(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】表示システム、及び表示プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240827BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023172855
(22)【出願日】2023-10-04
【審査請求日】2023-10-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399104844
【氏名又は名称】SCSK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 鉄兵
(72)【発明者】
【氏名】大塚 高廣
(72)【発明者】
【氏名】稲荷平 駿稀
(72)【発明者】
【氏名】西浦 佑一郎
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 翼
(72)【発明者】
【氏名】長谷部 嵩
【審査官】藤原 拓也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/254802(WO,A1)
【文献】特開2020-098387(JP,A)
【文献】コルメン T.H.ほか,"アルゴリズム イントロダクション 第2巻=アルゴリズムの設計と解析手法",初版,株式会社近代科学社,1995年12月30日,P.181,ISBN:4-7649-0246-X
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の対象要素の相互間における因果関係の構造を示す因果構造情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記因果構造情報に基づいて、前記複数の対象要素各々の因果に関する序列を示す因果序列であって前記複数の対象要素が影響を及ぼす原因側であるか影響を及ぼされる結果側であるかを基準とした前記因果序列と、前記複数の対象要素の相互間における前記因果関係とを特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した前記因果序列及び前記因果関係の両方を同一画面上に表示する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記複数の対象要素各々に対応する複数の対象要素関連表示情報の表示態様により、前記特定手段が特定した前記因果序列を表示し、
前記表示制御手段は、前記複数の対象要素関連表示情報を、前記特定手段が特定した前記因果序列に基づいて定まる相互に異なる複数の表示位置であって、所定の基準線に沿っている前記複数の表示位置に表示することにより、前記特定手段が特定した前記因果序列を表示
し、
前記特定手段は、
前記複数の対象要素に含まれる各対象要素が、前記複数の対象要素に含まれる他の対象要素に及ぼす影響の程度を示す第1度合と、前記複数の対象要素に含まれる各対象要素に対して、前記複数の対象要素に含まれる他の対象要素から及ぶ影響の程度を示す第2度合と、に基づいて定まる因果序列特定用数値情報であって、前記因果序列を特定するために用いられる前記因果序列特定用数値情報を算出し、
算出された前記因果序列特定用数値情報に基づいて、前記因果序列を特定する、
表示システム。
【請求項2】
前記所定の基準線は、半円の周に対応する曲線であり、
前記表示制御手段は、少なくとも、前記複数の対象要素の個数に対応する分割数で前記曲線を分割する位置を前記複数の表示位置として、前記複数の対象要素関連表示情報を表示することにより、前記特定手段が特定した前記因果序列を表示する、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記複数の対象要素関連表示情報を、前記特定手段が特定した前記因果序列に対応する順序で、前記複数の表示位置に並べて表示することにより、前記特定手段が特定した前記因果序列を表示する、
請求項1又は2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記複数の対象要素各々に対応する複数の対象要素関連表示情報が相互に関連していることを示す相互関連表示情報の表示態様により、前記複数の対象要素の相互間における前記因果関係を表示する、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項5】
前記複数の対象要素関連表示情報は、
前記複数の対象要素の内の相対的に原因側となる第1対象要素に対応する第1対象要素関連表示情報と、
前記複数の対象要素の内の相対的に結果側となる第2対象要素であって、前記第1対象要素の影響が及ぶ前記第2対象要素に対応する第2対象要素関連表示情報と、を含み、
前記相互関連表示情報は、前記第1対象要素側を始点とし、前記第2対象要素側を終点とする線状画像を含む、
請求項4に記載の表示システム。
【請求項6】
コンピュータを、
複数の対象要素の相互間における因果関係の構造を示す因果構造情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記因果構造情報に基づいて、前記複数の対象要素各々の因果に関する序列を示す因果序列であって前記複数の対象要素が影響を及ぼす原因側であるか影響を及ぼされる結果側であるかを基準とした前記因果序列と、前記複数の対象要素の相互間における前記因果関係とを特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した前記因果序列及び前記因果関係の両方を同一画面上に表示する表示制御手段と、として機能させ、
前記表示制御手段は、前記複数の対象要素各々に対応する複数の対象要素関連表示情報の表示態様により、前記特定手段が特定した前記因果序列を表示し、
前記表示制御手段は、前記複数の対象要素関連表示情報を、前記特定手段が特定した前記因果序列に基づいて定まる相互に異なる複数の表示位置であって、所定の基準線に沿っている前記複数の表示位置に表示することにより、前記特定手段が特定した前記因果序列を表示
し、
前記特定手段は、
前記複数の対象要素に含まれる各対象要素が、前記複数の対象要素に含まれる他の対象要素に及ぼす影響の程度を示す第1度合と、前記複数の対象要素に含まれる各対象要素に対して、前記複数の対象要素に含まれる他の対象要素から及ぶ影響の程度を示す第2度合と、に基づいて定まる因果序列特定用数値情報であって、前記因果序列を特定するために用いられる前記因果序列特定用数値情報を算出し、
算出された前記因果序列特定用数値情報に基づいて、前記因果序列を特定する、
表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システム、及び表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象要素の因果関係を表示する因果関係グラフを生成する技術が知られていた(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数の対象要素の因果に関する序列を示す因果序列と因果関係との両方を把握させるための技術が要望されていた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、因果序列と因果関係との両方を把握させることが可能となる表示システム、及び表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の表示システムは、複数の対象要素の相互間における因果関係の構造を示す因果構造情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記因果構造情報に基づいて、前記複数の対象要素各々の因果に関する序列を示す因果序列であって前記複数の対象要素が影響を及ぼす原因側であるか影響を及ぼされる結果側であるかを基準とした前記因果序列と、前記複数の対象要素の相互間における前記因果関係とを特定する特定手段と、前記特定手段が特定した前記因果序列及び前記因果関係の両方を同一画面上に表示する表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記複数の対象要素各々に対応する複数の対象要素関連表示情報の表示態様により、前記特定手段が特定した前記因果序列を表示し、前記表示制御手段は、前記複数の対象要素関連表示情報を、前記特定手段が特定した前記因果序列に基づいて定まる相互に異なる複数の表示位置であって、所定の基準線に沿っている前記複数の表示位置に表示することにより、前記特定手段が特定した前記因果序列を表示し、前記特定手段は、前記複数の対象要素に含まれる各対象要素が、前記複数の対象要素に含まれる他の対象要素に及ぼす影響の程度を示す第1度合と、前記複数の対象要素に含まれる各対象要素に対して、前記複数の対象要素に含まれる他の対象要素から及ぶ影響の程度を示す第2度合と、に基づいて定まる因果序列特定用数値情報であって、前記因果序列を特定するために用いられる前記因果序列特定用数値情報を算出し、算出された前記因果序列特定用数値情報に基づいて、前記因果序列を特定する。
【0009】
請求項2に記載の表示システムは、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記所定の基準線は、半円の周に対応する曲線であり、前記表示制御手段は、少なくとも、前記複数の対象要素の個数に対応する分割数で前記曲線を分割する位置を前記複数の表示位置として、前記複数の対象要素関連表示情報を表示することにより、前記特定手段が特定した前記因果序列を表示する。
【0010】
請求項3に記載の表示システムは、請求項1又は2に記載の表示システムにおいて、前記表示制御手段は、前記複数の対象要素関連表示情報を、前記特定手段が特定した前記因果序列に対応する順序で、前記複数の表示位置に並べて表示することにより、前記特定手段が特定した前記因果序列を表示する。
【0011】
請求項4に記載の表示システムは、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記表示制御手段は、前記複数の対象要素各々に対応する複数の対象要素関連表示情報が相互に関連していることを示す相互関連表示情報の表示態様により、前記複数の対象要素の相互間における前記因果関係を表示する。
【0012】
請求項5に記載の表示システムは、請求項4に記載の表示システムにおいて、前記複数の対象要素関連表示情報は、前記複数の対象要素の内の相対的に原因側となる第1対象要素に対応する第1対象要素関連表示情報と、前記複数の対象要素の内の相対的に結果側となる第2対象要素であって、前記第1対象要素の影響が及ぶ前記第2対象要素に対応する第2対象要素関連表示情報と、を含み、前記相互関連表示情報は、前記第1対象要素側を始点とし、前記第2対象要素側を終点とする線状画像を含む。
【0014】
