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特許7544856銅バスバー保護構造、電池パック及び電気自動車
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  • 特許-銅バスバー保護構造、電池パック及び電気自動車 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】銅バスバー保護構造、電池パック及び電気自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/591 20210101AFI20240827BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240827BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240827BHJP
   H01M 50/522 20210101ALI20240827BHJP
   H01M 10/6567 20140101ALI20240827BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20240827BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20240827BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20240827BHJP
   H01M 10/659 20140101ALI20240827BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20240827BHJP
【FI】
H01M50/591
H01M10/613
H01M10/625
H01M50/522
H01M10/6567
H01M50/249
H01M50/503
H01M50/588
H01M10/659
H01M50/505
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022565609
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-13
(86)【国際出願番号】 CN2021089022
(87)【国際公開番号】W WO2021218775
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2022-12-19
(31)【優先権主張番号】202010345267.X
(32)【優先日】2020-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼向峰
(72)【発明者】
【氏名】郭坤
(72)【発明者】
【氏名】陶乃束
【審査官】吉川 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-147200(JP,A)
【文献】特開2018-110082(JP,A)
【文献】特開2019-125477(JP,A)
【文献】特許第6065906(JP,B2)
【文献】特開2013-041706(JP,A)
【文献】国際公開第2019/107795(WO,A1)
【文献】特表2015-507818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50 - 50/77
H01M 10/60 - 10/667
H01M 50/249
B60K 1/04
B60K 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに係合する上部ハウジングと下部ハウジングを含み、前記上部ハウジングと前記下部ハウジングの係合面にそれぞれ1つの収容溝が形成され、2つの前記収容溝が結合して銅バスバー収容空間を形成し、前記収容溝の内壁に相変化材料層が配置され、前記銅バスバー収容空間に銅バスバーが収容される場合、前記銅バスバーが前記相変化材料層に包まれており、
前記上部ハウジングは、複数の固定板を含み、前記固定板に固定貫通孔が設置され、前記固定貫通孔は、前記銅バスバー保護構造の取付及び位置決めに用いられ、
前記固定板は、第1の固定板と第2の固定板を含み、前記第1の固定板の板面は、前記係合面に平行であり、前記第2の固定板の板面は、前記係合面に垂直である、
ことを特徴とする銅バスバー保護構造。
【請求項2】
前記相変化材料層の厚さの範囲は、1mmから2mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の銅バスバー保護構造。
【請求項3】
前記固定貫通孔内に金属保護スリーブが設置され、前記金属保護スリーブは、前記固定貫通孔を保護する、ことを特徴とする請求項に記載の銅バスバー保護構造。
【請求項4】
前記第1の固定板の数量は、2つであり、2つの前記第1の固定板は、前記銅バスバー収容空間の両側に対称的に設置される、ことを特徴とする請求項に記載の銅バスバー保護構造。
【請求項5】
前記銅バスバーは、その延在方向に複数の部分に分けられ、前記銅バスバーの各部分に対応する前記上部ハウジングに少なくとも1つの固定板が設置される、ことを特徴とする請求項1-4のいずれか1項に銅バスバー保護構造。
【請求項6】
前記上部ハウジングと前記下部ハウジングが係合して一体となる場合、前記係合面に垂直な断面は、矩形である、ことを特徴とする請求項1-のいずれか1項に記載の銅バスバー保護構造。
