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特許7545014モーター巻線過剰温度を検出するための方法及び回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】モーター巻線過剰温度を検出するための方法及び回路
(51)【国際特許分類】
   H02P 29/64 20160101AFI20240828BHJP
【FI】
H02P29/64
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021510097
(86)(22)【出願日】2019-08-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-27
(86)【国際出願番号】 US2019048718
(87)【国際公開番号】W WO2020047194
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-08-22
(31)【優先権主張番号】16/553,732
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】201841032510
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】マヌ バラクリシュマン
(72)【発明者】
【氏名】アブヒシェク ヴィシュワ
【審査官】島倉 理
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-188581(JP,A)
【文献】特開2016-116273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 29/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードウェアベースの検出システムであって、
第1のモーター巻線における第1の電流と、公称電流と、持続時間とに機能的に関連する第1の信号を生成する第1の信号生成回路と、
前記第1の信号生成回路に結合され、前記第1の信号を参照信号と比較し、過剰温度信号を生成する第1のコンパレータ回路とを含み、
前記第1の信号生成回路は、
前記第1のモーター巻線に結合され、前記第1のモーター巻線の第1の電流を表す電流信号を生成する第1のセンサと、
前記第1のセンサに結合され、前記電流信号に基づいて第1のRMS信号を生成する第1のRMS計算器回路と、
前記第1のRMS計算器回路に結合され、前記第1のRMS信号の2乗から前記公称電流の2乗を引いた第1の差分出力と、前記公称電流の2乗から前記第1のRMS信号の2乗を引いた第2の差分出力を生成する第1の差分回路と、
前記第1の差分回路に結合され、前記第1の差分出力と前記第2の差分出力とを前記持続時間にわたって積分した前記第1の信号を出力する第1の積分器回路とを有する、検出システム。
【請求項2】
請求項1に記載の検出システムであって、
第2のモーター巻線における第2の電流と、前記公称電流と、前記持続時間とに機能的に関連する第2の信号を生成する第2の信号生成回路と、
前記第2の信号生成回路に結合され、前記第2の信号を前記参照信号と比較し、過剰温度信号を生成する第2のコンパレータ回路とを更に含み、
前記第2の信号生成回路は、
前記第2のモーター巻線に結合され、前記第2のモーター巻線の第2の電流を表す電流信号を生成する第2のセンサと、
前記第2のセンサに結合され、前記電流信号に基づいて第2のRMS信号を生成する第2のRMS計算器回路と、
前記第2のRMS計算器回路に結合され、前記第2のRMS信号の2乗から前記公称電流の2乗を引いた第1の差分出力と、前記公称電流の2乗から前記第2のRMS信号の2乗を引いた第2の差分出力を生成する第2の差分回路と、
前記第2の差分回路に結合され、前記第1の差分出力と前記第2の差分出力とを前記持続時間にわたって積分した前記第2の信号を出力する第2の積分器回路とを有する、検出システム。
【請求項3】
請求項1に記載の検出システムであって、
前記参照信号が可変参照信号を含み、前記検出システムが、周囲温度の関数としての前記可変参照信号を生成する補償回路を更に含む、検出システム。
【請求項4】
システムであって、
第1のモーター巻線における第1の電流を感知する第1のセンサと、
前記第1のセンサによって感知される第1の電流と、公称電流と、持続時間とに機能的に関連する第1の信号を生成する第1の信号生成回路と、
前記第1の信号生成回路に結合され、前記第1の信号を参照信号と比較し、過剰温度信号を生成する第1のコンパレータ回路とを含み、
前記第1の信号生成回路は、
前記第1のモーター巻線に結合され、前記第1のモーター巻線の第1の電流を表す電流信号を生成する第1のセンサと、
前記第1のセンサに結合され、前記電流信号に基づいて第1のRMS信号を生成する第1のRMS計算器回路と、
