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特許7544971画像変換に基づく検査装置の関節運動の変換
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】画像変換に基づく検査装置の関節運動の変換
(51)【国際特許分類】
   G02B 23/24 20060101AFI20240827BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
G02B23/24 B
A61B1/045 622
A61B1/045 610
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023521764
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-07
(86)【国際出願番号】 US2021071947
(87)【国際公開番号】W WO2022087602
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】63/094,397
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/501,711
(32)【優先日】2021-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517318263
【氏名又は名称】ベイカー ヒューズ ホールディングス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベンダル、クラーク エー.
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-000294(JP,A)
【文献】特開平04-090743(JP,A)
【文献】特開2005-052635(JP,A)
【文献】特表2005-512626(JP,A)
【文献】独国実用新案第202013007416(DE,U1)
【文献】特開2009-119062(JP,A)
【文献】特開2007-330405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 23/24 - 23/26
A61B 1/00 - 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
観視対象を特徴付ける画像データを受信するステップであって、前記画像データは目視検査システムの画像センサを介して取得される、ステップと、
前記目視検査システムの表示部を介して前記画像データを提供するステップと、
前記目視検査システムの方向入力装置を介して第1の方向移動入力を受信するステップと、
1の組の作動装置駆動信号を前記目視検査システムの複数の作動装置に印加して、前記画像センサを第1の実方向に移動させ、かつ、前記観視対象上の点を前記表示部上で第1の仮想方向に移動させるステップであって、前記第1の仮想方向が前記第1の方向移動入力の方向である、ステップと、
ユーザ入力に応じて前記画像データに座標変換を適用して、変換画像データを生成するステップと、
前記変換画像データを前記表示部に表示するステップと、
前記方向入力装置を介して第2の方向移動入力を受信するステップと、
2の組の作動装置駆動信号を前記目視検査システムの前記複数の作動装置に印加して、前記画像センサを前記第1の実方向に移動させ、かつ、前記観視対象上の点を前記表示部上で第2の仮想方向に移動させるステップであって、前記第2の仮想方向が前記第2の方向移動入力の方向である、ステップと、
を含み、
前記表示部に先端部マップ画像を提供するステップを更に含み、前記先端部マップ画像はインジケータを含み、前記先端部マップ画像内の前記インジケータの位置は、前記複数の作動装置の移動の方向及び量に対応し、更に前記インジケータは、前記第1の方向移動入力に応答して前記第1の仮想方向に移動し、前記第2の方向移動入力に応答して前記第2の仮想方向に移動する、方法。
【請求項2】
前記座標変換が、水平ミラーリング変換、垂直ミラーリング変換又は回転変換のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記目視検査システムがビデオボアスコープである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記画像データ及び前記変換画像データが、前記目視検査システムを使用した産業機器の検査中における表示のために提供される、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記座標変換が、前記表示部を介して提供される手先ジェスチャを介して、又は前記表示部を介して提供されるメニュー選択を介して適用される、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の作動装置が、空気圧、油圧、形状記憶金属又は直接駆動関節機構を介して関節運動する、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
画像センサと、表示部と、前記画像センサに機械的に結合された複数の作動装置と、方向入力装置と、プロセッサと、コンピュータ可読実行可能命令を記憶するメモリとを備えたボアスコープシステムであって、前記複数の作動装置は、受信した作動装置駆動信号に基づいて前記画像センサを移動させ、前記プロセッサは、前記コンピュータ可読実行可能命令を実行して、
