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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】モータ駆動システム
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/12 20060101AFI20240827BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20240827BHJP
【FI】
H02M7/12 H
H02M7/48 M
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023505476
(86)(22)【出願日】2022-03-03
(86)【国際出願番号】 JP2022009070
(87)【国際公開番号】W WO2022191022
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-10-10
(31)【優先権主張番号】P 2021038164
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003683
【氏名又は名称】弁理士法人桐朋
(72)【発明者】
【氏名】村井 英淳
(72)【発明者】
【氏名】堀越 眞一
【審査官】上野 力
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-004690(JP,A)
【文献】特表2010-527570(JP,A)
【文献】特開2020-068460(JP,A)
【文献】特開2012-244756(JP,A)
【文献】特開2014-045381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/12
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンバータ装置とインバータ装置とをペアリングするモータ駆動システムであって、
前記コンバータ装置と前記インバータ装置とのペアリング用として、前記コンバータ装置および前記インバータ装置のうちの一方の装置が保持する第1識別子を複製した、前記コンバータ装置および前記インバータ装置のうちの他方の装置が読み取り可能なペアリング用識別子を記憶する可搬型機器を備える、モータ駆動システム。
【請求項2】
請求項1に記載のモータ駆動システムであって、
前記他方の装置は、前記一方の装置と有線または無線で通信する通信回路を有し、
前記通信回路は、前記ペアリング用識別子と、前記他方の装置が保持する第2識別子とを、前記一方の装置に送信する、モータ駆動システム。
【請求項3】
請求項1に記載のモータ駆動システムであって、
前記可搬型機器は、前記一方の装置と無線で通信する通信回路を有し、
前記通信回路は、前記他方の装置の電力を用いて、前記ペアリング用識別子と、前記他方の装置が保持する第2識別子とを、前記一方の装置に送信する、モータ駆動システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載のモータ駆動システムであって、
前記他方の装置は、前記可搬型機器から前記ペアリング用識別子を読み取る読取部を有し、
前記通信回路は、前記読取部で読み取られた前記ペアリング用識別子を送信する、モータ駆動システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のモータ駆動システムであって、
前記一方の装置は、前記他方の装置の動作条件に基づいて、前記一方の装置と前記他方の装置との間で動作不良が生じ得るか否かを判定する判定部と
前記判定部で前記動作不良が生じ得る判定が得られた場合、その旨を通知する通知部と
を備える、モータ駆動システム。
【請求項6】
請求項5に記載のモータ駆動システムであって、
前記コンバータ装置で変換される直流電力を平滑する平滑コンデンサを備え、
前記動作条件は、前記他方の装置の対応動作電圧、または、前記平滑コンデンサの最大容量を含む、モータ駆動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ駆動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2018-164377号公報には、コンバータ装置およびコンバータ装置に接続されるインバータ装置を含むモータ駆動装置が開示されている。
【発明の概要】
【0003】