前記第1のRMS計算器回路に結合され、前記第1のRMS信号の2乗から前記公称電流の2乗を引いた第1の差分出力と、前記公称電流の2乗から前記第1のRMS信号の2乗を引いた第2の差分出力を生成する第1の差分回路と、
前記第1の差分回路に結合され、前記第1の差分出力と前記第2の差分出力とを前記持続時間にわたって積分した前記第1の信号を出力する第1の積分器回路とを有する、システム。
【請求項5】
請求項に記載のシステムであって、
前記第1のセンサが、前記第1のモーター巻線における第1の電流を感知するインライン電流センサである、システム。
【請求項6】
請求項に記載のシステムであって、
第2のモーター巻線における第2の電流を感知する第2のセンサと、
前記第2のセンサによって感知される第2の電流と、前記公称電流と、前記持続時間とに機能的に関連する第2の信号を生成する第2の信号生成回路と、
前記第2の信号生成回路に結合され、前記第2の信号を前記参照信号と比較し、過剰温度信号を生成する第2のコンパレータ回路とを更に含み、
前記第2の信号生成回路は、
前記第2のモーター巻線に結合され、前記第2のモーター巻線の第2の電流を表す電流信号を生成する第2のセンサと、
前記第2のセンサに結合され、前記電流信号に基づいてRMS信号を生成する第2のRMS計算器回路と、
前記第2のRMS計算器回路に結合され、前記第2の電流の2乗から前記公称電流の2乗を引いた第1の差分出力と、前記公称電流の2乗から前記第2の電流の2乗を引いた第2の差分出力を生成する第2の差分回路と、
前記第2の差分回路に結合され、前記第1の差分出力と前記第2の差分出力と前記持続時間にわたって積分した前記第2の信号を出力する第2の積分器回路とを有する、システム。
【請求項7】
温度検出回路であって、
モーターの第1の巻線に結合されるように適応される入力と、第1のセンサ出力とを有する第1の電流センサと、
前記第1のセンサ出力に結合される入力と、前記第1のセンサ出力に基づき計算された第1のRMS信号を出力する第1の計算器出力とを有する第1の計算器回路と、
前記第1の計算器出力に結合される入力と、公称電流入力と、前記第1のRMS信号の2乗から前記公称電流の2乗を引いた第1の差分出力とを有する第1の差分回路と、
前記第1の計算器出力に結合される入力と、公称電流入力と、前記公称電流の2乗から前記第1のRMS信号の2乗を引いた第2の差分出力とを有する第2の差分回路と、
前記第1の差分出力に結合される第1の入力と、前記第2の差分出力に結合される第2の入力と、前記第1の差分出力と前記第2の差分出力とを持続時間にわたって積分した積分出力とを有する積分器回路と、
前記積分出力に結合される入力と、参照信号入力と、過剰温度出力とを有する第1の比較器回路と、
を含む温度検出回路。
【請求項8】
請求項に記載の温度検出回路であって、
前記第1の計算器回路が、前記第1のセンサ出力に結合される非反転入力と、前記第1のセンサ出力のピーク電圧出力と、前記ピーク電圧出力に結合される反転入力とを有するピーク検出器演算増幅器を含む、温度検出回路。
【請求項9】
請求項に記載の温度検出回路であって、
前記第1の差分回路が、前記ピーク電圧出力に結合される非反転入力と、シフトされた公称電流入力に結合される反転入力と、加熱差分出力とを有する第2の演算増幅器を含む、温度検出回路。
【請求項10】
請求項に記載の温度検出回路であって、
前記第2の差分回路が、前記ピーク電圧出力に結合される反転入力と、前記シフトされた公称電流入力に結合される非反転入力と、冷却差分出力とを有する第3の演算増幅器を
含む、温度検出回路。
【請求項11】
請求項10に記載の温度検出回路であって、
前記積分器回路が、
前記加熱差分出力に結合される非反転入力と、前記冷却差分出力に結合される反転入力と、積分出力とを有する第4の演算増幅器と、
前記積分出力と前記反転入力との間に結合される抵抗器・キャパシタ・ネットワークと、
を含む、温度検出回路。
【請求項12】
請求項11に記載の温度検出回路であって、
前記第1の比較器回路が、前記積分出力に結合される反転入力と、参照入力に結合される非反転入力と、前記過剰温度出力とを有する、温度検出回路。
【請求項13】
請求項12に記載の電流検出回路であって、
初期状態回路であって、
VCC/2入力に結合される反転入力と、前記ピーク電圧出力に結合される非反転入力と、出力とを有する第5の演算増幅器と、
前記第1の比較器回路の反転入力に結合される反転入力と、前記第5の演算増幅器の出力に結合される非反転入力と、前記抵抗器・キャパシタ・ネットワークに結合されるフィードバック出力とを有する第6の演算増幅器と、
を含む、前記初期状態回路を更に含む、温度検出回路。
【請求項14】
請求項に記載の温度検出回路であって、
前記第1のモーター巻線と前記第1の電流センサの入力とに結合されるように適応される第1の導体を有する多相インバータを更に含む、温度検出回路。
【請求項15】
請求項14に記載の温度検出回路であって、