請求項6に記載の表示プログラムは、コンピュータを、複数の対象要素の相互間における因果関係の構造を示す因果構造情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記因果構造情報に基づいて、前記複数の対象要素各々の因果に関する序列を示す因果序列であって前記複数の対象要素が影響を及ぼす原因側であるか影響を及ぼされる結果側であるかを基準とした前記因果序列と、前記複数の対象要素の相互間における前記因果関係とを特定する特定手段と、前記特定手段が特定した前記因果序列及び前記因果関係の両方を同一画面上に表示する表示制御手段と、として機能させ、前記表示制御手段は、前記複数の対象要素各々に対応する複数の対象要素関連表示情報の表示態様により、前記特定手段が特定した前記因果序列を表示し、前記表示制御手段は、前記複数の対象要素関連表示情報を、前記特定手段が特定した前記因果序列に基づいて定まる相互に異なる複数の表示位置であって、所定の基準線に沿っている前記複数の表示位置に表示することにより、前記特定手段が特定した前記因果序列を表示し、前記特定手段は、前記複数の対象要素に含まれる各対象要素が、前記複数の対象要素に含まれる他の対象要素に及ぼす影響の程度を示す第1度合と、前記複数の対象要素に含まれる各対象要素に対して、前記複数の対象要素に含まれる他の対象要素から及ぶ影響の程度を示す第2度合と、に基づいて定まる因果序列特定用数値情報であって、前記因果序列を特定するために用いられる前記因果序列特定用数値情報を算出し、算出された前記因果序列特定用数値情報に基づいて、前記因果序列を特定する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の表示システム、及び請求項6に記載の表示プログラムによれば、因果序列及び因果関係の両方を同一画面上に表示することにより、例えば、因果序列と因果関係との両方を把握させることが可能となる。
また、複数の対象要素各々に対応する複数の対象要素関連表示情報の表示態様により因果序列を表示することにより、例えば、因果序列を確実に把握させることが可能となる。
また、複数の対象要素関連表示情報を因果序列に基づいて定まる相互に異なる複数の表示位置であって、所定の基準線に沿っている複数の表示位置に表示することにより、例えば、複数の対象要素関連表示情報の視認性を向上させることができるので、因果序列を確実に把握させることが可能となる。
また、因果序列特定用数値情報を算出し、算出された因果序列特定用数値情報に基づいて、因果序列を特定することにより、例えば、因果序列特定用数値情報を用いて因果序列を適切に特定することが可能となる。
【0018】
請求項2に記載の表示システムによれば、所定の基準線は半円の周に対応する曲線であり、少なくとも、複数の対象要素の個数に対応する分割数で曲線を分割する位置を複数の表示位置として複数の対象要素関連表示情報を表示することにより、例えば、複数の対象要素関連表示情報が相互に重なること等を防止することができるので、複数の対象要素関連表示情報の視認性を向上させることができ、因果序列を確実に把握させることが可能となる。
【0019】
請求項3に記載の表示システムによれば、複数の対象要素関連表示情報を因果序列に対応する順序で、複数の表示位置に並べて表示することにより、例えば、複数の対象要素関連表示情報の並べられている順序に基づいて因果序列を把握させることができるので、因果序列を確実に把握させることが可能となる。
【0020】
請求項4に記載の表示システムによれば、相互関連表示情報の表示態様により因果関係を表示することにより、例えば、因果関係を確実に把握させることが可能となる。
【0021】
請求項5に記載の表示システムによれば、相互関連表示情報は、第1対象要素側を始点とし、第2対象要素側を終点とする線状画像を含むことにより、例えば、因果関係を確実に把握させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施の形態に係る情報処理システムのブロック図である。
【
図3】対象要素相互間の因果関係の構造を示す因果グラフを例示した図である。
【
図10】因果関連表示画面表示処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る表示システム、及び表示プログラムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0025】
(基本的概念)
まず、基本的概念について説明する。本発明に係る表示システムは、複数の対象要素の相互間における因果に関する情報を表示するシステムであり、例えば、因果に関する情報を表示する専用システム、あるいは、汎用的に用いられるシステム(一例としては、汎用コンピュータ、サーバコンピュータ、あるいは、ネットワーク上に分散配置された複数のコンピュータ(つまり、いわゆるクラウドコンピュータ)等)に対して、表示プログラムをインストールして因果に関する情報を表示する機能を実装することにより実現されるシステム等を含む概念である。
【0026】
「対象要素」とは、因果関係(原因とそれによって生じる結果との関係)の対象となる要素であり、具体的には、表示システムを用いて表示される因果に関する情報の対象となる要素である。「対象要素」とは、例えば、因果推論又は因果探索の技術におけるいわゆる変数に対応する概念を示すものと解釈してもよい。「対象要素」の種類や内容は任意であり、例えば、各種商品の施策に関する要素、売り上げに関する要素、各種システムの故障に関する要素、各種指標(経済関連指標、環境関連指標、又は身体に関する指標等)に関する要素等、あるいは、その他の任意の要素を含む概念である。
【0027】
そして、本実施の形態では、例えば、「対象要素」が経済関連指標である場合を例示して説明する。
【0028】
(構成)
まず、本実施の形態に係る情報処理システムについて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る情報処理システムのブロック図である。
【0029】
情報処理システム100は、表示システムを含むシステムであり、例えば、相互に通信可能となっている端末装置1及びサーバ装置2を備える。なお、情報処理システム100に含まれる各要素の個数は任意であるが、本実施の形態では、
図1に図示されている要素に着目して説明する。
【0030】
(構成-端末装置)
端末装置1は、ユーザによって用いられる装置であり、例えば、タブレット端末又はスマートフォンであり、一例としては、通信部11、タッチパッド12、ディスプレイ13、記録部14、及び制御部15を備える。
【0031】
なお、バリエーションとしては、端末装置1として、例えば、パーソナルコンピュータ等を含む他の端末装置を用いることもできる。
【0032】
(構成-端末装置-通信部)
通信部11は、外部装置(例えば、サーバ装置2)との間で通信するための通信手段である。この通信部11の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の通信回路等を用いて構成することができる。
【0033】
(構成-端末装置-タッチパッド)
タッチパッド12は、ユーザの指等で押圧されることにより、当該ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。このタッチパッド12の具体的な構成は任意であるが、例えば、抵抗膜方式や静電容量方式等による操作位置検出手段を備えた公知のものを用いることができる。
【0034】
(構成-端末装置-ディスプレイ)
ディスプレイ13は、制御部15の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。このディスプレイ13の具体的な構成は任意であるが、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等を用いることができる。なお、上記のタッチパッド12とディスプレイ13と相互に重畳させてタッチパネルとして一体形成しても構わない。
【0035】
(構成-端末装置-記録部)
記録部14は、端末装置1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのフラッシュメモリ(図示省略)を用いて構成されている。ただし、フラッシュメモリに代えてあるいはフラッシュメモリと共に、ハードディスク、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる(他の装置の記録部も同様とする)。
【0036】
(構成-端末装置-制御部)
制御部15は、端末装置1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(他の装置の制御部も同様とする)。特に、実施の形態に係るプログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して端末装置1にインストールされることで、制御部15の各部を実質的に構成する(他の装置の制御部も同様とする)。
【0037】
(構成-サーバ装置)
サーバ装置2は、表示システムであり、例えば、通信部21、記録部22、及び制御部23を備える。
【0038】
(構成-サーバ装置-通信部)
通信部21は、外部装置(例えば、端末装置1)との間で通信するための通信手段である。この通信部21の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、通信部11と同様にして構成することができる。
【0039】
(構成-サーバ装置-記録部)
記録部22は、サーバ装置2の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、対象要素関連情報データベース(以下、データベースを「DB」と称する)221を備える。
【0040】
(構成-サーバ装置-記録部-対象要素関連情報DB)
対象要素関連情報DB221とは、対象要素関連情報を格納する対象要素関連情報格納手段である。
図2は、対象要素関連情報を例示した図であり、また、
図3は、対象要素相互間の因果関係の構造を示す因果グラフを例示した図である。なお、ここでは、因果グラフについて説明した後に、対象要素関連情報について説明する。
【0041】
===因果グラフ===
図3においては、対象要素である経済関連指標に関する因果関係の構造を示す因果グラフが例示されており、つまり、変数を経済関連指標(日足の値)とした際の因果グラフが例示されている。
図3においては例えば、銅の各取引日の終値を示す経済関連指標である「COPPER」、ニッケルの各取引日の終値を示す経済関連指標である「NICKEL」、金の各取引日の終値を示す経済関連指標である「GOLD」、及び所定のETF又は投資信託の各取引日の終値を示す経済関連指標である「SPY」を対象要素(つまり、因果推論における変数)とした際に、各対象要素の因果関係の構造が例示されている。
【0042】
図3の因果グラフにおいては、矢印で原因及び結果が示されており、原因となる対象要素から結果となる対象要素へ向かう矢印が図示されている。
【0043】
図3の因果グラフにおいて、係数情報(正又は負の数値情報)は、原因となる対象要素から結果となる対象要素への影響の度合いの大小を示しており、数値が大きい程、影響の度合いが大きいことを示している。なお、「度合い」又は「度合」については、「程度」を示す概念であるものと解釈してもよい。
