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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】切断システム、及び切断プログラム
(51)【国際特許分類】
   B27C 5/02 20060101AFI20240828BHJP
   B27C 5/08 20060101ALI20240828BHJP
   B26D 5/24 20060101ALI20240828BHJP
   B26D 5/00 20060101ALI20240828BHJP
【FI】
B27C5/02
B27C5/08 A
B26D5/24
B26D5/00 F
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020162830
(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公開番号】P2022055419
(43)【公開日】2022-04-08
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(73)【特許権者】
【識別番号】591075630
【氏名又は名称】株式会社アクティオ
(73)【特許権者】
【識別番号】391033115
【氏名又は名称】株式会社カナモト
(73)【特許権者】
【識別番号】512034184
【氏名又は名称】株式会社爽美
(73)【特許権者】
【識別番号】519257038
【氏名又は名称】AvalonTech株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】山添 大樹
(72)【発明者】
【氏名】永田 幸平
(72)【発明者】
【氏名】三舩 浩太朗
(72)【発明者】
【氏名】西前 翔平
(72)【発明者】
【氏名】浜田 一路
(72)【発明者】
【氏名】小林 宏
(72)【発明者】
【氏名】小林 賢甫
(72)【発明者】
【氏名】吉田 道信
(72)【発明者】
【氏名】小野田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】矢野 航大
(72)【発明者】
【氏名】霍 達
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-198902(JP,A)
【文献】特開昭63-272447(JP,A)
【文献】実開昭51-072296(JP,U)
【文献】実開昭52-052793(JP,U)
【文献】特開2014-188650(JP,A)
【文献】特開2003-020266(JP,A)
【文献】特開平09-256613(JP,A)
【文献】特開昭61-175001(JP,A)
【文献】特開平08-229776(JP,A)
【文献】米国特許第04202231(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27C 5/02
B27C 5/08
B26D 5/24
B26D 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築用板材を切断するための切断システムであって、
平置きされた少なくとも1個の前記建築用板材を切断する切断手段であって、垂直方向と直交する水平方向に沿っている方向である第1方向、前記水平方向に沿っており且つ前記第1方向と直交する方向である第2方向、及び前記垂直方向に沿っている方向である第3方向に沿って移動可能となっている前記切断手段と、
前記第1方向に沿って延在している第1レールであって、前記第1方向に沿って前記切断手段を移動させるための前記第1レールと、
前記第2方向に沿って延在している第2レールであって、前記第2方向に沿って前記切断手段を移動させるための前記第2レールと、
前記切断手段による前記第1~第3方向における移動を制御する移動制御手段と、を備え、
前記移動制御手段は、前記第1レール又は前記第2レールのたわみに基づいて、前記切断手段についての前記第3方向における移動を補正し、
前記第2レールは、前記切断手段を支持しており、且つ、前記第1レール上に載置された状態で当該第1レールに沿って移動可能となっており、
前記移動制御手段は、少なくとも前記第2レールの重さによる荷重と、前記第1レールの自重による荷重とに応じて定まる前記第1レールのたわみに基づいて、前記切断手段についての前記第3方向における移動を補正する、
切断システム。
【請求項2】
前記切断手段は、平置きされた複数の前記建築用板材をまとめて切断する、
請求項に記載の切断システム。
【請求項3】
前記建築用板材を固定する固定手段、を備える、
請求項1又は2に記載の切断システム。
【請求項4】
前記切断手段は、前記建築用板材の切断と前記建築用板材の面取りとを同時に行う、
請求項1からの何れか一項に記載の切断システム。
【請求項5】
建築用板材を切断するための切断装置の切断プログラムであって、
前記切断装置は、
平置きされた少なくとも1個の前記建築用板材を切断する切断手段であって、垂直方向と直交する水平方向に沿っている方向である第1方向、前記水平方向に沿っており且つ前記第1方向と直交する方向である第2方向、及び前記垂直方向に沿っている方向である第3方向に沿って移動可能となっている前記切断手段と、
前記第1方向に沿って延在している第1レールであって、前記第1方向に沿って前記切断手段を移動させるための前記第1レールと、
前記第2方向に沿って延在している第2レールであって、前記第2方向に沿って前記切断手段を移動させるための前記第2レールと、を備え、
前記切断プログラムは、
コンピュータを、
前記切断手段による前記第1~第3方向における移動を制御する移動制御手段として機能させ、
前記移動制御手段は、前記第1レール又は前記第2レールのたわみに基づいて、前記切断手段についての前記第3方向における移動を補正し、
前記第2レールは、前記切断手段を支持しており、且つ、前記第1レール上に載置された状態で当該第1レールに沿って移動可能となっており、
前記移動制御手段は、少なくとも前記第2レールの重さによる荷重と、前記第1レールの自重による荷重とに応じて定まる前記第1レールのたわみに基づいて、前記切断手段についての前記第3方向における移動を補正する、
切断プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断システム、及び切断プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、建築を行う場合、建築用板材を切断して所望の形状に加工することがある。このような場合等に建築用板材を切断するために用いられる切断装置が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-87860
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の切断装置においては、当該切断装置の少なくとも一部の構成要素が自重等によりたわんでしまい、建築用板材を適切に切断することが困難となる可能性があった。
【0005】
本発明は上記事実に鑑み、建築用板材を適切に切断することが可能となる切断システム及び切断プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の切断システムは、建築用板材を切断するための切断システムであって、平置きされた少なくとも1個の前記建築用板材を切断する切断手段であって、垂直方向と直交する水平方向に沿っている方向である第1方向、前記水平方向に沿っており且つ前記第1方向と直交する方向である第2方向、及び前記垂直方向に沿っている方向である第3方向に沿って移動可能となっている前記切断手段と、前記第1方向に沿って延在している第1レールであって、前記第1方向に沿って前記切断手段を移動させるための前記第1レールと、前記第2方向に沿って延在している第2レールであって、前記第2方向に沿って前記切断手段を移動させるための前記第2レールと、前記切断手段による前記第1~第3方向における移動を制御する移動制御手段と、を備え、前記移動制御手段は、前記第1レール又は前記第2レールのたわみに基づいて、前記切断手段についての前記第3方向における移動を補正し、前記第2レールは、前記切断手段を支持しており、且つ、前記第1レール上に載置された状態で当該第1レールに沿って移動可能となっており、前記移動制御手段は、少なくとも前記第2レールの重さによる荷重と、前記第1レールの自重による荷重とに応じて定まる前記第1レールのたわみに基づいて、前記切断手段についての前記第3方向における移動を補正する。
【0008】
請求項に記載の切断システムは、請求項に記載の切断システムにおいて、前記切断手段は、平置きされた複数の前記建築用板材をまとめて切断する。
【0009】
請求項に記載の切断システムは、請求項1又は2に記載の切断システムにおいて、前記建築用板材を固定する固定手段、を備える。
【0010】
請求項に記載の切断システムは、請求項1からの何れか一項に記載の切断システムにおいて、前記切断手段は、前記建築用板材の切断と前記建築用板材の面取りとを同時に行う。
【0011】
請求項に記載の切断プログラムは、建築用板材を切断するための切断装置の切断プログラムであって、前記切断装置は、平置きされた少なくとも1個の前記建築用板材を切断する切断手段であって、垂直方向と直交する水平方向に沿っている方向である第1方向、前記水平方向に沿っており且つ前記第1方向と直交する方向である第2方向、及び前記垂直方向に沿っている方向である第3方向に沿って移動可能となっている前記切断手段と、前記第1方向に沿って延在している第1レールであって、前記第1方向に沿って前記切断手段を移動させるための前記第1レールと、前記第2方向に沿って延在している第2レールであって、前記第2方向に沿って前記切断手段を移動させるための前記第2レールと、を備え、前記切断プログラムは、コンピュータを、前記切断手段による前記第1~第3方向における移動を制御する移動制御手段として機能させ、前記移動制御手段は、前記第1レール又は前記第2レールのたわみに基づいて、前記切断手段についての前記第3方向における移動を補正し、前記第2レールは、前記切断手段を支持しており、且つ、前記第1レール上に載置された状態で当該第1レールに沿って移動可能となっており、前記移動制御手段は、少なくとも前記第2レールの重さによる荷重と、前記第1レールの自重による荷重とに応じて定まる前記第1レールのたわみに基づいて、前記切断手段についての前記第3方向における移動を補正する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の切断システム、及び請求項に記載の切断プログラムによれば、第1レール又は第2レールのたわみに基づいて、切断手段についての第3方向における移動を補正することにより、例えば、建築用板材を適切に切断することが可能となる。