前記第1の導体が抵抗器を含み、前記第1の電流センサ入力が前記抵抗器に結合される、温度検出回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年8月30日に出願されたインド特許出願番号201841032510号の優先権を主張する。インド特許出願番号201841032510号の開示全体は、参考として本明細書中に完全に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
電気モータードライブは、家電製品、産業機械、通信デバイス、医療デバイス、ビルオートメーションデバイス、及びオートモーティブデバイスを含むがこれらに限定されない、多くの応用例にわたって用いられる。或る種の応用例のモーター駆動装置を設計する場合、デバイスを確実に安全かつ信頼性をもって動作させることが望ましいことがある。安全性と信頼性には、人間/オペレータの安全とデバイス自体の安全な動作とを含む、様々な態様がある。特に、オペレータ、デバイス、又はデバイス周囲を、過度に熱せられた表面や火災から保護することが重要であり、或いは不可欠である。したがって、電気モータードライブが、一つ又は複数の、巻線、ステータ、或いは、シャフト又はモーターボディを含むロータ内部に過温度条件が生じさせないように、電気モータードライブを監視することが望ましい場合がある。
【0003】
実際、電気モータードライブに関連する潜在的な危険の一つは、一つ又は複数のモーター巻線の過熱による火災又は高温表面である。いくつかのデバイスでは、とりわけ過負荷又は他の異常条件又は欠陥の際に、過熱又は関連する火災がないことを確実にするために、モーター巻線の温度を連続的に監視することが望ましい。多くの安全規格では、異なるクラスのモーター巻線の最大許容温度について言及している。設計者は、巻線温度がそのような制限内に留まることを確実にすることを所望し得る。
【発明の概要】
【0004】
本明細書は、ハードウェアベースの検出システムに関し、ハードウェアベース検出システムは、とりわけ、モーター巻線における電流と、参照電流と、持続時間とに機能的に関連する信号を生成するための信号生成回路、及び、信号生成信号に結合され、生成された信号を参照信号と比較し、それによってモーター巻線内の過剰温度条件を検出するためのコンパレータ回路を含む。
【0005】
本明細書は更に検出システムに関し、検出システムは、とりわけ、モーター巻線における電流と、参照電流と、持続時間とに機能的に関連する信号を生成するための信号生成回路、生成された信号を可変参照信号と比較し、それによってモーター巻線における過剰温度条件を検出するためのコンパレータ回路、及び、参照電流及び周囲温度の関数として可変参照信号を生成するための補償回路を含む。
【0006】
本明細書は更に、ハードウェアベースの検出システムを動作させる方法に関する。この方法は、信号発生回路に、モーター巻線における電流と、参照電流と、持続時間とに機能的に関連する信号を生成させること、及び、コンパレータ回路にこの信号を参照信号と比較させ、それによって、モーター巻線における過剰温度条件を検出することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】典型的な多相モーターのためのIt曲線(又は熱制限曲線)のグラフである。
【0008】
図2】駆動システムに結合された検出システムのブロック図であり、検出システムは、多相モーターにおける巻線過剰温度条件を表す信号を生成するように構成される。
【0009】
図3図2の検出システムのための波形図である。
【0010】
図4図2の検出システムの一部のための回路図である。
【0011】
図5図2及び図4の検出システムに関連して用いられ得る、周囲条件を補償するためのシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで図面を参照すると、同様の要素が全体を通して同様の参照数字及び他の文字で示されており、典型的なモーター巻線のIt曲線110が図1に示されている。モーター巻線において放散される瞬間エネルギーは、巻線電流Iの二乗に比例し、巻線における温度は、エネルギー放散の持続期間tに依存する。モーターは、許容温度を超えることなく、名目又は定格電流Iで連続的に動作するように設計され得る。名目電流Iを超える負荷電流Iは、モーターの冷却デバイスによってなくすことのできない過剰な損失を生じさせる。その結果、負荷電流Iが名目電流Iよりも大きいとき、モーター温度が増大し、最終的に定格温度を超える。
【0013】
負荷電流Iが名目電流Iよりわずかに大きいだけである場合、モーター温度が定格温度を超えるのに必要な時間tは比較的長くなり得るが、最終的には定格温度を超えることになる。負荷電流Iが、図1に示される状況である名目電流Iよりもはるかに大きいとき、モーター温度が定格温度を超えるのに必要とされる時間tは比較的短くなり得る。負荷電流Iが名目電流Iより小さい場合、モーター温度は、持続期間tにかかわらず定格温度を超えてはならない。
【0014】
