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特許7544981平坦な可撓性要素を保持する位置決めデバイス及び位置決め組立体、及びシート材料加工機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】平坦な可撓性要素を保持する位置決めデバイス及び位置決め組立体、及びシート材料加工機
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/22 20060101AFI20240827BHJP
   F16J 15/00 20060101ALI20240827BHJP
   B26D 7/01 20060101ALI20240827BHJP
   B26D 7/02 20060101ALI20240827BHJP
   B26D 7/06 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
B65H5/22 B
F16J15/00 C
B26D7/01 D
B26D7/02 D
B26D7/06 C
B26D7/01 C
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023535036
(86)(22)【出願日】2021-11-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 EP2021083123
(87)【国際公開番号】W WO2022122412
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】20213168.6
(32)【優先日】2020-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512159605
【氏名又は名称】ボブスト メックス ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Bobst Mex SA
【住所又は居所原語表記】Route de Faraz 3,CH-1031 MEX(VD),Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】レア ティム
(72)【発明者】
【氏名】スタンバーグ ジェイド
(72)【発明者】
【氏名】ニューマン アメル
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-088424(JP,A)
【文献】特表2015-533364(JP,A)
【文献】特開2014-074453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/22
F16J 15/00
B26D 7/01
B26D 7/02
B26D 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦な可撓性要素を位置決め面(46)上に保持する位置決めデバイス(38)であって、
前記平坦な可撓性要素を吸引する吸引開口部(50)を有する本体(44)であって、前記吸引開口部(50)は、前記本体(44)の外面である前記位置決め面(46)内に配置される、本体(44)と、
前記吸引開口部(50)に流体連通する流体ポート(52)であって、前記流体ポート(52)は、前記本体(44)の外面である接続面(48)内に配置される、流体ポート(52)と、
を備え、
前記位置決めデバイスを取り付けることができる基部(28)に対して前記位置決めデバイス(38)を当接させるための、前記接続面(48)上に配置される当接突出部(60)と、前記位置決めデバイス(38)と前記基部(28)との間に配置されるガスケット(42)を圧縮するための、前記接続面(48)上に配置される封止突出部(64)とを有し、
前記当接突出部(60)が前記接続面(48)から突出する前記当接突出部(60)の高さ(Ha)は、前記封止突出部(64)が前記接続面(48)から突出する前記封止突出部(64)の高さ(Hs)よりも大きい、位置決めデバイス(38)。
【請求項2】
前記当接突出部(60)及び/又は前記封止突出部(64)は、前記接続面(48)に対して実質的に垂直な方向で見たときに細長い、請求項1に記載の位置決めデバイス(38)。
【請求項3】
前記当接突出部(60)及び/又は前記封止突出部(64)は、前記接続面(48)に対して実質的に垂直な方向で見たときに閉じた幾何学形状である、請求項1又は2に記載の位置決めデバイス(38)。
【請求項4】
前記当接突出部(60)は、前記接続面(48)の取り付け領域(62)を実質的に取り囲む、請求項1から3のいずれかに記載の位置決めデバイス(38)。
