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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】港湾・海上構造物の防食被覆方法
(51)【国際特許分類】
   B05D 3/00 20060101AFI20240828BHJP
   B05D 3/12 20060101ALI20240828BHJP
   B05D 5/00 20060101ALI20240828BHJP
   B05D 7/00 20060101ALI20240828BHJP
   B05D 7/14 20060101ALI20240828BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20240828BHJP
   C09D 5/08 20060101ALI20240828BHJP
   C09D 7/20 20180101ALI20240828BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20240828BHJP
   C09D 7/65 20180101ALI20240828BHJP
   C09D 163/00 20060101ALI20240828BHJP
【FI】
B05D3/00 F
B05D3/12 Z
B05D5/00 Z
B05D7/00 L
B05D7/14 M
B05D7/14 N
B05D7/24 301U
C09D5/08
C09D7/20
C09D7/61
C09D7/65
C09D163/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019239088
(22)【出願日】2019-12-27
(65)【公開番号】P2021107057
(43)【公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-09-12
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001409
【氏名又は名称】関西ペイント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永吉 沙希
(72)【発明者】
【氏名】▲たか▼宮 浩次
(72)【発明者】
【氏名】川野 澄豊
【審査官】河内 浩志
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-059842(JP,A)
【文献】特開2017-141401(JP,A)
【文献】特開昭57-159569(JP,A)
【文献】特開2019-026843(JP,A)
【文献】国際公開第2017/138168(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/00- 7/26
C09D 1/00- 10/00
101/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
港湾・海上構造物を被塗物として、塗装装置を用いて1回塗装時の乾燥膜厚が0.5mm以上となるように厚膜塗装する防食塗料組成物による防食被覆方法であって、
前記防食塗料組成物は第1成分及び第2成分とからなる2液型塗料組成物であり、第1成分が、エポキシ当量が1700以下のエポキシ樹脂を含み、第2成分がアミノ基含有樹脂を含み、第1成分及び第2成分が、共に顔料分を含み、第1成分及び/又は第2成分が揮発性物質を含み、塗布時の不揮発分濃度が80質量%以上であり、
前記塗装装置が、複数の収容部と、前記複数の収容部に収容された各原料を混合するための混合部と、混合部から輸送された混合塗料を塗装するための塗装部と、を備えてなる、2液混合型エアレススプレー塗装装置である、港湾・海上構造物の防食被覆方法。
【請求項2】
被塗物が、港湾・海上構造物の干満部又は飛沫部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の防食被覆方法。
【請求項3】
エポキシ樹脂が、その成分の一部としてビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びノボラック型エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂を含む、請求項1または2に記載の防食被覆方法。
【請求項4】
エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂の併用物である請求項1~3のいずれか1項に記載の防食被覆方法。
【請求項5】
揮発性物質が、沸点が170℃以下の有機溶剤である、請求項1~4のいずれか1項に記載の防食被覆方法。
【請求項6】
顔料分がその成分の一部として防錆顔料を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の防食被覆方法。