概して、負荷電流Iが名目電流Iに等しいときに、名目条件ENOM下でモーター巻線によって放散されるエネルギーは、次のようになる。
NOM=IRMS ×R×t
ここで、IRMSは名目電流Iの二乗平均平方根(RMS)値であり、Rは電流を搬送する巻線の抵抗であり、tはエネルギー放散の持続期間である。
【0015】
負荷電流Iが名目電流Iより大きい場合(図1で示されている状況)、次のように、モーター巻線によって過剰エネルギーEが生成される。
=(IP,RMS -IN,RMS )×R×t
ここで、IP,RMSは負荷電流Iの二乗平均平方根値である。
【0016】
Rは(温度の変動を備えるRの変動を無視して)一定とみなすことができるので、後者の式は、次のように比例関係として単純化することができる。
Pα(IP,RMS -IN,RMS )×t
【0017】
図2は、モーター駆動システム12に結合されたハードウェアベースの検出システム10を図示するブロック図である。モーター駆動システム12は、例えば、家電(図示せず)を動作させるように構成され得る。検出システム10は、モーター駆動システム12内の過剰温度(OT)条件を検出するように構成される。図示の構成では、モーター駆動システム12は、3位相インバータ16に結合された3位相モーター14と、ライン15、17、19に電気的に接続された対応する複数のモーター巻線と、巻線接続ライン15、17に直列に電気的に接続された対応する電流感知要素18、20とを有する。モーター駆動システム12は、多相モーターが多相インバータによって駆動される多相システムとすることができる。ここで図示されているモーター駆動システム12は、感知要素18、20を用いて、3つの位相モーター14の3つの巻線のうちの2つのモーター巻線を流れる電流を感知する。電流感知要素の一例は、これらに限定されないが、電流感知抵抗器、又はホール効果センサ、又は任意の他の適当な感知要素とし得る。
【0018】
図示された検出システム10は、感知要素18、20を用いてライン15、17に接続された巻線におけるそれぞれの電流を感知(監視)し、それぞれの導電ライン26、28上に電流信号を出力するためのインラインセンサ22、24を有する。センサ22、24は、適切な電気接続30、32、34、36によって、感知要素18、20の反対の端部に電気的に結合される。図示の構成では、インラインセンサ22、24の数(2)は、モーター14の位相数(3)よりも1少ない。しかしながら、この説明は、図面に示されこの詳細な説明に記載されるシステム及びデバイスに限定されない。概して、N位相モーターの場合、とりわけ、駆動システムが適切なアース漏れ絶縁又は保護を有する場合には、N-1以下の電流センサしか必要とされない可能性がある。概して、N位相モーターでは、駆動システムがアース漏れ絶縁又は保護を有していないか、或いは、各モーター位相巻線が位相巻線間の電気接続なしに独立している場合に、N電流センサが必要とされることがある。
【0019】
また、図2に図示するように、検出システム10は、ライン26、28上の電流信号を受け取り、対応する二乗平均平方根(RMS)信号を導電ライン42、44上に出力するためのRMS計算回路38、40を有する。RMS計算機回路38、40は、感知された巻線電流のそれぞれのRMS値(IP,RMS)を計算する。RMS信号は、それぞれのセンサ要素18、20及びセンサ22、24によってライン15、17に接続された巻線内で検知されたそれぞれの負荷電流IP,RMSに対応する。
【0020】
RMS計算器回路38、40に続いて、第1の乗算器及び相殺器回路54、56が、それぞれのRMS値に基づいて第1の差分信号(その値はIP,RMS -IN,RMS に対応する)を生成するために設けられ、第2の乗算器及び相殺器回路58、60が、それぞれのRMS値に基づいて第2の差分信号(その値はIN,RMS -IP,RMS に対応する)を生成するために設けられる。
【0021】
図示した例において、IN,RMSは、モーター駆動システム12のための定格の名目モーター電流である。IN,RMSは、温度が無限時間まで過剰温度(OT)閾値に達しないモーター電流である。モーター駆動システム12が名目電流IN,RMS未満を引きだすと、モーター駆動システム12は、IN,RMSの定格電流に対応する定格温度より低い温度まで冷却される。したがって、第2の差分値(IN,RMS -IP,RMS )を計算することによって冷却曲線が生成され、これらが、適切な積分器回路62、64において、時間積分ベースで第1の差分値(IP,RMS -IN,RMS )から減算される。以下のより詳細で説明するように、乗算器及び相殺器回路54、56、58、60は適切な演算増幅器を含み得る。
【0022】