また、第2レールの重さによる荷重と、第1レールの自重による荷重とに応じて定まる第1レールのたわみに基づいて、切断手段についての第3方向における移動を補正することにより、例えば、建築用板材を適切に切断することが可能となる。
【0014】
請求項に記載の切断システムによれば、平置きされた複数の建築用板材をまとめて切断することにより、例えば、建築用板材の切断作業の効率化を図ることが可能となる。
【0015】
請求項に記載の切断システムによれば、建築用板材を固定する固定手段を備えることにより、例えば、建築用板材がずれることを防止することができるので、建築用板材を確実に切断することが可能となる。
【0016】
請求項に記載の切断システムによれば、建築用板材の切断と面取りとを同時に行うことにより、例えば、建築用板材に関する作業の効率化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】切断システムを機能概念的に示すブロック図である。
図2】切断装置の平面図である。
図3】切断装置の側面図である。
図4】切断装置の正面図である。
図5】板材を平置きした状態の切断装置の平面図である。
図6】板材を平置きした状態の切断装置の側面図である。
図7】切断装置の一部を示す拡大斜視図である。
図8】切断装置の一部を示す拡大斜視図である。
図9】切断装置の一部を示す拡大正面図である。
図10】切断装置の一部を示す拡大側面図である。
図11】切断刃の外形を図示した図である。
図12】動作命令送信処理のフローチャートである。
図13】切断指定画面を例示した図である。
図14】切断指定画面を例示した図である。
図15】板材を平置きした状態の切断装置の平面図である。
図16】板材を平置きした状態の切断装置の平面図である。
図17】たわみ量の演算例を説明するための図でる。
図18】板材を平置きした状態の切断装置の平面図である。
図19】板材を平置きした状態の切断装置の側面図である。
図20】切断部の移動を説明するための図である。
図21】板材を平置きした状態の切断装置の平面図である。
図22図21のA-A断面の断面図である。
図23】板材を平置きした状態の切断装置の平面図である。
図24】切断刃の外形を図示した図である。
図25】板材を平置きした状態の切断装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る切断システム、及び切断プログラムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、切断システム、及び切断プログラムに関する。
【0020】
ここで、「切断システム」とは、建築用板材を切断するためのシステムであり、例えば、切断手段、第1レール、第2レール、及び移動制御手段を備え、任意で、固定手段を備える。
【0021】
「建築用板材」とは、建物を建設するために用いられる板材であり、例えば、石膏ボード、石膏以外の任意の材量(一例としては、木材等)により形成されたボード等を含む概念である。
【0022】
「切断手段」とは、平置きされた少なくとも1個の建築用板材を切断する手段であって、垂直方向と直交する水平方向に沿っている方向である第1方向、水平方向に沿っており且つ第1方向と直交する方向である第2方向、及び垂直方向に沿っている方向である第3方向に沿って移動可能となっている手段である。「切断手段」とは、例えば、平置きされた複数の建築用板材をまとめて切断する手段等を含む概念であり、また、平置きされた複数の建築用板材を1個ずつ個別に切断する手段等を含む概念である。「切断手段」とは、例えば、平置きされた1個のみ建築用板材を切断する手段等を含む概念である。「切断手段」とは、例えば、築用板材の切断と当該建築用板材の面取りとを同時に行う手段等を含む概念であり、また、建築用板材の切断又は面取りの内の切断のみを行う手段等を含む概念である。
【0023】
なお、「平置き」とは、1個のみの建築用板材又は複数個の建築用板材を、当該建築用部材の厚み方向が垂直方向と一致するように設けることを含む概念であり、例えば、建築用板材が複数個存在する場合には、当該複数個の建築用部材を厚み方向において積み重ねて平積みすることに対応する概念である。
【0024】
「第1レール」とは、第1方向に沿って延在しているレールであって、第1方向に沿って切断手段を移動させるためのレールである。
【0025】
「第2レール」とは、第2方向に沿って延在しているレールであって、第2方向に沿って切断手段を移動させるためのレールであり、例えば、切断手段を支持しており、且つ、第1レール上に載置された状態で当該第1レールに沿って移動可能となっているレール等を含む概念である。
【0026】
「移動制御手段」とは、切断手段による第1~第3方向における移動を制御する手段であり、具体的には、第1レール又は第2レールのたわみに基づいて、切断手段についての第3方向における移動を補正する手段等を含む概念である。「たわみ」とは、たわむことであり、例えば、第1レール又は第2レールの一方又は双方が変形すること等を含む概念である。「切断手段についての第3方向における移動を補正する」とは、例えば、切断手段の第3方向における移動の向き又は移動の量を調整又は決定すること等を含む概念である。
【0027】
「移動制御手段」とは、例えば、少なくとも第2レールの重さによる荷重と、第1レールの自重による荷重とに応じて定まる第1レールのたわみに基づいて、切断手段についての第3方向における移動を補正する手段等を含む概念である。
【0028】
「固定手段」とは、建築用板材を固定する手段である。
【0029】
そして、以下に示す実施の形態では、切断システムを用いて、建築用板材を1個ずつ切断する場合について説明する。
【0030】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0031】
(構成)
まず、本実施の形態に係る切断システムの構成について説明する。図1は、切断システムを機能概念的に示すブロック図であり、図2は、切断装置の平面図であり、図3は、切断装置の側面図であり、図4は、切断装置の正面図であり、図5は、板材を平置きした状態の切断装置の平面図であり、図6は、板材を平置きした状態の切断装置の側面図である。
【0032】
なお、図2図6に示すX―Y―Z方向が互いに直交する方向であり、具体的には、X方向が水平方向(長手方向)であり、例えば、前述の第1方向であり、また、Y方向が水平方向(短手方向)であり、例えば、前述の第2方向であり、また、Z方向が垂直方向であり、例えば、前述の第3方向であり、具体的には、+Zを上側(平面)と称し、-Z方向を下側(底面)と称して説明する(他の各図も同様とする)。なお、各図において、切断装置2の一部は、説明の便宜上、簡略的に図示又は図示が省略されている。
【0033】
図1の切断システム100は、図5及び図6に示すように平置きされた板材900を切断するためのシステムである。「板材」900は、前述の建築用板材であり、例えば、1m~3mの四方の矩形形状の石膏ボードであり、本実施の形態では図6に示すように、3枚の長方形の板材900が積み重ねられて平置き(つまり、平積み)された状態となっている。図1の切断システム100は、例えば、端末装置1、及び切断装置2を備える。
【0034】
(構成-端末装置)
図1の端末装置1は、図5及び図6の板材900の切断を行う作業員によって携帯される端末装置であり、例えば、切断装置2を制御するための装置であり、一例としては、タブレット端末又はスマートフォンである。端末装置1は、例えば、通信部11、タッチパッド12、ディスプレイ13、記録部14、及び制御部15を備える。
【0035】
(構成-端末装置-通信部)
図1の通信部11は、外部装置(例えば、切断装置2)との間で通信するための通信手段である。この通信部11の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の通信回路等を用いて構成することができる。
【0036】
(構成-端末装置-タッチパッド)
図1のタッチパッド12は、ユーザの指等で押圧されることにより、当該ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。このタッチパッド12の具体的な構成は任意であるが、例えば、抵抗膜方式や静電容量方式等による操作位置検出手段を備えた公知のものを用いることができる。
【0037】
(構成-端末装置-ディスプレイ)
図1のディスプレイ13は、制御部15の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。このディスプレイ13の具体的な構成は任意であるが、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等を用いることができる。なお、上記のタッチパッド12とディスプレイ13と相互に重畳させてタッチパネルとして一体形成しても構わない。
【0038】
(構成-端末装置-記録部)
図1の記録部14は、端末装置1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのフラッシュメモリを用いて構成されている。ただし、フラッシュメモリに代えてあるいはフラッシュメモリと共に、ハードディスク、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる(他の装置の記録部も同様とする)。
【0039】
(構成-端末装置-制御部)
