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特許7544904自動工具管理システムにおける工具較正状態の監視
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】自動工具管理システムにおける工具較正状態の監視
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20240827BHJP
   B25B 23/14 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
B65G1/137 B
B25B23/14 640Z
B25B23/14 620J
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023075571
(22)【出願日】2023-05-01
(62)【分割の表示】P 2020519032の分割
【原出願日】2018-09-27
(65)【公開番号】P2023120181
(43)【公開日】2023-08-29
【審査請求日】2023-05-30
(31)【優先権主張番号】62/567,510
(32)【優先日】2017-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594174105
【氏名又は名称】スナップ - オン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フライ,デイビッド・シィ
(72)【発明者】
【氏名】リプシー,マシュー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス,プレストン・シィ
(72)【発明者】
【氏名】ニューポート,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ロボ,アンドリュー・アール
(72)【発明者】
【氏名】チュワン,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ロジャーズ,フレデリック・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ライアン,ショーン・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】カスーフ,トマス・エル
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/117032(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第102011001076(DE,A1)
【文献】特開2008-307671(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0170370(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101715383(CN,A)
【文献】特開2014-013568(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
B25B 23/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動較正監視システムであって、
較正対象在庫品を含む在庫品を保管する複数の保管場所と、
前記自動較正監視システムに関連しかつ前記自動較正監視システムの前記複数の保管場所に保管される前記較正対象在庫品を含む在庫品に関する情報を保管するデータベースとを備え、
前記データベースは、前記較正対象在庫品の較正パラメータ値をさらに保管し、
前記較正対象在庫品が前記自動較正監視システムから発給されるときまたは前記自動較正監視システムに返却されるときに、前記較正対象在庫品の較正測定結果を前記較正対象在庫品の前記較正パラメータ値と比較し、前記較正測定結果と前記較正パラメータ値との比較において結果として生じる失敗に基づいて警報を発するプロセッサをさらに備える、自動較正監視システム。
【請求項2】
前記プロセッサに通信可能に接続され、かつ前記較正測定結果を得るために前記較正対象在庫品の較正測定を行う較正測定装置をさらに備え、
前記較正測定装置は、得られた前記較正測定結果を前記プロセッサに伝達する、請求項1に記載の自動較正監視システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記結果として生じる失敗に関連する前記較正対象在庫品を返却するための可聴指示または可視指示のうちの少なくとも1つを生成するようにさらに構成されている、請求項1に記載の自動較正監視システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、修理場所または再較正作業に関連する可聴指示または可視指示のうちの少なくとも1つを生成するようにさらに構成されている、請求項1に記載の自動較正監視システム。
【請求項5】
前記警報は、状況警報を含み、
前記状況警報は、前記較正対象在庫品を再較正すること、または前記較正対象在庫品に関連する作業命令書にフラグを立てることのプロセスを含む、請求項1に記載の自動較正監視システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記較正対象在庫品が前記自動較正監視システムから発給されるときまたは前記自動較正監視システムに返却されるときに、前記較正測定装置に前記較正対象在庫品の較正目標値を送信し、
前記プロセッサは、前記較正目標値の前記送信の後に、前記較正測定装置から得られた前記較正測定結果を受信する、請求項に記載の自動較正監視システム。
【請求項7】
前記データベースに保管された前記較正パラメータ値は、前記データベースに保管された前記較正パラメータ値の許容範囲を含み、
前記プロセッサは、前記較正測定結果が前記較正パラメータ値の前記許容範囲内である場合に、前記較正対象在庫品の発給または返却を選択的に許可する、請求項1に記載の自動較正監視システム。
【請求項8】
前記複数の保管場所において在庫品の存在または不在を判断するために前記プロセッサによって使用される情報を検知する検知装置をさらに備え、
前記プロセッサは、前記検知装置によって検知される前記情報に基づいて前記複数の保管場所の一保管場所における前記較正対象在庫品の存在を判断する、請求項1に記載の自動較正監視システム。
【請求項9】
前記検知装置は、前記自動較正監視システムの保管場所の画像を撮影する画像センサを含み、
前記プロセッサは、前記画像センサによって撮影された前記画像において前記較正対象在庫品が存在するか否かを判断することによって、前記較正対象在庫品の存在を判断する、請求項に記載の自動較正監視システム。
【請求項10】
前記自動較正監視システムに関連する各在庫品は、前記在庫品を一意に識別するタグを有し、
前記プロセッサは、前記検知装置によって検知される前記情報において在庫品を一意に識別する前記タグを認識することによって、前記複数の保管場所の前記一保管場所に存在する前記在庫品を一意に識別する、請求項に記載の自動較正監視システム。
【請求項11】
前記自動較正監視システムに関連する各在庫品は、前記在庫品を一意に識別する無線周波数識別(RFID)タグを有し、
前記自動較正監視システムは、前記複数の保管場所の中にある在庫品の前記無線周波数識別(RFIDタグを読み取るRFIDセンサをさらに備える、請求項10に記載の自動較正監視システム。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記較正対象在庫品の前記比較された前記較正測定結果が前記較正対象在庫品の前記較正パラメータ値と合わないと判断する場合に、前記較正対象在庫品に関連しかつ前記較正対象在庫品の以前の較正測定について最後に保管された記録より後の前記較正対象在庫品の発給に対応する作業命令の全記録を、前記データベースから検索する、請求項に記載の自動較正監視システム。
【請求項13】
自動較正監視システムで在庫品の較正を自動監視する方法であって、
在庫品の存在または不在を検知する前記自動較正監視システムのセンサを使って、較正監視の対象となる較正対象在庫品を識別するステップと、
前記自動較正監視システムに通信可能に接続されかつ複数の在庫品の各較正パラメータ値を保管するデータベースから、前記識別するステップによって識別された前記較正対象在庫品の較正パラメータ値を検索するステップと、
前記較正対象在庫品の較正測定結果と前記較正対象在庫品の前記検索するステップによって検索された前記較正パラメータ値との比較に基づいて、前記識別するステップによって識別された前記較正対象在庫品の較正状態を判断するステップと
前記較正対象在庫品の前記較正状態が失敗であるとの判断に基づいて警報を発するステップとを含む、方法。
【請求項14】
前記失敗に関連する前記較正対象在庫品の返却、前記較正対象在庫品の修理場所、または前記較正対象在庫品の再較正作業を含む、可聴指示または可視指示のうちの少なくとも1つを生成するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記自動較正監視システムは、前記判断の結果に従って前記自動較正監視システムの保管場所からの前記較正対象在庫品の発給または返却を選択的に許可する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記判断するステップの前に、前記自動較正監視システムに通信可能に接続されかつ前記較正対象在庫品の較正測定を行う較正測定装置から、前記較正対象在庫品の前記較正測定結果を受信するステップをさらに含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記較正測定装置に前記較正対象在庫品の較正目標値を送信するステップをさらに含み、
前記自動較正監視システムは、前記送信するステップによる前記較正目標値の送信の後に、前記較正測定装置から前記較正測定結果を受信する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記自動較正監視システムに関連する各在庫品は、前記在庫品を一意に識別するタグを有し、