図示の構成では、積分回路62、64は差分信号を受信し、時間積分信号を生成する。積分信号をライン70上の参照信号と比較するためにコンパレータ回路66、68が設けられている。ライン70上の参照信号は、所定の固定It参照値に対応し得るか、或いは、以下により詳細に記載されるように、ライン70上の参照信号は、周囲温度の関数として変化する可変It Ref_comp値に対応し得る。そのため、検出システム10は、ライン80上に第1の信号を生成するための第1の信号生成回路22、38、54、58、62を有する。(ライン80上の)第1の信号は、第1のモーター巻線(ライン15に関連するIP,RMS)における電流と、参照電流(IN,RMS)と、持続時間(t)とに機能的に関連する。また、検出システム10は、第1の信号生成回路22、38、54、58、62に結合され、第1の信号を参照信号It Ref_compと比較し、それによって第1のモーター巻線における過温度条件を検出するための第1のコンパレータ回路66を有する。また、検出システム10は、ライン82上に第2の信号を生成するための第2の信号生成回路24、40、56、60、64を有する。(ライン82上の)第2の信号は、第2のモーター巻線(ライン17に関連するIPRMS)における電流と、参照電流(IN,RMS)と、持続時間(t)とに機能的に関連する。また、検出システム10は、第2の信号生成回路24、40、56、60、64に結合され、第2の信号を参照信号It Ref_compと比較し、それによって第2のモーター巻線における過温度条件を検出する第2のコンパレータ回路68を有する。
【0023】
図2に図示するように、例えば、差分信号は、乗算器及び相殺器回路54、56、58、60から出力され得、導電ライン72、74、76、78上のそれぞれの積分器回路62、64に入力され得、時間積分信号は、それぞれの積分器回路62、64から出力され得、他の導電ライン80、82上のそれぞれのコンパレータ回路66、68に入力され得る。
【0024】
動作において、コンパレータ回路66、68の一方(又は両方)は、それぞれの積分信号の値がIt参照信号(又は可変It Ref_comp値)の値を超えるときはいつでも、それぞれの導電ライン84、86上にOT欠陥信号を発行する。コンパレータ回路66、68からの出力はノード90でマージされて、コンパレータ回路66、68の少なくとも一方がOT欠陥信号を出すときはいつでも、導電ライン92上でOT条件警告信号が生成される。所望である場合、導電ライン92は、OT条件があることをオペレータに警告するために適切なオペレータインタフェース(図示せず)に動作可能に接続される。或いは、導電ライン92は、例えば、モーター駆動システム12を電源(図示せず)から切り離すことによって、自動的に矯正動作を行うために、適切な電気的又は機械的コントローラ(図示せず)に動作可能に接続され得る。
【0025】
図3に図示するように、巻線のうちの一巻線の負荷電流IP,RMSが名目電流IN,RMSより量xだけ連続的に大きいとき、それぞれの積分器回路62、64からの出力信号によって表される積分値[(IP,RMS -IN,RMS )×t]は、時間とともに増加する。以下でより詳細に説明するように、ライン15、17に接続されたモーター巻線が、tOTより長い時間期間にわたって負荷電流IP,RMSで動作したとき、それぞれの積分器回路62、64によって生成される出力信号は、It参照信号を量yだけ超え、これにより、マージされた導電ライン92上にOT条件警告信号が生成される。
【0026】
実際のモーター電流が名目電流より大きいとき、それぞれのモーター巻線が加熱される。負荷電流IP,RMSが名目電流IN,RMSより比較的少量だけ大きいとき、検出システム10がOT条件警告信号を生成するのにかかる時間量tOTは比較的長い。負荷電流IP,RMSが名目電流IN,RMSより比較的大量に大きいとき、検出システム10がOT条件警告信号を生成するのにかかる時間量tOTは、対応して短い。負荷電流IP,RMSが常に、ライン15、17に接続された巻線(図3には示されていない条件)の全てにおける名目電流IN,RMSより小さいとき、図示された検出システム10はOT条件警告信号を生成しない。
【0027】
本明細書の一態様によれば、名目電流IN,RMSのための適切な値は、モーター駆動システム12に取り付けることができる製造業者のネームプレート(図示せず)上に設けられた情報から得ることができる。ネームプレートが、例えば、モーター駆動システム12が2A巻線電流(周囲温度25℃まで規定される)を搬送するように構成され、モーター巻線が無限時間(定常状態温度)で定格温度(例えば、100℃)まで加熱されることを示す場合、IN,RMS=2Aである。これは、ライン15、17に接続されたモーター巻線が25℃の周囲温度で各々2Aを連続的に搬送し得ることを意味し得る。しかしながら、本記載は、本記載の非限定的な例を特徴付けることを意図する本明細書に記載される構成及び数値値に限定されない。
【0028】
