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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】業務フローチャート作成支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20240828BHJP
【FI】
G06Q10/10 310
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024063042
(22)【出願日】2024-04-09
【審査請求日】2024-04-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522320224
【氏名又は名称】株式会社ドゥエピオン
(73)【特許権者】
【識別番号】524062722
【氏名又は名称】ドゥファインホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135149
【弁理士】
【氏名又は名称】岡沢 理華
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 忠晴
(72)【発明者】
【氏名】青木 清児
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特許第6664760(JP,B1)
【文献】特許第5748596(JP,B2)
【文献】特開2021-071912(JP,A)
【文献】特開2008-140135(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0066573(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザとの対話により、複数の図形パーツ及び複数のスイムレーンから構成される業務フローチャートを作成するための業務フローチャート作成支援システムにおいて、
前記ユーザに対し、表示手段に質問文を表示して業務に携わる一又は複数の作業主体を尋ねる作業主体問い合わせ手段と、
当該質問文に対する返答として、前記ユーザによって入力された前記作業主体の情報を取得する作業主体情報取得手段と、
前記作業主体情報取得手段が取得した作業主体情報に基づいて作業主体ごとにスイムレーンを割り当てるレーン割り当て手段と、
前記ユーザに対し、前記表示手段に質問文を表示して、一の作業内容を尋ねる作業内容問い合わせ手段と、
当該質問文に対する返答として、前記ユーザよって入力された前記一の作業内容の情報を取得する作業内容情報取得手段と、
前記ユーザに対し、前記表示手段に質問文を表示して、前記作業主体情報取得手段が取得した作業主体情報に含まれる作業主体のうち、前記一の作業内容に係る作業を行う作業主体の選択を促し、当該質問文に対する返答として、前記ユーザによって選択された作業主体の選択情報を取得する作業主体選択情報取得手段と、
前記作業主体選択情報取得手段が取得した作業主体選択情報が示す作業主体に割り当てられたスイムレーンを、前記作業内容情報取得手段が取得した作業内容情報が示す作業を表現する図形パーツの配置位置として特定する配置位置特定手段と、
前記配置位置特定手段が特定した配置位置に、前記作業内容情報取得手段が取得した作業内容情報が示す作業を表現する図形パーツを配置した業務フローチャートを前記表示手段に表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする業務フローチャート作成支援システム。
【請求項2】
前記作業内容問い合わせ手段がユーザに対し次の作業内容を尋ね、
前記作業内容情報取得手段が前記次の作業内容の情報を取得し、
前記作業主体選択情報取得手段が前記次の作業内容に係る作業を行う作業主体の選択情報を取得して、
前記配置位置特定手段が、前記作業主体選択情報取得手段が取得した作業主体選択情報に基づいて前記図形パーツの配置位置を特定し、
前記表示制御手段が、前記配置位置特定手段が特定した配置位置に、前記作業内容情報取得手段が取得した作業内容情報が示す作業を表現する図形パーツを配置した業務フローチャートを前記表示手段に表示する、一連の各動作を繰り返し行うことにより、前記図形パーツを順次配置して前記業務フローチャートを作成していくことを特徴とする請求項1に記載の業務フローチャート作成支援システム。
【請求項3】
前記ユーザに対し、前記表示手段に質問文を表示して前記次の作業の一つ前の作業から、当該次の作業の間に存在する分岐情報を尋ねる分岐情報問い合わせ手段と、
当該質問文に対する返答として、前記ユーザよって入力された前記分岐情報を取得する分岐情報取得手段と、を有し、
前記配置位置特定手段は、前記一つ前の作業を表現する図形パーツと、前記次の作業を表現する図形パーツと、の間を、分岐を表現する図形パーツの配置位置として特定し、
前記表示制御手段は、前記配置位置特定手段が特定した配置位置に、前記分岐情報取得手段が取得した前記分岐情報が示す分岐を表現する図形パーツを配置した業務フローチャートを前記表示手段に表示することを特徴とする請求項2に記載の業務フローチャート作成支援システム。
【請求項4】
前記ユーザに対し、前記表示手段に質問文を表示して業務に使用する作業ツールの情報を尋ねる作業ツール問い合わせ手段と、
当該質問文に対する返答として、前記ユーザよって入力された前記作業ツールの情報を取得する作業ツール情報取得手段と、を有し、
前記レーン割り当て手段は、前記作業ツール情報取得手段が取得した作業ツール情報に基づいて作業ツール用のスイムレーンを割り当て、
前記ユーザに対し、前記表示手段に質問文を表示して、前記作業ツール情報取得手段が取得した作業ツール情報に含まれる作業ツールのうち、前記作業内容情報取得手段が取得した作業内容情報に係る作業に使用する作業ツールの選択を促し、当該質問文に対する返答として、前記ユーザによって選択された作業ツールの選択情報を取得する作業ツール選択情報取得手段を有し、
前記配置位置特定手段は、前記作業ツール選択情報取得手段が取得した作業ツール選択情報が示す作業ツールに割り当てられたスイムレーンを、当該作業ツールを表現する図形パーツの配置位置として特定し、
前記表示制御手段は、前記配置位置特定手段が特定した配置位置に、前記作業ツール選択情報取得手段が取得した作業ツール選択情報が示す作業ツールを表現する図形パーツを、前記作業内容情報取得手段が取得した作業内容情報が示す作業を表現する図形パーツと関連付けて配置した業務フローチャートを表示手段に表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の業務フローチャート作成支援システム。
【請求項5】
前記ユーザに対し、前記表示手段に質問文を表示して、前記表示手段に表示された前記業務フローチャートに配置されている複数の前記図形パーツのうち、接続を所望する2つの図形パーツを尋ねるコネクト情報問い合わせ手段と、
当該質問文に対する返答として、前記業務フローチャートに配置されている複数の図形パーツのうち、前記ユーザよって選択された図形パーツを特定するコネクト情報を取得するコネクト情報取得手段と、を有し、
前記表示制御手段は、前記コネクト情報取得手段が取得したコネクト情報が特定する2つの図形パーツをコネクタ接続して前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の業務フローチャート作成支援システム。
【請求項6】
前記ユーザに対し、前記表示手段に質問文を表示して、前記表示手段に表示された前記業務フローチャートに配置されている複数の前記図形パーツのうち、付加情報の表示を所望する図形パーツと、当該付加情報の内容を尋ねる付加情報問い合わせ手段と、
当該質問文に対する返答として、前記ユーザよって入力された付加情報の表示を所望する図形パーツを特定する図形パーツ特定情報と共に、前記ユーザよって入力された前記付加情報の内容を付加情報関連情報として取得する付加情報関連情報取得手段と、を有し、