図1の制御部15は、端末装置1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(他の装置の制御部も同様とする)。特に、実施の形態に係るプログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して端末装置1にインストールされることで、制御部15の各部を実質的に構成する(他の装置の制御部も同様とする)。
【0040】
制御部15は、例えば、機能概念的に、移動制御部151を備える。移動制御部151は、切断部36(図2及び図3等)による長手方向(X方向)、短手方向(Y方向)、又は垂直方向(Z方向)における移動を制御する移動制御手段であり、具体的には、長手レール31又は短手レール32のたわみに基づいて、切断部36についての垂直方向(Z方向)における移動を補正する移動制御手段である。なお、この制御部15の各部により行われる処理につていては、後述する。
【0041】
(構成-切断装置)
図1の切断装置2は、図5及び図6の板材900を切断する装置であり、例えば、端末装置1によって制御される装置であり、一例としては、図1の通信部21、記録部22、制御部23、図2及び図3のフレーム301、脚部302(図3)、長手レール31、短手レール32(図2)、垂直レール33、第1移動部34、第2移動部35、切断部36、及び切断刃37(図3)を備える。
【0042】
(構成-切断装置-通信部)
図1の通信部21は、外部装置(例えば、端末装置1)との間で通信するための通信手段である。この通信部21の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の通信回路等を用いて構成することができる。なお、通信部21、記録部22、及び制御部23については、制御基板又は制御モジュールとして、図2図6等に図示されている切断装置2の任意の位置に設けられて、外部からの供給される電力に基づいて動作することとする。なお、ここで具体的な実装手法(設置位置、配線等を含む)としては、任意の手法を用いることができるので、図2図6等では図示が省略されている。
【0043】
(構成-切断装置-記録部)
図1の記録部22は、切断装置2の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。
【0044】
(構成-切断装置-制御部)
図1の制御部23は、切断装置2を制御する制御手段である。なお、この制御部23の各部により行われる処理につていては、後述する。
【0045】
(構成-切断装置-フレーム)
図2及び図3のフレーム301は、切断装置2の骨組みとなる部材であり、例えば、全体としては平面視において長方形の4辺に対応する4個の長尺部材を用いて構成されているものであり、また、金属製のものである。そして、このフレーム301に取り囲まれている部分は図2に示すように開口となっており、図5及び図6に示すように板材900を配置するための板材配置空間301A(図2)が設けられることになる。
【0046】
(構成-切断装置-脚部)
図3の脚部302は、切断装置2を支持する部材であり、例えば、フレーム301の下部に固定されて設けられるものであり、また、金属製のものである。この脚部302は、例えば、フレーム301の四隅及びフレーム301における長手方向(X方向)に沿っている2個の部材各々の中央に1個ずつ合計6個設けられるものである。そして、この脚部302を設けることにより、切断装置2の各要素(例えば、各レール等)を垂直方向(Z方向)において、床面から所定高さの位置に設けられることになる。
【0047】
(構成-切断装置-長手レール)
図2図4の長手レール31は、前述の第1レールであり、具体的には、長手方向(X方向)延在しているレールであって、長手方向(X方向)に沿って切断部36を移動させるためのレールである。長手レール31は、例えば、フレーム301における長手方向(X方向)に沿っている2個の部材よりも所定間隔(例えば、5cm~10cm等)を隔てて上側(+Z方向)に1個ずつ合計2個設けられている長尺状のであり、また、金属製のものである。この長手レール31の設置手法は任意であるが、例えば、両端(つまり、長手レール31における-X方向の端部及び+X方向の端部)をフレーム301に対して任意の手法(例えば、固定用金具を用いる手法等)で固定することにより、設置されている場合について説明する。つまり、長手レール31は、当該長手レール31の両端が支持され、当該両端以外の部分については他の部材によって支持されておらず、荷重がかけられた場合に当該荷重によりたわみが発生する状態となっていることとして説明する。
【0048】
(構成-切断装置-短手レール)
図2及び図4の短手レール32は、前述の第2レールであり、具体的には、短手方向(Y方向)に沿って延在しているレールであって、短手方向(Y方向)に沿って切断部36を移動させるためのレールであり、また、切断部36を支持しており、且つ、長手レール31上に載置された状態で当該長手レール31に沿って移動可能となっているレールである。短手レール32は、例えば、長手レール31よりも短い1個のものであり、また、長尺状のであり、また、金属製のものである。この短手レール32の設置手法は任意であるが、例えば、両端(つまり、短手レール32における-Y方向の端部及び+Y方向の端部)が長手レール31上に設けられている2個の第1移動部34に固定されて設置されている場合について説明する。つまり、短手レール32は、第1移動部34を介して長手レール31に載置されており、また、当該短手レール32の両端が支持され、当該両端以外の部分については他の部材によって支持されておらず、荷重がかけられた場合に当該荷重によりたわみが発生する状態となっていることとして説明する。
【0049】
(構成-切断装置-垂直レール)
図2図4の垂直レール33は、第3レールであり、具体的には、垂直方向(Z方向)延在しているレールであって、垂直方向(Z方向)に沿って切断部36を移動させるためのレールである。垂直レール33は、例えば、短手レール32よりも短い1個のものであり、また、長尺状のであり、また、金属製のものである。この垂直レール33の設置手法は任意であるが、例えば、短手レール32に設けられている第2移動部35に固定されて設置されている場合について説明する。なお、垂直レール33が短手レール32よりも短い場合について説明するが、これに限らず、垂直レール33を短手レール32よりも長くしてもよい。
【0050】
(構成-切断装置-第1移動部)
図7は、切断装置の一部を示す拡大斜視図である。図2図4の第1移動部34は、短手レール32を支持し、当該短手レール32を長手レール31に沿って移動させるための移動手段である。この第1移動部34は、例えば、2個の長手レール31上に1個ずつ合計2個設けられているものであり、また、短手レール32の両端が任意の手法(例えば、溶接、ボルトとナットを用いる手法、あるいは、取付金具を用いる手法等)で固定されているものである。第1移動部34は、例えば、図7に示す長手側移動用駆動輪341を備える。
【0051】
(構成-切断装置-第1移動部-長手側移動用駆動輪)
図7の長手側移動用駆動輪341は、第1移動部34を長手レール31に取り付けると共に、当該第1移動部34を長手レール31に沿って移動させるものである。長手側移動用駆動輪341は、例えば、長手レール31の上面(+Z方向)側及び下面(-Z方向)側に複数個ずつ設けられて長手レール31を挟持しているものであり、また、不図示のモーター(以下、「長手側移動用駆動輪用モーター」とも称する)から伝達される回転力に基づいて駆動するものである。そして、この「長手側移動用駆動輪用モーター」を用いて長手側移動用駆動輪341を駆動させた場合、当該長手側移動用駆動輪341が回転することにより、長手側移動用駆動輪341が設けられている第1移動部34が長手方向(X方向)に沿って移動することになり、つまり、短手レール32及び当該短手レール32に設けられている切断部36が長手方向(X方向)に沿って移動することになる。
【0052】
(構成-切断装置-第2移動部)
図8は、切断装置の一部を示す拡大斜視図であり、図9は、切断装置の一部を示す拡大正面図である。図2図4の第2移動部35は、切断部36が固定設置されている垂直レール33を支持し、垂直レール33を短手レール32に沿って移動させ、また、垂直レール33を垂直方向(Z方向)に沿って移動させる移動手段である。この第2移動部35は、例えば、短手レール32に1個設けられているものであり、例えば、図8に示す短手側移動用駆動輪351、及び図8及び図9に示す垂直側移動用駆動輪352を備える。
【0053】
(構成-切断装置-第2移動部-短手側移動用駆動輪)
図8の短手側移動用駆動輪351は、第2移動部35を短手レール32に取り付けると共に、当該第2移動部35を短手レール32に沿って移動させるものである。短手側移動用駆動輪351は、例えば、短手レール32の上面(+Z方向)側及び下面(-Z方向)側に複数個ずつ設けられて短手レール32を挟持しているものであり、また、不図示のモーター(以下、「短手側移動用駆動輪用モーター」とも称する)から伝達される回転力に基づいて駆動するものである。そして、この「短手側移動用駆動輪用モーター」を用いて短手側移動用駆動輪351を駆動させた場合、当該短手側移動用駆動輪351が回転することにより、短手側移動用駆動輪351が設けられている第2移動部35が短手方向(Y方向)に沿って移動することになり、つまり、垂直レール33及び切断部36が短手方向(Y方向)に沿って移動することになる。
【0054】
(構成-切断装置-第2移動部-垂直側移動用駆動輪)
図8及び図9の垂直側移動用駆動輪352は、切断部36が固定されている垂直レール33を支持すると共に、当該垂直レール33を垂直方向(Z方向)に沿って移動させるものである。垂直側移動用駆動輪352は、例えば、垂直レール33の一方側(+Y方向)及び他方側(-Y方向)に複数個ずつ設けられて垂直レール33を挟持しているものであり、また、不図示のモーター(以下、「垂直側移動用駆動輪用モーター」とも称する)から伝達される回転力に基づいて駆動するものである。そして、この「垂直側移動用駆動輪用モーター」を用いて垂直側移動用駆動輪352を駆動させた場合、当該垂直側移動用駆動輪352が回転することにより、垂直側移動用駆動輪352が挟持している垂直レール33が垂直方向(Z方向)に沿って移動することになり、つまり、垂直レール33及び切断部36が垂直方向(Z方向)に沿って移動することになる。