前記自動較正監視システムは、前記センサによって検知される情報において前記較正対象在庫品を一意に識別する前記タグを認識することによって、前記較正対象在庫品を一意に識別する、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記自動較正監視システムに関連する各在庫品は、前記在庫品を一意に識別する可視タグを有し、
前記自動較正監視システムは、前記自動較正監視システムの画像検知装置によって撮影された画像で前記較正対象在庫品の前記可視タグを識別することによって、前記較正対象在庫品を識別する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記自動較正監視システムに関連する各在庫品は、前記在庫品を一意に識別する無線周波数識別(RFID)タグを有し、
前記自動較正監視システムは、前記較正対象在庫品の前記無線周波数識別(RFIDタグを読み取ることによって、前記較正対象在庫品を識別する、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、参照により開示の全内容が本明細書に援用される、2017年10月3日に米国特許商標局に提出された米国仮特許出願第62/567,510号の利益を主張する。
【0002】
本主題は、自動工具管理システムにおいて工具についての工具較正状態を監視する技術および機器に関する。
【背景技術】
【0003】
産業では、組み立て、保守、および修理作業でファスナを正確に締めるためにトルクレンチが長らく利用されている。これは航空宇宙産業に特に当てはまることであり、航空宇宙産業ではトルクレンチの使用が必要であり、厳重に管理されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
航空宇宙産業やその他の産業では、使用者が定期的にトルクレンチを較正する必要がある。通常、較正にあたっては、使用者が工具のトルク試験を行い、使用者がトルク試験の結果を記録簿に記録して先々参照できる工具較正記録を作り、使用者がトルク試験の結果に依存して工具を使用するべきか否かを判断する。工具の較正と記録の手順は通常、使用者によって手作業で行われるため、較正と記録では人的ミスが生じることがある。たとえば、トルク試験の結果が間違って記録されたり、間違った目標範囲が使われたりすると、工具からファスナに不明で間違っている可能性のあるトルク荷重がかかるにもかかわらず、ファスナにトルクをかけて締める際に、間違った較正値を有するトルクレンチが使われ続ける可能性がある。この状況が判明すると、較正不良のレンチによってトルクがかけられた各ファスナの接合(たとえば、そのレンチの最後に正確に記録された較正作業以降にトルクをかけられた全てのファスナの接合)は疑わしく、通常はチェックして再度トルクをかけなければならない。
【0005】
したがって、工具の較正状態を自動的に監視し、較正状態に基づいて自動工具管理システムからの工具の工具チェックインおよびチェックアウトを管理するように構成されたシステムの必要性がある。
【0006】
本明細書の教示は上記の問題のいずれか1つ以上を軽減し、自動較正監視システムを使って工具やその他の在庫物品の較正状態を自動的に監視する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によると、自動較正監視システムは、較正対象在庫品を含む在庫品を保管する複数の保管場所と、データベースと、プロセッサとを備える。データベースは、自動較正監視システムに関連しかつ自動較正監視システムの複数の保管場所に保管される較正対象在庫品を含む在庫品に関する情報を保管する。データベースは、較正対象在庫品の較正パラメータ値をさらに保管する。プロセッサは、較正対象在庫品が自動較正監視システムから発給されるときまたは自動較正監視システムに返却されるときに、較正対象在庫品の較正測定結果を較正対象在庫品の較正パラメータ値と比較する。
【0008】
プロセッサは、比較の結果に従って較正対象在庫品の発給または返却を選択的に許可してもよい。
【0009】
自動較正監視システムは、プロセッサに通信可能に接続され、かつ較正測定結果を得るために較正対象在庫品の較正測定を行う較正測定装置をさらに備えてもよい。較正測定装置は、得られた較正測定結果をプロセッサに伝達してもよい。
【0010】
較正対象在庫品は、トルクレンチであってもよく、較正測定器は、トルクテスタであってもよい。
【0011】
プロセッサは、較正対象在庫品が自動較正監視システムから発給されるときまたは自動較正監視システムに返却されるときに、較正測定装置に較正対象在庫品の較正目標値を送信するようにさらに構成されてもよい。プロセッサは、較正目標値の送信の後に、較正測定装置から得られた較正測定結果を受信してもよい。
【0012】
データベースに保管された較正パラメータ値は、データベースに保管された較正パラメータ値の許容範囲を含んでよく、プロセッサは、較正測定結果が較正パラメータ値の許容範囲内である場合に、較正対象在庫品の発給または返却を選択的に許可してもよい。
【0013】
自動較正監視システムは、複数の保管場所において在庫品の存在または不在を判断するためにプロセッサによって使用される情報を検知する検知装置をさらに備えてもよい。プロセッサは、検知装置によって検知される情報に基づいて複数の保管場所の一保管場所における較正対象在庫品の存在を判断してもよい。
【0014】
検知装置は、自動較正監視システムの保管場所の画像を撮影する画像センサを含んでもよく、プロセッサは、画像センサによって撮影された画像において較正対象在庫品が存在するか否かを判断することによって、較正対象在庫品の存在を判断してもよい。
【0015】
自動較正監視システムに関連する各在庫品は、在庫品を一意に識別するタグを有してもよく、プロセッサは、検知装置によって検知される情報において在庫品を一意に識別するタグを認識することによって、複数の保管場所の一保管場所に存在する在庫品を一意に識別してもよい。
【0016】
自動在庫管理システムに関連する各在庫品は、在庫品を一意に識別する無線周波数識別(RFID)タグを有してもよく、自動在庫管理システムは、複数の保管場所の中にある在庫品のRFIDタグを読み取るRFIDセンサをさらに備えてもよい。
【0017】
データベースは、較正対象在庫品の以前の発給に関連する作業命令の記録を保管してもよく、データベースは、較正対象在庫品の以前の較正測定の記録を保管してもよい。
【0018】
プロセッサは、較正対象在庫品の比較された較正測定結果が較正対象在庫品の較正パラメータ値と合わないと判断する場合に、較正対象在庫品に関連しかつ較正対象在庫品の以前の較正測定についての最後に保管された記録より後の較正対象在庫品の発給に対応する作業命令の全記録を、データベースから検索してもよい。
【0019】
本開示のさらなる態様によると、自動較正監視システムで在庫品の較正を自動監視する方法は、在庫品の存在または不在を検知する自動較正監視システムのセンサを使って、較正監視の対象となる較正対象在庫品を識別するステップを含む。自動較正監視システムに通信可能に接続されかつ複数の在庫品の各較正パラメータ値を保管するデータベースから、識別された較正対象在庫品の較正パラメータ値が検索される。較正対象在庫品の較正測定結果と較正対象在庫品の検索された較正パラメータ値との比較に基づいて、識別された較正対象在庫品の較正状態が判断される。
【0020】
自動較正監視システムは、判断の結果に従って自動較正監視システムの保管場所からの較正対象在庫品の発給または返却を選択的に許可してもよい。
【0021】
方法は、判断するステップに先立ち、自動較正監視システムに通信可能に接続されかつ較正対象在庫品の較正測定を行う較正測定装置から、較正対象在庫品の較正測定結果を受信するステップをさらに含んでもよい。
【0022】
較正対象在庫品は、トルクレンチであってもよく、較正測定器は、トルクテスタであってもよい。
【0023】
方法は、較正測定装置に較正対象在庫品の較正目標値を送信するステップをさらに含んでもよく、自動較正監視システムは、較正目標値の送信の後に、較正測定装置から較正測定結果を受信する。
【0024】
自動較正監視システムに関連する各在庫品は、在庫品を一意に識別するタグを有してもよく、自動較正監視システムは、センサによって検知される情報において較正対象在庫品を一意に識別するタグを認識することによって、較正対象在庫品を一意に識別してもよい。
【0025】
自動在庫管理システムに関連する各在庫品は、在庫品を一意に識別する可視タグを有してよく、自動在庫管理システムは、自動在庫管理システムの画像検知装置によって撮影された画像で較正対象在庫品の可視タグを識別することによって、較正対象在庫品を識別してもよい。
【0026】
自動在庫管理システムに関連する各在庫品は、在庫品を一意に識別する無線周波数識別(RFID)タグを有してもよく、自動在庫管理システムは、較正対象在庫品のRFIDタグを読み取ることによって、較正対象在庫品を識別してもよい。
【0027】
さらなる利点と新しい特徴は、ある程度は以降の説明に示され、ある程度は以降の説明と添付の図面を調べることによって当業者にとって明白となり、例の製作または操作によって学ぶことができる。本教示の利点は、以下で論述する詳しい例に示された方法、手段、および組み合わせの様々な態様の実践または運用によって実現し達成することができる。
【0028】
図は、制限の目的ではなく、専ら例示の目的で、本教示による1つ以上の実装を示すものである。図で同様の参照番号は同じ要素か類似する要素を指している。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1A図1Aは、本明細書で説明する較正監視作業をサポートできる自動較正監視装置の機能ブロック図である。
図1B】本明細書で説明する較正監視作業をサポートできる自動較正監視システムの機能ブロック図である。
図2A】本明細書で説明する較正監視作業をサポートできる自動工具管理システムの斜視図である。
図2B図2Aに示された自動工具管理システムの開いた引き出しの上面図である。
図2C図2Aに示された自動工具管理システムやその他の自動較正監視装置で在庫品を一意に識別するために使用できる様々な例示的タグを示す。
図2D図2Aに示された自動工具管理システムやその他の自動較正監視装置で在庫品を一意に識別するために使用できる様々な例示的タグを示す。