前記表示制御手段は、前記付加情報関連情報取得手段が取得した前記付加情報関連情報に基づいて、前記図形パーツ特定情報が特定する図形パーツに、前記付加情報を関連付けて前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の業務フローチャート作成支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務フローチャートの作成を支援する技術に関し、特に、ユーザとの対話により業務フローチャートを作成する業務フローチャート作成支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、業務に係る課題を抽出して業務改善を図るために、複数の作業(タスク)からなる業務の流れを時系列で表す業務フローチャートを利用して、業務プロセスを改善、分析する方法がある。業務フローチャートは、各タスクの作業内容、作業段階、作業者等を時系列で表したものであり、業務の全体像を可視化することができるため、業務計画者が業務を策定する際や、コンサルタント等の専門家が顧客である企業に対して業務課題の改善策を提案、分析する際に大変有用である。
【0003】
業務フローチャートを作成するには、業務内容に関する深い業務知識が必要となる。そのため、コンサルタント等の専門家が業務に精通している業務責任者など顧客企業に対してヒアリングしながら、顧客の業務の目的や要求,解決課題等に基づき、これらを整理することで顧客の業務の理解を図り業務フローチャートを作成していた。
このような業務フローチャートを作成する方法として、特許文献1には、図形パーツライブラリを使用して、図形パーツ群を挿入しながら業務フローチャートを組み立てる方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-296357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術によれば、用意されたフローチャート用のテンプレートの中から必要なテンプレートを、マウスでドラッグアンドドロップしながら並べていき、業務フローチャートを作成することができる。しかし、業務内容の全体像を思い浮かべながら作成していく必要があり、業務全体を時系列で把握していなければならず簡易な作業ではない。
特に、顧客自身であっても、業務フローチャートを作る機会が少ない場合などは、作業の内容、作業者、作業の順番、使用するツール等を整理しながら時間軸で業務全体像をイメージすることは大変難しく、業務フローチャートを組み立てることができないという問題がある。また、コンサルタント等の専門家に業務フローチャートの作成を依頼する場合にはコストがかかる。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、業務フローチャートに関し高度な知識を備えていない者であっても、表示された質問文に返答するだけで容易に業務フローチャートを作成することができる業務フローチャート作成支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の業務フローチャート作成支援システムは、ユーザとの対話により、複数の図形パーツ及び複数のスイムレーンから構成される業務フローチャートを作成するための業務フローチャート作成支援システムにおいて、前記ユーザに対し、表示手段に質問文を表示して業務に携わる一又は複数の作業主体を尋ねる作業主体問い合わせ手段と、当該質問文に対する返答として、前記ユーザによって入力された前記作業主体の情報を取得する作業主体情報取得手段と、前記作業主体情報取得手段が取得した作業主体情報に基づいて作業主体ごとにスイムレーンを割り当てるレーン割り当て手段と、前記ユーザに対し、前記表示手段に質問文を表示して、一の作業内容を尋ねる作業内容問い合わせ手段と、当該質問文に対する返答として、前記ユーザよって入力された前記一の作業内容の情報を取得する作業内容情報取得手段と、前記ユーザに対し、前記表示手段に質問文を表示して、前記作業主体情報取得手段が取得した作業主体情報に含まれる作業主体のうち、前記一の作業内容に係る作業を行う作業主体の選択を促し、当該質問文に対する返答として、前記ユーザによって選択された作業主体の選択情報を取得する作業主体選択情報取得手段と、前記作業主体選択情報取得手段が取得した作業主体選択情報が示す作業主体に割り当てられたスイムレーンを、前記作業内容情報取得手段が取得した作業内容情報が示す作業を表現する図形パーツの配置位置として特定する配置位置特定手段と、前記配置位置特定手段が特定した配置位置に、前記作業内容情報取得手段が取得した作業内容情報が示す作業を表現する図形パーツを配置した業務フローチャートを前記表示手段に表示する表示制御手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
前記作業内容問い合わせ手段がユーザに対し次の作業内容を尋ね、前記作業内容情報取得手段が前記次の作業内容の情報を取得し、前記作業主体選択情報取得手段が前記次の作業内容に係る作業を行う作業主体の選択情報を取得して、前記配置位置特定手段が、前記作業主体選択情報取得手段が取得した作業主体選択情報に基づいて前記図形パーツの配置位置を特定し、前記表示制御手段が、前記配置位置特定手段が特定した配置位置に、前記作業内容情報取得手段が取得した作業内容情報が示す作業を表現する図形パーツを配置した業務フローチャートを前記表示手段に表示する、一連の各動作を繰り返し行うことにより、前記図形パーツを順次配置して前記業務フローチャートを作成していくよう構成してもよい。
【0009】
前記ユーザに対し、前記表示手段に質問文を表示して前記次の作業の一つ前の作業から、当該次の作業の間に存在する分岐情報(例えば、分岐の有無、種類など)を尋ねる分岐情報問い合わせ手段と、当該質問文に対する返答として、前記ユーザよって入力された前記分岐情報を取得する分岐情報取得手段と、を有し、前記配置位置特定手段は、前記一つ前の作業を表現する図形パーツと、前記次の作業を表現する図形パーツと、の間を、分岐を表現する図形パーツの配置位置として特定し、前記表示制御手段は、前記配置位置特定手段が特定した配置位置に、前記分岐情報取得手段が取得した前記分岐情報が示す分岐を表現する図形パーツを配置した業務フローチャートを前記表示手段に表示するよう構成してもよい。
【0010】
前記ユーザに対し、前記表示手段に質問文を表示して業務に使用する作業ツールの情報(例えば、ツールの有無、内容など)を尋ねる作業ツール問い合わせ手段と、当該質問文に対する返答として、前記ユーザよって入力された前記作業ツールの情報を取得する作業ツール情報取得手段と、を有し、前記レーン割り当て手段は、前記作業ツール情報取得手段が取得した作業ツール情報に基づいて作業ツール用のスイムレーンを割り当て、前記ユーザに対し、前記表示手段に質問文を表示して、前記作業ツール情報取得手段が取得した作業ツール情報に含まれる作業ツールのうち、前記作業内容情報取得手段が取得した作業内容情報に係る作業に使用する作業ツールの選択を促し、当該質問文に対する返答として、前記ユーザによって選択された作業ツールの選択情報を取得する作業ツール選択情報取得手段を有し、前記配置位置特定手段は、前記作業ツール選択情報取得手段が取得した作業ツール選択情報が示す作業ツールに割り当てられたスイムレーンを、当該作業ツールを表現する図形パーツの配置位置として特定し、前記表示制御手段は、前記配置位置特定手段が特定した配置位置に、前記作業ツール選択情報取得手段が取得した作業ツール選択情報が示す作業ツールを表現する図形パーツを、前記作業内容情報取得手段が取得した作業内容情報が示す作業を表現する図形パーツと関連付けて配置した業務フローチャートを表示手段に表示するよう構成してもよい。
【0011】
前記ユーザに対し、前記表示手段に質問文を表示して、前記表示手段に表示された前記業務フローチャートに配置されている複数の前記図形パーツのうち、接続を所望する2つの図形パーツを尋ねるコネクト情報問い合わせ手段と、当該質問文に対する返答として、前記業務フローチャートに配置されている複数の図形パーツのうち、前記ユーザよって選択された図形パーツを特定するコネクト情報を取得するコネクト情報取得手段と、を有し、前記表示制御手段は、前記コネクト情報取得手段が取得したコネクト情報が特定する2つの図形パーツをコネクタ接続して前記表示手段に表示するよう構成してもよい。