【請求項7】
防食塗料組成物が、ガラス繊維及び/またはガラスフレークを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の防食被覆工法。
【請求項8】
防食塗料組成物の2液混合後のポットライフが、20分間以上2時間未満である、請求項1~7のいずれか1項に記載の防食被覆工法。
【請求項9】
第1成分を収容部に収容し、第2成分を別の収容部に収容して塗装する、請求項1~8のいずれか1項に記載の防食被覆方法。
【請求項10】
防食塗料組成物を2回以上にわけて塗装する、請求項1~9のいずれか1項に記載の防食被覆工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料組成物による港湾・海上構造物の防食被覆方法に関する。
【背景技術】
【0002】
港湾・海上構造物は、補修、更新が困難であるために50~100年の使用を考慮して設計がされている。特に港湾・海上構造物の鋼製部材は、厳しい腐食環境下でも強度が保てるように防食処理が施されている。
【0003】
防食処理としては、電気防食、塗料、ライニング、FRP等で被覆する方法が広く用いられている。なかでも電気防食は鋼製部材が完全に水没する水中部では極めて有効な防食方法である。しかしながら電気防食は、干満部や飛沫部といった鋼製部材が完全に水没しない領域ではその防食作用を十分に発揮できないといわれている。
【0004】
これに対し塗料組成物を用いて被覆する防食処理は、干満部や飛沫部でも有効に防食作用を発揮するが、傷がつきやすいという問題や、塗膜の経年劣化という問題がある。このため、厳しい腐食環境である海上の干満部や飛沫部でも長期に渡って防食性を維持する防食処理方法の開発が必要とされてきた。
【0005】
港湾・海上構造物の防食処理に用いられる塗料組成物としては、液状エポキシ樹脂を含む主剤及びポリアミンを含む硬化剤とからなる2液型塗料組成物がよく知られている(例えば特許文献1など)。特許文献1には記載の塗料組成物が固体プロトン供与体を含むことによって、塗膜形成後に被塗物近傍に酸を除放し、海水中のミネラルの水酸化物による塗膜の付着性低下を抑制できることが記載されている。
【0006】
しかしながら特許文献1記載の塗料組成物は硬化性が不十分であり、塗装時にタレが発生しやすく、また、厚膜に塗装したときには乾燥に要する時間が長いという問題があった。
【0007】
また、特許文献2には、海上構造物の耐食性金属被覆とジンクリッチ被覆との境界部にプライマー塗膜を設け、その上にエポキシ樹脂被覆を設けてなる防食被覆構造が提案されている。特許文献2にはエポキシ樹脂被覆材を乾燥膜厚が2mmとなるように厚膜塗装することが記載されているが、具体的な被覆手段の開示はされていない。
【0008】
一般に、2液型塗料の塗装は塗装を行う前に塗装作業者が主剤と硬化剤を均一になるまで攪拌混合し、得られた混合物を塗装機のホッパータンク(収容部)に入れなければならない(図1参照)。また、塗装対象物が港湾・海上構造物など広範囲である場合には、主剤/硬化剤混合物を大量に用意しておく必要がある。しかしながら、あらかじめ混合物を大量に用意すると塗装されるまでの間に収容物の中で反応が進行してしまい、塗装して得られた塗膜の物性が低下するという問題がある。このため、混合物を調製する回数を増やしたり所望の膜厚になるまで複数回塗り重ねたりする対策を講じる必要が生じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
すなわち本発明は、
項1.
港湾・海上構造物を被塗物として、塗装装置を用いて1回塗装時の乾燥膜厚が0.5mm以上となるように厚膜塗装する防食塗料組成物による防食被覆方法であって、
前記防食塗料組成物は第1成分及び第2成分とからなる2液型塗料組成物であり、第1成分が、エポキシ当量が1700以下のエポキシ樹脂を含み、第2成分がアミノ基含有樹脂を含み、第1成分及び第2成分が、共に顔料分を含み、第1成分及び/又は第2成分が揮発性物質を含み、塗布時の不揮発分濃度が80質量%以上であり、
前記塗装装置が、複数の収容部と、前記複数の収容部に収容された各原料を混合するための混合部と、混合部から輸送された混合塗料を塗装するための塗装部と、を備えてなる塗装装置である、港湾・海上構造物の防食被覆方法、
項2.
被塗物が、港湾・海上構造物の干満部又は飛沫部を含むことを特徴とする、項1に記載の防食被覆方法、
項3.
エポキシ樹脂が、その成分の一部としてビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びノボラック型エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂を含む、項1または2に記載の防食被覆方法、
項4.
エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂の併用物である項1~3のいずれか1項に記載の防食被覆方法、
項5.