【0055】
(構成-切断装置-切断部)
図10は、切断装置の一部を示す拡大側面図である。図2図4の切断部36は、前述の切断手段であり、例えば、垂直レール33に任意の手法(例えば、固定用金具を用いる手法等)で固定されているものであり、また、前述の各移動部によって、長手方向(X方向)、短手方向(Y方向)、及び垂直方向(Z方向)に沿って移動可能となっているものである。また、切断部36は、例えば、公知の工具であるいわゆるルーターと同様に構成してもよく、下端部(-Z方向)に図8図10に示す切断刃37が設けられており、また、当該切断刃37を垂直方向(Z方向)に沿った回転軸を中心に回転させるための不図示のモーター(以下、「切断刃用モーター」とも称する)を備えている。
【0056】
(構成-切断装置-切断刃)
図11は、切断刃の外形を図示した図である。なお、図11においては、切断刃37の特徴が概略的に図示されており、詳細構造は不図示となっている。図8図10の切断刃37は、板材900の切断と面取りとを同時に行うための刃であり、具体的には、いわゆるエンドミルであり、例えば、切断部36によって保持された状態で回転軸370を中心に回転するものであり、概略的には、図11に示すように、第1部分371、第2部分372、及び第3部分373を備える。
【0057】
第1部分371は、切断刃37の先端側(つまり、図8図10における下側(-Z方向)の端部側)であり、先端側に進むにつれて外側に広がっている部分であり、また、板材900を切削して面取りする刃として機能する部分である。
【0058】
第2部分372は、第1部分371と第3部分373との間に設けられている部分であり、一定の径を有する部分であり、また、板材900を切削して切断する刃として機能する部分である。
【0059】
第3部分373は、第2部分372を基準にして第1部分371の反対側に設けられている部分であり、先端側から離れるにつれて外側に広がっている部分である。なお、この第3部分373については、前述の第1部分371と同様にして、板材900を切削して面取りする刃として機能するように構成してもよいし、あるいは、刃としては機能しない単なる斜面部として構成してもよい。
【0060】
(板材の設置)
次に、図5及び図6の板材900の設置について説明する。板材900の設置手法は、各板材900が水平方向(つまり、XY方向)に対して平行となるように設置する限りにおいて任意であるが、例えば、図6に示すように、複数の板材900を床面上に設けられている支持台901上に載置して平置きしてもよいし、あるいは、支持台901を用いずに、多数の板材900を床面に平積みしてもよい。そして、このように設置された板材900は、当該板材900はXY平面に平行となるように設けられ、また、当該板材900の厚み方向が垂直方向(Z方向)と平行となるように設けられることになる。また、支持台901については、支持台901の高さを調整する調整機構を設けることにより、当該支持台901自身の高さが調整可能となるように構成してもよい。この場合、支持台901の高さを調整することにより、垂直方向(Z方向)における、支持台901に載置されている板材900の床面に対する位置を調整することが可能となる。
【0061】
前述のように設置された板材900を固定するための固定部を設けてもよい。この固定部については、例えば、切断装置2の構成要素として固定部を設けてもよいし、あるいは、切断装置2から独立した構成要素として固定部を設けてもよい。ここでは、例えば、固定部を切断装置2の構成要素として設ける場合について説明する。「固定部」とは、前述の固定手段であり、例えば、板材900を固定するための固定機構であり、各図では不図示であるが、切断装置2に設けられている。この固定部の構成は任意であるが、例えば、図5及び図6の最上段に設置されている板材900の四隅の上面(+Z方向)側に設けられる比較的小さなサイズ(例えば、10cm四方等の矩形の)固定用プレートと、当該固定用プレートを下側(-Z方向)に向かって付勢する付勢部を用いて構成してもよい。この場合、例えば、固定部を、長手方向(X方向)に沿っている2個の長尺部材の+X方向側寄りの位置及び-X方向側の寄りの位置に1個ずつ合計4個設けることにより、当該固定部の固定用プレートを用いて平置きされてた板材900の四隅の上面を上側(+Z方向)から下側(-Z方向)に向かって付勢して押さえることにより、板材900が固定されることになる。なお、付勢部の構成は任意であり、例えば、ばね等を含む任意の弾性材を用いて構成してもよいし、あるいは、他の要素を用いて構成してもよい。
【0062】
(動作)
次に、切断装置2の動作について説明する。具体的には、図1の切断装置2の制御部23が、前述の不図示の各種モーターの回転を制御することにより、切断部36の移動及び切断部36に設けられている切断刃37の回転を制御する。
【0063】
例えば、制御部23が、「切断刃用モーター」を回転させた場合に、切断刃37が回転し、当該切断刃37による切断が可能となり、また、「切断刃用モーター」の回転を停止させた場合に、切断刃37の回転が停止し、当該切断刃37による切断が不可能となる。
【0064】
また、例えば、制御部23が、「長手側移動用駆動輪用モーター」を回転させることにより、図7の長手側移動用駆動輪341が回転し、第1移動部34が長手レール31に沿って移動することになり、すなわち、切断部36が長手方向(X方向)に沿って移動することになる。また、制御部23が、「長手側移動用駆動輪用モーター」の回転を停止させることにより、図7の長手側移動用駆動輪341の回転が停止し、第1移動部34が停止し、すなわち、切断部36における長手方向(X方向)の移動が停止することになる。
【0065】
なお、移動方向の制御は任意であり、例えば、「長手側移動用駆動輪用モーター」の回転方向を変更することにより、移動方向が変更されることとしてもよいし、あるいは、公知のギア機構を設けて当該機構を用いて移動方向が変更されることとしてもよい(「短手側移動用駆動輪用モーター」及び「垂直側移動用駆動輪用モーター」を用いて移動させる場合も同様とする)。
【0066】
また、例えば、制御部23が、「短手側移動用駆動輪用モーター」を回転させることにより、図8の短手側移動用駆動輪351が回転し、第2移動部35が短手レール32に沿って移動することになり、すなわち、切断部36が短手方向(Y方向)に沿って移動することになる。また、制御部23が、「短手側移動用駆動輪用モーター」の回転を停止させることにより、図8の短手側移動用駆動輪351の回転が停止し、第2移動部35が停止し、すなわち、切断部36における短手方向(Y方向)の移動が停止することになる。
【0067】
また、例えば、制御部23が、「垂直側移動用駆動輪用モーター」を回転させることにより、図8及び図9の垂直側移動用駆動輪352が回転し、垂直側移動用駆動輪352に挟持されている垂直レール33が垂直方向(Z方向)に沿って移動することになり、すなわち、切断部36が垂直方向(Z方向)に沿って移動することになる。また、制御部23が、「垂直側移動用駆動輪用モーター」の回転を停止させることにより、図8及び図9の垂直側移動用駆動輪352の回転が停止し、垂直レール33が停止し、すなわち、切断部36における垂直方向(Z方向)の移動が停止することになる。
【0068】
切断装置2がこのように動作するので、切断部36の切断刃37を用いて、図5及び図6の板材900を任意の形状に切断することが可能となる。
【0069】
(処理)
次に、切断システム100によって行われる動作命令送信処理、及び動作命令実行処理について説明する。
【0070】
(処理-動作命令送信処理)
まず、動作命令送信処理について説明する。図12は、動作命令送信処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。「動作命令送信処理」とは、概略的には、端末装置1で行われる処理であり、具体的には、長手レール31及び短手レール32のたわみ量を補正するための処理を含む処理であり、例えば、切断装置2を動作させるための命令である動作命令を生成して送信する処理である。この動作命令送信処理を起動するタイミングは任意であるが、例えば、端末装置1に対して切断装置2を動作させて板材900を切断するためのアプリケーションがインストールされていることとし、当該アプリケーションを起動するための所定操作を、タッチパッド12を介して受け付けた場合に起動することとし、動作命令送信処理が起動したところから説明する。
【0071】
===SA1===
図12のSA1において端末装置1の移動制御部151は、切断情報を取得する。具体的には任意であるが、例えば、ディスプレイ13に切断指定画面を表示し、表示した切断指定画面に対するユーザからのタッチパッド12を介して行われる操作入力を受け付け、受け付けた操作入力に基づいて切断情報を取得する。
【0072】
「切断情報」とは、板材900を切断する位置に関する情報であり、例えば、少なくとも板材900を切断する線である切断線上の始点(切断を開始する点)を示す情報、及び切断線上の終点(切断を終了する点)を示す情報を含み、任意で経由点(始点と終点との間に経由する点)を示す情報を含む情報である。なお、板材900の切断は、始点から切断を開始し、終点で切断を終了し、存在する場合には経由点を通って切断する限りにおいて任意であり、これらの各点の間を直線で結んで切断してもよいし、あるいは、指定された曲率の曲線で結んで切断してもよいが、本実施の形態では、直線で結んで切断する場合について説明する。
【0073】
図13及び図14は、切断指定画面を例示した図であり、図15は、板材を平置きした状態の切断装置の平面図である。なお、図15においては、説明の便宜上、図5の一部の構成要素を一点鎖線で図示し、また、基準点P0、始点P1、及び終点P2を図示した図である。なお、基準点P0、始点P1、及び終点P2は、情報処理で用いられる点であり実際には見えない状態となっているが、説明の便宜上、図示されている(他の各図及び後述する分割点も同様である)。
【0074】