【請求項5】
2又は3以上の当接突出部(60)が、接続面(48)上に設けられる、請求項1から4のいずれかに記載の位置決めデバイス(38)。
【請求項6】
前記封止突出部(64)は、前記流体ポート(52)を取り囲む、請求項1から5のいずれかに記載の位置決めデバイス(38)。
【請求項7】
2又は3以上の流体ポート(52)が設けられ、前記流体ポート(52)の各々は、それぞれの封止突出部(64)によって取り囲まれる、請求項6に記載の位置決めデバイス(38)。
【請求項8】
前記接続面(48)上にガスケット(42)を取り付けるスナップ輪郭(68)を備える、請求項1から7のいずれかに記載の位置決めデバイス(38)。
【請求項9】
ガスケット(42)を位置決めするための位置決め突出部(66)が、前記接続面(48)上に設けられる、請求項1から8のいずれかに記載の位置決めデバイス(38)。
【請求項10】
前記スナップ輪郭(68)は、前記位置決め突出部(66)上に配置される、請求項8に従属する請求項9に記載の位置決めデバイス(38)。
【請求項11】
前記封止突出部(64)の前記高さ(Hs)は、前記当接突出部(60)の前記高さ(Ha)の少なくとも5%である、請求項1から10のいずれかに記載の位置決めデバイス(38)。
【請求項12】
前記封止突出部(64)の前記高さ(Hs)は、少なくとも0.05mmである、請求項1から11のいずれかに記載の位置決めデバイス(38)。
【請求項13】
前記当接突出部(60)の前記高さ(Ha)は、少なくとも0.5mmである、請求項1から12のいずれかに記載の位置決めデバイス(38)。
【請求項14】
平坦な可撓性要素を保持面(26)上に保持する位置決め組立体(24)であって、
流体ポート(30)を有する基部(28)と、
請求項1から13のいずれかに記載の少なくとも1つの位置決めデバイス(38)と、 前記基部(28)と前記位置決めデバイス(38)との間に配置されるガスケット(42)と、
を備え、
前記位置決めデバイス(38)は、前記流体ポート(30、52)のそれぞれが流体連通するように基部(28)上に取り付けられ、
前記位置決めデバイス(38)の前記当接突出部(60)は、基部(28)に当接し、前記封止突出部(64)は、前記基部(28)に対して前記ガスケット(42)を少なくとも局所的に圧縮する、位置決め組立体(24)。
【請求項15】
請求項14に記載の少なくとも1つの位置決め組立体(24)を備えるシート材料加工機(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平坦な可撓性要素、詳細にはシートを位置決め面上に保持する位置決めデバイスに関する。位置決めデバイスは、平坦な可撓性要素を吸引する吸引開口部を有する本体を備え、吸引開口部は、本体の外面である位置決め面内に配置され、さらに位置決めデバイスは、吸引開口部と流体連通する流体ポートを備え、流体ポートは、本体の外面である接続面内に配置される。
【0002】
さらに、本発明は、保持面上に平坦な可撓性要素、詳細にはシートを保持する位置決め組立体に関する。位置決め組立体は、流体ポートを有する基部と、上記の形式の少なくとも1つの位置決めデバイスと、基部と位置決めデバイスとの間に配置されるガスケットとを備える。位置決めデバイスは、それぞれの流体ポートが流体連通するように基部上に取り付けられる。
【0003】
さらに、発明は、少なくとも1つのこのような位置決め組立体を備えるシート材料加工機に関する。
【背景技術】
【0004】
上述した形式のシート材料加工機、位置決め組立体、及び位置決めデバイスは、本技術分野で公知である。位置決めデバイスは、ダブレットと呼ばれる場合もある。
【0005】
紙加工機又は段ボール加工機などの、シート材料加工機は、多くの場合、複数の加工ユニット又は加工ステーションを備え、加工ユニット又は加工ステーションの各々において、シート材料にある種の処理が行われる、例えば、シート材料は、切断、剥離、又は打ち抜きが行われる。通常、このような機械には、シート材料を1つの加工ユニットから次の加工ユニットに移送するコンベヤシステムが設けられる。
【0006】
対応する処理を正確かつ確実に行うために、加工ユニットの各々は、上述の形式の位置決め組立体を含むことができる。位置決め組立体は、上述の形式の1又は2以上の位置決めデバイスを含むことができる。位置決め組立体及び位置決めデバイスによって行われるシート材料の位置決めは、静的又は動的とすることができ、すなわち、シート材料は、固定されること又は位置決め面に対して保持された状態で移動させることができる。第1の場合、位置決めデバイスは、保持デバイスと呼ぶこともできる。第2の場合、位置決めデバイスは、シート材料を減速させるために使用することができる。
