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特許7544894資産状態監視のためのイベントコスト視覚化
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】資産状態監視のためのイベントコスト視覚化
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/22 20220101AFI20240827BHJP
   H04L 43/02 20220101ALI20240827BHJP
   H04L 41/06 20220101ALI20240827BHJP
【FI】
H04L41/22
H04L43/02
H04L41/06
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023046099
(22)【出願日】2023-03-23
(65)【公開番号】P2023143852
(43)【公開日】2023-10-06
【審査請求日】2023-04-26
(31)【優先権主張番号】17/705,268
(32)【優先日】2022-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517318263
【氏名又は名称】ベイカー ヒューズ ホールディングス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】アーロン、ハンプトン
(72)【発明者】
【氏名】アミール、ダトー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン、アップス
(72)【発明者】
【氏名】アダム、ブランビー
【審査官】長谷川 未貴
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0089031(US,A1)
【文献】特開2018-185774(JP,A)
【文献】特開2017-016509(JP,A)
【文献】特開2012-137934(JP,A)
【文献】特開2003-330820(JP,A)
【文献】特表2004-511829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/00 - 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モリであって
複数の資産のそれぞれの資産によって経験される1つ以上のイベントを特徴付ける複数のイベントデータであって、前記複数の資産はフリートの異なるサイト間に分散され、前記イベントデータは、少なくとも、前記フリートの資産階層内の前記資産の場所と、前記イベントに対応する少なくとも1つのイベントパラメータと、を含む、複数のイベントデータと、
前記1つ以上のイベントのそれぞれのイベントに対応する少なくとも1つの原因と、
前記1つ以上イベントのそれぞれのイベントに対応する少なくとも1つのコストであって、前記少なくとも1つのコストは複数のコストを含み、前記少なくとも1つの原因のそれぞれの原因は、前記複数のコストのそれぞれのコストに対応している、少なくとも1つのコストと、
を維持するように構成されている、メモリと、
1つ以上のプロセッサを含むイベントアナライザであって、前記複数のイベントデータ及び前記少なくとも1つのコストを受信するように、かつ、
第1のウィンドウを表示するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を生成することであって、前記第1のウィンドウは、前記フリートの前記資産階層内の資産の位置に従って編成された前記資産の階層リストを含む、生成することと、
前記GUIを介して、前記階層リスト内の階層レベルの第1のユーザ選択を受信することと、
前記メモリによって維持される前記1つ以上のイベントから、前記第1のユーザ選択の前記階層レベルと関連付けられた少なくとも1つのイベントを識別することと、
前記第1のユーザ選択の受信に応答して、第2のウィンドウを表示するように前記GUIを更新することであって、前記第2のウィンドウは、識別された前記少なくとも1つのイベントに関するそれぞれのエントリを有するリストを含み、イベントに関するエントリは、前記イベントデータの少なくとも一部分及びそのイベントに対応する前記少なくとも1つのコストを含む、更新することと、
前記GUIを介して、前記第2のウィンドウ内の前記リストからイベントの第2のユーザ選択を受信することと、
前記選択されたイベントに対応する前記少なくとも1つの原因を識別することと、
前記第2のユーザ選択の受信に応答して、少なくとも1つの第3のウィンドウを表示するように前記GUIを更新することであって、前記第3のウィンドウは、識別された前記少なくとも1つの原因及びその対応するコストに関するそれぞれのエントリを有するリストを含む、更新することと、
を含む動作を実行するように構成されている、イベントアナライザと、
を備える、資産管理システム。
【請求項2】
識別された前記少なくとも1つのイベントのうちのイベントについて前記第2のウィンドウに表示される前記少なくとも1つのコストは、そのイベントについての前記複数のコストのうちの最も高いコストである、請求項に記載の資産管理システム。
【請求項3】
識別された前記少なくとも1つのイベントのうちのイベントについて前記第2のウィンドウに表示される前記少なくとも1つのコストは、そのイベントについての前記複数のコストの平均である、請求項に記載の資産管理システム。
【請求項4】
前記メモリは、複数の提案を更に含み、前記複数の提案のそれぞれの提案は、前記少なくとも1つの原因のそれぞれの原因に対応し、
前記イベントアナライザは、識別された前記少なくとも1つの原因に対応する前記提案を前記第3のウィンドウ内に含めるように前記GUIを更新するように更に構成されている、請求項に記載の資産管理システム。
【請求項5】
前記フリートの前記資産階層は、フリートレベル、サイトレベル、資産グループレベル、又は資産レベルのうちの2つ以上を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の資産管理システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのイベントパラメータは、測定タイプ、測定ポイント、イベントタイプ、イベントレベル、イベントソース、又は資産ステートのうちの少なくとも1つを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の資産管理システム。
【請求項7】
前記1つ以上のイベントが、アラーム、状態監視システム健全性イベント、計器健全性イベント、又は分析健全性イベントのうちの少なくとも1つを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の資産管理システム。
【請求項8】
資産管理の方法であって、
メモリによって
複数の資産のそれぞれの資産によって経験される1つ以上のイベントを特徴付ける複数のイベントデータであって、前記複数の資産はフリートの異なるサイト間に分散され、前記イベントデータは、少なくとも、前記フリートの資産階層内の前記資産の場所と、前記イベントに対応する少なくとも1つのイベントパラメータと、を含む、複数のイベントデータと、
前記1つ以上のイベントのそれぞれのイベントに対応する少なくとも1つの原因と、
前記1つ以上イベントのそれぞれのイベントに対応する少なくとも1つのコストであって、前記少なくとも1つのコストは複数のコストを含み、前記少なくとも1つの原因のそれぞれの原因は、前記複数のコストのそれぞれのコストに対応する、少なくとも1つのコストと、
を維持するステップと
1つ以上のプロセッサを含むイベントアナライザによって、前記複数のイベントデータ及び前記少なくとも1つのコストを受信するステップと
前記イベントアナライザによって、第1のウィンドウを表示するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を生成するステップであって、前記第1のウィンドウは、前記フリートの前記資産階層内の資産の位置に従って編成された資産の階層リストを含む、生成するステップと
前記イベントアナライザによって、前記GUI内で、前記階層リスト内の階層レベルの第1のユーザ選択を受信するステップと
前記イベントアナライザによって、前記メモリによって維持される前記1つ以上のイベントから、前記第1のユーザ選択の前記階層レベルと関連付けられた少なくとも1つのイベントを識別するステップと
前記イベントアナライザによって、前記第1のユーザ選択の受信に応答して、第2のウィンドウを表示するように前記GUIを更新するステップであって、前記第2のウィンドウは、識別された前記少なくとも1つのイベントに関するそれぞれのエントリを有するリストを含み、イベントに関するエントリは、前記イベントデータの少なくとも一部分及びそのイベントに対応する前記少なくとも1つのコストを含む、更新するステップと
前記イベントアナライザによって、前記GUIを介して、前記第2のウィンドウ内の前記リストからイベントの第2のユーザ選択を受信するステップと、
前記イベントアナライザによって、前記選択されたイベントに対応する前記少なくとも1つの原因を識別するステップと、
前記イベントアナライザによって、前記第2のユーザ選択の受信に応答して、少なくとも1つの第3のウィンドウを表示するように前記GUIを更新するステップであって、前記第3のウィンドウは、識別された前記少なくとも1つの原因及びその対応するコストに関するそれぞれのエントリを有するリストを含む、更新するステップと、
を含む、方法。
【請求項9】
識別された前記少なくとも1つのイベントのうちのイベントについて前記第2のウィンドウに表示される前記少なくとも1つのコストは、そのイベントについての前記複数のコストのうちの最も高いコストである、請求項に記載の方法。
【請求項10】
識別された前記少なくとも1つのイベントのうちのイベントについて前記第2のウィンドウに表示される前記少なくとも1つのコストは、そのイベントについての前記複数のコストの平均である、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記メモリによって、複数の提案を維持するステップであって、前記複数の提案のそれぞれの提案は、前記少なくとも1つの原因のそれぞれの原因に対応する、維持するステップと
前記イベントアナライザによって、識別された前記少なくとも1つの原因に対応する前記提案を前記第3のウィンドウ内に含めるように前記GUIを更新するステップと
を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記フリートの前記資産階層は、フリートレベル、サイトレベル、資産グループレベル、又は資産レベルのうちの2つ以上を含む、請求項8から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのイベントパラメータは、測定タイプ、測定ポイント、イベントタイプ、イベントレベル、イベントソース、又は資産ステートのうちの少なくとも1つを含む、請求項8から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上のイベントが、アラーム、状態監視システム健全性イベント、計器健全性イベント、又は分析健全性イベントのうちの少なくとも1つを含む、請求項8から11のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