【0044】
また、係数情報の正負は、影響が正であるか負であるかを示している。影響が正であるとは、例えば、原因となる対象要素の値(本実施の形態では、経済関連指標の値)が増加した場合に、結果となる対象要素の値(本実施の形態では、経済関連指標の値)を増加させる方向に影響することを示す概念であり、すなわち、原因となる対象要素の値が減少した場合に、結果となる対象要素の値を減少させる方向に影響することを示す概念である。影響が負であるとは、影響が正であることと反対の概念であり、例えば、原因となる対象要素の値が増加した場合に、結果となる対象要素の値を減少させる方向に影響することを示す概念であり、すなわち、原因となる対象要素の値が減少した場合に、結果となる対象要素の値を増加させる方向に影響することを示す概念である。
【0045】
===対象要素関連情報===
図1の対象要素関連情報DBB221に格納されている「対象要素関連情報」とは、対象要素に関する情報であり、具体的には、対象要素の因果関係の構造(例えば、
図3の因果グラフ)を特定するために用いられる情報であり、すなわち、対象要素関連情報に基づいて
図3の因果グラフが示す情報を特定して当該因果グラフを生成することが可能となる。また、「対象要素関連情報」は、例えば、
図2の各項目の情報が相互に関連付けられた状態で格納される。
【0046】
図2の項目「対象要素特定情報」の情報は、対象要素を示す対象要素特定情報である(
図2では、
図3で例示されている経済関連指標(つまり、対象要素)を示す「COPPER」、「NICKEL」、「GOLD」、及び「SPY」である)。
【0047】
図2の項目「終値情報」の情報は、対象要素である経済関連指標の経時的な変化を示す情報であり、具体的には、日足に対応する値を示す情報であり、すなわち、各取引日の終値を示す終値情報である。
図2では、2023年4月1日の終値が4900円であったことを示す「2023/4/1-4900円」、及び2023年4月2日の終値が4850円であったことを示す「2023/4/2-4850円」等が例示されている。なお、この終値情報としては実際には多数の情報が存在するが、
図2では説明の便宜上、一部の情報のみが図示されている。
【0048】
そして、
図2の対象要素関連情報の例えば最上段の情報については、「COPPER」については、2023年4月1日の終値、同年同月2日の終値が、4900円、4850円であったこと等が例示されている。
【0049】
このような対象要素関連情報の格納手法は任意であるが、例えば、管理者等のユーザが、所定の手法(例えば、インターネットを介して取得する手法等)で、特定の期間(ユーザが指定した期間又はその他の任意の期間)における各経済関連指標の情報を取得した上で、サーバ装置2に入力することにより格納されることとする。
【0050】
(構成-サーバ装置-制御部)
制御部23は、サーバ装置2を制御する制御手段である。この制御部23は、機能概念的には、例えば、取得手段、特定手段、及び表示制御手段を備える。
【0051】
===取得手段===
「取得手段」とは、複数の対象要素の相互間における因果関係の構造を示す因果構造情報を取得する手段である。
【0052】
「因果構造情報」とは、複数の対象要素の相互間における因果関係の構造を示す情報であり、本実施の形態では例えば、
図3の因果グラフに対応する複数の対象要素の相互間における因果関係の構造を示す情報である。
【0053】
===特定手段===
「特定手段」とは、取得手段が取得した因果構造情報に基づいて、複数の対象要素各々の因果に関する序列を示す因果序列と、複数の対象要素の相互間における因果関係とを特定する手段である。
【0054】
「因果序列」とは、因果に関する序列(順番)を示す概念であり、具体的には、各対象要素が他の対象要素に対して影響を及ぼす原因側であるか、各対象要素が他の対象要素から影響を及ぼされる結果側(原因側の反対側)であるかを基準とした因果に関する、各対象要素の相対的な序列を示す概念である。
【0055】
「因果関係」とは、複数の対象要素の相互間における因果に関する関係を示す概念であり、例えば、各対象要素が相対的に原因となるか結果となるかの関係、原因となる対象要素から結果となる対象要素への影響の度合い(つまり、結果となる対象要素が原因となる対象要素から受ける影響の度合い)、及び影響が正であるか負であるか等を示す概念である。
【0056】
なお、特定手段の具体的な構成は任意であるが、例えば、以下に示すように構成してもよい。
【0057】
「特定手段」は、例えば、複数の対象要素に含まれる各対象要素が、複数の対象要素に含まれる他の対象要素に及ぼす影響の程度を示す第1度合と、複数の対象要素に含まれる各対象要素に対して、複数の対象要素に含まれる他の対象要素から及ぶ影響の程度を示す第2度合と、に基づいて定まる因果序列特定用数値情報であって、因果序列を特定するために用いられる因果序列特定用数値情報を算出し、算出された因果序列特定用数値情報に基づいて、因果序列を特定する。
【0058】
===表示制御手段===
「表示制御手段」とは、特定手段が特定した因果序列及び因果関係の両方を同一画面上に表示する手段である。
【0059】
「同一画面上に表示する」とは、共通の画面上に表示することを示す概念であり、例えば、ページめくり等の別画面を表示するための操作を行うことなく表示される共通の画面上に情報(因果序列を示す情報及び因果関係を示す情報)を表示することを示す概念である。
【0060】
なお、表示制御手段の具体的な構成は任意であるが、例えば、以下に示すように構成してもよい。
【0061】
「表示制御手段」は、例えば、複数の対象要素各々に対応する複数の対象要素関連表示情報の表示態様により、特定手段が特定した因果序列を表示する。
【0062】
「対象要素関連表示情報」とは、対象要素に対応する情報であり、具体的には、対象要素に関する各種情報を表示するための情報であり、例えば、第1対象要素関連表示情報及び第2対象要素関連表示情報を含む。「第1対象要素関連表示情報」とは、例えば、複数の対象要素の内の相対的に原因側となる第1対象要素に対応する情報である。また、「第2対象要素関連表示情報」とは、例えば、複数の対象要素の内の相対的に結果側となる第2対象要素であって、第1対象要素の影響が及ぶ第2対象要素に対応する情報である。
【0063】
「表示態様」とは、表示のありさま又は様子を示す概念であり、例えば、表示色、表示位置、表示形状、表示サイズ(太さを含む)、又は表示状態(点滅表示、点灯表示等)等を含む概念である。
【0064】
「表示制御手段」は、例えば、複数の対象要素関連表示情報を、特定手段が特定した因果序列に基づいて定まる相互に異なる複数の表示位置であって、所定の基準線に沿っている複数の表示位置に表示することにより、特定手段が特定した因果序列を表示する。
【0065】
「所定の基準線」とは、予め定められた線であって、対象要素関連表示情報を表示するための基準となる線である。この所定の基準線は任意であり、例えば、半円の周に対応する曲線、その他の形状の任意の曲線(円の全周に対応する曲線、楕円の全周又は半周に対応する曲線、ユーザによって予め定められた任意の曲率の曲線等)、多角形(対象要素の個数に対応する個数(2倍又は3倍の個数等)の頂点を有する多角形)の一部の外形に対応する直線、2点間を結ぶ線分に対応する直線、及び立体の外形に対応する直線又は曲線等を含む概念である。なお、本実施の形態では、「所定の基準線」が半円の周に対応する曲線である場合を例示して説明する。
【0066】
「表示制御手段」は、例えば、少なくとも、複数の対象要素の個数に対応する分割数で曲線を分割する位置を複数の表示位置として、複数の対象要素関連表示情報を表示することにより、特定手段が特定した因果序列を表示する。
【0067】
「表示制御手段」は、例えば、複数の対象要素関連表示情報を、特定手段が特定した因果序列に対応する順序で、複数の表示位置に並べて表示することにより、特定手段が特定した因果序列を表示する。
【0068】
「表示制御手段」は、例えば、複数の対象要素各々に対応する複数の対象要素関連表示情報が相互に関連していることを示す相互関連表示情報の表示態様により、複数の対象要素の相互間における因果関係を表示する。
【0069】
「相互関連表示情報」とは、複数の対象要素各々に対応する複数の対象要素関連表示情報が相互に関連していることを示す情報であり、例えば、第1対象要素(複数の対象要素の内の相対的に原因側となる対象要素)側を始点とし、第2対象要素(複数の対象要素の内の相対的に結果側となる対象要素であって、第1対象要素の影響が及ぶ対象要素)側を終点とする線状画像を含む概念である。「線状画像」は任意であるが、例えば、矢印状の画像、矢印以外の任意の形状の線状の画像(例えば、一方の端部が三角形となっており、他の方の端部が円形となる線状の画像等)等を含む概念である。そして、このような制御部23の各部によって行われる処理については、後述する。
【0070】
(処理)
次に、このように構成される情報処理システム100によって行われる因果関連処理について説明する。
図4は、因果関連処理のフローチャートである(以下では、各ステップを「S」と称する)。因果関連処理とは、サーバ装置2で行われる処理であり、概略的には、複数の対象要素に関する因果序列及び因果関係を表示する処理であり、例えば、因果関連表示画面の表示する処理である。この因果関連処理の実行するタイミングは任意であるが、例えば、各種ユーザが自己の端末装置1を介して処理を起動するための操作を行った場合に起動することとし、この因果関連処理が起動したところから説明する。
【0071】
ここでは、例えば、
図2の対象要素関連情報によって特定される
図3の因果グラフが示す因果関係の構造に対応する因果関連表示画面を表示する場合を例示して説明する。なお、最初に因果関連表示画面について説明した後に、因果関連処理について説明する。
【0072】
===因果関連表示画面===
図5は、因果関連表示画面の表示例であり、
図6は、因果関連表示画面の説明図であり、
図7は、因果関連表示画面等の説明図である。なお、
図5においては、端末装置1のディスプレイ13に表示されている状態の因果関連表示画面が図示されており、
図6においては、
図5の因果関連表示画面に含まれる各要素に対して説明用の符号が付された状態が図示されている。また、
図7においては、因果関連表示画面に表示される各要素の表示態様(
図7の「表示態様」の欄参照)が示す情報(
図7の「項目」の欄参照)が例示されている。
【0073】
「因果関連表示画面」とは、対象要素の因果序列及び因果関係の両方を表示する画面であり、
図5及び
図6に示すように例えば、第1表示情報5、及び第2表示情報6を含む。
【0074】
==第1表示情報==
図6の第1表示情報5は、対象要素の因果序列及び因果関係を表示する情報であり、例えば、対象要素表示ノード画像51、対象要素表示文字情報52、及び矢印画像53を含む。
【0075】
=対象要素表示ノード画像=
図6の対象要素表示ノード画像51は、前述の対象要素関連表示情報であり、
