(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】セパレータ板及び線条部材の保護部材
(51)【国際特許分類】
H02G 3/04 20060101AFI20240827BHJP
B25J 19/00 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H02G3/04 037
B25J19/00 F
(21)【出願番号】P 2022561899
(86)(22)【出願日】2021-11-08
(86)【国際出願番号】 JP2021040950
(87)【国際公開番号】W WO2022102567
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】P 2020188604
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002103
【氏名又は名称】弁理士法人にじいろ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山城 光
【審査官】鈴木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-172660(JP,A)
【文献】特開2020-11303(JP,A)
【文献】特開昭62-136392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/04
B25J 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、前記ケーシングに収容される構造部品と、前記ケーシングのカバーとからなるロボット構成要素に適用され、前記構造部品に対してケーブルを分離するためのセパレータ板において、
前記構造部品に対峙する裏面側には、前記構造部品に嵌合するように凹部及び凸部が設けられ、
前記ケーシングのカバーに対峙する表面側には、前記ケーブルを収容し取り回すために溝が設けられ、
前記溝は、前記裏面側に設けられた凹部による前記表面側の出っ張りを避けた前記表面側の一部分が前記ケーシングのカバー側に突起されてなる、セパレータ板。
【請求項2】
前記ケーブルを前記裏面側から前記表面側に引き出す孔又は切り欠きが開けられる、請求項1記載のセパレータ板。
【請求項3】
前記溝には、前記ケーブルのコネクタが嵌め込まれる窪みが設けられる、請求項1又は2に記載のセパレータ板。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のセパレータ板と、
前記ケーシングのカバー側から前記セパレータ板に嵌合し、前記セパレータ板に設けられた前記溝の少なくとも一部を覆うセパレータカバーと、を備える線条部材の保護部材。
【請求項5】
前記セパレータカバーは可視光に対して透明性を有する、請求項4記載の線条部材の保護部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セパレータ板及び線条部材の保護部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ロボット技術の向上により、ロボットが様々な分野で使用されるようになった。それに伴い、ロボットメーカに対して、多くの要求がなされるようになった。多くの要求の中でも、ロボットの小型化、スリム化への要求が年々高まっている。ロボット全体の小型化、スリム化は、機構部内のケーブルを通す空間を狭くさせ、シース付のケーブルを通すことを困難とさせている。シースがない絶縁体がむき出しとなっているケーブルは、シース付のケーブルに比べ、物理的な接触に弱く、ロボット機構の内部構造部品に対してケーブルを保護する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ケーブルを保護する方法の1つに、ガイド筒を用いる技術が知られている(例えば、特許文献1)。他にも、
図17に示すように、薄い樹脂製のシート500をケーシング10の内部に貼付して、ケーブルを内部構造部品11,13から分離する方法がある。しかしながら、薄い樹脂製のシートを貼付する方法は、薄い樹脂製のシートを内部構造部品に整合するように形作るのが難しく、作業性が悪い。また、ケーブルのコネクタを固定する必要がある場合において、作業者は、狭い空間の中で空いた空間にコネクタを押し込み、固定するなどしており、作業者の技量や理解度によって、ケーブルフォーミングがばらついてしまうことがある。ケーブルフォーミングのばらつきは、ケーシングにケーシングカバーを取り付ける際のシートやケーブルの挟み込みのリスクを生じさせる。そのため、ロボット機構の内部に配線されるケーブルを保護するとともに、作業者によるケーブル配線作業の作業性の向上、ロボットの品質の均一化が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係るセパレータ板は、ケーシングと、ケーシングに収容される構造部品と、ケーシングのカバーとからなるロボット構成要素に適用される。セパレータ板は、構造部品に対してケーブルを分離するためのものである。構造部品に対峙するセパレータ板の裏面側には、構造部品に嵌合するように凹部及び凸部が設けられる。ケーシングのカバーに対峙するセパレータ板の表面側には、ケーブルを収容し取り回すために溝が設けられる。溝は、裏面側に設けられた凹部による表面側の出っ張りを避けた表面側の一部分がケーシングのカバー側に突起されてなる。
