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特許7545159ペーパーアングルを利用した梱包用容器の組み立てキット
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  • 特許-ペーパーアングルを利用した梱包用容器の組み立てキット 図1
  • 特許-ペーパーアングルを利用した梱包用容器の組み立てキット 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】ペーパーアングルを利用した梱包用容器の組み立てキット
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/44 20060101AFI20240828BHJP
   B65D 77/26 20060101ALI20240828BHJP
【FI】
B65D5/44 E
B65D77/26 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020181030
(22)【出願日】2020-10-29
(65)【公開番号】P2022071906
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-07-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2020年8月7日、平田紙管株式会社が株式会社エイワ産業 玖珂工場に、平田隼也が発明したペーパーアングルを利用した梱包用容器の組み立てキットを譲渡した。
(73)【特許権者】
【識別番号】595022865
【氏名又は名称】平田紙管株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091719
【弁理士】
【氏名又は名称】忰熊 嗣久
(72)【発明者】
【氏名】平田 隼也
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭47-014576(JP,U)
【文献】実開平03-049963(JP,U)
【文献】特開2002-219746(JP,A)
【文献】特開2007-254027(JP,A)
【文献】実開昭58-130928(JP,U)
【文献】実開昭54-021044(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/44
B65D 77/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
六面体の梱包用容器に組み上がる組み立てキットであって、
第1のペーパーアングルの断面L字状の一側の面部に対して、折曲げ位置を基点として90度の放射状に打ち抜き刃で打ち抜き、当該折曲げ位置で第1のペーパーアングルの他側の面部の外側に圧縮によるU字溝を設け、当該U字溝のところで山折りされて一周した囲み枠に、第1のペーパーパネルからなる天井面を接着して形成された上下の蓋部材と、

前記梱包用容器の周囲の四側面の内、対向する二側面を構成する長方形状の第2のペーパーパネルの一対の辺に対して第2のペーパーアングルの断面L字状の片方一側の面部が接着された支持側面部材であって、前記第2のペーパーアングルの内角側において、断面L字状の他方の面部と前記第2のペーパーパネルの一辺端面が間隔(d)を開けるように、前記片方一側の面部が前記第2のペーパーパネルの一表面側に接着され、当該間隔(d)により案内溝が形成された左右の支持側面部材と、

前記間隔(d)に相当する厚さを有する長方形状の第3のペーパーパネルからなり、前記梱包用容器の周囲の四側面内、対向する他の二側面を構成する差し込み側面部材とを具備し、

1つの前記蓋部材の凹みを上向きにし、前記天井面の左右の対辺の夫々に沿って前記支持側面部材を置き、前記差し込み側面部材を対向する案内溝に差し込み、その上に他の前記蓋部材を被せて組み立てることを特徴とする梱包用容器の組み立てキット。
【請求項2】
六面体の梱包用容器に組み上がる組み立てキットであって、
第1のペーパーアングルの断面L字状の一側の面部に対して、折曲げ位置を基点として90度の放射状に打ち抜き刃で打ち抜き、当該折曲げ位置で第1のペーパーアングルの他側の面部の外側に圧縮によるU字溝を設け、当該U字溝のところで山折りされて一周した囲み枠に、第1のペーパーパネルからなる天井面を接着して形成された上下の蓋部材と、

前記梱包用容器の周囲の四側面の内、対向する二側面を構成する長方形状の第2のペーパーパネルの一対の辺の表裏の夫々の面に、2つの第2のペーパーアングルの断面L字状の片方一側の面部が夫々1つずつ接着され、かつ夫々の前記第2のペーパーアングルの断面L字状の片方他側の面部は第2のペーパーパネルの同一側に突出し、また突出した片方他側の面部が間隔(d)を開けられて接着されており、当該間隔(d)により案内溝が形成された左右の支持側面部材と、

前記間隔(d)に相当する厚さを有する長方形状の第3のペーパーパネルからなり、前記梱包用容器の周囲の四側面内、対向する他の二側面を構成する差し込み側面部材とを具備し、