ところで、コンバータ装置とインバータ装置とを接続するために、コンバータ装置とインバータ装置とをペアリングするペアリング処理が必要となる場合がある。この場合、オペレータは、複数のペアリング手順に沿ってコンバータ装置およびインバータ装置の双方を操作することが必要となる。このため、コンバータ装置とインバータ装置とをペアリングする場合の使い勝手を向上する要請がある。
【0004】
そこで、本発明は、使い勝手を向上し得るモータ駆動システムを提供することを目的とする。
【0005】
本発明の態様は、コンバータ装置とインバータ装置とをペアリングするモータ駆動システムであって、前記コンバータ装置と前記インバータ装置とのペアリング用として、前記コンバータ装置および前記インバータ装置のうちの一方の装置が保持する第1識別子を複製した、前記コンバータ装置および前記インバータ装置のうちの他方の装置が読み取り可能なペアリング用識別子を記憶する可搬型機器を備える。
【0006】
本発明の態様によれば、他方の装置は、可搬型機器のペアリング用識別子を読み取ることで、一方の装置の第1識別子を認識することができる。したがって、操作マニュアル等を用いてペアリングに関する特別なオペレータ操作を他方の装置に行わせることなく、ペアリングを完了させることができる。この結果、使い勝手を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態のモータ駆動システムを示すブロック図である。
図2図2は、変形例1のモータ駆動システムを示すブロック図である。
図3図3は、変形例2のモータ駆動システムを示すブロック図である。
図4図4は、変形例3のコンバータ装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔実施形態〕
図1は、実施形態のモータ駆動システム10を示すブロック図である。モータ駆動システム10は、コンバータ装置12と、インバータ装置14とを備える。コンバータ装置12とインバータ装置14とはペアリング処理を実行することで、互いの情報を授受可能に接続される。本実施形態のモータ駆動システム10では、コンバータ装置12は、ペアリングのマスターとして設定され、インバータ装置14は、ペアリングのスレーブとして設定される。
【0009】
コンバータ装置12は、AC/DC変換部16と、コンバータ制御部18と、通信回路20とを有する。AC/DC変換部16は、外部から供給される交流電力を直流電力に変換する。コンバータ制御部18は、AC/DC変換部16をスイッチング制御する。
【0010】
インバータ装置14は、平滑コンデンサ22と、DC/AC変換部24と、インバータ制御部26と、通信回路28とを有する。平滑コンデンサ22は、AC/DC変換部16で変換される直流電力を平滑する。DC/AC変換部24は、平滑された直流電力を交流電力に変換する。インバータ制御部26は、DC/AC変換部24をスイッチング制御する。インバータ装置14は、DC/AC変換部24で変換される交流電力を、モータの駆動電力として出力することで、モータを駆動する。なお、平滑コンデンサ22は、インバータ装置14に代えてコンバータ装置12に搭載されてもよい。
【0011】
コンバータ装置12の通信回路20と、インバータ装置14の通信回路28とは、有線または無線で接続され、接続される有線または無線を介して、ペアリングに関する情報を授受する。有線は、メタルケーブルであってもよいし、光ケーブルであってもよい。
【0012】
本実施形態のモータ駆動システム10は、コンバータ装置12およびインバータ装置14に加えて、可搬型機器30をさらに備える。可搬型機器30は、オペレータによって持ち運び可能な機器である。可搬型機器30として、例えば、可搬型半導体メモリ、ICタグ、コード付きカード等が挙げられる。可搬型半導体メモリの具体例としてUSBメモリ等がある。
【0013】
可搬型機器30は、記憶部32を有する。記憶部32には、ペアリング用識別子が記憶される。例えば、可搬型機器30が可搬型半導体メモリまたはICタグである場合、ペアリング用識別子のデータがメモリに記憶される。また、可搬型機器30がコード付きカードである場合、ペアリング用識別子のコードがカード表面に付される。ペアリング用識別子は、コンバータ装置12とインバータ装置14とがペアリング処理を実行するために、コンバータ装置12が保持する第1識別子を複製した識別子である。
【0014】
また、本実施形態のモータ駆動システム10には、可搬型機器30に記憶されるペアリング用識別子を読み取る読取部34が、インバータ装置14に設けられる。例えば、可搬型機器30が可搬型半導体メモリである場合、読取部34として、メモリインターフェイスが挙げられる。メモリインターフェイスは、可搬型半導体メモリを脱着可能なポートを有し、ポートに装着された半導体メモリの記憶部32からペアリング用識別子のデータを読み出す。また、可搬型機器30がICタグである場合、読取部34として、ICタグリーダが挙げられ、可搬型機器30がコード付きカードである場合、読取部34として、コードリーダが挙げられる。