【発明の効果】
【0006】
一態様によれば、ロボット機構の内部に配線されるケーブルを保護するとともに、作業者によるケーブル配線作業の作業性の向上、ロボットの品質の均一化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】
図2は、
図1のロボットの関節部を分解した状態で、第1実施形態に係るセパレータ板を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1のロボットの関節部を分解した状態で、第1実施形態に係るセパレータ板を示す平面図である。
【
図5】
図5は、
図1のロボットの関節部の内部に装着されたセパレータ板をケーブルとともに示す断面図である。
【
図6】
図6は、
図2のセパレータ板の溝に沿って配線されるケーブルを示す斜視図である。
【
図7】
図7は、
図2のセパレータ板の溝に沿って配線されるケーブルを示す平面図である。
【
図8】
図8は、
図2のセパレータ板をケーシングの内部に装着し、ケーブルを配線した状態を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態の変形例に係るセパレータ板を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、
図1のロボットの関節部を分解した状態で、第2実施形態に係る線条部材の保護部材を示す斜視図である。
【
図14】
図14は、
図13のロボットの関節部を組み立てた状態をケーブルとともに示す断面図である。
【
図15】
図15は、
図11のセパレータ板にセパレータカバーを被せた状態をケーブルとともに示す斜視図である。
【
図16】
図16は、第2実施形態の変形例に係る線条部材の保護部材を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら第1実施形態に係るセパレータ板と第2実施形態に係る線条部材の保護部材とを説明する。セパレータ板と線状部材の保護部材とは、いずれもロボット機構の内部に収容された構造部品に対してロボット機構の内部に配線される線条部材を保護するためのものである。第1、第2実施形態では、線条部材はケーブルとして説明する。しかしながら、線条部材はケーブルに限定されることはない。ロボット機構の内部に配線される線条部材であれば、チューブ、ワイヤなどであってもよい。第1、第2実施形態では、ロボットの関節部の内部へのケーブル配線を例に説明する。しかしながら、セパレータ板及び線条部材の保護部材は、ロボット機構の内部の線条部材が配線される箇所であれば、ロボットの構成要素のいずれの箇所にも適用することができる。
【0009】
以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0010】
(第1実施形態)
図1乃至
図5に示すように、ロボットの関節部1は、円筒形状を有するケーシング10と、ケーシング10に収容される第1、第2構造部品11,13と、ケーシング10を蓋するケーシングカバー20と、を有する。ケーシング10の側面と底面とにはケーブル200を挿通するための挿通孔15,17があけられている。ケーブル200は、ケーシング10の側面の挿通孔15を介してケーシング10の内部に導入され、セパレータ板3によりケーシング10の内部に取りまわされ、ケーシング10の底面の挿通孔17を介してケーシング10の外部に引き出される。第1、第2構造部品11,13は、ロボット機構の内部の構造物であればよい。第1,第2構造部品11,13は、例えば、モータ、減速機、ギア、シャフト、モータドライバ等である。ここでは、第1構造部品11は第2構造部品13よりもケーシングカバー20の側に突出している。その突出長はDである。第1実施形態に係るセパレータ板3は、第1、第2構造部品11,13に対してケーブル200を分離するための部材である。セパレータ板3により、第1、第2構造部品11,13に対してケーブル200を物理的に分離することで、ケーブル200が第1、第2構造部品11,13に擦れ、損傷するリスクを回避することができる。
【0011】
以下、
図3乃至8を参照して、第1実施形態に係るセパレータ板3の具体的態様を説明する。
セパレータ板3は、ケーシング10の横断面形状に整合する平面形状を有する板状部材である。以下、説明を明確にするために、ケーシングカバー20に対峙するセパレータ板3の面を表面、第1、第2構造部品11,13と対峙するセパレータ板3の面を裏面とする。
【0012】
典型的には、セパレータ板3は硬質樹脂で一体的に成型されている。セパレータ板3を成形品とすることで、第1構造部品11との嵌め込み構造を容易に形成することが可能な上、製造コストを抑えられる。また、セパレータ板3が硬質性を有することで、作業者によるセパレータ板3の取付位置のバラつきを抑えられ、セパレータ板3を簡単かつ確実にケーシング10の内部に取り付けることができる。
【0013】