図2E図2Aに示された自動工具管理システムやその他の自動較正監視装置で在庫品を一意に識別するために使用できる様々な例示的タグを示す。
図3A図1Aおよび図1Bに示されたもののような自動較正監視装置および/またはシステムでの自動較正監視作業のサポートに関わる方法を示す簡略化された流れ図を示す。
図3B図1Aおよび図1Bに示されたもののような自動較正監視装置および/またはシステムでの自動較正監視作業のサポートに関わる方法を示す簡略化された流れ図を示す。
図3C図1Aおよび図1Bに示されたもののような自動較正監視装置および/またはシステムでの自動較正監視作業のサポートに関わる方法を示す簡略化された流れ図を示す。
図3D図1Aおよび図1Bに示されたもののような自動較正監視装置および/またはシステムでの自動較正監視作業のサポートに関わる方法を示す簡略化された流れ図を示す。
図3E図1Aおよび図1Bに示されたもののような自動較正監視装置および/またはシステムでの自動較正監視作業のサポートに関わる方法を示す簡略化された流れ図を示す。
図4A図1Aおよび図1Bに示されたもののような自動較正監視装置および/またはシステムのコンポーネント間での較正監視作業の提供に関わる情報の流れを示す簡略化された機能ブロック図を示す。
図4B図1Aおよび図1Bに示されたもののような自動較正監視装置および/またはシステムのコンポーネント間での較正監視作業の提供に関わる情報の流れを示す簡略化された機能ブロック図を示す。
図4C図1Aおよび図1Bに示されたもののような自動較正監視装置および/またはシステムのコンポーネント間での較正監視作業の提供に関わる情報の流れを示す簡略化された機能ブロック図を示す。
図4D図1Aおよび図1Bに示されたもののような自動較正監視装置および/またはシステムのコンポーネント間での較正監視作業の提供に関わる情報の流れを示す簡略化された機能ブロック図を示す。
図5】たとえば、図1Bの自動較正監視システムで較正サーバーまたは在庫管理サーバーとして機能してデータベースをサポートする、ホストまたはサーバーとして構成されてよいコンピュータの簡略化された機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
詳細な説明
以降の詳しい説明には、関連のある教示を十分に理解できるようにするため、多数の具体的詳細が例として記載されている。ただし、そのような詳細がなくとも本教示を実践できることは当業者にとって明白である。場合によっては、本教示の態様を不必要に曖昧化することを避けるため、周知の方法、手順、コンポーネント、および/または回路は、詳細をまじえず比較的大まかに説明されている。
【0031】
本明細書で開示される様々なシステムおよび方法は、自動工具管理システムにおける工具較正状態の自動監視に関する。
【0032】
工具較正状態の自動監視は、電子トルクテスタなどの較正測定器または装置を使って行われる。較正測定装置は自動在庫管理システムなどの自動較正監視装置と通信可能なように接続され、自動較正監視装置は、較正対象トルクレンチやその他の較正対象工具などの較正対象装置を保管し、システムからの工具の発給/取り出しとシステムへの工具の返却を監視する。較正測定装置は、工具の較正値を保管する較正データベースとさらに通信する。自動較正監視装置は、そこに保管された工具(ならびにその他物品、在庫品と通常呼
ばれる)を一意に識別し、なおかつ工具/物品のトルク測定などの較正測定の結果に基づいて、保管所からの個々の工具/物品/在庫品の発給を、および/または保管所への工具/物品の返却を、選択的に許可するように構成される。稼働中に、電子トルクテスタなどの較正測定装置は、自動較正監視装置から工具/物品の一意な識別情報を受信し、較正データベースから識別された工具/物品の較正値を検索し、検索した較正値に基づいて較正測定を行う。次に、自動較正監視装置は、較正測定結果が工具/物品の許容範囲内か否かを判断し、判断の結果に基づいて(たとえば、工具/物品が正確に較正されているとの判断に基づいて)、自動較正監視装置からの工具/物品の発給を、および/または自動較正監視装置への工具/物品の返却を、選択的に許可する。
【0033】
一例において、工具/物品は、較正データベースに保管された事前に較正された最大トルク値をかけるように設計された較正対象トルクレンチである。この例で、自動較正監視装置は、トルクレンチに貼付されたタグまたは識別子に基づいてトルクレンチを一意に識別し、使用者が自動較正監視装置からトルクレンチを取り出したことを検出する。この検出に基づき、自動較正監視装置は、トルクレンチの現在の較正を試験するよう使用者を促し、測定の目的で、トルクレンチの較正値を電子トルクテスタに伝達する。伝達された較正値に基づいてトルクレンチに対しトルク測定が行われると、自動較正監視装置は、測定結果が較正値を取り巻く許容範囲に入っているか否かを判断し、自動較正監視装置からのトルクレンチの発給を許可する。ただし、測定結果が較正値を取り巻く許容範囲から外れていると、自動較正監視装置は使用者に警告し、トルクレンチを再較正のため自動較正監視装置に返却することを使用者に指示する。
【0034】
通常、自動較正監視装置に保管される工具やその他の在庫物品は、自動較正監視装置によって個別に識別可能である。この目的のため、見た目は互いに似たように見える工具/物品(たとえば、2つの見た目が同じトルクレンチ)を一意に/個別に識別することを可能にするため、工具/物品は工具/物品に貼付されたタグやその他の識別子を有してもよい。タグまたは識別子はツールのシリアル番号やその他の一意な識別子を符号化したものでよく、工具/物品の一意な識別子によって各工具/物品の較正状態を個別に監視して記録することを可能にする。各工具/物品の較正は、自動較正監視装置からの工具/物品の発給のたびに、または自動較正監視装置への工具/物品の返却のたびに、および/または予め計画されたスケジュールに従って、および/または前回の較正測定以降の発給/返却数に基づいて周期的に、または同様の方法で、監視できる。
【0035】
各工具/物品の発給および/または返却には作業命令または業務命令をさらに関連付けることができ、工具/物品の最近記録された較正測定値には作業命令または業務命令の一部として行われる作業(たとえば、ボルトやファスナの締め付け)を関連付けることができる。こうして、工具/物品が次の較正測定作業のときに較正範囲外と判断された場合のため、較正測定の合間に工具/物品によって行われた全ての作業の記録が監査のため作られる。
【0036】
これより、添付の図面に示され以下に論述される例を詳しく参照する。
【0037】
図1Aは、図2Aに図示された較正監視装置として機能する自動工具管理システム200など、自動較正監視装置100のコンポーネントを示すブロック図である。自動較正監視装置100は、たとえば図1Bのブロック図に示された自動較正監視システム190の一部として使われてよい。
【0038】
図1Aに示されているように、自動較正監視装置100は、物品/工具を保管する保管場所130と、自動較正監視装置100で物品/工具の在庫状況を判断する1つ以上の検知サブシステム150とを含んでいる。加えて、自動較正監視装置100は、ユーザイン
ターフェース105、アクセス管理装置106、およびネットワークインターフェース108のいずれか1つ以上を含んでよい。自動較正監視装置100はまた、較正装置160や他の自動較正監視装置と直接通信するための直接有線通信インターフェースを、またはBluetooth通信インターフェースなどの無線通信インターフェースを含んでよい。
【0039】
保管場所130は自動較正監視装置100の本体の中に設けられ、この中で工具/物品を安全に保管できる。保管場所130は、1つ以上の保管引き出し(たとえば、図2A図2Cの230を参照されたい)、棚、キャビネットドアなどを含んでよい。
【0040】
ユーザインターフェース105は、ディスプレイ(たとえば、タッチ感応式ディスプレイ)、キーボード、マウスまたはタッチパッド、スピーカ、マイクロフォンなどの1つ以上のユーザ入力/出力装置を含んでよい。ユーザインターフェース105は、(たとえば、ディスプレイを通じて)装置100の使用者に向けて情報を出力するために、および/または(たとえば、タッチ感応式入力装置を通じて)使用者から入力や選択を受け取るために、使用されてもよい。
【0041】
アクセス管理装置106は、装置100にアクセスしようとする使用者から識別情報を受け取るカード読み取り装置(たとえば、IDカード読み取り装置)や虹彩スキャナなどのいずれか1つ以上を含んでよい。アクセス管理装置106はまた、無許可のアクセスの試みを検出した場合に警報を出すために使われる警報器と、許可された使用者が装置100にログインされない場合に保管場所130を安全にロックするか保管場所130へのアクセスをブロックするために使われるロック機構を含んでよい。
【0042】
ネットワークインターフェース108は、自動較正監視装置100が、1つ以上の有線または無線ネットワークにまたがって、他のネットワーク化された自動較正監視装置(たとえば、図1Bの100a~100n)、較正装置(たとえば、図1Bの160a~160m)、較正データベース170、自動在庫管理データベース(たとえば、図1Bの180)、および/または複数の自動較正監視装置100にわたって物品/工具の較正と在庫状況を監視するために使用できるネットワーク化された自動較正監視システム190(図1B参照)のその他のコンポーネントと、通信することを可能にする。
【0043】
自動較正監視装置100は、較正装置160(たとえば、較正測定装置)および較正データベース170を含むように、またはこれらと連係するように、さらに構成される。図1Aの破線で示されているように、較正装置160と較正データベース170は、自動較正監視装置100の中に配置されてよく、自動較正監視装置100と直接連係してもよい。あるいは、較正装置160と較正データベース170は自動較正監視装置160から独立して配置されてもよく、有線または無線通信リンクおよび/またはネットワーク(たとえば、図1Bを参照されたい)を通じて自動較正監視装置100に通信可能なように接続されてもよい。
【0044】