前記画像センサを介して取得された、観視対象を特徴付ける画像データを受信することと、
前記表示部を介して前記画像データを提供することと、
前記方向入力装置を介して第1の方向移動入力を受信することと、
1の組の作動装置駆動信号を前記複数の作動装置に印加して、前記画像センサを第1の実方向に移動させ、かつ、前記観視対象上の点を前記表示部上で第1の仮想方向に移動させ、前記第1の仮想方向が前記第1の方向移動入力の方向である、ことと、
ユーザ入力に応じて前記画像データに座標変換を適用して、変換画像データを生成することと、
前記変換画像データを前記表示部に表示することと、
前記方向入力装置を介して第2の方向移動入力を受信することと、
2の組の作動装置駆動信号を前記複数の作動装置に印加して、前記画像センサを第1の実方向に移動させ、かつ、前記観視対象上の点を前記表示部上で第2の仮想方向に移動させ、前記第2の仮想方向が前記第2の方向移動入力の方向である、ことと、
を含む動作を前記プロセッサに行わせるように構成され
前記プロセッサが、前記表示部に先端部マップ画像を提供するように更に構成され、前記先端部マップ画像はインジケータを含み、前記先端部マップ画像内の前記インジケータの位置は、前記複数の作動装置の移動の方向及び量に対応し、更に前記インジケータは、前記第1の方向移動入力に応答して前記第1の仮想方向に移動し、前記第2の方向移動入力に応答して前記第2の仮想方向に移動する、ボアスコープシステム。
【請求項8】
前記座標変換が、水平ミラーリング変換、垂直ミラーリング変換又は回転変換のうちの少なくとも1つを含む、請求項に記載のボアスコープシステム。
【請求項9】
前記画像データ及び前記変換画像データが、産業機器の検査中における表示のために提供される、請求項7又は8に記載のボアスコープシステム。
【請求項10】
前記ボアスコープシステムが、前記表示部を介して提供されるグラフィカルユーザインターフェースを含む、請求項7から9のいずれか1項に記載のボアスコープシステム。
【請求項11】
前記座標変換が、前記表示部を介して提供される手先ジェスチャを介して、又は前記グラフィカルユーザインターフェースを介して提供されるメニュー選択を介して適用される、請求項10に記載のボアスコープシステム。
【請求項12】
前記複数の作動装置が、空気圧、油圧、形状記憶金属又は直接駆動関節機構を介して関節運動する、請求項7から11のいずれか1項に記載のボアスコープシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で2020年10月21日に出願された米国特許仮出願第63/094,397号の優先権を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本明細書の主題は、産業機器の自動目視検査に関する。
【背景技術】
【0003】
目視検査器具は、検査されている産業機器の視像を提供するように構成された関節式カメラを含むことができる。カメラは、ビデオボアスコープなどの検査装置上に構成することができる。カメラは、ユーザが供給する操縦コマンドによって、検査データを取り込む位置へ操作することができる。操縦コマンドは、ジョイスティックなどの、検査装置のカメラ制御部への入力として供給することができる。検査装置は、操縦コマンドに関連する目視検査データを表示するように構成された表示部を含むことができる。表示画像がデジタル的に回転された場合、操縦コマンドと、予期される表示画像部分との直感的な対応が失われる可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
産業機器の目視検査中に、ユーザは検査画像を回転させることができる。ユーザは、ソフトウェアメニューオプション、物理的相互作用機構若しくはボタン、又は検査装置の表示部に供給する対話型ジェスチャを用いて、検査画像を回転させることができる。検査画像を回転させると、表示部では、操縦コマンドと表示画像部分との直感的な対応がもはや提供されなくなる可能性がある。検査画像データに補正を適用することで、操縦コマンドと、検査データの表示部での結果的な画像平行移動との、一貫した直感的な対応を維持することができる。
【0005】
一態様では、1つの方法を提供する。一実施形態では、本方法は、観視対象を特徴付ける画像データを受信することを含むことができる。画像データは、目視検査システムの画像センサを介して取得することができる。本方法はまた、目視検査システムの表示部を介して画像データを提供することを含むことができる。本方法は、目視検査システムの方向入力装置を介して第1の方向移動入力を受信することを更に含むことができる。本方法はまた、画像センサを移動させるために、第1の組の作動装置駆動信号を目視検査システムの複数の作動装置に印加することを含むことができる。第1の組の作動装置駆動信号は、観視対象上の点を表示部上で第1の方向に移動させることができる。本方法は、座標変換を画像データに適用して、変換画像データを生成することを更に含むことができる。本方法はまた、変換画像データを表示部に表示することを含むことができる。本方法は、方向入力装置を介して第2の方向移動入力を受信することを更に含むことができる。第2の方向移動入力は、第1の方向移動入力と同じであり得る。本方法はまた、画像センサを移動させるために、第2の組の作動装置駆動信号を目視検査システムの複数の作動装置に印加することを含むことができる。第2の組の作動装置駆動信号は、観視対象上の点を表示部上で第1の方向に移動させる。
