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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】統合アクセス制御システム
(51)【国際特許分類】
   G07C 9/37 20200101AFI20240827BHJP
【FI】
G07C9/37
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023070760
(22)【出願日】2023-04-24
(62)【分割の表示】P 2021508282の分割
【原出願日】2019-08-22
(65)【公開番号】P2023093665
(43)【公開日】2023-07-04
【審査請求日】2023-05-01
(31)【優先権主張番号】62/721,721
(32)【優先日】2018-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/547,318
(32)【優先日】2019-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】コンロイ ブレット ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ハンリー カイル ピー
(72)【発明者】
【氏名】スパイヴィー ボニー ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】トレイナー マーク ジェイ
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-525723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 9/00 - 9/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊園地へのアクセスを制御する方法であって、
前記遊園地に関連付けられた複数の資格及び複数の来園客識別子を受け取るステップと、
前記複数の来園客識別子のうち、前記複数の資格のうちの資格に関連付けられていない来園客識別子のセットを決定するステップと、
前記遊園地の複数の統合アクセス制御デバイスのうちの前記資格に関連付けられている統合アクセス制御デバイスを決定するステップと、
前記統合アクセス制御デバイスを介して、前記来園客識別子のセットについて前記資格に関連付けられている前記遊園地のエリアをスキャンするステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記統合アクセス制御デバイスにより、前記来園客識別子のセットのうちの来園客識別子に来園客が関連付けられていることに基づいて、前記来園客が前記資格を有していないという指標を出力するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記統合アクセス制御デバイスが、センサモジュールを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記センサモジュールが、生体認証センサを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記センサモジュールにより、来園客からの解剖学的特徴データを受け取るステップと、前記解剖学的特徴データに基づいて来園客識別情報を決定するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記センサモジュールを用いて、来園客資格情報に関連付けられるアイテムをスキャンするステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記統合アクセス制御デバイスが、アクセス制御モジュールを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記アクセス制御モジュールの処理構成要素及びメモリ構成要素を介して前記統合アクセス制御デバイスの追加の構成要素を制御するステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記アクセス制御モジュールの処理構成要素及びメモリ構成要素を介して前記統合アクセス制御デバイスをアクセス制御コンピュータシステムと通信するステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
1又は2以上のプロセッサに、
遊園地に関連付けられた複数の資格及び複数の来園客識別子を受け取るステップと
前記複数の来園客識別子のうち、前記複数の資格のうちの資格に関連付けられていない来園客識別子のセットを決定するステップと
前記遊園地の複数の統合アクセス制御デバイスのうちの前記資格に関連付けられている統合アクセス制御デバイスを決定するステップと
前記統合アクセス制御デバイスを介して前記来園客識別子のセットについて前記資格に関連付けられている遊園地のエリアのスキャンを管理又は開始するステップと
を実行させるための命令を含む、1又は2以上の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記1又は2以上のプロセッサに、前記統合アクセス制御デバイスを介して、前記来園客識別子のセットのうちの来園客識別子に来園客が関連付けられていることに基づいて、前記来園客が前記資格を有していないという指標を出力するステップを実行させるための命令を含む、請求項10に記載の1又は2以上の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記統合アクセス制御デバイスが、センサモジュールを含む、請求項10に記載の1又は2以上の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記センサモジュールが、生体認証センサを含む、請求項12に記載の1又は2以上の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記1又は2以上のプロセッサに、来園客からの解剖学的特徴データを受け取るステップと、前記解剖学的特徴データに基づいて来園客識別情報を決定するステップと、を実行させるための命令を含む、請求項13に記載の1又は2以上の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記1又は2以上のプロセッサに、前記センサモジュールの動作を制御するステップを実行させるための命令を含み、前記センサモジュールの動作は、来園客資格情報に関連付けられるアイテムをスキャンすることを含む、請求項12に記載の1又は2以上の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記統合アクセス制御デバイスが、アクセス制御モジュールを含む、請求項10に記載の1又は2以上の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記1又は2以上のプロセッサに、前記アクセス制御モジュールの動作、又は前記統合アクセス制御デバイスの追加の構成要素、或いはこの両方を制御するステップを実行させるための命令を含む、請求項16に記載の1又は2以上の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