炭化水素抽出、精製、及び発電などの多くの産業は、資産(例えば、機械装置)の稼働に、場合によってはそのような資産の連続稼働に大きく依存し得る。これらの環境では、計画外の資産の運転停止及び/又は障害は、とりわけ、生産及び/又は費用の損失による出費から、労働者の傷害の可能性に及ぶ深刻な結果を招き得る。これらのリスクを考慮すると、稼働中に様々な資産の選択されたパラメータを監視することが一般的であり得る。
【0002】
一態様では、資産の状態監視は、資産の1つ以上の動作パラメータの測定及び/又は分析を含むことができる。これらの測定及び測定の分析は、単独で又は組み合わせて、それぞれの資産構成要素並びに資産全体の状態の指示を提供することができる。結果として、資産の動作の正常動作からの逸脱が、資産の運転停止及び/又は障害を回避するために識別され対処され得る。したがって、資産状態監視は、製造コストの低下、機器のダウンタイムの低減、信頼性の向上、及び安全性の強化など、様々な長期利益をもたらし得る。
【発明の概要】
【0003】
状態監視システムは、資産パフォーマンスの所定の正常動作状態からの逸脱を特徴付ける様々なイベントを報告するように構成することができる。一例として、設定ポイントを使用して正常動作範囲を定義することができ、この範囲外の動作パラメータの測定にイベントとしてフラグを立てることができる。従来、イベントは、イベントの重大度及び/又は監視対象資産の重要度に基づいて表示され、優先順位付けされ得る。
【0004】
このようにイベントを表示することは有益であり得るが、イベント重大度及び資産重要度の既存のカテゴリは限定されている場合がある。例えば、イベント重大度及び資産重要度は、典型的には、数値スケール(例えば、1~4)で分類される。しかしながら、状態監視システムのオペレータが、そのような数値スケールのみに基づいて2つ以上のイベントを正確に優先順位付けすることは困難であり得る。例えば、2つのイベントが同じ重大度又は重要度を有する場合を考慮すると、優先順位付けは、より客観的な基準ではなく、主にオペレータの判断に依存して、非常に主観的であり得る。この問題は、2つのイベントのうち、第1のイベントが第2のイベントよりも重大度が高く、第2のイベントが第1のイベントよりも資産重要度が高い状況下で同様に発生する。これらの問題は、記録されるイベントの数及び監視対象資産の数が増加するにつれて、更に複雑になり、より頻繁に生じる。
【0005】
したがって、本開示の実施形態は、それぞれのイベントをコスト(例えば、通貨の額)と相関させる状態監視を提供する資産管理のための改善されたシステム及び方法を提供する。一般に、様々な考慮事項は、実際の財務コストを有するか否かにかかわらず、コストとして表すことができる。例えば、信頼性モデル(例えば、故障モード影響解析(failure modes and effects analysis(FMEA))から策定される)を使用してコストを策定することができる。イベント及び対応するコストは、状態監視システムのオペレータが見るためにグラフィカルユーザインターフェースに一緒に提示することができる。
【0006】
イベント及び対応するコストを一緒に視覚化する能力は、イベント情報のみの視覚化を上回る大幅な改善を表す。注目すべきことに、対応するコストとともにイベントを見ることは、イベント重大度及び資産重要度についての数値スケールと比較して、イベントの影響についてのオペレータの理解を著しく改善することができる。コストは、それぞれのイベントの影響を評価するための共通の基礎を提供する。したがって、他の考慮事項を除いて、オペレータは、それぞれのコストの大きさに従ってイベントに容易に優先順位を付けることができる。更に、この手法は、イベント優先順位付けからかなりの程度の主観性を除去することができ、優先順位付け決定がより迅速に行われることを可能にし、誤った優先順位付け決定を行う可能性を低減する。
【0007】
一実施形態では、資産管理システムが提供される。システムは、メモリと、1つ以上のプロセッサを含むイベントアナライザとを含むことができる。メモリは、複数のイベントデータ及び少なくとも1つのコストを維持するように構成され得る。複数のイベントデータは、複数の資産のそれぞれの資産によって経験される1つ以上のイベントを特徴付けることができ、複数の資産は、フリートの異なるサイト間で分散され得る。イベントデータは、少なくとも、フリートの資産階層内の資産の場所と、イベントに対応する少なくとも1つのイベントパラメータとを含むことができる。少なくとも1つのコストは、1つ以上イベントのそれぞれのイベントに対応することができる。イベントアナライザは、複数のイベントデータ及び少なくとも1つのコストを受信し、様々な動作を実行するように構成され得る。一態様では、動作は、第1のウィンドウを表示するグラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)を生成することを含むことができる。第1のウィンドウは、フリートの資産階層内の資産の位置に従って編成された資産の階層リストを含むことができる。別の態様では、動作は、GUIを介して、階層リスト内の階層レベルの第1のユーザ選択を受信することを含むことができる。更なる態様では、動作は、メモリによって維持される1つ以上のイベントから、第1のユーザ選択の階層レベルと関連付けられた少なくとも1つのイベントを識別することを含むことができる。追加の態様では、動作は、第1のユーザ選択の受信に応答して第2のウィンドウを表示するようにGUIを更新することを含むことができる。第2のウィンドウは、識別された少なくとも1つのイベントに関するそれぞれのエントリを有するリストを含むことができ、イベントに関するエントリは、イベントデータの少なくとも一部分及びそのイベントに対応する少なくとも1つのコストを含むことができる。
【0008】
別の実施形態では、メモリは、1つ以上のイベントのそれぞれのイベントに対応する少なくとも1つの原因を更に含むことができる。
【0009】
別の実施形態では、少なくとも1つのコストは複数のコストを含むことができ、少なくとも1つの原因のそれぞれの原因は、複数のコストのそれぞれのコストに対応することができる。
【0010】
別の実施形態では、識別された少なくとも1つのイベントのうちのイベントについて第2のウィンドウに表示される少なくとも1つのコストは、そのイベントについての複数のコストのうちの最も高いコストであり得る。
【0011】
別の実施形態では、識別された少なくとも1つのイベントのうちのイベントについて第2のウィンドウに表示される少なくとも1つのコストは、そのイベントについての複数のコストの平均であり得る。
【0012】
別の実施形態では、イベントアナライザは、GUIを介して、第2のウィンドウ内のリストからのイベントの第2のユーザ選択を受信するように更に構成され得る。イベントアナライザは、選択されたイベントに対応する少なくとも1つの原因を識別するように更に構成され得る。イベントアナライザはまた、第2のユーザ選択の受信に応答して、少なくとも1つの第3のウィンドウを表示するようにGUIを更新するように構成され得る。第3のウィンドウは、識別された少なくとも1つの原因及びその対応するコストに関するそれぞれのエントリを有するリストを含むことができる。
【0013】
別の実施形態では、メモリは、複数の提案を更に含むことができ、複数の提案のそれぞれの提案は、少なくとも1つの原因のそれぞれの原因に対応する。イベントアナライザは、識別された少なくとも1つの原因に対応する提案を第3のウィンドウ内に含めるようにGUIを更新するように更に構成されている。
【0014】
別の実施形態では、フリートの資産階層は、フリートレベル、サイトレベル、資産グループレベル、又は資産レベルのうちの2つ以上を含むことができる。
【0015】
別の実施形態では、少なくとも1つのイベントパラメータは、測定タイプ、測定ポイント、イベントタイプ、イベントレベル、イベントソース、又は資産ステートのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0016】
別の実施形態では、1つ以上のイベントは、アラーム、状態監視システム健全性イベント、計器健全性イベント、又は分析健全性イベントのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0017】
一実施形態では、資産管理の方法が提供される。方法は、メモリによって、複数のイベントデータ及び少なくとも1つのコストを維持することを含むことができる。複数のイベントは、複数の資産のそれぞれの資産によって経験される1つ以上のイベントを特徴付けるデータを含むことができ、複数の資産は、フリートの異なるサイト間に分散される。イベントデータは、少なくとも、フリートの資産階層内の資産の場所と、イベントに対応する少なくとも1つのイベントパラメータとを含むことができる。少なくとも1つのコストは、1つ以上のイベントのそれぞれのイベントに対応することができる。方法はまた、1つ以上のプロセッサを含むイベントアナライザによって、複数のイベントデータ及び少なくとも1つのコストを受信することを含むことができる。方法は、イベントアナライザによって、第1のウィンドウを表示するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を生成することを更に含むことができる。第1のウィンドウは、フリートの資産階層内の資産の位置に従って編成された資産の階層リストを含むことができる。方法は、イベントアナライザによって、GUI内で、階層リスト内の階層レベルの第1のユーザ選択を受信することを更に含むことができる。方法はまた、イベントアナライザによって、メモリによって維持される1つ以上のイベントから、第1のユーザ選択の階層レベルと関連付けられた少なくとも1つのイベントを識別することとを含むことができる。方法は、イベントアナライザによって、第1のユーザ選択の受信に応答して第2のウィンドウを表示するようにGUIを更新することを更に含むことができる。第2のウィンドウは、識別された少なくとも1つのイベントに関するそれぞれのエントリを有するリストを含むことができ、イベントに関するエントリは、イベントデータの少なくとも一部分及びそのイベントに対応する少なくとも1つのコストを含むことができる。
【0018】
別の実施形態では、方法は、メモリによって、1つ以上のイベントのそれぞれのイベントに対応する少なくとも1つの原因を維持することを更に含むことができる。
【0019】
別の実施形態では、少なくとも1つのコストは複数のコストを含むことができ、少なくとも1つの原因のそれぞれの原因は、複数のコストのそれぞれのコストに対応することができる。
【0020】
別の実施形態では、識別された少なくとも1つのイベントのうちのイベントについて第2のウィンドウに表示される少なくとも1つのコストは、そのイベントについての複数のコストのうちの最も高いコストであり得る。