図4は検出システム10の一部の回路レベル実装を図示しており、ライン15に接続された第1の巻線において検知された電流と等価な電圧は、Iで利用可能であり、適切な抵抗器104を介して第1の演算増幅器102の非反転入力100に供給される。信号Iは、図2の信号出力ライン26における第1のインラインセンサ22の出力における等価信号である。モーター巻線は、交流(バイポーラ)電流を搬送し得る。交流を感知している間、センサ22の出力は、通常、バイポーラである(正と負の両方の極性を有する)。センサ回路及び更なる回路をよりシンプルにするために、単極出力を用いて、演算増幅器を単極電力供給VCC参照信号接地で動作させることができるようにしてもよい。これを達成するために、センサ22、24の出力は電圧VCC/2(ここでは図示せず)によってレベルシフトされ、レベルシフトされた信号は図2のライン26、28で利用可能である。信号I図4)は、図2のライン15、17に接続されたモーター巻線に流れる電流に等しい、図2のライン26(又はライン28)で利用可能な(VCC/2だけ)レベルシフトされた電圧信号である。巻線電流がゼロであるとき、対応するI信号電圧はVCC/2であり、巻線電流が正である(電流がモーター巻線に流れる)とき、対応するI信号電圧はVCC/2より大きく、巻線電流が負である(電流がモーター巻線の外に流れる)とき、対応するI信号電圧はVCC/2より小さい。演算増幅器102は、第1のRMS計算器38(図2)の一要素である。第1の演算増幅器102の出力は、適切なダイオード106を介して送信され、適切な抵抗器111を介して演算増幅器102の反転入力108に供給され、抵抗器111及び適切なコンデンサ112によって接地に結合され、抵抗器111及び別の適切な抵抗器118を介して第2の演算増幅器116の非反転入力114に供給され、抵抗器111、118、及び別の適切な抵抗器120によって接地に結合される、導電ライン101(図4)上で利用可能である。
【0029】
そのため、図4に図示される回路はピーク検出器を含み、ピーク検出器は、第1の演算増幅器102、ダイオード106、及び関連する抵抗器111及びコンデンサ112を含むが、これらに限定されない。動作において、ピーク検出器は、第1の電流センサ22(図2)の出力のピークを追跡する。一方、第2の演算増幅器116は、第1の差分値(IP,RMS -IN,RMS )を近似的に計算することによってモーター巻線加熱を計算する。近似は、例えば、適切な範囲(これはIからIまでであり得る)にわたって1.2V/Vのオペアンプ利得を用いて達成され得る。しかしながら、上述したように、本記載は、本明細書に記載された構成及び数値値に限定されない。導電ライン128上の加熱増幅器回路の出力は、積分器/第3の演算増幅器140の非反転入力130に接続される。
【0030】
名目電流IN,RMSと等価な(VCC/2だけ)レベルシフトされた電圧INOMが、導電ライン122上で、適切な抵抗器126を介して第2の演算増幅器116の反転入力124に印加される。第2の演算増幅器116の出力は、導電ライン128上で、適切な抵抗器142を介して第3の演算増幅器140の非反転入力130に、別の適切な抵抗器144を介して第2の演算増幅器116の反転入力124に印加される。動作において、第1のRMS計算器回路38(図2)及び図2の差分値(IP,RMS -IN,RMS )計算器54は、(ピーク検出器として動作する)第1の演算増幅器102(図4)及び(利得段として動作する)第2の演算増幅器116を含む。第3の演算増幅器140の非反転入力130は、適切なコンデンサ145を介して接地に電気的に結合される。
【0031】
ダイオード106を介して送信される電流信号は、抵抗器111及び別の適切な抵抗器150を介して第4の演算増幅器148の反転入力146にも供給される。名目電流IN,RMSと等価の(VCC/2だけ)レベルシフトされた電圧INOMは、導電ライン122上で、適切な抵抗器154を介して第4の演算増幅器148の非反転入力152に印加され、抵抗器154及び別の適切な抵抗器156を介して接地に電気的に結合される。導電ライン158上の第4の演算増幅器148の出力は、適切な抵抗器162、164を介して第3の演算増幅器140の反転入力160に、及び、適切な抵抗器166を介して第4の演算増幅器148の反転入力146に印加される。
【0032】
動作において、モーター電流が名目電流より小さいとき、それぞれのモーター巻線は、IN,RMSの定格電流に対応する定格温度より低い温度まで冷却される。第4の演算増幅器148は、第2の差分値(IN,RMS -IP,RMS )を近似的に計算することによって冷却を計算する。近似は、例えば、適切な範囲(これは、IからIまでとし得る)にわたって0.48V/Vのオペアンプ利得を用いることによって達成され得る。冷却増幅器回路のライン158上の出力は、積分器/第3の演算増幅器140の反転入力160に接続される。
【0033】
所望である場合、積分器RC回路の時定数は、名目It値の値に基づいて調整され得る。その目的のため、コンデンサ145と抵抗器142、及びコンデンサ170と抵抗器164が、RC時定数を形成する。コンデンサ145、170の静電容量Cは互いに等しくてもよく、抵抗器142、164の抵抗Rは互いに等しくてもよく、その場合、積分器利得はl/RCと等しい。一方、抵抗器172は、異常モーター電流が名目電流IN,RMSよりも大きい場合に異常動作が起こるまでの長い時間、モーター電流が定格電流IN,RMSよりも小さいときに、モーター予熱を模倣するために、ライン314上でFB信号を受信する。