後ほどさらに詳しく説明するように、較正装置160は工具/物品の較正状態を測定するために使われてよい。いくつかの例において、較正装置160は、トルクレンチの出力トルクを測定するように構成されたトルクテスタやその他のトルク測定装置の形をとってよい。たとえば、較正装置160は、圧電トルク変換器がフレームに取り付けられ、トルク測定値を取り、トルク測定値を自動較正監視装置100に伝達する働きをする働きをする、トルクテスタなど、電子トルクテスタであってよい。較正装置160は、使用者に向けて較正測定結果(たとえば、トルク測定値)を表示するディスプレイを任意選択により含む。様々な例において、較正装置160内のトルク変換器は、様々な付与トルク荷重を測定するサイズであってよい。加えて、有線または無線通信インターフェースまたはリン
クを通じて較正測定データを転送することを可能にするため、較正装置160は、自動較正監視装置100に、またはネットワークに、通信可能なように接続されてもよい。
【0045】
上記の説明では、工具/物品とこれに関連する較正装置160としての較正対象トルクレンチと関連トルクテスタの一例を詳述しているが、自動較正監視装置100は他種の較正対象工具に使用することもできる。一例として、較正対象トルクレンチは、較正装置160による測定のために関連トルク較正値および/または角度較正値を有してもよい。別の一例として、較正対象工具は、較正装置160による測定のために関連トルク較正値および/または角度較正値を有するトルクスクリュードライバであってよい。さらなる一例として、精密な距離/幅/長さ測定に精密キャリパが使われてよく、その較正は、精密測定器具などの較正装置160を使って測定および監視されてもよい。別の一例として、精密な電圧、電流、および抵抗測定に電気測定用のデジタルマルチメーターが使われてよく、その較正は、精密電圧/電流/抵抗測定器などの較正装置160を使って測定および監視されてもよい。
【0046】
自動較正監視装置100は、自動較正監視装置100の機能を制御するコンピュータなどのデータ処理システム140をさらに含んでいる。データ処理システム140は、在庫管理の目的で、検知サブシステム150から受信した検知データを処理し、検知データに基づいて保管場所130と物品/工具の在庫状況を判断する。一例において、データ処理システム140は、カメラやその他の画像検知装置によって撮影された画像を、および/またはRFIDセンサによって受け取られた信号を処理する。データ処理システム140は、1つ以上のプロセッサ142(たとえば、マイクロプロセッサ)と、メモリ144(非一時的メモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)などを含む)とを含んでいる。メモリ144は、自動較正監視装置100に本明細書で説明されているような較正監視機能や在庫管理機能を遂行させるプログラム命令を保管するプログラムメモリを含んでいる。メモリ144は物品/工具情報のデータベースも含んでおり、物品/工具情報は、物品/工具の識別子、物品/工具の画像、物品/工具の(たとえば、RFIDまたはバーコードタグの)タグ情報、物品/工具の在庫状況および較正状態情報などを含んでよい。プログラム命令はさらに、後ほどさらに詳しく説明するように、物品/工具の較正測定結果を得るため、装置100に較正装置160と通信させる。
【0047】
図1Aの自動較正監視装置100のコンポーネントは、たとえば通信バスやその他の通信リンクを通じて互いに通信可能なように接続されている。データ処理システム140は、自動較正監視装置100の動作を制御するため、非一時的機械可読記憶媒体(たとえば、メモリ144)に保管されたプログラム命令などのプログラム命令を実行する中央処理装置(CPU)として機能する。加えて、検知サブシステム150と較正装置160は、プログラム命令を実行して、検知/監視/測定作業に関係する機能を遂行する働きをするマイクロプロセッサを含んでよい。
【0048】
自動較正監視装置100はまた、ネットワークインターフェース108を通じて、有線および/または無線ローカルエリアおよび/またはワイドエリアネットワーク(たとえば、インターネット)と通信できる。たとえば、図1Bの自動較正監視システム190に示されているように、監視システム190は複数の自動較正監視装置100a~100nを含んでよい。それぞれの自動較正監視装置(たとえば、100a)は、1つ以上の他の自動較正監視装置(たとえば、100n)と、および/または、較正装置160a~160m、較正データベース170(たとえば、較正データベースを保管する較正サーバーを含む)、自動在庫管理データベース180(たとえば、在庫管理データベースを保管する在庫管理サーバーを含む)など、自動較正監視システム190を形成する他の要素と、通信できる。この場合、自動較正監視装置100aは、ネットワークにまたがって他のシステムおよび/またはサーバーと通信でき、較正測定、在庫状況、保管された物品/工具、お
よび作業データに関する情報を、それらのシステムおよび/またはサーバーとやり取りできる。代わりに、または加えて、自動較正監視装置100aは、たとえば較正装置160a~160mやその他のコンポーネントとの直接有線または無線(たとえば、Bluetooth)リンクを通じて、システム190の一部のコンポーネントと直接通信できる。
【0049】
図1Bに示されたネットワーク化された較正監視システムでは、Windows Communication Foundation(WCF)、または同様の技術を利用して、装置とデータベースの通信を可能にするために使われる「ネットワークサービス」を作ることができる。具体的に述べると、装置とデータベースの通信では、WCFに適合するプロトコルおよび形式など、一般的なプロトコルと情報形式を使用し、在庫、較正、およびその他情報を保管し、装置およびサーバー間で簡単にやり取りが可能になる。
【0050】
自動較正監視装置100は、工具の較正状態(たとえば、トルク較正状態)を監視する、図2Aに示されているような、自動工具管理システム200の形をとってよい。図示された自動工具管理システム200は、自動工具管理(ATC)工具箱の形をとっているが、より一般的にはATC収納庫、ATC工具庫などの形をとってもよい。自動工具管理システム200は、直接有線または直接無線通信リンクを通じて、もしくは有線または無線ネットワークを通じて、較正装置160として機能する圧電トルク試験/測定装置などのトルク較正装置207に接続される。トルク較正装置207は、図2Aに図示されているように自動工具管理システム200上に取り付けされてよく、あるいは自動工具管理システム200から独立して、または自動工具管理システム200から隔てられて、設けられてもよい。
【0051】
図2Aには示されていないが、自動工具管理システム200は、トルク工具使用および較正データを含む、工具関連データを保管し検索するためのデータベース(たとえば、メモリ144に保管される物品データベース、および/または較正データベース170、および在庫管理データベース180)を含んでいる。データベースは自動工具管理システム200にあってよく(たとえば、図1Aを参照されたい)、あるいはネットワークインターフェースを通じて自動工具管理システム200に通信可能なように接続されてもよい(たとえば、図1Aおよび図1Bを参照されたい)。
【0052】
自動工具管理システム200は、1つ以上の検知技術を利用して保管設備内の工具やその他の物品の在庫状況を特定する高度に自動化された在庫管理システムの一例である。本開示で使われている在庫状況という用語は、保管システムにおける物品の有/無または存在/不在に関する情報を、および/または工具管理システム200とその保管場所130からの物品の発給に関する情報を、または工具管理システム200とその保管場所130への物品の返却に関する情報を意味する。様々な例において、在庫状況は、工具管理システム200がそこに保管されるように構成された物品の在庫状況を特定するために使用するマシンイメージング、無線周波数(RF)検知、および/またはその他の検知方法を用いて確認される。
【0053】
図2Aの各々に示されているように、工具管理システム200は、ユーザインターフェース205と、工具管理システム200に向かう使用者の身元と権限レベルを検証するカード読み取り装置などのアクセス管理装置206と、工具を保管する複数の工具保管引き出し230とを含んでいる。引き出し230の代わりに、保管システムは、工具や物品が発給および/または返却される、あるいは物品が発給および/または返却される保管装置を収容する、棚、区画、トレー、容器、またはその他の物品保管装置を含んでよい。さらなる例において、保管システムは、保管用フック、ハンガー、引き出し付き工具箱、収納庫、棚および/またはドア付きキャビネット、金庫、箱、クローゼット、販売機、たる、クレート、およびその他の資材保管手段を含む。
【0054】
ユーザインターフェース205は、工具較正および測定情報を含む情報を使用者に向けて表示するように構成された工具管理システム200の入力および/または出力装置である。アクセス管理装置206は、工具保管引き出し230への使用者のアクセスを制限または許可するために使われる。アクセス管理装置206は、1つ以上の電子制御ロック装置または機構を使用し、アクセス管理装置206が保管システムにアクセスする使用者を認証し許可するまでは、一部または全部の保管引き出し230を閉位置でロックされた状態に保つ。アクセス管理装置206は、保護区域や物品保管装置へのアクセスを要求する使用者を電子的に特定し、特定した使用者に許可または却下するアクセスレベルを判断するためのプロセッサとソフトウェアとをさらに含む。アクセス管理装置206は、管理システム200へのアクセスが使用者に許可されると判断する場合に、使用者の権限レベルに応じて一部または全部の保管引き出し230のロックを解除し、使用者が工具を取り出したり元に戻したりすることを許す。具体的に述べると、アクセス管理装置206はシステムに対する所定認可アクセスレベルを識別でき(たとえば、全ての引き出し230に対するアクセスを提供する全面的アクセスレベル、特定の引き出し230のみに対するアクセスを提供する部分的アクセスレベルなど)、それらの所定認可アクセスレベルに基づいて三次元空間や物品保管装置への使用者の物理的アクセスを許可または拒否できる。アクセス管理装置206は、較正不良と確認された工具を保管する引き出し230に対する使用者のアクセスを拒否するために、および/または較正不良と確認された工具が適切な保管場所に戻されるまでは保管された工具に対する使用者のアクセスを拒否するために、使われてもよい。
【0055】