【請求項7】
複数の電池モジュール、液体冷却板、銅バスバー及び請求項1-のいずれか1項に記載の銅バスバー保護構造を含み、複数の電池モジュールは、前記銅バスバーにより接続され、前記銅バスバーは、前記銅バスバー保護構造に包まれ、前記銅バスバー保護構造は、前記液体冷却板に貼り付けられている、ことを特徴とする電池パック。
【請求項8】
請求項7に記載の電池パックを含む、ことを特徴とする電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、ビーワイディーカンパニーリミテッドが2020年4月27日に提出した、名称が「銅バスバー保護構造、電池パック及び電気自動車」の中国特許出願第「202010345267.X」号の優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、自動車の分野に関し、特に銅バスバー保護構造、電池パック及び電気自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
電池パックは、電気自動車のパワーユニットとして、主に内部に接続された複数の電池モジュールの充放電により動作し、異なる電池モジュールは、銅バスバーにより電気的に接続される。銅バスバーを保護するために、従来のプロセスにおいて、銅バスバーの外表面に一層のPI(ポリイミド)膜を被覆することにより、絶縁保護の役割を果たす。しかし、電池パックの長期間の使用過程において、どのような動作状況であっても、電気自動車の振動は、いずれも銅バスバーの外表面のPI膜の摩耗破壊を引き起こし、さらに漏電のリスクが発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、係合する上下部ハウジングの設計により、銅バスバー収容空間を形成し、同時に銅バスバー収容空間の内壁に相変化材料層を敷設することにより、形成された銅バスバー保護構造の銅バスバーに対する保護強度を向上させ、振動摩耗による漏電リスクを避ける銅バスバー保護構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、本願の実施例は、互いに係合する上部ハウジングと下部ハウジングを含み、前記上部ハウジングと前記下部ハウジングの係合面にそれぞれ1つの収容溝が形成され、2つの前記収容溝が銅バスバー収容空間を形成し、前記収容溝の内壁に相変化材料層が敷設され、前記銅バスバー収容空間に銅バスバーが収容される場合、前記銅バスバーが前記相変化材料層に包まれる銅バスバー保護構造を提供する。上部ハウジングと下部ハウジングにより形成された収容空間は、銅バスバーの衝突に対する物理的保護を行うことができ、相変化材料層の設計により、上下部ハウジングと銅バスバーとの間の摩耗を緩めることができる一方で、銅バスバーの熱を吸収し、銅バスバーの温度を低下させることができる。
【0006】
一実施例において、前記相変化材料層の厚さは、1mm-2mmである。厚さが1mm-2mmの相変化材料層は、摩耗を緩めるという需要を満たすことができるだけでなく、構造の小型化設計に役立つ。
【0007】
一実施例において、前記上部ハウジングは、複数の固定板を含み、前記固定板に固定貫通孔が形成される。固定板及び固定貫通孔の設計により、銅バスバー保護構造の取付と固定を容易にし、動作状況での振動による銅バスバー保護構造と電池パックの他の部品との衝突を避ける。
【0008】
一実施例において、前記固定貫通孔内に金属保護スリーブが設置される。金属保護スリーブの作用は、固定貫通孔を保護することであり、実施例において、製品の軽量化設計を考慮すると、上下部ハウジングの材質は、好ましくは、プラスチックであり、例えば、PPO(ポリフェニレンエーテルb)であり、銅バスバー保護構造は、ネジにより取り付けられ、振動の動作状況で、ネジが固定貫通孔の孔壁に深刻な摩耗をもたらし、さらに孔径が大きくなり、極端な状況でネジが落ちるリスクが発生するため、固定貫通孔の孔壁に金属保護スリーブを設計して、固定貫通孔が摩耗により変形しないことを保証することができる。
【0009】
一実施例において、前記固定板は、第1の固定板と第2の固定板を含み、前記第1の固定板の板面は、前記係合面に平行であり、前記第2の固定板の板面は、前記係合面に垂直である。第1の板面と第2の板面の板面は、互いに垂直であると、銅バスバー保護構造の応力がより立体的であることを確保することができ、銅バスバー保護構造の固定をより安定させる。
【0010】
一実施例において、前記第1の固定板の数量は、2つであり、2つの前記第1の固定板は、前記銅バスバー収容空間の両側に対称的に設置される。銅バスバー収容空間の両側に対称的に分布する2つの第1の固定板は、銅バスバー保護構造の応力をより均一にすることができる。
【0011】
一実施例において、前記銅バスバーは、その延在方向に複数の部分に分けられ、各部分の前記銅バスバーに対応する前記上部ハウジングに少なくとも1つの固定板が設置される。実施例において、空間的な接続の需要のために、銅バスバーを折り曲げる必要があり、これにより、銅バスバーは、その延在方向に複数の部分に分けられ、対応する上部ハウジングと下部ハウジングも複数の部分に分けられ、銅バスバーの異なる延在部分に対応する上部ハウジングにいずれも少なくとも1つの固定板が設置され、異なる延在部分での固定及び取付に役立ち、取付過程において応力が均一であることを確保する。
【0012】