【0006】
本明細書の主題の1つ以上の変形形態が実現可能である。例えば、別の実施形態では、座標変換は、水平ミラーリング変換、垂直ミラーリング変換又は回転変換のうちの少なくとも1つを含むことができる。目視検査システムは、ビデオボアスコープとすることができる。画像データ及び変換画像データは、目視検査システムを使用した産業機器の検査中に表示するために提供することができる。座標変換は、表示部を介して提供される手先ジェスチャを介して、又は表示部を介して提供されるメニュー選択を介して適用することができる。
【0007】
本方法はまた、表示部に先端部マップ画像を提供することを含むことができる。先端部マップ画像は、インジケータを含むことができる。先端部マップ画像内のインジケータの位置は、複数の作動装置の移動の方向及び量に対応することができる。インジケータは、第1の方向移動入力及び第2の方向移動入力に応答して同じ方向に移動することができる。複数の作動装置は、空気圧、油圧、形状記憶金属、又は直接駆動関節機構を介して関節運動することができる。
【0008】
別の態様では、ボアスコープシステムが提供される。一実施形態では、ボアスコープシステムは、画像センサと、表示部と、画像センサに機械的に結合された複数の作動装置と、方向入力装置と、プロセッサと、コンピュータ可読実行可能命令を記憶するメモリとを含むことができる。複数の作動装置は、受信した作動装置駆動信号に基づいて画像センサを移動させることができ、プロセッサは、命令を実行してプロセッサに動作を行わせるように構成することができる。動作は、画像センサを介して取得された、観視対象を特徴付ける画像データを受信することを含むことができる。動作はまた、表示部を介して画像データを提供することを含むことができる。動作は、方向入力装置を介して第1の方向移動入力を受信することを更に含むことができる。動作はまた、画像センサを移動させるために、第1の組の作動装置駆動信号を複数の作動装置に印加することを含むことができる。第1の組の作動装置駆動信号は、観視対象上の点を表示部上で第1の方向に移動させることができる。動作は、座標変換を画像データに適用して、変換画像データを生成することを更に含むことができる。動作はまた、変換画像データを表示部上に表示することを含むことができる。動作は、方向入力装置を介して第2の方向移動入力を受信することを更に含むことができる。第2の方向移動入力は、第1の方向移動入力と同じであり得る。動作はまた、画像センサを移動させるために、第2の組の作動装置駆動信号を複数の作動装置に印加することを含むことができる。第2の組の作動装置駆動信号は、観視対象上の点を表示部上で第1の方向に移動させる。
【0009】
命令を記憶する非一時的コンピュータプログラム製品(すなわち、物理的に具現化されたコンピュータプログラム製品)も本明細書に記載されており、命令は、1つ以上のコンピューティングシステムの1つ以上のデータプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのデータプロセッサに、本明細書に記載の動作を行わせる。同様に、本明細書では、1つ以上のデータプロセッサと、1つ以上のデータプロセッサに結合されたメモリとを含むことができるコンピューティングデバイス及びシステムも記載されている。メモリは、少なくとも1つのプロセッサに、本明細書に記載される動作のうちの1つ以上を行わせる命令を一時的又は永続的に記憶し得る。加えて、方法は、1つ以上のデータプロセッサによって、単一のコンピューティングシステム内か、又は2つ以上のコンピューティングシステム間に分散されるか、のいずれかで実装され得る。このようなコンピューティングシステムは、接続され得、かつネットワーク(例えば、インターネット、無線広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、有線ネットワークなど)を介した接続を含む1つ以上の接続、複数のコンピューティングシステムのうちの1つ以上の間の直接接続などを経由して、データ及び/若しくはコマンド又は他の命令などを交換し得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
これらの特徴及び他の特徴は、添付図面と併せて講じられる以下の発明を実施するための形態からより容易に理解されるであろう。
【0011】
図1】本明細書に記載の実施形態による目視検査装置の一例を示す図である。
図2図1の目視検査装置の一部を示す図である。
図3】本明細書に記載の実施形態による図1の目視検査装置のグラフィカルユーザインターフェースの一例を示す図である。
図4】検査装置の関節運動の変換に基づいて画像データを変換するプロセスを示す流れ図である。
【0012】
図面は必ずしも縮尺どおりではないことに留意されたい。図面は、本明細書に開示される主題の典型的な態様のみを描写することを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の実施形態は、石油及びガス生産環境における産業機器の目視検査及び監視に使用するための回転検査データの画像変換を決定及び提供するためのシステム、装置、方法及びコンピュータ可読媒体について説明する。しかしながら、本開示の実施形態は、限定を加えずに、任意の環境又は非産業環境における産業機器の回転検査データの画像変換を決定及び提供するために採用できることが理解され得る。