「切断指定画面」とは、板材900における切断情報に対応する情報を指定して入力するための画面であり、例えば、図13に示すように、板材画像G1が表示されている。この「板材画像」G1とは、平面視した状態の板材900の形状に対応する形状を示す画像であり、例えば、矩形形状の画像である。
【0075】
なお、ここでは、例えば、切断システム100を用いて切断する対象となる複数の板材900が1m~3mの四方の相互に同じサイズの矩形形状であることとし、板材画像G1も図13に例示されているように外形が矩形形状であることとして説明する。
【0076】
SA1の処理について詳細には、端末装置1のユーザが切断指定画面における板材画像G1の任意の位置をタップすることにより、始点、終点、及び(任意であるが)経由点を示す情報を入力した場合、移動制御部151は、切断装置2の板材配置空間301A(図2)における前述の入力された情報に対応する位置を示す情報(つまり、始点、終点、及び(任意であるが)経由点の位置情報)を含む切断情報を取得する。
【0077】
なお、ここで取得する切断情報に含まれる位置情報は、長手方向(X方向)及び短手方向(Y方向)における位置を示す情報であり、例えば、図15に示すように、平面視において基準点P0(一例としては、-Y側の端及び-X側の端に移動した場合の切断部36の位置に対応する位置)を基準とし、長手レール31に沿う方向(X方向)を第1の軸とし、短手レール32に沿う方法(Y方向)を第2の軸とした直交座標系(以下、「切断装置2の座標系」とも称する)における座標を用いる場合について説明する。特に、サイズ及び形状が予め定められている板材900が、任意の手法(例えば、位置決め用の機構を用いる手法等、あるいは、その他の公知の手法等)で切断装置2の板材配置空間301A(図2)における予め定められている位置(例えば、図5等に図示されている位置)に設けられていることとして説明する。
【0078】
ここでは、例えば、端末装置1のユーザが、始点として図14の位置Pg1をタップし、また、終点として図14の位置Pg2をタップすることにより、始点及び終点を示す情報を入力した場合に、移動制御部151は、任意の手法(例えば、予め定められている基準に基づいて切断指定画面上の位置を示す座標を、図15の基準点P0を基準にした切断装置2板材配置空間301A(図2)における位置を示す座標に変換する手法を用いる手法等)に基づいて、始点の位置情報として図15の始点P1の座標(例えば、「(X50,Y10)」)、及び終点の位置情報として図15の終点P2の座標(例えば、「X50,Y50」)を切断情報として取得する。なお、本実施の形態における座標の具体的に示した数値は便宜上の記載であることとする。
【0079】
===SA2===
図12のSA2において端末装置1の移動制御部151は、分割点を特定する。「分割点」とは、始点、経由点、終点の間を分割する点であり、例えば、経由点が存在しない場合は、始点と終点との間を相互に等間隔に所定個数(つまり、分割数)分に分割する点であり、経由点が存在する場合は、始点と経由点との間、経由点同士の間、又は経由点と終点との間を相互に等間隔に所定個数分に分割する点であり、本実施の形態では、始点自身、経由点自身、及び終点自身も分割点の中の1個の点として取り扱う場合について説明する。また、本実施の形態では、分割する個数である分割数として「4」が設定されている場合について説明する。
【0080】
SA2の処理は任意であるが、例えば、SA1で取得した切断情報を取得し、取得した切断情報に基づいて、「切断装置2の座標系」における分割点を特定する。
【0081】
図16は、板材を平置きした状態の切断装置の平面図である。ここでは、例えば、SA1で取得した切断情報として「始点P1」=「(X50,Y10)」及び「終点P2」=「X50,Y50」を取得し、「切断装置2の座標系」において、図16に示すように、始点P1と終点P2との間の直線を4個に分割する点(始点P1及び終点P2を含む点)分割点P31~P35として特定する。そして、ここで特定される分割点P31~P35の座標は、図16に例示されているように、「(X50,Y10)」、「(X50,Y20)」、「(X50,Y30)」、「(X50,Y40)」、及び「(X50,Y50)」であることとする。
【0082】
===SA3===
図12のSA3において端末装置1の移動制御部151は、処理を終了するか否かを判定する。具体的には任意であるが、例えば、SA2で特定した全ての分割点に関して(後述のSA7及びSA8において)動作命令を生成して送信したか否かに基づいて判定する。そして、全ての分割点に関して動作命令を生成して送信した場合、処理を終了するものと判定し(SA3のYES)、処理を終了する。また、全ての分割点に関して動作命令を生成して送信したわけではない場合(つまり、SA2で特定した分割点の内の、動作命令の生成及び送信を未だ行っていない分割点が存在する場合)、処理を終了しないものと判定し(SA3のNO)、SA4に移行する。
【0083】
ここでは、例えば、未だSA4~SA8を実行していないので、全ての分割点に関して動作命令を生成して送信したわけではなく、処理を終了しないものと判定する。
【0084】
===SA4===
図12のSA4において端末装置1の移動制御部151は、SA2で特定した全ての分割点の内の未だ選択されていない分割点を1個選択する。具体的な処理は任意であるが、例えば、後述する動作命令実行処理において、切断装置2が、端末装置1から動作命令を順次受信した場合に、受信した順に当該動作命令を実行することとし、この処理を考慮して、SA2で特定した分割点を始点側から終点側に向かって順次選択することとし、未だ選択されていない分割点の内の最も始点側に最も近い1個の分割点を選択する。
【0085】
ここでは、例えば、SA4を最初に実行する場合、図16の分割点P31を選択する。
【0086】
===SA5===
図17は、たわみ量の演算例を説明するための図であり、図18は、板材を平置きした状態の切断装置の平面図である。図12のSA5において端末装置1の移動制御部151は、たわみ量を特定する。具体的には任意であるが、例えば、図5の切断部36をSA4で選択した分割点に移動させた場合の、長手レール31における当該分割点に対応する位置でのたわみ量(以下、「長手レール側たわみ量」)、及び図5の切断部36をSA4で選択した分割点に移動させた場合の、短手レール32における当該分割点に対応する位置でのたわみ量(以下、「短手レール側たわみ量」)の合計のたわみ量(以下、「合計たわみ量」)を演算して、演算した「合計たわみ量」を特定する。
【0087】
なお、「切断部36をSA4で選択した分割点に移動させる」とは、例えば、板材900におけるSA4で選択した分割点の位置を切断する場合の位置に切断部36を移動させることであり、例えば、SA4において分割点P31を選択した場合、図18に示すように、切断部36の中心(詳細には、切断刃37)が分割点P31と一致する位置に移動させることを示す概念である。
【0088】
また、「長手レール側たわみ量」とは、例えば、SA4において分割点P31を選択した場合、図18に示すように、切断部36の中心(詳細には、切断刃37)が分割点P31と一致する位置に移動した場合の、長手レール31における短手レール32を支持している位置のたわみ量を示すものと解釈してもよい。詳細には、長手レール31は、何等の荷重もかけられていない場合、直線形状となっている部材であり、本実施の形態のように両端を支持するように設置し、また、他の要素が載置された場合、当該他の要素が載置された部分を中心にして下方(-Z方向)に向かって全体が湾曲するようにたわむことになるが、「長手レール側たわみ量」とは、例えば、何等の荷重(自重による荷重及び他の要素による荷重)も長手レール31にかけられていない場合を基準とした概念であるものと解釈してもよい。
【0089】
また、「短手レール側たわみ量」とは、例えば、SA4において分割点P31を選択した場合、図18に示すように、切断部36の中心(詳細には、切断刃37)が分割点P31と一致する位置に移動した場合の、短手レール32における垂直レール33を支持している位置のたわみ量を示すものと解釈してもよい。詳細には、短手レール32は、何等の荷重もかけられていない場合、直線形状となっている部材であり、本実施の形態のように両端を支持するように設置し、また、他の要素が設けられた場合、当該他の要素が設けられた部分を中心にして下方(-Z方向)に向かって全体が湾曲するようにたわむことになるが、「短手レール側たわみ量」とは、例えば、何等の荷重(自重による荷重及び他の要素による荷重)も短手レール32にかけられていない場合を基準とした概念であるものと解釈してもよい。
【0090】
=処理の詳細=
SA5の処理について詳細には、例えば、たわみを演算するために必要な切断装置2に関する情報が記録部14に記録されていることとし、この記録部14に記録されている情報と、SA4で選択した分割点とに基づいて、「長手レール側たわみ量」及び「短手レール側たわみ量」を演算した上で、演算結果を合計することにより「合計たわみ量」を演算する。
【0091】
なお、たわみを演算するために必要な切断装置2に関する情報としては任意であるが、例えば、概略的には、各レールの長さ、各レールのヤング率、各レールの断面二次モーメント、各レール(垂直レール33を含む)及び切断部36の重さ等を含むこととし、詳細には他の様々な情報(例えば、第1移動部34、第2移動部35、及び切断刃37の重さ等の任意の情報)を含むこととしてもよい。
【0092】
「長手レール側たわみ量」の演算についてより詳細には、例えば、図17(a)に示す長手レールモデル41及び長手側載置物モデル42を用いて、SA4で選択した分割点(つまり、切断部36の位置)を考慮して、前述の各情報に基づいて演算してもよい。なお、長手レールモデル41は、長手レール31に対応するモデルであり、また、長手側載置物モデル42は、長手レール31に載置されている要素に対応するモデルであり、例えば、短手レール32、垂直レール33、及び切断部36に対応するモデルである。そして、例えば、長手レールモデル41に対応する長手レール31全体には、長手レール31の自重による等分布荷重がかけられ、また、長手レール31における短手レール32を支持している位置(つまり、長手レールモデル41における長手側載置物モデル42が載置されている位置に対応する位置)には、長手レール31に載置されている要素の重さによる集中荷重がかけられることとして、「長手レール側たわみ量」を演算してもよい。なお、ここでは、説明の便宜上、第1移動部34、第2移動部35、及び切断刃37の重さを考慮しない場合を例示したが、これらの要素を考慮してもよい(「短手レール側たわみ量」の演算も同様とする)。
