(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】誘導灯
(51)【国際特許分類】
F21S 9/02 20060101AFI20240828BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20240828BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240828BHJP
【FI】
F21S9/02 140
F21S9/02 120
F21V23/04 130
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020144633
(22)【出願日】2020-08-28
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 優
(72)【発明者】
【氏名】川越 真
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-137877(JP,A)
【文献】特開平05-242708(JP,A)
【文献】特開2012-099305(JP,A)
【文献】特開2007-080682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 23/00-99/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と;
前記筐体に取り付けられる誘導表示部と;
前記筐体内に収容されるとともに前記筐体
内の下部側に設けられ、前記筐体の下部側に配置される部品を取り付けるとともに前記誘導表示部の背面側と下部側を位置決めする取付部材と;
を備えることを特徴とする誘導灯。
【請求項2】
前記取付部材は、前記筐体の下部側に配置される前記部品として点滅表示部を取り付ける
ことを特徴とする請求項1記載の誘導灯。
【請求項3】
前記取付部材は、前記筐体の下部側に配置される前記部品としてスイッチ部を取り付ける
ことを特徴とする請求項1記載の誘導灯。
【請求項4】
前記筐体に対して前記誘導表示部を着脱可能に取り付けるとともに前記誘導表示部の側部から取り外し操作可能とする取付機構をさらに備える
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の誘導灯。
【請求項5】
前記筐体に対して前記誘導表示部を着脱可能に取り付けるとともに前記誘導表示部の側部から取り外し操作可能とする取付機構と;
前記筐体内に設けられた少なくとも前記点滅表示部の電源部と;
前記筐体内で前記取付機構よりも下側に配置され、前記電源部に接続されるバッテリと;
をさらに備えることを特徴とする請求項2記載の誘導灯。
【請求項6】
筐体と;
前記筐体に取り付けられる誘導表示部と;
前記筐体内に収容されるとともに前記筐体
内の下部側に設けられ、前記筐体の下部側に配置されるスイッチ部を取り付けるとともに前記誘導表示部の下部側を位置決めする取付部材と;
を備えることを特徴とする誘導灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、誘導表示部を備えた誘導灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筐体に対して、非常口などの避難路を示す誘導表示部が取り付けられている誘導灯がある。このような誘導灯の誘導表示部は、筐体に対して所定の位置に安定して取り付けられていることが好ましいが、そのためには位置決め部品などを別途用いる必要があり、部品点数が増加してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、部品点数の増加を抑え、筐体に対して誘導表示部を所定の位置に安定して取り付けることができる誘導灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の誘導灯は、筐体と、筐体に取り付けられる誘導表示部と、筐体内に収容されるとともに筐体内の下部側に設けられ、筐体の下部側に配置される部品を取り付けるとともに誘導表示部の背面側と下部側を位置決めする取付部材とを備える。
【発明の効果】
【0006】
実施形態の誘導灯によれば、部品点数の増加を抑え、筐体に対して誘導表示部を所定の位置に安定して取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態を示す誘導灯の斜視図である。
【
図2】同上誘導灯の本体ケースから化粧枠を外した状態の斜視図である。
【
図3】同上誘導灯の本体ケースから誘導表示部を外した状態の斜視図である。
【
図4】同上誘導灯の本体ケースから誘導表示部を外した状態の斜視図である。
【
図5】同上誘導灯を背面側から見た分解状態の斜視図である。
【
図6】同上誘導灯の誘導表示部の上部側の位置決め構造、および側部の取付構造を示す斜視図である。
【
図7】同上誘導灯の誘導表示部の下部側の位置決め構造を示す背面側から見た斜視図である。
【
図8】同上誘導灯の点滅表示部の分解状態の斜視図である。
【
図9】第2の実施形態を示す誘導灯の斜視図である。
【
図10】同上誘導灯の本体ケースから化粧枠を外した状態の斜視図である。
【
図11】同上誘導灯の本体ケースから誘導表示部を外した状態の斜視図である。
【
図12】同上誘導灯を背面側から見た分解状態の斜視図である。
【
図13】同上誘導灯の誘導表示部の上部側の位置決め構造、および側部の取付構造を示す斜視図である。
【