【0015】
読取部34は、可搬型機器30からペアリング用識別子を読み取った場合、ペアリング用識別子を登録する。この場合、インバータ装置14の通信回路28は、予め登録されたコンバータ装置12のアクセス情報を用いて、インバータ装置14が保持する第2識別子を、ペアリング用識別子とともにコンバータ装置12に送信する。
【0016】
コンバータ装置12の通信回路20は、ペアリング用識別子とともに第2識別子を受信した場合、その第2識別子を送信したインバータ装置14が正規のペアリング相手であると認識し、第2識別子を登録する。この場合、通信回路20は、通信回路28と通信する。
【0017】
なお、コンバータ装置12の通信回路20は、第2識別子のみを受信した場合、その第2識別子を送信した装置が非正規のペアリング相手であると認識し、第2識別子を破棄してもよい。この場合、通信回路20は、通信回路28との通信を拒否する。
【0018】
以上、本実施形態のモータ駆動システム10では、ペアリングのマスターであるコンバータ装置12と、ペアリングのスレーブであるインバータ装置14とは別に可搬型機器30が備えられる。可搬型機器30は、コンバータ装置12の第1識別子を、インバータ装置14によって読み取り可能なペアリング用識別子として記憶する。これにより、インバータ装置14は、可搬型機器30のペアリング用識別子を読み取ることで、コンバータ装置12の第1識別子を認識することができる。したがって、操作マニュアル等を用いてペアリングに関する特別な操作をオペレータに強要させることなく、コンバータ装置12のペアリング用識別子をインバータ装置14に登録させることができる。この結果、使い勝手を向上することができる。
【0019】
また、本実施形態のモータ駆動システム10では、インバータ装置14は、コンバータ装置12と有線または無線で通信する通信回路28を有する。この通信回路28は、ペアリング用識別子と、インバータ装置14の第2識別子とを、コンバータ装置12に送信する。これにより、コンバータ装置12は、インバータ装置14から第2識別子を受信することで、インバータ装置14の第2識別子を認識することができる。したがって、操作マニュアル等を用いてペアリングに関する特別な操作をオペレータに強要させることなく、インバータ装置14の第2識別子をコンバータ装置12に登録させることができる。この結果、使い勝手を向上することができる。
【0020】
また、本実施形態のモータ駆動システム10では、インバータ装置14は、可搬型機器30からペアリング用識別子を読み取る読取部34をさらに有する。通信回路28は、読取部34で読み取られたペアリング用識別子を送信する。これにより、インバータ装置14は、オペレータに送信操作を強要させることなく、ペアリング用識別子を送信することができる。また、インバータ装置14は、コンバータ装置12に正規のペアリング相手であることを認識させることができる。
【0021】
〔変形例〕
上記の実施形態は、以下のように変形してもよい。
【0022】
(変形例1)
図2は、変形例1のモータ駆動システム10を示すブロック図である。図2では、実施形態において説明した構成と同等の構成には同一の符号が付されている。なお、本変形例では、実施形態と重複する説明は割愛する。
【0023】
本変形例のモータ駆動システム10では、インバータ装置14が、ペアリングのマスターとして設定され、コンバータ装置12が、ペアリングのスレーブとして設定される。また、可搬型機器30の記憶部32には、インバータ装置14が保持する第1識別子を複製したペアリング用識別子が記憶される。さらに、可搬型機器30に記憶されるペアリング用識別子を読み取る読取部34が、コンバータ装置12に設けられる。
【0024】
コンバータ装置12の読取部34は、可搬型機器30からペアリング用識別子を読み取った場合、ペアリング用識別子を登録する。この場合、コンバータ装置12の通信回路20は、予め登録されたインバータ装置14のアクセス情報を用いて、コンバータ装置12が保持する第2識別子を、ペアリング用識別子とともにインバータ装置14に送信する。
【0025】
インバータ装置14の通信回路28は、ペアリング用識別子とともに第2識別子を受信した場合、その第2識別子を送信したコンバータ装置12が正規のペアリング相手であると認識し、第2識別子を登録する。この場合、通信回路28は、通信回路20と通信する。
【0026】