工具管理システム200は1つ以上の異なる検知サブシステムを含んでいる。説明のための一例において、工具保管システム200は、1つ以上のカメラを使ってシステムの内容や保管場所の画像を撮影するように構成された画像ベースの検知サブシステムを含んでいる。画像検知サブシステムは、そこにある工具/物品やそこにない工具/物品を特定するため画像を処理し、処理した画像データに基づいて在庫状況を判断するようにさらに構成される。画像検知サブシステムは、1つ以上のレンズ方式カメラ、CCDカメラ、CMOSカメラ、ビデオカメラ、または画像を撮影する他種装置を含んでよい。
【0056】
工具管理システム200は、1つ以上のRFIDアンテナと、RFIDトランシーバと、RFIDプロセッサとを含むRFID検知サブシステムを、追加で、または代わりに含んでよい。RFID検知サブシステムは、在庫管理システム200のRF方式スキャンが行われるときに、RFIDトランシーバおよびアンテナを通じてRF検知信号を放出し、RF検知信号の放出に応じて、工具またはその他在庫品上に取り付けられた、あるいは工具またはその他在庫品に組み込まれた、RFIDタグから、RFIDアンテナおよびトランシーバによって検知されるRFID信号を受信し、個々の工具または在庫品を識別するため、受信したRFID信号を処理するように構成される。具体的に述べると、受信したRFID信号を処理することで、返されたRFID信号に含まれているタグ識別データを抽出し、タグ識別データとシステムで保管されている工具データとの連関に基づいて工具管理システム200に置かれている個々の工具または在庫品を識別できる。
【0057】
図2Bは、管理システム200の開位置にある説明のための1つの引き出し230の詳細図を示している。保管引き出し230は、工具切り欠き281などの、工具を保管する複数の保管場所を有するフォームベース280を含んでいる。それぞれの切り欠きは、対応する形状を有する工具をぴったり受け入れる輪郭と形状になっている。工具は、フック、ベルクロ、ラッチ、フォームからの圧力などを用いてそれぞれの保管場所に固定されてもよい。
【0058】
通常、それぞれの保管引き出し230は、様々な種類の工具を保管する複数の保管場所
を含んでいる。本開示で使われている保管場所とは、物品を保管または固定する保管システム内の場所である。いくつかの実施形態では、それぞれの工具に、工具保管システムの中で予め指定された特定の保管場所がある。他の実施形態では、複数の保管場所が同様の(または同じ)形状を有してよく、数個の同様の形状をした工具が複数の保管場所のいずれかに置かれてよい。
【0059】
図2Bに示されているように、引き出し230内の1つ以上の工具は、工具上に、または工具内に、取り付けられた、または貼付された、識別タグ231aおよび231bなどの一意な識別子を有してもよい。識別タグは、RFIDタグ、バーコードタグなどであってよい。RFIDタグの場合、RFIDタグは、タグ231aなど、工具の表面に配置されてよく、したがって使用者にとって可視であってよく、あるいはRFIDタグは、タグ231bのように、工具の中に配置されてもよく、あるいは使用者にとって不可視であってもよい。通常、バーコードタグは、タグ231aなど、工具の表面に配置される。
【0060】
図2C図2Eに図示されているように、工具上に配置されるタグは可視であってよく、それぞれのタグでは、タグが配置される工具に固有の識別子を符号化してもよい。可視のタグは工具上に配置されてよく、この場合は工具保管システム200の画像検知システムにとって可視となる。たとえば、タグは、画像ベースの検知サブシステムによる認識のため可視パターンを有するタグ231c(図2Cおよび図2D)を、あるいは、工具上に、または工具内に、配置され、符号化されたRFID読み取り可能(または他の無線読み取り可能)コードを有するタグ231d(図2E)を含んでよい。可視コードとRFID読み取り可能コードの両方を含む組み合わせタグが使われてもよい。在庫管理データベース180、較正データベース170、および物品データベース(メモリ144内に保管)のいずれか1つ以上は、それぞれのタグの一意な識別子を関連する物品/工具に関する情報と共に保管するので、工具タグの識別子に基づいてそれぞれの物品/工具に関する情報をデータベースから検索できる。
【0061】
タグは、ポリカーボネート、ポリエステル、またはその他の適当な素材で形成されてよく、タグが取り付けられる工具に接着するために、接着性の裏当てを有してもよい。一例において、タグで符号化される情報は、図2Cの説明的な例に示されているように(図では、白色、紫色、赤色、黒色、暗い青色、明るい青色、緑色、および黄色の縞が示されている)、様々な色の帯または縞を使って符号化される。原色および/または混色が使われてよい。タグ上のそれぞれの色縞は数字(または英数字)と同じであり、色の組み合わせでコードを作る。図2Cに描かれた実施形態では、全ての縞が同じ長さと幅を有しているが、他の実施形態では、隣接する縞が異なる長さおよび/または幅を有してもよい。
【0062】
検知サブシステム150がRF方式の検知サブシステムを含む実装では、RF検知サブシステムは、システム100/200の全ての保管場所130および保管引き出し230に置かれた工具のRFIDタグを検知するように構成されてよく、あるいはシステム100/200の保管場所130または引き出し30の特定のサブセットに置かれた工具のRFIDタグを検知するように構成されてもよい。一例において、RF検知サブシステムは、システム200の最上位および最下位引き出し230のみに置かれた工具のRFIDタグを検知するように構成され、RF検知サブシステムは、システム200内の最上位および最下位引き出し230の真上に配置されたRFIDアンテナを含んでおり、それらの引き出しに置かれた工具のRFIDタグを検知する。別のRFIDアンテナ構成を用いることもできる。
【0063】
上述したように、自動較正監視装置100は、工具などの保管物品の較正状態を監視するように構成される。これより、工具などの在庫物品の較正状態を自動的に監視する作業を概説する簡略化された流れ図を示す図3A図3Eに関して、自動較正監視装置100
の作業を説明する。
【0064】
図3Aは、物品/工具の較正状態を自動的に監視する方法300の簡略化された流れ図を示している。図3Aに示されているように、方法は、ステップ301で少なくとも1つの物品/工具の在庫状況の変化を検出することを含む。たとえば、自動較正監視装置100は、その検知サブシステム150を使って、1つ以上の物品/工具の在庫状況が変化したことを検出する。一例において、自動較正監視装置100は、装置100の保管場所130に以前保管されていた物品/工具が、保管場所から取り出されたことを、あるいは保管場所から発給されたことを検出できる。別の一例において、自動較正監視装置100は、装置100に以前保管されていなかった物品/工具が、装置100の保管場所130に置かれたことを、あるいは装置100の保管場所130に返却されたことを、検出できる。さらなる一例において、自動較正監視装置100は、たとえば、検知サブシステム150のRFセンサのRF読み取り範囲内に物品/工具が置かれた結果、物品/工具が検知サブシステム150の検知および検出範囲に入ったことを検出できる。たとえば、較正装置160の近くに置かれたRFIDセンサは、その検知範囲内で物品/工具のRFIDタグを検出でき、これによりステップ301を履行できる。
【0065】
ステップ301での検出に応じ、自動較正監視装置100は、ステップ305での物品/工具の物品較正状態の検証に進む。較正状態の検証については、図3C図3Eに関して以下でより詳しく説明する。通常、検証にあたっては、較正装置160を使って物品/工具の較正の測定を行うことと、測定結果が物品/工具の較正範囲内であるか否かを判断することとを含んでよい。たとえば、検証にあたっては、電子トルクテスタを使って較正対象トルクレンチなどの工具に対してトルク較正測定を行うことと、トルク測定結果がレンチの許容範囲内であるか否かを判断することとを含んでよい。
【0066】
図3Bは、在庫状況の変化を検出する方法301の簡略化された流れ図を示している。なお、方法301は、自動較正監視装置100の検知サブシステム150によって工具/物品の在庫状況の変化が検出された結果として開始されてもよい。通常、変化は、自動較正監視装置100で検知サブシステム150を使って物品/工具のスキャンを行い、装置100から発給されたかもしれない、または装置100に返却されたかもしれない、物品/工具を特定することによって検出されてもよい。このスキャンは、たとえば周期的に、装置によって自動的にトリガされてもよい。スキャンは使用者によってトリガされてもよく、たとえば、使用者が装置100のユーザインターフェース105で較正オプションを選択したことに応じてトリガされてもよい。スキャンは、使用者が装置100にログインしたこと(たとえば、アクセス管理装置106を使用)、装置100の引き出し230、ドア、またはロックが開いたか閉じたこと(または開いているか閉じていること)、(たとえば、中央較正監視サーバーから)ネットワークインターフェース108経由でスキャン要求が受信されたことなどを、検出したことに応じてトリガされてもよい。
【0067】
図3Bに示されているように、方法301は、ステップ302で検知サブシステム150を使って自動較正監視装置100の在庫状況のスキャンを行うことと、検知サブシステム150からの検知信号を処理することとを含む。たとえば、画像ベースの検知サブシステムの場合は、保管場所に現在置かれている物品/工具を特定するため、保管場所130の1つ以上の画像が撮影されてよく、データ処理システム140によって処理されてもよい。RFIDベースの検知サブシステムの場合は、RF検知アンテナのRF範囲内に現在あるRFIDタグのコードを特定するため、装置100の1回以上のRFスキャンが行われてよく、データ処理システム140によって処理されてもよい。
【0068】
次に、自動較正監視装置100はステップ304に進み、(ステップ302の)スキャンの結果と装置100の在庫状況の以前の記録とに基づいて、在庫状況の変化の対象とな
る物品/工具を特定する。たとえば、データ処理システム140は、スキャンの結果として装置100内に存在すると確認された物品/工具のリストを、装置100内に存在するとかつて記録された物品/工具のリストに比較し、在庫状況の変化の対象となる物品/工具を特定できる。ステップ304の結果、装置100は、装置100から発給され装置100に返却されたと判断される1つ以上の物品など、在庫状況の変化の対象となる1つ以上の物品を特定できる。