図14】同上誘導灯の誘導表示部の下部側の位置決め構造を示す背面側から見た斜視図である。
【
図15】同上誘導灯の化粧枠を外した状態の斜視図である。
【
図16】同上誘導灯の点滅表示部および動作確認スイッチ部の分解状態の斜視図である。
【
図17】同上誘導灯の動作確認スイッチ部の分解状態の斜視図である。
【
図18】同上誘導灯の点検スイッチ部の分解状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、第1の実施形態を、
図1ないし
図8を参照して説明する。
【0009】
図1および
図2に示すように、誘導灯10は、施設の非常口などに対応して設けられるものであって、壁面または天井面に設置される直付形誘導灯である。誘導灯10は、筐体11と、この筐体11の前面側中央に配置される誘導表示部12と、この誘導表示部12の一側である前面から見て左側の位置に配置される音出力部13と、誘導表示部12の下側であって筐体11の下部側に配置される点滅表示部14、スイッチ部としての動作確認スイッチ部15および点検スイッチ部16とを備えている。
【0010】
さらに、
図3および
図4に示すように、誘導灯10は、筐体11内の中央上部側に配置される電源用端子台17および複数の信号用端子台18、筐体11内の中央右側に配置される誘導表示部12用の第1電源部19および第1バッテリ20、筐体11内の中央下部側に配置される音出力部13用および点滅表示部14用の電源部としての第2電源部21、この第2電源部21と接続され筐体11内の右側の下部側に配置されるバッテリとしての第2バッテリ22をさらに備えている。
【0011】
さらに、筐体11は、誘導表示部12および点滅表示部14を除いた他の誘導灯構成部品を一体に取り付ける取付枠23を備えている。取付枠23には、誘導表示部12の上部側を位置決め保持する上側位置決め部材が一体に形成されている。
【0012】
そして、
図1ないし
図5に示すように、筐体11は、壁面または天井面に取り付けられる器具本体である本体ケース25、およびこの本体ケース25の前面側に着脱可能に取り付けられる前面カバーである化粧枠26(
図3および
図4には図示していない)を備えている。
【0013】
本体ケース25は、背面部25a、上面部25b、下面部25c、および両側の側面部25dを有し、前面側が開口された箱状で左右幅方向に横長に形成されている。背面部25aおよび上面部25bには壁面または天井面に取り付けるための複数の取付孔27が設けられている。背面部25aおよび上面部25bには、外部からの電源線および信号線を本体ケース25内に引き込むための配線孔28が設けられている。下面部25cの左右幅方向の中央には、点滅表示部14に対応して円形状の点滅表示用窓孔29が設けられている。下面部25cの点滅表示用窓孔29の左側には、動作確認スイッチ部15に対応してそれぞれ所定形状の複数の動作確認スイッチ部用窓孔30が設けられている。下面部25cの点滅表示用窓孔29の右側には、点検スイッチ部16に対応してそれぞれ所定形状の複数の点検スイッチ部用窓孔31が設けられている。
【0014】
本体ケース25の背面部25aの前面側には取付枠23が取り付けられ、この取付枠23の前面側に音出力部13、各端子台17,18、各電源部19,21などがねじ止めにより取り付けられている。両側の側面部25dの内面側には、化粧枠26を本体ケース25の前面側に対して着脱可能に取り付けるための取付ばね32が取り付けられている。
【0015】
化粧枠26は、本体ケース25の前面側を覆う。化粧枠26は、前面部26a、およびこの前面部26aの周囲に設けられた周縁部26bを有している。前面部26aの中央には、誘導表示部12に対向して四角形状の誘導表示用開口33が設けられている。前面部26aの誘導表示用開口33の一側である前面から見て左側には、音出力部13に対応して音出力用開口34が設けられているとともに、この音出力用開口34を覆って例えば複数の小さい孔が開けられたスピーカカバー35が取り付けられている。また、化粧枠26の前面部26aの背面側の両側には、化粧枠26が本体ケース25の前面側に被着された状態で、本体ケース25の取付ばね32に着脱可能に取り付けられる取付金具36が取り付けられている。
【0016】
また、誘導表示部12は、表示ケース39、この表示ケース39の前面側に配置された表示パネル40、この表示パネル40の背面側に配置された導光板41、表示ケース39の上部側に配置された光源ユニット42、表示ケース39の背面側に取り付けられた補強板43、およびこの補強板43に取り付けられた取付部材である取付ばね44などを備えている。
【0017】
表示ケース39は、上面側が開口され、内部に上面側から表示パネル40および導光板41が挿入されて位置決め収納する収納部が形成され、前面側に表示パネル40の中央域が臨む開口部45が形成されている。表示ケース39の背面側には、両側から後方に向けて側面部46が突出され、下側近傍から後方に向けて突出部47が突出されている。
【0018】
表示ケース39の上部側は、この表示ケース39の上部側に配置される光源ユニット42よりも上方に突出されている。
図5および
図6に示すように、この表示ケース39の上部側の背面側に被上側位置決め部48が形成されている。表示ケース39の被上側位置決め部48は、誘導表示部12が本体ケース25の前面側に前方から取り付けられる際、本体ケース25に取り付けられている上側位置決め部24に係合して位置決めされる。上側位置決め部24は、先端側が本体ケース25の上面部25bよりも前方に突出されているとともに、先端側が下方に向けて断面略L字状に折曲されており、この先端側に誘導表示部12の被上側位置決め部48が係合することによって誘導表示部12の上部側が位置決め保持される。
