなってもよい。
【0137】
(3.2)吸引装置100と販売端末300との間の通信
吸引装置100は、記憶した情報の少なくとも一部を販売端末300に送信する。図7に示した例では、吸引装置100Aは、銘柄情報、プロファイル情報、経路情報、回数情報、デバイスID及び認証情報を含むデータセットを、販売端末300に送信する。
【0138】
販売端末300は、吸引装置100から情報を受信する。例えば、販売端末300と吸引装置100とが近距離無線通信可能な程度の距離に近づいた場合、吸引装置100及び販売端末300は、近距離無線通信を行って情報を送受信する。かかる構成によれば、販売端末300は、近距離無線通信可能な程度に近づいた吸引装置100から情報を受信するので、例えば店舗が混みあっている場合であっても混信を防止することができる。
【0139】
一例として、吸引装置100は、NFCタグを有していてもよい。他方、販売端末300は、通信部330として機能するNFCリーダを有していてもよい。このように、吸引装置100がNFCタグを有し、販売端末300がNFCリーダを有する場合、販売端末300は、吸引装置100のNFCタグに記憶された情報をNFCリーダにより読み取る。かかる構成によれば、ユーザは、吸引装置100を販売端末300のNFCリーダにかざす等するだけで、情報を送信させることができるので、ユーザビリティを向上させることが可能となる。
【0140】
販売端末300は、吸引装置100から情報を受信すると、受信した情報に応じた処理を行う。とりわけ、販売端末300は、吸引装置100から受信したコピー対象の情報に応じた処理を行う。かかる構成によれば、販売端末300は、ユーザ端末200ではなく吸引装置100から情報を取得し、取得した情報に応じた処理を行うことができる。従って、ユーザが情報送信のためにユーザ端末200を操作する手間が削減されるので、ユーザビリティを向上させることが可能となる。
【0141】
一例として、販売端末300は、吸引装置100から受信した情報の少なくとも一部をサーバ400に送信する。例えば、販売端末300は、コピー対象の情報をサーバ400に送信する。サーバ400は、販売端末300から受信した情報を蓄積及び分析する。サーバ400による分析結果は、マーケティング等に活用され得る。サーバ400は、分析結果に基づいて会員サービスを提供する。会員サービスは、例えばWebサービスとしてインターネットを介してユーザ端末200に提供される。かかる構成によれば、ユーザは、吸引装置100を用いて基材を購入するだけで、即ちユーザ端末200を操作してサーバ400に情報を送信する手間を負うことなく、会員の購買行動を反映した好適な会員サービスを受けることが可能となる。
【0142】
他の一例として、販売端末300は、吸引装置100から受信した情報に応じて基材を販売するための処理を行ってもよい。例えば、販売端末300は、吸引装置100から受信したコピー対象の情報に含まれる銘柄情報により示される銘柄の基材を、ユーザが購入を希望する基材として、販売する処理を行ってもよい。かかる構成によれば、ユーザは、購入希望の基材を店員に口頭で指定したりせずとも、希望通りの基材を購入することが可能となる。
【0143】
詳しくは、販売端末300は、吸引装置100から受信した銘柄情報により示される銘柄の基材が保管されている位置を示す基材位置情報を出力してもよい。店頭に設けられた陳列棚に基材が銘柄ごとに陳列されている場合、基材位置情報は、該当の銘柄の基材が陳列された位置を示す情報を含む。基材位置情報は、例えば画像として販売端末300のディスプレイに表示されてもよい。その際、基材位置情報と共に、該当の銘柄の基材のブランド名及びパッケージ等を表示してもよい。これらの情報は、購入ミスを防止するために、店員だけでなく、ユーザにも確認可能であることが望ましい。他にも、陳列棚が複数銘柄の基材の各々に対応する位置に発光素子を有している場合、基材位置情報の出力として、購入希望の基材に対応する位置に設けられた発光素子が発光されてもよい。かかる構成によれば、店員は、ユーザの購入希望の基材を陳列棚から正確且つ早期に見つけだすことが可能となる。
【0144】