【0069】
図3C図3Eに関して以下でより詳しく説明するように、自動較正監視装置100は、ステップ304で物品を特定したことに応じて、ステップ305で物品/工具の物品較正状態を検証する。
【0070】
図3Cは、特定された物品の較正状態を検証する方法305の簡略化された流れ図を示している。方法は、自動較正監視装置100が、ステップ304で特定された物品の較正測定の実行をステップ306でトリガすることと、ステップ314で較正測定の結果に基づいて各物品の最新の較正状態を判断することとを含んでよい。ステップ306および314は、図3Dおよび3Eに関して以下でさらに詳しく説明する。なお、ステップ304で複数の物品/工具が特定される場合は、特定される物品/工具ごとにステップ305が繰り返されてもよい。
【0071】
図3Dは、較正測定の実行をトリガする方法306の簡略化された流れ図を示している。方法306によると、自動較正監視装置100は、ステップ304で特定された物品が較正の対象となる較正対象物品であるか否かをステップ307で判断する。自動較正監視装置100は、この判断を行うため、メモリ144に保管された物品情報のデータベースを調べ、そこで物品が較正対象物品として特定されているか否かを判断してもよい。加えて、または代わりに、自動較正監視装置100は較正データベース170か在庫管理データベース180を調べ、そこで物品が較正対象物品として特定されているか否かを判断してもよい。物品が較正の対象ではない場合は、制御がステップ301へ戻される。あるいは、ステップ304で複数の物品が特定される場合は、特定された次の物品の較正測定をトリガするため、制御はステップ305へ戻される。
【0072】
物品が較正の対象として特定されている場合は、自動較正監視装置100はステップ309へ進み、そこで特定された物品の少なくとも1つの較正パラメータ値が較正データベース170から検索される。特定された物品の較正パラメータ値は、通常、較正目標値と許容較正値の較正範囲とを含む。較正パラメータ値は、前回の較正の時刻、前回の較正からの経過時間、前回の較正からの発給および/または返却数、前回の較正からの作業数など、物品に対して行われた前回の較正に関する情報をさらに含んでよい。
【0073】
自動較正監視装置100はステップ311で物品の較正測定が必要であるか否かを任意選択により判断し、較正が必要ではないと判断される場合は、制御がステップ301へ戻され、ステップ304で複数の物品が特定される場合は、制御がステップ305へ戻される。通常、自動較正監視装置100はデフォルトによりステップ311で較正測定が必要であると判断し、制御はステップ313へ進む。ただし、物品に対して較正測定が最近行われた場合は、および/または以前の測定に基づいて物品が較正不良と断定された場合は、自動較正監視装置100は較正測定が必要ではないと判断してもよい。装置100は、前回の較正の時刻(たとえば、前回の較正測定が、現在時刻の1時間未満前、1日未満前、または1週間未満前など、現在時刻の所定の閾値時間t未満前に行われた場合)、前回の較正からの経過時間(たとえば、経過時間が所定の閾値時間未満である場合)、前回の較正からの発給および/または返却数(たとえば、前回の較正からの発給数が、2回未満など、所定の閾値数未満である場合)、前回の較正からの作業数(たとえば、前回の較正からの物品をともなう作業の数が、締め付け作業10回未満など、所定の閾値数未満であ
る場合)などに基づいて、較正が最近行われたと判断する。
【0074】
ステップ313では物品の較正測定が行われる。較正の測定は、自動較正監視装置100が較正測定を行う指示をユーザインターフェース105を通じて使用者に提供することを含んでよい。測定は、較正装置160が目標値に基づいて測定を行えるようにするため、装置100が物品の較正目標値を較正装置160に提供することをさらに含んでよい。測定の実行に応じ、較正装置160は、物品の測定された較正に相当する較正測定値を装置100に返す。
【0075】
図3Eは、物品の較正状態を判断する方法314の簡略化された流れ図を示している。方法314によると、自動較正監視装置100は較正装置160からステップ313で得られた物品の較正測定値を受け取る。次に装置100はステップ315に進み、較正測定値を較正許容値範囲に比較して、測定値が物品の許容値の範囲内であるか否かを判断する。較正測定値が較正許容値範囲内であるなら、装置100は物品が較正良好であると判断し、あるいは較正測定値が較正許容値範囲外であるなら、装置100は物品が較正不良であると判断する。
【0076】
装置はステップ317へ進み、較正データベース170および/または在庫管理データベース(たとえば、180、またはメモリ144に保管されたもの)で物品の較正状態(較正良好または較正不良)を更新する。較正データベース170は、較正測定値やステップ313の較正測定に関するその他のデータ(たとえば、較正測定の日時、使用された較正目標値、測定に使用された較正装置160の識別情報など)を保管するため、さらに更新されてもよい。
【0077】
次に、ステップ319で、自動較正監視装置100は更新された物品較正状態に基づいて物品/工具の発給および/または返却を可能にしてもよい、または不可能にしてもよい。たとえば、自動較正監視装置100は、物品/工具が較正良好であると判断すると、装置100の保管場所からの物品/工具の発給を、および/または装置100の保管場所への物品/工具の返却を可能にしてもよい、または許可してもよい。あるいは、自動較正監視装置100は、物品/工具が較正不良であると判断すると、装置100からの物品/工具の発給を不可能にしてよく、または阻んでよく、物品/工具を装置100に速やかに返却することを要求してもよい。
【0078】
上記の論述では、1つ以上の較正対象物品/工具(たとえば、トルクレンチなどのトルク工具)が発給される状況に焦点を当てている。発給される単一の工具が較正測定に使う唯一の工具であると想定することにより、また較正装置160から受け取る全ての較正測定関連データおよび結果を発給または返却される単一の物品/工具に関連付けることにより、システムは単一の物品/工具が発給される状況に対処できる。
【0079】
複数の物品/工具が同時に発給または返却される場合は、システムによって提示できる様々なオプションがある。ある1つのオプションは、使用者に選択肢を提供する。システムは、発給または返却される較正対象物品/工具のリストをユーザインターフェース105で表示し、使用者は現在の較正測定のためにいずれか1つを選択し、次に選択した物品/工具に対し較正測定を行う。選択された物品/工具の較正測定が完了すると、表示画面から物品/工具が消え、較正のための次の物品/工具を選択する機会が使用者に与えられる。
【0080】
一代案は、システムが較正測定の対象となる物品/工具がどれなのかを選択し、システムによって選択された物品/工具のデータを表示画面に表示することを提供する。その後使用者は、選択された物品/工具を較正測定のため較正装置160に提供するよう指示さ
れる。この工具が試験された後には、システムによって次の物品/工具が選択され、次の物品/工具の識別情報が表示される。このプロセスは、発給および返却される全ての物品/工具が較正測定の対象となるまで繰り返される。
【0081】
さらなる一代案は、較正装置(たとえば、トルク試験装置)が較正のために提供される物品/工具に貼付されている一意な識別子を直接検知し識別することを可能にするため、較正装置160上か較正装置160の近くに検知サブシステム150を設ける。たとえば、較正装置160の近くに設けられ、短いRFID読み取り範囲(たとえば、較正装置160の前方20センチメートルまで)を有するRFIDセンサを使用して、較正装置160に近接するRFIDタグが付いた物品/工具を自動的に識別できる。その後、較正装置160は、測定された較正値と較正装置160の近くで検出された物品/工具の識別情報を自動較正監視システムに報告できる。
【0082】
本明細書で開示されるシステムと方法の目的は、たとえば自動工具管理システムとトルク試験装置などの較正装置を使って、工具較正の自動監視を可能にする効率的なプロセスを提供することである。詳述されているように、システムプロセッサで実行されるソフトウェアプログラミングによって可能となる先進機能を実行する装置を組み合わせて使うことで、数々の効率と先進機能が可能となる。
【0083】
上述したシステムと方法は、物品/工具の較正データを保管するデータベースを利用する。較正監視システム190は、個々の較正監視装置100a~100nに個別のデータストアまたはデータベースを含んでよく、および/または1つ以上の中央サーバーに1つ以上の集中マスターデータベースを含んでよい。通常、各々の較正対象物品、工具、およびその他在庫品の較正関連データは、上述した較正状態監視に使うため、較正データベース170に予め保管される、および/または自動較正監視装置100のメモリ144に予め読み込まれる。
【0084】
通常、較正データベース170に保管される工具の較正データは、下の表1に示されたデータ項目のいずれか1つ以上を含む。
【表1】
【0085】
より詳しく述べると、較正データベース170は較正工具/物品ごとに以下のデータを保管できる。
a)一意な工具ID、および/または物品/工具に貼付されるタグに含まれるコードなどの装置識別コード。
b)物品/工具の記述。
c)物品/工具を較正する較正値に相当する、物品/工具の較正目標値。較正目標値は、単一の目標値として、または各々が適用する試験基準と関連する複数の目標値を含む目標較正プロファイルとして、提供できる(たとえば、40、80、120、160、および200N*mなど、様々な適用荷重)。目標較正プロファイルを使用する場合、較正測
定は、試験基準の各々を順次適用して物品/工具の較正を測定することと、試験基準ごとに得られた測定結果を報告することとを含む。
d)物品/工具を較正良好とみなす較正値の範囲に相当する、較正目標許容範囲。目標許容範囲は、較正値の範囲として、および/または較正目標値からの偏差の百分率として(たとえば、+/-0.5%)、表すことができる。