図7の「番号」=「1」の欄に示すように例えば、表示態様(表示位置、表示色)にて、対応する経済関連指標(つまり、対象要素)の因果序列を示す情報である。対象要素表示ノード画像51は、例えば、基準線50に沿って因果序列に対応する位置に表示される円形の画像情報である。対象要素表示ノード画像51は、各図では説明の便宜上、白抜きの円形として図示されているが、因果序列に対応する表示色で表示される画像情報である。なお、対象要素表示ノード画像51の形状は任意であり、円形以外の他の形状(例えば、矩形、星形等)としてもよい。
【0076】
なお、基準線50は、前述の所定の基準線であり、例えば、半円の周に対応する曲線である。この基準線50自体については、因果関連表示画面において表示してもよいし、非表示としてもよいが、本実施の形態では表示する場合が例示されている。
【0077】
図6の対象要素表示ノード画像51は、本実施の形態では例えば、対象要素表示ノード画像511~514を含む。対象要素表示ノード画像511は、
図2の「COPPER」の情報を示す画像であり、また、対象要素表示ノード画像512は、
図2の「NICKEL」の情報を示す画像であり、また、対象要素表示ノード画像513は、
図2の「GOLD」の情報を示す画像であり、また、対象要素表示ノード画像514は、
図2の「SPY」の情報を示す画像である。
【0078】
=対象要素表示文字情報=
図6の対象要素表示文字情報52は、例えば、対応する対象要素表示ノード画像51が示す経済関連指標を文字で示す情報である。対象要素表示文字情報52の表示位置は任意であるが、例えば、対応する対象要素表示ノード画像51の近傍の位置に表示してもよい。対象要素表示文字情報52の表示色も任意であるが、例えば、予め定められた表示色(背景色に対して目立つ所定の色)を表示色としてもよいし、あるいは、バリエーションとしては、対応する対象要素表示ノード画像51と同じ表示色としてもよい。
【0079】
図6の対象要素表示文字情報52は、本実施の形態では例えば、対象要素表示文字情報521~524を含む。対象要素表示文字情報521は、対象要素表示ノード画像511に対応する
図2の「COPPER」を示す情報であり、また、対象要素表示文字情報522は、対象要素表示ノード画像512に対応する
図2の「NICKEL」を示す情報であり、また、対象要素表示文字情報523は、対象要素表示ノード画像513に対応する
図2の「GOLD」を示す情報であり、また、対象要素表示文字情報524は、対象要素表示ノード画像514に対応する
図2の「SPY」を示す情報である。
【0080】
=矢印画像=
図6の矢印画像53は、前述の相互関連表示情報であり、例えば、表示態様(表示位置、表示色、及び表示サイズ(詳細には太さ))にて、複数の経済関連指標(つまり、対象要素)の相互間の因果関係を示す情報である。詳細には、矢印画像53は、
図7の「番号」=「2」の欄に示すように例えば、表示位置(始点の位置及び終点の位置)にて、各対象要素が相対的に原因となるか結果となるかの関係を示している。また、矢印画像53は、
図7の「番号」=「3」の欄に示すように例えば、表示サイズ(太さ)にて、原因となる対象要素から結果となる対象要素への影響の度合い(つまり、結果となる対象要素が原因となる対象要素から受ける影響の度合い)を示している。また、矢印画像53は、
図7の「番号」=「4」の欄に示すように例えば、表示色にて、影響が正であるか負であるか等を示している。なお、矢印画像53は、各図では説明の便宜上、白抜き又はハッチングの矢印として図示されているが、白抜きとハッチングは相互に異なる表示色であることを示しており、例えば、白抜きが青色系の色を示しており、また、ハッチングが黄色系の色を示していることとする。
【0081】
また、
図7の「番号」=「2」~「4」の「項目」の欄に図示されている通り、各対象要素が相対的に原因となるか結果となるかの関係を「個別因果関係」とも称し、また、原因となる対象要素から結果となる対象要素への影響の度合いを「影響度」とも称し、また、影響が正であるか負であるかを「影響の正負」とも称して説明する。
【0082】
なお、原因となる対象要素(以下、「原因側対象要素」とも称する)、及び、結果となる対象要素(以下、「結果側対象要素」とも称する)については、相対的な概念であり、1個の対象要素は他の対象要素各々との関係において、原因となる対象要素又は結果となる対象要素の何れにもなり得る。また、原因となる対象要素については、複数の対象要素の内の相対的に原因側となる「第1対象要素」に対応し、また、結果となる対象要素については、複数の対象要素の内の相対的に結果側となる「第2対象要素」であって、第1対象要素の影響が及ぶ「第2対象要素」に対応するものと解釈してもよい。
【0083】
図6の矢印画像53は、本実施の形態では例えば、矢印画像531~535を含む。矢印画像531は、
図3の「COPPER」から「NICKEL」に及ぶ影響に対応する因果関係(
図3で係数情報が「0.10」の因果関係)を示す矢印形状の線状画像である。また、矢印画像532は、
図3の「COPPER」から「GOLD」に及ぶ影響に対応する因果関係(
図3で係数情報が「0.66」の因果関係)を示す矢印形状の線状画像である。また、矢印画像533は、
図3の「COPPER」から「SPY」に及ぶ影響に対応する因果関係(
図3で係数情報が「0.77」の因果関係)を示す矢印形状の線状画像である。また、矢印画像534は、
図3の「NICKEL」から「GOLD」に及ぶ影響に対応する因果関係(
図3で係数情報が「0.50」の因果関係)を示す矢印形状の線状画像である。また、矢印画像535は、
図3の「NICKEL」から「SPY」に及ぶ影響に対応する因果関係(
図3で係数情報が「-0.53」の因果関係)を示す矢印形状の線状画像である。
【0084】
==第2表示情報==
図6の第2表示情報6は、第1表示情報5の視認性を向上させるための情報であり、例えば、グラデーション表示バー61を含む。
【0085】
=グラデーション表示バー=
グラデーション表示バー61は、対象要素表示ノード画像51が示す情報の視認性を向上させるための情報であり、例えば、対象要素表示ノード画像51の表示色に対応するグラデーションの表示色を表示している画像である。
【0086】
===SA1===
図4のSA1においてサーバ装置2の制御部23は、因果構造情報を取得する。具体的には任意であるが、例えば、
図2の対象要素関連情報に基づいて、当該対象要素関連情報に示される複数の対象要素相互間の因果関係の構造を特定し、特定した因果関係の構造を示す因果構造情報を取得する。
【0087】
なお、因果関係の構造を特定する手法は任意であるが、例えば、DirectLinGAM(Linear Non-Gaussian Acyclic Model)に基づいて因果グラフ(重み付きの非巡回有向グラフであり、本実施の形態では
図3の因果グラフ)で示す因果関係の構造(つまり、
図3の各変数の矢印に対応する情報及び係数情報等)を特定するための所定のアルゴリズムを用いて特定する手法を用いることとする。所定のアルゴリズムとしては、因果推論又は因果探索の技術分野における公知のアルゴリズムを用いることができるので、詳細の説明を省略する。また、所定のアルゴリズムとしては、例えば、いわゆる構造方程式モデルに対応する行列表現にて、係数情報を特定するアルゴリズムを用いることもできる。
【0088】
なお、本実施の形態では、DirectLinGAMに対応する手法を用いて対象要素相互間の因果関係の構造を特定することと説明したが、バリエーションとしては例えば、ICA LiNGAMに対応する手法、ベイジアンネットワークに対応する手法、SAMに対応する手法、共分散構造分析に対応する手法、又はグレンジャー因果推定に対応する手法を用いてもよい。
【0089】
<例>
ここでは、例えば、
図2の対象要素関連情報において、対象要素特定情報が示す対象要素としての経済関連指標である「COPPER」、「NICKEL」、「GOLD」、及び「SPY」と、各経済関連に関連付けられている終値情報である「2023/4/1-4900円、2023/4/2-4850円、…」、「2023/4/1-2800円、2023/4/2-3000円、…」等を前述の因果関係の構造を特定する手法に適用することにより、
図3の因果グラフが示す各経済関連指標相互間の因果関係の構造を特定し、特定した因果関係の構造を示す因果構造情報として、
図3の因果グラフが示す因果関係の構造を示す情報を取得する。
【0090】
<バリエーション>
なお、本実施の形態では、サーバ装置2が、
図3の因果グラフが示す因果関係の構造を特定する場合について説明したがこれに限らず、バリエーションとしては以下のように構成してもよい。
【0091】
具体的には他のシステムによる処理又はユーザによる手計算等の任意の手法で
図3の因果グラフが示す因果関係の構造が予め明らかになっていることとし、当該
図3の因果グラフが示す因果関係の構造を示す因果構造情報がサーバ装置2の記録部22に記録されていることとし、制御部23は、
図4のSA1において、この記録されている因果構造情報を取得した上で、以下に示す各処理を実行するように構成しもよい。
【0092】
===SA2===
図4のSA2においてサーバ装置2の制御部23は、SA1で取得した因果構造情報に基づいて、複数の対象要素各々の因果に関する序列を示す因果序列と、複数の対象要素の相互間における因果関係とを特定する。因果関係の特定について説明した後に、因果序列の特定について説明する。
【0093】
==因果関係の特定==
因果関係の特定については、SA1で取得した因果構造情報が、例えば
図3の因果グラフが示す各対象要素の因果関係の構造を示している点に着目して処理する。制御部23は、SA1で取得した因果構造情報が示す各対象要素の因果関係の構造(例えば
図3の因果グラフが示す構造)を特定し、当該特定した因果関係の構造に基づいて、個別因果関係、影響度、及び影響の正負を特定する(
図7の「番号」=「2」~「4」の「項目」の欄参照)。
【0094】
<例(個別因果関係)>
ここでは、
図3に示すように例えば、個別因果関係として、「COPPER」が原因側対象要素となり「NICKLE」が結果側対象要素となる関係R1、「COPPER」が原因側対象要素となり「GOLD」が結果側対象要素となる関係R2、「COPPER」が原因側対象要素となり「SPY」が結果側対象要素となる関係R3、「NICKLE」が原因側対象要素となり「GOLD」が結果側対象要素となる関係R4、及びNICKLE」が原因側対象要素となり「SPY」が結果側対象要素となる関係R5を特定する。
【0095】
<例(影響度)>
また、
図3に示すように例えば、影響度として、関係R1に関する影響度(つまり、「COPPER」から「NICKLE」への影響の度合い)である「0.10」(
図3の係数情報の絶対値)、関係R2に関する影響度(つまり、「COPPER」から「GOLD」への影響の度合い)である「0.66」、関係R3に関する影響度である「0.77」、関係R4に関する影響度である「0.50」、及び関係R5に関する影響度である「0.53」を特定する。
【0096】
<例(影響の正負)>
また、