上記処理のために、販売端末300は、販売対象である複数の基材の各々について基材位置情報を記憶していてもよい。例えば、販売端末300は、販売対象である複数の基材の各々の銘柄情報と、当該基材の基材位置情報とを対応付けて記憶していてもよい。そして、販売端末300は、記憶された複数の基材位置情報のうち、吸引装置100から取得した情報に含まれる銘柄情報により示される基材に対応する基材位置情報を出力してもよい。かかる構成により、販売端末300は、購入希望の基材の基材位置情報を適切に出力することが可能となる。
【0145】
販売端末300は、吸引装置100から受信した認証情報に基づいて認証を行ってもよい。例えば、販売端末300は、認証情報により示されるユーザの年齢が所定の年齢以上である場合に認証成功を判定し、それ以外の場合に認証失敗を判定する。かかる構成によれば、基材を購入する資格を有さないユーザに対し基材を誤って販売してしまうことを防止することが可能となる。
【0146】
(3.3)販売端末300とサーバ400との間の通信
販売端末300は、吸引装置100から受信した情報の少なくとも一部をサーバ400に送信する。図7に示した例では、販売端末300は、銘柄情報、プロファイル情報、経路情報、回数情報、及びデバイスIDを含むデータセットを、サーバ400に送信する。
【0147】
サーバ400は、販売端末300から受信した情報に基づく分析を行う。とりわけ、サーバ400は、コピー対象の情報に基づく分析を行う。そして、サーバ400は、分析結果に基づいて会員サービスを提供する。
【0148】
一例として、サーバ400は、収集したコピー対象の情報を、銘柄情報ごとに集計してもよい。下記の表2は、集計結果の一例である。
【0149】
【表2】
【0150】
表2における経路情報に含まれる「A」「B」「C」は、それぞれ吸引装置100A、吸引装置100B、吸引装置100CのデバイスIDである。
【0151】
サーバ400は、同一の銘柄情報を有するコピー対象の情報に含まれる回数情報を集計することで、銘柄情報ごとのコピー回数の合計値を得る。サーバ400は、かかる合計値に基づいて、会員内で数多くコピーされた銘柄情報、即ち会員内で流行している銘柄を特定してもよい。そして、サーバ400は、会員内で流行している銘柄をおすすめする情報を、会員サービスとして提供してもよい。
【0152】
他の一例として、サーバ400は、収集したコピー対象の情報を、プロファイル情報ごとに集計してもよい。下記の表3は、集計結果の一例である。
【0153】
【表3】
【0154】
サーバ400は、同一のプロファイル情報を有するコピー対象の情報に含まれる回数情報を集計することで、プロファイル情報ごとのコピー回数の合計値を得る。サーバ400は、かかる合計値に基づいて、会員内で数多くコピーされたプロファイル情報、即ち会員内で流行しているプロファイルを特定してもよい。そして、サーバ400は、会員内で流行しているプロファイルをおすすめする情報を、会員サービスとして提供してもよい。
【0155】
なお、プロファイル情報の集計は、カテゴリごとに分類された上で行われてもよい。例えば、サーバ400は、プロファイル情報を、吸いごたえのあるタイプ及び軽目のタイプ等の数種類のカテゴリに分類した上で、カテゴリごとにコピー回数の合計値を計算し、会員内で流行しているカテゴリを特定してもよい。なお、ユーザによりカスタマイズされたプロファイルについては、パラメータの相違によらずユーザによりカスタマイズされたタイプとして一つのカテゴリに分類され得る。
【0156】
他にも、サーバ400は、回数情報及び経路情報に基づいて、エンハンサーを特定してもよい。ここでのエンハンサーとは、コピー対象の情報のコピーを繰り返すユーザである。サーバ400は、同一のユーザを経路情報に含むコピー対象の情報に含まれる回数情報を集計することで、ユーザごとのコピー回数の合計値を得る。なお、サーバ400は、吸引装置100のデバイスIDとユーザのユーザIDとを対応付けて予め記憶していてもよく、経路情報にデバイスIDが含まれる場合、経路情報に含まれるデバイスIDから経路上のユーザを特定してもよい。サーバ400は、かかる合計値に基づいて、コピー対象の情報を数多くコピーしたユーザ、即ちエンハンサーを特定してもよい。かかる構成により、エンハンサーを特定し、エンハンサーに対して重点的に基材の推薦を行う等の施策を行うことが可能となる。
【0157】