一実施例において、前記第1のハウジングと前記第2のハウジングが係合して一体となる場合、前記係合面に垂直な断面は、矩形である。銅バスバーの断面が一般的に矩形であるため、中空矩形断面を有する銅バスバー保護構造は、銅バスバーを保護すると同時に、構造の小型化設計を実現し、余分な構造の設置を避ける。
【0013】
第2の態様では、本願は、複数の電池モジュール、液体冷却板、銅バスバー及び上記いずれかの銅バスバー保護構造を含み、複数の電池モジュールが前記銅バスバーにより接続され、前記銅バスバーが前記銅バスバー保護構造に包まれ、前記銅バスバー保護構造が前記液体冷却板に貼り付けられる電池パックを提供する。実施例において、電池パック内の銅バスバーは、銅バスバー保護構造に包まれ、液体冷却板と直接接触して衝突することを避け、同時に銅バスバー保護構造内の相変化材料層は、銅バスバーが動作する時の熱を吸収し、液体冷却板に伝導することができ、それにより温度制御効果を達成する。
【0014】
第3の態様では、本願は、上記電池パックを含む電気自動車を提供する。実施例における電気自動車について、その電池パック内の銅バスバーは、銅バスバー保護構造に包まれ、銅バスバーの取付安定性を向上させ、銅バスバーの漏電等のリスクを避け、電気自動車の安全性を向上させる。
【0015】
本願の実施例における銅バスバー保護構造は、係合する上部ハウジングと下部ハウジングの収容溝の設計により、銅バスバー収容空間を形成し、同時に収容溝の内壁に相変化材料層を敷設して、銅バスバーを包むことを実現し、使用過程において衝突による銅バスバーの漏電リスクを避ける。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施例における銅バスバー保護構造の概略構成図である。
図2図1にけるA-Aを切断線とする断面図である。
図3図2の断面図の分解図である。
図4】本発明の一実施例における銅バスバー保護構造の分解図である。
図5図1における箇所Bの部分拡大図である。
図6】本発明の一実施例における電池パックの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本願の具体的な実施形態を詳細に説明する。
【0018】
本願の実施例における銅バスバー保護構造は、電気自動車の電池パックに用いることができ、電池パックにおける異なる電池モジュールを接続して、電池モジュールの間の電気的接続を実現する役割を果たす。
【0019】
図1図4を合わせて参照すると、図1は、本願の実施例における銅バスバー保護構造の概略構成図であり、図2は、銅バスバー保護構造の切断線A-Aに沿う断面図であり、図3は、図2の断面図の状況での分解図であり、図4は、銅バスバー保護構造の分解図である。
【0020】
実施例における銅バスバー保護構造10は、上部ハウジング11と下部ハウジング12を含み、上部ハウジング11と下部ハウジング12の係合面15にそれぞれ1つの収容溝14が形成され、上部ハウジング11と下部ハウジング12が係合する場合、2つの対向する収容溝14は、1つの銅バスバー収容空間を形成し、収容溝14の内壁13に相変化材料層30が敷設され、銅バスバー収容空間に銅バスバー20が配置される場合、銅バスバー20は、相変化材料層30に包まれる。具体的に実施する場合、取付強度及び軽量化設計を考慮すると、上部ハウジング11と下部ハウジング12は、好ましくは、プラスチック形材であり、例えば、PPO(ポリフェニレンエーテルb)は、一定の強度を有するだけでなく、密度も一般的な金属より低い。なお、上部ハウジング11及び下部ハウジング12の形状は、銅バスバー20の形状及び延在方向に応じて設計され、銅バスバー20を保護することができればよく、図における形状構造に限定されない。
【0021】
収容溝14の内壁13に相変化材料層30を敷設する方式には、様々なものがあり、一実施例における操作は、以下のとおりである。まず、銅バスバー20を上部ハウジング11又は下部ハウジング12のいずれか1つの収容溝14内に配置し、次に、上部ハウジング11と下部ハウジング12を係合させて完全なハウジングとなるように接続し、次に、先端及び末端の開口からハウジング内に相変化材料を注入し、このように、銅バスバー20とハウジングの内壁13との間に相変化材料を充填することができ、その後に乾燥処理すれば、相変化材料層30を形成することができる。このように、相変化材料層30が銅バスバー20を緊密に包むことを確保することができ、銅バスバー20とハウジング内壁13との間の衝突を避け、同時に相変化材料層30は、一定の吸熱蓄熱機能を有し、銅バスバー20の動作温度が急激に上昇する場合、相変化材料層30は、一部の熱を吸収し、次に、熱を外部の上部ハウジング11及び下部ハウジング12に伝達して放出する。実際の組立過程において、図6に示すように、相変化材料層30の放熱機能をよりよく発揮するために、銅バスバー保護構造10を電池パック100の液体冷却板50に取り付けて、液体冷却板50により相変化材料層30が吸収蓄熱した熱を放出し、それにより銅バスバー20の温度の急激な上昇を緩めることができる。
【0022】
一実施例において、図3に示すように、相変化材料層30の厚さDは、1mm-2mmである。厚さDが1mm-2mmの相変化材料層30は、摩耗を緩めるという需要を満たすことができるだけでなく、構造の小型化設計に役立つ。
【0023】
一実施例において、図2及び図3に示すように、第1のハウジング11と第2のハウジング12が係合して一体となる場合、係合面15に垂直な断面パータンは、矩形である。銅バスバー20の断面が一般的に矩形であるため、中空矩形断面を有する銅バスバー保護構造10は、銅バスバー20を取り囲んで保護することができ、同時に製品の小型化設計を実現する。