【0007】
全ての場合において、加工されるシート材料は、少なくとも1つの位置決めデバイスを有する位置決め組立体と、コンベヤシステムの把持ユニットとの間に広がる。シート材料は、機械内で正確に位置決めされるように、位置決め面上に保持される。シート材料は、通常、対応する吸引開口部を通る流体の流れから生じる吸引力によって、対応する位置決めデバイス上に保持される。この流体の流れを供給又は駆動する流体ポートは、通常、位置決め組立体の基部に設けられる。ガスケットは、位置決めデバイス及び基部の流体密封接続を保証する。
【0008】
その結果として、公知の位置決め組立体は、常に特定の組み立て作業を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、公知のシート材料加工機、位置決め組立体、及び位置決めデバイスを改良することである。詳細には、その組み立てが容易になるものとする。もちろん、これらの構成要素の機能性は、少なくとも公知の信頼性レベルに保持されるものとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、上記の形式の位置決めデバイスによって解決され、位置決めデバイスは、位置決めデバイスを取り付けることができる基部に対して位置決めデバイスを当接させるための、接続面に配置される当接突出部と、位置決めデバイスと基部との間に配置されるガスケットを圧縮するための、接続面に配置される封止突出部とを備える。当接突出部が接続面から突出する当接突出部の高さは、封止突出部が接続面から突出する封止突出部の高さよりも大きい。位置決めデバイスを対応する基部上に取り付ける場合、当接突出部は、その上に単純に当接される。その結果として、位置決めデバイスに関連して使用されるガスケットの圧縮は、当接突出部の高さと封止突出部の高さとの差によって決まる。ガスケットの圧縮部分は、常に、この差に実質的に等しい厚さまで圧縮されることになる。従って、位置決めデバイスは、位置決め組立体の対応する基部に簡単かつ確実に取り付けることができる。これは、ガスケットの所定の圧縮につながる。さらに、ガスケットの圧縮される複数の部分は、対応する封止突出部の位置によって容易に特定することができる。ガスケットの圧縮の望ましくないばらつきは、排除されるか又は少なくとも実質的に低減される。従って、位置決めデバイス及び基部の接続は、関連する領域で液体密封である。
【0011】
本発明による位置決めデバイスの本体は、1又は複数の要素で形成することができる。しかしながら、本発明は、一般に、本体が作製される要素の数とは無関係である。
【0012】
変形例によれば、封止突出部及び当接突出部は、位置決めデバイスの本体の少なくとも1つの要素と一体形成される。
【0013】
当接突出部及び/又は封止突出部は、接続面に対して実質的に垂直な方向で見たときに細長いものとすることができる。その結果として、位置決めデバイスは、特定の長さに沿って対応する位置決め組立体の基部に対して当接させることができる。その際、位置決めデバイスは、基部に対して正確に位置決めされる。細長い封止突出部は、線形であるガスケットの圧縮部分をもたらす。その結果として、ガスケットは、信頼性の高いシール特性をもたらす。
【0014】
追加的に又は代替的に、当接突出部及び/又は封止突出部は、接続面に実質的に垂直な方向で見たときに閉じた幾何学的形状である。その結果として、封止突出部の中の領域は、封止突出部の外側の領域から確実に分離することができる。さらに、このような当接突出部は、対応する基部に対する位置決めデバイスの揺れのない(jiggle-free)当接をもたらす。
【0015】
一実施形態によれば、当接突出部は、接続面の取り付け領域を実質的に取り囲む。これに関連して、取り付け領域は、位置決めデバイスが位置決め組立体の対応する基部に接続される位置決めデバイスの領域と理解されたい。当接突出部が取り付け領域を実質的に囲む場合、当接突出部は、取り付け領域の比較的大きな部分を覆うか又は取り囲む。これは、位置決めデバイスの対応する基部に対する信頼性の高い安定した当接をもたらす。
【0016】
変形例において、2又は3以上の当接突出部が接続面上に設けられる。従って、一般的には、当接突出部は、特定の用途において必要とされる数及び位置で、位置決めデバイス上に設けることができる。従って、必要に応じて、対応する基部上の位置決めデバイスの組み付けを助長することができる。
【0017】
好ましくは、封止突出部は、流体ポートを取り囲む。従って、流体ポートは、環境に対して確実に封止することができる。同時に、ガスケットの一部は、封止機能が必要とされる場合に選択的に圧縮される。その結果として、ガスケットは、構造及び製造を簡単にすることができる。