また、サーバ400は、回数情報及び経路情報に基づいて、ユーザ間の繋がりを特定してもよい。例えば、コピー対象の情報がコピーされる度に、経路情報の末尾にコピー対象の情報をコピーした吸引装置100のデバイスIDが追加されるとすると、経路情報において隣り合うデバイスIDに対応する2つの吸引装置100の間でコピー対象の情報がコピーされたことが分かる。そこで、サーバ400は、コピー対象の情報をコピーした2つの吸引装置100の各々のユーザ間には、直接的な繋がりがあると推定する。また、サーバ400は、直接的な繋がりがあると推定されるユーザ間でのコピー回数の合計値により、当該ユーザ間の繋がりの強さを推定してもよい。かかる構成により、ユーザ間の繋がりを特定し、グループ毎に基材の推薦を行う等の施策を行うことが可能となる。
【0158】
また、サーバ400は、デバイスIDと銘柄情報に基づいて、販売端末300がどのユーザにどの銘柄の基材を販売したか、即ちどのユーザがどの基材を購入したかを分析してもよい。
【0159】
(4)処理の流れ
-直接的なコピー
図8は、本実施形態に係る販売システム1において実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスには、吸引装置100A、吸引装置100B、吸引装置100C、ユーザ端末200C、販売端末300、及びサーバ400が関与する。本シーケンスは、吸引装置100同士が直接的にコピー対象の情報をコピーする例である。
【0160】
図8に示すように、まず、ユーザ端末200Cは、コピー対象の情報を初期登録する(ステップS102)。例えば、ユーザ端末200Cは、基材のパッケージを画像認識することで得られた銘柄情報、及びWebサイトから取得した当該基材に適切なプロファイルを示すプロファイル情報を、同期対象の情報として登録する。これらの情報はまだコピーされていないから、ユーザ端末200Cは、銘柄情報及びプロファイル情報に対応付けて、コピー回数が0回であることを示す「0」を回数情報として登録し、吸引装置100CのデバイスIDである「C」を経路情報として登録する。
【0161】
次いで、ユーザ端末200Cは、吸引装置100Cとの間で情報を同期する(ステップS104)。これにより、吸引装置100Cは、ステップS102において初期登録された情報を記憶する。
【0162】
次に、吸引装置100Cは、コピー対象の情報を吸引装置100Bに送信する(ステップS106)。当該コピー対象の情報は、銘柄情報及びプロファイル情報に加え、回数情報として「0」を含み、経路情報として「C」を含む。
【0163】
吸引装置100Bは、吸引装置100Cからコピー対象の情報を受信すると、受信したコピー対象の情報を更新して記憶する(ステップS108)。例えば、吸引装置100Bは、受信したコピー対象の情報に含まれる回数情報をインクリメントさせて「1」とし、経路情報に吸引装置100BのデバイスIDである「B」を追加して「C,B」とする。
【0164】
次いで、吸引装置100Bは、コピー対象の情報を吸引装置100Aに送信する(ステップS110)。当該コピー対象の情報は、回数情報として「1」を含み、経路情報として「C,B」を含む。
【0165】
吸引装置100Aは、吸引装置100Bからコピー対象の情報を受信すると、受信したコピー対象の情報を更新して記憶する(ステップS112)。例えば、吸引装置100Aは、受信したコピー対象の情報に含まれる回数情報をインクリメントさせて「2」とし、経路情報に吸引装置100AのデバイスIDである「A」を追加して「C,B,A」とする。
【0166】
次に、吸引装置100Aは、コピー対象の情報を、販売端末300に送信する(ステップS114)。吸引装置100Aは、コピー対象の情報に加えて、吸引装置100AのデバイスID、及び認証情報を送信してもよい。なお、コピー対象の情報は、回数情報として「2」を含み、経路情報として「C,B,A」を含む。
【0167】
次いで、販売端末300は、受信した情報に基づいて、基材を販売するための処理を行う(ステップS116)。一例として、販売端末300は、銘柄情報に対応する基材が保管されている位置を示す基材位置情報を出力する。他の一例として、販売端末300は、認証情報に基づいて、認証を行う。
【0168】
次に、販売端末300は、コピー対象の情報をサーバ400に送信する(ステップS118)。販売端末300は、コピー対象の情報に加えて、デバイスID等の他の情報を送信してもよい。
【0169】