セパレータ板3は可視光に対して透明性を有する樹脂で形成されていてもよいし、可視光に対して透明性を有さない樹脂で形成されていてもよい。以下に示す、それぞれの作用効果を踏まえ、いずれの素材を選択すればよい。セパレータ板3が透明あるいは半透明であることで、作業者は、セパレータ板3と第1、第2構造部品11,13との嵌合状態を目視で確認することができる。それにより、セパレータ板3の取付作業の作業性を向上させることができる。セパレータ板3を取り付けた状態で、第1、第2構造部品11,13の状態を目視で確認することができるため、メンテナンス作業の作業性の向上にも寄与する。一方、セパレータ板3が不透明であることで、第1、第2構造部品11,13がセパレータ板3により見えなくなる。それにより、セパレータ板3の溝に沿って配線されたケーブル200が強調され、ケーブル200の配線状態を目視で確認しやすくなり、ケーブル200の配線作業の作業性を向上させる。
【0014】
セパレータ板3の中央には、セパレータ板3の表面に設けられた溝33に沿って配線されたケーブル200をセパレータ板3の表面側から裏面側に通すための貫通孔35があけられている。セパレータ板3の表面側のみにケーブル200を配線すればよい場合において、貫通孔35は不要である。
【0015】
セパレータ板3の裏面側には、構造部品に嵌合する凹凸が設けられる。第1実施形態では、第1構造部品11に対峙するセパレータ板3の裏面部分には、第1構造部品11に嵌合する凹部31aが設けられる。ケーシング10から見て、凹部31aは、ケーシングカバー20の側に窪んでいる。このような場合、セパレータ板3の裏面側の第1構造部品11に対峙する裏面部分は凹部、第2構造部品13に対峙する裏面部分は凸部に対応する。典型的には、凹部31aは、第1構造部品11の横断面形状に整合する内形を有し、その深さは第2構造部品13に対峙するセパレータ板3の裏面部分の高さを基準として、第2構造部品13に対する第1構造部品11の突出長Dと等価である。それにより、作業者は、凹部31aが第1構造部品11に位置整合するようにセパレータ板3を配置し、第1、第2構造部品11,13に向かって押し込むだけで、凹部31aが第1構造部品11に嵌合し、それによりケーシング10の内部におけるセパレータ板3の位置を固定することができる。セパレータ板3をケーシング10に収容された構造部品11,13に嵌め込み可能な構造とすることで、作業者によるセパレータ板3の取付位置のバラつきを抑えられ、品質の均一化を実現できる。また、セパレータ板3の取付作業の際、凹部31aがセパレータ板3をケーシング10の内部に取り付けるためのガイドとしても機能するため、作業者によるセパレータ板3の取付作業の作業性を向上することができる。また、セパレータ板3をケーシング10又は第1、第2構造部品11,13に対して固定するためのボルト等の締結具が不要であるため、部品点数の削減、作業工程の短縮を実現できる。
【0016】
上記の構造では、セパレータ板3が、第1、第2構造部品11,13に向かって押し込む方向に対して垂直な方向に動くことはないが、第1、第2構造部品11,13から抜けてしまう事態を否定できない。そのため、ケーシング10の内部においてセパレータ板3の位置を完全に固定するために、凹部31aを第1構造部品11の横断面形状よりもわずかに小さくなるように構成し、セパレータ板3を第1、第2構造部品11,13に向かって圧入し、装着するようにしてもよい。また、セパレータ板3の外周面又は凹部31aの内周面に係合爪または係合爪を受ける受け部を設け、ケーシング10の内周面又は第1構造部品11の外周面に係合爪を受ける受け部又は係合爪を設け、爪の嵌合により、ケーシング10の内部におけるセパレータ板3の位置を完全に固定するようにしてもよい。
【0017】
また、第1、第2構造部品11,13に向かって押し込む方向に対して垂直な方向に関して、セパレータ板3を位置を固定できるのであれば、凹部31aは第1構造部品11に完全に嵌合する必要はなく、その形状は上記に限定されない。セパレータ板3を第1、第2構造部品11,13に向かって押し込む方向に対して垂直な面において、凹部31aの内側面と第1構造部品11の外側面との間の接点が少なくとも2点以上あれば、セパレータ板3が第1、第2構造部品11,13に向かって押し込む方向に対して垂直な方向に動くことはない。そのため、凹部31aの内形は、セパレータ板3を第1、第2構造部品11,13に向かって押し込む方向に対して垂直な面において、凹部31aの内側面と第1構造部品11の外側面との間の接点が少なくとも2点以上あるように構成されていればよい。
【0018】
ケーシング10に収容された構造部品の数に応じて、セパレータ板3は、2つ以上の凹部を有する構成とすることができる。
【0019】
セパレータ板3の表面側には、ケーブル200を収容し、取りまわすためのケーブル収容部として溝33が設けられる。ケーブル200を収容し取りまわす作業性、成型性の観点において、ケーブル収容部は典型的には溝33であるが、ケーブル収容部として、セパレータ板3にはケーブルルートに沿ってケーブル200を挿通するための挿通孔が設けられてもよいし、ケーブルクリップが設けられてもよい。溝33は、セパレータ板3の表面側の一部分がケーシングのカバー側に突起されてなる。溝33は、ケーブルルートに応じてその形状、長さは任意であるが、溝33を構成する突起32bは、セパレータ板3の裏面側に設けられた凹部31aによる表面側の突起31bを避けるように形成することが望ましい。それにより、セパレータ板3の厚みを抑えることができ、セパレータ板3を導入することによる関節部1の大型化を抑えられる。
【0020】