電子デバイスであって、
1又は2以上のプロセッサと、
命令を格納するメモリと、
を備え、
前記命令、前記1又は2以上のプロセッサに、
遊園地に関連付けられた複数の資格及び複数の来園客識別子を受け取るステップと
前記複数の来園客識別子のうち、前記複数の資格のうちの資格に関連付けられていない来園客識別子のセットを決定するステップと
前記遊園地の複数の統合アクセス制御デバイスのうちの前記資格に関連付けられている統合アクセス制御デバイスを決定するステップと
前記来園客識別子のセットについて前記資格に関連付けられている前記遊園地のエリアを前記統合アクセス制御デバイスにスキャンさせるステップと
を実行させる命令である、電子デバイス。
【請求項19】
前記命令前記1又は2以上のプロセッサに、前記来園客識別子のセットのうちの来園客識別子に来園客が関連付けられていることに基づいて、前記来園客が前記資格を有していないという指標を前記統合アクセス制御デバイスに出力させるステップを実行させる命令である、請求項18に記載の電子デバイス。
【請求項20】
前記命令は、前記1又は2以上のプロセッサに、前記複数の統合アクセス制御デバイスのうちの前記資格に関連付けられていない第2の統合アクセス制御デバイスを決定するステップを実行させる命令であり、前記第2の統合アクセス制御デバイスは、前記エリアとは異なる前記遊園地の第2のエリアに関連付けられている、請求項18に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、遊園地の分野に関し、より具体的には遊園地の様々なセクションへのアクセスを管理するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
この段落は、本開示の様々な態様に関連する可能性のある当該技術の様々な態様を読み手に案内することを意図しており、これらの態様は、以下に記載及び/又は特許請求される。この議論は、本開示の様々な態様のより良い理解を容易にするための背景情報を読み手に提供するのに有効であると考えられる。従って、これらの記載は、従来技術の自認としてではなく、この観点から読まれるべきであることを理解されたい。
【0003】
20世紀初頭の創業以来、遊園地の人気は飛躍的に高まっている。この高まる需要に対応するため、遊園地は、アトラクション及びスペースを追加することで拡大している。アトラクション(例えば、乗り物、レストラン、ショップ、及びショー)を追加すると、一般に、より多くの来園客を処理するキャパシティの追加を遊園地にもたらす。しかしながら、アトラクションの追加はまた、潜在的な来園客に遊園地を訪問するインセンティブを提供することができる。従って、特定の遊園地は、キャパシティを追加する場合があるが、キャパシティを追加しても、必ずしも来園客が遊園地の娯楽(例えば、ショッピング、ショーの鑑賞、乗り物への乗車)に参加する能力が向上する、又はアトラクションの待機時間が短くなる訳ではない。これは、多くの場合、それに応じて入場者数が増えることに起因する。更に、より効率的に運営するために、入場者数が少ない状況でアトラクションの利用を制限することが望ましいことが多い。
【0004】
遊園地のアトラクション及び遊園地自体への入場は、来園客が順番待ちの行列をなしている1又は2以上の場所で制御されることが多い。実際に、遊園地の待ち行列は、アトラクションへの許可、遊園地及びその特定の部分に入る資格の購入、来園客の資格の検証、食品及び商品の購入、及びその他多くに関連している場合がある。遊園地の来園客に全体的に有意義な体験を提供するには、待ち行列に関連する特定の問題に対処する必要がある。実際に、来園客は、待ち行列の待機時間及び複数の待ち行列の場所に伴うネガティブな体験に起因して、特定の遊園地に戻ることを思いとどまらせる可能性があることが認識されている。従って、遊園地の待ち行列システム及び方法を改善することで、遊園地の顧客にとってより楽しく有意義な体験をもたらすことができる。
【0005】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、図面全体を通じて同様の文字が同様の部分を表す添付図面を参照しながら、以下の詳細な説明を読むと、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の1つの態様による、様々な資格エリアへの入場を制御する統合アクセス統合制御制御デバイスを備えたアクセス制御システムを有する遊園地の1つの実施形態を概略的に示すブロック図である。
図2】本開示の1つの態様による、複数の統合アクセス制御デバイスを有する入口システムの1つの実施形態の斜視図である。
図3】本開示の1つの態様による、遊園地に入る資格を有する来園客が図2の入口システムを通って進む例示的な状況の斜視図である。
図4】本開示の1つの態様による、来園客が図2の入口システムを通って進み、遊園地に入る資格を持たないと統合アクセス制御デバイスによって識別される、別の例示的な状況の斜視図である。
図5】本開示の1つの態様による、統合アクセス制御デバイスの1つの実施形態の分解斜視図である。
図6】本開示の1つの態様による、ターゲットスキャンを実行することによって入口を通る来園客のアクセスを制御する方法の1つの実施形態を示すプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本技術の1又は2以上の具体的な実施形態について以下で説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、実際の実装の全ての特徴が本明細書に記載されている訳ではない。エンジニアリング又は設計プロジェクトにおいてみられるように、このような実際の実施構成の開発では、実施構成毎に異なる可能性があるシステム関連及びビジネス関連の制約を伴うコンプライアンスなど、開発者固有の目標を達成するために、多くの実施構成固有の決定を行う必要があることを理解されたい。更に、このような開発努力は複雑で時間がかかる可能性があるが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する当業者にとって、設計、製作、及び製造の日常的業務であることを理解されたい。