【0021】
別の実施形態では、識別された少なくとも1つのイベントのうちのイベントについて第2のウィンドウに表示される少なくとも1つのコストは、そのイベントについての複数のコストの平均であり得る。
【0022】
別の実施形態では、方法は、イベントアナライザによって実行される更なる動作を含むことができる。一態様では、動作は、GUIを介して、第2のウィンドウ内のリストからのイベントの第2のユーザ選択を受信することを含むことができる。別の態様では、動作は、選択されたイベントに対応する少なくとも1つの原因を識別することを含むことができる。更なる態様では、動作は、第2のユーザ選択の受信に応答して、少なくとも1つの第3のウィンドウを表示するようにGUIを更新することを含むことができる。第3のウィンドウは、識別された少なくとも1つの原因及びその対応するコストに関するそれぞれのエントリを有するリストを含むことができる。
【0023】
別の実施形態では、方法は、メモリによって、複数の提案を維持することであって、複数の提案のそれぞれの提案は、少なくとも1つの原因のそれぞれの原因に対応する、維持することを更に含むことができる。イベントアナライザは、識別された少なくとも1つの原因に対応する提案を第3のウィンドウ内に含めるようにGUIを更に更新することができる。
【0024】
別の実施形態では、フリートの資産階層は、フリートレベル、サイトレベル、資産グループレベル、又は資産レベルのうちの2つ以上を含むことができる。
【0025】
別の実施形態では、少なくとも1つのイベントパラメータは、測定タイプ、測定ポイント、イベントタイプ、イベントレベル、イベントソース、又は資産ステートのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0026】
別の実施形態では、1つ以上のイベントが、アラーム、状態監視システム健全性イベント、計器健全性イベント、又は分析健全性イベントのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
これらの特徴及び他の特徴は、添付図面と併せて講じられる以下の発明を実施するための形態からより容易に理解されるであろう。
図1図1は、イベントアナライザを含む資産の状態監視のための改善された視覚化システムを含む動作環境の例示的な一実施形態を示す概略図である。
図2図2は、フリートの資産の階層リスト(例えば、フリートレベル、サイトレベル、グループレベル、機械/構成要素レベルなど)を提示する第1のウィンドウ(例えば、202)と、階層リスト内の選択されたレベル内で発生する固有のイベント及び集約された繰り返しイベントを列挙する第2のウィンドウ(例えば、204)と、第2のウィンドウから選択されたイベントに関する詳細なサポートデータを提供する第3のウィンドウとを含む、図1のイベントアナライザによって生成されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の例示的な一実施形態を示す概略図である。
図3A図3Aは、第1のウィンドウ内のリストから階層レベルを選択し、第2のウィンドウ内のリストからイベントを選択した後の図2のGUIを示す概略図である。
図3B図3Bは、第2のウィンドウ内の選択されたイベントに対応する1つ以上の動作パラメータ測定値のプロットを更に含む、図3のGUIを示す概略図である。
図4図4は、状態監視のためのイベントの視覚化のための方法の例示的な一実施形態を示すフロー図である。
図5図5は、イベント及び対応するコストを列挙する第2のウィンドウと、第2のウィンドウから選択されたイベントに関する詳細なサポートデータを提供する第3のウィンドウとを含むGUIの別の例示的な実施形態を示す概略図である。
図6図6は、第1のウィンドウ内のリストから階層レベルを選択し、第2のウィンドウ内のリストからイベントを選択した後の図5の別の例示的な実施形態を示す概略図である。
図7図7は、状態監視のためのイベント及び対応するコストの視覚化のための方法の例示的な一実施形態を示すフロー図である。 図面は必ずしも縮尺どおりではないことに留意されたい。図面は、本明細書に開示される主題の典型的な態様のみを描写することを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0028】
資産(例えば、機械、機械構成要素など)は、それらが適切に動作していることを保証するために、1つ以上のセンサによって監視され得る。状態監視システムは、センサ測定値をレビューし、資産が異常に動作しているときに検出し、イベント(例えば、アラーム)をログ記録するか否かを判定するために使用され得る。ログ記録されたイベントは、イベントに関してアクション(例えば、運転停止、メンテナンスの予定を入れるなど)をとるべきかどうかを判定するために、オペレーティングエンジニアによってレビューされ得る。既存の状態監視システムは、イベントをリストとして提示することができる。しかしながら、いくつかの状況下では(例えば、資産が正常動作と異常動作との間で繰り返しシフトするとき)、同様のイベントが繰り返しログ記録され得る。その結果、イベントログは、オペレータがイベントをトリガしている原因を効率的に分析するのに必要なイベントよりも多くのイベントでいっぱいになり得る。更に、イベントをトリガする原因となっている固有のイベントを見つけることが困難になり得る。加えて、注意のためにイベントに優先順位を付けることも困難であり得る。
【0029】
したがって、資産状態監視のためにイベントを視覚化するための改善されたシステム及び方法が提供される。一態様では、複数の状態監視システムからのイベントデータを表示することができる。これは、ローカルサイトで取得されたイベントデータのみを視覚化するように設計された既存の状態監視システムを上回る改善を表す。別の態様では、イベントをレビューし、固有であるか反復されるものであるかのいずれかとして分類することができる。オペレータが見るためにイベントを表示するとき、固有のイベントを単一の項目として表示することができ、反復イベントを単一の項目に集約することができる。反復イベントを集約する能力は、追加の検索を必要とせずに反復イベントを一緒にレビューすることができるので、イベント視覚化システムを用いるオペレータの効率を改善することができる。代替的又は追加的に、更なる態様において、それぞれのイベントに対応するコストを表示することができる。イベント自体とともにイベントのコストを見る能力は、イベントが、多くの場合、より時間のかかる評価を必要とせずに、コストに基づいて迅速に優先順位付けされ得るので、イベント視覚化システムを用いるオペレータの効率を更に改善することができる。
【0030】
表示されたイベントは、イベントに関する更なる詳細を見るために選択されることができ、レビューの容易さを促進する。対照的に、既存の状態監視システムは、そのような詳細なイベントデータ及び/又はイベント原因のコストを、単一のグラフィカルユーザインターフェースにおいて同時に取得及び表示する能力を欠いていることがある。
【0031】
状態監視のためのイベント及び対応するコストの視覚化のためのシステム及び対応する方法の実施形態が、本明細書で考察される。しかしながら、本開示の実施形態は、制限なしに他のデータの視覚化のために用いることができる。
【0032】
図1は、イベント視覚化システム104と通信する1つ以上の状態監視システム102を含む動作環境100の例示的な一実施形態を示す概略図である。図示されるように、複数の状態監視システム102が提供され、各々は、1つ以上の資産106を含むそれぞれのサイト(例えば、サイト1、サイト2、...サイトN)に存在する。
【0033】
資産106の実施形態は、監視が望まれる任意の機械又は機械構成要素を含むことができる。特定の実施形態では、資産106は、回転構成要素、往復構成要素、及び/又は固定資産構成要素を含む機械であり得る。そのような構成要素は、とりわけ、ギア、軸受、及びシャフトを含むことができるが、それらに限定されない。そのような構成要素を含む機械の例は、とりわけ、ターボ機械、タービン(例えば、水力、風力)、発電機、及び往復圧縮機を含むことができるが、これらに限定されない。
【0034】
以下でより詳細に考察されるように、資産106は、複数のレベルを含む資産階層に配置することができる。資産階層の最低レベルは、資産構成要素であり得る。資産構成要素から次に上のレベルは、それぞれの資産の構成要素の全てを包含する資産レベルとすることができる。一例として、リサイクル圧縮機資産の場合、資産構成要素は、モータ、ギアボックス、及び圧縮機を含むことができる。資産106から次に上のレベルは、資産グループレベルであり得る。資産106は、機能又はプロセスなどの任意の所定の基準に従ってグループ化することができる。一例では、水素化分解装置資産グループは、リサイクル圧縮機、メイクアップ圧縮機、及びチャージポンプなどのそれぞれの資産106を含むことができる。資産グループから次に上のレベルは、サイトと関連付けられた全ての資産を含むことができるサイトレベルとすることができる。一例として、製油所サイトは、アルキル化、常圧蒸留、コーカー、流動接触分解、水素化分解装置、改質装置、及び真空蒸留などの資産グループを含むことができる。サイトからの最終の上のレベルは、全てのサイトにおける全ての資産106を含むフリートレベルであり得る。上記の例は説明のために提供されたものであり、資産階層は、必要に応じて任意の数のレベルを含むことができることが理解されよう。
【0035】
状態監視システム102の各々は、資産106のうちのターゲット資産の1つ以上の動作パラメータを感知するように構成されたそれぞれのセンサ110と通信することができる。センサ110は、測定された動作パラメータを表す少なくとも1つのセンサ信号110sを生成し、センサ信号110sをそれぞれの状態監視システム102に(例えば、フィールド配線を介して)送信するように更に構成され得る。一例として、センサ110は、プローブ、トランスデューサ、及び信号調整回路(図示せず)を含み得る。プローブは、動作パラメータの測定のために資産106と相互作用し得る。トランスデューサは、動作パラメータの測定値を電気信号(例えば、電圧)に変換することができ、信号調整回路は、電気信号を調整及び/又は増幅して、センサ信号110s(例えば、最小値と最大値との間の範囲の電圧)を生成することができる。このように、一態様では、センサ信号110sは、センサトランスデューサによって生成される直接又は生の測定値を含み得る。センサ信号110sは、アナログ信号又はデジタル信号であり得る。
【0036】
別の態様では、センサ信号110sは、動作パラメータの直接測定値に加えて、情報を含み得る。一例として、センサ信号110sは、トランスデューサなど、センサ110の1つ以上の構成要素に関するメタデータを含み得る。メタデータの例としては、シリアル番号、リビジョン番号、動作温度、及び健全性ステートのうちの1つ以上を含み得るが、これらに限定されない。
【0037】