【0019】
表示ケース39の下部側は、突出部47よりも下方に突出されている。
図7に示すように、表示ケース39の下部側には、突出部47の下面側と表示ケース39の背面側との間に、下方および後方に開口する略直角な窪み状の被下側位置決め部50が形成されている。表示ケース39の被下側位置決め部50は、誘導表示部12が本体ケース25の前面側に前方から取り付けられる際、筐体の下部側に配置される点滅表示部14を取り付ける取付部材に係合して位置決めされる。
【0020】
表示パネル40は、透光性を有する例えば樹脂製で平板状に形成され、表面には避難誘導表示用のピクトグラムが表示されている。
【0021】
導光板41は、例えばアクリル樹脂などの透明な樹脂製で平板状に形成されている。導光板41は、上端面側に光源ユニット42からの光を入射して前面側から出射し、表示パネル40を背面側から照明する。
【0022】
光源ユニット42は、図示しない発光モジュール、この発光モジュールを保持するホルダ51、および発光モジュールに電気的に接続されたコネクタ52を備えている。光源ユニット42は、表示ケース39の上面側に上方から嵌め込まれて取り付けられ、表示ケース39内に収納されている表示パネル40および導光板41を表示ケース39との間に保持する。発光モジュールは、基板、およびこの基板に実装された例えばLEDなどの発光素子である光源を有している。光源は、導光板41の上端面側に対向され、光を導光板41に入射する。コネクタ52は、ハーネスにより第1電源部19に電気的に接続される。
【0023】
補強板43は、例えば金属板により形成され、表示ケース39の背面側に取り付けられている。補強板43の両側には、取付ばね44が取り付けられている。
【0024】
取付ばね44は、例えば金属製の板ばねで構成されている。取付ばね44は、誘導表示部12が本体ケース25の前面側に前方から取り付けられる際、本体ケース25の取付枠23に取り付けられている左右両側の取付金具53に係合して着脱可能に取り付けられる。
図6に示すように、取付ばね44は、後方に向けて突出する略V字形または略U字形に設けられ、一端側が補強板43に取り付けられ、他端側が自由端であって表示ケース39の側面部46の内面側に対向するように配置されている。取付ばね44の他端側には、取付金具53の背面側に引っ掛かる引掛部54が設けられているとともに、この引掛部54よりも前側に引掛部54を取付金具53から取り外し操作可能とする操作部55が設けられている。取付ばね44の操作部55に対向する表示ケース39の側面部46には、操作部55に臨む切欠部46aが設けられている。
【0025】
そして、誘導表示部12の両側の取付ばね44と本体ケース25側の取付金具53とにより、筐体11の本体ケース25に対して誘導表示部12を着脱可能に取り付けるとともに、誘導表示部12の側部から取り外し操作可能とする取付機構56が構成されている。
【0026】
また、音出力部13は、例えば「非常口はこちらです」などの避難誘導を案内する音声を出力する音声出力部である。音出力部13は、スピーカ58、およびこのスピーカ58を本体ケース25の取付枠23に取り付ける取付部材59を有している。スピーカ58は、化粧枠26の音出力用開口34に対向配置される。
【0027】
また、点滅表示部14は、誘導表示部12の下側位置で、筐体11内の下部側に配置される部品61である。
図8に示すように、点滅表示部14は、例えばLEDなどの発光素子にて構成される光源62を備えている。光源62は、基板に実装されるとともに、ソケット63と組み合わされて放熱板でもある取付部材64に取り付けられている。なお、光源62には、例えばキセノンランプなどを用いてもよい。
【0028】
取付部材64は、本体ケース25の取付枠23に取り付けられ、点滅表示部14を筐体11内の下部側に配置する。取付部材64は、光源62が配置される光源取付面部64a、この光源取付面部64aの後縁部から立ち上げられた固定面部64b、光源取付面部64aの両側から立ち上げられた下側位置決め部64cを有している。固定面部64bが本体ケース25の取付枠23にねじ止めにより取り付けられる。光源取付面部64aには、光源取付位置を中心とした一側に切起し部65が下面側に切り起され、他側に係止孔66が設けられている。
図7に示すよう、下側位置決め部64cは、誘導表示部12が本体ケース25の前面側に取り付けられる際に、誘導表示部12の被下側位置決め部50が係合し、誘導表示部12の下部側を位置決め可能とする。
【0029】
光源62の前面側には、光源62からの光を所定の配光に制御するレンズ67が配置されている。レンズ67は、前面側に突出する凸レンズ状に形成され、レンズ押え68によって保持されている。レンズ67は、本体ケース25の下面部25cの点滅表示用窓孔29から下方に一部が突出するように配置される。
【0030】
レンズ押え68には、中央にレンズ67を嵌合するレンズ嵌合口69を有する環状に形成されている。レンズ押え68の一側には取付部材64の切起し部65に差し込まれて引っ掛けられる引掛部70が突設され、他側には取付部材64の係止孔66に差し込まれて係止される係止爪71が突設されている。レンズ押え68は、引掛部70および係止爪71により取付部材64に取り付けられ、レンズ67を光源62に対して所定位置に保持する。
【0031】