1つの前記蓋部材の凹みを上向きにし、前記天井面の左右の対辺の夫々に沿って前記支持側面部材を置き、前記差し込み側面部材を対向する案内溝に差し込み、その上に他の前記蓋部材を被せて組み立てることを特徴とする梱包用容器の組み立てキット。
【請求項3】
請求項1若しくは、請求項2の梱包用容器に組み上がる組み立てキットであって、当該組み立てキットが組立てられた組立状態で対向する前記支持側面部材に対して橋渡し状に置かれる一対の第3のペーパーアングルを具備し、

前記組立状態では、前記一対の第3のペーパーアングルの山折りの背側の二つの一方の面部が前記天井面の前後の対辺の位置に存在する前記第1のペーパーアングルの他側の面部の内側に倣うように、前記一対の第3のペーパーアングルの山折りの背側の二つの他方の面部が前記天井面の内側に倣うようにそれぞれ配置され、かつ

前記組立状態では、前記支持側面部材の外側になる前記第2のペーパーパネルの一表面に対して片方一側の面部が接着された前記第2のペーパーアングルは、その山折りの背側の二面が、前記天井面の左右の対辺の位置に存在する前記第1のペーパーアングルの他側の面部の内側と前記第3のペーパーアングルの前記一方の面部とにより作られた直角部に当てられることを特徴とする梱包用容器の組み立てキット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はペーパーアングルを利用した梱包用容器の組み立てキットに関する。
【背景技術】
【0002】
梱包用容器には、木製のもの、プラスチック製のもの、金属製のもの、紙製のものがある。紙製の梱包用容器の廃棄は古紙扱いでよいため、ワンウェイ方式の梱包用容器として使われている。
【0003】
ペーパーアングルは、紙製のコーナーアングル補強材とも呼ばれ、被梱包物の稜線部に被せることにより、積重ね、運搬、輸送の際に発生する衝撃による被梱包物の稜線部の傷みを保護するために用いられている。ペーパーアングルは、内側に複数の未晒板紙、ミルクカートン紙、古紙、ストーンペーパー等の表裏面に接着剤を介して段ボール用ライナー厚紙を積層し、長手方向中心線で二つ折りしてL字型に加圧、積層し、常温乾燥した積層紙である。最近では、段ボール用ライナー厚紙を複数の未晒板紙に巻き付けるものもある。ペーパーアングルは耐圧強度が高く、また、ペーパーアングルは段ボール用紙を貼り合わせた100%紙から作られているため、廃棄は古紙扱いで良い。
【0004】
被梱包物の稜線部だけではなく、四隅のコーナーや稜線部の補強が一度に対応できる態様にペーパーアングルを加工することが、例えば特許文献1に示されている。また、ペーパーアングルは、梱包用容器の構造の一部にも利用され、例えば特許文献2には、皿状体を梱包物の上部と底部に配置し、皿状体の四隅と梱包物との間に支柱として夫々ペーパーアングルを用い、梱包用バンドで締め付ける梱包用容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開平3-49963号公報
【文献】実開昭57-58053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
紙製の梱包用容器は、耐圧強度が他の素材に比べて低く、重量物の搬送に使用するのは難しかった。特許文献2の梱包用容器では、ペーパーアングルは、被梱包物と皿状体との間にガタが生じないように挟まれて自立している。逆に言うと、ペーパーアングル自体は、被梱包物が存在しないと支柱として垂直に自立できない。このように、ペーパーアングルは、直方体の形状を有する被梱包物を対象とした梱包用容器の支柱として使用されることがあっても、六面体形状の形状を有さないエンジン等のような重量物の梱包用容器に使用されることがなかった。ましてや、立方体、若しくは直方体となした六側面が覆われた箱形の梱包用容器として、ペーパーアングルがその主要な構成部材であるような梱包用容器はなかった。
【0007】
本発明は前述の問題点を解消するためになされたもので、ペーパーアングルを梱包用容器の主構造とし、不特定形状の重量物の搭載が容易な梱包用容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、六面体の梱包用容器に組み上がる組み立てキットであって、