揮発性物質が、沸点が170℃以下の有機溶剤である、項1~4のいずれか1項に記載の防食被覆方法、

顔料分がその成分の一部として防錆顔料を含む、項1~5のいずれか1項に記載の防食被覆方法、

防食塗料組成物が、ガラス繊維及び/またはガラスフレークを含む、項1~のいずれか1項に記載の防食被覆法、

防食塗料組成物の2液混合後のポットライフが、20分間以上2時間未満である、項1~のいずれか1項に記載の防食被覆法、

第1成分を収容部に収容し、第2成分を別の収容部に収容して塗装する、項1~のいずれか1項に記載の防食被覆方法、
項1
防食塗料組成物を2回以上にわけて塗装する、項1~のいずれか1項に記載の防食被覆法、
に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、港湾・海上構造物などの広大な面積を有する塗装対象物に対して、極めて厚い膜厚の防食被覆を容易に形成するのに適する防食被覆方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記従来技術の問題点を解決することを課題とする。より特定すれば、本発明は、2液型塗料組成物の塗装において、特定のエポキシ樹脂及びアミノ基含有樹脂を用い塗装時の不揮発分濃度が特定範囲となるように調製すると共に特定の塗装装置を用いて塗装することによって、タレることなく、長期防食に耐えうる厚膜の塗膜を容易に形成することができるものである。
【0012】
すなわち本発明は、
項1.
港湾・海上構造物を被塗物として、塗装装置を用いて1回塗装時の乾燥膜厚が0.5mm以上となるように厚膜塗装する防食塗料組成物による防食被覆方法であって、
前記防食塗料組成物は第1成分及び第2成分とからなる2液型塗料組成物であり、第1成分が、エポキシ当量が1700以下のエポキシ樹脂を含み、第2成分がアミノ基含有樹脂を含み、第1成分及び/又は第2成分が揮発性物質を含み、塗布時の不揮発分濃度が80質量%以上であり、
前記塗装装置が、複数の収容部と、前記複数の収容部に収容された各原料を混合するための混合部と、混合部から輸送された混合塗料を塗装するための塗装部と、を備えてなる塗装装置である、港湾・海上構造物の防食被覆方法、
項2.
被塗物が、港湾・海上構造物の干満部又は飛沫部を含むことを特徴とする、項1に記載の防食被覆方法、
項3.
エポキシ樹脂が、その成分の一部としてビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びノボラック型エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂を含む、項1または2に記載の防食被覆方法、
項4.
エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂の併用物である項1~3のいずれか1項に記載の防食被覆方法、
項5.
揮発性物質が、沸点が170℃以下の有機溶剤である、項1~4のいずれか1項に記載の防食被覆方法、
項6.
防食塗料組成物が顔料分を含む、項1~5のいずれか1項に記載の防食被覆方法、
項7.
顔料分がその成分の一部として防錆顔料を含む、項6に記載の防食被覆方法、
項8.
防食塗料組成物が、ガラス繊維及び/またはガラスフレークを含む、項1~7のいずれか1項に記載の防食被覆工法、
項9.
第1成分及び第2成分が、共に顔料分を含む項6~8のいずれか1項に記載の防食被覆工法、
項10.
防食塗料組成物の2液混合後のポットライフが、20分間以上2時間未満である、項1~9のいずれか1項に記載の防食被覆工法、
項11.
第1成分を収容部に収容し、第2成分を別の収容部に収容して塗装する、項1~10のいずれか1項に記載の防食被覆方法、
項12.
防食塗料組成物を2回以上にわけて塗装する、項1~11のいずれか1項に記載の防食被覆工法、
に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の防食被覆方法によれば、高い塗装作業性が達成され、厚づけの塗膜が容易に得られる。形成された塗膜は常温乾燥の条件でも乾燥性に優れており、海浜などの厳しい環境下においても長期に渡って防食性を発揮することができる。そのため、本防食被覆方法は港湾・海上構造物の防食として極めて適した処理方法である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明において被塗物となる港湾・海上構造物としては、海上又は港湾に築かれている上部構造物を支持材が支えている構造物であり、具体的には桟橋、ドルフィン、護岸、防波堤、岸壁、人工島、沈埋トンネル、海洋上空港、海洋上石油・ガス施設等が挙げられる。特に干満部又は飛沫部を有する構造物である場合に本発明の効果を最大限に発揮することができる。