【0012】
前記ユーザに対し、前記表示手段に質問文を表示して、前記表示手段に表示された前記業務フローチャートに配置されている複数の前記図形パーツのうち、付加情報(例えば、オブジェクト・注釈など)の表示を所望する図形パーツと、当該付加情報の内容を尋ねる付加情報問い合わせ手段と、当該質問文に対する返答として、前記ユーザよって入力された付加情報の表示を所望する図形パーツを特定する図形パーツ特定情報と共に、前記ユーザよって入力された前記付加情報の内容を付加情報関連情報として取得する付加情報関連情報取得手段と、を有し、前記表示制御手段は、前記付加情報関連情報取得手段が取得した前記付加情報関連情報に基づいて、前記図形パーツ特定情報が特定する図形パーツに、前記付加情報を関連付けて前記表示手段に表示するよう構成してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の業務フローチャート作成支援システムによれば、ユーザとの対話により業務フローチャートを作成することができるため、業務フローチャートに関し高度な知識を備えていない者であっても、表示された質問文に返答するだけで容易に業務フローチャートを作成することができる。例えば、業務フローチャートを構成する処理ボックスとその配置、処理ボックス間のコネクティングの引き方、スイムレーンに関する知識がない場合などでも、作業主体に関する質問文や作業内容に関する質問文に返答するだけで業務フローチャートを作成できるため、顧客企業自らが業務フローチャートを作成でき、コンサルタント等の専門家に業務フローチャートの作成を依頼するコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態における業務フローチャート作成支援システムSの構成例を示す概略図である。
図2】業務フローチャート作成支援システムSにより作成された業務フローチャート101の一例である。
図3】作業一覧データベース(DB)の一例である。
図4】業務フローチャート作成支援システムSの動作の一例を示したシーケンス図である。
図5】業務フローチャート作成支援システムSの動作の一例を示したシーケンス図である。
図6】業務フローチャート作成支援システムSの動作の一例を示したシーケンス図である。
図7】ステップS103における表示手段23の表示画面の一例である。
図8】ステップS107における表示手段23の表示画面の一例である。
図9】レーン割り当て情報の一例である。
図10】ステップS112における表示手段23の表示画面の一例である。
図11】ステップS121における表示手段23の表示画面の一例である。
図12】ステップS125における表示手段23の表示画面の一例である。
図13】ステップS130における表示手段23の表示画面の一例である。
図14】ステップS133における表示手段23の表示画面の一例である。
図15】次作業候補37がポップアップ表示された表示画面の一例である。
図16】ステップS141における表示手段23の表示画面の一例である。
図17】作成中の業務フローチャートの一例である。
図18】図形パーツの配置が完了した業務フローチャートの例である。
図19】業務フローチャート作成支援システムSの動作の一例を示したシーケンス図である。
図20】ステップS151における表示手段23の表示画面の一例である。
図21】ステップS155における表示手段23の表示画面の一例である。
図22】業務フローチャート作成支援システムSの動作の一例を示したシーケンス図である。
図23】ステップS161における表示手段23の表示画面の一例である。
図24】ステップS165における表示手段23の表示画面の一例である。
図25】ステップS161における表示手段23の表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その効果を奏する限りにおいて種々変形(各実施例を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。また、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするために、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0018】
本実施形態による業務フローチャート作成支援システムSは、ユーザとの対話により、複数の図形パーツ及び複数のスイムレーンから構成される業務フローチャートを作成するための業務フローチャート作成支援システムにおいて、前記ユーザに対し、表示手段に質問文を表示して業務に携わる一又は複数の作業主体を尋ねる作業主体問い合わせ手段と、当該質問文に対する返答として、前記ユーザによって入力された前記作業主体の情報を取得する作業主体情報取得手段と、前記作業主体情報取得手段が取得した作業主体情報に基づいて作業主体ごとにスイムレーンを割り当てるレーン割り当て手段と、前記ユーザに対し、前記表示手段に質問文を表示して、一の作業内容を尋ねる作業内容問い合わせ手段と、当該質問文に対する返答として、前記ユーザよって入力された前記一の作業内容の情報を取得する作業内容情報取得手段と、前記ユーザに対し、前記表示手段に質問文を表示して、前記作業主体情報取得手段が取得した作業主体情報に含まれる作業主体のうち、前記一の作業内容に係る作業を行う作業主体の選択を促し、当該質問文に対する返答として、前記ユーザによって選択された作業主体の選択情報を取得する作業主体選択情報取得手段と、前記作業主体選択情報取得手段が取得した作業主体選択情報が示す作業主体に割り当てられたスイムレーンを、前記作業内容情報取得手段が取得した作業内容情報が示す作業を表現する図形パーツの配置位置として特定する配置位置特定手段と、前記配置位置特定手段が特定した配置位置に、前記作業内容情報取得手段が取得した作業内容情報が示す作業を表現する図形パーツを配置した業務フローチャートを前記表示手段に表示する表示制御手段と、を有することを必須の構成とする。
【0019】
図1は、本実施形態における業務フローチャート作成支援システムSの構成例を示す概略図である。
業務フローチャート作成支援システムSは、業務フローチャート作成支援サーバ1(以下、サーバ1と言う。)と、ネットワーク100を介してサーバ1と情報の授受を可能に接続された端末装置2A乃至2Dにより構成される。
【0020】
業務フローチャートの表記法は複数存在し、その一つに、国際標準化団体OMGが策定しているBPMN(Business Process Model and Notation)がある。BPMNは、業務プロセスの手順を最初から最後までモデル化するフローチャート手法であり、本実施形態では、業務フローチャートの表記法としてBPMNを採用した例に基づいて説明する。但し、本発明は業務フローチャートを記述するために一般的に必要とされる複数のタスク(作業)、分岐、接続の情報等を表現した業務フローチャートであれば、様々な業務フローチャートの表記法に適用可能である。
【0021】
図2に、業務フローチャート作成支援システムSにより作成された業務フローチャート101の一例を示す。横軸は時間の経過を表し、縦軸に複数のスイムレーンにより作業主体を表す。なお、作業主体とは、作業を行う者であり、例えば、作業担当者、作業担当部署、作業担当組織などを表す。
図形パーツとは、業務フローチャートにおける任意の作業、分岐、作業ツールを表現するためのグラフィックイメージである。例えば、図2では、四角形状の処理ボックスによる図形パーツにより作業(タスク)を表現している。
作業ツールとは、例えば、アプリケーションソフトウエア、システムツール、その他業務(作業)に使用する装置等の道具(ツール)である。
【0022】
業務フローチャートは複数の図形パーツと複数のスイムレーンより構成される。図2の業務フローチャート101は、作業主体が割り当てられた3つのスイムレーン(LaneNo.1~LaneNo.3)と、業務(作業)に使用する作業ツールが割り当てられたスイムレーン(LaneNo.4)の4つのスイムレーンにより構成される。業務フローチャート101は、作業(タスク)を表現する図形パーツ6個(SEQ1~SEQ6)、分岐を表現する図形パーツ1個(GW1)、作業ツールを表現する図形パーツ2個(システムX、システムY)により構成される。