また、動作確認スイッチ部15は、本体ケース25の下面部25c上で音出力部13が配置された左側寄りの位置に配置されている。動作確認スイッチ部15は、動作確認スイッチ部用窓孔30に対向して外部から押動操作可能とする動作確認スイッチを有している。そして、動作確認スイッチが操作されている間、第2電源部21が第2バッテリ22の電力により音出力部13から避難誘導を案内する音声を出力させるとともに点滅表示部14を点滅させ、音出力部13および点滅表示部14が正常に動作するか否かを確認可能とする。
【0032】
また、点検スイッチ部16は、本体ケース25の下面部25c上で音出力部13が配置された側とは反対の右側寄りの位置に配置されている。点検スイッチ部16は、点灯スイッチ部用窓孔31に対向して外部から操作可能とする点検スイッチ、点灯スイッチ部用窓孔31に対向して端末である点検リモコンからの点検信号などの信号を受信する受信部、点灯スイッチ部用窓孔31に対向して外部に点検結果を送信する送信部、および点灯スイッチ部用窓孔31に対向して動作状態や点検結果を表示するモニタランプなどを有している。そして、点検スイッチの操作または点検リモコンからの点検信号を受信することにより、電源部19,21が有する点検回路によりバッテリ20,22および光源ユニット42の光源の点検を実施し、点検結果をモニタランプで表示したり送信部から点検リモコンに送信する。
【0033】
また、電源用端子台17は、第1電源部19および第2電源部21にハーネスで電気的に接続されている。電源用端子台17には、商用交流電源などの外部電源からの電力を供給する電源線が接続される。
【0034】
また、信号用端子台18は、第2電源部21にハーネスにより電気的に接続されている。信号用端子台18には、例えば、施設の自動火災報知機に連動する信号装置からの信号線、および所定の煙感知器からの信号線などが接続される。
【0035】
また、第1電源部19は、外部電源の供給時に、外部電源からの電力を誘導表示部12の光源ユニット42の光源を点灯させるのに必要な所定の直流電圧などの電力に変換して供給し、光源ユニット42の光源を点灯させる。さらに、第1電源部19は、外部電源の供給時に、外部電源により第1バッテリ20を充電する。また、第1電源部19は、外部電源の停電時に、第1バッテリ20の電力により光源ユニット42の光源を点灯させる。さらに、第1電源部19は、点検スイッチ部16からの点検信号により、第1バッテリ20および光源ユニット42の光源の点検を実施する点検回路を備えている。
【0036】
また、第1バッテリ20は、充放電可能な二次電池で構成されている。第1バッテリ20は、第1電源部19の前面側に着脱可能に取り付けられるとともにコネクタ接続にて電気的に接続されている。
【0037】
また、第2電源部21は、常時モードと、非常時に音出力部13から音を出力動作させるとともに点滅表示部14を点滅動作させる非常時モードを有している。
【0038】
常時モードは、非火災時に、信号装置からの信号の状態に応じて切り換わり、音出力部13からの音声出力を停止するとともに点滅表示部14を消灯し、外部電源により第2バッテリ22を充電する。
【0039】
非常時モードは、火災時に、信号装置からの信号の状態の変化に応じて切り換わり、第2バッテリ22の電力により音出力部13から避難誘導を案内する音声を出力させるとともに点滅表示部14を点滅させる。また、非常時モード時に、避難誘導する方向に設置されている所定の煙感知器からの感知信号が入力されると、音出力部13からの音声出力を停止するとともに点滅表示部14を消灯する。
【0040】
第2電源部21は、点検スイッチ部16からの点検信号により第2バッテリ22、音出力部13および点滅表示部14の点検を実施する点検回路を備えている。
【0041】
また、第2バッテリ22は、誘導表示部12よりも右側で、本体ケース25の下面部25c上に配置されている。第2バッテリ22は、バッテリホルダ22aにより本体ケース25の下面部25c上に着脱可能に取り付けられている。そして、第2バッテリ22は、筐体11内で、誘導表示部12を本体ケース25に取り付ける取付機構56よりも下側に配置されている。
【0042】
また、本実施形態の誘導灯10では、第2電源部21と接続される音出力部13の接続部、点滅表示部14、動作確認スイッチ部15、点検スイッチ部16、および第2バッテリ22が、筐体11の上下方向の中心から下側、または中心よりも下側に位置され、これらに接続される第2電源部21の接続部も第2電源部21の下部側に位置されている。さらに、電源用端子台17と接続される第1電源部19の接続部も第1電源部19の下部側に位置されている。これらにより、筐体11内の下部側で各電気部品の接続部間の配線が可能となるため、配線距離を短くでき、配線の取り回しを容易にできる。
【0043】
そして、このように構成された誘導灯10を施工するには、本体ケース25から化粧枠26および誘導表示部12を外した状態で、壁面または天井面に導かれている電源線および信号線を、配線孔28から本体ケース25内に引き込んで、所定の端子台17,18に接続する。本体ケース25を壁面または天井面に対して取付孔27を利用してねじ止めなどにより固定する。
【0044】
化粧枠26を取り外す際には、本体ケース25から前方に移動させることにより、取付金具36が取付ばね32から外れる。
【0045】
誘導表示部12を取り外す際には、誘導表示部12の両側部から取付機構56を取り外し操作する。すなわち、誘導表示部12の両側の側面部46に設けられた切欠部46aを通じて指で取付ばね44の操作部55を内方へ押し、取付ばね44の引掛部54を取付金具53から外すことにより、誘導表示部12を本体ケース25の前方に移動させて取り外すことができる。
【0046】