【0015】
次に本発明防食被覆方法の第1の特徴である防食塗料組成物について以下説明する。
【0016】
防食塗料組成物:
前記防食塗料組成物は第1成分が、エポキシ当量が1700以下のエポキシ樹脂を含み第2成分がアミノ基含有樹脂を含み、第1成分及び/又は第2成分が揮発性物質を含む、2液型塗料組成物である。
【0017】
エポキシ樹脂;
本発明において第1成分はエポキシ樹脂を含む。エポキシ樹脂とは1分子中にエポキシ基を平均2個以上有する樹脂である。
【0018】
本発明方法において、厚膜仕上がり性及び防食性の観点から、前記エポキシ樹脂はエポキシ当量が1700g/eq以下であり、50~1,000g/eq、特に100~800g/eqの範囲内にあることが好適である。
エポキシ当量としては1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数(g/eq)を意味し、メーカー公表値もしくはJIS K 7236に準じて測定されたエポキシ当量を意味する。
【0019】
本発明方法において、第1成分に含まれるエポキシ樹脂はエポキシ当量が上記範囲にある限りいずれの樹脂を使用できるが、具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;上記ビスフェノール型エポキシ樹脂を二塩基酸等で変性したエポキシエステル樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;ポリグリコール型エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル等の脂肪族型エポキシ樹脂、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有アクリルモノマーを構成成分とするエポキシ基含有アクリル樹脂等が挙げられる。これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。特にビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びノボラック型エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂を併用するものであることが好ましい。
【0020】
前記エポキシ樹脂の含有量としては防食塗料組成物不揮発分100質量部を基準として30質量部以上、特に50~90質量部の範囲内が好適である。
【0021】
本明細書において、不揮発分とは揮発成分を除いた残存物を意味するものであり、残存物としては常温で固形状であっても液状であっても差し支えない。例えば試料を105℃、3時間処理して揮発成分を除去した時の残存成分をいう。
【0022】
ビスフェノールA型エポキシ樹脂
前記エポキシ樹脂のうちビスフェノールA型エポキシ樹脂は、例えばビスフェノールAとビスフェノールAのエピクロルヒドリン付加物の縮合生成物またはビスフェノールAの水添物等の多価アルコールとの縮合生成物が挙げられ、「jER825」、「jER827」、「jER828」(以上商品名、三菱ケミカル社製)、「アデカレジンEP-4100」(商品名、アデカ(株)社製)、「エポトートYD-128」(商品名、新日鉄住金化学(株)製)等が市販されている。
【0023】
ビスフェノールF型エポキシ樹脂
ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールFとビスフェノールFのエピクロルヒドリン付加物の縮合生成物またはビスフェノールFの水添物等の多価アルコールとの縮合生成物が挙げられ、「jER806」、「jER806H」、「jER807」(以上商品名、三菱ケミカル(株)社製)EPICLON830、EPICLON835(以上商品名、DIC(株)社製)等が市販されている。
【0024】
ノボラック型エポキシ樹脂
ノボラック型エポキシ樹脂としては1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、且つ、ノボラック構造を有していれば特に制限されないが、例えば、フェノ-ルノボラック樹脂とエピクロルヒドリンとの重縮合物であるフェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラック樹脂とエピクロルヒドリンとの重縮合物であるクレゾールノボラックエポキシ樹脂等が挙げられ、好ましくはフェノールノボラックエポキシ樹脂である。
【0025】
前記防食塗料組成物において、第1成分に含まれるエポキシ樹脂がビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂を併用する場合、その併用割合としては、基材に対する付着性及び厚膜仕上がり性の観点からビスフェノールA型エポキシ樹脂/ビスフェノールF型エポキシ樹脂質量比で5/95~95/5、特に10/90~90/10の範囲内が好適である。