【0023】
なお、業務フローチャート101の各処理ボックス、分岐、接続等の意味についてはBPMNに準拠しているので、詳細な説明を省略する。
また、業務フローチャート101に示すように、図形パーツとして、メールの授受を表現するグラフィックイメージ、締め切り日時を表現するグラフィックイメージなど、用途に合わせたグラフィックイメージを図形パーツとして用意してもよい。なお、本実施形態では、メールの授受を表現するグラフィックイメージ及び締め切り日時を表現するグラフィックイメージをオブジェクト(付加情報の一例)として業務フローチャートに配置・表示する例について後述している。
【0024】
サーバ1は、当該業務フローチャート作成支援システムSを設営するシステム提供事業者が備える装置である。サーバ1は、演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)、作業用RAM(Random Access Memory),各種データ及びプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)又はハードディスクドライブ等から構成されたコンピュータとしての制御部11、ハードディスクドライブ等を備える記憶部12、モニタ等の表示画面を備える表示部13、業務フローチャート作成支援システムSを設営する事業者からの指示を受け付け当該指示に応じた指示信号を制御部11に対して与える入力部(例えば、キーボード、マウス、操作パネル(タッチパネルを含む)等)14、各種ネットワーク(LAN(Local Area Network)を含む)を介して端末装置2A乃至2Dなどと通信を行うための通信部15を備えて構成されている。各構成部材はバスを介して相互に接続されている。
【0025】
制御部11は、例えば、プロセッサがメモリに保持されたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。プロセッサは、MPU(Micro processing Unit)、CPU、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphical Processing Unit)等を含んでよい。
記憶部12は、作業一覧データベース(DB)、履歴データベース(DB)等を記憶し、各データベースに後述する各種情報を格納している。
【0026】
なお、制御部11の各手段及び各機能は、ROM等に記憶されたプログラムに従って実行されているが、それぞれ独立した機器にて構成してもよく、クラウドコンピューティングによって構成してもよい。また、記憶部12は、クラウドサービスによって構成されてもよい。また、サーバ1の機能がSaaS(Software as a Service)形式で端末装置2A乃至2Dに提供されてもよい。
【0027】
制御部11は、他の部材と協動して本発明の作業主体問い合わせ手段、作業主体情報取得手段、レーン割り当て手段、作業ツール問い合わせ手段、作業ツール情報取得手段、配置位置特定手段、表示制御手段、作業内容問い合わせ手段、作業内容情報取得手段、作業主体選択情報取得手段、分岐情報問い合わせ手段、分岐情報取得手段、作業ツール選択情報取得手段、コネクト情報問い合わせ手段、コネクト情報取得手段、付加情報問い合わせ手段、付加情報関連情報取得手段として機能する。
【0028】
記憶部12の作業一覧データベース(DB)には、種々の作業内容が作業分類毎に対応付けて記憶されている。図3は、作業一覧データベース(DB)の一例である。
履歴データベース(DB)には、過去に作成した複数の業務フローチャートに基づいて、業務フローチャートにおける作業の発生確率及び作業の順番に関する作業内容情報が記憶されている。例えば、作業の内容「作業内容」と、次に発生する作業の候補である「次作業候補情報」が対応付けて登録されている。過去に作成した業務フローチャートを分析し、各作業について、次に発生した作業を発生確率順で登録しておく。業務の種類(業種別、企業・団体別、部門別など)、業務のフェーズ(業務概要・局面など)、業務フローの段階(初期段階、最終段階など)ごとに記憶してもよい。例えば、業務の種類が小売りで、業務のフェーズが経理処理であれば、「確認」作業の次は「受領」、「再確認」の後に「連絡」が来る、業務のフェーズが発注処理であれば、「商談」作業の次は「考察」又は「判断」、次いで「計算」など、次に発生する作業候補を記憶しておく。
【0029】
端末装置2A~2Dは、業務フローチャート作成支援システムS内に複数存在し、ネットワーク100を通じてサーバ1にアクセス可能な、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット型コンピュータなどで構成されている。端末装置2A乃至2Dは、例えば、業務フローチャート作成支援システムSを設営するシステム提供事業者の許可を得た顧客企業に備えられ、端末装置2A~2D上のWebブラウザ等を介してサーバ1にアクセスする。
【0030】
各端末装置2A~2Dは、演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)、作業用RAM(Random Access Memory),各種データ及びプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)又はハードディスクドライブ等から構成されたコンピュータとしての制御部21、ハードディスクドライブ等を備える記憶部(不図示)、モニタ、パネル等の表示画面を備え、サーバ1から送信される表示制御情報に基づいて表示画面に表示を行う表示手段23、ユーザからの指示を受け付け当該指示に応じた指示信号を制御部21に対して与える入力部(例えば、キーボード、マウス、操作パネル(タッチパネルを含む)等)24、各種ネットワーク(LAN(Local Area Network)を含む)を介してサーバ1などと通信を行うための通信部25を備えて構成されている。各構成部材はバスを介して相互に接続されている。
【0031】
制御部21は、例えば、プロセッサがメモリに保持されたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。プロセッサは、MPU(Micro processing Unit)、CPU、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphical Processing Unit)等を含んでよい。
端末装置2A~2Dを操作するユーザは、業務フローチャートを作成する者であり、例えば、業務計画者、業務責任者、工場長、グループ長、社員等、コンサルタント等の専門家である。
【0032】
例えば、ユーザが端末装置2Aを操作して、業務フローチャートの作成を開始すると、サーバ1からの質問文がユーザの操作する端末装置2Aの表示手段23に表示され、ユーザは入力部24を操作して質問に対する返答として情報を入力(選択)する。例えば作業内容を尋ねる質問、作業主体を尋ねる質問等がされる。サーバ1は、これに対する返答で得た情報に従って、作業を表現する図形パーツの配置位置を特定する。質問と返答を繰り返し行い、図形パーツの配置位置を順次特定していくことにより、業務フローチャートが作成される。このように、ユーザとの対話によって業務フローチャートが作成される。
【0033】
<業務フローチャート作成支援処理>
業務フローチャート作成支援システムSの動作の一例について説明する。業務フローチャート作成支援システムSの動作とは、当該システムSに含まれる各装置の構成要素間でやり取りされる動作である。以下では、ユーザが端末装置2Aを操作してサーバ1にアクセスし、新たな業務フローチャートを作成する場合の手順を例に挙げて説明する。
なお、以下の業務フローチャート作成支援システムSの動作において、サーバ1と端末装置2Aの間では、ネットワーク100および各通信部15、25を介して通信が実行される。ただし、以下では、特に言及しない限り、「ネットワーク100を介して」、「通信部15を介して」、「通信部25を介して」という説明を省略する。