図3に示すように例えば、影響の正負として、関係R1に関する影響(つまり、「COPPER」から「NICKLE」への影響)が正であること、関係R2~R4に関する影響が正であること、及び関係R5に関する影響が負であることを特定する。
【0097】
==因果序列の特定==
因果序列の特定については、SA1で取得した因果構造情報に基づいて、因果序列特定用数値情報を算出し、算出した因果序列特定用数値情報に基づいて特定する。
【0098】
「因果序列特定用数値情報」とは、因果序列を特定するために用いられる数値の情報であり、具体的には、複数の対象要素に含まれる各対象要素が、複数の対象要素に含まれる他の対象要素に及ぼす影響の程度を示す第1度合と、複数の対象要素に含まれる各対象要素に対して、複数の対象要素に含まれる他の対象要素から及ぶ影響の程度を示す第2度合と、に基づいて定まる情報である。この影響序列数値情報の具体的な内容は任意であるが、本実施の形態では、例えば、IF(Influence Factor)値を因果序列特定用数値情報として用いる場合について説明する。
【0099】
図8は、IF値の説明図である。なお、
図8においては、IF値を算出するための演算式等が図示されている。IF値とは、本実施の形態における因果序列特定用数値情報であり、例えば、SA1で取得した因果構造情報に基づいて算出可能な情報であり、
図8に示す演算式に基づいて算出される数値情報である。このIF値は、対象要素各々に関して
図8の演算式により算出される。
【0100】
なお、
図8の演算式における「S_out」は、IF値を算出する対象となっている対象要素が他の対象要素に及ぼす影響の程度(つまり、IF値を算出する対象となっている対象要素から他の対象要素への影響の度合い)(第1度合)を示しており、詳細には例えば、IF値を算出する対象となっている対象要素が原因側対象要素となる因果関係における係数情報の絶対値(つまり、影響度)の合計値を示している。
【0101】
また、
図8演算式における「S_in」は、IF値を算出する対象となっている対象要素に他の対象要素から及ぶ影響の程度(つまり、IF値を算出する対象となっている対象要素に対して他の対象要素から及ぶ影響の度合い)(第2度合)を示しており、詳細には例えば、IF値を算出する対象となっている対象要素が結果側対象要素となる因果関係における係数情報の絶対値(つまり、影響度)の合計値を示している。
【0102】
因果序列の特定する処理については、以下の第1ステップ及び第2ステップを実行する。
【0103】
=第1ステップ=
第1ステップでは、SA1で取得した因果構造情報に基づいて、前述の「因果関係の特定」で説明した処理と同様な処理を行うことにより、個別因果関係及び影響度を特定し、特定した個別因果関係及び影響度を、
図8のIF値を算出するための演算式に適用することにより、IF値を算出する。
【0104】
<例>
図9は、IF値の算出例を示す図である。ここでは、例えば、前述の「<例(個別因果関係)>」及び「<例(影響度)>」と同様にして、SA1で取得した因果構造情報に基づいて、個別因果関係として
図3に示す関係R1~R5を特定し、また、関係R1~R5に関する影響度として「0.10」、「0.66」、「0.77」、「0.50」、及び「0.53」を特定し、これらの個別因果関係及び影響度を、
図8のIF値を算出するための演算式に適用することによりIF値を算出する。
【0105】
詳細には、「COPPER」については、
図9の「対象要素」=「COPPER」の欄に示すように、「S_out」及び「S_in」が「1.53」及び「0」となるので、IF値として「1」を算出することになり、「NICKEL」、「GOLD」、「SPY」については、
図9の対応する欄に示すように、「S_out」及び「S_in」が図示の値となり、IF値として「0.823」、「-1」、及び「-1」を算出することになる。
【0106】
=第2ステップ=
第2ステップでは、第1ステップで算出した各対象要素各々のIF値の大小関係に応じて、因果序列を特定する。なお、本実施の形態では、原因側と結果側(原因側の反対側)という基準において、より原因側に近い(つまり、より結果側から遠い)か、より原因側から遠い(つまり、より結果側に近い)かを特定可能な序列(順序)を示す数値を用いることとし、より原因側に近い序列をより値が小さな正の整数で示す場合について説明する。すなわち、例えば、「1」に対応する因果序列は、「2」に対応する因果序列よりも、より原因側に近い序列(つまり、より原因側の序列)であることを示することとする。
【0107】
また、因果序列については、より原因側に近い序列を相対的に上側の序列と解釈し、より原因側から遠い序列を相対的に下側の序列と解釈してもよい。
【0108】
そして、例えば、「1」に対応する因果序列となる対象要素は、「1」よりも大きな数値である「2」又は「3」等に対応する因果序列となる対象要素よりも、他の対象要素に対して影響を及ぼし易い(他の対象要素から影響が及び難い)(つまり、原因側対象要素になり易く、結果側対象要素になり難い)対象要素であるものと解釈することが可能となる。
【0109】
また、例えば、「3」に対応する因果序列となる対象要素は、「3」よりも小さな数値である「1」又は「2」等に対応する因果序列となる対象要素よりも、他の対象要素に対して影響を及ぼし難い(他の対象要素から影響が及び易い)(つまり、結果側対象要素になり易く、原因側対象要素になり難い)対象要素であるものと解釈することが可能となる。
【0110】
第2ステップの処理について具体的には、第1ステップで算出した各対象要素各々のIF値がより大きな対象要素がより原因側に近い序列(序列を正の数値で示す場合はより小さな数値に対応する序列であって、上側の序列)となり、第1ステップで算出した各対象要素各々のIF値がより小さな対象要素がより結果側に近い序列(序列を正の数値で示す場合はより大きな数値に対応する序列であって、下側の序列)となるように、因果序列を特定する。
【0111】
なお、IF値としては、正及び負の両方の数値が想定されるので、「IF値がより大きい」及び「IF値がより小さい」とは、正及び負の符号も含めた数値における大小関係を示している。すなわち、例えば、IF値に関して「1」と「-1」では、「1」が大きく「-1」が小さいものとして処理し、「-0.5」と「-1」では「-0.5」が大きく「-1」が小さいものとして処理することになる。
【0112】
<IF値が同じ値の場合>
また、各対象要素のIF値が相互に同じ値となることも想定されるが、この場合は、IF値が「1」である場合、IF値が「-1」である場合、IF値が「1」又は「-1」以外の数値である場合に分けて、以下のように処理してもよい。
【0113】
例えば、各対象要素のIF値が「1」となり相互に同じ値となる場合、関連する影響度の総和(つまり、「S_out」+「S_in」の演算結果)が大きい対象要素ほど、原因側の序列(序列を正の数値で示す場合において、より「1」に近い側の序列であり、つまり、より上側の序列)となるように因果序列を特定する。
【0114】
例えば、各対象要素のIF値が「-1」となり相互に同じ値となる場合、関連する影響度の総和(つまり、「S_out」+「S_in」の演算結果)が大きい対象要素ほど、結果側の序列(序列を正の数値で示す場合において、より「1」から遠い側の序列であり、つまり、より下側の序列)となるように因果序列を特定する。
【0115】
例えば、各対象要素のIF値が「1」又は「-1」以外の数値となり相互に同じ値となる場合は、各対象要素に仮の因果序列をユーザによって予め設定しておき、この仮の因果序列に従って因果序列を特定してもよいし、関連する影響度の総和が大きい対象要素ほど原因側の序列となるように因果序列を特定してもよいし、あるいは、関連する影響度の総和が大きい対象要素ほど結果側の序列となるように因果序列を特定してもよい。
【0116】
<例>
ここでは、例えば、第1ステップにおいて、
図9の「IF値」の欄に示すように、各対象要素のIF値として「1」、「0.823」、「-1」、及び「-1」を算出したので、第2ステップでは、この算出したIF値の大小関係に基づいて、因果序列を特定する。
【0117】
詳細には、最も大きなIF値である「1」に対応する「COPPER」の因果序列として、最も原因側に近い「1」に対応する序列を特定する。また、2番目に大きなIF値である「0.823」に対応する「NICKEL」の因果序列として、2番目に原因側に近い「2」に対応する序列を特定する。
【0118】
また、3番目に大きなIF値である「-1」が2個存在し、すなわち、「GOLD」及び「SPY」のIF値が「-1」となり相互に同じ値となっているが、「GOLD」に関連する影響度の総和は「0.66+0.5=1.16」であり、「SPY」に関連する影響度の総和は「0.53+0.77=1.3」である。よって、関連する影響度の総和がより大きい「SPY」が、より結果側(より「1」から遠い側の序列であり、より下側の序列)となるので、「GOLD」の因果序列として、3番目に原因側に近い「3」に対応する序列を特定し、「SPY」の因果序列として、4番目に原因側に近い「4」に対応する序列を特定する。
【0119】
<IF値が同じ値の場合(バリエーション)>
なお、IF値が相互に同じ値の場合の処理のバリエーションとしては、各対象要素のIF値が「1」となり相互に同じ値となる場合に、仮の因果序列に従って因果序列を特定してもよいし、あるいは、関連する影響度の総和が大きい対象要素ほど、結果側の序列となるよう特定してもよい。また、各対象要素のIF値が「-1」となり相互に同じ値となる場合に、仮の因果序列に従って因果序列を特定してもよいし、あるいは、関連する影響度の総和が大きい対象要素ほど、原因側の序列となるよう特定してもよい。
【0120】
===SA3===
図4のSA3においてサーバ装置2の制御部23は、SA2の処理結果に基づいて、因果関連表示画面表示処理を実行する。
図10は、因果関連表示画面表示処理のフローチャートである。因果関連表示画面表示処理とは、サーバ装置2で行われる処理であり、概略的には、因果関連表示画面を表示する処理であり、詳細には、
図4のSA2で特定した因果序列及び因果関係の両方を同一画面上に表示する処理である。
【0121】
===SB1===
図10のSB1においてサーバ装置2の制御部23は、SA2の処理結果に基づいて、
図6の対象要素表示ノード画像51の表示態様(表示位置及び表示色)を特定する。具体的には任意であるが、例えば、対象要素表示ノード画像51の表示態様として、SA2で特定した因果序列を示す表示態様を特定する。
【0122】
==表示位置の特定==
図6の対象要素表示ノード画像51の表示位置の特定については、概略的には、各対象要素に対応する対象要素表示ノード画像51が、
図4のSA2で特定した因果序列に対応する順序で並ぶように、表示位置を特定する。具体的には、以下の第1ステップ及び第2ステップを実行する。なお、この各ステップは例示であり、他の処理を行うことにより、前述したように構成してもよい。
【0123】
【0124】
=第1ステップ=
第1ステップでは、
図11に示すように、
図5の因果関連表示画面において基準点50A(
図11)を中心とした所定径の半円の周に対応する曲線である基準線50上において、対象要素の個数に対応する個数分の表示位置P511~P514(