センサ110の数及びタイプは、測定されることが意図される動作パラメータによって決まり得る。一態様では、センサ110は、振動、位置、速度、動きの方向、及び離心率の測定のための1つ以上の近接プローブの形態をとり得る。別の態様では、センサ110は、地震振動及び加速の測定のための1つ以上の加速度計の形態をとり得る。更なる態様では、センサ110は、温度及び圧力それぞれの測定のための1つ以上の温度プローブ又は圧力プローブの形態をとり得る。上で考察されたセンサ110のタイプ及び対応する測定される動作パラメータは網羅的ではなく、センサ110の実施形態は、対象となる動作パラメータの測定に好適な任意のセンサ又はセンサの組み合わせを含み得ることを理解されたい。
【0038】
使用中、状態監視システム102は、受信したセンサ信号110sを分析し、対応する監視対象資産106に関するイベントを識別するように構成することができる。一例として、状態監視システム102は、動作パラメータ測定を特徴付ける値を判定するように構成することができる。状態監視システム102はまた、判定された値を1つ以上の対応する所定の設定ポイント又は他の状態(例えば、アラーム状態)と比較して、アラームステータス(例えば、OK、OKでない、上回る、下回る等)を判定するように構成されることができる。一例として、OK/OKでないは合格/不合格状態を表すことができ、一方、上回る/下回るは、それぞれ、設定ポイントを上回る又は設定ポイントを下回る1つ以上の動作パラメータの測定値を表すことができる。
【0039】
例えば、資産106が回転シャフトであり、測定される動作パラメータがシャフトの径方向振動であるとき、センサ信号110sは、時間の関数としてのシャフトの変位の測定値を含むことができる。センサ信号110sから、状態監視システム102は、ピーク間変位からの振動振幅の値を判定し得る。アラームステータスが正常動作範囲外の資産106の動作を示す状況下では、状態監視システム102は、アラームをイベントとしてログ記録することができる。
【0040】
更なる実施形態では、状態監視システム102は、定義された論理及び/又はモデルを使用して複数のセンサ110から受信した動作パラメータを分析して、資産障害状態の高度な洞察を抽出するように構成することができる。これらの動作パラメータは、単一の構成要素/資産又は複数の構成要素/資産から測定することができる。
【0041】
状態監視システム102は、それ自体に対して同様に監視を実行するように更に構成することができる。追加の監視は、様々なカテゴリにグループ化することができ、システム健全性、計器健全性、及び分析健全性を含むことができるが、これらに限定されない。
【0042】
システム健全性は、状態監視システム102の機能をサポートするハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の態様の健全性を含むことができる。状態監視システム102は、そのソフトウェア/ハードウェアからデータを受信し、このデータを設定ポイント又は他のプログラムされた論理と併せて用いて、システム健全性イベントが発生しており、ログ記録されるべきか否かを判定することができる。システム健全性の例は、構成設定、通信の損失、ドライバ、ファームウェア/ハードウェア更新、データラッピング/損失などを含むことができるが、これらに限定されない。
【0043】
計器健全性は、センサデータを収集するためのセンサ110の動作の任意の態様を含むことができる。状態監視システム102は、センサ110からそれらの動作に関するメタデータを受信し、このデータを設定ポイント又は他のプログラムされた論理と併せて用いて、計器健全性イベントが発生しており、ログ記録されるべきか否かを判定することができる。計器健全性の例は、計器障害、計器OKステータス、及び計器通信ステータスを含むことができるが、これらに限定されない。
【0044】
分析健全性は、イベント(例えば、アラーム及び追加の監視)を識別するために用いられる論理を含むことができる。一例として、状態監視システム102がイベント(例えば、イベントソース)をログ記録するときを定義する規則/基準は、状態監視システムの製造業者、所有者、オペレータなどの1つ以上の許可された当事者によって作成され得る。状態監視システム102は、イベント識別のために用いられる論理に関するメタデータを受信し、このデータを、イベント識別論理の正常動作及び異常動作を定義する所定の設定ポイント又は他の基準と併せて用いて、イベントが発生しており、ログ記録されるべきか否かを判定することができる。分析健全性の例は、イベント識別論理の存在/不在を含むことができるが、これに限定されない。
【0045】
一般に、イベントタイプにかかわらず、イベントがログ記録されるとき、そのイベントに関する選択されたイベントデータを記録することができる。イベントデータの例は、フリートの資産階層内の影響を受けた資産の場所、及びイベントに対応する少なくとも1つのイベントパラメータ(例えば、アラームイベントの場合の動作パラメータ測定値)を含むことができるが、これらに限定されない。イベントパラメータは、任意選択で、以下のうちの1つ以上を任意の組み合わせで含むことができる。
・イベント名:識別されたイベントの名前。
・資産ステート:イベントが関係する資産の動作ステート。例としては、起動、運転(通常動作)、運転停止などが挙げられるが、これらに限定されない。
・測定タイプ及び測定ポイント:測定タイプは、イベント(例えば、振動、温度、圧力など)を識別するために使用される測定のカテゴリである。測定ポイントは、測定タイプの値を取得するために使用されるチャネル(例えば、センサ110)である。
・イベントトリガ:イベントを識別するために使用される1つ以上の設定ポイント。
・イベントタイプ:イベントの分類(例えば、OKでない、上回る、下回るなど)。
・イベントソース:イベントを識別するために用いられる1つ以上の論理パッケージ。このような論理パッケージは、状態監視システムの製造業者、所有者、及び/又はオペレータを含むがこれらに限定されない様々なソースから受け取ることができる。
・イベント時間:イベントが発生した時間又は持続時間(例えば、開始時間、終了時間など)。
・イベントレベル:イベントの優先度の相対的な尺度。イベントレベルは、イベントが識別された後に状態監視システム102によって判定することができる。
・イベントパラメータ測定値:イベントを識別するために使用される動作パラメータ測定値。イベントが一時的であるとき、動作パラメータ測定値は、単一の動作パラメータ測定値であり得る。代替的に、イベントが持続するとき、動作パラメータ測定値は、イベントの少なくとも一部分中に取得された複数の動作パラメータ測定値(例えば、イベント開始時間とイベント終了時間との間に取得された動作パラメータ測定値)であってもよい。
【0046】
各状態監視システム102は、そのそれぞれのサイトの資産106についてログ記録されたイベントデータを出力するように構成することができる。特定の実施形態では、図1に示すように、イベント視覚化システム104は、複数の状態監視システム102と通信することができ、イベントデータをそこから受信することができる(例えば、サイト1イベントデータ112A、サイトNイベントデータ112N、集合的にイベントデータ112)。図示されていない代替実施形態では、状態監視システムは、イベントデータを別のコンピューティングデバイスに出力することができる。その後、状態監視システムは、イベントデータを取り出すことができる。
【0047】
図示されるように、イベント視覚化システム104は、ヒストリアン120と通信するイベントアナライザ116と、ユーザコンピューティングデバイス122とを含む。ヒストリアン120は、複数の状態監視システム102によって取得されるそれぞれのイベントに対応するイベントデータ112を記憶するように構成されたコンピューティングデバイス(例えば、メモリデバイス)であり得る。ヒストリアン120、又はイベントアナライザ116と通信する別のメモリデバイスはまた、イベントのそれぞれのイベントに対応する少なくとも1つのコスト112’を記憶することができる。
【0048】
イベントアナライザ116は、少なくとも1つのプロセッサを含むコンピューティングデバイスとすることができ、イベントデータ112及び少なくとも1つのコスト112’について、ヒストリアン120にクエリ114をサブミットし、及び/又は他のメモリデバイスにクエリ114’をサブミットするように構成することができる。その後、イベントアナライザ116は、受信されたイベントデータ112及びコスト112’に基づいてグラフィカルユーザインターフェース(GUI)126を生成し、表示のためにGUI 126をユーザコンピューティングデバイス122に送信することができる。ユーザコンピューティングデバイス122は、イベントアナライザ116によって生成されたGUI 126を表示するとともに、GUI 126内のユーザ選択を受信するように構成され得る。
【0049】
上で考察されたようなレベルに配列されたフリート内の資産の階層リスト(例えば、第1のリスト)を、GUI 126内に表示することができる。この第1のリスト内の階層レベルのユーザ選択の受信に応答して、イベントアナライザ116は、選択された階層レベルと関連付けられた複数のイベントを識別するように構成することができる。イベントアナライザ116は、識別されたイベントの第2のリストを含むようにGUI 126を更新するように更に構成され得る。この第2のリストでは、固有のイベント及び反復イベントを各々、それ自体のそれぞれの単一エントリに表示することができる。特定の実施形態では、第2のリストのイベントに対応するコストも提示することができる。
【0050】
更なる態様では、GUI 126は、オペレータ選択に応答して第2のリストのイベントに関する詳細なデータを表示するように更新され得る。以下で詳細に考察されるように、詳細データは、イベントデータ112のいずれかを含むことができる。例は、選択されたイベントの最も最近の発生、選択されたイベントに関する少なくとも1つの提案、選択されたイベントの全ての発生、又は選択されたイベントに関する測定された動作データのうちの1つ以上を含むことができるが、これらに限定されない。更なる実施形態では、詳細データは、選択されたイベントの1つ以上の可能な原因及び対応するコストを含むことができる。対照的に、既存の状態監視システムは、そのような詳細なイベントデータを取得及び表示する能力を欠いていることがあり、又は少なくとも、オペレータが複数のアプリケーション間で切り替えることを必要とすることがある。面倒なアプリケーション切り替えなしに詳細なイベントデータを見る能力は、イベント視覚化システム104を用いるオペレータの効率を更に改善することができる。
【0051】
イベント視覚化システム104は、イベント視覚化のための既存の技法に勝る様々な利益を提供することができる。一態様では、複数の状態監視システム102からのイベントをイベントデータ112に含め、視覚化することができる。対照的に、既存の状態監視システムは、それらのローカルサイトで取得されたイベントデータのみを視覚化するように構成することができ、他のサイトの資産によって経験されるイベントを視覚化することができない。反復イベントを集約する能力はまた、追加の検索を必要とせずに反復イベントを一緒にレビューすることができるので、イベント視覚化システム104を用いるオペレータの効率を改善することができる。同様に、それぞれのイベントに対応するコストを見る能力はまた、コストを使用して注意対象イベントに優先順位を付け、イベントの処置/解決に関する決定を行うプロセスを高速化することができるので、イベント視覚化システムを用いるオペレータの効率を改善することができる。