【0034】
<1.図形パーツ配置>
図4乃至図6は、業務フローチャート作成支援システムSの動作の一例を示したシーケンス図である。当該シーケンス図は、図形パーツの配置の動作を示したものである。
ユーザが端末装置2Aを操作することによりサーバ1にアクセスし、新たな業務フローチャートの作成開始が指示されると(ステップS101)、サーバ1の制御部11は、作業主体問い合わせ手段として機能し、端末装置2Aの表示手段23に質問文を表示して業務に携わる一又は複数の作業主体を尋ねる。具体的には、当該質問文を含む表示制御情報を端末装置2Aに送信する(ステップS102)。端末装置2Aはサーバ1から質問文を含む表示制御情報を受信し、表示手段23が当該表示制御情報に基づいて質問文を含む表示画面を表示する(ステップS103)。
【0035】
図7は、ステップS103における表示手段23の表示画面の一例である。同図に示すように、表示内容は、業務に携わる一又は複数の作業主体を尋ねるための質問文31を含んで構成される。業務に携わる一又は複数の作業主体は、業務フローチャートにおける、いわば「登場人物」である。そのため、同図の例では「登場人物」と表現している。また、当該質問文31に対する返答として、ユーザが作業主体の情報を入力する入力欄32が表示される。
【0036】
ユーザが入力部24を操作して、入力欄32に作業主体の情報を入力し、表示画面上で保存ボタン33をクリック(選択)すると、入力された作業主体の情報がサーバ1に送信される(ステップS104)。そして、サーバ1の制御部11は、作業主体情報取得手段として機能し、端末装置2Aから送信された作業主体情報を取得する(ステップS105)。
【0037】
次に、サーバ1の制御部11は、作業ツール問い合わせ手段として機能し、端末装置2Aの表示手段23に質問文を表示して業務に使用する作業ツールを尋ねる。具体的には、当該質問文を含む表示制御情報を端末装置2Aに送信する(ステップS106)。端末装置2Aはサーバ1から質問文を含む表示制御情報を受信し、表示手段23が当該表示制御情報に基づいて表示画面を表示する(ステップS107)。
【0038】
図8は、ステップS107における表示手段23の表示画面の一例である。同図に示すように、表示内容は、業務において使用する作業ツールを尋ねるための質問文31を含んで構成される。また、当該質問文31に対する返答として、ユーザが作業ツールの情報を入力する入力欄32が表示される。
ユーザが入力部24を操作して、入力欄32に作業ツールの情報を入力し、表示画面上で保存ボタン33をクリック(選択)すると、入力された作業ツールの情報がサーバ1に送信される(ステップS108)。そして、サーバ1の制御部11は、作業ツール情報取得手段として機能し、端末装置2Aから送信された作業ツール情報を取得する(ステップS109)。
【0039】
次に、サーバ1の制御部11は、レーン割り当て手段として機能し、ステップS105で取得した作業主体情報に基づいて、作業主体ごとにスイムレーンを割り当てる(ステップS110)。また、ステップS109で取得した作業ツール情報に基づいて、作業ツール用のスイムレーンを割り当てる。なお、本実施形態では、複数の作業ツールがある場合であっても、全ての作業ツールを一つのスイムレーンに割り当てたが、作業ツールごとに作業ツール用のスイムレーンを割り当ててもよい。レーン割り当て手段によって割り当てられたレーン割り当て情報は、記憶部12に格納される。図9に記憶部12に格納されたレーン割り当て情報の一例を示す。
【0040】
制御部11は、レーン割り当て情報に基づいて業務フローチャートの枠組みイメージを表示するための表示制御情報を生成し、端末装置2Aに送信する(ステップS111)。端末装置2Aは、サーバ1から送信された表示制御情報に基づいて業務フローチャートの枠組みイメージを表示画面に表示する(ステップS112)。
【0041】
図10は、ステップS112における表示手段23の表示画面の一例である。業務フローチャートの枠組みイメージを表示画面に表示することにより、ユーザは自分が入力設定した作業主体情報が割り当てられたスイムレーンを見て、これから作成していく業務フローチャートのイメージが湧き易くなる。
なお、この段階では、作業ツールを業務フローチャート中のどの作業にどのタイミングで使用するか不明であるため、作業ツールを示す図形パーツを業務フローチャートに配置できない。しかし、ユーザが入力設定した作業ツール情報が一目でわかるよう、図10に示す如く作業ツールの図形パーツを作業ツール用のスイムレーンの近くに表示しておいてもよく、あるいは、業務フローチャートの任意の仮位置に配置しておいてもよい。
【0042】
次いで、ユーザが入力部24を操作して、表示画面上で確認ボタン35をクリック(選択)すると、業務フローチャートの枠組みイメージを確認したことを通知する認証情報がサーバ1に送信され(ステップS113)、サーバ1は当該認証情報を受信するとステップS120へ移行する。
次に、サーバ1の制御部11は、ユーザとの対話により作業を表現する図形パーツを順次配置しながら業務フローチャートを作成していく(ステップS120乃至ステップS147)。
【0043】
先ず、サーバ1の制御部11は、作業内容問い合わせ手段として機能し、端末装置2Aの表示手段23に質問文を表示して一の作業内容の一例としての最初の作業の内容を尋ねる。具体的には、当該質問文を含む表示制御情報を端末装置2Aに送信する(ステップS120)。端末装置2Aはサーバ1から質問文を含む表示制御情報を受信し、表示手段23が当該表示制御情報に基づいて表示画面を表示する(ステップS121)。
【0044】
図11は、ステップS121における表示手段23の表示画面の一例である。同図に示すように、表示内容は、一の作業内容の一例としての最初の作業の内容を尋ねるための質問文31を含んで構成される。また、当該質問文31に対する返答として、ユーザが作業内容の情報を入力する入力欄32が表示され、ユーザが入力部24を操作して、当該入力欄32に作業内容の情報を入力する。
さらに、本実施形態では、表示内容に当該作業を行う作業主体の選択を促すための質問文31を含む。そして、当該質問文31に対する返答として、ユーザが作業主体を選択入力するための入力欄32が表示され、ユーザが入力部24を操作して、当該入力欄32に作業主体を選択入力する。
【0045】
ユーザが入力部24を操作して、表示画面上で反映ボタン34をクリック(選択)すると、入力された作業内容情報及び作業主体選択情報がサーバ1に送信される(ステップS122)。そして、サーバ1の制御部11は、作業内容情報取得手段、作業主体選択情報取得手段として機能し、端末装置2Aから送信された作業内容情報及び作業主体選択情報を取得する(ステップS123)。
【0046】
続いて、サーバ1の制御部11は作業に使用する作業ツールに関する質問文を含む表示制御情報を端末装置2Aに送信し(ステップS124)、端末装置2Aはサーバ1から表示制御情報を受信し、表示手段23が当該表示制御情報に基づいて表示画面を表示する(ステップS125)。
【0047】
図12は、ステップS125における表示手段23の表示画面の一例である。同図に示すように、表示内容は、作業に使用する作業ツールの選択を促すための質問文31を含んで構成される。なお、同図の質問文31においてシーケンスNo.はSEQNo.Nとしているが、実際には現在入力中の作業に付与されたシーケンスNo.が記載される。そして、当該質問文31に対する返答として、ユーザが作業ツールを選択入力するための入力欄32が表示され、ユーザが入力部24を操作して、当該入力欄32に作業ツールを選択入力する。なお、作業ツールの選択には、作業に使用する作業ツールがない場合の選択肢「ツールなし」を含む。
【0048】
さらに、本実施形態では、図12に示す如く、当該作業ツールに対する具体的な動作を尋ね、これに対する返答として具体的動作を選択入力できるよう構成した。具体的な動作とは、例えば、作業ツールがシステムXである場合には、当該システムXへのデータ入力(UL)、当該システムXからのデータの取得(DL)、データ入力後にデータ取得(UL,DL)、又は、データ取得後にデータ入力(再入力)(DL,UL)等である。本実施形態では、作業ツール選択情報に具体的動作内容情報を含む。ユーザが入力部24を操作して、表示画面上で反映ボタン34をクリック(選択)すると、入力された作業ツール選択情報がサーバ1に送信される(ステップS126)。