図12)を特定する。具体的には、
図2の対象要素特定情報を参照して、対象要素の個数を特定し、特定した個数分の表示位置を特定する。
【0125】
<例>
ここでは、例えば、
図2の対象要素特定情報が示す対象要素の個数が4個であるので、4個分の表示位置を特定する必要があるが、基準線50の端部(2個の端部であり両端部)と当該基準線50を3等分(対象要素の個数である4個-1個に対応する等分数)する基準線50上の位置とを特定し、特定した位置を表示位置とする。詳細には、基準点50Aを中心とした半円の中心角である180度を3等分した60度の中心角となる3個の扇型の弧の端部に対応する位置である
図12の表示位置P511~P514を特定する。
【0126】
=第2ステップ=
第2ステップでは、各対象要素に対応する対象要素表示ノード画像51を、第1ステップで特定した複数の表示位置の内の何れの表示位置に表示するかを特定する。具体的には、各対象要素に対応する対象要素表示ノード画像51が、
図4のSA2で特定した因果序列に対応する順序で並ぶように、表示位置を特定する。
【0127】
<例>
ここでは、例えば、
図5及び
図6の因果関連表示画面において、画面左側の位置がより原因側に近い上側の因果序列を示しており、すなわち、画面右側の位置がより原因側から遠い下側の因果序列を示していることとして説明する。この場合、
図12の表示位置P511~P514については、表示位置P511が最も原因側に近い因果序列を示す位置となり、表示位置P512が2番目に原因側に近い因果序列を示す位置となり、表示位置P513が3番目に原因側に近い因果序列を示す位置となり、表示位置P514が4番目に原因側に近い因果序列を示す位置(つまり、最も原因側から遠く結果側に近い因果序列を示す位置)となる。
【0128】
そして、
図4のSA2において、「COPPER」の因果序列として「1」に対応する序列を特定し、「NICKEL」の因果序列として「2」に対応する序列を特定し、「GOLD」の因果序列として「3」に対応する序列を特定し、「SPY」の因果序列として「4」に対応する序列を特定したので、「COPPER」を示す対象要素表示ノード画像511(
図6)の表示位置として表示位置P511(
図12)を特定し、「NICKEL」を示す対象要素表示ノード画像512(
図6)の表示位置として表示位置P512(
図12)を特定し、「GOLD」を示す対象要素表示ノード画像513(
図6)の表示位置として表示位置P513(
図12)を特定し、「SPY」を示す対象要素表示ノード画像514(
図6)の表示位置として表示位置P514(
図12)を特定する。
【0129】
==表示色の特定==
図6の対象要素表示ノード画像51の表示色の特定については、概略的には、各対象要素に対応する対象要素表示ノード画像51が、
図4のSA2で特定した因果序列に対応する表示色で表示されるように、表示色を特定する。具体的には、因果序列に対応して、規則的に定められる所定色のグラデーション(一例としては、紫色の濃淡)で定まる表示色を特定することにより、複数の対象要素表示ノード画像51の表示色の濃淡により、相対的に因果序列を把握可能となるように、表示色を特定する。具体的には、以下の第1ステップ及び第2ステップを実行する。なお、この各ステップは例示であり、他の処理を行うことにより、前述したように構成してもよい。
【0130】
図13は、表示色を特定する処理の説明図である。なお、
図13においては、
図5及び
図6の因果関連表示画面における表示位置等が例示されている。
【0131】
=第1ステップ=
第1ステップでは、
図13に示すように、基準点50Aを中心とした所定径の半円の周に対応する曲線である基準線50の2個の端部に対応する幅W方向(
図13の基準線50を含む半円の直径に平行となる方向)における、位置P911(最も原因側に近い表示位置P511に対応する位置)及び位置P914(最も原因側に近い表示位置P514に対応する位置)の相互間を所定個数(128個~256個等)の区間に等分し、各区間に対して規則的に定められる所定色のグラデーションに対応する表示色を定める。
【0132】
<例>
ここでは、例えば、
図13の幅W方向において位置P911及び位置P914の相互間を所定個数(128個~256個等)の区間に等分し、各区間に対して、位置P911側から位置P914側に向かうにつれて紫色が濃くなるグラデーションに対応する色を定める。すなわち、例えば、位置P911に対応する区間については、最も淡い(薄い)表示色である白色を定めて、位置P914に対応する区間については、最も濃い紫色の表示色を定める。
【0133】
なお、この場合、
図13の表示位置P512に対応する位置P912(すなわち、表示位置P512における幅W方向における位置)の区間については、位置P911の区間よりも濃く且つ位置P914よりも薄い紫色の表示色を定めることになる。また、
図13の表示位置P513に対応する位置P913(すなわち、表示位置P513における幅W方向における位置)の区間については、位置P912の区間よりも濃く且つ位置P914よりも薄い紫色の表示色を定めることになる。
【0134】
なお、位置P911~P914各々に対応する区間の表示色を、
図13に示すように、「第1表示色」~「第4表示色」と称して説明する。
【0135】
=第2ステップ=
第2ステップでは、第1ステップで定めた各区間の表示色、及び、前述の「表示位置の特定」の処理で特定した対象要素表示ノード画像51の表示位置(つまり、
図4のSA2で特定した因果序列に基づいて定まる表示位置)に基づいて、対象要素表示ノード画像51の表示色を特定する。具体的には、対象要素表示ノード画像51の表示位置に対応する幅W方向の位置を特定し、特定した幅W方向の位置に対応する表示色を、各対象要素表示ノード画像51の表示色として特定する。
【0136】
<例>
ここでは、例えば、「COPPER」を示す対象要素表示ノード画像511(
図6)の表示位置として表示位置P511(
図13)を特定したので、当該表示位置P511に対応する幅W方向の位置P911に対応する第1表示色を、対象要素表示ノード画像511(
図6)の表示色として特定する。また、例えば、「NICKEL」、「GOLD」、及び「SPY」を示す対象要素表示ノード画像512~514(
図6)の表示位置として、表示位置P512~P514(
図13)を特定したので、当該表示位置P512~P514に対応する幅W方向の位置P912~P914に対応する第2表示色、第3表示色、及び第4表示色を、対象要素表示ノード画像512、513、514(
図6)の表示色として特定する。
【0137】
===SB2===
図10のSB2においてサーバ装置2の制御部23は、SA2の処理結果に基づいて、
図6の矢印画像53の表示態様(表示位置、表示サイズ、及び表示色)を特定する。具体的には任意であるが、例えば、矢印画像53の表示態様として、SA2で特定した因果関係(個別因果関係、影響度、及び影響の正負)を示す表示態様を特定する。
【0138】
==表示位置の特定==
図6の矢印画像53の表示位置の特定(始点の位置及び終点の位置の特定)については、概略的には、原因側対象要素を示す対象要素表示ノード画像51の表示位置を始点の位置として特定し、また、当該原因側対象要素が影響を及ぼす結果側対象要素を示す対象要素表示ノード画像51の表示位置を終点の位置として特定することにより、当該特定した始点の位置から当該特定した終点の位置に向かう矢印画像53の表示位置を特定する。具体的には、以下の第1ステップを実行する。なお、このステップは例示であり、他の処理を行うことにより、前述したように構成してもよい。
【0139】
=第1ステップ=
第1ステップでは、
図4のSA2で特定した因果関係における個別因果関係と、
図10のSB1で特定した対象要素表示ノード画像51の表示位置とに基づいて、原因側対象要素を示す対象要素表示ノード画像51の表示位置を始点の位置として特定し、また、当該原因側対象要素が影響を及ぼす結果側対象要素を示す対象要素表示ノード画像51の表示位置を終点の位置として特定する。
【0140】
<例>
ここでは、例えば、前述したように、
図4のSA2において、
図3の関係R1~関係R5を個別因果関係として特定し、
図10のSB1において「COPPER」~「SPY」を示す対象要素表示ノード画像511~514(
図6)の表示位置として表示位置P511~P514(
図12)を特定したので、矢印画像53の表示位置として以下を特定することになる。
【0141】
例えば、
図3の関係R1に対応する個別因果関係等に基づいて、原因側対象要素に対応する「COPPER」を示す対象要素表示ノード画像511の表示位置である表示位置P511(
図12)を始点の位置として特定し、結果側対象要素に対応する「NICKEL」を示す対象要素表示ノード画像512の表示位置である表示位置P512(
図12)を終点の位置として特定することにより、関係R1に対応する矢印画像531(
図6)の位置を特定する。
【0142】
つまり、
図3の関係R1に対応する個別因果関係に関しては、因側対象要素に対応する「COPPER」を示す対象要素表示ノード画像511(第1対象要素関連表示情報)側を始点として特定し、結果側対象要素に対応する「NICKEL」を示す対象要素表示ノード画像512(第2対象要素関連表示情報)側を終点として特定する。
【0143】
また、同様にして、例えば、
図3の関係R2~R5の個別因果関係等に基づいて、関係R2~R5に対応する矢印画像532~535(
図6)の位置を特定する。
【0144】
==表示サイズの特定==
図6の矢印画像53の表示サイズ(太さ)の特定については、概略的には、各矢印画像53に対応する個別因果関係の影響度に対応する表示太さを特定することにより、矢印画像53の表示サイズを特定する。具体的には、以下の第1ステップを実行する。なお、このステップは例示であり、他の処理を行うことにより、前述したように構成してもよい。
【0145】
=第1ステップ=
第1ステップでは、
図4のSA2で特定した因果関係における影響度に対応する表示太さを特定する。具体的な特定手法は任意であり、例えば、影響度が大きくなるにつれて表示太さが太くなるように特定する場合について説明する。例えば、サーバ装置2の記録部22に、影響度を示す数値情報を入力した場合に、入力された数値情報に対応する表示太さを示す情報が出力される演算式又はアルゴリズム等が記録されていることとし、当該演算式又はアルゴリズムを用いて表示太さを特定するように構成してもよい。
【0146】
<例>
ここでは、例えば、前述したように、
図4のSA2において、
図3の関係R1~R5に関する影響度として「0.10」、「0.66」、「0.77」、「0.50」、「0.53」を特定したので、矢印画像53の表示サイズとして以下を特定することになる。
【0147】
例えば、各影響度の中で最も大きな値の「0.77」となっている関係R3に対応する矢印画像533(
図6)の表示サイズとしてこれらの中で最も太い表示太さを特定する。
【0148】
また、同様にして、「0.66」、「0.53」、「0.50」、「0.10」となっている関係R2、R5、R4、R1に対応する矢印画像532(