【0024】
従来の設計において、銅バスバーの先端及び末端は、異なる電池パックに接続され、即ち、銅バスバーの取付及び固定は、先端及び末端の接続のみに依存し、本願において、図1及び図5に示すように、銅バスバー保護構造10の上部ハウジング11は、固定貫通孔113が形成された第1の固定板111と第2の固定板112をさらに含む。固定板(第1の固定板111と第2の固定板112)の設計は、銅バスバー保護構造10と電池パックの他のアセンブリを位置決めして取り付けることに用いられる。図6に示すように、銅バスバー保護構造10は、液体冷却板50に取り付けられ、この時に、液体冷却板50に固定貫通孔(図示せず)に対応して複数のネジ孔(図示せず)を形成するだけでよく、取り付ける場合、銅バスバー20と電池モジュール60を接続する一方で、ネジを固定貫通孔に穿設してネジ孔に接続することにより、銅バスバー保護構造10を液体冷却板50に取り付けることを実現する。ネジにより位置決めして取り付けられた銅バスバー保護構造10の取付安定性がより高く、電池パック100全体が振動の動作状況にある場合、銅バスバー20と電池モジュール60との接続にいかなる影響も与えない。
【0025】
一実施例において、図5に示すように、固定貫通孔113内に金属保護スリーブ114が設置される。金属保護スリーブ114の作用は固定貫通孔113の内壁を保護することであり、実施例において、製品の軽量化設計を考慮すると、上部ハウジング11と下部ハウジング12の材質は、好ましくは、プラスチックであり、銅バスバー保護構造10は、ネジにより取り付けられ、振動の動作状況で、ネジが固定貫通孔113の孔壁に深刻な摩耗をもたらし、さらに孔径が大きくなり、極端な状況でネジが落ちるリスクが発生するため、固定貫通孔113の孔壁に金属保護スリーブ114を設計して、固定貫通孔113が摩耗により変形しないことを保証することができる。
【0026】
一実施例において、図1図3及び図4に示すように、固定板は、第1の固定板111と第2の固定板112を含み、第1の固定板111の板面は、係合面15に平行であり、第2の固定板112の板面は、係合面15に垂直である。第1の固定板111の板面と第2の固定板112の板面は、互いに垂直であると、銅バスバー保護構造10の応力がより立体的であることを確保することができ、銅バスバー保護構造10の固定をより安定させる。実際の動作状況環境で、電池パックは、異なる方向の振動を受け、これは、銅バスバー保護構造10が異なる方向の作用力に耐えなければならないことを意味し、実施例において、設計された2つの互いに垂直な固定板は、立体的な応力を受ける場合、より安定するように確保することができる。
【0027】
一実施例において、図1に示すように、第1の固定板111の数量は、2つであり、2つの第1の固定板111は、銅バスバー収容空間(銅バスバー20)の両側に対称的に設置される。銅バスバー20の両側に対称的に分布する2つの第1の固定板111は、銅バスバー保護構造10の応力をより均一にすることができ、このように、銅バスバー保護構造10の取付安定性を確保することができる。
【0028】
一実施例において、図1及び図4に示すように、銅バスバー20は、その延在方向Xに複数の部分に分けられ、各部分の銅バスバー20に対応する上部ハウジング111に少なくとも1つの固定板が設置される。実施例において、空間的な接続の需要のために、銅バスバー20を折り曲げる必要があり、これにより、銅バスバー20は、その延在方向Xに複数の部分に分けられ、対応する上部ハウジング11と下部ハウジング12も複数の部分に分けられ、銅バスバー20の異なる延在部分に対応する上部ハウジングにいずれも少なくとも1つの固定板が設置され、異なる延在部分での固定及び取付に役立ち、取付過程において応力が均一であることを確保する。固定板として第1の固定板111又は第2の固定板112を選択することができる。具体的な設計は、銅バスバー20の配線需要に応じて選択することができる。
【0029】
他方では、図6に示すように、本願は、複数の電池モジュール60、液体冷却板50、銅バスバー20及び銅バスバー保護構造10を含み、複数の電池モジュール60が銅バスバー20により接続され、銅バスバー20が銅バスバー保護構造10に包まれ、銅バスバー保護構造10が液体冷却板50に貼り付けられる電池パック100を提供する。実施例において、電池パック100内の銅バスバー20は、銅バスバー保護構造10に包まれ、液体冷却板50と直接接触して衝突することを避け、同時に銅バスバー保護構造10内の相変化材料層30は、銅バスバー20が動作する時の熱を吸収し、液体冷却板50に伝導することができ、それにより温度制御効果を達成する。
【0030】
同時に、本願は、さらに、上記電池パック100を含む電気自動車を提供する。実施例にける電気自動車について、その電池パック100の銅バスバー20は、銅バスバー保護構造10に包まれ、銅バスバー20の取付安定性を向上させ、銅バスバー20の漏電等のリスクを避け、電気自動車の安全性を向上させる。
【0031】
以上の内容は、本願の具体的な実施形態に過ぎないが、本願の保護範囲は、これに限定されず、当業者であれば、本願に開示された技術的範囲内に容易に想到し得る変化又は置換は、いずれも本開示の保護範囲に含まれるべきである。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲を基準とすべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6