【0049】
そして、サーバ1の制御部11は、作業ツール選択情報取得手段として機能し、端末装置2Aから送信された作業ツール選択情報を取得する(ステップS127)。
サーバ1の制御部11は、配置位置特定手段として機能し、ステップS123で取得した作業主体選択情報が示す作業主体に割り当てられたスイムレーンを、ステップS123で取得した作業内容情報が示す作業を表現する図形パーツの配置位置として特定する(ステップS128)。また、ステップS127で取得した作業ツール選択情報が示す作業ツールがある場合には、作業ツールに割り当てられたスイムレーンを、当該作業ツールを表現する図形パーツの配置位置として特定する(ステップS128)。
【0050】
そして、サーバ1の制御部11は、表示制御手段として機能し、ステップS128で特定した配置位置に、ステップS123で取得した作業内容情報が示す作業を表現する図形パーツを配置した業務フローチャートを表示するための表示制御情報を端末装置2Aに送信し(ステップS129)、端末装置2Aの表示手段23が当該表示制御情報に基づいて業務フローチャートを表示する(ステップS130)。なお、ステップS127で取得した作業ツール選択情報が示す作業ツールがある場合には、当該作業ツールを表現する図形パーツを、ステップS123で取得した作業内容情報が示す作業を表現する図形パーツと関連付けて配置した業務フローチャートを表示するための表示制御情報が生成されて端末装置2Aに送信される。
【0051】
図11に示すように、ユーザが入力欄32に入力する作業内容情報は文章である。サーバ1の制御部11は、端末装置2Aから作業内容情報として入力された文章を取得し、記憶部12の作業一覧データベース(DB)を参照し、作業内容情報に最も適合する作業分類を選択する。そして、選択された作業分類の処理ボックスを、作業を表現する図形パーツとして生成して用いる。図11の例では、ユーザにより作業内容情報として入力された「お客様から注文をメール受領」を作業内容情報として取得する。サーバ1の制御部11は、作業一覧データベース(DB)を参照し、取得した作業内容情報に最も適合する作業分類「受領」を選択し、「受領」処理ボックスの図形パーツを生成する。
【0052】
図13は、ステップS130における表示手段23の表示画面の一例である。同図は、図11の表示画面において作業主体情報として「A担当」が選択され、図12にて作業ツール選択情報として「ツールなし」が選択された場合の例である。「受領」処理ボックスの図形パーツが、作業主体であるA担当のスイムレーン(LaneNo.1)に配置される。なお、制御部11は、作業内容を問い合わせるごとに、当該作業を一意に特定するためのシーケンスNo.を付与する。そして、作業を表現する図形パーツを配置する度に又は作業内容情報を取得する度に、シーケンスNo.に対応付けて、作業主体情報、スイムレーンを特定するLaneNo.、作業内容情報、作業ツール情報を、業務フローチャートを構成するテーブルデータとして記憶部12に記憶していく。
【0053】
また、本実施形態では、図13に示すように、作業に付与されたシーケンスNo.を図形パーツと共に表示した。これにより、ユーザは配置された図形パーツが表す作業が何番目の作業であるかを一目で理解することができる。
さらに、本実施形態では、図12に示すように、作業に使用する作業ツールの選択を促すための質問文31中に、当該作業に付与されたシーケンスNo.(SEQNo.N)(Nは自然数)を表記した。これにより、ユーザは何番目の作業についての質問かを一目で理解することができる。
【0054】
次いで、ユーザが入力部24を操作して、表示画面上で確認ボタン35をクリック(選択)すると、業務フローチャートを確認したことを通知する認証情報がサーバ1に送信され(ステップS131)、サーバ1は認証情報を受信するとステップS132へ移行し、引き続き作業を表す図形パーツの配置処理を行う。
ステップS132からステップS139の処理において、サーバ1の制御部11が各手段として機能し、作業内容情報、作業主体選択情報、作業ツール選択情報を取得する。ステップS132からステップS139の詳細は、上述したステップS120からステップS127の処理と同様の部分に関しては、詳細な説明を省略する。
【0055】
図14は、ステップS133における表示手段23の表示画面の一例である。同図に示すように、表示内容は、次の作業内容を尋ねるための質問文31を含んで構成される。なお、同図の質問文31においてシーケンスNo.を(SEQNo.N+1)としているが、実際には入力中の作業に付与されたシーケンスNo.が記載される。ユーザが入力部24を操作して、入力欄32に次の作業内容の情報を入力する。
【0056】
さらにユーザが入力部24を操作して、リコメンドヒントボタン36をクリック(選択)することにより、次の作業の候補が表示されるよう構成してもよい。具体的には、ユーザの操作によりリコメンドヒントボタン36がクリック(選択)されると、推薦作業内容要求情報が端末装置2Aからサーバ1に送信される。推薦作業内容要求情報には、現在作成中の業務フローチャートに係る業務に関する情報(業務の種類、業務のフェーズ、業務フローの段階など)と、一つ前の作業内容情報を含む。
【0057】
サーバ1は、端末装置2Aから推薦作業内容要求情報を受信すると、記憶部12の履歴データベース(DB)を参照して、受信した推薦作業内容要求情報に含まれる業務に関する情報と一つ前の作業内容情報に基づいて、次に発生する作業の候補である「次作業候補情報」を抽出し、端末装置2Aへ送信する。端末装置2Aは、サーバ1から「次作業候補情報」を受信すると、表示手段23の表示画面に次作業候補情報を表示させて次の作業候補をリコメンドする。
【0058】
図15は次作業候補37がポップアップ表示された表示画面の一例である。これにより、業務フローチャートの作成が慣れないユーザであっても、リコメンドされた作業候補の中から次の作業内容を選び、又は、リコメンドされた作業候補がヒントとなって次の作業内容が想起され入力することができる。
【0059】
続いて、ステップS140にて、制御部11は分岐情報問い合わせ手段として機能し、端末装置2Aの表示手段23に質問文を表示して次の作業の一つ前の作業から、当該次の作業の間に存在する分岐情報を尋ねる。具体的には、当該質問文を含む表示制御情報を端末装置2Aに送信する(ステップS140)。端末装置2Aはサーバ1から質問文を含む表示制御情報を受信し、表示手段23が当該表示制御情報に基づいて表示画面を表示する(ステップS141)。
【0060】
図16は、ステップS141における表示手段23の表示画面の一例である。同図に示すように、表示内容は、次の作業の一つ前の作業(SEQNo.N)から、次の作業(SEQNo.N+1)の間に存在する分岐情報(分岐の有無、分岐の種類)を尋ねるための質問文31を含んで構成される。なお、質問文31は、ユーザが読んだときに容易に理解できるよう、「次の作業の一つ前の作業」を単に「前の作業」と表現し、「次の作業」を「今回の作業」と表現している。
【0061】
また、当該質問文31に対する返答として、ユーザが分岐情報を入力する入力欄32が表示される。ユーザが入力部24を操作して、当該入力欄32に分岐情報を入力し、表示画面上で反映ボタン34をクリック(選択)すると、入力された分岐情報がサーバ1に送信される(ステップS142)。そして、サーバ1の制御部11は、分岐情報取得手段として機能し、端末装置2Aから送信された分岐情報を取得する(ステップS143)。なお、分岐が発生する「次の作業の一つ前の作業」を特定するシーケンスNo.と、「次の作業」を特定するシーケンスNo.の情報が、分岐情報と共に送信される。
【0062】
サーバ1の制御部11は、ステップS135で取得した作業内容情報及び作業主体選択情報、及び、ステップS139で取得した作業ツール選択情報、ステップS142で取得した分岐情報に基づいて、各図形パーツの配置位置を特定する(ステップS144)。