【0052】
特定の実施形態では、イベントは、アラーム(例えば、正常動作範囲外の動作パラメータ)に関係し得る。いくつかの状況下では、アラームは、監視対象資産に関する問題を示すことができ、資産の運転停止及び/又は損傷を回避するために、そのようなアラームに対処することが望ましい場合がある。したがって、GUI 126は、アラームイベントと組み合わせて1つ以上の提案されるアクションを表示するように更に更新され得る。更なる実施形態では、それぞれの提案アクションに対応するコストも表示することができる。有益なことに、アラームイベント及び/又はそれぞれの提案に対応するコストと組み合わせて提案を表示することによって、イベント視覚化システム104は、アラームイベントに対処するための行動方針を判定する際にオペレータを支援し、そのようなアラームイベントのより速い解決を可能にすることができる。
【0053】
集約イベント表示
以下の考察は、図2図3A、及び図3Bに関して、イベントアナライザ116によって生成されるGUI 126の例示的な実施形態を提供する。図2は、反復イベントを集約するように構成されたGUI 126の例示的な一実施形態を示す概略図である。以下で詳細に考察されるように、GUI 126は、第1のウィンドウ200、第2のウィンドウ202、第3のウィンドウ204、及び第4のウィンドウ206のうちの1つ以上を任意の組み合わせで表示するように構成することができる。
【0054】
GUI 126は、第1のウィンドウ200(階層ナビゲーションウィンドウ)内に資産の階層リスト210を表示するように構成することができる。図示されるように、資産の階層リスト210は、フリートレベル、サイトレベル、資産グループレベル、資産レベル、及び構成要素レベルなどの複数のレベルを含む。
【0055】
GUI 126は、資産の階層リスト210のレベルのユーザ選択(例えば、ユーザ選択124)を受信するように構成することができる。この選択の受信に応答して、イベントアナライザ116は、選択された階層レベルと関連付けられた資産106及び対応するイベントを判定することができる。
【0056】
上で考察されたように、最高レベルはフリートレベルである。したがって、フリートレベルの選択は、フリートの全ての資産106(例えば、各サイト内の全ての資産)と、フリートの全てのイベントとを含む。
【0057】
2番目に高いレベルはサイトレベルであり、1つ以上のサイト(例えば、サイト1、サイト2、...サイトN)を含むことができる。したがって、サイトレベルのサイトの選択は、選択されたサイトと関連付けられた資産106と、選択されたサイトの資産に対応する全てのイベントとを含むことができる。
【0058】
3番目に高いレベルは、資産グループレベル(例えば、資産グループ1、資産グループ2、...、資産グループN)である。したがって、資産グループレベルの資産グループの選択は、選択された資産グループと関連付けられた資産106と、選択された資産グループの資産106に対応する全てのイベントとを含むことができる。
【0059】
4番目に高いレベルは、資産レベル(例えば、資産1、資産2、資産N)である。したがって、資産レベルの資産106の選択は、選択された資産106と、選択された資産106に対応する全てのイベントとを含む。任意選択で、資産構成要素が監視されるとき、資産レベルの資産106の選択は、選択された資産106と関連付けられた構成要素と、選択された資産106に対応するイベントとを更に含むことができる。
【0060】
5番目に高いレベルは、資産構成要素レベル(例えば、構成要素1、構成要素2、構成要素N)である。したがって、構成要素レベルの構成要素の選択は、選択された構成要素と、選択された構成要素に対応する全てのイベントとを含む。
【0061】
イベントアナライザ116は、資産の階層リスト210の選択された階層レベルと関連付けられたイベントの第2のリストを表示するように、GUI 126を更新するように更に構成され得る。この第2のリストは、固有のイベントに関する単一のエントリと、それぞれの反復イベントに関する単一のエントリとを含むことができる。上で考察されたように、イベントの例は、アラーム、状態監視システムのシステム健全性、それぞれの監視対象資産106の動作パラメータ測定値を取得する計器(例えば、センサ110)の計器健全性、及びイベントを識別するために使用される論理の分析健全性を含むことができるが、これらに限定されない。
【0062】
上で考察されたように、各イベントに対応するイベントデータは、少なくとも1つのイベントパラメータを含むことができる。特定の実施形態では、イベントは、そのイベントに対応する少なくとも1つのイベントパラメータが、複数のイベントのうちの別のイベントの少なくとも1つのイベントパラメータの全てと一致するとき、反復イベントとして分類することができる。一般に、そのような一致は、反復イベントとして分類されるイベントが同じ基準で評価され、資産の名目上同一の状態下で発生し、したがって、同じ根本的な原因に帰することができることを確実にするように設計される。更に、そのようなイベントは、互いに対して実質的な変動をほとんど示さないことがあり得る。したがって、これらの反復イベントを第2のリスト内の単一のエントリにグループ化することは、イベント情報の実質的な損失なしに、かなり効率的な改善を提供する。
【0063】
特定の実施形態では、少なくとも1つのイベントパラメータは、測定タイプ及び測定ポイント、資産ステート、イベントレベル、イベントソース、並びにイベントタイプを含むことができる。したがって、これらの状況下では、イベントは、そのイベントの上記で列挙されたイベントパラメータのうちの少なくとも1つが別のイベントと一致しないときに、固有のイベントとして分類される。対照的に、これらの状況下では、イベントは、そのイベントに対応する少なくとも1つのイベントパラメータが、別のイベントの上記で列挙されたイベントパラメータの全てと一致するとき、反復イベントとして分類される。
【0064】
これらのイベントパラメータは例示のみを目的として考察されており、少なくとも1つのイベントパラメータは異なっていてもよく、任意選択で、より多くの又はより少ないイベントパラメータを含んでもよいことが理解されよう。
【0065】
更なる実施形態では、第2のウィンドウ202(イベントリストウィンドウ)は、列挙されたイベントの各々に対応する選択されたイベント情報を更に表示することができる。一例として、図2に示すように、イベント情報は、イベント優先度、イベント名、階層レベル、及びイベントサマリを含む。
【0066】
GUI 126は、第2のウィンドウ202に表示されたリスト内のイベントの第2のユーザ選択を受信するように更に構成され得る。この選択の受信に応答して、イベントアナライザ116は、選択されたイベントに対応するイベントデータ112の少なくとも一部分を含む第3のウィンドウ204を表示するように、GUI 126を更新するように構成され得る。イベントデータの例は、イベントサマリ212、提案アクション214、イベント発生リスト216、及び動作パラメータプロット220を含むことができるが、これらに限定されない。
【0067】
代表的な例が図3A図3Bに更に示されている。図示されるように、フリート階層レベルは第1のウィンドウ200内で選択され、対応するイベントが第2のウィンドウ202内に示される。「イベント名1」は、第2のウィンドウ202内で更に選択されたイベントである。例示的なイベント詳細サマリ212が、第3のウィンドウ204の第1のサブウィンドウ内に示されている。一例として、優先度、イベント名、及びフリートの資産階層内の選択されたイベントの位置が更に示されている。
【0068】
イベント詳細サマリ212に要約された更なるイベントデータの実施形態は、イベントの最も最近の発生に基づくことができる。要約されたイベントデータの非限定的な例は、イベント発生カウント、資産ステート(起動、運転(通常動作)、運転停止など)、イベントトリガ値(単独で、又はイベントがトリガされる測定される動作パラメータ値と組み合わせて)、イベントタイプ(例えば、アラーム、システム健全性、計器健全性、又は分析健全性)、及びイベントソースを含むことができるが、これらに限定されない。固有に選択されたイベントの場合、最も最近の発生は、選択されたイベントに対応するイベントデータ内の唯一の発生である。したがって、これらの状況下では、カウントは1の値をとる。
【0069】
特定の実施形態では、提案アクションは、第3のウィンドウ204の第2のサブウィンドウ内に示される。それぞれのイベントに対応する提案アクションは、状態監視システム102によって判定され、イベントデータ112とともに含まれ得る。特定の実施形態では、提案は、状態監視システム102によって判定され、イベントデータ112とともに提供され得る。他の実施形態では、オペレータは、イベント視覚化システム104を用いて、提案を特定のイベントと関連付けることができる。一例では、提案は、特定のメンテナンスが資産106に対して実行されることを示唆することができる。別の例では、提案は、指定された動作パラメータ内の資産106の動作を示唆することができる。
【0070】
イベント発生の例示的なリスト216が、第3のウィンドウ204の第3のサブウィンドウ内に示されている。固有に選択されたイベントの場合、最も最近の発生は、選択されたイベントに対応するイベントデータ内の唯一の発生である。したがって、これらの状況下では、単一の発生のみが表示される。対照的に、繰り返し選択されたイベントの場合、選択された反復イベントに対応するイベントデータ内の全ての発生を表示することができる。
【0071】
各発生に対して、選択されたイベントデータを表示することができる。図3Aに示されるように、イベントデータは、トリガなどのイベントパラメータを含むことができる。一例として、イベント発生リスト216は、イベントトリガ値(単独で、又はイベントがトリガされる測定された動作パラメータ値と組み合わせて)、イベント開始(スタート)時間及び終了(ストップ)時間、並びに任意選択で、選択されたイベントのオペレータ確認(例えば、以下でより詳細に考察されるクイックアクションを介して)を含むことができる。
【0072】
特定の実施形態では、時間の関数としての資産106の1つ以上の測定された動作パラメータのプロットが、第3のウィンドウ204の第4のサブウィンドウ内に示される。図示されるように、測定された動作パラメータは、選択されたイベントの前、間、及び/又は後に取得された1つ以上の動作パラメータ測定値を含むことができる。任意選択で、1つ以上の設定ポイントをプロット上に重ねることができる。プロットは、必要に応じて任意のフォーマットで他のデータを表示することができることを理解することができる。
【0073】
イベントアナライザ116は、資産の階層リスト210のレベルの第1のユーザ選択の受信に応答して、第4のウィンドウ206を表示するように、GUI 126を更新するように更に構成され得る。一例として、第4のウィンドウ206は、第1の複数のイベントに対応するイベントデータ112の一部分に基づいて、選択された階層レベルにおけるパフォーマンスサマリを含むことができる。