【0008】
遊園地の様々なエリアにアクセスするために、来園客は、複数のデバイス及び場所を通過するように求められる場合がある。これらには、回転式改札口、金属探知機、生体認証スキャナ、発券などを挙げることができる。各デバイスは、来園客の遊園地及び/又はそのセクションへの入場を遅くし、テーマパーク体験の様々なステージで来園客のフラストレーションレベルを高める可能性がある。
【0009】
従来の手法のこれら及び他の欠点に対処するために、本実施形態は、とりわけ、幾つかの来園客アクセス制御デバイス(例えば、バイオメトリクス(顔、指及び虹彩)、発券、及び金属探知デバイス)を組み合わせて単一の物理デバイス及び統合プロセスに統合することによって、目に見えない回転式改札口体験を提供する。来園客アクセス制御デバイスのシステムは、統合アクセス制御デバイスと呼ばれることがある。このような実施形態によれば、デバイスに格納されたアルゴリズムソフトウェアは、様々なセンサ、個人用モバイルデバイス信号、アクセスカード信号、などから入力(例えば、体型、顔、指、及び/又は虹彩を示すデータ)を受け取ることができる。来園客の識別情報と資格を連続的に評価することにより、統合アクセス制御デバイスは、目に見えない回転式改札口として機能し、すなわち、様々な遊園地の場所への不正アクセスを連続的に評価しながら、来園客が適切な資格を取得し、易流動性の煩わしさのない入場体験を可能にする。
【0010】
特定の実施形態によれば、来園客は、自宅、オンライン、又はオンサイト(遊園地)でシステムに登録することができる。登録時には、統合アクセス制御デバイスは、来園客の顔、指、全身スキャン、虹彩、又は個人用電子機器など他の特徴を介して、来園客のマッチング及び検証を実行することができる。従って、統合アクセス制御デバイスは、来園客がセキュリティチェックポイントを通過するときに、来園客が適切な資格を有しているかどうかを容易に検証することができる。本システムはまた、来園客が個人のモバイルデバイスを介して又は遊園地もしくはアトラクションの入口地点でチームメンバーからの支援を受けて、新しい資格を登録及び追加することができる。
【0011】
統合アクセス制御デバイスは、様々な環境で迅速な輸送及び配備を可能にするモジュラー設計を有することができる。設計のモジュール性によりまた、要求に応じて、アクセス制御デバイスの全部又は一部を追加又は削除することができる。例えば、アクセス制御デバイスの追加又は削除は、リアルタイムの遊園地内入場者数、スケジュールされたイベント(例えば、特別なイベント)などに基づくことができる。従って、統合アクセス制御デバイスは、来園客のスループットを大幅に改善し、来園客の待ち時間を短縮し、統合アクセス制御デバイスのインストールと削除の柔軟性に基づいて、全体的な遊園地入場体験を向上させることができる。
【0012】
本開示の統合アクセス制御デバイス及びシステムは、遊園地内及びその周辺の様々な異なる設定及び場所で使用することができる。説明を助けるために、図1は、統合アクセス制御システム12の1つの実施形態を利用する遊園地10の例示的な実施形態の概略図である。図に示すように、遊園地10は、遊園地10及び/又は遊園地10内の場所へ来園客のアクセスを制御する様々な統合アクセス制御デバイス16(例えば、16A及び16B))の動作を調整するアクセス制御コンピュータシステム14を含む。より具体的には、アクセス制御コンピュータシステム14は、アクセス制御に関連する様々な制御動作を実行する処理及びメモリ回路を有し、本明細書に記載の技術の実施中に使用される様々なデータを格納する1又は2以上のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0013】
アクセス制御コンピュータシステム14は、遊園地の様々なセクションに関連付けられる様々な入口位置18(例えば、18A及び18B)に位置付けることができる統合アクセス制御デバイス16と組み合わせて動作する1又は2以上の特別に構成されたサーバコンピュータとして実装することができる。図1の実施形態では、遊園地10のこれらの異なるセクションは、資格エリア20(例えば、20A及び20B)として表記される。図示の資格エリア20は、アトラクション(例えば、乗り物、ショーエリア、ゲームエリア)22(例えば、22A、22B)、レストラン24(例えば、24A、24B)、ショップなど、それぞれの関心領域を含む。資格エリア20のそれぞれの入口18に位置付けられた統合アクセス制御デバイス20は、一般に、各エリア20の入口18を通る来園客のアクセスを制御する。
【0014】
統合アクセス制御デバイスs16とアクセス制御コンピュータシステム14の調整は、ネットワーク26を介して行うことができる。ネットワーク26は、複数のイーサネット接続を含む有線ネットワークとすることができ、或いは、何れかの適切な無線通信プロトコルに従って動作する無線ネットワークとすることができる。例えば、ネットワーク26〔WLAN〕、無線広域ネットワーク〔WWAN〕、又は近距離無線通信〔NFC〕ネットワーク)とすることができる。ネットワーク26は、統合アクセス制御デバイス16及びアクセス制御コンピュータシステム14の様々な構成要素間の通信及び調整を可能にする。図示のような、アクセス制御コンピュータシステム14の構成要素は、来園客情報又は来園客登録データベース28、資格データベース30、及びアクセス制御データベース32を含むことができる。アクセス制御コンピュータシステム14にローカルなワークステーション、並びに本明細書に記載のアクセス制御技術の動作を容易にすることができる他のデータベース又はコンピュータデバイスなど、具体的に図示されていない他の構成要素は、アクセス制御コンピュータシステム14の一部として含めることができる。
【0015】
来園客登録データベース28は、来園客に関連する様々な識別情報などの来園客登録データを含むことができる。識別情報は、例として、来園客の1又は2以上の写真、他の登録済み及び/又は未登録の来園客(例えば、家族)との来園客関連付け、生体認証データ、来園客の個人用電子機器に関連するデータ、来園客識別番号、家族識別番号、個人用電子機器識別番号などを含むことができる。来園客登録データは、特定の実施形態では、本明細書に記載される他のタイプのデータとの関連付けを容易にする方法で格納することができる。
【0016】