【0026】
アミノ基含有樹脂;
一方、第2成分に含まれるアミノ基含有樹脂としては、一分子中に平均2個以上のアミノ基を有する樹脂であり、脂肪族ポリアミン類、芳香族ポリアミン類、脂肪族ポリアミドアミン類、芳香族ポリアミドアミン類、これらポリアミン類又はポリアミドアミン類を、それぞれエポキシ樹脂と反応させて得られるエポキシアダクト変性物のアミン系樹脂などが挙げられる。中でも、厚膜での仕上がり性の観点から脂肪族ポリアミドアミン類及び/又は芳香族ポリアミドアミン類の使用が好ましい。
【0027】
ここで脂肪族ポリアミン類としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン、及びこれらの変性ポリアミン等が挙げられ、芳香族ポリアミン類としては、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン及びこの変性ポリアミン等が挙げられる。ポリアミドアミン類としては、前記脂肪族又は芳香族ポリアミン類と、ダイマー酸(不飽和脂肪酸の重合物)またはその他のポリカルボン酸類とを反応させることで得られるポリアミドアミン等の生成物及びこの変性ポリアミドアミン等が挙げられる。
【0028】
前記アミノ基含有樹脂は厚膜仕上がり性、防食性の観点から、アミン価が50~500mgKOH/g、特に150~400mgKOH/gの範囲内の樹脂を使用することが好ましい。本明細書においてアミン価は、試料1g中に含まれるアミンを中和するのに要する塩酸と当量の水酸化カリウムの量(mg)であり、メーカー公表値もしくはJIS K 7237に準じて測定されたアミン価を意味する。
【0029】
前記アミノ基含有樹脂の含有量は適宜調整できるが、防食塗料組成物不揮発分100質量部を基準として3質量部以上、特に5~45質量部の範囲内が適当である。
【0030】
揮発性物質;
前記防食塗料組成物は揮発性物質を含む。揮発性物質を含むことにより後述の塗装装置を用いた厚膜塗装の際の塗装作業性に効果がある。揮発性物質としては、塗料分野で使用される有機溶剤或いは水を使用できるが、厚膜時の塗装作業性、仕上がり性の観点から、炭化水素系有機溶剤、アルコール系有機溶剤、エステル系有機溶剤、グリコール系有機溶剤、及びケトン系有機溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤を使用することが好ましい。
炭化水素系有機溶剤としては、例えば、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ターペン、ノルマルデカン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
アルコール系有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tertブタノール、セカンダリーブタノール、イソブタノール、n-ブタノール、メチルイソブチルカルビノールなどが挙げられる。
エステル系有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどが挙げられる。
グリコール系有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノtertブチルエーテルなどが挙げられる。
ケトン系有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルイソアミルケトン、ジイソブチルケトンなどが挙げられる。これらは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
【0031】
前記揮発性物質は厚膜塗装作業性、仕上がり性の点から、沸点が170℃以下のものを使用することが好ましい。揮発成分の含有量は塗布時の防食塗料組成物の不揮発分濃度が後述の範囲内となるように揮発成分それ自体もしくは原材料からの持ち込みにより調整される。
【0032】
顔料分;
本発明においては厚膜塗装作業性に観点から前記防食塗料組成物は顔料分を含むことが好ましい。顔料分としては着色顔料、体質顔料、防錆顔料等が好適に使用される。
【0033】