【0093】
また、「短手レール側たわみ量」の演算についてより詳細には、例えば、「長手レール側たわみ量」の場合と同様であり、図17(b)に示す短手レールモデル43及び短手側載置物モデル44を用いて、SA4で選択した分割点(つまり、切断部36の位置)を考慮して、前述の各情報に基づいて演算してもよい。なお、短手レールモデル43は、短手レール32に対応するモデルであり、また、短手側載置物モデル44は、短手レール32に載置されている要素(つまり、取り付けられている要素)に対応するモデルであり、例えば、垂直レール33、及び切断部36に対応するモデルである。そして、例えば、短手レールモデル43に対応する短手レール32全体には、短手レール32の自重による等分布荷重がかけられ、また、短手レール32における垂直レール33を支持している位置(つまり、短手レールモデル43における短手側載置物モデル44が載置されている位置に対応する位置)には、短手レール32に載置されている要素の重さによる集中荷重がかけられることとして、「短手レール側たわみ量」を演算してもよい。
【0094】
=具体例=
ここでは、例えば、図12のSA4において図16の分割点P31を選択したので、このSA5においては、図18に示すように、切断部36を分割点P31に移動させたことを想定して、記録部14に記録されている情報に基づいて、「長手レール側たわみ量」として「20」ミリメートルを演算し、また、「短手レール側たわみ量」として「2」ミリメートル(以下、単位は省略する)を演算し、「合計たわみ量」=「22」を演算して特定する。
【0095】
=他の特定手法=
「合計たわみ量」を他の手法で特定してもよい。具体的には任意であるが、例えば、分割点となり得る切断装置2の板材配置空間301A(図2)におけるあらゆる位置に切断部36が移動した場合の「合計たわみ量」を予めシミュレーションにて求めたり、あるいは、実験により求めたりして、各位置と「合計たわみ量」とが相互に関連付けられているテーブル情報を記録部14に記録し、当該テーブル情報に基づいて、SA4で選択した分割点に対応する「合計たわみ量」を特定することとしてもよい。
【0096】
===SA6===
図12のSA6において端末装置1の移動制御部151は、切断部36をSA4で選択した分割点に移動させる場合の垂直方向(Z方向)における補正量を演算する。「補正量」とは、各レールのたわみに対応して切断部36の垂直方向(Z方向)の位置を調整するための量であり、前述の特定したたわみ量に対応する量である。なお、この「補正量」としては、SA5で特定した「合計たわみ量」と同じ量を補正量としてもよいし、あるいは、特定した「合計たわみ量」に関する所定の演算(例えば、所定の数値を積算する演算等)を行った演算結果を補正量としてもよいし、あるいは、「長手レール側たわみ量」又は「短手レール側たわみ量」を指定する情報をユーザがタッチパッド12を介して入力することとし、入力された情報が指定する(SA5で特定した)「長手レール側たわみ量」又は(SA5で特定した)「短手レール側たわみ量」と同じ量を補正量としてもよい。なお、ここでは、SA5で特定した「合計たわみ量」と同じ量を補正量とする場合について説明する。
【0097】
ここでは、例えば、図12のSA5において「合計たわみ量」=「22」を演算して特定したので、「補正量」=「22」を特定する。
【0098】
===SA7===
図12のSA7において端末装置1の移動制御部151は、板材900を切断するために切断部36をSA4で選択した分割点に対応する位置に移動させるための動作命令を生成する。具体的には任意であるが、例えば、SA4で選択した分割点の座標、及びSA6で特定した補正量を含む動作命令を生成する。
【0099】
ここでは、例えば、SA4で選択した分割点P31の座標である「(X50,Y10)」、及びSA6で特定した補正量である「22」を含む動作命令を生成する。
【0100】
===SA8===
図12のSA8において端末装置1の移動制御部151は、SA7で生成した動作命令を、通信部11を介して切断装置2に送信する。一方、切断装置2の制御部23は、通信部21を介して当該動作命令を受信し、受信した動作命令を示す情報を記録部22に記録して蓄積する。なお、この場合、後述する動作命令実行処理において、受信した順に動作命令を実行するので、当該受信した順番を特定するための情報(例えば、通し番号、あるいは、受信時刻を特定する情報等)と関連付けて動作命令を示す情報を記録部22に記録して蓄積することとしてもよい。このように、動作命令が切断装置2側に蓄積されて、後述するように、当該動作命令に基づいて切断装置2における切断部36の移動が制御され、また、当該切断部36の垂直方向(Z方向)における移動が補正されることになるので、移動制御部151が、切断部36の移動を制御し、また、垂直方向(Z方向)における移動を補正するものと解釈することができる。
【0101】
ここでは、例えば、端末装置1の移動制御部151は、SA7で生成した動作命令(「分割点の座標」=「(X50,Y10)」及び「補正量」=「22」を含む動作命令)を、切断装置2に送信する。一方、切断装置2の制御部23は、当該動作命令(「分割点の座標」=「(X50,Y10)」及び「補正量」=「22」を含む動作命令)を示す情報を、当該動作命令を受信した順番を特定するための情報(例えば、「1」からはじまる整数の通し番号の「1」等)と関連付けて記録部22に格納する。
【0102】
===繰り返しの処理===
この後、SA3に移行し、処理を終了するものと判定するまで(SA3のYES)、SA3~SA8を繰り返し実行することになる。そして、2回目に実行するSA4において、図16の分割点P32(つまり、「座標」=「(X50,Y20)」の分割点)を選択し、次に、SA5において、「長手レール側たわみ量」=「20」及び「短手レール側たわみ量」として「5」を演算し、「合計たわみ量」=「25」を演算し、SA6において、「補正量」=「25」を演算し、次に、SA7において例えば「分割点の座標」=「(X50,Y20)」及び「補正量」=「25」を含む動作命令を生成し、SA8において当該動作命令を切断装置2に送信することにより、切断装置2の記録部22に、当該動作命令(「分割点の座標」=「(X50,Y20)」及び「補正量」=「25」を含む動作命令)を示す情報が、当該動作命令を受信した順番を特定するための情報(例えば、前述の通し番号の「2」等)と関連付けて記録部22に記録されて蓄積されることになる。そして、同様な処理を実行することにより、分割点P33~P35に関する動作命令を示す情報が記録部22に蓄積されることになる。これにて、動作命令送信処理を終了する。
【0103】
(処理-動作命令実行処理)
次に、動作命令実行処理について説明する。「動作命令実行処理」とは、概略的には、切断装置2で行われる処理であり、具体的には、図12の動作命令送信処理のSA8で送信された動作命令に対応する制御を順次行うことにより、板材900を切断する処理である。この動作命令実行処理を起動するタイミングは任意であるが、例えば、端末装置1が最初に動作命令を受信したタイミング、あるいは、他の任意のタイミング(例えば、ユーザが端末装置1のタッチパッド12を介して切断を開始するための操作入力を行って、切断開始命令が端末装置1から切断装置2に送信されたタイミング等)に起動することとし、動作命令実行処理が起動したところから説明する。また、この動作命令実行処理を起動するタイミングに、制御部23が、前述の「切断刃用モーター」の回転を開始し、切断刃37が回転し、当該切断刃37による切断が可能となっていることとする。
【0104】
ここでは、例えば、前述したように、分割点P31に関する動作命令(「分割点の座標」=「(X50,Y10)」及び「補正量」=「22」を含む動作命令)、分割点P32に関する動作命令(「分割点の座標」=「(X50,Y20)」及び「補正量」=「25」を含む動作命令)、及び分割点P33~P35に関する動作命令を示す情報が、動作命令を受信した順番を特定するための情報(例えば、前述の通し番号等)と関連付けられた状態で記録部22に記録されているものとして、以下説明する。
【0105】
また、動作命令実行処理の起動時には、切断部36は、図15の基準点P0に対応する位置(つまり、板材900とは対向しない位置)に設けられていることとする。また、最上段に平置きされている1個の板材900の厚み及び垂直方向(Z方向)における位置を特定するための情報(例えば、支持台901の高さを示す情報、板材900の厚みを示す情報、及び支持台901に置きされている板材900の個数を示す情報等)が任意の手法(例えば、ユーザが端末装置1を介して入力する手法等)で切断装置2に入力されて記録部22に記録されていることとする。そして、動作命令実行処理の起動時には、切断装置2の制御部23が、この記録されている情報に基づいて、図19(後述)に示すように、垂直方向(Z方向)における基準位置(例えば、床面)に対する、最上段に平置きされている1個の板材900の下面(-Z方向)の高さ(以下、「基準高さH0」とも称する)を特定し、各レールがたわんでいない場合に図11の切断刃37の先端部(図面下側の端部)が当該基準高さH0と同じ高さに設けられるように、「垂直側移動用駆動輪用モーター」を適宜回転させることにより、第2移動部35を動作させて切断部36の垂直方向(Z方向)の位置が調整されていることを前提として説明する。このように動作命令実行処理の起動時に調整されている切断部36の垂直方向(Z方向)の位置を、「初期の高さ位置」とも称する。
【0106】
この動作命令実行処理の具体的な内容は任意であるが、例えば、記録部22を介して未だ実行していない動作命令を示す情報を取得して当該動作命令を特定する処理(以下、「第1処理」)、当該「第1処理」で特定した動作命令に対応する制御を行う処理(以下、「第2処理」)を交互に繰り返し行う。特に、「第2処理」については、前に実行した制御による動作が完了した直後に、新たな制御を行うこととする。