【0014】
ビデオボアスコープなどの目視検査装置では、モータ駆動式関節を用いてカメラを操縦し、検査対象物を見ることができる。カメラは、カメラを収容した可撓性先端部を2つのモータに接続する、2対の関節ケーブルによって関節運動させることができる。もう1つは、左右又はX軸方向の動きを制御することができる。第2のモータは、上下又はY軸方向の動きを制御することができる。ケーブルは、可撓性先端部の遠位端に堅固に取り付けることができる。カメラ(又は画像センサ)は可撓性先端部内に構成され、目視検査装置の表示部に検査画像を表示するための画像データを取得及び生成することができる。
【0015】
目視検査装置はまた、入力装置としてジョイスティック又はタッチスクリーンディスプレイを含むことができる。ユーザは、操縦コマンドを提供して、その操縦コマンドに応える可撓性先端部及びカメラを操作することができる。例えば、ユーザは、カメラの現在の視野の外側にあり、現在の視野の左側にある検査対象物の一部を表示しようとする場合に、ジョイスティックを左に押すことができる。ジョイスティックの動きは、モータコマンドに変換することができ、そのモータコマンドは、X軸方向の動きに関連付けられた第1のモータにケーブルを引っ張らせ、可撓性先端部を左に曲げさせることができる。その結果、検査対象物の所望の部分を表示部に表示させることができる。同様に、ユーザは、ジョイスティックを上、下又は右に押して、ユーザがジョイスティックに加えた上、下又は右の所望の操縦動作に関連付けられた特定のケーブルを引っ張るモータ運動を誘発することができる。したがって、ジョイスティックの動きと、可撓性先端部及びカメラの動きと、結果的に表示部に提供される検査画像との間には、目視検査装置によって直感的な関係がもたらされる。
【0016】
しかしながら、表示画像がデジタル的に回転された場合、ジョイスティックを上方向に押しても、対応する画像が同じ上方向に平行移動しないため、操縦が直感的でなくなる可能性がある。これにより、目視検査装置の操縦を制御して、検査対象物の所望の部分を表示部内に表示することが困難になる可能性がある。ユーザは、目視検査装置のタッチスクリーンディスプレイに2本指タッチジェスチャを適用することによって、検査画像を回転させることができる。2本指ジェスチャを使用して、連続的な回転制御を入力することができる。いくつかの実施形態では、ユーザはまた、目視検査装置の表示部に提供されるグラフィカルユーザインターフェースに提供される1つ以上のメニューオプションを選択することによって、検査画像を回転させることができる。メニューオプションは、90度刻みで順次画像回転を行うように実行することができる。
【0017】
回転した画像に対応して、本明細書に記載の主題は、ジョイスティックの動きに応答するモータコマンドを決定するプロセスにおいて補正変換を適用し、ジョイスティックの動きと画像の平行移動との間の予期される直感的な対応関係が維持されるようにすることができる。例えば、ジョイスティック(又は他の入力装置)が、-1(例えば、ジョイスティックが左に完全に押されたとき)から+1(例えば、ジョイスティックが右に完全に押されたとき)までの範囲のX値を出力するとき、変換されたX値は、式1に示すように計算することができる。
【数1】
【0018】
同様に、ジョイスティック(又は他の入力装置)が-1(例えば、ジョイスティックが完全に押し下げられたとき)から+1(例えば、ジョイスティックが完全に押し上げられたとき)までの範囲のY値を出力するとき、変換されたY値は、式2に示すように計算することができる。
【数2】
【0019】
いくつかの実施形態では、動画及び操縦の水平ミラーリングなどの他の変換を適用することができる。例えば、x’=-xとなるような水平ミラーリング変換を適用することができる。いくつかの実施形態では、適用されるべき他の変換は、動画及び操縦の垂直ミラーリングを含むことができる。例えば、y’=-yとなるような垂直ミラーリング変換を適用することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、目視検査装置、又は目視検査装置に結合された検査システムは、X軸移動及びY軸移動に関連付けられたモータに与えられている操縦コマンドの、グラフィカルインジケータを表示することができる。例えば、四角形をドットと共に表示し、可能なX軸及びY軸の範囲内での操縦コマンドの位置を示すことができる。回転されていない画像の場合、ジョイスティックが左、右、上又は下に動かされると、ドットは左、右、上又は下に移動する。回転画像の場合、かつ式1及び式2で上述した補正変換が適用される場合、ドット移動は、ジョイスティック方向に通常従わなくなり得る。一実施形態では、表示された先端部マップ画像内のドット位置を設定するために使用される位置値に、第2の補正変換を適用することができる。第2の補正変換は、式3及び式4に記載されているように実施することができる。
【数3】
【数4】
【0021】
本明細書の主題は、関節運動にモータ及びケーブルを使用する目視検査器具について説明するが、他の実施形態は、空気圧、油圧、形状記憶金属又は直接駆動式関節機構若しくはシステムを使用することができる。これらのシステムでは、ユーザが提供する操縦コマンドを、操縦コマンドに応答し、目視検査装置の画像センサ又はカメラの位置を調整するように構成された機械システムコマンドに変換しながら、本明細書で説明される座標変換を適用することができる。
【0022】