このようなデータの1つのセットは、資格データベース30によって格納することができ、資格データベースは、様々な来園客を様々な資格、チケット、資格データを格納させたリストバンドなどと関連付ける資格データを含むことができる。資格データの格納は、幾つかの様々な方法で実装することができる。例えば、資格データは、来園客登録データ及び/又は来園客の名前又は来園客に関連する他の情報(例えば、特定の来園客に関連付けられた番号又はコード)に関連付けることができる。多くの場合、特定の来園客は、第1の資格エリアへの入場に関連付けられているが、第2の資格エリアには関連付けられていない資格など、特定の資格に関連付けることができる。更に、資格データベース30は、以下に説明するように、来園客情報を資格のないエリアに関連付けることができる。アクセス制御データベース32は、様々なアクセス制御アルゴリズム、資格エリアの履歴アクセスに関連する日付、及び同様のものを含むことができる。特定の実施形態では、アクセス制御コンピュータシステム14は、来園客に関連する各識別子(例えば、各写真、指紋、網膜又は虹彩スキャン、又は他の生体認証データなどの来園客登録データの各インスタンス)をその特定の来園客の来園客登録データと関連付けることができる。これにより、以下に説明するセンサの何れか1つ又はその組み合わせが、識別している来園客情報を取得することができ、次いで、これを用いて、来園客が、特定の資格エリアに効率的な手法でアクセスできる(又はできない)ようにすることができる。言い換えると、来園客登録データを来園客資格(購入)データに直接リンク付けすることにより、特定の実施形態では、アクセス制御コンピュータシステム14及び/又は統合アクセス制御デバイス16に関連するコンピューティングデバイスが実行することができるプロセスの数を削減し、資格エリアへの来園客アクセスを許可又は拒否するのに専用のメモリ、記憶スペース、及び/又はネットワークリソースの量を低減することができる。
【0017】
アクセス制御データベース32は、本明細書に記載の様々なアクセス制御プロセスを実行するアルゴリズム、各統合アクセス制御デバイス16に関連する識別情報(例えば、インターネットプロトコル(IP)アドレス及び/又は遊園地10内の場所)、各統合アクセス制御デバイス16に関連付けられたセンサ情報、センサの識別情報(例えば、各センサが個別にアドレス指定可能な状況において)、センサに関連する履歴データ、センサに関連する保守情報などを格納することができる。
【0018】
図1にも示されているように、統合アクセス制御デバイス16は、アクセス制御デバイス34及びモジュラーセンサデバイス36などの幾つかの異なる構成要素を含むことができる。特定の実施形態では、アクセス制御デバイス34及びモジュラーセンサデバイス36は、モジュール方式で共に組み合わせ又は配向されて、統一された構造を形成することができる。統一された構造は、ポール、アーチ道、戸口など様々な形をとることができる。モジュラーセンサデバイスは、その場所(例えば、入口18で)に近接する来園客を示す情報を検知又は収集するように構成することができる。
【0019】
各モジュラーセンサデバイス36によって収集される情報のタイプは、特定のタイプのセンサデバイスに依存することができる。以下で更に詳細に説明するように、例えば、モジュラーセンサデバイス36は、生体認証センサ、顔認識カメラ及び関連する識別回路、金属探知機、有線通信デバイス、バーコードスキャナなどを含むことができる。
【0020】
モジュラーセンサデバイス36とアクセス制御デバイス34は、相互に通信することができ、場合によっては、アクセス制御コンピュータシステム14と通信して、アクセス制御デバイス34が、様々なモジュラーセンサデバイス36の動作を調整し、幾つかの状況では、様々な制御アルゴリズムに基づいてアクセス制御をアクティブにすることができるようになる。様々な制御アルゴリズムは、統合アクセス制御デバイスにてローカルに実行すること、又はアクセス制御コンピュータシステム14でリモートで、もしくは両方の組み合わせで実行することができる。例えば、アクセス制御デバイス34は、モジュラーセンサデバイス36から特定のタイプの来園客識別情報を受け取ることに応答して、幾つかの方法でアクセス制御動作を実行することができる。一例として、アクセス制御デバイス34は、異なる場所(例えば、アトラクション22、レストラン24、又はショップ)間のアクセスを物理的にブロックする機械的特徴を作動させることによって、アクセス制御動作を実行することができる。別の例として、アクセス制御デバイス34は、信号をリモートデバイスに中継することによってアクセス制御動作を実行することができ、リモートデバイスは、特定のゲストがゲストを登録できるエリアに案内されるべきであり、これらの登録が1又は2以上の特定の資格に関連付けられることを公園の従業員に通知する。
【0021】
上記を念頭に置いて、図2は、図1の遊園地10への入口18、図1の資格エリア20又は同様のものに関連付けることができる入口システムの1つの実施形態の斜視図である。図2の入口システム50は、来園客の所持品のスクリーニング、来園客情報の来園客登録データベース28への登録、来園客識別情報の決定及び検証、並びに来園客資格の照合についての種々の特徴を含む。図示の入口システム50はまた、入口システム50の制御デバイスによって生成された出力に基づいて、遊園地の様々な場所に来園客を案内するために遊園地の従業員が配置され得る場所(例えば、キオスク又は指示台)を含むことができる。
【0022】
より具体的には、入口システム50の図示された構成要素は、遊園地10において許可されていないアイテムについて手荷物をスキャンする任意の適切なタイプのデバイス又はシステムとすることができる手荷物スキャナ52を含む。例として、このようなスキャナ52は、透過する電磁放射を利用して、手荷物及び手荷物に含まれるもののビューを生成することができる。入口システム50はまた、手荷物又は他の身の回り品を手荷物スキャナを介して移動させる移動ベルト又はコンベヤーベルト54を含む。
【0023】