第1実施形態では、溝33は、一端がケーシング10の側面の挿通孔15に接続され、セパレータ板3の中央の貫通孔35を迂回するように湾曲し、他端がセパレータ板3の中央の貫通孔35に近接する位置に到達するように構成される。このように、セパレータ板3の表面側にケーブル200の取りまわし用の溝33を設けることで、関節部1の動作に伴ってケーブル200が関節部1の内部で動いても、第1、第2構造部品11,13に対してケーブル200が物理的に分離されているため、ケーブル200が第1、第2構造部品11,13に接触して損傷するリスクを低減することができる。また、作業者は、溝33に沿ってケーブル200を配線すればよく、作業者によるケーブル200の取りまわしのバラつきを抑えられ、品質の均一化を実現できる。典型的には、溝33の横断面形状は矩形であるが、底部に向かって溝幅は狭まる台形形状であってもよい。それにより、溝33に収容されたケーブル200が溝33の外に簡単に抜けてしまう事態を回避することができる。
【0021】
ロボット機構の内部にケーブルを配線する際には、複数本のケーブルをコネクタを介して縦続に接続する場合がある。そのため、セパレータ板3に設けられた溝33には、コネクタを格納するコネクタ格納部が設けられてもよい。
図9に示すように、コネクタ格納部34として、溝33の底板33aには、コネクタ300の外形の少なくとも一部に整合する内形を有する窪みが設けられる。コネクタ300は、第1ケーブル200aの端部の第1コネクタ300aが第2ケーブル200bの端部の第2コネクタ300bに挿し込まれた状態のコネクタ全体をいうものとする。コネクタ格納部34は、溝33の側板に設けられてもよいし、溝33の底板33aから側板に渡って設けられてもよい。
図10に示すように、コネクタ格納部34を設けることで、作業者は、コネクタ格納部34にコネクタ300を格納するだけで、コネクタ300の位置、向きを固定することができる。それにより、作業者によるケーブル配線のバラつきを抑え、品質の均一化を実現できるとともに、作業性を向上させることができる。また、コネクタ格納部34がコネクタ300の外形に整合する内形を有することで、何らかの理由でコネクタ300に対してコネクタ300が抜けてしまう方向に力がかかっても、コネクタ300がコネクタ格納部34によって抑えられるため、コネクタ300の嵌合外れを防止することができる。
【0022】
(第2実施形態)
以下、
図11乃至
図16を参照して、第2実施形態に係る線条部材の保護部材7を説明する。
第2実施形態に係る線条部材の保護部材7は、第1実施形態に係るセパレータ板3と、セパレータ板3を覆うセパレータカバー5とからなり、セパレータ板3により、第1、第2構造部品11,13に対してケーブル200を分離し、セパレータカバー5により、ケーシングカバー20に対してケーブル200を分離することで、ケーブル200がケーシング10の内部の第1、第2構造部品11,13やケーシングカバー20に擦れ、損傷するリスクを回避することができる。第2実施形態では、セパレータカバー5を主に説明し、セパレータ板3の説明は省略する。セパレータ板3に対峙するセパレータカバー5の面をセパレータカバー5の裏面、ケーシングカバー20に対峙するセパレータカバー5の面をセパレータカバーの表面とする。
【0023】
セパレータカバー5は、セパレータ板3に設けられた溝33の少なくとも一部を覆う蓋状の部材である。セパレータカバー5は、セパレータ板3の平面形状に整合する横断面形状を有する。セパレータカバー5によりセパレータ板3の溝33の少なくとも一部を覆うことで、ケーブル200がセパレータ板3の溝33から抜け出て、ケーシングカバー20に接触し、損傷するリスクを低減することができる。セパレータカバー5の表面の少なくとも1点がケーシングカバー20の内面に接触するように、セパレータカバー5の表面には少なくとも1つの突起が設けられてもよい。それにより、ケーシング10にケーシングカバー20を被せた状態で、その内部でセパレータ板3及びセパレータカバー5の位置を固定することができる。
【0024】
典型的には、セパレータカバー5は、可視光に対して透明性を有する硬質樹脂で形成されている。透明あるいは半透明なセパレータカバー5をセパレータ板3に被せる構造とすることで、作業者は、セパレータ板3にセパレータカバー5を被せた状態で、セパレータ板3とセパレータカバー5との間のケーブル200の挟み込みの有無を確認することができる。それにより、ケーブル200の損傷リスクを低減することができる。
【0025】
図11に示すように、セパレータカバー5は、第1構造部品11が挿通される切り欠き51と、セパレータ板3の貫通孔35に整合する位置に設けられた貫通孔55と、を有する。また、
図15に示すように、セパレータ板3にセパレータカバー5を被せた状態で、セパレータ板3の溝33からケーブル200を引き出すための引き出し用の切り欠き53が設けられる。もちろん、ケーシングカバー20に対してケーブル200を物理的に完全に分離させるために、
図16に示すように、セパレータカバー5は、セパレータ板3の表面側の突起31bを除く表面の全体を覆うように構成されていてもよい。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0027】
1…関節部、10…ケーシング、11,13…構造部品、15…挿通孔、20…ケーシングカバー、3…セパレータ板。