第1のペーパーアングルの断面L字状の一側の面部に対して、折曲げ位置を基点として90度の放射状に打ち抜き刃で打ち抜き、当該折曲げ位置で第1のペーパーアングルの他側の面部の外側に圧縮によるU字溝を設け、当該U字溝のところで山折りされて一周した囲み枠に、第1のペーパーパネルからなる天井面を接着して形成された上下の蓋部材と、
前記梱包用容器の周囲の四側面の内、対向する二側面を構成する長方形状の第2のペーパーパネルの一対の辺に対して第2のペーパーアングルの断面L字状の片方一側の面部が接着された支持側面部材であって、前記第2のペーパーアングルの内角側において、断面L字状の他方の面部と前記第2のペーパーパネルの一辺端面が間隔(d)を開けるように前記片方一側の面部が前記第2のペーパーパネルの一表面側に接着され、当該間隔(d)により案内溝が形成された左右の支持側面部材と、
前記間隔(d)に相当する厚さを有する長方形状の第3のペーパーパネルからなり、前記梱包用容器の周囲の四側面内、対向する他の二側面を構成する差し込み側面部材とを具備し、
1つの前記蓋部材の凹みを上向きにし、前記天井面の左右の対辺の夫々に沿って前記支持側面部材を置き、前記差し込み側面部材を対向する案内溝に差し込み、その上に他の前記蓋部材を被せて組み立てることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の梱包用容器によれば、ペーパーアングルを梱包用容器の主構造とし、六面体の梱包用容器の各側面は夫々が被梱包物に寄りかかるものではなく自立し、かつ梱包用容器の辺に相当する部分には、ペーパーアングルが配置されているため、構造的に強固である。また、梱包用容器の構成部材は、重ねてコンパクトに収容することができ、使用者への配送が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】梱包用容器の組み立てキットを組み立てる様子を示す図である。
図2】梱包用容器に組み立てキットの構成部品を示す図である。
図3】蓋部材と支持側面部材のより詳細な構成を示す図である。
図4】他の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ペーパーアングルは、長手方向中心線から両側に両者の交差角度が90度になる面部を具備している。本発明では、ペーパーアングルとペーパーパネルとを利用する。本発明の梱包用容器をなす六面体の内、周囲の四側面の中で対向する二側面は、ペーパーパネルの対辺にペーパーアングルを接着する際に案内溝が形成される。使用者が梱包用容器を組み立てる際に、当該四側面の他の二側面が案内溝に嵌まり、四側面が起立される。更に、本発明の梱包用容器の上下の面は、その周囲にペーパーアングルによる短い側板が立設する構成を有しており、短い側板が起立した四側面を包囲することにより、当該四側面の起立状態を安定的に保持する。
【0012】
なお、ペーパーアングルとともに使用されるペーパーパネルは、平らな紙(ライナー)と波状の紙(中しん)が接着剤で貼合されて1つの構造体となっている段ボールパネル若しくは、平らな紙(ライナー)とハニカム構造をもつ紙の中しんが接着剤で貼合されて1つの構造体となっているハニカムボード、若しくは強化段ボール、板紙等である。
【0013】
[実施例1]
以下に本発明の実施例である梱包用容器1を説明する。本実施例における梱包用容器1は、六側面が覆われた、立方体、若しくは直方体となした箱である。
【0014】
図1において、梱包用容器1は、組み立てキットとして使用者に供給され、使用者側で組み立てる。図1は、使用者側における梱包用容器1の組み立て作業の様子を示すものである。梱包用容器1の構造を説明するに当たり、組み立てキットの構成部品を説明する。
【0015】
図2は、梱包用容器1に組み上がる組み立てキットの構成部品を示している。構成部品は、組み立てキットを提供する側で準備される。組み立てキットの各構成部品は、ペーパーアングルそのもの、ペーパーパネルそのもの、及びペーパーアングルとペーパーパネルとを接着したものであり、使用後は古紙扱いで廃棄可能である。具体的には、組み立てキットの構成部品は、上下面を夫々構成する上下の蓋部材2と、ペーパーアングル3と、左右2つの支持側面部材4と、前後2つの差し込み側面部材5とを具備している。
【0016】