第1の統合アクセス制御デバイス16Aは、手荷物スキャナ52に隣接して位置付けられ、コンベヤーベルト54の積載部分5とコンベヤーベルトの回収部分との間にある。第1の統合アクセス制御デバイス16Aは、来園客が通過することができるアーチ(図1のアクセス制御デバイス34を含むか、又はその一部とすることができる)として示され、入口システム50が遊園地10への入口18にある状況では、「登録アーチ」16Aと呼ぶことができる。登録アーチ16Aは、来園客が通り抜けることができるアーチの形状をとることができ、生体認証センサ60、金属探知機62、並びに生体認証登録フィードバックインジケータ64など、来園客からの情報を検出又は来園客に情報を中継する複数の一体型構成要素を含む。生体認証センサ60(例えば、顔面生体認証センサ及び/又は全身スキャナを含む)及び金属探知機62は、来園客に関連する情報を決定又は識別することができ、一方、生体認証登録フィードバックインジケータ64は、来園客の登録に関連する幾つかの態様又は詳細を示す。フィードバック(例えば、来園客への)を提供することができる。登録アーチ16Aは、限定ではないが生体認証センサ60及び金属探知機62を含む複数のセンサを組み込むことができる。これらのセンサを使用して、登録アーチ16Aは、来園客登録の実行を容易にすることができる。例えば、登録アーチ16Aは、生体認証センサ60を利用して、来園客をスキャンし、適切な登録手順を実行し、来園客が登録されると、フィードバックインジケータ64がそれに応じて信号を送ることができる(例えば、来園客が登録されていることの確認をすることにより)。図2の第1の統合アクセス制御デバイス16Aは、登録アーチとして描かれているが、統合アクセス制御デバイス16A(例えば、図1にて記載されるように)は、任意の適切な構造、形状、幾何学的構成、寸法の態様などを含むことができる。
【0024】
来園客の登録に関するフィードバックは、例えば、来園客の来園客登録データベース28への登録状態、来園客登録データベース28への来園客資格の検証又は同様のものを示すことができる。より具体的には、フィードバックインジケータ64は、来園客が十分な識別情報を提供したことに対応し、これによりシステムへの以前の登録を示し、これ以上の登録プロセスが必要ではない検証指標を提供又は出力することができる。或いは、フィードバックインジケータ64は、来園客がスキャンされて登録されている間は待機するように来園客に指標を提供又は出力することができる。追加的又は代替的に、フィードバックインジケータ64は、生体認証センサ60又は同様の特徴を使用してスキャンすると、来園客が登録されて続行できることを視覚的及び/又は聴覚的に確認することができる。更に、フィードバックインジケータ64は、来園客が遊園地の活動に参加するために更なる登録を必要とすることなど、来園客に他の何れかの適切な指標を提供することができる。
【0025】
図2の図示の実施形態では、第2の統合アクセス制御デバイス16Bは、登録アーチ16Aを超えて位置付けられる。特定の実施形態では、第2の統合アクセス制御デバイス16Bは、資格検証を実行する。図示の第2の統合アクセス制御デバイス16Bは、全身生体認証センサ66を含む。第2の統合アクセス制御デバイス16Bはまた、多因子センサ68を含み、これは、例えば、来園客の手、目、又は他の物理的特徴に関する情報を収集することができるセンサを含むことができる。追加的又は代替的に、多因子センサ68は、来園客に関連する電子デバイス(例えば、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、又は電子デバイス又は識別タグが埋め込まれた遊園地入場ブレスレット)、来園客が携帯するチケットなどを識別することができる。
【0026】
第2の統合アクセス制御デバイス16Bはまた、資格検証フィードバックインジケータ70を含む。資格検証フィードバックインジケータ70はまた、来園客が適切に登録されている場合、及び/又は来園客の登録情報が遊園地に入る資格に対応又はマッチしている場合に適切な指標を提供することができる。例えば、第2の統合アクセス制御デバイス16Bは、アクセス制御コンピュータシステム14の来園客登録データベース28及び/又は来園客資格データベース30に照会して、来園客の識別情報が適切な資格に関連付けられているかどうかを決定する内部制御回路を含むことができる。次いで、制御回路は、必要に応じて、視覚的及び/又は聴覚的フィードバックインジケータ(例えば、資格検証フィードバックインジケータ70の)1又は2以上をアクティブにすることができる。従って、第2の統合アクセス制御デバイス16Bの近くに配置された修正指示台51に位置する遊園地の従業員は、遊園地10のアトラクション22又は資格エリア20に向かうよう、或いは来園客が遊園地10のセクションにアクセスするために資格を購入できる遊園地10の別の場所へ向かうように来園客に指示することができる。
【0027】
図3及び図4は各々、来園客が入口システム50を進み、登録及び資格検証を経て、様々なアクセス制御デバイス16の動作に応じた方式で入口18を進むことができる手法の実施例を示している。具体的には、図3の実施例80では、第1のステップにて、来園客84が入口18(例えば、遊園地10への)のセキュリティに近づき、移動ベルト54の積載部分56に所持品を置く。来園客84は、手荷物スキャナによって所持品をスキャンしている間、第2のステップ88において登録アーチ16Aを通って歩きながら顔及び体をスキャンしてもらう。この時点で、第1の統合アクセス制御デバイス(登録アーチ)16Aは、来園客の顔及び体をスキャンし、その生体認証プロファイルを登録する。
【0028】
来園客84は、第3のステップにおいて、金属物体のスキャンを含むことができる第1の統合アクセス制御デバイス16Aを通過し、第2の統合アクセス制御デバイス16Bは、来園客の資格の検証を実行する。例えば、第2の統合アクセス制御デバイス16Bの全身生体認証センサ66は、来園客をスキャンし、来園客の識別情報を決定して、識別情報を、第2ステップにおいて登録された格納情報並びに資格データベース30に格納された資格情報と比較することができる。第2の統合アクセス制御デバイス16Bはまた、来園客の識別情報がスキャンされた通りに登録情報(例えば、登録データベース28に格納されている)と一致するとの決定、及び/又は登録情報が遊園地10に入る資格と関連付けられているとの決定に応じて、来園客の資格が検証されたと決定することができる。第2の統合アクセス制御デバイス16Bは、資格が有効であるという視覚的指標を生成することができる。例えば、指標は、青信号の出力又はチェックマークの表示など、第2の統合アクセス制御デバイス16B(例えば、登録フィードバック検証インジケータ70)のインジケータの一部の出力を含むことができる。
【0029】
状況によっては、視覚的指標は、遊園地の従業員を対象としたものであり、周囲の来園客の知覚を目的としたものではない場合がある。従って、資格検証インジケータ70を監視して、来園客の進み方(例えば、遊園地10に入る、又は修正指示台51に誘導される)を決定する第1の遊園地従業員(例えば、92)が存在する可能性がある。他の実施形態では、人間の従業員ではなく、来園客に特定の方法で進むよう指示する、及び/又は来園客の進行を物理的にブロックする1又は2以上のデバイスが存在する場合がある。例えば、来園客に特定の場所に進むように指示するテキスト及び/又はグラフィックでの表示が存在することができる。第4のステップ94では、登録が検証され、登録フィードバック検証インジケータ70が緑色に点灯しているので、来園客84は、自分の持ち物を受け取って、遊園地10の資格エリア20に向かう。