着色顔料としては、例えば、チタン白、ベンガラ、カーボンブラック、鉄黒、亜鉛華等が挙げられ、体質顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、クレー、タルク、焼成カオリン等を例示することができる。防錆顔料としては、リン酸亜鉛、リン酸マグネシウム、リン酸マグネシウム・アンモニウム共析物、リン酸一水素マグネシウム、リン酸二水素マグネシウム、リン酸マグネシウム・カルシウム共析物、リン酸マグネシウム・コバルト共析物、リン酸マグネシウム・ニッケル共析物、リン酸カルシウム、リン酸カルシウムアンモニウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸塩化フッ化カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸水素アルミニウム等のリン酸系金属化合物;亜リン酸マグネシウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸マグネシウム・カルシウム共析物、塩基性亜リン酸亜鉛、亜リン酸バリウム、亜リン酸マンガン、次亜リン酸カルシウム等の亜リン酸系金属化合物;ケイ酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸アルミニウム、オルトケイ酸アルミニウム、水化ケイ酸アルミニウム、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、ベリロケイ酸塩、ケイ酸アルミニウムカルシウム、ケイ酸アルミニウムナトリウム、ケイ酸アルミニウムベリリウム、ケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸カルシウム、メタケイ酸カルシウム、ケイ酸カルシウムナトリウム、ケイ酸ジルコニウム、オルトケイ酸マグネシウム、メタケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムカルシウム、ケイ酸マンガン、ケイ酸バリウム等のケイ酸金属塩;マグネシウムイオン交換シリカ、カルシウムイオン交換シリカ等の金属イオン交換シリカ系化合物;トリポリリン酸ニ水素アルミニウム、トリポリリン酸マグネシウム、トリポリリン酸アルミニウム、トリポリリン酸二水素亜鉛等の縮合リン酸系金属化合物;五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム、バナジン酸マグネシウム及びメタバナジン酸アンモニウム、酸化マンガンと酸化バナジウムとの焼成物、リン酸カルシウムと酸化バナジウムとの焼成物等のバナジウム系金属化合物;モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム、リンモリブデン酸アルミニウム等のモリブデン酸系金属化合物;亜鉛、酸化亜鉛等の亜鉛系化合物;シリカ、コロイダルシリカ等のシリカ系化合物;酸化鉄と酸化マグネシウムとの複合酸化物、酸化鉄と酸化カルシウムとの複合酸化物、酸化鉄と酸化亜鉛との複合酸化物等の複合金属酸化物等を挙げることができる。以上に例示の顔料は単独で又は2種以上組み合わせたものであってもよい。
【0034】
顔料分の含有量としては、防食塗料組成物不揮発分100質量部を基準として0.1~50質量部が好ましく、より好ましくは2~40質量部である。
また、本発明では長期防食性の観点から、前記顔料分がその成分の一部として防錆顔料を含むことが好ましい。当該防錆顔料を含む場合の防錆顔料の含有量としては、防食塗料組成物不揮発分100質量部を基準として0.1~30質量部が好ましく、より好ましくは1.5~20質量部である。
【0035】
ガラス繊維又はガラスフレーク;
また、前記防食塗料組成物は厚膜時の付着性の観点から、ガラス繊維又はガラスフレークを含んでいてもよい。ガラス繊維としてはアスペクト比が3.5以上、好ましくは4~25の範囲内にあると尚よい。アスペクト比とはガラス繊維の長軸径/短軸径の値であり、ここでいう短軸径および長軸径とは、電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の短軸径および長軸径を測長し、それぞれ平均して求めたものである。ガラス繊維を使用する場合の含有量としては、防食塗料組成物不揮発分100質量部を基準として0.1~30質量部、好ましくは1.5~20質量部の範囲内にあることが適している。
【0036】
本発明においてガラスフレークとは扁平状のガラスをいい、平均粒子径が10~300μmのものを使用することが好ましい。
【0037】
本明細書においてガラスフレークの平均粒子径は、レーザー回折散乱法により測定される体積分布から導かれるメディアン径である。
【0038】
ガラスフレークとしては、市販されているものを使用することができ、具体的には例えば、「RCF-15」、「RCF-140」、「RCF-160」、「RCF-600」、「REF-600」、「RCF-2300」(以上、全て日本板硝子株式会社製)等を挙げることができる。ガラスフレークを使用する場合の含有量としては、防食塗料組成物不揮発分100質量部を基準として0.1~30質量部、好ましくは1.5~20質量部の範囲内にあることが適している。