次いで、サーバ400は、販売端末300から受信した情報の蓄積及び分析を行う(ステップS120)。例えば、サーバ400は、複数の販売端末300から収集した複数のコピー対象の情報を蓄積及び分析することで、会員内で流行している銘柄を特定したり、エンハンサーを特定したり、ユーザ間の繋がりを特定したりする。
【0170】
次に、サーバ400は、ユーザ端末200に対し会員サービスを提供する(ステップS122)。例えば、サーバ400は、会員内で流行している銘柄を推薦する情報を、エンハンサーとして特定されたユーザCのユーザ端末200Cに送信する。
【0171】
-間接的なコピー
図9は、本実施形態に係る販売システム1において実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスには、吸引装置100A、吸引装置100B、吸引装置100C、ユーザ端末200A、ユーザ端末200B、ユーザ端末200C、販売端末300、及びサーバ400が関与する。本シーケンスは、吸引装置100同士がユーザ端末200を介して間接的にコピー対象の情報をコピーする例である。
【0172】
図9に示すように、まず、ユーザ端末200Cは、コピー対象の情報を初期登録する(ステップS202)。例えば、ユーザ端末200Cは、基材のパッケージを画像認識することで得られた銘柄情報、及びWebサイトから取得した当該基材に適切なプロファイルを示すプロファイル情報を、同期対象の情報として登録する。これらの情報はまだコピーされていないから、ユーザ端末200Cは、銘柄情報及びプロファイル情報に対応付けて、コピー回数が0回であることを示す「0」を回数情報として登録し、吸引装置100CのデバイスIDである「C」を経路情報として登録する。
【0173】
次いで、ユーザ端末200Cは、吸引装置100Cとの間で情報を同期する(ステップS204)。これにより、吸引装置100Cは、ステップS02において初期登録された情報を記憶する。
【0174】
次いで、ユーザ端末200Bは、吸引装置100Cからコピー対象の情報を読み取る(ステップS206)。読みとったコピー情報は、回数情報として「0」を含み、経路情報として「C」を含む。
【0175】
次に、ユーザ端末200Bは、読み取ったコピー対象の情報を更新して記憶する(ステップS208)。例えば、ユーザ端末200Bは、読み取ったコピー対象の情報に含まれる回数情報をインクリメントさせて「1」とし、経路情報に吸引装置100BのデバイスIDである「B」を追加して「C,B」とする。
【0176】
そして、ユーザ端末200Bは、吸引装置100Bとの間で情報を同期する(ステップS210)。これにより、吸引装置100Bは、回数情報として「1」を含み、経路情報として「C,B」を含むコピー対象の情報を記憶する。
【0177】
次いで、ユーザ端末200Aは、吸引装置100Bからコピー対象の情報を読み取る(ステップS212)。読みとったコピー情報は、回数情報として「1」を含み、経路情報として「C,B」を含む。
【0178】
次に、ユーザ端末200Aは、読み取ったコピー対象の情報を更新して記憶する(ステップS214)。例えば、ユーザ端末200Aは、読み取ったコピー対象の情報に含まれる回数情報をインクリメントさせて「2」とし、経路情報に吸引装置100AのデバイスIDである「A」を追加して「C,B,A」とする。
【0179】
そして、ユーザ端末200Aは、吸引装置100Aとの間で情報を同期する(ステップS216)。これにより、吸引装置100Aは、回数情報として「2」を含み、経路情報として「C,B,A」を含むコピー対象の情報を記憶する。
【0180】
その後のステップS218~S226に係る処理は、図8を参照しながら上記説明したステップS114~S122に係る処理と同様である。
【0181】
<<3.まとめ>>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0182】
例えば、上記実施形態では、販売端末300が、基材を販売する店に設置されるキャッシュレジスタ、又はPOS端末として構成される例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、販売端末300は、自動販売機として構成されてもよい。その場合、販売端末300は、吸引装置100から受信した銘柄情報に対応する基材を選択するためのボタンの位置を強調表示してもよいし、ユーザからの金銭の投入と引き換えに当該基材を提供し得る。