本体ケース25を設置した後、誘導表示部12と第1電源部19とをハーネスで電気的に接続し、誘導表示部12を本体ケース25の前面側に取り付ける。この場合、誘導表示部12の下部側が本体ケース25に近付くように前傾させた状態で、誘導表示部12の被下側位置決め部50を点滅表示部14の取付部材64の下側位置決め部64cに係合させて位置決めし、誘導表示部12の上部側を本体ケース25に近付け、誘導表示部12の取付ばね44を本体ケース25の取付金具53に押し込んで取り付ける。
【0047】
誘導表示部12の取付ばね44を本体ケース25の取付金具53に取り付けると、取付ばね44の引掛部54が取付金具53の背面側に引っ掛かり、誘導表示部12が本体ケース25に係止される。また、誘導表示部12の被上側位置決め部48が本体ケース25側の上側位置決め部24に係合して位置決めされるとともに、誘導表示部12の被下側位置決め部50が点滅表示部14の取付部材64に係合されて位置決めされ、誘導表示部12の上下左右の4辺が本体ケース25に対して位置決めされた状態に取り付けられ、誘導表示部12の取付状態が安定する。しかも、取付部材64は、誘導表示部12を位置決めすることに加えて、重力方向への誘導表示部12の荷重を支え、取付機構56に加わる負荷を軽減し、誘導表示部12を安定して強固に取り付けることができる。
【0048】
なお、誘導表示部12の上部側が本体ケース25に近付くように後傾させた状態で、誘導表示部12の被上側位置決め部48を本体ケース25の上側位置決め部24に係合して位置決めし、誘導表示部12の下部側を本体ケース25に近付け、誘導表示部12の取付ばね44を本体ケース25の取付金具53に押し込んで取り付けることでも、誘導表示部12を本体ケース25に取り付けることができる。
【0049】
化粧枠26を本体ケース25の前面側に被着し、化粧枠26の取付金具36を本体ケース25の取付ばね32に押し込んで取り付ける。これにより、誘導灯10の施工が完了する。
【0050】
そして、誘導灯10では、外部電源の供給時、第1電源部19により、外部電源からの電力を誘導表示部12の光源ユニット42の光源を点灯させるのに必要な所定の直流電圧などの電力に変換して供給し、光源ユニット42の光源を点灯させ、さらに、外部電源からの電力により第1バッテリ20を充電する。
【0051】
一方、誘導灯10では、外部電源の停電時、第1電源部19により、第1バッテリ20の電力を利用して誘導表示部12の光源ユニット42の光源を点灯させるのに必要な所定の直流電圧などの電力に変換して供給し、光源ユニット42の光源を点灯させる。
【0052】
また、誘導灯10では、非火災時、施設の自動火災報知機に連動する信号装置からの信号の状態に応じて、第2電源部21の動作モードが常時モードで動作する。常時モードでは、音出力部13からの音声出力を停止するとともに点滅表示部14を消灯し、外部電源により第2バッテリ22を充電する。
【0053】
一方、誘導灯10では、火災時、施設の自動火災報知機に連動する信号装置からの信号の状態の変化に応じて、第2電源部21の動作モードが非常時モードに切り換わる。非常時モードでは、第2バッテリ22の電力により音出力部13から避難誘導を案内する音声を出力させるとともに点滅表示部14を点滅させる。
【0054】
また、誘導灯10は、非常時モード時に、避難誘導する方向に設置されている所定の煙感知器からの感知信号が入力されると、音出力部13からの音声出力を停止するとともに点滅表示部14を消灯し、避難誘導を停止する。
【0055】
また、誘導灯10の動作確認スイッチ部15の動作確認スイッチが操作されることにより、その動作確認スイッチが操作されている間、第2電源部21が第2バッテリ22の電力により音出力部13から避難誘導を案内する音声を出力するとともに点滅表示部14を点滅させ、音出力部13および点滅表示部14が正しく動作するか否かを確認することができる。
【0056】
また、誘導灯10の点検スイッチ部16の点検スイッチが操作されることにより、または点検リモコンからの点検信号を点検スイッチ部16の受信部が受信することにより、各電源部19,21の点検回路が点検モードに移行し、各バッテリ20,22、光源ユニット42の光源、音出力部13および点滅表示部14の点検が実施される。点検結果は、点検スイッチ部16のモニタランプに表示され、外部から確認することができる。また、点検リモコンから点検結果を要求する信号を送信し、この信号を点検スイッチ部16の受信部が受信すると、点検スイッチ部16の送信部から点検結果が送信され、この点検結果を受信した点検リモコンで点検結果を確認することができる。
【0057】
さらに、点検スイッチ部16の送信部から点検結果を点検リモコンに送信する際、誘導灯10に搭載されているバッテリ20,22および光源ユニット42の型名を一緒に送信することにより、点検リモコンで交換の必要なバッテリ20,22や光源ユニット42の型名を確認でき、交換部品の手配を容易に行うことができる。
【0058】
また、バッテリ20,22などを交換する場合には、化粧枠26を外すとともに誘導表示部12を外すことにより、本体ケース25の前面側を開口させて行うことができる。
【0059】
筐体11から誘導表示部12を取り外す際には、誘導表示部12の側部から取付機構56を取り外し操作可能とするため、取付部材64により誘導表示部12の下部側が位置決めされていても、この取付部材64に影響なく、取付機構56を容易に取り外し操作できる。
【0060】