【0039】
前記防食塗料組成物は、第1成分及び第2成分とからなる2液型塗料組成物であり、第1成分がエポキシ当量が1700以下のエポキシ樹脂を含み、第2成分がアミノ基含有樹脂を含む。第1成分及び第2成分の混合割合としては、後述の塗装装置を用いた塗装作業性、塗料調整がしやすい点から、第1成分:第2成分質量比で10:1~1:1、特に4:1~1:1となる比率が適している。
また、本発明では上記エポキシ樹脂以外の樹脂など改質用樹脂成分;顔料分散剤、表面調整剤、消泡剤、増粘剤、硬化触媒、可塑剤、反応性希釈剤、凍結防止剤、皮張り防止剤、防腐剤等の塗料用添加剤を第1成分又は第2成分あるいは両方に含むことができる。
【0040】
前記第1成分及び第2成分は共に顔料分を含むことが好ましい。第1成分及び第2成分が共に顔料分を含むことによって、厚膜仕上がり性に優れるという効果がある。この場合、第1成分不揮発分中に含まれる顔料分の割合としては0.1~50質量%、特に2~30質量%程度であり、第2成分不揮発分中に含まれる顔料分の割合としては1~70質量%、特に10~60質量%の範囲内が適当である。
【0041】
次に本発明防食被覆方法の第2の特徴である塗装装置について説明する。
【0042】
塗装装置;
本発明防食被覆方法に用いられる塗装装置は、複数の収容部と、前記複数の収容部に収容された各原料を混合するための混合部と、混合部から輸送された混合塗料を塗装するための塗装部と、を備えてなる塗装装置である。
【0043】
図2は、本発明の防食被覆方法に使用される塗装装置の一例を説明するための概略図である。
【0044】
図2に示すように、本発明方法に用いられる塗装装置は2個のホッパータンクを備えている。ホッパータンクの数は使用する原料の数に応じて適宜変更可能である。そして第1成分を第1のホッパータンクに収容し、第2成分を別のホッパータンクに収容して第1成分と第2成分が別々に貯留されるように構成されている。これら2個のホッパータンクにそれぞれ収容された原料は、輸送配管に必要な量が供給されるように制御されており、自重あるいはポンプにより輸送配管に所望の比率で供給される。輸送配管にはスタティックミキサーが備えられており、第1成分と第2成分が均一に混合される。混合液はエアレスポンプ等の手段により塗装ガンに圧送される。塗装ガンのノズル部にはノズルチップが備えられていてもよい。
【0045】
塗装の際には各原料を各ホッパータンクに収容し、混合比率を設定し、スタティックミキサー及びエアレスポンプを稼動させ、ポンプにより加圧し、液圧で混合物を塗装ガンのノズルから霧状に噴射微粒化させることによって、被塗物に塗料を塗着させる。
【0046】
防食被覆方法;
本発明の防食被覆方法では厚膜仕上がり性の点から、第1成分及び第2成分の2液混合後の防食塗料組成物の塗装時の不揮発分濃度が80質量%以上、特に90質量%以上、特に95質量%以上となるように調整される。ここで塗布時の不揮発分濃度とは、前記塗装装置の塗装部先端から抜き取った塗料を試料とし、その試料の不揮発分濃度を測定することにより得られる。試料の量は1.0グラム、乾燥条件としては105℃、3時間である。また、本発明方法で用いられる防食塗料組成物は第1成分及び第2成分の2液を混合した後のポットライフが20分間以上で且つ2時間未満であることができる。ポットライフとは2液混合後に使用できる最長の時間である。本明細書では2液混合前の各成分の温度を20℃に調整して測定するものとする。
【0047】
前記防食塗料組成物の塗布量としては適宜変えることができるが、長期防食性の点から、1回の塗装で得られる乾燥膜厚で0.5mm以上であり、0.5~2.5mmの範囲内が適している。また、塗装回数は1回でもよいが、2回以上に分けて塗装することが好ましい。形成塗膜の乾燥は、常温乾燥で行うことができるが必要に応じて強制乾燥を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1図1は、従来の防食被覆方法に使用されてきた塗装装置を説明するための概略図である。
図2図2は、本発明の防食被覆方法に使用される塗装装置の一例を説明するための概略図である。
【実施例
【0049】
以上本発明を実施例によりさらに具体的に説明をするが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。尚、下記例中の「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
【0050】
<防食塗料組成物の製造>
製造例1~19
容器に、表1の主剤部分に記載の各成分を配合し、攪拌混合することにより主剤成分(を得た。別の容器に、表1の硬化剤部分に記載の各成分を配合し、攪拌混合して硬化剤成分とし、2液型の防食塗料組成物(A-1)~(A-19)を得た。