【0074】
第4のウィンドウの代表的な例が、図3A図3Bに更に示されている。上記の例を続けると、フリート階層レベルが、第1のウィンドウ200内で選択され、フリート階層レベルの資産の対応するサマリが第2のウィンドウ202内に示される。図示されるように、パフォーマンスサマリは、パフォーマンスインデックス、イベントの数(単独で、又は確認されていないイベントの数と組み合わせて)、古いイベント(例えば、所定の時間量にわたって確認されることなくなくなったイベント)の数などを含む。
【0075】
追加の実施形態では、イベントアナライザ116は、生成されたGUI 126内の1つ以上のクイックアクションに対応するユーザインターフェースオブジェクト222を含むように更に構成され得る。ユーザインターフェースオブジェクト222の機能は、様々な構成を採用することができる。一実施形態では、クイックアクションは、アラーム管理に関係し得る。例は、アラーム確認、アラーム抑制、ラッチされたアラームのリセットなどを含むことができるが、これらに限定されない。更なる実施形態では、クイックアクションは、ケース作成又はケース割り当てなどのケース管理に関係することができる。一例として、オペレータが特定の資産106のステータス/メンテナンスを管理しているケースを有し、そのケースに関連する新しいイベントが識別される状況では、オペレータは、クイックアクションを使用して、そのイベントをケースに割り当てて、全てのサポートデータを収集することができる。別の例では、新しいイベントが識別された後に新しいケースを作成することができる。更なる実施形態では、クイックアクションは、GUI 126内のナビゲーションに関係し得る。(例えば、動作パラメータプロット220)。有益なことに、クイックアクションを作成及び展開する能力は、GUI 126のある程度のカスタマイズを可能にし、より良好なオペレータ体験を容易にすることができる。
【0076】
GUI 126内に表示するためのイベントパラメータ及び対応するサマリの考察は、単に例示のために提示されており、イベントパラメータは、図示されたものと異なることができ、任意選択で、より多くの又はより少ないイベントパラメータを含むことができることが理解されよう。
【0077】
状態監視のためのイベントの改善された視覚化のための方法400の例示的な一実施形態を示すフロー図である。図示されるように、方法400は、動作402~416を含み、図1図3Bに関して以下で考察される。代替実施形態では、方法は、図4に示されるものよりも多い又は少ない動作を含むことができ、及び/又は、図4に示されるものとは異なる順序で実行され得ることを理解されたい。
【0078】
動作402において、複数の資産106のそれぞれの資産によって経験される1つ以上のイベントを特徴付ける複数のイベントデータ(例えば、イベントデータ112)が、(例えば、イベント視覚化システム104によって)維持され得る。一実施形態では、イベントデータ112は、ヒストリアン120によって維持され得る。複数の資産106は、フリートの異なるサイトの間で分散され得る。一実施形態では、イベントは、アラーム、状態監視システム健全性イベント、計器健全性イベント、又は分析健全性のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0079】
イベントデータは、少なくとも、フリートの資産階層内の選択された資産106の場所と、イベントに対応する少なくとも1つのイベントパラメータとを含むことができる。一実施形態では、少なくとも1つのイベントパラメータは、測定タイプ、測定ポイント、イベントタイプ、イベントレベル、イベントソース、又は資産ステートのうちの少なくとも1つを含むことができる。更なる実施形態では、イベントデータは、それぞれのイベントに関連する測定された動作データ(例えば、測定された動作パラメータ)を含むことができる。一例として、測定された動作データは、それぞれのイベントとほぼ同時、前、及び/又は後に測定された1つ以上の動作パラメータとすることができる。
【0080】
動作404において、複数のイベントデータが、1つ以上のプロセッサ(例えば、イベントアナライザ116)によって受信され得る。
【0081】
動作406において、イベントアナライザ116が、第1のウィンドウ200を表示するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)126を生成することができる。第1のウィンドウ200は、フリートの資産階層内の資産の位置に従って編成された資産の階層リストを含むことができる。一例として、フリートの資産階層は、フリートレベル、サイトレベル、資産グループレベル、及び資産レベルのうちの2つ以上を含むことができる。
【0082】
動作410において、階層リスト内の階層レベルの第1のユーザ選択が、イベントアナライザ116によって受信され得る。一例として、GUI 126のオペレータは、GUI 126を見て、第1のユーザ選択にユーザコンピューティングデバイス122を提供することができる。ユーザコンピューティングデバイス122は、イベントアナライザ116と(例えば、ネットワークを介して)通信しており、エントリ時に第1のユーザ選択をイベントアナライザ116に送信することができる。
【0083】
動作412において、イベントアナライザ116は、第1のユーザ選択の階層レベルと関連付けられた複数のイベントを識別することができる。
【0084】
動作414において、イベントアナライザ116は、識別された複数のイベントの少なくとも一部分を、それらのそれぞれのイベントデータに基づいて分類することができる。特定の実施形態では、識別された複数のイベントの全てを分類することができる。一例として、イベントは、複数のイベント内で単一の発生を有する固有のイベント、又は複数のイベント内で複数の発生を有する反復イベントのいずれかとして分類することができる。
【0085】
一実施形態では、イベントは、そのイベントに対応する少なくとも1つのイベントパラメータが複数のイベントのうちの別のイベントと一致しないとき、イベントアナライザ116によって固有のイベントとして分類され得る。別の実施形態では、イベントは、そのイベントに対応する少なくとも1つのイベントパラメータが、複数のイベントのうちの別のイベントの少なくとも1つのイベントパラメータの全てと一致するとき、反復イベントとして1つ以上のプロセッサによって分類され得る。
【0086】
動作416において、イベントアナライザ116は、第1のユーザ選択の受信に応答して、第2のウィンドウ202を表示するようにGUI 126を更新することができる。第2のウィンドウ202は、第1の複数のイベントのうちのそれぞれの固有のイベントに関する単一のエントリと、それぞれの反復イベントに関する単一のエントリとを含む第2のリストを含むことができる。
【0087】
追加の実施形態では、第2のリストからのイベントの第2のユーザ選択を、GUI 126内で受信することができる。第2のユーザ選択の受信に応答して、イベントアナライザ116は、少なくとも1つの第3のウィンドウ204を表示するようにGUI 126を更新することができる。第3のウィンドウ204は、選択されたイベントに対応するイベントデータを含むことができる。
【0088】
第3のウィンドウ204は、様々な構成を採用することができる。一実施形態において、第3のウィンドウ204は、少なくとも1つのイベントパラメータの第1の部分を含む選択されたイベントの最も最近の発生を表示する第1のサブウィンドウ(例えば、イベント詳細サマリ212)の形態であり得る。
【0089】
別の実施形態では、イベントデータは、少なくとも1つの提案を更に含み得る。この状況下では、第3のウィンドウ204は、少なくとも1つの提案を表示する第2のサブウィンドウ(例えば、提案アクション214)の形態であり得る。
【0090】
更なる実施形態では、第3のウィンドウ204は、選択されたイベントの全ての発生を表示し、発生ごとに少なくとも1つのイベントパラメータのそれぞれの第2の部分を含む第3のサブウィンドウ(例えば、イベント発生リスト216)の形態であり得る。
【0091】
追加の実施形態では、第3のウィンドウ204は、測定された動作データのプロットを含む第4のサブウィンドウ(例えば、動作パラメータプロット220)の形態であり得る。測定された動作データは、選択されたイベントの前、間、及び/又は後であり得る。
【0092】
イベントコスト表示
以下の考察は、図5及び図6に関して、イベントアナライザ116によって生成されるGUI 126の代替実施形態を提供する。対応するフロー図は、それぞれのイベントに対応するコストの表示を含む状態監視のためのイベントの改善された視覚化のための方法700の例示的な一実施形態を示す。図示されるように、方法700は、動作702~714を含み、図1図5及び図6とに関して以下で考察される。代替実施形態では、方法は、図7に示されるものよりも多い又は少ない動作を含むことができ、及び/又は、図7に示されるものとは異なる順序で実行され得ることを理解されたい。
【0093】
動作702において、複数の資産のそれぞれの資産によって経験される1つ以上のイベントを特徴付ける複数のイベントデータ(例えば、イベントデータ112)が、1つ以上のイベントのそれぞれのイベントに対応する少なくとも1つのコスト(例えば、112’)とともに、メモリによって維持され得る。上で考察されたように、複数の資産は、フリートの異なるサイト間に分散されてもよく、イベントデータは、少なくともフリートの資産階層内の資産の場所と、イベントに対応する少なくとも1つのイベントパラメータとを含むことができる。
【0094】
特定の実施形態では、少なくとも1つのコストは、通貨の額として表すことができる。別の態様では、少なくとも1つのコストは、(例えば、通貨額によって正規化された)無単位値として表すことができる。少なくとも1つのコストは、ヒストリアン120又は別のデータ記憶デバイス内に維持することができる。少なくとも1つのコストは、ヒストリアンのクエリ(例えば、クエリ114)に応答して、又は別のデータ記憶デバイスのクエリ(例えば、クエリ114’)に応答して、イベントアナライザ116によって受信され得る。
【0095】
少なくとも1つのコストは、様々な考慮事項のうちの1つ以上を単独で又は組み合わせて表すように構成され得る。一態様では、少なくとも1つのコストは、資産(例えば、材料、労働力など)の修理又は交換などのイベントを解決するための財務コストを表すことができる。他の態様では、少なくとも1つのコストは、環境緩和、労働者の健康及び安全性、契約上の義務の違反について査定された罰金、規制上の要件の違反について査定された罰金、保険コスト、法的コスト、又はそれらの任意の組み合わせなど、イベントと関連するが監視対象資産自体に直接関係しない財務コストを表すことができる。
【0096】
更なる態様では、コストは、それぞれの資産間の相互依存性を反映することができる。すなわち、1つの資産と関連付けられたイベントは、別の資産に影響を及ぼし得る。例えば、監視対象資産は、別の資産のための冷却システムであってもよい。イベントが、監視対象資産のパフォーマンス低下、運転停止、又は破局的障害を伴うとき、他の資産も関与し得る。したがって、第1の監視対象資産についてのイベントに対応するコストは、第1の監視対象資産のイベントの発生に起因して他の資産において発生する任意のイベントのコストを更に含むことができる。