e)前回の記録済み較正測定値/レベル、ならびに、任意選択により、追加の以前の記録済み較正測定値/レベルに相当する、1つ以上の以前の較正測定値。
f)1つ以上の以前の較正測定値の各々のタイムスタンプ(たとえば、日時)。
g)任意選択により、1つ以上の以前の較正測定値の各々に使った較正装置160の較正装置識別情報(たとえば、変換器ID、および、任意選択により、容量定格)。
h)適切な場合、データベースは、(i)較正目標値、範囲、および以前の較正測定の測定単位)、(ii)偏位、または角度変位(たとえば、以前の較正測定で、較正試験のときに到達した角度変位測定値または偏位)、または較正曲線適合の尺度、(iii)(たとえば、各以前の較正測定の)空気圧および/または温度などを、含んでもよい。
【0086】
加えて、較正データベース170は、物品/工具の較正間隔またはスケジュール(たとえば、指導の較正間の最大間隔を示す)を含む追加の較正データを含んでもよく、較正間隔またはスケジュールは次の較正期日を含んでよく(たとえば、物品較正スケジュールと前回の較正測定の日付に基づいて計算される)、較正期日は、日付で、または時間間隔で(たとえば、分、時、日、週などで測定される)、使用回数で、日数などで、記録されてもよい。保管される較正間隔またはスケジュールは、各工具/物品に固有のものであってよく、この場合は、工具ごとに別々のスケジュールが保管され、あるいは保管される較正間隔またはスケジュールは、工具/物品のカテゴリに固有のものであってもよく、この場合は、工具カテゴリごとに同じスケジュールが保管され、別々の工具カテゴリには別々のスケジュールが保管され、あるいは全ての工具/物品で同じであってもよい。
【0087】
較正データベース170は、物品較正データを含むさらなる較正データを保管してよく、物品較正データは、様々な荷重における最大および/または最小許容トルクレベル範囲を、および/または様々な荷重における最大および/または最小許容トルク角変位範囲を含む(たとえば、工具/物品が較正対象トルクレンチである場合)。
【0088】
較正データベース170は、プロセスデータを含むさらなる較正データを保管してよく、プロセスデータは、(a)ISO 6789-2:2017による較正および試験プロセスデータ、(b)ISO 6789-1:2017の適合性試験、(c)ISO 6789-2:2017の不確実性試験、(d)各工具/物品の20%、60%、100%最大トルク値、(e)必要テストポイント数、(f)目標トルク値、および/または(g)上限および下限、を含んでよい。
【0089】
自動較正監視装置100の較正データベース170、在庫管理データベース180、および/またはメモリ144のいずれか1つは、物品/工具を識別するデータ(品番、記述、またはその他の一意な識別子など)、装置100内での物品/工具の保管場所、製造業者または供給業者、関連物品/工具/部品などを含む、各物品/工具に関連するデータをさらに保管してもよい。
【0090】
特定のトルク装置に関連し装置の較正に関係するデータは、較正間隔、予定された較正、前回の較正、最適トルクプロファイル、付与されるトルクと結果として生じる角度変位、較正トルク値、合否基準などを含んでよい。
【0091】
これ以降は、較正装置160(たとえば、トルクテスタ)、較正データベース170、在庫管理(IC)データベース180、ならびに較正測定・試験の対象となる物品/工具
401と組み合わされた自動較正監視(ACM)装置100の様々な構成を説明する。
【0092】
図4A図4Dは、上述した自動較正監視システムで使用できる様々なシステム接続構成を示している。図4Aでは第1の構成が使われており、この構成では較正測定の対象となる物品/工具401は、電子データ転送または通信用に構成されていない(または、物品/工具の電子データ転送または通信機能は使われない)。この場合、較正装置160はACM装置100と同じ場所に置かれてよく、較正測定の通信のため、ACM装置に通信可能なように接続されてもよい。次に、ACM装置100(たとえば、工具管理システム工具箱200)は、情報交換の目的のため、ネットワーク化された較正および/または在庫管理データベース170/180に通信可能なように接続されている。
【0093】
図4Bは第2の構成を示しており、この構成では較正対象物品/工具401は電子データ転送用に構成されており、較正装置160(たとえば、トルクテスタ)に通信可能なように接続されている。ここでも較正装置160はACM装置100に通信可能なように接続されている。次に、ACM装置100は、情報交換の目的のため、ネットワーク化された較正および/または在庫管理データベース170/180に通信可能なように接続されている。
【0094】
図4Cは第3の構成を示しており、この構成では較正対象物品/工具401は電子データ転送用に構成されていない(または、較正物品/工具の電子データ転送機能は使われない)。この場合、較正装置160は、ACM装置100に置かれてよく、あるいはACM装置100から隔てられていてよく、情報交換の目的のため、ネットワーク化された較正および/または在庫管理データベース170/180に通信可能なように接続される。したがって、ACM装置100と較正装置160はいずれも、情報交換の目的のため、ネットワーク化された較正および/または在庫管理データベース170/180に別々に接続されている。
【0095】
図4Dは第4の構成を示しており、この構成では較正対象物品/工具401は電子データ転送用に構成されている。較正対象物品/工具401と較正装置160は、ACM装置100に置かれてよく、あるいはACM装置100から隔てられていてよい。較正対象物品/工具401とACM装置100と較正装置160はいずれも、情報交換の目的のため、ネットワーク化された較正および/または在庫管理データベース170/180に通信可能なように接続されている。
【0096】
図2Aに関して論述した在庫管理システムは工具箱の形をとっているが、多くの作業環境ではトルク装置をはじめとする較正対象工具が中央倉庫(たとえば、工具庫)に保管され、工具は、異なる作業場や遠隔の作業場で使用するため中央倉庫から技術者に発給される。このような環境では、工具庫に入るときに、あるいは工具庫から出るときに、較正測定が行えるようにするため、較正装置160は、工具庫の中に、または工具庫の発給箇所(たとえば、入口および出口)に、設けられてよい。一意な識別子が付いた物品/工具が自動工具管理システムからの発給(たとえば、工具庫の発給口での発給)のためスキャンされると、較正監視システムは自動的に物品/工具を識別し、物品/工具に関連する較正データを検索する。システムはまた、発給に先立ち物品/工具の較正を測定しなければならないという趣旨の警報を使用者に提供する。
【0097】
電子トルクテスタなどの較正装置160には、手作業で入力された合否基準を使って工具(トルク装置など)の較正を測定または試験し、結果を表示する機能を装備できる。より高度なバージョンの較正用具は、トルク測定データを分析のためソフトウェアパッケージに電気的に転送できる。転送と分析は較正装置で行うことができ、あるいはネットワークにまたがって別の装置(たとえば、自動較正監視装置)へデータを転送することもでき
る。ただし、いずれの場合でも、較正装置はかつて、特定の物品/工具/装置を自動的に識別し、識別された特定の物品/工具/装置の合否基準や試験データをシステムに関連付ける機能を持っていなかった。たとえば、かつては、試験する物品/工具/装置の識別情報を使用者が較正装置に手作業で入力しなければならなかった。
【0098】
対照的に、本明細書で説明されている自動較正監視システムでは、データ処理およびデータ保管機能、計算ソフトウェア、有線および/または無線ネットワーク通信機能、ユーザインターフェース、および自動データ入力手段が、較正装置160(たとえば、トルクテスタ)に備わっている。較正装置160は、AC電源によって、電池によって、または電池および/またはAC電力の組み合わせによって、給電されてもよい。ユーザインターフェースは、LEDディスプレイ、LCDディスプレイまたはモニター、あるいは現在利用されているその他の情報表示技術であってよい。較正装置160のデータ入力インターフェースは、有線または無線通信機能、キーボード、キーパッド、マウス、RFID、光学式(バーコード)スキャナ、カメラなどを含んでよい。
【0099】
上述した機能に基づくと、自動較正監視装置は監査の目的に利用できる。具体的に述べると、物品/工具(たとえば、トルク装置)が自動較正監視システムに返却されるときに較正測定試験に失格すると、システムは、その物品/工具が発給されたときの作業場および/または作業命令を伝えるデータをメモリから検索できる。この場合、システムは、物品/工具が較正測定試験に失格したことを伝え、物品/工具が前回発給されたときの作業場および/または作業命令を特定する、報告書を、作成できる。この報告書は、システム管理者によって特定されるしかるべき人物にeメールかテキストメッセージで自動的に配布できる。監査の目的のため、工具の前回の良好較正測定以降に物品/工具が発給されたときの全ての作業場および/または作業命令も報告書で伝えることができる。
【0100】
物品/工具が使われた製品を記述する情報や経路が作業命令に含まれている場合は(たとえば、作業命令の一部としてトルクがかけられたファスナのリスト)、システムは、物品/工具が前回発給され較正測定試験に合格してから不適切に取り扱われた可能性のある各々の製品(たとえば、個々のファスナ)を報告書で列挙することもできる。システムは、作業場か作業命令に照らし合わせた発給済みの全較正対象物品/工具と、その記録された較正測定試験値と、その他の関連データを示す、検証報告書を作成することもできる。
【0101】
上で詳述しているように、自動較正監視装置100は、較正装置160から較正測定(たとえば、トルク測定)を要求し、自動較正監視装置100に保管されている工具やその他の在庫物品の較正状態を検証する働きをする。工具/物品は通常、工具/物品と関連付けられ、工具/物品上に設けられたタグと関連付けられた一意な識別子を有し、識別子および関連付けられた工具/物品装置は、在庫管理および/または較正データベースにおいて較正の監視対象となる工具/物品として特定される。したがって、自動較正監視装置100は、工具/物品がシステムから発給されるときに、または工具/物品がシステムに返却されるときに、工具/物品に貼付された一意な識別子を認識することで較正対象工具/物品を認識できる。工具/物品は、データベースに保管され工具/物品と関連付けられた、目標較正値を含む、較正データをさらに有する。したがって、自動較正監視システムは、物品の使用前に、および/または物品の使用後に、較正対象工具/物品が正確に較正良好であるか否かを確認するため、工具/物品に対して較正測定または試験を行うことを要求できる。(工具が較正良好か較正不良かを判断するために使われる)較正監視のパラメータは、使用者が決定できるが、通常は、データベース内で工具/物品の一意な識別子と関連付けられている較正目標値として較正データベースから検索される。