図1は、本明細書に記載の実施形態による目視検査装置105の一例を示す図100である。いくつかの実施形態では、目視検査装置105は、ビデオボアスコープを含むことができる。図1に示すように、目視検査装置105は、検査対象物に挿入される挿入管110を含むことができる。挿入管110は、検査装置105を介して関節運動され得る可撓性先端部115を含むことができる。検査装置はまた、グラフィカルユーザインターフェース125を提供するように構成された表示部120を含むことができる。目視検査装置105はまた、1つ以上のボタン130及びジョイスティック135を含むことができる。ボタン130及び/又はジョイスティック135は、ユーザ入力を受信し、ユーザ入力に関連する操縦コマンドを示す信号を生成するように構成され得る。
【0023】
図2は、図1の目視検査装置105の一部を示す図200である。図2に示すように、可撓性先端部115は、目視検査データを取得するように構成されたカメラ205を含むことができる。可撓性先端部115は、2つ以上のモータ又は作動装置210に機械的に結合することができる。作動装置210は、操縦コマンドを示す入力信号を受信し、入力信号に応答して作動するように構成することができる。ケーブル215は、作動装置210を可撓性先端部115に結合することができ、それにより、モータ210の作動は、ケーブル215を引っ張るか又は緩めることができ、可撓性先端部115を操縦コマンドに関連する方向に移動させることができる。
【0024】
図3は、本明細書に記載の実施形態による、図1の目視検査装置105のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)125の一例を示す図300である。図3に示すように、GUI125は、検査対象物の検査画像データ305を提供することができる。GUI125はまた、メニュー310を含むことができる。いくつかの実施形態では、目視検査装置105の表示部120がタッチスクリーンディスプレイである場合などに、メニュー310を対話型タッチ入力用に構成することができる。GUI125はまた、先端部マップ画像315を表示することができる。先端部マップ画像315は、X軸及びY軸に沿った関節運動空間の範囲を表す象限を示すことができる。先端部マップ画像315は、最新の(又は現在の)操縦コマンド入力の位置を示す、ドットなどのインジケータを含むことができる。
【0025】
本明細書で説明される主題は、有利には、ジョイスティック、タッチスクリーンインターフェース又はソフトウェアメニューオプションを介して提供される操縦コマンドと、表示画像がデジタル的に回転される場合の表示画像及び先端部マップドット位置の平行移動との、直感的な対応を維持する。
【0026】
図4は、検査装置の関節運動の変換に基づいて画像データを変換するためのプロセス400を示す流れ図である。図4に示すように、405において、本明細書に記載される目視検査システムは、観視対象を特徴付ける画像データを受信することができる。いくつかの実施形態では、目視検査システムは、ビデオボアスコープとすることができる。画像データは、目視検査システムの画像センサを介して取得することができる。410において、目視検査システムのプロセッサは、目視検査システムの表示部を介して画像データを提供することができる。415において、目視検査システムの方向入力装置を介して第1の方向移動入力を受信することができる。例えば、方向入力装置は、目視検査システム上に構成されたジョイスティックを含むことができる。
【0027】
420において、目視検査システムのプロセッサは、第1の組の作動装置駆動信号を目視検査システムの複数の作動装置に印加することができる。作動装置駆動信号は、画像センサを移動させることができる。第1の組の作動装置駆動信号は、観視対象上の点を表示部上で第1の方向に移動させることができる。いくつかの実施形態では、複数の作動装置は、空気圧、油圧、形状記憶金属又は直接駆動関節機構を介して関節運動することができる。425において、目視検査システムのプロセッサは、座標変換を画像データに適用して、変換画像データを生成することができる。いくつかの実施形態では、座標変換は、水平ミラーリング変換、垂直ミラーリング変換又は回転変換のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、座標変換は、表示部を介して提供される手先ジェスチャを介して適用され得る。いくつかの実施形態では、座標変換は、表示部を介して提供されるメニュー選択を介して適用され得る。430において、プロセッサは、変換画像データを目視検査システムの表示部に表示させることができる。いくつかの実施形態では、画像データ及び変換画像データは、目視検査システムを使用して行われる産業機器の検査中に表示するために提供することができる。いくつかの実施形態では、産業機器は、石油及びガス生産環境、航空システムにおいて構成することができるか、又は回転機器若しくはターボ機械機器を含むことができる。
【0028】
435において、目視検査システムの方向入力装置を介して第2の方向移動入力を受信することができる。第2の方向移動入力は、第1の方向移動入力と同じであり得る。440において、目視検査システムのプロセッサは、第2の組の作動装置駆動信号を目視検査システムの複数の作動装置に印加して、画像センサを移動させることができる。第2の組の作動装置駆動信号は、観視対象上の点を表示部上で第1の方向に移動させることができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、プロセス400は、表示部内に先端部マップ画像を提供することを更に含むことができる。先端部マップ画像は、インジケータを含むことができる。先端部マップ画像内のインジケータの位置は、複数の作動装置の移動の方向及び量に対応することができる。インジケータは、第1の方向移動入力及び第2の方向入力移動に応答して同じ方向に移動することができる。