筐体11内に配置される第2バッテリ22は、取付機構56よりも下側に配置されているため、取付機構56が影響することなく、第2バッテリ22を容易に交換することができる。さらに、第2バッテリ22は、筐体11内の誘導表示部12に対して音出力部13とは反対側である誘導表示部12の右側の空いたスペースで、本体ケース25の下面部25c上に配置されているため、交換作業を容易に行うことができるとともに、バッテリホルダ22aを外しても第2バッテリ22が落下するのを防止できる。
【0061】
以上のように、第1の実施形態の誘導灯10では、取付部材64により、筐体11の下部側に配置される部品61である点滅表示部14を取り付けるとともに、誘導表示部12の下部側を位置決めするため、取付部材64を共用でき、部品点数を削減し、筐体11に対して誘導表示部12を所定の位置に安定して取り付けることができる。
【0062】
【0063】
図9および
図10に示すように、誘導灯10は、壁面に設けられた壁開口に埋め込み状態に設置される壁埋込形誘導灯である。なお、第2の実施形態の誘導灯10の基本的な構成および機能は、第1の実施形態の誘導灯10と同様であり、第1の実施形態の誘導灯10と同じ符号を用いてその説明を省略し、第1の実施形態の誘導灯10と異なる構成および機能を説明する。
【0064】
誘導灯10は、誘導表示部12の一側である前面から見て左側の位置に音出力部13、点滅表示部14およびスイッチ部としての動作確認スイッチ部15が位置され、誘導表示部12の他側である前面から見て右側の位置にスイッチ部としての点検スイッチ部16が配置されている。なお、点滅表示部14は、誘導表示部12の左側の音出力部13側に配置されていることにより、筐体11内のスペースを有効利用して配置できるが、音出力部13側に対して反対側となる誘導表示部12の右側に配置してもよい。
【0065】
スイッチ部としての動作確認スイッチ部15および点検スイッチ部16は、筐体11の下部側に配置される部品61である。
【0066】
さらに、
図11に示すように、誘導灯10は、筐体11内の中央上部側に配置される電源用端子台17および複数の信号用端子台18、筐体11内の右側に配置される誘導表示部12用の第1電源部19および第1バッテリ20、筐体11内の中央下部側に配置される音出力部13用および点滅表示部14用の第2電源部21および第2バッテリ22をさらに備えている。
【0067】
そして、
図9ないし
図12に示すように、筐体11は、壁面に埋め込まれる埋込ケースである本体ケース25、およびこの本体ケース25の前面側に着脱可能に取り付けられる前面カバーである化粧枠26(
図11には図示していない)を備えている。
【0068】
本体ケース25の側面部25dの内面側には、上下2箇所に、取付ばね32が設けられている。本体ケース25は、第1の実施形態の取付枠23を備えず、本体ケース25内に配置される各部品が本体ケース25に直接取り付けられている。本体ケース25の上面部25bに上側位置決め部24が取り付けられている。
【0069】
化粧枠26は、壁開口およびこの壁開口に埋め込み状態に設置された本体ケース25の前面側を覆う。化粧枠26の前面部26aの誘導表示用開口33の左側で音出力用開口34の下側には、点滅表示部14に対応して円形状の点滅表示用窓孔29が設けられている。前面部26aの誘導表示用開口33の左側で下部側には、動作確認スイッチ部15に対応してそれぞれ所定形状の複数の動作確認スイッチ部用窓孔30が設けられている。前面部26aの誘導表示用開口33の他側で下部側には、点検スイッチ部16に対応してそれぞれ所定形状の複数の点検スイッチ部用窓孔31が設けられている。また、化粧枠26の前面部26aの背面側の両側には、上下2箇所に、取付金具36が取り付けられている。
【0070】
また、
図16に示すように、点滅表示部14は、例えばLEDなどの発光素子にて構成される光源62を備えている。光源62は、基板に実装され、ソケット63と組み合わされて放熱板74に取り付けられている。放熱板74には、左側上部に係合孔75が設けられ、右側に複数の取付孔76が設けられている。
【0071】
光源62の前面側には、レンズ67が配置されている。レンズ67は、化粧枠26の点滅表示用窓孔29から前方に一部が突出するように配置される。
【0072】
レンズ67はレンズ押え68によって保持されている。レンズ押え68には、中央にレンズ67が挿通するレンズ嵌合口69が設けられ、両側に放熱板74の前面側に当接される当接部80が折曲され、左側上部に放熱板74の係合孔75に差し込まれて放熱板74の背面側に係合する断面略L字形の引掛部81が突設されている。右側の当接部80には放熱板74の前面側に沿って配置される取付板部82が設けられ、この取付板部82に放熱板74の取付孔76の位置に対応して複数の取付孔83が設けられている。
【0073】
そして、レンズ押え68および放熱板74は、レンズ押え68の取付孔83および放熱板74の取付孔76を挿通する複数のねじ84により動作確認スイッチ部15に一体に取り付けられている。下側のねじ84は、レンズ押え68の取付孔83を挿通して放熱板74の取付孔76に螺着されてレンズ押え68と放熱板74を固定するとともに、動作確認スイッチ部15側に挿入されて位置決めされる。上側のねじ84は、レンズ押え68の取付孔83および放熱板74の取付孔76を挿通して動作確認スイッチ部15側に螺着される。
【0074】
また、
図17に示すように、動作確認スイッチ部15は、外部から操作されている間、第2電源部21が第2バッテリ22の電力により音出力部13から避難誘導を案内する音声を出力させるとともに点滅表示部14を点滅させ、音出力部13および点滅表示部14が正常に動作するか否かを確認可能とする。
【0075】
動作確認スイッチ部15は、スイッチ基板87、このスイッチ基板87を収容するスイッチケース88、およびこのスイッチケース88を取り付ける取付部材89を備えている。