【0107】
===第1処理===
「第1処理」において、切断装置2の制御部23は、記録部22を参照して、未だ実行していない動作命令を示す情報の内の、最も先に受信した動作命令を示す情報を取得して、当該取得した情報が示す動作命令を特定する。
【0108】
ここでは、例えば、記録部22を参照して、当該動作命令を受信した順番を特定するための情報を参照して、分割点P31(つまり、始点P1)に関する動作命令(「分割点の座標」=「(X50,Y10)」及び「補正量」=「22」を含む動作命令)を特定する。
【0109】
===第2処理===
「第2処理」において、切断装置2の制御部23は、「第1処理」で特定した動作命令に対応する制御を行う。図19は、板材を平置きした状態の切断装置の側面図であり、図20は、切断部の移動を説明するための図であり、図21は、板材を平置きした状態の切断装置の平面図であり、また、図22は、図21のA-A断面の断面図であり、また、図23は、板材を平置きした状態の切断装置の平面図である。なお、図19においては、説明の便宜上、図6の一部の構成要素が一点鎖線で図示されている。また、図20においては、線L1及び線L2が便宜上図示されており、また、便宜上切断刃7が破線で図示されている。線L1は、短手方向(Y方向)に平行な線であり、短手レール32に荷重(自重を含む)がかけられずにたわんでいない状態の、当該短手レール32に平行な線である。また、線L2は、短手レール32に荷重(自重を含む)がかけられてたわんだ状態の、当該短手レール32に沿った線である。なお、線L2については、実際には曲線になることも考えられるが、各分割点に関する分割数を増やすに従って直線に近似可能となる点も考慮して、便宜上、直線として図示されている。
【0110】
「第2処理」の具体的な処理は任意であるが、例えば、「第1処理」で特定した動作命令に含まれる分割点の座標及び補正量を取得し、当該取得した分割点の座標及び補正量に基づいて各駆動輪用モーターを回転させることにより、各駆動輪を回転させて、切断部36を長手方向(X方向)、短手方向(Y方向)、及び(Z方向)に移動させる。
【0111】
=長手方向及び短手方向の移動=
長手方向及び短手方向の移動について具体的には、最初の動作命令(つまり、始点に対応する分割点に切断部36を移動させる動作命令)と、2回目以降の動作命令とにおいて同じ制御を行ってもよいが、本実施の形態では、相互に異なる制御を行う場合について説明する(垂直方向の移動も同様とする)。
【0112】
<最初の動作命令に対する制御>
最初の動作命令に対する制御については、例えば、板材900に傷をつけずに、切断部36を基準点P0から始点に対応する分割点まで移動させる必要があるので、切断部36を、図15の板材900の周囲を通って、前述の取得した分割点の座標に対応する位置に移動させる。
【0113】
<2回目以降の動作命令に対する制御>
2回目以降の動作命令に対する制御については、例えば、板材900を切断させつつ次の分割点に移動させる必要があるので、切断部36を、現在の分割点の座標に対応する位置から、前述の取得した分割点の座標に対応する位置まで直線的に移動させる。なお、直線的に移動するとは、例えば、2個の分割点を結んだ直線上を移動することを示すものと解釈してもよい。
【0114】
=垂直方向の移動=
垂直方向の移動について具体的には、前述したように、動作命令実行処理の起動時には、切断部36が「初期の高さ位置」に設けられているが、実際には各レールがたわんでしまい、想定している位置よりも下側(-Z方向)に設けられ、すなわち、図11の切断刃37の先端部が、「基準高さH0」よりも下側(-Z方向)に設けられてしまい、意図した板材900(最上段の板材900)の切断を適切に行えなくなったり、あるいは、意図していない板材900(例えば、上から2番目に平置きされている板材等)の少なくとも一部を傷つけてしまったりする可能性があるので、前述の取得した補正量に基づいて、「垂直側移動用駆動輪用モーター」を適宜回転させることにより、第2移動部35を動作させて切断部36の垂直方向(Z方向)における移動を制御し、当該移動を補正する必要がある。
【0115】
<最初の動作命令に対する制御>
最初の動作命令に対する制御については、例えば、切断部36が基準点P0から始点に到達する前の任意のタイミングで、前述の取得した補正量分だけ切断部36を垂直方向(Z方向)において上側(+Z方向)に移動させる。
【0116】
<2回目以降の動作命令に対する制御>
2回目以降の動作命令に対する制御については、例えば、板材900を切断させつつ次の分割点に移動させる必要があるので、前回実行した動作命令(直近に実行した動作命令)の補正量(以下、「前回補正量」とも称する)と、今回実行する動作命令(直近の「第1処理」で特定した動作命令)の補正量(以下、「今回補正量」とも称する)とを相互に比較することにより、各補正量の相互間の差分値及び大小関係を特定し、特定結果に基づいて切断部36を垂直方向(Z方向)において移動させる。例えば、「今回補正量」が「前回補正量」よりも大きい場合、直近の分割点におけるたわみ量よりも、次の分割点におけるたわみ量の方が大きくなっているに対応するので、当該たわみ量に関する補正のために、切断部36を前述の差分値に対応する分だけ上側(+Z方向)に移動させる。また、例えば、「今回補正量」が「前回補正量」よりも小さい場合、直近の分割点におけるたわみ量よりも、次の分割点におけるたわみ量の方が小さくなっているに対応するので、当該たわみ量に関する補正のために、切断部36を前述の差分値に対応する分だけ下側(-Z方向)に移動させる。また、「今回補正量」及び「前回補正量」が相互に同じである場合、直近の分割点におけるたわみ量と、次の分割点におけるたわみ量とが相互に同じであることに対応するので、切断部36を垂直方向(Z方向)には移動させたないこととする。
【0117】
なお、この切断部36の垂直方向の移動速度は任意であるが、例えば、切断部36の長手方向(X方向)及び短手方向(Y方向)における移動速度が予め定められていることとし、この移動速度及び分割点間の距離を考慮して、分割点間の移動を開始するタイミングに垂直方向に移動を開始し、分割点間の移動を終了するタイミングに垂直方向に移動を終了する移動速度(一例としては、一定の移動速度)を特定し、特定した移動速度で切断部36を移動させることとしてもよい。
【0118】
=具体例=
ここでは、例えば、分割点P31(つまり、始点P1)に関する動作命令に対応する制御を行う場合、長手方向及び短手方向の移動については、切断部36を、図15の板材900の周囲を通って、基準点P0に対応する位置から、図18に示すように、前述の取得した「分割点の座標」=「(X50,Y10)」に対応する分割点P31の位置に移動させる。垂直方向の移動については、切断部36が基準点P0から分割点P31に到達する前の任意のタイミングで、前述の取得した「補正量分」=「22」だけ切断部36を上側(+Z方向)に移動させる。このように処理することにより、図20(a)の図面左側に図示されているように、切断刃37の先端部が基準高さH0と同じ高さに設けられることになる。
【0119】
===繰り返しの処理===
この後、「第1処理」及び「第2処理」を繰り返し実行することになる。そして、2回目に実行する「第1処理」において、記録部22を参照して、分割点P32に関する動作命令(「分割点の座標」=「(X50,Y20)」及び「補正量」=「25」を含む動作命令)を特定する。次に、「第2の処理」において、分割点P32に関する動作命令に対応する制御を行う。例えば、長手方向及び短手方向の移動については、板材900を切断させつつ次の分割点に移動させる必要があるので、切断部36を、現在の「分割点の座標」=「(X50,Y10)」に対応する分割点P31の位置から、前述の取得した「分割点の座標」=「(X50,Y20)」に対応する分割点P32に対応する位置まで直線的に移動させる。垂直方向の移動については、「前回補正量」=「22」と、「今回補正量」=「25」とを相互に比較し、「今回補正量」が「前回補正量」よりも大きいので、直近の分割点P31におけるたわみ量よりも、次の分割点P32におけるたわみ量の方が大きくなっているに対応するので、当該たわみ量に関する補正のために、切断部36を、「前回補正量」=「22」と「今回補正量」=「25」との差分値である「3」に対応する分だけ上側(+Z方向)に移動させる。なお、前述のように、一定の移動速度で移動させることする。
【0120】
例えば、分割点P31から分割点P32に移動させる場合に、本願の特徴とは異なり、垂直方向において切断部36をなんら移動させない場合(つまり、本願の特徴を反映しない場合)、短手レール32がたわんでいるので、図20(a)に示すように、切断刃37の先端部が基準高さH0からずれてしまう可能性があるが、本願においては、前述したように、一定の移動速度で切断部36を、前述の「3」に対応する分だけ上側(+Z方向)に移動させることにより、切断刃37の先端部を基準高さH0と同じ高さに維持した状態で切断することが可能になる。
【0121】
そして、切断部36が、分割点P31から分割点P32に移動した場合に、図21に示すように、板材900の一部が切断されて切断部分900Aが設けられ、また、板材900の切断と同時に、図11の第1部分371によって板材900の一部が削られて、図22に示すように、面取部900Bが形成されることになる。この後、分割点P33~P35に関して同様な処理を行うことにより、図23に示すように、板材900が切断部分900Aを介して2個に切断されることになる。これにて、動作命令実行処理を終了する。
【0122】
(本実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、長手レール31又は短手レール32のたわみに基づいて、切断部36についての垂直方向における移動を補正することにより、例えば、板材900を適切に切断することが可能となる。
【0123】
また、短手32レールの重さによる荷重と、長手レール31の自重による荷重とに応じて定まる長手レール31のたわみに基づいて、切断部36についての垂直方向における移動を補正することにより、例えば、板材900を適切に切断することが可能となる。
【0124】