【0030】
本明細書に開示されるシステム、デバイス、及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解を提供するために、特定の例示的な実施形態を記載してきた。これらの実施形態の1つ以上の例が添付の図面に示されている。当業者は、本明細書に明確に記載され、添付の図面に例示されるシステム、デバイス、及び方法が、非限定的な例示的な実施形態であること、及び本発明の範囲が特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。例示的な一実施形態に関連して図示又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされ得る。かかる修正及び変形は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。更に、本開示では、実施形態の類似する名称の構成要素は、概して類似の特徴を有しており、ゆえに、特定の実施形態内で各類似する名称の構成要素の各特徴は、必ずしも完全には詳述していない。
【0031】
本明細書に記載される主題は、本明細書に開示される構造的手段及びその構造的等価物を含む、アナログ電子回路、デジタル電子回路、及び/又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェアで、又はそれらの組み合わせで実装することができる。本明細書に記載される主題は、データ処理装置(例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、又は多数のコンピュータ)による実行のため又はその動作を制御するため、情報キャリアで(例えば、機械可読記憶デバイスで)明白に具現化されるか、又は伝播信号で具現化される、1つ以上のコンピュータプログラムなどの、1つ以上のコンピュータプログラム製品として実装され得る。コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、又はコードとしても既知である)は、コンパイル又は解釈された言語を含む任意の形態のプログラミング言語で書くことができ、独立型プログラムとして、又はモジュール、構成要素、サブルーチン、若しくはコンピューティング環境での使用に好適な他のユニットとしてなど、任意の形態で展開され得る。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルに対応しない。プログラムは、他のプログラム若しくはデータを保持するファイルの一部分に、当該プログラム専用の単一ファイルに、又は多数の調整されたファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、若しくはコードの部分を記憶するファイル)に記憶され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で若しくは1つのサイトの多数のコンピュータ上で実行されるように、又は多数のサイトに分散され、通信ネットワークによって相互接続されるように展開され得る。
【0032】
本明細書に記載される主題の方法工程を含む、本明細書に記載されるプロセス及び論理フローは、入力データ上で動作し、出力を生成することによって、本明細書に記載される主題の機能を行うために1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラム可能なプロセッサによって行われ得る。プロセス及び論理フローはまた、専用論理回路、例えば、FPGA(field programmable gate array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(application-specific integrated circuit、特定用途向け集積回路)によって行われてもよく、本明細書に記載される主題の装置は、かかる専用論理回路として実装され得る。
【0033】
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサとしては、例えば、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方、並びに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサが挙げられる。一般的に、プロセッサは、読み出し専用メモリ若しくはランダムアクセスメモリ、又はその両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサ、並びに命令及びデータを記憶するための1つ以上のメモリデバイスである。一般的に、コンピュータはまた、データを記憶するための1つ以上の大容量記憶デバイス、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、若しくは光ディスクを含むか、又はそこからデータを受信する、そこにデータを転送する、若しくはその両方を行うように動作可能に結合される。コンピュータプログラム命令及びデータを具現化するのに好適な情報キャリアとしては、例として、半導体メモリデバイス(例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイス)と、磁気ディスク(例えば、内部ハードディスク又はリムーバブルディスク)と、光磁気ディスクと、光ディスク(例えば、CD及びDVDディスク)と、を含む、不揮発性メモリの全ての形態が挙げられる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補完されるか、又はその中に組み込まれ得る。