【0018】
2又は3以上の流体ポートが設けられ、流体ポートの各々は、それぞれの封止突出部によって取り囲むことができる。その結果として、全ての流体ポートは、互いに対して及び環境に対して確実に封止することができる。同時に、ガスケットは、単にガスケットが必要な領域で圧縮される。
【0019】
接続面上にガスケットを取り付けるスナップ輪郭を設けることができる。従って、特に、位置決めデバイスを対応する基部上に取り付ける組み立て手順の間、ガスケットは、接続面上に確実に保持される。従って、対応する取り付け手順は、簡単であり、迅速に行うことができる。詳細には、ガスケットは、この取り付け手順の間に動かない。
【0020】
追加的に又は代替的に、ガスケットを位置決めする位置決め突出部は、接続面上に設けられる。このような位置決め突出部は、特に、接続面に平行な平面内でのガスケットの位置決めに役立つ。このために、ガスケットは、好ましくは、位置決め突出部に対して当接される。その結果として、ガスケットは、位置決めデバイス上に確実に位置決めすることができる。
【0021】
好ましくは、スナップ輪郭は、位置決め突出部上に配置される。これは、一般にスナップ輪郭に関連して上述した効果及び利点をもたらす。位置決め突出部上にスナップ輪郭を設けることによって、所定の位置にガスケットを保持する信頼性がさらに高くなる。
【0022】
変形例において、封止突出部の高さは、当接突出部の高さの少なくとも5%、詳細には少なくとも10%である。これは、位置決めデバイスと関連して使用されるガスケットの確実な圧縮をもたらす。
【0023】
代替案によれば、封止突出部の高さは、少なくとも0.05mm、詳細には少なくとも0.1mmである。このような封止突出部は、製造が簡単であり、ガスケットのための十分な圧縮量をもたらす。
【0024】
別の代替案によれば、当接突出部の高さは、少なくとも0.5mm、詳細には少なくとも1mmである。当接突出部の高さは、常に封止突出部の高さを超えることが理解される。このような当接突出部は、一般的な機械で製造することができる。その結果として、このような当接突出部は、比較的低コストで提供することができる。
【0025】
また、この課題は、上記の形式の位置決め組立体によって解決され、位置決め組立体は、本発明による少なくとも1つの位置決めデバイスを備え、ガスケットは、基部と位置決めデバイスとの間に配置され、位置決めデバイスは、それぞれの流体ポートが流体連通するように基部に取り付けられる。位置決めデバイスの当接突出部は、基部に対して当接し、封止突出部は、基部に対してガスケットを少なくとも局所的に圧縮する。このような位置決め組立体において、基部及び位置決めデバイスの流体ポートは、確実に接続され、環境に対して確実に封止される。同時に、位置決めデバイスは、基部上の当接突出部に単に当接させることによって正しい位置に達するので、簡単かつ確実に基部に取り付けることができる。上述のように、少なくとも局所的であるガスケットの圧縮は、当接突出部及び封止突出部の高さの差によって決まる。
【0026】
ガスケットは、ゴム、一般にエラストマ、シリコーン材料、ネオプレン材料、フッ素エラストマ材料、エチレンプロピレンジエン材料、又は、ポリウレタン材料などの弾性材料を含むことができる。また、ガスケットは、ポリテトラフルオロエチレン、紙、雲母、ガラス、革、金属、又は繊維材料のような非弾性材料を含むことができる。
【0027】
それに加えて、位置決めデバイスに関連して言及した全ての効果及び利点は、位置決め組立体にも適用され、その逆も同じである。
【0028】
また、この課題は、上述のような形式のシート材料加工機によって解決され、シート材料加工機は、本発明による少なくとも1つの位置決め組立体を備える。位置決め組立体は、迅速かつ容易に組み立てることができる事実のために、全体として同じことがシート材料加工機に適用される。上述のように、位置決め組立体は、作動が確実かつ正確である。従って、同じことがシート材料加工機に適用される。
【0029】
それに加えて、位置決め組立体及び位置決めデバイスに関連して言及した全ての効果及び利点は、シート材料加工機にも適用され、その逆も同じである。
【0030】
本発明は、添付図面に示す実施形態を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】各々が本発明による少なくとも1つの位置決めデバイスを有する本発明による複数の位置決め組立体を備える本発明によるシート材料加工機を示す。
図2】部分的に組み立てられた状態の2つの位置決めデバイスを有する図1の位置決め組立体の一部を示す。
図3図1及び2の位置決めデバイスの斜視図を示す。
図4図3の位置決めデバイスの平面IVにおける断面図を示す。
図5図4の位置決めデバイスの詳細Vを示す。