蓋部材2は、ペーパーパネルによる長方形状の天井面27の四方の側辺に高さの低い面部24が立設された形状を有している。ペーパーアングル3は、短冊状のペーパーアングルそのものである。支持側面部材4は、側面41の二側辺に支柱42となるペーパーアングルと、後述する案内溝43を有している。差し込み側面部材5は、長方形状のペーパーパネルである。
【0017】
組み立てキットは、コンパクトに重ねられた収容状態PKで使用者に提供される。収容状態PKは、上下に蓋部材2、その内側に支持側面部材4が互いに向き合わせて収容されている。支持側面部材4の支柱42となるペーパーアングルが互いに対向し、これにより作られた空間に、ペーパーアングル3と差し込み側面部材5が配置されている。
【0018】
図3は、蓋部材2と支持側面部材4のより詳細な構成を示している。これらは、使用者に提供する前に予め組み立てられている部材である。図3Aは蓋部材2を作成する過程を示している。蓋部材2は、囲み枠21と天井面27とを接着して形成されている。囲み枠21は、二つのコ字状枠21a、21bとを連結して一周する枠状に作成されている。コ字状枠21a、21bは、ペーパーアングルの断面L字状の一側の面部22に対して、二箇所の折曲げ位置cを基点として90度の放射状に打ち抜き刃で打ち抜き(抜き部23)、当該折曲げ位置cでペーパーアングルの他側の面部24の外側に圧縮によるU字溝25を設け、U字溝25のところで山折りされる。外側にU字溝25を設けることにより、折曲げた角部の外側に亀裂が生じることを避ける。一方、U字溝25を山折りすると、折曲げた角部の内側に紙の盛り上り26が発生することになる。
【0019】
2つのコ字状枠21a、21bは、互いに付き合わされるペーパーアングルの端辺に対して、粘着テープ28を周回させて接着して囲み枠21を構成する。その後、囲み枠21は天井面27と接着されて蓋部材2が形成される。なお、2つのコ字状枠21a、21bを連結して囲み枠21を作成したが、一本のペーパーアングルを途中四箇所で折曲げて一周させることにより囲み枠21を作成しても良い。
【0020】
図3Bは支持側面部材4を作成する過程を示している。支持側面部材4は、一つの長方形状のペーパーパネルが側面41を構成し、所定の長さに切断された2本のペーパーアングルが側面41の一対の辺に対して接着されて支柱42を構成している。ペーパーアングルは、断面L字状の内角と側面41の一辺端面41aが間隔dを開けるように、断面L字状の片方一側の面部42aを側面41の一表面側に接着する。間隔dは、差し込み側面部材5の厚さに相当する。ペーパーアングルの片方他側の面部42bと側面41との一辺端面41aとの間隔dは、差し込み側面部材5が差し込まれる案内溝43として機能する。
【0021】
図1に、梱包用容器1の組み立てキットを組み立てる様子を示す。
使用者においては、収容状態PKを分解し、まず、1つの蓋部材2の面部24で囲まれた凹みを上向きにする。天井面27の前後の対辺に対して、短冊状のペーパーアングル3の山折りの背側が面部24と天井面27とに倣うように配置する。そして、天井面27の左右の対辺の夫々に沿って支持側面部材4を置く。支持側面部材4は、2つのペーパーアングル3の上に橋渡し状に置かれる。支持側面部材4は、ペーパーアングルの支柱42が接着されているため、起立して自立可能である。また、短冊状のペーパーアングル3を蓋部材2に置くことにより、蓋部材2の側板(ペーパーアングルの他側の面部24)とペーパーアングル3の面部との間に直角pを作ることができる。この直角pに、支持側面部材4を当てることにより、支持側面部材4が揺動せずに安定する。
【0022】
差し込み側面部材5を対向する案内溝43に差し込み、2つの支持側面部材4を橋渡しするようにペーパーアングル3を被せる。その上に蓋部材2を被せ、梱包用のバンド(図示せず)により締め付ける。蓋部材2の側面41が支持側面部材4と差し込み側面部材5とを包囲することにより、これらの起立状態を安定的に保持する。以上の組み立てにより、六側面が覆われた箱形の梱包用容器1が完成する。梱包用容器1の六側面は夫々が被梱包物に寄りかかるものではなく自立しており、かつ梱包用容器1の辺に相当する部分には、ペーパーアングルが配置されているため、構造的に強固である。また、梱包用容器1の構成部材は、重ねてコンパクトに収容することができ、使用者への梱包用容器1の配送が容易である。