【0063】
ステップS142で取得した分岐情報が、「分岐なし」ではない場合、制御部11は、分岐情報に基づいて分岐を表現する図形パーツを生成する。そして、分岐情報と共に送信された、「次の作業の一つ前の作業」を特定するシーケンスNo.と、「次の作業」を特定するシーケンスNo.の情報に基づいて、一つ前の作業を表現する図形パーツと、次の作業を表現する図形パーツと、の間を、分岐を表現する図形パーツの配置位置として特定する。なお、作業主体選択情報に基づいて作業内容情報が示す作業を表現する図形パーツの配置位置を特定する手順、作業ツール選択情報に基づいて作業ツールを表現する図形パーツの配置位置を特定する手順は、ステップS128の説明にて詳述したため説明を省略する。
【0064】
そして、各図形パーツを配置した業務フローチャートを表示するための表示制御情報を端末装置2Aに送信し(ステップS145)、端末装置2Aの表示手段23が当該表示制御情報に基づいて業務フローチャートを表示する(ステップS146)。なお、制御部11は、各分岐に対し、当該分岐を一意に特定するための分岐No(GWNo.)を付与する。
【0065】
ユーザが入力部24を操作して、業務フローチャートが表示された表示画面上で確認ボタン35をクリック(選択)すると、業務フローチャートを確認したことを通知する認証情報がサーバ1に送信され(ステップS147)、サーバ1の制御部11は、認証情報を受信すると再びステップS132へ移行し、ステップS132からステップS147の一連の制御を繰り返し実行する。
【0066】
図17は、ユーザとの対話により一連の制御を繰り返し実行して作成中の業務フローチャートの一例である。同図は、シーケンスNo.が「SEQ4」の作業を表現する処理ボックスの図形パーツが配置されたところまでの業務フローチャートである。
同図の例は、4つの処理ボックスの図形パーツ(SEQ1、SEQ2、SEQ3、SEQ4)と、1つの分岐を表現する図形パーツ(GW1)が配置されている。また、「入力」処理ボックスの図形パーツ(SEQ4)に関連付けて、当該作業に使用する作業ツールを表現する図形パーツが配置されている。作業を表現する図形パーツと、作業ツールを表現する図形パーツの関連付け配置の一例として、作業ツールに対する具体的動作を示す図形パーツと共に配置されている。具体的には、SEQ4の作業(入力)において、作業ツールであるシステムXへのデータ入力(UL)を示す点線コネクタの図形パーツと、システムXからのデータ取得(DL)を示す点線コネクタの図形パーツが配置されている。
【0067】
ユーザが入力部24を操作して、表示画面上で完了ボタン38をクリック(選択)すると、ステップS147において、図形パーツの配置が完了したことを通知する認証情報がサーバ1に送信される。図18は、図形パーツの配置が完了した業務フローチャートの例である。
次に、上述した処理により、図形パーツの配置が完了した業務フローチャートを用いて、引き続きユーザとの対話により業務フローチャートを完成させていく。
【0068】
<2.図形パーツのコネクト接続>
図19は、業務フローチャート作成支援システムSの動作の一例を示したシーケンス図である。図形パーツの配置が完了したことを通知する認証情報がサーバ1に送信されたことにより処理が開始される。
【0069】
サーバ1の制御部11は、コネクト情報問い合わせ手段として機能し、端末装置2Aの表示手段23に質問文を表示して、表示手段23に表示された業務フローチャートに配置されている複数の図形パーツのうち、接続を所望する2つの図形パーツを尋ねる。具体的には、当該質問文を含む表示制御情報を端末装置2Aに送信する(ステップS150)。端末装置2Aはサーバ1から質問文を含む表示制御情報を受信し、表示手段23が当該表示制御情報に基づいて質問文を含む表示画面を表示する(ステップS151)。
【0070】
図20は、ステップS151における表示手段23の表示画面の一例である。同図に示すように、表示内容は、接続を所望するコネクト元の図形パーツを特定する(SEQNo.)又は(GWNo.)と、コネクト先の図形パーツを特定する(SEQNo.)又は(GWNo.)の選択を促す質問文31を含んで構成される。
【0071】
また、当該質問文31に対する返答として、ユーザが接続を所望する2つの図形パーツ、すなわち、コネクト元の図形パーツを特定する(SEQNo.)又は(GWNo.)と、コネクト先の図形パーツを特定する(SEQNo.)又は(GWNo.)を選択入力するための入力欄32が表示され、ユーザが入力部24を操作して、当該入力欄32にて各図形パーツを選択入力する。ユーザが入力部24を操作して、表示画面上で反映ボタン34をクリック(選択)すると、入力された各図形パーツを特定する(SEQNo.)又は(GWNo.)が、接続を所望する2つの図形パーツを特定するコネクト情報としてサーバ1に送信される(ステップS152)。
【0072】
そして、サーバ1の制御部11は、コネクト情報取得手段として機能し、端末装置2Aから送信されたコネクト情報を取得する(ステップS153)。
サーバ1の制御部11は、取得したコネクト情報が特定する2つの図形パーツをコネクタ接続して表示手段23に表示するための表示制御情報を端末装置2Aに送信し(ステップS154)、端末装置2Aの表示手段23が当該表示制御情報に基づいてコネクト情報が特定する2つの図形パーツがコネクタ接続された業務フローチャートを表示する(ステップS155)。
【0073】
図21は、ステップS155における表示手段23の表示画面の一例である。同図は、コネクト情報によりコネクト元の図形パーツとしてSEQ1が選択され、コネクト先の図形パーツとしてSEQ2が選択された場合の例である。
【0074】
ユーザが入力部24を操作して、表示画面上で確認ボタン35をクリック(選択)すると、今回のコネクト接続を確認したことを通知する認証情報がサーバ1に送信され(ステップS156)、サーバ1は認証情報を受信すると再びステップS150へ移行し、ステップS150からステップS156の一連の制御を繰り返し実行する。
ユーザが入力部24を操作して、表示画面上で完了ボタン38をクリック(選択)すると、ステップS156において、所望のコネクト接続が完了したことを通知する認証情報がサーバ1に送信され、コネクト接続処理が終了する。
【0075】
<3.付加情報の配置>
図22は、業務フローチャート作成支援システムSの動作の一例を示したシーケンス図である。所望のコネクト接続が完了したことを通知する認証情報がサーバ1に送信されたことにより処理が開始される。
【0076】
サーバ1の制御部11は、付加情報問い合わせ手段として機能し、端末装置2Aの表示手段23に質問文を表示して、表示手段23に表示された業務フローチャートに配置されている複数の図形パーツのうち、付加情報(オブジェクト・注釈)の表示を所望する図形パーツと、当該付加情報の内容を尋ねる。具体的には、当該質問文を含む表示制御情報を端末装置2Aに送信する(ステップS160)。端末装置2Aはサーバ1から質問文を含む表示制御情報を受信し、表示手段23が当該表示制御情報に基づいて質問文を含む表示画面を表示する(ステップS161)。
【0077】
図23は、ステップS161における表示手段23の表示画面の一例である。同図に示すように、表示内容は、付加情報の表示を所望する図形パーツを特定する(SEQNo.)又は(GWNo.)の選択を促す質問文31と、付加情報の内容の選択を促す質問文31を含む。また、当該質問文31に対する返答として、ユーザが図形パーツを特定する(SEQNo.)又は(GWNo.)を選択入力するための入力欄32が表示され、ユーザが入力部24を操作して、当該入力欄32に図形パーツを特定する(SEQNo.)又は(GWNo.)を選択入力する。
【0078】
図23は、付加情報の内容の一例としてオブジェクトを用いた場合の例である。ユーザがオブジェクトを選択入力するための入力欄32が表示され、ユーザが入力部24を操作して、当該入力欄32にてオブジェクトを選択入力する。同図の例では、時間設定を表すオブジェクトが選択されている。
【0079】
そして、ユーザが入力部24を操作して、表示画面上で反映ボタン34をクリック(選択)すると、図形パーツを特定する図形パーツ特定情報と、オブジェクトが付加情報関連情報としてサーバ1に送信される(ステップS162)。