【0030】
図4に示されている実施例110では、第1及び第2のステップ82、88は、図3の実施例08に関して説明したように進行する。しかしながら、来園客84が登録アーチ16Aを通過すると、第2の統合アクセス制御デバイス16Bは、この場合は、来園客の資格が見つからないか又は無効であると決定する。この決定に応じて、第2の統合アクセス制御デバイス16Bの一部(例えば、登録フィードバック検証インジケータ70)は、図3の例示例80において記載された指標とは異なる指標を提供する。例えば、第2の統合アクセス制御デバイス16Bのフィードバックインジケータ70は、赤色に点灯又は「X」を表示することができ、或いは、来園客84が第4のステップ112に示されるように指示台(例えば、51)に向かって進む必要があるという、遊園地の従業員(例えば、92)に提供される他の何れかの視覚的又は聴覚的指標が存在する場合がある。指示台51では、遊園地の従業員114は、修復デバイス116を利用することができる。修復デバイス116は、遊園地の従業員114が、来園客の識別情報を1又は2以上の特定の資格に関連付けることを可能にすることができる。場合によっては、来園客の識別情報を1又は2以上の特定の資格に関連付けることができない場合など、来園客84は、追加の資格を購入することができるチケット発行場所に誘導されることがある。第5のステップ118に示すように、来園客84がこれらのアクションを実行すると、来園客84は、遊園地10の様々な資格エリア20に進むことができる。
【0031】
図5は、統合アクセス制御デバイス16Bの1つの例示的な実施形態の分解斜視図である。具体的には、図5は、統合アクセス制御デバイス16Bの様々な構成要素と、これらの構成要素がどのように物理的及び通信的に相互に結合できるかを示している。図示の統合アクセス制御デバイス16Bは、特定の幾何学的構成を有する統合構造を形成するために一般に共に組み合わされる複数のモジュラー構成要素を含む。図示のように、図5の統合アクセス制御デバイス16Bの幾何学的構成は、極又は円筒(図1のアクセス制御デバイス34を含むか、又はその一部とすることができる)である。しかしながら、他の実施形態では、幾何学的構成は、遊園地10に関連するテーマのある入口エリア1に一体化することができる他の何れかの形状とすることができる。この点で、統合アクセス制御デバイス16の特定の実施形態の1つの態様は、これらが特定の遊園地アトラクション22のテーマに容易に一体化できることであり、これは一般にアクセス制御デバイス16のカモフラージュに対応することができる。統合アクセス制御デバイス16のこの特定の態様は、アクセス制御デバイスが直ぐに見られ、エリア(例えば、20)を互いから明確にする一般的な構成とは対照的に、アトラクション22間のより臨場感がありシームレスな体験に望ましいとすることができる。統合アクセス制御デバイス16の構造、幾何学的構成、形状、寸法の態様などは、図1のアクセス制御デバイス34を含むか、その一部とすることができることを理解されたい。更に、図2図5の第2の統合アクセス制御デバイス16Bは、極又は円筒として描かれているが、統合アクセス制御デバイス16B(例えば、図1に記載されるように)は、任意の適切な構造、形状、幾何学的構成、寸法的態様などを含むことができる。
【0032】
統合アクセス制御デバイス16Bの構成要素は、一般に、来園客識別情報を決定する1又は2以上のセンサモジュール130(図1のモジュール式センサデバイス36を含むか、又はその一部とすることができる)を含み、来園客識別情報は、顔認識情報、体型情報、虹彩情報、指紋情報、又は来園客の解剖学的構造に関連する他の情報に対応することができる。追加又は代替として、統合アクセス制御デバイス16Bは、来園客資格情報に関連付けることができるアイテムをスキャンするセンサモジュールを組み込むことができる。このようなアイテムは、資格情報を格納するチップ有するリストバンド、バーコード又は資格情報をエンコードしたクイックレスポンス(QR)コードを有するチケット及び同様のものを含むことができる。更に、特定のセンサモジュール130は、タブレット、スマートフォン、又は同様のデバイスなど、来園客84の個人用電子デバイスと通信するように構成された通信デバイスを組み込むことができる。
【0033】
図示の構成要素は、床、天井、壁などの表面136又は他の構造物に取り付けるマウント134を有するベース132を含む。他の実施形態では、マウント134は、単に地面上に置くことができる。マウント134はまた、電力及び/又はデータ伝送ラインを受け取るポートを含むことができる。ベース132はまた、マウント134に結合されたベースモジュール又はアクセス制御モジュール138を含むことができる。アクセス制御モジュール138は、統合アクセス制御デバイス16Bの他のモジュール式構成要素(例えば、センサモジュール130)の動作の調整を可能にする処理及びメモリ構成要素を組み込むことができる。例えば、アクセス制御モジュール138は、統合アクセス制御デバイス16Bの動作を制御する(例えば、1又は2以上のメモリデバイスに格納された機械可読命令を1又は2以上のプロセッサに実行させることによって)適切に構成された制御回路(例えば、1又は2以上のプロセッサ及び1又は2以上のメモリデバイスの形態)を有するローカル制御システムを組み込むことができる。ローカル制御システムはまた、アクセス制御システム14と通信する通信回路を含めることができる。このため、アクセス制御モジュール138(又は統合アクセス制御デバイス16Bの代替の構成要素)に配置されたローカル制御システムは、来園客登録データベース28及び/又は資格データベース30への書き込みデータの照会を実行し、及び/又はアクセス制御データベース32においてアルゴリズムを実行し、データを更新し、又は同様のことを行うことができる。代替又は追加の実施形態では、アクセス制御モジュール138は、ベースモジュール11から分離することができ、従って、センサモジュール130間(例えば、130A、130B、及び130C)、又は統合アクセス制御デバイスの上部近く(例えば、キャップモジュール140に隣接した)など、統合アクセス制御デバイス16Bのモジュールに対して何れかの適切な位置にて別個のモジュールとして配置することができる。従って、このような実施形態では、ベースモジュール138は、アクセス制御モジュールの処理及びメモリ構成要素又はローカル制御システムを含まない場合がある。