このように本変形例のモータ駆動システム10では、ペアリングのマスターとなるインバータ装置14の第1識別子を、ペアリングのスレーブとなるコンバータ装置12が読み取り可能なペアリング用識別子として記憶する可搬型機器30が備えられる。これにより、コンバータ装置12は、可搬型機器30のペアリング用識別子を読み取ることで、ペアリングのマスターとなるインバータ装置14の第1識別子を認識することができる。したがって、操作マニュアル等を用いてペアリングに関する特別な操作をコンバータ装置12に行わなくても、コンバータ装置12に対するペアリングを完了させることができ、この結果、実施形態と同様に、使い勝手を向上することができる。
【0027】
また、本実施形態のモータ駆動システム10では、コンバータ装置12が、インバータ装置14と有線または無線で通信する通信回路20を有する。この通信回路20は、ペアリング用識別子と、コンバータ装置12の第2識別子とを、インバータ装置14に送信する。これにより、インバータ装置14は、コンバータ装置12から第2識別子を受信することで、コンバータ装置12の第2識別子を認識することができる。したがって、オペレータに対して、操作マニュアル等を用いてペアリングに関する特別な操作をインバータ装置14に行わせることなく、インバータ装置14に対するペアリングを完了させることができ、この結果、使い勝手を向上することができる。
【0028】
(変形例2)
図3は、変形例2のモータ駆動システム10を示すブロック図である。図3では、実施形態において説明した構成と同等の構成には同一の符号が付されている。なお、本変形例では、実施形態と重複する説明は割愛する。
【0029】
本変形例のモータ駆動システム10では、インバータ装置14の通信回路28が設けられていない代わりに、可搬型機器30に通信回路28が設けられる。また、本変形例のモータ駆動システム10では、コンバータ装置12の通信回路20と、可搬型機器30の通信回路28とは無線で接続される。通信回路20と、通信回路28とは、無線を介して、ペアリングに関する情報を授受する。
【0030】
可搬型機器30は、読取部34を介してインバータ装置14の電力を取得し、取得した電力を用いて起動する。可搬型機器30は、起動すると、読取部34を介して、インバータ装置14が保持する第2識別子を取得するとともに記憶部32に記憶されたペアリング用識別子をインバータ装置14に送る。通信回路28は、インバータ装置14の電力を用いて起動する。通信回路28は、予め登録されたインバータ装置14のアクセス情報を用いて、インバータ装置14から取得された第2識別子と、記憶部32に記憶されたペアリング用識別子とを、コンバータ装置12に送信する。
【0031】
以上、本変形例のモータ駆動システム10では、可搬型機器30に設けられる通信回路28が、インバータ装置14の電力を用いて、ペアリング用識別子と、インバータ装置14が保持する第2識別子とを、コンバータ装置12に送信する。これにより、インバータ装置14に通信回路28を設けることなく、インバータ装置14の第2識別子を、可搬型機器30のペアリング用識別子とともにコンバータ装置12に送信することができる。したがって、インバータ装置14に通信回路28を設ける場合に比べて、インバータ装置14を小型化することができる。
【0032】
(変形例3)
図4は、変形例3のコンバータ装置12を示すブロック図である。図4では、実施形態において説明した構成と同等の構成には同一の符号が付されている。なお、本変形例では、実施形態と重複する説明は割愛する。
【0033】
本変形例のモータ駆動システム10では、コンバータ装置12に判定部36および通知部38が新たに設けられる。
【0034】
判定部36は、インバータ装置14の動作条件に基づいて、インバータ装置14と動作不良が生じるか否かを判定する。動作条件として、例えば、インバータ装置14に接続されるモータが対応し得る動作電圧(対応動作電圧)が挙げられる。別の動作条件の例として、平滑コンデンサ22の最大容量が挙げられる。
【0035】
判定部36は、インバータ装置14の第2識別子が登録された以降に、インバータ装置14の動作条件を取得する。なお、判定部36は、通信回路20を用いて、インバータ装置14から送信されるインバータ装置14の動作条件を取得してもよい。また、判定部36は、インバータ装置14の種類と動作条件とを対応付けたテーブルを用いて、インバータ装置14の第2識別子に対応する種類の動作条件を取得してもよい。
【0036】