【0076】
スイッチ基板87には、動作確認時に操作されるスイッチである動作確認スイッチ90、この動作確認スイッチ90の操作に応じて点灯、点滅、消灯する複数のモニタランプ91、および第2電源部21とハーネスで電気的に接続されるコネクタ92が実装されている。
【0077】
スイッチケース88は、背面側が開口されており、背面側からスイッチ基板87が差し込まれて係止されている。スイッチケース88の前面側には、動作確認スイッチ90を操作するためのスイッチ部93が前後方向に揺動可能に一体に設けられているとともに、このスイッチ部93の下側にモニタランプ91が臨む複数の窓孔94が設けられている。スイッチ部93の左側にも、所定の形状の複数の窓孔94が設けられている。スイッチ部93は化粧枠26の動作確認スイッチ部用窓孔30から前方に突出され、前方からスイッチ部93および動作確認スイッチ90を押動操作可能とし、また、窓孔94は化粧枠26の動作確認スイッチ部用窓孔30に対向され、前方から動作確認スイッチ部用窓孔30を通じてモニタランプ91の点灯状態を確認可能としている。
【0078】
取付部材89は、例えば金属板によって形成されている。取付部材89は、前面部95、この前面部95の下部側から折曲された下面部96、および前面部95の両側から後方に向けて折曲された側面部97を有している。前面部95には、スイッチケース88の前端側が挿通される挿通口98が形成されている。前面部95の左側には、点滅表示部14の放熱板74およびレンズ押え68を取付部材89に取り付けるねじ84が取り付けられる複数の取付孔99が設けられている。上側の取付孔99にねじ84が螺着され、下側の取付孔99にはねじ84が挿通されて位置決めする。下面部96には、スイッチケース88がねじで固定される。下面部96は、本体ケース25の下面部25c上に配置され、下面部25cの下面側から挿通されるねじ100で下面部25cに固定される。
【0079】
取付部材89の上部側は、誘導表示部12の被下側位置決め部50が係合され、誘導表示部12の下部側を位置決めする下側位置決め部102である。前面部95の上部側には、複数の位置決め溝部101が設けられている。
図14に示すように(点検スイッチ部16を示すが、取付部材89は共通である)、一方の位置決め溝部101に誘導表示部12の側面部46の下部側が配置され、誘導表示部12の左右方向の位置決めをする。
【0080】
また、
図18に示すように、点検スイッチ部16は、操作または点検信号の入力により、第1バッテリ20および光源ユニット42の光源の点検を実施する。
【0081】
点検スイッチ部16は、スイッチ基板104、このスイッチ基板104を収容するスイッチケース88、およびこのスイッチケース88を取り付ける取付部材89を備えている。スイッチケース88および取付部材89については、動作確認スイッチ部15と共通である。
【0082】
スイッチ基板104には、点検時に操作されるスイッチである点検スイッチ105、この点検スイッチ105の操作に応じて点灯、点滅、消灯する複数のモニタランプ106、点検リモコンからの無線信号を受信する受信部107、点検リモコンに対して点検結果の無線信号を送信する送信部108、および第2電源部21とハーネスで電気的に接続されるコネクタ109が実装されている。
【0083】
スイッチ基板104の形状は、スイッチ基板87と共通であり、点検スイッチ105およびモニタランプ106の位置も動作確認スイッチ90およびモニタランプ91の位置と共通であるため、スイッチ基板104を動作確認スイッチ部15と共通のスイッチケース88に組み合わせて使用することができる。
【0084】
スイッチケース88のスイッチ部93は化粧枠26の点検スイッチ部用窓孔31から前方に突出され、前方からスイッチ部93および点検スイッチ105を押動操作可能とし、また、スイッチケース88の窓孔94は化粧枠26の点検スイッチ部用窓孔31に対向され、前方から点検スイッチ部用窓孔31を通じてモニタランプ106の点灯状態を確認可能とするとともに、受信部107による信号の受信および送信部108による信号の送信を可能としている。
【0085】
また、第2バッテリ22は、本体ケース25の下面部25c上であって、誘導表示部12の下側位置でかつ動作確認スイッチ部15と点検スイッチ部16との間に、バッテリホルダ22aにより着脱可能に配置されている。
【0086】
そして、このように構成された誘導灯10を施工するには、本体ケース25から化粧枠26および誘導表示部12を外した状態で、壁面の壁開口に導かれている電源線および信号線を、配線孔28から本体ケース25内に引き込んで、所定の端子台17,18に接続する。本体ケース25を壁面の壁開口に挿入し、取付孔27を利用して埋め込み固定する。
【0087】
化粧枠26を取り外す際には、本体ケース25から前方に移動させることにより、取付金具36が取付ばね32から外れる。
【0088】
誘導表示部12を取り外す際には、誘導表示部12の両側部から取り外し操作する。すなわち、誘導表示部12の両側の側面部46に設けられた切欠部46aを通じて指で取付ばね44の操作部55を内方へ押し、取付ばね44の引掛部54を取付金具53から外すことにより、誘導表示部12を本体ケース25の前方に移動させて取り外すことができる。
【0089】