図6図2の位置決め組立体の平面VIにおける断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、シート材料加工機10(以下、機械10)を示す。
【0033】
図示の例において、機械10は、シート材料を切断するように構成され、各々がシート材料に特定の処理を行う5つのユニットで構成される。
【0034】
第1のユニットは、加工されるシート12を供給する又は給送する給送ユニット10aである。説明のために、給送ユニット10aには1枚のシート12のみが示されている。
【0035】
第2のユニットは、シート12を切断するように構成されたプラテンプレス14を備える。そのため、第2のユニットは、プラテンプレスユニット10bである。
【0036】
第3のユニットは、剥離ユニット10cであり、切断シート12から特定の廃棄要素を除去するように構成される。
【0037】
第4のユニットは、打ち抜きユニット10dである。このユニットにおいて、切断シート12の実際に所望の部分がそこから引き出され、パイル16上に置かれる。
【0038】
第5のユニットは廃棄物排出ユニット10eであり、切断シート12のさらなる廃棄物要素を除去する役割を果たす。
【0039】
シート12は、基本的に、シート12を選択的に把持するように構成された複数の把持ユニット22が取り付けられるコンベアベルト20を備えるコンベアシステム18によって機械10を通って移送される。
【0040】
プラテンプレスユニット10b、剥離ユニット10c、及び打ち抜きユニット10dは、シート12を、保持面26上に保持する位置決め組立体24をさらに備える。
【0041】
図1に示す例において、保持面26は、位置決め組立体24の上面である。
【0042】
プラテンプレスユニット10b、剥離ユニット10c、及び打ち抜きユニット10dのいずれか1つでのシート12の処理時、シート12の前縁は、対応する把持ユニット22によって把持され、シート12の後縁は、対応する位置決め組立体4によって保持されることになる(進行方向を参照されたい)。
【0043】
図2は、位置決め組立体24をより詳細に示す。
【0044】
位置決め組立体24は、流体ポート30を有する基部28を備える。
【0045】
流体ポート30は、流体入口として設計される。
【0046】
従って、加圧空気は、流体ポート30を介して基部28に供給することができる。
【0047】
また、基部28は、流体ポート30と流体連通する複数の流体ポート32を備える。
【0048】
これらの流体ポート32は、流体出口として設計される。
【0049】
さらに、基部28は、流体入口として設計された洗浄流体ポート34を備える。従って、洗浄流体は、洗浄流体ポート34を介して位置決め組立体24に供給することができる。
【0050】
基部28は、洗浄液ポート34と流体連通する流体出口として設計される洗浄液ポート36をさらに備える。
【0051】
図2に示す例において、2つの位置決めデバイス38は、締結手段40、例えばボルト又はリベットを介して基部28に取り付けられる。
【0052】
ガスケット42は、基部28と各位置決めデバイス38との間に配置される。
【0053】
図3から6を参照して位置決めデバイス38をより詳細に説明する。図2に示す2つの位置決めデバイス38は、実質的に同一であるため、以下の説明はその両方に適用される。
【0054】
位置決めデバイス38は、本体44を備える。
【0055】
本体44の一方の外面は、位置決め面46である。
【0056】
図2の表示において、位置決め面46は、本体44の上面である。
【0057】
また、本体44は、その外面でもある接続面48を備える。
【0058】
接続面48は、位置決め面46の反対側に配置される、図2の表示において本体44の下面である。
【0059】
位置決め面46上には、吸引開口部50が設けられている。これらの吸引開口部50は、シート12を吸引するように構成されており、シートは位置決め面46に保持されるようになっている。
【0060】
接続面48上には、流体ポート52が設けられている。これらの流体ポート52は、流体入口として設計され、吸引開口部50と流体連通する。
【0061】
さらに、洗浄流体ポート54は、接続面48上に配置される。これらの洗浄流体ポート54は、流体入口として設計される。
【0062】
また、本体44は、位置決め面46及び接続面48を接続する外側面56を有する。
【0063】
外側面56上には、流体ポート58が設けられている。これらの流体ポートは、流体ポート54及び吸引開口部50と流体連通する。これらの流体ポートは、流体出口として設計される。
【0064】
以下に説明するように、本体44は、接続面48上に位置決めデバイス38を基部28に対して当接させる当接突出部60を有する。