判定部36は、動作条件を取得すると、取得した動作条件に基づいて、インバータ装置14に接続されるモータの出力が、コンバータ装置12により供給可能な電力を超えるか否かを認識する。ここで、インバータ装置14に接続されるモータの出力がコンバータ装置12により供給可能な電力を超える場合、判定部36は、コンバータ装置12とインバータ装置14との間で動作不良が生じ得ると判定する。一方、インバータ装置14に接続されるモータの出力がコンバータ装置12により供給可能な電力以下である場合、判定部36は、コンバータ装置12とインバータ装置14との間で動作不良が生じ得ないと判定する。
【0037】
通知部38は、判定部36で動作不良が生じ得る判定がされると、コンバータ装置12とインバータ装置14との間で動作不良が生じ得ることを通知する。表示部、スピーカおよび発光部の少なくとも1つがコンバータ装置12に備えられている場合、通知部38は、表示部、スピーカおよび発光部の少なくとも1つを用いて通知を行ってもよい。また、表示部、スピーカおよび発光部の少なくとも1つを備えた外部装置がコンバータ装置12に接続される場合、通知部38は、当該外部装置に作動信号を送信することで、通知を行ってもよい。
【0038】
以上、本変形例のモータ駆動システム10は、インバータ装置14の動作条件に基づいて、コンバータ装置12とインバータ装置14との間で動作不良が生じ得るか否かを判定する。また、モータ駆動システム10は、動作不良が生じ得る判定が得られた場合にはその旨を通知する。これにより、コンバータ装置12が過負荷状態になることを回避することができる。
【0039】
(変形例4)
上記の実施形態および変形例1~3は、矛盾の生じない範囲で任意に組み合わされてもよい。
【0040】
〔実施形態および変形例から把握し得る発明〕
本発明は、コンバータ装置(12)とインバータ装置(14)とをペアリングするモータ駆動システム(10)である。モータ駆動システムは、コンバータ装置とインバータ装置とのペアリング用として、コンバータ装置およびインバータ装置のうちの一方の装置が保持する第1識別子を複製した、コンバータ装置およびインバータ装置のうちの他方の装置が読み取り可能なペアリング用識別子を記憶する可搬型機器(30)を備える。
これにより、他方の装置は、可搬型機器のペアリング用識別子を読み取ることで、一方の装置の第1識別子を認識することができる。したがって、オペレータに対して、操作マニュアル等を用いてペアリングに関する特別な操作を他方の装置に行わせることなく、他方の装置に対するペアリングを完了させることができ、この結果、使い勝手を向上することができる。
【0041】
他方の装置は、一方の装置と有線または無線で通信する通信回路(20または28)を有し、通信回路は、ペアリング用識別子と、他方の装置が保持する第2識別子とを、一方の装置に送信してもよい。
これにより、一方の装置は、他方の装置から第2識別子を受信することで、他方の装置の第2識別子を認識することができる。したがって、オペレータに対して、操作マニュアル等を用いてペアリングに関する特別な操作を一方の装置に行わせることなく、一方の装置に対するペアリングを完了させることができ、この結果、使い勝手を向上することができる。
【0042】
可搬型機器は、一方の装置と無線で通信する通信回路を有し、通信回路は、他方の装置の電力を用いて、ペアリング用識別子と、他方の装置が保持する第2識別子とを、一方の装置に送信してもよい。
これにより、一方の装置は、他方の装置から第2識別子を受信することで、他方の装置の第2識別子を認識することができる。したがって、オペレータに対して、操作マニュアル等を用いてペアリングに関する特別な操作を一方の装置に行わせることなく、一方の装置に対するペアリングを完了させることができ、この結果、使い勝手を向上することができる。
また、他方の装置に通信回路を設ける場合に比べて、他方の装置を小型化することができる。
【0043】
他方の装置は、可搬型機器からペアリング用識別子を読み取る読取部(34)を有し、通信回路は、読取部で読み取られたペアリング用識別子を送信してもよい。
これにより、オペレータに対して、送信操作を行わせることなく、ペアリング用識別子を送信することができ、また、ペアリング用識別子を送信することで、一方の装置に対して正規のペアリング相手であることを認識させることができる。
【0044】
一方の装置は、他方の装置の動作条件に基づいて、一方の装置と他方の装置との間で動作不良が生じ得るか否かを判定する判定部(36)と、判定部で動作不良が生じ得る判定が得られた場合には、その旨を通知する通知部(38)と、を備えてもよい。
これにより、一方の装置が過負荷状態になることを回避することができる。
【0045】
モータ駆動システムは、コンバータ装置で変換される直流電力を平滑する平滑コンデンサ(22)を備え、動作条件は、他方の装置の対応動作電圧、または、平滑コンデンサの最大容量を含んでもよい。
図1
図2
図3
図4