【0034】
第3の演算増幅器140の出力は、NPNバイポーラ接合トランジスタ(BJT)168のベースに結合されている。BJTトランジスタ168のコレクタは、コンデンサ170を介して第3の演算増幅器140の反転入力160に結合される。コンデンサ170は、抵抗器ネットワーク172、164に並列に接続される。トランジスタ168のエミッタは、適切な抵抗器174を介して接地に電気的に結合される。
【0035】
BJTトランジスタ168のコレクタは、適切なMOSFET194及び導電ライン80を介して、第5の演算増幅器(例えば、第1のコンパレータ)66の反転入力190にも結合される。MOSFET194は、適切な抵抗器196及び適切なコンデンサ198によって電力供給VCCに結合される。第5の演算増幅器/第1のコンパレータ66の非反転入力200は、導電ライン70上の可変参照信号It Ref_comp(又は固定参照信号It Reference)を受け取る。反転入力190に印加された信号が参照信号より大きいとき、コンパレータ回路66はライン84上にOT欠陥信号を生成する。OT欠陥信号が、適切な抵抗器202及び導電ライン84を介して送信され、導電ライン84は、適切なコンデンサ204を介して接地に結合される。所望な場合、(第3の演算増幅器140の出力における)BJT168及び(第5の演算増幅器66に関連する)MOSFET194を用いて、積分器コンデンサ170が、電力供給欠陥の事象において放電しないが、検出システム10における電荷を維持し、それによって、それが放散するまでモーター保持熱と同様の容量性保持電荷効果を確実にし得る。要素170、172、164で構成されるRC回路の値は、この回路のRC時定数がモーターの冷却時定数と等価になるように選択される。
【0036】
動作において、第2及び第3の演算増幅器116、140の利得は、巻線電流Iの近傍における二乗回路の線形近似を得るために共に調節される。そのため、第1、第2、及び第3の演算増幅器102、116、140は、第1の差分信号に対して、所望のRMS及び二乗関数を実装するように、連携して動作する。第2の演算増幅器116は、第1の差演算回路54(図2)の一要素であり、第4の演算増幅器148(図4)は、対応する第2の差演算回路58の一要素である。
【0037】
以上の記載では、モーター駆動システム12は電流=Iで始まり、モーター駆動システム開始時の初期温度は周囲温度に等しいと仮定していた。しかしながら、モーター駆動システム12が長時間、定格電流よりわずかに少ない電流で動作していて、その後、突然異常な条件が生じてモーター電流が名目電流より大きくなる場合、過熱が始まる初期温度は周囲温度ではなく、OT閾値に近く、従って、OT閾値に到達する時間は短い。一方、モーター駆動システム12が長時間、定格電流よりもはるかに低い電流で動作していた場合、初期温度は周囲温度に近く、OT閾値に到達するのに必要な時間はより長くなる。
【0038】
上述の状況に対処するために、図4に図示される回路は、負荷電流Iが名目電流Iより小さいときに積分器回路140における初期条件を設定するための適切な抵抗器304、306、308、310、312に結合される、第6及び第7の演算増幅器300、302も有し得る。特に、(抵抗器172、162、164に電気的に接続される)ライン314上の信号FBは、負荷電流Iが名目電流Iより低いときに積分器回路140における初期条件を設定するために生成される。動作において、VIPEAK信号が、ライン316上で、抵抗器304を介して第6の演算増幅器300の非反転入力に印加される。第6の演算増幅器300の非反転入力は、抵抗器310を介して接地に結合される。一方、フィードバック抵抗器308を有する第6の演算増幅器300の反転入力には、抵抗器306を介してVCC/2信号が印加される。
【0039】
第6の演算増幅器300の出力は、第7の演算増幅器302の非反転入力に印加され、VINT信号が、ライン80上で、第7の演算増幅器302の反転入力に印加される。VINT信号は、演算増幅器66の反転入力に印加される信号と同じである。第7の演算増幅器302の出力は、抵抗器312及びMOSFET316に印加されて、導電ライン314上にFB信号を生成する。演算増幅器300は、VIPEAKからVCC/2を引いた信号が生成される差分増幅器である。上記の例を参照すると、VCC/2電圧信号はゼロ電流に対応し、したがって、演算増幅器300の出力は、適切な利得を有する巻線電流I又はIP,RMSのピーク値に等価の電圧と考えることができる。演算増幅器302はコンパレータとして構成される。演算増幅器302の非反転入力が、演算増幅器302の反転入力におけるVINT信号より大きいとき、演算増幅器302の出力は高く(VCCに等しく)なり、MOSFET316はオンになり、FB電圧がゼロボルトにほぼ等しくなるようにする。IRMSがIN,RMSより小さいとき、ライン128における第2の増幅器116の出力はゼロボルトであり、MOSFET316をオンすることによってFB信号が接地までプルされるとき、ライン80におけるVINT信号は一定のままである。