【0065】
当接突出部60は、接続面48に垂直な方向で見たときに細長い。
【0066】
さらに、当接突出部60は、この方向で見たときに閉じた幾何学的形状である。
【0067】
さらに、当接突出部60は、接続面48の取り付け領域62を実質的に取り囲む、すなわち、当接突出部60は、取り付けられた状態で、基部28に対向して配置される接続面48の領域の境界に沿って実質的に延びる(図2を参照されたい)。
【0068】
当接突出部60は、少なくとも1mmの高さHaだけ接続面48から突出する。
【0069】
さらに、接続面48には、合計6つの封止突出部64が配置されている。
【0070】
封止突出部64は、以下に説明するように、ガスケット42を圧縮するように構成される。
【0071】
また、封止突出部64は、接続面48に垂直な方向で見たときに細長い。
【0072】
さらに、封止突出部64は、この方向に沿って見たときに閉じた幾何学的形状である。
【0073】
この例において、封止突出部64は、円形である。
【0074】
さらに、封止突出部64の各々は、流体ポート52のうちの1つ又は洗浄流体ポート54のうちの1つを取り囲む。
【0075】
封止突出部64は、少なくとも0.1mmの高さHsだけ接続面48から突出する。
【0076】
封止突出部64の高さHsは、常に当接突出部60の高さHaよりも小さい。換言すると、当接突出部60の高さHaは、常に封止突出部64の高さHsよりも大きい。
【0077】
図示する例において、封止突出部64の高さHsは、当接突出部60の高さHaの10%に達する。
【0078】
さらに、接続面48上には、接続面48に実質的に平行な平面内でガスケット42を本体44上に位置決めする2つの位置決め突出部66が設けられている。
【0079】
図示する例において、位置決め突出部66は、ピン状である。これらは位置決めピンと呼ぶこともできる。
【0080】
随意的に、図5において点線で示すスナップ輪郭68は、位置決め突出部66に設けることができる。
【0081】
図5の例において、スナップ輪郭68は、位置決め突出部66を円周方向に取り囲むスナップカラーである。
【0082】
ガスケット42は、スナップ輪郭68を使用して接続面48に取り付けることができる。
【0083】
位置決め組立体24が組み立てられる際に、ガスケット42は、対応する位置決めデバイス38の本体44の接続面48上に配置される。
【0084】
その際に、ガスケット42は、位置決め突出部66を使用して本体44上に位置決めされる。
【0085】
さらに、ガスケット42は、スナップ輪郭68を使用して本体44に取り付けられる。
【0086】
その後、位置決めデバイス38及びガスケット42の組立体は、基部28に取り付けられる。
【0087】
これは、基部28の流体ポート32の各々が、本体44の流体ポート52の対応する1つと流体連通し、基部28の洗浄流体ポート36の各々が、本体44の洗浄流体ポート54の対応する1つと流体連通するように行われる。
【0088】
説明を容易にするために、ガスケット42が、当接突出部60の高さHaに実質的に等しい実質的に均一な厚さを有すると仮定する。
【0089】
位置決めデバイス38は、当接突出部60が基部28に当接するように、基部28に取り付けられる(図6に参照されたい)。
【0090】
その結果として、ガスケット42の封止突出部64と接触する部分は、基部28に対して圧縮される。
【0091】
圧縮量は、当接突出部60と封止突出部64の高さHa、Hsの差に等しい。
【0092】
その結果として、ガスケット42は、所定の量だけ局所的に圧縮される。
【0093】
その結果として、ポート30、32、52及び34、36、54は、それぞれ、上述したように流体接続される。これらの接続は、環境に対して流体密封である。
【0094】
従って、駆動流体は、流体ポート30を介して供給され、流体ポート58を介して位置決め組立体24から流出することができる。
【0095】
本体44に組み込まれ、吸引器として吸引開口部50に作用するジェットポンプは、駆動流体によって駆動される。
【0096】
図に関連して説明される実施形態において、シート12は、平坦な可撓性要素の代表例として使用されることが理解される。これは、機械10、位置決め組立体24、及び位置決めデバイス38は、何らか他の平坦な可撓性要素に関連して使用することもできることを意味する。
【0097】
さらに、単一の当接突出部60は、追加の当接突出部によって補うこと、又は、例えば、当接突出部60のセクションに対応する2又は3以上の当接突出部で置換することができることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6