【0102】
したがって、自動較正監視装置100と工具管理システム200(ならびに、これらと関連付けられ、システムプロセッサで実行される、ソフトウェア)は、較正測定装置(た
とえば、トルクテスタ)から得られる工具のトルクデータなどの較正データを、工具の一意な識別子と関連付けられ、かつ在庫管理データベースおよび較正データベースのいずれか1つ以上に保管されている、較正値などの、工具の1つ以上の較正目標値に比較するように、プログラムされる。自動較正監視装置100は、この比較に基づいて、較正値によって設定される較正要件を工具が満足するか否かを判断できる。較正要件が満足されない場合、自動較正監視装置100は、工具を較正不良として特定でき、システム100からの工具の発給すなわちチェックアウトを求める使用者に向けて警報を発することができる。したがって、自動較正監視システム100は、較正測定の結果が較正データベースに保管された各工具/物品の許容較正範囲内である場合に、較正対象工具/物品の発給と返却を許可できる。
【0103】
自動較正監視システムは、自動較正監視システムからの物品/工具の発給に際し、較正測定値が工具/物品の較正値の許容範囲に一致しない場合に、または許容範囲から外れる場合に、較正対象物品/工具の発給を妨げることができる。たとえば、システムは、較正試験基準を満たさなかった工具/物品を装置内のしかるべき保管場所に返却する可聴および可視指示を発することができる。代わりに、または加えて、システムは、較正試験基準を満たさなかった工具/物品を、修理作業や再較正作業が行われるしかるべき場所に移す可聴および可視指示を発することができる。この過程で、自動較正監視システムは、試験された工具/物品が較正データベースに予め保管された較正基準を満たさない場合に、使用者、システム管理者、較正試験所従業員などに向けて状況警報を発することができ、警報を受けた者が状況に適切に対処できるようにする(たとえば、物品を再度較正する、不適切な較正に関連する作業命令書にフラグを立てるなどにより)。
【0104】
自動較正監視システムは、自動較正監視システムへの物品/工具の返却に際し、物品/工具が使用後に保管装置に返却されるときに較正測定結果が許容較正要件を満たさない場合に、物品/工具を保管装置内のしかるべき保管場所に返却することを要求できる。あるいは、システムは、較正測定結果が較正要件を満たさない場合に、物品/工具をしかるべき較正試験所に移すことを要求できる。先と同様に、自動較正監視システムは、試験された工具/物品が較正データベースに予め保管された較正基準を満たさない場合に、使用者、システム管理者、較正試験所従業員などに向けて状況警報を発することができ、警報を受けた者が状況に適切に対処できるようにする(たとえば、物品を再度較正する、不適切な較正に関連する作業命令書に印を付けるなど)。
【0105】
較正監視装置100は様々な検知技術のいずれか1つ以上を利用し、保管所における物品の発給/返却や存在/不在を判断する。たとえば、自動工具管理(ATC)イメージング工具箱、ATC RFID収納庫、および/またはATC工具庫管理システムで使われる検知技術など、画像ベースの検知技術(たとえば、カメラを使用)、RFIDベースの検知技術、個別のスイッチまたはセンサ(たとえば、接触センサ、容量センサ、誘導センサ、重量センサ、またはその他センサ)のいずれか1つ以上を用いて物品の発給/返却や存在/不在を検知できる。在庫管理に用いられる検知技術と関連検知方法のさらなる詳細は、参照により全文が本願に援用される2017年8月22日に発行された米国特許第9,741,014号に記載されている。
【0106】
カラーコードタグ、RFIDタグ、バーコードなどの一意な識別子は、自動較正監視システム100の保管容器に保管される、較正対象物品/工具を含む、在庫物品または工具に貼付でき、品物を一意に識別するために使用できる(たとえば、撮影システムを使って検知される2つの見た目が同じ工具など、普通ならシステムの検知技術で区別できない2つの品物を区別)。一意なカラーシーケンスを形成する平行カラーラインの組み合わせを含む識別タグの例は、図2B図2Eに関して論述されている。
【0107】
図5は、サーバーを実装するためネットワークまたはホストコンピュータプラットフォームとして使用できる汎用コンピュータハードウェアプラットフォームの機能ブロック図を提供している。図5のコンピュータプラットフォームは、較正データベース170および/または自動在庫管理データベース180と本明細書で説明されている関連機能をサポートする、サーバーを実装するために使われてよく、また図3A図3Eで説明されている機能のいずれか1つ以上を遂行する在庫管理サーバーか較正管理サーバーを実装するために使われてよい。図5のコンピュータプラットフォームは、較正装置160か物品/工具401の中で計算機能を実装するためなど、パーソナルコンピュータや別種のワークステーションまたは端末装置を実装するため、ユーザインターフェースエレメントと組み合わされてもよい。当業者なら、そのようなコンピュータ機器の構造とプログラミングと一般的な操作を熟知しており、その結果、図面は説明の必要がないと考えられる。
【0108】
たとえば図5に示されたサーバーは、パケットデータ通信のためのデータ通信インターフェースを含んでいる。サーバーはまた、プログラム命令を実行する、1つ以上のプロセッサの形をとる、中央処理装置(CPU)を含んでいる。サーバープラットフォームは、サーバーによって様々なデータファイルが処理および/または伝達されるようにするため、内部通信バスと、プログラムストレージと、データストレージとを通常含むが、サーバーはしばしばネットワーク通信でプログラミングとデータを受け取る。そのようなサーバーのハードウェア要素とオペレーティングシステムとプログラミング言語は本質的に従来どおりであり、当業者ならこれらを十分熟知していると推測される。勿論、サーバー機能は、処理負荷を分散するため、いくつかの類似するプラットフォーム上で分散的に実装されてもよい。
【0109】
特に明記しない限り、以降のクレームに記載されたものを含む、本明細書に記載された測定、値、定格、位置、規模、サイズ、その他仕様は、凡そであり、ぴったりではない。これらは、これらと関連する機能と整合し、なおかつこれらが関係する技術で慣例となっているものと整合する、妥当な範囲を有することが意図される。
【0110】
保護の範囲は専ら以降のクレームによって制限される。その範囲は、本明細書と出願経過を踏まえて解釈した場合に、クレームで使われている文言の通常の意味に沿って広範となることを意図しており、またそのように解釈すべきであり、またあらゆる構造的および機能的同等物を含むことを意図しており、またそのように解釈すべきである。ただしクレームはいずれも、特許法第101、102、または103節の要件を満足しない主題を容認することを意図しておらず、またそのように解釈するべきものでもない。そのような主題の意図せぬ容認はこれによって否定される。
【0111】
上に記載されている場合を除き、記述または説明されている内容は、コンポーネント、ステップ、機能、物、利益、利点、または同等物の公衆への進呈を、それがクレームに列挙されていようがいまいが、引き起こすこと意図しておらず、またそのように解釈するべきではない。
【0112】
特別な意味が本明細書に記載されている場合を除き、本明細書で使われている用語および表現が、その対応する照会および調査エリアに関して、かかる用語および表現に与えられた通常の意味を持つことは、理解されるであろう。第1および第2などの関係語は専らある1つの存在物または行為を別の実体または行為から区別するために使われることがあり、かかる存在物または行為の実際の関係や順序を必ずしも要求または示唆しない。用語「comprises」、「comprising」、またはこれの他の何らかの変化形は非排他的包含をカバーすることを意図しており、列挙された要素を含むプロセス、方法、物品、または機器は、それらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙されていない他の要素を、あるいはかかるプロセス、方法、物品、または機器に特有の他の要素を、含
むことがある。「a」または「an」によって進められる要素は、さらなる制限なく、当該要素を含むプロセス、方法、物品、または装置におけるさらなる同じ要素の存在を排除しない。
【0113】
本開示の要約書は、読者が技術的な開示の内容を速やかに把握できるようにするために提供されている。これは、クレームの範囲や意味を解釈または制限するためにこれが利用されないという理解のもとで提示されている。加えて、上記の発明を実施するための形態では、本開示を簡素化する目的で、様々な実施形態で様々な機能がまとめられていることが分かる。この開示方法は、主張されている実施形態が各クレームに明記されているものよりもより多くの機能を必要とするという意図を反映するものとして解釈するべきではない。むしろ、以降のクレームが反映するように、発明主題は開示されている単一の実施形態の全機能に満たない機能にある。したがって、以降のクレームはこれによって発明を実施するための形態に組み込まれ、それぞれのクレームは別々に主張される主題として自立する。
【0114】
上記では、最良のやり方と考えられるものが、および/またはその他の例が、説明されているが、これに様々な修正を行えること、また本明細書で開示されている主題を様々な形態や例で実現できること、また本教示を数多くの用途に応用でき、その一部のみが本明細書で説明されていることは、理解される。以降のクレームにより、本教示の真の範囲内に入るありとあらゆる応用、修正、および変更を主張することが意図されている。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図5