【0183】
例えば、上記実施形態では、吸引装置100とユーザ端末200との無線通信、吸引装置100と販売端末300との無線通信、及び吸引装置100と他の吸引装置100との無線通信に、NFCが用いられる例を主に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、これらの無線通信のうち少なくもいずれかが、Bluetooth等の他の近距離無線通信規格を用いて行われてもよい。
【0184】
吸引装置100は、外殻を着せ替え可能に構成されていてもよく、通信モジュールは外殻に設けられていてもよい。例えば、NFCタグが外殻に設けられていてもよい。
【0185】
例えば、販売端末300に含まれる構成要素の少なくとも一部は、販売端末300に外付けされていてもよい。例えば、通信部330のうち吸引装置100と通信する機能(例えば、NFCリーダライタ)は、販売端末300に外付けされてもよい。販売端末300の他の構成要素、及び他の装置の構成要素についても同様である。
【0186】
例えば、上記実施形態では、サーバ400が販売端末300を介して情報を収集する例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、ユーザ端末200が、サーバ400に情報を送信してもよい。一例として、ユーザ端末200は、吸引装置100と同期した情報を、別途サーバ400に送信してもよい。
【0187】
例えば、吸引装置100は、複数の銘柄情報を記憶していてもよい。そして、吸引装置100は、記憶した複数の銘柄情報から送信する銘柄情報を選択してもよい。例えば、吸引装置100は、直近に使用した基材の銘柄情報を送信してもよい。プロファイル情報についても同様である。
【0188】
なお、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記録媒体(非一時的な媒体:non-transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。上記記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0189】
また、本明細書においてフローチャート及びシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0190】
なお、以下のような構成も本発明の技術的範囲に属する。
(1)
基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する複数の吸引装置と、
前記基材を販売するための処理を行う販売端末と、
を備え、
前記吸引装置は、複数の前記吸引装置を経由して送受信されるコピー対象の情報を受信及び記憶し、
前記販売端末は、前記吸引装置に記憶された前記コピー対象の情報を前記吸引装置から受信し、受信した前記コピー対象の情報に応じた処理を行う、
販売システム。
(2)
前記コピー対象の情報は、前記コピー対象の情報が送受信された経路を示す経路情報を含む、
前記(1)に記載の販売システム。
(3)
前記経路情報は、前記コピー対象の情報が経由した前記吸引装置を示す識別情報を含む、
前記(2)に記載の販売システム。
(4)
前記経路情報は、前記コピー対象の情報が経由した前記吸引装置を使用する前記ユーザを示す識別情報を含む、
前記(2)又は(3)に記載の販売システム。
(5)
前記コピー対象の情報は、前記コピー対象の情報が送受信された回数を示す回数情報を含む、
前記(1)~(4)のいずれか一項に記載の販売システム。
(6)
前記回数情報は、前記コピー対象の情報が経由した前記吸引装置の数を含む、
前記(5)に記載の販売システム。
(7)
前記回数情報は、前記コピー対象の情報が経由した前記吸引装置を使用する前記ユーザの数を含む、
前記(5)又は(6)に記載の販売システム。
(8)
前記コピー対象の情報は、前記基材の識別情報を含む、
前記(1)~(7)のいずれか一項に記載の販売システム。
(9)
前記コピー対象の情報は、前記吸引装置が前記エアロゾルを生成するために行う前記基材を加熱する動作を規定するプロファイルを示すプロファイル情報を含む、
前記(1)~(8)のいずれか一項に記載の販売システム。