また、板材900を固定する固定部を備えることにより、例えば、板材900がずれることを防止することができるので、板材900を確実に切断することが可能となる。
【0125】
また、板材900の切断と面取りとを同時に行うことにより、例えば、板材900に関する作業の効率化を図ることが可能となる。
【0126】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0127】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
【0128】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。また、本出願における「システム」とは、複数の装置によって構成されたものに限定されず、単一の装置によって構成されたものを含む。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。
【0129】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0130】
(分割数について)
また、上記実施の形態では、分割数として「4」が設定されている場合について説明したが、これに限らない。例えば、より細かい制御を行う観点から、分割数を数十または数百に設定しもよい。また、ユーザがタッチパッド12を介して分割数を入力した場合に、端末装置1の移動制御部151が、当該入力された分割数を用いて各処理を行うように構成してもよい。
【0131】
(複数個の板材の切断について)
また、上記実施の形態では、1個の板材900を切断する場合について説明したが、これに限らず、相互に重ねられた状態で平置きされた複数個の板材900を一度にまとめて切断するように構成してもよい。この場合、例えば、図11の切断刃37における第2部分372の長さが複数個の板材900の厚みよりも長くなるように構成した上で、例えば、前述の「基準高さ」を、平置きされている複数の板材900の内の上から複数個目の板材900の下面に対応する高さに設定した上で、実施の形態の場合と同様に処理を行ってもよい。このように構成することにより、平置きされた複数の板材900をまとめて切断することにより、例えば、板材900の切断作業の効率化を図ることが可能となる。
【0132】
(切断刃について)
また、上記実施の形態の切断刃37の構成を任意に変更してもよい。図24は、切断刃の外形を図示した図であり、図25は、板材を平置きした状態の切断装置の平面図である。例えば、図11の切断刃37の第1部分371を省略することにより、図24の切断刃37Aの如く構成してもよい。そして、このように構成した場合、板材900の切断中に切断部36を適宜上下方向(+Z方向又は-Z方向)に移動させることにより、図25に示すように、いわゆるミシン目形状の如く、一部を切断せずに残した状態の切断部分900Cを形成して切断してもよい。
【0133】
(切断について)
また、上記実施の形態では、図23に示すように、板材900を短手方向(Y方向)に沿って切断する場合について説明したが、これに限らず、図12のSA1において様々な始点、終点、及び経由点を示す情報を入力することにより、板材900を長手方向(X方向)に沿って切断してもよいし、あるいは、矩形に切断してもよいし、ランダムな形状に切断してもよい。
【0134】
(各要素の材質について)
また、上記実施の形態では、切断装置2の各要素が金属製である場合について説明したが、金属以外の任意の材量(木材、あるいは、樹脂材等)を用いて切断装置2を構成してもよい。
【0135】
(勾配調整機能について)
また、上記実施の形態の切断装置2に対して、切断装置2の勾配を調整する勾配調整機構を設けてもよい。勾配調整機構としては、例えば、脚部302の長さを調整する公知の機構を用いてもよい。
【0136】
(用語の解釈について)
また、「第1レール」に関して、第1方向に沿って延在しているとは、例えば、第1レールが全体として第1方向において延在していることを示す概念であるものと解釈してもよいし、あるいは、平面視において(つまり、例えば、垂直方向において上側から下側に向かって見た場合において)、第1方向に沿っていることを示す概念と解釈してもよい。また、「第1レール」に関して、第1方向に沿って切断手段を移動させるとは、例えば、第1方向において切断手段を移動させることを示す概念であるものと解釈してもよいし、あるいは、平面視において(つまり、例えば、垂直方向において上側から下側に向かって見た場合において)、第1方向に沿って切断手段を移動させることを示す概念と解釈してもよい。なお、「第2レール」の同様な表現についても、「第1レール」の場合と同様に解釈してもよい。
【0137】
(組み合わせについて)
また、上記実施の形態で説明した特徴と、変形例で説明した特徴を任意に組み合わせてもよい。
【0138】
(付記)
付記1の切断システムは、建築用板材を切断するための切断システムであって、平置きされた少なくとも1個の前記建築用板材を切断する切断手段であって、垂直方向と直交する水平方向に沿っている方向である第1方向、前記水平方向に沿っており且つ前記第1方向と直交する方向である第2方向、及び前記垂直方向に沿っている方向である第3方向に沿って移動可能となっている前記切断手段と、前記第1方向に沿って延在している第1レールであって、前記第1方向に沿って前記切断手段を移動させるための前記第1レールと、前記第2方向に沿って延在している第2レールであって、前記第2方向に沿って前記切断手段を移動させるための前記第2レールと、前記切断手段による前記第1~第3方向における移動を制御する移動制御手段と、を備え、前記移動制御手段は、前記第1レール又は前記第2レールのたわみに基づいて、前記切断手段についての前記第3方向における移動を補正する。
【0139】
付記2の切断システムは、付記1に記載の切断システムにおいて、前記第2レールは、前記切断手段を支持しており、且つ、前記第1レール上に載置された状態で当該第1レールに沿って移動可能となっており、前記移動制御手段は、少なくとも前記第2レールの重さによる荷重と、前記第1レールの自重による荷重とに応じて定まる前記第1レールのたわみに基づいて、前記切断手段についての前記第3方向における移動を補正する。
【0140】
付記3の切断システムは、付記1又は2に記載の切断システムにおいて、前記切断手段は、平置きされた複数の前記建築用板材をまとめて切断する。
【0141】
付記4の切断システムは、付記1から3の何れか一項に記載の切断システムにおいて、前記建築用板材を固定する固定手段、を備える。
【0142】
付記5の切断システムは、付記1から4の何れか一項に記載の切断システムにおいて、前記切断手段は、前記建築用板材の切断と前記建築用板材の面取りとを同時に行う。
【0143】
付記6の切断プログラムは、建築用板材を切断するための切断装置の切断プログラムであって、前記切断装置は、平置きされた少なくとも1個の前記建築用板材を切断する切断手段であって、垂直方向と直交する水平方向に沿っている方向である第1方向、前記水平方向に沿っており且つ前記第1方向と直交する方向である第2方向、及び前記垂直方向に沿っている方向である第3方向に沿って移動可能となっている前記切断手段と、前記第1方向に沿って延在している第1レールであって、前記第1方向に沿って前記切断手段を移動させるための前記第1レールと、前記第2方向に沿って延在している第2レールであって、前記第2方向に沿って前記切断手段を移動させるための前記第2レールと、を備え、前記切断プログラムは、コンピュータを、前記切断手段による前記第1~第3方向における移動を制御する移動制御手段として機能させ、前記移動制御手段は、前記第1レール又は前記第2レールのたわみに基づいて、前記切断手段についての前記第3方向における移動を補正する。
【0144】
(付記の効果)
付記1に記載の切断システム、及び付記6に記載の切断プログラムによれば、第1レール又は第2レールのたわみに基づいて、切断手段についての第3方向における移動を補正することにより、例えば、建築用板材を適切に切断することが可能となる。
【0145】
付記2に記載の切断システムによれば、第2レールの重さによる荷重と、第1レールの自重による荷重とに応じて定まる第1レールのたわみに基づいて、切断手段についての第3方向における移動を補正することにより、例えば、建築用板材を適切に切断することが可能となる。
【0146】
付記3に記載の切断システムによれば、平置きされた複数の建築用板材をまとめて切断することにより、例えば、建築用板材の切断作業の効率化を図ることが可能となる。
【0147】
付記4に記載の切断システムによれば、建築用板材を固定する固定手段を備えることにより、例えば、建築用板材がずれることを防止することができるので、建築用板材を確実に切断することが可能となる。
【0148】
付記5に記載の切断システムによれば、建築用板材の切断と面取りとを同時に行うことにより、例えば、建築用板材に関する作業の効率化を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0149】
1 端末装置
2 切断装置
11 通信部
12 タッチパッド
13 ディスプレイ
14 記録部
15 制御部
21 通信部
22 記録部
23 制御部
31 長手レール
32 短手レール
33 垂直レール
34 第1移動部
35 第2移動部
36 切断部
37 切断刃
41 長手レールモデル
42 長手側載置物モデル
43 短手レールモデル
44 短手側載置物モデル
100 切断システム
151 移動制御部
301 フレーム
301A 板材配置空間
302 脚部
341 長手側移動用駆動輪
351 短手側移動用駆動輪
352 垂直側移動用駆動輪
370 回転軸
371 第1部分
372 第2部分
373 第3部分
37A 切断刃
900 板材
900A 切断部分
900B 面取部
900C 切断部分
901 支持台
G1 板材画像
L1 線
L2 線
P0 基準点
P1 始点
P2 終点
P31 分割点
P32 分割点
P33 分割点
P34 分割点
P35 分割点
Pg1 位置
Pg2 位置
図1
図2
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