図6)、矢印画像535、矢印画像534、矢印画像531の表示サイズとしてこれらの中で2番目、3番目、4番目、5番目に太い表示太さを特定する。すなわち、各影響度の中で最も小さな値の「0.10」となっている関係R1に対応する矢印画像531(
図6)の表示サイズとしてこれらの中で最も細い表示太さを特定することになる。
【0149】
==表示色の特定==
図6の矢印画像53の表示色の特定については、概略的には、各矢印画像53に対応する個別因果関係の影響の正負に対応する表示色を特定する。具体的には、以下の第1ステップを実行する。なお、このステップは例示であり、他の処理を行うことにより、前述したように構成してもよい。
【0150】
=第1ステップ=
第1ステップでは、
図4のSA2で特定した因果関係における影響の正負に対応する表示色を特定する。具体的な特定手法は任意であり、例えば、影響が正である場合は「青色系の色」(一例としては青色)であり、影響が負である場合は「黄色系の色」(一例としては黄色)であるものと表示色のルール定められていることとし、当該ルールに従って表示色を特定するように構成してもよい。
【0151】
<例>
ここでは、例えば、前述したように、
図4のSA2において、
図3の関係R1~R4に関する影響の正負として、影響が正であることを特定し、一方で、
図3の関係R5に関する影響の正負として、影響が負であることを特定したので、前述の表示色のルールに従がって、矢印画像53の表示色として以下を特定することになる。
【0152】
例えば、
図3の関係R1~R4に対応する矢印画像531~534(
図6)の表示色として、影響が正であることに対応する「青色」を特定し、一方で、
図3の関係R5に対応する矢印画像535(
図6)の表示色として、影響が負であることに対応する「黄色」を特定する。
【0153】
===SB3===
図10のSB3においてサーバ装置2の制御部23は、
図6の対象要素表示文字情報52の表示態様(表示位置)を特定する。具体的には任意であるが、例えば、SB1の処理において特定された対象要素表示ノード画像51の表示位置の近傍の位置を、各対象要素表示ノード画像51に対応する対象要素表示文字情報52の表示位置として特定する。
【0154】
<例>
ここでは、例えば、前述のSB1において、対象要素表示ノード画像511~514の表示位置として、
図12の表示位置P511~P514を特定したので、当該対象要素表示ノード画像511~514に対応する対象要素表示文字情報521~524の表示位置として、当該表示位置P511~P514の近傍の位置を特定する。
【0155】
===SB4===
図10のSB4においてサーバ装置2の制御部23は、
図6のグラデーション表示バー61の表示態様(表示形状、表示サイズ、表示位置、及び表示色)を特定する。具体的には任意であるが、例えば、
図13の幅W方向において位置P911及び位置P914を両端とする棒状の形状及びサイズを特定し、また、基準線50を含む半円の画面下方の位置を表示位置として特定し、また、
図10のSB1の「表示色の特定」の処理の「第1ステップ」で説明したグラデーションに対応する表示色をグラデーション表示バー61(
図6)の表示色として特定する。つまり、表示色については、
図6のグラデーション表示バー61において図面左側から右側に向かうにつれて、淡い(薄い)表示色から濃い表示色となるように特定する。
【0156】
<例>
ここでは、例えば、グラデーション表示バー61の表示態様として、
図6に例示されている棒状の形状及びサイズを特定し、また、基準線50を含む半円の画面下方の位置を表示位置として特定し、また、図面左側から右側に向かうにつれて、淡い(薄い)表示色から濃い表示色となるように特定する。すなわち、
図13の幅W方向において、位置P911、位置P912、位置P913、及び位置P914に対応するグラデーション表示バー61各位置の表示色としては、対象要素表示ノード画像511~514の表示色と同じ表示色(具体的には、
図13の第1表示色、第2表示色、第3表示色、及び第4表示色)を特定することになる。
【0157】
===SB5===
図10のSB5においてサーバ装置2の制御部23は、因果関連表示画面を表示する。具体的には任意であるが、例えば、SB1~SB4で特定した表示態様で、
図6の第1表示情報5(具体的には、対象要素表示ノード画像51、対象要素表示文字情報52、及び矢印画像53)及び
図6の第2表示情報6(具体的には、グラデーション表示バー61)を表示し、また、基準線50も表示するための画面情報を生成し、生成した画面情報を端末装置1に送信することにより、端末装置1のディスプレイ13に因果関連表示画面を表示する。
【0158】
<例>
ここでは、例えば、
図6の因果関連表示画面を表示するための画面情報を生成して端末装置1に送信することにより、ディスプレイ13に
図6の因果関連表示画面を表示する。これにて、
図10の因果関連表示画面表示処理をリターンし、
図4の因果関連処理を終了する。
【0159】
(因果関連表示画面からの情報の把握)
図6の因果関連表示画面は、前述の各処理を行うことにより表示されているので、ユーザは、当該因果関連表示画面を視認することにより、対象要素の因果等に関する各種情報を把握することが可能となる。
【0160】
===因果序列===
例えば、
図7の「番号」=「1」の欄に示すように、
図6の対象要素表示ノード画像51の表示位置及び表示色は、対応する対象要素の因果序列に対応しているので、当該対象要素表示ノード画像51の表示位置及び表示色を視認することにより、対象要素の因果序列を把握することが可能となる。
【0161】
<例>
一例としては、因果序列について、より原因側に近い序列を相対的に上側の序列と解釈し、より原因側から遠い序列を相対的に下側の序列と解釈する場合、
図6の因果関連表示画面を視認することにより、表示位置が画面左側となっている程、対象要素表示ノード画像51に対応する対象要素の因果序列が上側となっていることを把握することができる。また、
図6の因果関連表示画面を視認することにより、表示色が淡い(薄い)程、対象要素表示ノード画像51に対応する対象要素の因果序列が上側となっていることを把握することができる。
【0162】
そして、因果序列については、上側から下側に向かって、「COPPER」、「NICKEL」、「GOLD」、及び「SPY」の順序になっていることを把握することができる。つまり、4個の対象要素の中で「COPPER」が最も原因側の序列であり、また、「SPY」が最も結果側の序列であることを把握することが可能となる。
【0163】
===因果関係(個別因果関係)===
例えば、
図7の「番号」=「2」の欄に示すように、
図6の矢印画像53の表示位置(始点及び終点の位置)は、対応する対象要素の個別因果関係に対応しているので、当該矢印画像53の表示位置を視認することにより、対象要素の個別因果関係を把握することが可能となる。
【0164】
<例>
一例としては、
図6の因果関連表示画面を視認することにより、
図3の関係R1~R5の個別因果関係を把握することが可能となる。
【0165】
===因果関係(影響度)===
例えば、
図7の「番号」=「3」の欄に示すように、
図6の矢印画像53の表示サイズ(太さ)は、対応する対象要素の個別因果関係における影響度に対応しているので、当該矢印画像53の表示サイズを視認することにより、対象要素の個別因果関係における影響度の相対的な大小関係を把握することが可能となる。
【0166】
<例>
一例としては、
図6の因果関連表示画面を視認することにより、
図3の係数情報の絶対値の大小関係に対応する影響度の相対的な大小関係を把握することが可能となる。
【0167】
===因果関係(影響の正負)===
例えば、
図7の「番号」=「4」の欄に示すように、
図6の矢印画像53の表示色は、対応する対象要素の個別因果関係における影響の正負に対応しているので、当該矢印画像53の表示色を視認することにより、対象要素の個別因果関係における影響の正負を把握することが可能となる。
【0168】
<例>
一例としては、
図6の因果関連表示画面を視認することにより、「青色」の矢印画像531~534に対応する関係R1~R4(
図3)に関する影響が正であることを把握することが可能となり、また、「黄色」の矢印画像535に対応する関係R5に関する影響が負であることを把握することが可能となる。
【0169】
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、因果序列及び因果関係の両方を同一画面上に表示することにより、例えば、因果序列と因果関係との両方を把握させることが可能となる。
【0170】
また、複数の対象要素各々に対応する複数の対象要素表示ノード画像51の表示態様により因果序列を表示することにより、例えば、因果序列を確実に把握させることが可能となる。
【0171】
また、複数の対象要素表示ノード画像51を因果序列に基づいて定まる相互に異なる複数の表示位置P511~P514であって、基準線50(所定の基準線)に沿っている複数の表示位置P511~P514に表示することにより、例えば、複数の対象要素表示ノード画像51の視認性を向上させることができるので、因果序列を確実に把握させることが可能となる。
【0172】
また、基準線50は半円の周に対応する曲線であり、少なくとも、複数の対象要素の個数に対応する分割数で曲線である基準線50を分割する位置を複数の表示位置として複数の対象要素関連表示情報を表示することにより、例えば、複数の対象要素表示ノード画像51が相互に重なること等を防止することができるので、複数の対象要素表示ノード画像51の視認性を向上させることができ、因果序列を確実に把握させることが可能となる。
【0173】
また、複数の対象要素表示ノード画像51を因果序列に対応する順序で、複数の表示位置P511~P514に並べて表示することにより、例えば、複数のP511~P514の並べられている順序に基づいて因果序列を把握させることができるので、因果序列を確実に把握させることが可能となる。
【0174】
また、矢印画像53の表示態様により因果関係を表示することにより、例えば、因果関係を確実に把握させることが可能となる。
【0175】
また、矢印画像53は、第1対象要素側を始点とし、第2対象要素側を終点とする線状画像を含むことにより、例えば、因果関係を確実に把握させることが可能となる。
【0176】
また、因果序列特定用数値情報としてのIF値を算出し、算出されたIF値に基づいて、因果序列を特定することにより、例えば、IF値を用いて因果序列を適切に特定することが可能となる。
【0177】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0178】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
【0179】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。
【0180】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0181】