【0034】
ユーザとの相互作用を提供するために、本明細書に記載の主題は、入力を受信し、ユーザに情報を表示するための表示装置、例えばタッチスクリーンディスプレイ、陰極線管(CRT)又は液晶ディスプレイ(LCD)モニタと、ユーザがコンピュータに入力を行うことができるキーボード及びポインティング装置(例えばマウス又はトラックボール)と、を有するコンピュータ上に実装することができる。他の種類のデバイスを使用して、ユーザとの相互作用を提供することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であり得、ユーザからの入力は、音響、音声、又は触覚入力を含む任意の形態で受信され得る。
【0035】
本明細書に記載される技術は、1つ以上のモジュールを使用して実装され得る。本明細書で使用するとき、「モジュール」という用語は、コンピューティングソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及び/又はそれらの様々な組み合わせを指す。しかしながら、最低でも、モジュールは、ハードウェア、ファームウェア上に実装されていないか、又は非一時的プロセッサの読み取り可能で記録可能な記憶媒体(すなわち、モジュールはソフトウェアそれ自体ではない)上に実装されていないソフトウェアとして解釈されるべきではない。実際に、「モジュール」は、プロセッサ又はコンピュータの一部などの少なくとも何らかの物理的な非一時的ハードウェアを常に含むものと解釈されるべきである。2つの異なるモジュールは、同じ物理ハードウェアを共有し得る(例えば、2つの異なるモジュールは、同じプロセッサ及びネットワークインターフェースを使用し得る)。本明細書に記載されるモジュールは、様々な用途をサポートするために組み合わせ、統合、分離、及び/又は複製が可能である。また、特定のモジュールで行われるものとして本明細書に記載される機能は、特定のモジュールで行われる機能の代わりに、又はそれに加えて、1つ以上の他のモジュールで、及び/又は1つ以上の他のデバイスによって行われ得る。更に、モジュールは、互いにローカル又はリモートの多数のデバイス及び/又は他の構成要素にまたがって実装され得る。加えて、モジュールを1つのデバイスから移動し、別のデバイスに追加することができ、かつ/又は両方のデバイスに組み込むこともできる。
【0036】
本明細書に記載される主題は、バックエンド構成要素(例えば、データサーバ)、ミドルウェア構成要素(例えば、アプリケーションサーバ)、若しくはフロントエンド構成要素(例えば、グラフィカルユーザインターフェース又はウェブブラウザを有するクライアントコンピュータであって、ユーザはそれらを通して、本明細書に記載される主題の実装態様と相互作用することができる)、又はかかるバックエンド、ミドルウェア、及びフロントエンド構成要素の任意の組み合わせを含む、コンピューティングシステムに実装され得る。システムの構成要素は、デジタルデータ通信の任意の形態又は媒体、例えば、通信ネットワークによって相互接続され得る。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(「local area network、LAN」)及び広域ネットワーク(「wide area network、WAN」)、例えば、インターネットが挙げられる。
【0037】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通して本明細書で使用するとき、近似の文言は、それが関連する基本機能の変化をもたらすことなく、許容可能に変化し得る、任意の定量的表現を修正するために適用され得る。したがって、「約」、「およそ」、及び「実質的に」など、1つ又は複数の用語によって修飾された値は、指定された正確な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例において、近似の文言は、値を測定するための器具の精度に対応し得る。本明細書において、本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、範囲制限の組み合わせ及び/又は交換が行われ得、かかる範囲は識別され、文脈又は文言が別段の指示をしていない限り、そこに含まれる全ての部分範囲を含む。
【0038】
当業者は、上述の実施形態に基づいて本発明の更なる特徴及び利点を理解するであろう。したがって、本出願は、添付の特許請求の範囲によって示されるものを除き、特に示され説明されてきたものによって限定されるものではない。本明細書に引用される全ての刊行物及び参考文献は、それらの全体が参照により明示的に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4