そして、サーバ1の制御部11は、付加情報関連情報取得手段として機能し、端末装置2Aから送信された付加情報関連情報を取得する(ステップS163)。
【0080】
サーバ1の制御部11は、取得した付加情報関連情報に基づいて、当該付加情報関連情報に含まれる図形パーツ特定情報が特定する図形パーツに、オブジェクトを関連付けて表示手段23に表示するための表示制御情報を端末装置2Aに送信し(ステップS164)、端末装置2Aの表示手段23が当該表示制御情報に基づいて、図形パーツ特定情報が特定する図形パーツに、付加情報を関連付けて配置した業務フローチャートを表示する(ステップS165)。
【0081】
図24は、ステップS165における表示手段23の表示画面の一例である。同図は、図形パーツ特定情報により図形パーツとしてSEQ6が選択され、時間設定を表すオブジェクトがSEQ6の図形パーツに関連付けて配置表示された場合の例である。SEQ6の図形パーツが示す「確認」の作業までの締め切り日時が決められている場合に、これをオブジェクトにて表示することができ、一目で把握できるため有用である。
【0082】
ユーザが入力部24を操作して、表示画面上で確認ボタン35をクリック(選択)すると、付加情報が配置された業務フローチャートを確認したことを通知する認証情報がサーバ1に送信され(ステップS166)、サーバ1は認証情報を受信すると再びステップS150へ移行し、ステップS160からステップS166の一連の制御を繰り返し実行する。
ユーザが入力部24を操作して、表示画面上で完了ボタン38をクリック(選択)すると、ステップS166において、所望の付加情報の配置が完了したことを通知する認証情報がサーバ1に送信され、付加情報の配置処理が終了する。
【0083】
なお、上述した付加情報の配置は、付加情報の内容の一例であるオブジェクトを例に説明したが、付加情報はオブジェクトに限定されるものではない。例えば、図形パーツに対して注釈を表示したい場合に当該注釈を付加情報としてもよい。注釈とは、例えば、所望の図形パーツが表現する作業/分岐/作業ツールに対する注意事項、確認事項などであり、自由に記載することができる。
【0084】
図25は、ステップS161における表示手段23の表示画面の一例である。同図に示す例は、注釈を付加情報の内容の一例とした場合の例である。ユーザが注釈を選択入力するための入力欄32が表示され、ユーザが入力部24を操作して、当該入力欄32にて注釈を入力する。例えば、「確認」作業を表現する図形パーツに対して、「前回調査の内容と突き合わせる」「システムYの登録データと申込書データに誤りがないか確認する」などを注釈として入力する。
【0085】
なお、付加情報として配置したオブジェクトに対し、さらに付加情報として注釈を表示するよう構成してもよい。この場合、制御部11は、付加情報としてオブジェクトを配置する際に、当該オブジェクトを一意に特定するためのオブジェクトNo.(OBJNo.)を付与する。そして、オブジェクトを図形パーツの一例とし、端末装置2Aの表示手段23に質問文を表示する際に、業務フローチャートに配置されている複数の図形パーツのうち、付加情報の表示を所望する図形パーツを尋ねる際、選択肢として(SEQNo.)又は(GWNo.)又は(OBJNo.)から選択入力する入力欄32を表示し、ユーザがオブジェクトを選択できるよう構成する。
例えば、ユーザがSEQ6の図形パーツに関連付けて配置表示された時間設定を表すオブジェクトを、注釈表示を所望する図形パーツとして選択した場合、「翌営業日まで」などの注釈を入力することにより、時間設定の具体的な内容/指示が一目で把握でき有用である。
【0086】
なお、業務フローチャート101(図2)は、1.図形パーツの配置、2.コネクト接続、3.付加情報の配置を行って作成された業務フローチャートの一例であるが、当該業務フローチャート101において、オブジェクトNo.は図示を省略している。また、作業ツールに対し、当該作業ツールを一意に特定するためのツールNo.(ToolNo.)を付与してもよい。これにより、ユーザに対し付加情報の表示を所望する図形パーツを尋ねる際、選択肢として(ToolNo.)を加え、作業ツールを表現する図形パーツに対して付加情報(注釈・オブジェクトなど)を表示できるよう構成することができる。
【0087】
また、本実施形態では、業務フローチャート作成支援システムSの動作として、1.図形パーツの配置、2.コネクト接続、3.付加情報の配置と順に説明したが、業務フローチャートの作成中、所望のタイミングで所望の処理を行ってもよい。例えば、図形パーツの配置が全て完了する前に、コネクトの接続及び付加情報の配置を行ってもよい。或いは、コネクト接続及び付加情報の配置を行った後も、図形パーツの配置処理(ステップS132~S147)を実行可能に構成してもよい。さらに、コネクト接続しながら、付加情報を配置してもよい。
【0088】
例えば表示手段23の表示画面に図形パーツ配置処理開始ボタン、コネクト接続処理開始ボタン、付加情報配置処理開始ボタンなどを表示し、ユーザが入力部24を操作して、表示画面上で当該ボタンをクリック(選択)することにより、該当する処理の開始指示がサーバ1に送信され、制御部11の制御により該当する処理が開始されるよう構成すればよい。具体的には、図形パーツ配置処理が指示された場合にはステップS132からの処理を実行し、コネクト接続処理が指示された場合にはステップS150からの処理を実行し、付加情報配置処理が指示された場合にはステップS160からの処理を実行する。
【0089】
以上説明した本実施形態による業務フローチャート作成支援システムSによれば、ユーザとの対話により業務フローチャートを作成することができるため、業務フローチャートに関し高度な知識を備えていない者であっても、表示された質問文に返答するだけで容易に業務フローチャートを作成することができる。
【0090】
例えば、業務フローチャートを構成する処理ボックスとその配置、処理ボックス間のコネクティングの引き方、スイムレーンに関する知識がない場合などでも、作業主体に関する質問文や作業内容に関する質問文に返答するだけで業務フローチャートを作成できる。
【0091】
さらに、本実施形態では、表示手段23に表示された質問文に対する返答を入力した後、「反映」ボタンを選択すると、ユーザが入力した情報がサーバ1に送信され、制御部11の各手段がこれを取得して、当該情報に基づいて業務フローチャートを表示手段23に表示させるため、ユーザは、業務フローチャートの作成状況をリアルタイムで把握することができる。
【0092】
本発明の適用範囲は上述した実施形態に限定されることはない。本発明の業務フローチャート作成支援システムSが備える各手段をサーバ1が備えた構成としたが、複数の装置が互いにアクセス可能に構成されて成るシステムによって実現されてもよい。
【符号の説明】
【0093】
S 業務フローチャート作成支援システム
1 業務フローチャート作成支援サーバ
11 制御部
12 記憶部
13 表示部
14 入力部
15 通信部
2A~2D 端末装置
21 制御部
23 表示手段
24 入力部
25 通信部
【要約】
【課題】
業務フローチャートに関し高度な知識を備えていない者であっても、表示された質問文に返答するだけで容易に業務フローチャートを作成することができる業務フローチャート作成支援システム等を提供する。
【解決手段】
ユーザとの対話により、複数の図形パーツ及び複数のスイムレーンから構成される業務フローチャートを作成するためのシステムSであり、ユーザに対し、表示手段23に質問文を表示して業務に携わる一又は複数の作業主体を尋ね、当該質問文に対する返答として、ユーザによって入力された作業主体の情報を取得し、取得した作業主体情報に基づいて作業主体ごとにスイムレーンを割り当てる。さらにユーザに対し、質問文を表示して、一の作業内容を尋ねて一の作業内容の情報を取得し、取得した作業内容情報が示す作業を表現する図形パーツを配置した業務フローチャートを表示手段23に表示する。
【選択図】図1
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