【0051】
【表1】
【0052】
(注1)液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂:エポキシ当量190
(注2)液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂:エポキシ当量190
(注3)固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂:エポキシ当量475
(注4)固形ノボラック型エポキシ樹脂:固形状、エポキシ当量170
(注5)固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂:エポキシ当量2000
(注6)防錆顔料1:サイロマスク22MR-H マグネシウムイオン含有シリカ系防錆顔料
(注7)防錆顔料2:NP1055C 亜リン酸Ca・酸化亜鉛系防錆顔料
(注8)ガラス繊維:アスペクト比20、
(注9)ガラスフレーク:平均粒子径160μm、
(注10)キシレン:沸点139℃、
(注11)アミン1:芳香族系ポリアミドアミン、アミン価360
(注12)アミン2:脂肪族系ポリアミドアミン、アミン価360
(注13)アミン3:脂肪族系ポリアミドアミン、アミン価200。
【0053】
<塗装>
実施例1
2つのタンク、コンプレッサー、スタティックミキサー、エアレスポンプ及び塗装ガンを備えた塗装機A(GRACO社製2液混合型エアレススプレー塗装機「XP-50」)を用意し、1つのタンクに主剤を、別のタンクに硬化剤をそれぞれ入れた後、主剤用タンク及び硬化剤用タンクからの原料供給比率を2:1となるように設定した後、塗装機を稼働し、スタティックミキサーで混合しながら、大きさが1平方メートルの鋼板に1次圧3MPa、ガン距離45cmの条件で乾燥膜厚が1mmとなるように塗装を行った。
1回目の塗装終了後、室温にて48時間養生後、その上に乾燥膜厚が1mmとなるように2回目の塗装を同様に行い、常温で7日間乾燥させ、最終の乾燥膜厚が2mmの塗膜を有する試験板を得た。
【0054】
実施例2~15、比較例1及び2
上記実施例1において、使用する主剤及び硬化剤組成を表1記載の通りとする以外は上記実施例と同様にして塗装を行った。
【0055】
実施例16及び比較例3
上記実施例1において1回の乾燥膜厚を表1記載の膜厚となるように調整する以外は実施例1と同様の手順にして試験板を得た。
【0056】
実施例17及び18
実施例1において、使用する主剤及び硬化剤組成を表1記載の通りとし、塗装を2回にわけずに1回で行う以外は実施例1と同様の手順で試験板を得た。塗装機Aによる塗装終了後は常温で7日間乾燥させ乾燥膜厚2mmの塗膜を形成させた。
【0057】
比較例4
容器に、表1記載の主剤、硬化剤部分に記載の各成分を入れ、ハンドミキサーで均一になるまで攪拌混合し、塗装用調製物を得た。
1つのタンク、コンプレッサー、エアレスポンプ及びエアレスガンを備えた、図1タイプの塗装機B(アネスト岩田製エアレス塗装装置ALS-653)を用意し、備え付けのタンクに上記調製物を入れ、大きさが1平方メートルの鋼板に1次圧3MPa、ガン距離45cmの条件で乾燥膜厚が2mmとなるように塗装を行った。この塗装ではタンクの中の調製物が経時で増粘してしまい、塗装は可能ではあったが、塗装途中でスプレー孔で噴出される塗料の微粒化が悪くなってしまった。
【0058】
(*)ポットライフ
主剤及び硬化剤を混合後20℃で放置して、スプレー塗装可能限界粘度に達するまでの時間(分)を測定した。表中数値が大きいほど良好である。
(*)仕上がり性
上記実施例及び比較例で得られた各試験板の外観を目視評価した。
◎:非常に良好
〇:良好
△:塗膜表面に若干粗さあり
×:塗膜表面にピンホール、ブツなどの欠陥あり。
(*)付着性
エルコメーター社製アドヒージョンテスターを用い、プルオフ付着試験を行った。各試験板の測定位置をサンドペーパーで軽く研磨して清浄にし、接着剤を用いてテスター端子に貼り付ける。端子周辺の塗膜をカッターで切断し、テスターで端子を引き剥がし、その時の強度(MPa)と塗膜状態を観察した。
◎:7Mpa以上でありかつ塗膜の凝集破壊
○:3MPa~7Mpaで、かつ塗膜の凝集破壊
△:2~3Mpaで凝集破壊又は、3MPaを超えるが塗膜の層間剥離
×:2MPa未満で凝集破壊、又は、3MPa未満で層間剥離
(*)防食性
実施例及び比較例で得られた各試験板を40℃の人口海水中に6ヶ月間浸漬し、塗膜状態を観察した。
◎:浸漬前後で全く変化なし。
○:浸漬後にフクレが認められるが、錆は発生していない
△:浸漬後に1から5箇所の錆発生部が認められる
×:浸漬後に5ヶ所を超える錆発生部が認められる。
図1
図2