【0097】
コストのこのリストは網羅的なものではなく、少なくとも1つのコストは、必要に応じて、イベントに関連する任意のコストを含むことができることを理解されたい。
【0098】
少なくとも1つのコストは、様々な方式で表すことができる。イベントの1つ以上の可能な原因が存在し得、これらの原因の各々は、関連するコストを有し得ることを理解されたい。したがって、少なくとも1つのコストは、複数のコストとすることができ、複数のコストの各々は、それぞれの可能なイベント原因に対応する。一態様では、少なくとも1つのコストは、それぞれの可能なイベント原因のコストの中で最も高いコストであり得る。別の態様では、少なくとも1つのコストは、可能なイベント(例えば、上位5つの最高コストを有する可能なイベント)の一部分のコストの平均、又は可能なイベントの全てのコストの平均とすることができる。コストの他の表現を制限なく用いることができる。
【0099】
1つ以上のコストの値は、単独で又は組み合わせて、様々な方式で判定することができる。一態様では、イベント又は特定のイベント原因のコストは、同一又は類似のイベントの履歴的な発生コストに基づいて判定することができる。別の態様では、イベント又は特定のイベント原因のコストは、動作データ及び1つ以上の適切なモデルに基づいて判定することができる。上記から、1つ以上のコストの推定値を策定することは、様々な考慮事項を含み得ることが理解され得る。
・監視対象資産を含むサイトにおいて生産プロセスを通して作業すること。
・生産プロセスに対する各資産障害の影響を理解すること。
・各資産間の関係を定量化するための信頼性ブロック図を構築すること。
・製造プロセスを持続するために、メンテナンス、二次的アクション、及び手持ち機器を最適化すること。
・これらの考慮事項を信頼性モデルに取り込み、そのような信頼性モデルを最適化して、オペレータのリスク許容度及び可用性の必要性に基づいてメンテナンスの適切なレベルを見つけること。
【0100】
そのようなモデルの一例は、故障モード影響解析(FMEA)に基づいて策定された信頼性モデルである。しかしながら、他の金融モデルが制限なく用いられ得ることを理解されたい。これらのモデル及び出力は、通貨の額又は(例えば、通貨の額によって正規化された)無単位値としてコストを定量化するために、特定の資産の障害の可能性に関係付けることができる。
【0101】
少なくとも1つのコストは、ヒストリアン120、別の他のメモリデバイス、又はそれらの組み合わせに記憶することができる。通貨の額として表されるとき、GUI 126は、デフォルト通貨(例えば、米ドル)で、又はデフォルト通貨から別の所定の通貨(例えば、オペレータによって指定されたもの、イベント視覚化システム104のローカライゼーション設定によって指定されたものなど)に変換された額として、コストを表示することができる。必要に応じて、通貨換算は、所定の為替レート(例えば、中央銀行などの指定された機関によって公開された外国為替レート)を使用して、イベントアナライザ116によって実行され得る。
【0102】
動作704において、イベントアナライザ116は、複数のイベントデータ及び1つ以上のイベントのそれぞれのイベントに対応する少なくとも1つのコストを受信することができる。
【0103】
動作706において、イベントアナライザ116は、図5に示されるようなGUI 126を生成することができる。以下で詳細に考察されるように、GUI 126は、第1のウィンドウ200、第2のウィンドウ502、第3のウィンドウ504、及び第4のウィンドウ506のうちの1つ以上を任意の組み合わせで表示するように構成することができる。
【0104】
GUI 126の第1のウィンドウ200(例えば、階層ナビゲーションウィンドウ)は、資産の階層リスト210を表示するように構成された、図2に関して上で考察されたものと同じであり得る。図示されるように、第1のウィンドウ200は、フリートの資産階層内の資産の位置に従って編成された資産の階層リスト210を含む。
【0105】
動作710において、イベントアナライザ116は、GUI 126を介して、資産の階層リスト210からのレベルの第1のユーザ選択(例えば、ユーザ選択124)を受信することができる。動作712において、イベントアナライザ116は、選択された階層レベルと関連付けられた資産106及び対応するイベントを更に識別することができる。これらの動作710、712は、方法400の動作410、412に関して上で考察されたように実行され得る。
【0106】
イベントの例は、アラーム、状態監視システムのシステム健全性、それぞれの監視対象資産106の動作パラメータ測定値を取得する計器(例えば、センサ110)の計器健全性、及びイベントを識別するために使用される論理の分析健全性を含むことができるが、これらに限定されない。
【0107】
動作714において、イベントアナライザ116は、第1のユーザ選択の受信に応答して、第2のウィンドウ502(イベントリストウィンドウ)を表示するようにGUI 126を更新することができる。特定の実施形態では、図2の文脈で上で考察されたように、この第2のリストは、固有のイベントに関する単一のエントリと、それぞれの反復イベントに関する単一のエントリとを含むことができる。他の実施形態では、この第2のリストは、反復イベントの集約を省略することができ、代わりに、選択された階層レベルと関連付けられた全てのイベントを列挙することができる。
【0108】
第2のウィンドウ502は、列挙されたイベントの各々に対応する選択されたイベント情報、並びにそれぞれの列挙されたイベントに対応する少なくとも1つのコストを更に表示することができる。一例として、図5に示すように、イベント情報は、イベント名、階層レベル、及びイベントサマリを含む。
【0109】
図2の実施形態とは対照的に、図5のGUI 126は、優先度を少なくとも1つのコストに置き換えることができる。図示されていない代替実施形態では、優先度は、少なくとも1つのコストと組み合わせて示され得る。
【0110】
上で考察されたように、イベントは、1つ以上の対応する可能な原因を有することができる。したがって、所与のイベントについて第2のウィンドウ202内に示される少なくとも1つのコストは、対応する可能な原因のコストを表すことができる。一例では、少なくとも1つのコストは、対応する可能な原因のコストのうちの最も高いコストであり得る。別の例では、少なくとも1つのコストは、対応する可能な原因のコストの全て又は選択された一部分の平均とすることができる。このようにして、オペレータは、個々の原因自体を見る必要なく、イベントの対応する可能な原因を表すコストを容易に見ることができる。すなわち、第2のウィンドウ202は、それぞれのイベントに対応するコストの便利なサマリを提供する。
【0111】
更なる実施形態では、それぞれのイベントに対応する2つ以上のコストを表示することができる。例は、対応する可能な原因の最高コスト及び最低コスト、対応する可能な原因の(全部又は一部分の)最高コスト及び平均コストなどを含むことができるが、これらに限定されない。
【0112】
GUI 126は、第2のウィンドウ202に表示されたリスト内のイベントの第2のユーザ選択を受信するように更に構成され得る。この選択の受信に応答して、イベントアナライザ116は、選択されたイベントに対応するイベントデータ112の少なくとも一部分を含む第3のウィンドウ204(サポートデータ)を表示するように、GUI 126を更新するように構成され得る。イベントデータの例は、図2に関して上で考察されたように、イベント詳細サマリ212、提案アクション214、イベント発生リスト216、及び動作パラメータプロット220を含むことができるが、これらに限定されない。
【0113】
更なる実施形態では、第3のウィンドウは、第3のウィンドウ504の形態をとることができる。一態様では、第3のウィンドウ504は、イベント詳細サマリ212の形態のイベント詳細サマリ512と、選択されたイベントについての可能なイベント原因及び対応するコストのそれぞれの原因のリスト514とを含むことができる。
【0114】
代表的な例が図6に示されている。図示されるように、フリート階層レベルは第1のウィンドウ200内で選択され、対応するイベントが第2のウィンドウ502内に示される。「イベント名1」は、第2のウィンドウ502内で更に選択されたイベントである。例示的なイベント詳細サマリ512が、第3のウィンドウ504の第1のサブウィンドウ内に示されている。一例として、イベントコスト、イベント優先度、イベント名、及びフリートの資産階層内の選択されたイベントの位置が更に示されている。
【0115】
イベント詳細サマリ512に要約された更なるイベントデータの実施形態は、イベントの最も最近の発生に基づくことができる。要約されたイベントデータの非限定的な例は、イベント発生カウント、資産ステート(起動、運転(通常動作)、運転停止など)、イベントトリガ値(単独で、又はイベントがトリガされる測定された動作パラメータ値と組み合わせて)、イベントタイプ(例えば、アラーム、システム健全性、計器健全性、又は分析健全性)、及びイベントソースを含むことができるが、これらに限定されない。固有に選択されたイベントの場合、最も最近の発生は、選択されたイベントに対応するイベントデータ内の唯一の発生である。したがって、これらの状況下では、カウントは1の値をとる。
【0116】
潜在的なイベント原因及び対応するコスト並びに提案のリスト514が、第3のウィンドウ204の第2のサブウィンドウ内に示される。任意選択で、それぞれのイベント原因に対応する提案アクションを、潜在的なイベント原因とともに更に表示することができる。一実施形態では、イベントに対応するイベント原因及びイベント原因に対応する提案は、予めプログラムされた論理によって判定することができる。例えば、それぞれのイベント、イベント原因、及び提案をリレーショナルデータベース内に維持することができる。イベントが識別された後、このデータベースに、可能なイベント原因及び提案を判定するためにクエリを行うことができる。一例では、提案は、特定のメンテナンスが資産106に対して実行されることを示唆することができる。別の例では、提案は、指定された動作パラメータ内の資産106の動作を示唆することができる。
【0117】
上で考察されたように、イベントアナライザ116は、上で考察されたように、資産の階層リスト210のレベルの第1のユーザ選択の受信に応答して、第4のウィンドウ206を表示するようにGUI 126を更に更新することができる。追加の実施形態では、イベントアナライザ116は、生成されたGUI 126内の1つ以上のクイックアクションに対応するユーザインターフェースオブジェクト222を含むように更に構成され得る。
【0118】