【0034】
図示の実施形態では、ベースモジュール138は、キャップモジュール140とは反対側の統合アクセス制御デバイス16Bの第1の端部に位置付けられる。キャップモジュール140は、一般的に、統合アクセス制御デバイス16Bの内部構成要素を密封することができる。特定の実施形態では、キャップモジュール140は、アンテナ、無線通信デバイス、又は他の同様の特徴などの様々な構成要素を組み込むことができる。
【0035】
図5に示す統合アクセス制御デバイス16Bのセンサモジュール130は、ベースモジュール138とキャップモジュール140の間に配置された、第1のセンサモジュール130A、第2のセンサモジュール130B、第3のセンサモジュール130Cを含む。これらの種々のモジュール130は、様々な方法で組み合わせることができる。しかしながら、図示の実施形態では、各モジュラー構成要素(センサモジュール130を含む)は、オスコネクタ142及びメスコネクタ144を含む。オスコネクタ142及びメスコネクタ144は、様々なモジュラー構成要素間の確実な接続を可能にするために互いに相補的な物理的特徴を含むことができる(例えば、締まり嵌め又はスナップ嵌めを介して)。
【0036】
更に、モジュラー構成要素130は、通信及び電力伝送を可能にする様々な特徴を含むことができる。第1のセンサモジュール130Aにて具体的に示されるように、センサモジュール130の物理的構造は、ハウジング146、ハウジング146を通って延びる通信バス148、及びハウジング146を通って延びる電力バス150を含むことができる。通信バス148及び/又は電力バス150は、様々なモジュラー構成要素130のハウジング146内に一体化されるか、又は露出することができる。しかしながら、特定の実施形態によれば、各モジュラー構成要素130の通信バス148及び電力バス150は、異なるモジュラー構成要素130間の容易な接続を可能にするために、少なくともそれぞれのオスコネクタ142及びメスコネクタ144で露出することができる。本発明の実施形態は、統合アクセス制御デバイス16Bの効率的な組み立て、分解、保守、及びカスタマイズを提供する。モジュール(例えば、モジュラー構成要素130)の線形配置、垂直スタッキング、単純な通信インターフェイスなどは、従来の手法に比べてこれらの効率上の利点を提供する。
【0037】
非限定的な実施例として、第1のセンサモジュール130Aは、第1のセンサ152を含むことができ、これは、近距離無線通信デバイスなどの様々な通信デバイスの何れか1つ又は組み合わせを含むことができる。例示的な実施構成として、第1のセンサ152は、来園客84の個人用電子デバイス及び/又はリストバンドなどの格納された資格情報を組み込んだウェアラブル特徴と通信することができる。
【0038】
第2のセンサモジュール130Bは、第1のセンサモジュール130Aの1又は複数のセンサ152とは異なる別のタイプのセンサを含むことができる。実際に、本実施形態によれば、統合アクセス制御デバイス16Bのセンサ構成要素(例えば、152)は、例えば、統合アクセス制御デバイス16Bが配備される場所に関連する特定の要件セットに基づいて混合及びマッチさせることができる。例えば、図2に示すような入口システム50が、特定のタイプの検出器を組み込んでいる場合、統合アクセス制御デバイス16Bは、遊園地10内の管理されたアクセスエリアにて冗長性が望ましくない場合には、必ずしも当該タイプの検出器を組み込まなくてもよい。冗長性が望ましい場合には、同じタイプの複数のセンサモジュール130を同じ統合アクセス制御デバイス16Bで使用することができる。
【0039】
例として、第2のセンサモジュール130Bは、来園客84に関連する受け取った音声データと格納された音声データとの間のマッチングを可能にする、マイクロフォン及び関連の音声認識回路などの音声認識技術を含むことができる。追加的又は代替的に、第2のセンサモジュール130Bは、統合アクセス制御デバイス16Bによって実行される様々な検証手順に応答して、視覚的フィードバックを提供する照明(例えば、発光ダイオード(LED))などの一連のフィードバックインジケータ(例えば、70)を組み込むことができる。
【0040】
第3のセンサモジュール130Cは、第1及び第2のセンサモジュール130A、130Bとは異なる第3のタイプのセンサ又は第3のセンサセットを組み込むことができる。例として、第3のセンサモジュール130Cは、カメラ及び関連する顔認識制御回路などの様々な生体認証センサを含むことができる。本開示に従って、あらゆるタイプの生体認証センサ又は顔認識システムを利用することができる。従って、理解されるように、統合アクセス制御デバイス16Bは、アクセス制御モジュール又はベースモジュール138と通信可能に結合して、来園客情報を識別し、当該情報を格納された来園客情報と比較して、識別された来園客84に関連付けられた資格を識別し、来園客84が特定のエリア(例:20)に入るのが明らかであるかどうかを示すフィードバックを提供することができる、1つの統合構造に複数の異なるセンサタイプを組み込む。
【0041】
本実施形態によれば、何れかの特定の入口エリア18における来園客84は、当該エリア18に関連する統合アクセス制御デバイス16によってスキャンすることができる。特定の状況では、これにより、特定の入口エリア18における全ての来園客84がスキャンされる結果となる場合がある。このスキャンに続いて、来園客の情報は、格納されている来園客の登録及び資格データと比較することができる。しかしながら、特定の遊園地においては、特定の入口エリア18に存在することができる人数は、比較的多い場合がある点に留意されたい。すなわち、スキャンして資格情報を検証する極めて多くの人が存在する場合がある。これらのコンピュータ実装手順は、大規模なプロセッサ負荷の大きいものとすることができ、従って、遊園地10全体にわたって様々な場所で来園客84がスキャンされ資格が検証される方法を制御することによって、来園客のスキャン及び資格の検証に割り当てられるリソースの量を低減することが望ましいとすることができる。
【0042】
本開示の統合アクセス制御デバイス16が来園客84をスキャンして資格情報を検証し、有意義なフィードバックを提供して、遊園地10全体の来園客の流れを制御することができる効率を高めることが望ましいとすることができることは、認識されている。図6は、本開示の統合アクセス制御デバイス16を用いて遊園地エリア(例えば、20)への入場を制御する方法160のプロセスフロー図である。本方法160は、アクセス制御コンピュータシステム14及び1又は2以上の統合アクセス制御デバイス16の組み合わせにより実行することができる。