(10)
前記吸引装置は、他の吸引装置から前記コピー対象の情報を受信する、
前記(1)~(9)のいずれか一項に記載の販売システム。
(11)
前記吸引装置は、前記他の吸引装置から受信した前記コピー対象の情報に含まれる前記経路情報に、前記吸引装置に関する情報を追加する、
前記(2)を引用する前記(10)に記載の販売システム。
(12)
前記吸引装置は、前記他の吸引装置から受信した前記コピー対象の情報に含まれる前記回数情報をインクリメントさせる、
前記(5)を引用する前記(10)又は(11)に記載の販売システム。
(13)
前記販売システムは、前記吸引装置に対応付けられた端末装置をさらに含み、
前記端末装置は、他の吸引装置から前記コピー対象の情報を受信し、受信した前記コピー対象の情報を送信し、
前記吸引装置は、前記端末装置から前記コピー対象の情報を受信する、
前記(1)~(9)のいずれか一項に記載の販売システム。
(14)
前記端末装置は、前記他の吸引装置から受信した前記コピー対象の情報に含まれる前記経路情報に、送信先の前記吸引装置に関する情報を追加した上で、前記コピー対象の情報を当該送信先の前記吸引装置に送信する、
前記(2)を引用する前記(13)に記載の販売システム。
(15)
前記端末装置は、前記他の吸引装置から受信した前記コピー対象の情報に含まれる前記回数情報をインクリメントさせた上で、前記コピー対象の情報を送信する、
前記(5)を引用する前記(13)又は(14)に記載の販売システム。
(16)
前記販売端末は、受信した前記コピー対象の情報を、前記吸引装置の情報を収集する情報処理装置に送信する、
前記(1)~(15)のいずれか一項に記載の販売システム。
(17)
基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置であって、
複数の前記吸引装置を経由して送受信される情報であるコピー対象の情報を受信する通信部と、
前記通信部により受信された前記コピー対象の情報を記憶する記憶部と、
を備え、
前記通信部は、前記記憶部に記憶された前記コピー対象の情報を、前記基材を販売するための処理を行う販売端末に送信する、
吸引装置。
(18)
基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する複数の吸引装置を経由して送受信されるコピー対象の情報を、前記基材を販売するための処理を行う販売端末から受信する通信部と、
受信した前記コピー対象の情報に基づく分析を行う制御部と、
を備える情報処理装置。
(19)
基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置により、複数の前記吸引装置を経由して送受信されるコピー対象の情報を受信及び記憶することと、
前記基材を販売するための処理を行う販売端末により、前記吸引装置に記憶された前記コピー対象の情報を前記吸引装置から受信し、受信した前記コピー対象の情報に応じた処理を行うことと、
を含む販売方法。
(20)
基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置を制御するコンピュータを、
複数の前記吸引装置を経由して送受信されるコピー対象の情報が前記吸引装置により受信された場合に、受信された前記コピー対象の情報を前記吸引装置に記憶させ、前記吸引装置に記憶された前記コピー対象の情報を、前記基材を販売するための処理を行う販売端末に送信するよう制御する制御部、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0191】
1 販売システム
100 吸引装置
110 電源ユニット
111 電源部
112 センサ部
113 通知部
114 記憶部
115 通信部
116 制御部
120 カートリッジ
121 加熱部
122 液誘導部
123 液貯蔵部
124 マウスピース
130 香味付与カートリッジ
131 香味源
140 保持部
141 内部空間
142 開口
143 底部
144 断熱部
150 スティック型基材
151 基材部
152 吸口部
180 空気流路
181 空気流入孔
182 空気流出孔
200 ユーザ端末
300 販売端末
400 サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9