【0040】
所望である場合、少なくとも第2、第3、第4、及び第5の演算増幅器116、140、148、66を単一チップ上又は単一チップ内に形成してもよい。また、所望である場合、少なくとも第2、第3、第4、第5、第6、及び第7の演算増幅器116、140、148、66、300、302を単一チップ上又は単一チップ内に形成してもよい。
【0041】
図4に図示されたシステムは、RMS計算器、二乗回路、積分器、及びコンパレータを実装するため、及び、ライン84上にOT欠陥信号を生成することによってライン15(図2)に接続された第1の巻線におけるOT条件に応答するための、複数の段階を有する。ライン86上にOT欠陥信号を生成することによってライン17に接続された第2の巻線におけるOT条件に応答するために、別の回路(図示されていないが、本質的には図4に図示するシステムと同じ)が、ライン17(図2)及び出力ノード90に接続された第2の巻線に結合され得る。
【0042】
図5は、導電ライン70上に可変(補償された)参照信号It Ref_compを生成するための補償回路69のブロック図である。補償された参照信号の値は、周囲温度の関数として変化し、一方、固定It参照信号の値は、所与の作業環境におけるモーター駆動システム12に対して一定とし得る。図5に図示されている補償回路69は、周囲温度の関数として可変参照信号を生成する。
【0043】
図5に図示されるように、一つ又はそれ以上のアナログ温度センサ402が、周囲温度を表すライン404上の温度信号を生成するために設けられ得、温度信号に対応するライン408上のスケーリング信号を生成するためのスケーリング回路406が設けられ得る。補償回路410が、スケーリング信号を固定It参照信号に印加し、それによって、ライン70上に補償された参照信号を生成する。図示の構成では、補償回路410は、It参照信号にスケーリング信号を加算又はIt参照信号からスケーリング信号を減算する。
【0044】
概して、一つ又は複数の周囲温度センサ402によって感知される周囲温度が増大すると、ライン70上の補償された参照信号の値が減少し、逆もまた同様である。その結果、周囲温度が増大すると、OT警告条件を生成させるライン80(図2)上の負荷電流に基づく信号が低減し、逆もまた同様である。「周囲温度」という用語は、ライン15、17に電気的に接続されたモーター巻線によって生成される熱の影響を受けない場所における、モーター駆動システム12の近傍における温度を意味する。センサ402の配置は、所望である場合、いかなる複雑なアッセンブリ要件もなしに成され得る。比較的複雑でない低コストセンサをこのような目的に用いることができる。
【0045】
モーター巻線過剰温度条件を検出するためのハードウェア実装に関与する本明細書に記載されるデバイス及び方法は多くの利点を有する。こういった回路アーキテクチャは、よく理解され容易に利用可能な増幅器及びコンパレータに基づき得、従って、実装が容易であり得る。それらは、巻線過剰温度の間接的な判定に関与し、従って、巻線の温度を直接測定するために構成された温度センサを必要としない。
【0046】
検出システム10は、複雑ではないアナログチップアーキテクチャを有し得、別個の印刷回路基板(PCB)を必要としない。システム10は、好都合にも、モーター駆動システム12が何ら複雑なアッセンブリ要件なしにサポートされているものと同じPCB上に実装され得、センサ22、24はインライン構成で構成され得るので、消費する空間がより少なくなり得る。これらの特徴の結果として、図示されたシステムは、既知のシステムと比較して低減されたコストで生成され得、それでも所望の精度を有する。また、こういった解決策アーキテクチャは、比較的一般的な演算増幅器を採用し得るので、集積度を向上させることができる。
【0047】
本明細書に記載されるシステム10の別の利点は、老朽化によって悪影響を受けないことである。これとは対照的に、直接温度センサを備える既知のデバイスは、センサの転位などの経時的問題を起こしやすく、不適切又は非実用的なメンテナンスを受けることになる。
【0048】
上述で説明したものは例である。この記載は、添付の特許請求の範囲を含む本願の範囲内にある、本明細書に記載される主題に対する変更、変形、及び変動を包含することが意図される。用語「~を含む」は、~を含むことを意味するが、それに限定されない。また、用語「~に基づく」は、「~に部分的に基づく」ことを意味する。また、用語「或る」、「第1の」、又は「別の」要素は、一つ又は複数のそのような要素を含み、2つ又はそれ以上のそのような要素を必要とせず、排除もしない。
図1
図2
図3
図4
図5