【0043】
一般的に、本方法160は、全ての来園客84の全ての来園客識別子に関連する全ての情報を照会して、資格情報の検証をするのではなく、来園客84の来園客識別子を、特定の領域(例えば、20)の資格に関連付けられていない来園客識別子のセットと比較することを含む。動作162として示される本方法160の第1の動作において、アクセス制御コンピュータシステム14などのシステムは、資格及び来園客識別情報(例えば、生体認証データ、個人用電子デバイスデータ)のリストを受け取ることができる。追加又は代替として、統合アクセス制御デバイス16は、資格及び来園客識別子のリストを受け取ることができる。
【0044】
動作164において、システム14は、各資格に関連付けられていない来園客識別子(例えば、来園客識別子のセット)を識別又は決定することができる。すなわち、特定の資格については、各資格に関連付けられていない来園客識別子のリストが生成される。従って、特定の資格に関連付けられている各統合アクセス制御デバイス16は、資格ステータスに関係なく全ての来園客84の全ての来園客識別子に関連する全ての情報を照会して資格情報を検証するのではなく、当該特定の資格に関連付けられていない来園客識別子のみをスキャンする。
【0045】
このため、本方法10はまた、動作166に示すように、複数の統合アクセス制御デバイス16がそれぞれの資格に関連付けられることを含む。例えば、図1に示す統合アクセス制御システム12を参照すると、資格エリア20Aに関連付けられた統合アクセス制御デバイス16Aが存在し、資格エリア20Bに関連付けられた異なる統合アクセス制御デバイス16Bが存在する。この位置決めは、統合アクセス制御デバイス16のそれぞれの資格に対応するエリア(例えば、20)における複数の統合アクセス制御デバイス16の展開を含む、動作168に対応することができる。或いは、統合アクセス制御デバイス16は、特定の場所に位置付けることができ、この関連する資格は、展開時に更新することができる。
【0046】
動作170において、本方法160は、当該エリアにおいて来園客84の来園客識別データについてそれぞれのエリアをスキャンするステップを含む。例として、再度図1に戻ると、資格エリア20Aに関連付けられた統合アクセス制御デバイス16Aは、当該入口エリア18において来園客84をスキャンし、来園客識別子を受け取ることになる。同様に、資格エリア20Bに関連付けられた統合アクセス制御デバイス16Bは、当該入口エリア18Bにおける来園客84をスキャンし、来園客の来園客識別子を受け取ることになる。
【0047】
動作172では、本方法160は、スキャンされた来園客識別子を、それぞれの資格に関連付けられていない来園客識別子のリスト又はセットと比較するステップを含む。図1の例では、資格エリア20Aに関連付けられた統合アクセス制御デバイス16Aは、スキャンされた来園客識別子を、資格エリア20Aの当該資格に関連付けられていない来園客識別子(例えば、動作164において生成されたような)のリストと比較することができる。同様に、資格エリア20Bに関連付けられた統合アクセス制御デバイス16Bは、スキャンされた来園客識別子を、資格エリア20Bの資格に関連付けられていない来園客識別子のリストと比較することになる。有利には、統合アクセス制御デバイス16は、それぞれの資格に関連付けられていない来園客識別子のリストよりも遙かに大きく広範囲に及ぶ可能性がある、全ての来園客識別子の全リストとスキャンされた来園客識別子を比較する必要を回避することができる。このターゲットスキャン方法を実行することで、統合アクセス制御デバイス16及びアクセス制御コンピュータシステム14によって処理する必要のある情報量を削減することによって、様々な資格エリア20へのアクセス制御に関連する処理負荷を軽減できることが認識されている。
【0048】
図6の方法160はまた、動作174において対応する資格に関連付けられていない来園客の識別又は決定に応じて指標を出力するステップを含む。例えば、統合アクセス制御デバイス16は、入口エリア18をスキャンし、入口エリア18に関連する遊園地エリア(例えば、20)に入る資格を持たない来園客84を識別し、このような来園客84を識別することに応じて動作174に従って、来園客84が遊園地エリア20に入る資格を持たないという指標を提供する。提供される指標は、識別された来園客84の入口パスの物理的な遮断(例えば、ゲートを自動的にロックすることによる)とすることができ、或いは、来園客84又は周囲の来園客に知覚されないが、従業員が来園客84を適切な場所に誘導できるように遊園地の従業員(例えば、タブレットなどの携帯型電子デバイスを介して)に提供されるより繊細な指標とすることができる。追加的又は代替的に、指標は、統合アクセス制御デバイス16(例えば、トーン又は照明光)にて生成される視覚的及び/又は聴覚的効果とすることができ、或いは、接続されたショー効果のアクティブ化とすることができる。従って、遊園地10の来園客84は、トーン、照明光、又はショー効果がアトラクション22のテーマの不可欠な部分とすることができると認識する場合があるが、遊園地の従業員は、その指標を来園客資格の発行を示すものとして認識し、これに応じて適切なアクションを実行することができる。
【0049】
本明細書では、本開示の特定の特徴のみが図示及び説明されているが、当業者には多くの修正及び変更が想起されるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の精神に含まれる全てのこのような修正及び変更を包含することを意図していることを理解されたい。上記で検討された図に関して図示又は説明された特徴の何れもあらゆる適切な方法で組み合わせることができる点を理解されたい。
【0050】
本明細書で提示され特許請求された技術は、本発明の技術分野を明らかに改善する有形物及び実際的な性質の具体例に参照及び適用され、このため、抽象的、無形又は純粋に理論上のものではない。更に、本明細書に添付されたあらゆる請求項が、「ある機能を実行する手段」又は「ある機能を実行するステップ」として指定された1又は2以上の要素を包含する場合には、このような要素は、米国特許法第112条第6項に基づいて解釈されることを意図している。しかしながら、他の何れかの様態で指定された要素を含む何れかの請求項については、このような要素は、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されないものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6