本明細書に記載される方法、システム、及びデバイスの例示的な技術的効果としては、非限定的な例として、状態監視のためのイベントの改善された視覚化が挙げられる。状態監視システムによって識別されたそれぞれのイベントに対応するコストは、イベントを見るときにオペレータに表示することができる。コストは、特定の可能な原因に基づいて更に特定することができる。コストは、それぞれのイベントの財務的影響の分析に基づいており、既存の表現(例えば、優先順位番号)と比較して、イベントの相対的重要性をより良好に捕捉することができる。リソースを割り当てるためにこれらのコストを使用することは、オペレータがリソース割り当て決定をより迅速に行うこと、並びに財務的影響により密接に結び付けられたリソース割り当て決定を行うことを可能にすることができる。
【0119】
本明細書に開示されるシステム、デバイス、及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解を提供するために、特定の例示的な実施形態を記載してきた。これらの実施形態の1つ以上の例が添付の図面に示されている。当業者は、本明細書に明確に記載され、添付の図面に例示されるシステム、デバイス、及び方法が、非限定的な例示的な実施形態であること、及び本発明の範囲が特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。例示的な一実施形態に関連して図示又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされ得る。かかる修正及び変形は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。更に、本開示では、実施形態の類似する名称の構成要素は、概して類似の特徴を有しており、ゆえに、特定の実施形態内で各類似する名称の構成要素の各特徴は、必ずしも完全には詳述していない。
【0120】
本明細書に記載される主題は、本明細書に開示される構造的手段及びその構造的等価物を含む、アナログ電子回路、デジタル電子回路、及び/又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェアで、又はそれらの組み合わせで実装することができる。本明細書に記載される主題は、データ処理装置(例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、又は多数のコンピュータ)による実行のため又はその動作を制御するため、情報キャリアで(例えば、機械可読記憶デバイスで)明白に具現化されるか、又は伝播信号で具現化される、1つ以上のコンピュータプログラムなどの、1つ以上のコンピュータプログラム製品として実装され得る。コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、又はコードとしても既知である)は、コンパイル又は解釈された言語を含む任意の形態のプログラミング言語で書くことができ、独立型プログラムとして、又はモジュール、構成要素、サブルーチン、若しくはコンピューティング環境での使用に好適な他のユニットとしてなど、任意の形態で展開され得る。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルに対応しない。プログラムは、他のプログラム若しくはデータを保持するファイルの一部分に、当該プログラム専用の単一ファイルに、又は多数の調整されたファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、若しくはコードの部分を記憶するファイル)に記憶され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で若しくは1つのサイトの多数のコンピュータ上で実行されるように、又は多数のサイトに分散され、通信ネットワークによって相互接続されるように展開され得る。
【0121】
本明細書に記載される主題の方法工程を含む、本明細書に記載されるプロセス及び論理フローは、入力データ上で動作し、出力を生成することによって、本明細書に記載される主題の機能を行うために1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラム可能なプロセッサによって行われ得る。プロセス及び論理フローはまた、専用論理回路、例えば、FPGA(field programmable gate array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(application-specific integrated circuit、特定用途向け集積回路)によって行われてもよく、本明細書に記載される主題の装置は、かかる専用論理回路として実装され得る。
【0122】
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサとしては、例えば、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方、並びに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサが挙げられる。概して、プロセッサは、読み出し専用メモリ若しくはランダムアクセスメモリ、又はその両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサ、並びに命令及びデータを記憶するための1つ以上のメモリデバイスである。一般的に、コンピュータはまた、データを記憶するための1つ以上の大容量記憶デバイス、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、若しくは光ディスクを含むか、又はそこからデータを受信する、そこにデータを転送する、若しくはその両方を行うように動作可能に結合される。コンピュータプログラム命令及びデータを具現化するのに好適な情報キャリアとしては、例として、半導体メモリデバイス(例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイス)と、磁気ディスク(例えば、内部ハードディスク又はリムーバブルディスク)と、光磁気ディスクと、光ディスク(例えば、CD及びDVDディスク)と、を含む、不揮発性メモリの全ての形態が挙げられる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補完されるか、又はその中に組み込まれ得る。
【0123】
ユーザとの相互作用を提供するために、本明細書に記載される主題は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイデバイス、例えば、CRT(cathode ray tube、陰極線管)又はLCD(liquid crystal display、液晶ディスプレイ)モニタ、並びにユーザがコンピュータに入力を提供するのに利用し得るキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール)を有するコンピュータ上に実装され得る。他の種類のデバイスを使用して、ユーザとの相互作用を提供することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であり得、ユーザからの入力は、音響、音声、又は触覚入力を含む任意の形態で受信され得る。
【0124】
本明細書に記載される技術は、1つ以上のモジュールを使用して実装され得る。本明細書で使用するとき、「モジュール」という用語は、コンピューティングソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及び/又はそれらの様々な組み合わせを指す。しかしながら、最低でも、モジュールは、ハードウェア、ファームウェア上に実装されていないか、又は非一時的プロセッサの読み取り可能で記録可能な記憶媒体(すなわち、モジュールはソフトウェアそれ自体ではない)上に実装されていないソフトウェアとして解釈されるべきではない。実際に、「モジュール」は、プロセッサ又はコンピュータの一部などの少なくとも何らかの物理的な非一時的ハードウェアを常に含むものと解釈されるべきである。2つの異なるモジュールは、同じ物理ハードウェアを共有し得る(例えば、2つの異なるモジュールは、同じプロセッサ及びネットワークインターフェースを使用し得る)。本明細書に記載されるモジュールは、様々な用途をサポートするために組み合わせ、統合、分離、及び/又は複製が可能である。また、特定のモジュールで行われるものとして本明細書に記載される機能は、特定のモジュールで行われる機能の代わりに、又はそれに加えて、1つ以上の他のモジュールで、及び/又は1つ以上の他のデバイスによって行われ得る。更に、モジュールは、互いにローカル又はリモートの多数のデバイス及び/又は他の構成要素にまたがって実装され得る。加えて、モジュールを1つのデバイスから移動し、別のデバイスに追加することができ、かつ/又は両方のデバイスに組み込むこともできる。
【0125】
本明細書に記載される主題は、バックエンド構成要素(例えば、データサーバ)、ミドルウェア構成要素(例えば、アプリケーションサーバ)、若しくはフロントエンド構成要素(例えば、グラフィカルユーザインターフェース又はウェブブラウザを有するクライアントコンピュータであって、ユーザはそれらを通して、本明細書に記載される主題の実装態様と相互作用することができる)、又はかかるバックエンド、ミドルウェア、及びフロントエンド構成要素の任意の組み合わせを含む、コンピューティングシステムに実装され得る。システムの構成要素は、デジタルデータ通信の任意の形態又は媒体、例えば、通信ネットワークによって相互接続され得る。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(「local area network、LAN」)及び広域ネットワーク(「wide area network、WAN」)、例えば、インターネットが挙げられる。
【0126】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通して本明細書で使用するとき、近似の文言は、それが関連する基本機能の変化をもたらすことなく、許容可能に変化し得る、任意の定量的表現を修正するために適用され得る。したがって、「約」、「およそ」、及び「実質的に」など、1つ又は複数の用語によって修飾された値は、指定された正確な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例において、近似の文言は、値を測定するための器具の精度に対応し得る。本明細書において、本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、範囲制限の組み合わせ及び/又は交換が行われ得、かかる範囲は識別され、文脈又は文言が別段の指示をしていない限り、そこに含まれる全ての部分範囲を含む。
【0127】
当業者は、上述の実施形態に基づいて本発明の更なる特徴及び利点を理解するであろう。したがって、本出願は、添付の特許請求の範囲によって示されるものを除き、特に示され説明されてきたものによって限定されるものではない。本明細書に引用される全ての刊行物及び参考文献は、それらの全体が参照により明示的に組み込まれる。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7