(対象要素表示ノード画像の表示色について)
また、上記実施の形態では、
図10のSB1において、
図6の対象要素表示ノード画像51の表示色を、対応する対象要素の因果序列に対応する表示色とする場合について説明したが、これに限らない。例えば、対象要素表示ノード画像51の表示色を、対応する各対象要素のIF値に対応する表示色としてもよい。具体的には例えば、IF値が大きい程淡い表示色となるように(つまり、IF値が小さい程濃い紫色の表示色となるように)、対象要素表示ノード画像51の表示色を特定して、特定した表示色にて対象要素表示ノード画像51を表示するように構成してもよい。
【0182】
(表示位置について)
また、上記実施の形態では、
図12の表示位置P511~P514が基準線50上の位置である場合について説明したが、これに限らない。表示位置P511~P514は、基準線50に沿って設けられていれば、基準線50上の位置でなくてもよく、すなわち、表示位置P511~P514は、基準線50の周辺位置(基準線50を含む半円の外側の位置又は内側の位置における基準線50の近傍の位置)であってもよい。
【0183】
また、上記実施の形態では、
図10のSB1の「表示位置の特定」の処理において、「基準線50の端部(2個の端部であり両端部)と当該基準線50を3等分(対象要素の個数である4個-1個に対応する等分数)する基準線50上の位置とを特定し、特定した位置を表示位置とする」と説明したが、一部の処理を変更してもよい。具体的には、基準線50を3等分(つまり、相互に同じ長さとなるように3個に分割)に関しては、長さがランダムとなるように、又は、予め定めた比率に対応する長さになるように、3分割するように構成してもよい。また、基準線50の端部に対応する位置を含めずに、基準線50を分割する位置のみを表示位置としてもよい。この場合、基準線50を5分割(対象要素の個数である4個+1個に対応する分割数)する基準線50上の位置を特定し、特定した位置を表示位置とするように構成してもよい。
【0184】
(因果序列及び因果関係の表示について)
また、上記実施の形態では、特定手段が特定した因果序列及び因果関係を、
図7に示すように対象要素表示ノード画像51及び矢印画像53の表示態様にて表示する場合について説明したが、これに限らない。例えば、特定手段が特定した因果序列及び因果関係を示す情報(文字情報、イラスト、又は図面等の他の任意の情報)を同一画面に表示することにより、当該因果序列及び因果関係を表示するように構成してもよい。例えば、
図3の因果グラフにおいて、「COPPER」等の各対象要素(変数)を示す文字情報の近傍に、当該対象要素の因果序列を示す数値情報を表示することにより、因果序列及び因果関係を表示するように構成してもよい。
【0185】
(組み合わせについて)
また、上記実施の形態で説明した各処理(バリエーションも含む)及び変形例として記載した処理を任意に組み合わせたり、一部の処理を省略したりしてもよい。
【0186】
(付記)
付記1の表示システムは、複数の対象要素の相互間における因果関係の構造を示す因果構造情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記因果構造情報に基づいて、前記複数の対象要素各々の因果に関する序列を示す因果序列と、前記複数の対象要素の相互間における前記因果関係とを特定する特定手段と、前記特定手段が特定した前記因果序列及び前記因果関係の両方を同一画面上に表示する表示制御手段と、を備える。
【0187】
付記2の表示システムは、付記1に記載の表示システムにおいて、前記表示制御手段は、前記複数の対象要素各々に対応する複数の対象要素関連表示情報の表示態様により、前記特定手段が特定した前記因果序列を表示する。
【0188】
付記3の表示システムは、付記2に記載の表示システムにおいて、前記表示制御手段は、前記複数の対象要素関連表示情報を、前記特定手段が特定した前記因果序列に基づいて定まる相互に異なる複数の表示位置であって、所定の基準線に沿っている前記複数の表示位置に表示することにより、前記特定手段が特定した前記因果序列を表示する。
【0189】
付記4の表示システムは、付記3に記載の表示システムにおいて、前記所定の基準線は、半円の周に対応する曲線であり、前記表示制御手段は、少なくとも、前記複数の対象要素の個数に対応する分割数で前記曲線を分割する位置を前記複数の表示位置として、前記複数の対象要素関連表示情報を表示することにより、前記特定手段が特定した前記因果序列を表示する。
【0190】
付記5の表示システムは、付記3又は4に記載の表示システムにおいて、前記表示制御手段は、前記複数の対象要素関連表示情報を、前記特定手段が特定した前記因果序列に対応する順序で、前記複数の表示位置に並べて表示することにより、前記特定手段が特定した前記因果序列を表示する。
【0191】
付記6の表示システムは、付記1に記載の表示システムにおいて、前記表示制御手段は、前記複数の対象要素各々に対応する複数の対象要素関連表示情報が相互に関連していることを示す相互関連表示情報の表示態様により、前記複数の対象要素の相互間における前記因果関係を表示する。
【0192】
付記7の表示システムは、付記6に記載の表示システムにおいて、前記複数の対象要素関連表示情報は、前記複数の対象要素の内の相対的に原因側となる第1対象要素に対応する第1対象要素関連表示情報と、前記複数の対象要素の内の相対的に結果側となる第2対象要素であって、前記第1対象要素の影響が及ぶ前記第2対象要素に対応する第2対象要素関連表示情報と、を含み、前記相互関連表示情報は、前記第1対象要素側を始点とし、前記第2対象要素側を終点とする線状画像を含む。
【0193】
付記8の表示システムは、付記1に記載の表示システムにおいて、前記特定手段は、前記複数の対象要素に含まれる各対象要素が、前記複数の対象要素に含まれる他の対象要素に及ぼす影響の程度を示す第1度合と、前記複数の対象要素に含まれる各対象要素に対して、前記複数の対象要素に含まれる他の対象要素から及ぶ影響の程度を示す第2度合と、に基づいて定まる因果序列特定用数値情報であって、前記因果序列を特定するために用いられる前記因果序列特定用数値情報を算出し、算出された前記因果序列特定用数値情報に基づいて、前記因果序列を特定する。
【0194】
付記9の表示プログラムは、コンピュータを、複数の対象要素の相互間における因果関係の構造を示す因果構造情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記因果構造情報に基づいて、前記複数の対象要素各々の因果に関する序列を示す因果序列と、前記複数の対象要素の相互間における前記因果関係とを特定する特定手段と、前記特定手段が特定した前記因果序列及び前記因果関係の両方を同一画面上に表示する表示制御手段と、として機能させる。
【0195】
(付記の効果)
付記1に記載の表示システム、及び付記9に記載の表示プログラムによれば、因果序列及び因果関係の両方を同一画面上に表示することにより、例えば、因果序列と因果関係との両方を把握させることが可能となる。
【0196】
付記2に記載の表示システムによれば、複数の対象要素各々に対応する複数の対象要素関連表示情報の表示態様により因果序列を表示することにより、例えば、因果序列を確実に把握させることが可能となる。
【0197】
付記3に記載の表示システムによれば、複数の対象要素関連表示情報を因果序列に基づいて定まる相互に異なる複数の表示位置であって、所定の基準線に沿っている複数の表示位置に表示することにより、例えば、複数の対象要素関連表示情報の視認性を向上させることができるので、因果序列を確実に把握させることが可能となる。
【0198】
付記4に記載の表示システムによれば、所定の基準線は半円の周に対応する曲線であり、少なくとも、複数の対象要素の個数に対応する分割数で曲線を分割する位置を複数の表示位置として複数の対象要素関連表示情報を表示することにより、例えば、複数の対象要素関連表示情報が相互に重なること等を防止することができるので、複数の対象要素関連表示情報の視認性を向上させることができ、因果序列を確実に把握させることが可能となる。
【0199】
付記5に記載の表示システムによれば、複数の対象要素関連表示情報を因果序列に対応する順序で、複数の表示位置に並べて表示することにより、例えば、複数の対象要素関連表示情報の並べられている順序に基づいて因果序列を把握させることができるので、因果序列を確実に把握させることが可能となる。
【0200】
付記6に記載の表示システムによれば、相互関連表示情報の表示態様により因果関係を表示することにより、例えば、因果関係を確実に把握させることが可能となる。
【0201】
付記7に記載の表示システムによれば、相互関連表示情報は、第1対象要素側を始点とし、第2対象要素側を終点とする線状画像を含むことにより、例えば、因果関係を確実に把握させることが可能となる。
【0202】
付記8に記載の表示システムによれば、因果序列特定用数値情報を算出し、算出された因果序列特定用数値情報に基づいて、因果序列を特定することにより、例えば、因果序列特定用数値情報を用いて因果序列を適切に特定することが可能となる。
【符号の説明】
【0203】
1 端末装置
2 サーバ装置
5 第1表示情報
6 第2表示情報
11 通信部
12 タッチパッド
13 ディスプレイ
14 記録部
15 制御部
21 通信部
22 記録部
23 制御部
50 基準線
50A 基準点
51 対象要素表示ノード画像
52 対象要素表示文字情報
53 矢印画像
61 グラデーション表示バー
100 情報処理システム
221 対象要素関連情報DB
511 対象要素表示ノード画像
512 対象要素表示ノード画像
513 対象要素表示ノード画像
514 対象要素表示ノード画像
521 対象要素表示文字情報
522 対象要素表示文字情報
523 対象要素表示文字情報
524 対象要素表示文字情報
531 矢印画像
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534 矢印画像
535 矢印画像
P511 表示位置
P512 表示位置
P513 表示位置
P514 表示位置
P911 位置
P912 位置
P913 位置
P914 位置
R1 関係
R2 関係
R3 関係
R4 関係
R5 関係
W 幅
【要約】
【課題】因果序列と因果関係との両方を把握させることが可能となる表示システム、及び表示プログラムを提供すること。
【解決手段】複数の対象要素の相互間における因果関係の構造を示す因果構造情報を取得する取得手段と、取得手段が取得した因果構造情報に基づいて、複数の対象要素各々の因果に関する序列を示す因果序列と、複数の対象要素の相互間における因果関係とを特定する特定手段と、特定手段が特定した因果序列及び因果関係の両方を同一画面上に表示する表示制御手段と、を備え、表示制御手段は、複数の対象要素各々に対応する複数の対象要素関連表示情報の表示態様により、特定手段が特定した因果序列を表示し、また、複数の対象要素関連表示情報を、特定手段が特定した因果序列に基づいて定まる相互に異なる複数の表示位置に表示することにより、特定手段が特定した因果序列を表示する。
【選択図】
図1