【0023】
梱包用容器1を開封する際には、上記の逆の手順により解体すれば良い。
なお、蓋部材2の中に、支持側面部材4が安定的に設置されるためには、各構成部材の寸法が所定の関係になっていることが必要である。図2において、いま、前後方向X、左右方向Y、上下方向Zとし、蓋部材2の内側凹部の前後方向、左右方向の長さを夫々長さx1、y1とするとき、短冊状のペーパーアングル3の長さy3は、y1よりもやや短いが、その差はペーパーアングルの面部の幅wを超えない。また、支持側面部材4のx方向、z方向の長さを夫々x2、z2とするとき、x方向の長さx2は、長さx1よりもやや短いが、支持側面部材4を蓋部材2の凹み部に置いたときに盛り上り26に押し付けられる程度にするのが望ましい。差し込み側面部材5のy方向、z方向の長さを夫々y2、z1とするとき、y2はy1よりもやや短いか、その差はペーパーアングルの面部の幅wを超えない。z1はz2とほぼ等しい。
【0024】
上記実施例においては、短冊状のペーパーアングル3を用いたが、これを省略することも可能である。この場合、盛り上がり26に支持側面部材4が直接押し当てられることになり、支持側面部材4の安定性がやや劣ることになる。
【0025】
[実施例2]
上記実施例の梱包用容器1においては、支持側面部材4は、断面L字状の内角とペーパーパネルの一辺端面とが間隔dを開けて案内溝を形成している。これに対して本実施例では、図4Aに示すように、支持側面部材6は、所定の長さに切断された四本のペーパーアングル62と、一つの長方形状のペーパーパネル61を具備している。ペーパーパネル61の対向する一対の辺の各辺に対して、二本のペーパーアングル62を接着剤により貼り付ける。一本のペーパーアングル62の断面L字状の内角にペーパーパネルの一辺端面61aを突き当てて、断面L字状の片方一側の面部62aの内側の面をペーパーパネル61の一表面に貼り付ける。もう一本のペーパーアングル62は、片方一側の面部62aの外側の面をペーパーパネル61の他の表面に対して貼り付ける。その際、ペーパーパネル61の他の表面側に突出した二本のペーパーアングル62の他の面部62bが所定の間隔dだけ離して貼り付けることにより、案内溝63を形成する。
【0026】
そして、梱包用容器を組み立てる際には、実施例1と同様にして組み立てるが、実施例2では差し込み側面部材5を二本のペーパーアングル62により形成された案内溝63に差し込むことになる。このため、案内溝63は実施例1の案内溝43と比べて深く、差し込み側面部材5を安定的に差し込むことができるという効果がある。また、実施例2の梱包用容器によれば、起立しているペーパーアングル62の数が実施例1の梱包用容器の支柱42を構成するペーパーアングルの数の二倍であり、支持側面部材4が単独で自立することができ組み立てやすく、かつより強度の高い梱包用容器を得ることができる。
【0027】
実施例2においては、一本のペーパーアングル62の断面L字状の内角にペーパーパネルの一辺端面61aを突き当てたが、実施例1のように、断面L字状の内角とペーパーパネルの一辺端面61aとが間隔dを開けて、二本のペーパーアングル62による案内溝63に連続するようにしても良い。
【0028】
上記実施例1、2において、支持側面部材4の支柱42となるペーパーアングル、若しくはペーパーアングル62は、左右で分離したペーパーアングルを利用したが、ペーパーアングルをコ字状に折曲げて、左右の支柱42若しくはペーパーアングル62が中央で連続したものであっても良い。例えば、図4Bにおいて、支持側面部材7は、ペーパーパネル71とコ字状枠72(左右の支柱42若しくはペーパーアングル62に相当)とにより構成される。なお、コ字状枠72は、蓋部材2の作成で利用したコ字状枠21a、21bと同様に打ち抜きと折り溝の圧縮により作成することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 梱包用容器
2 蓋部材
3 ペーパーアングル
4 支持側面部材
5 差し込み側面部材
6、7 支持側面部材
21 囲み枠
21a、21b コ字状枠
22、24 面部
23 抜き部
25 U字溝
26 盛り上り
27 天井面
28 粘着テープ
41 側面
41a 一辺端面
42 支柱
42a 面部
42b 面部
43 案内溝
61 ペーパーパネル
61a 一辺端面
62 ペーパーアングル
62a 面部
62b 面部
63 案内溝
71 ペーパーパネル
72 コ字状枠

図1
図2
図3
図4