本体ケース25を設置した後、誘導表示部12と第1電源部19とをハーネスで電気的に接続し、誘導表示部12を本体ケース25の前面側に取り付ける。この場合、誘導表示部12の下部側が本体ケース25に近付くように前傾させた状態で、誘導表示部12の被下側位置決め部50を動作確認スイッチ部15の取付部材89および点検スイッチ部16の取付部材89に係合させて位置決めし、誘導表示部12の上部側を本体ケース25に近付け、誘導表示部12の取付ばね44を本体ケース25の取付金具53に押し込んで取り付ける。
【0090】
誘導表示部12の被下側位置決め部50を動作確認スイッチ部15の取付部材89および点検スイッチ部16の取付部材89に係合させて位置決めした際、誘導表示部12の側面部46が取付部材89の位置決め溝部101に係合することにより、誘導表示部12の左右方向の位置も位置決めされるため、誘導表示部12の取付ばね44を本体ケース25の取付金具53に位置決めできて容易に取り付けることができる。
【0091】
誘導表示部12の取付ばね44を本体ケース25の取付金具53に取り付けると、取付ばね44の引掛部54が取付金具53の背面側に引っ掛かり、誘導表示部12が本体ケース25に係止される。また、誘導表示部12の被上側位置決め部48が本体ケース25の上側位置決め部24に係合して位置決めされるとともに、誘導表示部12の被下側位置決め部50が動作確認スイッチ部15の取付部材89および点検スイッチ部16の取付部材89に係合されて位置決めされ、誘導表示部12の上下左右の4辺が本体ケース25に対して位置決めされた状態に取り付けられ、誘導表示部12の取付状態が安定する。しかも、取付部材89は、誘導表示部12を位置決めすることに加えて、重力方向への誘導表示部12の荷重を支え、取付機構56に加わる負荷を軽減し、誘導表示部12を安定して強固に取り付けることができる。
【0092】
なお、誘導表示部12の上部側が本体ケース25に近付くように後傾させた状態で、誘導表示部12の被上側位置決め部48を本体ケース25の上側位置決め部24に係合して位置決めし、誘導表示部12の下部側を本体ケース25に近付け、誘導表示部12の取付ばね44を本体ケース25の取付金具53に押し込んで取り付けることでも、誘導表示部12を本体ケース25に取り付けることができる。
【0093】
化粧枠26を本体ケース25の前面側に被着し、化粧枠26の取付金具36を本体ケース25の取付ばね32に押し込んで取り付ける。これにより、誘導灯10の施工が完了する。
【0094】
また、誘導灯10の前面側から動作確認スイッチ部15のスイッチ部93を介して動作確認スイッチ90が操作されることにより、その動作確認スイッチ90が操作されている間、第2電源部21が第2バッテリ22の電力により音出力部13から避難誘導を案内する音声を出力するとともに点滅表示部14を点滅させ、音出力部13および点滅表示部14が正しく動作するか否かを確認することができる。
【0095】
また、誘導灯10の前面側から点検スイッチ部16のスイッチ部93を介して点検スイッチ105が操作されることにより、または点検リモコンからの点検信号を点検スイッチ部16の受信部107が受信することにより、電源部19,21の点検回路が点検モードに移行し、バッテリ20,22、光源ユニット42の光源、音出力部13および点滅表示部14の点検が実施される。点検結果は、モニタランプ106に表示される。また、点検リモコンから点検結果を要求する信号が送信され、この信号を点検スイッチ部16の受信部107が受信すると、点検スイッチ部16の送信部108から点検結果が送信され、この点検結果を受信した点検リモコンで点検結果を確認することができる。
【0096】
さらに、点検スイッチ部16の送信部から点検結果を点検リモコンに送信する際、誘導灯10に搭載されているバッテリ20,22および光源ユニット42の型名を一緒に送信することにより、点検リモコンで交換の必要なバッテリ20,22や光源ユニット42の型名を確認でき、交換部品の手配を容易に行うことができる。
【0097】
また、バッテリ20,22などを交換する場合には、化粧枠26を外すとともに誘導表示部12を外すことにより、本体ケース25の前面側を開口させて行うことができる。
【0098】
筐体11から誘導表示部12を取り外す際には、誘導表示部12の側部から取付機構56を取り外し操作可能とするため、取付部材89により誘導表示部12の下部側が位置決めされていても、この取付部材89に影響なく、取付機構56を容易に取り外し操作できる。
【0099】
筐体11内に配置される第2バッテリ22は、取付機構56よりも下側に配置され、かつ、動作確認スイッチ部15と点検スイッチ部16との間に配置されているため、取付機構56や動作確認スイッチ部15および点検スイッチ部16が影響することなく、第2バッテリ22を容易に交換することができる。
【0100】
以上のように、第2の実施形態の誘導灯10では、取付部材89により、筐体11の下部側に配置される部品61である動作確認スイッチ部15および点検スイッチ部16を取り付けるとともに、誘導表示部12の下部側を位置決めするため、取付部材89を共用でき、部品点数を削減し、筐体11に対して誘導表示部12を所定の位置に安定して取り付けることができる。
【0101】
なお、取付部材に取り付けられて筐体11の下部側に配置される部品61は、点滅表示部14、動作確認スイッチ部15および点検スイッチ部16に限らず、例えば、第2バッテリ22などでもよい。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0103】
10 誘導灯
11 筐体
12 誘導表示部
14 点滅表示部
15 スイッチ部としての動作確認スイッチ部
16 スイッチ部としての点検スイッチ部
21 電源部としての第2電源部
22 バッテリとしての第2バッテリ
56 取付機構
61 部品
64 取付部材
89 取付部材